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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-07
(45)【発行日】2022-04-15
(54)【発明の名称】マスク欠陥検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/898 20060101AFI20220408BHJP
   G01N 21/89 20060101ALI20220408BHJP
【FI】
G01N21/898 Z
G01N21/89 T
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020562815
(86)(22)【出願日】2019-01-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2019070255
(87)【国際公開番号】W WO2020103310
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2020-07-28
(31)【優先権主張番号】201811386586.4
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201821928918.2
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520280944
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲維▼▲圖▼▲視▼技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】曾 ▲慶▼好
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ ▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 博文
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ ▲東▼▲寧▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 勇
(72)【発明者】
【氏名】▲湯▼ 奇
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 少勇
(72)【発明者】
【氏名】袁 宏▲ヤン▼
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107402216(CN,A)
【文献】特開2018-084553(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107014822(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84-21/958
G01B 11/00-11/30
A62B 18/00-18/10
A41D 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク欠陥検査方法であって、
S1、画像処理ソフトウェア(6)に接続されているカメラ(32)を介して、被検マスク(8)なしの背景画像と被検マスク(8)の製品画像を取得し、そして前記製品画像の4つの頂点をそれぞれP1(0,0)、P2(w,0)、P3(0,h)、P4(w,h)と表記するステップと、
S2、前記製品画像を前記背景画像と減算して残差画像を得るステップと、
S3、前記残差画像をグレースケール画像に変換し、前記グレースケール画像を二値化して二値化画像を得るステップと、
S4、前記二値化画像に固定回数の画像膨張と画像収縮処理を行い、そして輪郭抽出アルゴリズムを用いて前記被検マスク(8)の製品輪郭を抽出し、その中で面積が最も大きい2つの前記製品輪郭を選択し、それに対して最小外接矩形アルゴリズムを用いて前記被検マスク(8)の最小外接矩形を抽出するステップと、
S5、前記最小外接矩形の抽出が失敗した場合、前記被検マスク(8)は不良品であり、前記最小外接矩形の抽出に成功した場合、前記最小外接矩形の長さの値と幅の値を算出し、そして前記長さの値と前記幅の値を予め設定されたマスク基準値と比較して差分を得るステップと、
S6、前記差分が予め設定された差分範囲を超えている場合、前記被検マスク(8)は不良品であり、前記差分が予め設定された差分範囲内である場合、最小矩形の4つの頂点座標であるP11、P12、P13、P14、及び最小矩形の中心点Pc1(cx,cy)を出力するステップと、
S7、P13とP14の点の連結線であるL1(P13,P14)、P3とP4の点の連結線であるL2(P3,P4)を算出し、そしてL1とL2との間の夾角Aを算出し、
中心点Pc1(cx,cy)の前記製品画像の中心点Pc0(w/2,h/2)に対する水平方向のオフセットHxと垂直方向のオフセットVyを計算するステップと、
S8、得られた前記水平方向のオフセットHxと垂直方向のオフセットVyを用いて前記グレースケール画像に対して平行移動操作を行い、中心点Pc1(cx,cy)と前記製品画像の中心点Pc0(w/2,h/2)を一致させてグレースケール平行移動画像を得るステップと、
S9、中心点Pc1(cx,cy)を原点としてグレースケール平行移動画像を回転させ、回転角度は夾角Aの度数であり、グレースケール回転画像を得るステップと、
S10、前記グレースケール回転画像を予め設定されたマスク基準と比較し、前記マスク基準の範囲を超えている場合は不良品であり、逆に、前記マスク基準の範囲内である場合は良品であるステップと、
を含むことを特徴とするマスク欠陥検査方法。
【請求項2】
前記マスク基準は、耳掛け検査規定枠(E1)と、ノーズバー検査規定枠(N1)と、汚れ検査規定枠(D1)と、を含み、
ステップS10は、
S101、前記グレースケール回転画像に対して、予め設定された前記耳掛け検査規定枠(E1)を用いて、前記被検マスク(8)の耳掛け欠陥を検査し、2つの耳掛け領域には、それぞれ前記耳掛け検査規定枠(E1)が予め設定されており、輪郭抽出アルゴリズムを用いて、耳掛け検査領域にある耳掛け画像輪郭の属性に対して計算と判断を行い、耳掛け画像輪郭の属性が予め設定されたマスク基準の範囲外である場合、耳掛け不良と判断し、耳掛け画像輪郭の属性が予め設定されたマスク基準の範囲内である場合、続いて次の判断を行うステップと、
S102、前記グレースケール回転画像に対して、予め設定された前記ノーズバー検査規定枠(N1)を用いて、前記被検マスク(8)のノーズバー欠陥を検査し、ノーズバー領域には、ノーズバー検査規定枠(N1)が予め設定されており、輪郭抽出アルゴリズムを用いて、ノーズバー検査領域のノーズバー画像輪郭の属性に対して計算と判断を行い、ノーズバー画像輪郭の属性が予め設定されたマスク基準の範囲外である場合、ノーズバー不良と判断し、ノーズバー画像輪郭の属性が予め設定されたマスク基準の範囲内である場合、最小外接矩形アルゴリズムを用いてノーズバーの最小外接矩形を算出し、そして最小外接矩形の4つの頂点座標と中心点座標を出力し、最小外接矩形の4つの頂点座標と中心点座標が予め設定されたマスク基準の範囲内にあるかどうかを判断し、予め設定されたマスク基準の範囲外である場合、ノーズバー不良と判断し、予め設定されたマスク基準の範囲内である場合、続いて次の判断を行うステップと、
S103、前記グレースケール回転画像に対して、予め設定された前記汚れ検査規定枠(D1)を用いて、前記被検マスク(8)の汚れ欠陥を検査し、前記被検マスク(8)のマスク本体には、耳掛けの溶接スポットとノーズバー領域を回避して汚れ検査規定枠(D1)が設けられ、固定閾値の二値化処理アルゴリズムを用いて汚れ検査領域を処理し、二値化処理後の画像内の非零点の数を統計し、非零点の数が設定されたマスク基準の範囲外である場合、汚れ不良と判断し、非零点の数が設定されたマスク基準の範囲内である場合、被検マスク(8)を良品と判定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のマスク欠陥検査方法。
【請求項3】
ステップS3において、前記グレースケール画像を画像二値化する前に、前記グレースケール画像に画像局所強調処理を行うことを特徴とする請求項に記載のマスク欠陥検査方法。
【請求項4】
前記画像局所強調処理は、画像領域の画素値を走査し、指定値より大きい又は同じである画素値を設定値に増加させ、指定値より小さい画素値をすべて0に設定することを特徴とする請求項に記載のマスク欠陥検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマスク生産技術分野に属し、より具体的には、マスク欠陥検査装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工業化と都市化が進むとともに、大気汚染もますます深刻になっており、マスク製品は、大気汚染に抵抗するための常用品であり、北のスモッグや黄砂がひどい地域では、マスクはもはやなくてはならない生活依存品となっており、マスクは大量生産の過程で、原材料、生産機器や人員の操作などの様々な原因で、マスクのサイズが間違ったたり、耳掛けの長さが違ったり、ノーズバーがついていなかったり、マスクに汚れがあったりなどの様々な欠陥のあるマスク製品が生産され、このような欠陥品が市場に出回ると、使用者に不便を強いることになり、さらにマスクメーカーに経済的な損失を与えることになる。
【0003】
マスク生産はすでに全面的に自動化に向かっているため、生産要件と品質要件はますます高くなり、一般的なマスクメーカーは人の目で一つずつ識別し、効率は極めて低く、従来のマスク品質検査の過程に、時間と労力を費やし、検査員に視覚疲労をもたらしやすく、製品に隠れた品質問題が存在し、多くの製品のやり直しと原材料の無駄遣いを招いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、第1態様では、マスク欠陥検査装置を提供し、従来技術においてマスクの手動検査の効率が低く、コストが高く、品質が保障されないという技術的問題を解決することを目的とする。
【0005】
第2態様では、マスク欠陥検査方法を提供し、従来技術においてマスクの手動検査の効率が低く、コストが高く、品質が保障されないという技術的問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の技術的問題を解決するために、本発明の実施形態に採用される技術的解決手段は以下のとおりである。
【0007】
第1態様は、マスク欠陥検査装置であって、
キャビネットと、
前記被検マスクを供給する供給機構と、
前記被検マスクを搬送する搬送機構と、
前記被検マスクの製品画像を取得する画像取得機構と、
予め設定されたマスク基準に基づいて、前記製品画像を良品又は不良品と判定する画像処理ソフトウェアと、
前記不良品と前記良品とを分別収集する選別機構と、
前記供給機構、前記搬送機構、前記画像取得機構、前記画像処理ソフトウェア、前記選別機構に電気的に接続されるPLC制御システムと、を含む、マスク欠陥検査装置を提供する。
【0008】
第2態様は、マスク欠陥検査方法であって、
S1、画像処理ソフトウェアに接続されているカメラを介して、被検マスクなしの背景画像と前記被検マスクの製品画像を取得し、そして前記製品画像の4つの頂点をそれぞれP1(0,0)、P2(w,0)、P3(0,h)、P4(w,h)と表記するステップと、
S2、前記製品画像を前記背景画像と減算して残差画像を得るステップと、
S3、前記残差画像をグレースケール画像に変換し、前記グレースケール画像を二値化して二値化画像を得るステップと、
S4、前記二値化画像に固定回数の画像膨張と画像収縮処理を行い、そして輪郭抽出アルゴリズムを用いて前記被検マスクの製品輪郭を抽出し、その中で面積が最も大きい2つの前記製品輪郭を選択し、それに対して最小外接矩形アルゴリズムを用いて前記被検マスクの最小外接矩形を抽出するステップと、
S5、前記最小外接矩形の抽出が失敗した場合、前記被検マスクは不良品であり、前記最小外接矩形の抽出に成功した場合、前記最小外接矩形の長さの値と幅の値を算出し、そして前記長さの値と前記幅の値を予め設定されたマスク基準値と比較して差分を得るステップと、
S6、前記差分が予め設定された差分範囲を超えている場合、前記被検マスクは不良品であり、前記差分が予め設定された差分範囲内である場合、最小矩形の4つの頂点座標であるP11、P12、P13、P14、及び最小矩形の中心点Pc1(cx,cy)を出力するステップと、
S7、P13とP14の点の連結線であるL1(P13,P14)、P3とP4の点の連結線であるL2(P3,P4)を算出し、そしてL1とL2との間の夾角Aを算出し、
中心点Pc1(cx,cy)の前記製品画像の中心点Pc0(w/2,h/2)に対する水平方向のオフセットHxと垂直方向のオフセットVyを計算するステップと、
S8、得られた前記水平方向のオフセットHxと前記垂直方向のオフセットVyを用いてグレースケール画像に対して平行移動操作を行い、中心点Pc1(cx,cy)と前記製品画像の中心点Pc0(w/2,h/2)を一致させてグレースケール平行移動画像を得るステップと、
S9、中心点Pc1(cx,cy)を原点としてグレースケール平行移動画像を回転させ、回転角度は夾角Aの度数であり、グレースケール回転画像を得るステップと、
S10、前記グレースケール回転画像を予め設定されたマスク基準と比較し、前記マスク基準の範囲を超えている場合は不良品であり、逆に、前記マスク基準の範囲内である場合は良品であるステップと、を含む、マスク欠陥検査方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
従来技術と比較すると、本発明の実施形態により提供されたマスク欠陥検査装置の有益な効果は、以下のとおりである。該マスク欠陥検査装置は、供給機構、搬送機構により自動搬送を実現し、被検マスクは、画像取得機構の下方に搬送され、画像取得機構は、被検マスクの制品画像を取得してから画像処理ソフトウェアに転送して自働比較処理を行い、処理された情報はPLC制御システムにフィードバックされ、そしてPLC制御システムを介して選別機構を制御して良品と不良品を選別し、被検マスクの自動検査、自動区別収集が実現され、これにより本発明により提供されるマスク欠陥検査装置は、コストが節約され、検査効率が高く、検査精度が高く、製品の品質が保証されるという利点を有する。
【0010】
本発明の実施形態により提供されたマスク欠陥検査方法の有益な効果は、以下のとおりである。該マスク欠陥検査方法は、画像取得機構により被検マスクの製品画像を取得し、そして製品画像を画像処理ソフトウェアに転送して比較し、画像処理ソフトウェアを通じて自ら被検マスクを検査し、これにより本発明により提供されたマスク欠陥検査方法は、コストが節約され、検査効率が高く、検査精度が高く、製品の品質が保証されるという利点を有する。
【0011】
本発明の実施形態における技術的解決手段をより明らかにするために、以下、実施例又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明する。以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎない。当業者であれば、創造的な工夫をせずに、これらの図面により他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態により提供されるマスク欠陥検査装置の構造を示す概略図である。
図2】本発明の実施形態により提供されるマスク欠陥検査方法における背景画像の概略図である
図3】本発明の実施形態により提供されるマスク欠陥検査方法における製品画像の概略図である
図4】本発明の実施形態により提供されるマスク欠陥検査方法における残差画像の概略図である。
図5】本発明の実施形態により提供されるマスク欠陥検査方法におけるグレースケール平行移動画像の概略図である。
図6】本発明の実施形態により提供されるマスク欠陥検査方法におけるグレースケール回転画像の概略図である。
図7】本発明の実施形態により提供されるマスク欠陥検査方法における耳掛け検査規定枠、ノーズバー検査規定枠及び汚れ検査規定枠の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の目的、技術的解決手段及び利点をより分かりやすくするために、以下に添付図面及び実施例を参照しながら、本発明について詳しく説明する。ここで記載した具体的な実施例は本発明を説明するためのものにすぎず、本発明を限定することに用いるというわけではないことを理解すべきである。
【0014】
説明されるべきなのは、部品が他の部品に「固定」または「設定」と呼ばれている場合、それが直接または間接的に別の部品に位置してもよい。ある部品が別の部品に「接続されている」と呼ばれる場合、それが別の部品に直接接続されていても、別の部品に間接的に接続されていてもよい。
【0015】
さらに説明されるべきなのは、本発明の実施形態の図面における同一又は類似の符号は、同一又は類似の構成要素に対応し、本発明の説明において、用語「上」、「下」、「左」、「右」などが示す方位または位置関係が、図面に示された方位または位置関係に基づいている場合、本発明を説明しやすく及び簡単化するためのものに過ぎず、装置又は部品が特定の方位を有しそして特定の方位で構築すると操作する必要があることを指す又は暗示するためのものではなく、したがって、図面中の位置関係を記載する用語は、例示的な説明にすぎず、本特許を限定するものとして理解することはできず、当業者にとっては、状況に応じて、上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0016】
また、「第1」、「第2」などの用語は説明する目的のみに用いられ、相対重要性を指す又は暗示する又は提出した技術的特徴の数量を暗示するためのものではないことを理解すべきである。「第1」、「第2」など限定された特徴は、1つまたは複数の該特徴を含むことを指す又は暗示する。本発明の説明において、「複数」とは、特に明示的かつ具体的に定義されていない限り、2つ以上を意味する。
【0017】
本発明に記載された技術的解決手段を説明するために、以下は、本発明により提供されるマスク欠陥検査装置の実施形態を、具体的な図面に関連して詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明の実施形態は、マスク欠陥検査装置であって、供給機構1と、搬送機構2と、画像取得機構3と、画像処理ソフトウェア6と、選別機構4と、PLC制御システム7と、を含む、マスク欠陥検査装置を提供し、ここで、PLC制御システム7はキャビネット5の中に設けられ、そして供給機構1、搬送機構2、画像取得機構3、画像処理ソフトウェア6、選別機構4とそれぞれ電気的に接続されている。
【0019】
このうち、キャビネット5をキャリア本体とし、供給機構1は、キャビネット5の一端または片側に設けられ、搬送機構2は、キャビネット5の上面に設けられ、搬送機構2は被検マスク8を画像取得機構3に搬送するために使用される。画像取得機構3はキャビネット5の上面に設けられ、画像取得機構3は、被検マスク8の製品画像を取得し、そして製品画像を画像処理ソフトウェア6に転送するために使用され、画像処理ソフトウェア6は、キャビネット5に設けられ、製品画像と予め設定されたマスク基準とを比較し、被検マスク8を良品又は不良品と判定し、そして判定結果をPLC制御システム7に送り、PLC制御システム7は選別機構4を制御して良品と不良品を分別収集する。
【0020】
本発明は、供給機構1、搬送機構2により自動供給を実現し、被検マスク8は、画像取得機構3の下方に搬送され、画像取得機構3は、被検マスク8の製品画像を取得してから画像処理ソフトウェア6に転送して自動比較処理を行い、判定結果情報はPLC制御システム7にフィードバックされ、そしてPLC制御システム7を介して選別機構4を制御して良品と不良品を選別し、被検マスク8の自動検査、自動区別収集が実現され、これにより本発明により提供されるマスク欠陥検査装置は、コストが節約され、検査効率が高く、検査精度が高く、製品の品質が保証されるという利点を有する。
【0021】
具体的には、本実施形態において、画像取得機構3は、キャビネット5に設けられるホルダ35と、ホルダ35に設けられるカメラ32と、を含み、カメラ32は、被検マスク8の製品画像を取得するために使用され、カメラ32搬送機構2の上方に設けられ、カメラ32は画像処理ソフトウェア6と電気的に接続され、カメラ32にはレンズ33が設けられ、レンズ33は下方の被検マスク8を位置合わせするために使用され、ホルダ35またはキャビネット5には、被検マスク8を検知するための第1光ファイバセンサ31がさらに設けられ、第1光ファイバセンサ31は、レンズ33の下方に被検マスク8があるか否かを検知するために使用される。ここで、カメラ32と第1光ファイバセンサ31とはケーブルを介してPCL制御システムと電気的に接続されている。
【0022】
好ましくは、本実施形態において、画像取得機構3は、キャビネット5に設けられる光源34をさらに含み、光源34は、被検マスク8に補光を行うために用いられ、カメラ32が取得する製品画像の精細度を効果的に保証し、光源34は、PLC制御システム7に電気的に接続されている。本実施形態では、光源34は直下型LEDバックライト34であり、カメラ32が製品画像を取得する際の精細度をさらに保証する。他の実施形態では、光源34は、サイドライト型LEDバックライト34である。
【0023】
第1光ファイバセンサ31が、レンズ33の下方に被検マスク8があることを検知すると、カメラ32に撮影トリガ信号を送信し、カメラ32は撮影した製品画像を画像処理ソフトウェア6に転送し、画像処理ソフトウェア6は予め設定されたマスク基準に基づいて自動比較を行い、そして比較結果をPLC制御システム7にフィードバックし、PLC制御システム7は選別機構4を制御して被検マスク8を選別する。
【0024】
本実施形態において、供給機構1は、第1トレイ12と、第1エアシリンダ11と、第2光ファイバセンサ13とを含む。ここで、第1トレイ12は被検マスク8を載せるために使用され、第1エアシリンダ11は第1トレイ12内の被検マスク8を搬送機構2に押し付けるために使用され、第2光ファイバセンサ13は第1トレイ12内に被検マスク8があるか否かを検知するために使用される。第1エアシリンダ11と第2光ファイバセンサ13は、PLC制御システム7にケーブルを介して電気的に接続されている。
【0025】
本実施形態において、第1トレイ12、第1エアシリンダ11、第2光ファイバセンサ13は、ラック(図示せず)を介してキャビネット5の一端に設けられ、被検マスク8は自動供給機を介して1枚ずつ第1トレイ12に載置され、他の実施形態では、被検マスク8は手作業により1枚ずつ第1トレイ12に載置される。第2光ファイバセンサ13は被検マスク8が第1トレイ12の上に落下したことを検知した後、第1エアシリンダ11が作動して被検マスク8を搬送機構2上に押し付け、そして自動的に元の位置に復帰する。
【0026】
具体的には、本実施形態おいて、搬送機構2は、2セットの第1ローラ軸24と、それぞれ1セットの第1ローラ軸24に設けられる第1搬送ベルト22及び第2搬送ベルト23と、第1ローラ軸24を駆動して回転させて第1搬送ベルト22及び第2搬送ベルト23を作動させるための第1モーター21と、含み、被検マスク8は、第1搬送ベルト22と第2搬送ベルト23との間で搬送され、第1モーター21はPLC制御システム7に電気的に接続される。
【0027】
このうち、第1搬送ベルト22と第2搬送ベルト23は上下に配置され、第1搬送ベルト22と第2搬送ベルト23との間の距離は、外力が作用されていない時の被検マスク8の厚さよりも小さく、第1搬送ベルト22と第2搬送ベルト23は被検マスク8を挟持して搬送し、被検マスク8の搬送位置の安定性を確保する。第1搬送ベルト22と第2搬送ベルト23は同期ベルトを採用する。
【0028】
本実施形態において、選別機構4は、搬送機構2の排出端部に設けられる不良品分離機構41と、不良品分離機構41の下方に設けられる不良品収集箱42と、搬送機構2の排出端部に設けられる良品搬送機構43と、良品搬送機構43の排出端部に設けられる良品収集機構44と、を含む。
【0029】
このうち、不良品分離機構41は、搬送機構2と良品搬送機構43との間に可動的に設けられる、第2トレイ412と、第2トレイ412の下方に設けられ、第2トレイ412の上昇または下降を駆動する第2エアシリンダ411と、を含む。不良品収集箱42は、第2トレイ412の下方に位置し、第2エアシリンダ411は、ケーブルを介してPLC制御システム7に電気的に接続されている。
【0030】
画像処理ソフトウェア6が被検マスク8を不良品と判断した場合、PLC制御システム7は、第2エアシリンダ411を制御して作動させ、第2エアシリンダ411は第2トレイ412を上昇駆動し、不良品は搬送機構2の排出端部を通って自動的に不良品収集箱42に落下し、そして第2エアシリンダ411が第2トレイ412を駆動して下降復帰させる。
【0031】
ここで、良品搬送機構43は、2セットの第2ローラ軸435と、それぞれ2セットの第2ローラ軸435に設けられている2本の第3搬送ベルト432と、第2ローラ軸435を駆動して回転させて2本の第3搬送ベルト432を作動させるための第2モーター431と、を含み、良品は、2本の第3搬送ベルト432の間で搬送され、第2モーター431は、ケーブルを介してPLC制御システム7に電気的に接続される。
【0032】
画像処理ソフトウェア6が被検マスク8が良品であると判断した場合、良品は第2トレイ412を通って2本の第3搬送ベルト432に搬送され、PLC制御システム7が第2モーター431を制御して作動させ、第2モーター431が2本の第3搬送ベルト432を駆動して、良品を挟持して良品収集機構44に搬送する。
【0033】
このうち、良品搬送機構43は、第3搬送ベルト432の排出端部に設けられている、第3光ファイバセンサ433と第3エアシリンダ434と、を含み、第3エアシリンダ434の押し付け方向は下向きであり、第3光ファイバセンサ433と第3エアシリンダ434は、PLC制御システム7と電気的に接続されている。
【0034】
第3光ファイバセンサ433が良品を検知した後、PLC制御システム7は、第3エアシリンダ434を制御して良品を下に押し付け、良品を良品収集機構44上に安定的に落下させる。
【0035】
具体的には、本実施形態において、良品収集機構44は、第3搬送ベルト432の排出端部の下方に設けられている第4搬送ベルト441と、第4搬送ベルト441を駆動して作動させる第3モーター442と、を含み、第3モーター442は、ケーブルを介してPLC制御システム7に電気的に接続される。第4搬送ベルト441上の良品積載数が予め設定された積載数に達した後、第3モーター442は第4搬送ベルト441を駆動して1つのマスク幅の位置を移動し、これにより良品を第4搬送ベルト441上に一定の量で整然に配置させる。2本の第3搬送ベルト432と第4搬送ベルト441は、いずれも同期ベルトを採用している。
【0036】
本実施形態において、第1モーター21はステッピングモーター又はサーボモーターであり、第2モーター431及び第3モーター442はガバナモーターであり、本実施形態では、予め設定されたマスク基準は、マスクを製造するメーカーの品質要求に応じて独自に設定されている。
【0037】
図1図6に示すように、本発明の実施形態は、マスク欠陥検査方法をさらに提供し、該方法は、
S1、画像処理ソフトウェア6に接続されているカメラ32を介して、被検マスク8なしの背景画像と被検マスク8の製品画像を取得し、そして製品画像の4つの頂点をそれぞれP1(0,0)、P2(w,0)、P3(0,h)、P4(w,h)と表記するステップと、
S2、製品画像を背景画像と減算して残差画像を得るステップと、
S3、残差画像をグレースケール画像に変換し、グレースケール画像を二値化して二値化画像を得るステップと、
S4、二値化画像に固定回数の画像膨張と画像収縮処理を行い、そして輪郭抽出アルゴリズムを用いて被検マスク8の製品輪郭を抽出し、その中で面積が最も大きい2つの製品輪郭を選択し、それに対して最小外接矩形アルゴリズムを用いて被検マスク8の最小外接矩形を抽出するステップと、
S5、最小外接矩形の抽出が失敗した場合、被検マスク8は不良品であり、最小外接矩形の抽出に成功した場合、最小外接矩形の長さの値と幅の値を算出し、そして長さの値と幅の値を予め設定されたマスク基準値と比較して差分を得るステップと、
S6、差分が予め設定された差分範囲を超えている場合、被検マスク8は不良品であり、差分が予め設定された差分範囲内である場合、最小矩形の4つの頂点座標であるP11、P12、P13、P14、及び最小矩形の中心点Pc1(cx,cy)を出力し、ここで、長さの値が予め設定された差分範囲を超えている場合はマスクの長不良であり、幅の値が予め設定された差分範囲を超えている場合はマスクの幅不良であるステップと、
S7、P13とP14の点の連結線であるL1(P13,P14)、P3とP4の点の連結線であるL2(P3,P4)を算出し、そしてL1とL2との間の夾角Aを算出し、
中心点Pc1(cx,cy)の製品画像の中心点Pc0(w/2,h/2)に対する水平方向のオフセットHxと垂直方向のオフセットVyを計算するステップと、
S8、得られた水平方向のオフセットHxと垂直方向のオフセットVyを用いてグレースケール画像に対して平行移動操作を行い、中心点Pc1(cx,cy)と製品画像の中心点Pc0(w/2,h/2)を一致させてグレースケール平行移動画像を得て、ここでグレースケール画像の4つの頂点座標はP21、P22、P23、およびP24であり、グレースケール画像の中心はPc2(cx、cy)であるステップと、
S9、中心点Pc1(cx,cy)を原点としてグレースケール平行移動画像を回転させ、回転角度は夾角Aの度数であり、グレースケール回転画像を得て、ここで、グレースケール回転画像の4つの頂点座標はP31、P32、P33、及びP34で、中心点はPc2(cx、cy)であり、この時、Pc0(w/2、h/2)とPc2(cx、cy)が重なっているステップと、
S10、グレースケール回転画像を予め設定されたマスク基準と比較し、マスク基準の範囲を超えている場合は不良品であり、逆に、マスク基準の範囲内である場合は良品であるステップと、を含む。
【0038】
具体的には、予め設定されたマスク基準は、2つの耳掛け検査規定枠E1と、1つのノーズバー検査規定枠N1と、1つの汚れ検査規定枠D1と、を含み、ここで、ステップS10は、
S101、グレースケール回転画像に対して、予め設定された耳掛け検査規定枠E1を用いて、被検マスク8の耳掛け欠陥を検査し、2つの耳掛け領域には、それぞれ耳掛け検査規定枠E1が予め設定されており、輪郭抽出アルゴリズムを用いて、耳掛け検査領域にある耳掛け画像輪郭の属性に対して計算と判断を行い、耳掛け画像輪郭の属性が予め設定されたマスク基準の範囲外である場合、耳掛け不良と判断し、耳掛け画像輪郭の属性が予め設定されたマスク基準の範囲内である場合、続いて次の判断を行い、ここで耳掛け画像輪郭の属性は数量、輪郭の長さ、輪郭の面積、輪郭の連続性を含むステップと、
S102、グレースケール回転画像に対して、予め設定されたノーズバー検査規定枠N1を用いて、被検マスク8のノーズバー欠陥を検査し、ノーズバー領域には、ノーズバー検査規定枠N1が予め設定されており、輪郭抽出アルゴリズムを用いて、ノーズバー検査領域のノーズバー画像輪郭の属性に対して計算と判断を行い、ノーズバー画像輪郭の属性が予め設定されたマスク基準の範囲外である場合、ノーズバー不良と判断し、ノーズバー画像輪郭の属性が予め設定されたマスク基準の範囲内である場合、最小外接矩形アルゴリズムを用いてノーズバーの最小外接矩形を算出し、そして最小外接矩形の4つの頂点座標と中心点座標を出力し、最小外接矩形の4つの頂点座標と中心点座標が予め設定されたマスク基準の範囲内にあるかどうかを判断し、予め設定されたマスク基準の範囲外である場合、ノーズバー不良と判断し、予め設定されたマスク基準の範囲内である場合、続いて次の判断を行い、ここでノーズバー画像輪郭の属性は数量、輪郭の長さ、輪郭の面積、輪郭の連続性を含むステップと、
S103、グレースケール回転画像に対して、予め設定された汚れ検査規定枠D1を用いて、被検マスク8の汚れ欠陥を検査し、被検マスク8のマスク本体には、耳掛けの溶接スポットとノーズバー領域を回避して汚れ検査規定枠D1が設けられ、固定閾値の二値化処理アルゴリズムを用いて汚れ検査領域を処理し、二値化処理後の画像内の非零点の数を統計し、非零点の数が設定されたマスク基準の範囲外である場合、汚れ不良と判断し、非零点の数が設定されたマスク基準の範囲内である場合、被検マスク8を良品と判定するステップと、をさらに含む。
【0039】
具体的には、ステップS3において、グレースケール画像に対して画像二値化処理を行う前に、グレースケール画像に対して画像局所強調処理を行い、ことにより画像の判読と認識効果を高める。
【0040】
このうち、画像局所強調処理は、画像領域の画素値を走査し、指定値より大きい又は同じである画素値を設定値に増加させ、指定値より小さい画素値をすべて0に設定すること、を含む。
【0041】
本発明により提供されるマスク欠陥検査方法は、画像処理の方式とモード識別技術とを用いてマスクの長さと幅を認識して寸法測定を行い、そしてマスクの耳掛け、ノーズバー及び汚れ欠陥に対して識別と検査を行うことで、人工検査の代わりになり、生産コストが低減され、製品の完成品の品質が向上し、生産効率が向上し、企業の経済効果が高められる。カメラ32を用いて検査を行うことで、検査コストを下げ、検査速度を上げ、マスク製品の生産速度を速めることができる。
【0042】
以上の説明は、本発明のよりよい実施形態にすぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び原則の範囲内で行われたあらゆる修正、均等物による置換及び改良等は、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0043】
1 供給機構
11 第1エアシリンダ
12 第1トレイ
13 第2光ファイバセンサ
2 搬送機構
21 第1モーター
22 第1搬送ベルト
23 第2搬送ベルト
24 第1ローラ軸
3 画像取得機構
31 第1光ファイバセンサ
32 カメラ
33 レンズ
34 光源
35 ホルダ
4 選別機構
41 不良品分離機構
411 第2エアシリンダ
412 第2トレイ
42 不良品収集箱
43 良品搬送機構
431 第2モーター
432 第3搬送ベルト
433 第3光ファイバセンサ
434 第3エアシリンダ
435 第2ローラ軸
44 良品収集機構
441 第4搬送ベルト
442 第3モーター
5 キャビネット
6 画像処理ソフトウェア
7 PLC制御システム
8 被検マスク
D1 汚れ検査規定枠
E1 耳掛け検査規定枠
N1 ノーズバー検査規定枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7