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特許7055025きのこ栽培用添加材、きのこ栽培用人工培養基、きのこ栽培用培地及びきのこの人工栽培方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】きのこ栽培用添加材、きのこ栽培用人工培養基、きのこ栽培用培地及びきのこの人工栽培方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 18/20 20180101AFI20220408BHJP
【FI】
A01G18/20
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018007433
(22)【出願日】2018-01-19
(65)【公開番号】P2019122352
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-10-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591062146
【氏名又は名称】一般社団法人長野県農村工業研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100207756
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100129746
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 滋郎
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 万穂
(72)【発明者】
【氏名】森 泰一郎
(72)【発明者】
【氏名】城石 雅弘
【審査官】佐藤 智子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-243773(JP,A)
【文献】特開2011-109996(JP,A)
【文献】特開平04-066029(JP,A)
【文献】特開2009-100741(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0035764(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 18/00-18/80
C12N 1/00- 7/08
C05D 3/00- 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミノケイ酸カルシウムを含有するきのこ栽培用添加材であって、前記アルミノケイ酸カルシウムは、30~60質量%のCaO、10~60質量%のAl及び5~40質量%のSiOを含有し、アルカリ金属酸化物(RO、R:アルカリ金属元素)をさらに含有し、全アルカリ金属酸化物に対するSiOのモル比(SiO/RO)が40~850であり、粒子径2μm以下の粒子径積算値が10体積%以下であり、粒子径2~10μmの粒子径積算値が40体積%以上であり、ブレーン比表面積値が3000~9000cm/gであるきのこ栽培用添加材。
【請求項2】
前記アルミノケイ酸カルシウムに対して、ゲーレナイト及び2CaO・SiOから選ばれる1種または2種を0.1~25質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のきのこ栽培用添加材。
【請求項3】
メタケイ酸アルミン酸マグネシウムをさらに含む請求項1又は2に記載のきのこ栽培用添加材。
【請求項4】
前記アルミノケイ酸カルシウムと前記メタケイ酸アルミン酸マグネシウムとの質量比が5:95~95:5である請求項3に記載のきのこ栽培用添加材。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のきのこ栽培用添加材を含むきのこ栽培用人工培養基。
【請求項6】
請求項5に記載のきのこ栽培用人工培養基を含むきのこ栽培用培地。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載のきのこ栽培用添加材及び
きのこ栽培用人工培養基を含むきのこ栽培用培地。
【請求項8】
培地殺菌後のpHが5.8~6.8である請求項6又は7に記載のきのこ栽培用培地。
【請求項9】
請求項6~8のいずれか1項に記載のきのこ栽培用培地を用いてきのこを栽培するきのこの人工栽培方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、きのこ栽培用添加材、そのきのこ栽培用添加材を含むきのこ栽培用人工培養基、そのきのこ栽培用添加材又はそのきのこ栽培用人工培養基を含むきのこ栽培用培地及びそのきのこ栽培用培地を用いてきのこを栽培するきのこの人工栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、きのこの栽培は、くぬぎ、ぶな、及びならなどの原木を利用したほだ木栽培がほとんどであり、そのため気象条件により収穫が左右されることが多いという問題があった。また、ほだ木栽培では栽培期間が長く、種菌の接種からきのこの収穫までに1年半~2年も要するので、生産コストが相当高くつくという問題もあった。
【0003】
そこで近年、えのきたけ、ひらたけ、なめこ、及びしいたけ等は、鋸屑に米糠を配合した人工培養基を用い、瓶又は箱で培養を行う菌床人工栽培方法が確立され、一年を通じて、四季に関係なく安定してこれらのきのこが収穫できるようになっている。すなわち、農家での副業的性格が強く、小規模生産に頼っていた従来のきのこの栽培が、現在では大規模専業生産が可能で、かつ、原料が入手しやすい菌床人工栽培方法に移りつつある。しかしながら、この菌床人工栽培においても、きのこを大量に連続栽培するには、いまだ収率も低く、かつ、栽培期間がかなり長いため、その生産コストは安価とはいえず、今後、これら生産性の改善が切望されている。
【0004】
生産性を改善する方法として培地に特定の組成物を配合する方法が知られている。例えば、カルシウムアルミネート系化合物を含有する組成物(特許文献1)、アルミノケイ酸カルシウム系化合物を含有する組成物やその水和物(特許文献2~4)、アルミノケイ酸マグネシウム系化合物を含有する組成物(特許文献5及び6)等が従来技術として知られている。いずれの従来技術も、品質の優れたきのこを高い収率で栽培することが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-187762号公報
【文献】特開平11-155364号公報
【文献】特開平11-243773号公報
【文献】特開2003-70351号公報
【文献】特開平3-58716号公報
【文献】特開2002-119133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決するため、品質の優れたきのこを高い収率で栽培することを可能にするきのこ栽培用添加材、きのこ栽培用人工培養基、きのこ栽培用培地及びきのこの人工栽培方法を提供することを目的とする。なお、品質の優れたきのことは、生産組合が定めた規格に満足するきのこをいう。例えば、ぶなしめじの場合、品質の優れたきのことは、株の接着性が良好で株元の張りが強いものをいう。これにより、軸が太いきのこを一株にまとまっている状態で出荷することができる。また、生産組合が定めた規格によりきのこを出荷することにより、きのこの市場価格を高くすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を進めたところ、CaO、Al及びSiOの含有量、全アルカリ金属酸化物に対するSiOのモル比、粒子径2~10μmの粒子径積算値及びブレーン比表面積値が所定範囲内にあるアルミノケイ酸カルシウムを含むきのこ栽培用添加材を用いることにより、品質の優れたきのこを高い収率で栽培できることを見出した。
本発明は、上記の知見に基づくものであり、以下を要旨とする。
[1]30~60質量%のCaO、10~60質量%のAl及び5~40質量%のSiOを含有し、アルカリ金属酸化物(RO、R:アルカリ金属元素)をさらに含有し、全アルカリ金属酸化物に対するSiOのモル比(SiO/RO)が12~850であり、粒子径2~10μmの粒子径積算値が40体積%以上であり、ブレーン比表面積値が3000~9000cm/gであるアルミノケイ酸カルシウムを含むきのこ栽培用添加材。
[2]ゲーレナイト及び2CaO・SiOから選ばれる1種または2種を0.1~25質量%含有する上記[1]に記載のきのこ栽培用添加材。
[3]メタケイ酸アルミン酸マグネシウムをさらに含む上記[1]又は[2]に記載のきのこ栽培用添加材。
[4]アルミノケイ酸カルシウムとメタケイ酸アルミン酸マグネシウムとの質量比が5:95~95:5である上記[3]に記載のきのこ栽培用添加材。
[5]上記[1]~[4]のいずれか1つに記載のきのこ栽培用添加材を含むきのこ栽培用人工培養基。
[6]上記[5]に記載のきのこ栽培用人工培養基を含むきのこ栽培用培地。
[7]上記[1]~[4]のいずれか1つに記載のきのこ栽培用添加材及び
きのこ栽培用人工培養基を含むきのこ栽培用培地。
[8]培地殺菌後のpHが5.8~6.8である上記[6]又は[7]に記載のきのこ栽培用培地。
[9]上記[6]~[8]のいずれか1つに記載のきのこ栽培用培地を用いてきのこを栽培するきのこの人工栽培方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、品質の優れたきのこを高い収率で栽培することを可能にするきのこ栽培用添加材、きのこ栽培用人工培養基、きのこ栽培用培地及びきのこの人工栽培方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明における「部」や「パーセント(%)」は、特に規定しない限り質量基準で示す。
【0010】
[きのこ栽培用添加材]
本発明のきのこ栽培用添加材は、30~60質量%のCaO、10~60質量%のAl及び5~40質量%のSiOを含有し、アルカリ金属酸化物(RO、R:アルカリ金属元素)をさらに含有し、全アルカリ金属酸化物に対するSiOのモル比(SiO/RO)が12~850であり、粒子径2~10μmの粒子径積算値が40体積%以上であり、ブレーン比表面積値が3000~9000cm/gである。これにより、本発明のきのこ栽培用添加材を用いてきのこを栽培することにより、品質の優れたきのこを高い収率で栽培することが可能となる。以下、本発明のきのこ栽培用添加材を詳細に説明する。
【0011】
(アルミノケイ酸カルシウム)
本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウムは、例えばCaO源、Al源及びSiO源を電気炉や高周波炉等の加熱炉を用いて加熱溶融して作製したものである。CaO源には、例えば生石灰、消石灰、石灰石等が挙げられ、Al源には、例えばアルミナ、ボーキサイト等が挙げられ、SiO源には、例えばケイ石、ケイ砂、石英等が挙げられる。
なお、アルミノケイ酸カルシウム中のCaOの含有量は、例えば、JIS R 5202:1999に準拠して測定することができる。
【0012】
本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウムにおけるCaOの含有量は30~60質量%であり、好ましくは40~50質量%である。CaOの含有量が30質量%未満であると、及びCaOの含有量が60質量%より大きいと、品質の優れたきのこを高い収率で栽培することができない場合がある。
【0013】
本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウムにおけるAlの含有量は10~60質量%であり、好ましくは15~40質量%である。Alの含有量が10質量%未満であると、及びAlの含有量が60質量%より大きいと、品質の優れたきのこを高い収率で栽培することができない場合がある。
なお、アルミノケイ酸カルシウム中のAlの含有量は、例えば、JIS R 5202:1999に準拠して測定することができる。
【0014】
本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウムにおけるSiOの含有量は5~40質量%であり、好ましくは10~30質量%である。SiOの含有量が5質量%未満であると、及びSiOの含有量が40質量%より大きいと、品質の優れたきのこを高い収率で栽培することができない場合がある。
なお、アルミノケイ酸カルシウム中のSiOの含有量は、例えば、JIS R 5202:1999に準拠して測定することができる。
【0015】
本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウムの粒子径2~10μmの粒子径積算値は40体積%以上であり、好ましくは60体積%以上である。アルミノケイ酸カルシウムの粒子径2~10μmの粒子径積算値が40体積%未満であると、品質の優れたきのこを高い収率で栽培することができない場合がある。
また、本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウムの粒子径2μm以下の粒子径積算値は10体積%以下であることが好ましい。アルミノケイ酸カルシウムの粒子径2μm以下の粒子径積算値が10体積%以下であると、培地中のきのこ栽培用添加材と水との反応が早すぎて、培地が固化してしまうことを抑制でき、固化が早すぎてしまうことを抑制できる。
例えば、下記の実施例に記載の方法で、粒子径2~10μmの粒子径積算値及び粒子径2μm以下の粒子径積算値を算出することができる。
【0016】
本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウムは、アルカリ金属酸化物を含む。アルミノケイ酸カルシウムにおける全アルカリ金属酸化物(RO、R:アルカリ金属元素)に対するSiOのモル比(SiO/RO)は、12~850であり、好ましくは100~300である。全アルカリ金属酸化物(RO、R:アルカリ金属元素)に対するSiOのモル比(SiO/RO)が12未満又は850より大きいと、品質の優れたきのこを高い収率で栽培できない場合がある。
また、品質の優れたきのこを高い収率で栽培することができるという観点から、アルミノケイ酸カルシウムにおける全アルカリ量は、好ましくは0.01~1.5質量%であり、より好ましくは0.2~0.8質量%である。
なお、アルミノケイ酸カルシウム中の全アルカリ金属酸化物の含有量は、例えば、JIS R 5202:1999に準拠して測定することができる。
【0017】
本発明で使用するアルミノケイ酸カルシウムのブレーン比表面積値は、3000~9000cm/gであり、好ましくは4000~8000cm/gであり、より好ましくは6000~8000cm/gである。アルミノケイ酸カルシウムのブレーン比表面積値が3000cm/g未満又は9000cm/gよりも大きいと、品質の優れたきのこを高い収率で栽培できない場合がある。また、アルミノケイ酸カルシウムのブレーン比表面積値が4000cm/g未満であると、きのこ栽培用培地中にアルミノケイ酸カルシウムを均一に分散させることができない場合がある。
【0018】
本発明のアルミノケイ酸カルシウムはゲーレナイト及び2CaO・SiOから選ばれる1種または2種をさらに含むことが好ましい。2CaO・SiOには、α型、β型、γ型などの結晶型が知られており常温で安定であるβ型、γ型であることが好ましい。これにより、本発明のきのこ栽培用添加材を用いることにより、品質の優れたきのこを高い収率で栽培することができる。品質の優れたきのこを高い収率で栽培することができるという観点から、アルミノケイ酸カルシウムにおけるゲーレナイト及び2CaO・SiOから選ばれる1種または2種の含有量は、好ましくは0.1~25質量%であり、より好ましくは0.3~20質量%であり、さらに好ましくは0.5~10質量%である。
なお、アルミノケイ酸カルシウムにおけるゲーレナイト及び2CaO・SiO2から選ばれる1種または2種の含有量は、例えば、下記の実施例に記載の方法で測定することができる。
【0019】
本発明のきのこ栽培用添加材はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムをさらに含むことが好ましい。本発明のきのこ栽培用添加材を用いることによって、アルミノケイ酸カルシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの相乗効果により、品質の優れたきのこをより高い収率で栽培することができる。
アルミノケイ酸カルシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの相乗効果により、品質の優れたきのこをより高い収率で栽培できるという観点から、アルミノケイ酸カルシウムとメタケイ酸アルミン酸マグネシウムとの質量比は、好ましくは5:95~95:5であり、より好ましくは10:90~90:10である。
【0020】
品質の優れたきのこをより高い収率で栽培することができるという観点から、本発明のきのこ栽培用添加材におけるアルミノケイ酸カルシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの含有量の合計は高いことが好ましい。本発明のきのこ栽培用添加材におけるアルミノケイ酸カルシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの含有量の合計は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは99質量%以上である。また、アルミノケイ酸カルシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの含有量の合計の上限値は、例えば100質量%である。
【0021】
なお、本発明のきのこ栽培用添加材がメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含まないときは、品質の優れたきのこをより高い収率で栽培することができるという観点から、本発明のきのこ栽培用添加材におけるアルミノケイ酸カルシウムの含有量は高いことが好ましい。本発明のきのこ栽培用添加材がメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含まないときの本発明のきのこ栽培用添加材におけるアルミノケイ酸カルシウムの含有量は、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上であり、さらに好ましくは99質量%以上である。また、アルミノケイ酸カルシウムの含有量の上限値は、例えば100質量%である。
【0022】
[きのこ栽培用人工培養基]
本発明のきのこ栽培用人工培養基は、本発明のきのこ栽培用添加材を含む。これにより、本発明のきのこ栽培用人工培養基を用いて調製したきのこ栽培用培地を用いて品質の優れたきのこをより高い収率で栽培できる。
【0023】
本発明のきのこ栽培用人工培養基は、広葉樹鋸屑、針葉樹鋸屑、広葉樹チップ、もみ殻、コーンコブ、バガス、パルプ廃材、ビート粕及びデンプン粕からなる群から選択される少なくとも1種の材料を主原料とする。
【0024】
品質の優れたきのこをより高い収率で栽培できる観点から、本発明のきのこ栽培用人工培養基における本発明のきのこ栽培用添加材の含有量は、例えば、鋸屑、米糠、水全てを合わせたものに対して好ましくは0.05~5質量%であり、より好ましくは、0.1~3質量%であり、さらに好ましくは0.2~1質量%である。
【0025】
[きのこ栽培用培地1]
本発明のきのこ栽培用培地1は、本発明のきのこ栽培用人工培養基を含む。これにより、本発明のきのこ栽培用培地を用いて品質の優れたきのこをより高い収率で栽培できる。
【0026】
本発明のきのこ栽培用培地1は、本発明のきのこ栽培用人工培養基以外に、栄養添加剤、微量添加剤及び水を含むことが好ましい。栄養添加剤は、主に、きのこ菌の生育に必要な炭素源及び窒素源のうち、きのこ栽培用人工培養基のみでは足りない部分を補充する。微量添加剤は、主に、きのこ菌の生育に必要な無機塩類をきのこ菌に供給する。
【0027】
栄養添加剤には、例えば、米ぬか、もろこし粉砕物、フスマ、乾燥オカラ、トウモロコシ及び大豆皮等が挙げられる。
微量添加剤には、例えば、アルミノシリケート系化合物、マグネシウムアルミニウムシリケート系化合物、マグネシウムシリケート系化合物、カルシウムシリケート系化合物、マグネシウムアルミネート系化合物、カルシウムアルミネート系化合物、スラグ粉末、エトリンガイト、リン化合物、水酸化カルシウム及び炭酸カルシウム等が挙げられる。なお、上記アルミノシリケート系化合物、上記カルシウムシリケート系化合物及び上記カルシウムアルミネート系化合物は、本発明のきのこ栽培用添加材に含まれるアルミノケイ酸カルシウムを除いたものである。また、微量添加剤として、本発明のきのこ栽培用添加材を用いてもよい。なお、きのこ栽培用人工培養基は本発明のきのこ栽培用添加材を含んでいるので、本発明のきのこ栽培用培地1は微量添加剤を含まなくてもよい。
【0028】
本発明のきのこ栽培用培地1を調製するときの栄養添加剤の配合量は、きのこの種類によって適宜調整することができる。きのこをより高い収率で栽培できる観点から、本発明のきのこ栽培用培地1を調製するときの栄養添加剤の配合量は、例えば、きのこ栽培用人工培養基100質量部に対して、好ましくは5~200質量部であり、より好ましくは10~150質量部である。
【0029】
本発明のきのこ栽培用培地1を調製するときの微量添加剤の配合量は、きのこの種類によって適宜調整することができる。きのこをより高い収率で栽培できる観点から、本発明のきのこ栽培用培地1を調製するときの微量添加剤の配合量は、例えば、きのこ栽培用人工培養基100質量部に対して、好ましくは0.05~5質量部であり、より好ましくは、0.1~3質量部であり、さらに好ましくは0.2~1質量部である。
【0030】
本発明のきのこ栽培用培地1を調製するときの水の配合量は、きのこの種類によって適宜調整することができる。きのこをより高い収率で栽培できる観点から、本発明のきのこ栽培用培地1を調製するときの水の配合量は、例えば、きのこ栽培用培地の水以外の材料の乾燥後の質量の合計100質量部に対して、好ましくは10~300質量部であり、より好ましくは15~150質量部であり、さらに好ましくは20~90質量部である。例えば、きのこ栽培用人工培養基としての鋸屑及び栄養添加剤としての米ぬかを1:1で混合して作製した混合物に、混合物の含水率が55~70質量%になるように水を加える。
【0031】
本発明のきのこ栽培用培地1は、例えば、以下のようにして調製できる。まず栄養添加剤及び微量添加剤をミキサーに所定量入れ、攪拌しながら本発明のきのこ栽培用人工培養基を少量ずつ添加し、十分に混合する。その後、水を所定量ミキサーに入れ、培地内の水分が均一になるまで培地を攪拌する。そして、きのこ栽培用培地1が完成する。
【0032】
品質の優れたきのこをより高い収率で栽培できるという観点から、本発明のきのこ栽培用培地1の培地殺菌後のpHは、好ましくは5.8~6.8であり、より好ましくは6.2~6.8である。培地の殺菌方法には、例えば、高圧殺菌方法及び条圧殺菌方法がある。高圧殺菌方法は、きのこ栽培用培地を詰めた容器をおよそ120℃の加熱温度で、約1時間から約1時間30分加熱してきのこ栽培用培地を殺菌する方法である。一方、常圧殺菌方法はきのこ栽培用培地を詰めた容器をおよそ100℃の加熱温度で、4時間以上加熱してきのこ栽培用培地を殺菌する方法である。なお、培地殺菌の条件は、きのこの種類によって適宜調整することができる。
【0033】
[きのこ栽培用培地2]
また、本発明のきのこ栽培用培地2は、本発明のきのこ栽培用添加材及びきのこ栽培用人工培養基含む。これにより、本発明のきのこ栽培用培地を用いて品質の優れたきのこをより高い収率で栽培できる。
【0034】
本発明のきのこ栽培用培地2は、本発明のきのこ栽培用添加材及びきのこ栽培用人工培養基以外に、栄養添加剤及び水を含むことが好ましい。また、本発明のきのこ栽培用培地2は、本発明のきのこ栽培用添加材以外の微量添加剤を含んでもよい。なお、栄養添加剤は、主に、きのこ菌の生育に必要な炭素源及び窒素源のうち、きのこ栽培用人工培養基のみでは足りない部分を補充する。また、微量添加剤は、主に、きのこ菌の生育に必要な無機塩類をきのこ菌に供給する。
【0035】
本発明のきのこ栽培用培地2を調製するときの本発明のきのこ栽培用添加材の配合量は、きのこの種類によって適宜調整することができる。きのこをより高い収率で栽培できる観点から、本発明のきのこ栽培用培地2を調製するときの本発明のきのこ栽培用添加材の配合量は、例えば、きのこ栽培用人工培養基100質量部に対して、好ましくは0.05~5質量部であり、より好ましくは、0.1~3質量部であり、さらに好ましくは0.2~1質量部である。
【0036】
本発明のきのこ栽培用培地2に用いられるきのこ栽培用人工培養基は、本発明のきのこ栽培用添加材を含まない点を除いて、本発明のきのこ栽培用人工培養基と同様である。
【0037】
本発明のきのこ栽培用培地2に用いられる栄養添加剤は、[きのこ栽培用培地1]の項目で説明したものと同様である。また、本発明のきのこ栽培用培地2に用いられる栄養添加剤の配合量も[きのこ栽培用培地1]の項目で説明したものと同様である。
【0038】
本発明のきのこ栽培用培地2に用いられる微量添加剤は、[きのこ栽培用培地1]の項目で説明したものと同様である。また、本発明のきのこ栽培用培地2に用いられる栄養添加剤の配合量も[きのこ栽培用培地1]の項目で説明したものと同様である。
【0039】
本発明のきのこ栽培用培地2に用いられる水の配合量は、[きのこ栽培用培地1]の項目で説明したものと同様である。
【0040】
本発明のきのこ栽培用培地2は、[きのこ栽培用培地1]の項目で説明したものと同様の方法で調製することができる。
【0041】
本発明のきのこ栽培用培地2の培地殺菌後のpHは、[きのこ栽培用培地1]の項目で説明したものと同様である。
【0042】
[きのこの人工栽培方法]
本発明のきのこの人工栽培方法は、本発明のきのこ栽培用培地を用いてきのこを栽培するものである。これにより、品質の優れたきのこをより高い収率で栽培できる。
【0043】
本発明のきのこの人工栽培方法は、本発明のきのこ栽培用培地を用いてきのこを栽培するものであれば、特に限定されない。また、本発明のきのこの人工栽培方法は、各々の環境や状況等に応じて任意に変えることができる。例えば、本発明のきのこの人工栽培方法は、本発明のきのこ栽培用培地を調製する工程、本発明のきのこ栽培用培地を容器に詰める工程、容器に詰めた、本発明のきのこ栽培用培地を殺菌する工程、殺菌した、本発明のきのこ栽培用培地を冷却する工程、冷却した、本発明のきのこ栽培用培地にきのこの種菌を接種する工程、接種した種菌を培養及び熟成する工程、菌かきを行う工程、芽出し工程、きのこを生育させる工程及びきのこを収穫する工程を含む。
【0044】
例えば、ブナシメジの栽培の場合、接種した種菌を22~25℃の温度で約30~40日培養し、22~25℃の温度で40~50日熟成する。その後、菌かきを行い、14~17℃の温度及び95~100%の湿度の条件下20~25日間、ブナシメジの芽出し及び育成を行い、そして、ブナシメジを収穫する。
また、シイタケの栽培の場合、接種した種菌を20~25℃の温度で約30日培養し、26~30℃の温度で40~50日熟成する。その後、13~17℃の温度及び90~95%の湿度の条件下10日間シイタケを発生させ、シイタケを収穫する。なお、1回目の収穫後、13~17℃の温度及び90~95%の湿度の条件下10日間シイタケを発生させ、2回目のシイタケの収穫を行うことも可能である。
【0045】
本発明のきのこの人工栽培方法により栽培できるきのこは、人工栽培できるきのこであれば特に限定されない。本発明のきのこの人工栽培方法に好適なきのこには、例えば、えのきたけ、ひらたけ、なめこ、ぶなしめじ、まいたけ、きくらげ、さるのこしかけ及びしいたけ等が挙げられ、特に好適なきのこはブナシメジである。
【実施例
【0046】
以下、実施例、比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】
[実験例1]
(きのこ栽培用添加材)
表1及び2に示すアルミノケイ酸カルシウムの割合になるように炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを配合及び混合して原料混合物を作製し、高周波炉を使用して、1600℃の加熱温度で原料混合物を30分間溶融した後、冷却して、アルミノケイ酸カルシウムを合成した。なお、全アルカリ量は((酸化ナトリウムの配合量)+0.658×(酸化カリウムの配合量))の値を全てのアルカリの配合量として算出した。そして、合成したアルミノケイ酸カルシウムを粉砕して、実験に用いるきのこ栽培用添加材を作製した。なお、アルミノケイ酸カルシウムの粉砕条件を変えることによってアルミノケイ酸カルシウムのブレーン比表面積値を変えた。
【0048】
(きのこの人工栽培)
広葉樹鋸屑250g、針葉樹鋸屑250g、米ぬか500g及び水140mlを混合して混合物を作製した後、混合物1000質量部に対して、2質量部の上記きのこ栽培用添加材を混合物に配合し、混合してきのこ栽培用培地を調製した。なお、実験例No.1-1については、きのこ栽培用添加材を混合物に配合せずにきのこ栽培用培地を調製した。プラスチック製850ml広口瓶に、調製した培地を圧詰めした。その後、120℃飽和蒸気圧下で、瓶詰めした培地を加熱殺菌した。瓶詰めした培地を冷却した後、ブナシメジの菌を瓶詰めした培地に植え付け、暗所、温度25℃、湿度55%の条件下で2ヶ月間かけて菌を培養及び熟成した。菌の培養及び熟成後、広口瓶の中央に直径1cm程度の穴を開け(菌かき)、培地を充分に吸水させた後、15℃、湿度95%、照度20ルックスの条件下で4日間、菌を培養して子実体原基を形成し、芽出しを行った。そして、照度を200ルックスに上げて2週間程度培養を続け、きのこを生育させた。その後、きのこを収穫して子実体の収量および品質を評価した。結果を表1及び表2に示す。
【0049】
「使用材料」
・炭酸カルシウム:試薬1級、関東化学株式会社製
・酸化アルミニウム:試薬1級、関東化学株式会社製
・二酸化ケイ素:試薬1級、関東化学株式会社製
・水酸化ナトリウム:試薬1級、関東化学株式会社製
・水酸化カリウム:試薬1級、関東化学株式会社製
・広葉樹鋸屑:ぶな材の鋸屑
・針葉樹鋸屑:すぎ材の鋸屑
・米糠:市販品、農業共同組合製
・水:純水
【0050】
「測定方法」
・粒子径2~10μmの粒子径積算値及び粒子径2μm以下の粒子径積算値:レーザー回折・散乱法による粒度分布測定器(HORIBA LA-920(商品名、株式会社堀場製作所製)を使用して、アルミノケイ酸カルシウムの粒度分布を測定し、その粒度分布に基づいて、粒子径2~10μmの粒子径積算値及び粒子径2μm以下の粒子径積算値を算出した。試料分散媒として、エタノールを用いた。
・ブレーン比表面積値:JIS R 5201:1997に準拠して測定した。
・付着性:収穫したきのこを下記基準に基づいて目視評価した。なお、株の接着がよく株元の張りが強いきのこ程、きのこの品質はよい。
優 :株の接着がよく株元の張りが強い。
良 :「優」の評価のきのこに比べて、株の接着もしくは株元の張りが若干劣るものの、きのこの品質として問題ないレベルである。
不可:株の接着が悪く、株元の張りも弱い。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
表1及び表2に示すように、30~60質量%のCaO、10~60質量%のAl及び5~40質量%のSiOを含有し、粒子径2~10μmの粒子径積算値が40体積%以上であり、全アルカリ金属酸化物に対するSiOのモル比(SiO/RO、Rはアルカリ金属元素)が12~850であり、ブレーン比表面積値が4000~8000cm/gであるアルミノケイ酸カルシウムを含むきのこ栽培用添加材を用いてきのこを栽培すると、きのこの品質および収量が向上することが分かった。
【0054】
[実験例2]
表3に示すアルミノケイ酸カルシウムの割合になるように炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを配合及び混合して原料混合物を作製し、高周波炉を使用して、1600℃の加熱温度で原料混合物を30分間溶融した後、冷却してアルミノケイ酸カルシウムを合成した。1400℃から1000℃までの冷却速度を変えることによりゲーレナイト及び2CaO・SiOの含有量を変えた。そして、粒子径2~10μm粒子径積算値が40%以上になるように、合成したアルミノケイ酸カルシウムを粉砕して、表3に示す実験No.3-2~3-5の実験に用いるきのこ栽培用添加材を作製した。なお、使用材料は、実験例1と同様のものを使用した。
【0055】
「測定方法」
・ゲーレナイト及び2CaO・SiOの含有量:X線回折リートベルト法によって測定した。粉砕したアルミノケイ酸カルシウム試料に酸化アルミニウムや酸化マグネシウム等の内部標準物質を所定量添加し、めのう乳鉢で充分混合したのち、粉末X線回折測定を実施した。測定結果を定量ソフトで解析し、ゲーレナイト含有量を求めた。定量ソフトには、Sietronics社製の「SIROQUANT」を用いた。
なお、ゲーレナイト及び2CaO・SiOの含有量以外の評価については実験例1と同様な方法で評価を行った。
【0056】
【表3】
【0057】
きのこ栽培用添加材が、ゲーレナイト及び2CaO・SiOから選ばれる1種または2種を0.1~25質量%含有することにより、きのこの収量が高くなることが分かった。
【0058】
[実験例3]
実験例1の実験No.1-18のアルミノケイ酸カルシウムに代えて、表4に示す質量比の実験例1の実験No.1-18のアルミノケイ酸カルシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの混合物又はメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを使用した以外は、実験例1と同様の方法できのこを栽培し、栽培したきのこの評価を行った。メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカゾルを用いて下記に示す組成で水熱合成した。結果を表4に示す。
【0059】
「使用材料」
・水酸化マグネシウム:試薬1級、関東化学株式会社製
・水酸化アルミニウム:試薬1級、関東化学株式会社製
・シリカゾル:日産化学工業株式会社製
・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム:MgO-Al-SiO-HO系水和物、元素含有量MgO:17.9%、Al:26.4%、SiO:23.0%、HO:32.7%、算術平均粒子径15μm
【0060】
【表4】
【0061】
表4に示すように、アルミノケイ酸カルシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含むきのこ栽培用添加材を用いることによって、きのこの品質及び収量が向上することが分かった。また、アルミノケイ酸カルシウム及びメタケイ酸アルミン酸マグネシウムの質量比は5:95~95:5が好ましいことも分かった。
【0062】
[実験例4]
(きのこ栽培用添加材)
表5に示すアルミノケイ酸カルシウムの割合になるように炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化ナトリウム及び酸化カリウムを配合及び混合して原料混合物を作製し、高周波炉を使用して、1600℃の加熱温度で原料混合物を30分間溶融した後、1400℃から1000℃までの冷却速度が6000K/秒になるように急冷却して、アルミノケイ酸カルシウムを合成した。そして、粒子径2~10μm粒子径積算値が40%以上になるように、合成したアルミノケイ酸カルシウムを粉砕して、表5に示す実験No.5-2~5-4の実験に用いるきのこ栽培用添加材を作製した。
【0063】
(きのこの人工栽培)
広葉樹鋸屑250g、針葉樹鋸屑250g、米ぬか500g及び水140mlを混合して混合物を作製した後、混合物1000質量部に対して、2質量部の上記きのこ栽培用添加材を混合物に配合し、混合してきのこ栽培用培地を調製した。なお、実験例No.5-1については、きのこ栽培用添加材を混合物に配合せずにきのこ栽培用培地を調製した。プラスチック製850ml広口瓶に、調製した培地を圧詰めした。その後、120℃飽和蒸気圧下で、瓶詰めした培地を加熱殺菌し、そして瓶詰めした培地を冷却した。冷却した培地のうち、20gの培地をpH評価用として採取した。以下、実験例1と同様な方法できのこを栽培し、栽培したきのこを評価した。結果を表5に示す。
【0064】
「使用材料」
・炭酸カルシウム:実験例1と同じもの
・酸化アルミニウム:実験例1と同じもの
・二酸化ケイ素:実験例1と同じもの
・酸化ナトリウム:実験例1と同じもの
・酸化カリウム:実験例1と同じもの
・広葉樹鋸屑:実験例1と同じもの
・針葉樹鋸屑:実験例1と同じもの
・米糠:実験例1と同じもの
・水:実験例1と同じもの
【0065】
「測定方法」
・培地のpH:100gの水の中に、20gの採取した培地を入れ、3分間混合して混合物を作製し、混合物のpHを、pH計(品名:pHメーターD-51、株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
【0066】
【表5】
【0067】
表5に示すように、培地殺菌後のpHが5.8~6.8であるきのこ栽培用培地を用いることによって、きのこの収量が向上することが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明のきのこ栽培用添加材、きのこ栽培用人工培養基又はきのこ栽培用培地をきのこの栽培に使用すると、えのきたけ、ひらたけ、なめこ、ぶなしめじ、まいたけ、きくらげ、さるのこしかけ及びしいたけ等の広範な種類のきのこについて、品質の優れたきのこを高い収率で栽培できる。また、本発明のきのこの人工栽培方法によれば、えのきたけ、ひらたけ、なめこ、ぶなしめじ、まいたけ、きくらげ、さるのこしかけ及びしいたけ等の広範な種類のきのこについて、品質の優れたきのこを高い収率で栽培できる。