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特許7055272生体音測定システムおよびその測定データの校正方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】生体音測定システムおよびその測定データの校正方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 7/04 20060101AFI20220411BHJP
【FI】
A61B7/04 T
A61B7/04 C
A61B7/04 ZDM
A61B7/04 X
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017119490
(22)【出願日】2017-06-19
(65)【公開番号】P2019000520
(43)【公開日】2019-01-10
【審査請求日】2020-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】501061319
【氏名又は名称】学校法人 東洋大学
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】松山 英司
(72)【発明者】
【氏名】寺田 信幸
【審査官】北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/001898(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0170285(US,A1)
【文献】特開2017-042232(JP,A)
【文献】特開2003-102706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/398
A61B 7/00 - 7/04
A61B 9/00 -10/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力センサを備えたセンサユニットを被検者の外耳道に装着した状態で、上記圧力センサによって上記外耳道の内圧変化を検出することにより、上記被検者の生体音を測定するように構成された生体音測定システムにおいて、
上記内圧変化の検出結果を用いて上記生体音を測定するための処理を行うモニタリング側ユニットを備えており、
上記センサユニットは、上記外耳道に音響信号を出力可能なスピーカを備えており、
上記モニタリング側ユニットは、上記スピーカから上記外耳道に校正音として周波数が異なる第1および第2の純音が複合された複合音を出力し、この校正音の出力による上記外耳道の内圧変化を利用して上記生体音の測定データの校正を行うように構成されている、ことを特徴とする生体音測定システム。
【請求項2】
請求項1記載の生体音測定システムにおいて、上記生体音の測定データの校正を行う方法であって、
上記スピーカから上記外耳道に上記校正音を出力したとき上記圧力センサによって検出される上記外耳道の内圧変化の周波数スペクトルから、上記第1の純音の周波数における内圧変化の振幅と上記第2の純音の周波数における内圧変化の振幅との差を差分レベルとして算出し、この差分レベルに基づいて上記測定データの校正を行う、ことを特徴とする測定データの校正方法。
【請求項3】
上記第1の純音として、可聴周波数領域よりも低い非可聴周波数領域の純音を用いるとともに、
上記第2の純音として、可聴周波数領域の純音を用いる、ことを特徴とする請求項2記載の測定データの校正方法。
【請求項4】
上記第1の純音と上記第2の純音との振幅比を2倍以上の値に設定しておく、ことを特徴とする請求項3記載の測定データの校正方法。
【請求項5】
上記センサユニットを空気漏れの程度が異なる複数の態様で上記外耳道に装着して上記周波数スペクトルの検出をそれぞれ行い、空気漏れが殆どない状態で検出された周波数スペクトルに対して空気漏れがある状態で検出された周波数スペクトルにおける振幅の減衰量と、これら各周波数スペクトルにおける上記差分レベルとから、周波数に応じた上記生体音の振幅の補正量を示す補正曲線を作成し、この補正曲線に基づいて上記生体音の波形に対して各周波数毎に上記補正量を加算した波形を上記生体音の測定データとする、ことを特徴とする請求項2~4いずれか記載の測定データの校正方法。
【請求項6】
上記補正曲線を折れ線で近似する、ことを特徴とする請求項5記載の測定データの校正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、被検者の生体音を測定するように構成された生体音測定システムおよびその測定データの校正を行う方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、医療機器や健康管理機器として、被検者の生体音を測定するための生体音測定システムを備えたものが知られている。
【0003】
また、このような生体音測定システムとして、圧力センサを備えたセンサユニットを被検者の外耳道に装着した状態で、その圧力センサによって外耳道の内圧変化を検出することにより、被検者の生体音を測定するように構成されたものが知られている。
【0004】
「特許文献1」には、このような生体音測定システムとして、センサユニットの一部を構成するイヤーチップを被検者の外耳道に挿入し、その生体音として頸静脈圧を測定するように構成されたものが記載されている。
【0005】
また「特許文献2」には、生体音測定システムに用いられるセンサユニットとして、圧力センサだけでなく外耳道に音響信号を出力可能なスピーカを備えた構成とした上で、圧力センサによって外耳道の内圧変化を検出する際、スピーカから外耳道に校正音として純音を出力し、この校正音の出力による外耳道の内圧変化を利用して測定データの校正を行うようにしたものが記載されている。
【0006】
この「特許文献2」に記載された校正方法においては、外耳道と略同一の容積を有するカプラを用意し、このカプラにセンサユニットを装着して完全密閉空間にした状態でスピーカから校正音を出力したときに圧力センサによって検出される校正音の振幅を基準レベルとして設定した上で、センサユニットを意図的に空気漏れが発生する態様で外耳道に装着した状態で外耳道の内圧変化を予備的に検出する予備操作を、スピーカから校正音が出力される第1の時間領域と出力されない第2の時間領域とが含まれるようにして、センサユニットの着脱を繰り返しながら複数回にわたって行い、これら複数回の予備操作によって検出された校正音と生体音とから、校正音の振幅の基準レベルからの減衰量とこれに対応する生体音の振幅の減衰量との関係を示す特性曲線を作成し、この特性曲線に基づいて測定データを校正するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第5585955号公報
【文献】特開2017-42232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記「特許文献2」に記載された生体音測定システムを採用することにより、センサユニットを外耳道に装着したとき多少の空気漏れが発生したとしても、スピーカからの校正音の出力によって測定データの校正を行うことにより生体音の測定を適正に行うことが可能となる。
【0009】
しかしながら、上記「特許文献2」に記載された生体音測定システムにおいては、測定データの校正を行う際、その基準レベルを設定するためのカプラを用意する必要があるので、校正作業が煩雑なものとなってしまう。
【0010】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、生体音の測定データの校正を簡易に行うことができる生体音測定システムおよびその測定データの校正方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は、センサユニットとしてスピーカを備えた構成とした上で、このスピーカから外耳道に出力される校正音として所定の複合音を用いることにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0012】
すなわち、本願発明に係る生体音測定システムは、
圧力センサを備えたセンサユニットを被検者の外耳道に装着した状態で、上記圧力センサによって上記外耳道の内圧変化を検出することにより、上記被検者の生体音を測定するように構成された生体音測定システムにおいて、
上記内圧変化の検出結果を用いて上記生体音を測定するための処理を行うモニタリング側ユニットを備えており、
上記センサユニットは、上記外耳道に音響信号を出力可能なスピーカを備えており、
上記モニタリング側ユニットは、上記スピーカから上記外耳道に校正音として周波数が異なる第1および第2の純音が複合された複合音を出力し、この校正音の出力による上記外耳道の内圧変化を利用して上記生体音の測定データの校正を行うように構成されている、ことを特徴とするものである。
【0013】
上記「圧力センサ」は、外耳道に生じる内圧変化を検出可能なものであれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。
【0014】
上記「校正音」は、周波数が異なる第1および第2の純音が複合された複合音であれば、第1および第2の純音の各々の具体的な周波数や振幅は特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0015】
本願発明に係る生体音測定システムは、センサユニットを被検者の外耳道に装着した状態で、その圧力センサによって外耳道の内圧変化を検出することにより、被検者の生体音を測定するモニタリング側ユニットを備えているが、上記センサユニットは外耳道に音響信号を出力可能なスピーカを備えており、また、上記モニタリング側ユニットは、スピーカから外耳道に校正音として周波数が異なる第1および第2の純音が複合された複合音を出力し、この校正音の出力による上記外耳道の内圧変化を利用して測定データの校正を行うように構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0016】
すなわち、センサユニットを外耳道に装着したとき多少の空気漏れが発生したとしても、スピーカからの校正音の出力によって測定データの校正を行うことにより生体音の測定を適正に行うことができる。その際、校正音として周波数が異なる第1および第2の純音が複合された複合音を出力する構成となっているので、これら2つの純音を利用して校正を行うことにより、従来のように基準レベルを設定するためのカプラを用いる必要をなくすことが可能となり、これにより校正作業を簡素化することができる。
【0017】
このように本願発明によれば、生体音測定システムにおいて生体音の測定データの校正を簡易に行うことができる。
【0018】
上記生体音測定システムにおいて、生体音の測定データの校正を行う際の具体的な方法として、次のような方法を採用することが可能である。
【0019】
すなわち、スピーカから外耳道に校正音を出力したとき圧力センサによって検出される外耳道の内圧変化の周波数スペクトルから、第1の純音の周波数における内圧変化の振幅と第2の純音の周波数における内圧変化の振幅との差を差分レベルとして算出し、この差分レベルに基づいて測定データの校正を行う方法が採用可能である。
【0020】
このような校正方法を採用することにより、次のような作用効果を得ることができる。
【0021】
すなわち、外耳道からの空気漏れが多くなると低い周波数領域では内圧変化の振幅がより大きく減衰するので、外耳道からの空気漏れが多くなるほど上記差分レベルも大きくなる。したがって、この差分レベルに基づいて外耳道からの空気漏れに対する測定データの校正を行うことにより、従来のように基準レベルを設定するためのカプラを用いることなく適正な校正を行うことができる。
【0022】
また、本願発明の校正方法を採用することにより、次のような作用効果も得ることができる。
【0023】
すなわち、従来の校正方法においては、測定データの校正を行う際、カプラ内で検出される校正音の振幅を基準レベルに設定しているが、このような校正方法では被検者の外耳道寸法の個体差までは考慮されない。したがって、外耳道の容積がカプラの容積よりも大きい被検者の場合には、センサユニットが密閉状態で装着されていても、このとき検出される校正音の振幅はカプラ内で検出される校正音の振幅よりも小さくなってしまい、空気漏れがあるものと判定されてしまう可能性がある。
【0024】
その点、本願発明の校正方法においては、カプラを用いることなくセンサユニットを外耳道に装着した状態で測定データの校正を行うことができるので、被検者の外耳道寸法の個体差を考慮した精度の良い測定を行うことができる。
【0025】
本願発明の校正方法において、第1の純音として可聴周波数領域よりも低い非可聴周波数領域の純音を用いるとともに、第2の純音として可聴周波数領域の純音を用いるようにすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0026】
すなわち、従来のように校正音として単一の純音を用いるようにした場合において、校正音の周波数が生体音の周波数から大きく離れていると、外耳道からの空気漏れが測定データに及ぼす影響を正確に評価することが難しくなる。一方、校正音として可聴周波数領域よりも低い非可聴周波数領域の純音を用いると、校正音が被検者に聞こえないので校正作業を円滑に行うことが難しくなる。
【0027】
これに対し、第1の純音として可聴周波数領域よりも低い非可聴周波数領域の純音を用いることにより、校正音の周波数を生体音の周波数に近づけることができるので、外耳道からの空気漏れが測定データに及ぼす影響を正確に評価することが容易に可能となり、これにより測定データの校正精度を高めることができる。また、第2の純音として可聴周波数領域の純音を用いることにより、校正音が被検者に聞こえるようにすることができるので、校正作業を円滑に行うことができる。
【0028】
その際、第1の純音と第2の純音との振幅比を2倍以上の値に設定しておくようにすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0029】
すなわち、第1の純音として可聴周波数領域よりも低い非可聴周波数領域の純音を用いるようにした場合には、第1の純音の周波数の近くに存在する生体音の振幅が大きいので、校正作業を行う際のS/Nの確保が容易でなくなる。一方、可聴周波数領域にある第2の純音の振幅を大きくすると、校正作業の際に被検者に不快感を与えてしまうおそれがある。そこで、第1の純音と第2の純音との振幅比を2倍以上の値に設定しておくことにより、被検者に不快感を与えてしまうことなく校正作業を行う際のS/Nを確保することができる。
【0030】
本願発明の校正方法として、次のような方法を採用することも可能である。
【0031】
すなわち、センサユニットを空気漏れの程度が異なる複数の態様で外耳道に装着して周波数スペクトルの検出をそれぞれ行い、空気漏れが殆どない状態で検出された周波数スペクトルに対して空気漏れがある状態で検出された周波数スペクトルにおける振幅の減衰量と、これら各周波数スペクトルにおける上記差分レベルとから、周波数に応じた生体音の振幅の補正量を示す補正曲線を作成し、この補正曲線に基づいて生体音の波形に対して各周波数毎に補正量を加算した波形を生体音の測定データとする方法が採用可能である。
【0032】
このような校正方法を採用した場合には、従来の予備操作と同様の操作を行う必要があるが、このような校正方法を採用することにより、生体音の測定データをその波形が適正な形状に近づくように校正することができる。
【0033】
その際、上記補正曲線を折れ線で近似するようにすれば、生体音の測定データの波形を適正な形状に近づけるための校正を、複数の周波数領域に分けて簡単な演算処理によって行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本願発明の一実施形態に係る生体音測定システムを示す構成概要図
図2】上記生体音測定システムを示すブロック図
図3】上記生体音測定システムのセンサユニットを示す側断面図
図4】上記生体音測定システムにおける生体音の測定手順を示す図
図5】上記生体音の測定データの校正を行う際に、センサユニットのスピーカから出力される校正音の波形を示す図
図6】上記校正音の周波数スペクトルを示す図
図7】多少の空気漏れがある状態で収音された校正音および生体音の波形を示す図
図8】上記校正音および生体音の周波数スペクトルを示す図
図9】上記校正のための補正曲線を示す図
図10図8に示す周波数スペクトルを、異なる測定条件で得られた周波数スペクトルと共に示す図
図11】上記補正曲線を得るために用いた周波数スペクトルを示す図
図12】上記補正曲線によって校正された測定データを、校正前の測定データおよび空気漏れが殆どない場合の測定データと共に示す図
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0036】
図1は、本願発明の一実施形態に係る生体音測定システム100を示す構成概要図であり、図2は、そのブロック図である。
【0037】
図1に示すように、この生体音測定システム100は、センサユニット10とモニタリング側ユニット110とを備えており、両者間で無線通信による送受信を行い得る構成となっている。
【0038】
そして、この生体音測定システム100においては、そのセンサユニット10を被検者2の外耳道2aに装着した状態で外耳道2aの内圧変化を検出することにより、被検者2の脈拍音を生体音として測定するようになっている。
【0039】
モニタリング側ユニット110は、スマートフォン(あるいはパソコン等)で構成されており、センサユニット10から送信される生体音の検出信号を受信して、生体音の測定およびその測定データの校正に必要なデータ処理を行うようになっている。
【0040】
まず、センサユニット10の構成について説明する。
【0041】
図3は、センサユニット10を示す側断面図である。
【0042】
同図に示すように、このセンサユニット10は、前端部(図3において右端部)に音導孔12aが形成された筐体12と、この筐体12に収容された圧力センサ20およびスピーカ50と、筐体12の前端部に装着されたイヤーチップ16とを備えた構成となっている。
【0043】
そして、このセンサユニット10は、そのイヤーチップ16を被検者2の外耳道2aに挿入した状態で、外耳道2aの内圧変化として発生する生体音を圧力センサ20で収音するようになっている。
【0044】
筐体12は、前方部材12Aと後方部材12Bとが接合された構成となっている。この筐体12の内部空間Cは、音導孔12aの部分を除いて密閉された空間として構成されている。
【0045】
筐体12の内部空間Cの前端部には、円筒状の外周面を有するガスケット18が配置されている。このガスケット18は、その外周面を前方部材12Aの内周面の小径部に後方側から嵌め込むようにした状態で、その前端面が前方部材12Aの前端壁12Aaに当接する位置まで挿入されている。
【0046】
このガスケット18は、前半部が円筒状に形成されるとともに後半部が円柱状に形成されており、その後半部の中央には円形の断面形状で前後方向に延びる第1および第2貫通孔18a、18bが上下方向に間隔をおいて形成されている。そして、これら第1および第2貫通孔18a、18bにより、筐体12の内部空間Cを音導孔12aに連通させるようになっている。
【0047】
筐体12の内部空間Cにおいて、圧力センサ20はスピーカ50よりも後方側に配置されている。また、この内部空間Cにおけるスピーカ50よりも後方側の位置には、信号処理回路ユニット60が圧力センサ20と並んで配置されており、さらにその後方側にはバッテリ70が配置されている。
【0048】
信号処理回路ユニット60は、アンテナ機能を備えており、モニタリング側ユニット110(図1参照)と送受信を行い得るように構成されている。また、バッテリ70は、圧力センサ20、スピーカ50および信号処理回路ユニット60に給電するように構成されている。
【0049】
スピーカ50は、バランスドアーマチャ型スピーカであって、ハウジング52内に図示しないダイヤフラムおよび駆動ユニットが収容された構成となっている。
【0050】
このスピーカ50は、その放音ノズル54の先端部をガスケット18の第2貫通孔18bに後方側から挿入した状態で位置決めされている。そして、このスピーカ50においては、信号処理回路ユニット60からの信号電流に応じた音波を発生させ、この音波を放音孔52aおよび第2貫通孔18bを介して音導孔12aへ放射するようになっている。
【0051】
筐体12の内部空間Cにおいて、スピーカ50の下方には、前後方向に延びる筒状部材28が配置されている。この筒状部材28の前端部は、ガスケット18の第1貫通孔18aに挿入されている。この筒状部材28は、スピーカ50よりも後方まで延びるように形成されている。
【0052】
圧力センサ20は、小型のエレクトレットコンデンサマイクロホンであって、ダイヤフラム22と、このダイヤフラム22の前後両側に正面空間Cfおよび背面空間Crを形成するように構成されたハウジング24とを備えている。
【0053】
ハウジング24には、正面空間Cfおよび背面空間Crの各々を該ハウジング24の外部空間に連通させる収音孔24aおよび通気孔24bが形成されている。また、このハウジング24には、収音孔24aを囲むように形成された収音ノズル26が溶接等によって取り付けられている。
【0054】
圧力センサ20は、前後方向と直交する鉛直面に沿って配置されており、その収音ノズル26において筒状部材28の後端部に連結されている。この連結は、収音ノズル26の先端部を筒状部材28の後端部に挿入することによって行われている。
【0055】
そしてこれにより、筐体12の内部空間Cを、正面空間Cfおよび音導孔12aに連通する第1空間C1と背面空間Crに連通する第2空間C2とに仕切るようになっている。
【0056】
イヤーチップ16は、シリコーンゴム等の軟質材料で構成されている。
【0057】
このイヤーチップ16の中心部には、該イヤーチップ16を前後方向に貫通する貫通孔16aが形成されている。この貫通孔16aは、イヤーチップ16が小径円筒部12Abに装着された状態で音導孔12aに連通するようになっている。この貫通孔16aは、音導孔12aよりも小さい径で形成されている。
【0058】
このイヤーチップ16は、後方側へ向けて略パラボラ状に広がる前後2つのフランジ部16A、16Bを備えている。その際、前方側のフランジ部16Aよりも後方側のフランジ部16Bの方が大きい径で形成されている。これによりイヤーチップ16が外耳道2aに適正に挿入されたとき、前後2つのフランジ部16A、16Bが外耳道2aの壁面に密着して、外耳道2a内に外耳道壁と鼓膜とイヤーチップ16とによって密閉された空間を形成するようになっている。
【0059】
この密閉された外耳道2a内には、被検者2の脈拍による外耳道壁および鼓膜の振動が放射されるが、このとき外耳道2aの内圧変化として発生する脈拍音が生体音として圧力センサ20で収音されることとなる。
【0060】
次に、モニタリング側ユニット110の構成について説明する。
【0061】
図2に示すように、このモニタリング側ユニット110は、CPU112と、このCPU112に接続されたメモリ114およびディスプレイ116とを備えた構成となっている。
【0062】
CPU112は、センサユニット10と送受信可能な構成となっており、圧力センサ20によって検出された外耳道2の内圧変化のデータを処理するとともに、スピーカ50を介して外耳道に音響信号を出力するようになっている。
【0063】
メモリ114には、校正音のデータとして第1および第2の純音が複合された複合音のデータが格納されるとともに、校正用の補正曲線のデータが格納されている。
【0064】
ディスプレイ116は、生体音の測定データやその測定のための操作手順等を表示するようになっている。
【0065】
図4は、生体音測定システム100における生体音の測定手順を示す図である。
【0066】
まず、センサユニット10を被検者2の外耳道2aに装着する(ステップS1)。
【0067】
この装着は、センサユニット10のイヤーチップ16を外耳道2aに挿入することにより行う。
【0068】
次に、スピーカ50から外耳道2aに、生体音の測定データの校正を行うための校正音として、周波数が異なる第1および第2の純音が複合された複合音を、一定時間(例えば15秒程度)出力する(ステップS2)。
【0069】
その際、第1の純音として10Hzの純音(すなわち可聴周波数領域よりも低い非可聴周波数領域の純音)を用いるとともに、第2の純音として30Hzの純音(すなわち可聴周波数領域の純音)を用いる。また、第1の純音と第2の純音との振幅比を2倍以上の値(例えば3倍程度の値)に設定しておく。
【0070】
図5は、このとき出力される校正音の波形を示す図であり、図6は、この校正音の周波数スペクトルを示す図である。
【0071】
次に、このとき発生する外耳道2aの内圧変化を、圧力センサ20によって検出する(ステップS3)。
【0072】
この内圧変化の検出は、校正音が出力されている時間よりも長い時間(例えば30秒程度)にわたって、校正音および生体音を収音することによって行われる。
【0073】
図7は、このとき収音された校正音および生体音の波形(すなわち外耳道2aの内圧変化の波形)を示す図である。
【0074】
なお、同図においては、外耳道2aに装着されたセンサユニット10のイヤーチップ16から多少の空気漏れがある場合の収音例を示している。
【0075】
次に、校正音が出力されている時間帯のうちの一定時間(例えば10秒程度)について、内圧変化の周波数分析を行う(ステップS4)。
【0076】
図8は、この周波数分析を行った結果を周波数スペクトルとして示す図である。
【0077】
この周波数スペクトルにおいては、第1の純音の周波数(10Hz)と第2の純音の周波数(30Hz)において内圧変化の振幅のピークが現れている。
【0078】
次に、この周波数スペクトルから、第1の純音の周波数(10Hz)における内圧変化の振幅A1と第2の純音の周波数(30Hz)における内圧変化の振幅A2との差(A1-A2)を差分レベルΔAとして算出する(ステップS5)。
【0079】
次に、この差分レベルΔAから、生体音の波形の補正量を示す補正曲線L1を導出する(ステップS6)。
【0080】
この補正曲線L1は、図9に示すように、0.1~25Hzの周波数領域を4つの帯域に分けた上で、その各々に下記式で表わされる補正量y1~y4を割り付けた折れ線によって構成されている。
【0081】
具体的には、
0.1~5Hzの帯域では、
y1=-1.5x+{(-ΔA+1.5)×4+3+ΔA} [dB]
5~10Hzの帯域では、
y2=-1.5×5+{(-ΔA+1.5)×4+3+ΔA} [dB]
10~15Hzの帯域では、
y3=-(y2/5)x+3×y2 [dB]
15~25Hzの帯域では、
y4=0[dB]
に設定されている。
【0082】
上記各式において、xは周波数[Hz]であり、y1~y4は補正量[dB]である。
【0083】
次に、この補正曲線L1に基づいて、生体音の波形に対して各周波数毎に補正量を加算した波形を、生体音の測定データとする(ステップS7)。
【0084】
上記測定手順において用いた補正曲線L1は、被検者2とは別の個体において生体音を測定することにより予め作成されたものであって、そのデータはモニタリング側ユニット110のメモリ114に格納されている。
【0085】
そして、モニタリング側ユニット110のCPU112において、センサユニット10から受信したデジタル電気信号に対してデジタルフィルタ処理を行うことにより、各周波数毎に上記補正量が加算されるようなフィルタリングを行い、これにより測定データの校正を行うようになっている。
【0086】
上記補正曲線L1の作成手順は以下のとおりである。
【0087】
まず、センサユニット10を空気漏れの程度が異なる3つの態様で外耳道2aに装着して、それぞれ周波数スペクトルの検出を行う。
【0088】
具体的には、空気漏れが殆ど発生しないように外耳道2aを略密閉した状態(以下「略密閉状態」という)と、空気漏れが多少発生するように緩めに装着した状態(以下「緩め装着状態」という)と、空気漏れが多く発生して音漏れしている状態(以下「音漏れ状態」という)との3つの態様で検出を行う。
【0089】
図10は、このようにして得られた3つの周波数スペクトルS0、S1、S2を示す図である。
【0090】
同図において、太い実線で示す曲線が「略密閉状態」での周波数スペクトルS0であり、やや太い実線で示す曲線が「緩め装着状態」での周波数スペクトルS1であり、細い実線で示す曲線が「音漏れ状態」での周波数スペクトルS2である。
【0091】
なお、同図において破線で示すグラフは、生体音のみの場合(校正音が出力されなかった場合)の周波数スペクトルである。
【0092】
次に、「略密閉状態」で検出された周波数スペクトルS0の振幅に対する「緩め装着状態」および「音漏れ状態」で検出された周波数スペクトルS1、S2の振幅の減衰量を、図11(a)に示すような減衰量スペクトルAt1、At2として求め、さらに、図11(b)に示すような減衰量スペクトルAt1、At2の近似曲線At1a、At2aを求める。
【0093】
そして、これら2つの近似曲線At1a、At2aと図10に示す各周波数スペクトルS0、S1、S2における差分レベルΔA0、ΔA1、ΔA2との関係性に基づいて、図9に示すように、差分レベルΔAをパラメータとする4つの式y1~y4で表示される折れ線として補正曲線L1を作成する。
【0094】
なお、図10において、差分レベルΔA0、ΔA1、ΔA2の具体的な値は、
ΔA0=(-24.8)-(-26.0)=1.2[dB]
ΔA1=(-31.4)-(-29.7)=-1.7[dB]
ΔA2=(-39.6)-(-33.9)=-5.7[dB]
である。
【0095】
図12は、補正曲線L1に基づく補正量の加算により校正が行われた生体音の測定データを、校正前の測定データおよび空気漏れが殆どない場合の測定データと共に示す図である。
【0096】
同図(a)に示す測定データは「略密閉状態」での測定データである。
【0097】
同図(b1)に示す測定データは「緩め装着状態」での校正前の測定データであり、同図(b2)に示す測定データは「緩め装着状態」での校正後の測定データである。
【0098】
同図(c1)に示す測定データは「音漏れ状態」での校正前の測定データであり、同図(c2)に示す測定データは「音漏れ状態」での校正後の測定データである。
【0099】
同図(b2)、(c2)に示すように、「緩め装着状態」や「音漏れ状態」であっても、測定データの校正が行われることによって、生体音の波形が、同図(a)に示す「略密閉状態」で測定された生体音の波形の特徴に近づいたものとなっている(すなわち最大振幅や細かいピーク形状等が近似したものとなっている)。
【0100】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
【0101】
本実施形態に係る生体音測定システム100は、センサユニット10を被検者2の外耳道2aに装着した状態で、その圧力センサ20によって外耳道2aの内圧変化を検出することにより、被検者2の生体音を測定するモニタリング側ユニット110を備えているが、センサユニット10は外耳道2aに音響信号を出力可能なスピーカ50を備えており、また、モニタリング側ユニット110は、スピーカ50から外耳道2aに校正音として周波数が異なる第1および第2の純音が複合された複合音を出力し、この校正音の出力による外耳道2aの内圧変化を利用して測定データの校正を行うように構成されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0102】
すなわち、センサユニット10を外耳道2aに装着したとき多少の空気漏れが発生したとしても、スピーカ50からの校正音の出力によって測定データの校正を行うことにより生体音の測定を適正に行うことができる。その際、校正音として周波数が異なる第1および第2の純音が複合された複合音を出力する構成となっているので、これら2つの純音を利用して校正を行うことにより、従来のように基準レベルを設定するためのカプラを用いる必要をなくすことが可能となり、これにより校正作業を簡素化することができる。
【0103】
このように本実施形態によれば、生体音測定システム100において生体音の測定データの校正を簡易に行うことができる。
【0104】
しかも本実施形態においては、スピーカ50から外耳道2aに校正音を出力したとき圧力センサ20によって検出される外耳道2aの内圧変化の周波数スペクトルから、第1の純音の周波数における内圧変化の振幅A1と第2の純音の周波数における内圧変化の振幅A2との差を差分レベルΔAとして算出し、この差分レベルΔAに基づいて測定データの校正を行うようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0105】
すなわち、外耳道2aからの空気漏れが多くなると低い周波数領域では内圧変化の振幅がより大きく減衰するので、外耳道2aからの空気漏れが多くなるほど差分レベルΔAも大きくなる。したがって、この差分レベルΔAに基づいて外耳道2aからの空気漏れに対する測定データの校正を行うことにより、従来のように基準レベルを設定するためのカプラを用いることなく適正な校正を行うことができる。
【0106】
また、本実施形態の校正方法を採用することにより、次のような作用効果も得ることができる。
【0107】
すなわち、従来の校正方法においては、測定データの校正を行う際、カプラ内で検出される校正音の振幅を基準レベルに設定しているが、このような校正方法では被検者2の外耳道寸法の個体差までは考慮されない。したがって、外耳道2aの容積がカプラの容積よりも大きい被検者2の場合には、センサユニット10が密閉状態で装着されていても、このとき検出される校正音の振幅はカプラ内で検出される校正音の振幅よりも小さくなってしまい、空気漏れがあるものと判定されてしまう可能性がある。
【0108】
その点、本実施形態の校正方法においては、カプラを用いることなくセンサユニット10を外耳道2aに装着した状態で測定データの校正を行うことができるので、被検者2の外耳道寸法の個体差を考慮した精度の良い測定を行うことができる。
【0109】
また、本実施形態の校正方法においては、第1の純音として10Hzの純音(すなわち可聴周波数領域よりも低い非可聴周波数領域の純音)を用いるとともに、第2の純音として30Hzの純音(すなわち可聴周波数領域の純音)を用いるようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0110】
すなわち、従来のように校正音として単一の純音を用いるようにした場合において、校正音の周波数が生体音の周波数から大きく離れていると、外耳道2aからの空気漏れが測定データに及ぼす影響を正確に評価することが難しくなる。一方、校正音として可聴周波数領域よりも低い非可聴周波数領域の純音を用いると、校正音が被検者2に聞こえないので校正作業を円滑に行うことが難しくなる。
【0111】
これに対し、第1の純音として可聴周波数領域よりも低い非可聴周波数領域の純音を用いることにより、校正音の周波数を生体音の周波数に近づけることができるので、外耳道2aからの空気漏れが測定データに及ぼす影響を正確に評価することが容易に可能となり、これにより測定データの校正精度を高めることができる。また、第2の純音として可聴周波数領域の純音を用いることにより、校正音が被検者2に聞こえるようにすることができるので、校正作業を円滑に行うことができる。
【0112】
その際、本実施形態の校正方法においては、第1の純音と第2の純音との振幅比が2倍以上の値に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0113】
すなわち、第1の純音として可聴周波数領域よりも低い非可聴周波数領域の純音を用いるようにした場合には、第1の純音の周波数の近くに存在する生体音の振幅が大きいので、校正作業を行う際のS/Nの確保が容易でなくなる。一方、可聴周波数領域にある第2の純音の振幅を大きくすると、校正作業の際に被検者2に不快感を与えてしまうおそれがある。そこで、第1の純音と第2の純音との振幅比を2倍以上の値に設定しておくことにより、被検者2に不快感を与えてしまうことなく校正作業を行う際のS/Nを確保することができる。
【0114】
本実施形態の校正方法においては、センサユニット10を空気漏れの程度が異なる3つの態様で外耳道2aに装着して周波数スペクトルの検出をそれぞれ行い、空気漏れが殆どない状態で検出された周波数スペクトルS0に対して空気漏れがある状態で検出された周波数スペクトルS1、S2における振幅の減衰量と、これら各周波数スペクトルS0、S1、S2における差分レベルΔA0、ΔA1、ΔA2とから、周波数に応じた生体音の振幅の補正量を示す補正曲線L1を作成し、この補正曲線L1に基づいて生体音の波形に対して各周波数毎に補正量を加算した波形を生体音の測定データとするようになっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0115】
すなわち本実施形態においては、従来の予備操作と同様の操作を行う必要があるが、このような校正方法を採用することにより、生体音の測定データをその波形が適正な形状に近づくように校正することができる。
【0116】
また本実施形態においては、補正曲線L1が折れ線で近似されているので、生体音の測定データの波形を適正な形状に近づけるための校正を、簡単な演算処理によって行うことができる。
【0117】
しかも本実施形態においては、補正曲線L1が被検者2とは別の個体において生体音を測定することにより予め作成されたものであるので、被検者2自身に余分な負担を掛けてしまうことなく校正作業を行うことができる。
【0118】
なお、このようにする代わりに、被検者2自身において生体音を測定することにより補正曲線L1を作成するようにすることも可能である。
【0119】
上記実施形態においては、第1の純音として10Hzの純音を用いるとともに第2の純音として30Hzの純音を用いるものとして説明したが、これ以外の周波数の純音を用いることももちろん可能である。
【0120】
上記実施形態においては、第1の純音と第2の純音との振幅比が2倍以上の値に設定されているものとして説明したが、2倍未満の値に設定された構成とすることも可能である。
【0121】
上記実施形態においては、センサユニット10のイヤーチップ16として、被検者2の外耳道2aに適正に挿入されたとき外耳道2aを密閉空間とするように構成されているものとして説明したが、このような構成とする代わりに、外耳道2aに装着したときの圧迫感を低減するためのエアベント構造(空気抜き構造)を有する構成とすることも可能である。このようなイヤーチップを採用した場合には、外耳道2aが密閉空間とはならなくなるが、本実施形態に係る測定データの校正方法を採用することにより生体音の測定を適正に行うことができる。
【0122】
上記実施形態に係る生体音測定システム100は、センサユニット10とモニタリング側ユニット110との間で無線通信によって送受信を行う構成となっているものとして説明したが、センサユニット10とモニタリング側ユニット110とがコード等により接続された構成とすることも可能である。
【0123】
上記実施形態においては、圧力センサ20がエレクトレットコンデンサマイクロホンである場合について説明したが、これ以外のマイクロホン(例えばダイヤフラムの背面空間に通気孔が形成された動電型マイクロホン)を採用することも可能である。
【0124】
上記実施形態においては、スピーカ50がバランスドアーマチャ型スピーカである場合について説明したが、これ以外のスピーカ(例えば動電型スピーカ)を採用することも可能である。
【0125】
なお、上記実施形態において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【0126】
また、本願発明は、上記実施形態に記載された構成や方法に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成や方法が採用可能である。
【符号の説明】
【0127】
2 被検者
2a 外耳道
10 センサユニット
12 筐体
12a 音導孔
12A 前方部材
12Aa 前端壁
12Ab 小径円筒部
12B 後方部材
16 イヤーチップ
16a 貫通孔
16A、16B フランジ部
18 ガスケット
18a 第1貫通孔
18b 第2貫通孔
20 圧力センサ
22 ダイヤフラム
24、52 ハウジング
24a 収音孔
24b 通気孔
26 収音ノズル
28 筒状部材
50 スピーカ
52a 放音孔
54 放音ノズル
60 信号処理回路ユニット
70 バッテリ
100 生体音測定システム
110 モニタリング側ユニット
112 CPU
114 メモリ
116 ディスプレイ
A1 第1の純音の周波数における内圧変化の振幅
A2 第2の純音の周波数における内圧変化の振幅
At1、At2 減衰量スペクトル
At1a、At2a 近似曲線
C 内部空間
C1 第1空間
C2 第2空間
Cf 正面空間
Cr 背面空間
L1 補正曲線
S0、S1、S2 周波数スペクトル
ΔA、ΔA0、ΔA1、ΔA2 差分レベル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12