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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】光ファイバコネクタの終端処理ツール
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20220408BHJP
   G01M 11/00 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
G02B6/36
G01M11/00 G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019510918
(86)(22)【出願日】2017-08-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-31
(86)【国際出願番号】 US2017046489
(87)【国際公開番号】W WO2018038937
(87)【国際公開日】2018-03-01
【審査請求日】2020-08-03
(31)【優先権主張番号】62/378,298
(32)【優先日】2016-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/476,964
(32)【優先日】2017-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/668,961
(32)【優先日】2017-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507202736
【氏名又は名称】パンドウィット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】スレンドラ・チッティ・バーブ
(72)【発明者】
【氏名】ユ・フワン
(72)【発明者】
【氏名】ローマン・ジェイ・チャーノヴィック
(72)【発明者】
【氏名】スコット・アール・ハートマン
【審査官】井部 紗代子
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-520218(JP,A)
【文献】特開2001-074974(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0092147(US,A1)
【文献】特開昭63-091609(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0063761(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0376870(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0148201(US,A1)
【文献】特開2007-041176(JP,A)
【文献】特開2011-095411(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00
G02B 6/02
G02B 6/24 - 6/27
G02B 6/30 - 6/34
G02B 6/36 - 6/43
G02B 6/46 - 6/54
G01M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像取得システムによって光学コネクタの終端処理をテストするためのツールであって、当該ツールは、
ハウジングと、
前記ハウジングに設けられた光学窓であって、前記画像取得システムが前記光学コネクタの画像を捕捉するための光学窓と、
前記光学窓の上で前記ハウジングに装着され、前記光学コネクタを抑止するように構成された架台と、
前記架台に取り外し可能に装着され、周辺の光が前記光学コネクタに到達するのを少なくとも一部阻止するように構成されるカバーと
前記ハウジング内に収容されたトランスミッタオプティカルサブアセンブリ(TOSA)と、
前記TOSAから前記光学コネクタに光を伝達するランチファイバと、
前記ランチファイバの一端に装着されてコネクタに接続するように構成されたランチファイバアダプタと、
前記ランチファイバの他端に装着されたフェルールアダプタであって、前記フェルールアダプタは、前記ランチファイバが前記架台の回転地点を中心として前記架台に対して枢動するように接続されている、フェルールアダプタと、
を備え
前記架台は、2つの直立する梁を有し、前記梁は、前記梁の対向して向き合う壁に半球状の突起を備え、前記フェルールアダプタは半球状の凹部を含み、前記半球状の凹部は、前記フェルールアダプタが前記架台の前記2つの直立する梁の間に嵌合する際のボール-ソケットジョイントを形成する、ツール。
【請求項2】
前記カバーは、少なくとも1つの磁石によって前記架台に装着される、請求項1に記載のツール。
【請求項3】
前記カバーは、それを前記架台から取り外すことなく、前記光学コネクタの覆いを取るために傾斜させることができる、請求項に記載のツール。
【請求項4】
前記カバーは、一体丁番をさらに備える、請求項3に記載のツール。
【請求項5】
前記架台は、前記ハウジングに取り外し可能に装着される、請求項1~4のいずれか一項に記載のツール。
【請求項6】
前記架台は、磁石を介して前記ハウジングに取り外し可能に装着される、請求項に記載のツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月23日に出願された米国仮出願第62/378,298号及び2017年3月27日に出願された米国仮出願62/476,964号の優先権を主張し、その主題はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、光ファイバケーブルの終端処理の分野に関し、より詳細にはユーザがフィールド終端処理コネクタを設置するのを補助するツールと、それに関連する方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
光ファイバの領域で作業する際、ユーザは、光ファイバまたはファイバリボンの接続されていない端部の間に接続を確立することを要求されることが多い。これは一般にスプライシングと呼ばれており、2本のファイバの間に一時的または永続的なジョイントを形成することを伴う。特定の例では、2本のファイバは正確に位置合わせされ、次いでアーク放電によって生み出されることが多い局所的な強い熱を使用して一緒に融合される。これは融着接続と呼ばれ、2本の光ファイバの間に高性能の永続的なジョイントを形成するのに広く用いられている。しかし、融着接続装置は、幾分かさばり、高価であり、比較的もろいものである。代替として、2本のファイバを、メカニカルスプライスと呼ばれることが多い位置合わせ固定具の中で単に互いに当接させる場合がある。位置合わせ固定具は、両側に別々のファイバの2つの端部を収容し、ファイバを物理的に固定する手段を有する位置合わせチューブまたはV字形の溝であり得る。他の例では、位置合わせ装置は、フィールドファイバをコネクタ接続するために作成されたスタブファイバが中に埋め込まれた光ファイバコネクタである場合がある。このようなケースでは、フィールドファイバは、コネクタ内部のスタブファイバへのメカニカルスプライスを利用して終端処理することができる。
【0004】
重大な信号損失を回避し、これらのジョイント内での潜在的な反射率または光の漏れを最小限にするために、ユーザは、フィールドファイバ(複数可)が適切に劈開されること、ファイバ間に正確な位置合わせが存在していること、及びファイバ間に塗布される透明なゲルまたは光学的接着剤がガラスの光学的性質と適合していることを保証する必要がある。しかし、これらの詳細は必ずしも検出する及び/または保証するのが容易ではない。
【0005】
光ファイバケーブルを終端処理する作業に関連してユーザを補助するための様々な手法が開発されてきた。例えば、「Apparatus and Method for Terminating and Testing Connectors」と題される米国特許出願シリアル番号14/920,270号及び「Methods and Devices for Evaluating Optical Fiber Splices」と題される米国特許出願シリアル番号62/370,379号は、両出願ともその全体が参照により本明細書に組み込まれており、スプライスに関するしかるべき情報を証明するために、コネクタの評価に向けた概念を記載している。しかしながら、これらの出願における開示は、光ファイバの終端処理に対する全体的な手法に集中しており、意図される目的のために使用されるツールは相対的にほとんど物理的に定義されていない。
【0006】
したがって、メカニカルスプライスの品質を判定し、これを改善し、かつフィールドファイバの改善された終端処理を実現するのを助けることに向けられた装置及び方法に対する要望がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって本発明の実施形態は、光ファイバケーブルの終端処理に関連する装置、システム及び方法ならびにそのために使用されるツールを対象としている。
【0008】
本発明のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の図面、説明及び後に続く可能性のある任意の添付の特許請求の範囲を参照してよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】本発明の一実施形態による終端処理ツールの斜視図である。
図1B図1Aの終端処理ツールの上面図である。
図1C図1Aの終端処理ツールの側面図である。
図2図1Aの終端処理ツールの分解組み立て斜視図である。
図3図1Aの終端処理ツールの断面側面図である。
図4A】本発明の一実施形態による架台の底面部斜視図である。
図4B図4Aの架台の上面斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による架台の中に設置されたコネクタの上面斜視図である。
図6】本発明の一実施形態による架台の中に設置されたコネクタの上面斜視図である。
図7】本発明の一実施形態による頂部ハウジングの底面斜視図である。
図8】本発明の一実施形態による終端処理ツールに対する架台の位置合わせの斜視図である。
図9】本発明の一実施形態による頂部ハウジングに装着されたTOSA及びランチファイバアダプタの図である。
図10】本発明の一実施形態によるランチファイバと、終端処理ツールへのその装着を示す図である。
図11】本発明の一実施例による架台にコネクタを装着するプロセスを示す図である。
図12A】本発明の一実施形態による終端処理ツールの両手利きの機能性を示す図である。
図12B】本発明の一実施形態による終端処理ツールの両手利きの機能性を示す図である。
図13】本発明の一実施形態による終端処理ツールの内部構成要素と、カメラと、レンズ系とを示す図である。
図14】本発明の一実施形態による終端処理ツールの頂部ハウジングに対する赤外フィルタの位置決めを示す図である。
図15】本発明の一実施形態によるLCD構成要素を伴う頂部ハウジングを示す図である。
図16】本発明の一実施形態による付随する構成要素を備えたナビゲーションスイッチの分解組立図である。
図17】本発明の一実施形態による電池構成要素の分解組立図である。
図18】本発明の一実施形態によるカバーの一実施形態と共に使用される終端処理ツールを示す図である。
図19】本発明の一実施形態によるカバーの一実施形態と共に使用される終端処理ツールを示す図である。
図20A図18及び図19のカバーを示す図である。
図20B図18及び図19のカバーを示す図である。
図21】本発明の一実施形態による終端処理ツール上に設置された図18及び図19のカバーを示す図である。
図22】本発明の一実施形態による終端処理ツール上に設置された図18及び図19のカバーを示す図である。
図23】開放位置における図18及び図19のカバーを示す図である。
図24】本発明の一実施形態によるカバーの別の実施形態と共に使用される終端処理ツールを示す図である。
図25】本発明の一実施形態によるカバーの別の実施形態と共に使用される終端処理ツールを示す図である。
図26図24及び図25のカバーを示す図である。
図27】本発明の一実施形態による終端処理ツール上に設置された図24及び図25のカバーを示す図である。
図28】本発明の一実施形態による終端処理ツール上に設置された図24及び図25のカバーを示す図である。
図29】開放位置における図24及び図25のカバーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1Aから図1Cを参照すると、終端処理ツール100の一例の実施形態が示されており、図1Aは斜視図を示しており、図1Bは上面図を示し、図1Cは側面図を示している。
【0011】
図2に示されるように、終端処理ツール100は、頂部ハウジング102と、底部ハウジング104とを含む。頂部ハウジング102は、ベゼル108を備えた液晶ディスプレイ(LCD)106と、ナビゲーションスイッチ110と、評価を受けているコネクタのための架台112と、IRフィルタ114と、電池ハウジング116とを保持している。それはまた、これを通して画像取得システムが、評価を受けているコネクタの画像を取得する光学窓118も有する。頂部ハウジング102内の位置合わせ用のピン119と、底部ハウジング104内の位置合わせ用の孔121とが、接合する際、ハウジング102及び104の両方を位置合わせするように機能する(図3参照)。頂部ハウジング102に装着された4つの磁石120が、終端処理プロセスの間、架台を位置合わせし、磁力によって保持するように機能する。底部ハウジング104は、一次プリント回路基板(PCB)112と、トランスミッタオプティカルサブアセンブリ(TOSA)124と、ランチファイバアダプタ126と、電池ドア128と、滑り防止パッド130とを収容する。
【0012】
示されるように、終端処理ツール100は、図4A図6に示されるように3種類の架台を含む。これらの架台112.2、112.4及び112.6は、それぞれLC、SC及びST光ファイバコネクタ用に設計されている。3つの架台のみが例示されているが、任意の数の架台がこのツールと共に機能するように適合されてよく、この場合、前記架台は、特有の種類の単一の、または複数のファイバコネクタに合わせて構成される。各架台112は、これを通して画像取得システムによって、評価を受けているコネクタを見ることができる光学窓132をその底部に有する。
【0013】
架台112を頂部ハウジング102に装着するために、4つの磁石134が各架台の内部に収容されている。それらは、それぞれの磁石用の空洞136に挿入され、プレス嵌め作業、接着剤または他の固定手段によってその中に保持することができる。設置される際、磁石は、頂部ハウジング102内に設置された磁石120と同じ様式で離間される。頂部ハウジング102のそれぞれの磁石ポケット137内への磁石120の位置決めを図7に見ることができる。各磁石セットにおける磁石の同一の相対的な位置決めによって、互いに引き寄せられる磁石120と、磁石134とによって架台が頂部ハウジング102に引き寄せられ、ある程度固定されることを可能にする。磁石120と、磁石134が互いに引き寄せ合うようにするには、それらを適切な磁極の向きで設置する必要があることに注意することが重要である。それはすなわち、2つのそれぞれの磁石120/134の磁極が反対である(N-SまたはS-N)べきである。
【0014】
架台112は、各架台112及び頂部ハウジング102内の位置合わせ機構を利用して、光学窓118を覆うように正確に頂部ハウジング102内に位置決めされる。例示される実施形態(複数可)のケースでは、このような位置合わせ機構は、架台112の中に設計される位置合わせ用のピン138(図4Aを参照)と、頂部ハウジング102内に設計される対応する位置合わせ用の孔140(図8を参照)である。架台112を頂部ハウジング102に装着する磁石の方法と結合されたこのような位置合わせ設計は、容易で手間がかからず、なおも正確な、光学窓118上での架台112の位置合わせを可能し、ユーザが頂部ハウジング102の光学窓118の付近に架台112を落としたり、置いたりした場合、架台112は、磁石の相互作用と、位置合わせ機構を通して自然に自分で位置合わせし、磁石の引力を介して確実に装着する。このようなケースでは、「固定される」というのは、架台の中への評価を受けているコネクタの設置、ツールの移動または他の似たような出来事に起因する架台の無作為の移動を指すことに留意されたい。ユーザはそれでもなお、架台内の磁石と、頂部ハウジング内の磁石との間の磁石の引力を中断させるのに十分な力を加えることによって、頂部ハウジングから架台を取り外すことが可能である。このような設計は、架台112を頂部ハウジング102上の適切な場所に位置決めするユーザの能力への依存を低減させる可能性がある。
【0015】
図4Bに戻って参照すると、LC架台112.2及びSC架台112.4は、2つの直立する梁を有し、前記梁の対向して向き合う壁に半球状の突起144を備えるように設計される。対応する半球状の凹部150を有するランチファイバ148のフェルールアダプタ146(図10を参照)と対になったとき、架台と、アダプタ間の相互作用が、ボール-ソケットジョイントを形成し、架台が特定の範囲の角度にわたって枢動することを可能にする(図11を参照)。
【0016】
実際には、終端処理ツール100は、TOSA124によって生成された光をランチファイバ148を介して、評価を受けているコネクタに送達し、その後前記コネクタからの光の放射パターン(複数可)を評価して終端処理に関連する情報をユーザに送達する。一実施形態において、TOSA124は、所定の波長で赤外(IR)線を放射する。他の実施形態において、TOSA124によって放射される光の波長は、必要に応じて/所望により調節される場合もあり、可視スペクトラムまたは紫外スペクトラムの範囲内であってよい。
【0017】
図9を参照すると、TOSA124は、ランチファイバアダプタ126に挿入されたそのフェルールによって一次PCB122に接続され、このアダプタは、現行の実施形態ではLCアダプタとして示されている。ランチファイバ148は、TOSA124からの光を評価を受けているコネクタに伝達するのに利用される。ランチファイバ148の一端は、図10に示されるように、ランチファイバアダプタ126に接続するように構成されたコネクタ152(例えば標準的なLCコネクタ)を利用して終端処理される。ランチファイバ148の他端は、図11に示されるように架台112に接続し、最終的には、評価を受けているコネクタに接続するフェルールアダプタ146(例えばLCコネクタ用の1.25mmのフェルールアダプタまたはSCもしくはSTコネクタ用の2.5mmのフェルールアダプタ)を利用して終端処理されている。フェルールアダプタ146は、架台112の2つの直立する梁142の間に嵌合し、それらの間にボール-ソケットジョイントを形成するように、半球状の凹部150を含んでいる。ひとたび架台112の中に設置されると、ランチファイバ148は、回転地点154を中心として枢動することで、評価を受けているコネクタ156を挿入し易くすることができる。例えば枢動設計によって、コネクタ156を挿入するユーザのためにより簡便な挿入角度を提供するためにフェルールアダプタ146を上向きに角度を付けることを可能にすることができる。その後、ひとたびコネクタ156がフェルールアダプタ146に挿入されると、両構成要素を抑止位置まで下方に揺動させ、適切な終端処理及び評価のために光学窓118及び132の上の適切な場所に評価を受けているコネクタ156を着座させる。
【0018】
架台112は、図12に示されるように光学窓の上に二方向に位置決めすることができるように設計されている。位置決め機構と、架台112と、頂部ハウジング102との間の磁石保持機構は、光学窓118及び132の中央の面を中心に対称であるように設計されている。これをツールの撮像構成要素の正確な位置決め(例えば光学窓118及び132に対する中心)と組み合わせることによって、右手に持った操作及び/または左手に持った操作をし易くすることが可能になり得る。
【0019】
終端処理ツール100の撮像用構成要素は、一次PCB122を含んでおり、これは他の構成要素の中でも、カメラ158と、レンズ系160と、マイクロプロセッサ162と、マイクロUSBポート164とを有する。カメラセンサ158は、レンズ系160が直にその上の中心に置かれた状態で主要なPCB122の中に埋め込まれる。レンズ系160の適切な位置合わせを補助するために、レンズホルダ166(これはレンズ系160の部品である)には複数の位置合わせ用のピン168が備わっている。
【0020】
終端処理ツール100はIRスペクトラムの光によって作動するため(一部の実施形態では)、IRフィルタ170が頂部ハウジング102の光学窓118の真下に装着される(図14を参照)。このIRフィルタ170は、IR光のみがカメラセンサ158まで進むことを許可し、全ての可視光を阻止する。IRフィルタ170と、頂部ハウジング102との間の密閉を高めるために、ガスケット172も設けられている。加えて、図13に示されるようにプラスチックシート174がダストカバーとして使用されて、埃が終端処理ツール100に進入し、様々な撮像用構成要素の上に堆積することで撮像用構成要素に影響を及ぼすのを阻止する、または軽減する。シート174は、頂部ハウジング102と、底部ハウジング104との間に挟まれる。
【0021】
様々な情報をユーザに送達するのを助けるために、終端処理ツール100には、画像、メッセージ、指示、メニューなどを表示するのに使用されるLCD106が備わっている。図15を参照すると、LCD106は、二次PCB176上に設置され、頂部ハウジング102に対してヒートステークされる。ガスケット178が、頂部ハウジング102と、LCD106との間に設けられ、LCD106に対するクッションとして機能し、ツール100に埃が進入するのを阻止するのを助けている。加えて、ベゼル108が、頂部ハウジング102に装着される。ベゼルは、ブランド/モデル識別名を有するようにスクリーンプリントすることができるプラスチックシートで作成されてよい。さらに、LCD106スクリーンに対して対比色がベゼル上で使用される場合、ベゼル108は、LCDスクリーン上に示される情報をより読みやすくするためにピクチャフレーム作用をもたらす場合がある。
【0022】
終端処理ツール100はまた、操作を指示し、LCD106上に示されるメニューから選択を行うのに使用されるナビゲーションスイッチ110も含む。ナビゲーションスイッチ110は、押し下げられる際、四方向に向きを変え、1回のエンター/入力が可能である。それは、図16に示されるようにツール100の頂部ハウジング102にヒートステークされる第3のPCB180上に設置される。ガスケット182が、ナビゲーションスイッチボタン184と、ナビゲーションスイッチ110自体との間に設けられる。これは、頂部ハウジング102にある開口部を通って埃が進入したり、偶発的にPCB180と接触したりするのを阻止し、ボタン184の周りで頂部ハウジングにある開口部のための見た目に美しいカバーを提供する。ボタンガード186として機能する4つの突起が、ボタン184の周辺部を取り巻くように設けられることで意図しない選択を阻止し、偶発的に落下したときのスイッチの保護を提供する。
【0023】
図17を参照すると、終端処理ツールは、電池ハウジング116の中に収容され、電池ドア190によって覆われた電池188(例えば2つのAAサイズの電池)を介して動力が与えられる。電池ハウジング116は、頂部ハウジング内の一対のボスに対するねじ山形成ねじを利用して頂部ハウジング102に締結される。電池構成要素に対する、及び終端処理ツールの残りのものに対する損傷を回避するのを助けるために、付加的なハウジング強化材及び弾性カバー/ケースのような機構が設けられてよい。
【0024】
一部の実施形態では、特定の波長(例えば790nmを超える)で光を放射する光源を有する環境において終端処理ツール100を作動させる場合、コネクタ156、架台112及び/または光学窓118をそのような光源から遮蔽するのが有益である場合がある。これは、図18及び図19に示されるようにカバー195を設けることによって行うことができる。カバー195は、図20A及び図20Bに単独でより大きな詳細で、図21及び図22では終端処理ツール100に設置されて示されており、その底面付近に埋め込まれた少なくとも1つの磁石200を含んでいる。磁石(複数可)200は、架台112の中の磁石(複数可)134の上に嵌まるように位置決めされており、カバー195を架台を介して磁力によりツール100に装着することを可能にする。複数の終端処理ステップの中で、カバー195は、図23に示されるように押し戻され得ることで、コネクタ及び架台にアクセスすることを可能にし、磁石200と、磁石134との間の磁力の相互作用は、カバー195がツール100から完全に切り離されるのを阻止すべきである。
【0025】
カバー205の代替の一実施形態が、図24図29に示されており、ここではカバー205は一体丁番210を含んでいる。カバー205は、中に磁石が設置された4つの脚部215を含む。脚部215の位置決めは、架台112内の磁石134の配置に対応する。この構成では、カバー205は、磁石134と、脚部215内の磁石が互いに引き寄せ合っている状態で架台の上に確実に位置決めすることができる。カバーを開き、コネクタへのアクセスを確保するために、ユーザは、前方部分が一体丁番210を中心として回転するように、タブ220を利用してカバー205の前方部分を持ち上げることができる。
【0026】
本発明をいくつかの実施形態に関して説明してきたが、これらの実施形態は非限定的であり(例示として分類されているか否かにかかわらず)、変更、置換及び均等物が存在し、これらが本発明の範囲内にあることに留意されたい。さらに、記載された実施形態は相互に排他的であると解釈されるべきではなく、そのような組み合わせが許容される場合代わりに潜在的に組み合わせ可能であると理解するべきである。本発明の方法及び装置を実施する多くの代替方法があることにも留意されたい。したがって、以下に続く可能性のある特許請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲内に含まれるものとして、そのようなすべての変更、置換及び均等物を含むように解釈されることが意図されている。
【符号の説明】
【0027】
100 終端処理ツール
102 頂部ハウジング
104 底部ハウジング
106 液晶ディスプレイ(LCD)
108 ベゼル
110 ナビゲーションスイッチ
112 架台
114 IRフィルタ
116 電池ハウジング
118 光学窓
119 ピン
120 磁石
121 孔
124 トランスミッタオプティカルサブアセンブリ(TOSA)
126 ランチファイバアダプタ
128 電池ドア
130 防止パッド
132 光学窓
134 磁石
136 空洞
137 磁石ポケット
138 ピン
140 孔
142 梁
144 突起
146 フェルールアダプタ
148 ランチファイバ
150 凹部
152 コネクタ
154 回転地点
156 光ファイバコネクタ
158 カメラセンサ
160 レンズ系
162 マイクロプロセッサ
164 マイクロUSBポート
166 レンズホルダ
168 ピン
170 IRフィルタ
172 ガスケット
174 プラスチックシート
178 ガスケット
182 ガスケット
184 ナビゲーションスイッチボタン
186 ボタンガード
188 電池
190 電池ドア
195 カバー
200 磁石
205 カバー
210 一体丁番
215 脚部
220 タブ
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29