(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】滅菌されたベンチュリ吸引
(51)【国際特許分類】
A61F 9/007 20060101AFI20220411BHJP
A61M 1/00 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
A61F9/007 130G
A61M1/00 109
A61M1/00 150
A61M1/00 103
A61M1/00 101
(21)【出願番号】P 2019545859
(86)(22)【出願日】2017-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2017078068
(87)【国際公開番号】W WO2018083181
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-16
(32)【優先日】2016-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519155837
【氏名又は名称】テーハーイーエス・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】THIS AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】コッペル,トーマス
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-086935(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0164690(US,A1)
【文献】特開平05-168698(JP,A)
【文献】特表昭59-502132(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/007
A61M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の吸引のための眼科用医療装置(99)のための交換挿入物(1)であり
-
眼科の外科的介入の間に吸い取りフラッシングの範囲内で液体が排出される交換挿入物(1)であって、
吸い取られる液体を受容するための液体領域(10)と、
負圧を加えることができる負圧領域(20)とを含み、
少なくとも部分的に柔軟な膜(13)を用いることによって液体領域(10)および負圧領域(20)が互いに密閉して分離され、
負圧を用いることによって液体を液体領域(10)に吸い取るような方法で交換挿入物(1)が設計され
、
交換挿入物(1)が
トレイまたは半殻(11)を用いて設計され、
ポリプロピレンまたはポリエチレン
の熱可塑性樹脂から形成され、
ポリアミドおよび/またはポリプロピレン
のポリマーから形成される膜(13)が吸い取り室(10)が半殻(11)と膜(13)の内側との間に形成されるような方法で柔軟なフィルムとして配置され、負圧領域(20)が膜(13)の外側に形成され、
-
交換挿入物(1)が挿入されるときに、半殻(11)の肩部が対部分(21)と共に医療装置(99)内で負圧を提供するための空気吸い取りシステムを有する周囲が封止された負圧室を形成し、
交換挿入物(1)が挿入されるときに、対部分(21)と交換挿入物(1)との間に締め付け力が加えられることを特徴とする、
交換挿入物(1)。
【請求項2】
交換挿入物(1)が眼科用医療装置(99)のための交換可能なカセット(50)として設計され、
液体領域(10)が少なくとも一時的に吸引された液体を受容するための吸い取り室を形成し、手術器具(91)の吸引接続(12)に流体静力学的に接続でき、液体領域(10)が
柔軟な膜(13)、および
固い半殻(11)を用いて設計され、
カセット(50)が医療装置(99)に挿入されるときに膜(13)が外側から負圧領域(20)を経由して負圧により作用することができ、膜(13)を経由する負圧伝達が生じることを特徴とする、少なくとも請求項1
に記載の交換挿入物(1)。
【請求項3】
少なくとも一つの蠕動ポンプ(60)をすでに含む眼科用基本カセット(51)に取り付けできる任意の補助モジュールとして交換挿入物(1)が設計され、
-
補助モジュールおよび基本カセット(51)が共にスナップ式で固定でき、補助モジュールが取り付けられたとき、基本カセット(51)の吸引システムへの交換挿入物(1)の液体領域(10)の水圧接続を生成することができることを特徴とする、少なくとも請求項1
に記載の交換挿入物(1)。
【請求項4】
医療装置(99)中の空気吸い取り機構(28)によって、
電気的に操作される部分的真空ポンプまたはベンチュリノズルによって負圧が発生し、
空気吸い取り機構(28)によって発生した負圧の所望の値が時間と共に変動する方式で指定されることを特徴とする、請求項1から
3の少なくとも一項に記載の交換挿入物(1)。
【請求項5】
液体領域(10)が圧力検出機構(40)を含み、またはこの種の機構に流体静力学的に接続され、それを用いることによって液体領域(10)の負圧が検出され得ることを特徴とする、請求項1から
4の少なくとも一項に記載の交換挿入物(1)。
【請求項6】
バルブ(65)が液体領域(10)と吸引ラインのための接続(12)との間の液体経路内の交換挿入物(1)内に提供され、それを用いることによって
液体経路の断面が変動可能であり、
閉鎖または開放され得ることを特徴とする、請求項1から
5の少なくとも一項に記載の交換挿入物(1)。
【請求項7】
交換挿入物(1)が
蠕動ポンプを含み、それを用いることによって液体を液体領域(10)から交換可能な廃棄物容器(33)に排出でき、好ましくはこの目的のために提供されるバルブ(65b)を用いることによってこの目的のために吸引接続(12)が液体領域(10)から分離でき、
液体領域(10)をポンプ装置(60)を用いることによって空にすることができることを特徴とする、請求項1から
6の少なくとも一項に記載の交換挿入物(1)。
【請求項8】
少なくとも一つのバルブ(65、65a)を用いることによって、
液体領域(10)に伝達される負圧、または
代替の
蠕動ポンプ、または
この2つの組み合わせ、
の少なくとも2つを用いることによって吸引の間で切り替えできるような方法で交換挿入物(1)内に複数の液体経路が形成され、
-
ここで、請求項7
による装置と同一のポンプ装置(60)が代替のポンプ装置(60)として使用され、それを用いることによって液体を廃棄物容器(33)に排出することもできることを特徴とする、請求項1から
7の少なくとも一項に記載の交換挿入物(1)。
【請求項9】
交換挿入物(1)が液体領域(10)の充填レベルセンサを有し、
-
圧力センサ(40)としておよび/または膜(13)の位置を決定するためのセンサ(31)として設計され、および/または
交換挿入物(1)が負圧領域内(20)に液体もしくは水分センサ(32)を含み、
膜(13)の欠陥を検出するように設計されることを特徴とする、請求項1から
8の少なくとも一項に記載の交換挿入物(1)。
【請求項10】
請求項1から
9の少なくとも一項による交換挿入物(1)のための受容装置を含む目の手術のための装置(50)であって、
装置(99)は交換挿入物(1)の液体領域(10)から密閉して分離される交換挿入物(1)の負圧領域(20)から空気をポンプにより排出するための空気吸い取り機構(28)を含み、
空気吸い取り機構(28)が部分的真空ポンプまたはベンチュリノズルで形成され、
交換挿入物(1)の周辺の領域が閉鎖された負圧領域(20)を形成するために、装置(99)の対部分(21)に密封方式で脱着可能なように連結されるような方法で交換挿入物(1)のための受容装置が設計される装置。
【請求項11】
交換挿入物(1)が柔軟な膜
(13)の少なくとも部分的な形成により負圧による液体領域(10)の体積が変動可能になるような方法で設計され、
体積は吸引された液体を受容することを特徴とする、請求項1から
9の少なくとも一項に記載の交換挿入物(1)。
【請求項12】
柔軟な膜(13)は負圧領域(20)の圧縮空気の負圧が柔軟な膜(13)を用いることによって液体領域の水圧の負圧に伝達されるような方法で設計され、水圧の負圧が液体を液体領域(10)に吸引することを特徴とする、請求項1から
9の少なくとも一項に記載の交換挿入物(1)。
【請求項13】
柔軟な膜(13)が液体領域(10)の囲まれた体積を変動させるように配置および設計され、液体領域(10)が少なくともほぼゼロから数十や数百ミリリットルになる体積を有することを特徴とする、請求項1から
9の少なくとも一項に記載の交換挿入物(1)。
【請求項14】
液体領域(10)の全表面と比較した膜(13)の面積が
35%を超える割合を占めることを特徴とする、請求項1から
9の少なくとも一項に記載の交換挿入物(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部分による眼科用医療装置のための交換挿入物またはカセットおよび請求項11の前段部分による対応する装置またはシステムおよび請求項12の前段部分による対応する吸引方法に関する。
【0002】
目の手術、例として、白内障、硝子体茎切除、または緑内障の手術を実施する場合、医師が外科手術を目自体に実施するときに用いられる手術器具は、特に手術の間に蓄積する任意の粒子を目から除去するために、チューブシステムを経由して中でも吸い取りフラッシングとして公知のことが実施されることを用いることによって医療装置に接続されている。ここで、粒子および液体の吸引、すなわち吸い取りは、通例一つまたは複数の中空針を目に入れることで実施される。同時に、液体、すなわち灌流液として公知のものは、注入を用いて供給される。ここで、目の収縮または膨張を防ぐように、眼圧は可能な限り一定に維持されるべきである。国際公開公報第00/25710号、国際公開公報第02/056805号、独国特許出願公開第10 2012 018 982号、または独国特許第198 52 574の文献は、この種の機器の例およびこれらの装置の用途の例を記載している。
【0003】
この種の眼科用吸い取りフラッシングにおいて、2つの異なる吸引方法が主に用いられる。一方において、吸い取りは、蠕動ポンプを用いて実施され、その動作のモードに従って、必要な体積流量が動作のときに指定される。他方において、吸い取りはベンチュリ(Venturi)原理に従って実施され、吸い取りの負圧が動作のときに指定される。それゆえに、ベンチュリ原理による眼科用装置または蠕動原理による装置のどちらかが用いられる。これら2つの原理のそれぞれは、それ自体に特定の特性および利点および欠点、例として、吸い取りの波及効果、閉塞およびその解消などについての挙動などを有している。これらの原理のどちらを適用するかということは、例として、外科医の嗜好および/または特定の外科手術、または単に利用可能な装置の種類に依存する。
【0004】
例として、国際公開公報第2010/129128号または独国特許出願公開第10 2007 031 722号は、蠕動原理に従って動作する装置を提示しており、米国特許公開第2016/0089268号はベンチュリ原理の応用を提示している。
【0005】
ベンチュリ原理の場合、空隙の中の気流(例として、手術室の圧縮空気接続から)を用いることによる(ベンチュリ原理に従う)ベンチュリノズルを用いることによって負圧が発生する。この空隙は必要に応じて、例として、バルブを経由して目から来る吸引システムに接続されており、それゆえ負圧による吸引をもたらす。
【0006】
しかしながら、先行技術による眼科用ベンチュリシステムは、多数の欠点を有する。例として、ベンチュリノズルに必要な消音器は、目の流体からの細菌によって汚染される場合があり、これらの細菌、ウイルス、および/またはバクテリアは、次に周囲の環境に飛散する場合がある。これは、例として、充填レベル検出が失敗して液体が溢れた場合のみでなく、最も軽微な渦によってさえも起こる。定期的に交換せねばならない特別な上流フィルターシステムは、確かに公知であるが、しかしながら、それらは感染の全リスクを防ぐことはできない。ベンチュリノズル、その消音器などは装置の一部であり、交換可能なカセットの一部ではないので、吸引された液体が通例は交換可能なカセットのみに接触するだけであるという事実は、ここでもほとんど助けにならない。
【0007】
先行技術由来のこの種のベンチュリカセットの場合、液体を受容するために提供されたエリアが満杯になると、この問題を是正するために、外科手術は中断しなければならなくなり、更なる欠点になる。
【0008】
先行技術のもう一つの欠点は、ベンチュリノズルが故障した場合には、吸引システムに目に伝達される可能性がある著しく大きな正圧が積み上がり、最悪の事態では、無殺菌の外部空気が目に注入されてしまうという結果に至る可能性がある。
【0009】
先行技術からの公知の解決法は、そのために、それらの公知の形態の改善を必要とする。
【0010】
本発明の目的は、眼科用吸引を改善する方法を提供することである。改善された眼科用吸引方法およびその目的に使用される装置が提供されるものとする。とりわけ、先述の欠点は是正されるものとする。
【0011】
それゆえに、また、本発明の目的は眼科用吸引装置、とりわけ吸引および/または関連する交換部分を対象とした眼科用装置の領域を改善することである。
【0012】
ここで、対応する改善された眼科用装置用のカセットを提供することがとりわけ目的である。この種のカセットを使用するための眼科用装置の対応する提供は、同じように目的の更なる一部にしてもよい。
【0013】
より特定の目的は、ここで、一部の外科医により高く評価されている公知のベンチュリシステムの性質および特性を有するが、その欠点を避けるまたは少なくとも軽減する解決法も提供することである。
【0014】
これらの目的は、本発明に従って、独立した請求項の特徴により、および/または従属の請求項の特徴により達成され、またこれらの解決法が更に発展する。
【0015】
本発明は、液体の吸引のための眼科用医療装置のための交換挿入物に関する。この吸引は、とりわけ、吸い取りフラッシングとして公知のものの範囲内で、眼科の外科的介入、例として、白内障または硝子体茎切除の手術の間に実施できる。この吸引の間、例えば粉々になったレンズ部品などの固形物成分を含むまたは含まない液体が目から除去される。本発明の吸引は、ここで専門家の集団に「ベンチュリ原理」として公知のものにとりわけ主に従い、すなわち、圧縮空気の負圧を用いることによる吸い取りの原理に従い、例として、蠕動ポンプを用いることで達成されるような水圧体積送出原理のみには従わないことで実現されなければならない。とりわけ、ここでの目標は、従来のベンチュリシステムに対して類似のまたは独自の吸い取り特性を達成することである。これ以降、用語「清浄なベンチュリ交換挿入物」は、そのために、交換挿入物の代わりに用いることもできる。
【0016】
本発明による交換挿入物は、吸い取られる液体を受容するための液体領域、およびとりわけ液体が含まれておらず圧縮空気の負圧を加えることができる負圧領域を有する。ここで、液体領域は、少なくとも部分的に柔軟な膜により負圧領域から密閉して分離される。
【0017】
とりわけ、負圧領域は、特に交換部分が医療装置に挿入される場合に、中空空間を形成する。この中空空間は、気体、とりわけ空気または大気を収容する。気体は、対応する吸い取り機構を用いることによって、この中空部から(少なくとも部分的に)吸い取ることができ、周囲の大気に対する負圧が生成される。通常の操作では、負圧領域は、そのために、通例任意の液体を含有しない。
【0018】
膜はここでは、例として、プラスチックフィルムとして、または金属箔として、またはこの2つの組み合わせとして、薄く柔軟なフィルムとして設計できる。膜は、ここでは、例として、ポリアミド(PA)および/またはポリプロピレン(PP)から形成でき、安定性と同時に柔軟性を達成するために、材料に応じて適切な膜厚が計算および/または試験を手段として決定することができる。例として、フィルムはポリアミド(PA)および/またはポリプロピレン(PP)から形成される。フィルムは、ここで、約40から約100μm、特に約60から70μmの厚さで設計できる。単一の材料から形成されたフィルムに加えて、フィルムは、例として、約20μmの厚さのPAから形成される層と約50μmの厚さのPPから形成される層を有する2つの材料から構築することもできる。
【0019】
一つの態様では、この柔軟な膜は、例として、少なくとも液体領域の側壁のほぼ全範囲に拡張することができる。例として、これは、膜によりその開放側に閉じているトレイ状または貝殻状の硬質形状部分を手段として達成される。形状部分および膜は、ここで、少なくとも液体領域の一部として、可変体積の中空空間を形成する。ここで、液体領域の体積は、膜の少なくとも部分的な変形によって可変であり、とりわけ、ほぼゼロまでにも減少する。
【0020】
もう一つの態様では、例として、この柔軟な膜は、固体の、例としてそれにより可動な板状の要素の周囲付近のみでも設計できる。換言すると、膜は、液体領域を取り囲む一つまたは複数の側部の(少なくとも領域で)可動性を生み出すような方法で、一般的に設計され、配置される。柔軟な膜は、それゆえ、特に交換部分の非柔軟性の基本形態に対して、特に液体領域の囲まれた体積が変動するように配置され、設計される。全ての交換部分は、例として、潜在的なリサイクルを容易にするために、好ましくは一つまたは複数のプラスチックから製造される。
【0021】
あるいは、シリンダーが液体領域を形成し、可動なピストンが膜の代わりに圧縮空気で作動し圧力伝達に用いられるピストン-シリンダー機構の態様もありうる。更なる代替は、ピストンまたは膜を経由して可動に接続されている硬質の壁が機械的にまたは磁気的に加えられる力を用いることによって動くものである。しかしながら(少なくとも特定の制御技術がない)後者は、ベンチュリシステムの特性が可能であれば維持されるということに従う本発明の原理に反するであろう。
【0022】
本発明に従って、ここで、例として、トレイまたは半殻、すなわちとりわけ基部および周囲が垂直状の端部を有する一種の貝殻状トレイを用いることによって交換挿入物を設計できる。この半殻は、例として、プラスチック、例としてポリプロピレン(PP)または金属および/または熱可塑性エラストマー(TPE)から形成できる。とりわけ、例として、ポリエチレンまたはポリプロンピレンから作られる射出成型部品は、大量生産に適する。例として、好ましくは射出成型を用いることによって、半殻の硬質成分は、ポリプロピレン(PP)から形成でき、軟質成分は、TPEから成形できる。その結果、膜は、密封方式でこの半殻に接続できる。ここで、膜は、例として、薄く柔軟なフィルムとして、とりわけ、要求される柔軟性が提供されるように十分薄い膜厚で(少なくとも部分的に体積変化が必要な地点でまたは少なくともほぼフィルム面全体にわたっても)形成できるが、同時に十分な引裂強度が確保される。ここで、フィルムは、その安静位置で、半殻の内部形態に対して可能な限り近くにフィルムが静置されるような方法で設計できる。これは、事前形成によりまたは例として交換挿入物の製造の間にも行うことができる。例として、半殻にフィルムを架けることができ、周辺で端部を封止、接着、溶接、超音波溶接、プレス、封止または固定できる。その結果、例として、特にその結果、熱成形された形状が膜の好ましい安静位置に対応するような方法で半殻の形態に熱成形することにより、フィルムに対応する形態をもたらすことができる。
【0023】
この種の柔軟なフィルムは、ここで、とりわけ液体領域が半殻の内部と柔軟なフィルムの内側との間で形成されるような方法で配置できる。この液体領域は、その充填レベルに応じて、少なくともほぼゼロから少なくとも数十から数百ミリリットル、例として100mlの体積を有する。特に、追加のポンプ機構があるときは、液体体積は、ないときよりも少なく、例として、500ml未満、好ましくは約100mlであってもよい。
【0024】
それゆえに、フィルムの内側の反対である外側により負圧領域の部分を形成することができる。例として、装置内の対部分と共に挿入されたカセットを有する半殻の端部は、負圧領域として周辺が封止された室を形成でき、負圧を提供する空気吸い取りシステムに接続される。ここで、交換挿入物が挿入されるときに、とりわけ交換挿入物と対部分との間で固定を提供でき、それを用いて閉鎖体積が形成される。例として、交換部分上および/または装置内の対部分上の適切な封止要素を用いて、負圧領域を(吸い取りシステムから離れた)閉鎖体積、とりわけ密閉体積として形成できる。ここで、本発明による交換部分一つの態様は、例として、フィルムが挿入された、または任意で一体的に射出成型された多成分の射出成型部品としても設計できる。それゆえに、ここで、この方法で用いられる材料を組み合わせる公知の可能性に注目する。
【0025】
一つの態様では、本発明による交換挿入物は、例として、眼科用医療装置の交換可能なカセットとして設計できる。ここで、液体領域は、手術器具の吸引接続に流体静力学的に接続可能な吸い取り室として設計される。この吸い取り室は、少なくとも一時的に、とりわけ吸引された液体の直接取入口のために設計され、既に記載したように、柔軟な膜および固い半殻で実質的に形成される。ここで、膜は、カセットが医療装置に挿入されたときに、負圧領域を経由して外側から負圧で作用でき、負圧は、液体と接触可能な負圧領域から吸い取られた空気無しで負圧領域から膜を経由して液体領域に伝達される。ここで、とりわけ、膜の材料およびパラメタ―、とりわけ、膜厚の適切な設計を用いると、吸引特性は、公知のベンチュリ吸引システムの特性と同一または少なくとも類似している。とりわけ、膜は、大面積膜であってもよく、具体的には、膜の面積が液体領域を取り囲む表面の有意な比率を占めることを意味することができる。例として、液体領域の全表面と比較した膜の面積は、単に一桁の百分率の範囲にできるだけでなく、例として16%を超える、とりわけ25%を超えるまたは35%を超えるまたはそれ以上の割合を占めることもできる。それゆえに、必要な大きさにした大面積膜では、公知のベンチュリシステムに特に類似している特性を達成することができる。特定の態様では、膜面積は、約100%までの任意の割合を占めることもでき、しかしながら、80%未満の百分率が好ましく適用され、液体領域の少なくとも表面の一部が固い半殻によって形成される。
【0026】
本発明による交換挿入物は、例として、少なくとも一つの蠕動ポンプ、接続またはバルブを既に含む眼科用基本カセットに取り付けることができる任意の補助モジュールとしてもう一つの態様で設計することもできる。例えば、任意の補助モジュールおよび基本カセットは互いに固定して(例として、スナップ式で固定する、止め具で固定する、ロックして固定するなど)接続可能であり、補助モジュールが取り付けられたときに、基本カセットの吸引システムへの液体領域の水圧接続を生成することができる。滅菌包装から基本カセットおよび必要に応じて、清浄なベンチュリ交換挿入物を取り出し、好ましくは取り外しできないように、これらを連結することにより、カセットが挿入される前に、すなわち、例として、外科手術ときに取り付けが実施できる。補助モジュールが工場で既に取り付けられているならば、基本カセットへの接着、プレス、溶着または形態固定接続もあるいは実現でき、本発明による清浄なベンチュリ交換挿入物を有する取り外し不可能に接続される得られた交換カセットを共に滅菌方式で包装、例として、ブリスター包装できる。連結時には、基本カセットのブレイクアウト部分または封止は、例として、その吸引システムへの接続を提供するために破ることができる、または基本カセットは、清浄なベンチュリ交換挿入物に向かう液体流路の接続を解除するためにバルブ等を有することができる。
【0027】
本発明による交換挿入物の場合、医療装置内の空気吸い取り機構により負圧が生成できる。例として、電気的に操作される部分的真空ポンプが使用でき、またはベンチュリノズルすなわちもう一つの空気送出機構も使用でき、それを用いることによって負圧が生成できる。(ここで、本発明に従うと、完全な真空は、通例必要なく、その代わりに大気圧に対して十分なだけの負圧が必要になるので、部分的真空が提供される。)真空ポンプは、静音で維持管理操作があまり必要ないという利点を通例与え、閉塞の場合における望ましくない正圧の問題を避ける。とりわけ、空気吸い取り機構は、ここで、生成した負圧の値が調整可能または制御可能であるような方法で設計できる。本発明でいう意味の負圧の典型的な値範囲は、例として、約0から850mbarまで大気圧を下まわる。手術室で真空接続が提供されるならば、装置側の空気吸い取り機構の代わりに、これへの接続も任意に生成できる、またはベンチュリノズルを用いることによる圧力-真空変換が実現できる。
【0028】
真空配置の一部または機能的にそれに接続される部分は、交換部分の端部を用いることによって、とりわけ、交換部分が挿入されるときに周辺的に半殻および/または膜を封止方式で閉鎖する対部分として装置内に形成される。ここで、負圧領域は装置と交換部分との間に形成される。とりわけ、ここで、封止は、交換部分上、特にその端部上および/または装置内の対部分に提供され、前記封止は、例として、エラストマー、熱可塑性エラストマー、シリコーンまたはもう一つの公知の封止形態を含む。とりわけ、交換部分が挿入されるまたはその挿入に追従する間に、対部分と挿入された交換部分との間に締め付け力が加えられ、締め付け力を用いることによって封止がその効果を提供する。
【0029】
本発明による交換挿入物において、液体領域は、圧力検出機構を含んでもよく、またはこの種の機構に流体静力学的に接続してもよい。この機構は、液体領域内の負圧および/または正圧(絶対圧または好ましくは周囲の大気に対して)を検出するような方法で設計される。ここで、圧力検出機構は、交換挿入物における完全な一体化に加えて、好ましくは、それに部分的にのみ取り付けることもできる。例として、交換部分は、液体領域に接続された、唯一の圧力測定膜を有することができ、力または圧力測定膜の撓みを決定する関連する測定要素を装置内に取り付けることができる。この測定要素は、交換部分が挿入されるときに、圧力測定膜を用いて機能的な、とりわけ機械的な接続に入れることができる。同様に、更なる圧力検出機構も、負圧領域に追加的にまたは代替的に備えることができ、それゆえに装置または交換部分に結合できる。この種の圧力検出機構は、ここで、中でも広範囲の監視および安全または制御機能に使用できる
【0030】
液体領域と吸引ラインのための接続との間の液体経路内の本発明による交換挿入物内またはカセット内に少なくとも一つのバルブを提供することができる。前記バルブは、とりわけ、それと共に液体経路の断面が変動する、すなわち、例として、開放または閉鎖できるような方法で設計できるが、中間位置であると任意に仮定することもできる。例として、この種のバルブは、液体経路の断面積として具体化することができ、断面積は周囲に沿って少なくとも部分的に弾性的である。その結果、液体経路内の自由な断面積がそれゆえに変動できる、とりわけ、開放または閉鎖できるような方法で、この弾性的領域はタペットまたはスライド等により動作できる。
【0031】
本発明による交換挿入物またはカセットは、ポンプ装置、とりわけ蠕動ポンプまたは膜ポンプを含むこともできる。このポンプ装置を用いることによって、例として、液体が液体領域から交換可能な廃棄物容器または回収袋に排出できる。この排出は、例として、液体領域が特定の最大容量まで充填された場合に実施できる、または吸引の間または吸引休止の間に、好ましくは自動的に、任意で連続的に実施することもできる。この目的に対して、排出の間の患者における吸引システムの圧力変動を防ぐために、吸引接続の液体接続は、例として、この目的のために提供されるバルブを用いることによって、液体領域から分離できる。このポンプ装置の液体接続は、例として、この目的のために提供された更なるバルブを用いることによって液体領域から任意に分離することもできる。しかしながら、例として、とりわけ少なくとも一つのポンプローラーがポンプ断面を完全に圧搾するならば、固定されて係合する蠕動ポンプは、一般的に任意で閉鎖バルブとしての機能を果たすこともできる。廃棄物容器は、例として、交換可能な袋または容器でよく、好ましくは装置および/またはカセットの外面に取り付けできる。これは、例として、この目的のために提供される接続ラインを経由すること、または好ましくはチューブを用いず、カセットに直接取り付けできる袋を用いることで達成できる。
【0032】
本発明による交換挿入物では、とりわけ、この目的のために提供される少なくとも一つのバルブを用いることによって、液体領域に伝達される負圧、または代替のポンプ装置、とりわけ蠕動ポンプ、またはとりわけそれら2つの組み合わせを用いることによって吸引の間に切り替えが可能になるような方法で液体経路が形成できる。代替のポンプ装置として、ここで、液体を先に記載したような廃棄物容器に排出することもできる同一のポンプ装置を用いることができる。この種の代替のポンプ装置は、任意で予備の選択肢として、例として、液体領域が満杯ではあるが吸引の継続が必要である場合にも使用できる。また、2台の吸引システムの1台が故障した場合、他の1台が好ましくは途切れずに引き継ぐ。更なる選択肢は、送出体積および/または吸引圧力増強が本発明による清浄なベンチュリ吸引およびポンプ装置の連携を用いることによって達成されることであり、外科手術の間の特定の状況では有用である可能性がある。対応する態様では、それゆえ、手術者が遅延せずに、好ましくは連続的に蠕動ポンプまたはベンチュリ吸引またはこれら2つのモードの任意の組み合わせを切り替えることもできる。還元流機能は、適切な作動を備えることもでき、ベンチュリ原理に純粋に基づく解決法が含まれることで、より複雑になるであろう。負圧の値に加えて、吸い取り特性の適応は、設計および/または負圧領域の体積の変動、例として、閉塞などの場合の挙動が影響を及ぼすこともできることを用いることによって達成することもできる。例として、大きな体積の負圧領域は、吸い取り挙動のより大きな柔軟性をもたらす。本発明による態様、とりわけ、ベンチュリおよびポンプ装置吸引も含む態様では、それゆえ、とりわけ操作の間に調整可能または適合可能である高度に動的な吸引が達成できる。吸引の動的挙動の変動は、本発明に従って、例として、負圧に、とりわけ、時間とともにそれが積み上がることについて影響を与えることでも達成できる。
【0033】
この挿入物が協働する本発明による交換挿入物および/または医療装置は、少なくとも一つの液体領域用充填レベルセンサを有することもできる。このセンサは、とりわけ圧力センサとしてまたは膜の位置を決定するためのセンサとして設計できる。例として、充填レベルセンサは、液体領域が充填されたときに膜により作動するスイッチとして設計できる。液体領域が満杯の場合、要求により交換挿入物を交換する、または上述の方式でポンプ装置を用いることによって液体を液体領域から排出できる。交換挿入物の完全に空の液体領域は、追加のまたは同一の充填レベルセンサで検出できる、または例としてすでに更に上述した圧力検出機構を用いることによって検出できる。
【0034】
本発明による交換部分または本発明によるカセットは、気泡検出器を含んでもよい。これは、中でも例として、特に液体および空気の屈折の差に基づいて光学的に動作する。例として、液体流路の中の観察窓がカセット上または交換部分上に提供可能であり、それを通じて装置側光学センサが形成された任意の気泡を検出する。
【0035】
本発明は、また、とりわけ本明細書において記載されるような、本発明による交換挿入物または本発明のカセットの少なくとも一つの態様を受容する受容装置を含む目の手術用の対応する装置またはシステムに関する。
【0036】
ここで、負圧領域で負圧を生成するために、装置は、空気吸い取り機構、とりわけ真空ポンプまたは基本真空ポンプの一部またはベンチュリノズルを含む。とりわけ、交換挿入物の負圧領域から空気をポンプ移送するまたは吸い取るための機構は、それゆえ提供され、交換挿入物の負圧領域が液体領域から密閉して分離される。ここで、交換挿入物用受容装置は、とりわけ交換挿入物を受容して、負圧領域を形成するために密封方式で交換挿入物の周辺領域が受容装置の対応する対部分に脱着可能に連結されるような方法で設計できる。交換挿入物および装置を用いて形成した負圧領域は、とりわけ、空気吸い取り機構自体から離れて、閉鎖しており、交換部分の膜の外側も含む体積領域を構成でき、外側はとりわけ外部からアクセス可能である。例として、周囲のラインまたは区域は、とりわけ封止材を用いて、好ましくはエラストマーまたは熱可塑性エラストマーを用いて、交換部分および/または装置上の対応する対部分上に封止領域としてここで形成される。負圧領域は、例として液体または水分センサおよび/または圧力センサを用いることによって、例として漏れセンサを追加的に含んでもよく、それを用いることによって膜や封止材などの故障または欠陥が間接的または直接的に検出できる。吸い取り機構は、ここでとりわけ負圧領域の上部領域に接続でき、漏れがある場合でも、液体は、吸い取り機構に浸透できない。液体領域から吸引システムへの水圧接続は、好ましくは挿入された交換部分の上部領域にここで提供され、それゆえ特に任意の気泡形成を防ぎ、またはこれらの気泡を容易に排出することが可能になる。膜は、その安静位置で、特に交換部分を開梱した後で、液体領域の体積をほぼゼロに維持するような方法で好ましくは設計される。とりわけ、第1の挿入の後、すなわち交換部分が作動したときに、充填物またはフラッシュサイクルとして公知のものが流れ、吸入または好ましくは注入液が初めに液体領域に吸い取られ、この液体は、次に吸引システムに位置する任意の空気と共に交換挿入物またはカセットおよび/またはチューブシステムから排出される。例として、排出物を回収袋に入れることができる。これは、完全に液体で満杯になった吸引システムが圧力変化に確定的に反応するのでとりわけ有利である。
【0037】
先に記載したように、一般的に患者に接続することなく、例として、補助スタッフによる準備手段として、交換部分が作動し、または充填またはフラッシュサイクルとして公知のものがここで実施される。吸引された注入液は、例として、直接注入袋または注入瓶から、特に外科手術の間も潅流用に使用されるものとしてここに由来することができる。外科手術の間、患者からの汚染された吸引液体は、目から吸引でき、十分な滅菌を確保するために次の患者、外気、または装置に触れてはならない。
【0038】
本発明の一つの態様では、とりわけ、本発明による用途において、例として対応する材料選択および膜の大きさよってカセットの目的とする動作範囲内で膜の弾性変形が起こらない(または無視できるほど小さいだけ)というような方法で、柔軟な膜は、好ましくは実質的に非弾性的でもよい。この種の実質的に非弾性的な膜は、弾性膜の弾性変形に必要な力によりにより起こる吸引圧力の誤りを防ぐことができ、例として、吸引圧力制御を単純化できる。
【0039】
同様に、本発明は、眼科用装置の吸引方法、とりわけ負圧に基づいて動作するベンチュリ原理による吸引方法にも関する。この方法は、とりわけ白内障手術の吸い取りフラッシングの範囲内で、例としての超音波水晶体乳化吸引術または硝子体茎切除術の間に実施できる。本発明による方法は、少なくとも部分的に柔軟な膜によって形成され、液体領域が眼科用装置の交換挿入物内に位置し、患者への吸引接続に水圧で接続できる密閉液体領域を提供するステップによりここで実施される。
【0040】
吸引は、膜の外側上の液体領域の反対側に形成される負圧領域から空気を少なくとも部分的にポンプ移送するまたは吸い取ることによりここで実施される。ここで、負圧領域の圧縮空気の負圧は、膜を用いることによって、液体領域の水圧の負圧に伝達される。ここで、負圧領域は、交換部分を装置側の対部分に密封方式で連結することで形成され、対部分は、負圧を生成するための機構を用いて設計される、またはそれに接続される。
【0041】
換言すると、本方法は、ベンチュリ原理による眼科用外科手術のための、とりわけ超音波水晶体乳化吸引術装置における吸引方法である。この場合、本発明に従う吸引された液体用の液体領域は、大気に接続される負圧領域から密閉して分離される。本発明に従って、圧縮空気の負圧は、それゆえ柔軟な膜による吸引システムの水圧の負圧に伝達される。とりわけ、負圧領域は、画定された最小体積で設計でき、そのために、その圧縮空気の効果により吸引の動的特性が実現でき、柔軟性がない蠕動吸引よりも有利である可能性がある。
【0042】
本発明による吸引方法は、液体領域および/または負圧領域で圧力を測定するステップであって、とりわけ負圧および/またはバルブ作動がそのような方式で制御されるということで実施できる。本発明による吸引方法は、液体領域に作用する圧縮空気の負圧を用いることによる吸引と、とりわけ蠕動ポンプ移送による水圧体積送出を用いることによる吸引の間を切り替えるステップで実施することもできる。本発明による吸引方法で、液体は、液体領域から廃棄物容器に、とりわけ蠕動ポンプを行うことで追加的に排出できる。ここで、液体領域は、吸引が停止している間に、好ましくは連続的にとりわけ空にできる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明による方法および本発明による装置は、純粋に一例として、図に模式的に図示された特定の例示的な態様を参照しながら、これ以降より詳細に記載され、本発明の更なる利点も論じられ、図は具体的に示される。
【
図1】
図1は、本発明による交換部分挿入物の例の第1態様のブロック図であり、
【
図2】
図2は、本発明による交換挿入物の例の第2態様のブロック図であり、
【
図3】
図3は、本発明による交換挿入物の例の断面の描写であり、
【
図4】
図4は、本発明による例示的な第2態様の交換挿入物の分解図の描写であり、
【
図5a】
図5aは、多成分射出成形設計の交換挿入物の本発明による例示的な第3態様の第1描写を示し、
【
図5b】
図5bは、多成分射出成形設計の交換挿入物の本発明による例示的な第3態様の第2描写を示し、
【
図6a】
図6aは、本発明の交換挿入物を有する本発明による眼科用カセットの例示的な第1態様の第1描写を示し、
【
図6b】
図6bは、本発明の交換挿入物を有する本発明による眼科用カセットの例示的な第1態様の第2描写を示し、
【
図7】
図7は、本発明による交換挿入物のベンチュリ膜の例示的な態様の透視描写を示し、
【
図8a】
図8aは、本発明による交換挿入物のベンチュリトレイの例示的な態様の断面の描写を示し、
【
図8b】
図8bおよび8cは、本発明による交換挿入物の半殻としてのベンチュリトレイの例示的な態様の詳細な描写を示し、
【
図8c】
図8bおよび8cは、本発明による交換挿入物の半殻としてのベンチュリトレイの例示的な態様の詳細な描写を示し、
【
図9】
図9は、本発明による交換挿入物のための本発明による廃棄物袋の例示的な態様の描写を示し、
【
図10】
図10は、挿入された本発明によるカセットおよび取り付けられた本発明による廃棄物袋を用いる本発明による装置の詳細の描写を示す。
【0044】
図の描写は例証目的のみであり、特に明示的な指定がない限り、縮尺に忠実であるとはみなされない。実行可能である限り、同一または機能的に類似の特徴は、常に同一の符号を付け、指標としての文字により適切に区別されるものとする。提示される図は、基本的な技術的構造を示し、一般的な原理により当業者によって補足することまたは部分的に変更することができる。
【0045】
図1は、吸引方法の態様または単純化したブロック図の形態で対応する本発明による交換挿入物1を示す。以下の記載は、吸引される液体の経路を追跡するが、とりわけ任意で、本発明の意味内の要素をその順序に関して変更することもできる。
【0046】
吸引接続12は、眼科用外科用具、例として、ここから吸引が実施される超音波水晶体乳化吸引術用ハンドピースと接続するために、眼科用装置のための交換可能なカセット50として設計することもできる交換挿入物1用のインターフェスとして提供される。ここで示される例において、任意の空気検出器68aがカセット内の吸引ラインに位置し、それを用いることによって吸引システム内の任意の気泡が決定される。この例示的な態様では、例として、カセットが作動するとき時にカセットを液体で満たすため、および/または吸引システムの閉塞の場合に負圧を下げるために、注入液を任意のバルブ69を用いることによって吸引システムに誘導することができる。さらに、吸引システムは、圧力センサ40bを含み、それを用いることによって、とりわけ大気に対する負および正の圧力として吸引圧が監視できる。これを適用するには、バルブ65が必要であり、それを用いて吸引をオンおよびオフに切り替えできるまたは制御できる。ここで示される任意の圧力センサ40は、吸引負圧を測定、監視、および/または制御するために、および/または液体領域10の充填レベルを監視するために使用できる。液体領域10が満杯である、または故障しているならば、例として負圧領域20内が負圧であるにもかかわらず、負圧は吸引システムに影響しない。
【0047】
空気検出器68は、同じように任意に提供できる。吸引された液体は、次に、柔軟な膜13を含む交換部分の液体領域10に入る。この柔軟な膜13は、少なくとも部分的に、液体領域から密閉して分離された負圧領域20内に配置される。液体領域10の漏れによってエラーが起こる場合、負圧領域20は任意の水分検出器32を具備することができる。負圧領域20または液体領域10は、液体領域10のための任意の充填レベルセンサ31を具備することもできる。負圧領域20は、負圧領域20に存在する空気を排出することにより生成される負圧、例として、例えば示されている(部分的な)真空ポンプ28またはもう一つの等価な機構等の気体送出機構28によりここで作用する。気体送出機構28により生成する負圧の測定、監視および/または制御のための圧力センサ40cは、任意で提供することができ、とりわけ負圧は、それゆえ調節可能および/または制御可能である。
【0048】
構築時に先述の機能性を達成するために必要な要素の一部は、交換部分1がその操作のために挿入される装置内に少なくとも部分的に配置することもできる。とりわけ、これらは、差動装置またはセンサの活性な部分である可能性があり、カセットと協働する。しかしながら、交換部分の目的に従って、通常の操作の間に液体に接触するすべての領域は、カセットに(または装置の外部に)配置される。そのために、カセットは、可能であれば、これらの要素の不活性の部分のみを好ましくは含有する。本発明に従って、とりわけ、バルブ65用の作動要素、センサ40、40b、40c、68、31、32用の測定電子機器、気体送出機構28などは、交換部分が挿入される装置内に配置できる。とりわけ、少なくとも負圧領域20の一部は、カセット50用の装置側の対部分により形成することもできる。一例として、装置内のブロックは、強調して図中に好ましく示され、これは、可能な態様のみに対応し、必ずしも限定して考えられるべきではない。
【0049】
先行技術からの公知の眼科用ベンチュリ吸引の解決策と比較した更に先で述べたいくつかの利点に基づき、本発明は、「清浄なベンチュリ」と呼ぶこともでき、これは先述の欠点無しで、とりわけ汚染に関する問題なしで従来のベンチュリシステムの挙動を提供するからである。
【0050】
図2は、本発明による清浄なベンチュリ吸引の態様または単純化したブロック図の形態の対応する眼科用カセット50を示す。図は、主に先述の機能性の拡張を構成し、そのために変更がない要素をここでもまた具体的に論じることはせず、代わりに参照が上記の記載に対してなされるべきである。具体的には、眼科用カセット50の本発明による拡張されたこの態様において、追加のポンプ機構60、例として、ベンチュリまたは膜ポンプが吸引システムに加えられる。示された態様では、追加のバルブ65bおよび任意の気泡検出器68bも示される。これらの要素を用いることによって、
図1で説明した吸引に加えて、液体は液体領域10からカセット50の排出口70から排出され、そこには排出可能な廃棄物袋33を取り付けることができる。液体領域10は、それゆえここでもまた空にすることができ、カセット50は、液体領域10が充満したときに交換する必要は必ずしもない。さらに、この追加のポンプ機構60の本発明による詳細な適用の可能性を、以後記載する。そのために機能的に必要である任意の第2吸引接続12bならびにバルブ65cおよび65dも示される。カセット50のこの態様は、例として、基本的なカセットを補完することにより形成することもでき、領域36による一例としてここで表示される本発明による清浄なベンチュリ交換部分のために必要であるので、追加のポンプ機構60をすでに含む。基本的なカセットは、同日に同一出願人によって出願され、参照により本明細書に組み入れられる欧州特許出願第16197018号としてより具体的に設計できる。
【0051】
図3に、本発明による交換部分1の単純化した説明図を断面の描写で例示的に示す。ここに示されるものは、トレイ11すなわち半殻11であり、硬質であり、例として、例えば先述の硬いプラスチックまたは金属などの硬質材料から形成される。態様のために具体的に使用することができる材料の可能な例は、例として、医療用途に許容されたポリプロピレンまたはこの用途に必須の性質を満足するもう一つの同程度に硬いプラスチック材料であり、とりわけ、例として約800MPa以上の曲げ弾性率を例として有するものである。このトレイ11は、好ましくは例として射出成形または熱成形/深絞りを用いて製造できる。半殻11は、液体領域10の一部を形成し、接続12を経由して眼科用吸引システムに接続できる。膜13は、液体領域10の更なる一部をその平坦側上に形成し、密封方式で半殻11に接続される。ここで、膜13は、とりわけフィルムとして形成される。例として、膜は、先述のプラスチックの一つから、および金属箔を用いて、柔軟で、特に適切な薄い膜厚または壁厚を有するので材料に適合するような方法で形成される。ポリアミド(PA)および/またはポリプロピレン(PP)を用いた、1mm未満の厚さ、例として、0.06mmの厚さが好ましい。一つの態様では、複数の材料からフィルムが形成されることもあり、例として、PAから形成された厚さ約20μmの層およびPPから形成された厚さ約50μmの層を用いる。材料の利点は、それゆえ組み合わせることができ、例として、PP層は半殻11に対する溶着性については、利点を有することができ、それはとりわけ後者が同じようにPPから形成されている場合である。それゆえに、フィルム13は、液体領域10の内側に半殻11と同一の材料または相溶性がある材料でそれゆえ構築できる。膜13の外側は、例として引裂強度、バリア特性、封止特性、柔軟性などについての他の利点を有する材料から例としてなることができる。先述の例では、フィルムは、例としてPAから形成されるが、他の材料、例としてアルミニウムから形成することもできる。
【0052】
半殻11および膜13の密封封止は、例として溶着、接着、プレス、固定により、射出成形、多成分射出成形などにおける膜13の挿入によって達成できる。示した例では、これは、封止肩部14で達成される。
【0053】
膜13の外側上で、液体領域の反対側に、提供された負圧領域20がある。これは、交換部分1が挿入されていない場合、少なくとも部分的に開放されており、この側から膜13への(少なくとも圧縮空気の)アクセスがある。とりわけ、一つの態様では、交換部分1の膜13は、交換部分が挿入されていない状況では、開放的にアクセス可能であるが、あるいは、もう一つの態様では、交換部分1は、負圧領域20に覆いを有することもでき、その覆いは負圧を導入するための空気接続22から離れている負圧領域20を密閉して閉鎖する。とりわけ、交換部分1に覆いがない態様では、負圧領域20の一部が装置内に位置する対部分21に形成される。この対部分21は、負圧を生成するための機構(ここでは示されない)に空気圧で接続され、同じように装置内に位置する。ここで示される単純化した略図では、この対部分21は、交換部分1が装置に挿入されたときに間に配置される封止15を経由して交換部分の負圧側に対して隣接させる板として図示される。どの場合でも、負圧を生成する機構から離れて、とりわけ、密閉して閉鎖した体積は、それゆえ負圧領域20として形成され、吸引用の負圧により作用できる。
【0054】
本発明によるもう一つの態様では、対部分21は、当該機能を実施する場合、ここで示される板の形態から外れることができ、例として、空隙、半殻などを形成できる。封止15は、ここでは交換部分1または対部分21またはそれらの両方にも結合できる。封止15は、その後、交換部分1と共に置き換えることができ、そのために継時的に摩耗する可能性がないので、好ましくは交換部分1に結合する。
【0055】
本発明によるもう一つの態様では、対部分21は、半殻または空隙として設計することもでき、交換部分1は、実質的に平坦にまたは半殻と同じように形成できる。一つの実用的な態様は、例として、それゆえ逆にも構築できる。例として、それは、装置99内の空隙を用いて構築でき、空隙は、大気に対して密封封止を提供する方式で交換挿入物1が挿入されたときに交換挿入物1の液体領域10上に静止し、液体領域が膜13により柔軟な袋の形態で形成される。液体領域10を形成する袋は、ここで負圧領域内20において活性化し、それは、装置99内の空隙により負圧室または吸い取り室として形成される。ここで、この袋は、少なくとも部分的に交換部分1に接続することもでき、またはそれにより形成できる。
【0056】
図4は、例として、交換部分1および装置側の対部分21の単純化され拡張された説明図を示し、機能的な観点から最も必須である要素のみが示される。固いトレイ11は、交換部分1のキャリアーを形成し、操作され眼科用装置に挿入される。柔軟なフィルム13は、周辺部がトレイ11に、とりわけ気密で水分漏れがない方式で固定して接続される。封止15は、好ましくは交換部分1の部分でもあり、とりわけ、それに固定して接続される。封止は、取り囲み方式でフィルム13の負圧側に差し込まれるような方法で、とりわけ、密閉負圧領域が封止を経由して交換部分側に形成されるような方法で配置される。
【0057】
挿入は、例として、垂直に示される方向で、すなわち、例として説明図の後方へと、装置内の溝に対して実施され、交換部分1は、その結果側方から、すなわち、例としてこの説明図内で右手側から、装置側の対部分21を用いて、封止15がその機能を実施するような方法で装置内に固定される。代替態様では、交換部分1は、装置に対して膜側に平坦に挿入することもでき、封止15は装置側の対部分25で終結し、換言すると、装置は、それゆえ示される説明図中で右に配置され、ここで対部分21のみが装置の一部として示される。装置は、液体領域のための充填レベルセンサ31および/または漏れを検出するための水分センサ32を、好ましくは負圧領域に任意で有してもよい。
【0058】
図5aは、本発明による交換部分1の可能な構造の態様を示す。トレイ11は、硬質プラスチックから形成される射出成型部品として示される。このトレイ11の内部空隙の少なくとも一部は、ここで膜13と共に液体領域10をここで形成する。交換部分は、外部に基本カセットを取扱うためおよび/または固定するためのタブ33を有する。この態様では、トレイ11の中央に、形成されたドーム形状の隆起部18があり、それを用いることによって、例として、液体領域への体積変化の場合に、膜13(ここでは示されず)の改善された寸法安定性および/または有利な変形挙動が達成できる。清浄性のために、好ましくは吸引接続12用のまたは対部分用21(ここでは形成されず)のエラストマーまたは熱可塑性エラストマーから形成された封止要素および液体領域内の圧力測定機構用の測定膜41が示される。可能な態様の具体的な材料の例は、とりわけ、例として、約20から100のショア―A硬度を有する、例として、医療用途に許容された熱可塑性エラストマーまたは弾塑性物またはこの用途に必須の性質について同程度であるもう一つの軟質プラスチック材料である。
【0059】
図5bは、本発明による交換部分1の上記の例示的な態様を他の側面から示す。隆起部18は、それゆえに、くぼみをここでは形成し、例として、装置内の交換部分1の中央に用いることができる。誘導ウエブ19は、交換挿入物1の装置への挿入を容易にするために、この例の最上部および最底部に位置することもできる。外側からアクセス可能な圧力測定機構のための部品41も示される。
【0060】
図6aでは、本発明による交換挿入物1の更なる例示的な態様が示され、全体として交換可能な、すなわち特に更なる機能性を有する基本カセット51と連動する眼科用カセット50の一部として設計される。前の態様では、交換挿入物1は、それ自体がこの種の眼科用カセット50として設計されたが、今回提示される例と比較してより少ない機能性を有していた。
【0061】
半殻11すなわちベンチュリトレイ11、液体領域10と負圧領域との間の分離としての封止15およびフィルム13は、既に記載され、ここで同じようにまたは同様に具体化することができる。圧力測定膜41上の固定された覆い42は、ベンチュリトレイ11の膜13との接触を防ぐために液体領域10中にここで示され、それはこれが圧力測定を妨げる可能性があるからである。ベンチュリトレイ11の液体領域10は、カセット50前面の吸引接続12に水圧で接続されており、これは,挿入された状態でアクセス可能である。保持フックまたはハンドル34は、片手挿入のためにとりわけここで設計される。追加的にここで示されるのは、任意の追加のポンプ機構60であり、示される例では、蠕動ポンプとして設計されるが、例として、例えば膜ポンプ等のもう一つのポンプ機構でもよい。とりわけ表示されるものは、カセット50の柔軟な液体流路部分であり、それを用いて装置中のローラー(ここでは示されず)により圧搾ポンプ効果を達成することができる。この追加のポンプ機構は、水圧で吸引液体システムに、すなわち、とりわけ液体領域10に接続される。更なる部分的な本発明による態様として、液体(または任意の空気も)は、この追加のポンプ機構60を用いることによって液体領域から廃棄物接続に移送可能である。例として、吸入された液体を受容するための袋は、この廃棄物接続に接続でき、袋はその後処分できる。この態様では、液体領域10の充填レベルは、減少させることができ、好ましくは、液体領域10全体が少なくともほぼ空になることができる。これは、本発明に従って外科手術の間、外科手術の小休止の間または外科手術の時間外のときに行うことができる。本発明による清浄なベンチュリシステムが万一故障したときは、この追加のポンプ機構60は、予備の選択肢として使用することもできる。本発明に従うと、清浄なベンチュリシステムおよび追加のポンプ機構60を組み合わせた適用は、とりわけ、流動的なもしくは突然の移行で、または恒久的に組み合わせた適用として可能である。追加的なポンプ機構60は、例として閉塞の場合に吸引送出を増加するために、追加の吸引圧力または吸引体積引き上げとして使用することもできる。閉塞を除去するための一時的な液体の戻りは、追加のポンプ機構60と共に使用することもできる。液体領域10を完全に空にすることは、例として、吸引システムの負圧がその結果急速に増加する(例として、圧力測定機構40を用いることによって検出される)ということで検出することもできる。患者からの吸引の新たな活性化のための穏やかな圧力増加を確保する目的で、この増加した負圧を減らすために空にする機構の短い戻りを適用することもできる。
【0062】
図6bは、別の側から見る上の例示的態様を示す。表示される要素は、既に説明されている。追加的に示されるのは、吸引液体経路内のバルブ65aまたは65bであり、それを用いることによって流動断面を変動でき、とりわけ閉鎖または開放できる。これらを用いることで、液体領域への吸引は、切り替えまたは制御できる。追加のポンプ機構60に対する接続または切り替えは、それにより遂行することもできる。吸引システム内の空気の光学的検出のためのカセット50内の観察窓を用いてここで設計される気泡モニタ68も示される。
【0063】
図7は、本発明の交換挿入物1のコア部分として、本発明によるベンチュリトレイ11の態様の例を示す。例示的な圧力センサ覆い42は、例として、それを用いることによって追加のポンプ機構60により液体領域10が完全に空になったことが液体領域10内の検出された負圧値の上昇に基づいて決定できる、および/またはそれを用いることで機能不良または満杯の液体領域であることを液体領域内10の負圧値の低下に基づいて決定できる圧力測定機構を提供する態様として見ることもできる。
【0064】
図8aは、本発明によるベンチュリトレイ11の態様の本発明に従う例を、本発明による交換挿入物1のコア部分として断面の描写で今は図示する。フィルムとして具体化される薄い膜13は、液体領域が空である時にその位置で今は示すこともできる。切り替え記号31は、液体領域10の装置側充填レベル監視を記号で示し、例として、膜13により作動する切り替え要素によって遂行できる。詳細66は、
図8bに、ここでもまた示される。ここで、位置13aの膜は、交換挿入物の第1生成ステップの開始位置を表すことができる。続く生成ステップでは、好ましくは負圧をその吸引接続を経由して液体領域10に導入することにより、任意に膜13を加熱することによっても、膜13は位置13aから位置13bに熱成形される。とりわけ、膜13は、その結果、位置13bに安静位置として留まることができ、交換挿入物は、初めて使用するときにこの形態で提供される。あるいは、膜13は、例として更なるポンプ機構60を用いることによって装置が作動する場合のみ異なる位置で提供することもできて装置内で位置13bになるが、とはいえ、例として必要な時間のために通例不利である。
【0065】
図8cは、ここでもまた
図8aからの詳細を示すが、例として吸引の間に膜13は中間位置にあり、液体領域10および負圧領域20の両方がそれらの最大と最小との間で体積を有する。
【0066】
図9は、例として廃棄物サックまたは廃棄物袋である廃棄物容器33の例示的な態様を示す。それは、カセットの廃棄物接続70へのその接続34を用いることによって接続でき、この廃棄物接続70はとりわけ機械的または光学的にプログラムされて、それがカセットのもう一つの接続と混同することを防ぐ。清浄なベンチュリトレイ10の液体領域10からの液体は、本発明の一つの態様に従って廃棄物容器33に排出される。廃棄物容器は、とりわけカセット50への直接接続用の特別な器具35を有し、カセットは、対応する対応物を有することができる。
【0067】
図10は、一例として、本発明による交換挿入物1の態様として、本発明による眼科用カセット50の例示的な態様を用いる本発明による、その中で受容される、眼科用装置99の例示的な態様の詳細を示す。カセット50および交換挿入物1の詳細では、上記の記載が参照される。例として、超音波水晶体乳化吸引術用ハンドピース91は、挿入物の吸引接続12に接続され、目90の外科手術を実施するために使用することができる。この吸引接続12は、記載したように、とりわけ、例として少なくとも数個のバルブ、圧力センサ、気泡検出器、追加のポンプ機構などを経由してカセット50内で交換挿入物(またはカセット)の液体領域に接続され、この例では、その基本構造中にただ記号的に示されるだけであり、とりわけ
図1および
図2および関連する記載に従って具体化できる。この態様に示される追加のポンプ機構60を用いることによって、液体は、液体領域10から直接廃棄物接続70に取り付けられた廃棄物袋33に排出することもできる。負圧領域20は、膜13によって液体領域10から密閉して分離される。この負圧領域20は、この態様ではカセット50および対部分21により形成され、例として対部分21が接続22を経由して真空ポンプ28に接続される点において示されるように、空気がこの負圧領域20から吸い取られる。明瞭性のために、装置の更なる詳細は、ここでは示されない。