(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】設置工具、設置工具システム用セット及び設置工具システム
(51)【国際特許分類】
B25B 13/48 20060101AFI20220408BHJP
B25B 13/54 20060101ALI20220408BHJP
B25B 21/00 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
B25B13/48 Z
B25B13/54 B
B25B21/00 H
(21)【出願番号】P 2019570082
(86)(22)【出願日】2018-06-25
(86)【国際出願番号】 EP2018066890
(87)【国際公開番号】W WO2019007726
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2019-12-18
(32)【優先日】2017-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, LIECHTENSTEIN
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ドンナー, トビアス
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-136268(JP,U)
【文献】米国特許第06050157(US,A)
【文献】特開2010-167531(JP,A)
【文献】特開2007-160418(JP,A)
【文献】特開2015-223659(JP,A)
【文献】登録実用新案第3110115(JP,U)
【文献】登録実用新案第3144459(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 21/00
B25B 13/00 - 13/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセルアンカー(44)を設置する設置工具システム(42)用の設置工具(10)であって、
前記設置工具(10)は、シャフト(12)と、前記シャフト(12)の一端に配置され、カプセルアンカー(44)の駆動ヘッド(50)を接続することが可能な接続部(16)を有する頭部(14)と、を備え、
前記シャフト(12)は、前記頭部(14)に隣接するねじ領域(20)にねじ山(22)を有し、前記頭部(14)とは反対側に位置する前記シャフト(12)の端部にねじ無し領域(24)を有し、
前記設置工具(10)の前記ねじ無し領域(24)は、前記ねじ無し領域(24)を駆動機械にクランプすることで、前記駆動機械に直接接続することができる、設置工具(10)。
【請求項2】
前記接続部(16)は、前記設置工具(10)の頭部(14)に凹部(18)として構成される、請求項1に記載の設置工具(10)。
【請求項3】
前記凹部(18)が六角形状を有する、請求項2に記載の設置工具(10)。
【請求項4】
前記接続部(16)が凸部として構成される、請求項1に記載の設置工具(10)。
【請求項5】
前記凸部は六角形状を有する、請求項4に記載の設置工具(10)。
【請求項6】
前記ねじ無し領域(24)が六角形状を備える、請求項1から5までのいずれか1項に記載の設置工具(10)。
【請求項7】
前記設置工具(10)は、一体に構成される、請求項1から6までのいずれか1項に記載の設置工具(10)。
【請求項8】
前記カプセルアンカー(44)を設置する前記設置工具システム(42)用のセット(26)であって、前記駆動機械と接続され得るアダプタ(28)を備え、前記ねじ領域(20)のねじ山(22)をねじ込むことにより前記アダプタ(28)に接続される請求項1から7までのいずれか1項に記載の設置工具(10)を少なくとも1つ備える、セット(26)。
【請求項9】
前記セット(26)は、請求項1から7までのいずれか1項に記載の設置工具(10)を複数備える、請求項8に記載のセット(26)。
【請求項10】
前記複数の設置工具(10)の接続部(16)は、それらの大きさが異なるように構成される、請求項9に記載のセット(26)。
【請求項11】
前記
複数の設置工具(10)の前記ねじ領域(20)及び/又は前記ねじ無し領域(24)は、それらの形状が同一となるように構成される、請求項
9および10のいずれか1項に記載のセット(26)。
【請求項12】
前記アダプタ(28)がSDS挿入端(34)を備える、請求項8から11までのいずれか1項に記載のセット(26)。
【請求項13】
前記アダプタ(28)は、前記SDS挿入端(34)とは反対側の端部に前記設置工具(10)を保持する保持部(30)を備える、請求項12に記載のセット(26)。
【請求項14】
保持部(30)がねじを備える、請求項13に記載のセット(26)。
【請求項15】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の設置工具(10)又は請求項8から14までのいずれか1項に記載のセット(26)と、前記カプセルアンカー(44)及び/又は前記駆動機械と、を備える設置工具システム(42)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置工具及び設置工具システム用セット、並びにカプセルアンカーを設置するための設置工具システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カプセルアンカーは、主にコンクリートで構成された基礎に重い荷重を固定するために使用される化学アンカーである。カプセルアンカーの設置は、まず、洗浄されたボーリング孔にカプセルを挿入する。続いて、カプセルアンカーのアンカーロッドが、アンカーロッドを回転させることによって、ボーリング孔の内部のカプセルに導入され、そこで、カプセルは破壊され、アンカーロッドの回転によって混合される少なくとも2つの成分を放出し、次いで、互いに化学的に反応する。その結果、カプセルアンカーと基礎、特にボーリング孔の周囲、との圧入嵌合接続及び形状適合接続が形成される。
【0003】
カプセルアンカーを設置するには、設置工具及び駆動機械、と共にボーリング孔、カプセル、アンカーロッドが必要である。設置工具は、駆動機械の動作をカプセルアンカーに伝達する構成を有する。
【0004】
シリーズ用途では、異なる大きさのアンカーロッドに対して異なる設置工具が必要とされるため、設置工具の準備に高いコストが発生する。更に、化学成分が硬化するまで設置工具をカプセルアンカーから取り外すことができないので、シリーズ用途の場合には同じ大きさを有する設置工具を複数準備する必要がある場合が多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、異なる大きさのカプセルアンカーが取り付け可能であり、設置工具システム、セット、及び設置工具システムの更なる部品と多様な接続を可能とし、最適な設置工具を利用可能にするところにある。更に、本発明の目的は、打撃ドリル又はコードレスドリル/ドライバとの使用に適した設置工具を柔軟に利用し得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本発明のカプセルアンカーを設置する設置工具システム用の設置工具によって達成され、ここで、設置工具は、シャフトと、シャフトの一端に配置された頭部と、を備え、カプセルアンカーの駆動ヘッドが接続される接続部を有し、シャフトは、頭部に隣接するねじ領域にねじ山を有し、頭部の反対側に位置するシャフトの端部にねじ山のない部分を有する。
【0007】
このような設置工具は、ねじ領域を介して、対応して構成されたアダプタにねじ込み可能であるだけでなく、ねじ無し領域を介して、直接駆動機械に接続し得るという利点を有する。その結果、設置工具の柔軟な使用が可能となる。例えば、(コードレス)ドリル/ドライバとして構成された駆動機械と接続し得る。従って、ユーザは、駆動機械の柔軟な選択ができる。
【0008】
一実施形態によれば、接続部は、設置工具の頭部の凹部として構成される。その結果、カプセルアンカーは、アンカーが凹部内に挿入されるので、迅速な手の動きによって、設置工具と接続され得、力は、設置工具によって、駆動機械からカプセルアンカーに伝達され得る。アンカーがボーリング孔に埋め込まれると、カプセルアンカーを設置工具から簡単に分離でき、更なるカプセルアンカーをすぐに設置し得る。
【0009】
凹部は、六角形状、特に六角穴形状とすることが好ましい。この形状は、カプセルアンカーの対応する外部六角形状、特にカプセルアンカーのアンカーロッドと係合することができる。
【0010】
他の実施形態によれば、接続部は、凸部として構成される。凸部は、六角形状とすることができ、特に、軸方向に突出する六角形シャフトであってよい。結果として、設置工具は、カプセルアンカーの対応する六角穴形状と係合することができ、特に、形状適合接続によりロッドに係合することができる。
【0011】
設置工具からカプセルアンカーへの力の伝達は、設置工具で対応するように構成された接続部によって確実に行われる。このようにして、カプセルアンカーが基礎に適切に設置されることが保証される。
【0012】
設置工具のねじ山のない部分は、六角形の外形を有することが好ましい。これにより、ドリル/ドライバのジョーチャックホルダ、特に一般的に使用されているスリージョーチャックホルダに設置工具を挿入し得る。これにより、アダプタを使用することなく、設置工具を駆動機械と直接接続し得るという利点がある。
【0013】
設置工具は、好ましくは、一体に構成される。結果として、設置工具は、カプセルアンカーを設置する際に、特に単純な方法で使用され得、力は、それに応じて伝達され得る。更に、一体構成に基づき、設置工具の製造が単純化される。
【0014】
更に、本発明によれば、この目的は、駆動機械と接続され得るアダプタと、少なくとも1つの設置工具と、を有するカプセルアンカーを設置する設置工具システム用のセットによって達成される。
【0015】
このようなセットは、設置工具の幾何学的形状が、駆動機械の対応するホルダの幾何学的形状に一致する必要がなく、むしろ、アダプタを介して設置工具を駆動機械と接続し得るという利点を有する。この目的のために、設置工具とアダプタは、例えば、圧入嵌合接続、又は形状適合接続によって、互いに接続し得る。
【0016】
好ましい実施形態によれば、セットは、複数の設置工具、例えば少なくとも2つ、特に少なくとも4つの設置工具を有する。このように、セットは、特にカプセルアンカーのアンカーロッドの大きさに関して、又は駆動ヘッドに関して、異なる構成を有するカプセルアンカーとの接続のための複数の設置工具を有することができる。
【0017】
複数の設置工具の接続部の大きさは、異なる構成とし得る。このように、設置工具は、異なる大きさを有するカプセルアンカーと接続され得る。好ましい実施形態によれば、セットは、複数の設置工具を保有可能で、これらの設置工具は、各事例において、サイズがM8、M10、M12、及びM16を有するカプセルアンカーと接続することが可能である。この点、設置工具には、これに合致する接続領域がある。
【0018】
複数の設置工具のねじ領域及び/又はねじ無し領域は、同一形状で構成されることが好ましい。そうすることで、セットのすべての設置工具を同じアダプタ又は同じ駆動機械に接続することが可能となる。その結果、セット内の工具の数を少なく抑制でき、製造コストも僅かである。例えば、セットのすべての設置工具を、特にそれぞれの設置工具の対応するねじ領域を介して、セットのアダプタに接続し得る。
【0019】
例えば、アダプタにはSDS挿入端、特にSDS-Plus又はSDS-Max挿入端がある。SDS挿入端により、アダプタは、SDSホルダを有し、対応する構成の駆動機械に接続することが可能である。「SDS」という用語は、ドリル及びハンマードリルのような打撃及び回転工作機械、特にコードレスドリルのためのドリルシャフトシステムを意味する。この挿入システムの場合、シャフトには、より良い力の伝達と同時に打撃を保証する特殊な溝が設けられている。他の挿入システムとは対照的に、SDSシャフトは、ドリルビット及びチゼルの工具フリーかつ迅速な交換を可能にする。SDS-Plus又はSDS-Maxの代わりに、TE-C又はTE-Yの略語もよく使われる。
【0020】
好ましい実施形態によれば、アダプタは、挿入端とは反対側の端部に、設置工具を保持する保持部を有する。これにより、アダプタを介して設置工具を駆動機械に接続することが可能となる。
【0021】
保持部は、例えば、ねじ山、特に、雌ねじを有する。雌ねじは、ねじ領域の設置工具のねじ山と合致しており、設置工具をアダプタと一緒にねじ込んで、形状適合又は圧入嵌合により接続することができます。これにより、設置工具をアダプタに確実に接続し、且つ取り外し可能な方法で接続することができます。設置工具は、アダプタにねじ止めしたり、アダプタからねじを外したりすることで、簡単に交換することができます。この点に関し、セットの全ての設置工具は、保持領域のねじ山に合致するねじ領域を有する。設置工具及びアダプタは、保持部に合致するねじ領域をねじ込むように誘導するように構成され、その結果、ねじ山が傾くことが防止される。
【0022】
更に、上述された設置工具、又は上述されたように構成された対応する設置工具及びアダプタを有するセット、並びにカプセルアンカー及び/又は駆動機械を備える設置工具システムが示される。この設置工具システムによって、1つ又は複数のカプセルアンカーを設置するために必要なすべての構成要素が、ユーザに利用可能となる。駆動機械は、ハンマードリル、コードレスドリル、又は一般的にはドリル/ドライバであってよい。
【0023】
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の説明及び引用文献がなされる以下の図面から明らかである。図面は下記のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図2】複数の設置工具を有する本発明によるセットである
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、カプセルアンカーを設置するための設置工具10を示す。設置工具10は、シャフト12と、シャフト12の一端に配置された頭部14とを有する。
【0026】
接続部16は、頭部14に配置され、凹部18を備える。接続部16は、特に凹部18によって形成されている。凹部18は、六角形状を有する凹部であり、特に、凹部18は、六角穴形状を有する。
【0027】
一般に、接続部16又は凹部18は、シャフト12に面していない頭部14の端面に配置される。
【0028】
カプセルアンカーの端部は、特に、形状適合により、凹部18内に挿入することができ、この端部は、駆動ヘッドとも呼ばれる。その結果、設置工具10からカプセルアンカーに駆動トルクを伝達可能となる。この目的のために、カプセルアンカーは、アンカーロッド上に合致する六角形状の外形を有し、アンカーロッドは、以下に更に説明されるように、カプセルと接続される。
【0029】
シャフト12は、ねじ山22を有するねじ領域20とねじ無し領域24とを有する。この点に関し、ねじ無し領域24は、図示しない駆動機械と設置工具10とを直接接続する役割を果たすことができる。この目的のために、ねじ無し領域24は、六角形の外形、特に正六角形の外形を有し、これにより、例えば、設置工具10を駆動機械のスリージョーチャックに接続することができる。あるいは、ねじ無し領域24は、四角形の外形、特に正方形の外形を有することもできる。
【0030】
ねじ領域20によって、設置工具10は、
図2に示すアダプタ、特にそれにねじ込まれたアダプタに接続することができる。アダプタは、とりわけ、ねじ無し領域24の幾何学的形状が駆動機械のホルダの幾何学的形状と一致しない場合に使用される。更に、以下で説明するように、アダプタを介して更なる機能を利用可能にすることができる。
【0031】
従って、設置工具10は、本質的に3つの領域、すなわち、第1の端部における接続部16、それに続くねじ領域20、及び他端部におけるねじ無し領域24を有し、これらの領域を介して設置工具10を駆動機械に直接接続することができる。これらの3つの領域16、20、24は、互いに移行する。
【0032】
図2は、アダプタ28及び4つの異なる設置工具10からなるカプセルアンカーを設置するためのセット26を示す。各設置工具10の凹部18は、異なる大きさで構成されている。その結果、各設置工具10は、凹部18に合致する大きさを有する特定のカプセルアンカーと接続され得る。例えば、
図2に示される設置工具10は、ねじサイズがM8、M10、M12、及びM16を有するカプセルアンカーと接続され得る。
【0033】
シャフト12、特にねじ領域20及びねじ無し領域24は、各設置工具10の場合と同様に構成することができる。これにより、全ての設置工具10を1つのアダプタ28に接続することができる。
【0034】
設置工具10をアダプタ28に接続するために、設置工具10は、ねじ領域20によってアダプタ28にねじ止めすることができる。この目的のために、アダプタ28は、保持部30上のねじ領域20に合致するねじ山を有する。このねじ山は、それぞれの設置工具10のねじ領域20の雄ねじ山に合致する雌ねじ山として構成される。アダプタ28のねじ山は、設置工具10がアダプタ28に関連してすでに示されているため、
図2には示されていない。
【0035】
その際、使用されている設置工具10とアダプタ28とは、形状適合又は圧入嵌合で接続される。
【0036】
設置工具10は、合致するねじ領域20を介してアダプタ28と結合されるので、各事例において、異なる設置工具10のねじ領域20が、同じになるように構成されていれば十分である。設置工具10のねじ無し領域24に関しては、これらがアダプタ28に保持されることを保証しなければならない。
【0037】
ねじ山が配置されているアダプタ28の一方の端部において、アダプタ28は、アダプタ28の外側の平らな部分として構成される少なくとも1つのキー表面32を有する。このキー表面32は、例えば、対応する工具を用いて簡単な方法で設置工具10を解放することができるように機能する。
【0038】
アダプタ28は更に、保持部30の反対側の端部に設けられた挿入端34を有する。アダプタ28は、挿入端34を用いて駆動機械と接続することができる。ここで、挿入端34は、SDS-Plus挿入端として構成される。特に、M20以上のサイズのアンカーロッドを設置できる設置工具を保持できるようにするために、SDS-Max挿入端として構成することもできる。この点に関し、SDSは、挿入端34に特殊な溝が設けられ、力のより良い伝達と同時に打撃を保証する挿入システムを提供している。特に、挿入端34は、挿入端34が形成されるアダプタ28の端部までアダプタ28の長手方向に延びる2つの長手方向溝36を有する。
図2では、2つ目の長手方向溝36がアダプタ28の反対側に位置しているので、長手方向溝36のうちの1つのみが見える。アダプタ28は、キー/ホールの原理に従って、長手方向溝36によって適合する形状を有する駆動機械に挿入可能であり、それによって、トルクを駆動機械からアダプタ28に伝達することができる。
【0039】
更に、アダプタ28は、対向する表面に設けられた2つの更なる溝38を有し、これらの溝は、挿入端34においてアダプタ28の端面40から距離を有する。溝38は、駆動機械内に取り付けられたローラ又はボールが溝38内に係合するという点で、特に打撃中に、駆動機械内のアダプタ28の軸方向の移動を制限する役割を果たす。更に、溝38はトルクの伝達に寄与し得る。
【0040】
図3は、カプセルアンカー44と同様に、
図2に記載のセット26又は
図1に記載の少なくとも1つの設置工具10を有する設置工具システム42を示す。カプセルアンカー44は、少なくとも2つの構成要素が収容されるカプセル48及びアンカーロッド46を有する。
【0041】
アンカーロッド46は、外形が六角形で構成される駆動ヘッド50を有する。従って、アンカーロッド46は、駆動ヘッド50を介して、対応して構成された設置工具10、言い換えれば、駆動ヘッド50の幾何学的形状に適合する凹部18を有する設置工具10と接続され得る。
【0042】
加えて、設置工具システム42は、例えばドリル/ドライバ又はハンマードリルのような、概略的に示された駆動機械52を有することができる。駆動機械52は、アダプタ28のためのホルダ54を有する。あるいは、又は補足的に、設置工具10は、それぞれのねじ無し領域24を介してホルダ54に直接挿入することができる。
【0043】
一般に、最初に、カプセルアンカー44が導入されるべき基礎に穴、例えばボーリング孔が導入される。このボーリング孔は、開孔後に洗浄可能である。
【0044】
次に、カプセル48を穴に挿入してカプセルアンカー44を所定の位置に固定する。カプセル内には少なくとも2つの成分が含まれ、これらの成分が互いに混合されると互いに反応する。これは、カプセルアンカー44、特にそのアンカーロッド46が、回転されながら、カプセル48が設けられたボアホール内に導入され、カプセル48が破壊又は破断し、少なくとも2つの構成要素を解放することによって実行される。カプセルアンカー44又はアンカーロッド46の回転により、2つの成分は混合され、互いに化学的に反応する。その混合物が硬化した後、カプセルアンカー44は、圧入嵌合によりボアホール内に保持される。
【0045】
ボーリング孔及び/又はカプセルアンカー44の機能として、対応する設置工具10が使用されるので、カプセルアンカー44の駆動ヘッド50に適合する凹部18が、選択された設置工具10に設けられる。
【0046】
あるいは、アンカーロッド46とカプセル48とを別々に構成するために、カプセル48をアンカーロッド46上に一体的に配置して、一体的なカプセルアンカー44を形成することもできる。