(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】マッサージユニット及びマッサージ機
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20220411BHJP
A61H 23/02 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
A61H7/00 320A
A61H23/02 357
(21)【出願番号】P 2018114455
(22)【出願日】2018-06-15
【審査請求日】2021-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】特許業務法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽我 卓之
(72)【発明者】
【氏名】福永 武央
【審査官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-209966(JP,A)
【文献】特開2002-369853(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0513566(KR,B1)
【文献】特開平5-123369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
A61H 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施療子と、
前記施療子に揉み動作を行わせる揉み駆動機構と、
前記施療子にたたき動作を行わせるたたき駆動機構と、
を備えるマッサージユニットであって、
前記揉み駆動機構は、前記施療子が設けられたアームを支持する揉み用シャフトと、前記揉み用シャフトを回転させる揉み用モータと、を有し、
前記揉み用シャフトの左端部を回転可能に支持する第1軸受けを有する第1部材と、
前記揉み用シャフトの右端部を回転可能に支持する第2軸受けを有する第2部材と、
前記揉み用シャフトの中間部を回転可能に支持する第3軸受けを有する第3部材と、
左右方向に沿って延びる所定の回転軸回りに回動可能に前記第3部材が直接又は間接的に取り付けられたベース部材と、をさらに備え
、
前記たたき駆動機構は、たたき用シャフトと、前記たたき用シャフトを回転させるたたき用モータと、を有し、
前記第1部材は、前記たたき用シャフトの左端部を回転可能に支持する第4軸受けをさらに有し、
前記第2部材は、前記たたき用シャフトの右端部を回転可能に支持する第5軸受けをさらに有し、
前記第3部材は、前記たたき用シャフトの中間部を回転可能に支持する第6軸受けをさらに有する、マッサージユニット。
【請求項2】
前記揉み用モータ及び前記たたき用モータの一方が前記第3部材の右側に配置され、
前記揉み用モータ及び前記たたき用モータの他方が前記第3部材の左側に配置される、請求項
1に記載のマッサージユニット。
【請求項3】
第4部材をさらに備え、
前記第3部材は、左右方向に略垂直な方向に延びる板状部材であり、
前記第4部材は、前記第3部材に対して略垂直に固定される板状部材であり、
前記第3部材は、前記第4部材を介して前記ベース部材に取り付けられる、請求項1
又は2に記載のマッサージユニット。
【請求項4】
複数の前記アームとして、左右一対の第1アーム及び第2アームを備え、
前記第1アームの前記施療子側端部と前記第2アームの前記施療子側端部との左右方向幅は、前記第1アームの前記揉み用シャフト側端部と前記第2アームの前記揉み用シャフト側端部との左右方向幅より狭い、請求項1~
3のいずれか一項に記載のマッサージユニット。
【請求項5】
前記第1部材及び前記第2部材は、前記揉み駆動機構を収納するケースの一部を構成しない、請求項1~
4のいずれか一項に記載のマッサージユニット。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか一項に記載のマッサージユニットと、
被施療者の身体を支持する身体支持部と、
前記身体支持部の前記身体に接する面に沿って延びるガイドレールと、
を備え、
前記マッサージユニットは、前記ガイドレールによって案内されて前記身体支持部内で
昇降する、マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施療子を有するマッサージユニット及び当該マッサージユニットを搭載するマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、揉み玉の突出量を大幅に変更することができるマッサージ機が開示されている。
【0003】
特許文献1の
図7~
図12に開示されているマッサージ機では、左右幅方向に沿って延びる進退軸に左右一対のピニオンギアが取り付けており、揉み玉駆動ユニットケーシングの上部に左右一対の円弧状のラックが取り付けられている。進退軸の回動に伴って、ピニオンギアが回動しながら、ラックに沿って滑動する。ピニオンギアのラックに沿った滑動により、揉み玉駆動ユニットケーシングが昇降軸を中心に前後方向に向けて揺動し、揉み玉が前後方向に進退移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の
図7~
図12に開示されているマッサージ機に搭載されるマッサージユニットでは、箱型状のもみ玉駆動ユニットケーシングの内部にタタキ機構とモミ機構とが配設されている。そして、モミ機構の一部品であるモミ用回動軸の左右端部がもみ玉駆動ユニットケーシングに回動自在に取り付けられている。
【0006】
もみ玉駆動ユニットケーシングは、モミ用回動軸の左右端部のみでモミ機構を支持する構造であるため、高い剛性が要求される。したがって、もみ玉駆動ユニットケーシングは大型の構造体となり、もみ玉駆動ユニットケーシングの内部に無駄な空間が多かった。
【0007】
本発明は、上記の状況に鑑み、小型化を図ることができるとともに、施療子の突出量を大幅に変更することができるマッサージユニット及び当該マッサージユニットを搭載するマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書中に開示されているマッサージユニットは、施療子と、前記施療子に揉み動作を行わせる揉み駆動機構と、を備えるマッサージユニットであって、前記揉み駆動機構は、前記施療子が設けられたアームを支持する揉み用シャフトと、前記揉み用シャフトを回転させる揉み用モータと、を有し、前記揉み用シャフトの左端部を回転可能に支持する第1軸受けを有する第1部材と、前記揉み用シャフトの右端部を回転可能に支持する第2軸受けを有する第2部材と、前記揉み用シャフトの中間部を回転可能に支持する第3軸受けを有する第3部材と、ベース部材と、をさらに備え、左右方向に沿って延びる所定の回転軸回りに回動可能に前記第3部材が直接又は間接的に前記ベース部材に取り付けられる構成(第1の構成)である。
【0009】
上記第1の構成のマッサージユニットにおいて、前記施療子にたたき動作を行わせるたたき駆動機構をさらに備え、前記たたき駆動機構は、たたき用シャフトと、前記たたき用シャフトを回転させるたたき用モータと、を有し、前記第1部材は、前記たたき用シャフトの左端部を回転可能に支持する第4軸受けをさらに有し、前記第2部材は、前記たたき用シャフトの右端部を回転可能に支持する第5軸受けをさらに有し、前記第3部材は、前記たたき用シャフトの中間部を回転可能に支持する第6軸受けをさらに有する構成(第2の構成)にしてもよい。
【0010】
上記第2の構成のマッサージユニットにおいて、前記揉み用モータ及び前記たたき用モータの一方が前記第3部材の右側に配置され、前記揉み用モータ及び前記たたき用モータの他方が前記第3部材の左側に配置される、構成(第3の構成)にしてもよい。
【0011】
上記第1~第3いずれかの構成のマッサージユニットにおいて、第4部材をさらに備え、前記第3部材は、左右方向に略垂直な方向に延びる板状部材であり、前記第4部材は、前記第3部材に対して略垂直に固定される板状部材であり、前記第3部材は、前記第4部材を介して前記ベース部材に取り付けられる構成(第4の構成)にしてもよい。
【0012】
上記第1~第4いずれかの構成のマッサージユニットにおいて、複数の前記アームとして、左右一対の第1アーム及び第2アームを備え、前記第1アームの前記施療子側端部と前記第2アームの前記施療子側端部との左右方向幅は、前記第1アームの前記揉み用シャフト側端部と前記第2アームの前記揉み用シャフト側端部との左右方向幅より狭い構成(第5の構成)にしてもよい。
【0013】
上記第1~第5いずれかの構成のマッサージユニットにおいて、前記第1部材及び前記第2部材は、前記揉み駆動機構を収納するケースの一部を構成しない構成(第6の構成)にしてもよい。
【0014】
本明細書中に開示されているマッサージ機は、上記第1~第6いずれかの構成のマッサージユニットと、被施療者の身体を支持する身体支持部と、前記身体支持部の前記身体に接する面に沿って延びるガイドレールと、を備え、前記マッサージユニットは、前記ガイドレールによって案内されて前記身体支持部内で昇降する構成(第7の構成)である。
【発明の効果】
【0015】
本明細書中に開示されているマッサージユニット及び当該マッサージユニットを搭載するマッサージ機によれば、小型化を図ることができるとともに、施療子の突出量を大幅に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】一実施例に係るマッサージユニットの前方斜視図
【
図5】一実施例に係るマッサージユニットの左側面図
【
図6】揉み用モータ、第3平板部材、及び第4平板部材の左側面図
【
図7】揉み用モータ、第3平板部材、及び第4平板部材の上面図
【
図8】施療子の突出量を大きくした状態における一実施例に係るマッサージユニットの斜視図
【
図9】施療子の突出量を大きくした状態における一実施例に係るマッサージユニットの左側面図
【
図10】変形例に係るマッサージユニットの前方斜視図
【
図11】変形例に係る揉み用モータ及び第3平板部材の左側面図
【
図12】変形例に係る揉み用モータ及び第3平板部材の上面図
【
図13】他の変形例に係る揉み用モータ、たたき用モータ、及び第3平板部材の配置を示す背面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
<1.マッサージ機の構成>
図1は一実施例に係るマッサージ機100の斜視図である。以下の説明において、マッサージ機100に着座した被施療者から見て前側(正面側)を「前側」といい、マッサージ機100に着座した被施療者から見て後側(背面側)を「後側」という。また、マッサージ機100に着座した被施療者から見て上側(頭側)を「上側」といい、マッサージ機100に着座した被施療者から見て下側(脚側)を「下側」という。また、マッサージ機100に着座した被施療者から見て右側を「右側」といい、マッサージ機100に着座した被施療者から見て左側を「左側」という。
【0019】
マッサージ機100は、座部200、背凭れ部300、基台部400、腕施療部500、操作部600、コード線700、スタンド800、及び脚載部900を備える。
【0020】
座部200は、被施療者の臀部及び上脚を支持する。
【0021】
背凭れ部300は、被施療者の肩、腰、及び背中を支持する。背凭れ部300は、左右方向に沿って延びるリクライニング回転軸回りに回動可能に、座部200の後端に取り付けられている。背凭れ部300は、被施療者の肩及び腰に接する面300Aに沿って延びるガイドレール300B及び300Cを内蔵している。後述するマッサージユニット1は、ガイドレール300B及び300Cによって案内されて背凭れ部300内で昇降する。なお、ガイドレール300B及び300Cを座部200の後部にまで延長し、後述するマッサージユニット1が座部200及び背凭れ部300内で昇降するようにしてもよい。
【0022】
基台部400は、座部200の左右両側且つ座部200の下方に立設して設けられる。座部200の左側に設けられる基台部400の内部には制御部400Aが内蔵される。
【0023】
腕施療部500は、座部200の左右両側且つ座部200の上方に立設して設けられる。腕施療部500は、膨縮可能な膨縮袋を内蔵しており、当該膨縮袋によって被施療者の腕を支持しながら施療する。
【0024】
操作部600は、被施療者が施療パターンの選択や施療の強弱調節などを行うための入力装置である。操作部600はコード線700を介して制御部400Aに接続される。制御部400Aは、操作部600から出力される信号に基づいてマッサージ機100の各部を制御する。
【0025】
スタンド800は、座部200の左側に設けられる腕施療部500に固定されている。操作部600はスタンド800に対して装脱着可能である。
【0026】
脚載部900は、被施療者の下脚を支持する。
【0027】
<2.マッサージユニットの構成>
図2はマッサージユニット1の前方斜視図である。
図3はマッサージユニット1の正面図である。
図4はマッサージユニット1の上面図である。
図5はマッサージユニット1の左側面図である。
【0028】
マッサージユニット1はベース部材を備える。ベース部材は、ベース部材部品2A~2Eを備える。
【0029】
ベース部材部品2A及び2Bは、正面視で矩形形状であり側方視でL字形状であり、上下方向長さが左右方向長さより長く、前後方向長さが左右方向長さより短い。
【0030】
ベース部材部品2Cは、正面視で矩形形状であり側方視でL字形状であり、左右方向長さが前後方向長さより長く、上下方向長さが前後方向長さより短い。ベース部材部品2Cは、ベース部材部品2Aの下端とベース部材部品2Bの下端とを連結する。
【0031】
ベース部材部品2Dは、ベース部材部品2Cの左右方向中央から左寄りの位置でベース部材部品2Cに固定される。ベース部材部品2Eは、ベース部材部品2Cの左右方向中央から右寄りの位置でベース部材部品2Cに固定される。
【0032】
マッサージユニット1は、ガイドローラ3及び4をさらに備える。ガイドローラ3はマッサージユニット1の昇降時にガイドレール300B上を滑動し、ガイドローラ4はマッサージユニット1の昇降時にガイドレール300C上を滑動する。
【0033】
マッサージユニット1は、昇降軸5と、昇降用モータ6と、ピニオンギア7及び8と、をさらに備える。左右方向に沿って延びる昇降軸5に昇降用モータ6が連動連結される。回転伝達部R1によって昇降軸5に昇降用モータ6が連動連結される。回転伝達部R1は、軸受部及び回転軸方向を変更するためのギア機構を含む。昇降軸5は、軸受部B1及び回転伝達部R1内の軸受部によって回転可能に支持されている。回転伝達部R1はベース部材部品2Bの背面下方に固定され、軸受部B1はベース部材部品2Cの左端に固定される。昇降用モータ6は、マッサージユニット1を昇降させる駆動源である。昇降軸5の左端にはピニオンギア7が設けられ、昇降軸5の右端にはピニオンギア8が設けられる。ピニオンギア7はガイドレール300Bに設けられるラックに噛合し、ピニオンギア8はガイドレール300Cに設けられるラックに噛合する。したがって、昇降用モータ6の駆動によって昇降軸5が回転することで、マッサージユニット1がガイドレール300B及び300Cに沿って昇降する。
【0034】
マッサージユニット1は、左右一対の施療子9及び10と、左右一対のアームAM1及びAM2と、たたき駆動機構と、揉み駆動機構と、第1~第4平板部材P1~P4と、をさらに備える。たたき駆動機構は、施療子9及び10を前後方向に揺動させることによって施療子9及び10にたたき動作を行わせる。揉み駆動機構は、施療子9及び10を偏心回動させることによって施療子9及び10に揉み動作を行わせる。
【0035】
たたき駆動機構は、たたき用モータ11と、ギア12と、たたき用シャフト13と、左用偏心回動体と、右用偏心回動体と、左側突出部と、右側突出部と、を含む。たたき用シャフト13には、左用偏心回動体と及び右用偏心回動体が固定されている。前方に向かって延びる左側突出部の後端には、たたき用シャフト13と同心の貫通孔が設けられている。たたき用シャフト13が回転すると、左用偏心回動体が左側突出部の貫通孔を摺動しながら回転する。前方に向かって延びる右側突出部の後端には、たたき用シャフト13と同心の貫通孔が設けられている。たたき用シャフト13が回転すると、右用偏心回動体が右側突出部の貫通孔を摺動しながら回転する。たたき用シャフト13に取り付けられた左側突出部の前端は左側ボールジョイントによってアームAM1に連結されている。たたき用シャフト13に取り付けられた右側突出部の前端は右側ボールジョイントによってアームAM2に連結されている。たたき用モータ11が駆動すると、ギア12を介してたたき用シャフト13に駆動力が印加され、たたき用シャフト13が回転する。たたき用シャフト13の回転に伴って、後述する揉み用シャフト15を枢軸としてアームAM1及びAM2が揺動する。
【0036】
アームAM1は施療子9を支持し、アームAM2は施療子10を支持する。施療子9はアームAM1の前端に取り付けられており、施療子10はアームAM2の前端に取り付けられている。アームAM1の前端とアームAM2の前端との左右方向幅W1は、アームAM1の後端部とアームAM1の後端との左右方向幅W2より狭い。アームAM1の後端部とアームAM1の後端との間には第3平板部材P3が配置され幅W2が広くなるため、幅W1を幅W2より狭くすることで施療子9及び10を適切な位置に配置することができる。なお、第3平板部材P3の左右方向長さを短くする等の対策によって幅W2がさほど広くならないのであれば、本実施例とは異なり幅W1を幅W2以上にしてもよい。
【0037】
揉み駆動機構は、揉み用モータ14と、揉み用シャフト15と、偏心回動体と、を含む。左右方向に延びている揉み用シャフト15に、左右一対の偏心回動体が固定されている。揉み用シャフト15は、左側の偏心回動体を介してアームAM1の後部を支持し、右側の偏心回動体を介してアームAM2の後部を支持する。揉み用シャフト15に揉み用モータ14が連動連結される。揉み用モータ14が駆動すると、揉み用シャフト15が回転し、揉み用シャフト15に固定されている左右一対の偏心回動体も回転する。左右一対の偏心回動体の回転によってアームAM1及びAM2は上下、左右、前後にそれぞれ揺動する。
【0038】
揉み用シャフト15の左端部を回転可能に支持する軸受け部が第1平板部材P1の内部に配置される。また、たたき用シャフト13の左端部を回転可能に支持する軸受け部も第1平板部材P1の内部に配置される。
【0039】
揉み用シャフト15の右端部を回転可能に支持する軸受け部が第2平板部材P2の内部に配置される。また、たたき用シャフト13の右端部を回転可能に支持する軸受け部も第2平板部材P2の内部に配置される。
【0040】
揉み用シャフト15の中間部を回転可能に支持する軸受け部が第3平板部材P3の内部に配置される。また、たたき用シャフト13の中間部を回転可能に支持する軸受け部も第3平板部材P3の内部に配置される。
【0041】
揉み用シャフト15の左端部、右端部、及び中間部、すなわち揉み用シャフト15の3箇所で揉み駆動機構を支持する構成であるため、第1平板部材P1及び第2平板部材P2に高い剛性が要求されない。したがって、揉み駆動機構を収納して支持する大型のケースが不要となり、その結果、マッサージユニット1の小型化を図ることができる。
【0042】
図6に示すように、第3平板部材P3の左側面には第3平板部材P3の内外を連通する連通孔H1及びH2が設けられる。第3平板部材P3の右側面には連通孔H1及びH2を左右方向にそって移動させた位置に連通孔が設けられる。第3平板部材P3は、上方に突出する突出部P3Aを後部且つ上部に備える。突出部P3Aには、連通孔H2及び連通孔H2に対応する右側面の連通孔が設けられる。
【0043】
揉み用シャフト15が連通孔H1及び連通孔H1に対応する右側面の連通孔を通じて第3平板部材P3を貫通する。たたき用シャフト13が連通孔H2及び連通孔H2に対応する右側面の連通孔を通じて第3平板部材P3を貫通する。第3平板部材P3の左側面には連通孔H1より後方且つ連通孔H2より下方に第3の連通孔が設けられる。第3の連通孔に揉み用モータ14の回転シャフトが挿入される。連通孔H2は連通孔H1及び第3の連通孔より上方に配置されるため、連通孔H2を突出部P3Aに設けることで第3平板部材P3の体積を小さくすることができる。
【0044】
第3平板部材P3は、前後方向及び上下方向に延びる板状部材であり、左右方向長さが前後方向の長さより短く且つ上下方向の長さより短い。第3平板部材P3の前端には第4平板部材P4の本体部が第3平板部材P3に対して略垂直に固定されている。
【0045】
図7に示すように、第4平板部材P4は、第4平板部材P4の本体部以外に、第4平板部材P4の本体部の左辺から後方に延びる第1折り返し部P4Aと、第4平板部材P4の本体部の右辺から後方に延びる第2折り返し部P4Bと、を備える。
【0046】
第1折り返し部P4Aの下部が回転軸AX1回りに回動可能にベース部材部品2Dに取り付けられ、第2折り返し部P4Bの下部が回転軸AX1回りに回動可能にベース部材部品2Eに取り付けられる(
図2参照)。なお、回転軸AX1は左右方向に沿って延びる軸である。したがって、第3平板部材P3は、第4平板部材P4を介して、回転軸AX1回りに回動可能にベース部材に取り付けられる。
【0047】
図7に示すように、第4平板部材P4の左右方向長さL2は第3平板部材P3の前端の左右方向長さL1より長い。これにより、揉み駆動機構又はたたき駆動機構が動作中に振動によって第3平板部材P3の位置がぐらつくことを抑制することができる。
【0048】
マッサージユニット1は、連結ロッド16及び17をさらに備える。連結ロッド16及び17は、左右方向に沿って延びる棒状部材であって、第1平板部材P1と第2平板部材P2を連結する。言い換えると、マッサージユニット1は、揉み駆動機構及びたたき駆動機構を収納するケースを備えていない。したがって、第1平板部材P1及び第2平板部材P2は、揉み駆動機構及びたたき駆動機構を収納するケースの一部を構成しない。
【0049】
連結ロッド16は、たたき用シャフト13より前方且つ揉み用シャフト15より後方に配置される。また、
図2~
図5に示す状態において、連結ロッド16は、たたき用シャフト13及び揉み用シャフト15より上方に配置される。連結ロッド17は、たたき用シャフト13より後方に配置される。また、
図2~
図5に示す状態において、連結ロッド17は、揉み用シャフト15より下方に配置される。
【0050】
第1折り返し部P4A及び第2折り返し部P4Bの各上部が連結ロッド16に回動不可能に取り付けられる(
図2参照)。これにより、揉み駆動機構又はたたき駆動機構が動作中に振動によって第3平板部材P3の位置がぐらつくことを抑制することができる。
【0051】
マッサージユニット1は、進退軸18と、ピニオンギア19及び20と、進退用モータ21と、をさらに備える。進退軸18は左右方向に沿って延びる。進退軸18の左側にはピニオンギア19が固定され、進退軸18の右側にはピニオンギア20が固定される。進退軸18に進退用モータ21が連動連結される。回転伝達部R2によって進退軸18に進退用モータ21が連動連結される。回転伝達部R2は、軸受部及び回転軸方向を変更するためのギア機構を含む。
【0052】
第1平板部材P1及び第2平板部材P2の各上部に円弧状のラックが設けられている。ピニオンギア19は第1平板部材P1に設けられるラックに噛み合っており、ピニオンギア20は第2平板部材P2に設けられるラックに対して噛み合っている。進退軸18の回転に伴って、ピニオンギア19及び20が回転しながら、ラックに対して移動する。ピニオンギア19及び20のラックに対する移動により、第1平板部材P1及び第2平板部材P2が回転軸AX1を中心に前後方向に回動し、施療子9及び10が前後方向に進退移動する。すなわち、第1平板部材P1及び第2平板部材P2が回転軸AX1を中心に前後方向に回動することで、施療子9及び10の突出量が大幅に変更する。例えば、
図2~
図5に示す状態から第1平板部材P1及び第2平板部材P2を前方向に回動させることで
図8~
図9に示す状態に変化させることができる。
【0053】
<3.その他>
上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0054】
例えば上記実施形態においては、いわゆる椅子式マッサージ機を例に挙げて説明したが、本発明に係るマッサージユニットはいわゆるベッド式マッサージ機などにも搭載可能である。
【0055】
また、例えば上記実施形態においては、第3平板部材P3が、第4平板部材P4を介して回転軸AX1回りに回動可能にベース部材に取り付けられているが、
図10~
図12に示すように、第3平板部材P3を、左右方向に延びる所定の回転軸回りに回動可能にベース部材に直接取り付けてもよい。なお、
図10~
図12において、
図2、
図6、及び
図7と同一の部分には同一の符号を付している。
図11に示すように、第3平板部材P3の前部且つ下部に、前方および下方に突出する突出部P3Bを設け、突出部P3Bをベース部材への取り付け箇所にすることで、第3平板部材P3の体積を小さくすることができる。
【0056】
また、例えば上記実施形態においては、たたき用モータ11が左右方向において第3平板部材P3を跨いで第3平板部材P3の左右両側に配置され、揉み用モータ14が第3平板部材P3の左側に配置されているが、
図13に示す変形例のように、第3平板部材P3の右側にたたき用モータ11を配置し、第3平板部材P3の左側に揉み用モータ14を配置してもよく、
図13に示す変形例とは逆に、第3平板部材P3の右側に揉み用モータ14を配置し、第3平板部材P3の左側にたたき用モータ11を配置してもよい。たたき用モータ11及び揉み用モータ14の一方を第3平板部材P3の右側に配置し、たたき用モータ11及び揉み用モータ14の他方を第3平板部材P3の左側に配置することで、マッサージユニット1の重量バランスが良好になる。
【0057】
また、例えば上記実施形態においては、たたき用モータ11及び揉み用モータ14の集合体の重心が第3平板部材P3の左側に位置し、進退用モータの重心も第3平板部材P3の左側に位置しているが、たたき用モータ11及び揉み用モータ14の集合体の重心と進退用モータの重心との一方が第3平板部材P3の左側に位置し、たたき用モータ11及び揉み用モータ14の集合体の重心と進退用モータの重心との他方が第3平板部材P3の右側に位置するように各モータを配置してマッサージユニット1の重量バランスを良好にしてもよい。
【0058】
また、例えば上記実施形態と異なり、揉み用シャフト15の右側と左側とで逆方向にねじをきり、アームAM1の後端及びアームAM2の後端が揉み用シャフト15の回転によって揉み用シャフト15に沿って直動するようにしてもよい。このような変形例によると、揉み用シャフト15が一方向に回転することで施療子9と施療子10との間隔が拡がり、揉み用シャフト15が当該一方向とは逆方向に回転することで施療子9と施療子10との間隔が狭まる。すなわち、アームAM1及びAM2を左右に揺動させることができる。そして、たたき用モータ11及び進退用モータ21を駆動させることで、アームAM1及びAM2を上下、左右に揺動させることができるので、偏心回動体を用いずに揉み駆動機構を実現できることができる。すなわち、揉み駆動機構を簡易な構造にすることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 マッサージユニット
2A~2E ベース部材部品
9、10 施療子
11 たたき用モータ
13 たたき用シャフト
14 揉み用モータ
15 揉み用シャフト
100 マッサージ機
AM1、AM2 アーム
P1~P4 第1~第4平板部材