(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20220411BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20220411BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20220411BHJP
H02N 13/00 20060101ALI20220411BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/205
H01L21/31 B
H02N13/00 D
C23C16/458
(21)【出願番号】P 2019532906
(86)(22)【出願日】2017-08-22
(86)【国際出願番号】 KR2017009107
(87)【国際公開番号】W WO2018043976
(87)【国際公開日】2018-03-08
【審査請求日】2020-08-18
(31)【優先権主張番号】10-2016-0110879
(32)【優先日】2016-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519068777
【氏名又は名称】チュソン エンジニアリング カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シン,スンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ヨー,ジニョク
(72)【発明者】
【氏名】リー,ミンス
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ドンファン
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-096220(JP,A)
【文献】特開2003-347228(JP,A)
【文献】特開2003-133233(JP,A)
【文献】特開2013-044047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/205
H01L 21/31
H02N 13/00
C23C 16/458
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって、
チャンバー内に設けられ、かつ、旋回運動を行うように構成された第1の円盤であって、前記第1の円盤は、中心軸から特定の半径内に周期的に配列された複数の着座穴を備える、第1の円盤と、
それぞれ前記着座穴内に設けられ、かつ、前記第1の円盤の旋回運動に従って回旋および回転運動を行うように構成された複数の第2の円盤と、
前記第2の円盤の回転運動および前記第2の円盤への電気接続を可能にするように前記第2の円盤と前記着座穴との間に設けられた第1の回転式接続子構造と、
前記第2の円盤上に設けられ、かつ、前記第1の回転式接続子構造を通じて供給される電力を用いて基板を保持するように構成された静電チャックと、
前記第2の円盤に固定され、かつ、前記第2の円盤にトルクをかけるように構成された第1の磁気歯車と、
旋回運動を行わずに前記第1の磁気歯車と相互作用す
るように前記チャンバー内に
固定して設けられた第2の磁気歯車と、
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記第1の磁気歯車は、
前記第2の円盤と固定して連結された回転磁石支持板であって、前記回転磁石支持板は円形の円盤形状を有する、回転磁石支持板と、
交流磁化方向を有するように前記回転磁石支持板の周囲表面上に配列され、かつ、特定の距離だけ互いから離間された複数の第1の永久磁石と、
を備え、
前記第2の磁気歯車は、
前記チャンバーの底部表面と前記第1の円盤との間に設けられた固定磁石支持板であって、前記固定磁石支持板はワッシャーまたはドーナツ形状を有する、固定磁石支持板と、
交流磁化方向を有するように前記固定磁石支持板の周囲表面上に配列された複数の第2の永久磁石と、
を備え、
前記第1の永久磁石および前記第2の永久磁石は、前記第2の円盤の回転状態に応じて前記第2の円盤に引力または斥力をかけ、それにより前記第2の円盤を旋回させるように構成される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記静電チャックは、
静電チャック本体と、
凹形状を有するように前記静電チャック本体の頂部表面内に形成された電極着座部分と、
前記電極着座部分を充填する絶縁部材と、
前記絶縁部材内に埋め込まれた一対の静電電極と、
を備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記一対の静電電極のそれぞれは、半円形形状または同心円状のワッシャー形状を有する、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1の円盤の中心軸から垂直に延在する第1の円盤中心軸と、
前記第1の円盤中心軸を包囲し、かつ、隔絶された状態で前記第1の円盤中心軸を密閉して封止するように設けられた蛇腹構造であって、前記蛇腹構造は、前記チャンバーの底部表面から前記チャンバーの外側まで延在する、蛇腹構造と、
前記蛇腹構造を通過し、かつ、前記第1の円盤中心軸の端部と軸連結されるように設け
られた第2の回転式接続子構造であって、前記第2の回転式接続子構造は、前記第1の円盤中心軸の回転運動および前記第1の円盤中心軸への電気接続を可能にするように構成される、第2の回転式接続子構造と、
前記第1の円盤中心軸を回転させるように構成された回転駆動ユニットと、
のうち少なくとも1つをさらに備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記基板処理装置は、全くの垂直方向に前記第2の磁気歯車を移動させるように構成され、かつ、前記第1の磁気歯車の配列平面を前記第2の磁気歯車のそれと一致することを可能にするために用いられる磁気歯車垂直移動ユニットをさらに含み、
前記磁気歯車垂直移動ユニットは、
前記チャンバーの外側に配置され、かつ、直線運動を行うように構成された磁気歯車垂直駆動ユニットと、
前記磁気歯車垂直駆動ユニットを前記第2の磁気歯車に接続する接続棒と、
を備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1の回転式接続子構造は、
垂直方向に互いから離間された上部軸受けおよび下部軸受けと、
前記上部軸受けと前記下部軸受けとの間に設けられた集電環本体と、
前記集電環本体の外周囲表面上に配列された複数の集電環と、
前記集電環に電気的に接続されたブラシと、
を備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記静電チャックは、
静電チャック本体と、
前記静電チャック本体の頂部表面上に設けられた絶縁部材であって、前記絶縁部材はワッシャーまたはドーナツ形状を有する、絶縁部材と、
前記絶縁部材の頂部表面上に設けられた静電電極であって、前記静電電極はパターン化された形状を有する、静電電極と、
を備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置に、特に、複数の基板を処理する工程において均一性を改善することができる基板処理装置に関する。基板処理装置は、旋回運動を実行するように構成される主円盤、および、回旋および回転運動を実行するように構成される補助円盤を含む。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体記憶機器、液晶表示機器、有機発光機器等を作製するには、基板上で半導体作製工程を数回行うことが必要である。例えば、基板上に所望のパターンを形成するためには、蒸着およびパターン形成工程を数回繰り返さなければならない。
【0003】
詳細には、半導体作製工程は、基板上に薄膜を形成する蒸着工程と、薄膜の所望の領域を開放するフォトリソグラフィー工程と、薄膜の開放された領域を除去するエッチング工程と、を含む。半導体作製工程において、各工程は、最適化された工程環境を有するように準備される工程チャンバー内で行われる。
【0004】
一般的に、ウエハー等の円形の基板を処理するための装置は、工程チャンバー内に配置され、かつ、円形の第1の円盤と、第1の円盤のそれよりも小さい直径をそれぞれ有する、複数の円形の第2の円盤と、を有するように構成される。
【0005】
基板処理装置が用いられる場合において、基板処理工程は、第1の円盤を旋回させ、第2の円盤を回旋および回転させつつ、第2の円盤上に基板を装填し、その後基板上に原料物質を射出することを含む。基板処理工程を繰り返すことにより、基板上に所望の形状の構造を形成することが可能である。
【0006】
ここで、空気または任意の他の気体を射出するように構成される追加の構成部が、その中心の周りで第2の円盤を旋回または回転させるために(すなわち、第2の円盤の回転運動を実現するために)用いられる。この場合において、空気または気体中に包含される汚染物質が基板上に吸着されることがあり、これは半導体製品の故障に繋がることがある。
【0007】
韓国特許公開第10-2016-0073281号は、アルゴの原理(Argo’s principle)に基づいて、円形の金属板の周辺領域の一部に対する磁石の相対位置を変更することにより、円形の金属板を旋回または回転させる方法を開示している。しかしながら、アルゴの原理を用いる円形の金属板の旋回または回転においては、回転速度を正確に制御し、所望の位置で円形の金属板を厳密に止めることにおける困難がある。
【0008】
そのため、第1の円盤を回旋させ、第1の円盤に装備された第2の円盤を安定して回転させる回転方法を開発することが必要である。さらに、そこにかけられる遠心力に逆らって第2の円盤上に装填された基板の位置を安定して維持する方法を開発することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の概念のいくつかの実施形態は、回転運動を行うように構成される第1の円盤と、第1の円盤に装備され、かつ、回旋および回転運動を行うように構成される第2の円盤と、を含む基板処理装置を提供している。基板処理装置は、第2の円盤上に装填された基板を安定して支持し、かつ、第2の円盤を安定して旋回または回転させるように構成される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の概念のいくつかの実施形態によれば、基板処理装置は、チャンバー内に設けられ、かつ、旋回運動を行うように構成された第1の円盤であって、第1の円盤は、中心軸から特定の半径内に周期的に配列された複数の着座穴を含む、第1の円盤と、それぞれ着座穴内に設けられ、かつ、第1の円盤の旋回運動に従って回旋および回転運動を行うように構成された複数の第2の円盤と、第2の円盤の回転運動および第2の円盤への電気接続を可能にするように第2の円盤と着座穴との間に設けられた第1の回転式接続子構造と、第2の円盤上に設けられ、かつ、第1の回転式接続子構造を通じて供給される電力を用いて基板を保持するように構成された静電チャックと、第2の円盤に固定され、かつ、第2の円盤にトルクをかけるように構成された第1の磁気歯車と、第1の磁気歯車と相互作用するが、旋回することを妨げられるようにチャンバー内に設けられた第2の磁気歯車と、を含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態において、第1の磁気歯車は、第2の円盤と固定して連結された回転磁石支持板であって、回転磁石支持板は円形の円盤形状を有する、回転磁石支持板と、交流磁化方向を有するように回転磁石支持板の周囲表面上に配列され、かつ、特定の距離だけ互いから離間された複数の第1の永久磁石と、を含み得る。第2の磁気歯車は、チャンバーの底部表面と第1の円盤との間に設けられた固定磁石支持板であって、固定磁石支持板はワッシャーまたはドーナツ形状を有する、固定磁石支持板と、交流磁化方向を有するように固定磁石支持板の周囲表面上に配列された複数の第2の永久磁石と、を含み得る。第1の永久磁石および第2の永久磁石は、第2の円盤の回転状態に応じて第2の円盤に引力または斥力をかけ、それにより第2の円盤を旋回させるように構成され得る。
【0012】
いくつかの実施形態において、静電チャックは、静電チャック本体と、凹形状を有するように静電チャック本体の頂部表面内に形成された電極着座部分と、電極着座部分を充填する絶縁部材と、絶縁部材内に埋め込まれた一対の静電電極と、を含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態において、一対の静電電極のそれぞれは、半円形形状または同心円状のワッシャー形状を有し得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、基板処理装置は、第1の円盤の中心軸から垂直に延在する第1の円盤中心軸と、第1の円盤中心軸を包囲し、かつ、隔絶された状態で第1の円盤中心軸を密閉して封止するように設けられた蛇腹構造であって、蛇腹構造は、チャンバーの底部表面からチャンバーの外側まで延在する、蛇腹構造と、蛇腹構造を通過し、かつ、第1の円盤中心軸の端部と軸連結されるように設けられた第2の回転式接続子構造であって、第2の回転式接続子構造は、第1の円盤中心軸の回転運動および第1の円盤中心軸への電気接続を可能にするように構成される、第2の回転式接続子構造と、第1の円盤中心軸を回転させるように構成された回転駆動ユニットと、のうち少なくとも1つをさらに含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、基板処理装置は、全くの垂直方向に第2の磁気歯車を移動させるように構成され、かつ、第1の磁気歯車の配列平面を第2の磁気歯車のそれと一致することを可能にするために用いられる磁気歯車垂直移動ユニットをさらに含み得る。磁気歯車垂直移動ユニットは、チャンバーの外側に配置され、かつ、直線運動を行うように構成される磁気歯車垂直駆動ユニットと、磁気歯車垂直駆動ユニットを第2の磁気歯車に接続するように構成される接続棒と、を含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、第1の回転式接続子構造は、垂直方向に互いから離間された上部軸受けおよび下部軸受けと、上部軸受けと下部軸受けとの間に設けられた集電環本体と、集電環本体の外周囲表面上に配列された複数の集電環と、集電環に電気的に接続されたブラシと、を含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、静電チャックは、静電チャック本体と、静電チャック本体の頂部表面上に設けられた絶縁部材であって、絶縁部材はワッシャーまたはドーナツ形状を有する、絶縁部材と、絶縁部材の頂部表面上に設けられた静電電極であって、静電電極はパターン化された形状を有する、静電電極と、を含み得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明の概念のいくつかの実施形態によれば、基板処理装置は、回旋および回転運動を行うように構成される第1の磁気歯車と、第1の磁気歯車と相互作用するが、旋回することを妨げられる第2の磁気歯車と、を含み得る。第1および第2の磁気歯車を用いることにより、基板の回転運動のためのトルクを生じさせ、かつ、基板が遠心力によりずらされることを妨げることが可能である。
【0019】
磁気歯車の歯車比は、所望の角速度を得るように変更され得る。基板の位置が変更されるか、または、工程内の第1の円盤の配列平面が変更されるときにさえ、磁気歯車の動作特性を安定して制御することができる。
【0020】
本発明の概念の実例実施形態が特に示されかつ記載されてきたものの、添付されている請求項の趣旨および範囲から逸脱することなく、その中で形態および詳細における変形を行うことができることが、当業者により理解されることになる。
【0021】
実例実施形態は、付随する図面と併せて引用される以下の簡潔な記載からより明確に理解されることになる。付随する図面は、本明細書に記載されているような非限定的な実例実施形態を表している。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の概念のいくつかの実施形態による基板処理装置を概略的に例解している断面図である。
【
図2】
図1の基板処理装置の磁気歯車を概略的に例解している平面図である。
【
図3A】
図1の静電チャックを例解している平面図である。
【
図4A】本発明の概念の他の実施形態による静電チャックを例解している平面図である。
【
図5A】本発明の概念のさらに他の実施形態による静電チャックを例解している平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
これらの図は、特定の実例実施形態中で利用される方法、構造および/または物質の一般的な特徴を例解し、かつ、以下に与えられている明細書を補足することを意図されていることに留意されたい。しかしながら、これらの図面は原寸どおりではなく、任意の所与の実施形態の正確な構造上または性能の特徴を正確に反映していないことがあり、実例実施形態により包含される値または特性の範囲を定義または限定するものとして解釈されるべきではない。例えば、分子、層、領域および/または構造要素の相対的な厚さおよび位置付けが、明確性のために低減または誇張されることがある。様々な図面中の同様または同一の参照番号の使用は、同様または同一の要素または形体の存在を示すことを意図されている。
【0024】
ここで、本発明の概念の実例実施形態が、その中に実例実施形態が示されている付随する図面を参照してより十分に記載されることになる。しかしながら、本発明の概念の実例実施形態は、多くの異なる形態において具現され得、本明細書に明記されている実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、この開示が完全かつ完璧であることになり、かつ、当業者に実例実施形態の概念を十分に伝えることになるように提供されている。図面中では、層および領域の厚さが明確性のために誇張されている。図面中の類似の参照番号は類似の要素を表しており、そのため、それらの記載は省略されることになる。
【0025】
ある要素が別の要素に「接続」または「連結」されるものとして表現されているときには、それを他の要素に直接接続または連結することができるか、または、介在する要素が存在し得ることを理解されたい。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続」または「直接連結」されるものとして表現されているときには、存在する介在する要素は全くない。類似の番号は、全体にわたり類似の要素を示している。本明細書で用いられる際に、「および/または」という用語は、関連する列挙されている項目のうち1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。要素または層間の関係を記載するために用いられる他の語は、同様に解釈されるべきである(例えば、「間に」対「間に直接」、「隣接して」対「直接隣接して」、「上に」対「上に直接」)。
【0026】
「第1の」、「第2の」等の用語は、様々な要素、構成部、領域、層および/または区画を記載するために本明細書で用いられることがあるが、これらの要素、構成部、領域、層および/または区画は、これらの用語により限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、ある要素、構成部、領域、層または区画を、他の要素、構成部、領域、層または区画と区別するためにのみ用いられる。そのため、以下に論じられている第1の要素、構成部、領域、層または区画は、実例実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成部、領域、層または区画と命名されることがあるだろう。
【0027】
「下方に」、「下に」、「下部」、「上に」、「上部」および同様のもの等の、空間的に相対的な用語は、図中で例解されているような、ある要素または形体の、別の一つまたは複数の要素または一つまたは複数の形体に対する関係を記載する記載の容易さのために、本明細書で用いられることがある。空間的に相対的な用語は、図中で描写されている配向に加えて、使用または動作中の機器の異なる配向を包含することを意図されていることを理解されたい。例えば、もし図中の機器がひっくり返されれば、そのとき、他の要素の「下に」または「下方に」あるものとして記載されている要素は、他の要素または形体の「上に」配向されることになるだろう。そのため、「下に」という例示的な用語は、上におよび下にという配向を両方とも包含することがある。当該機器は別様に配向される(90度または他の配向で回転される)ことがあり、本明細書で用いられる空間的に相対的な記載語は適宜に解釈される。
【0028】
本明細書で用いられる術語は、特定の実施形態を記載する目的のためのみのものであり、実例実施形態の限定であることは意図されていない。本明細書で用いられる際に、「一」、「一つ」および「その」という単数形は、文脈が他に明確に示していない限り、複数形を同様に含むことを意図されている。「備え」、「備える」、「含み」および/または「含む」という用語は、もし本明細書で用いられていれば、述べられている形体、整数、ステップ、動作、要素および/または構成部の存在を明示するが、1つ以上の他の形体、整数、ステップ、動作、要素、構成部および/またはそれらの群の存在または追加を除外しないことをさらに理解されたい。
【0029】
他に定義されていない限り、本明細書で用いられる(技術および科学用語を含む)全ての用語は、本発明の概念の実例実施形態が属する、当業者により一般に理解されるのと同じ意味を有する。一般に用いられている辞書で定義されているもの等の用語は、関連する技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書ではっきりとそのように定義されていない限り、理想化されたかまたは過度に文語的な語義で解釈されることはないことをさらに理解されたい。
【0030】
本発明の概念のいくつかの実施形態によれば、単一のチャンバー内で回転する基板保持具上に装填された複数の基板を同時に処理するためには、各基板を回旋および回転させ、かつ、回旋および回転運動により引き起こされる遠心力に逆らって各基板の位置を安定して制御することが必要である。
【0031】
基板を安定して固定するために機械式チャックを用いることができるが、旋回運動を行うように構成される回旋板つまり第1の円盤に、および/または、回旋運動だけでなく回転運動も行うように構成される回転板つまり第2の円盤に、機械式チャックを装備することは困難である。
【0032】
対照的に、基板を安定して固定するために静電チャックを用いることができるが、旋回運動を行うように構成される回旋板つまり第1の円盤内に、および/または、回旋運動だけでなく回転運動も行うように構成される回転板つまり第2の円盤内に、電気配線構造を構築することは困難である。
【0033】
本発明の概念のいくつかの実施形態によれば、磁気歯車は、第2の円盤の回旋および回転運動を可能にするために用いられ得、静電チャックは、基板を保持するために第2の円盤上に設けられ得、回転式接続子構造は、電気相互接続構造を構築するために用いられ得る。従って、基板を安定して保持し、かつ、基板を処理する最中に基板を回転させることが可能であり得る。結果として、工程の均一性を改善することが可能であり得る。
【0034】
磁気歯車は、従来の歯車の鋸歯の代わりに、交流磁化方向を有するように配列される複数の永久磁石を有するように構成され得る。磁気歯車は、中心軸の周りで回転するように構成される主磁気歯車と、そのそれぞれが主磁気歯車の旋回運動により引き起こされる回転運動を行うように構成される、複数の補助磁気歯車と、を含み得る。しかしながら、その中で主磁気歯車および補助磁気歯車がそれらの各々の中心軸の周りで回転するように構成される磁気歯車は、回旋システムには適していない。
【0035】
本発明の概念のいくつかの実施形態によれば、回転板つまり第2の円盤は、回旋板つまり第1の円盤上に設けられ得、回転板は、回旋板の旋回運動に従って回旋および回転運動を行うように構成され得る。従って、回転板を旋回させる磁気歯車を駆動するために、主磁気歯車つまり第2の磁気歯車が、旋回運動を伴わずに、チャンバー内に固定して設けられ得、補助磁気歯車つまり第1の磁気歯車が、回転板と共に回転運動を行うように回転板に連結され得る。
【0036】
本発明の概念のいくつかの実施形態によれば、固定された板つまり第1の円盤の高さが基板の配列平面を調節するように変更される場合において、補助磁気歯車つまり第1の磁気歯車の高さが変更され得る。そのため、磁気歯車を駆動するために、主磁気歯車つまり第2の磁気歯車の配列平面が、補助磁気歯車つまり第1の磁気歯車のそれと同一平面上にあるように制御され得る。
【0037】
静電チャックを用いるためには、第2の円盤と第1の円盤との間に電気相互接続構造を構築する必要があり得る。これのために、回旋板(つまり第1の円盤)および回転板(つまり第2の円盤)は、第1の回転式接続子構造を用いて互いに相互接続され得、回旋板(つまり第1の円盤)は、第2の回転式接続子構造を通じて外部電源に接続され得る。
【0038】
また、工程条件を変更する必要性がある場合において、基板の配列平面が変更され得る。この場合において、回旋板つまり第1の円盤の配列平面を変更するために蛇腹構造を用いることができる。
【0039】
図1は、本発明の概念のいくつかの実施形態による基板処理装置を概略的に例解している断面図である。
【0040】
図2は、
図1の基板処理装置の磁気歯車を概略的に例解している平面図である。
【0041】
図3Aは、
図1の静電チャックを例解している平面図である。
【0042】
【0043】
図1、2、および3を参照すると、基板処理装置100は、本発明の概念のいくつかの実施形態によれば、第1の円盤124と、第2の円盤162と、第1の回転式接続子構造150と、静電チャック170と、第1の磁気歯車140と、第2の磁気歯車130と、を含み得る。第1の円盤124は、第1の円盤124の中心軸から特定の半径内に周期的に配列された複数の着座穴124aを含み得、チャンバー102内に設けられ得、かつ、回転運動を行うように構成され得る。いくつかの実施形態において、複数の第2の円盤162は、それぞれ、着座穴内に設けられ得、かつ、第1の円盤124の回転運動に従って回旋および回転運動を行うように構成され得る。第1の回転式接続子構造150は、第2の円盤162の回転運動を可能にし、かつ、第2の円盤162への電気接続を可能にするために、第2の円盤162と着座穴124aとの間に設けられ得る。静電チャック170は、第1の回転式接続子構造150を通じて供給される電力を用いて基板を保持するように構成され得、かつ、第2の円盤162上に設けられ得る。第1の磁気歯車140は、第2の円盤162に固定され得、かつ、第2の円盤にトルクをかけるように構成され得る。第2の磁気歯車130は、第1の磁気歯車140と相互作用するようにチャンバー102内に配置され得るが、旋回することを妨げられ得る。
【0044】
チャンバー102は、円筒形のチャンバーであり得る。チャンバー102は、薄膜蒸着工程または基板表面処理工程を行うために用いられ得る。気体分配ユニット180が、チャンバー102の内部空間の上部分に設けられ得る。気体分配ユニット180は、長方形の区画を有する円環状構造であり得る。気体分配ユニット180は、底部表面を貫通するように形成される複数の気体射出穴を含み得る。気体射出穴は、蒸着工程が行われるときに、基板10上に気体を射出するように構成され得る。
【0045】
第1の円盤124は、円形の板であり得る。第1の円盤124は、その中心軸の周りで回転するように構成され得る。第1の円盤124は、特定の半径を有する円の周囲に沿って配置され、かつ、同じ距離だけ互いから離間される複数の着座穴124aを含み得る。いくつかの実施形態において、着座穴の数は5である。第1の円盤124は、電線がそこを通過することを可能にするように構成され、かつ、半径方向に延在する経路を有し得る。
【0046】
第2の円盤162は、着座穴124a内に挿入されるように配置され得る。第2の円盤162は、第1の円盤124の旋回運動に従って回旋運動を行うことができる。第2の円盤162は、磁気歯車140および130により回旋および回転運動を行うことができる。回転運動の角速度は、磁気歯車の歯車比により決定され得る。第2の円盤162は、円形の円盤形状であり得、かつ、金属、黒鉛、または石英のうち少なくとも1つで形成されるかまたはこれを含み得る。
【0047】
第1の回転式接続子構造150は、第2の円盤162を包囲するように設けられ得、かつ、着座穴124a内に挿入されるように配置され得る。第1の回転式接続子構造150は、垂直方向に互いから離間される上部軸受け154aおよび下部軸受け154bと、上部軸受けと下部軸受けとの間に設けられた集電環本体155と、集電環本体の外周囲表面上に配列された複数の集電環151と、集電環151に電気的に接続されるブラシと、を含み得る。上部軸受け154aは、第1の円盤124のそれと実質的に同一平面上にある頂部表面を有するように設けられ得、下部軸受け154bは、第2の円盤162のそれと実質的に同一平面上にある底部表面を有するように設けられ得る。上部軸受けおよび下部軸受けのそれぞれは、円環状形状を有するように設けられ得る。集電環本体155は、上部軸受けと下部軸受けとの間に配置され、かつ、電気的に絶縁されるかまたは絶縁物質で形成される円環状構造であり得、かつ、回転可能であるように構成され得る。集電環151は、集電環本体内に埋め込まれ得、集電環本体の外周囲表面を通じて露出され得、かつ、ブラシに電気的に接続され得る。ブラシは、第1の円盤124の上または中に設けられ得、かつ、旋回する集電環151への電気接続路として用いられ得る。
【0048】
静電チャック170は、第2の円盤162の頂部表面上に設けられ得る。第2の円盤162内に形成された電線経路を通過するように設けられる電線を通じて、静電チャック170に電力を供給することができる。静電チャック170は、電線経路を有するように構成され得、電線は、電線経路を通過するように設けられ得、かつ、静電チャック170の電極に電気的に接続され得る。静電チャック170は、静電チャック本体171と、静電チャック本体の頂部表面内に形成され、かつ、凹形状を有する電極着座部分171aと、電極着座部分171aを充填する絶縁部材174と、絶縁部材内に埋め込まれる一対の静電電極172と、を含み得る。静電チャック170は、二極式の静電チャックとしての役割を果たすように構成され得る。静電チャック170は、第1の円盤124の頂部表面よりも高い底部表面を有し得る。電極着座部分171aは、円盤形状の領域であり得、静電チャック本体171および電極着座部分171aの頂部表面は、互いと実質的に同一平面上にあり得る。絶縁部材174は、一対の静電電極を包囲するように設けられ得る。静電電極の底部表面上に設けられた下部絶縁部材174aは、静電電極の頂部表面上に設けられた上部絶縁部材174bのそれよりも大きい厚さを有し得る。下部絶縁部材は、スプレー塗布方法により静電チャック本体上に形成され得、静電電極は、印刷方法により塗布され得る。その後、静電電極はパターン化され得、そして、上部絶縁部材はスプレー塗布方法により形成され得る。絶縁部材174の抵抗率により、絶縁部材174は、クーロン型静電力またはジョンセン・ラーベック型静電力を提供することができる。一対の静電電極172は、そのそれぞれが同心円状のワッシャー形状を有する、第1および第2の静電電極172aおよび172bを含み得る。第2の静電電極172bは、同心円状に第1の静電電極172aを包囲するように設けられ得、第1および第2の静電電極172aおよび172bは、同じ平面上に配置され得る。
【0049】
特定の実施形態において、静電電極172は、アルミニウムで形成されるかまたはこれを含み得、下部絶縁部材174aおよび上部絶縁部材174bは、陽極酸化方法により同時に形成され得る。
【0050】
静電電極172は、同心円状に配列される第1および第2の静電電極172aおよび172bを含み得、第1および第2の静電電極172aおよび172bの間に、高DC電圧を印加することができる。従って、静電保持力により、静電チャック170上に基板を固定することができる。
【0051】
第1の円盤中心軸122は、第1の円盤124の中心軸からチャンバー102の底部表面に向かう方向に延在し得る。第1の円盤中心軸122は、円形の柱形状を有し得、かつ、電線をその中に設けることを可能にする電線経路を含み得る。第1の円盤中心軸122は、第1の円盤124に固定して連結され得る。
【0052】
蛇腹構造116は、第1の円盤中心軸122を包囲するように設けられ得る。蛇腹構造116は、隔絶された状態で第1の円盤中心軸122を密閉して封止するように構成され得、かつ、チャンバー102の底部表面からチャンバー102の外側まで延在し得る。蛇腹構造116は、チャンバー102の底部表面の中心領域を通過するように設けられ得、かつ、第1の円盤中心軸122に対する垂直運動を行うように構成され得る。第1の円盤中心軸122の一部は、蛇腹構造116を通じて外側に露出され得る。
【0053】
第2の回転式接続子構造112が、蛇腹構造116を通過するように設けられる、第1の円盤中心軸122の端部と軸連結され得、かつ、第1の円盤中心軸122の回転運動および第1の円盤中心軸122との電気接続を可能にするように構成され得る。第2の回転式接続子構造112は、第1の回転式接続子構造150のそれと実質的に同じ機能を果たすように構成され得る。第2の回転式接続子構造112は、第1の円盤中心軸122を回転させることを可能にするように構成され得、ここで、外部電源114に接続されるブラシが、第1の円盤中心軸122の電線経路内に設けられる電線に電力を供給するために用いられ得る。第1の回転式接続子構造150を通じて、静電チャック170に電力を供給することができる。
【0054】
回転駆動ユニット110は、第1の円盤中心軸122の端部に連結され得、かつ、第1の円盤中心軸122を回転させるために用いられ得る。回転駆動ユニット110はモータであり得る。蛇腹構造116が伸張または膨張される場合において、回転駆動ユニット110、第2の集電環112、第1の円盤中心軸122、および第1の円盤124は、垂直方向に移動され得る。
【0055】
第1の磁気歯車140は、第2の円盤162にトルクをかけるために第2の円盤162の底部表面に連結され得る。第1の磁気歯車140は、第2の円盤162と固定して連結され、かつ、円形の円盤形状を有する回転磁石支持板142と、交流磁化方向を有するように回転磁石支持板142の周囲表面上に配列され、かつ、特定の距離だけ互いから離間される複数の第1の永久磁石144と、を含み得る。回転磁石支持板142は、円形の円盤形状またはワッシャー形状を有する円形の板であり得る。いくつかの実施形態において、複数の第1の永久磁石144は、同じ距離だけ互いから離間されるように、回転磁石支持板142の外周囲表面上に固定して配列され得る。第1の永久磁石144の磁化方向は、正の半径方向でも負の半径方向でもよく、第1の永久磁石144の磁化方向は、それらの角度に応じて交互に変更され得る。回転磁石支持板142は、渦電流により引き起こされる電力損失を低減するように誘電物質で形成されるかまたはこれを含み得る。
【0056】
第2の磁気歯車130は、第1の磁気歯車140にトルクをかけるために第1の磁気歯車140と係合され得る。第2の磁気歯車130は、チャンバー102の底部表面と第1の円盤124との間に設けられ得、かつ、ワッシャー形状を有する固定磁石支持板132と、交流磁化方向を有するように固定磁石支持板の周囲表面上に配列された複数の第2の永久磁石134と、を含み得る。固定磁石支持板132は、ワッシャー形状の円形の板であり得、固定磁石支持板の配列平面は、回転磁石支持板142のそれと実質的に同じであり得る。固定磁石支持板132の中心軸は、第1の円盤124のそれと一致し得る。渦電流により引き起こされる電力損失を抑制するために、固定磁石支持板132は、誘電物質で形成されるかまたはこれを含み得る。第2の永久磁石134の磁化方向は、正の半径方向でも負の半径方向でもよい。第2の永久磁石134は、固定磁石支持板132の縁周囲表面上で同じ距離をもって互いから離間されるように配列され得る。第1の永久磁石144および第2の永久磁石134は、第2の円盤162の回転状態に応じて、第2の円盤162に引力または斥力をかけるように構成され得、引力または斥力は、第2の円盤162が回旋および回転運動を行うことを可能にするために用いられ得る。
【0057】
工程条件により、第1の円盤124が蛇腹構造116を用いて垂直に移動される場合において、磁気歯車垂直移動ユニット136が、磁気歯車の整列のために、第2の磁気歯車130の垂直位置を変更するために用いられ得る。
【0058】
磁気歯車垂直移動ユニット136は、全くの垂直方向に第2の磁気歯車130を移動させるように構成され得、そのため、第1の磁気歯車140の配列平面を第2の磁気歯車130のそれと一致することを可能にするために用いられ得る。磁気歯車垂直移動ユニット136は、チャンバー102の外側に配置され、かつ、直線運動を行うように構成される磁気歯車垂直駆動ユニット136bと、磁気歯車垂直駆動ユニット136bを第2の磁気歯車130に接続するように構成される接続棒136aと、を含み得る。
【0059】
静電チャック170および第2の円盤162のそれぞれは、少なくとも3つの垂直な通り穴を含み得る。静電チャック170および第2の円盤162の垂直な通り穴は、互いに垂直に整列され得る。第1の円盤124および第2の円盤162が止められる場合において、基板を持ち上げるためのリフトピン194が、垂直な通り穴を通じて挿入され得る。リフトピン駆動ユニット192が、リフトピン194が垂直直線運動を行うことを可能にするために設けられ得る。
【0060】
図4Aは、本発明の概念の他の実施形態による静電チャックを例解している平面図である。
【0061】
【0062】
図4Aおよび4Bを参照すると、静電チャック270は、第2の円盤162の頂部表面上に配置され得る。第2の円盤162内に形成された電線経路を通過するように設けられる電線を通じて、静電チャック270に電力を供給することができる。静電チャック270は、電線経路を有するように構成され得、電線は、電線経路を通過するように設けられ得、かつ、静電チャック270の電極に電気的に接続され得る。静電チャック270は、静電チャック本体171と、静電チャック本体の頂部表面内に形成され、かつ、凹形状を有する電極着座部分171aと、電極着座部分171aを充填する絶縁部材274と、絶縁部材274内に埋め込まれる一対の静電電極272と、を含み得る。静電チャック270は、二極式の静電チャックとしての役割を果たすように構成され得る。静電チャック270は、第1の円盤124の頂部表面よりも高い底部表面を有し得る。電極着座部分171aは、円盤形状の領域であり得、静電チャック本体171および電極着座部分171aの頂部表面は、互いと実質的に同一平面上にあり得る。絶縁部材274は、一対の静電電極272aおよび272bを包囲するように設けられ得る。一対の静電電極272aおよび272bのそれぞれは半円形形状を有し得、静電電極272aおよび272bは、半円形形状の直線部分が互いに向き合うように配列され得る。
【0063】
図5Aは、本発明の概念のさらに他の実施形態による静電チャックを例解している平面図である。
【0064】
【0065】
図5Aおよび5Bを参照すると、静電チャック370は、第2の円盤162の頂部表面上に配置され得る。第2の円盤162内に形成された電線経路を通過するように設けられる電線を通じて、静電チャック370の静電電極372に電力を供給することができる。静電チャック370は、電線経路を有するように構成され得、電線は、電線経路を通過するように設けられ得、かつ、静電チャック370の静電電極372に電気的に接続され得る。静電チャック370は、静電チャック本体371と、静電チャック本体371の頂部表面上に形成され、かつ、ワッシャーまたはドーナツ形状を有する絶縁部材374と、絶縁部材の頂部表面上に設けられ、かつ、パターン化された形状を有する静電電極372と、を含み得る。静電電極372は、方位角方向にくねくねした形状で延在するように、2つの異なる半径(例えば、第1の半径、および、第1の半径よりも大きい第2の半径)を有する2つの円の間に設けられ得る。静電電極372は、伝導性物質(例えば、タングステン)で形成され得、かつ、電流路として用いられ得る。いくつかの実施形態において、静電電極372は、くねくねした細い針金のように成形され得る。