(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】水上太陽光発電用浮遊構造物
(51)【国際特許分類】
H02S 10/40 20140101AFI20220408BHJP
B63B 35/00 20200101ALI20220408BHJP
【FI】
H02S10/40
B63B35/00 T
(21)【出願番号】P 2021028163
(22)【出願日】2021-02-25
【審査請求日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0183890
(32)【優先日】2020-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516357351
【氏名又は名称】テックウィン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TECHWIN Co., LTD
【住所又は居所原語表記】(Songjeong-dong) 60, Jikji-daero 474beon-gil, Heungdeok-gu, Cheongju-si, Chungcheongbuk-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョン シク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ヒョン ス
(72)【発明者】
【氏名】リ,ドン ヨプ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ビョン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヨン ジュン
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-173710(JP,A)
【文献】国際公開第2019/161561(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1450846(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1765057(KR,B1)
【文献】特開2010-074130(JP,A)
【文献】特開2002-118275(JP,A)
【文献】国際公開第2019/026128(WO,A1)
【文献】特開2001-189486(JP,A)
【文献】特開2019-137383(JP,A)
【文献】特表2020-512237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/072
H01L 31/18-31/20
H01L 51/42-51/48
H02S 10/00-10/40
H02S 30/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に配列された少なくとも一つの主浮力体、および、少なくとも一つの補助浮力体を含み、縦方向に配列された2以上の単位ライン、
前記主浮力体の底面が前記補助浮力体の底面より低く位置するように前記主浮力体および前記補助浮力体を連結する連結部材、および、
隣接した前記単位ラインに含まれた2以上の前記補助浮力体を縦方向に連結する踏み台、を含み、
前記主浮力体および前記補助浮力体の少なくとも一末端は、それぞれこれらのうち2以上を締結するための第1締結部および第2締結部を含み、
前記連結部材は支持部および前記支持部の両末端に備えられた第3締結部を含み、
前記主浮力体の底面は前記単位ラインに対して垂直及び水平方向に形成された第1及び第2凹入部を含み、
前記第1~第3締結部のうち少なくとも一つの少なくとも一面は少なくとも一つの凹溝を含む、水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項2】
前記第1および第2凹入部のうち少なくとも一つの上面は前記補助浮力体の底面より高く位置する、請求項1に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項3】
前記連結部材は前記単位ラインに含まれた前記主浮力体および前記補助浮力体を横方向に連結し、
前記
第3締結部の延長線と前記支持部がなす角度(θ)は90°以下である、請求項1に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項4】
前記連結部材は隣接した前記単位ラインを縦方向に連結する、請求項1に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項5】
前記連結部材のうち前記主浮力体および前記補助浮力体と対向する両側端は、それぞれ互いに反対方向に折り曲げられて形成された「コ」字状の折り曲げ部を含む、請求項4に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項6】
前記支持部は金属板で形成された、請求項1に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項7】
前記支持部は長さの異なる2以上の金属板が積層されたリーフスプリングで形成された、請求項1に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項8】
前記支持部は中心部から両末端方向に向かって厚さが減少する樹脂製のリーフスプリングで形成された、請求項1に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項9】
前記踏み台および前記補助浮力体は少なくとも一つの軸を中心に回転する第4締結部によって結合される、請求項1に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項10】
前記第1~第3締結部のうち2以上が重なった部位に挿入され、
第1ヘッド部、シャンク部(shank)および第1ねじ部(thread)を含み、
前記第1ヘッド部、シャンク部(shank)および第1ねじ部(thread)を貫通する中空の内壁のうち少なくとも一部に、前記中空の円周方向に既設定された間隔で形成された2以上の補強リブが備えられた連結ピンをさらに含む、請求項1に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項11】
前記連結ピンは前記シャンク部の外周面に位置して前記シャンク部を補強する補強部材をさらに含む、請求項10に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項12】
前記補強部材の直径は前記第1ねじ部の直径より大きく、
前記補強部材の一末端は直径が次第に減少しながら前記第1ねじ部まで延長されたテーパー部をさらに含む、請求項11に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項13】
前記補強部材の他末端は円周方向に形成されて前記連結ピンの前記第1ヘッド部を補強する補強フランジを含む、請求項12に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項14】
前記連結ピンは前記補強リブと接触した状態で前記中空に挿入されて前記シャンク部を補強するコア補強材をさらに含む、請求項10に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項15】
前記コア補強材は第2ヘッド部および前記第2ヘッド部から延びた胴体部を含む、請求項14に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項16】
前記第1ヘッド部のうち、前記第1~第3締結部のうち少なくとも一つと対向する面は円周方向に形成された少なくとも一つの第1突起を含む、請求項10に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【請求項17】
前記連結ピンは前記第1ねじ部に締結されたナットをさらに含み、
前記ナットのうち、前記第1~第3締結部のうち少なくとも一つと対向する面は円周方向に形成された少なくとも一つの第2突起を含み、
前記ナットの内周面は第2ねじ部および前記第2ねじ部より直径が大きい平滑部を含む、請求項10に記載の水上太陽光発電用浮遊構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水上太陽光発電用浮遊構造物に関する。この作業は、大韓民国産業通商資源部から財源を与えられた韓国エネルギー技術評価院(KETEP)の再生可能エネルギーのコア技術のサポートを受けた(1415169143、20203040010240、「海上太陽光発電システムLCOE低コスト化のための部品素材の国産化開発と実証」)。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は太陽の光エネルギーを電気エネルギーに転換する電気化学素子である。光電効果を利用して発電させる最小単位をセル(cell)といい、複数のセルを直列または並列に連結して電力を発生させるものを太陽光モジュールという。
【0003】
太陽光発電所は、複数の太陽光モジュールを直列または並列に連結した状態で装着された構造物の集合体である。このような太陽光発電所は一般的に陸上に設置することになるが、これによって莫大な敷地の購入および施工費用が必要とされ、主に山を削って敷地として使うことになるため環境が破壊される。また、陸上に設置することになると、夏の時期には地熱によって太陽光モジュールが加熱されて太陽光モジュールが効果的に冷却され得ず、これは太陽光モジュールの発電効率を低下させる要因となる。
【0004】
このような問題を解決するために、太陽光モジュールを湖、川、池、ダム、海洋などの水上に設置する水上太陽光発電システムが開発されている。このような水上太陽光発電システムは、浮漂とともに水面に設置される複数の太陽光モジュールが配置された複数の水上太陽光発電浮遊構造物を利用した発電システムである。
【0005】
前記浮遊構造物は互いに堅固な状態で連結されなければならない。前記浮遊構造物は太陽光モジュールを固定した状態で水面に浮かんでいる太陽光モジュール固定用主浮力体と、前記主浮力体の浮力を補完し必要に応じて太陽光モジュールの周辺を作業者が移動できるように水面に設置される補助浮力体を含み、前記主浮力体および前記補助浮力体は所定の連結部材によって互いに連結され得る。
【0006】
前記主浮力体および前記補助浮力体はそのうち一部が水に浸った状態を維持するため、連結された浮力体がなす内側空間には水が閉じ込められることになる。このような内側空間に閉じ込められた水は移動、流れ、循環などが遮断されるため、前記内側空間に流入した汚物が前記内側空間の外部に抜け出ずに停滞する問題があり、このような汚物が太陽光モジュールに付着する場合、エネルギー生産効率を低下させる問題がある。
【0007】
また、水温が上昇する夏期の場合、太陽光モジュールの温度上昇および周辺の輻射熱の増加によって水上太陽光発電システムをなす浮力体の隣接部に緑藻が発生、深化する問題がある。
【0008】
一方、このような太陽光発電システムが海上に適用される場合、湖、貯水池のような淡水に適用された場合に比べて、気候変化、波の強度、高さなどによって太陽光モジュールを支持する浮力体に印加される荷重が相対的に大きく増加し得、これに伴い、通常プラスチックまたは合成樹脂で製造された浮力体が波のような外部衝撃によって破損、損傷する恐れがあり、前記浮力体が大きく破損する場合、太陽光モジュールに提供される浮力、支持力が喪失されて太陽光モジュールが水没され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、水上太陽光発電システムの周辺に発生し得る環境汚染の憂慮を払拭させるとともに、外力に対する抵抗性、耐久性が改善した水上太陽光発電用浮遊構造物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面は、横方向に配列された少なくとも一つの主浮力体および少なくとも一つの補助浮力体を含み、縦方向に配列された2以上の単位ライン、前記主浮力体の底面が前記補助浮力体の底面より低く位置するように前記主浮力体および前記補助浮力体を連結する連結部材、および、隣接した前記単位ラインに含まれた2以上の前記補助浮力体を縦方向に連結する踏み台を含み、前記主浮力体および前記補助浮力体の少なくとも一末端はそれぞれこれらのうち2以上を締結するための第1締結部および第2締結部を含み、前記連結部材は支持部および前記支持部の両末端に備えられた第3締結部を含む、水上太陽光発電用浮遊構造物を提供する。
【0011】
一実施例において、前記主浮力体の底面は前記単位ラインに対して垂直方向に形成された第1凹入部を含むことができる。
【0012】
一実施例において、前記主浮力体の底面は前記単位ラインに対して水平方向に形成された第2凹入部を含むことができる。
【0013】
一実施例において、前記第1および第2凹入部のうち少なくとも一つの上面は前記補助浮力体の底面より高く位置することができる。
【0014】
一実施例において、前記連結部材は前記単位ラインに含まれた前記主浮力体および前記補助浮力体を横方向に連結することができ、前記締結部の延長線と前記支持部がなす角度θは90°以下であり得る。
【0015】
一実施例において、前記連結部材は隣接した前記単位ラインを縦方向に連結することができる。
【0016】
一実施例において、前記連結部材のうち前記主浮力体および前記補助浮力体と対向する両側端は、それぞれ互いに反対方向に折り曲げられて形成された「コ」字状の折り曲げ部を含むことができる。
【0017】
一実施例において、前記第1~第3締結部のうち少なくとも一つの少なくとも一面は少なくとも一つの凹溝を含むことができる。
【0018】
一実施例において、前記支持部は金属板で形成され得る。
【0019】
一実施例において、前記支持部は長さの異なる2以上の金属板が積層されたリーフスプリングで形成され得る。
【0020】
一実施例において、前記支持部は中心部から両末端方向に向かって厚さが減少する樹脂製のリーフスプリングで形成され得る。
【0021】
一実施例において、前記踏み台および前記補助浮力体は少なくとも一つの軸を中心に回転する第4締結部によって結合され得る。
【0022】
一実施例において、前記第1~第3締結部のうち2以上が重なった部位に挿入され、第1ヘッド部、シャンク部(shank)および第1ねじ部(thread)を含み、前記第1ヘッド部、シャンク部(shank)および第1ねじ部(thread)を貫通する中空の内壁のうち少なくとも一部に、前記中空の円周方向に既設定された間隔で形成された2以上の補強リブが備えられた連結ピンをさらに含むことができる。
【0023】
一実施例において、前記連結ピンは前記シャンク部の外周面に位置して前記シャンク部を補強する補強部材をさらに含むことができる。
【0024】
一実施例において、前記補強部材の直径は前記第1ねじ部の直径より大きくてもよく、前記補強部材の一末端は直径が次第に減少しながら前記第1ねじ部まで延長されたテーパー部をさらに含むことができる。
【0025】
一実施例において、前記補強部材の他末端は円周方向に形成されて前記連結ピンの前記第1ヘッド部を補強する補強フランジを含むことができる。
【0026】
一実施例において、前記連結ピンは前記補強リブと接触した状態で前記中空に挿入されて前記シャンク部を補強するコア補強材をさらに含むことができる。
【0027】
一実施例において、前記コア補強材は第2ヘッド部および前記第2ヘッド部から延びた胴体部を含むことができる。
【0028】
一実施例において、前記第1ヘッド部のうち、前記第1~第3締結部のうち少なくとも一つと対向する面は円周方向に形成された少なくとも一つの第1突起を含むことができる。
【0029】
一実施例において、前記連結ピンは前記第1ねじ部に締結されたナットをさらに含み、前記ナットのうち、前記第1~第3締結部のうち少なくとも一つと対向する面は円周方向に形成された少なくとも一つの第2突起を含み、前記ナットの内周面は第2ねじ部および前記第2ねじ部より直径が大きい平滑部を含むことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一側面に係る水上太陽光発電用浮遊構造物は、主浮力体、補助浮力体、前記主浮力体の底面が前記補助浮力体の底面より低く位置するように前記主浮力体および前記補助浮力体を連結する連結部材を含む2以上の単位ラインが並列配置され、隣接した前記単位ラインに含まれた2以上の前記補助浮力体を互いに連結する踏み台を含むことによって、水上太陽光発電システムの周辺に発生し得る環境汚染の憂慮を払拭させるとともに、外力に対する抵抗性、耐久性を改善することができる。
【0031】
また、前記水上太陽光発電用浮遊構造物の各構成を締結する連結ピンおよび前記連結部材の素材、構造等を通して前記水上太陽光発電用浮遊構造物の外力に対する抵抗性、耐久性をさらに改善することができる。
【0032】
本発明の効果は前記した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明または特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含むものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の一実施例に係る水上太陽光発電用浮遊構造物の平面図である。
【
図2】
図1のA-A’方向から見た水上太陽光発電用浮遊構造物の側面図である。
【
図3】
図1のA-A’方向から見た水上太陽光発電用浮遊構造物の側面図である。
【
図4】
図1のB-B’方向から見た水上太陽光発電用浮遊構造物の側面図である。
【
図8】本発明の他の一実施例に係る水上太陽光発電用浮遊構造物の平面図である。
【
図9】
図8のA-A’方向から見た水上太陽光発電用浮遊構造物の側面図である。
【
図10】本発明の他の一実施例に係る連結部材を示す。
【
図12】本発明の一実施例に係る連結部材の支持部を示す。
【
図15】本発明の一実施例に係る連結ピンの補強部材を示す。
【
図16】本発明の一実施例に係るコア補強材およびこれを含む連結ピンを示す。
【
図17】本発明の他の一実施例に係るコア補強材およびこれを含む連結ピンを示す。
【
図18】本発明の一実施例に係る補強部材とコア補強材を含む連結ピンを示す。
【
図19】本発明の他の一実施例に係る連結ピンおよびナットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では、添付した図面を参照して本発明を説明することにする。しかし、本発明は多様な異なる形態で具現されることができ、したがって、ここで説明する実施例に限定されるものではない。そして、図面で本発明を明確に説明するために説明と係わらない部分は省略しており、明細書全体を通じて類似する部分に対しては類似する図面符号を付した。
【0035】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとする時、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その間に他の部材を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに具備できることを意味する。
【0036】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明することにする。
【0037】
本発明の一側面に係る水上太陽光発電用浮遊構造物は、横方向に配列された少なくとも一つの主浮力体および少なくとも一つの補助浮力体を含み、縦方向に配列された2以上の単位ライン、前記主浮力体の底面が前記補助浮力体の底面より低く位置するように前記主浮力体および前記補助浮力体を連結する連結部材、および、隣接した前記単位ラインに含まれた2以上の前記補助浮力体を縦方向に連結する踏み台を含むことができ、前記主浮力体および前記補助浮力体の少なくとも一末端はそれぞれこれらのうち2以上を締結するための第1締結部および第2締結部を含むことができ、前記連結部材は支持部および前記支持部の両末端に備えられた第3締結部を含むことができる。
【0038】
図1は本発明の一実施例に係る水上太陽光発電用浮遊構造物の平面図であり、
図2は
図1のA-A’方向から見た水上太陽光発電用浮遊構造物の側面図である。
図1および
図2を参照すると、本発明の一実施例に係る水上太陽光発電用浮遊構造物は、横方向に配列された少なくとも一つの主浮力体10および少なくとも一つの補助浮力体20を含み、縦方向に配列された2以上の単位ラインUが並列配置され得、前記主浮力体10の底面が前記補助浮力体20の底面より低く位置するように前記主浮力体10および前記補助浮力体20を連結する連結部材30を含むことができ、隣接した前記単位ラインUに含まれた2以上の前記主浮力体10および/または補助浮力体を縦方向に連結する踏み台40を含むことができる。
【0039】
前記主浮力体10はその上部に設置される太陽光モジュールを固定、支持するのに必要な浮力を提供することができる。前記主浮力体10の少なくとも一末端は、後述する連結ピンが挿入され得る一つ以上の第1締結部(10a、
図11参照)を含むことができる。
【0040】
前記補助浮力体20はその上部に設置される前記踏み台40を固定、支持するのに必要な浮力を提供することができる。また、
図2を参照すると、前記補助浮力体20の底面は前記主浮力体10の底面よりh
1だけ高く位置することができ、前記h
1は前記主浮力体10および前記補助浮力体20の乾舷を確保できる範囲で適切に設定され得る。
【0041】
前記補助浮力体20はその底面が(海)水面と接触しない状態で位置することができるため、前記補助浮力体20と(海)水面の間の空間(
図1の経路(1))に水および/または空気が移動、循環され得る。前記補助浮力体20の少なくとも一末端は、後述する連結ピンが挿入され得る一つ以上の第2締結部(20a、
図11参照)を含むことができる。
【0042】
一方、前記主浮力体10および前記補助浮力体20の規格、素材、形態、構造などは互いに同じでもよく、必要に応じて、これらののうち少なくとも一つを変更して適用してもよい。
【0043】
前記連結部材30は前記主浮力体10の底面が前記補助浮力体20の底面より低く位置するように単一の前記単位ラインUに含まれた前記主浮力体10および前記補助浮力体20を横方向に連結したり、単一の前記連結部材30は隣接した2以上の前記単位ラインUを縦方向に連結するものの、前記単一の連結部材30によって縦方向に連結された前記単位ラインUに含まれた前記主浮力体10および前記補助浮力体20を横方向に連結することができる。後者の場合、単一の前記連結部材30の両末端に位置する前記第3締結部(33a、
図10参照)に隣接した2個の単位ラインUに含まれたそれぞれの前記主浮力体10および前記補助浮力体20の前記第1および第2締結部(10a、20a、
図11参照)が結合され得るため、前記水上太陽光発電用浮遊構造物の構築に必要な連結部材の数とそれによる経済的な負担を減らすことができる。
【0044】
前記連結部材30も(海)水面と接触しない状態で位置することができるため、前記連結部材30と(海)水面の間の空間(
図1の経路(2))に水および/または空気が移動、循環され得る。前記連結部材30の少なくとも両末端は、後述する連結ピンが挿入され得る一つ以上の第3締結部(32、33、33a、
図6、
図7、
図10、
図11参照)を含むことができる。
【0045】
前記踏み台40は隣接した前記単位ラインUに含まれた2以上の前記補助浮力体20を互いに連結して、作業者に対して前記単位ラインU間の移動経路を提供することができる。前記踏み台40はその底面が(海)水面と接触しない状態で位置することができるため、前記踏み台40と(海)水面の間の空間(
図1の経路(5))に水および/または空気が移動、循環され得る。
【0046】
前記踏み台40および前記補助浮力体20は少なくとも一つの軸を中心に回転する第4締結部(図示されず)によって結合され得る。前記第4締結部は前記踏み台40および前記補助浮力体20が互いに少なくとも1個の軸、好ましくは、2個の軸、さらに好ましくは3個の軸を中心に回転するように構成され得る。特に、前記第4締結部は前記踏み台40および前記補助浮力体20が互いに3個の軸を中心に回転するように構成され得、この場合、前記踏み台40および前記補助浮力体20が結合された状態で前記踏み台40および前記補助浮力体20に6自由度(6 Degrees Of Freedom)が確保され得るため、外力およびそれによる応力に対する抵抗性と耐久性がさらに改善され得る。
【0047】
前記主浮力体10および/または前記補助浮力体20は、その内部空間が空いているプラスチック射出物、好ましくは、ポリオレフィン樹脂を含むプラスチック射出物、さらに好ましくは、ポリエチレン樹脂を含むプラスチック射出物であり得る。
【0048】
必要に応じて、前記内部空間は一つ以上の隔壁で区画されて前記主浮力体10および/または前記補助浮力体20の耐久性を向上させることができ、隔壁によって区画される複数の内部空間のうちいずれか一つが破損しても前記主浮力体10および/または前記補助浮力体20が全体的に浮力を喪失することを防止することができる。また、前記隔壁によって区画される複数の内部空間のうち少なくとも一部、好ましくは、内部空間全体を任意の浮力体で充填することによって、前記主浮力体10および/または前記補助浮力体20の表面が破損しても前記主浮力体10および/または前記補助浮力体20が全体的に浮力を喪失することを防止することができる。
【0049】
図3は、
図1のA-A’方向から見た水上太陽光発電用浮遊構造物の側面図である。
図3を参照すると、前記主浮力体10の底面は前記単位ラインUに対して垂直方向に形成された第1凹入部11を含むことができる。前記第1凹入部11はその上面が(海)水面と接触しない状態で位置することができるため、前記上面と(海)水面の間の空間(
図1の経路(3))に水および/または空気が移動、循環され得る。前記第1凹入部11は前記主浮力体10の耐久性と乾舷を考慮して適切な規格で設計され得る。
【0050】
図4は、
図1のB-B’方向から見た水上太陽光発電用浮遊構造物の側面図である。
図4を参照すると、前記主浮力体10の底面は前記単位ラインUに対して水平方向に形成された第2凹入部12を含むことができる。必要に応じて、前記第2凹入部12は前記第1凹入部11と組み合わせられ得、この場合、前記第2凹入部12は前記第1凹入部11に対して垂直方向に形成され得る。前記第2凹入部12はその上面が(海)水面と接触しない状態で位置することができるため、前記上面と(海)水面の間の空間(
図1の経路(4))に水および/または空気が移動、循環され得る。前記第2凹入部12は前記主浮力体10の耐久性と乾舷を考慮して適切な規格で設計され得る。
【0051】
図3を参照すると、前記第1および第2凹入部11、12のうち少なくとも一つの上面は前記補助浮力体20の底面より高く位置することができる。すなわち、前記補助浮力体20の底面は前記主浮力体10の底面よりh
1だけ高く位置することができ、前記第1および第2凹入部11、12のうち少なくとも一つの上面は前記補助浮力体の底面よりh
2だけ高く位置することができる。
【0052】
海上で前記主浮力体10および/または前記補助浮力体20の乾舷は気候変化、波の強度、高さなどにより変わり得、特に、極限な気候条件ではこのような乾舷を適切に確保し難い問題がある。また、乾舷を確保するために海水面の下に浸る部分の体積を増やす場合、例えば、前記主浮力体10および前記補助浮力体20の底面がすべて海水面の下に浸る場合、前記単位ラインUに対して垂直方向に水と空気が円滑に移動、循環できないため、海水汚染による負担が加重され得る。
【0053】
これに対し、前記主浮力体10と前記補助浮力体20の底面、および前記第1および/または第2凹入部11、12の上面の高さを前記のように設計することによって、極限な気候条件でも前記主浮力体10の底面、前記補助浮力体20の底面、および前記第1および/または第2凹入部11、12の上面が順次海水面の下に浸るようにすることができ、特に、前記主浮力体10および前記補助浮力体20の底面が海水面の下に浸った状態で、乾舷を適切に確保しながらも前記第1および/または第2凹入部11、12を通じて水と空気を適切に移動、循環させることができる。
【0054】
図5は
図2のC領域に対する拡大図であり、
図6は、本発明の一実施例に係る連結部材を示す。
図5および
図6を参照すると、前記連結部材30は前記単位ラインUに含まれた前記主浮力体10および前記補助浮力体20を横方向に連結することができ、前記連結部材30は支持部31および前記支持部の両末端に備えられた第3締結部32、33を含むことができ、前記第3締結部32、33の延長線Lと前記支持部31がなす角度θは90°以下、好ましくは、60°以下であり得る。
【0055】
前記第3締結部32、33の延長線Lと前記支持部31がなす角度θは、前記主浮力体10および/または前記補助浮力体20の規格、前記主浮力体10および/または前記補助浮力体20の少なくとも一末端に備えられた第1および/または第2締結部の位置、前記連結部材30のうち前記支持部31の長さなどによって適切に調節され得る。
【0056】
ただし、前記角度θが90°を超過すると、前記支持部31および前記支持部の両末端に備えられた第3締結部32、33が一体に形成された場合、前記第3締結部32、33が過度に折り曲げられ得、このような過度な折り曲げは折り曲げ部の強度を顕著に低下させ得、長期間の間前記折り曲げ部に堆積した汚染物質を除去し難い問題がある。
【0057】
図7は、
図2のD領域に対する拡大図である。
図7を参照すると、前記補助浮力体20の前記第2締結部20aは前記連結部材30の前記第3締結部33a上に位置することができ、前記第2および第3締結部に備えられた少なくとも一つの通孔に所定の連結ピン50が挿入され得、前記連結ピンのねじ部に所定のナット60が締結され得る。必要に応じて、前記連結ピン50のヘッド部および/またはナット60の気密性とそれによる結合力を強化できるワッシャー70が前記ヘッド部および前記ナット間の任意の位置に介在され得る。前記ワッシャー70の表面は後述する締結部の凹溝、連結ピンの突起、および/またはナットの突起を収容できる凹凸構造を具備することができる。前記連結ピン50および前記ナット60については後述することにする。
【0058】
図8は、本発明の他の一実施例に係る水上太陽光発電用浮遊構造物の平面図である。
図9は、
図8のA-A’方向から見た水上太陽光発電用浮遊構造物の側面図である。
図8および
図9を参照すると、本発明の一実施例に係る水上太陽光発電用浮遊構造物は、横方向に配列された少なくとも一つの主浮力体10および少なくとも一つの補助浮力体20を含み、縦方向に配列された2以上の単位ラインUが並列配置され得、前記主浮力体10の底面が前記補助浮力体20の底面より低く位置するように前記主浮力体10、前記補助浮力体20および前記単位ユニットUを同時に連結する連結部材30’を含むことができ、隣接した前記単位ラインUに含まれた2以上の前記主浮力体10および/または補助浮力体を縦方向に連結する踏み台40を含むことができる。すなわち、単一の前記連結部材30’が隣接した前記主浮力体10および前記補助浮力体20を横方向に連結するだけでなく、隣接した前記単位ユニットUを縦方向に同時に連結することができる。
【0059】
図10は、本発明の他の一実施例に係る連結部材を示す。
図10を参照すると、前記連結部材30’は支持部の両末端に備えられた第3締結部33aを含むことができ、前記第3締結部33aの延長線Lと支持部がなす角度θは0°であり得る。すなわち、前記連結部材30’の前記支持部および前記締結部33aは同一平面上に存在し得る。
【0060】
前記連結部材30’のうち前記主浮力体10および前記補助浮力体20と対向する両側端は、それぞれ互いに反対方向に折り曲げられて形成された「コ」字状の折り曲げ部35を含むことができる。前記「コ」字状の折り曲げ部35は、前記主浮力体10および前記補助浮力体20の前記第1および第2締結部10a、20aが挿入される、好ましくは、嵌合される空間を提供して、前記第1および第2締結部10a、20aおよび前記連結部材30’の結合力を改善するのに寄与することができる。また、前記「コ」字状の折り曲げ部35が前記連結部材30’の両側端の全領域に連続的に形成される場合、前記連結部材30’の強度および耐久性が改善され得る。
【0061】
図11は、
図9のC’領域に対する拡大図である。
図11を参照すると、前記連結部材30’の左側に位置し、上向き折り曲げられた前記「コ」字状の折り曲げ部35に前記補助浮力体20の前記第2締結部20aが差し込まれ、前記連結部材30’の右側に位置し、下向き折り曲げられた前記「コ」字状の折り曲げ部35に前記主浮力体10の前記第1締結部10aが差し込まれた状態で前記第1~第3締結部に備えられた少なくとも一つの通孔に所定の連結ピン50が挿入され得、前記連結ピンのねじ部に所定のナット60が締結され得る。必要に応じて、前記連結ピン50のヘッド部および/またはナット60の気密性とそれによる結合力を強化できるワッシャー70が前記ヘッド部および前記ナット間の任意の位置に介在され得る。前記連結ピン50および前記ナット60については後述することにする。
【0062】
前記連結部材30、30’の前記支持部31は金属板、好ましくは、既設定された弾性を有する金属板であり得る。前記浮遊構造体が海上に適用される場合、前記金属板が弾性を有さないと気候変化、波の強度、高さなどにより前記主浮力体10および/または前記補助浮力体20に印加される荷重を適切に緩衝することができず、このような荷重が臨界値を超過すると前記連結部材30、30’に亀裂が発生したり前記連結部材30、30’が破損する恐れがある。また、このような連結部材30、30’の破損が連鎖的に起きる場合、前記浮遊構造体のメンテナンスに対する負担が加重され得る。
【0063】
図12は、本発明の一実施例に係る連結部材の支持部を示す。
図12(a)を参照すると、前記支持部31は長さの異なる2以上の金属板が積層されたリーフスプリングで形成され得る。前記リーフスプリングに含まれた単一の金属板も既設定された弾性を有することができる。前記リーフスプリングに含まれた金属板はその上部および下部に位置した他の金属板の剛性を補完することができる。また、金属板の積層位置とそれによるリーフスプリングの部位別厚さを調節することによって、作用荷重領域によるスプリング定数を可変させることができる。
【0064】
図12(b)を参照すると、前記支持部31は中心部から両末端方向に向かって厚さが減少する樹脂製のリーフスプリングで形成され得る。前記支持部31の中心部の厚さを末端の厚さに比べて厚く設計することによって、気候変化、波の強度、高さなどにより前記支持部31に印加される引力および/または斥力に対する抵抗性が向上し得る。このような厚さ勾配は
図12(a)でのように既設定された曲率を有する形態および/または直線の形態で連続的に付与され得、一つ以上の段差を通じて不連続的に付与されてもよい。
【0065】
前記樹脂製のリーフスプリングは繊維強化プラスチック(FRP)を含む樹脂を使って製造され得る。前記樹脂製のリーフスプリングは、製造上金属製リーフスプリングとは異なってスプリングの長さにより断面積を変化させることができる。また、単一の板でありながらも金属製のリーフスプリングと同等な性能を具現することができ、軽量化効果を最大化することができる。
【0066】
前記支持部31が長さの異なる2以上の金属板が積層されたリーフスプリングで形成されたり、中心部から両末端方向に向かって厚さが減少する樹脂製のリーフスプリングで形成される場合、前記支持部31のうち厚さの厚い中心部は前記連結部材30、30’に加えられる荷重を適切に緩衝して前記浮遊構造物の耐久性を改善するのに寄与することができる。
【0067】
図13および
図14は、本発明の一実施例に係る連結ピンを示す。
図7、
図11、
図13および
図14を参照すると、前記連結ピンは前記第1~第3締結部10a、20a、32、33、33aのうち2以上が重なった部位に挿入され得、一定の領域で備えられた第1ヘッド部50a、シャンク部(shank)51および第1ねじ部(thread)52を含むことができ、前記第1ヘッド部50a、シャンク部51および第1ねじ部52を貫通する中空の内壁のうち少なくとも一部に、前記中空の円周方向に既設定された間隔で形成された2以上の補強リブ53を具備することができる。
【0068】
前記シャンク部51および前記補強リブ53は前記連結ピン40の強度を高めることによって、外力によって前記連結ピン50が破損することを適切に防止することができる。前記補強リブ53はその厚さと長さが前記シャンク部51の範囲だけ拡大されて前記連結ピン50に剛性を付与することができる。
【0069】
図15は、本発明の一実施例に係る連結ピンの補強部材を示す。
図15(a)を参照すると、前記連結ピン50は前記シャンク部51の外周面に位置して前記シャンク部51の剛性をさらに補強する円筒状の補強部材54をさらに含むことができる。前記補強部材54は前記連結ピン50の前記シャンク部51に挿入されたり、前記シャンク部51と一体に備えられて前記連結ピン50を補強するものであって、前記補強部材54の規格は前記シャンク部51全体をカバーできるように設計され得る。好ましくは、前記補強部材54の直径、具体的には、外径は前記第1ねじ部52の直径より大きくてもよい。また、前記補強部材54が前記シャンク部51に挿入される場合、前記補強部材54の内径は前記シャンク部51の直径と実質的に同一であり得る。
【0070】
図15(b)を参照すると、前記補強部材54の他の実施例として、編み笠状補強部材55が前記シャンク部51の外周面に挿入され得る。前記編み笠状補強部材55は下端部に円周方向に沿って補強フランジ55aが形成されて前記連結ピン50の前記第1ヘッド部50aを覆うことによって、前記連結ピン50の前記第1ヘッド部50aの剛性をさらに補強することができる。
【0071】
前記補強部材54、55はプラスチックおよび/または金属で形成され得る。前記補強部材54、55は円筒状のリングで形成されて前記連結ピン50のうち前記シャンク部51に挿入されたり、前記シャンク部51と一体に備えられて前記シャンク部51の剛性をさらに補強することができる。
【0072】
図16は、本発明の一実施例に係るコア補強材およびこれを含む連結ピンを示す。
図16を参照すると、前記連結ピン50は前記シャンク部51の内側に前記補強リブ53と接触した状態で、前記連結ピン50の前記中空に挿入されて前記シャンク部51とこれを含む前記連結ピン50の全体的な剛性をさらに補強するコア補強材56をさらに含むことができる。前記コア補強材56はピンの形状のプラスチックおよび/または金属で形成され得、前記連結ピン50の前記中空に挿入および固定されて前記連結ピン50の内部を補強することができる。
【0073】
図16(a)を参照すると、前記コア補強材56は円板状の第2ヘッド部56aと前記第2ヘッド部から延びた円筒状の胴体部56bを含むことができる。
図16(b)を参照すると、前記コア補強材56の前記胴体部56bは前記補強リブ53がなす前記連結ピン50の前記中空に挿入されて前記連結ピン50の内部をさらに補強することができる。前記コア補強材56の前記第2ヘッド部56aを圧入して前記コア補強材56を前記連結ピン50の内側に堅固に固定させることができる。
【0074】
図17は、本発明の他の一実施例に係るコア補強材およびこれを含む連結ピンを示す。具体的には、
図17(a)は本発明の他の一実施例に係るコア補強材を示し、
図17(b)は前記コア補強材が前記連結ピンに結合される方式を示し、
図17(c)は前記コア補強材が前記連結ピンの内部に完全に挿入されて固定された状態を示す。
【0075】
図17(a)を参照すると、前記コア補強材57は円板状の第2ヘッド部57a、前記第2ヘッド部57aから延びた円筒状の胴体部57b、および前記胴体部57bの端部に段57cが形成されて前記補強リブ53に係止されて固定される固定部57eを含むことができ、前記固定部57eは前記胴体部57bの端部が前記胴体部57bの中心方向に容易に変形されるようにする複数の切開部57dを具備することができる。
【0076】
図17(b)および
図17(c)を参照すると、前記コア補強材57は、前記胴体部57bは前記切開部57dがすぼまった状態で前記連結ピン50の前記中空に挿入され、完全に挿入された前記胴体部57bの前記切開部57dがすぼまる前の円形を回復して前記固定部57eが前記補強リブ53の端部に係止されて固定されることにより、前記コア補強材57が前記連結ピン50から抜け出なくなる。前記コア補強材57は端部に形成された固定部57eを通じて前記連結ピン50に挿入された状態を堅固に維持することができる。
【0077】
図18は、本発明の一実施例に係る補強部材とコア補強材を含む連結ピンを示す。
図18を参照すると、前記連結ピン50は前記シャンク部51の外周面に前記補強部材54が挿入されたり前記補強部材54が一体に備えられ得、前記シャンク部51の内側に前記コア補強材56が挿入されて前記シャンク部51を補強する構造を有することができる。すなわち、前記連結ピン50を補強するために前記シャンク部51を囲む前記補強部材54が備えられ得、前記連結ピン50の内側を補強する前記コア補強材56が備えられ得る。
【0078】
前記シャンク部51と前記補強部材54は前記連結ピン50の外側を補強することができ、前記補強リブ53に接触した状態で前記連結ピン50の前記中空に挿入および固定された前記コア補強材56は前記連結ピン50の内側を補強することができるため、前記連結ピン50のせん断強度を最大化することができる。
【0079】
図19は、本発明の他の一実施例に係る連結ピンおよびナットを示す。
図19(a)を参照すると、前記補強部材54の一末端は直径が次第に減少しながら前記第1ねじ部52まで延びたテーパー部54aをさらに含むことができる。前記テーパー部54aは前記連結ピン50を前記第1~第3締結部のうち少なくとも一つに挿入するにおいて、前記連結ピン50の前記第1ねじ部52および前記シャンク部51の外周面に備えられた前記補強部材54が順次円滑に挿入されるようにするとともに、前記連結ピン50と前記締結部の結合力をさらに補強することができる。
【0080】
図20は、
図11のE領域に対する拡大図である。
図19および
図20を参照すると、前記第1ヘッド部50aのうち、前記第1~第3締結部10a、20a、32、33、33aのうち少なくとも一つと対向する面は円周方向に形成された少なくとも一つの第1突起50bを含むことができ、前記第1~第3締結部10a、20a、32、33、33aのうち少なくとも一つの少なくとも一面は少なくとも一つの凹溝21を含むことができる。
【0081】
前記第1ヘッド部50aに備えられた前記第1突起50bは、前記連結ピン50が前記締結部に挿入された状態で前記締結部の少なくとも一面に含まれた前記凹溝21に挿入されて前記連結ピン50および前記締結部を互いに固定させることができるため、前記連結ピン50が前記締結部に挿入された状態で発生し得る不要な隙間および/または回転を防止することができる。
【0082】
また、前記第1~第3締結部10a、20a、32、33、33aのうち少なくとも一つの少なくとも一面が既設定された規格および間隔で形成された2以上の凹溝を含む場合、前記第1~第3締結部10a、20a、32、33、33aのうち少なくとも一つの少なくとも一面はこのような凹溝の間に既設定された規格および間隔で形成された一つ以上の突起を必然的に含む。例えば、前記第1締結部および第2締結部を互いに積層乃至結合する場合、前記第1締結部の一面に形成された凹溝は前記第2締結部のうち前記凹溝と対向する一面に形成された突起を収容して、前記連結ピン50が挿入されていない状態でも前記主浮力体および前記補助浮力体を既設定された位置に互いに固定させることができる。
【0083】
図19(b)を参照すると、前記連結ピン50は前記第1ねじ部52に締結されたナット60をさらに含むことができ、前記ナットのうち、前記第1~第3締結部のうち少なくとも一つと対向する面は円周方向に形成された少なくとも一つの第2突起61を含むことができ、前記ナット60の内周面は前記連結ピン50の前記第1ねじ部52と互いに締結される第2ねじ部62および前記第2ねじ部62より直径が大きい平滑部63を含むことができる。
【0084】
前記ナット60のうち、前記第1~第3締結部のうち少なくとも一つと対向する面に備えられた前記第2突起61は、前記ナット60が前記連結ピン50に締結された状態で前記締結部の少なくとも一面に含まれた前記凹溝21に挿入されて前記ナット60および前記締結部を互いに固定させることができるため、前記ナット60が前記締結部と締結された状態で発生し得る不要な隙間および/または回転を防止することができる。
【0085】
前記平滑部63の直径は前記第2ねじ部62の直径より大きいため、前記ナット60が前記連結ピン50の前記第1ねじ部52を通り過ぎて前記シャンク部51および/または前記補強部材54まで進入され得る。この場合、前記連結ピン50の前記シャンク部51および/または前記補強部材54に締結された少なくとも一つの締結部の全体の厚さが、前記シャンク部51および/または前記補強部材54の高さより小さくても前記ナット60が前記締結部と接触する位置まで進入して前記締結部を完全に固定することができる。
【0086】
前述した本発明の説明は例示のためのものであって、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変形可能であることを理解できるであろう。したがって、前述した実施例はすべての面において例示的なものであって、限定的ではないものと理解されるべきである。例えば、単一型として説明されている各構成要素は分散されて実施され得、同様に分散されたものとして説明されている構成要素も結合された形態で実施され得る。
【0087】
本発明の範囲は後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態も本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0088】
10:主浮力体
11:第1凹入部
12:第2凹入部
20:補助浮力体
30、30’:連結部材
31:支持部
10a:第1締結部
20a:第2締結部
32、33、33a:第3締結部
21:凹溝
35:「コ」字状の折り曲げ部
40:踏み台
50:連結ピン
50a:第1ヘッド部
50b:第1突起
51:シャンク部
52:第1ねじ部
53:補強リブ
54:補強部材
54a:テーパー部
55:編み笠状補強部材
55a:補強フランジ
56:コア補強材
56a:第2ヘッド部
56b:胴体部
57:コア補強材
57a:第2ヘッド部
57b:胴体部
57c:段
57d:切開部
57e:固定部
60:ナット
61:第2突起
62:第2ねじ部
63:平滑部
70:ワッシャー
【要約】 (修正有)
【課題】水上太陽光発電システムの周辺に発生し得る環境汚染の憂慮を払拭させるとともに、外力に対する抵抗性、耐久性が改善した水上太陽光発電用浮遊構造物を提供する。
【解決手段】横方向に配列された少なくとも一つの主浮力体10および少なくとも一つの補助浮力体20を含み、縦方向に配列された2以上の単位ライン、主浮力体の底面が補助浮力体の底面より低く位置するように主浮力体および補助浮力体を連結する連結部材30、および、隣接した単位ラインに含まれた2以上の補助浮力体を縦方向に連結する踏み台40を含み、主浮力体および補助浮力体の少なくとも一末端はそれぞれこれらのうち2以上を締結するための第1締結部および第2締結部を含み、連結部材は支持部および支持部の両末端に備えられた第3締結部を含む水上太陽光発電用浮遊構造物を提供する。
【選択図】
図1