(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】対象物探索支援システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20220411BHJP
【FI】
G08G1/14 A
(21)【出願番号】P 2017217505
(22)【出願日】2017-11-10
【審査請求日】2020-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】516166351
【氏名又は名称】さがし愛ネット合同会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513176018
【氏名又は名称】株式会社サンコウ電子
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【氏名又は名称】松田 正道
(74)【代理人】
【識別番号】110000899
【氏名又は名称】特許業務法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】持田 昇一
(72)【発明者】
【氏名】青山 満
【審査官】田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-161643(JP,A)
【文献】特開2003-319441(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0078765(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0041377(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G08B 19/00 - 21/24
G08B 23/00 - 31/00
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H04M 3/00
H04M 3/16 - 3/20
H04M 3/38 - 3/58
H04M 7/00 - 7/16
H04M 11/00 - 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象物へそれぞれ取付けられた、ビーコン装置送信IDを含む無線信号をそれぞれ送信する複数のビーコン装置と、
前記対象物の対象物識別子と、前記ビーコン装置送信IDと、の対応関係が記述されているリストを保持する管理サーバ装置と、
複数の前記ビーコン装置がそれぞれ送信する前記無線信号を受信することができる携帯端末装置と、
を備え、
前記携帯端末装置は、探索されるべき前記対象物の前記対象物識別子を前記管理サーバ装置へ送信し、
前記管理サーバ装置は、前記リストを検索することにより、前記携帯端末装置から送信された前記対象物識別子に対応する前記ビーコン装置送信IDを決定して前記携帯端末装置へ送信し、
前記携帯端末装置は、複数の前記ビーコン装置がそれぞれ送信する前記無線信号を受信しており、受信されている前記無線信号の内に、前記管理サーバ装置から送信された前記ビーコン装置送信IDを含む前記無線信号を認識すると、外部への認識の通知を行う
対象物探索支援システム
であって、
前記リストには、前記対象物識別子と、前記ビーコン装置送信IDと、前記ビーコン装置送信IDとペアにされたビーコン装置受信IDと、の対応関係が記述されており、
前記携帯端末装置は、前記対象物識別子と、対応する前記ビーコン装置送信IDおよび前記ビーコン装置受信IDと、の検索結果を登録し、
各々の前記ビーコン装置には、自身の前記ビーコン装置送信IDとペアにされた前記ビーコン装置受信IDが設定されており、
前記携帯端末装置は、ユーザの指示に応じて、探索されるべき前記対象物の前記対象物識別子に対応する前記ビーコン装置送信IDとペアにされた前記ビーコン装置受信IDを含む無線信号を送信し、
前記ビーコン装置は、自身の前記ビーコン装置送信IDとペアにされた前記ビーコン装置受信IDを含む前記無線信号の受信を認識すると、発報を行うことを特徴とする
対象物探索支援システム。
【請求項2】
前記リストには、前記対象物識別子と、前記ビーコン装置のビーコン装置識別子と、前記ビーコン装置送信IDと、前記ビーコン装置受信IDと、の対応関係が記述されており、
前記携帯端末装置は、探索されるべき前記対象物の前記対象物識別子の代わりに、探索されるべき前記対象物の前記対象物識別子に対応する前記ビーコン装置識別子を前記管理サーバ装置へ送信し、
前記管理サーバ装置は、前記リストを検索することにより、前記携帯端末装置から送信された前記ビーコン装置識別子に対応する前記ビーコン装置送信IDを決定して前記携帯端末装置へ送信し、
前記携帯端末装置は、複数の前記ビーコン装置がそれぞれ送信する前記無線信号を受信しており、受信されている前記無線信号の内に、前記管理サーバ装置から送信された前記ビーコン装置送信IDを含む前記無線信号を認識すると、外部への認識の通知を行うことを特徴とする請求項
1に記載の対象物探索支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ピッキング支援システムのような対象物探索支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビーコンを利用するさまざまな技術が、知られている。
【0003】
より具体的に説明すると、つぎの通りである。
【0004】
BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)は、数十メートル程度の距離が通信距離として想定されている、Bluetooth4.0に準拠した近距離通信の仕様である。BLEにおいては、ビーコン装置がID(identification)などの情報を含むビーコン信号をBLE電波で送信し、受信機またはスマートフォンなどがビーコン装置から送信されたビーコン信号を受信することで、通信が行われる。
【0005】
ビーコンは、移動する対象物に取付けられた忘れ物タグまたは見守りタグのようなタグから送信されたビーコン信号が受信機またはスマートフォンなどで受信され、対象物の位置情報が取得される形で、利用されることがあった。
【0006】
ところで、国内外で生産される自動車車両は組み立て生産後に一時的に専用駐車場と呼ばれる広いモータープールに保管され、製造番号、色および車種などが出荷指示に従って確認された後に出荷されるが、これに費やされる時間および労力は必ずしも小さくない。そして、中古車販売においても、展示会またはオークション会場となる広いモータープールで対象車両まで顧客を誘導し確認させることに費やされる時間および労力は、必ずしも小さくない。
【0007】
所有者が自身で駐車した車両を探索する場合においては、車種、色またはナンバーの本人記憶および視認により車両を発見することは、比較的に容易である。パーキングエリアのような広いモータープールの場合においても、敷地地図またはエリア番号を記憶したり、GPS(Global Positioning System)などを利用して駐車位置を記録したりすることにより、車両の発見を支援することができる。
【0008】
しかしながら、多数の不特定車両から特定車両を発見するためには、車種、色および製造番号などに関しての特定車両に対応する車両情報を印字して持参し、特定車両に近接して目視確認を行う必要がある。したがって、対象となる車両が位置する範囲が敷地地図、エリア番号、GPSなどを利用する位置情報により絞られても、同一車種または同色の車両の車両群が存在するモータープールのような広大な自由空間において、対象を視覚的に絞ることはしばしば困難であり、正確に早く少ない労力で多数の不特定車両から特定車両を発見することは容易ではない。
【0009】
そこで、ビーコン装置を位置マーカとしてモータープールの車室に設置し、ビーコン信号の受信に基づき駐車状態の把握を行う技術が、知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0010】
そして、車両にビーコン装置を搭載し、モータープールの車室に設置された受信機でビーコン信号を受信することで、車両と車室とを対応させて位置管理を行う技術も、知られている(たとえば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2017-090992号公報
【文献】特開2015-153217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述された従来の技術においては、モータープールの車室に設置される固定設備が必要であり、融通性に富んだシステム構築を実現することは困難である。
【0013】
本発明は、上述された従来の課題を考慮し、融通性に富んだシステム構築を実現することができる対象物探索支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の本発明は、複数の対象物へそれぞれ取付けられた、ビーコン装置送信IDを含む無線信号をそれぞれ送信する複数のビーコン装置と、
前記対象物の対象物識別子と、前記ビーコン装置送信IDと、の対応関係が記述されているリストを保持する管理サーバ装置と、
複数の前記ビーコン装置がそれぞれ送信する前記無線信号を受信することができる携帯端末装置と、
を備え、
前記携帯端末装置は、探索されるべき前記対象物の前記対象物識別子を前記管理サーバ装置へ送信し、
前記管理サーバ装置は、前記リストを検索することにより、前記携帯端末装置から送信された前記対象物識別子に対応する前記ビーコン装置送信IDを決定して前記携帯端末装置へ送信し、
前記携帯端末装置は、複数の前記ビーコン装置がそれぞれ送信する前記無線信号を受信しており、受信されている前記無線信号の内に、前記管理サーバ装置から送信された前記ビーコン装置送信IDを含む前記無線信号を認識すると、外部への認識の通知を行う対象物探索支援システムであって、
前記リストには、前記対象物識別子と、前記ビーコン装置送信IDと、前記ビーコン装置送信IDとペアにされたビーコン装置受信IDと、の対応関係が記述されており、
前記携帯端末装置は、前記対象物識別子と、対応する前記ビーコン装置送信IDおよび前記ビーコン装置受信IDと、の検索結果を登録し、
各々の前記ビーコン装置には、自身の前記ビーコン装置送信IDとペアにされた前記ビーコン装置受信IDが設定されており、
前記携帯端末装置は、ユーザの指示に応じて、探索されるべき前記対象物の前記対象物識別子に対応する前記ビーコン装置送信IDとペアにされた前記ビーコン装置受信IDを含む無線信号を送信し、
前記ビーコン装置は、自身の前記ビーコン装置送信IDとペアにされた前記ビーコン装置受信IDを含む前記無線信号の受信を認識すると、発報を行うことを特徴とする対象物探索支援システムである。
第2の本発明は、前記リストには、前記対象物識別子と、前記ビーコン装置のビーコン装置識別子と、前記ビーコン装置送信IDと、前記ビーコン装置受信IDと、の対応関係が記述されており、
前記携帯端末装置は、探索されるべき前記対象物の前記対象物識別子の代わりに、探索されるべき前記対象物の前記対象物識別子に対応する前記ビーコン装置識別子を前記管理サーバ装置へ送信し、
前記管理サーバ装置は、前記リストを検索することにより、前記携帯端末装置から送信された前記ビーコン装置識別子に対応する前記ビーコン装置送信IDを決定して前記携帯端末装置へ送信し、
前記携帯端末装置は、複数の前記ビーコン装置がそれぞれ送信する前記無線信号を受信しており、受信されている前記無線信号の内に、前記管理サーバ装置から送信された前記ビーコン装置送信IDを含む前記無線信号を認識すると、外部への認識の通知を行うことを特徴とする第1の本発明の対象物探索支援システムである。
本発明に関連する第1の発明は、複数の対象物へそれぞれ取付けられた、ビーコン装置送信IDを含む無線信号をそれぞれ送信する複数のビーコン装置と、
前記対象物の対象物識別子と、前記ビーコン装置送信IDと、の対応関係が記述されているリストを保持する管理サーバ装置と、
複数の前記ビーコン装置がそれぞれ送信する前記無線信号を受信することができる携帯端末装置と、
を備え、
前記携帯端末装置は、探索されるべき前記対象物の前記対象物識別子を前記管理サーバ装置へ送信し、
前記管理サーバ装置は、前記リストを検索することにより、前記携帯端末装置から送信された前記対象物識別子に対応する前記ビーコン装置送信IDを決定して前記携帯端末装置へ送信し、
前記携帯端末装置は、複数の前記ビーコン装置がそれぞれ送信する前記無線信号を受信しており、受信されている前記無線信号の内に、前記管理サーバ装置から送信された前記ビーコン装置送信IDを含む前記無線信号を認識すると、外部への認識の通知を行うことを特徴とする対象物探索支援システムである。
【0015】
これにより、携帯端末装置は、複数のビーコン装置がそれぞれ送信する無線信号を受信しており、受信されている無線信号の内に、管理サーバ装置から送信されたビーコン装置送信IDを含む無線信号を認識すると、外部への認識の通知を行うので、融通性に富んだシステム構築を実現することができる。
【0016】
本発明に関連する第2の発明は、前記リストには、前記対象物識別子と、前記ビーコン装置送信IDと、前記ビーコン装置送信IDとペアにされたビーコン装置受信IDと、の対応関係が記述されており、
各々の前記ビーコン装置には、自身の前記ビーコン装置送信IDとペアにされた前記ビーコン装置受信IDが設定されており、
前記携帯端末装置は、ユーザの指示に応じて、探索されるべき前記対象物の前記対象物識別子に対応する前記ビーコン装置送信IDとペアにされた前記ビーコン装置受信IDを含む無線信号を送信し、
前記ビーコン装置は、自身の前記ビーコン装置送信IDとペアにされた前記ビーコン装置受信IDを含む前記無線信号の受信を認識すると、発報を行うことを特徴とする本発明に関連する第1の発明の対象物探索支援システムである。
【0017】
これにより、ビーコン装置は、自身のビーコン装置送信IDとペアにされたビーコン装置受信IDを含む無線信号の受信を認識すると、発報を行うので、対象物探索における確実性を向上することができる。
【0018】
本発明に関連する第3の発明は、前記リストには、前記対象物識別子と、前記ビーコン装置のビーコン装置識別子と、前記ビーコン装置送信IDと、前記ビーコン装置受信IDと、の対応関係が記述されており、
前記携帯端末装置は、探索されるべき前記対象物の前記対象物識別子の代わりに、探索されるべき前記対象物の前記対象物識別子に対応する前記ビーコン装置識別子を前記管理サーバ装置へ送信し、
前記管理サーバ装置は、前記リストを検索することにより、前記携帯端末装置から送信された前記ビーコン装置識別子に対応する前記ビーコン装置送信IDを決定して前記携帯端末装置へ送信し、
前記携帯端末装置は、複数の前記ビーコン装置がそれぞれ送信する前記無線信号を受信しており、受信されている前記無線信号の内に、前記管理サーバ装置から送信された前記ビーコン装置送信IDを含む前記無線信号を認識すると、外部への認識の通知を行うことを特徴とする本発明に関連する第2の発明の対象物探索支援システムである。
【0019】
これにより、携帯端末装置は、探索されるべき対象物の対象物識別子の代わりに、探索されるべき対象物の対象物識別子に対応するビーコン装置識別子を管理サーバ装置へ送信するので、対象物探索における利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、融通性に富んだシステム構築を実現することが可能な対象物探索支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明における実施の形態の車両ピッキング支援システムのブロック図
【
図2】本発明における実施の形態の車両ピッキング支援システムの携帯端末機器の操作画面の説明図(その一)
【
図3】本発明における実施の形態の車両ピッキング支援システムの携帯端末機器の操作画面の説明図(その二)
【
図4】本発明における実施の形態の車両ピッキング支援システムの動作フローの説明図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
(A)はじめに、
図1を参照しながら、本実施の形態の車両ピッキング支援システム10の構成について具体的に説明する。
【0024】
ここに、
図1は、本発明における実施の形態の車両ピッキング支援システム10のブロック図である。
【0025】
車両ピッキング支援システム10は、車両識別番号を管理する管理サーバ装置40と、車両識別番号に関連付けられた車載ビーコン装置30と、管理サーバ装置40および車載ビーコン装置30と通信する携帯端末機器50と、で構成されている、ビーコンを用いたシステムである。
【0026】
車載ビーコン装置30から送信されたビーコン信号を携帯端末機器50が受信した場合、ビーコン信号が探索車両である車両20のビーコン信号であれば、対応するビーコン信号を送信し、対象の車載ビーコン装置30が発光またはブザー音で発報を行うことにより、車メーカーの車両保管または販売店の車両展示で用いられる広大なモータープール12での、特定車両である車両20の探索、確認、および出荷作業にともなうピッキングを支援することができる。
【0027】
複数の車載ビーコン装置30は、複数の車両20へそれぞれ取付けられた、車載ビーコン装置送信IDを含む無線信号をそれぞれ送信する装置である。
【0028】
各々の車載ビーコン装置30には、自身の車載ビーコン装置送信IDとペアにされた車載ビーコン装置受信IDが設定されている。
【0029】
より具体的には、車載ビーコン装置30は、車載ビーコン装置送信部31、および車載ビーコン装置受信部32、および信号に反応する発光またはブザー音などの作動部である発報部33のみならず、信号処理部なども持つ。
【0030】
車載ビーコン装置送信IDは、車載ビーコン装置送信部31から送信されたビーコン信号がどの車載ビーコン装置30のビーコン信号であるかを示す、車載ビーコン装置30の存在を周囲の携帯端末機器50に知らせるための「ID01」、「ID0X」または「ID0Y」のようなIDである。
【0031】
車載ビーコン装置受信IDは、車載ビーコン装置受信部32で受信されたビーコン信号が自身のビーコン信号であった場合に、周囲の携帯端末機器50からの探索に応えて発報を行うための「ID02」のようなIDである。
【0032】
車載ビーコン装置30に予め設定されるとともに、管理サーバ装置40で保存され管理される二種類のIDは、現実の運用においては、「ID01」および「ID02」のような連番の如き一定の対応関係を持つユニークな付番を利用して生成される。
【0033】
二種類のIDが利用されるので、車載ビーコン装置30が自身から送信されたビーコン信号に起因して発報を行う恐れはない。
【0034】
一種類のIDしか利用されなくても、IDが電文本体に記載されている電文のヘッダ領域には電文送信元が記載されており、車載ビーコン装置30が自身から送信されたビーコン信号に起因して発報を行う恐れが低減されてもよい。
【0035】
管理サーバ装置40は、管理リスト41を保持する装置である。
【0036】
管理リスト41には、車両20の車両識別番号と、車載ビーコン装置30の車載ビーコン装置識別番号と、車載ビーコン装置送信IDと、車載ビーコン装置送信IDとペアにされた車載ビーコン装置受信IDと、の対応関係が記述されている。
【0037】
より具体的には、管理サーバ装置40は、車両20の車両識別番号に関連付けられた車載ビーコン装置識別番号を保存し管理するデータベース管理システムの一部として機能し、インターネット11に接続されるインターネット通信部なども持つ。
【0038】
携帯端末機器50は、複数の車載ビーコン装置30がそれぞれ送信する無線信号を受信することができる装置である。
【0039】
より具体的には、携帯端末機器50は、出荷作業ドライバーまたは車販売店スタッフのスマートフォンなどであり、携帯端末機器送信部51、携帯端末機器受信部52、および表示操作パネル53のみならず、インターネット11に接続されるインターネット通信部、GPS受信部、CPU(Central Processing Unit)、および信号処理部なども持つ。
【0040】
業務フローに関わらない見学者が展示車を位置確認することができるアプリケーションプログラムが、ゲストアカウントの機能を利用して配布されてもよい。
【0041】
車両ピッキング支援システム10は、本発明の対象物探索支援システムの一例である。車両20は、本発明の対象物の一例である。車載ビーコン装置30は、本発明のビーコン装置の一例である。管理サーバ装置40は本発明の管理サーバ装置の一例であり、管理リスト41は本発明のリストの一例である。携帯端末機器50は、本発明の携帯端末装置の一例である。
【0042】
車載ビーコン装置送信IDは本発明のビーコン装置送信IDの一例であり、車載ビーコン装置受信IDは本発明のビーコン装置受信IDの一例であり、車両識別番号は本発明の対象物識別子の一例であり、車載ビーコン装置識別番号は本発明のビーコン装置識別子の一例である。
【0043】
車載ビーコン装置30は、車両20に限らず、自転車などの乗り物、カートまたは鞄などの持ち物などに取付けられるビーコン装置であってもよい。
【0044】
そして、車載ビーコン装置30は、ビーコン受信の反応で作動するビーコン装置であればよく、発光またはブザー音に限らず、音声、映像、または香りなどで発報を行うビーコン装置であってもよい。
【0045】
さらに、車載ビーコン装置30は、車両20のような対象物に搭載され、探索、確認または出荷作業にともなうピッキングの支援に主として利用されるビーコン装置であるが、対象者に装着され、捜査、発見または見守りなどの保護に利用されるビーコン装置であってもよい。
【0046】
(B)つぎに、
図1を主として参照しながら、本実施の形態の車両ピッキング支援システム10の動作について具体的に説明する。
【0047】
携帯端末機器50は、管理サーバ装置40から取得された探索対象の車両20の車載ビーコン装置送信IDを含むビーコン信号を認識し、車載ビーコン装置30と相互に通信することにより、対象の車両20の探索および確認を行う。
【0048】
車両識別番号に関連付けられた車載ビーコン装置識別番号を持つ車載ビーコン装置30と、インターネット11に接続された管理サーバ装置40にアクセスできる携帯端末機器50と、により、モータープール12の広さおよび位置に関係なく、対象の車両20の発見を支援するので、位置マーカなどの位置測定装置、または受信機のような固定設備を設置する必要はなく、車載ビーコン装置30および携帯端末機器50のみで自由空間における対象物である車両2の探索を実現することができる。
【0049】
(B1)携帯端末機器50は、探索されるべき車両20の車両識別番号を管理サーバ装置40へ送信し、管理サーバ装置40は、管理リスト41を検索することにより、携帯端末機器50から送信された車両識別番号に対応する車載ビーコン装置送信IDを決定して携帯端末機器50へ送信する。
【0050】
なお、携帯端末機器50は、探索されるべき車両20の車両識別番号の代わりに、探索されるべき車両20の車両識別番号に対応する車載ビーコン装置識別番号を管理サーバ装置40へ送信し、管理サーバ装置40は、管理リスト41を検索することにより、携帯端末機器50から送信された車載ビーコン装置識別番号に対応する車載ビーコン装置送信IDを決定して携帯端末機器50へ送信してもよい。
【0051】
出荷作業ドライバーまたは車販売店スタッフは、探索されるべき車両20の車両識別番号、または車両識別番号に対応する車載ビーコン装置識別番号を通常知っているので、探索対象として指定されるべき車両識別番号または車載ビーコン装置識別番号を携帯端末機器50に予め設定することができる。
【0052】
車両識別番号または車載ビーコン装置識別番号が予め設定されている携帯端末機器50においては、対象の車両20の位置情報を利用することにより、車両20の位置が敷地地図に表示されるので、ユーザは車両20に近い場所に移動して探索を始めることができる。
【0053】
(B2)携帯端末機器50は、複数の車載ビーコン装置30がそれぞれ送信する無線信号を受信しており、受信されている無線信号の内に、管理サーバ装置40から送信された車載ビーコン装置送信IDを含む無線信号を認識すると、外部への認識の通知を行う。
【0054】
このように、携帯端末機器50は探索されるべき車両20に対応する車載ビーコン装置送信IDを管理サーバ装置40から取得し、携帯端末機器50が対象の車載ビーコン装置送信IDを含むビーコン信号を受信すると、対象の車両20が周辺に位置することがユーザへ通知される。
【0055】
(B3)携帯端末機器50は、ユーザの指示に応じて、探索されるべき車両20の車両識別番号に対応する車載ビーコン装置送信IDとペアにされた車載ビーコン装置受信IDを含む無線信号を送信する。
【0056】
車載ビーコン装置30は、自身の車載ビーコン装置送信IDとペアにされた車載ビーコン装置受信IDを含む無線信号の受信を認識すると、発報を行う。
【0057】
このように、車載ビーコン装置30が携帯端末機器50から送信された車載ビーコン装置受信IDを含むビーコン信号を受信すると、対象の車両20の探索は発光またはブザー音の発報により支援される。
【0058】
そして、携帯端末機器50が車載ビーコン装置30に近接し、対象の車両20が特定されると、携帯端末機器50はGPS情報を利用することにより自身の位置情報を管理サーバ装置40に登録する。たとえば、車両の特定はビーコン信号の電波強度を示すRSSI(Received Signal Strength Indicator)から算出される距離を利用することにより行われ、管理サーバ装置40に対する探索の完了処理は1~3メートル以内の一定範囲への近接が認識されたときに行われる。
【0059】
(C)車両ピッキング支援システム10へ実装されるべき機能を実現するためには、追加的であるまたはオプショナルであるさまざまな手法が利用可能であることは、いうまでもない。
【0060】
(C1)出荷作業ドライバーまたは車販売店スタッフであっても、探索されるべき車両20の車両識別番号も、車両識別番号に対応する車載ビーコン装置識別番号もはっきりとは知らない場合がある。
【0061】
このような場合には、充実したデータベースとしての管理リスト41を有する管理サーバ装置40への予めの問合せを利用する、探索対象の設定をアシストする機能が実装されていてもよい。
【0062】
たとえば、探索対象の設定は、
図2に示されているような携帯端末機器50の検索操作画面を利用して、対象の車両20の車載ビーコン装置識別番号を予め選択することにより行われてもよい。
【0063】
ここに、
図2は、本発明における実施の形態の車両ピッキング支援システム10の携帯端末機器50の操作画面の説明図(その一)である。
【0064】
上述されたように、車両識別番号または車載ビーコン装置識別番号が予め設定されている携帯端末機器50においては、対象の車両20の位置情報を利用することにより、車両20の位置が敷地地図に表示されるので、ユーザは車両20に近い場所に移動して探索を始めることができる。
【0065】
図2に示された検索操作画面についてより具体的に説明すると、つぎの通りである。
【0066】
検索条件表示内容は、第1アイテムとしての車種またはメーカーと、第2アイテムとしての色と、第3アイテムとしての製造番号と、第4アイテムとしてのエリアと、で構成されている。
【0067】
検索結果表示内容は、第5アイテムとしてのビーコン番号、すなわち車載ビーコン装置識別番号と、第6アイテムとしての番号入力と、第7アイテムとしての詳細表示と、で構成されている。第6アイテムとしての番号入力については、ユーザの直接入力が要求される。第7アイテムとしての詳細表示については、車種またはメーカーと、色と、製造番号と、駐車エリアまたは位置と、登録、保管および出荷のような処理状態と、が検索により表示される。
【0068】
(C2)車両識別番号または車載ビーコン装置識別番号を予め設定するのではなく、管理サーバ装置40へのリアルタイムでの問合せを利用する、探索対象の設定をアシストする機能が実装されていてもよい。
【0069】
たとえば、探索対象の設定は、
図3に示されているような携帯端末機器50の設定操作画面を利用して、受信されているビーコン信号に対応する車載ビーコン装置識別番号の内の一つを設定することにより行われてもよい。
【0070】
ここに、
図3は、本発明における実施の形態の車両ピッキング支援システム10の携帯端末機器50の操作画面の説明図(その二)である。
【0071】
車両識別番号または車載ビーコン装置識別番号が予め設定されていなくても、ユーザは、敷地地図などを見ながら、対象の車両20に近いと思われる場所を目指して移動し、車両20のビーコン信号が受信される数十メートル以内の一定範囲に入ると、操作画面で車両20を特定することができる。
【0072】
図3に示された設定操作画面についてより具体的に説明すると、つぎの通りである。
【0073】
「ID01」のような車載ビーコン装置送信IDを含むビーコン信号が受信されると、管理サーバ装置40の管理リスト41、または予め生成された携帯端末機器50のローカルデータベースを参照することにより、対応する車両識別番号および車載ビーコン装置識別番号が決定される。そして、RSSIを利用することにより、車載ビーコン装置30と携帯端末機器50との間の距離であるビーコン距離が、決定される。
【0074】
したがって、対象の車両20のビーコン信号が受信されると、第1アイテムとしての対象の車両20の車両アイコンがアクティブ化され、第2アイテムとしての「01」のような車載ビーコン装置識別番号、および「123m」のようなビーコン距離が車載ビーコン装置送信IDに基づき表示される。
【0075】
そして、「ID02」のような車載ビーコン装置受信IDを含むビーコン信号がユーザのボタン押下げにより送信可能であるように、第4アイテムとしてのビーコン送信ボタンがアクティブ化される。
【0076】
さらに、ビーコン距離が小さくなり、1~3メートル以内の一定範囲への近接が認識されると、対象の車両20の車両アイコンがユーザのボタン押下げによりロック処理で非アクティブ化可能であるように、第5アイテムとしての完了ボタンがアクティブ化される。
【0077】
図4を主として参照しながらより具体的に説明すると、つぎの通りである。
【0078】
ここに、
図4は、本発明における実施の形態の車両ピッキング支援システム10の動作フローの説明図である。
【0079】
(ステップS1)
管理サーバ装置40は、車両識別番号に関連付けられた車載ビーコン装置識別番号と、車載ビーコン装置識別番号に対応する、車載ビーコン装置送信IDおよび車載ビーコン装置受信IDと、を保存し管理する。
【0080】
(ステップS2)
携帯端末機器50は、探索対象の車両20を管理サーバ装置40へ知らせ、車載ビーコン装置識別番号と、対応する車載ビーコン装置送信IDおよび車載ビーコン装置受信IDと、を検索し、検索結果を自身の内蔵メモリなどに登録する。
【0081】
(ステップS3)
特定車両を含む車両20の車載ビーコン装置30は、「ID01」のような車載ビーコン装置送信IDを含むビーコン信号を数十メートル以内の一定範囲へ送信する。
【0082】
(ステップS4)
車両探索のための携帯端末機器50は、受信されたビーコン信号の車載ビーコン装置送信IDに対応する車載ビーコン装置識別番号などを知るために、管理サーバ装置40への問合せを行う。
【0083】
(ステップS5)
管理サーバ装置40は、返信で、携帯端末機器50からの問合せにおける車載ビーコン装置送信IDに関連付けられた車載ビーコン装置識別番号などを携帯端末機器50に教える。
【0084】
もちろん、携帯端末機器50が探索車両情報を確実に予め登録している(ステップS2参照)のであれば、管理サーバ装置40への参照など(ステップS4およびS5参照)は省略可能である。
【0085】
(ステップS6)
携帯端末機器50は、管理サーバ装置40からの返信に基づき、探索対象の車載ビーコン装置識別番号などが見出された場合においては、「ID01」のような車載ビーコン装置送信IDとペアにされた「ID02」のような車載ビーコン装置受信IDを含むビーコン信号を数十メートル以内の一定範囲へ送信する。
【0086】
(ステップS7)
車載ビーコン装置30は、自身の車載ビーコン装置送信IDとペアにされた車載ビーコン装置受信IDを含むビーコン信号を受信すると、発光およびブザー音の内の少なくとも一つで発報を行う。
【0087】
(ステップS8)
携帯端末機器50が車載ビーコン装置30を中心とする1~3メートル以内の一定範囲に近接すると、対象車両到着の表示が携帯端末機器50の表示操作パネル53において行われ、探索処理の完了通知が携帯端末機器50から管理サーバ装置40へ送信される。
【0088】
(ステップS9)
管理サーバ装置40は、携帯端末機器50から送信された情報を利用して、処理時刻と、処理端末と、端末位置と、登録、保管および出荷のような処理状態と、に関する対象の車両20の関連情報の更新などを車両識別番号などに基づき行う。
【0089】
もちろん、現実の運用においては、車両20が最初に駐車されたときに、関連情報の更新(ステップS9参照)などがしばしば行われるので、車載ビーコン装置送信IDおよび車載ビーコン装置受信IDなどの検索結果(ステップS2参照)に対象車両である車両20の位置情報などを追加することができる。
【0090】
(C3)管理サーバ装置40が、管理リスト41を検索することにより、携帯端末機器50から送信された車載ビーコン装置識別番号に対応する車載ビーコン装置送信IDを決定するのではなく、携帯端末機器50が、管理リスト41を検索することにより、車載ビーコン装置識別番号に対応する車載ビーコン装置送信IDを自身で決定してもよい。
【0091】
上述においては、本実施の形態の車両ピッキング支援システム10の動作について説明しながら、本発明に関連する発明における対象物探索支援方法の一例についても説明した。
【0092】
なお、本発明に関連する発明におけるプログラムは、上述された本発明に関連する発明における対象物探索支援方法の全部または一部のステップ(または、工程、動作もしくは作用など)の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、コンピュータと協働して動作するプログラムである。
【0093】
また、本発明に関連する発明における記録媒体は、上述された本発明に関連する発明における対象物探索支援方法の全部または一部のステップ(または、工程、動作もしくは作用など)の全部または一部の動作をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録する記録媒体であり、コンピュータにより読取り可能であり、読取られたプログラムがコンピュータと協働して利用される記録媒体である。
【0094】
なお、上述された「一部のステップ(または、工程、動作もしくは作用など)」は、それらの複数のステップの内の、一つまたは幾つかのステップを意味する。
【0095】
また、上述された「ステップ(または、工程、動作もしくは作用など)の動作」は、ステップの全部または一部の動作を意味する。
【0096】
また、本発明に関連する発明におけるプログラムは、インターネットなどの伝送媒体、または光、電波または音波などの伝送媒体の中を伝送し、コンピュータにより読取られ、コンピュータと協働して動作してもよい。
【0097】
また、記録媒体としては、ROM(Read Only Memory)などが含まれる。
【0098】
また、上述された本発明におけるコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)などの純然たるハードウェアに限らず、ファームウェア、OS(Operating System)、そしてさらに周辺機器を含んでもよい。
【0099】
なお、上述されたように、本発明における構成は、ソフトウェア的に実現されてもよいし、ハードウェア的に実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明における対象物探索支援システムは、融通性に富んだシステム構築を実現することができ、たとえば、車両ピッキング支援システムのような対象物探索支援システムに利用する目的に有用である。
【符号の説明】
【0101】
10 車両ピッキング支援システム
11 インターネット
12 モータープール
20 車両
30 車載ビーコン装置
31 車載ビーコン装置送信部
32 車載ビーコン装置受信部
33 発報部
40 管理サーバ装置
41 管理リスト
50 携帯端末機器
51 携帯端末機器送信部
52 携帯端末機器受信部
53 表示操作パネル