(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】ウエハ支持台
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20220411BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20220411BHJP
H02N 13/00 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/302 101G
H02N13/00 D
(21)【出願番号】P 2019539866
(86)(22)【出願日】2019-03-18
(86)【国際出願番号】 JP2019011170
(87)【国際公開番号】W WO2019188496
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2019-07-22
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-17
(32)【優先日】2018-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】海野 豊
(72)【発明者】
【氏名】本山 修一郎
【合議体】
【審判長】辻本 泰隆
【審判官】恩田 春香
【審判官】小川 将之
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-44345(JP,A)
【文献】特開平11-61448(JP,A)
【文献】特開平10-223742(JP,A)
【文献】特開2000-44343(JP,A)
【文献】特開2002-338365(JP,A)
【文献】特開2003-313078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面にウエハを載置するウエハ載置部を有するセラミック基板と、
前記セラミック基板の内部に埋設されたヒータ電極と、
を備えたウエハ支持台であって、
前記セラミック基板は、コア部と前記コア部の表面に設けられた表層部とを有し、
前記表層部の体積抵抗率は、前記コア部の体積抵抗率よりも高く、
前記コア部の熱伝導率は、前記表層部の熱伝導率よりも高く、
前記表層部は、前記コア部の側面と前記コア部の上面のうち少なくとも前記ウエハによって被覆されない領域に設けられており、
前記コア部及び前記表層部は、いずれも窒化アルミニウム焼結体であり、前記コア部は、前記表層部に比べて粒径の大きな窒化アルミニウム焼結体であり、
前記表層部は、
1質量%未満のTiを含んでいる、
ウエハ支持台。
【請求項2】
前記表層部は、更に、前記コア部の下面にも設けられている、
請求項1に記載のウエハ支持台。
【請求項3】
前記表層部は、更に、前記コア部の上面のうち前記ウエハによって被覆される領域にも設けられている、
請求項1又は2に記載のウエハ支持台。
【請求項4】
前記表層部は、前記コア部の全表面を取り囲むように設けられている、
請求項1~3のいずれか1項に記載のウエハ支持台。
【請求項5】
前記セラミック基板の内部には、前記ヒータ電極以外の電極として静電電極及びRF電極の少なくとも一方が埋設されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載のウエハ支持台。
【請求項6】
前記ヒータ電極以外の電極は、前記セラミック基板の上面と前記ヒータ電極との間に埋設されている、
請求項5に記載のウエハ支持台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハ支持台に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置用部材として、プラズマ処理を施すためのウエハを支持するウエハ支持台が知られている。こうしたウエハ支持台としては、上面にウエハを載置するウエハ載置部を有するセラミック基板と、セラミック基板の内部に埋設されたヒータ電極とを備えたものが知られている。また、セラミック基板の材料としては、熱伝導性及び耐食性に優れる窒化アルミニウム焼結体が好ましいことも知られている。しかし、窒化アルミニウム焼結体は、高温域では体積抵抗率が大きく低下するため、ヒータ電極からのリーク電流が大きくなりウエハ処理の障害になることがある。この点に鑑み、特許文献1では、窒化アルミニウム焼結体の平均粒径を4μm以下、イットリウム酸化物の添加量を0.3~10質量%にすることによって、高温域でも体積抵抗率の高いものにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のセラミック基板側面には高抵抗層がないので、電極とのプラズマカップリングが生じる。さらに高温域での体積抵抗率を高くすることはできるものの熱伝導率は低くなるため、ウエハの均熱性が十分得られないことがあった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ヒータ電極とプラズマとのカップリングを防止すると共にウエハの均熱性を向上させることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のウエハ支持台は、
上面にウエハを載置するウエハ載置部を有するセラミック基板と、
前記セラミック基板の内部に埋設されたヒータ電極と、
を備えたウエハ支持台であって、
前記セラミック基板は、コア部と前記コア部の表面に設けられた表層部とを有し、
前記表層部の体積抵抗率は、前記コア部の体積抵抗率よりも高く、
前記コア部の熱伝導率は、前記表層部の熱伝導率よりも高く、
前記表層部は、前記コア部の側面と前記コア部の上面のうち少なくとも前記ウエハによって被覆されない領域に設けられている、
ものである。
【0007】
このウエハ支持台では、セラミック基板は、コア部とコア部の表面に設けられた表層部とを有し、表層部は、コア部の側面とコア部の上面のうち少なくともウエハによって被覆されない領域に設けられている。ここで、表層部の体積抵抗率は、コア部の体積抵抗率よりも高い。そのため、ウエハにプラズマ処理を施す際に、ウエハのプラズマ処理に障害となる、ヒータ電極とプラズマとのカップリングが生じるのを抑制することができる。一方、コア部の熱伝導率は、表層部の熱伝導率よりも高い。そのため、セラミック基板全体では熱伝導率は比較的高くなることから、ウエハの均熱性が向上する。
【0008】
なお、本明細書において、「上」「下」は、絶対的な位置関係を表すものではなく、相対的な位置関係を表すものである。そのため、セラミックヒータの向きによって「上」「下」は「左」「右」になったり「前」「後」になったり「下」「上」になったりする。
【0009】
本発明のウエハ支持台において、前記表層部は、更に、前記コア部の下面にも設けられていてもよい。こうすれば、セラミック基板の裏面を通してプラズマとのカップリングが生じるのをより抑制することができる。
【0010】
本発明のウエハ支持台において、前記表層部は、更に、前記コア部の上面のうち前記ウエハによって被覆される領域にも設けられていてもよい。つまり、表層部は、コア部の上面全面に設けられていてもよい。こうすれば、ヒータ電極からウエハへのリーク電流を抑制することができる。
【0011】
本発明のウエハ支持台において、前記表層部は、前記コア部の全表面を取り囲むように設けられていてもよい。こうすれば、ヒータ電極とプラズマとのカップリングやヒータ電極からのリーク電流が生じるのをより一層抑制することができる。
【0012】
本発明のウエハ支持台において、前記セラミック基板の内部には、前記ヒータ電極以外の電極として静電電極及びRF電極の少なくとも一方が埋設されていてもよい。セラミック基板の内部に静電電極やRF電極を埋設すると、こうした電極からリーク電流が流れることがある。しかし、本発明のウエハ支持台では、そうしたリーク電流を低減することができる。
【0013】
こうしたウエハ支持台において、ヒータ電極以外の電極は、前記セラミック基板の上面と前記ヒータ電極との間に埋設されていてもよい。この場合、ヒータ電極以外の電極とセラミック基板の上面との間隔が小さくなり、リーク電流が発生しやすくなることから、本発明を適用する意義が高い。
【0014】
本発明のウエハ支持台において、前記コア部及び前記表層部は、主成分が窒化アルミニウムであることが好ましい。窒化アルミニウムは、熱伝導性及び耐食性に優れているからである。
【0015】
本発明のウエハ支持台を構成するセラミック基板を製造するには、例えば、(1)コア部の原料粉末を成形したあと焼成してコア部を作製し、続いてコア部の所定の表面に表層部の原料粉末を供給して成形し、それを焼成してもよいし、あるいは、(2)モールドキャスト成形でコア部の原料粉末の成形体と表層部の原料粉末の成形体を別々に作製し、それらを一体化したものを焼成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。
図1はセラミックヒータ10の斜視図、
図2は
図1のA-A断面図、
図3はセラミック基板20の製造工程図である。
【0018】
セラミックヒータ10は、本発明のウエハ載置台の一例であり、セラミック基板20と、筒状シャフト30とを備える。
【0019】
セラミック基板20は、上面21にウエハWを載置するウエハ載置面22を有する。セラミック基板20の直径は、例えば300mm程度であり、厚みは、例えば20mm程度である。ウエハ載置面22は、セラミック基板20の上面21の中央に設けられた凹み部である。上面21には、ウエハ載置面22を取り囲みウエハ載置面22よりも一段高い環状面23が設けられ、ウエハ載置面22と環状面23との間には傾斜面からなるバンク24が設けられている。つまり、上面21は、ウエハ載置面22と環状面23とバンク24とを有している。
【0020】
セラミック基板20は、
図2に示すように、セラミック基板20とほぼ同形状のコア部20aと、セラミック基板20の表面に設けられた表層部20bとを有する。コア部20aは、セラミック基板20の中心をなすものである。表層部20bは、コア部20aの全表面、すなわちコア部20aの上面20a1、側面20a2及び下面20a3を取り囲むように設けられている。表層部20bの体積抵抗率は、コア部20aの体積抵抗率よりも高く、コア部20aの熱伝導率は、表層部20bの熱伝導率よりも高い。コア部20a及び表層部20bは、いずれも主成分が窒化アルミニウムである。体積抵抗率が低く熱伝導率の高いコア部20aの材料としては、例えば粒径の大きな窒化アルミニウム焼結体が挙げられる。体積抵抗率が高く熱伝導率の低い表層部20bの材料としては、例えば粒径の小さな窒化アルミニウム焼結体などが挙げられる。コア部20a及び表層部20bの材料の一例を表1に示す。表層部20bの厚みは、特に限定するものではないが、例えば1~5mmとしてもよい。
【0021】
【0022】
セラミック基板20のコア部20aには、ヒータ電極26とRF電極28とが埋設されている。ヒータ電極26は、Moを主成分とするコイルをセラミック基板20の全面にわたって一筆書きの要領で配線したものである。ヒータ電極26の両端には、それぞれ給電部材(図示せず)が接続されている。給電部材は、筒状シャフト30の中空内部を通って外部電源(図示せず)に接続されている。RF電極28は、セラミック基板20よりもやや小径の円盤状の薄層電極であり、Moを主成分とする細い金属線を網状に編み込んでシート状にしたメッシュで形成されている。このRF電極28は、セラミック基板20のうちヒータ電極26とウエハ載置面22との間に埋設されている。なお、ヒータ電極26やRF電極28の材質をMoとしたのは、セラミック基板20を構成する窒化アルミニウムと熱膨張係数が近く、セラミック基板20の製造時や熱サイクルを繰り返した時などにクラックが生じにくいからである。RF電極28の中央付近には、給電部材(図示せず)が接続されている。RF電極28は、プラズマを発生させる際に用いられる。
【0023】
筒状シャフト30は、窒化アルミニウムを主成分とするセラミック製の円筒部材であり、上部開口の周囲に第1フランジ31、下部開口の周囲に第2フランジ32を有している。第1フランジ31の端面は、セラミック基板20の下面25に固相接合又は拡散接合されている。
【0024】
次に、セラミックヒータ10の使用例について説明する。図示しないチャンバ内にセラミックヒータ10を配置し、ウエハ載置面22にウエハWを載置する。そして、RF電極28に交流高周波電圧を印加することにより、チャンバ内の上方に設置された図示しない対向水平電極とセラミック基板20に埋設されたRF電極28とからなる平行平板電極間にプラズマを発生させ、そのプラズマを利用してウエハWにCVD成膜を施したりエッチングを施したりする。また、図示しない熱電対の検出信号に基づいてウエハWの温度を求め、その温度が予め定められた設定温度になるようにヒータ電極26へ印加する電圧を制御する。
【0025】
次に、セラミックヒータ10を構成するセラミック基板20の製造例について説明する。
図3はセラミック基板20の製造工程図である。まず、セラミック基板20のコア部20aを作製するための第1成形体50aをモールドキャスト成形で作製する(
図3(A)参照)。第1成形体50aは、ヒータ電極26とRF電極28とを内蔵している。第1成形体50aの作製には、チタニアやマグネシアなどの添加物を含まない窒化アルミニウム粉末を用いる。モールドキャスト成形とは、ゲルキャスト成形と呼ばれることもある周知の方法であり、その詳細は例えば特許第5458050号公報などに開示されている。この公報には、セラミック成形体の内部に2層の電極を埋設したセラミック成形体の作製方法が記載されているため、その方法に準じて第1成形体50aを作製し、脱脂する。続いて、セラミック基板20の表層部20bを作製するための第2成形体50bの下部半割体50b1と上部半割体50b2をモールドキャスト成形で作製し、脱脂する(
図3(B)参照)。これらの半割体50b1,50b2の作製には、窒化アルミニウム粉末にチタニアやマグネシアなどを少量(例えば1質量%以下)添加したものを用いる。続いて、これらの半割体50b1,50b2と第1成形体50aとを一体化して統合成形体50とする(
図3(C)参照)。この統合成形体50をホットプレス焼成することにより、第1成形体50aがコア部20a、第2成形体50bが表層部20bになり、セラミック基板20が得られる(
図3(D)参照)。コア部20aは、添加物を含まない窒化アルミニウム粉末の成形体を焼結させたものであるのに対し、表層部20bは、チタニアやマグネシアを含む窒化アルミニウム粉末を焼結させたものであるため粒成長しにくい。そのため、表層部20bの窒化アルミニウム焼結体は、コア部20aの窒化アルミニウム焼結体に比べて、粒径が小さくなる。窒化アルミニウム焼結体は、粒径が小さいほど、体積抵抗率が高くなるが熱伝導率が低くなる。そのため、体積抵抗率は、表層部20bの方がコア部20aのよりも高くなり、熱伝導率は、コア部20aの方が表層部20bよりも高くなる。
【0026】
以上詳述したセラミックヒータ10では、体積抵抗率の高い表層部20bが、体積抵抗率の低いコア部20aの上面20a1、側面20a2及び下面20a3に設けられている。つまり、表層部20bがコア部20aの全表面を取り囲むように設けられている。そのため、ウエハWにプラズマ処理を施す際に、ウエハWのプラズマ処理に障害となる、ヒータ電極26とプラズマとのカップリングが生じるのを抑制することができる。一方、セラミック基板20の中心にあるコア部20aの熱伝導率は、セラミック基板20の表層部20bの熱伝導率よりも高い。そのため、セラミック基板20の全体では熱伝導率は比較的高くなることから、ウエハWの均熱性が向上する。
【0027】
特に、表層部20bは、セラミック基板20の上面21の全面に設けられている。すなわち、表層部20bは、セラミック基板20の上面21のうちウエハWによって被覆されない領域(環状面23及びバンク24)だけでなくウエハWによって被覆される領域(ウエハ載置面22)にも設けられている。そのため、ヒータ電極26やRF電極28からウエハWへのリーク電流を抑制することができる。また、表層部20bは、セラミック基板20の下面25の全面にも設けられている。そのため、セラミック基板20の裏面を通してプラズマとのカップリングが生じるのを抑制することができる。
【0028】
また、RF電極28は、セラミック基板20の上面21とヒータ電極26との間に埋設されている。そのため、RF電極28とセラミック基板20のウエハ載置面22との距離(つまり誘電体層の厚み)が小さくなる。RF電極28には高電圧が印加されるため、誘電体層の厚みが小さいほど、リーク電流が発生しやすくなる。こうしたことから、本発明を適用する意義が高い。
【0029】
更に、セラミック基板20のコア部20a及び表層部20bは、主成分が窒化アルミニウムであるため、熱伝導性及び耐食性に優れる。
【0030】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0031】
例えば、上述した実施形態では、セラミック基板20のコア部20aの上面20a1、側面20a2及び下面20a3に体積抵抗率が高く熱伝導率の低い表層部20bを設けたが、
図4に示すように、コア部20aの下面20a3に表層部20bを設けないようにしてもよい。下面20a3を介してヒータ電極26とプラズマとのカップリングが生じるおそれが比較的低いからである。あるいは、
図5に示すように、上面20a1のうちウエハWによって覆われない領域(環状面23及びバンク24)に表層部20bを設け、ウエハWによって覆われる領域(ウエハ載置面22)に表層部20bを設けないようにしてもよい。ウエハ載置面22はウエハWによって覆われるためウエハWにプラズマ処理を施す際にプラズマに晒されないからである。なお、
図5のウエハ載置面22はバンク24の内周縁よりやや高くなっている。
図4及び
図5では上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。
図5において、
図4のようにコア部20aの下面20a3に表層部20bを設けないようにしてもよい。
【0032】
上述した実施形態では、セラミック基板20の上面21の中央に設けた凹み部をウエハ載置面22としたが、
図6に示すように、上面21に凹み部を設けずウエハ載置面22と環状面23とを同一平面としてもよい。あるいは、
図7に示すように、上面21に凹み部を設けずウエハ載置面22を上面21の全面としてもよい。
図6及び
図7では上述した実施形態と同じ構成要素については同じ符号を付した。
【0033】
上述した実施形態では、セラミック基板20のコア部20aにRF電極28を埋設したが、RF電極28を省略してもよいし、RF電極28に代えて又は加えて静電電極をコア部20aに埋設してもよい。静電電極を埋設した場合、ウエハ載置面22にウエハWを載置したあと静電電極に電圧を印加することによりウエハWをウエハ載置面22に静電吸着することができる。静電電極は、ウエハ載置面22とヒータ電極26との間に埋設してもよい。
【0034】
上述した実施形態では、ストレート形状の筒状シャフト30を例示したが、特に筒状シャフト30の形状はストレート形状に限定されない。例えば、筒状シャフトの下端から所定高さまではストレート部とし、所定高さから上端まではストレート部の径よりも大きな拡管部としてもよい。拡管部の一部又は全部は、上端に近づくほど径が大きくなるようにしてもよい。
【0035】
上述した実施形態では、ヒータ電極26をセラミック基板20の全面にわたって一筆書きの要領で配線したが、セラミック基板20を複数のゾーンに分けてゾーンごとにヒータ電極を配線してもよい。
【0036】
上述した実施形態では、セラミック基板20のコア部20aと表層部20bは窒化アルミニウムを主成分とするセラミック製としたが、主成分を窒化アルミニウム以外の成分、例えばアルミナや窒化珪素、炭化珪素、コージェライトなどにしてもよい。
【0037】
上述した実施形態では、ヒータ電極26としてコイルを用いたが、コイルの代わりにリボン(扁平な平)を用いてもよい。ヒータ電極26としてリボンを用いる場合、金属ペースト(例えばMoペースト)を印刷することによりヒータ電極26を作製することができる。
【0038】
上述した実施形態では、ヒータ電極26及びRF電極28はMoを主成分とする材料で作製したが、特にこれに限定されるものではなく、他の高融点金属(例えばWなど)を主成分とする材料で作製してもよい。
【0039】
本出願は、2018年3月26日に出願された米国仮出願第62/647,970号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、例えば半導体製造装置の構成部品として利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
10 セラミックヒータ、20 セラミック基板、20a コア部、20a1 上面、20a2 側面、20a3 下面、20b 表層部、21 上面、22 ウエハ載置面、23 環状面、24 バンク、25 下面、26 ヒータ電極、28 RF電極、30 筒状シャフト、31,32 フランジ、50 統合成形体、50a 第1成形体、50b 第2成形体、50b1 下部半割体、50b2 上部半割体。