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特許7055747焦点深度の拡張を伴うトーリック小開口眼内レンズ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】焦点深度の拡張を伴うトーリック小開口眼内レンズ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/16 20060101AFI20220411BHJP
【FI】
A61F2/16
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018545572
(86)(22)【出願日】2016-11-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-11-29
(86)【国際出願番号】 US2016063181
(87)【国際公開番号】W WO2017091520
(87)【国際公開日】2017-06-01
【審査請求日】2019-11-21
(31)【優先権主張番号】62/259,524
(32)【優先日】2015-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505437273
【氏名又は名称】アキュフォーカス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・ジェイ・リンク
(72)【発明者】
【氏名】アール・カイル・ウェブ
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0166652(US,A1)
【文献】特表2013-501598(JP,A)
【文献】特開2015-077412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のパワーを有する第1の曲率と、前記第1のパワーよりも大きい第2のパワーを有する第2の曲率とを有する面を含む屈折素子であって、前記第1のパワーおよび前記第2のパワーの大きさ、ならびに前記第1の曲率および前記第2の曲率の場所が、ヒトの眼における乱視を矯正するように構成されている、屈折素子と、
マスクであって、前記マスクの環状領域による光のかなりの部分の通過を遮断し、前記マスクの中央開口による光のかなりの部分の通過を可能にして、視矯正可能な回転配置ずれ範囲を増大させるように構成されている、マスクと
を備え
前記乱視矯正可能な回転配置ずれ範囲が、-15度内から15度内にまで及ぶ、眼内レンズ。
【請求項2】
前記マスクが、前記マスクを組み込んだ光学系の面と結合されている、請求項に記載の眼内レンズ。
【請求項3】
前記マスクが、前記光学系の前記面に前記マスクを配置するために前記眼と結合するように構成されたピギーバックIOL(intraocular lens:眼内レンズ)上に形成される、請求項に記載の眼内レンズ。
【請求項4】
前記マスクが、前記屈折素子を含む光学系に埋め込まれている、請求項1~の何れか一項に記載の眼内レンズ。
【請求項5】
前記マスクが、2.8mm未満の直径を有する開口を含む、請求項1~の何れか一項に記載の眼内レンズ。
【請求項6】
前記マスクが、前記屈折素子を含む光学系に前記マスクを固定するために前記環状領域を貫通して配置される複数の小さい穴を含む、請求項1~の何れか一項に記載の眼内レンズ。
【請求項7】
前記マスクは、略円形である請求項1~の何れか一項に記載の眼内レンズ。
【請求項8】
前記屈折素子は、回転配置特徴を有する請求項1~の何れか一項に記載の眼内レンズ。
【請求項9】
前記眼内レンズは円柱の0.0ディオプタから-1.5ディオプタまでの同じ視力度レベルを維持するように構成されている請求項1~の何れか一項に記載の眼内レンズ。
【請求項10】
前記眼内レンズは円柱の0.0ディオプタから+1.5ディオプタまでの同じ視力度レベルを維持するように構成されている請求項1~の何れか一項に記載の眼内レンズ。
【請求項11】
前記眼内レンズは焦点ぼけの0.0ディオプタから-2.0ディオプタまでの同じ視力度レベルを維持するように構成されている請求項1~10の何れか一項に記載の眼内レンズ。
【請求項12】
前記眼内レンズは焦点ぼけの0.0ディオプタから+2.0ディオプタまでの同じ視力度レベルを維持するように構成されている請求項1~11の何れか一項に記載の眼内レンズ。
【請求項13】
ヒトの眼における乱視に対処するように適合されており、トーリック構成を含む屈折素子と、
マスクであって、前記マスクの環状領域による光の通過を防止し、前記マスクの中央開口による光の通過を可能にして、焦点深度を増加させ、前記眼の中の回転配置ずれに対する許容範囲を-15度から15度にまで増加させるように構成されている、マスクと
を備える眼内レンズ。
【請求項14】
前記マスクが、最大で2ディオプタまでの追加パワーと等価な大きさだけ焦点深度を増加させるように構成されている、請求項13に記載の眼内レンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、全体的に参照することにより本明細書に組み込まれる、2015年11月24日出願の米国特許仮出願第62/259,524号の利益を主張するものである。
【0002】
本出願は、乱視に悩まされる患者の視力を改善するために使用され得る眼用器具(ophthalmic device)に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトの眼は、眼の中の角膜を通して光を透過させ、水晶体を通して焦点を合わせて、焦点が合った像を網膜上に形成することによって視力を提供するように機能する。焦点が合った像の品質は、眼の大きさおよび形状、角膜および水晶体の透明度、ならびに水晶体の調節能力を含む多くの要因に依存する。
【0004】
眼の光学パワー(optical power)は、角膜および水晶体の光学パワーと相関している。正常で健康な眼においては、遠くの物体のシャープな像が網膜上に形成される。この視力状態は、正視眼と呼ばれる。近視眼では、遠くの物体の像は、網膜の前の場所に形成される。これは、眼球が異常に長く、または角膜が異常に急勾配であることが原因であることがある。遠視眼では、像は、網膜の後ろの場所に形成される。これは、眼球が異常に短く、または角膜が異常に扁平であることが原因であることがある。眼の焦点効果が回転非対称であり、その結果、乱視と呼ばれる未補正の円柱屈折誤差がもたらされる場合がある。
【0005】
水晶体の透明度が失われる白内障を患う人もいる。そのような場合では、水晶体は、除去され、眼内レンズ(intraocular lens:IOL)と交換され得る。しかしながら、商用に承認された眼内レンズでは、視力機能は完全には回復せず、眼球内のわずかな配置ずれであっても、準最適視力矯正を招くことがある。その結果、多くの患者は、面倒な術後の対処策を受けさせられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許出願公開第2011/0040376号
【文献】PCT米国特許出願公開第2016/055207号
【文献】米国特許出願第62/237429号
【文献】米国特許第7,628,810号
【文献】米国特許出願公開第2012/0143325号
【文献】米国特許出願公開第2013/0268071号
【文献】米国特許出願公開第2014/0264981号
【文献】米国特許出願公開第2015/0073549号
【文献】米国特許第5,662,706号
【文献】米国特許第5,905,561号
【文献】米国特許第5,965,330号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願は、眼内屈折視力矯正を受けた患者へのより良好な予後の提供を対象とする。本願は、調節不足、白内障、および/または乱視などをもつ患者などの複雑な場合の処置を簡略化することができる器具について開示する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの実施形態においては、屈折素子およびマスクを含む眼内レンズが提供される。屈折素子は、第1のパワーを第1の子午線に有し、第1のパワーよりも大きい第2のパワーを第2の子午線に有する。第1のパワーおよび第2のパワーの大きさ、ならびに第1の子午線および第2の子午線の場所は、ヒトの眼における乱視を矯正するように構成されている。マスクは、その環状領域による光のかなりの部分の通過を遮断し、その中央開口による光のかなりの部分の通過を可能にして、乱視矯正回転配置ずれ範囲を増大させるように構成されている。前記マスクが、前記光学系の前記面に前記マスクを配置するために前記眼と結合するように構成されたピギーバックIOL(intraocular lens:眼内レンズ)上に形成される。前記マスクが、小口径IOLインサータを介して前記眼に配置されると、予測できる形で破砕するように構成されている。前記マスクが、前記屈折素子を含む光学系に前記マスクを固定するために前記環状領域を貫通して配置される複数の小さい穴を含む。
【0009】
別の実施形態においては、ヒトの眼における乱視に対処するように適合されている屈折素子、およびマスクを含む眼内レンズが提供される。マスクは、その環状領域による光の通過を防止するように構成されている。マスクは、その中央開口による光の通過を可能にして、焦点深度を増加させ、眼の中の回転配置ずれに対する許容範囲を15度も増加させるように構成されている。
【0010】
別の実施形態においては、乱視を矯正する方法が提供される。この方法においては、眼内レンズは、患者の眼の中に配置される。眼内レンズは、その子午線に位置合わせされた円柱パワー構成要素と、不透明部材によって囲まれた小開口を含むマスクとを有する。次いで、眼の乱視を低減して眼が機能的視力度を獲得するように、眼内レンズの子午線が、眼の局所的最小パワーの5度を超える範囲内に位置合わせされていることが確認される。
【0011】
本明細書において開示される何らかの特徴、構造、またはステップは、本明細書において開示される何らかの他の特徴、構造、またはステップに置換されても、もしくはそれらと組み合わされても、または省略されてもよい。さらには、本開示を要約する目的で、本発明の特定の態様、利点、および特徴について、本明細書において説明している。そのような利点のうちのいずれかまたはすべてが、本明細書において開示される本発明の何らかの特定の実施形態により必ずしも獲得されるとは限らないことを理解すべきである。本開示の態様はいずれも、必須であるわけでも、不可欠であるわけでもない。
【0012】
様々な実施形態が、例示の目的で添付の図面に示されており、いかなる形でも実施形態の範囲を限定するものと解釈すべきではない。さらには、開示された種々の実施形態の様々な特徴を組み合わせて、本開示の一部である追加の実施形態を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】乱視をもつ眼の水平子午線に沿う未矯正および矯正済みの焦点効果を概略的に示し、眼の最も低いパワー子午線が水平子午線に位置合わせされている図である。
図2】乱視をもつ眼の垂直子午線に沿う未矯正および矯正済みの焦点効果を概略的に示し、眼の最も高いパワー子午線が垂直子午線に位置合わせされている図である。
図3図1および図2に示された回転非対称屈折誤差を矯正するように構成されている眼内レンズ(IOL)の屈折素子のパワー分布を示す図である。
図4A】屈折素子と、屈折素子に結合されたマスクとを有するIOLの一実施形態を示す図である。
図4B】屈折素子と、屈折素子に結合されたマスクとを有するIOLの一実施形態を示す図である。
図4C】屈折素子と、屈折素子に結合されたマスクとを有するIOLの一実施形態を示す図である。
図4D】屈折素子と、屈折素子に結合されたマスクとを有するIOLの一実施形態を示す図である。
図5A】マスクの一実施形態を示す図である。
図5B】マスクの別の実施形態を示す図である。
図6図5Aおよび図5Bのマスクの焦点深度拡張効果を概略的に示す図である。
図7】角膜異常矯正を行う単焦点IOLと小開口光学系を追加的に組み込んだ同じIOLとを比較したシミュレーション焦点ぼけ性能を示す図である。
図8】角膜異常矯正を行う単焦点IOLと小開口光学系を追加的に組み込んだ同じIOLとを比較したシミュレーション円柱性能を示す図である。
図9】円柱角膜を含む眼系内の単焦点トーリックIOLと小開口光学系を追加的に組み込んだ同じIOLとを比較したシミュレーション焦点ぼけ性能を示す図である。
図10】角膜に円柱およびIOL面に追加の円柱を含む眼系内の単焦点トーリックIOLと小開口光学系を追加的に組み込んだ同じIOLとを比較したシミュレーション円柱性能を示す図である。
図11】角膜に円柱を含む眼系内の単焦点トーリックIOLと小開口光学系を追加的に組み込んだ同じIOLとを比較したシミュレーション回転位置ずれ性能を示す図である。
図12】本明細書において特定の実施形態によって提供される配置ずれに対する許容範囲の増加を示す眼の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
乱視を抱える患者は、眼の様々な回転位置において一様でない光学パワーを有する。眼の子午線によって眼のこのパワーが大きいものとそうでないものとがある。IOL移植手術を受ける患者は、乱視を患っている場合がある。これは、IOLが完璧に対称の光学系を有していても、IOLが配置される眼の角膜が、不均一な回転非対称のパワーをもたらすような形で形成され得ることが原因である場合がある。
【0015】
図1および図2は、レンズを通過した光を乱視眼10がどのように収束させるかの単純な例を示している。図1は、眼10の水平子午線Hを示している。水平子午線への入射光は、水晶体18を通過し、網膜14の後ろで収束する。実線により、水平子午線Hに沿って通過する光は、第1の量だけ網膜14の後方の場所に焦点を合わせていることが示されている。図2は、眼10の垂直子午線Vを示している。図2においては、実線により、垂直子午線Vに沿って通過する光は、第1の量よりも大きい第2の量だけ網膜14の後方の場所に焦点を合わせていることが示され、それは、乱視の光学効果である。
【0016】
図3は、乱視を引き起こす眼の屈折力の回転非対称を矯正することができる屈折素子100を示している。屈折素子100は、屈折力を有する面104を含む。つまり、面104は、乱視眼の中で素子100を通して光線を屈折させて共通の焦点に収束させるように構成されている。面104は、そのような収束をもたらす屈折率を有することができ、そのような収束をもたらすように湾曲していることができ、またはそのような収束をもたらすように屈折率と曲率とを一緒に、もしくは他の光学的効果と組み合わせることができる。1つの実施形態においては、面104は、第1の曲率108および第2の曲率112を有する。第1の曲率108は、第2の曲率112よりも小さい。結果として、第1の曲率108は、第2の曲率112よりも小さい光学パワーを有する。第2の曲率112は、第1の曲率108よりも、第2の曲率112の線に沿って面104に入射する光線の収束をより誘起する。
【0017】
屈折素子100が図1および図2に示されている乱視眼10の中に適切に配置された場合、屈折素子100は、乱視を矯正することができる。屈折素子100は、第1の曲率108が、図1に示されている水平子午線Hに位置合わせされるように、眼10の中に配置され得る。そのように配置されると、第1の曲率108は、眼10の水平子午線Hに対して相対的により小さい遠視誤差を第1の量だけ矯正する。屈折素子100は、第2の曲率112が、図2に示されている垂直子午線Vに位置合わせされるように、眼10の中に配置され得る。第2の曲率112が垂直子午線Vに位置合わせされるように配置されると、相対的により大きい遠視誤差が、水平子午線Hにおいて矯正された量よりも大きい量だけ矯正される。結果として、両方の子午線に対する光線は、同じ場所に焦点が合わさるようになる。図1および図2における収束の実線によって示されている焦平面を網膜に移すために必要に応じて追加のパワーが与えられる場合がある。
【0018】
図3は、破線によって囲まれている屈折素子100を示している。さらに後述するように、屈折素子100を組み込んだIOLの他の構成要素が、屈折素子100を組み込んだIOLの移植前か、このIOLの使用寿命の過程のいずれかで、屈折素子100に結合され得る。
【0019】
眼内レンズ
図4A図4Dに示されているように、眼内レンズ1000は、光学系1004およびマスク1012を含む。光学系1004は、光学的に透過する材料から形成され得、マスク1012は不透明な材料から形成され得る。光学系1004は、回転非対称パワーなどの屈折誤差、たとえば乱視を矯正するために、屈折素子100を含むことができる。光学系1004は、屈折素子100に加えて、IOL1000の視力性能全体を改善するために他の構造体を含むことができる。
【0020】
光学系1004は、単焦点または多焦点とすることができ、正または負の光学パワーを有することができる。光学系1004は、文脈により指示され得るように非球面または任意の他の構成とすることができる。様々な実施形態においては、光学系1004は、円柱パワーまたは他の回転非対称パワーを有し、それにより、光学系1004は、上述の眼の乱視を矯正することができるようになる。いくつかの実装形態においては、光学系1004の最大厚さは、光学系1004の中心にある。他の実装形態においては、光学系1004は、その中心においては厚さが薄くてもよく、それについては、全体的に参照することにより本明細書に組み込まれる、2010年8月13日出願の米国特許出願公開第2011/0040376号にさらに記載されている。光学系1004は、約5.0mmから約8.0mmの間、たとえば約6.0mmの外径の実質的に円形とすることができる。光学系1004の中心厚さは、約1.0mm以下、たとえば約0.75mmから約1.0mmの間とすることができる。
【0021】
眼内レンズ1000は、眼内レンズ1000が、眼の中で移動または回転しないようにするために1つまたは複数のハプティック1008(たとえば、1つ、2つ、3つ、または4つ以上)を含むことができる。本明細書において使用されるとき、「ハプティック(haptic)」という用語は、眼内レンズを眼の光学経路の中にしっかりと位置決めするために、眼の内面を背にして並置可能、および光学系に取り付け可能な支持部(strut)および他の機械的構造体を包含する広範な用語であることが意図されている。ハプティック1008は、眼内レンズ1000が眼の中に移植される場所によって種々の形状および大きさとすることができる。ハプティック1008は、C形状、J形状のプレート設計であっても、または任意の他の設計であってもよい。ハプティック1008は、光学系に対して実質的に平坦にまたはアーチ形に製造されてもよい。光学系およびハプティックの形状に関する変形形態については、全体的に参照することにより本明細書に組み込まれる、2010年8月13日出願の米国特許出願公開第2011/0040376号に見出すことができる。
【0022】
マスク1012は、光学系1004(図4A図4D参照)の前面1016に形成可能、光学系1004の後面1020に形成可能、または光学系1004内に埋め込み可能である。マスク1012が光学系1004内に埋め込まれている場合、マスク1012は、光学系1004の後面1020と前面1016との間の実質的に中間線に形成され得る。しかし、マスク1012はまた、光学系1004内の他の場所に形成されてもよい。そのような眼内レンズの製造に関する追加の情報については、全体的に参照することにより本明細書に組み込まれる、2016年10月3日出願のPCT米国特許出願公開第2016/055207号に見出すことができる。
【0023】
マスク
図5Aは、マスク2034aを示し、このマスク2034aは、実質的にマスク2034aの中心に配置されている開口2038aを囲んだ環状領域2036aを有する。環状領域2036aの前面は、環状領域2036aの外周から内周への曲率を有することができ、環状領域2036aの後面は、類似の曲率を有することができる。図5Bは、マスク2034bが、いくつかの実施形態では、平坦である場合もあることを示している。マスク2034bは、実質的にマスク2034bの光学軸2039bを中心とする開口2038bを囲んだ環状領域2036bを含むことができる。後述の特徴は、マスク2034aに関して説明するが、特徴のうちの1つまたは複数が、マスク2034bに適用可能である。
【0024】
いくつかの実装形態においては、マスク2034aの外周は、少なくとも約3mmかつ約6mm未満の外径の略円形である。いくつかの実施形態においては、マスク2034aの外周の直径は、少なくとも約3mmかつ約4mm以下である。
【0025】
マスク2034aの厚さは、内周(開口近く)と外周との間で一定であっても、または異なっていてもよい。たとえば、厚さは、マスク2034aの外周および/または内周から、環状領域2036aの半径方向の中央線に向かって増加し得る。概して、マスク2034aの任意の場所における厚さは、約200ミクロン以下、または約100ミクロン以下とすることができるが、好ましくは、約1ミクロンから約20ミクロンの間とすることができる。たとえば、マスク2034aの厚さは、約1ミクロン~約40ミクロン、約5ミクロン~約20ミクロン、約5ミクロン~約15ミクロンの範囲内とすることができる。いくつかの実装形態においては、マスク2034aの厚さは、次の約2ミクロン内とすることができる:約15ミクロン、約10ミクロン、約8ミクロン、または約5ミクロン。
【0026】
開口2038aは、光学軸2039aに沿って実質的にすべての入射可視光を透過することができる。たとえば、開口2038aは、環状領域2036aの中の貫通孔、またはその実質的光透過性(たとえば、可視光に透明な)部分とすることができる。開口2038aは、実質的に円形とすることができ、かつ/またはマスク2034aの光学軸2039aを実質的に中心とすることができる。開口2038aの大きさは、老眼の患者の眼の焦点深度を増加させるために効果的である任意の大きさであってよい。具体的には、開口2038aの大きさは、眼の中のマスク2034aの場所(たとえば、網膜からの距離)に依存し得る。いくつかの実装形態においては、開口2038aは、直径が、少なくとも約0.85mmかつ約2.8mm以下、少なくとも約1.1mmかつ約1.6mm以下、または少なくとも約1.3mmかつ約1.4mm以下とすることができる。
【0027】
環状領域2036aは、入射可視光のスペクトル(たとえば、ヒトの眼に見える電磁スペクトルにおける放射エネルギー)および/または非可視光のスペクトル(たとえば、ヒトに見える範囲外の放射エネルギー)の実質的にすべてまたは少なくとも一部分の透過を防止することができる。環状領域2036aを通る可視光の透過を防止することにより、シャープな像を形成するために、網膜および窩で収束しないことになる光を遮断することができる。図6は、この効果を示し、具体的には、IOL1000は、眼10の水晶体嚢の中に配置される。マスク1012は、眼10の光学軸を中心とする。網膜14上に収束しないことになる光線は、破線によって示されている。これらの光線は、マスク1012の環状領域2036aまたは環状領域2036bによって遮断され、したがって、網膜上のぼやけを引き起こすことによる視力の低下が防止される。網膜14上に収束する光線は、マスク1012の開口を通過する。距離範囲にわたる鮮明な像は、さらに後述するこの焦点が合っている光によってもたらされる。
【0028】
いくつかの実装形態においては、環状領域2036aは、入射可視光の少なくとも約90パーセント、入射可視光の少なくとも約92パーセント、入射可視光の少なくとも約95パーセント、入射可視光全体の少なくとも約98パーセント、または入射可視光全体の少なくとも約99パーセントの透過を防止することができる。環状領域2036aは、入射可視光の約10パーセント以下、入射可視光の約8パーセント以下、入射可視光の約5パーセント以下、入射可視光の約3パーセント以下、入射可視光の約2パーセント以下、または入射可視光の約1パーセント以下を透過することができる。
【0029】
いくつかの実施形態においては、環状領域2036aの不透明度は、マスク2034aを作製するために使用される材料が、性質上、不透明であるので達成される。他の実施形態においては、マスク2034aを作製するために使用される材料は、性質上、実質的に透き通っているが、染料または他の着色剤(たとえば、カーボンブラック)により処理され得る。いくつかの実施形態においては、マスクは、染料または他の着色剤を添加して、レンズ本体と同じ材料から作製される。他の実施形態においては、マスクは、レンズ本体とは異なる材料から作製される。
【0030】
マスクのさらなる変形形態については、全体的に参照することによりすべて本明細書に組み込まれる2015年10月5出願の米国特許出願第62/237429号(代理人整理番号ACUFO.169PR);2004年5月26日出願の米国特許第7,628,810号;2012年2月19日出願の米国特許出願公開第2012/0143325号;2010年8月13日出願の米国特許出願公開第2011/0040376号;2012年11月30日出願の米国特許出願公開第2013/0268071号;米国特許出願公開第2014/0264981号;2014年8月7日出願の米国特許出願公開第2015/0073549号;1996年6月14日出願の米国特許第5,662,706号;1996年6月14日出願の米国特許第5,905,561号;および1996年12月6日出願の米国特許第5,965,330号に見出すことができる。
【0031】
シミュレーション検査についての論考
図7上列は、21ディオプタ(diopter)の単焦点IOLの光学的性能のZemax光学的シミュレーションである。このシミュレーションにおいては、角膜異常が矯正され、シミュレーションは、3mmの瞳孔を有する現実的な多色模型眼を仮定している。最左マスは、0ディオプタ焦点ぼけの視力度(visual acuity)を示している。例示の視力度は、20/20またはその上位において許容可能である。左から2番目のマスは、最左マスにおいて使用された同じレンズおよび模型を使用している-0.5ディオプタ焦点ぼけの視力度を示している。性能は低下しているが、閾値視力度レベルは依然として約20/20であることがわかる。左から3番目のマスは、最左マスを生成する際に使用された同じレンズおよびシミュレーション模型を使用している-1.0ディオプタ焦点ぼけの視力度を示している。このマスには、いずれのレベルの視力度も記録されず、したがって、IOLは、このより大きい焦点ぼけ量ではまったく効果がないことがわかる。
【0032】
図7下列は、焦点深度拡張のために中に小開口マスクを配置したIOLの光学的性能のZemax光学的シミュレーションである。小開口光学系は、1.36mm動作開口を有することができる。IOLは、最適焦点を有した。シミュレーションは、3mmの瞳孔を有する現実的な多色模型眼を使用した。最左マスは、0ディオプタ焦点ぼけの視力度を示し、この視力度は、20/20またはその上位において許容可能である。上列とは対照的に、最左マスから右に向かって、-0.5ディオプタから、-1.0ディオプタ、-1.5ディオプタ、および-2.0ディオプタの焦点ぼけの下列における焦点ぼけ位置はそれぞれ、20/20視力度またはより上であることを示している。このシミュレーションは、図6に示されている小開口光学系の有効性を確認している。
【0033】
図8上列は、3mmの瞳孔を有する現実的な多色模型眼を使用した角膜異常を矯正する21ディオプタ単焦点IOLの光学的性能のZemax光学的シミュレーションである。最左マスは、0ディオプタ追加円柱パワーの視力度を示している。例示の視力度は、20/20またはその上位において許容可能である。左から3番目のマスは、最左マスにおいて使用された同じレンズおよび模型を使用している-0.5ディオプタ円柱パワー追加の視力度を示している。性能は、低下しているが、閾値視力度レベルは、依然として約20/20であることがわかる。左から5番目のマスは、最左マスにおいて使用された同じレンズおよび模型を使用している-1.0ディオプタ円柱パワー追加の視力度を示している。このマスには、有用なレベルの視力度はまったく記録されず、したがって、IOLは、このより大きい円柱量ではまったく効果がないことがわかる。
【0034】
図8下列は、焦点深度の拡張を提供する小開口マスクを備えたIOLのZemax光学的シミュレーションである。マスクには、1.36mm動作開口が設けられ、IOLには、最適焦点が設けられた。模型はやはり、3mm瞳孔を有する現実的な多色模型眼を使用して構成された。最左マスは、0ディオプタ追加円柱パワーの視力度を示し、このマスにおいては、例示の視力度は、20/20またはその上位において許容可能である。左から3番目および5番目のマスは、下列の最左マスにおいて使用された同じレンズおよび模型を使用している-0.5および-1.0ディオプタの追加円柱パワーの視力度を示している。性能は、低下しているが、閾値視力度レベルは、依然として約20/20であることがわかる。実際、小開口IOLの性能は、-1.5ディオプタの円柱による性能を示す最右マスにもなお許容可能である。したがって、図8は、小開口IOLが、最大で-1.5ディオプタまでもの追加円柱のわずかな乱視量の視力矯正を可能にすることができることを示している。
【0035】
図9は、トーリックIOLの性能を示している。具体的には、図9上列は、3mmの瞳孔およびトーリック角膜を有する現実的な多色模型眼を使用した3ディオプタトーリック単焦点IOLの光学的性能のZemax光学的シミュレーションである。トーリックIOLの性能は、図7に示されている単焦点IOLの性能に類似している。つまり、それは、約-0.5ディオプタ焦点ぼけを許容することができる。しかし、焦点ぼけ量がより多いと、トーリックIOLが機能的視力度を提供できないほど視力度は低下する。対照的に、図9下列は、眼の乱視が、たとえば1.36mm動作開口を有する小開口光学系を備えた、最適焦点を有する3ディオプタトーリックIOLによってよりロバストに矯正され得ることを示している。下列は、小開口光学系を備えるトーリックIOLが、最大で-2.0ディオプタまでの焦点ぼけにおいて、依然としてよく機能することができることを示している。
【0036】
図10は、21ディオプタ単焦点トーリックIOLと、小開口光学系、たとえば1.36mm動作開口を有する光学系を備えた同じIOLとの性能のさらなる比較を示している。図10は、これらの2つのIOLが、徐々により追加される円柱パワーと動作するとき、視力度を維持できることを示している。上列は、トーリックIOLが、最大で追加の-0.5ディオプタまでの円柱の許容可能視力度を維持することができることを示している。下列は、小開口光学系を備えたトーリックIOLが、最大で-1.5ディオプタまでの円柱を受けることになった場合でも、よく機能することができることを示している。これは、徐々に乱視が悪化する患者であっても、小開口光学系を備えたトーリックIOLは、標準トーリックIOLよりもはるかに長い間、追加のレンズまたは施術なしで良好な視力を継続的に提供することができることを意味する。
【0037】
図11は、21ディオプタ単焦点トーリックIOLと、小開口光学系、たとえば、1.36mm動作開口を有する光学系を備えた同じIOLとの性能のさらなる比較を示している。図11は、これらの2つのIOLが回転配置ずれを維持できることを示している。上列は、トーリックIOLが、5度の回転配置ずれまたは位置ずれを維持し得ることを示している。この量を超えると、標準トーリックIOLによってもたらされる視力度は、不十分である。下列は、小開口光学系を備えたトーリックIOLが、最大で15度までの回転配置ずれまたは位置ずれにおいてよく機能することができることを示している。これは、IOL移植施術が術前計画に従わなかった場合であっても、IOLがよく機能することを意味する。これは、IOLが許容可能な回転配置のはるかにより広い窓を有するからである。図11の下列は、30度の窓が、患者が許容可能視力度を有することになる範囲内に提供され得ることを示唆している。これは、標準IOLが許容できる配置の制限範囲をはるかに上回る3倍の大きさである。これは、トーリックIOL設計の大幅な改善を表し、IOLのロバスト性を高め、それにより、配置が準最適であっても、予後不良の可能性は、大いに抑えられることになる。
【0038】
シミュレーション性能は、以下のように要約することができる:
【0039】
【表1】
【0040】
図12は、特定の実施形態の態様を概略的に示している。具体的には、円柱パワーは、乱視を引き起こす矯正前の眼10に存在する。この場合においては、垂直子午線Vにおけるパワーは、水平子午線Hよりも著しく小さい。屈折素子100を含んだIOL1000が、用意され、眼10の中に配置される。上述したように、屈折素子100は、種々の部分で種々のパワーを有する。たとえば、屈折素子100の子午線は、第1の曲率108を有することができ、素子100の別の子午線は、第1の曲率108よりも大きい第2の曲率112を有することができる。曲率108、112は、垂直子午線に沿っているが、眼のパワープロファイルに応じて互いに他の角度とすることも可能になる。上述したように、より急な第2の曲率112は、収束をより誘起する。したがって、第2の曲率112は、眼10の垂直子午線Vと最適に位置合わせされるべきであり、それにより、眼10の局所的により低いパワーが、第2の曲率112によって補正されて、垂直子午線および水平子午線V、Hが、同じ場所で収束することが可能になる。しかしながら、示されているように、屈折素子100は、最適に位置合わせされた位置から回転的にオフセットされている。有利には、IOL1000は、屈折素子100のトーリック構成とマスク1012との組合せによって、従来よりもはるかに大きい、最適位置からの許容可能な回転オフセットを有することが可能になる。図12は、大きいIOL配置範囲にわたって許容可能な視力度が存在することを網掛けのパイ形領域に示している。この実施形態においては、この範囲は、最適(垂直)位置の両側、たとえば、対称に延在する。したがって、IOL1000は、回転配置ずれに対して許容範囲の増加をもたらす。範囲は、IOL1000の配置ずれの角度を超えて延在する。従来のIOLにおいては、範囲は、たとえば、第2の曲率112の位置と垂直子午線Vとの間ではるかにより小さくなり、図12に示されているように配置されたときの従来のIOLの機能的視力度の提供が妨げられる。
【0041】
専門用語
「可能である(can)」、「可能になる(could)」、「でき得る(might)」、または「できる(may)」などの条件付き文言は、特に別段の言及がない限り、または使用される文脈内で別の形で理解されない限り、概して、ある実施形態はある特徴、要素、および/またはステップを含むが、他の実施形態はある特徴、要素、および/またはステップを含まないことを伝えるように意図される。したがって、概して、そのような条件付き文言は、特徴、要素および/またはステップが1つまたは複数の実施形態に何らかの形で必要であること、あるいは1つまたは複数の実施形態は、これらの特徴、要素、および/またはステップが、使用者入力または指示の有無に関わらず、任意の特定の実施形態において含まれているかまたは実行すべきであるかどうかを決めるための論理部を必ず含んでいることを暗示するように意図していない。
【0042】
「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」などの用語は、同義語であり、包括的に、オープンエンドの形で使用され、追加の要素、特徴、行為、および動作などを排除しない。また、「または(or)」という用語は、その包括的な意味で(その排他的な意味ではなく)使用され、したがって、たとえば、要素のリストを結び付けるために使用される場合、「または」という用語は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、またはすべてを意味する。
【0043】
本明細書で使用する「およそ(approximately)」、「約(about)」、および「実質的に(substantially)」という用語は、依然として所望の機能を果たし、または所望の結果を達成する記載量に近い量を表す。たとえば、「およそ」、「約」、および「実質的に」という用語は、文脈が指示し得るとき、記載された量の10%未満の範囲内である量を示す場合がある。
【0044】
本明細書に開示される範囲はまた、任意のすべての重複、部分範囲、およびそれらの組合せを包含する。「最大で~まで(up to)」、「少なくとも(at least)」、「~より大きい(greater than)」、「~より小さい、~未満(less than)」、および「~の間(between)」などの文言は、記載されている数字を含む。「約」または「およそ」などの用語が前に付された数字は、記載された数字を含む。たとえば、「約3mm」は「3mm」を含む。
【0045】
特定の実施形態および諸例を本明細書において説明してきたが、本開示に示され説明されている方法およびIOLの多くの態様が、さらなる実施形態または許容可能な例を形成するために異なるように組み合わせ、および/または修正してもよいことが当業者には理解されよう。そのような修正形態および変形形態はすべて、本開示の範囲内に本明細書において含まれることが意図される。多種多様な設計および手法が可能である。本明細書に開示されている特徴、構造またはステップはいずれも、必須であるわけでも、不可欠であるわけでもない。
【0046】
本開示のために、特定の態様、利点、および新規な特徴について本明細書において説明している。必ずしもそのような利点がすべて、何らかの特定の実施形態に従って達成され得るとは限らないことを理解されたい。したがって、たとえば、本明細書に教示または示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本開示を、本明細書において教示された1つの利点もしくは利点のグループを達成するような形で具体化または実行することができることを当業者なら認識するであろう。
【0047】
さらには、例示的な実施形態を本明細書において説明してきたが、当業者によって認識されることになる等価な要素、修正形態、省略形態、(たとえば、様々な実施形態にわたる態様の)組合せ形態、適応形態、および/または変更形態を有する任意のならびにすべての実施形態の範囲は、本開示に基づく。特許請求の範囲における限定は、特許請求の範囲で使用されている文言に基づいて、本明細書にまたは本願の実行中に記載された例に限定することなく、広く解釈されるべきであり、それらの例は非排他的であると解釈される。さらには、開示された工程および方法の動作は、たとえば動作の並び替え、および/または追加の動作の挿入、および/または動作の削除によって何らかの形で修正され得る。そのため、本明細書および諸例は、例示としてのみ考慮されるにすぎず、真の範囲および趣旨は、特許請求の範囲およびその等価物の全範囲によって示されていることが意図される。
【符号の説明】
【0048】
10 乱視眼
14 網膜
18 水晶体
100 屈折素子
104 面
108 第1の曲率
112 第2の曲率
1000 眼内レンズ、IOL
1004 光学系
1008 ハプティック
1012 マスク
1016 前面
1020 後面
2034a マスク
2036a 環状領域
2038a 開口
2039a 光学軸
2034b マスク
2036b 環状領域
2038b 開口
2039b 光学軸
H 水平子午線
V 垂直子午線
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12