(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】線形可変差動変換器
(51)【国際特許分類】
H01F 30/10 20060101AFI20220411BHJP
G01B 7/00 20060101ALI20220411BHJP
G01D 5/22 20060101ALI20220411BHJP
H01F 5/02 20060101ALI20220411BHJP
H01F 27/24 20060101ALI20220411BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
H01F30/10 L
G01B7/00 101E
G01D5/22 A
H01F5/02 F
H01F27/24 E
H01F27/28 K
H01F30/10 C
(21)【出願番号】P 2019572464
(86)(22)【出願日】2018-05-09
(86)【国際出願番号】 KR2018005315
(87)【国際公開番号】W WO2019009513
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2020-02-05
(31)【優先権主張番号】10-2017-0084987
(32)【優先日】2017-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0048479
(32)【優先日】2018-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515168374
【氏名又は名称】テグ キョンブク インスティトゥート オブ サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ユン ドンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ムン ジョンイル
【審査官】後藤 嘉宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/125236(WO,A1)
【文献】実開昭58-006212(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0153126(US,A1)
【文献】実開昭49-056418(JP,U)
【文献】特開2012-073135(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3093859(EP,A1)
【文献】米国特許第4694246(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 30/10
H01F 27/28
H01F 5/02
H01F 27/24
G01B 7/00
G01D 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線の方向に延長された形状を有する移動部と、
前記移動部が前記軸線の方向に動くことができるように、貫通孔が形成され、その外周面は、前記軸線の方向を基準にするとき、その中心線に対して対称に傾斜のついた形状を有
し、外周面の形状が、前記中心線が通過する部分の直径が最大であるように構成されたボビンと、
前記ボビンの外周面に巻き付けられた第一次コイルと、
前記巻き付けられた第一次コイルに巻き付けられるが、その巻き付けられた外面が、前記軸線に対して平行な形状を有する第二次コイルと、
前記ボビンの両端部に設けられた支持板と、を含む線形可変差動変換器であって、
前記支持板のそれぞれには移動孔が形成され、
前記移動部は、コアとコアロッドを含み、前記コアロッドの直径は前記コアの直径よりも短く、前記移動部の少なくとも一部は前記貫通孔にスライディング自在になるように収容され、
前記移動孔の内径が前記貫通孔の内径よりも短く形成されることにより、前記コアは前記移動孔を介して移動することはできないが、前記コアロッドは前記移動孔を介して移動自在に構成され、
前記第一次コイルは、前記ボビンの全体長にかけて一定厚に巻き付けられ、
前記第二次コイルの前記ボビン側に向かう内面の形状は、前記軸線の方向を基準にするとき、その中心線に対して対称に傾斜
がつくことにより前記ボビンの中心線から遠くなるほど、その巻き付け厚が厚くなるように設計されていることを特徴とする、
線形可変差動変換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線形可変差動変換器に関する。
【背景技術】
【0002】
線形可変差動変換器(linear variable differential transformer)は、システムの変位を測定するのに使用される変位センサである。
線形可変差動変換器は、変圧器の原理によって作動するが、感度にすぐれ、精密な測定結果を得ることができる。また、線形可変差動変換器は、小型及び軽量に具現することができ、一般的な環境において、温度や湿度などの制限なしに使用可能であり、液体またはガスの環境で使用するとき、シーリングが良好であるという長所がある。
【0003】
従来の線形可変差動変換器の構造が、
図1に開示されている。
図1に図示されているように、従来の線形可変差動変換器10は、強磁性体からなる移動部11と、移動部11がスライディング自在になるように設けられたボビン12と、ボビン12の外周面に巻き付けられた第一次コイル13と、第一次コイル13に巻き付けられた第二次コイル14と、を含み、移動部11が動くことによって生じる電圧差により、移動部11の変位を測定することになる。
【0004】
ところで、従来の線形可変差動変換器10の場合、第一次コイル13は、ボビン12に一定厚に巻き付けられるのに比し、第二次コイル14は、ボビン12の中心線CからエッジEに行くほど、その巻き付け厚が変わってしまう形状を有することになる。
そのような第二次コイル14の巻き付けられた形状は、エッジのエンドエフェクト(end effect)の効果などを低減させるためであるが、ボビン12のエッジE側に行くほど、第二次コイル14の巻き付け厚が、所定の比率で変化しなければならないので、その製造工程が困難であり、従って、製品の生産速度及び製造収率は、それを遂行する作業者の熟練度に影響を多く受けた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一側面によれば、製造時、生産効率を向上させることができる構造を有する線形可変差動変換器を具現することを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、軸線の方向に延長された形状を有する移動部と、前記移動部が前記軸線の方向に動くことができるように貫通孔が形成され、その外周面は、前記軸線の方向を基準にするとき、その中心線に対して対称に傾斜のついた形状を有するボビンと、前記ボビンの外周面に巻き付けられた第一次コイルと、前記巻き付けられた第一次コイルに巻き付けられるが、その巻き付けられた外面が、前記軸線に対して平行な形状を有する第二次コイルと、を含む線形可変差動変換器を提供する。
【0007】
また、本発明の他の側面によれば、軸線の方向に延長された形状を有する移動部と、前記移動部が前記軸線の方向に動くことができるように貫通孔が形成され、その外周面は、前記軸線の方向を基準にするとき、その中心線に対して対称に傾斜のついた形状を有するボビンと、前記ボビンの外周面の中間部に巻き付けられるが、その巻き付けられた外面が、前記軸線に対して平行な形状を有する第一次コイルと、前記ボビンの外周面の部分のうち、前記巻き付けられた第一次コイルの両側に位置した部分に巻き付けられるが、その巻き付けられた外面が、前記軸線に対して平行な形状を有する第二次コイルと、を含む線形可変差動変換器を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、製造時、生産効率を向上させることができる構造を有する線形可変差動変換器を提供する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】従来の線形可変差動変換器の断面を図示した概略的な図面である。
【
図2】本発明の第1実施形態による線形可変差動変換器の概略的な断面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態による線形可変差動変換器のボビンの概略的な斜視図である。
【
図4】本発明の第2実施形態による線形可変差動変換器の概略的な断面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態による線形可変差動変換器のボビンの概略的な斜視図である。
【
図6】本発明の第3実施形態による線形可変差動変換器の概略的な断面図である。
【
図7】本発明の第3実施形態による線形可変差動変換器のボビンの概略的な斜視図である。
【
図8】本発明の第4実施形態による線形可変差動変換器の概略的な断面図である。
【
図9】本発明の第4実施形態による線形可変差動変換器のボビンの概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一側面によれば、軸線の方向に延長された形状を有する移動部と、前記移動部が前記軸線の方向に動くことができるように貫通孔が形成され、その外周面は、前記軸線の方向を基準にするとき、その中心線に対して対称に傾斜のついた形状を有するボビンと、前記ボビンの外周面に巻き付けられた第一次コイルと、前記巻き付けられた第一次コイルに巻き付けられるが、その巻き付けられた外面が、前記軸線に対して平行な形状を有する第二次コイルと、を含む線形可変差動変換器を提供する。
【0011】
ここで、前記第一次コイルと前記第二次コイルとのうちいずれか一つのコイルは、前記ボビンの全体長にかけて一定厚に巻き付けられ、前記第一次コイルと前記第二次コイルとのうち残り一つのコイルの前記ボビン側に向かう内面の形状は、前記軸線の方向を基準にするとき、その中心線に対して対称に傾斜がつくようにも形成される。
【0012】
ここで、前記ボビンの外周面の形状は、前記中心線が通過する部分の直径が最大にもなる。
【0013】
ここで、前記第一次コイルは、前記ボビンの全体長にかけて一定厚にも巻き付けられる。
【0014】
ここで、前記ボビンの外周面の形状は、前記中心線から遠くなるほど、その直径がさらに大きくもなる。
【0015】
ここで、前記第一次コイルの巻き付けられた外面の形状は、前記軸線に対して平行でもある。
【0016】
ここで、前記第二次コイルは、前記ボビンの全体長にかけて一定厚にも巻き付けられる。
【0017】
本発明の他の側面によれば、軸線の方向に延長された形状を有する移動部と、前記移動部が前記軸線の方向に動くことができるように貫通孔が形成され、その外周面は、前記軸線の方向を基準にするとき、その中心線に対して対称に傾斜のついた形状を有するボビンと、前記ボビンの外周面の中間部に巻き付けられるが、その巻き付けられた外面が、前記軸線に対して平行な形状を有する第一次コイルと、前記ボビンの外周面の部分のうち、前記巻き付けられた第一次コイルの両側に位置した部分に巻き付けられるが、その巻き付けられた外面が、前記軸線に対して平行な形状を有する第二次コイルと、を含む線形可変差動変換器を提供する。
【0018】
ここで、前記ボビンの外周面の形状は、前記中心線が通過する部分の直径が最大にもなる。
【0019】
ここで、前記第一次コイルの前記ボビン側に向かう内面の形状は、前記軸線の方向を基準にするとき、その中心線に対して対称に傾斜がついてもよい。
【0020】
ここで、前記第二次コイルの前記ボビン側に向かう内面の形状は、前記軸線の方向を基準にするとき、その中心線に対して対称に傾斜がついてもよい。
【0021】
ここで、前記ボビンの外周面の形状は、前記中心線から遠くなるほど、その直径がさらに大きくもなる。
【0022】
ここで、前記第一次コイルの前記ボビン側に向かう内面の形状は、前記軸線の方向を基準にするとき、その中心線に対して対称に傾斜がついてもよい。
【0023】
ここで、前記第二次コイルの前記ボビン側に向かう内面の形状は、前記軸線の方向を基準にするとき、その中心線に対して対称に傾斜がついてもよい。
【0024】
ここで、前記第一次コイルの巻き付けられた外面と、前記第二次コイルの巻き付けられた外面は、前記軸線から同距離に位置することができる。
【0025】
以下、添付された図面を参照し、望ましい実施形態による本発明について詳細に説明する。また、当該の明細書及び図面において、実質的に同一構成を有する構成要素については、同一符号を使うことにより、重複説明を省略する。
【0026】
以下、
図2及び
図3を参照し、本発明の第1実施形態に係わる線形可変差動変換器100について説明する。
【0027】
図2は、本発明の第1実施形態による線形可変差動変換器の概略的な断面図であり、
図3は、本発明の第1実施形態による線形可変差動変換器のボビンの概略的な斜視図である。
【0028】
図2に図示されているように、本発明の第1実施形態による線形可変差動変換器100は、移動部110、ボビン120、第一次コイル130、第二次コイル140を含む。
【0029】
移動部110は、コア111とコアロッド112とを含み、全体的に、軸線Sの方向に延長された形状を有し、断面が円形である棒の形状を有する。
【0030】
本第1実施形態による移動部110は、断面が円形である棒の形状を有するものの、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明による移動部の形状は、多様な変形が可能である。例えば、本発明による移動部は、断面が四角形であるビームの形状を有することもでき、断面が楕円形である棒の形状を有することもできる。
【0031】
コア111は、強磁性体(ferromagnetic)の素材を含んでなる第一次コイル130及び第二次コイル140と電磁気的相互作用を起こす。
【0032】
コアロッド112は、コア111を支持するが、コアロッド112の直径は、コア111の直径よりは小さくなっているので、コアロッド112は、支持板121の移動孔121aを通過してスライディングが可能になるように構成される。
【0033】
一方、ボビン120は、移動部110の動きをガイドするが、そのために、移動部110が軸線Sの方向に動くことができるように、貫通孔120aが軸線Sの方向に形成されている。すなわち、貫通孔120aには、移動部110の少なくとも一部がスライディング自在になるように収容される。
【0034】
また、ボビン120の外周面120bには、第一次コイル130が巻き付けられ、ボビン120の両端部には、板状の支持板121が設けられる。
【0035】
支持板121には、移動孔121aが形成されるが、移動孔121aの内径は、貫通孔120aの内径より小さく形成される。従って、コア111は、移動孔121aを介して移動することができないが、コアロッド112は、移動孔121aを介して移動自在に構成される。
【0036】
本第1実施形態によれば、ボビン120の全ての支持板121に、移動孔121aが形成されているが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、ボビンの支持板のうち一つだけに移動孔が形成されもし、その場合、移動孔が形成されていない支持板により、移動部の動きが制限されることになる。
【0037】
一方、
図3に図示されているように、ボビン120の外周面120bは、軸線Sの方向を基準にするとき、その中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状を有する。ここで、中心線Cは、軸線Sに対して垂直である。
【0038】
特に、本第1実施形態によるボビン120の外周面120bの形状は、ボビン120の部分のうち、中心線Cが通過する部分の直径D1が最大になるように形成される。
【0039】
本第1実施形態によるボビン120の場合には、ボビン120の部分のうち、中心線Cが通過する部分の直径D1が最大になるように構成されるが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によるボビンの外周面は、多様な形状を有することができる。
【0040】
一方、第一次コイル130は、ボビン120の外周面120bに巻き付けられるが、第一次コイル130は、ボビン120の全体長にかけて一定厚t1に巻き付けられることになる。
【0041】
ここで、第一次コイル130の巻き付けられた厚みt1が一定であるという意味は、その厚みが実質的に一定であるという意味であり、その厚みの厚さに若干変動がある場合も含むという意味である。それは、第一次コイル130は、実際にワイヤを巻いてなっているために、巻き付け過程において、その厚みに若干の変動が存在することにもなり、ワイヤの形状により、その巻き付けられた表面も、若干凹凸が生じるためである。
【0042】
そのような第一次コイル130の巻き付けられた形状と、ボビン120の形状とにより、第一次コイル130のボビン120側に向かう内面130aの形状は、軸線Sの方向を基準にするとき、その中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状を有することになる。
【0043】
一方、第二次コイル140は、前記巻き付けられた第一次コイル130の上に巻き付けられるが、第二次コイル140の巻き付けられた外面141は、軸線Sに対して平行な形状を有するようにする。
【0044】
ここで、第二次コイル140の外面141が、軸線Sに対して平行な形状を有するという意味は、その外面141が、軸線Sに対して実質的に平行であるという意味であり、その外面141の位置に、若干変動がある場合も含むという意味である。それは、第二次コイル140は、実際にワイヤを巻いてなっているので、巻き付け過程において、平行を基準にして若干の変動が存在することにもなり、ワイヤの形状により、その巻き付けられた表面も、若干凹凸が生じるためである。
【0045】
そのような第二次コイル140の巻き付けられた形状と、ボビン120の形状とにより、第二次コイル140のボビン120側に向かう内面140aの形状は、軸線Sの方向を基準にするとき、その中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状を有することになる。
【0046】
第二次コイル140の場合、ボビン120の中心線Cから遠くなるほど、その巻き付け厚がさらに厚くなるように設計されるが(ワイヤがさらに多く巻き付けられるように設計される)、それは、エッジのエンドエフェクト効果を低減させ、移動部110の変位測定の精度を高めるためである。すなわち、ボビン120の中心線Cから遠くなるほど、第一次コイル130の厚み対比で、第二次コイル140の厚みの比率がだんだんとさらに大きくなるように設計される。
【0047】
ところで、本第1実施形態においては、ボビン120の外周面120bの形状は、中心線Cが通過する部分の直径が最大になるように設計されており、第一次コイル130は、ボビン120の全体長にかけて一定厚t1で巻き付けられているので、作業者が第二次コイル140を巻き付けるとき、その外面141が、軸線Sに対して平行な形状になるように巻き付けるならば、第二次コイル140の巻き付けられた厚みは、ボビン120の中心線Cから遠くなるほど、さらに厚くなることになるので、エンドエフェクト効果を低減させることができるようになる。
【0048】
一方、本第1実施形態によれば、ボビン120と第一次コイル130との間と、第一次コイル130と第二次コイル140との間とに、絶縁部材が存在しないが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、ボビン120と第一次コイル130との間と、第一次コイル130と第二次コイル140との間とに、さらなる絶縁部材が存在する。
【0049】
以上で説明した線形可変差動変換器100の構成以外の他の構成は、公知の線形可変差動変換器の構成をそのまま利用することができるので、それに係わる詳細な説明は、省略する。
【0050】
以下、本発明の第1実施形態に係わる線形可変差動変換器100の製造工程について説明する。
【0051】
まず、メーカーは、コア111とコアロッド112とを具備した移動部110を準備する。そして、ボビン120の貫通孔120aの内側に、コア111を位置させた後、支持板121をボビン120の両端部に設ける。
【0052】
次に、メーカーは、ボビン120の外周面120bに、第一次コイル130を巻くが、第一次コイル130がボビン120の全体長にかけて一定厚t1に巻き付けられるようにする。
【0053】
メーカーは、第一次コイル130を巻いた後、その巻き付けられた第一次コイル130上に、第二次コイル140を巻く。
【0054】
第二次コイル140を巻き付けるとき、その巻き付けられた外面141が、軸線Sに対して平行な形状を有さなければならないので、作業者は、巻き付けられる第二次コイル140の外面141が、軸線Sに対して平行であるか否かということを確認しながら、第二次コイル140を巻く。ここで、巻き付けられる第二次コイル140の外面141が、軸線Sに対して平行であるか否かということを知る方法は、さまざまであるが、そのうち一例を挙げれば、第二次コイル140を巻く作業中、第二次コイル140の外面141の直径をノギスのような測定道具で測定することにより、「ボビン120の全長にわたって、第二次コイル140の外面141の直径が一定であるか否かということ」で確認することができる。すなわち、ボビン120の全長にわたって、第二次コイル140の外面141の直径が一定であるならば、幾何学的な構造により、当然のこととして、外面141は、軸線Sに対して平行になる。また、「巻き付けられる第二次コイル140の外面141が、軸線Sに対して平行であるか否かということ」を知ることができる方法の他例として、平行を測定する道具を使用したり、リアルタイムで映像または写真撮影などを介して確認したりする方法などもある。
【0055】
本第1実施形態によれば、移動部110をボビン120に設けた後、第一次コイル130及び第二次コイル140を順次に巻く順序で、線形可変差動変換器100を製造するが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、ボビン120に、第一次コイル130及び第二次コイル140を巻いて設けた後、移動部110をボビン120に設けることもできる。
【0056】
以下、本発明の第1実施形態に係わる線形可変差動変換器100の作動について説明する。
【0057】
作動時、第一次コイル130に交流電圧を印加した状態で、移動部110が動くことになれば、コア111により、第二次コイル140の両端に電圧差が生じる。そのような電圧差は、移動部110の変位に比例することになるので、制御部(図示せず)は、そのような電圧差を利用し、移動部110の変位を測定することになる。
【0058】
以上のように、本第1実施形態による線形可変差動変換器100は、ボビン120の外周面120bの形状を、中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状で形成することにより、第二次コイル140を巻き付けるとき、軸線Sの方向にその巻き付け厚に変化を与えても、作業者は、容易に、第二次コイル140の外面141の形状を軸線Sに対して平行な形状にすることができる。すなわち、作業者は、第二次コイル140を巻く作業を行うとき、第二次コイル140の外面141が、軸線Sに対して平行になるように巻きさえすればよいので、作業者は、迅速で容易に、第二次コイル140を巻く作業を遂行することができることになる。すなわち、線形可変差動変換器100の第二次コイル140を巻く工程において、作業者の熟練度と関係なく、精密で容易に、第二次コイル140を巻くことができることになるので、高い製造工程効率及び高い製造収率を具現することができることになる。
【0059】
以下、
図4及び
図5を参照し、本発明の第2実施形態に係わる線形可変差動変換器200について説明する。
【0060】
図4は、本発明の第2実施形態による線形可変差動変換器の概略的な断面図であり、
図5は、本発明の第2実施形態による線形可変差動変換器のボビンの概略的な斜視図である。
【0061】
図4に図示されているように、本発明の第2実施形態による線形可変差動変換器200は、移動部210、ボビン220、第一次コイル230、第二次コイル240を含む。
【0062】
移動部210は、コア211とコアロッド212とを含み、全体的に、軸線Sの方向に延長された形状を有し、断面が円形である棒の形状を有する。
【0063】
本第2実施形態による移動部210は、断面が円形である棒の形状を有するものの、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明による移動部の形状は、多様な変形が可能である。例えば、本発明による移動部は、断面が四角形であるビームの形状を有することもでき、断面が楕円形である棒の形状を有することもできる。
【0064】
コア211は、強磁性体の素材を含んでなる第一次コイル230及び第二次コイル240と電磁気的相互作用を起こす。
【0065】
コアロッド212は、コア211を支持するが、コアロッド212の直径は、コア211の直径よりは小さくなっているので、コアロッド212は、支持板221の移動孔221aを通過してスライディングが可能になるように構成される。
【0066】
一方、ボビン220は、移動部210の動きをガイドするが、そのために、移動部210が軸線Sの方向に動くことができるように、貫通孔220aが軸線Sの方向に形成されている。すなわち、貫通孔220aには、移動部210の少なくとも一部がスライディング自在になるように収容される。
【0067】
また、ボビン220の外周面220bには、第一次コイル230が巻き付けられ、ボビン220の両端部には、板状の支持板221が設けられる。
【0068】
支持板221には、移動孔221aが形成されるが、移動孔221aの内径は、貫通孔220aの内径より小さく形成される。従って、コア211は、移動孔221aを介して移動することができないが、コアロッド212は、移動孔221aを介して移動自在に構成される。
【0069】
本第2実施形態によれば、ボビン220の全ての支持板221に、移動孔221aが形成されているが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、ボビンの支持板のうち一つだけに移動孔が形成されもし、その場合、移動孔が形成されていない支持板により、移動部の動きが制限されることになる。
【0070】
一方、
図5に図示されているように、ボビン220の外周面220bは、軸線Sの方向を基準にするとき、その中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状を有する。ここで、中心線Cは、軸線Sに対して垂直である。
【0071】
特に、本第2実施形態によるボビン220の外周面220bの形状は、ボビン220の部分のうち、中心線Cが通過する部分の直径D2が最小になるように形成される。すなわち、ボビン220の外周面220bの形状は、中心線Cから遠くなるほど、その直径がさらに大きくなるように構成され、ボビン220は、全体的に杖鼓の形状を有する。
【0072】
本第2実施形態によるボビン220の場合には、ボビン220の部分のうち、中心線Cが通過する部分の直径D2が最小になるように構成されるが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によるボビンの外周面は、多様な形状を有することができる。
【0073】
一方、第一次コイル230は、ボビン220の外周面220bに巻き付けられるが、第一次コイル230の巻き付けられた外面231が、軸線Sに対して平行な形状を有するようにする。
【0074】
ここで、第一次コイル230の外面231が、軸線Sに対して平行な形状を有するという意味は、実質的に平行であるという意味であり、その外面231の位置に若干変動がある場合も含むという意味である。それは、第一次コイル230は、実際にワイヤを巻いてなっているので、巻き付け過程において、平行を基準にして若干の変動が存在することにもなり、ワイヤの形状により、その巻き付けられた表面も、若干凹凸が生じるためである。
【0075】
そのような第一次コイル230の巻き付けられた形状と、ボビン220の形状とにより、第一次コイル230のボビン220側に向かう内面230aの形状は、軸線Sの方向を基準にするとき、その中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状を有することになる。
【0076】
第一次コイル230の場合、ボビン220の中心線Cから遠くなるほど、その巻き付け厚がさらに薄くなるように設計されるが(ワイヤがより少なくまかれるように設計する)、それは、エッジのエンドエフェクト効果を低減させ、移動部210の変位測定の精度を高めるためである。すなわち、ボビン220の中心線Cから遠くなるほど、第二次コイル240の厚み対比で、第一次コイル230の厚みの比率がだんだんさらに小さくなるように設計される。
【0077】
ところで、本第2実施形態においては、ボビン220の外周面220bの形状は、中心線Cが通過する部分の直径が最小になるように設計されている。従って、作業者が第一次コイル230を巻き付けるとき、その外面231が、軸線Sに対して平行な形状になるように巻き付け、二次コイル240をボビン220の全体長にかけて一定厚t2で巻き付けるならば、ボビン220の中心線Cから遠くなるほど、第一次コイル230の厚み対比で、第二次コイル240の厚みの比率がだんだんさらに大きくなるように構成されるので、エンドエフェクト効果を低減させることができることになる。
【0078】
一方、第二次コイル240は、前記巻き付けられた第一次コイル230上に巻き付けられるが、ボビン220の全体長にかけて一定厚t2に巻き付けられることになる。ここで、第一次コイル230の巻き付けられた外面231は、軸線Sに対して平行な形状を有し、第二次コイル240の巻き付けられた厚みt2が一定であるので、第二次コイル240の巻き付けられた外面241も、軸線Sに対して平行な形状を有することになる。
【0079】
ここで、第二次コイル240の巻き付けられた厚みt2が一定であるという意味は、その厚みが実質的に一定であるという意味であり、その厚みの厚さに若干変動がある場合も含むという意味である。それは、第二次コイル240は、実際にワイヤを巻いてなっているので、巻き付け過程において、その厚みに若干の変動が存在することにもなり、ワイヤの形状により、その巻き付けられた表面も、若干凹凸が生じるためである。
【0080】
また、ここで、第二次コイル240の外面241が、軸線Sに対して平行な形状を有するという意味は、実質的に平行であるという意味であり、その外面241の位置に若干変動がある場合も含むという意味である。それは、第二次コイル240は、実際にワイヤを巻いてなっているので、巻き付け過程において、平行を基準にして若干の変動が存在することにもなり、ワイヤの形状により、その巻き付けられた表面も、若干凹凸が生じるためである。
【0081】
一方、本第2実施形態によれば、ボビン220と第一次コイル230との間と、第一次コイル230と第二次コイル240との間とに、絶縁部材が存在しないが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、ボビン220と第一次コイル230との間と、第一次コイル230と第二次コイル240との間とに、さらなる絶縁部材が存在することができる。
【0082】
以上で説明した線形可変差動変換器200の構成以外の他の構成は、公知の線形可変差動変換器の構成をそのまま利用することができるので、それに係わる詳細な説明は、省略する。
【0083】
以下、本発明の第2実施形態に係わる線形可変差動変換器200の製造工程について説明する。
【0084】
まず、メーカーは、コア211とコアロッド212とを具備した移動部210を準備する。そして、ボビン220の貫通孔220aの内側に、コア211を位置させた後、支持板221をボビン220の両端部に設ける。
【0085】
続いて、メーカーは、ボビン220の外周面220bに、第一次コイル230を巻く。第一次コイル230を巻き付けるとき、その巻き付けられた外面231が、軸線Sに対して平行な形状を有さなければならないので、作業者は、巻き付けられる第一次コイル230の外面231が、軸線Sに対して平行であるか否かということを確認しながら、第一次コイル230を巻く。ここで、巻き付けられる第一次コイル230の外面231が、軸線Sに対して平行であるか否かということを知る方法は、さまざまあるが、そのうち一例を挙げれば、第一次コイル230を巻く作業中、第一次コイル230の外面231の直径をノギスのような測定道具で測定することにより、「ボビン220の全長にわたって、第一次コイル230の外面231の直径が一定であるか否かということ」で確認することができる。すなわち、ボビン220の全長にわたって、第一次コイル230の外面231の直径が一定であるならば、幾何学的な構造により、当然のこととして、外面231は、軸線Sに対して平行になる。また、「巻き付けられる第一次コイル230の外面231が、軸線Sに対して平行であるか否かということ」を知ることができる方法の他例として、平行を測定する道具を使用したり、リアルタイムで映像または写真撮影などを介して確認したりする方法などもある。
【0086】
その次に、メーカーは、巻き付けられた第一次コイル230上に、第二次コイル240を巻く。
【0087】
第二次コイル240を巻き付けるとき、第二次コイル240が、ボビン220の全体長にかけて一定厚t2に巻き付けられるようにする。同時に、第二次コイル240を巻き付けるときにも、その巻き付けられた外面241が、軸線Sに対して平行な形状を有さなければならないので、作業者は、巻き付けられる第二次コイル240の外面241が、軸線Sに対して平行であるか否かということを確認しながら、第二次コイル240を巻く。ここで、巻き付けられる第二次コイル240の外面241が、軸線Sに対して平行であるか否かということを知る方法は、さまざまあるが、そのうち一例を挙げれば、第二次コイル240を巻く作業中、第二次コイル240の外面241の直径をノギスのような測定道具で測定することにより、「ボビン220の全長にわたって、第二次コイル240の外面241の直径が一定であるか否かということ」で確認することができる。すなわち、ボビン220の全長にわたって、第二次コイル240の外面241の直径が一定であるならば、幾何学的な構造により、当然のこととして、外面241は、軸線Sに対して平行になる。また、「巻き付けられる第二次コイル240の外面241が、軸線Sに対して平行であるか否かということ」を知ることができる方法の他例として、平行を測定する道具を使用したり、リアルタイムで映像または写真撮影などを介して確認したりする方法などもある。
【0088】
本第2実施形態によれば、移動部210をボビン220に設けた後、第一次コイル230及び第二次コイル240を順次に巻く順序で、線形可変差動変換器200を製造するが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、ボビン220に、第一次コイル230及び第二次コイル240を巻いて設けた後、移動部210をボビン220に設けることもできる。
【0089】
以下、本発明の第2実施形態に係わる線形可変差動変換器200の作動について説明する。
【0090】
作動時、第一次コイル230に交流電圧を印加した状態で、移動部210が動くことになれば、コア211により、第二次コイル240の両端に電圧差が生じる。そのような電圧差は、移動部210の変位に比例することになるので、制御部(図示せず)は、そのような電圧差を利用し、移動部210の変位を測定することになる。
【0091】
以上のように、本第2実施形態による線形可変差動変換器200は、ボビン220の外周面220bの形状を、中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状で形成することにより、第一次コイル230を巻き付けるとき、軸線Sの方向にその巻き付け厚に変化を与えても、作業者は、容易に、第一次コイル230の外面231の形状を軸線Sに対して平行な形状にすることができる。すなわち、作業者は、第一次コイル230を巻く作業を行うとき、第一次コイル230の外面231が、軸線Sに対して平行になるように巻きさえすればよいので、作業者は、迅速で容易に、第一次コイル230を巻く作業を遂行することができることになる。すなわち、線形可変差動変換器200の第一次コイル230を巻く工程において、作業者の熟練度と関係なく、精密で容易に、第一次コイル230を巻くことができ、続いて、第二次コイル240も容易に巻くことができることになるので、高い製造工程効率及び高い製造収率を具現することができることになる。
【0092】
以下、
図6及び
図7を参照し、本発明の第3実施形態に係わる線形可変差動変換器300について説明する。
【0093】
図6は、本発明の第3実施形態による線形可変差動変換器の概略的な断面図であり、
図7は、本発明の第3実施形態による線形可変差動変換器のボビンの概略的な斜視図である。
【0094】
図6に図示されているように、本発明の第3実施形態による線形可変差動変換器300は、移動部310、ボビン320、第一次コイル330、第二次コイル340を含む。
【0095】
移動部310は、コア311とコアロッド312とを含み、全体的に、軸線Sの方向に延長された形状を有し、断面が円形である棒の形状を有する。
【0096】
本第3実施形態による移動部310は、断面が円形である棒の形状を有するものの、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明による移動部の形状は、多様な変形が可能である。例えば、本発明による移動部は、断面が四角形であるビームの形状を有することもでき、断面が楕円形である棒の形状を有することもできる。
【0097】
コア311は、強磁性体の素材を含んでなる第一次コイル330及び第二次コイル340と電磁気的相互作用を起こす。
【0098】
コアロッド312は、コア311を支持するが、コアロッド312の直径は、コア311の直径よりは小さくなっているので、コアロッド312は、支持板321の移動孔321aを通過してスライディングが可能になるように構成される。
【0099】
一方、ボビン320は、移動部310の動きをガイドするが、そのために、移動部310が軸線Sの方向に動くことができるように、貫通孔320aが軸線Sの方向に形成されている。すなわち、貫通孔320aには、移動部310の少なくとも一部がスライディング自在になるように収容される。
【0100】
また、ボビン320の外周面320bの中間部Mには、第一次コイル330が巻き付けられ、ボビン320の両端部には、板状の支持板321が設けられる。
【0101】
ここで、中間部Mは、
図3に図示されているように、ボビン320の外周面320bの部分のうち、中心線Cを基準にし、両側に距離L1,L2ほど離れた部分までの領域を意味する。中間部Mの領域の大きさは、線形可変差動変換器300の機能、性質によって異なるようにも設計され、本実施形態においては、距離L1は、距離L2と同一にも構成される。本実施形態においては、距離L1は、距離L2と同一に構成されるが、本発明は、それに限定されるものではなく、距離L1は、距離L2と異なるようにも構成される。
【0102】
支持板321には、移動孔321aが形成されるが、移動孔321aの内径は、貫通孔320aの内径より小さく形成される。従って、コア311は、移動孔321aを介して移動することができないが、コアロッド312は、移動孔321aを介して移動自在に構成される。
【0103】
本第3実施形態によれば、ボビン320の全ての支持板321に、移動孔321aが形成されているが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、ボビンの支持板のうち一つだけに移動孔が形成されもし、その場合、移動孔が形成されていない支持板により、移動部の動きが制限されることになる。
【0104】
一方、
図7に図示されているように、ボビン320の外周面320bは、軸線Sの方向を基準にするとき、その中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状を有する。ここで、中心線Cは、軸線Sに対して垂直である。
【0105】
特に、本第3実施形態によるボビン320の外周面320bの形状は、ボビン320の部分のうち、中心線Cが通過する部分の直径D3が最大になるように形成される。
【0106】
本第3実施形態によるボビン320の場合には、ボビン320の部分のうち、中心線Cが通過する部分の直径D3が最大になるように構成されるが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によるボビンの外周面は、多様な形状を有することができる。
【0107】
一方、第一次コイル330は、ボビン320の外周面320bの部分のうち、中間部Mに巻き付けられるが、第一次コイル130の巻き付けられた外面331は、軸線Sに対して平行な形状を有するように巻き付けられることになる。
【0108】
ここで、第一次コイル330の巻き付けられた外面331が、軸線Sに対して平行な形状を有するという意味は、その外面331が、軸線Sに対して実質的に平行であるという意味であり、その外面331の位置に若干変動がある場合も含むという意味である。それは、第一次コイル330は、実際にワイヤを巻いてなっているので、巻き付け過程において、平行を基準にし、外面の位置に若干の変動が存在することにもなり、ワイヤの形状により、その巻き付けられた表面も、若干凹凸が生じるためである。
【0109】
そのような第一次コイル330の巻き付けられた形状と、ボビン320の形状とにより、第一次コイル330のボビン320側に向かう内面330aの形状は、軸線Sの方向を基準にするとき、その中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状を有することになる。
【0110】
一方、第二次コイル340は、ボビン320の外周面320bの部分のうち、両側部Pに巻き付けられる。すなわち、
図6に図示されているように、第二次コイル340は、第一次コイル330の両側に位置した部分に巻き付けられることになるが、第二次コイル340の巻き付けられた外面341は、軸線Sに対して平行な形状を有するように巻き付けられることになる。
【0111】
ここで、第二次コイル340の巻き付けられた外面341が、軸線Sに対して平行な形状を有するという意味は、その外面341が、軸線Sに対して実質的に平行であるという意味であり、その外面341の位置に若干変動がある場合も含むという意味である。それは、第二次コイル340は、実際にワイヤを巻いてなっているので、巻き付け過程において、平行を基準にし、外面の位置に若干の変動が存在することにもなり、ワイヤの形状により、その巻き付けられた表面も、若干凹凸が生じるためである。
【0112】
そのような第二次コイル340の巻き付けられた形状と、ボビン320の形状とにより、第二次コイル340のボビン320側に向かう内面340aの形状は、軸線Sの方向を基準にするとき、その中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状を有することになる。
【0113】
一方、第一次コイル330の巻き付けられた外面331と、第二次コイル340の巻き付けられた外面341は、軸線Sから同距離Gに位置する。ここで、軸線Sからの同距離Gは、線形可変差動変換器300の機能、性質によって異なるようにも決定される。
【0114】
第一次コイル330の巻き付けられた外面331と、第二次コイル340の巻き付けられた外面341とが、軸線Sから同距離に位置するという意味は、その外面331,341が軸線Sから実質的に同距離に位置するという意味であり、その外面331,341の位置に若干変動がある場合も、含むという意味である。それは、第一次コイル330と第二次コイル340は、実際にワイヤを巻いてなっているので、巻き付け過程において、外面の位置に若干の変動が存在することにもなり、ワイヤの形状により、その巻き付けられた表面も、若干凹凸が生じるためである。
【0115】
本実施形態によれば、第一次コイル330の巻き付けられた外面331と、第二次コイル340の巻き付けられた外面341は、軸線Sから同距離に位置するが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、製造される線形可変差動変換器の種類、特性などによって、第一次コイル330の巻き付けられた外面331と、第二次コイル340の巻き付けられた外面341は、軸線Sから同距離に位置せず、第一次コイル330の巻き付けられた外面331と、第二次コイル340の巻き付けられた外面341は、互いに所定の段差を有するようにも設計される。
【0116】
一方、本第3実施形態によれば、ボビン320と第一次コイル330との間、ボビン320と第二次コイル340との間、第一次コイル330と第二次コイル340との間に絶縁部材が存在しないが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、ボビン320と第一次コイル330との間、ボビン320と第二次コイル340との間、第一次コイル330と第二次コイル340との間に、さらなる絶縁部材が存在することができる。
【0117】
以上で説明した線形可変差動変換器300の構成以外の他の構成は、公知の線形可変差動変換器の構成をそのまま利用することができるので、それに係わる詳細な説明は、省略する。
【0118】
以下、本発明の第3実施形態に係わる線形可変差動変換器300の製造工程について説明する。
【0119】
まず、メーカーは、コア311とコアロッド312とを具備した移動部310を準備する。そして、ボビン320の貫通孔320aの内側に、コア311を位置させた後、支持板321をボビン320の両端部に設ける。
【0120】
続いて、メーカーは、ボビン320の外周面320bの部分のうち、中間部Mに、第一次コイル330を巻くが、第一次コイル330の外面331が、軸線Sに対して平行な形状を有し、軸線Sから距離Gに位置するように巻き付けられるようにする。
【0121】
メーカーは、第一次コイル330を巻いた後、ボビン320の外周面320bの部分のうち、すでに巻き付けられた第一次コイル330の両側に位置した部分に、第二次コイル340を巻くが、第二次コイル340の巻き付けられる形状は、第二次コイル340の外面341が、軸線Sに対して平行な形状を有するようにする。同時に、第二次コイル340を巻き付けるとき、第二次コイル340の巻き付けられた外面341が、第一次コイル330の巻き付けられた外面331と、軸線Sから同距離Gに位置するようにし、第一次コイル330の巻き付けられた外面331と、第二次コイル340の巻き付けられた外面341との境界において、段差がないようにする。
【0122】
第一次コイル330と第二次コイル340とを巻き付けるとき、その巻き付けられた外面331,341が、軸線Sに対して平行な形状を有さなければならないので、作業者は、巻き付けられる第一次コイル330と第二次コイル340との外面331,341が、軸線Sに対して平行であるか否かということを確認しながら、第一次コイル330と第二次コイル340とを巻く。ここで、巻き付けられる第一次コイル330と第二次コイル340との外面331,341が、軸線Sに対して平行であるか否かということを知る方法は、さまざまあるが、そのうち一例を挙げれば、第一次コイル330と第二次コイル340とを巻く作業中、第一次コイル330と第二次コイル340との外面331,341の直径をノギスのような測定道具で測定することにより、「ボビン320の全長にわたって、第一次コイル330と第二次コイル340との外面331,341の直径が一定であるか否かということ」で確認することができる。すなわち、ボビン320の全長にわたって、第一次コイル330と第二次コイル340との外面331,341の直径が一定であるならば、幾何学的な構造により、当然のこととして、外面331,341は、軸線Sに対して平行になるだけではなく、第一次コイル330の巻き付けられた外面331と、第二次コイル340の巻き付けられた外面341とが軸線Sから同距離に位置することを分かる。また、「巻き付けられる第一次コイル330と第二次コイル340との外面331,341が、軸線Sに対して平行であるか否かということ」を知ることができる方法の他例として、平行を測定する道具を使用したり、リアルタイムで映像または写真撮影などを介して確認したりする方法などもある。
【0123】
本第3実施形態によれば、移動部310をボビン320に設けた後、第一次コイル330を巻いた後、第二次コイル340を巻く順序で、線形可変差動変換器300を製造するが、本発明は、それに限定されるものではなく、多様な方式で線形可変差動変換器を製造することができる。例えば、ボビン320に、第一次コイル330及び第二次コイル340を巻いて設けた後、移動部310をボビン320に設けることもできる。また、本発明によれば、第二次コイル340を巻いた後、第一次コイル330を巻く順序で、線形可変差動変換器300を製造することもでき、第一次コイル330を巻く作業と、第二次コイル340を巻く作業とを同時に、またはランダムに実施する方式で線形可変差動変換器300を製造することもできる。
【0124】
以下、本発明の第3実施形態に係わる線形可変差動変換器300の作動について説明する。
【0125】
作動時、第一次コイル330に交流電圧を印加した状態で、移動部310が動くことになれば、コア311により、第二次コイル340の両端に電圧差が生じる。そのような電圧差は、移動部310の変位に比例することになるので、制御部(図示せず)は、そのような電圧差を利用し、移動部310の変位を測定することになる。
【0126】
本第3実施形態による線形可変差動変換器300についての説明には、前述の第1,2実施形態の線形可変差動変換器100,200についての説明で言及された「エンドエフェクト効果の低減」についての内容が省略されている。それは、線形可変差動変換器の製造時やその運用時、エンドエフェクト効果を低減させるために、メーカーまたは運用者は、公知の多様な電気回路やソフトウェアを利用することができるためであり、そのような技術は、センサの線形性を確保するための技術に該当する。
【0127】
以上のように、本第3実施形態による線形可変差動変換器300は、ボビン320の外周面320bの形状を、中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状で形成することにより、第一次コイル330と第二次コイル340とを巻き付けるとき、軸線Sの方向にその巻き付け厚に変化を与えても、作業者は、容易に、第一次コイル330と第二次コイル340との外面331,341の形状を軸線Sに対して平行な形状にすることができる。すなわち、作業者は、第一次コイル330と第二次コイル340とを巻く作業を行うとき、第一次コイル330と第二次コイル340との外面331,341が、軸線Sに対して平行になるように巻きさえすればよいので、作業者は、迅速で容易に、第一次コイル330と第二次コイル340とを巻く作業を遂行することができることになる。言い換えれば、線形可変差動変換器300の第一次コイル330と第二次コイル340とを巻く工程において、作業者の熟練度と関係なく、精密で容易に、第一次コイル330と第二次コイル340とを巻くことができることになるので、高い製造工程効率及び高い製造収率を具現することができることになる。
【0128】
以下、
図8及び
図9を参照し、本発明の第4実施形態に係わる線形可変差動変換器400について説明する。
【0129】
図8は、本発明の第4実施形態による線形可変差動変換器の概略的な断面図であり、
図9は、本発明の第4実施形態による線形可変差動変換器のボビンの概略的な斜視図である。
【0130】
図8に図示されているように、本発明の第4実施形態による線形可変差動変換器400は、移動部410、ボビン420、第一次コイル430、第二次コイル440を含む。
【0131】
移動部410は、コア411とコアロッド412とを含み、全体的に、軸線Sの方向に延長された形状を有し、断面が円形である棒の形状を有する。
【0132】
本第4実施形態による移動部410は、断面が円形である棒の形状を有するものの、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明による移動部の形状は、多様な変形が可能である。例えば、本発明による移動部は、断面が四角形であるビームの形状を有することもでき、断面が楕円形である棒の形状を有することもできる。
【0133】
コア411は、強磁性体の素材を含んでなる第一次コイル430及び第二次コイル440と電磁気的相互作用を起こす。
【0134】
コアロッド412は、コア411を支持するが、コアロッド412の直径は、コア411の直径よりは小さくなっているので、コアロッド412は、支持板421の移動孔421aを通過してスライディングが可能になるように構成される。
【0135】
一方、ボビン420は、移動部410の動きをガイドするが、そのために、移動部410が軸線Sの方向に動くことができるように、貫通孔420aが軸線Sの方向に形成されている。すなわち、貫通孔420aには、移動部410の少なくとも一部がスライディング自在になるように収容される。
【0136】
また、ボビン420の外周面420bの中間部Mには、第一次コイル430が巻き付けられ、ボビン420の両端部には、板状の支持板421が設けられる。
【0137】
ここで、中間部Mは、
図9に図示されているように、ボビン420の外周面420bの部分のうち、中心線Cを基準にし、両側に距離L3,L4ほど離れた部分までの領域を意味する。中間部Mの領域の大きさは、線形可変差動変換器400の機能、性質によって異なるように決定されることができ、本実施形態においては、距離L3は、距離L4と同一にも構成される。本実施形態においては、距離L3は、距離L4と同一に構成されるが、本発明は、それに限定されるものではなく、距離L3は、距離L4と異なるようにも構成される。
【0138】
支持板421には、移動孔421aが形成されるが、移動孔421aの内径は、貫通孔420aの内径より小さく形成される。従って、コア411は、移動孔421aを介して移動することができないが、コアロッド412は、移動孔421aを介して移動自在に構成される。
【0139】
本第4実施形態によれば、ボビン420の全ての支持板421に、移動孔421aが形成されているが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、ボビンの支持板のうち一つだけに移動孔が形成されもし、その場合、移動孔が形成されていない支持板により、移動部の動きが制限されることになる。
【0140】
一方、
図9に図示されているように、ボビン420の外周面420bは、軸線Sの方向を基準にするとき、その中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状を有する。ここで、中心線Cは、軸線Sに対して垂直である。
【0141】
特に、本第4実施形態によるボビン420の外周面420bの形状は、ボビン420の部分のうち、中心線Cが通過する部分の直径D4が最小になるように形成される。すなわち、ボビン420の外周面420bの形状は、中心線Cから遠くなるほど、その直径がさらに大きくなるように構成され、ボビン420は、全体的に杖鼓形状を有する。
【0142】
本第4実施形態によるボビン420の場合には、ボビン420の部分のうち、中心線Cが通過する部分の直径D4が最小になるように構成されるが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によるボビンの外周面は、多様な形状を有することができる。
【0143】
一方、第一次コイル430は、ボビン420の外周面420bの部分のうち、中間部Mに巻き付けられるが、第一次コイル430の巻き付けられた外面431は、軸線Sに対して平行な形状を有するように巻き付けられることになる。
【0144】
ここで、第一次コイル430の巻き付けられた外面431が、軸線Sに対して平行な形状を有するという意味は、その外面431が、軸線Sに対して実質的に平行であるという意味であり、その外面431の位置に若干変動がある場合も含むという意味である。それは、第一次コイル430は、実際にワイヤを巻いてなっているので、巻き付け過程において、平行を基準にし、外面の位置に若干の変動が存在することにもなり、ワイヤの形状により、その巻き付けられた表面も、若干凹凸が生じるためである。
【0145】
そのような第一次コイル430の巻き付けられた形状と、ボビン420の形状とにより、第一次コイル430のボビン420側に向かう内面430aの形状は、軸線Sの方向を基準にするとき、その中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状を有することになる。
【0146】
一方、第二次コイル440は、ボビン420の外周面420bの部分のうち、両側部Pに巻き付けられる。すなわち、
図8に図示されているように、第二次コイル440は、第一次コイル430の両側に位置した部分に巻き付けられることになるが、第二次コイル440の巻き付けられた外面441は、軸線Sに対して平行な形状を有するように巻き付けられることになる。
【0147】
ここで、第二次コイル440の巻き付けられた外面441が、軸線Sに対して平行な形状を有するという意味は、その外面441が、軸線Sに対して実質的に平行であるという意味であり、その外面441の位置に若干変動がある場合も含むという意味である。それは、第二次コイル440は、実際にワイヤを巻いてなっているので、巻き付け過程において、平行を基準にし、外面の位置に若干の変動が存在することにもなり、ワイヤの形状により、その巻き付けられた表面も、若干凹凸が生じるためである。
【0148】
そのような第二次コイル440の巻き付けられた形状と、ボビン420の形状とにより、第二次コイル440のボビン420側に向かう内面440aの形状は、軸線Sの方向を基準にするとき、その中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状を有することになる。
【0149】
一方、第一次コイル430の巻き付けられた外面431と、第二次コイル440の巻き付けられた外面441は、軸線Sから同距離Gに位置する。ここで、軸線Sからの同距離Gは、線形可変差動変換器400の機能、性質によって異なるようにも決定される。
【0150】
第一次コイル430の巻き付けられた外面431と、第二次コイル440の巻き付けられた外面441とが、軸線Sから同距離に位置するという意味は、その外面431,441が軸線Sから実質的に同距離に位置するという意味であり、その外面431,441の位置に若干変動がある場合も含むという意味である。それは、第一次コイル430と第二次コイル440は、実際にワイヤを巻いてなっているので、巻き付け過程において、外面の位置に若干の変動が存在することにもなり、ワイヤの形状により、その巻き付けられた表面も、若干凹凸が生じるためである。
【0151】
本実施形態によれば、第一次コイル430の巻き付けられた外面431と、第二次コイル440の巻き付けられた外面441は、軸線Sから同距離に位置するが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、製造される線形可変差動変換器の種類、特性などによって、第一次コイル430の巻き付けられた外面431と、第二次コイル440の巻き付けられた外面441は、軸線Sから同距離に位置せず、第一次コイル430の巻き付けられた外面431と、第二次コイル440の巻き付けられた外面441は、互いに所定の段差を有するようにも設計される。
【0152】
一方、本第4実施形態によれば、ボビン420と第一次コイル430との間、ボビン420と第二次コイル440との間、第一次コイル430と第二次コイル440との間に絶縁部材が存在しないが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、ボビン420と第一次コイル430との間、ボビン420と第二次コイル440との間、第一次コイル430と第二次コイル440との間にさらなる絶縁部材が存在することができる。
以上で説明した線形可変差動変換器400の構成以外の他の構成は、公知の線形可変差動変換器の構成をそのまま利用することができるので、それに係わる詳細な説明は、省略する。
【0153】
以下、本発明の第4実施形態に係わる線形可変差動変換器400の製造工程について説明する。
【0154】
まず、メーカーは、コア411とコアロッド412とを具備した移動部410を準備する。そして、ボビン420の貫通孔420aの内側に、コア411を位置させた後、支持板421をボビン420の両端部に設ける。
【0155】
続いて、メーカーは、ボビン420の外周面420bの部分のうち、中間部Mに、第一次コイル430を巻くが、第一次コイル430の外面431が、軸線Sに対して平行な形状を有し、軸線Sから距離Gに位置するように巻き付けられるようにする。
【0156】
メーカーは、第一次コイル430を巻いた後、ボビン420の外周面420bの部分のうち、すでに巻き付けられた第一次コイル430の両側に位置した部分に、第二次コイル440を巻くが、第二次コイル440の巻き付けられる形状は、第二次コイル440の外面441が、軸線Sに対して平行な形状を有するようにする。同時に、第二次コイル440を巻き付けるとき、第二次コイル440の巻き付けられた外面441と、第一次コイル430の巻き付けられた外面431とが、軸線Sから同距離Gに位置するようにし、第一次コイル430の巻き付けられた外面431と、第二次コイル440の巻き付けられた外面441との境界で段差がないようにする。
【0157】
第一次コイル430と第二次コイル440とを巻き付けるとき、その巻き付けられた外面431,441が、軸線Sに対して平行な形状を有さなければならないので、作業者は、巻き付けられる第一次コイル430と第二次コイル440との外面431,441が、軸線Sに対して平行であるか否かということを確認しながら、第一次コイル430と第二次コイル440とを巻く。ここで、巻き付けられる第一次コイル430と第二次コイル440との外面431,441が、軸線Sに対して平行であるか否かということを知る方法は、さまざまあるが、そのうち一例を挙げれば、第一次コイル430と第二次コイル440とを巻く作業中、第一次コイル430と第二次コイル440との外面431,441の直径をノギスのような測定道具で測定することにより、「ボビン420の全長にわたって、第一次コイル430と第二次コイル440との外面431,441の直径が一定であるか否かということ」で確認することができる。すなわち、ボビン420の全長にわたって、第一次コイル430と第二次コイル440との外面431,441の直径が一定であるならば、幾何学的な構造により、当然のこととして、外面431,441は、軸線Sに対して平行になるだけではなく、第一次コイル430の巻き付けられた外面431と、第二次コイル440の巻き付けられた外面441とが軸線Sから同距離に位置することを知ることができる。また、「巻き付けられる第一次コイル430と第二次コイル440との外面431,441が、軸線Sに対して平行であるか否かということ」を知ることができる方法の他例として、平行を測定する道具を使用したり、リアルタイムで映像または写真撮影などを介して確認したりする方法などもある。
【0158】
本第4実施形態によれば、移動部410をボビン420に設けた後、第一次コイル430を巻いた後、第二次コイル440を巻く順序で、線形可変差動変換器400を製造するが、本発明は、それに限定されるものではなく、多様な方式で線形可変差動変換器を製造することができる。例えば、ボビン420に、第一次コイル430及び第二次コイル440を巻いて設けた後、移動部410をボビン420に設けることもできる。また、本発明によれば、第二次コイル440を巻いた後、第一次コイル430を巻く順序で、線形可変差動変換器400を製造することもでき、第一次コイル430を巻く作業と、第二次コイル440を巻く作業とを同時に、またはランダムに実施する方式で線形可変差動変換器400を製造することもできる。
【0159】
以下、本発明の第4実施形態に係わる線形可変差動変換器400の作動について説明する。
【0160】
作動時、第一次コイル430に交流電圧を印加した状態で、移動部410が動くことになれば、コア411により、第二次コイル440の両端に電圧差が生じる。そのような電圧差は、移動部410の変位に比例することになるので、制御部(図示せず)は、そのような電圧差を利用し、移動部410の変位を測定することになる。
【0161】
本第4実施形態による線形可変差動変換器400についての説明には、前述の第1,2実施形態の線形可変差動変換器100,200についての説明で言及された「エンドエフェクト効果の減少」についての内容が省略されている。それは、線形可変差動変換器の製造時やその運用時、エンドエフェクト効果を低減させるために、メーカーまたは運用者は、公知の多様な電気回路やソフトウェアを利用することができるためであり、そのような技術は、センサの線形性を確保するための技術に該当する。
【0162】
以上のように、本第4実施形態による線形可変差動変換器400は、ボビン420の外周面420bの形状を、中心線Cに対して対称に傾斜のついた形状で形成することにより、第一次コイル430と第二次コイル440とを巻き付けるとき、軸線Sの方向にその巻き付け厚に変化を与えても、作業者は、容易に、第一次コイル430と第二次コイル440との外面431,441の形状を軸線Sに対して平行な形状にすることができる。すなわち、作業者は、第一次コイル430と第二次コイル440とを巻く作業を行うとき、第一次コイル430と第二次コイル440との外面431,441が、軸線Sに対して平行になるように巻きさえすればよいので、作業者は、迅速で容易に、第一次コイル430と第二次コイル440とを巻く作業を遂行することができることになる。言い換えれば、線形可変差動変換器400の第一次コイル430と第二次コイル440とを巻く工程において、作業者の熟練度と関係なく、精密で容易に、第一次コイル430と第二次コイル440とを巻くことができることになるので、高い製造工程効率及び高い製造収率を具現することができることになる。
【0163】
本発明の一側面は、添付された図面に図示された実施形態を参照して説明されたが、それは、例示的なものに過ぎず、当該技術分野において当業者であるならば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解することができるであろう。従って、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によってのみ決められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0164】
本発明の一側面によれば、線形可変差動変換器を製造したり利用したりする産業に適用される。