IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社タムロンの特許一覧

<>
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図1
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図2
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図3
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図4
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図5
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図6
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図7
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図8
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図9
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図10
  • 特許-ズームレンズおよび撮像装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】ズームレンズおよび撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 15/20 20060101AFI20220411BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
G02B15/20
G02B13/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018016835
(22)【出願日】2018-02-01
(65)【公開番号】P2019133072
(43)【公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-10-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】林 俊秀
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-037163(JP,A)
【文献】特開平09-211323(JP,A)
【文献】特開2004-061910(JP,A)
【文献】国際公開第2011/145288(WO,A1)
【文献】特開2011-059497(JP,A)
【文献】特開2011-059494(JP,A)
【文献】特開2009-025380(JP,A)
【文献】特開2014-235190(JP,A)
【文献】特開2015-206979(JP,A)
【文献】国際公開第2018/078887(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に配置された、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、からなり、
前記各レンズ群の光軸上の間隔を変化させることにより広角端から望遠端への変倍を行い、
変倍の際に、前記第1レンズ群を像側に凸の軌跡を描くように移動させ、
前記第3レンズ群を光軸に沿って移動させてフォーカシングを行い、
以下に示す条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
(1) νd1n ave≧67.5
(3) 0.75≦f2/|f1|≦1.70
(5) 2.10≦f4/|f1|≦4.20
ただし、νd1n aveは前記第1レンズ群に含まれる全ての負レンズのアッベ数の平均値、f1は前記第1レンズ群の焦点距離、f2は前記第2レンズ群の焦点距離、f4は前記第4レンズ群の焦点距離を示す。
【請求項2】
以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
(2) nd1n max≦1.80
ただし、nd1n maxは前記第1レンズ群に含まれる負レンズの屈折率の最大値を示す。
【請求項3】
以下に示す条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
(4) 1.50≦f3/f1≦2.70
ただし、f1は前記第1レンズ群の焦点距離、f3は前記第3レンズ群の焦点距離を示す。
【請求項4】
請求項1~のいずれか一つに記載のズームレンズと、該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズームレンズおよび撮像装置に関し、特にCCDやCMOS等の固体撮像素子が搭載された撮像装置に好適なズームレンズ、およびこのズームレンズを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一眼レフカメラ、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ等、CCDやCOMS等の固体撮像素子が搭載された撮像装置が急速に普及している。これに伴い、CCDやCMOS等の固体撮像素子が搭載された撮像装置に用いることが可能なズームレンズが提案されている(たとえば、特許文献1,2を参照。)。
【0003】
特許文献1には、物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、開口絞りを含む正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群を有し、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化し、フォーカシングに際して第3レンズ群が移動するズームレンズが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、負屈折力の前群と正屈折力の後群とからなり、前群は、負屈折力の第1のレンズと、負屈折力の第2のレンズと、正屈折力の第3のレンズとを含み、第1のレンズと第2のレンズは、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズであり、後群は、2つのレンズユニットを有し、変倍に際して、前群と後群との間隔は狭くなり、2つのレンズユニットとの間隔は変化し、第1のレンズユニットは、2つのサブレンズユニットと開口絞りとで構成され、像側のサブレンズユニットはフォーカスレンズ群を有し、変倍に際して、2つのサブレンズユニットの間隔は変化するか、又は一定であるズームレンズが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-75742号公報
【文献】特開2017-122744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デジタルカメラでは、動画撮影も可能なことから、動画撮影に対応した高速なオートフォーカス処理が望まれる。オートフォーカスは、まず、一部のレンズ群(フォーカス群)を光軸方向へ高速で振動させて(ウォブリング)、非合焦状態→合焦状態→非合焦状態を作り出す。そして、撮像素子の出力信号から一部画像領域の特定の周波数帯の信号成分を検出して、合焦状態となるフォーカス群の最適位置を求め、その最適位置にフォーカス群を移動させる。特に、動画撮影では、それら一連の動作を高速で連続して繰り返すことが要求される。そして、ウォブリングを実行するためには、フォーカス群を高速に駆動することを可能にすべく、フォーカス群は極力口径を小さく、そして軽くすることが求められる。
【0007】
また、ウォブリングを導入する場合、ウォブリング時に被写体に対応する画像の大きさが変化する。これは、主に、フォーカス群の光軸方向への移動により光学系全系の焦点距離が変化することに起因するものである。また、ウォブリング時は常にフォーカス群を動かしているため、画角変動による像倍率の変化が大きい場合には、画像が常に揺らいでいるように見えてしまい違和感を生じることになる。この違和感を軽減させるためには、絞りに対して後方のレンズ群でフォーカシングを行えばよいことが知られている。
【0008】
一方、広角ズームレンズを設計する場合、正群先行タイプを選択すると、前玉が大きくなり、小型・軽量なズームレンズを設計するのが難しくなる。一般に、ズームレンズの第1レンズ群は、他のレンズ群に比べて大きくなるため、第1レンズ群を構成するレンズに高屈折率の比重の大きい硝材を使用した場合、レンズ重量が増し軽量な光学系の設計が困難になる。加えて、軸外光線が光軸から遠い位置で通過する第1レンズ群に高分散の硝材を用いたレンズを配置した場合、倍率色収差の補正が難しくなり、高解像力を有する光学系を実現することが困難になる。
【0009】
上記特許文献1,2に開示されたズームレンズは、負群先行タイプで、かつ絞りより後方の第3レンズ群をフォーカス群としているため、動画撮影時のウォブリングに適した小型のものである。しかしながら、第1レンズ群中に配置される負レンズに高屈折率・高分散の硝子を使用しているため、高い解像力は期待できない光学系となっている。
【0010】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、動画撮影にも好適に適用できると共に、小型・軽量で高い解像力を有するズームレンズを提供することを目的とする。加えて、小型・軽量で高い解像力を有するズームレンズを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるズームレンズは、物体側から順に配置された、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、からなり、前記各レンズ群の光軸上の間隔を変化させることにより広角端から望遠端への変倍を行い、前記第3レンズ群を光軸に沿って移動させてフォーカシングを行い、以下に示す条件式を満足することを特徴とする。
(1) νd1n ave≧67.5
ただし、νd1n aveは前記第1レンズ群に含まれる全ての負レンズのアッベ数の平均値を示す。
【0012】
上記発明によれば、動画撮影にも好適な、小型・軽量で高い解像力を有するズームレンズを提供することができる。
【0013】
また、本発明にかかる撮像装置は、前記ズームレンズと、該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
上記発明によれば、小型・軽量で高い解像力を有するズームレンズを備えた撮像装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、動画撮影にも好適な、小型・軽量で高い解像力を有するズームレンズを提供することができるという効果を奏する。さらに、小型・軽量で高い解像力を有するズームレンズを備えた撮像装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例1にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
図2】実施例1にかかるズームレンズの諸収差図である。
図3】実施例2にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
図4】実施例2にかかるズームレンズの諸収差図である。
図5】実施例3にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
図6】実施例3にかかるズームレンズの諸収差図である。
図7】実施例4にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
図8】実施例4にかかるズームレンズの諸収差図である。
図9】実施例5にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。
図10】実施例5にかかるズームレンズの諸収差図である。
図11】本発明にかかるズームレンズを備えた撮像装置の一適用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明にかかるズームレンズおよび撮像装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
本発明にかかるズームレンズは、物体側から順に配置された、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、からなっている。そして、第1~第4レンズ群を光軸に沿って移動させて、前記各レンズ群の光軸上の間隔を変えることにより広角端から望遠端への変倍を行う。さらに、第3レンズ群を光軸に沿って移動させてフォーカシングを行う。
【0019】
本発明にかかるズームレンズは、物体側から順に、負正負正の屈折力を有する4つのレンズ群を配置する構成を採用した。ズームレンズにおいて、第1レンズ群の口径は他のレンズ群より大きくなる傾向にある。そこで、本発明では、第1レンズ群を負群とすることにより、第1レンズ群の口径を小さく抑えて、光学系の小型・軽量化を実現する。また、第1レンズ群を負群とすることにより、広角側の画角を確保しやすくなる。
【0020】
また、第2レンズ群を正群とすることで、第3レンズ群へ入射する光束径を小さくすることができる。そして、第3レンズ群をフォーカス群とすることで、小径で軽量なレンズ群にて画角変化が小さいウォブリングが可能になるため、動画撮影にも好適に適用できるズームレンズを実現することができる。
【0021】
加えて、本発明にかかるズームレンズでは、第1レンズ群に含まれる全ての負レンズのアッベ数の平均値をνd1n aveとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(1) νd1n ave≧67.5
【0022】
条件式(1)は、第1レンズ群に含まれる負レンズのアッベ数の平均値の範囲を規定する式である。軸外光線が光軸から遠い位置で通過する第1レンズ群に高分散の硝材を用いたレンズを配置した場合、色収差の補正が難しくなり、高解像力を有する光学系を実現することが困難になる。そこで、本発明では、第1レンズ群中に条件式(1)を満足するような分散が小さい負レンズを採用することにより、倍率色収差や軸上色収差を良好に補正することが可能になって、高解像力を有する光学系を実現することができる。
【0023】
なお、条件式(1)の下限値は、好ましくは67.7以上、より好ましくは68.0以上になるように設定するとよい。また、条件式(1)の上限値は、好ましくは95.0以下、より好ましくは85.0以下になるように設定するとよい。
【0024】
さらに、本発明にかかるズームレンズでは、第1レンズ群に含まれる負レンズの屈折率の最大値をnd1n maxとするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(2) nd1n max≦1.80
【0025】
条件式(2)は、第1レンズ群に含まれる負レンズの屈折率の最大値の範囲を規定する式である。一般的にズームレンズの第1レンズ群は、他のレンズ群に比べて大きくなるため、第1レンズ群を構成するレンズに高屈折率の比重の大きい硝材を使用した場合、レンズ重量が増し軽量な光学系の実現が困難になる。そこで、本発明では、第1レンズ群中に条件式(2)を満足するような屈折率が小さい負レンズを採用することにより、光学系中で最も大きい第1レンズ群に比重の小さい硝材を使用することになるため、軽量な光学系が設計しやすくなる。
【0026】
なお、条件式(2)の下限値は、好ましくは1.44以上、より好ましくは1.49以上になるように設定するとよい。また、条件式(2)の上限値は、好ましくは1.75以下、より好ましくは1.72以下になるように設定するとよい。
【0027】
さらに、本発明にかかるズームレンズでは、第1レンズ群の焦点距離をf1、第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(3) 0.75≦f2/|f1|≦1.70
【0028】
条件式(3)は、第1レンズ群の焦点距離の絶対値に対する第2レンズ群の焦点距離の比の範囲を規定するための式である。条件式(3)を満足することで、第1レンズ群に対する第2レンズ群の屈折力を適切にして、良好な解像性能を維持しながら、光学系全長を短縮することができ、小型で、高解像力を有するズームレンズを実現することが可能になる。
【0029】
条件式(3)においてその下限を下回ると、第1レンズ群に対する第2レンズ群の屈折力が強くなりすぎて、球面収差の補正が過剰になり、高解像力を有するズームレンズを実現することが困難になる。一方、条件式(3)においてその上限を超えると、第1レンズ群に対する第2レンズ群の屈折力が弱くなりすぎて、光学系全長が延び、小型のズームレンズを実現することが困難になる。
【0030】
なお、条件式(3)の下限値は、好ましくは0.80以上、より好ましくは0.90以上になるように設定するとよい。また、条件式(3)の上限値は、好ましくは1.60以下、より好ましくは1.50以下になるように設定するとよい。
【0031】
さらに、本発明にかかるズームレンズでは、第1レンズ群の焦点距離をf1、第3レンズ群の焦点距離をf3とするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(4) 1.50≦f3/f1≦2.70
【0032】
条件式(4)は、第1レンズ群の焦点距離に対する第3レンズ群の焦点距離の比の範囲を規定するための式である。条件式(4)を満足することで、第1レンズ群に対する第3レンズ群の屈折力を適切にして、良好な解像性能を維持しながら、光学系全長を短縮することができ、小型で、高解像力を有するズームレンズを実現することが可能になる。
【0033】
条件式(4)においてその下限を下回ると、第1レンズ群に対する第3レンズ群の屈折力が強くなりすぎて、球面収差の補正が過剰になり、高解像力を有するズームレンズを実現することが困難になる。一方、条件式(4)においてその上限を超えると、第1レンズ群に対する第3レンズ群の屈折力が弱くなりすぎて、フォーカシング時の第3レンズ群の移動量が増加することにより光学系全長が延び、小型のズームレンズを実現することが困難になる。
【0034】
なお、条件式(4)の下限値は、好ましくは1.60以上、より好ましくは1.65以上になるように設定するとよい。また、条件式(4)の上限値は、好ましくは2.60以下、より好ましくは2.45以下になるように設定するとよい。
【0035】
さらに、本発明にかかるズームレンズでは、第1レンズ群の焦点距離をf1、第4レンズ群の焦点距離をf4とするとき、次の条件式を満足することが好ましい。
(5) 1.90≦f4/|f1|≦4.20
【0036】
条件式(5)は、第1レンズ群の焦点距離の絶対値に対する第4レンズ群の焦点距離の比の範囲を規定するための式である。条件式(5)を満足することで、第1レンズ群に対する第4レンズ群の屈折力を適切にして、良好な解像性能を維持しながら、光学系全長を短縮することができ、小型で、高解像力を有するズームレンズを実現することが可能になる。
【0037】
条件式(5)においてその下限を下回ると、第1レンズ群に対する第4レンズ群の屈折力が強くなりすぎて、像面湾曲の補正が過剰になり、高解像力を有するズームレンズを実現することが困難になる。一方、条件式(5)においてその上限を超えると、第1レンズ群に対する第4レンズ群の屈折力が弱くなりすぎて、光学系全長が延び、小型のズームレンズを実現することが困難になる。
【0038】
なお、条件式(5)の下限値は、好ましくは2.00以上、より好ましくは2.10以上になるように設定するとよい。また、条件式(5)の上限値は、好ましくは4.00以下、より好ましくは3.90以下になるように設定するとよい。
【0039】
また、本発明にかかるズームレンズでは、変倍の際に、第1レンズ群を像側に凸の軌跡を描くように移動させるとよい。このようにすることで、望遠端での像倍率を稼ぎやすくなり、高変倍比のズームレンズの実現が容易になる。
【0040】
以上説明したように、本発明にかかるズームレンズは、上記構成を備えることにより、高変倍比を確保しつつ、小型化、軽量化、高解像化を達成することができ、動画撮影にも好適に適用することができる。特に、条件式(1)を満足することで、色収差を良好に補正することができる。条件式(2)を満足することで、光学系のより軽量化を実現することができる。条件式(3)を満足することで、良好な解像性能を維持しながら(特に、球面収差の良好な補正が可能になる)、光学系全長をより短縮することができる。条件式(4)を満足することで、良好な解像性能を維持しながら(特に、球面収差の良好な補正が可能になる)、フォーカシング時における第3レンズ群の移動量を抑制して、光学系全長をより短縮することができる。条件式(5)を満足することで、良好な解像性能を維持しながら(特に、像面湾曲の良好な補正が可能になる)、光学系全長をより短縮することができる。
【0041】
さらに、本発明では、上記構成を備えたズームレンズと、このズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子と、を備えることによって、小型・軽量で、高解像力を有するズームレンズを備えた撮像装置を実現することができる。
【0042】
以下、本発明にかかるズームレンズの実施例を図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0043】
図1は、実施例1にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。このズームレンズは、図示しない物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、が配置されて構成される。第4レンズ群G4と像面IMGとの間には、カバーガラスCGが配置されている。カバーガラスCGは、必要に応じて配置される。
【0044】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、両凹負レンズL13と、両凸正レンズL14と、が配置されて構成される。負メニスカスレンズL12の両面には、非球面が形成されている。両凹負レンズL13と両凸正レンズL14とは、接合されている。
【0045】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と、所定の口径を規定する開口絞りSTPと、両凸正レンズL23と、両凹負レンズL24と、両凸正レンズL25と、が配置されて構成される。負メニスカスレンズL21と正メニスカスレンズL22とは、接合されている。両凸正レンズL23と両凹負レンズL24とは、接合されている。両凸正レンズL25の両面には、非球面が形成されている。
【0046】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凹負レンズL31と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL32と、が配置されて構成される。
【0047】
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸正レンズL41と、両凹負レンズL42と、が配置されて構成される。両凹負レンズL42の両面には、非球面が形成されている。
【0048】
このズームレンズでは、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が徐々に狭まるように、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が徐々に広がるように、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が徐々に広がるように、第4レンズ群G4とカバーガラスCGとの間隔が徐々に広がるように、各レンズ群が移動する。
【0049】
具体的には、広角端から望遠端への変倍に際して、各レンズ群は次のように移動する。第1レンズ群G1は、光軸に沿って像面IMG側に凸の軌跡を描くように移動する。すなわち、一旦像面IMG側に移動した後、物体側に移動する。第2レンズ群G2は、光軸に沿って像面IMG側から物体側へ単調に移動する。第3レンズ群G3は、光軸に沿って像面IMG側から物体側へ単調に移動する。第4レンズ群G4は、光軸に沿って像面IMG側から物体側へ単調に移動する。
【0050】
また、このズームレンズでは、第3レンズ群G3を光軸に沿って物体側から像面IMG側へ移動させることにより、フォーカシングを行う。
【0051】
以下、実施例1にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
【0052】
(面データ)
1=36.1445
1=1.2000 nd1=1.59561 νd1=67.00
2=11.9369
2=4.1786
3=20.0000(非球面)
3=1.5000 nd2=1.69979 νd2=55.46
4=9.7567(非球面)
4=6.4499
5=-29.9941
5=0.6500 nd3=1.49845 νd3=81.61
6=15.5345
6=3.7013 nd4=1.80831 νd4=46.50
7=-295.9645
7=D(7)(可変)
8=18.8800
8=0.6000 nd5=1.83945 νd5=42.72
9=8.8369
9=2.8000 nd6=1.61669 νd6=44.27
10=47.3804
10=1.5000
11=∞(開口絞り)
11=3.4702
12=14.7421
12=2.7578 nd7=1.49845 νd7=81.61
13=-48.4383
13=0.6000 nd8=1.80633 νd8=29.84
14=28.0242
14=0.9637
15=40.3028(非球面)
15=2.7732 nd9=1.49856 νd9=81.56
16=-16.1149(非球面)
16=D(16)(可変)
17=-62.3217
17=0.6500 nd10=1.91695 νd10=35.25
18=21.7156
18=0.7068
19=25.2705
19=2.0216 nd11=1.93323 νd11=20.88
20=111.3000
20=D(20)(可変)
21=27.0257
21=4.7390 nd12=1.49845 νd12=81.61
22=-23.2392
22=0.1500
23=-42.3506(非球面)
23=1.2000 nd13=1.85639 νd13=40.10
24=600.0000(非球面)
24=D(24)(可変)
25=∞
25=3.5600 nd14=1.51872 νd14=64.20
26=∞
26=3.6260
27=∞(像面)
【0053】
(円錐係数(κ)および非球面係数(A4,A6,A8,A10))
(第3面)
κ=1.00000,
4=4.38991×10-5,A6=-3.54159×10-7
8=9.26420×10-10,A10=-3.29341×10-12
(第4面)
κ=-7.69271×10-1
4=1.07041×10-4,A6=-1.22138×10-7
8=6.63998×10-11,A10=-1.61017×10-11
(第15面)
κ=0,
4=-1.55206×10-4,A6=1.89245×10-7
8=-2.43418×10-8,A10=8.84116×10-10
(第16面)
κ=0,
4=-1.36697×10-5,A6=1.67240×10-7
8=-1.65197×10-8,A10=6.83693×10-10
(第23面)
κ=0,
4=1.64689×10-4,A6=-1.22862×10-6
8=6.91495×10-9,A10=-2.32317×10-11
(第24面)
κ=0,
4=1.96588×10-4,A6=-1.01713×10-6
8=5.95149×10-9,A10=-1.72677×10-11
【0054】
(各種データ)
広角端 中間焦点位置 望遠端
焦点距離 12.1603 16.6984 22.9174
Fナンバー 3.2996 3.7671 4.3804
半画角(ω) 52.3781 40.9985 31.0120
D(7) 15.3971 7.2134 0.9000
D(16) 1.6387 4.0656 7.9199
D(20) 3.9091 5.3491 5.5896
D(24) 13.7332 15.5738 18.0227
【0055】
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 -15.96(f1)
2 8 18.75(f2)
3 17 -36.40(f3)
4 21 54.35(f4)
【0056】
(条件式(1)に関する数値)
νd1n ave=68.0
(νd1n ave:第1レンズ群G1に含まれる全ての負レンズのアッベ数の平均値)
【0057】
(条件式(2)に関する数値)
nd1n max=1.70
(nd1n max:第1レンズ群G1に含まれる負レンズの屈折率の最大値)
【0058】
(条件式(3)に関する数値)
f2/|f1|=1.18
【0059】
(条件式(4)に関する数値)
f3/f1=2.28
【0060】
(条件式(5)に関する数値)
f4/|f1|=3.41
【0061】
図2は、実施例1にかかるズームレンズの諸収差図である。球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線はd線(587.56nm)、長破線はF線(486.13nm)、短破線はC線(656.28nm)に相当する波長の特性を示している。非点収差図において、縦軸は像高(図中、Yで示す)を表し、実線はサジタル平面(図中、Sで示す)、破線はメリディオナル平面(図中、Mで示す)の特性を示している。歪曲収差図において、縦軸は像高(図中、Yで示す)を表している。
【実施例2】
【0062】
図3は、実施例2にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。本実施例にかかるズームレンズの光学構成や変倍時における各レンズ群の移動等は、実施例1に示したズームレンズと同様である。よって、本実施例では、実施例1と同様な部材には同一の符号を付すとともに、それらについての詳細な説明は省略する。
【0063】
以下、実施例2にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
【0064】
(面データ)
1=30.9464
1=1.2000 nd1=1.59561 νd1=67.00
2=11.6715
2=5.3972
3=22.7838(非球面)
3=1.5000 nd2=1.59412 νd2=67.02
4=9.6000(非球面)
4=6.2598
5=-31.1490
5=0.6500 nd3=1.49845 νd3=81.61
6=15.6938
6=3.4248 nd4=1.80831 νd4=46.50
7=-2108.2925
7=D(7)(可変)
8=12.9644
8=0.6000 nd5=1.88622 νd5=40.14
9=8.5916
9=2.8000 nd6=1.62408 νd6=36.30
10=34.8241
10=1.5000
11=∞(開口絞り)
11=1.4911
12=14.5432
12=2.7666 nd7=1.49845 νd7=81.61
13=-26.1893
13=0.6000 nd8=1.80633 νd8=29.84
14=29.3688
14=1.7308
15=34.5599(非球面)
15=2.6320 nd9=1.49856 νd9=81.56
16=-14.9473(非球面)
16=D(16)(可変)
17=-44.6362
17=0.6500 nd10=1.91695 νd10=35.25
18=22.7837
18=0.3427
19=24.5498
19=2.0669 nd11=1.93323 νd11=20.88
20=96.2460
20=D(20)(可変)
21=36.4942
21=4.1829 nd12=1.49845 νd12=81.61
22=-22.3562
22=1.4093
23=-320.2790(非球面)
23=1.2000 nd13=1.85639 νd13=40.10
24=89.5878(非球面)
24=D(24)(可変)
25=∞
25=3.5600 nd14=1.51872 νd14=64.20
26=∞
26=3.6260
27=∞(像面)
【0065】
(円錐係数(κ)および非球面係数(A4,A6,A8,A10))
(第3面)
κ=1.00000,
4=2.89212×10-5,A6=5.65789×10-8
8=-1.53115×10-9,A10=8.68297×10-12
(第4面)
κ=-8.58887×10-1
4=8.66238×10-5,A6=2.95590×10-7
8=-1.34983×10-9,A10=-1.85030×10-11
(第15面)
κ=0,
4=-1.68755×10-4,A6=1.20015×10-7
8=-4.15652×10-8,A10=9.29682×10-10
(第16面)
κ=0,
4=-1.94710×10-5,A6=8.10568×10-8
8=-3.31981×10-8,A10=7.12003×10-10
(第23面)
κ=0,
4=-1.00793×10-4,A6=1.73333×10-6
8=-9.72346×10-9,A10=2.16596×10-11
(第24面)
κ=0,
4=-7.04945×10-5,A6=1.76173×10-6
8=-9.46483×10-9,A10=2.41106×10-11
【0066】
(各種データ)
広角端 中間焦点位置 望遠端
焦点距離 12.1595 16.6985 22.9197
Fナンバー 3.2677 3.7396 4.3658
半画角(ω) 52.3678 41.1105 31.0052
D(7) 14.4779 6.7237 0.9000
D(16) 2.8706 6.1328 10.6621
D(20) 2.6987 3.7214 4.0198
D(24) 13.6268 14.8321 16.8281
【0067】
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 -15.42(f1)
2 8 18.66(f2)
3 17 -31.07(f3)
4 21 41.42(f4)
【0068】
(条件式(1)に関する数値)
νd1n ave=71.9
(νd1n ave:第1レンズ群G1に含まれる全ての負レンズのアッベ数の平均値)
【0069】
(条件式(2)に関する数値)
nd1n max=1.60
(nd1n max:第1レンズ群G1に含まれる負レンズの屈折率の最大値)
【0070】
(条件式(3)に関する数値)
f2/|f1|=1.21
【0071】
(条件式(4)に関する数値)
f3/f1=2.01
【0072】
(条件式(5)に関する数値)
f4/|f1|=2.69
【0073】
図4は、実施例2にかかるズームレンズの諸収差図である。球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線はd線(587.56nm)、長破線はF線(486.13nm)、短破線はC線(656.28nm)に相当する波長の特性を示している。非点収差図において、縦軸は像高(図中、Yで示す)を表し、実線はサジタル平面(図中、Sで示す)、破線はメリディオナル平面(図中、Mで示す)の特性を示している。歪曲収差図において、縦軸は像高(図中、Yで示す)を表している。
【実施例3】
【0074】
図5は、実施例3にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。本実施例にかかるズームレンズでは、実施例1における第1レンズ群G1の両凸正レンズL14に代えて物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL314が配置されていること以外の光学構成や変倍時における各レンズ群の移動等は、実施例1に示したズームレンズと同様である。よって、本実施例では、実施例1と同様な部材には同一の符号を付すとともに、それらについての詳細な説明は省略する。
【0075】
以下、実施例3にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
【0076】
(面データ)
1=33.9498
1=1.2000 nd1=1.59561 νd1=67.00
2=12.5148
2=5.4644
3=20.5583(非球面)
3=1.5000 nd2=1.59412 νd2=67.02
4=9.6000(非球面)
4=7.5127
5=-33.0572
5=0.6500 nd3=1.43810 νd3=95.10
6=17.4533
6=3.1978 nd4=1.80831 νd4=46.50
7=198.7410
7=D(7)(可変)
8=12.1269
8=0.6000 nd5=1.88622 νd5=40.14
9=8.7861
9=2.8000 nd6=1.61669 νd6=44.27
10=29.1110
10=2.2471
11=∞(開口絞り)
11=2.7420
12=10.5006
12=2.7823 nd7=1.49845 νd7=81.61
13=-128.4436
13=0.6000 nd8=1.80633 νd8=29.84
14=19.4029
14=0.3867
15=30.7206(非球面)
15=2.1368 nd9=1.49856 νd9=81.56
16=-24.3421(非球面)
16=D(16)(可変)
17=-77.3626
17=0.6500 nd10=1.91695 νd10=35.25
18=19.7771
18=0.2119
19=20.4747
19=1.8487 nd11=1.93323 νd11=20.88
20=42.3042
20=D(20)(可変)
21=30.9906
21=5.5489 nd12=1.49845 νd12=81.61
22=-23.6498
22=0.1500
23=-320.2790(非球面)
23=1.2000 nd13=1.58547 νd13=59.46
24=74.7284(非球面)
24=D(24)(可変)
25=∞
25=3.5600 nd14=1.51872 νd14=64.20
26=∞
26=3.6260
27=∞(像面)
【0077】
(円錐係数(κ)および非球面係数(A4,A6,A8,A10))
(第3面)
κ=1.00000,
4=-7.18752×10-6,A6=1.73362×10-8
8=-4.11962×10-10,A10=-2.58725×10-13
(第4面)
κ=-8.77947×10-1
4=5.04440×10-5,A6=3.32103×10-8
8=1.91678×10-9,A10=-2.69349×10-11
(第15面)
κ=0,
4=-7.70822×10-5,A6=2.89943×10-6
8=1.39540×10-7,A10=7.49915×10-10
(第16面)
κ=0,
4=1.51955×10-4,A6=4.74831×10-6
8=7.25441×10-8,A10=3.27423×10-9
(第23面)
κ=0,
4=-1.29885×10-4,A6=1.98555×10-6
8=-1.11022×10-8,A10=2.25963×10-11
(第24面)
κ=0,
4=-9.59295×10-5,A6=1.97820×10-6
8=-1.02422×10-8,A10=2.19156×10-11
【0078】
(各種データ)
広角端 中間焦点位置 望遠端
焦点距離 12.1600 16.6991 22.9204
Fナンバー 3.1883 3.6745 4.3338
半画角(ω) 52.3872 41.0321 31.0136
D(7) 15.1586 7.0723 0.9000
D(16) 1.6003 4.3537 7.9411
D(20) 4.4626 6.1158 7.1560
D(24) 11.6194 12.8430 15.3877
【0079】
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 -16.57(f1)
2 8 18.29(f2)
3 17 -28.77(f3)
4 21 36.94(f4)
【0080】
(条件式(1)に関する数値)
νd1n ave=76.4
(νd1n ave:第1レンズ群G1に含まれる全ての負レンズのアッベ数の平均値)
【0081】
(条件式(2)に関する数値)
nd1n max=1.60
(nd1n max:第1レンズ群G1に含まれる負レンズの屈折率の最大値)
【0082】
(条件式(3)に関する数値)
f2/|f1|=1.10
【0083】
(条件式(4)に関する数値)
f3/f1=1.74
【0084】
(条件式(5)に関する数値)
f4/|f1|=2.23
【0085】
図6は、実施例3にかかるズームレンズの諸収差図である。球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線はd線(587.56nm)、長破線はF線(486.13nm)、短破線はC線(656.28nm)に相当する波長の特性を示している。非点収差図において、縦軸は像高(図中、Yで示す)を表し、実線はサジタル平面(図中、Sで示す)、破線はメリディオナル平面(図中、Mで示す)の特性を示している。歪曲収差図において、縦軸は像高(図中、Yで示す)を表している。
【実施例4】
【0086】
図7は、実施例4にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。本実施例にかかるズームレンズでは、実施例3における第2レンズ群G2の物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22に代えて両凸正レンズL422が配置されていること以外の光学構成や変倍時における各レンズ群の移動等は、実施例3に示したズームレンズと同様である。よって、本実施例では、実施例3と同様な部材には同一の符号を付すとともに、それらについての詳細な説明は省略する。
【0087】
以下、実施例4にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
【0088】
(面データ)
1=30.2479
1=1.2000 nd1=1.59561 νd1=67.00
2=11.2071
2=4.8485
3=20.1731(非球面)
3=1.5000 nd2=1.69979 νd2=55.46
4=9.6000(非球面)
4=5.8933
5=-34.8702
5=0.6500 nd3=1.49845 νd3=81.61
6=14.1654
6=3.3705 nd4=1.80831 νd4=46.50
7=186.7264
7=D(7)(可変)
8=15.5490
8=0.6000 nd5=1.83945 νd5=42.72
9=10.7089
9=2.8000 nd6=1.61669 νd6=44.27
10=-341.2266
10=1.5000
11=∞(開口絞り)
11=3.0722
12=24.0280
12=2.3343 nd7=1.49845 νd7=81.61
13=-20.8607
13=0.6000 nd8=1.80633 νd8=29.84
14=57.4121
14=4.2744
15=26.4365(非球面)
15=2.9566 nd9=1.49856 νd9=81.56
16=-21.3386(非球面)
16=D(16)(可変)
17=-49.9700
17=0.6500 nd10=1.91695 νd10=35.25
18=21.7156
18=0.2640
19=23.7819
19=2.2712 nd11=1.93323 νd11=20.88
20=111.3000
20=D(20)(可変)
21=23.5605
21=5.3175 nd12=1.49845 νd12=81.61
22=-22.8051
22=0.1500
23=-36.6347(非球面)
23=1.2000 nd13=1.85639 νd13=40.10
24=600.0000(非球面)
24=D(24)(可変)
25=∞
25=3.5600 nd14=1.51872 νd14=64.20
26=∞
26=3.6260
27=∞(像面)
【0089】
(円錐係数(κ)および非球面係数(A4,A6,A8,A10))
(第3面)
κ=1.00000,
4=8.45594×10-5,A6=-6.91666×10-7
8=1.64015×10-9,A10=1.14453×10-12
(第4面)
κ=-7.95393×10-1
4=1.69360×10-4,A6=-3.14226×10-7
8=-4.10529×10-9,A10=6.34240×10-12
(第15面)
κ=0,
4=-4.70292×10-5,A6=-8.70626×10-7
8=1.70316×10-8,A10=-4.54818×10-10
(第16面)
κ=0,
4=3.88403×10-5,A6=-9.41698×10-7
8=2.19223×10-8,A10=-4.78310×10-10
(第23面)
κ=0,
4=9.25515×10-5,A6=-3.58687×10-7
8=-6.60108×10-10,A10=9.65178×10-12
(第24面)
κ=0,
4=1.27317×10-4,A6=-1.46689×10-7
8=-1.87811×10-9,A10=1.71430×10-11
【0090】
(各種データ)
広角端 中間焦点位置 望遠端
焦点距離 12.1605 16.7002 22.9175
Fナンバー 3.3102 3.7520 4.3804
半画角(ω) 52.3732 41.0349 31.0022
D(7) 14.2367 6.5795 0.9000
D(16) 1.5982 5.3054 10.4972
D(20) 2.2118 2.6212 2.6047
D(24) 12.7392 13.8556 15.5580
【0091】
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 -14.18(f1)
2 8 19.15(f2)
3 17 -33.90(f3)
4 21 53.76(f4)
【0092】
(条件式(1)に関する数値)
νd1n ave=68.0
(νd1n ave:第1レンズ群G1に含まれる全ての負レンズのアッベ数の平均値)
【0093】
(条件式(2)に関する数値)
nd1n max=1.70
(nd1n max:第1レンズ群G1に含まれる負レンズの屈折率の最大値)
【0094】
(条件式(3)に関する数値)
f2/|f1|=1.35
【0095】
(条件式(4)に関する数値)
f3/f1=2.39
【0096】
(条件式(5)に関する数値)
f4/|f1|=3.79
【0097】
図8は、実施例4にかかるズームレンズの諸収差図である。球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線はd線(587.56nm)、長破線はF線(486.13nm)、短破線はC線(656.28nm)に相当する波長の特性を示している。非点収差図において、縦軸は像高(図中、Yで示す)を表し、実線はサジタル平面(図中、Sで示す)、破線はメリディオナル平面(図中、Mで示す)の特性を示している。歪曲収差図において、縦軸は像高(図中、Yで示す)を表している。
【実施例5】
【0098】
図9は、実施例5にかかるズームレンズの構成を示す光軸に沿う断面図である。本実施例にかかるズームレンズでは、実施例3における第4レンズ群G4の両凹負レンズL42に代えて物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL542が配置されていること以外の光学構成や変倍時における各レンズ群の移動等は、実施例3に示したズームレンズと同様である。なお、負メニスカスレンズL542の両面には、非球面が形成されている。本実施例では、実施例3と同様な部材には同一の符号を付すとともに、それらについての詳細な説明は省略する。
【0099】
以下、実施例5にかかるズームレンズに関する各種数値データを示す。
【0100】
(面データ)
1=34.3699
1=1.2000 nd1=1.62032 νd1=63.39
2=12.8489
2=5.4326
3=20.1046(非球面)
3=1.5000 nd2=1.59412 νd2=67.02
4=9.7698(非球面)
4=7.1083
5=-37.0135
5=0.6500 nd3=1.49845 νd3=81.61
6=16.4695
6=3.9966 nd4=1.80831 νd4=46.50
7=20023.1523
7=D(7)(可変)
8=12.6227
8=0.6000 nd5=1.80633 νd5=29.84
9=9.7010
9=2.4915 nd6=1.62408 νd6=36.30
10=30.0925
10=2.5572
11=∞(開口絞り)
11=2.7742
12=10.5901
12=2.8267 nd7=1.49845 νd7=81.61
13=-52.0180
13=0.6000 nd8=1.80633 νd8=29.84
14=20.5123
14=0.2592
15=25.0330(非球面)
15=2.0670 nd9=1.49856 νd9=81.56
16=-29.3332(非球面)
16=D(16)(可変)
17=-45.0377
17=0.6500 nd10=1.91695 νd10=35.25
18=28.2018
18=2.9179
19=40.1365
19=2.0151 nd11=1.93323 νd11=20.88
20=383.0135
20=D(20)(可変)
21=77.2896
21=4.6070 nd12=1.49845 νd12=81.61
22=-21.4598
22=0.1500
23=34.0442(非球面)
23=1.2000 nd13=1.85639 νd13=40.10
24=24.7568(非球面)
24=D(24)(可変)
25=∞
25=3.5600 nd14=1.51872 νd14=64.20
26=∞
26=3.6260
27=∞(像面)
【0101】
(円錐係数(κ)および非球面係数(A4,A6,A8,A10))
(第3面)
κ=1.00000,
4=-2.61092×10-5,A6=3.18825×10-8
8=2.12005×10-10,A10=-4.15154×10-12
(第4面)
κ=-9.32256×10-1
4=3.57757×10-5,A6=-2.02911×10-8
8=3.92053×10-9,A10=-3.08281×10-11
(第15面)
κ=0,
4=-2.58945×10-5,A6=4.46462×10-6
8=1.00161×10-7,A10=1.00288×10-9
(第16面)
κ=0,
4=2.21120×10-4,A6=6.14546×10-6
8=6.05775×10-8,A10=3.18262×10-9
(第23面)
κ=0,
4=-1.73227×10-4,A6=7.98530×10-7
8=9.71295×10-11,A10=-9.24158×10-12
(第24面)
κ=0,
4=-1.67122×10-4,A6=9.58443×10-7
8=-7.73126×10-10,A10=-5.90203×10-12
【0102】
(各種データ)
広角端 中間焦点位置 望遠端
焦点距離 12.1593 16.6983 22.9197
Fナンバー 3.1215 3.5937 4.2742
半画角(ω) 52.3842 41.1375 31.0037
D(7) 16.0593 7.4453 0.9000
D(16) 1.6042 3.2763 5.7054
D(20) 1.9278 4.2823 6.6782
D(24) 11.4118 13.2069 15.9272
【0103】
(ズームレンズ群データ)
群 始面 焦点距離
1 1 -17.87(f1)
2 8 17.87(f2)
3 17 -34.51(f3)
4 21 47.15(f4)
【0104】
(条件式(1)に関する数値)
νd1n ave=70.7
(νd1n ave:第1レンズ群G1に含まれる全ての負レンズのアッベ数の平均値)
【0105】
(条件式(2)に関する数値)
nd1n max=1.62
(nd1n max:第1レンズ群G1に含まれる負レンズの屈折率の最大値)
【0106】
(条件式(3)に関する数値)
f2/|f1|=1.00
【0107】
(条件式(4)に関する数値)
f3/f1=1.93
【0108】
(条件式(5)に関する数値)
f4/|f1|=2.64
【0109】
図10は、実施例5にかかるズームレンズの諸収差図である。球面収差図において、縦軸はFナンバー(図中、FNOで示す)を表し、実線はd線(587.56nm)、長破線はF線(486.13nm)、短破線はC線(656.28nm)に相当する波長の特性を示している。非点収差図において、縦軸は像高(図中、Yで示す)を表し、実線はサジタル平面(図中、Sで示す)、破線はメリディオナル平面(図中、Mで示す)の特性を示している。歪曲収差図において、縦軸は像高(図中、Yで示す)を表している。
【0110】
以下に上記各実施例における条件式の対応表を示す。
【0111】
【表1】
【0112】
なお、上記各実施例中の数値データにおいて、r1,r2,・・・・はレンズ、開口絞り面などの曲率半径、d1,d2,・・・・はレンズ、開口絞りなどの肉厚またはそれらの面間隔、nd1,nd2,・・・・はレンズなどのd線(587.56nm)に対する屈折率、νd1,νd2,・・・・はレンズなどのd線に対するアッベ数を示している。そして、長さの単位はすべて「mm」、角度の単位はすべて「°」である。
【0113】
また、上記各非球面形状は、光軸に垂直な方向の高さをh、レンズ面頂を原点としたときの高さhにおける光軸方向の変位量をZ、近軸曲率半径をr、円錐係数をκ、n次の非球面係数をAnとし、像面方向を正とするとき、以下に示す式により表される。
【0114】
【数1】
【0115】
以上説明したように、上記各実施例のズームレンズは、上記各条件式を満足することにより、高変倍比を確保しつつ、小型化、軽量化、高解像化を達成することができ、動画撮影にも好適なものとなる。特に、条件式(1)を満足することで、色収差を良好に補正することができる。条件式(2)を満足することで、光学系のより軽量化を実現することができる。条件式(3)を満足することで、良好な解像性能を維持しながら(特に、球面収差の良好な補正が可能になる)、光学系全長をより短縮することができる。条件式(4)を満足することで、良好な解像性能を維持しながら(特に、球面収差の良好な補正が可能になる)、フォーカシング時の第3レンズ群G3の移動量を抑制して、光学系全長をより短縮することができる。条件式(5)を満足することで、良好な解像性能を維持しながら(特に、像面湾曲の良好な補正が可能になる)、光学系全長をより短縮することができる。
【0116】
また、上記各実施例のズームレンズは、適宜非球面が形成されたレンズや接合レンズを配置したことにより、収差補正能力をより向上させることができる。
【0117】
<適用例>
以下、本発明の実施例1~5に示したズームレンズを撮像装置に適用した例を示す。図11は、本発明にかかるズームレンズを備えた撮像装置の一適用例を示す図である。図11には、ズームレンズ100を収容したレンズ鏡筒110が撮像装置200に取付けられている状態を示している。
【0118】
ズームレンズ100は、実施例1~5に示したものである。レンズ鏡筒110はマウント部111を介して撮像装置200に対して着脱可能になっている。マウント部111としては、スクリュータイプやバヨネットタイプ等のマウントが用いられる。この例では、バヨネットタイプのマウントを使用している。
【0119】
ズームレンズ100により撮像された像は撮像装置200に搭載された撮像素子201(CCDやCMOS等)の撮像面上に結像し、その像に関する撮像素子201からの出力信号が図示しない信号処理回路によって演算処理され、表示部202に像が表示される。
【0120】
図11では、本発明にかかるズームレンズをミラーレス一眼カメラに用いた例を示した。しかし、本発明にかかるズームレンズは、ミラーレス一眼カメラのみならず、その他のレンズ交換式カメラやデジタルスチルカメラ、監視用カメラ、ビデオカメラ等に用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0121】
以上のように、本発明にかかるズームレンズは、高い変倍比と高い解像性能が要求される小型撮像装置に有用であり、ミラーレス一眼カメラや一眼レフレックスカメラ等のレンズ交換方式カメラ、監視用カメラ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等に好適である。
【符号の説明】
【0122】
1 第1レンズ群
2 第2レンズ群
3 第3レンズ群
4 第4レンズ群
11,L12,L21,L32,L542 負メニスカスレンズ
13,L24,L31,L42 両凹負レンズ
14,23,L25,L41,L422 両凸正レンズ
22,L32,L314 正メニスカスレンズ
STP 開口絞り
CG カバーガラス
IMG 像面
100 ズームレンズ
110 レンズ鏡筒
111 マウント部
200 撮像装置
201 撮像素子
202 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11