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特許7055053分離ユニット及びそれを備えた熱回収システム
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  • 特許-分離ユニット及びそれを備えた熱回収システム 図1
  • 特許-分離ユニット及びそれを備えた熱回収システム 図2
  • 特許-分離ユニット及びそれを備えた熱回収システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】分離ユニット及びそれを備えた熱回収システム
(51)【国際特許分類】
   F28B 3/04 20060101AFI20220408BHJP
   B04C 5/06 20060101ALI20220408BHJP
   B04C 5/12 20060101ALI20220408BHJP
   B01D 45/12 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
F28B3/04
B04C5/06
B04C5/12 Z
B01D45/12
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018074590
(22)【出願日】2018-04-09
(65)【公開番号】P2019184147
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(72)【発明者】
【氏名】竹中 俊喜
【審査官】長尾 裕貴
(56)【参考文献】
【文献】特開昭54-013805(JP,A)
【文献】特開2015-114023(JP,A)
【文献】特開2003-207285(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0377675(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28B 3/04
B04C 5/06
B04C 5/12
B01D 45/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気混じりの空気が流入する流入部と、
前記流入部から流入する蒸気混じりの空気に水を噴射する噴射部と、
蒸気混じりの空気と水との混合流体から水を分離する分離器とを備え、
前記分離器は、前記混合流体を旋回させながら水を分離する旋回流路を有し
前記旋回流路を通過後の空気には、水が噴射されない分離ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の分離ユニットにおいて、
前記分離器は、前記旋回流路を通過後の空気を排出する排気管をさらに有し、
前記旋回流路は、前記排気管の周囲を旋回するように配置されている分離ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の分離ユニットにおいて、
前記旋回流路は、前記混合流体を上方から下方へ流通させ、
前記排気管の上流端は、下方へ向かって開口しており、
前記旋回流路を通過後の空気は、前記上流端から上方へ向かって前記排気管内に流入する分離ユニット。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1つに記載の分離ユニットと、
水から熱を回収する熱交換器と、
前記分離ユニットにおいて分離された水を前記熱交換器に供給すると共に、前記熱交換器を通過後の水を前記噴射部に供給する循環ユニットとを備える熱回収システム。
【請求項5】
請求項4に記載の熱回収システムにおいて、
前記分離ユニットから排出される空気に含まれる水分を取り除く徐水ユニットをさらに備え、
前記循環ユニットは、前記徐水ユニットによって取り除かれた水を回収する熱回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示された技術は、分離ユニット及びそれを備えた熱回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、蒸気混じりの空気が流れるパイプ内に冷却水を噴射して、蒸気を凝縮させる分離ユニットが開示されている。発生した凝縮水と冷却水とは、管路を介してパイプから排出される一方、空気等の凝縮しない流体は、パイプを通過していく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-139218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような分離ユニットにおいては、蒸気が混じりの空気からより多くの蒸気を分離させると共に、蒸気を分離後の空気からより多くの水を分離させることが求められる。例えば、蒸気の凝縮により発生したドレン(復水)は、多くの熱量を有するため、より多くの蒸気を分離させることは、より多くの熱を回収することにつながる。
【0005】
ここに開示された技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、蒸気混じりの空気からより多くの蒸気及び水を分離させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示された分離ユニットは、蒸気混じりの空気が流入する流入部と、前記流入部から流入する蒸気混じりの空気に水を噴射する噴射部と、蒸気混じりの空気と水との混合流体から水を分離する分離器とを備え、前記分離器は、前記混合流体を旋回させながら水を分離する旋回流路を有している。
【0007】
ここに開示された熱回収ユニットは、前記分離ユニットと、水から熱を回収する熱交換器と、前記分離ユニットにおいて分離された水を前記熱交換器に供給すると共に、前記熱交換器を通過後の水を前記噴射部に供給する循環ユニットとを備える。
【発明の効果】
【0008】
前記分離ユニットによれば、蒸気混じりの空気からより多くの蒸気及び水を分離させることができる。
【0009】
前記熱回収システムによれば、蒸気混じりの空気からより多くの蒸気及び水を分離させることができ、ひいては、より多くの熱を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、熱回収システムの概略構成を示す配管系統図である。
図2図2は、分離器の平面図である。
図3図3は、図2のIII-III線における分離器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、例示的な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、熱回収システム100の概略構成を示す配管系統図である。
【0012】
熱回収システム100は、蒸気混じりの空気から蒸気を凝縮させてドレン(復水)として分離し、発生したドレンから熱を回収するシステムである。熱回収システム100は、蒸気混じりの空気から蒸気を凝縮させると共に、空気と水とを分離する分離ユニット10と、分離ユニット10において分離された水から熱を回収する熱交換器70と、分離ユニット10において分離された水を熱交換器70に供給すると共に、熱交換器70を通過後の水を分離ユニット10に供給する循環ユニット80と、分離ユニット10から排出される空気に含まれる水分を取り除く徐水ユニット90とを備えている。
【0013】
分離ユニット10は、容器11と、容器11に設けられ、蒸気混じりの空気が流入する流入部12と、流入部12から流入する蒸気混じりの空気に水を噴射する噴射部13と、蒸気混じりの空気と水との混合流体から水を分離する分離器20とを有している。
【0014】
容器11は、有底の略円筒状に形成されている。容器11の側周壁の比較的上部に、流入部12が設けられている。流入部12には、蒸気使用装置(図示省略)等から廃棄された蒸気が空気と共に流通する蒸気管が接続されている。流入部12は、容器11に開口している。蒸気混じりの空気は、流入部12を介して容器11内に流入する。
【0015】
容器11の天井の中央に噴射部13が設けられている。噴射部13は、ノズルによって形成されている。噴射部13は、容器11の軸心を中心とする円錐状に下方に向かって水を噴射する。噴射部13は、流入部12よりも高い位置に配置されている。噴射部13は、流入部12から容器11内に流入してくる蒸気混じりの空気に水を吹きかける。これにより、噴射部13は、空気中に含まれる蒸気を凝縮させる。
【0016】
分離器20は、容器11内において、流入部12よりも下方の位置に配置されている。詳しくは後述するが、分離器20は、旋回流路22が形成された本体21と、旋回流路22を通過後の空気を排出する排気管23とを有している。分離器20の旋回流路22には、蒸気混じりの空気に水が噴射された後の混合流体が流入する。旋回流路22は、混合流体を旋回させながら、混合流体から水を分離する。尚、分離後の空気には、蒸気が残留している場合や、水の一部が水滴(ミスト)として混ざっている場合もある。
【0017】
分離後の空気は、排気管23を介して、容器11、即ち、分離ユニット10から排出される。排気管23は、容器11の側周壁を貫通している。排気管23は、接続管91を介して徐水ユニット90に接続されている。分離後の水は、容器11の下部(即ち、分離器20よりも下方の部分)に溜まる。
【0018】
熱交換器70は、熱が回収される水が流通する流路71と、流路71を流通する水から熱を回収する冷却水が供給される給水管72と、熱を回収後の温水が排出される排水管73とを有している。流路71には、分離ユニット10からの水が循環ユニット80によって供給される。流路71を通過した水は、循環ユニット80によって再び分離ユニット10に戻される。給水管72からの冷却水は流路71を通過する水から熱を回収し、温水として排水管73から排出される。
【0019】
循環ユニット80は、分離ユニット10と熱交換器70を接続する排水管81と、熱交換器70と分離ユニット10の噴射部13を接続する給水管82と、排水管81に設けられた電動ポンプ83とを有している。排水管81の上流端は、分離ユニット10の容器11の底に接続されている。排水管81の下流端は、熱交換器70の流路71の上流端に接続されている。給水管82の上流端は、熱交換器70の流路71の下流端に接続されている。給水管82の下流端は、噴射部13に接続されている。電動ポンプ83を作動させることによって、分離ユニット10と熱交換器70との間を水が循環する。詳しくは、分離ユニット10の容器11の底に溜まった水が排出され、熱交換器70に供給される。熱交換器70で熱が回収された水は、噴射部13に供給され、噴射部13から容器11内に噴射される。噴射された水は、最終的に容器11の底に再び溜まる。
【0020】
徐水ユニット90は、分離ユニット10の排気管23から排出される空気に含まれる水分を取り除く。図示を省略するが、例えば、徐水ユニット90は、容器と、容器内に配置されたコイル状の伝熱管とを有している。伝熱管には冷却水が流通している。容器には、排気管23から排出される空気が接続管91を介して流入する。この空気が蒸気又は水滴を含んでいる場合には、空気が伝熱管と接触することによって、蒸気が凝縮し、又は、水滴が伝熱管に付着し、空気が徐水される。徐水後の空気は、排気管92を介して徐水ユニット90から排出される。一方、徐水により発生した水は、排水管93を介して徐水ユニット90から排出される。排水管93の下流端は、排水管81に接続されている。つまり、徐水ユニット90によって取り除かれた水は、循環ユニット80によって回収される。
【0021】
ここで、分離器20の詳細な構成について説明する。図2は、分離器20の平面図である。図3は、図2のIII-III線における分離器20の断面図である。図2,3では、排気管23を省略している。
【0022】
分離器20の本体21は、軸Xを軸心とする略円筒状に形成されている。本体21は、容器11の側周壁に嵌っており、容器11を上下に仕切っている(図1参照)。本体21の中央を排気管23が貫通している。排気管23は、軸Xに沿って延びている。排気管23の上流端は、下方に向かって開口している。排気管23は、本体21から上方に延びた後、側方に屈曲して、容器11の側周壁を貫通している(図1参照)。
【0023】
本体21には、排気管23を囲むように6本の旋回流路22が形成されている。旋回流路22は、排気管23の周囲を旋回するように配置されている。旋回流路22は、軸Xを中心とする円弧状に、且つ、上方から下方へ傾斜するように(即ち、鉛直方向に対して傾斜するように)延びている。一の旋回流路22の特に下流側の部分は、別の旋回流路22の上流側の部分の下方に延びている。旋回流路22の上流端は上方に開口し、旋回流路22の下流端は下方に開口している。
【0024】
続いて、このように構成された分離ユニット10及び熱回収システム100の動作について説明する。
【0025】
分離ユニット10においては、蒸気混じりの空気が流入部12を介して容器11内に流入する。このとき、噴射部13は、電動ポンプ83の作動により水を下方に向かって噴射している。噴射された水は、流入部12から流入した蒸気混じりの空気に吹きかけられる。空気と蒸気と水の混合流体は、噴射された水の流れに乗って下方へ流れていく。このとき、蒸気の少なくも一部は、水が吹きかけられることによって凝縮してドレンとなる。つまり、混合流体のうちの水は、噴射部13から噴射された水と凝縮して発生したドレンとが含まれる。
【0026】
混合流体は、分離器20の旋回流路22に流入する。混合流体は、旋回流となって旋回流路22を通過する(図2,3の太矢印参照)。通過後の混合流体は、容器11のうち分離器20の下方の空間へ流入する。このとき、旋回流路22は、混合流体を旋回させることによって混合流体を撹拌し、蒸気の凝縮を促進する。また、旋回流路22は、混合流体を旋回させることによって、混合流体に遠心力を作用させ、混合流体から水を分離させる。つまり、混合流体が旋回流路22に流入してしばらくは、遠心力もそれほど大きくないので撹拌機能が優位となり、蒸気と水のミキシングが促進される。混合流体の旋回が続くと、やがて遠心力が大きくなり、水が軸Xを中心とする半径方向外側へ離れて行く。こうして、旋回流路22から流出してくる混合流体では、水が半径方向の比較的外側に位置し、空気が半径方向の比較的内側に位置した状態となっている。
【0027】
ここで、分離器20は、本体21の中央を貫通する排気管23を有し、旋回流路22は、排気管23の周囲を旋回するように配置されている。このため、旋回流路22の旋回半径(軸Xを中心とする半径)が大きくなり、ひいては、水に作用する遠心力が大きくなる。その結果、より多くの水を分離することができる。
【0028】
こうして分離された水は、容器11の底に溜まっていく。この水は、蒸気が凝縮したドレンを含むため、比較的高温になっている。一方、分離された空気は、容器11の底に溜まった水の上方の空間に滞留する。尚、この空気には蒸気が混じっている場合もあるが、その量は、流入部12からの流入時と比較して大幅に減っている。この空間には、排気管23の上流端が開口している。そのため、滞留する空気は、排気管23の上流端から上方へ向かって排気管23内に流入する(図3の二点鎖線の矢印参照)。
【0029】
ここで、旋回流路22からは、旋回流路22の延長方向に水が流出する。そのため、旋回流路22から流出する水は、容器11の側周壁に沿って流れる。排気管23の上流端は、容器11の中央に設けられているので、容器11の側周壁から比較的離れている。これにより、排気管23に流入する空気が巻き込む水の量が低減される。
【0030】
このように、分離ユニット10は、蒸気混じりの空気中の蒸気を凝縮させつつ、空気と水とを分離する。
【0031】
分離されて容器11の底に溜まった水は、電動ポンプ83の作動により、排水管81を介して排水される。排水管81を流通する水は、熱交換器70に供給される。排水管81から流路71に流入した水は、給水管72から供給される冷却水と熱交換する。冷却水は、流路71の水から熱を回収して温水となり、排水管73を介して排出される。こうして、分離ユニット10で分離された水から熱が回収されていく。
【0032】
流路71を通過した水は、流路71に流入する前に比べて温度が低下している。温度が低下した水は、給水管82を介して噴射部13に供給され、噴射部13によって容器11内に噴射される。噴射された水は、前述の如く、蒸気を凝縮させた後、分離器20で分離され、容器11の底に再び貯留される。このように、容器11に溜まった水は、循環ユニット80によって分離ユニット10と熱交換器70との間で循環させられる。
【0033】
一方、排気管23から排出された空気は、徐水ユニット90に流入する。容器11の下部には旋回流路22を通過した水が次々に落下してくるので、容器11の下部に貯留されている水の上方の空間には水滴(ミスト)が舞っている可能性がある。そのため、この空間に滞留している空気には、水滴が混ざっている可能性がある。また、旋回流路22を流出後の空気は、旋回流路22の通過時に水と撹拌されているので、多少の水滴が混ざっている可能性もある。このように、排気管23から排出される空気は、水分を含んでいる場合がある。徐水ユニット90は、排気管23から排出される空気から水分を取り除く。水分が取り除かれた空気は、排気管92を介して排出される。一方、取り除かれた水は、電動ポンプ83の作動により、排水管93を介して循環ユニット80に回収される。
【0034】
こうして、熱回収システム100は、蒸気混じりの空気から蒸気を凝縮させてドレンとして分離し、発生したドレンから熱を回収する。このような構成において、分離ユニット10は、蒸気混じりの空気に水を噴射した後の混合流体に旋回流路22を通過させることによって、蒸気の凝縮を促進しつつ、混合流体から水を分離させる。これにより、分離ユニット10は、より多くの蒸気を凝縮させ、且つ、より多くの水を分離させることができる。その結果、熱回収システム100は、蒸気混じりの空気からより多くの熱を回収することができる。
【0035】
以上のように、分離ユニット10は、蒸気混じりの空気が流入する流入部12と、流入部12から流入する蒸気混じりの空気に水を噴射する噴射部13と、蒸気混じりの空気と水との混合流体から水を分離する分離器20とを備え、分離器20は、混合流体を旋回させながら水を分離する旋回流路22を有している。
【0036】
この構成によれば、蒸気混じりの空気に水が吹きかけられた後の空気、蒸気及び水の混合流体は、分離器20の旋回流路22を通過する。混合流体が旋回流路22を通過する際に、撹拌が促進されることによって凝縮する蒸気が増加し、最終的には遠心力によって水が分離される。その結果、蒸気混じりの空気からより多くの蒸気を凝縮させると共に、より多くの水を分離することができる。また、旋回流路22は、蒸気と水の撹拌促進と水の分離との両方を行うので、分離ユニット10をコンパクトに形成することができる。
【0037】
また、分離器20は、旋回流路22を通過後の空気を排出する排気管23をさらに有し、旋回流路22は、排気管23の周囲を旋回するように配置されている。
【0038】
この構成によれば、旋回流路22の旋回半径が大きくなり、混合流体に作用する遠心力が大きくなる。その結果、より多くの水を分離することができる。
【0039】
さらに、旋回流路22は、混合流体を上方から下方へ流通させ、排気管23の上流端は、下方へ向かって開口しており、旋回流路22を通過後の空気は、上流端から上方へ向かって排気管23内に流入する。
【0040】
この構成によれば、混合流体が旋回流路22を概ね上方から下方へ向かって通過した後、水を分離された空気は、下方から上方に向かって排気管23に流入していく。
【0041】
また、熱回収システム100は、分離ユニット10と、水から熱を回収する熱交換器70と、分離ユニット10において分離された水を熱交換器70に供給すると共に、熱交換器70を通過後の水を噴射部13に供給する循環ユニット80とを備える。
【0042】
この構成によれば、熱回収システム100は、分離ユニット10で分離された水を循環ユニット80によって熱交換器70に供給し、熱交換器70によって熱が回収される。熱の回収後の水は、循環ユニット80によって分離ユニット10の噴射部13に供給され、蒸気混じりの空気に噴射される。噴射後の水は、分離ユニット10において、ドレンと共に分離される。分離後の水は、循環ユニット80によって再び熱交換器70に供給される。熱回収システム100は、このような動作を繰り返すことによって、蒸気混じりの空気から熱を回収する。
【0043】
さらに、熱回収システム100は、分離ユニット10から排出される空気に含まれる水分を取り除く徐水ユニット90をさらに備え、循環ユニット80は、徐水ユニット90によって取り除かれた水を回収する。
【0044】
この構成によれば、分離ユニット10から排出される空気は、徐水され、取り除かれた水は、分離ユニット10と熱交換器70との間を循環する水として循環ユニット80に回収される。詳しくは、蒸気混じりの空気に水が噴射され、その後、混合流体が旋回流路22で撹拌される構成においては、空気から水が分離されるとしても、ミスト状の水分が空気中に含まれ得る。徐水ユニット90を設けることによって、空気中の水分が取り除かれ、最終的には乾燥した空気が排出される。また、取り除かれた空気は、循環ユニット80によって回収され、噴射部13が噴射する水として利用される。
【0045】
《その他の実施形態》
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0046】
分離器20の構成は、前述の構成に限られない。例えば、分離器20は、排気管23を有していなくてもよい。その場合、排気管23は、分離器20よりも下方において容器11に設けられ得る。また、旋回流路22の本数は、6本に限られない。旋回流路22は、1本でもよく、複数本であってもよい。
【0047】
熱回収システム100の構成も前述の構成に限られない。例えば、徐水ユニット90は、省略されてもよい。また、熱交換後の水は、噴射部13から噴射する水として利用されなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上説明したように、ここに開示された技術は、分離ユニット及びそれを備えた熱回収システムについて有用である。
【符号の説明】
【0049】
100 熱回収システム
10 分離ユニット
12 流入部
13 噴射部
20 分離器
22 旋回流路
23 排気管
70 熱交換器
80 循環ユニット
90 徐水ユニット
図1
図2
図3