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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】開き窓
(51)【国際特許分類】
   E05B 15/02 20060101AFI20220411BHJP
   E05C 3/04 20060101ALI20220411BHJP
   E05B 65/06 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
E05B15/02 D
E05C3/04 E
E05B65/06 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018149510
(22)【出願日】2018-08-08
(65)【公開番号】P2020023850
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-02-26
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年5月21日に三協立山株式会社が、三協立山株式会社(富山県高岡市早川70番地)で開催された顧客向け説明会にて、巻口彰史、今井裕一及び大垣博範が発明したカムラッチ仕様を備えたたてすべり出し窓を公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】巻口 彰史
(72)【発明者】
【氏名】今井 裕一
(72)【発明者】
【氏名】大垣 博範
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-018195(JP,U)
【文献】実開昭54-102497(JP,U)
【文献】実開昭53-051897(JP,U)
【文献】特開2002-194938(JP,A)
【文献】特開2001-090416(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第0087257(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 15/02
E05B 65/06
E05C 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と、開き障子を備え、開き障子は戸先側見付面にハンドル台座を有し、
ハンドル台座に取付けたハンドルは把持部とラッチ部を有し、
枠体は、内周側にラッチ受けを取り付けてあり、
ラッチ受けは、ラッチ係止部とラッチ係止部の室外側で且つハンドル台座と対向する位置に設けた覆い部とを有し、
覆い部は、ラッチ係止部と開き障子の戸先側見付面との間の枠体の内周面を覆っており、
覆い部の内周面は室外側ほど外周側になるように傾斜しており、
ラッチ部が覆い部に対向する位置にあるときにハンドルを閉じ側に操作するとラッチ部が覆い部内周面の傾斜に沿って開き障子と共に室外側に押し出されることを特徴とする開き窓。
【請求項2】
枠体と、開き障子を備え、開き障子は戸先側見付面にハンドル台座を有し、
ハンドル台座に取付けたハンドルは把持部とラッチ部を有し、
枠体は、内周側にラッチ受けを取り付けてあり、
ラッチ受けは、ラッチ係止部とラッチ係止部の室外側で且つハンドル台座と対向する位置に設けた覆い部とを有し、
覆い部は、ラッチ係止部と開き障子の戸先側見付面との間の枠体の内周面を覆っており、
覆い部の室外側端は、ラッチ係止部のラッチ非係止位置の室外側よりもラッチ係止位置の室外側がより室外側になるように傾斜しており、
ラッチ部が覆い部の室外側端にあるときにハンドルを閉じ側に操作するとラッチ部が覆い部の室外側端の傾斜に沿って開き障子と共に室外側に押し出されることを特徴とする開き窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開き窓に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、ラッチ部を係止するラッチ受けが枠体の見込面に設けてある開き窓が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-256386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ラッチ部がラッチ受けと対向する位置にない状態でハンドル操作を行った場合、枠体やラッチ部を傷つけることがあった。
【0005】
そこで、本発明は、ハンドルの誤操作時に枠体やラッチ部の損傷を防止する開き窓の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、枠体と、開き障子を備え、開き障子は戸先側見付面にハンドル台座を有し、ハンドル台座に取付けたハンドルは把持部とラッチ部を有し、枠体は、内周側にラッチ受けを取り付けてあり、ラッチ受けは、ラッチ係止部とラッチ係止部の室外側で且つハンドル台座と対向する位置に設けた覆い部とを有し、覆い部は、ラッチ係止部と開き障子の戸先側見付面との間の枠体の内周面を覆っており、覆い部の内周面は室外側ほど外周側になるように傾斜しており、ラッチ部が覆い部に対向する位置にあるときにハンドルを閉じ側に操作するとラッチ部が覆い部内周面の傾斜に沿って開き障子と共に室外側に押し出されることを特徴とする開き窓である。
請求項2に記載の発明は、枠体と、開き障子を備え、開き障子は戸先側見付面にハンドル台座を有し、ハンドル台座に取付けたハンドルは把持部とラッチ部を有し、枠体は、内周側にラッチ受けを取り付けてあり、ラッチ受けは、ラッチ係止部とラッチ係止部の室外側で且つハンドル台座と対向する位置に設けた覆い部とを有し、覆い部は、ラッチ係止部と開き障子の戸先側見付面との間の枠体の内周面を覆っており、覆い部の室外側端は、ラッチ係止部のラッチ非係止位置の室外側よりもラッチ係止位置の室外側がより室外側になるように傾斜しており、ラッチ部が覆い部の室外側端にあるときにハンドルを閉じ側に操作するとラッチ部が覆い部の室外側端の傾斜に沿って開き障子と共に室外側に押し出されることを特徴とする開き窓である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、ラッチ係止部と開き障子との間に位置する枠体が樹脂製である場合、ハンドルの誤操作による樹脂枠体の損傷を防止し、ラッチ係止部と開き障子との間に位置する枠体が金属製である場合、ハンドルの誤操作によるラッチ部の損傷を防止する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態にかかる開き窓であって、図7に示すA-A断面図である。
図2】本発明の実施の形態にかかる開き窓であって、図7に示すB-B断面図である。
図3】ラッチ受けの図であり、(a)はラッチ受けを室外側から見た正面図であり、(b)は(a)に示すラッチ受けを内周側から見た側面図、(c)は(a)に示すラッチ受けの本体部のC-C断面図であり、(d)はラッチ受けとラッチ部の納まりの関係を示す図である。
図4】(a)、(b)及び(d)は内周側ラッチ誘導面がラッチ部を室外側方向に誘導する過程を示す断面図であり、(c)は(b)に示す状態における力の関係を示す図である。
図5】(a)、(b)及び(d)は見込方向ラッチ誘導部がラッチ部を室外側方向に誘導する過程を示す斜視図であり、(c)は(b)の状態から(d)の状態になるまでのラッチ部の動きを示す図である。
図6図7に示す開き窓において、ラッチ受け側の縦枠を内周側から見た側面図である。
図7】本発明の実施の形態にかかる開き窓を室内側から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図7に示すように、本発明の実施の形態にかかる開き窓1は、断熱たて辷り出し窓であり、枠体3と、開き障子5とを備えている。
本実施の形態において、枠体3は、本体枠13と、本体枠13の室内側で内周側に延設されるように設けてある室内側枠部15とを備える(図1及び図2参照)。本体枠13は、上枠7と、下枠9と、戸先側縦枠11と、吊元側縦枠12を組んである。本体枠13は金属製であり、具体的にはアルミニウム製である。
図1図2、及び図7に示すように、室内側枠部15は、本体枠13の上枠7、下枠9、戸先側縦枠11及び吊元側縦枠12の各室内側で内周側に向けて延設して設けてあり、開き障子5の框(後述する)を隠している。本実施の形態では、戸先側縦枠11の室内側枠部15が開き障子5の戸先框21(後述する)を隠している。
図2に示すように、上枠7の室内側枠部15は、中空部16を有する樹脂材で一体形成されている。下枠9の室内側枠部15は、枠部本体15aとカバー部15bとのソリッド樹脂材を嵌合して中空部16を形成している。
図1に示すように、戸先側縦枠11の室内側枠部15及び吊元側縦枠12の室内側枠部15も、枠部本体15aとカバー部15bとのソリッド樹脂材を嵌合して中空部16を形成している。
図2に示すように、上枠7の室内側枠部15は、樹脂框27(後述する)に対向する位置に樹脂製の気密材保持部15dを有し、本体枠13の下枠9は、樹脂框27(後述する)に対向する位置に金属製の気密材保持部13aを有する。
図1に示すように、吊元側縦枠12の枠部本体15aは内周側に向けて立上る内周側立上り部15cを有し、戸先側縦枠11の枠部本体15aはラッチ係止部37と開き障子5との間で内周側に向けて立上る内周側立上り部15cを有している。また、各内周側立上り部15cは、室外側で樹脂框27(後述する)に対向する位置に気密材保持部15dを有する。
気密材保持部13a、15dには、気密材15eが設けてある。
【0010】
図1及び図2に示すように、開き障子5は、上框17と、下框19と、戸先框21と、吊元框23を組んであり、各框17、19、21、23は、室外側に設けた金属框25と室内側に設けた樹脂框27とで構成してある。
図1に示すように、開き障子5の戸先框21にはハンドル29(図7参照)が設けてあり、戸先側縦枠11の室内側枠部15の内周側には、ラッチ受け31が設けてあり、ハンドル29の操作により開き障子5の開閉を行うようにしてある。以下に、ハンドル29及びラッチ受け31について説明する。
【0011】
図1に示すように、戸先框21の室内側見付面にはハンドル台座33が取付けてあり、ハンドル29はハンドル台座33に回動軸部29c(図3(d)参照)を介して回動自在に取付けてある。ハンドル29は把持部29aとラッチ部29bを有し、ラッチ部29bは把持部29aの操作により回動する。
ハンドル29は樹脂製であり、同様にラッチ部29bも樹脂製である。ただし、ラッチ部29bには、強度を保持するために樹脂内部のうち、後述するラッチ受け31の補強部材20に対向する位置にスチール製の部材が内蔵されている。
【0012】
図1及び図3に示すように、ラッチ受け31は、樹脂製の本体部32と、スチール製の補強部材20と一体に備えている。本体部32は、凹部35と、ラッチ係止部37と、覆い部40とを備えている。
凹部35には、ハンドル台座33及び解除位置にあるラッチ部29bが室外側から配置されるように、室外側開口部35aと内周側開口部35bとが連続して開口する開口部が形成されており、図3(b)に示すように、内周側から見たときに外周側に凹んだコ字形状を成している。図1に示すように、ラッチ係止部37は凹部35の枠外周側に設けた室内側溝壁37aと室外側溝壁37bとを有し、室内側溝壁37aと室外側溝壁37bとの間にラッチ部29bが係脱自在な空間が形成されている。
図3(d)に示すように、ラッチ受け31の凹部35において、二点鎖線で示すようにハンドル29のラッチ部29bが解除位置にあるときに、ハンドル29における把持部29aの係止方向への回動側と反対側の面である解除方向面29dと対向する対向壁35cとの間に指挟み防止空間Sが形成されている。
図1及び図3(a)に示すように、補強部材20は本体部32にラッチ係止部37の室外側と本体部32の外周側とに重ねて取付けてあり、図1に示すように、水平断面が略L字形状を成している。補強部材20は、補強部材20の外周側部である固定部39を備えており、固定部39は、裏板41と共にねじ38で本体枠13の戸先側縦枠11に固定してある。
【0013】
図1に一点鎖線で抜き出して示すように、覆い部40は、ラッチ係止部37の室外側溝壁37bから気密材保持部15dよりも室外側に突出している。覆い部40は、ラッチ係止部37の室外側溝壁37bと開き障子5との間に位置する内周側立上り部15cの気密材保持部15dの内周面15fを覆っている。
覆い部40は、内周側表面の室内側に形成してある室内側平面40hと、室内側平面40hの室外側に形成してある内周側ラッチ誘導面40gを有する。内周側ラッチ誘導面40gは枠体3の室外側ほど室内側平面40hに対して外周側にθ1度傾斜している(図3(c)参照)。θ1は、1度にも満たない程度の微小な角度である。
図3(b)に示すように、覆い部40は、戸先側縦枠11の長手方向中間部分である中央部40cと、戸先側縦枠11の長手方向の一端側の部分である一端部40dと、戸先側縦枠11の長手方向の他端側の部分である他端部40eとを有しており、中央部40cは、一端部40dと他端部40eとの間に位置する。
見込方向ラッチ誘導部40fは、中央部40cと一端部40dとの間、及び中央部40cと他端部40eとの間に形成してあり、戸先側縦枠11の長手方向中間部分(中央部40c)から覆い部40の端部(一端部40d及び他端部40e)に向かって見込幅が小さくなるように形成してある。見込方向ラッチ誘導部40fの傾斜角度はθ2度である(図5(c)参照)。
【0014】
本実施の形態に係る開き窓1の開閉操作について説明する。
図1及び図3(d)に示すように、開き障子5が閉じ切り状態にあるときには、ハンドル台座33がラッチ受け31の本体部32の凹部35内に位置し、ハンドル29の把持部29aがラッチ受け31から室内側枠部15の内周側で下向きに延出している。この開き障子5の閉じ切り状態から開くときには、図3(d)に矢印E1で示すように、ハンドル29の把持部29aを上方に回動して、ハンドル29のラッチ部29bをラッチ受け31のラッチ係止部37から外す。これにより、ハンドル29のラッチ部29bは、ラッチ受け31の本体部32の凹部35に位置するので、そのまま開き障子5の戸先框21を室外側に押して、ハンドル台座33及びハンドル29のラッチ部29bを凹部35の連続した室外側開口部35a及び内周側開口部35bから室外側へ移動させることで、開き障子5を開く。
開き障子5を開き位置から締め切るときには、枠体3の室外側に位置する戸先框21を戸先側縦枠11に向けて引き、ハンドル台座33を室内側枠部15に近づけて、図3(d)に二点鎖線で示すように、ハンドル台座33及びハンドル29のラッチ部29bをラッチ受け31の本体部32の連続した室外側開口部35a及び内周側開口部35bから凹部35に配置し、図3(d)に示す矢印E1と反対側に回動して、実線で示すように、ハンドル29の把持部29aを押し下げて、ラッチ部29bをラッチ係止部37に係止させる。
【0015】
適正ではない位置でハンドル29の把持部29aを操作する場合、例えば開き障子5が閉じきらない状態でハンドル29の把持部29aを操作する場合について説明する。
まず、図4(a)で示すようにハンドル台座33を矢印Y1で示すように室内側枠部15に近づけ、ラッチ部29bが覆い部40に対向する位置でハンドル29の把持部29aを係止方向に回動すると、図4(b)に示すようにラッチ部29bは内周側ラッチ誘導面40gに当接する。
図4(b)に示す状態からハンドル29の把持部29aを矢印E2に示すように回動すると、図4(c)に示すようにラッチ部29bが内周側ラッチ誘導面40gを力F1(斜面を押す力)で押すため、ラッチ部29bは力F2(傾斜に沿う力)で室外側に誘導される。その結果、内周側ラッチ誘導面40gはラッチ部29bを室外側に押し出し、図4(d)に示すように開き障子5を矢印Y2に示すように室外側に押し出す。
【0016】
次に、ラッチ部29bの先端が覆い部40の室外側端面に当接した状態で、ハンドル29の把持部29aを係止方向に回動する場合について説明する。
まず、図5(a)に示すように、開き障子5が開き位置でハンドル29の把持部29aが斜めに突出した状態で、矢印Y3に示すようにハンドル台座33をラッチ受け31に近づける。
この場合、図5(b)に示すように、ラッチ部29bは、覆い部40の見込方向ラッチ誘導部40f又は一端部40dに室外側から当接し、ハンドル台座33のそれ以上の室内側への移動が阻止される。ラッチ部29bが見込方向ラッチ誘導部40f又は一端部40dに当接した状態でハンドル29の把持部29aを矢印E3で示すように回動すると、図5(c)に示すように、ラッチ部29bは力F3(押し上げる力)で押し上げられるため、見込方向ラッチ誘導部40fに沿って室外側に誘導され、室外側に押し出される。そして、さらにハンドル29の把持部29aを矢印E3で示すように回動すると(図5(b)参照)、ラッチ部29bが室外側にさらに押し出され、ラッチ部29bは中央部40cの室外側に位置するようになる(図5(c)(d)参照)。
【0017】
次に、本実施の形態に係る開き窓1の効果について説明する。
図1に示すように、覆い部40は、ラッチ係止部37の室外側溝壁37bと開き障子5との間に位置する枠部本体15aの内周側立上り部15cの気密材保持部15dの内周面15fを覆っているから、ラッチ部29bがラッチ係止部37に対向する位置にない状態でハンドル29の操作をした(ハンドルを誤操作した)場合にはラッチ部29bは覆い部40で受けるため、ラッチ部29bと気密材保持部15dとの衝突を防止できる。
このため、枠部本体15aが樹脂製である場合、ハンドル29の誤操作による枠部本体15a(気密材保持部15d)の損傷を防止でき、枠部本体15aが金属製である場合、ハンドル29の誤操作によるラッチ部29bの損傷を防止できる。
特に、本実施の形態では、枠部本体15aは樹脂製であるため、枠部本体15aにおける気密材保持部15dに、ラッチ部29bが衝突することによる樹脂製の気密材保持部15dの損傷を防止できる。
【0018】
図1に示すように、覆い部40の内周側ラッチ誘導面40gは、枠体3の室外側ほど外周側に傾斜しているから、図4(b)-(d)に示すように、ラッチ部29bが内周側ラッチ誘導面40gに当接した状態で、ハンドル29の把持部29aを係止方向に回動した場合、ラッチ部29bを室外側に誘導し、室外側に押し出すことができる。
図3(b)に示すように、覆い部40は、中央部40cと一端部40dとの間及び中央部40cと他端部40eとの間に、覆い部40における中央部40cから一端部40d及び他端部40eに向かって見込幅が小さくなる見込方向ラッチ誘導部40fが形成してあるから、ラッチ部29bが覆い部40の見込方向ラッチ誘導部40f又は一端部40dに室外側から当接した状態で、ハンドル29の把持部29aを係止方向に回動した場合に、見込方向ラッチ誘導部40fに沿ってラッチ部29bを室外側に誘導し、室外側に押し出すことができる(図5(c)参照)。
覆い部40には、中央部40cと一端部40dとの間及び中央部40cと他端部40eとの間に見込方向ラッチ誘導部40fが形成されているから、左右勝手が良く、ラッチ受け31を右側の縦枠11に設ける場合と左側の縦枠12に設ける場合とでラッチ部29bの回動方向が異なる場合において、ラッチ受け31を左右の縦枠11、12いずれにも適用できる。
【0019】
図7に示すように、開き窓1は、ハンドル台座33を室内側枠部15で遮蔽するので、室内側からの意匠性が良い。
図3(d)に示すように、ラッチ受け31には、ハンドル29の係止解除状態における把持部29a(図3(d)に二点鎖線で示す)の側方に、指挟み防止空間Sが形成されているので、把持部29aの操作時における指Yの挟みを防止できる。
図1及び図2に示すように、上枠7、下枠9、戸先側縦枠11及び吊元側縦枠12の各室内側で内周側に延設されるように設けた各室内側枠部15は中空部16を有しているから、断熱性を高めることができる。
【0020】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、開き窓1はたて辷り出し窓に限らず、外開き窓や、内開き窓、回転窓等の障子が枠体3に対して内外方向に開く窓であれば良い。
見込方向ラッチ誘導部40fは、係止方向にハンドル29の把持部29aを回動した際にラッチ部29bが接してくる方向にあればよく、必ずしも中央部40cと一端部40dとの間及び中央部40cと他端部40eとの間の2箇所に形成される必要はない。
開き窓1の枠体3の戸先枠が下枠9であり、開き障子5の戸先框が下框19の場合には、下枠9にラッチ受け31を設け、下框19にハンドル台座33及びハンドル29を設ける構成にすることができる。同様に、開き窓1の枠体3の戸先枠が上枠7であり、開き障子5の戸先框が上框17の場合には、上枠7にラッチ受け31を設け、上框17にハンドル台座33及びハンドル29を設ける構成にすることができる。また、図1において、左側の縦枠12が戸先枠であり、左側の框23が戸先框である場合には、縦枠12にラッチ受け31を設け、框23にハンドル台座33及びハンドル29を設ける構成にすることができる。
枠体3は、本体枠13を金属製の枠とし、室内側枠部15を樹脂製の枠としたが、これに限らず、本体枠13と室内側枠部15を共に金属製の枠としたり、共に樹脂製の枠としても良く、枠体3の材質は制限されない。
【符号の説明】
【0021】
1 開き窓
3 枠体
5 開き障子
15d 気密材保持部
15f 内周面
29 ハンドル
29a 把持部
29b ラッチ部
31 ラッチ受け
33 ハンドル台座
37 ラッチ係止部
40 覆い部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7