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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20220411BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20220411BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220411BHJP
   F21V 21/04 20060101ALI20220411BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220411BHJP
【FI】
F21S8/02 420
F21S9/02 200
F21V23/00 160
F21V23/00 170
F21V21/04 310
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018109268
(22)【出願日】2018-06-07
(65)【公開番号】P2019212547
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 良明
(72)【発明者】
【氏名】丹下 理和
(72)【発明者】
【氏名】森 あづ実
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-091744(JP,A)
【文献】特開2015-185385(JP,A)
【文献】特開平09-097516(JP,A)
【文献】国際公開第2012/005243(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
F21S 9/02
F21V 23/00
F21V 21/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に第1開口が形成され、他端に第2開口が形成された筒状の筐体と、
前記筐体に収納される光源と、
前記筐体に収納され、前記光源を点灯させる点灯装置と、
前記光源が出射する光を制御し、前記第1開口から出射する光学制御部と、
前記第2開口を塞ぐカバーと、
前記カバーに取り付けられ、外部電源からの電力を前記点灯装置に供給する端子台と、
を備え、
前記第2開口の幅は、前記点灯装置の幅より大きく、
前記カバーは、前記第1開口から前記第2開口に向かう方向に沿って延びる側面部を備え、
前記端子台は前記側面部に取り付けられ、前記側面部を介して前記点灯装置と隣接することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記第1開口の幅は、前記点灯装置の幅より小さいことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記筐体の前記一端には、前記第1開口を形成する意匠面が設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記光学制御部は、前記第1開口を塞ぐことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記光学制御部は、前記第1開口から突出することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記端子台は、前記側面部に沿った方向を向く電線挿入部を有することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記筐体の側壁部から水平方向に延びる保持バネを備え、
前記端子台は、前記保持バネが延びる方向と交差する方向を向く電線挿入部を有することを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記端子台は、熱硬化性樹脂から形成されることを特徴とする請求項からの何れか1項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記光源と、前記点灯装置と、前記光学制御部とを保持する保持部材を備えることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、器具本体と、ユニット部とを備えた照明器具が開示されている。器具本体は、一端側が開口した筒状である。器具本体は、開口と反対側の他端側である上側に位置する有蓋円筒状の本体部と、本体部の下端部に対して着脱可能な円形状の化粧枠とを備えている。ユニット部は、器具本体の一端側から光を出射する光源モジュールを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-091740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の照明器具では、本体部を天井に設置した後に、化粧枠を本体部に取り付ける。このため、天井への器具設置作業の工数が多くなる恐れがある。また、ユニット部を下方から器具本体に取り付けるため、器具設置作業中にユニット部の落下等が発生する可能性がある。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、設置作業を容易にできる照明器具を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示に係る照明器具は、一端に第1開口が形成され、他端に第2開口が形成された筒状の筐体と、該筐体に収納される光源と、該筐体に収納され、該光源を点灯させる点灯装置と、該光源が出射する光を制御し、該第1開口から出射する光学制御部と、該第2開口を塞ぐカバーと、該カバーに取り付けられ、外部電源からの電力を該点灯装置に供給する端子台と、を備え、該第2開口の幅は、該点灯装置の幅より大きく、該カバーは、該第1開口から該第2開口に向かう方向に沿って延びる側面部を備え、該端子台は該側面部に取り付けられ、該側面部を介して該点灯装置と隣接する
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る照明器具では、筐体の光の出射方向と反対側の端部に第2開口が設けられる。このため、筐体の上方から光源、点灯装置および光学制御部を収納できる。従って、設置作業を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る照明器具の斜視図である。
図2】実施の形態1に係る照明器具の五面図である。
図3】実施の形態1に係る筐体の下方斜視図である。
図4】実施の形態1に係る筐体の上方斜視図である。
図5】実施の形態1に係る照明器具の分解斜視図である。
図6】実施の形態1に係る光源ユニットを分解した状態を示す下方斜視図である。
図7】実施の形態1に係る光源ユニットを分解した状態を示す上方斜視図である。
図8】実施の形態1に係る端子台に電線が接続された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態に係る照明器具について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明器具1の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る照明器具1の五面図である。照明器具1は、例えば非常用照明器具である。照明器具1は、筐体2、カバー3、端子台4、点灯装置、光源、光学制御部7および保持バネ8を備える。
【0011】
カバー3は、筐体2に取り付けられる。端子台4はカバー3に隣接されて設けられる。点灯装置は、筐体2の内部に収納される。光源は、筐体2の内部に収納される。光学制御部7は光源の光を制御する。保持バネ8は、筐体2に取り付けられる。
【0012】
図3は、実施の形態1に係る筐体2の下方斜視図である。図4は、実施の形態1に係る筐体2の上方斜視図である。筐体2は筒状である。筐体2の一端には、第1開口24が形成され、他端には第2開口23が形成される。第2開口23は、点灯装置、光源および光学制御部7を筐体2に上方から収納できるように設けられている。第2開口23の幅は、点灯装置、光源および光学制御部7の幅より大きい。また、第1開口24の幅は、点灯装置の幅より小さい。
【0013】
筐体2は例えばアルミダイキャストで形成される。筐体2は筒状の側壁部21を有する。また、筐体2の一端には、鍔部22が設けられる。鍔部22は、側壁部21の下端から外側および内側に向かって水平方向に延びる。鍔部22は第1開口24を形成する。鍔部22は、照明器具1が天井に取り付けられた際に、意匠面となる。ここで、意匠面は照明器具1を天井に設置した際に、使用者から見える面である。
【0014】
側壁部21には切り欠きが形成される。切り欠きにより、側壁部21には第1側壁部21aと、鍔部22からの高さが第1側壁部21aより低い第2側壁部21bとが形成される。
【0015】
図5は、実施の形態1に係る照明器具1の分解斜視図である。カバー3は板状の部材により形成されている。カバー3は、側面部3a、上面部3bおよび底面部3cを有する。上面部3bは、筐体2のうち第1側壁部21aの上端に設けられる。上面部3bは、第2開口23のうち第1側壁部21aに囲まれる部分を覆う。底面部3cは、筐体2のうち第2側壁部21bの上端に設けられる。底面部3cは、第2開口23のうち第2側壁部21bに囲まれる部分を覆う。
【0016】
側面部3aは、側壁部21のうち、第1側壁部21aと第2側壁部21bとの段差部分を覆う。側面部3aは第1開口24から第2開口23に向かう方向に沿って延びる。このように、カバー3は筐体2の上端部に沿った形状をしており、第2開口23を塞ぐ。
【0017】
図1、2に示されるように、端子台4は筐体2およびカバー3に隣接して設けられる。カバー3には端子台4の取り付け部が設けられている。端子台4はカバー3のうち側面部3aに取り付けられる。なお、カバー3の側面部3aの内側には、点灯装置5が設けられる。端子台4は側面部3aを介して点灯装置5と隣接する。
【0018】
端子台4は、外部電源からの電力を点灯装置5に供給する。ここで、外部電源は交流電源または直流電源である。端子台4は電線挿入部41を有する。電線挿入部41には電線が挿入される。端子台4は電線により外部電源と接続される。また、端子台4は点灯装置5と電気的に接続される。電線挿入部41は水平方向を向く。また、電線挿入部41は側面部3aに沿った方向を向く。
【0019】
端子台4は例えば不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂から形成される。これに限らず、端子台4は耐熱性能があれば、熱可塑性樹脂から形成されてもよい。
【0020】
図6は、実施の形態1に係る光源ユニット90を分解した状態を示す下方斜視図である。図7は、実施の形態1に係る光源ユニット90を分解した状態を示す上方斜視図である。点灯装置5、光源6、光学制御部7および保持部材9は光源ユニット90を構成する。保持部材9は、点灯装置5と、光源6と、光学制御部7とを保持する。保持部材9は、例えばソケットである。点灯装置5、光源6および光学制御部7は保持部材9にそれぞれ固定され、一体化された部品となる。
【0021】
点灯装置5は端子台4から供給される電力により、光源6を点灯させる。点灯装置5はいわゆる直流電源装置である。点灯装置5は、外部電源から電力供給を受け、光源6に対し制御された電力を供給する。光源6に供給される電力の制御方法として、定電流制御、定電力制御、定電圧制御等が用いられる。点灯装置5は樹脂性のケースと、ケースに収納される回路基板を備える。
【0022】
光源6は例えばLEDを備える。SMD(Surface Mount Device)タイプのLEDを用いる場合、光源6はLEDおよびLEDを実装する基板から構成される。これに対し、COB(Chip On Board)タイプのLEDを用いる場合、光源6において基板は不要となる。この場合、光源6は、基板の代わりにLEDを保持し点灯装置5と接続する為のソケットを備えても良い。
【0023】
光源6は、点灯装置5と保持部材9との間に設けられる。光源6は下方に向かって光を出射する。光源6が発する光は、保持部材9に設けられた開口を通り、光学制御部7に入射する。
【0024】
光学制御部7は、光源6の光の出射方向に設けられる。光学制御部7は、保持部材9に対して、光源6および点灯装置5と反対側に設けられる。図1、2に示されるように、光学制御部7は、第1開口24を塞ぐ。また、光学制御部7は、第1開口24から外部に臨む様に配設され、第1開口24から突出する。
【0025】
光学制御部7は、光源6が出射する光を制御し、第1開口24から出射する。本実施の形態では、光学制御部7はレンズである。光学制御部7は、光源6の光を目標とする配光特性を満足する様に配光制御する。光学制御部7は例えばガラスで形成される。光学制御部7は、耐熱性能が満足されれば樹脂で形成されてもよい。また、光学制御部7はレンズ以外でも良く、反射板であっても良い。
【0026】
筐体2の側壁部21には保持バネ8を固定する為の取り付け部21cが設けられる。取り付け部21cは対向する2つの平面から構成される。取り付け部21cには、2つの保持バネ8が対向して取り付けられる。保持バネ8は、筐体2の側壁部21の両側から水平方向に延びる。なお、保持バネ8は筐体2の取り付け部21cに向かって変形する。つまり、保持バネ8は、筐体2に向かって閉じる。
【0027】
次に、照明器具1の組み立て方法について説明する。まず、光源ユニット90を組み立てる。このとき、保持部材9に点灯装置5、光源6および光学制御部7を固定し、光源ユニット90を一体化する。
【0028】
次に、一体化された光源ユニット90を、筐体2の第2開口23から第1開口24に向かって挿入する。ここで、第2開口23の幅は、光源ユニット90の幅より大きい。このため、第2開口23から筐体2に光源ユニット90を収納できる。本実施の形態では、光源ユニット90を筐体2に上方から収納できる。このため、点灯装置などを筐体の下方から取り付ける場合よりも、組立作業を容易にできる。また、本実施の形態では、予め一体化された光源ユニット90を筐体2に収納する。このため、組立作業をさらに容易にできる。
【0029】
また、第1開口24の幅は光源ユニット90の幅より小さい。このため、筐体2の下端側で光源ユニット90を保持できる。従って、光源ユニット90の落下を防止できる。光源ユニット90が筐体2に挿入された状態において、筐体2の第1開口24は光学制御部7で閉塞される。その後、筐体2の上端にカバー3を取り付ける。これにより、第2開口23が閉塞される。また、カバー3に端子台4を取り付ける。
【0030】
保持バネ8は、光源ユニット90を筐体2に収納する前に、予め筐体2に取り付けておいても良い。また、筐体2に光源ユニット90を収納した後に、保持バネ8を筐体2に取り付けても良い。
【0031】
次に、照明器具1の被取付部への設置方法について説明する。被取付部は例えば天井である。まず、端子台4の電線挿入部41に被取付部から引き出された電線を接続する。次に、保持バネ8を筐体2側へすぼめて、照明器具1を被取付部に挿入する。照明器具1が被取付部に差し込まれると、保持バネ8は開いた状態となる。これにより、照明器具1は、被取付部に取り付けられる。
【0032】
このように、被取付部への照明器具1の設置作業は、予め組み立てられた照明器具1を被取付部に取り付けることで完了する。従って、施工を容易にできる。また、本実施の形態では、光源ユニット90を筐体2の上方から挿入するため、筐体2の下端に予め意匠面を設けることができる。このため、筐体2を天井に設置した後に、化粧枠等を筐体2に取り付ける必要がない。従って、施工をさらに容易にできる。
【0033】
図8は、実施の形態1に係る端子台4に電線42が接続された状態を示す図である。電線挿入部41は筐体2の取り付け部21cに沿った方向を向く。このため、電線42は、保持バネ8が設けられる方向には引き出されない。これにより、端子台4に電線42が挿入された状態においても、保持バネ8が電線42に触れることを防止できる。従って、施工の際に電線42と保持バネ8が接触することを防止できる。
【0034】
また、図2の平面図に示されるように、端子台4は筐体2の直上に設けられる。端子台4は筐体2の中心軸に沿った方向から見て、筐体2の内側に収まる。このため、照明器具1を小型化できる。
【0035】
また、図8に示されるように、電線42は、電線挿入部41からカバー3の側面部3aに沿った方向に引き出される。このとき、端子台4の電線42が引き出される側と反対側には、点灯装置5が設けられない。このため、電線挿入部41からカバー3の側面部3aと垂直な方向に電線42が引き出される場合よりも、筐体2の直上において電線42が通る空間を広く確保できる。よって、電線42が照明器具1の横に突き出し難い。従って、照明器具1を被取付部に取り付け易くなり、容易に施工できる。
【0036】
また、非常用照明器具は建築基準法および関連法令等で性能が規定されている。本実施の形態の照明器具1は、点灯装置5を内蔵し、バッテリー等の予備電源を内蔵しない。このような照明器具において電線の送り、つまり渡り配線が可能な場合、一般に端子台に対し、予め定められた難燃性能が求められる。本実施の形態では、端子台4に熱硬化性樹脂を用いることで、非常用照明器具として規定された難燃性能を満足することができる。
【0037】
また、非常用照明器具の天井面より露出する箇所は、一般に難燃材料で形成されることが必要である。本実施の形態における筐体2は、アルミダイキャスト等の金属材料で構成される。このため、非常用照明器具としての要求事項を満足することができる。
【0038】
本実施の形態の変形例として、筐体2の側壁部21には切り欠きが設けられなくても良い。また、筐体2の形状は、図3、4に示されるものに限らない。例えば、筐体2の側壁部21の断面は、円形、四角形または多角形であっても良い。また、端子台4の電線挿入部41は、保持バネ8が延びる方向と交差する方向を向いても良い。これにより、電線42と保持バネ8の干渉を防止できる。
【0039】
なお、本実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 照明器具、2 筐体、21 側壁部、21a 第1側壁部、21b 第2側壁部、21c 取り付け部、22 鍔部、23 第2開口、24 第1開口、3 カバー、3a 側面部、3b 上面部、3c 底面部、4 端子台、41 電線挿入部、42 電線、5 点灯装置、6 光源、7 光学制御部、8 保持バネ、9 保持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8