(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】車両内装部材の取付装置
(51)【国際特許分類】
B60N 3/02 20060101AFI20220411BHJP
F16B 19/00 20060101ALI20220411BHJP
F16B 5/06 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
B60N3/02 A
F16B19/00 E
F16B5/06 C
(21)【出願番号】P 2018141163
(22)【出願日】2018-07-27
【審査請求日】2021-04-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100147854
【氏名又は名称】多賀 久直
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 宗春
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-058836(JP,A)
【文献】特開2006-057647(JP,A)
【文献】特開2006-131165(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0131771(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/02
F16B 19/00
F16B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内装部材を、車体のパネルに取り付ける取付装置であって、
前記パネルの表裏に貫通する取付孔に、表裏方向へ貫通するよう形成された保持孔を整合させて、裏面を前記パネルの表面に当てて配置されるベース部材と、
対向配置された2つの取付片を有し、一端が繋がる両取付片の開放端側を前記保持孔に配置して前記ベース部材に組み合わせられると共に、該取付片の連結端側を前記取付孔に表側から差し込んで前記パネルに取り付けられる取付部材と、
前記取付部材における両取付片の開放端側から両取付片の間に差し込まれ、前記保持孔に挿入して前記ベース部材に取り付けられる保持部材と、を備え、
前記取付部材は、
前記取付片の連結端側から開放端側に向かうにつれて他方の取付片から離れるように延在すると共に、該取付片に対して両取付片の対向方向へ弾性変形可能に設けられ、先端が前記パネルの裏側に位置する掛止部と、
前記掛止部の先端部から前記開放端側へ延出するように設けられ、前記取付片の連結端側から開放端側に向かうにつれて他方の取付片から離れるように延在する先端部が前記パネルの表側に位置する挟持部と、を備え、
前記ベース部材は、前記保持孔における裏側の開口縁に、表側から裏側へ向かうにつれて該保持孔の内側へ突出するように形成され、前記挟持部の先端部を受ける受壁部を備え、
前記取付部材は、前記ベース部材および前記保持部材に対して、前記パネルの板厚の変化に応じて、表裏方向へ相対的な位置変化可能に組み付けられ、
前記掛止部と前記挟持部の先端部との間に、前記パネルおよび前記受壁部を挟んで、前記取付部材を前記パネルに取り付ける
ことを特徴とする車両内装部材の取付装置。
【請求項2】
前記取付部材は、前記取付片の開放端側から連結端側へ向かうにつれて他方の取付片に近づくように延在する係合部を備え、
前記保持部材は、前記係合部の先端部を受け入れ可能な係合受部を備え、
前記取付部材は、前記係合部と前記係合受部との係合により前記保持部材に対する裏側へ向けた相対的な位置変化が規制される一方、前記パネルの板厚の変化に応じた該保持部材に対する表側に向けた位置変化が許容されている請求項1記載の車両内装部材の取付装置。
【請求項3】
前記受壁部における前記挟持部を受ける受け面の傾きが、前記係合部の傾きよりも大きく設定されている請求項2記載の車両内装部材の取付装置。
【請求項4】
前記掛止部の傾きが、前記係合部の傾きよりも小さく設定されている請求項2または3記載の車両内装部材の取付装置。
【請求項5】
前記取付部材は、前記取付片の開放端に設けられ、他方の取付片と反対向きに延出する鍔部を備え、
前記ベース部材は、
前記保持孔の内側に突出して、前記鍔部と引っ掛かって前記取付部材の裏側への移動を規制する段部と、
前記保持孔に差し込まれる前記掛止部および前記挟持部の経路に対応して設けられ、該掛止部および該挟持部における該保持孔の表側から裏側へ向けた移動を許容する挿通部と、を備えている請求項1~4の何れか一項に記載の車両内装部材の取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両内装部材を取り付けるための取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両の車内において、アシストグリップは、U字状に形成された板バネ状のクリップと、このクリップの対向する平行部の間に差し込まれる脚部を有するキャップとを備えた取付装置によって、車体のパネルに対して着脱可能に取り付けられる(例えば、特許文献1参照)。取付装置は、アシストグリップに連結する基台に設けられた開口部に、クリップにおける平行部の開放端側を差し込んで、平行部に設けられた段部を、開口部の開口縁に引っ掛けて、クリップを基台に組み付けている。次に、クリップのU字状に屈曲された先端側をパネルの取付孔に差し込み、クリップに設けた抜け止め爪を取付孔の開口縁に引っ掛ける。そして、キャップの脚部をクリップの対向する平行部の間に挿入することで、平行部の変形が脚部で規制されて、クリップによるパネルへの掛止状態が保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車体のパネルは、車種などによって板厚が異なる場合がある。前述したクリップは、特定の板厚のパネルに合わせて抜け止め爪が設定されており、特定の板厚よりも薄いパネルであると、抜け止め爪とパネルとの間の隙間が大きくなる。この場合、クリップがパネルに対してガタつき、アシストグリップをしっかりと固定できない。また、特定の板厚よりも厚いパネルであると、抜け止め爪がパネルに適切に引っ掛からず、この場合であってもアシストグリップをパネルにしっかりと固定できない。
【0005】
本発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、異なる板厚の取付対象に対応し得る車両内装部材の取付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明の車両内装部材の取付装置は、
車両内装部材を、車体のパネルに取り付ける取付装置であって、
前記パネルの表裏に貫通する取付孔に、表裏方向へ貫通するよう形成された保持孔を整合させて、裏面を前記パネルの表面に当てて配置されるベース部材と、
対向配置された2つの取付片を有し、一端が繋がる両取付片の開放端側を前記保持孔に配置して前記ベース部材に組み合わせられると共に、該取付片の連結端側を前記取付孔に表側から差し込んで前記パネルに取り付けられる取付部材と、
前記取付部材における両取付片の開放端側から両取付片の間に差し込まれ、前記保持孔に挿入して前記ベース部材に取り付けられる保持部材と、を備え、
前記取付部材は、
前記取付片の連結端側から開放端側に向かうにつれて他方の取付片から離れるように延在すると共に、該取付片に対して両取付片の対向方向へ弾性変形可能に設けられ、先端が前記パネルの裏側に位置する掛止部と、
前記掛止部の先端部から前記開放端側へ延出するように設けられ、前記取付片の連結端側から開放端側に向かうにつれて他方の取付片から離れるように延在する先端部が前記パネルの表側に位置する挟持部と、を備え、
前記ベース部材は、前記保持孔における裏側の開口縁に、表側から裏側へ向かうにつれて該保持孔の内側へ突出するように形成され、前記挟持部の先端部を受ける受壁部を備え、
前記取付部材は、前記ベース部材および前記保持部材に対して、前記パネルの板厚の変化に応じて、表裏方向へ相対的な位置変化可能に組み付けられ、
前記掛止部と前記挟持部の先端部との間に、前記パネルおよび前記受壁部を挟んで、前記取付部材を前記パネルに取り付けることを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る車両内装部材の取付装置によれば、異なる板厚の取付対象に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例に係るアシストグリップを示す斜視図であり、取付装置の一方を分解して示している。
【
図2】実施例の取付装置を分解して示す斜視図である。
【
図3】実施例のアシストグリップを示す側面図である。
【
図4】実施例のベース部材を示し、(a)は表面図であり、(b)は裏面図であり、(c)は斜視図である。
【
図5】実施例の取付部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は斜視図である。
【
図6】実施例の保持部材を示し、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は斜め上から見た斜視図であり、(d)は斜め下から見た斜視図である。
【
図8】実施例に係る取付装置の車体への取り付け状況を示す断面図であり、(b)は(a)よりも車体のパネルの板厚が厚い。
【
図9】実施例に係る取付装置の車体への取り付けを示す説明図である。
【
図10】実施例に係る取付装置において、ベース部材、取付部材および保持部材の関係を示す説明図である。
【
図11】実施例の取付装置において、車体のパネルの板厚による変化を示す説明図であり、二点鎖線は実線よりもパネルの板厚が厚い場合である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明に係る車両内装部材の取付装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、車両内装部材として、車両の車室に設置されるアシストグリップを挙げて説明している。
【実施例】
【0010】
図1に示すように、実施例に係るアシストグリップ20は、グリップ本体(車両内装部材本体)22と、このグリップ本体22の端部のそれぞれに設けられた取付装置24とを備えている。
図3に示すように、アシストグリップ20は、取付装置24によって車体のパネル(取付対象)10に対して、車室の壁面を構成する壁材14を挟んで取り付けられる。アシストグリップ20は、取付装置24に対してグリップ本体22が支持軸26で支持されて、パネル10の表側に重ねて配置されて壁材14に沿う収納姿勢(
図3の実線)と壁材14から立ち上がる使用姿勢(
図3の二点鎖線)との間で、グリップ本体22が姿勢変位する。
【0011】
以下の説明において、アシストグリップ20は、パネル10への取り付け状態を基準として方向を指称し、具体的には、車室へ向く側を表といい、車両外側へ向く側を裏という。また、アシストグリップ20において、車両の前後に離間して配置されるグリップ本体22の両端の離間方向(支持軸26の軸方向)を左右方向といい、車室側から見て左右を指称する。アシストグリップ20は、左右方向に延在する支持軸26で取付装置24に支持されたグリップ本体22の把持部分が収納姿勢で取付装置24より上方に配置され、グリップ本体22を収納姿勢から下方へ姿勢変位して使用姿勢とされる。
【0012】
図1および
図2に示すように、取付装置24は、グリップ本体22を姿勢変位可能に支持するベース部材28と、一端部がベース部材28に組み合わせられると共にパネル10に設けられた取付孔12に他端部が取り付けられる取付部材30とを備えている。また、取付装置24は、ベース部材28に取り付けられて、取付部材30のベース部材28への組み付け状態を保持する保持部材32を備えている。グリップ本体22の右端部を支持する取付装置24とグリップ本体22との間には、グリップ本体22を収納姿勢に向けて付勢する付勢手段としてのトーションばね34が組み込まれている。また、グリップ本体22の左端部を支持する取付装置24とグリップ本体22との間には、収納姿勢と使用姿勢との間の姿勢変位を制動する制動手段としてのダンパー36が組み込まれている。なお、グリップ本体22の左右の端部に設けられる取付装置24の構成は、前述した付勢手段34と制動手段36との違いを除いて基本的に同じなので、片方のみを以下に説明する。
【0013】
図4に示すように、ベース部材28は、表裏方向に貫通する保持孔40を内側に有する筒状本体38と、筒状本体38から下方へ延出する一対の腕部42,42とを備えている。一対の腕部42,42は、左右に離して設けられ、左右方向に貫通する軸通孔42aがそれぞれ形成されている。ベース部材28は、軸通孔42aに嵌め合わされた支持軸26を介して、グリップ本体22を回動可能に支持している。なお、実施例のベース部材28は、ガラス繊維を充填した6-ナイロン等の剛性の高い樹脂材料からなる樹脂成形品が用いられている。
図3、
図8および
図11に示すように、ベース部材28は、パネル10に表裏に貫通する取付孔12に、表裏方向へ貫通するよう形成された保持孔40を整合させて、筒状本体38の裏面をパネル10の表面に当てた状態で配置される。
【0014】
図4に示すように、ベース部材28は、保持孔40が左右方向に長い略矩形状の開口形状に形成され、保持孔40における上下に対向する壁面のそれぞれに、該壁面から突出する保持段部(段部)44を備えている。保持段部44は、左右に分かれて左右方向中央部をあけるように配置されており、左右の保持段部44,44の間に、挿通部46が設けられている。また、保持段部44は、表裏方向に貫通する保持孔40において表裏方向中間部に配置されている。筒状本体38において、保持段部44および挿通部46は、保持孔40を挟んで上下対称な関係で設けられている(
図4(a)参照)。
【0015】
図4に示すように、ベース部材28は、保持孔40における左右に対向する壁面(保持孔40において保持段部44が設けられた壁面と直交する壁面)のそれぞれに、該壁面から突出する抜止受部48を備えている。抜止受部48は、保持孔40において上下方向中央部に配置されている。抜止受部48は、保持段部44の裏側から保持孔40の裏側開口に向けて延在し、保持孔40の裏側開口より裏側へ突出している。筒状本体38において、抜止受部48は、保持孔40を挟んで左右対称な関係で設けられている(
図4(a)および(b)参照)。
【0016】
図4および
図8に示すように、ベース部材28は、保持孔40における裏側の開口縁に内側へ突出するよう設けられた受壁部50を備えている。筒状本体38には、保持孔40における上下に対向する壁面のそれぞれに、該壁面から突出する受壁部50が、保持孔40を挟んで上下対称な関係で形成されている(
図4(a)および(b)参照)。受壁部50は、上または下壁面において左右方向中央部に設けられ、挿通部46から裏側への延長線上に配置されている(
図10(b)参照)。受壁部50は、保持孔40の内側に臨む受け面50aが、表側から裏側へ向かうにつれて保持孔40の内側へ突き出るように傾き、表裏方向に対する受け面50aの傾きαが例えば45°程度に設定されている(
図9(b)参照)。受壁部50は、保持孔40の内側への延出端から筒状本体38の壁面に向かうにつれて表裏方向寸法が大きくなる断面略三角形状であり、受け面50aが該延出端から壁面に向かうにつれて表側へ傾くように形成されている。
【0017】
図5(b)および(c)に示すように、取付部材30は、上下に対向配置された一対の取付片52,52を有し、両取付片52,52の一端(裏側の端)が繋がって側面視で略U字状に形成されている。取付部材30は、両取付片52,52が繋がる連結端を支点として、両取付片52,52が相対的に近づくように弾性変形可能に構成されており、開放端側の端部(開放端部(他端部))の操作により両取付片52,52の間隔を縮小可能である。取付部材30は、一端(連結端)が繋がる両取付片52,52の開放端側を保持孔40に配置(収納)してベース部材28に組み合わせられ、このとき、両取付片52,52の連結端側が保持孔40の裏側開口から裏側へ突出するようになっている(
図9(c)参照)。そして、取付部材30は、筒状本体38から裏側へ突出する両取付片52,52の連結端側を、取付孔12に表側から差し込んでパネル10に取り付けられる(
図8参照)。なお、実施例の取付部材30は、所定形状で打ち抜き加工された1枚の金属板を折り曲げて、各部分が形成されている。
【0018】
図5に示すように、取付部材30は、取付片52の開放端に外方(他方の取付片52と反対側)に向けて延出する鍔部54を備えている。取付部材30は、保持孔40に差し込んだ際に、上下の鍔部54,54が上下の保持段部44にそれぞれ引っ掛かって、裏側への移動が規制される(
図8参照)。ここで、取付部材30は、保持段部44と鍔部54との引っ掛かりにより保持段部44を越えた移動が規制されるが、ベース部材28に対する相対的な組み合わせ位置を表側へ変えることが可能になっている。具体的には、取付部材30は、パネル10が第1板厚(例えば1.0mm)であるとき、鍔部54が保持段部44より表側に離れた位置になり(
図8(a)参照)、パネル10が第1板厚よりも厚い板厚(
図8(b)の第2板厚(例えば1.6mm))であるとき、鍔部54が保持段部44に近づいた位置になる。このように、取付部材30は、ベース部材28に対して、パネル10の板厚に応じて表裏方向への相対的な変位が許容される関係で組み付けられている。
【0019】
図5に示すように、取付部材30は、取付片52の連結端側(裏側)から開放端側(表側)に向かうにつれて他方の取付片52から離れるように延在する掛止部56を備えている。また、取付部材30は、掛止部56の先端部から開放端側(表側)へ延出するように設けられた挟持部58を備えている。
図8および
図11に示すように、取付部材30は、掛止部56の先端と挟持部58の先端部との間に、パネル10およびベース部材28の受壁部50を挟んで、パネル10に取り付けられる。
【0020】
図5および
図8に示すように、掛止部56は、取付片52の連結端側に設けられ、取付片52から外方へ張り出すように斜めに延出している。上下の掛止部56,56は、裏側から表側へ向かうにつれて、互いに離れるように延在し、上下の掛止部56,56の先端の間隔が、取付孔12の上下寸法よりも大きくなるように設定されている(
図8参照)。掛止部56は、取付片52の連結端側に連なる根元を支点として、上下方向(一対の取付片52,52の対向方向)に弾性変形可能になっている。上下の掛止部56,56は、相対的に近づくように変形することで取付孔12を通過し、取付孔12を通過した後に弾性復帰することで先端が取付孔12の開口縁に相対して、パネル10の裏側に配置される。そして、取付部材30(取付装置24)は、掛止部56の先端が、取付孔12の裏側開口縁に引っ掛かって表側へ抜けないようになる。掛止部56の傾きβは、10°程度に設定されており(
図5(b)参照)、取付孔12に通すときの負荷を軽減している。掛止部56は、取付片52において左右方向中央部に設けられ、取付部材30をベース部材28に組み合わせる際に、挿通部46を通って保持孔40の表側から裏側へ掛止部56が差し込まれる。ベース部材28の保持孔40には、掛止部56に対応して挿通部46が設けられ、挿通部46によって掛止部56の保持孔40の表側から裏側へ向けた移動を許容するようになっている。
【0021】
図5および
図8に示すように、挟持部58は、掛止部56に連ねて、掛止部56の先端部から開放端側へ延出するように設けられている。挟持部58は、掛止部56の先端部から対向する他方の取付片52側(内側)へ分岐して、先端部が取付片52の連結端側から開放端側に向かうにつれて他方の取付片52から離れる側(外側)へ延在するように形成されている。
図8に示すように、挟持部58は、外側へ開口する凹状に折り曲げた鉤形状に形成されている。上下の挟持部58,58の先端部は、裏側から表側へ向かうにつれて、互いに離れるように延在し、上下の挟持部58,58の先端の間隔が、取付孔12の上下寸法よりも大きくなるように設定されている(
図8参照)。挟持部58は、掛止部56と共にまたは掛止部56に連なる根元を支点として、上下方向(一対の取付片52,52の対向方向)に弾性変形可能になっている。上下の挟持部58,58は、先端部と掛止部56の先端との間の凹状部分にパネル10および受壁部50を収めるように構成されており、先端部がパネル10より表側に配置される。取付部材30(取付装置24)は、挟持部58の先端部が、ベース部材28の受壁部50の受け面50aに相対し、パネル10および受壁部50を掛止部56の先端と挟持部58の先端部の間に挟むようになっている。挟持部58は、取付片52において左右方向中央部に設けられ、取付部材30をベース部材28に組み合わせる際に、挿通部46を通って保持孔40の表側から裏側へ挟持部58が差し込まれる。ベース部材28の保持孔40には、掛止部56および挟持部58に対応して挿通部46が設けられ、挿通部46によって掛止部56および挟持部58の保持孔40の表側から裏側へ向けた移動を許容するようになっている。
【0022】
掛止部56の先端と挟持部58の先端部との間隔(以下、保持寸法という。)は、力が加わっていない自然な状態において、対応するパネル10の板厚範囲において最も薄い第1板厚および該パネル10に重なる受壁部50を、所定のクリアランスをあけて、挟持部58の凹みに収容し得るように、第1板厚に合わせて設定されている(
図8(a)参照)。すなわち、取付部材30は、最も薄い第1板厚に合わせてあるので、パネル10が第1板厚よりも厚くなると、挟持部58の先端部が受壁部50に干渉するように構成されている(
図8(b)および
図11参照)。このとき、受壁部50において取付片52の連結端側から開放端側に向かうにつれて他方の取付片52から離れるように延在する受け面50aに、挟持部58の先端部が受け止められる。これにより、挟持部58または挟持部58を含めた掛止部56が、第1板厚時と比べて該掛止部56の基端部を中心に内側へ向けて変位する。そして、挟持部58の先端部が内側にずれることで、第1板厚よりも厚い板厚のパネル10であっても、掛止部56の先端と挟持部58の先端部との間に受壁部50を介して挟むことが可能となる(
図8(b)参照)。
【0023】
パネル10の板厚が薄いときは、挟持部58の先端部が受壁部50の根元側に引っ掛かり、薄いパネル10と受壁部50の表裏方向に厚い部分とを挟む(
図8(a)参照)。パネル10の板厚が厚いときは、挟持部58の先端部が受壁部50の突出端側に引っ掛かり、厚いパネル10と受壁部50の表裏方向に薄い部分とを挟む(
図8(b)参照)。このように、パネル10の板厚が変化しても、掛止部56と挟持部58との間に大きな隙間が生じず、挟持部58の先端部が受け面50aに引っ掛かる関係になることに変わりはない。また、取付装置24は、受壁部50の受け面50aの傾斜によって挟持部58を案内して、掛止部56と挟持部58とによりパネル10およびベース部材28の受壁部50を挟んだもとで、取付部材30が表裏方向に位置合わせされるように構成されている。
【0024】
図8および
図9に示すように、取付部材30は、係合部60を介して保持部材32に組み付けられている。係合部60は、取付片52の開放端側から連結端側へ向かうにつれて他方の取付片52に近づくように延在しており、先端部が円弧状に形成されている。係合部60は、取付片52の開放端側に設けられ、取付片52において掛止部56および挟持部58よりも表側に配置されている。係合部60は、取付片52に連ねて左右方向中央部に設けられている。係合部60は、表側から裏側へ向かうにつれて内側へ延びるように斜めに形成され、表裏方向に対する傾きγ(
図5(b)参照)が受け面50aの傾きαよりも小さく設定されている。なお、実施例の係合部60は、傾きγが40°程度である。係合部60の傾きγは、掛止部56の傾きβよりも大きく設定されている。
【0025】
図6に示すように、保持部材32は、取付部材30における上下の取付片52,52の間に差し込まれる差込部62と、ベース部材28における保持孔40の表側開口を塞ぐ被覆部64とを備えている。保持部材32には、被覆部64の裏面から裏側へ向けて延出する差込部62が左右に離して2つ設けられ、一対の差込部62,62の間に、被覆部64の裏面から裏側へ向けて延出する支持部66が設けられている。保持部材32は、一対の差込部62,62および支持部66の被覆部64と反対側の端部が左右に延在する連結部68で繋がっている。なお、実施例の保持部材32は、ポリプロピレン(PP)等からなる樹脂成形品である。
【0026】
図6(b)に示すように、差込部62は、上下の取付片52,52間に差し込まれる差し込み部分が、被覆部64側よりも上下寸法が小さく、差し込み部分と被覆部64側の幅広部分との間に段差(支持段部62a)が形成されている。
図9(b)および(c)に示すように、保持部材32は、差込部62の差し込み部分を対向する取付片52,52の間に差し込んで、取付片52における左右の縁部分を左右の差込部62,62によって内側から支持する。支持部66は、左右の差込部62,62の間において左右方向および上下方向中央部に配置されて、差込部62の差し込み部分よりも上下寸法が小さく形成されている。
【0027】
図6(c)および(d)に示すように、支持部66には、係合部60の先端部を受け入れ可能な係合受部70が、上下の係合部60,60に対応して、上下のそれぞれに形成されている(
図8参照)。上側の係合受部70は、上方に開口し、上側の係合部60の先端部に合わせて円弧状に凹んでいる。同様に、下側の係合受部70は、下方に開口し、下側の係合部60の先端部に合わせて円弧状に凹んでおり、上下の係合受部70が表裏方向を挟んで上下対称に配置されている。支持部66は、取付部材30と組み合わせた際に、左右の差込部62,62の間に位置する掛止部56および挟持部58と間をあけて重なるように形成されている。保持部材32は、差込部62により取付片52の内側への変形を規制する状態であっても、掛止部56および挟持部58の内側への変位を許容する。また、保持部材32は、上下の係合部60,60を係合受部70,70に受け入れた状態で取付部材30と組み付き、支持段部62aが取付部材30の鍔部54の表側に相対するようになっている。上下の係合部60,60が表側から裏側へ向かうにつれて内側へ延びるように形成されているので、上下の係合部60,60の間に表側から支持部66を容易に差し込むことができる。
【0028】
図8に示すように、組み付けた取付部材30と保持部材32とは、係合部60が係合受部70に突っ張りになるように嵌まって、互いに表裏方向へ相対的に離れる方向の移動が規制される。これに対して、組み付けた取付部材30と保持部材32とは、係合部60が係合受部70の傾斜に沿って抜けるので、互いに表裏方向へ相対的に近づく方向の移動が許容され、鍔部54と支持段部62aとが当接するまで相対的な移動が可能になっている。取付部材30および保持部材32は、パネル10の板厚の変化に応じた表裏方向の相対的な位置変化が許容されている(
図11参照)。ここで、取付部材30は、係合部60が係合受部70の底に係合した状態から、対応するパネル10の板厚の最大値と最小値との差分寸法を、保持部材32に対して、表側へ向けて相対的に移動可能に構成される。
【0029】
図6および
図10に示すように、保持部材32は、差込部62の先端側に位置して、差込部62の外面から左右方向へ突出するよう形成された抜止部72を備えている。左右の差込部62,62に設けられた抜止部72は、右側の差込部62であれば右面から右方へ突出するように形成され、左側の差込部62であれば左面から左方へ突出するように形成され、互いに反対向きに突出している。保持部材32は、保持孔40に差し込んでベース部材28に組み付けた際に、保持孔40に設けられた抜止受部48に抜止部72が引っ掛かって、ベース部材28に対する表側への移動が規制される。保持部材32は、ベース部材28に組み付けた際に、被覆部64が保持孔40の表側の開口縁に当たると共に、抜止部72が抜止受部48に引っ掛かって、表裏方向に相対的に変位しないようになっている。ベース部材28および保持部材32は、パネル10の板厚に応じて、表裏方向へ相対的に位置変化しない。
【0030】
次に、実施例に係る取付装置24の組み立てについて説明する。
図9(a)および
図10(a)に示すように、保持部材32の差込部62を取付部材30における上下の取付片52,52の間に差し込み、保持部材32と取付部材30とを組み付ける。この際、取付部材30の係合部60が保持部材32の係合受部70に嵌まることで、両者が適切に組み付けられたことが判る(
図9(b)および
図10(b)参照)。
図9(b)および
図10(b)に示すように、組み合わせた取付部材30および保持部材32を、保持孔40の表側開口から差し込み、ベース部材28に組み付ける。取付部材30は、掛止部56および挟持部58が取付片52よりも外方へ張り出しているが、保持孔40の内側に突出する保持段部44の間に設けられた挿通部46を通して、保持孔44に円滑に差し込むことができる。そして、保持部材32の抜止部72がベース部材28の抜止受部48の裏面に引っ掛かり、保持部材32の被覆部64が筒状本体38の表側に被さって保持孔44を塞いだ状態で、ベース部材28に対して取付部材30および保持部材32が組み付けられる(
図9(c)および
図10(c)参照)。
【0031】
取付部材30は、鍔部54がベース部材28の保持段部44に引っ掛かり、挟持部58の先端部がベース部材28の受壁部50に引っ掛かって、裏側への移動が規制される(
図9(c)参照)。また、取付部材30は、抜止部72と抜止受部48との係合下に、保持部材32に対する表側への移動が規制される(
図10(c)参照)。また、取付部材30は、ベース部材28に組み付いた保持部材32の支持段部62aに鍔部54が当たることによっても、保持部材32に対する表側への移動が阻まれる。保持段部44と支持段部62aとの隙間は、当該隙間に配置される鍔部54が、対応するパネル10の板厚の最大値と最小値との差分寸法だけ表裏方向へ少なくとも変位し得る余裕が設定されている。これにより、パネル10の板厚に応じた、ベース部材28に対する取付部材30の表裏方向の相対的な変位が許容される。なお、保持部材32の抜止部72を抜止受部48の表面に当てて、取付部材30および保持部材32を保持孔44に途中まで差し込んだ仮止め状態で保持することも可能である。
【0032】
次に、
図9(c)に示すように、ベース部材28、取付部材30および保持部材32を組み付けて構成した取付装置24を、パネル10に取り付ける。具体的には、取付部材30における両取付片52,52の連結端部を取付孔12に差し込むと、取付片52に設けられた掛止部56が取付孔12の開口縁に当たって自身の傾斜に案内されて内側へ変位する。取付部材30を掛止部56が取付孔12を通過するまで挿入すると、変位していた掛止部56が弾性により復帰して、掛止部56の先端が取付孔12の裏側開口縁に相対すると共に、挟持部58の先端部がベース部材28の受壁部50の受け面50aに相対する。パネル10と、パネル10に突き当てたベース部材28の受壁部50とを、掛止部56の先端と挟持部58の先端部との間に挟んで、取付装置24がパネル10に取り付けられる(
図8および
図11参照)。
【0033】
取付装置24は、取付部材30が、ベース部材28および保持部材32に対して、パネル10の板厚の変化に応じて、表裏方向へ相対的な位置変化可能に組み付けられている。
図8(a)および
図11の実線に示すように、取付装置24は、パネル10が最も薄い第1板厚の場合、ベース部材28および保持部材32に対して表側へ位置変化することが許容されて、掛止部56の先端をパネル10の裏面に対して所定のクリアランスで配置することができる。そして、取付装置24は、掛止部56の先端と挟持部58の先端部との間に、パネル10およびベース部材28の受壁部50を挟んで、パネル10に対してガタつきないように強固に取り付けられる。
図8(b)および
図11の二点鎖線に示すように、取付装置24は、パネル10が最も厚い第2板厚の場合、ベース部材28および保持部材32に対して前記第1板厚のときよりも裏側へ位置変化することが許容されて、パネル10が厚くなっても、掛止部56の先端をパネル10の裏面に対して所定のクリアランスで配置することができる。そして、取付装置24は、掛止部56の先端と挟持部58の先端部との間に、パネル10およびベース部材28の受壁部50を挟んで、パネル10に対してガタつきないように強固に取り付けられる。なお、「表裏方向へ相対的な位置変化可能」とは、パネル10の板厚が異なる場合を比べると位置が変わっているという意味である。取付装置24をパネル10に取り付けた状態では、取付部材30、ベース部材28および保持部材32の間で相対的な位置変化は生じない。このように、取付装置24は、パネル10の板厚に合わせた複数種類の部品を用意する必要はなく、共通するベース部材28、取付部材30および保持部材32を用いて、第1板厚から第2板厚の範囲のパネル10に強固に取り付け可能である。
【0034】
取付装置24は、挟持部58の先端部を受壁部50の受け面50aの傾斜で案内して、パネル10の板厚による挟持部58の先端部と受壁部50との干渉度合いに応じて、挟持部58を変位させることができる。これにより、パネル10の板厚が変わっても、掛止部56の先端と挟持部58の先端部との間に、パネル10および受壁部50を挟むことができ、取付部材30のパネル10への係合不良を回避し、取付装置24の耐荷重を向上できる。また、取付装置24は、パネル10との間の隙によるガタつきを防止でき、車両走行時の異音の発生などを防ぐことができる。
【0035】
取付部材30および保持部材32は、表側から裏側へ向かうにつれて内側へ延出する係合部60の先端部を、保持部材32に設けられた係合受部70に係合させた状態で基本的に組み合わせられる。取付部材30は、係合部60が係合受部70の底に突き当たられる関係になるので、保持部材32に対する裏側へ向けた相対的な位置変化が規制される。このように係合部60と係合受部70との係合により、取付部材30は、保持部材32から外れ難くなっている。換言すると、取付装置24は、パネル10に取り付けた際に、係合部60と係合受部70との係合により、保持部材32を取付部材30から外れ難くすることができる。係合部60と係合受部70との係合関係は、取付部材30の保持部材32に対する表側へ向けた相対的な位置変化に際して、係合受部70から係合部60が抜けるようになる。従って、係合部60と係合受部70とが固定するように作用せず、取付部材30は、パネル10の板厚の変化に応じた保持部材32に対する表側に向けた位置変化が許容される。このように、取付装置24は、係合部60と係合受部70との関係により、取付部材30と保持部材32とを互いに分離しないように保持することと、パネル10の板厚に応じた取付部材30と保持部材32との相対的な位置変化の許容とを、両立することができる。
【0036】
取付装置24は、受壁部50の受け面50aの傾きαが、係合部60の傾きγよりも大きく設定されている。これにより、挟持部58の先端部が受け面50aに干渉した際に、係合部60を撓ませるように変形させ易くすることができ、パネル10の板厚に応じた取付部材30と保持部材32との相対的な位置変化を円滑に生じさせることができる。また、取付装置24は、掛止部56の傾きβが、係合部60の傾きγよりも小さく設定されているので、掛止部56を変形させて取付孔12を通過させる際の負荷を抑えることができる。
【0037】
取付部材30および保持部材32は、上下の取付片52,52の間に表側から差込部62を差し込むことで、簡単に組み付けることができ、この際、係合部60と係合受部70との係合により位置決めすることができる。ベース部材28の保持孔40には、取付部材30の開放端に設けられた鍔部54と引っ掛かる保持段部44が内側に突出するように形成されている。保持孔40には、取付片52から外方へ出っ張る掛止部56および挟持部58に合わせて開口する挿通部46が設けられているので、挿通部46を通して掛止部56および挟持部58を表側から裏側へ移動させることができる。このように、取付装置24は、取付部材30を保持部材32に組み付けた状態でベース部材28の保持孔40に差し込んで、ベース部材28に取付部材30および保持部材32を一緒に取り付けることができる。また、ベース部材28に対して取付部材30および保持部材32を同じ方向から取り付けることができる。金属製の取付部材30を指等で直接押すと、その硬さにより組み付け作業性が悪い。取付装置24によれば、保持部材32を押して、保持部材32に組み付けられた金属製の取付部材30をベース部材28の保持孔に差し込むことができるので、組み付け作業性を向上することができる。このように、前述した構成によれば、取付装置24の組み付け作業をより簡単にすることができる。
【0038】
(変更例)
前述した構成に限らず、例えば以下のように構成してもよい。
(1)実施例では、車両内装部材としてアシストグリップを挙げたが、サンバイザーやルームランプなどの取り付けに用いる取付装置にも適用可能である。
(2)取付装置の組み立て順序は、実施例に限らず、ベース部材に取付部材を取り付けた後に、保持部材を取付部材およびベース部材に組み付ける順序であってもよい。
【0039】
本件には、以下の発明が開示されている。
発明Aに係る車両内装部材の取付装置は、
車両内装部材(20)を、車体のパネル(10)に取り付ける取付装置(24)であって、
前記パネル(10)の表裏に貫通する取付孔(12)に、表裏方向へ貫通するよう形成された保持孔(40)を整合させて配置されるベース部材(28)と、
対向配置された2つの取付片(52,52)を有し、一端が繋がる両取付片(52,52)の開放端側を前記保持孔(40)に配置して前記ベース部材(28)に組み合わせられると共に、該取付片(52,52)の連結端側を前記取付孔(12)に表側から差し込んで前記パネル(10)に取り付けられる取付部材(30)と、
前記取付部材(30)における両取付片(52,52)の開放端側から両取付片(52,52)の間に差し込んで、前記保持孔(40)に挿入して前記ベース部材(28)に取り付けられる保持部材(32)と、を備え、
前記取付部材(30)は、
前記取付片(52)の連結端側から開放端側に向かうにつれて他方の取付片(52)から離れるように延在し、先端が前記パネル(10)の裏側に位置する掛止部(56)と、
前記掛止部(56)の先端部から前記開放端側へ延出するように設けられ、先端部が前記パネル(10)の表側に位置する挟持部(58)と、
前記取付片(52)の開放端に設けられ、他方の取付片(52)と反対向きに延出する鍔部(54)と、を備え、
前記ベース部材(28)は、
前記保持孔(40)の内側に突出して、前記鍔部(54)と引っ掛かって前記取付部材(32)の裏側への移動を規制する段部(44)と、
前記保持孔(40)に差し込まれる前記掛止部(56)および前記挟持部(58)の経路に対応して設けられ、該掛止部(56)および該挟持部(58)における該保持孔(40)の表側から裏側へ向けた移動を許容する挿通部(46)と、を備えている。
発明Aによれば、取付部材を保持部材に組み付けた状態でベース部材の保持孔に差し込んで、ベース部材に取付部材および保持部材を取り付けることができる。これにより、取付装置の組み付け作業をより簡単にすることができる。
【符号の説明】
【0040】
10 パネル,12 取付孔,20 アシストグリップ(車両内装部材),24 取付装置,
28 ベース部材,30 取付部材,32 保持部材,40 保持孔,
44 保持段部(段部),46 挿通部,50 受壁部,50a 受け面,52 取付片,
56 掛止部,54 鍔部,58 挟持部,60 係合部,70 係合受部,
α (受け面の)傾き,β (掛止部の)傾き,γ (係合部の)傾き