(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】複数カメラを用いた車両用モニタリングシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20220411BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220411BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220411BHJP
H04N 5/247 20060101ALI20220411BHJP
B60Q 1/24 20060101ALI20220411BHJP
B60R 1/00 20220101ALI20220411BHJP
F21S 45/00 20180101ALI20220411BHJP
【FI】
H04N7/18 J
H04N7/18 K
H04N5/232 290
H04N5/232 930
H04N5/225 400
H04N5/225 430
H04N5/225 600
H04N5/247
B60Q1/24 Z
B60R1/00
F21S45/00
(21)【出願番号】P 2018532994
(86)(22)【出願日】2017-08-04
(86)【国際出願番号】 JP2017028381
(87)【国際公開番号】W WO2018030285
(87)【国際公開日】2018-02-15
【審査請求日】2020-06-24
(31)【優先権主張番号】P 2016155247
(32)【優先日】2016-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016155257
(32)【優先日】2016-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016155273
(32)【優先日】2016-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】多々良 直樹
(72)【発明者】
【氏名】岡村 俊宏
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-323590(JP,A)
【文献】特開2011-184030(JP,A)
【文献】特開2010-260379(JP,A)
【文献】特開2014-106635(JP,A)
【文献】特開2011-166490(JP,A)
【文献】特開2016-119558(JP,A)
【文献】特開2015-226233(JP,A)
【文献】特開2015-223976(JP,A)
【文献】特開2013-6480(JP,A)
【文献】特開2004-304522(JP,A)
【文献】特開2012-56509(JP,A)
【文献】特開2009-206747(JP,A)
【文献】特開2009-134517(JP,A)
【文献】特開2008-172535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 5/225-5/257
B60Q 1/00-1/56
B60R 1/00
F21S 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両周辺の複数の領域を別々に照明する複数の車両用灯具と、前記複数の領域を別々に撮影する複数のカメラと、前記車両の車室内に設置された一つまたは複数のモニタと、前記カメラが撮影した映像を前記モニタに表示させるための少なくとも一つの映像処理回路を備えた一つまたは複数の電子制御装置とを含み、
前記カメラが該カメラの撮影する領域に存在する物体までの距離を含む光景情報を収集し、前記映像処理回路が前記物体の距離画像を前記モニタ手段に表示させるための映像処理を行い、
前記複数のカメラが、それぞれ、該カメラの撮影領域とほぼ同じ領域を照明する車両用灯具に装備されていることを特徴とする車両用モニタリングシステム。
【請求項2】
前記電子制御装置が、前記複数の車両用灯具のうちの少なくとも一つに装備される請求項1記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項3】
前記モニタが、前記車両の運転席より左側に配置された左モニタと、運転席より右側に配置された右モニタとを含み、前記電子制御装置の映像処理回路が、運転席より左側のカメラによって撮影された映像を前記左モニタに表示させるとともに、運転席より右側のカメラによって撮影された映像を前記右モニタに表示させるための処理を行う請求項1に記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項4】
前記映像処理回路が、2つのカメラが別々に撮影した2つの領域の映像を合成するための処理を行う請求項1記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項5】
前記映像処理回路が、前記2つの領域に含まれる重複区域の映像を補正するための処理を行う請求項4記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項6】
少なくとも一つの前記車両用灯具に、前記カメラの視界を流体により清浄化するための一つまたは複数のクリーナが装備されている請求項1記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項7】
車両後側方の第1領域を撮影する一つまたは複数の第1カメラと、前記第1領域よりも車幅方向内側の第2領域を撮影する一つまたは複数の第2カメラと、前記第1および第2カメラが撮影した映像を合成する一つまたは複数の電子制御装置と、合成された前記映像を表示するモニタとを備え、
前記第2カメラが前記第2領域に存在する物体までの距離を含む光景情報を収集し、前記電子制御装置が前記物体の距離画像を前記モニタ手段に表示させるための映像処理を行う、車両用モニタリングシステム。
【請求項8】
前記第1カメラが、車体の側面に配置された一つまたは複数のサイドターンシグナルランプに設置されている請求項7記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項9】
前記第2カメラが、前記車体の後部に配置された一つまたは複数のリアランプに設置されている請求項8記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項10】
前記第1カメラに、90°を超える視野角を備えた少なくとも一つの広角レンズが装備されている請求項7記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項11】
前記電子制御装置が、前記第1領域および第2領域の重複区域の映像を補正するための一つまたは複数の映像処理回路を含む請求項7記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項12】
車両周辺の第1領域の光景情報を収集する一つまたは複数の第1センサーと、前記第1センサーが収集した光景情報を表示する一つまたは複数のモニタ手段と、前記車両周辺の第2領域の光景情報を収集する第2センサーと、前記第1センサーが故障したときに、前記第2領域の前記光景情報の少なくとも一部を前記モニタ手段に提供するための映像処理を行う一つまたは複数の電子制御装置とを備え
、
前記第2センサーが前記第2領域に存在する物体までの距離を含む前記光景情報を収集し、前記電子制御装置が前記物体の距離画像を前記モニタ手段に表示させるための映像処理を行う車両用モニタリングシステム。
【請求項13】
前記第2領域が前記第1領域と重複する区域を含み、前記電子制御装置は、前記第1センサーが故障したときに、前記第2センサーが収集した前記光景情報から、前記重複する区域を含む光景情報を取り出して、前記モニタ手段に提供するための映像処理を行う請求項12記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項14】
前記第1センサーが車両後側方の前記第1領域を撮影する第1カメラを含み、前記第2センサーが車両後方の前記第2領域を撮影する第2カメラを含む請求項12記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項15】
前記第1センサーの故障を車両の搭乗者に報知するための報知器をさらに備える請求項12記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項16】
前記電子制御装置は、前記第1センサーが収集した前記光景情報を前記車両の自動運転システムに提供する請求項12記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項17】
車両右側方の光景を一つまたは複数のカメラで撮影し、前記カメラが撮影した映像を一つまたは複数の電子制御装置により処理して一つまたは複数のモニタに表示する少なくとも一つの右側カメラモニタリングシステムと、
車両左側方の光景を一つまたは複数のカメラで撮影し、前記カメラが撮影した映像を一つまたは複数の電子制御装置により処理して一つまたは複数のモニタに表示する少なくとも一つの左側カメラモニタリングシステムとを含み、
前記カメラが該カメラの撮影する領域に存在する物体までの距離を含む光景情報を収集し、前記電子制御装置が前記物体の距離画像を前記モニタ手段に表示させるための映像処理を行い、
前記右側および左側カメラモニタリングシステムの前記電子制御装置は、前記カメラが撮影した前記映像をそれぞれ独立して処理することを特徴とする車両用モニタリングシステム。
【請求項18】
前記右側および左側カメラモニタリングシステムの前記カメラと前記電子制御装置が一つまたは複数の車両用灯具に設置されている
請求項17記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項19】
前記右側および左側カメラモニタリングシステムの前記カメラが、車両後側方の第1領域を撮影する一つまたは複数の第1カメラと、前記第1カメラよりも車幅方向内側の第2領域を撮影する一つまたは複数の第2カメラとを含む
請求項18記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項20】
前記車両用灯具が、前記第1カメラが設置される一つまたは複数のサイドターンシグナルランプと、前記第2カメラが設置される一つまたは複数のリアランプとを含む
請求項19記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項21】
前記右側および左側カメラモニタリングシステムの電子制御装置が、それぞれ、前記第1カメラが撮影した前記映像と前記第2カメラが撮影した前記映像を別々に処理する2つの電子制御装置を含む
請求項19記載の車両用モニタリングシステム。
【請求項22】
少なくとも一つの前記車両用灯具に、前記カメラの視界を流体により清浄化するための一つまたは複数のクリーナが装備されている
請求項18記載の車両用モニタリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両周辺の光景情報を複数のカメラまたはセンサーで収集してモニタに表示する車両用モニタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車のドアミラーの代わりに、カメラモニタリングシステム(CMS)を使用する技術が開発されている。カメラが撮影した映像で後方確認を行うことにより、ドアミラーと比較し、システムを小型化でき、燃費、安全性を高め、風切り音を低減することができる。しかし、ドアミラーと同じような位置にカメラを搭載すると、車体からの突出量が増え、カメラ化のメリットを最大限に引き出すことができない。
【0003】
そこで、従来、カメラをサイドターンシグナルランプ(STSL)のハウジングに内蔵した技術が提案されている。例えば、特許文献1には、車体の側面にSTSLのハウジングを取り付け、ハウジングの内側にカメラと反射鏡を内蔵し、カメラにより車両後方を直接的に撮影するとともに、反射鏡を介して車両側方を間接的に撮影するように構成された「車体周り撮影装置」が記載されている。
【0004】
また、カメラは、電子機器であるうえ、多くの電気部品に接続されるため、機械的なドアミラーと比較して故障率が高い。故障した場合は、車両後側方の視界が得られず、安全性が低下する。従来、故障時の冗長性を確保するために、予備のカメラを搭載したり、複数のカメラのうち故障していないカメラの向きや撮影範囲を変えたりする技術が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献2には、多数のカメラを設置し、そのうちの一台のカメラが故障したときに、別のカメラを故障したカメラの撮影範囲に向け、同じ監視領域を継続的にモニタリングできるように構成されたCMSが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-32978号公報
【文献】特開2007-235655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、
図27に示すように、車体51からの突出量が少ないSTSL52にカメラ53を内蔵すると、カメラ53の視野が車体51の側面によって制限されるため(
図27a参照)、ドアミラー54と同等の視界(
図27b参照)を確保することが困難であった。このため、従来のCMSによると、車両後方の内側部分(
図27aに楕円で示す部分)が見えなくなるなど、安全性に問題があった。
【0008】
また、故障時の冗長性を確保するために、車両に予備カメラを搭載しようとすると、CMSのコストが高くつくばかりでなく、車体上に予備カメラ用のスペースを確保する必要もある。また、故障していないカメラの向きや撮影範囲を変えるためには、それぞれのカメラにアクチュエータを設ける必要があるうえ、制御が複雑となり、やはり、システムコストが高くつくという問題点があった。
【0009】
さらに、従来のCMSでは、通常、車両の左右両側方を別々のカメラで撮影し、映像データを車内に設置された一つの電子制御装置(ECU)によって処理した後に、左右別々のモニタで表示している。このため、映像データを車外のカメラから車内のECUまで伝送する時間に加え、左右のカメラから伝送された映像データを一つのECUで処理する時間が必要となる。CMSは高速走行時も利用されるため、撮影からモニタ表示までの遅延時間は運転者の状況判断に大きく影響する。万一、ECUが故障した場合は、左右のCMSが共に動作しなくなるという問題もあった。
【0010】
本発明の主な目的は、複数の車両用灯具を用いて車両周辺の複数領域を監視できる車両用モニタリングシステムを提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、車体側面からの突出量を増加させることなく、車両後方の広範囲を確認できる安全性の高い車両用モニタリングシステムを提供することにある。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、安価な構成でカメラ故障時の冗長性を確保することができる車両用モニタリングシステムを提供することにある。
【0013】
本発明のさらなる目的は、左右のカメラが撮影した映像を別々に処理し、撮影からモニタ表示までの時間を短縮することができる車両用モニタリングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の車両用モニタリングシステムは、車両周辺の複数の領域を別々に照明する複数の車両用灯具と、車両周辺の複数の領域を別々に撮影する複数のカメラと、車両の車室内に設置された一つまたは複数のモニタと、カメラが撮影した映像をモニタに表示させるための少なくとも一つの映像処理回路を備えた一つまたは複数の電子制御装置とを含み、車両周辺の複数のカメラが、それぞれ、該カメラの撮影領域とほぼ同じ領域を照明する車両用灯具に装備されていることを特徴とする。
【0015】
ここで、好ましくは、一つまたは複数の電子制御装置を複数の車両用灯具のうち少なくとも一つに装備することができる。モニタは、車両の運転席より左側に配置された左モニタと、運転席より右側に配置された右モニタとを含む。そして、電子制御装置の映像処理回路は、運転席より左側のカメラによって撮影された映像を左モニタに表示させ、運転席より右側のカメラによって撮影された映像を右モニタに表示させるための処理を行う。
【0016】
また、映像処理回路は、2つのカメラが別々に撮影した2つの領域の映像を合成するための処理を行うように構成することもできる。この場合、映像処理回路は、2つの領域に含まれる重複区域の映像を補正するための処理を行ってもよい。
【0017】
幾つかの実施形態では、複数の車両用灯具のうち少なくとも一つの車両用灯具に、カメラの視界を水または空気等の流体によって清浄化するための一つまたは複数のクリーナが装備される。
【0018】
本発明の好ましい実施形態では、車両用モニタリングシステムが、車両後側方の第1領域を撮影する第1カメラと、第1領域よりも車幅方向内側の第2領域を撮影する第2カメラと、第1および第2カメラが撮影した映像を合成する電子制御装置と、合成された映像を表示するモニタとを備えたことを特徴とする。
【0019】
ここで、第1カメラおよび第2カメラは、車体に直接取り付けることもできるが、カメラを取り付けるために車体を加工する必要がない点で、車体に既設の装備品、例えば車両用灯具に設置することができる。
【0020】
幾つかの実施形態では、第1カメラが、車体の側面に配置されたサイドターンシグナルランプ(STSL)に設置される。第2カメラは、車体の後部に配置されたリアコンビネーションランプ(RCL)、ハイマウントストップランプ(HMSL)、ライセンスプレートランプ、リアフォグランプ等のリアランプに設置される。
【0021】
STSLとHMSLの組み合わせは、車両一台当たりのカメラの個数が少なく(例えば3個)なるため、コスト性に優れる。STSLとRCLの組み合わせは、第1および第2カメラの視野角が車両後方で部分的にラップするため、一方のカメラが故障した場合に、他方のカメラが撮影した映像を利用して後方確認を行うことができ、故障時の冗長性を確保することができる。
【0022】
また、第2カメラとしてバックカメラを使用し、第1カメラが故障したときに、バックカメラが撮影した映像で運転者の後方確認を支援することもできる。通常、バックカメラはカメラ軸が下向きであることから、映像の上側部分に歪みが発生しやすい。このため、バックカメラを使用する場合は、歪み補正を行うとともに、故障と併せて、バックカメラの映像を代用していることをインジケータ等で運転者に報知するのが望ましい。
【0023】
RCLやHMSLに装備される第2カメラは、赤色レンズの裏面に装着し、色補正を行うことで、赤色光による影響を除去した適正な映像と良好な外観デザインを両立させることができる。また、第2カメラをRCLやHMSLの透明レンズの裏面に装着することで、特別な色補正を行うことなく、適正な映像を容易に入手することができる。
【0024】
STSL等に内蔵される第1カメラには、広角カメラを好ましく使用できる。本発明の一実施形態では、車両の側方に広い視野(前側方から後側方にわたる視野)を設定できるように、第1カメラに90°を超える視野角の広角レンズが装備される。広角レンズを装備した第1カメラの映像は、CMSとは別のシステム、例えば、自動運転システムや安全支援システムでも活用することができる。
【0025】
ある実施形態では、電子制御装置が、第1カメラおよび第2カメラの映像を合成するための映像処理回路を備える。好ましい映像処理回路は、第1カメラが撮影した第1領域と第2カメラが撮影した第2領域とが互いに重複する区域の映像を見やすく補正するための処理を行うように構成される。
【0026】
本発明の好ましい実施形態では、車両用モニタリングシステムが、車両周辺の第1領域の光景情報を収集する第1センサーと、第1センサーが収集した光景情報を表示するモニタ手段と、車両周辺の第2領域の光景情報を収集する第2センサーと、第1センサーが故障したときに、第2領域の光景情報の少なくとも一部をモニタ手段に提供するための映像処理を行う電子制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0027】
幾つかの実施形態では、第2領域が第1領域と重複する区域を含み、電子制御装置は、第1センサーが故障したときに、第2センサーが収集した第2領域の光景情報から、重複する区域を含む光景情報を取り出して、モニタ手段に提供するための映像処理を行う。
【0028】
第1センサーおよび第2センサーとして、それぞれ、例えばカメラを使用できる。具体的には、第1センサーが車両後側方の第1領域を撮影する第1カメラを含み、第2センサーが車両後方の第2領域を撮影する第2カメラを含む。そして、電子制御装置は、第1カメラが故障したときに、第2カメラが収集した映像データから第1領域と重複する区域の映像データを取り出してモニタ手段に提供するための映像処理を行うように構成される。
【0029】
ここで、映像処理により生成された映像データは、実際の光景情報と必ずしも一致しないことがある。このため、映像処理後のデータであることを搭乗者に知らせるための手段を設けるのが望ましい。具体的には、第1センサーの故障を検知する故障検知器と、その故障を搭乗者に報知するための報知器とを設けることができる。
【0030】
モニタ手段は、第1カメラが撮影した映像データを車両の搭乗者に表示するためのモニタを含むことができる。ある実施形態では、電子制御装置が第1カメラの映像データを車両の自動運転システムに提供するように構成することもできる。
【0031】
別の実施形態では、第2センサーとして、第2領域に存在する物体までの距離を含む光景情報を収集するレーザスキャナやステレオカメラを使用することもできる。距離を含む光景情報に基づいて、電子制御装置は、第1領域と第2領域の重複区域に存在する物体の距離画像をモニタに表示させることができる。
【0032】
本発明の好ましい実施形態では、車両用モニタリングシステムが、車両右側方の領域をカメラで撮影し、カメラが撮影した映像をECUにより処理してモニタに表示する右側CMSと、車両左側方の領域をカメラで撮影し、カメラが撮影した映像をECUにより処理してモニタに表示する左側CMSとを含み、右側および左側CMSのECUが、カメラが撮影した映像をそれぞれ独立して処理することを特徴とする。
【0033】
本発明の一実施形態では、右側および左側カメラモニタリングシステムのカメラとECUが車両用灯具に設置される。車両後方を広範囲にモニタリングできるように、右側および左側CMSのカメラが、車両後側方の第1領域を撮影する第1カメラと、第1カメラよりも車幅方向内側の第2領域を撮影する第2カメラとを含む。
【0034】
好ましくは、第1カメラをSTSLに設置し、第2カメラをリアランプに設置することができる。リアランプとしては、リアコンビネーションランプ(RCL)、ハイマウントストップランプ(HMSL)、ライセンスプレートランプ、リアフォグランプなど、車体の後部に配置される灯具を例示することができる。左右のCMSに、それぞれ、第1カメラが撮影した映像と第2カメラが撮影した映像を別々に処理する2つのECUを設けることもできる。
【0035】
この場合、2つのECUを、第1カメラおよび第2カメラと一緒に、別々の車両用灯具のハウジングに設置することができる。また、カメラから鮮明な映像が得られるように、カメラの視界を加圧流体によって清浄化するためのクリーナを車両用灯具に装備することもできる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の車両用モニタリングシステムによれば、次のような効果が得られる。
(1)複数の車両用灯具を用いて、車両周辺の複数領域を監視することができる。
(2)第1カメラよりも車幅方向内側の領域が第2カメラによって撮影されるので、第1カメラを車体側面から大きく突出させることなく、ドアミラーと同等またはそれ以上の広い範囲の視界を確保できる。
(3)第1センサーが故障したときに、第2センサーが収集した光景情報の少なくとも一部がモニタ手段に提供されるので、安価な構成でカメラ故障時の冗長性を確保できる。
(4)左右のCMSに別々のECUを設け、各ECUが左右のカメラの映像を別々に処理してモニタに提供するので、撮影からモニタ表示までの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明による車両用モニタリングシステムの実施例1を示すブロック図である。
【
図2】実施例1においてカメラの視野を示す車両の平面図である。
【
図3】実施例1においてECUによる映像処理を例示するモニタ画面図である。
【
図4】実施例1において広角レンズを備えた第1カメラの視野を示す平面図である。
【
図5】本発明による車両用モニタリングシステムの実施例2を示すブロック図である。
【
図6】実施例2において第2カメラ近傍のウインドクリーナを示す立面図である。
【
図7】実施例2において第1、第2カメラの視野を示す車両の平面図である。
【
図8】本発明による車両用モニタリングシステムの実施例3を示すブロック図である。
【
図9】本発明による車両用モニタリングシステムの実施例4を示すブロック図である。
【
図10】本発明による車両用モニタリングシステムの実施例5を示すブロック図である。
【
図11】本発明による車両用モニタリングシステムの実施例6を示すブロック図である。
【
図12】実施例6においてカメラの視野を示す車両の平面図である。
【
図13】実施例6においてECUによる映像処理を例示するモニタ画面図である。
【
図14】実施例6において距離画像を示すモニタ画面図である。
【
図15】カメラが撮影した映像データの処理手順を示すブロック図である。
【
図16】映像データの別の処理手順を示すブロック図である。
【
図17】本発明による車両用モニタリングシステムの実施例7を示すブロック図である。
【
図18】本発明による車両用モニタリングシステムの実施例
8を示すブロック図である。
【
図19】カメラとECUの配置例1を示すブロック図である。
【
図20】カメラとECUの配置例2を示すブロック図である。
【
図21】カメラとECUの配置例3を示すブロック図である。
【
図22】カメラとECUの配置例4を示すブロック図である。
【
図23】カメラとECUの配置例5を示すブロック図である。
【
図24】カメラとECUの配置例6を示すブロック図である。
【
図25】カメラとECUの配置例7を示すブロック図である。
【
図26】カメラとECUの配置例8を示すブロック図である。
【
図27】従来のカメラモニタリングシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を幾つかの実施例を挙げて詳細に説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号が付されている。
【実施例1】
【0039】
図1、
図2に示す実施例1の車両用モニタリングシステム1では、第1カメラ11が左右のSTSL3に内蔵され、第2カメラ12が左右のRCL4に内蔵されている。STSL3は車体2の左右両側面に装備され、第1カメラ11が車両後側方の第1領域A1を撮影する。RCL4は車体2の後側面に装備され、第2カメラ12が第1領域A1よりも車幅方向内側の第2領域A2を撮影する。
【0040】
第1カメラ11および第2カメラ12が撮影した映像は、各カメラ11,12から電子制御装置(ECU)13に送信される。ECU13は、車内の適所に設置され、カメラ11,12の映像を合成するための映像処理回路14を備えている。そして、運転席の左右に一対のモニタ15が設置され、ECU13によって合成された映像を運転者に表示するようになっている。
【0041】
図3はECU13による映像処理を示す。
図3(a)には第1カメラ11が撮影した第1領域A1の映像P1が示され、
図3(b)に第2カメラ12が撮影した第2領域A2の映像P2が示されている。映像P1,P2には、2つの領域A1,A2が重複する区域A3(
図2参照)の映像P3(ハッチで示す)が含まれている。映像P1,P2の合成処理に際し、ECU13の映像処理回路14は、重複区域A3を表現する異なる映像P3を調和させるための補正処理を加え、
図3(c)に示すように、運転者が見やすい映像をモニタ15に表示させる。
【0042】
したがって、実施例1の車両用モニタリングシステム1によれば、第1カメラ11で撮影することができない車両後方の内側部分(
図3aにおいて自車両の後方部分)を第2カメラ12で撮影し、その映像を含む広範囲の映像をモニタ15に表示することができる。このため、第1カメラ11をSTSL3に内蔵し、車体側面からの突出量を少なくして、カメラ化によるメリットを最大限に活かすことができる。また、第2カメラ12が比較的大容積のRCL4に内蔵されているので、車両後方にドアミラーよりも広い範囲の視界を容易に確保することができる。
【0043】
図4に示す車両用モニタリングシステム1では、STSL3に内蔵された第1カメラ11に、90°~180°の視野角を有する広角レンズ17が装備されている。広角レンズ17が装備された第1カメラ11によれば、車両後側方の第1領域A1を前方へ拡張して、前後方向に広い範囲の視野を車両側方に設定することができる。
【実施例2】
【0044】
図5、
図6、
図7に示す実施例2の車両用モニタリングシステム1では、第1カメラ11が左右のSTSL3に内蔵され、第2カメラ12がHMSL5に設けられている。
図6に示すHMSL5は車体の高所においてリアウインドー7の車室側に設置され、第2カメラ12がリアウインドー7を通して車両後方を撮影する。HMSL5の上方にはウインドークリーナ8が設置され、クリーナノズル9から噴射した洗浄液でリアウインドー7と共に第2カメラ12の視界を清浄にする。したがって、実施例2によれば、HMSL5に設置した一つの第2カメラ12で車両後方の広範囲(
図7参照)を鮮明に撮影できるとともに、全体として3つのカメラでモニタリングシステム1を安価に構成できるという利点がある。
【実施例3】
【0045】
図8に示す実施例3の車両用モニタリングシステム1では、第1カメラ11が左右のRCL4に内蔵され、第2カメラ12がHMSL5に内蔵されている。そして、第1カメラ11が第2カメラ12よりも車幅方向外側の位置で車両後側方の第1領域(
図2に
A1で示す領域)を撮影し、第2カメラ12が第1カメラ11よりも車幅方向内側の位置で車両後方の第2領域(
図7にA2で示す領域)を撮影するようになっている。実施例3によれば、第1カメラ11がRCL4に内蔵されているため、車両側面からの突出物をなくすことができる。
【実施例4】
【0046】
図9に示す実施例4の車両用モニタリングシステム1では、第1カメラ11が左右のSTSL3に内蔵され、第2カメラにバックカメラ16が用いられている。通常、バックカメラ16は車両後退時に撮影を開始するが、この実施例のモニタリングシステム1では、車両前進時に第1カメラ11と同期してバックカメラ16が車両後方を撮影し、その映像が第1カメラ11の映像と共に、バックビューモニタ(図示略)とは別のモニタ15に表示されるようになっている。
【実施例5】
【0047】
図10に示す実施例5の車両用モニタリングシステム1では、第1カメラ11が左右のRCL4に内蔵され、第2カメラにバックカメラ16が用いられ、第1カメラ11で車両後側方を撮影し、バックカメラ16で車両後方を撮影するようになっている。したがって、すべてのカメラ11,11,16を車幅方向内側に配置し、車体側面からの突出物をなくすことができる。
【実施例6】
【0048】
図11~
図14に示す実施例6の車両用モニタリングシステム1は、カメラ故障時の冗長性を確保できるように構成されている。ここでは、第1カメラ11が、左右のSTSL3に内蔵され、車両後側方の第1領域A1(
図12参照)の光景情報を収集する第1センサーとして用いられている。第2カメラであるバックカメラ16は、第1領域A1と重複する区域A3を含む車両後方の第2領域A2の光景情報を収集する第2センサーとして用いられている。左右のモニタ15は、第1センサー10が収集した光景情報を搭乗者が監視するためのモニタ手段として機能している。
【0049】
また、この車両用モニタリングシステム1には、第1カメラ11の故障を検知する故障検知器20、その故障をランプ、ブザー、音声等で車両の搭乗者に報知するための報知器21、道路設備や他車両と通信を行う通信システム22、車両の自動運転システム23などが設けられている。そして、第1カメラ11が故障したときに、ECU13は、バックカメラ16が撮影した第2領域A2の映像データを加工し、その映像データの一部を故障モードでモニタ15に表示させるための映像処理を行う。例えば、
図13に示すように、ECUは、第2領域A2の映像データから第1領域A1と第2領域A2の重複区域A3を含む映像データを取り出してモニタ15に提供する制御を行う。
【0050】
図13において、(a)は故障する前の第1カメラ11が撮影した第1領域の映像P1を示し、(b)はバックカメラ16が撮影した第2領域の映像P2を示す。これらの映像P1,P2には、重複区域の映像P3(ハッチで示す)が含まれている。ここで、第1カメラ11が故障すると、重複区域A3に含まれる映像P3(二輪車の映像)が映像P2から取り出され、(c)に示すように、周囲の映像と一緒にモニタ15に見やすく表示される。したがって、簡単な映像処理により、カメラ故障時におけるモニタリングシステム1の冗長性を確保することができる。
【0051】
上記実施例6において、バックカメラ16に代え、第2センサーとしてレーザスキャナやステレオカメラ等の距離センサー24(
図11参照)を使用することもできる。距離センサー24は、精度の良い距離データを得られる点で、車体の高所、例えばHMSL5(
図7参照)に設置するのが好ましい。そして、距離センサー24により、常時、第2領域A2に存在する物体までの距離データを収集してECU13に提供する。ECU13は、第1カメラ11が故障したときに、距離データに基づいて重複区域に存在する物体の距離画像を生成し、モニタ15に表示させる。
【0052】
図14に例示するように、距離画像は、物体の輪郭を概略的に示すとともに、車体から物体までの距離を色の相違によって表現するため、カメラ故障時の緊急判断に有用な光景情報を運転者に素早く提供することができる。なお、第1カメラ11の故障時には、他車両の接近など、故障した側の危険を自車両や他車両から得た車両情報25(
図11参照)、または、路車間通信により入手したインフラ情報に従って、報知器21により搭乗者に通知するのが望ましい。
【実施例7】
【0053】
次に、本発明の実施例7について説明する。実施例7の車両用モニタリングシステム1は、車体の左右両側のCMSを別々のECUで制御するように構成されている。まず、実施例7の説明に先立ち、映像データの一般的な処理手順について説明する。
図15、
図16に示す車両用モニタリングシステム1では、一つのECU13が合計4つのカメラA~D(左右の第1カメラ11と左右の第2カメラ12)の映像データを処理している。
【0054】
すなわち、
図15に示すシステム1では、カメラA~Dが車両周辺の光景を撮影し、その映像データをECU13に伝送し、ECU13が車両右側の映像データA,Bを処理し、それらを合成し、続いて、車両左側の映像データC,Dを処理し、映像データ
C,Dを合成したのち、モニタ15に送信する。
図16に示すシステム1では、カメラA~Dに処理回路が付設され、カメラA~Dが撮影し、その映像データを処理し、ECU13に伝送し、ECU13が右側の映像データA,Bを合成し、続いて、左側の映像データC,Dを合成したのち、モニタ15に送信する。このため、
図15および
図16のシステムによると、カメラ撮影からモニタ表示までかなりの時間がかかる。
【0055】
これに対し、
図17に示す実施例7の車両用モニタリングシステム1は、車両の左右両側に独立したCMS31,41を備えている。すなわち、右側CMS31は、右後側方を撮影するカメラA(第1カメラ11)、カメラAより車幅方向内側で右後方を撮影するカメラB(第2カメラ12)、カメラA,Bの映像データを処理するECU13B、処理された映像データを表示する右モニタ15から構成されている。同様に、左側CMS41は、カメラC(第1カメラ11)、カメラD(第2カメラ12)、ECU13D、左モニタ15から構成されている。
【0056】
カメラの配置は、実施例1と同じであり(
図1,2参照)、カメラA,Cが左右のSTSL3のハウジングに内蔵され、カメラB,DとECU13B,13Dが左右のRCL4のハウジングに内蔵されている。そして、まず、カメラA~Dが撮影し、カメラA,Cが映像データをECU13B,13Dへ伝送する間に、ECU13B,13DがカメラB,Dの映像データを処理し、続いて、ECU13B,13DがカメラA~Dの映像データを合成したのち、モニタ15に送信する。こうすれば、左右のCMS31,41にそれぞれECU13B,13Dが設けられているので、カメラA,Cのデータ伝送中にカメラB,Dのデータ処理を行うことができ、撮影からモニタ表示までの遅延時間を短縮できるとともに、ECUの故障により一方のCMSが動作を停止した場合でも、もう一方のCMSが動作を継続できるという利点がある。
【実施例8】
【0057】
図18に示す実施例8の車両用モニタリングシステム1では、車両の左右に独立したCMS31,41を備えるとともに、それぞれのCMS31,41が2つのカメラと2つのECUを装備している。すなわち、右側CMS31は、右後側方を撮影するカメラA(第1カメラ11)、カメラAの映像データを処理するECU13A、カメラAより車幅方向内側で右後方を撮影するカメラB(第2カメラ12)、カメラA,Bの映像データを処理するECU13B、処理された映像データを表示する右モニタ15から構成されている。同様に、左側CMS41は、カメラC(第1カメラ11)、ECU13C、カメラD(第2カメラ12)、ECU13D、左モニタ15から構成されている。
【0058】
カメラAとECU13Aは右側のSTSL3に内蔵され、カメラBとECU13Bが右側のRCL4に内蔵されている。カメラCとECU13Cは左側のSTSL3に内蔵され、カメラDとECU13Dが左側のRCL4に内蔵されている。そして、カメラA~Dが撮影し、その映像データをそれぞれのECU13A~Dが簡易に一次処理し、ECU13A,13Cが一次処理後のデータをECU13B,Dに伝送し、ECU13BがカメラA,Bの一次処理データを二次処理した後に合成すると同時に、ECU13DがカメラC,Dの一次処理データを二次処理した後に合成し、続いて、ECU13B,13Dがそれぞれ補正および合成した映像データをモニタ15に送信する。こうすれば、二次処理において重複区域の映像データを補正するなど、実施例7と比較して複雑なデータ処理を短時間で行い、撮影からモニタ表示までの遅延時間を短縮できる効果がある。
【0059】
図19~
図26は、カメラとECUの配置例を示す。各図において、(1)~(5)には、それぞれ、実施例1~5と同様のカメラ配置が示されている。
図19に示す配置例1では、一つのECU13が車室に設置されている。
図20に示す配置例2では、一つのECU13がHMSL5に設置されている。
図21に示す配置例3では、一つのECU13がバックカメラ16に設置されている。
図22に示す配置例4では、左右のECU13がSTSL3に設置されている。
図23に示す配置例5では、左右のECU13が
RCL4に設置されている。
図24に示す配置例6では、左右のECU13がモニタ15に設置されている。
図25に示す配置例7では、左右のECU13が車室に設置されている。
図26に示す配置例8では、左右のECU13がSTSL3の近傍において車外に設置されている。
【0060】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、以下に例示するように、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の構成を任意に変更して実施することも可能である。
(1)
図6に示すようなクリーナノズル9を備えたカメラ洗浄装置をSTSLやRCLに設けること。
(2)
図11に示す車両用モニタリングシステム1において、第1カメラ11および第2カメラ(例えばバックカメラ16)が撮影した光景情報をECU13により自動運転システム23に提供するように構成すること。
【0061】
(3)第2カメラをRCL4(
図1参照)およびHMSL5(
図5参照)のほかに、ライセンスプレートランプやリアフォグランプ(図示略)など、車体の後部に配置されるリアランプに設置すること。
(4)第1カメラおよび第2カメラは、各種ランプのハウジングの内側に設置することもでき、ハウジングの外側に設置することもできる。後者の場合は、カメラを収めた防水型カメラケースをランプハウジングの外側に一体的に設けることができる。
【0062】
(5)映像の合成処理が簡易となるように、第1カメラと第2カメラの設置高さ(路面からの光軸の高さ)および/または上下方向角度を調和させること、または、高さや角度ができるだけ等しくなるような位置に2つのカメラを設置すること。例えば、STSL、RCL、ライセンスプレートランプ、リアフォグランプは車体上の同じような高さに取り付けられているため、それらの一つに第1カメラを設置し、別の一つに第2カメラを設置することができる。こうすれば、両方のカメラの設置高さおよび/または光軸角度を容易に調和させることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 車両用モニタリングシステム
3 サイドターンシグナルランプ(STSL)
4 リアコンビネーションランプ(RCL)
5 ハイマウントストップランプ(HMSL)
9 クリーナノズル
11 第1カメラ
12 第2カメラ
13 ECU
14 映像処理回路
15 モニタ
16 バックカメラ
17 広角レンズ
20 故障検知器
21 報知器
24 距離センサー