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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】物品の供給システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 5/06 20060101AFI20220411BHJP
   B65B 35/44 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
B65B5/06
B65B35/44
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018134529
(22)【出願日】2018-07-17
(65)【公開番号】P2020011749
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-01-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】華井 健臣
(72)【発明者】
【氏名】大山 健二
(72)【発明者】
【氏名】永津 陽平
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-065702(JP,U)
【文献】特開昭51-074789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 5/06
B65B 35/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の細長い軟質被収容体からなる物品をトレイに収容する物品の供給システムであって、
前記物品を収容可能な複数の収容凹部の夫々に、物品供給位置において前記物品が供給された搬送体を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置で搬送される前記搬送体に、前記物品が収容された各収容凹部を上から覆うように底面を上に位置させたトレイを載置するトレイ供給装置と、
前記トレイが載置された搬送体を、トレイの底面が下に位置するように反転して搬送体から物品をトレイに移し替える反転装置とを備え、
前記搬送体から物品が移し替えられた物品入りトレイを搬出するよう構成され、
前記搬送装置は、
複数の移送手段と、
各移送手段を夫々独立して駆動する駆動手段とを備え、
各移送手段の夫々が、搬送体を個々に搬送し得るよう構成した
ことを特徴とする物品の供給システム。
【請求項2】
前記搬送体に載置されたトレイを支持しながら搬送体を反転するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の物品の供給システム。
【請求項3】
前記搬送装置は、前記物品がトレイに移し替えられて空となった搬送体を、前記物品供給位置に向けて搬送するよう構成したことを特徴とする請求項1または2記載の物品の供給システム。
【請求項4】
前記搬送装置は、
前記反転装置に向けて搬送体を搬送する搬送コンベヤと、
該搬送コンベヤに並設され、前記反転装置から受け渡された空となった搬送体を搬送する回収コンベヤとを備え、
該回収コンベヤの搬送終端から前記物品供給位置に移送すると共に、該物品供給位置において前記物品が各収容凹部に供給された搬送体を前記搬送コンベヤに移載する移載装置を備えたことを特徴とする請求項記載の物品の供給システム。
【請求項5】
前記物品入りトレイを搬出する物品搬送コンベヤが、前記回収コンベヤを挟んで前記搬送コンベヤと反対側に並設されたことを特徴とする請求項記載の物品の供給システム。
【請求項6】
前記反転装置は、前記物品がトレイに移し替えられて空となった搬送体を、収容凹部が上を向くように反転するよう構成され、
反転されて収容凹部が上を向く搬送体を前記反転装置から前記搬送装置に受け渡す受渡し装置を備えたことを特徴とする請求項1~の何れか一項に記載の物品の供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の細長い軟質被収容体からなる物品をトレイに収容する物品の供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
易付着性の細長い加工水産物などの複数の細長い軟質被収容体からなる物品をトレイに供給し、得られた物品入りトレイを、次工程の包装機に搬送供給する供給装置が、特許文献1として提案されている。この供給装置では、ホッパーと振動体からなる直進フィーダーに供給された複数の細長い軟質被収容体を、該直進フィーダーで搬送する間にほぐすと共に先端部を揃え、該先端部が揃えられた細長い軟質被収容体からなる物品を、シャトルコンベヤによって反転装置の載置部に載置するよう構成される。そして、反転装置の載置部に載置した前記物品の上側に、トレイを上下反転した下向きで載置した後、反転装置を180°回転することで、トレイの底面が下に位置する上向ききになると共に該トレイに物品が載置された物品入りトレイを押出し装置に載置し、該押出し装置によって物品入りトレイを包装機に接続する搬送コンベヤに移載するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-16335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の供給装置では、定位置に配置した反転装置の載置部に、物品およびトレイを順に載置した後、該反転装置を180°回転することで物品入りトレイを得ている。すなわち、反転装置に物品およびトレイが載置されるまでの間は、反転装置による反転作業ができないと共に、物品およびトレイが載置された反転装置を180°回転して物品入りトレイを押出し装置に載置するまでの間は、次の物品およびトレイの載置部への載置作業を行うことができず、単位時間当たりの処理能力が低いものであった。
【0005】
本発明は、物品をトレイに収容した物品入りトレイを効率的に得ることができる処理能力の高い物品の供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1に係る発明の物品の供給システムは、
細長い軟質被収容体からなる物品(10)をトレイ(14)に収容する物品の供給システムであって、
前記物品(10)を収容可能な複数の収容凹部(11a)の夫々に、物品供給位置(SB)において前記物品(10)が供給された搬送体(11)を搬送する搬送装置(12)と、
前記搬送装置(12)で搬送される前記搬送体(11)に、前記物品(10)が収容された各収容凹部(11a)を上から覆うように底面を上に位置させたトレイ(14)を載置するトレイ供給装置(15)と、
前記トレイ(14)が載置された搬送体(11)を、トレイ(14)の底面が下に位置するように反転して搬送体(11)から物品(10)をトレイ(14)に移し替える反転装置(16)とを備え、
前記搬送体(11)から物品(10)が移し替えられた物品入りトレイ(17)を搬出するよう構成され、
前記搬送装置(12)は、
複数の移送手段(21A,21B)と、
各移送手段(21A,21B)を夫々独立して駆動する駆動手段(22A,22B)とを備え、
各移送手段(21A,21B)の夫々が、搬送体(11)を個々に搬送し得るよう構成したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、物品供給位置において物品が供給されて搬送装置で搬送される搬送体に、トレイ供給装置でトレイを載置し、トレイが載置された搬送体を反転装置で反転して搬送体からトレイに物品を移し替えるよう構成したので、搬送体への物品の供給作業、搬送体へのトレイの載置作業、搬送体およびトレイの反転作業を、夫々個別に行うことができる。すなわち、各作業を同時並行して行うことができ、単位時間当りの処理能力を向上することができる。
また、複数の移送手段の夫々によって搬送体を独立して搬送し得るよう構成したので、一の移送手段で搬送体を搬送中に他の移送手段で搬送される別の搬送体に対するトレイの供給などを行うことができ、処理能力を向上することができる。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記搬送体(11)に載置されたトレイ(14)を支持しながら搬送体(11)を反転するよう構成したことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、トレイを支持しながら反転装置によってトレイおよび搬送体を反転するよう構成したので、反転する際に物品やトレイが遠心力等によって飛散することを防止することができる。
【0009】
請求項に係る発明では、前記搬送装置(12)は、前記物品(10)がトレイ(14)に移し替えられて空となった搬送体(11)を、前記物品供給位置(SB)に向けて搬送するよう構成したことを特徴とする。
請求項の発明によれば、搬送装置によって空となった搬送体を物品供給位置に向けて搬送するよう構成したので、搬送体を周回してシステムの効率化を図ることができる。
【0010】
請求項に係る発明では、前記搬送装置(12)は、
前記反転装置(16)に向けて搬送体(11)を搬送する搬送コンベヤ(18)と、
該搬送コンベヤ(18)に並設され、前記反転装置(16)から受け渡された空となった搬送体(11)を搬送する回収コンベヤ(19)とを備え、
該回収コンベヤ(19)の搬送終端から前記物品供給位置(SB)に移送すると共に、該物品供給位置(SB)において前記物品(10)が各収容凹部(11a)に供給された搬送体(11)を前記搬送コンベヤ(18)に移載する移載装置(30)を備えたことを特徴とする。
請求項の発明によれば、回収コンベヤと物品供給位置と搬送コンベヤとの間の搬送体の移送を単一の移載装置によって行うよう構成したので、移送の途中で搬送体を受け渡すための時間を削減することができ、処理能力を高めることができる。
【0011】
請求項に係る発明では、前記物品入りトレイ(17)を搬出する物品搬送コンベヤ(27)が、前記回収コンベヤ(19)を挟んで前記搬送コンベヤ(18)と反対側に並設されたことを特徴とする。
請求項の発明によれば、回収コンベヤを挟んで搬送コンベヤと物品搬送コンベヤとを配置したので、物品入りトレイを物品搬送コンベヤに受け渡した反転装置によって次の搬送体を搬送コンベヤから受け取る途中で、該反転装置から空の搬送体を回収コンベヤに受け渡すことができ、高速処理に対応することができる。
【0012】
請求項に係る発明では、前記反転装置(16)は、前記物品(10)がトレイ(14)に移し替えられて空となった搬送体(11)を、収容凹部(11a)が上を向くように反転するよう構成され、
反転されて収容凹部(11a)が上を向く搬送体(11)を前記反転装置(16)から前記搬送装置(12)に受け渡す受渡し装置(64)を備えたことを特徴とする。
請求項の発明によれば、空となった搬送体を、収容凹部が上を向く姿勢で反転装置から搬送装置に受け渡すよう構成したので、搬送装置での搬送中に搬送体を反転する作業を行う必要はなく、処理能力を向上することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、細長い軟質被収容体からなる物品をトレイに収容した物品入りトレイを効率的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】供給システムの全体を示す概略平面図である。
図2】移載装置を示す概略側面図である。
図3】トレイ供給装置およびトレイ反転装置を搬送コンベヤの搬送下流側から見た概略図である。
図4】トレイ供給装置を示す概略側面図である。
図5】搬送コンベヤから搬送体を受け取る位置での搬送体反転装置を示す概略側面図である。
図6】搬送コンベヤから搬送体を受け取る位置での搬送体反転装置を搬送コンベヤの搬送上流側から見た要部概略図である。
図7】物品搬送コンベヤへ物品入りトレイを受け渡す位置での搬送体反転装置を示す概略側面図である。
図8】物品搬送コンベヤへ物品入りトレイを受け渡す位置での搬送体反転装置を物品搬送コンベヤの搬送下流側から見た要部概略図である。
図9】回収コンベヤへ空となった搬送体を受け渡す位置での搬送体反転装置を回収コンベヤの搬送下流側から見た要部概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係る物品の供給システムの好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例
【0016】
実施例の供給システムは、図1に示すように、複数の細長い軟質被収容体からなる物品10の搬送に用いられる搬送体11を搬送する搬送装置12と、前記搬送体11に形成した複数の収容凹部11aに前記物品10を供給する物品供給部13と、前記収容凹部11aの夫々に前記物品10が収容された搬送体11に、各収容凹部11aの夫々を上から覆うようにトレイ14を底面が上に位置する下向き姿勢となるよう載置するトレイ供給装置15と、前記搬送体11をトレイ14と共に反転して搬送体11からトレイ14に物品10を移し替える搬送体反転装置(反転装置)16とを備える。そして、搬送体反転装置16によって反転されたトレイ14に前記物品10が収容された物品入りトレイ17を、後述する物品搬送コンベヤ27によって横形製袋充填機などの包装機やその他の処理機に所定間隔毎に搬出する。実施例では、搬送装置12による搬送体11の搬送方向と直交する方向を左右方向と指称する。
【0017】
ここで、前記細長い軟質被収容体としては、例えば、軟質で相互に付着し易く、形状が不均一な細長い長尺状物品などが挙げられるが、その他の物品を対象とし得る。
【0018】
前記搬送体11は、図1図3図6などに示す如く、前記搬送装置12の搬送方向に横長に形成された部材であって、天側および搬送方向と交差する一側面側に開口する収容凹部11aが、搬送方向に複数(実施例では4つ)並設されている。実施例では、天側の開口部が上向きとなる正姿勢で搬送体11が搬送装置12で搬送される。また、搬送体11には、収容凹部11aの天側の開口部より広い段部11bが各収容凹部11aに対応して天側に形成されており、該段部11bに上下が反転された前記下向き姿勢のトレイ14の開口縁部を載置することで、該トレイ14によって収容凹部11aの天側の開口部が覆われるようになっている。搬送体11における搬送方向の前後の端部に、後述する移載装置30の係合ピン36,36および前記搬送体反転装置16の係合ピン55,55が挿脱可能な孔部11c,11cが設けられている。実施例では、2つの孔部11c,11cが左右方向に離間して設けられる。また、搬送体11の底面に、後述する搬送コンベヤ18の係合部23が係脱可能な被係合部11dが左右方向に離間して設けられると共に、後述する第1および第3のリフタ60,64の凸部60c,64cが挿脱可能な凹部11eが複数箇所に設けられている。
【0019】
前記搬送装置12は、図1に示す如く、搬送方向に並設された搬送コンベヤ18および回収コンベヤ19を備え、搬送コンベヤ18および回収コンベヤ19による搬送体11の搬送方向は逆となっている。搬送コンベヤ18は、その搬送方向に延在する一対の案内レール20,20が、左右方向に離間して平行に設けられる。また搬送コンベヤ18は、搬送方向に離間する一対のスプロケットなどの回転体に巻掛けた無端チェンなどの移送手段としての索状体21A,21Bを、左右方向に離間して一対備えると共に、各索状体21A,21Bの夫々を駆動手段としての駆動モータ22A,22Bによって独立して駆動するよう構成される。また、各索状体21A,21Bには、前記搬送体11の被係合部11dに係合可能な係合部23が、搬送方向に所定間隔で離間して複数設けられると共に、両索状体21A,21Bに設けられた係合部23,23は、搬送方向に交互に位置するよう構成される。そして、後述する移載装置30によって搬送体11を案内レール20,20に移載する際に、一方の索状体21A,21Bの係合部23に被係合部11dが係合するよう構成される。
【0020】
前記搬送コンベヤ18の搬送路に沿って、図1に示す如く、前記物品供給部13、付属品供給装置24、トレイ供給装置15、搬送体反転装置16が配置されており、搬送コンベヤ18の搬送路沿いには、これら物品供給部13、付属品供給装置24、トレイ供給装置15、搬送体反転装置16に対応して、物品供給部13によって収容凹部11aに前記物品10が供給される物品供給位置SB、物品供給部13によって収容凹部11aに前記物品10が供給された搬送体11を受け取る搬送体受取り位置S1、付属品供給装置24による付属品供給位置S2、トレイ供給装置15によるトレイ供給位置S3、搬送体反転装置16へ搬送体11を受け渡す搬送体受渡し位置S4が設定されている。
【0021】
前記回収コンベヤ19は、図1図9などに示す如く、前記搬送体反転装置16の移動領域の下方に位置する第1回収用搬送部25と、該第1回収用搬送部25の下流端に接続する第2回収用搬送部26とを備える。第1回収用搬送部25は、その搬送方向に離間する一対のプーリなどの回転体に巻掛けた無端ベルト25a,25aを左右方向に離間して平行に備えるベルトコンベヤであって、両無端ベルト25a,25a間に前記正姿勢の搬送体11を載置して搬送する。また、第2回収用搬送部26は、その搬送方向に離間する一対のローラ等の回転体に無端ベルトを巻き掛けたベルトコンベヤであって、第1回収用搬送部25から受け取った正姿勢の搬送体11を、前記搬送コンベヤ18の上流側に対応する空搬送体受渡し位置SAに向けて搬送する。
【0022】
前記回収コンベヤ19を挟んで搬送コンベヤ18と反対側に、回収コンベヤ19と同方向に物品入りトレイ17を搬送する物品搬送コンベヤ27が並設される。この物品搬送コンベヤ27は、図1図7図8などに示す如く、前記搬送体反転装置16の移動領域の下方に位置する第1物品用搬送部28と、該第1物品用搬送部28の下流端に接続する第2物品用搬送部29とを備える。第1物品用搬送部28は、その搬送方向に離間する一対のプーリなどの回転体に巻掛けた無端ベルト28a,28aを左右方向に離間して平行に備えるベルトコンベヤであって、両無端ベルト28a,28a間に物品入りトレイ17を載置して搬送する。また、第2物品用搬送部29は、その搬送方向に離間する一対のローラ等の回転体に無端ベルトを巻き掛けたベルトコンベヤであって、第1物品用搬送部28から受け取った物品入りトレイ17を包装機(次工程)に向けて搬送する。
【0023】
図1に示す如く、前記搬送コンベヤ18における搬送上流側の前記回収コンベヤ19とは反対の側方に、前記物品供給部13が設けられる。この物品供給部13は、前記物品10を計量する計量器、前記物品10を振動搬送する振動トラフ、振動トラフの供給口を開閉するシャッタを、前記搬送体11に形成した収容凹部11aの数と同数だけ備える。そして、計量器により所定量ずつ計量された前記物品10を、振動トラフによりほぐしつつ供給口まで搬送し、後述する移載装置30によって振動トラフの供給口の下方の物品供給位置SBまで空の搬送体11が移送された際に、シャッタを開放することで前記物品10が搬送体11の各収容凹部11aに夫々供給される。また、物品供給部13はプッシャを備え、各収容凹部11aに供給された前記物品10をプッシャによって後端側から押すことで、該物品10を収容凹部11aに確実に収容するよう構成される。
【0024】
前記搬送コンベヤ18の搬送上流側および前記回収コンベヤ19の搬送下流側の上方に、回収コンベヤ19によって搬送終端の空搬送体受渡し位置SAまで搬送された空の搬送体11を、前記物品供給部13の物品供給位置SBまで移送すると共に、該物品供給部13において各収容凹部11aに前記物品10が夫々供給された搬送体11を、前記搬送コンベヤ18における搬送体受取り位置S1に移載する移載装置30が設けられている。この移載装置30は、図2に示す如く、回収コンベヤ19の搬送方向の前後において搬送体11を保持可能な移送用保持部31を備えると共に、該移送用保持部31を左右方向に移動する駆動手段としての第1移送用モータ32,32および移送用保持部31を昇降動する駆動手段としての第2移送用モータ33,33を備える。具体的に、移載装置30は、搬送方向の前後に離間する一対の移送体34,34と、各移送体34を左右方向に移動する第1移送用モータ32と、各移送体34に昇降自在に支持された昇降体35と、該昇降体35を昇降動する第2移送用モータ33と、各昇降体35に配設された係合ピン36と、各係合ピン36を他方の係合ピン36との対向方向に進退動する進退駆動手段としてのエアシリンダ37とを備え、搬送方向の前後に対向する一対の係合ピン36,36によって移送用保持部31が構成される。
【0025】
前記係合ピン36は、前記昇降体35に配設された前記エアシリンダ37によって進退移動するブラケット38に対して左右方向に離間して2つ設けられて、エアシリンダ37によって係合ピン36,36は、前記搬送体11に形成された対応する孔部11c,11cに挿入される挿入位置と、孔部11c,11cから離脱する解放位置との間を進退移動される。また、第1移送用モータ32,32によって対をなす移送体34,34を左右方向に同期して移動することで、移送用保持部31は、前記回収コンベヤ19の上方、搬送コンベヤ18の上方および物品供給位置SBの夫々の間を移動するよう構成される。また、前記第2移送用モータ33,33によって対をなす昇降体35,35を同期して昇降動することで、移送用保持部31は、回収コンベヤ19上の搬送体11を受け取る下降位置および搬送コンベヤ18に搬送体11を移載する下降位置と、両コンベヤ18,19で搬送される搬送体11と接触干渉しない上昇位置と、前記物品供給部13の供給口より下方の高さ位置(物品受取り位置SBに対応する高さ位置)との間を昇降動するよう構成される。
【0026】
前記付属品供給装置24は、例えば脱酸素剤などの付属品を供給する装置であり、図1に示す如く、前記物品供給部13より搬送下流側に設けられ、前記搬送コンベヤ18で搬送される搬送体11の上方を、該搬送体11における左右方向の略中央まで延出する付属品供給コンベヤ24aを備え、該付属品供給コンベヤ24aによって、前記収容凹部11aに収容されている前記物品10の上側に付属品を供給するよう構成される。前記搬送コンベヤ18の各索状体21A,21B1は、搬送体11における各収容凹部11aが付属品供給コンベヤ24aによる付属品供給位置S2に到来する毎に搬送体11を停止するように駆動モータ22A,22Bよって間欠走行するよう構成されて、各収容凹部11aに付属品が1つずつ供給されるようになっている。
【0027】
前記トレイ供給装置15は、図1に示す如く、前記付属品供給装置24より搬送下流側に設けられる。このトレイ供給装置15は、図3図4に示す如く、前記搬送コンベヤ18の上方を左右方向に延在する支持材39に対して左右方向に移動自在に支持された移動部材40と、該移動部材40を左右方向に移動する駆動手段としての第1トレイ用モータ41と、移動部材40に昇降自在に支持された昇降部材42と、該昇降部材42を昇降動する駆動手段としての第2トレイ用モータ43と、昇降部材42に配設された吸着部44とを備える。吸着部44は、吸着カップ44aを、前記搬送体11に形成した収容凹部11aと同じ数だけ備え、各吸着カップ44aが各収容凹部11aに対応するように搬送方向に並設される。そして、第1トレイ用モータ41によって移動部材40を左右方向に移動することで、吸着部44は、後述するトレイ反転装置46によって底面が下に位置する上向きの姿勢から底面が上に位置する下向きの姿勢に反転されたトレイ14の上方位置および搬送コンベヤ18の上方位置の間を移動するよう構成される。また、第2トレイ用モータ43によって昇降部材42を昇降動することで、吸着部44は、トレイ反転装置46で前記下向き姿勢とされたトレイ14の底面を吸着可能なトレイ受取り位置、該トレイ受取り位置から上方に離間する上昇位置および吸着したトレイ14を搬送コンベヤ18上の搬送体11に載置可能なトレイ受渡し位置との間を昇降動するよう構成される。実施例では、各吸着カップ44aに底面が吸着された前記下向き姿勢のトレイ14の開口縁部が、搬送体11の各収容凹部11aに対応する段部11bに載置されるように、トレイ供給装置15で4つのトレイ14を一括して搬送体11に載置するよう構成される。
【0028】
図1図3に示す如く、前記トレイ供給装置15の側方(回収コンベヤ19とは反対側)に、トレイ供給コンベヤ45が前記搬送コンベヤ18に並設されると共に、トレイ供給コンベヤ45と搬送コンベヤ18との間に、トレイ供給コンベヤ45で搬送されてきた底面が下に位置する上向き姿勢のトレイ14を、前記下向き姿勢となるように反転するトレイ反転装置46が配置される。このトレイ反転装置46は、駆動手段としての回転用モータ47によって回転する回転部材48と、該回転部材48に設けられた反転用吸着部49とを備える。反転用吸着部49は、吸着カップ49aを、前記トレイ供給装置15の吸着部44の吸着カップ44aと同じ数だけ備え、各吸着カップ49aが吸着部44の吸着カップ44aに対応して搬送方向に並設される。そして、回転用モータ47によって回転部材48を180°で正方向および逆方向に回転することで反転用吸着部49は、トレイ供給コンベヤ45上の前記上向き姿勢のトレイ14における収容部14aの表面を吸着するトレイ吸着位置と、吸着したトレイ14を反転して搬送コンベヤ側で前記下向き姿勢とするトレイ反転位置との間を移動するよう構成される。
【0029】
なお、前記トレイ供給コンベヤ45には、図示しないホッパに積層貯留されているトレイ14が、トレイ取出し手段によって取り出されて、トレイ反転装置46の反転用吸着部49でトレイ14を吸着する位置より搬送上流側に前記上向き姿勢で載置される。そして、トレイ反転装置46の反転用吸着部49で吸着されて回転部材48の回転によってトレイ14がトレイ供給コンベヤ45から取り上げられると、反転用吸着部49でトレイ14が取り上げられる位置まで次のトレイ14を搬送するようトレイ供給コンベヤ45が駆動されて、反転用吸着部49による吸着を待機するよう構成される。
【0030】
前記搬送コンベヤ18、回収コンベヤ19および物品搬送コンベヤ27の上方に、搬送体11をトレイ14と共に反転する搬送体反転装置16が配置される。この搬送体反転装置16は、図5図6などに示す如く、搬送装置12での搬送方向の前後において搬送体11を保持可能な反転用保持部50を備えると共に、該反転用保持部50を左右方向に移動する駆動手段としての移動用モータ51,51および反転用保持部50を反転する反転駆動手段としての反転用モータ52,52を備える。具体的に、搬送体反転装置16は、搬送方向の前後に離間する一対の移動体53,53と、各移動体53に回転自在に支持された回転体54と、該回転体54を回転する反転用モータ52と、各回転体54に配設された係合ピン55と、各係合ピン55を他方の係合ピン55との対向方向に進退動する進退駆動手段としてのエアシリンダ56とを備え、搬送方向の前後に対向する一対の係合ピン55,55によって反転用保持部50が構成される。
【0031】
前記係合ピン55は、前記回転体54に配設された前記エアシリンダ56によって進退移動するブラケット57に対して左右方向に離間して2つ設けられて、エアシリンダ56によって係合ピン55,55は、前記搬送体11に形成された前記孔部11c,11cに挿入される挿入位置と、孔部11c,11cから離脱する解放位置との間を進退移動される。また、移動用モータ51,51によって対をなす移動体53,53を左右方向に同期して移動することで、図6図8図9に示す如く、反転用保持部50は、搬送コンベヤ18の上方、回収コンベヤ19の上方および物品搬送コンベヤ27の上方の夫々の位置の間を移動するよう構成される。また、反転用モータ52,52によって対をなす回転体54,54を180°で正方向および逆方向に同期回転することで、反転用保持部50も180°で回転する。そして、実施例の搬送体反転装置16は、搬送コンベヤ18の上方(持上げ位置)において反転用保持部50で保持した正姿勢の搬送体11を、物品搬送コンベヤ27の上方に移動するまでの間に反転して収容凹部11aが下を向く逆姿勢とし、該物品搬送コンベヤ27の上方から回収コンベヤ19の上方に移動するまでの間に逆方向に反転して正姿勢に戻すように、移動用モータ51,51および反転用モータ52,52が制御される。
【0032】
図5図6に示す如く、前記搬送体反転装置16には、前記反転用保持部50で保持した搬送体11の各収容凹部11aの天側の開口部を覆うように載置されている全てのトレイ14を、その底面側から支持する支持部材58を備える。この支持部材58は、一対の回転体54,54の間に架設された取着部材59に配設されて、回転体54,54の対向方向と直交する方向に延出すると共に該対向方向に離間する複数の棒状体58aから構成される。支持部材58は、反転用保持部50で保持した搬送体11を正姿勢から上下逆の逆姿勢とした状態で、左右方向において搬送コンベヤ18から離間する側が支持部材58の自由端となるように、取着部材59に片持ち式に配設される(図8参照)。なお、反転用保持部50で保持された搬送体11の収容凹部11aにおける一側面側の開口部は、支持部材58の自由端側に開口して、後述するように、反転用保持部50で保持した搬送体11と支持部材58との間からの物品入りトレイ17の引き抜きを許容するようになっている。
【0033】
図5図6に示す如く、前記搬送コンベヤ18における前記搬送体反転装置16の移動領域の下方には、前記一対の索状体21A,21Bの間に、該搬送コンベヤ18の案内レール20,20に載置されて搬送体受渡し位置S4まで搬送された搬送体11を、前記反転用保持部50で保持可能な持上げ位置まで持ち上げる第1のリフタ60が設けられる。この第1のリフタ60は、搬送体11の底面を支持可能な昇降部材60aと、該昇降部材60aの昇降動手段としてのエアシリンダ60bとを備える。エアシリンダ60bは、昇降部材60aを、搬送体受渡し位置S4に搬送される搬送体11より下方の下降位置と、底面を支持した搬送体11を持上げ位置まで持ち上げる上昇位置との間を昇降動する。持上げ位置は、搬送体11における搬送方向の前後に設けた前記孔部11c,11cに前記反転用保持部50の係合ピン55,55が挿入可能な位置として設定される。また、昇降部材60aは、その上面に複数の凸部60cを備え、該凸部60cを搬送体11に形成した対応する凹部11eに下方から挿入することで、搬送体11を位置ずれなく搬送コンベヤ18から持ち上げ得るよう構成される。
【0034】
図8に示す如く、前記物品搬送コンベヤ27の前記第1物品用搬送部28における一対の無端ベルト28a,28aの間に、該第1物品用搬送部28の上方において前記搬送体反転装置16から解放された物品入りトレイ17を支持して無端ベルト28a,28aに移載する第2のリフタ61が設けられる。この第2のリフタ61は、物品入りトレイ17の底面を支持可能な昇降部材61aと、該昇降部材61aの昇降動手段としてのエアシリンダ61bとを備える。エアシリンダ61bは、昇降部材61aを、前記支持部材58で底面が支持されている物品入りトレイ17(トレイ14)の底面に接近して該物品入りトレイ17を載置可能に受け取り得る上昇位置と、無端ベルト28a,28aより下方の下降位置との間を昇降動する。
【0035】
また、前記第1物品用搬送部28には、図8図9に示す如く、該第1物品用搬送部28の上方で逆姿勢に反転している搬送体11の搬送コンベヤ18側に位置する取着部材59と物品入りトレイ17(トレイ14)との間に挿脱可能な規制部材62が、駆動手段としてのエアシリンダ63によって下降位置と上昇位置との間を昇降動するよう構成される。規制部材62は上向きの櫛歯状に形成されて、前記支持部材58の各棒状体58aと干渉しない位置において搬送体11の下側に位置するよう構成され、支持部材58で支持されている物品入りトレイ17(トレイ14)に対して反転用保持部50で保持されている搬送体11を左右方向において搬送コンベヤ18側に移動する際に、規制部材62によって物品入りトレイ17が支持部材58と共に移動するのを規制するよう構成される。そして、支持部材58が物品入りトレイ17の下側から抜けることで、該物品入りトレイ17が上昇位置の昇降部材61aに移載されるようになっている。
【0036】
図9に示す如く、前記回収コンベヤ19の前記第1回収用搬送部25における一対の無端ベルト25a,25aの間に、該第1回収用搬送部25の上方において前記搬送体反転装置16から解放された空となった搬送体11を支持して無端ベルト25a,25aに移載する第3のリフタ64が設けられる。この第3のリフタ64は、空の搬送体11の底面を支持可能な昇降部材64aと、該昇降部材64aの昇降動手段としてのエアシリンダ64bとを備える。エアシリンダ64bは、昇降部材64aを、前記反転用保持部50で保持されている正姿勢の空となった搬送体11の底面を支持可能な上昇位置と、無端ベルト25a,25aより下方の下降位置との間を昇降動する。また、昇降部材64aは、その上面に複数の凸部64cを備え、該凸部64cを搬送体11に形成した対応する凹部11eに下方から挿入することで、搬送体11を位置ずれなく回収コンベヤ19まで下降し得るよう構成される。実施例では、搬送体反転装置16によって逆姿勢から正姿勢に反転されて収容凹部11aが上を向く空となった搬送体11を回収コンベヤ19に移載する第3のリフタ64が受渡し装置として機能する。
【0037】
次に、実施例に係る物品の供給システムの作用について説明する。
【0038】
図2に示す如く、前記回収コンベヤ19の空搬送体受渡し位置SAまで搬送された空の搬送体11が停止されると、前記移載装置30の一対の昇降体35,35が上昇位置から下降位置まで下降し、解放位置に位置する係合ピン36,36をエアシリンダ37,37によって挿入位置まで前進することで、空の搬送体11は、搬送方向の前後で孔部11c,11cに係合ピン36,36が挿入されて前記移送用保持部31に保持される。空の搬送体11を移送用保持部31で保持した移載装置30は、前記第1移送用モータ32,32および第2移送用モータ33,33を駆動し、移送用保持部31を前記物品供給位置SBに対応する高さ位置まで上昇すると共に物品供給部13に向けて移動する。移送用保持部31で保持した空の搬送体11が、物品供給部13の供給口の下方の物品供給位置SBまで移送されて停止すると、前記シャッタが開放して前記物品10が空の搬送体11の各収容凹部11aの夫々に供給されて収容される。
【0039】
前記物品供給位置SBにおいて全ての収容凹部11aに前記物品10が供給された搬送体11は、前記移載装置30によって前記搬送コンベヤ18の上方まで移送され、前記移送用保持部31を下降位置まで下降すると共に、前記係合ピン36,36をエアシリンダ37,37によって解放位置へ後退することで解放された搬送体11は、搬送コンベヤ18における搬送体受取り位置S1において案内レール20,20に移載される。このとき、一方の索状体21Aにおける係合部23が、搬送体11の被係合部11dに係合して搬送が可能となる。搬送体11を搬送コンベヤ18に移載した移載装置30は、次の空の搬送体11を移送するための動作を行う。
【0040】
前記搬送コンベヤ18において、一方の索状体21Aを、対応する駆動モータ22Aで走行駆動して、係合部23が被係合部11dに係合する搬送体11を下流側に搬送する。また、他方の索状体21Bを、対応する駆動モータ22Bで走行駆動して、移載装置30によって搬送体11が移載される搬送体受取り位置S1に係合部23を到来させて停止し、次の搬送体11の受け取りを待機する。
【0041】
一方の索状体21Aで搬送される搬送体11を、各収容凹部11aが前記付属品供給位置S2に到来して間欠停止するタイミング毎に、前記付属品供給コンベヤ24aから付属品を1つずつ放出することで、各収容凹部11aに収容されている前記物品10の上側に付属品が供給される。全ての収容凹部11aに付属品が供給されると、一方の索状体21Aが連続走行駆動されて搬送体11は前記トレイ供給位置S3まで搬送されて停止する。前記トレイ供給装置15は、搬送体11がトレイ供給位置S3に搬送されるまでの間に、前記トレイ反転装置46で前記下向き姿勢とされた4つのトレイ14の底面を吸着部44で夫々吸着して受け取り、搬送体11がトレイ供給位置S3で停止すると、前記第1トレイ用モータ41および第2トレイ用モータ43によって吸着部44をトレイ受渡し位置まで移動して吸着を解放することで、4つのトレイ14が搬送体11に一括で供給される(図4参照)。各トレイ14は、開口縁部が段部11bに載置されて、収容凹部11aの天側の開口部はトレイ14で覆われる。トレイ反転装置46は、トレイ供給装置15の吸着部44にトレイ14を受け渡した後は、前記トレイ供給コンベヤ45に待機する前記上向き姿勢のトレイ14を吸着するために前記回転用モータ47によって反転用吸着部49がトレイ吸着位置に向けて移動する。
【0042】
前記下向き姿勢のトレイ14が載置された搬送体11は、一方の索状体21Aの走行によって搬送体受渡し位置S4まで搬送されて停止する。また、図5図6に示す如く、前記第1のリフタ60の昇降部材60aが下降位置から上昇位置に向けてエアシリンダ60bによって上昇することで、前記案内レール20,20に載置されている搬送体11は持ち上げられる。搬送体11が持上げ位置まで持ち上げられると、搬送コンベヤ18の上方で待機している搬送体反転装置16の支持部材58で全てのトレイ14の底面が上側から支持される。また、前記反転用保持部50の係合ピン55,55がエアシリンダ56,56によって挿入位置まで前進することで、搬送体11は、搬送方向の前後で孔部11c,11cに係合ピン55,55が挿入されて保持される。反転用保持部50で搬送体11が保持されると、第1のリフタ60は、昇降部材60aを下降位置まで下降し、次の搬送体11の持ち上げを待機する。
【0043】
前記搬送体反転装置16の反転用保持部50を、前記移動用モータ51,51によって物品搬送コンベヤ27の上方に向けて移動すると共に、前記反転用モータ52によって反転用保持部50を180°回転することで、搬送体11は、前記下向き姿勢のトレイ14と共に上下が反転されて、各収容凹部11aに収容されている前記物品10は、前記上向き姿勢のトレイ14に移し替えられる。このとき、反転用保持部50で保持されている搬送体11と支持部材58との間において、トレイ14の底面は支持部材58によって支持されるので、該トレイ14や前記物品10が反転時に飛散することはない。また、搬送体11に対してトレイ14は、各収容凹部11aに対応して形成した段部11bに開口縁部を載置した状態で収容凹部11aの天側の開口部を覆っているので、該収容凹部11aに収容されている前記物品10がトレイ14に確実に移し替えられる。
【0044】
図7図8に示す如く、前記物品搬送コンベヤ27における第1物品用搬送部28の上方において、前記逆姿勢となった搬送体11の下側に、前記上向き姿勢のトレイ14に前記物品10が移し替えられた物品入りトレイ17が得られる。前記規制部材62がエアシリンダ63によって下降位置から上昇位置まで上昇されると、該規制部材62は、搬送体反転装置16の一対の回転体54,54間に架設されて搬送コンベヤ18側に位置する前記取着部材59と物品入りトレイ17(トレイ14)との間に挿入される。また、前記第2のリフタ61の昇降部材61aが下降位置から上昇位置に向けてエアシリンダ61bによって上昇することで、該昇降部材61aは物品入りトレイ17の底面(トレイ14の底面)に接近する。そして、搬送体反転装置16は、前記反転用保持部50による搬送体11の保持を維持したまま、該反転用保持部50を回収コンベヤ19の上方側へ水平に移動することで、支持部材58で底面が支持されている物品入りトレイ17は規制部材62によって位置規制されて、搬送体11および支持部材58の移動に伴って移動することなく昇降部材61aに移載される。
【0045】
前記第2のリフタ61の昇降部材61aを下降位置に下降することで、前記物品入りトレイ17は第1物品用搬送部28の無端ベルト28a,28a上に移載され、該無端ベルト28a,28aの走行によって第2物品用搬送部29に受け渡される。そして、物品入りトレイ17は、第2物品用搬送部29によって包装機に向けて搬出される。
【0046】
前記搬送体反転装置16は、反転用保持部50で保持している搬送体11および前記支持部材58が物品入りトレイ17から離間した後、前記反転用モータ52,52によって反転用保持部50を逆方向に180°回転し、空となった搬送体11を正姿勢に戻して、該搬送体11を前記回収コンベヤ19における第1回収用搬送部25の上方に臨ませる。図9に示す如く、前記第3のリフタ64の昇降部材64aが下降位置から上昇位置に向けてエアシリンダ64bによって上昇することで、該昇降部材64aにより空となった搬送体11の底面が支持される。搬送体反転装置16の前記係合ピン55,55が解放位置に後退して反転用保持部50による保持が解放されると、第3のリフタ64の昇降部材64aが下降位置まで下降されて、反転用保持部50から解放された空となった搬送体11は第1回収用搬送部25の無端ベルト25a,25aに移載される。そして、無端ベルト25a,25aの走行によって空となった搬送体11は第2回収用搬送部26に受け渡され、該第2回収用搬送部26によって空搬送体受渡し位置SAに向けて搬送される。なお、搬送体反転装置16は、反転用保持部50による保持を解放した空となった搬送体11が前記取着部材59と干渉しない位置まで下降した後、反転用保持部50を搬送コンベヤ18の上方側へ水平に移動することで、次の搬送体11の受け取りを待機する。
【0047】
実施例の供給システムでは、搬送体11に対して前記物品10を供給する物品供給位置SBと、搬送体11に対してトレイ14を載置するトレイ供給位置S3と、搬送体11と共にトレイ14を反転する位置との夫々を離間して設けたので、各位置で対応する作業を行っている間に、他の位置でも対応する作業を行うことができ、単位時間当りの処理能力を向上することができる。すなわち、トレイ14の収容部14aに前記物品10が収容された物品入りトレイ17を効率的に得て、該物品入りトレイ17を包装機に搬送することができる。
【0048】
前記搬送体反転装置16では、正姿勢の搬送体11を、該搬送体11の各収容凹部11aに対応して前記下向き姿勢で載置されたトレイ14と共に逆姿勢となるように反転する際には、前記反転用保持部50で搬送体11を保持すると共に、トレイ14の底面を支持部材58で搬送体11から離間しないように支持するよう構成したので、搬送体11が反転する際に前記物品10やトレイ14が遠心力等によって飛散するのを防ぐことができる。また、搬送体反転装置16から解放した空となった搬送体11を、前記回収コンベヤ19によって空搬送体受渡し位置SAまで搬送して供給システム内で周回し得るよう構成したので、システムの効率化を図ることができる。実施例では、搬送体反転装置16から解放した空となった搬送体11を、回収コンベヤ19の第1回収用搬送部25に設けた第3のリフタ64によって回収コンベヤ19に受け渡すよう構成したので、搬送体11を開放した搬送体反転装置16で次の搬送体11を受け取るまでに要する時間を短縮することができる。
【0049】
また、前記回収コンベヤ19を挟んで搬送コンベヤ18と物品搬送コンベヤ27とを配置したので、物品入りトレイ17を物品搬送コンベヤ27に受け渡した搬送体反転装置16が、次の搬送体11を搬送コンベヤ18から受け取るための移動途中で、該搬送体反転装置16から空となった搬送体11を回収コンベヤ19に受け渡すことができ、処理の高速化に寄与する。また、搬送体反転装置16によって搬送体11からトレイ14に前記物品10を移し替えるために正姿勢から逆姿勢に反転した搬送体11を、物品搬送コンベヤ27から回収コンベヤ19に移動するまでに該搬送体反転装置16によって元の正姿勢に戻し得るので、前記第3のリフタ64を昇降するだけで簡単に回収コンベヤ19に正姿勢で搬送体11を移載することができる。
【0050】
前記回収コンベヤ19の空搬送体受渡し位置SAまで搬送された空の搬送体11を、前記移載装置30によって物品供給位置SBまで移送すると共に、該物品供給位置SBにおいて前記物品供給部13から前記物品10が供給された搬送体11を、前記搬送コンベヤ18の搬送体受取り位置S1に移載するよう構成し、移載装置30による移送の途中で搬送体11の受け渡しを行わない。すなわち、移送途中に別の手段に搬送体11を受け渡すための時間を省くことができ、処理の効率化を図ることができる。また、前記搬送コンベヤ18では、一対の索状体21A,21Bの夫々によって搬送体11を独立して搬送し得るよう構成したので、一方の索状体21Aで搬送体11を搬送している間に、他方の索状体21Bで別の搬送体11を搬送したり所定の位置に停止させることができ、処理能力をより向上することができる。
【0051】
(変更例)
本発明は実施例などの構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例などに記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 実施例では、トレイ供給コンベヤ45に前記上向き姿勢で供給されたトレイ14を、トレイ反転装置46によって上下を反転するよう構成したが、トレイ供給コンベヤ45に前記下向き姿勢でトレイ14を供給し、該トレイ供給コンベヤ45から直にトレイ供給装置15によって前記下向き姿勢のトレイ14を吸着して搬送体11に供給する構成を採用することができる。また、トレイ供給装置15に反転装置を設け、トレイ供給コンベヤ45に前記上向き姿勢で供給されたトレイ14を、トレイ供給装置15で反転して搬送体11に載置する構成を採用することができる。
(2) 実施例では、搬送コンベヤ18、物品搬送コンベヤ27および回収コンベヤ19の夫々にリフタ60,61,64を設け、搬送コンベヤ18から搬送体反転装置16への搬送体11の受け渡し、搬送体反転装置16から物品搬送コンベヤ27への物品入りトレイ17の受け渡し、搬送体反転装置16から回収コンベヤ19への空となった搬送体11の受け渡しを行うよう構成したが、搬送体反転装置16の反転用保持部50を移載装置30のように昇降動自在に構成して各リフタ60,61,64を省略することができる。すなわち、搬送体反転装置16に搬送体11や物品入りトレイ17の受渡し装置(昇降手段)を設けることで、部品点数を削減できる。
(3) 実施例では、並列に配置した搬送コンベヤ18と回収コンベヤ19とで搬送装置12を構成したが、無端チェン等の索状体を水平方向に周回するよう構成した1基のコンベヤによって搬送装置を構成し、該コンベヤの走行路に沿って物品供給位置SB、搬送体受取り位置S1、付属品供給位置S2、トレイ供給位置S3、搬送体受渡し位置S4を設ける構成を採用することができる。なお、索状体を水平方向に周回するコンベヤによって搬送装置を構成した場合に、搬送装置で搬送されて物品供給位置SBで停止した搬送体11に、物品供給部13から直に複数の細長い軟質被収容体からなる物品10を供給する構成を採用すれば、移載装置30を省略することができる。
(4) 実施例では、支持部材58を複数の棒状体58aで構成したが、反転用保持部50で保持した搬送体11との間でトレイ14を支持し、かつ物品入りトレイ17の抜き出しを許容し得る形状であればよい。
(5) 実施例では、各収容凹部11a毎に搬送体11を間欠停止して付属品を供給するよう構成したが、搬送体11に形成されている全ての収容凹部11aに対して一括して付属品を供給する構成を採用することができる。また、付属品は、物品10の性質等に応じて供給すればよく、付属品供給装置24を省略することができる。
(6) 実施例では、搬送コンベヤ18を、一対の索状体21A,21Bで構成したが、索条体の数は3つ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 物品、11 搬送体、11a 収容凹部、12 搬送装置、14 トレイ
15 トレイ供給装置、16 搬送体反転装置(反転装置)
17 物品入りトレイ、18 搬送コンベヤ、19 回収コンベヤ
21A,21B 索状体(移送手段)、22A,22B 駆動モータ(駆動手段)
27 物品搬送コンベヤ、30 移載装置、64 第3のリフタ(受渡し装置)
SB 物品供給位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9