(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】ガイド器具、断層画像を利用する医療に用いる医療機器および断層画像を利用する医療に用いる医療システム
(51)【国際特許分類】
A61B 50/20 20160101AFI20220408BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20220408BHJP
A61B 90/50 20160101ALI20220408BHJP
【FI】
A61B50/20
A61B34/20
A61B90/50
(21)【出願番号】P 2020170188
(22)【出願日】2020-10-07
【審査請求日】2020-10-12
(31)【優先権主張番号】P 2019185260
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】516293668
【氏名又は名称】逢坂 佳宗
(74)【代理人】
【識別番号】100182198
【氏名又は名称】藤田 貴男
(72)【発明者】
【氏名】逢坂 佳宗
【審査官】伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0156376(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0133449(KR,A)
【文献】米国特許第9724070(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 50/20
A61B 34/20
A61B 90/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
断層撮像機器を用いて体内の断層画像を撮像し、撮像した前記断層画像を利用して手術する位置を特定する手術において、穿刺をする手術器具を支持するガイド器具であって、
前記断層撮像機器に脱着可能に取り付けられる取付部材と、
一端を前記取付部材に回転可能に固定される取付側支持部材と、
一端を前記取付側支持部材の他端に回転可能に固定される中間部支持部材と、
一端を前記中間部支持部材の他端に回転可能に固定される手術器具側支持部材と
を有し、
前記取付側支持部材、前記中間部支持部材および前記手術器具側支持部材の回転可能な方向は、前記断層画像に映しだされる領域に対応する平面内である、
ことを特徴とするガイド器具
において、
前記中間部支持部材は、略平板形状の本体部と、略薄板形状の差込部とを備え、
前記差込部は、略円柱形の回転支点凸部を備え、
前記本体部は、前記差込部とは反対側の一端に差込凹部を備え、
前記差込凹部は、前記回転支点凸部を配置する略角丸四角形の開口部を備え、
組立て時に、複数の前記中間部支持部材を用いて、一の前記中間部支持部材の前記本体部の前記差込凹部に他の前記中間部支持部材の前記差込部を差し込んで、他の前記回転支点凸部を一の前記開口部に配置して連結し、
使用時に、前記開口部に配置された前記回転支点凸部を中心に、前記断層画像に映しだされる領域に対応する前記平面内で回転可能に支持され、
収納時に、他の前記中間部支持部材の前記回転支点凸部を一の前記中間部支持部材の略角丸四角形の前記開口部の長手方向に移動させ、一の前記中間部支持部材の前記本体部の前記差込凹部の奥まで他の前記中間部支持部材の前記差込部を差し込んで、複数の前記中間部支持部材の全長を短縮して収納する、
ことを特徴とするガイド器具。
【請求項2】
請求項1に記載のガイド器具を含む医療機器であって、
前記断層画像を撮像する断層撮像機器と、
前記手術器具側支持部材の他端に回転可能に取り付けられる前記手術器具と、
を有し、
前記手術器具の回転可能な方向は、前記取付側支持部材、前記中間部支持部材および前記手術器具側支持部材の回転可能な方向の平面と同一平面内の方向である、
ことを特徴とする断層画像を利用する医療に用いる医療機器。
【請求項3】
前記断層撮像機器は、超音波を利用して断層画像を撮像する、ことを特徴とする、請求項
2に記載の断層画像を利用する医療に用いる医療機器。
【請求項4】
請求項
2または請求項
3に記載の医療機器と、通信回線を介して前記医療機器と接続された情報端末とを含む医療システムであって、
前記情報端末は、少なくとも手術に関する情報を含む入力情報を入力される入力手段と、前記医療機器から出力された少なくとも前記断層画像を含む出力情報を出力する出力手段とを備え、
前記医療機器は、前記入力情報に基づいて前記取付側支持部材、前記中間部支持部材および前記手術器具側支持部材をそれぞれ回転移動する駆動手段を備え、前記情報端末から送信される前記入力情報に基づいて、前記手術器具を遠隔操作される、
ことを特徴とする断層画像を利用する医療に用いる医療システム。
【請求項5】
断層撮像機器を用いて体内の断層画像を撮像し、撮像した前記断層画像を利用して手術する位置を特定する手術において、穿刺をする手術器具を支持するガイド器具であって、
前記断層撮像機器に脱着可能に取り付けられる取付部材と、
一端を前記取付部材に回転可能に固定される取付側支持部材と、
一端を前記取付側支持部材の他端に回転可能に固定される中間部支持部材と、
一端を前記中間部支持部材の他端に回転可能に固定される手術器具側支持部材と
を有し、
前記取付側支持部材、前記中間部支持部材および前記手術器具側支持部材の回転可能な方向は、前記断層画像に映しだされる領域に対応する平面内である、
ことを特徴とするガイド器具
において、
前記中間部支持部材は、略平板形状の第1の平板部材と第2の平板部材と第3の平板部材とを略半分の表面をずらした状態でそれぞれ積層し、
前記第1の平板部材は、略円形の凸部配置用開口部を備え、
前記第2の平板部材は、略円柱形の回転支持用凸部を備え、
前記第3の平板部材は、前記第1の平板部材を配置された前記第2の平板部材を配置されて、該第3の平板部材と該第1の平板部材とに間隙を形成し、
組立て時に、複数の前記中間部支持部材を用いて、一の前記中間部支持部材の前記第2の平板部材の端面を他の前記中間部支持部材の前記間隙に差し込んで、一の前記回転支持用凸部を他の前記凸部配置用開口部に配置して、回転可能に連結し、
使用時に、一の前記回転支持用凸部に配置された他の前記凸部配置用開口部を中心に、前記断層画像に映しだされる領域に対応する前記平面内で回転可能に支持される、
ことを特徴とするガイド器具。
【請求項6】
請求項
5に記載のガイド器具を含む医療機器であって、
前記断層画像を撮像する断層撮像機器と、
前記手術器具側支持部材の他端に回転可能に取り付けられる前記手術器具と、
を有し、
前記手術器具の回転可能な方向は、前記取付側支持部材、前記中間部支持部材および前記手術器具側支持部材の回転可能な方向の平面と同一平面内の方向である、
ことを特徴とする断層画像を利用する医療に用いる医療機器。
【請求項7】
請求項
6に記載の医療機器と、通信回線を介して前記医療機器と接続された情報端末とを含む医療システムであって、
前記情報端末は、少なくとも手術に関する情報を含む入力情報を入力される入力手段と、前記医療機器から出力された少なくとも前記断層画像を含む出力情報を出力する出力手段とを備え、
前記医療機器は、前記入力情報に基づいて前記取付側支持部材、前記中間部支持部材および前記手術器具側支持部材をそれぞれ回転移動する駆動手段を備え、前記情報端末から送信される前記入力情報に基づいて、前記手術器具を遠隔操作される、
ことを特徴とする断層画像を利用する医療に用いる医療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内をスキャン・撮像した断層画像を利用する手術において、穿刺をする手術器具を支持するガイド器具、ガイド器具をふくむ医療機器および医療システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療において、体内の断層画像を撮像(スキャン)し、撮像した断層画像を利用して医療行為(手術や治療など)をする方法が知られている。特許文献1では、2次回路と患者回路とを電気的に絶縁するとともに互いに接続する第1絶縁デバイスを有し、当該2次回路から出力されたシリアルデータを当該患者回路に伝送する第1データ伝送路と、前記2次回路と前記患者回路とを電気的に絶縁するとともに互いに接続する第2絶縁デバイスを有し、前記第1データ伝送路を介して当該2次回路から当該患者回路に伝送された前記シリアルデータを当該2次回路に帰還する第2 データ伝送路と、前記2次回路に設けられ、当該2次回路から出力される前記シリアルデータと、当該2次回路に帰還された前記シリアルデータとを比較する比較判定部とを備えることを特徴とする医療機器に関する技術を開示している。特許文献2では、遠隔コンピュータシステムと通信するために構成された医療機器であって、治療モジュールと、1つ以上の処理装置と、を具備し、該処理装置は、ワイヤレスネットワークまたは前記医療機器へのユーザ入力を介して、前記医療機器に関連した、計画された治療モジュールの使用を特定した治療計画を受信し;有効な治療に対する有効化コードの受信に応じて前記治療モジュールを制御し、前記治療計画に従って患者に医学的治療を施し;前記治療モジュールにより施された医学的治療を示した使用情報を発生させ;該使用情報を前記計画された使用と比較し;前記使用情報が前記計画された使用と一致している程度を反映したコンプライアンス情報を発生させ; ならびに該コンプライアンス情報を、前記医療機器を特定した機器の識別子と共に前記遠隔コンピュータシステムに送信するように構成されており、これにより、前記遠隔コンピュータシステムは、前記機器の識別子に基づいて患者の識別子を決定し;該患者の識別子に関連したコンプライアンス情報を格納し;および一人以上のユーザからの前記患者の識別子に関連した問い合わせの受信に応じて、前記一人以上の患者に前記コンプライアンス情報へのアクセスを提供する医療機器に関する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-150466号公報
【文献】特開2018-22531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および特許文献2には、断層画像(たとえば「超音波断層画像」)を利用して手術器具(たとえば「穿刺針(体外から血管・体腔内・内臓に刺す針)」)の穿刺をする位置(以下、「所望の位置」という)を特定する場合に、断層画像上の所望の位置から手術器具を外れないようにする技術に関する記載がない。また、断層画像を利用して穿刺針(手術器具)の穿刺をする手術する場合に、より手術の安全性を高めるために、穿刺針の全体(手術器具の全長に亘って、その位置)を断層画像上で確認(目視)しながら手術できることが好ましい。
【0005】
本発明は、体内の断層画像を利用して手術する場合において、断層画像上から手術器具(穿刺針など)が外れないように、手術器具(穿刺針など)を支持(案内など)するガイド器具を提供することを目的とする。また、本発明は、体内の断層画像を利用して手術する場合において、断層画像上から手術器具(穿刺針など)が外れないように支持する医療機器を提供することを目的としてもよい。また、本発明は、体内の断層画像を利用して手術する場合において、断層画像上から手術器具(穿刺針など)が外れないように支持する医療機器を含む遠隔操作可能な医療システムを提供することを目的としてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一つの実施形態は、断層撮像機器を用いて体内の断層画像を撮像し、撮像した前記断層画像を利用して手術する位置を特定する手術において、穿刺をする手術器具を支持するガイド器具であって、前記断層撮像機器に脱着可能に取り付けられる取付部材と、一端を前記取付部材に回転可能に固定される取付側支持部材と、一端を前記取付側支持部材の他端に回転可能に固定される中間部支持部材と、一端を前記中間部支持部材の他端に回転可能に固定される手術器具側支持部材とを有し、前記取付側支持部材、前記中間部支持部材および前記手術器具側支持部材の回転可能な方向は、前記断層画像に映しだされる領域に対応する平面内である、ことを特徴とするガイド器具において、前記中間部支持部材は、略平板形状の本体部と、略薄板形状の差込部とを備え、前記差込部は、略円柱形の回転支点凸部を備え、前記本体部は、前記差込部とは反対側の一端に差込凹部を備え、前記差込凹部は、前記回転支点凸部を配置する略角丸四角形の開口部を備え、組立て時に、複数の前記中間部支持部材を用いて、一の前記中間部支持部材の前記本体部の前記差込凹部に他の前記中間部支持部材の前記差込部を差し込んで、他の前記回転支点凸部を一の前記開口部に配置して連結し、使用時に、前記開口部に配置された前記回転支点凸部を中心に、前記断層画像に映しだされる領域に対応する前記平面内で回転可能に支持され、収納時に、他の前記中間部支持部材の前記回転支点凸部を一の前記中間部支持部材の略角丸四角形の前記開口部の長手方向に移動させ、一の前記中間部支持部材の前記本体部の前記差込凹部の奥まで他の前記中間部支持部材の前記差込部を差し込んで、複数の前記中間部支持部材の全長を短縮して収納する、ことを特徴とするガイド器具 を提供する。または、 断層撮像機器を用いて体内の断層画像を撮像し、撮像した前記断層画像を利用して手術する位置を特定する手術において、穿刺をする手術器具を支持するガイド器具であって、前記断層撮像機器に脱着可能に取り付けられる取付部材と、一端を前記取付部材に回転可能に固定される取付側支持部材と、一端を前記取付側支持部材の他端に回転可能に固定される中間部支持部材と、一端を前記中間部支持部材の他端に回転可能に固定される手術器具側支持部材とを有し、前記取付側支持部材、前記中間部支持部材および前記手術器具側支持部材の回転可能な方向は、前記断層画像に映しだされる領域に対応する平面内である、ことを特徴とするガイド器具において、前記中間部支持部材は、略平板形状の第1の平板部材と第2の平板部材と第3の平板部材とを略半分の表面をずらした状態でそれぞれ積層し、前記第1の平板部材は、略円形の凸部配置用開口部を備え、前記第2の平板部材は、略円柱形の回転支持用凸部を備え、前記第3の平板部材は、前記第1の平板部材を配置された前記第2の平板部材を配置されて、該第3の平板部材と該第1の平板部材とに間隙を形成し、組立て時に、複数の前記中間部支持部材を用いて、一の前記中間部支持部材の前記第2の平板部材の端面を他の前記中間部支持部材の前記間隙に差し込んで、一の前記回転支持用凸部を他の前記凸部配置用開口部に配置して、回転可能に連結し、使用時に、一の前記回転支持用凸部に配置された他の前記凸部配置用開口部を中心に、前記断層画像に映しだされる領域に対応する前記平面内で回転可能に支持される、ことを特徴とするガイド器具であってもよい。
【0007】
本発明の他の実施形態は、上記のいずれか一つのガイド器具を含む医療機器であって、前記断層画像を撮像する前記断層撮像機器と、前記手術器具側支持部材の他端に回転可能に取り付けられる前記手術器具と、を有し、前記手術器具の回転可能な方向は、前記取付側支持部材、前記中間部支持部材および前記手術器具側支持部材の回転可能な方向の平面と同一平面内の方向である、ことを特徴とする断層画像を利用する医療に用いる医療機器であってもよい。また、本発明の他の実施形態は、上記の医療機器であって、前記断層撮像機器は、超音波を利用して断層画像を撮像する、ことを特徴とする医療機器であってもよい。
【0008】
本発明の他の実施形態は、上記のいずれか一つの医療機器と、通信回線を介して前記医療機器と接続された情報端末とを含む医療システムであって、前記情報端末は、少なくとも手術に関する情報を含む入力情報を入力される入力手段と、前記医療機器から出力された少なくとも前記断層画像を含む出力情報を出力する出力手段とを備え、前記医療機器は、前記入力情報に基づいて前記取付側支持部材、前記中間部支持部材および前記手術器具側支持部材をそれぞれ回転移動する駆動手段を備え、前記情報端末から送信される前記入力情報に基づいて、前記手術器具を遠隔操作される、ことを特徴とする断層画像を利用する医療に用いる医療システムであってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るガイド器具、医療機器および医療システムによれば、体内の断層画像を利用して手術器具の穿刺をする所望の位置を特定する場合に、穿刺をする手術器具(たとえば「穿刺針」)を断層画像上から外れないようにすることができる。また、本発明に係るガイド器具、医療機器および医療システムによれば、体内の断層画像を利用して手術器具の穿刺をする所望の位置を特定する場合に、より手術の安全性を高めるために、手術器具の全体(たとえば、穿刺針の全長に亘って、その位置)を断層画像上で確認(目視)しながら手術することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る医療機器(ガイド器具)の使用例の一例を説明する説明図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る医療機器のガイド器具の一例を説明する説明図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る医療機器の使用例の一例を説明する写真図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る断層画像を利用する医療に用いる医療システムの一例を説明する説明図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る医療機器のガイド器具の中間部支持部材の一例(短縮可能機構付き支持部材)を説明する説明図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る医療機器のガイド器具の中間部支持部材の一例(平板3枚型の支持部材)を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態に係るガイド器具、医療機器および医療システムの例を用いて、本発明を説明する。なお、本発明は、以後に説明するガイド器具、医療機器および医療システム以外でも、断層撮像機器を用いて体内の断層画像を撮像し、撮像した断層画像を利用して手術する位置を特定するものであれば、いずれのものにも用いることができる。本発明は、公知の断層撮像機器(たとえば超音波断層撮像機器、X線CTスキャン装置、PET(ポジトロン断層撮影法)の撮像機器、MRI(磁気共鳴映像法)の撮像機器、など)を利用することができる。本発明は、いずれの断層撮像領域(たとえば超音波断層撮像の撮像領域、X線CTスキャンの撮像領域、PET(ポジトロン断層撮影法)の撮像領域、MRI(磁気共鳴映像法)の撮像領域、など)を利用することができる。
【0012】
図1乃至
図6を用いて、本発明の実施形態に係るガイド器具、医療機器および医療システムの構成を説明する。ここで、
図1(a)は、本発明の実施形態に係る医療機器100(ガイド器具10)の使用例(穿刺をする前)の一例を説明する説明図である。
図1(b)は、本発明の実施形態に係る医療機器100(ガイド器具10)の使用例(穿刺をした後)の一例を説明する説明図である。
図2は、本発明の実施形態に係る医療機器のガイド器具10の一例を説明する説明図である。
図3(a)乃至(c)は、本発明の実施形態に係る医療機器の使用例の一例を説明する写真図である。
図4は、本発明の実施形態に係る断層画像を利用する医療に用いる医療システム100Sの一例を説明する説明図である。
図5(a)は、本発明の実施形態に係る医療機器のガイド器具の中間部支持部材13Aの例(短縮可能機構付き支持部材)を説明する平面図である。
図5(b)は、本発明の実施形態に係る医療機器のガイド器具の中間部支持部材13Aの例(短縮可能機構付き支持部材)を説明する側面図である。
図5(c)は、本発明の実施形態に係る医療機器のガイド器具の中間部支持部材13Aを複数連結した例(短縮可能機構付き支持部材)を説明する平面写真図である。
図5(d)は、本発明の実施形態に係る医療機器のガイド器具の中間部支持部材13Aを複数連結したときに短縮収納した例(短縮可能機構付き支持部材)を説明する平面写真図である。
図6(a)は、本発明の実施形態に係る医療機器のガイド器具の中間部支持部材13Bの例(平板3枚型の支持部材)を説明する平面図である。
図6(b)は、本発明の実施形態に係る医療機器のガイド器具の中間部支持部材13Bの例(平板3枚型の支持部材)を説明する側面図である。
図6(c)は、本発明の実施形態に係る医療機器のガイド器具の中間部支持部材13Bを複数連結した例(平板3枚型の支持部材)を説明する側面図である。
図6(d)は、本発明の実施形態に係る医療機器のガイド器具の中間部支持部材13Bを複数連結した例(平板3枚型の支持部材)を説明する平面図である。なお、
図1等に示すガイド器具等の構成等は一例であり、本発明は
図1等に示すガイド器具等に限定されるものではない。
【0013】
下記のとおり、本発明を説明する。
1.ガイド器具
2.医療機器
3.医療システム
【0014】
(1.ガイド器具)
図1、
図2、
図3、
図5および
図6を用いて、本発明の実施形態に係るガイド器具の構成を説明する。なお、
図1等に示すガイド器具の構成等は一例であり、本発明は
図1等に示すガイド器具等に限定されるものではない。本発明に係るガイド器具(例えば
図1)は、体内の断層画像を利用して手術器具の穿刺をする所望の位置を特定する場合に、穿刺をする手術器具(たとえば
図1(a)の穿刺針RN)を断層画像(たとえば
図1(a)の断層撮像領域UT)上から外れないようにする器具、道具、装置、部品その他ものである。本発明に係るガイド器具は、手術器具を支え、所望の方向にガイド(案内)し、医療行為(手術など)を補助する医療器具である。また、本発明に係るガイド器具は、手術器具を支え、所望の方向にガイド(案内)し、医療行為(手術など)を補助することができる。また、本発明に係るガイド器具は、体内の断層画像を利用して手術器具の穿刺をする所望の位置を特定する場合に、より手術の安全性を高めるために、手術器具の全体(たとえば
図1(a)の穿刺針RN)を断層画像(たとえば
図1(a)の断層撮像領域UT)上で確認(目視)しながら手術することができる。
【0015】
図1(a)及び
図1(b)に示すように、本発明に係るガイド器具10は、断層撮像機器20を用いて体内の断層画像UTを撮像し、撮像した断層画像UTを利用して手術する位置を特定する手術において、穿刺をする手術器具RNを支持するものである。
図2に示すように、本発明に係るガイド器具10は、断層撮像機器20に脱着可能に取り付けられる取付部材11と、一端を取付部材11に回転可能に固定される取付側支持部材12と、一端を取付側支持部材12の他端に回転可能に固定される中間部支持部材13と、一端を中間部支持部材13の他端に回転可能に固定される手術器具側支持部材14とを有する。本発明に係るガイド器具10の取付側支持部材12、中間部支持部材13および手術器具側支持部材14の回転可能な方向は、断層画像UT(
図1)に映しだされる領域に対応する平面内である。
【0016】
図3(a)乃至(c)に示すように、本発明に係るガイド器具10は、体内の断層画像を利用して手術器具の穿刺をする所望の位置を特定する場合に、使用者(医者など)が手で持ちやすい形状および大きさであってもよい。取付側支持部材12は、本実施形態では、たとえば長さ50mmから150mm、幅5mmから30mm、厚さ1mmから5mmの平板形状の部材を用いることができる。中間部支持部材13は、本実施形態では、たとえば長さ50mmから150mm、幅5mmから30mm、厚さ1mmから5mmの平板形状の部材を用いることができる。手術器具側支持部材14は、本実施形態では、たとえば長さ50mmから150mm、幅5mmから30mm、厚さ1mmから5mmの平板形状の部材を用いることができる。なお、取付側支持部材12、中間部支持部材13および手術器具側支持部材14の形状、大きさおよび材質は、実験および/または設計によって、使用状態(患者の状態・部位など)に適した形状、大きさおよび材質に、予め決定することができる。また、取付部材11の取り付け方法は、本発明において特に限定されるものではなく、公知の技術を利用することができる。
【0017】
取付側支持部材12および中間部支持部材13は、平板形状の表面の一部をそれぞれ重ね合わせて、平板形状の表面に対応する平面上に回転可能にそれぞれ固定される。中間部支持部材13および手術器具側支持部材14は、平板形状の表面の一部をそれぞれ重ね合わせて、平板形状の表面に対応する平面上に回転可能にそれぞれ固定される。なお、取付側支持部材12、中間部支持部材13および手術器具側支持部材14の回転可能な固定方法は、実験および/または設計によって、予め決定することができる。また、取付側支持部材12、中間部支持部材13および手術器具側支持部材14の回転可能な固定方法は、本発明において特に限定されるものではなく、ネジ、ヒンジ、ピン、ベアリングおよびその他公知の回転固定部材・方法を利用することができる。
【0018】
これにより、本発明に係るガイド器具10は、断層画像を利用して手術器具の穿刺をする所望の位置を特定する場合に、手術器具を支え、所望の方向にガイド(案内)し、医療行為(手術など)を補助することができる。また、本発明に係るガイド器具10は、断層画像に映しだされる領域に対応する平面内の方向に取付側支持部材12、中間部支持部材13および手術器具側支持部材14を回転可能にガイド(案内・支持)することができるので、断層画像上から外れないように手術器具をガイド(案内・支持)することができる。また、本発明に係るガイド器具10は、断層画像を利用して穿刺針(手術器具)の穿刺をする手術する場合に、断層画像上から外れないように手術器具をガイド(案内・支持)することができるので、より手術の安全性を高めることができ、穿刺針の全体(手術器具の全長に亘って、その位置)を断層画像上で確認(目視)しながら手術でき、使用者(医者など)の熟練度に関係なく、手術の正確性を高めることができる。
【0019】
また、本発明に係るガイド器具10は、たとえば超音波断層画を利用して、たとえば穿刺針の穿刺をする所望の位置を特定する場合(超音波ガイド下手技の場合)に、超音波断層画を目視しながら自在に刺入部位を決定でき、かつ、超音波走査面上(超音波断層画上)から外れることがないようにガイド(案内・支持)することができる。 また、本発明に係るガイド器具10は、たとえば超音波断層画を利用して、たとえば穿刺針の穿刺をする所望の位置を特定する場合に、穿刺針の針部分の全長が視認することができ、超音波走査面上(探触子)から離れた部位からでも刺入可能であり、熟練者でなくても刺入点がどこであっても容易にガイド(手術など)することができる。また、本発明に係るガイド器具10によれば、熟練者でなくても刺入点がどこであっても容易にガイドすることができ、手術時間を短縮することができる。また、本発明に係るガイド器具10によれば、断層画像上から外れないように手術器具をガイド(案内・支持)することができるので、より手術の安全性を高めることができ、穿刺針の全体(手術器具の全長に亘って、その位置)を断層画像上で確認(目視)しながら手術でき、使用者(医者など)の熟練度に関係なく手術の正確性を高めることができ、医薬学分野において大きく貢献できるものである。
【0020】
図5(a)乃至
図5(d)に示すように、本発明に係るガイド器具10の中間部支持部材13A(短縮可能機構付き支持部材)は、本実施形態では、略平板形状の本体部13A2と、略薄板形状の差込部13A1とを備える。差込部13A1は、略円柱形の回転支点凸部13A1bを備える。本体部13A2は、差込部13A1とは反対側の一端に差込凹部13A2dを備える。差込凹部13A2dは、回転支点凸部13A1bを配置する略角丸四角形の開口部13A2cを備える。本発明に係るガイド器具10は、複数の中間部支持部材13A(短縮可能機構付き支持部材)を用いて、組立て時に、一の中間部支持部材13Aの本体部13A2の差込凹部13A2dに他の中間部支持部材13Aの差込部13A1を差し込んで、他の回転支点凸部13A1bを一の開口部13A2cに配置して連結する。また、本発明に係るガイド器具10は、複数の中間部支持部材13A(短縮可能機構付き支持部材)を用いて、使用時に、開口部13A2cに配置された回転支点凸部13A1bを中心に、断層画像に映しだされる領域に対応する平面内で回転可能に支持される。また、本発明に係るガイド器具10は、複数の中間部支持部材13A(短縮可能機構付き支持部材)を用いて、収納時に、他の中間部支持部材13Aの回転支点凸部13A1bを一の中間部支持部材13Aの略角丸四角形の開口部13A2cの長手方向に移動させ、一の中間部支持部材13Aの本体部13A2の差込凹部13A2dの奥まで他の中間部支持部材13Aの差込部13A1を差し込んで、複数の中間部支持部材13Aの全長を短縮して収納する。なお、本発明に係る中間部支持部材13Aの形状、大きさおよび材質は、実験および/または設計によって、使用状態(患者の状態・部位など)に適した形状、大きさおよび材質に、予め決定することができる。また、本発明に係る中間部支持部材13Aの連結方法は、本発明において特に限定されるものではなく、公知の技術を利用することができる。
【0021】
図6(a)乃至
図6(d)に示すように、本発明に係るガイド器具10の中間部支持部材13B(平板3枚型の支持部材)は、本実施形態では、略平板形状の第1の平板部材13B1と第2の平板部材13B2と第3の平板部材13B3とを略半分の表面をずらした状態でそれぞれ積層して形成される。第1の平板部材13B1は、略円形の凸部配置用開口部13B1bを備える。第2の平板部材13B2は、略円柱形の回転支持用凸部13B2cを備える。第3の平板部材13B3は、第1の平板部材13B1を配置された第2の平板部材13B2を配置されて、第3の平板部材13B3と第1の平板部材13B1とに間隙を形成する。本発明に係るガイド器具10は、複数の中間部支持部材13B(平板3枚型の支持部材)を用いて、組立て時に、一の中間部支持部材13Bの第2の平板部材13B2の端面を他の中間部支持部材13Bの間隙に差し込んで、一の回転支持用凸部13B2cを他の凸部配置用開口部13B1bに配置して、回転可能に連結する。また、本発明に係るガイド器具10は、複数の中間部支持部材13B(平板3枚型の支持部材)を用いて、使用時に、一の回転支持用凸部13B2cに配置された他の凸部配置用開口部13B1bを中心に、断層画像に映しだされる領域に対応する平面内で回転可能に支持される。なお、本発明に係る中間部支持部材13Bの形状、大きさおよび材質は、実験および/または設計によって、使用状態(患者の状態・部位など)に適した形状、大きさおよび材質に、予め決定することができる。また、本発明に係る中間部支持部材13Bの連結方法は、本発明において特に限定されるものではなく、公知の技術を利用することができる。
【0022】
(2.医療機器)
図1および
図2を用いて、本発明の実施形態に係る医療機器(前述の(1.ガイド器具)のガイド器具を含む医療機器)の構成を説明する。なお、
図1等に示す医療機器の構成等は一例であり、本発明は
図1等に示す医療機器等に限定されるものではない。本発明に係る医療機器は、前述の(1.ガイド器具)のガイド器具を含むものであるため、以下の説明では、(1.ガイド器具)と異なる部分を主に説明する。
【0023】
本発明に係る医療機器(例えば
図1の医療機器100)は、体内の断層画像を利用して手術器具の穿刺をする所望の位置を特定する場合に、穿刺をする手術器具(たとえば
図1(a)の穿刺針RN)を断層画像(たとえば
図1(a)の断層撮像領域UT)上から外れないようにする器具、道具、装置、部品その他ものである。本発明に係る医療機器は、手術器具を支え、所望の方向にガイド(案内)し、医療行為(手術など)を補助するガイド器具を含む医療器具である。ここで、ガイド器具は、手術器具を支え、所望の方向にガイド(案内)し、医療行為(手術など)を補助することができる。また、本発明に係る医療機器によれば、体内の断層画像を利用して手術器具の穿刺をする所望の位置を特定する場合に、より手術の安全性を高めるために、手術器具の全体(たとえば
図1(a)の穿刺針RN)を断層画像(たとえば
図1(a)の断層撮像領域UT)上で確認(目視)しながら手術することができる。
【0024】
図1(a)及び
図1(b)に示すように、本発明に係る医療機器100は、本実施形態では、断層撮像機器20を用いて体内の断層画像UTを撮像し、撮像した断層画像UTを利用して手術する位置を特定する手術において、ガイド器具10を用いて手術器具RNを支持するものである。本発明に係る医療機器100は、(上記(1.ガイド器具)のガイド器具を含む医療機器であって、断層画像UTを撮像する断層撮像機器20と、ガイド器具10(
図2の手術器具側支持部材14)の他端に回転可能に取り付けられる手術器具RNと、を有する。本発明に係る医療機器100の手術器具RNの回転可能な方向は、ガイド器具10(
図2の取付側支持部材12、中間部支持部材13および手術器具側支持部材14)の回転可能な方向の平面と同一平面内の方向である。なお、本発明に係る断層撮像機器は、超音波を利用して断層画像を撮像する機器を用いてもよい。本発明に係る手術器具は、穿刺針またはその他公知の手術器具であってもよい。また、本発明に係る手術器具の取り付け方法は、とくに限定されず、回転可能に取り付ける公知の技術を用いることができる。
【0025】
これにより、本発明に係る医療機器100は、上記(1.ガイド器具)のガイド器具と同様の効果を得ることができる。
【0026】
(3.医療システム)
図4を用いて、本発明の実施形態に係る医療システム(前述の(2.医療機器)の医療機器を含む医療システム)の構成を説明する。なお、
図4に示す医療システムの構成等は一例であり、本発明は
図4に示す医療システムに限定されるものではない。
【0027】
本発明に係る医療システムは、体内の断層画像を利用して手術する場合において、断層画像上から手術器具が外れないように支持する医療機器を含む遠隔操作可能な医療システムである。本発明に係る医療システムは、前述の(2.医療機器)の医療機器を含む遠隔操作可能なシステムである。なお、本発明に係る医療機器(手術器具)は、とくに限定されず、公知の技術(手術器具)を利用することができる。本発明に係る医療システムは、前述の(2.医療機器)の医療機器を含むものであるため、以下の説明では、(2.医療機器)と異なる部分を主に説明する。
【0028】
図4に示すように、本発明に係る医療システム100Sは、医療機器100と、通信回線を介して医療機器100と接続された情報端末30とを含む医療システムである。また、本発明に係る医療システム100Sは、本実施形態では、医療機器100を駆動(移動、操縦など)する駆動手段21と、システム全体の動作を制御する制御手段40と、をさらに含む。なお、本発明に係る駆動手段21の駆動方法および制御手段40の制御方法は、とくに限定されず、公知の技術を利用することができる。
【0029】
情報端末30は、本実施形態では、少なくとも手術に関する情報を含む入力情報を入力される入力手段31と、医療機器100から出力された少なくとも断層画像を含む出力情報を出力する出力手段32と、医療機器100と情報の入出力を行う通信手段33と、を備える。なお、本発明に係る入力手段31の入力方法、出力手段32の出力方法および通信手段33の通信方法は、とくに限定されず、公知の技術を利用することができる。なお、情報端末30は、通信手段(LAN、無線LAN、インターネットなど)を介して、情報の入出力を行う端末であってもよく、例えばタブレット、スマートフォン、携帯端末、ノートPC、PCなどであってもよい。入力手段31は、情報端末(タブレットなど)に予め搭載されている機能(タッチパネル、キーボード、マウスなど)を利用する構成であってもよい。出力手段32は、情報端末(タブレットなど)に予め搭載されている機能(液晶、有機EL、タッチパネルなど)を利用する構成であってもよい。
【0030】
医療機器100の駆動手段21は、本実施形態では、情報端末30の入力手段31から入力される入力情報に基づいて取付側支持部材12、中間部支持部材13および手術器具側支持部材14をそれぞれ回転移動する。これにより、本発明に係る医療システム100Sは、情報端末30から送信される入力情報に基づいて、手術器具(医療機器100)を遠隔操作することができる。
【0031】
これにより、本発明に係る医療システム100Sは、上記(2.医療機器)の医療機器と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0032】
100 : 医療機器(断層画像を利用する医療に用いる医療機器)
100S: 医療システム(断層画像を利用する医療に用いる医療システム)
10 : ガイド器具(ニードルガイド器具、など)
11 : 取付部材
12 : 取付側支持部材
13,13A,13B : 中間部支持部材
13A1:差込部
13A1b:回転支点凸部
13A2:本体部
13A2c:開口部
13A2d:差込凹部
13B1:第1の平板部材
13B2:第2の平板部材
13B3:第3の平板部材
13B1b:凸部配置用開口部
13B2c:回転支持用凸部
14 : 手術器具側支持部材
20 : 断層撮像機器(超音波断層撮像機器,X線CTスキャン装置,PET(ポジトロン断層撮影法)の撮像機器,MRI(磁気共鳴映像法)の撮像機器,等)
21 : 駆動手段
30 : 情報端末
31 : 入力手段
32 : 出力手段
33 : 通信手段
40 : 制御手段
RN : 手術器具(穿刺針、など)
UT : 断層撮像領域(超音波断層撮像の撮像領域,X線CTスキャンの撮像領域,PET(ポジトロン断層撮影法)の撮像領域,MRI(磁気共鳴映像法)の撮像領域、など)
Mn : 穿刺をする方向
M1,M2,M3,M4: 回転移動(回転方向)