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<図1>
  • 特許-液剤含有水供給装置 図1
  • 特許-液剤含有水供給装置 図2
  • 特許-液剤含有水供給装置 図3
  • 特許-液剤含有水供給装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】液剤含有水供給装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/03 20060101AFI20220408BHJP
   E03D 11/02 20060101ALI20220408BHJP
   E03C 1/046 20060101ALI20220408BHJP
   E03C 1/084 20060101ALI20220408BHJP
   E03D 13/00 20060101ALN20220408BHJP
【FI】
E03D9/03
E03D11/02 Z
E03C1/046
E03C1/084
E03D13/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018206958
(22)【出願日】2018-11-01
(65)【公開番号】P2020070668
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2020-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000178583
【氏名又は名称】山崎産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390005212
【氏名又は名称】株式会社トーカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095522
【弁理士】
【氏名又は名称】高良 尚志
(72)【発明者】
【氏名】隈下 勝弘
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-138420(JP,A)
【文献】特開2007-000837(JP,A)
【文献】実開平01-137371(JP,U)
【文献】特開2009-155848(JP,A)
【文献】特開平11-221594(JP,A)
【文献】実開平05-013529(JP,U)
【文献】特開2008-138378(JP,A)
【文献】特開2014-100686(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0080109(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/00-9/16
E03D 11/00-13/00
E03C 1/046
E03C 1/084
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一時的な水流による下流側への水の供給を繰り返し行うための所定水流管路の一部に、下流に向かう噴流を噴出するための噴出部と、その噴出部を径方向間隙を介して包囲する包囲外周部を有し、
前記包囲外周部に、当該包囲外周部に供給される液剤が流れる液剤供給管路の先端部が開口し、
前記液剤供給管路における前記包囲外周部に開口する先端部よりも上流側の側周部に、当該液剤供給管路を流れる液剤が気泡を含むものとするための外部に連通する通気部が設けられ
前記液剤供給管路における前記通気部よりも上流側に逆流防止部が設けられていることを特徴とする液剤含有水供給装置。
【請求項2】
上記液剤供給管路における上記逆流防止部が上流への逆流を防ぐものである請求項1記載の液剤含有水供給装置。
【請求項3】
上記包囲外周部は、上記噴出部から噴流として噴出する水流の少なくとも噴出部側の部分を、径方向間隙を介して包囲するものである請求項1又は2記載の液剤含有水供給装置。
【請求項4】
上記噴出部が、下流に向かって管路断面積が漸次縮小するノズル状部の先端に開口するものである請求項1乃至3の何れか1項に記載の液剤含有水供給装置。
【請求項5】
上記噴出部が、少なくとも先端部が包囲外周部に包囲された空間内に下流に向かって突出した部分の突出端部に設けられている請求項1乃至4の何れか1項に記載の液剤含有水供給装置。
【請求項6】
上記通気部の吸気抵抗を複数段階又は無段階に調節し得る調節部を有する請求項1乃至5の何れか1項に記載の液剤含有水供給装置。
【請求項7】
上記液剤供給管路は、先端部が包囲外周部に開口し、基端部は液剤供給源に通じるものであり、その液剤供給源から液剤供給管路を介して包囲外周部に包囲された空間内に液剤が供給され得る請求項1乃至6の何れか1項に記載の液剤含有水供給装置。
【請求項8】
上記液剤供給管路が供給する液剤が洗浄液である請求項1乃至7の何れか1項に記載の液剤含有水供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流側における高水圧水道管等に取り付けられたフラッシュバルブの作動等により、水洗式の小便器等に殺菌剤や洗浄液剤等を含有する液剤含有水を供給するための、液剤含有水供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第4215114号公報には、液体薬剤を溜める薬剤タンク8と、両端が薬剤タンク8に接続された循環経路5と、循環経路5内の液体薬剤を循環経路5内に循環させる循環ポンプ7と、上記循環経路5から分岐して洗浄水流路3内に連通する分岐経路6とを備え、上記循環経路5内を循環する液体薬剤を分岐経路6を経て洗浄水流路3内に供給するための薬剤供給手段を設けると共に、一端が外気に開放され他端が洗浄水流路3の空気混入部23a内に開放された空気供給路26を備えた空気混入手段を設けた洗浄水吐出装置1が開示されている。
【0003】
この洗浄水吐出装置は、洗浄水に対し先ず空気供給路26からの空気を吸引混入し、その後、循環ポンプ7により循環経路5内を循環する液体薬剤を、分岐経路6を介して洗浄水に混入し、吐出するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4215114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、一時的な水流によって、気泡を含んだ液剤を洗浄水に効率良く吸引混合して供給することができる液剤含有水供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液剤含有水供給装置は、次のように表すことができる。
【0007】
(1) 一時的な水流による下流側への水の供給を繰り返し行うための所定水流管路の一部に、下流に向かう噴流を噴出するための噴出部と、その噴出部を径方向間隙を介して包囲する包囲外周部を有し、
前記包囲外周部に、液剤供給管路の先端部が開口し、
前記液剤供給管路における前記包囲外周部に開口する先端部よりも上流側の側周部に、外部に連通する通気部が設けられていることを特徴とする液剤含有水供給装置。
【0008】
包囲外周部によって径方向間隙を介して包囲された噴出部が、所定水流管路における一時的な水流を、下流に向かう噴流として噴出すると、前記包囲外周部に液剤供給管路の先端部が開口するため、その開口を通じて、液剤供給管路内の液剤が包囲外周部により包囲された内方部に吸引される。
【0009】
而も、液剤供給管路における包囲外周部に開口する先端部よりも上流側の側周部に、外部に連通する通気部が設けられているので、前記吸引により液剤供給管路内を先端部の開口に向かって流れる液剤には、その通気部を通じて空気が混合し、気泡を含んだ液剤となる。
【0010】
そのため、吸引され、気泡を含んだ液剤と、噴出部から噴出した水流は、混合して気泡を含んだ液剤含有水となり、下流側へ供給されるので、気泡を含むことによる効果(例えば、液剤が洗浄液剤である場合に気泡を含むことによる良好な洗浄効果)が生じる。
【0011】
また、液剤供給管路における包囲外周部に開口する先端部よりも上流側の側周部に、外部に通じる通気部が設けられていることにより、液剤供給管路内の通気部に臨む部分が外気(一般には大気)に通じるので、前記一時的な水流の噴出部からの噴出が停止した場合に、液剤供給管路内のうち通気部に臨む位置よりも上流側における液剤が液剤供給管路の先端部開口を通じて流出してしまうことが防がれる。
【0012】
(2) 上記液剤供給管路における通気部の上流側に逆流防止部が設けられた上記(1)記載の液剤含有水供給装置。
【0013】
(3) 上記包囲外周部は、上記噴出部から噴流として噴出する水流の少なくとも噴出部側の部分を、径方向間隙を介して包囲するものである上記(1)又は(2)記載の液剤含有水供給装置。
【0014】
(4) 上記噴出部が、下流に向かって管路断面積が漸次縮小するノズル状部の先端に開口するものである上記(1)乃至(3)の何れか1項に記載の液剤含有水供給装置。
【0015】
(5) 上記噴出部が、少なくとも先端部が包囲外周部に包囲された空間内に下流に向かって突出した部分の突出端部に設けられている上記(1)乃至(4)の何れか1項に記載の液剤含有水供給装置。
【0016】
(6) 上記通気部の吸気抵抗を複数段階又は無段階に調節し得る調節部を有する上記(1)乃至(5)の何れか1項に記載の液剤含有水供給装置。
【0017】
(7) 上記液剤供給管路は、先端部が包囲外周部に開口し、基端部は液剤供給源に通じるものであり、その液剤供給源から液剤供給管路を介して包囲外周部に包囲された空間内に液剤が供給され得る上記(1)乃至(6)の何れか1項に記載の液剤含有水供給装置。
【0018】
(8) 上記液剤供給管路が供給する液剤が洗浄液である上記(1)乃至(7)の何れか1項に記載の液剤含有水供給装置。
【発明の効果】
【0019】
本発明の液剤含有水供給装置においては、吸引され、気泡を含んだ液剤と、噴出部から噴出した水流は、混合して気泡を含んだ液剤含有水となり、下流側へ供給されるので、気泡を含むことによる効果が生じる。液剤供給管路における包囲外周部に開口する先端部よりも上流側の側周部に、外部に通じる通気部が設けられていることにより、液剤供給管路内の通気部に臨む部分が外気に通じるので、一時的な水流の噴出部からの噴出が停止した場合に、液剤供給管路内のうち通気部に臨む位置よりも上流側における液剤が液剤供給管路の先端部開口を通じて流出してしまうことが防がれる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】液剤含有水供給装置の説明断面図である。
図2】別の液剤含有水供給装置の斜視図である。
図3】回転切り替えコックの斜視図である。
図4】保持部に保持された回転切り替えコック及び液剤供給管路の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[1] 本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図面は何れも本発明の液剤含有水供給装置の実施の形態の例についてのものである。
【0022】
(1) この洗浄液剤含有水供給装置は、水洗式の小便器等に用いるものであり、所定水流管路Aと液剤供給管路Bを備える。
【0023】
(2) この例の所定水流管路Aは、上方から下方に向かう水流方向において、順に、一定内径の円筒状をなす上流直管部S、ノズル状部N、ノズル状部Nの下半部とノズル状部Nの下端に開口する噴出部Jの外周側を同心状に径方向間隙を介して包囲する包囲管部E、及び、一定内径の円筒状をなす下流直管部Tからなる。
【0024】
ノズル状部Nの内周面は、下流に向かって管路断面積が漸次縮小するように管路の軸線を中心とする円錐台状をなし、その下端は噴出部Jとして下方に開口する。ノズル状部Nの先端部は、包囲管部E内に同心状に突出する。
【0025】
包囲管部Eの内周面は、ノズル状部Nの下端部の外周側の縮径箇所E1において下流側に向かって円錐台状に縮径し、その上側及び下側は一定内径の円筒状をなす包囲外周部Eaを構成する。
【0026】
上流直管部Sの上流側は高水圧水道管(図示を略す)に連結され、その高水圧水道管に取り付けられたフラッシュバルブ(図示を略す)の作動により、所定水流管路Aを介して、一時的な水流による、下流側の水洗式の小便器(図示を略す)への水の供給が繰り返し行われる。
【0027】
ノズル状部Nの下端に開口する噴出部Jは、所定水流管路Aにおける一時的な水流を、下流に向かう噴流として下方に噴出する。その噴流の少なくとも基部(噴出部J側の部分)は、径方向間隙を介して包囲外周部Eaにより同心状に包囲される。
【0028】
(3) 液剤供給管路Bは、合成樹脂製パイプからなり、端部側である上部は水平状をなし、基部側である下部は垂直状に洗浄液剤タンクR内に挿通されている。
【0029】
洗浄液剤タンクRは液剤供給管路B及び外気流入用逆止弁M以外は密封された状態で洗浄液剤が貯留される。
【0030】
この例における液剤供給管路Bの横断面積は包囲外周部Eaの内側の横断面積の約6%である。
【0031】
液剤供給管路Bの先端開口部B1は、包囲外周部Eaに開口する。液剤供給管路Bにおける先端開口部B1よりも管路直径の1.5倍程度上流側の側周上部には、外部(大気)に通じる通気孔P(通気部)が設けられている。
【0032】
液剤供給管路Bにおける通気孔Pの上流側におけるその通気孔Pの管路位置に臨む位置に、上流への逆流を防ぐ液剤逆止弁Vが設けられている。
【0033】
(4) 上流直管部Sの上流側の高水圧水道管に取り付けられたフラッシュバルブが作動することにより、ノズル状部Nの下端に開口する噴出部Jは、所定水流管路Aにおける一時的な水流を、下流に向かう噴流として下方に噴出する。
【0034】
その噴流により、液剤供給管路B内の液剤が、液剤逆止弁Vを経、包囲外周部Eaに開口する液剤供給管路Bの先端開口部B1を通じて、包囲外周部Eaにより包囲された内方部であるノズル状部Nと包囲管部Eの径方向間隙部に吸引される。
【0035】
先端開口部B1を通じて吸引される洗浄液剤には、液剤供給管路Bに設けられた通気孔Pを通じて空気が混合するので、気泡を含んだ洗浄液剤と噴出部Jから噴出した水流が混合し、気泡を含んだ良好な洗浄効果を有する洗浄液剤含有水となり、下流側の水洗式の小便器へ供給される。なお、通気孔Pが、保持部Hに回転可能に保持された回転切り替えコックCにおける、断面積が異なる3種の通気管路Lの何れか及び保持部Hの孔部H1を通じて外部に通じるものとすることにより、液剤の流量及びその液剤に通気孔Pを通じて空気が混合する量を必要に応じ調節し得るものとすることができる。
【0036】
一時的な水流の噴出部Jからの噴出が停止した場合においても、包囲外周部Eaの内側やノズル状部N内の少なくとも一部に残った水が下流側へ(例えば比較的に緩やかに)流れ得る。その流れに伴い、液剤供給管路B内の洗浄液剤が、液剤供給管路Bの先端開口部B1を通じて包囲外周部Eaの内側に流れ出ることが生じ得るが、先端開口部B1の上流側の側周上部に、外部に通じる通気孔Pが設けられていることにより、液剤供給管路B内の通気孔Pに臨む部分が外気(大気)に通じ、更に、その上流側に液剤逆止弁Vが設けられているので、液剤供給管路B内のうち通気孔Pに臨む位置よりも上流側における洗浄液剤が液剤供給管路Bの先端開口部B1を通じて流出してしまうこと、及び、そのような流出により液剤供給管路Bの上流部から一旦洗浄液剤がなくなり、次回の所定水流管路Aにおける一時的な水流による噴流によって十分な洗浄液剤が先端開口部B1を通じて吸引され難くなることが防がれる。
【0037】
[2] 本発明の実施の形態を、上記以外の形態を含めて更に説明する。
【0038】
(1) 本発明の液剤含有水供給装置は、所定水流管路と液剤供給管路を備える。
【0039】
(2) 所定水流管路は、一時的な水流による下流側への水の供給を、繰り返し行うためのものである。
【0040】
所定水流管路における一時的な水流は、例えば、その所定水流管路の上流側における高水圧水道管等に取り付けられたフラッシュバルブの作動や手動による水栓の開閉等により、繰り返し生じさせることができる。
【0041】
所定水流管路の下流側においてその所定水流管路から水が供給されるのは、一般には、水洗式の小便器又は大便器であるが、これに限るものではない。
【0042】
(3) 所定水流管路の一部(例えば水流方向における一箇所)には、噴出部と包囲外周部を有する。
【0043】
噴出部は、所定水流管路における一時的な水流を、下流に向かう噴流として噴出する。噴出の向きは、例えば下向き又は水平方向とすることができるが、必ずしもこれに限るものではない。
【0044】
包囲外周部は、その噴出部を、径方向間隙を介して包囲する。従って、包囲外周部は、その噴出部から噴流として噴出する水流の少なくとも噴出部側の部分を、径方向間隙を介して包囲することとなる。
【0045】
(3-1) 噴出部としては、例えば、下流に向かって管路断面積が漸次縮小する(又は漸次縮小する部分を有する)ノズル状部の先端に開口するものを挙げることができる。
【0046】
ノズル状部の内周面は、管路の軸線を中心とする円錐台状若しくはその他の(任意回数又は複数回)回転対称状又はその他の形状で、下流に向かって管路断面積が漸次縮小するものとすることができる。
【0047】
なお、下流に向かって管路断面積が漸次縮小するノズル状部は、内部の横断面積が、水流方向(軸線方向)の全ての部分において下流に向かって縮小するものに限らず、例えば、中間部や先端部の一方又は両方に一定横断面積又は一定内径の部分を有していてもよい。
【0048】
(3-2) 包囲外周部は、例えば、一定断面の筒状とすること若しくは水流方向(軸線方向)の一部又は全部の断面が下流に向かって縮小する筒状とすること又はその他の形状の筒状とすることができる。
【0049】
噴出部(例えばノズル状部)は、例えば、少なくともその先端部が前記のような包囲外周部に包囲された空間内に下流に向かって突出した部分の突出端部(好ましくはその中央部)に設けることや、前記のような包囲外周部に包囲された空間内に突出せずに開口するものとすることができる。
【0050】
(4) 液剤供給管路は、包囲外周部に包囲された空間内に液剤を供給するために、その先端部が、包囲外周部に開口する。液剤供給管路の先端部は、包囲外周部に対し水平方向又は下向きに開口するものとすることができるが、必ずしもこれに限るものではない。
【0051】
液剤供給管路は、合成樹脂製パイプや金属製パイプ等の管状体により形成することができるが、これに限るものではない。
【0052】
液剤供給管路の(例えば、全部[全長]又は先端部側の部分[例えば先端部から液剤供給管路の先端部の横断面積の少なくとも5乃至10倍又は5乃至20倍の部分]の)横断面積は、包囲外周部の内側の横断面積よりも小さいもの(例えば、包囲外周部の内側の横断面積の1乃至20%或いは1乃至10%)とすることができる。
【0053】
液剤供給管路は、先端部(下流側の端部)が包囲外周部に開口し、基端部(上流側の端部)は、液剤タンクや液剤槽等の液剤供給源に通じるものであり、その液剤供給源から液剤供給管路を介して包囲外周部に包囲された空間内に液剤が供給され得るものとすることができる。
【0054】
液剤供給管路が供給する液剤は、例えば、水を供給する対象である便器等を洗浄するための洗浄液とすることができるが、これに限るものではない。例えば、殺菌剤を含有する液剤、殺菌効果を有する洗浄液等とすることもできる。
【0055】
(5) 液剤供給管路における前記包囲外周部に開口する先端部よりも上流側の側周部には、外部に通じる通気部が設けられている。液剤供給管路の側周部における通気部は、外部に通じる単なる開口部に限らず、管路等を介して外部に通じるものであってもよい。
【0056】
この通気部の開口や管路の断面積、長さ、形状等による吸気抵抗(損失)を大・小調整又は調節することにより、噴出部が所定水流管路における一時的な水流を下流に向かう噴流として噴出することにより吸引されて液剤供給管路内を先端部の開口に向かって流れる液剤の流量を、それぞれ増・減させると共に、その液剤にその通気部を通じて空気が混合する量を、それぞれ減・増させることができる。従って、通気部の吸気抵抗を複数段階又は無段階に調節し得る調節部(例えば通気部を構成する管路を、断面積が異なる複数種の何れかに選択し得るもの)を有するものとすることにより、液剤の流量及びその液剤に通気部を通じて空気が混合する量を必要に応じ調節し得るものとすることができる。
【0057】
(6) 液剤供給管路における通気部の上流側(例えば通気部付近の液剤供給管路の直径又は横断面の最大寸法の5倍以内、好ましくは2倍以内の上流側位置)には、上流への逆流を防ぐ逆止弁又はその他の順方向流は可能で逆方向流が防がれる逆流防止部が設けられることが好ましい。
【0058】
この場合、噴出部が所定水流管路における一時的な所定の水流を下流に向かう噴流として噴出することにより吸引されて液剤供給管路内を先端部の開口に向かって流れる液剤の量を、概ね所定の量とすることができ、また、前記通気部を通じて液剤が漏出することが防がれ、液剤供給管路の先端部の開口から水が逆流することも防がれる。
【符号の説明】
【0059】
A 所定水流管路
B 液剤供給管路
B1 先端開口部
C 回転切り替えコック
E 包囲管部
Ea 包囲外周部
E1 縮径箇所
H 保持部
H1 孔部
J 噴出部
L 通気管路
M 外気流入用逆止弁
N ノズル状部
P 通気孔
R 洗浄液剤タンク
S 上流直管部
T 下流直管部
V 液剤逆止弁
図1
図2
図3
図4