(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】3次元論理パズル
(51)【国際特許分類】
A63F 9/08 20060101AFI20220411BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20220411BHJP
A63H 33/08 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
A63F9/08 504
A63F9/08 502A
A63F13/80 E
A63H33/08 B
A63H33/08 C
(21)【出願番号】P 2019523144
(86)(22)【出願日】2017-07-13
(86)【国際出願番号】 AU2017050721
(87)【国際公開番号】W WO2018009975
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-06-11
(32)【優先日】2016-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】519010064
【氏名又は名称】トリミティ メビウス デザイン プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TRIMITI MOEBIUS DESIGN PTY LTD
【住所又は居所原語表記】1 Huntingtower Crescent,Mount Waverley,Victoria 3149,Australia
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネフギ,ウメシュ ヴィナヤク
(72)【発明者】
【氏名】ネフギ,ハーシュ ウメシュ
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0110212(US,A1)
【文献】特開2009-183735(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0032393(US,A1)
【文献】国際公開第2016/023066(WO,A1)
【文献】Nicolas Imbert,Adding Physical Properties to 3D Models in Augmented Reality for Realistic Interactions Experiments,Procedia Computer Science,ELSEVIER,2013年,vol.25,p.364-369
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/08
A63F 13/80
A63H 33/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一形状である、不規則形状のパズル部品を複数含み、
前記パズル部品は、所定の3次元幾何学形状を形成するように係合された組立体から構成される、3次元論理パズル
において、
各前記パズル部品は、少なくとも一面が略平面から形成され、
各前記パズル部品は、少なくとも1つの凸部および/または2つ以上の対応する形状の凹部から形成され、
各前記2つ以上の凹部は、前記パズル部品の内側から前記略平面の高さまで延びる壁によって定義され、前記略平面から離間しており、
各前記2つ以上の凹部は、各前記パズル部品の共通の内側位置から延び、
前記少なくとも一つの凸部と前記少なくとも2つ以上の凹部のうちの1つには、各前記パズル部品の前記少なくとも1つの凸部が、隣接する前記パズル部品の前記2つ以上の凹部の対応する凹部に連結係合するよう構成されたスナップフィット連結機能が形成されている、3次元論理パズル。
【請求項2】
前記パズル部品は、それぞれが複数の個別エレメントから形成される、
請求項1に記載の3次元論理パズル。
【請求項3】
前記個別エレメントは、立方体形状である、
請求項2に記載のパズル。
【請求項4】
前記個別エレメントは、同一中心点を共有する3個の板状体から形成され、かつ、互いに直交するよう配置されている、
請求項2に記載のパズル。
【請求項5】
前記パズル部品は、略“S”字状に配置された4個の前記個別エレメントから形成された、
請求項2~4のいずれか一項に記載のパズル。
【請求項6】
前記パズル部品は、略“L”字状に配置された3個の前記個別エレメントから形成された、
請求項2~4のいずれか一項に記載のパズル。
【請求項7】
前記所定の3次元幾何学形状は、立方体であり、
前記立方体の辺の長さが、各エレメントの長さに、各パズル部品におけるエレメントの数を乗じた長さと等しい、
請求項1~6のいずれか一項に記載のパズル。
【請求項8】
各前記パズル部品は、対向する主面を備え、前記主面は、前記パズル部品の1つ以上の他の側面と比較して最大面積を有する平面的な面であり、
対向する前記主面の少なくとも1つの凸部および/または2つ以上の凹部の少なくとも1つの配置が、前記対向する面上において相補的である、
請求項
1に記載のパズル。
【請求項9】
各パズル部品は、各パズル部品の対向する主面上に2個の凸部と2個の凹部が形成されており、
各面の前記凸部と前記凹部の配列は、
各前記対向する
主面と逆になっている、
請求項8に記載のパズル。
【請求項10】
各パズル部品の側面上に凹部が設けられている、
請求項
8または9に記載のパズル。
【請求項11】
少なくとも1個の前記凸部は、略円柱形状である、
請求項8~
10のいずれか一項に記載のパズル。
【請求項12】
少なくとも1個の前記凸部は、平行四辺形状の断面を有する、
請求項8~
10のいずれか一項に記載のパズル。
【請求項13】
前記所定の幾何学形状は、規則的な幾何学形状である、
請求項1~
12のいずれか一項に記載のパズル。
【請求項14】
前記所定の幾何学形状は、立方体、平行六面体、角錐、球、三角柱、円錐、円柱、又はトーラス形状である、
請求項1~
13のいずれか一項に記載のパズル。
【請求項15】
前記パズル部品は、不規則形状である、
請求項1~
14のいずれか一項に記載のパズルのために用いられるパズル部品。
【請求項16】
複数の同様の個別エレメントにより構成された、
請求項
15に記載のパズル部品。
【請求項17】
3次元論理パズルの組み立て方法であり、
前記方法は、
同一形状である不規則形状の複数のパズル部品から形成される工程と、
各前記パズル部品が略平面からなるよう形成される工程と、
各前記パズル部品が少なくとも1つの凸部および/または、2つ以上の対応する形状の凹部を含むよう形成される工程と、
各前記2つ以上の凹部が、前記パズル部品の内側から前記略平面の高さまで延びる壁によって定義され、前記略平面から離間するよう形成される工程と、
各前記2つ以上の凹部が各前記パズル部品の共通の内側位置から延びるよう形成する工程と、
前記パズル部品が組み立てられる際、前記少なくとも1つの凸部と前記少なくとも2つ以上の凹部のうちの1つが、各前記パズル部品の前記少なくとも1つの凸部が、隣接するパズル部品の前記2つ以上の凹部の対応する凹部に連結係合するよう構成されたスナップフィット連結機能を備えるよう形成する工程からなり、
前記パズルの組み立てが、
各前記複数のパズル部品を略軸方向に回転させることによって各前記複数のパズル部品の方向を変える工程と、
各前記複数のパズル部品を、前記複数のパズル部品のうち他の1つ以上の部品と連結係合させることによって3次元幾何学形状を形成する工程とからなる、ことを特徴とする3次元論理パズルの組み立て方法。
【請求項18】
固定装置、携帯装置、及び/又はハンド・ヘルドコンピューティングデバイス上でコンピュータソフトウェアが実行することによって、実現される、
請求項
17に記載の3次元論理パズルの組み立て方法。
【請求項19】
少なくとも1つの前記凸部が、共通の内側位置から外側に向かって延びている
請求項1に記載のパズル。
【請求項20】
各前記パズル部品の少なくとも一面は、略平面を備える第1面からなり、
各前記パズル部品は、さらに、平面を持たない略中空領域を備える第2面からなり、
壁によって定義される少なくとも1つの凸部および/または前記2つ以上の凹部のうち少なくとも1つが別の前記中空領域を使用し、隣接する前記パズル部品の略平面から離間している
請求項1に記載のパズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、論理パズルに関する。より詳しくは、本発明は、同一形状のパズル部品を複数含む3次元(3D)ジグソーパズルに関する。
【背景技術】
【0002】
あらゆる種類のパズルは、昔から人気があり、論理的思考を要する難問や刺激を提供してくれると同時に、大人にも子供にも同様に娯楽の時間を提供してくれるものである。3次元の論理パズルやジグソーパズルは、特に、ユーザーの空間能力を試すものであり、従来から利用されているパズルに代わる独自のものである。
【0003】
従来の3次元ジグソーパズルの具体例としては、ソーマキューブ(Soma Cube)、ベドラムキューブ(Bedlam Cube)、ポリキューブ(Polycube)、コンウェイパズル(Conway Puzzle)、スロサウバー・グラーツマパズル(Slothouber-Graatsma Puzzle)、ディアボリカルキューブ(Diabolical Cube)が挙げられる。従来の3次元パズルは、多数の異なる部品が製造に必要となるため、その製造が複雑である。そして、かかる部品は、通常、材木/木材により形成されるため、製造コストが高くなってしまう。さらに、従来の3次元パズルは、パズル部品どうしの連結係合を欠いているため、取扱い難く、分離が容易でなく、このことはより大きなパズルにとって特に問題となっている。
【0004】
本発明の実施例は、従来の3次元パズルの1又はそれ以上の問題点を、解決或いは少なくとも改善することを目的とするものである。
【発明の概要】
【0005】
本発明の態様の1つによれば、同一形状である、不規則形状のパズル部品を複数含み、パズル部品は、所定の3次元幾何学形状を形成するように係合された組立体から構成される、3次元論理パズルが提供される。
【0006】
本発明の好適な一態様によれば、パズル部品は、それぞれが複数の個別エレメントから形成される。個別エレメントは、互いに同じであってもよい。個別エレメントは、立方体であってもよい。或いはまた、個別エレメントは、同一中心点を共有する3個の板状体から形成され、かつ、互いに直交するよう配置されていてもよい。
【0007】
パズル部品は、略“S”字に配置された4個の個別エレメントから形成されていてもよい。或いはまた、パズル部品は、略“L”字に配置された3個の個別エレメントから形成されていてもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、幾何学形状は立方体であり、立方体の辺の長さは、各エレメントの長さに、各パズル部品におけるエレメントの数を乗じた長さと等しい。
【0009】
好適な態様では、パズル部品は互いに連結係合するよう形成されている。かかる実施形態では、各パズル部品は、少なくとも1個の凸部と、少なくとも1個の対応する凹部とが形成されていてもよく、凸部は、隣接するパズル部品上の対応する凹部と係合するよう構成されている。好ましくは、パズル部品は、各パズル部品の対向する主面上に、2個の凸部と2個の凹部を含み、各面の凸部と凹部の配列は、対向する面と逆になっている。
【0010】
凹部は、各パズル部品の側面上に設けられていてもよい。凸部及び/又は凹部は、スナップフィット連結機能が形成されていてもよい。少なくとも1個の凸部は、略円柱形状であってもよい。或いはまた、少なくとも1個の凸部は、平行四辺形状の断面を有していてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、幾何学形状は、規則的な幾何学形状である。好ましくは、その形状は、平行六面体、立方体、角錐、球、三角柱、円錐、円柱、及びトーラス形状を含む群より選ばれる。
【0012】
本発明の別の態様によれば、上述したタイプのパズルに用いられるパズル部品であり、不規則形状であるパズル部品が提供される。パズル部品は、複数の同様の個別エレメントにより構成されていてもよい。
【0013】
本発明の別の態様によれば、3次元論理パズルの組み立て方法であり、パズルは、同一形状である、不規則形状のパズル部品を複数含み、所定の3次元幾何学形状を形成するように係合された組立体部品から構成されており、各パズル部品を略軸方向に回転させることによって各パズル部品の方向を変える工程と、パズル部品を他の隣接する部品と係合させることによって3次元幾何学形状を形成する工程と、を含む方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る論理パズルの一面から見た3次元正投影図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る論理パズルの別の一面から見た3次元正投影図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る論理パズルの別の一面から見た3次元正投影図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る論理パズルの別の一面から見た3次元正投影図である。
【
図7】
図7は、
図1~4のパズルに用いるパズル部品の3次元正投影図である。
【
図11】
図11は、本発明の別の実施形態に係る論理パズルの3次元正投影図である。
【
図14】
図14は、本発明の別の実施形態に係る論理パズルの3次元正投影図である。
【
図17】
図17は、本発明の一実施形態に係る論理パズルの斜視図である。
【
図31】
図31は、本発明の別の実施形態に係る論理パズルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な形態を、添付した図面を参照しつつ、非限定的な実施例を用いて詳しく説明する。
【0016】
図1を参照すると、論理パズル10が示されている。論理パズル10は、3次元ジグソーパズルの形態である。
【0017】
パズル10は、後述するように、同一形状である、不規則形状のパズル部品12(そのうちの1つは、太い輪郭線によって強調表示されている。)を複数含んでいる。パズル部品12は、所定の3次元幾何学形状を形成するように係合された組立体から構成される。この点、パズル部品12の形状及び構成は、互いに密接に組み合わさって隙間なく入れ子及び係合されたパズル部品12から構成される概ね連続した面を備えた、略完全な3次元形状を形成できるように、パズル部品12が少なくとも一列に配列されることができるようになっている。必ずしもそうである必要はないが、パズル部品12は、最終的な3次元幾何学形状を保持するために互いに連結されていてもよい。
【0018】
パズル部品12は、同じ形状及び大きさであるが、視覚的にユーザーを魅了するために、異なる色であってもよいし、異なる表面加工がなされていてもよいし、或いは異なる材質から作られていてもよい。
【0019】
図1~6は、異なる面A、B、C、D及びE(面Fは示されているが、当該図面では見えない。)並びにパズル10を形成するのに用いられるパズル部品12の配列(そのうちの1つは太い輪郭線によって強調表示されている。)を示すパズル10についての異なる図面である。パズル部品12の1又はそれ以上が、軸線のいずれか一つの周りを回転させることによって異なる方向に向けられ、パズル部品12の方向を変えて、他の隣接する部品12と係合するようになっていることがわかる。使用においては、ユーザーは、試行錯誤しながら、パズル10を目的の所定形状になるように並び変えることができる。
【0020】
図1~6に示す実施形態において、幾何学的形状又は最終的な所定形状は、立方体である。3次元形状がとり得る他の形状について、後述する。この実施形態では、立方体の辺の長さは、パズル部品12の各エレメント14の長さに、各パズル部品12におけるエレメントの数を乗じた長さと等しい。他の実施形態では、このサイズの立方体を、8個のエレメント14から構成されるパズル部品12によって形成させることができる。かかる実施形態では、図示された実施形態の16個と比べて、わずか8個のパズル部品が必要となるであろう。
【0021】
図示された例では、各パズル部品12は、略立方体形状である4個の個別エレメントから構成され、その結果、パズル10の辺は4個の個別エレメントの長さに等しくなる。このような構成に照らすと、パズル10は、4Xパズルと呼ばれるものである。各エレメント14は、ユニットサイズの基本単位となる小立方体である。また、立方体は、16個のパズル部品12から構成され、64個のエレメント14に相当するものである。
【0022】
図7~10は、
図1に示された実施形態で使用されるパズル部品12の詳細を示している。パズル部品12は、略“S”字に配置された、同一の大きさ及び形状である4個の個別エレメント14から構成される。この点、2個のエレメント14は、他の2個のエレメントの共通の縦軸からオフセットされた、共通の縦軸に沿って配列されている。
【0023】
個別エレメント14は、立方体形状として示されているが、略球状や、例えば後に詳述される
図11~13に示されるような他の形状であってもよいことが理解されるであろう。また、個別エレメントは、最終的な3次元幾何学形状において遊びを存在させるために、完全な立方体形状でなくてもよい。
【0024】
難易度の高いパズルを提供するべく、パズルの解法が、自明でなく、パズル部品12を積み重ねるだけで発見できないようにするために、パズル部品12を不規則形状とする。「不規則形状」という用語は、パズル部品が平滑或いは均一でないことを意味することを意図している。
【0025】
図11及び
図13は、本発明の別の実施形態に係るもう一つのパズル110を示す。この実施形態では、パズル部品112(
図11において太い輪郭線で強調表示されている。)は立方体形状ではなく、その代わりに、単位長であり、同一中心点を有し、互いに直交するように配置されている、3個の板状体113a、113b、113cから個別エレメント114は構成されている。正面図では、かかる板状体のうちの2個が略横向きに見えるであろう。
【0026】
また、
図11は、パズル部品112が、一体成形された3個のエレメントから構成されていることを示している。この構成に基づけば、パズル110は、3Xパズルと呼ばれるものである。パズル部品112は、略“L”字状に配置された3個の個別エレメントから構成される。この場合もやはり、パズル部品112は不規則形状であるため、パズル110の解法は、自明でなく、パズル部品112を積み重ねるだけで発見することができない。使用時には、ユーザーは、試行錯誤しながら、パズル110を目的の所定形状になるように並び変えることができる。
【0027】
説明された実施形態は、3個又は4個のエレメントから構成されるパズル部品に関するものであるが、例えば、5、6、7、8、9、又は10等のような4を超えるエレメントの個数も同様に取り得ることが理解されるであろう。かかる実施形態では、パズルの最終形状は、さらに多くのエレメントを含んでもよく、より大きなサイズになってもよいであろうし、その代わりに、エレメントのサイズを小さくしてもよい。例えば、5Xパズルは、125個の個別エレメントから構成され得るし、6Xパズルは、216個の個別エレメントから構成され得る、等もそうである。
【0028】
さらに、パズル部品は、説明した略“L”字や略“S”字以外の形状に配列されるようにしてもよい。この点、パズル部品は、“T”字、“C”字、“E”字、十字、或いはその他の形状をとってもよい。或いは、様々な比率や長さを有する形状とすることもまた可能である。
【0029】
いくつかの実施形態では、パズル部品12は、その係合する性質によって結合されているだけである。しかしながら、或いは、パズル部品12は、互いに連結係合するように形成されていてもよい。
図1~10は、パズル10に関して、連結係合させる方法の1つを示している。
【0030】
連結手段を実現するために、各パズル部品は、少なくとも1つの凸部、或いは、後述されるかそれ以外のスナップフィット、或いは雄型プラグと少なくとも1つのこれに対応する形状である凹部、後述されるかそれ以外のスナップフィット、或いは雌型ソケット、隣接するパズル部品の対応する凹部/ソケットと係合するように構成されている凸部/プラグ、が形成されている。上述したように、パズル10は、連結機能を全く備えていなくてもよい。
【0031】
図7~10に示すように、パズル部品12には、その対向する主面上に2個の凸部16及び2個の凹部18が形成されている。凹部18だけは各パズル部品の側面上に配置されているが、主面と側面が凸部16及び凹部18の数や組み合わせが異なるように、凸部16及び凹部18の配列は様々であってもよい。各面の凸部16及び凹部18の配列は、対向する面と逆になっている。この点、一方の面上に凸部16があり、その対向する面上に凹部がある。その逆もしかりである。2個の同一のパズル部品を並べて配置することによって、これらを互いに連結係合させるようにすることができる。
【0032】
他の実施形態では、単一の凸部16或いは2個以上の凸部、及び/又は単一の凹部、及び/又は2個以上の凹部を、パズル部品12のいずれかの主面上に配置してもよい。或いはまた、1又はそれ以上の凸部及び/又は1又はそれ以上の凹部を、側面上に配置してもよい。
【0033】
一つの形態として、凸部は、摩擦により対応する凹部に保持されるように僅かな締り嵌めで構成される。
図8及び
図9に示された形態では、凸部16は、先端付近の径方向外向きの膨らみ20を備えた略中空円筒形状である。凹部18は、先端付近に形成された径方向内向きの膨らみ22を備えた同様の略中空円筒形状である。膨らみ20、22は、2個の部品を結合するが、パズル部品12同士を結合する永久ひずみが生じないように一旦係合された後に開放できる程度の張力が生じるスナップフィット連結機能又はスナップロック連結機能を奏するよう構成されている。連結されたパズル部品12を互いから開放するために、部品の分離時には連結機能の張力が再び生じるが、分離後この張力は開放される。
【0034】
図7~10の連結機能は変更できることが理解されるであろう。他の例としては、凸部16又は凹部18のみが、例えば、略円筒形状であり、膨らみを備えているといった、スナップフィットするものであってもよい。
【0035】
図14~16は、4Xパズルであり、パズル10と略相似形状である、本発明の別の実施形態を示す。このパズル210において、パズル部品212(そのうちの1つは、
図15において太い輪郭線によって強調表示されている。)もまた、互いに係合するが連結係合しない構造である。
【0036】
図16においてより詳細に理解されるが、パズル部品212は4個のエレメント(214)により再び形成されるが、各エレメントの面は、2個の凹部217を有することにより、各エレメントの面を4つのセクションに分割し、より困惑させる視覚外観を呈し、ユーザーにとっての難易度を高める。
【0037】
図示された実施形態のパズルは、立方体の最終形状をとるが、規則的及びそうでないそれ以外の他の幾何学的形状をとり得ることは理解されるであろう。例えば、その形状は、これらに限定されないが、立方体、平行六面体、球、角錐、三角柱、円錐、円柱、及びトーラス形状を含む群から選択されるものであってもよい。例えば、矩形部品は平滑な球面を形成するのに使用できないこと等から、パズルの最終形状によって表示される形状は、組み立てられたパズル部品の全体的な輪郭であり、平滑な平面である必要はないことが理解されるであろう。
【0038】
説明された実施形態は、好ましくは射出成形プロセスを用いた熱可塑性材料により形成される。パズル部品が同一になるようにパズルを構成することで、パズル部品は大量生産することができ、これによってパズルの製造コストを大幅に削減することができる。勿論、説明された実施形態は、同様に、木材、樹脂、及び/又は金属等の材料から形成されてもよい。
【0039】
使用時には、ここで説明されたタイプのパズルは、略軸方向に回転させることによって各パズル部品を再結合させ、そのパズル部品を他の隣接する部品と係合させて3次元幾何学的形状を形成させる工程を行うことによって完成される。通常、これには所望の所定形状となるよう試行錯誤することが含まれる。
【0040】
本発明の物理的な実装について説明してきたが、デジタル的な実施形態によってデジタル形式で実装されていてもよいことは理解されるであろう。デジタル的な実施形態としては、ビデオゲーム、ウェブページ、コンピューターゲーム、或いは携帯電話のアプリケーションが含まれる。かかる実施形態において、パズルを完成させる方法がほぼ同じものとしてもよいことが理解されよう。
【0041】
さらに、説明されてきた、3、4、5或いはそれ以上の個別エレメントから構成されるパズル部品もまた、例えば、建物や城等の3次元の玩具構造を組み立てるために使用されていてもよく、これによってユーザーにパズルの有用性や興味を掻き立てる。
【0042】
説明及び描かれたパズル部品の細部は、例えば、射出成形の設計上の制約に対応するために、大量生産が容易になるよう改変してもよいことは当然考えられる。
【0043】
これらの実施形態は、単に例示として説明されたものであり、開示された本発明の範囲内において変形することができる。
【0044】
本明細書及び特許請求の範囲を通じて、文脈上で他の意味に解釈すべき場合を除いて、「含む(comprise)」という用語、及びその変形の「含む(comprises)」や「含んでいる(comprising)」という用語は、定まった完全体若しくは工程又は完全体若しくは工程の集合を包含する意味であると解されるであろうが、しかし、他のいかなる定まった完全体又は工程や完全体又は工程の集合をも排除するものではない。
【0045】
本明細書におけるいかなる先行文献(若しくはそこから導かれる情報)又は既知のいかなる事項の言及も、先行文献(若しくはそこから導かれる情報)又は既知の事項が本明細書の関連する技術分野において一般的な周知事実を構成することを確認、承認、或いは示唆するものでもないし、そのように扱われるべきではない。
【符号の説明】
【0046】
10,110,210…(論理)パズル、12,112,212…パズル部品、14,114,214…(個別)エレメント、113a,113b,113c…板状体、16…凸部、18,217…凹部、20,22…膨らみ