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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】ガスメータ
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20220411BHJP
【FI】
G01F3/22 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018099584
(22)【出願日】2018-05-24
(65)【公開番号】P2019203815
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】濱邉 麻衣子
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-139589(JP,A)
【文献】特開平04-337180(JP,A)
【文献】特開平10-009993(JP,A)
【文献】特開2004-144641(JP,A)
【文献】特開平10-142347(JP,A)
【文献】特開昭60-215182(JP,A)
【文献】特開平04-013935(JP,A)
【文献】国際公開第2010/010688(WO,A1)
【文献】特開平11-094602(JP,A)
【文献】特開昭57-137783(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0013772(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 3/22,1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流路と、
異常発生時に前記ガス流路を遮断する遮断弁と、
該遮断弁を駆動する駆動部と、
前記遮断弁の振動を検知して振動信号を出力する加速度センサと、
該加速度センサの前記振動信号に基づいて、前記遮断弁の異常を検知する遮断弁異常検知部と、
所定の加速度パターンが登録される記憶部と、を備え、
前記記憶部には、前記所定の加速度パターンとして前記遮断弁の標準駆動時間が登録され、
前記遮断弁異常検知部は、前記振動信号の出力時間である前記遮断弁の駆動時間と、前記記憶部に登録された前記標準駆動時間とを比較して、前記振動信号が前記所定の加速度パターンから外れた場合に、前記遮断弁は異常であると判断することを特徴とするガスメータ。
【請求項2】
前記加速度センサの前記振動信号から前記駆動部の駆動周波数に対応した周波数範囲の信号を抽出する抽出部を備え、
前記記憶部には、前記所定の加速度パターンとして所定の周波数範囲における振幅値が登録され、
前記遮断弁異常検知部は、前記抽出部が抽出した前記周波数範囲の信号と、前記記憶部に登録された前記振幅値とを比較することを特徴とする請求項に記載のガスメータ。
【請求項3】
前記遮断弁異常検知部が、前記遮断弁が異常であると判断した場合に、前記遮断弁が異常である旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1または2のうち何れか一項に記載のガスメータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスメータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスの使用量を計測すると共にガス漏れを検知して報知するガスメータが知られている(例えば、特許文献1参照)。ガスメータにおいて、マイクロコンピュータ(以下、「マイコン」という)には、流量センサ、圧力センサ、感震センサ、及び遮断部が接続されている。
【0003】
マイコンは、ガスメータの全体を制御する。マイコンは、流量センサからの流量信号、圧力センサからの圧力信号及び感震センサからの感震信号を監視し、これらの信号に基づいて異常が発生したことを判断した場合は、遮断部に制御信号を送ってガス流路を遮断する。
【0004】
遮断部は、マイコンからの制御信号に応じて、ガスメータ内のガス流路の途中に設けられた遮断弁を開閉する制御を行う。遮断部は、パターン発生回路、ドライブ回路及びパルスモータから構成されている。
【0005】
パターン発生回路は、パルスモータの動作(正転又は逆転)を指示するためのパターン信号を発生し、パターン信号をドライブ回路に供給する。
【0006】
ドライブ回路は、パターン発生回路から送られてくるパターン信号に基づいてパルスモータを正転又は逆転させるための電圧を生成し、パルスモータに送る。パルスモータは、ドライブ回路から送られてくる電圧に従って回転し、遮断弁を開閉させる。
【0007】
以上のように構成された従来のガスメータにおいては、マイコンが制御信号を遮断部に送ることにより、遮断部内のパルス発生回路がパターン信号を発生してドライブ回路に供給する。ドライブ回路は、パターン信号に応じた電圧を生成してパルスモータに供給し、パルスモータを回転させる。これにより、遮断弁が開閉される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2004-125569公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のガスメータには、遮断弁の不動を検知するための専用の弁不動確認用の電子回路が搭載されるものもあった。しかしながら、遮断弁の不動を検知する弁不動検知機能は、弁の断線、配線ミス、弁を駆動するICの故障を検知するものであり、遮断弁は動作するが正常に動いたかどうかまでは検知することができなかった。
【0010】
本発明の目的は、製造コストの低減を図りつつ、遮断弁の動作の異常を検知可能なガスメータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、ガス流路と、異常発生時に前記ガス流路を遮断する遮断弁と、該遮断弁を駆動する駆動部と、前記遮断弁の振動を検知して振動信号を出力する加速度センサと、該加速度センサの前記振動信号に基づいて、前記遮断弁の異常を検知する遮断弁異常検知部と、所定の加速度パターンが登録される記憶部と、を備え、前記記憶部には、前記所定の加速度パターンとして前記遮断弁の標準駆動時間が登録され、前記遮断弁異常検知部は、前記振動信号の出力時間である前記遮断弁の駆動時間と、前記記憶部に登録された前記標準駆動時間とを比較して、前記振動信号が前記所定の加速度パターンから外れた場合に、前記遮断弁は異常であると判断することを特徴とするガスメータである。
【0013】
請求項に記載された発明は、請求項に記載の発明において、前記加速度センサの前記振動信号から前記駆動部の駆動周波数に対応した周波数範囲の信号を抽出する抽出部を備え、前記記憶部には、前記所定の加速度パターンとして所定の周波数範囲における振幅値が登録され、前記遮断弁異常検知部は、前記抽出部が抽出した前記周波数範囲の信号と、前記記憶部に登録された前記振幅値とを比較することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載された発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記記憶部には、前記所定の加速度パターンとして前記遮断弁の標準駆動時間が登録され、前記遮断弁異常検知部は、前記遮断弁の駆動時間と、前記記憶部に登録された前記標準駆動時間とを比較することを特徴とする。
【0015】
請求項に記載された発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記遮断弁異常検知部が、前記遮断弁が異常であると判断した場合に、前記遮断弁が異常である旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の発明によれば、遮断弁異常検知部が、加速度センサにより出力された振動信号に基づいて、遮断弁の異常を検知することができる。これにより、従来技術の弁不動確認用の電子回路を不要とすることが出来るから、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施の形態にかかるガスメータを示す外観斜視図である。
図2】前記ガスメータの制御ブロック図である。
図3】前記ガスメータの処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態にかかるガスメータ1を示す外観斜視図である。
【0019】
ガスメータ1は、図1に示すように、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料等により成形された筐体であるメータボディ10を備えている。メータボディ10は、一端部にガスを導入するガス流入口11と、他端部にガスを排出するガス流出口12と、を備えている。ガス流入口11は、不図示の上流側配管を介してガス供給元に接続され、ガス流出口12は、不図示の下流側配管を介してガス供給先に接続される。メータボディ10の内部には、ガス流入口11からガス流出口12に至る不図示のガス流路が形成されている。
【0020】
さらに、ガスメータ1は、図2に示すように、表示パネル13(報知手段)、流量センサ3、圧力センサ4、加速度センサ5、ステッピングモータ6(駆動部)、遮断弁7、通信部8(報知手段)及びマイクロコンピュータ9(以下、μCOM9と記す)と、を備えている。
【0021】
表示パネル13は、LCD等によって構成され、メータボディ10の正面部に設けられている。表示パネル13は、μCOM9によって処理された情報を表示する。表示パネル13に表示される代表的な情報として、流量センサ3により計測される計測値に基づくガス流量の積算値(積算流量)がある。さらに、表示パネル13には、μCOM9の指示により、遮断弁7の状態(正常である旨、異常(劣化を含む)である旨)が表示される。
【0022】
流量センサ3は、メータボディ10内部のガス流路に設けられている。流量センサ3は、ガス流路を通過するガス流量を計測し、その流量に応じた信号を出力する。流量センサ3から出力される信号は、μCOM9に入力される。流量センサ3としては、例えば超音波式センサやフローセンサ等を用いることができる。
【0023】
圧力センサ4は、メータボディ10内部のガス流路に設けられている。圧力センサ4は、ガス流路内におけるガス圧力を計測し、その圧力に応じた信号を出力する。圧力センサ4から出力される信号はμCOM9に入力される。圧力センサ4としては、ピエゾ抵抗式や静電容量式等のセンサを用いることができる。
【0024】
遮断弁7は、メータボディ10内部のガス流路に設けられており、CPU94が、流量センサ3や圧力センサ4からの異常信号を検知した場合や加速度センサ5により感震を検知した場合等の異常発生時にガス流路を遮断するためのものである。遮断弁7として、本実施形態では、ステッピングモータ6により駆動されるモータ弁が用いられている。遮断弁7は、ステッピングモータ6を介してμCOM9に接続されている。ステッピングモータ6は、μCOM9からの制御信号に応じて駆動され、その駆動力で遮断弁7を駆動する。本実施形態のステッピングモータ6の駆動周波数は、200Hz~250Hzである。
【0025】
通信部8は、μCOM9と外部機器(設定器、検針用機器やセンターの機器)と通信するためのものである。通信部8は、通信I/F80を介してμCOM9に接続されている。通信部8は、各種信号が入出力される端子(例えば、電話回線用のNライン端子、ガス漏れ警報器と接続するための端子、一酸化炭素警報機と接続するための端子)を備えた端子台や、電波や光を利用した無線式の通信機器等で構成されている。また、後述する遮断弁異常検知部91が、遮断弁7が異常(劣化を含む)であると判断した場合に、その旨を、通信部8が外部機器に通信する。
【0026】
μCOM9は、入力部92、出力部93、CPU94、記憶部95、及びCPU94の命令で実行される遮断弁異常検知部91を有し、ガスメータ1の全体の制御を行う制御部として機能する。μCOM9は、例えば制御基板(不図示)に実装されている。
【0027】
さらに、ガスメータ1は、遮断弁7の振動や感震を検知して振動信号を出力する加速度センサ5を備えている。加速度センサ5から出力された振動信号はμCOM9に入力される。詳細には、加速度センサ5が遮断弁7の振動を検知した際に、μCOM9は入力された振動信号からステッピングモータ6の駆動周波数に対応した周波数範囲の信号成分以外が不図示のバンドパスフィルター(抽出部)で除去される。このように、バンドパスフィルターにより不要な周波数範囲の信号成分が除去されることで、遮断弁異常検知部91が遮断弁7の状態を判断する際に、ガスメータ1の設置場所(地盤の状況や電車による振動)の影響を受け難くする。または、μCOM9は、入力された振動信号を高速フーリエ変換(FFT)して、所定の周波数範囲の信号を求めてもよい。また、CPU94は、加速度センサ5により出力された振動信号の出力時間(遮断弁7の駆動時間)を計測する。後述する断弁異常検知部91は、CPU94が求めた所定の周波数範囲の信号や遮断弁7の駆動時間に基づいて、遮断弁7の動作の異常(劣化を含む)を検知する。
【0028】
記憶部95には、所定の加速度パターンとしての所定の周波数範囲における振幅値、及び遮断弁7の標準駆動時間が登録される。登録される所定の周波数範囲における振幅値は以下のように求める。即ち、初期設定時に遮断弁7を動作させ、CPU94は、入力された振動信号からバンドパスフィルターでステッピングモータ6の駆動周波数に対応した駆動周波数成分以外が除去された振動信号を求め、除去された振動信号をCPU94が高速フーリエ変換(FFT)して、所定の周波数範囲における振幅値を求める。CPU94は、求めた所定の周波数範囲における振幅値を記憶部95に登録する。また、CPU94は、求めた所定の周波数範囲における振幅値を基準とする所定範囲を記憶部95に登録する。なお、本実施形態では、所定の加速度パターンとして、初期設定時に遮断弁7を動作させることで得られた値を記憶部95に登録しているが、本発明はこれに限定されるものではない。所定の加速度パターンとして、予め定められた設計値や、予め定められた遮断弁7の駆動時間(標準駆動時間)が登録されていてもよい。
【0029】
遮断弁異常検知部91は、遮断弁7が開または閉に動作した際に、遮断弁7の振動信号から求めた周波数範囲の信号と、登録された所定の周波数範囲における振幅値と、を比較する。そして、求めた周波数範囲の信号が登録された所定の周波数範囲における振幅値と一致し、かつ計測した遮断弁7の駆動時間が登録された標準駆動時間と一致した場合は、正常と判断する。また、求めた周波数範囲の信号が登録された所定の周波数範囲における振幅値と一致しない場合(求めた周波数範囲の信号が登録された所定の周波数範囲における振幅値から外れた場合)や、計測した遮断弁7の駆動時間が登録された標準駆動時間と一致しない場合は、異常(劣化を含む)と判断する。
【0030】
また、求めた周波数範囲の信号が登録された所定の周波数範囲における振幅値を基準とする範囲内であり、かつ計測した遮断弁7の駆動時間が登録された標準駆動時間を基準とする範囲内である場合は、正常と判断してもよい。または求めた周波数範囲の信号が登録された所定の周波数範囲における振幅値を基準とする範囲内から外れた場合(求めた周波数範囲の信号が登録された所定の周波数範囲における振幅値から外れた場合)や、計測した遮断弁7の駆動時間が登録された標準駆動時間を基準とする範囲内から外れた場合は、異常(劣化を含む)と判断してもよい。
【0031】
遮断弁異常検知部91は、例えば、遮断弁7が動作した際に完全に開状態または閉状態にならないことを異常(劣化を含む)と判断する。判断要素の一例として、求めた周波数範囲の信号が登録された所定の周波数範囲における振幅値から外れた場合(登録された所定の周波数範囲における振幅値を基準とする範囲内から外れた場合)は、コイル内部の短絡及び、コイルを含む励磁側インピーダンスの増加(コネクタ部分、半田部の疑似接触等)による電流の減少が磁界を減少させたことが想定される。また、計測された遮断弁の駆動時間が、記憶部に登録された標準駆動時間を基準とする範囲内から外れた場合は、遮断弁7の機械的移動量が少ないことが想定される。即ち、求めた周波数範囲の信号が登録された所定の周波数範囲における振幅値から外れた場合(登録された所定の周波数範囲における振幅値を基準とする範囲内から外れた場合)や、計測された遮断弁7の駆動時間が、記憶部95に登録された標準駆動時間を基準とする範囲内から外れた場合は、遮断弁7が正常に動作していないことが想定される。これらの場合において、遮断弁異常検知部91は、遮断弁7を異常(劣化を含む)と判断する。
【0032】
次に、ガスメータ1に搭載されたCPU94の動作を説明する。図3は、ガスメータ1に搭載されたCPU94の処理内容を示すフローチャートである。図3に示すように、まず、CPU94は、遮断弁7の開閉信号がONの場合(ステップS1でYES)、加速度センサ5は遮断弁7の振動を検知して、遮断弁7の振動信号の出力を開始する。CPU94は、加速度センサ5により出力された振動信号の読込みを開始する(ステップS2)。遮断弁7の開閉信号がOFFの場合(ステップS1でNO)には、STARTに戻り、CPU94は、再び遮断弁7の開閉信号のON/OFFを判定する。
【0033】
ステップS2の後、CPU94は、遮断弁7の開閉信号のON/OFFを判定する(ステップS3)。CPU94は、遮断弁7の開閉信号がONの場合(ステップS3でYES)、加速度センサ5から出力される遮断弁7の振動信号の読込みを継続し、遮断弁7の開閉信号がOFFの場合(ステップS3でNO)には、CPU94は、加速度センサ5の振動信号の読込みを停止(ステップS4)して、ステップS5に進む。即ち、CPU94は、遮断弁7の開閉信号がONである間は継続して、加速度センサ5から出力される遮断弁7の振動信号の読込みを続ける。
【0034】
ステップS5において、遮断弁7が開または閉に動作した際に、加速度センサ5により出力された遮断弁7の振動信号から求めた周波数範囲の信号と、登録された所定の周波数範囲における振幅値と、を比較し、計測された遮断弁7の駆動時間と、記憶部95に登録された標準駆動時間とを比較する。そして、求めた周波数範囲の信号が登録された所定の周波数範囲における振幅値を基準とする範囲内であり、かつ、計測された遮断弁7の駆動時間が、記憶部95に登録された標準駆動時間を基準とする範囲内であれば(ステップS6でNO)、遮断弁7が正常と判断し(ステップS7)て、処理を終了する。また、求めた周波数範囲の信号が登録された所定の周波数範囲における振幅値を基準とする範囲内から外れた場合や、計測された遮断弁7の駆動時間が、記憶部95に登録された標準駆動時間を基準とする範囲内から外れた場合(ステップS6でYES)には、遮断弁7が異常(劣化を含む)と判断し(ステップS8)て、処理を終了する。
【0035】
ここで、ステップS7にて、遮断弁7が正常と判断された後、CPU94は、その旨を表示パネル13に表示する。また、ステップS8にて、遮断弁7が異常(劣化を含む)と判断された後、CPU94は、その旨を表示パネル13に表示する。即ち、遮断弁7の状態により、表示パネル13の表示を変更する。さらに、CPU94は、ステップS7にて、遮断弁7が正常と判断された後、その旨を、通信部8を介して、その旨を外部に通信する。また、ステップS7にて、遮断弁7が異常(劣化を含む)と判断された後、その旨を、通信部8を介して、その旨を外部に通信する。
【0036】
上述した実施形態によれば、遮断弁異常検知部91が、加速度センサ5により出力された振動信号に基づいて、遮断弁7の異常を検知することができる。これにより、従来技術の弁不動確認用の電子回路を不要とすることが出来るから、製造コストを低減することができる。
【0037】
また、所定の加速度パターンとしての所定の周波数範囲における振幅値が登録される記憶部95を備え、遮断弁異常検知部91は、加速度センサ5の振動信号と記憶部95に登録された所定の加速度パターンとを比較して、振動信号が所定の加速度パターンから外れた場合に、遮断弁7は異常であると判断する。これによれば、遮断弁異常検知部91は、精度よく遮断弁7の異常を検知することができる。
【0038】
また、加速度センサ5の振動信号からステッピングモータ6(駆動部)の駆動周波数に対応した周波数範囲の信号を抽出する抽出部を備え、記憶部95には、所定の加速度パターンとして所定の周波数範囲における振幅値が登録され、バンドパスフィルター(抽出部)が抽出した周波数範囲の信号と、記憶部95に登録された振幅値とを比較する。これによれば、バンドパスフィルター(抽出部)により、不要な周波数範囲の信号が除去されて、ステッピングモータ6の駆動周波数成分の信号が抽出されることで、地盤の状況や電車による振動等の設置場所に起因するノイズが除去されて、遮断弁異常検知部91が遮断弁7の状態を判断する際に、ガスメータ1の設置場所(地盤の状況や電車による振動)の影響を受け難くすることができ、精度よく遮断弁7の異常を検知することができる。
【0039】
また、記憶部95には、所定の加速度パターンとして遮断弁7の標準駆動時間が登録され、遮断弁7の駆動時間と、記憶部95に登録された標準駆動時間とを比較する。これによれば、精度よく遮断弁7の異常を検知することができる。
【0040】
また、遮断弁異常検知部91が、遮断弁7が異常であると判断した場合に、遮断弁7が異常である旨を報知する報知手段を備えている。遮断弁異常検知部91は、遮断弁7が異常(劣化を含む)であると判断した場合に、CPU94が、異常である旨を表示パネル13に表示するように命令してもよいし、CPU94が、異常である旨を通信部8で外部に通信するように命令してもよい。即ち、報知手段は、CPU94及び表示パネル13で構成されていてもよく、CPU94及び通信部8で構成されていてもよい。これによれば、消費者に、遮断弁7の異常(劣化を含む)を速やかに知らせることが出来るとともに、消費者の安全を担保することができる。
【0041】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0042】
1 ガスメータ
5 加速度センサ
6 ステッピングモータ(駆動部)
7 遮断弁
91 遮断弁異常検知部
95 記憶部
図1
図2
図3