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特許7055813数値制御工作機械で使用されるデータインターフェース装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】数値制御工作機械で使用されるデータインターフェース装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20220411BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019543754
(86)(22)【出願日】2018-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-19
(86)【国際出願番号】 EP2018053687
(87)【国際公開番号】W WO2018149879
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2020-08-19
(31)【優先権主張番号】102017202360.0
(32)【優先日】2017-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508268090
【氏名又は名称】デッケル マホ プフロンテン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】DECKEL MAHO Pfronten GmbH
【住所又は居所原語表記】DECKEL-MAHO-Strasse 1, 87459 Pfronten, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ケッテマー, ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】フォルツナー, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ラウシュ, ゲルハルト
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-527637(JP,A)
【文献】特開平05-020332(JP,A)
【文献】特開2004-013665(JP,A)
【文献】特表2009-505277(JP,A)
【文献】国際公開第2010/106795(WO,A1)
【文献】特開2004-295348(JP,A)
【文献】国際公開第2007/049704(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0106345(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
数値制御工作機械(100)の複数のアクチュエータ(110)を制御する制御装置(200)を備える数値制御工作機械(100)と外部データ処理装置(400;500)との間のデータ伝送のためのデータインターフェース装置であって、前記データインターフェース装置(300)は、
前記工作機械(100)の前記制御装置(200)とのデータ伝送のための制御インターフェースユニット(310)と、
前記制御インターフェースユニット(310)を介して少なくとも受信されたデータを処理するデータ処理装置(330)と、
前記制御インターフェースユニット(310)を介して受信されたデータおよび/または前記データ処理装置(330)によって処理されたデータを記憶する第1の記憶媒体(370)と、コンフィギュレーションデータ(361)を記憶する第2の記憶媒体(360)とを有するデータ記憶装置(350)と、
前記外部データ処理装置(400;500)とのデータ伝送のための通信ユニット(340)と、
を有し、
前記コンフィギュレーションデータ(361)は、第1のグループの通信プロトコルから工作機械(100)の制御装置(200)によって使用される通信プロトコルと、第2のグループの通信プロトコルから外部データ処理装置(400;500)によって使用される通信プロトコルとを示し、
前記制御インターフェースユニット(310)は、データ伝送用に、前記第1のグループの通信プロトコルから通信プロトコルの各々を使用すると共に、前記コンフィギュレーションデータ(361)に基づいて、前記工作機械(100)の前記制御装置(200)とのデータ伝送用に、前記工作機械(100)の前記制御装置(200)によって使用される通信プロトコルを選択するように構成され、
前記通信ユニット(340)は、データ伝送用に、前記第2のグループの通信プロトコルから通信プロトコルの各々を使用すると共に、前記コンフィギュレーションデータに基づいて、前記外部データ処理装置(400;500)とのデータ伝送用に、前記外部データ処理装置(400;500)によって使用される通信プロトコルを選択するように構成されている、ことを特徴とするデータインターフェース装置。
【請求項2】
前記制御インターフェースユニット(310)は、各工作機械(100)に接続された複数の制御装置(200)と並列にデータを伝送するように構成され、
前記接続された制御装置(200)の各々に対するコンフィギュレーションデータ(361)は、前記第1のグループの通信プロトコルから前記各制御装置(200)によって使用される通信プロトコルを示し、
前記制御インターフェースユニット(310)は、前記コンフィギュレーションデータ(361)に基づいて、前記接続された制御装置(200)のうちの1つとのデータ伝送用に、前記1の制御装置(200)によって使用される通信プロトコルを選択すると共に、前記コンフィギュレーションデータに基づいて、前記接続された制御装置(200)のうちの他のものとのデータ伝送用に、他の制御装置(200)によって使用される通信プロトコルを選択するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のデータインターフェース装置。
【請求項3】
前記通信ユニット(340)は、接続された複数の外部データ処理装置(400、500)に並列にデータを伝送するように構成され、
前記接続された外部データ処理装置(400、500)の各々に対するコンフィギュレーションデータ(361)は、前記第2のグループの通信プロトコルから、前記外部データ処理装置の各々によって使用される通信プロトコルを示し、
前記通信ユニット(340)は、前記コンフィギュレーションデータ(361)に基づいて、前記接続された外部データ処理装置の1つとのデータ伝送用に、前記接続された外部データ処理装置の1つによって使用される通信プロトコルを選択すると共に、前記コンフィギュレーションデータ(361)に基づいて、前記接続された外部データ処理装置の他の1つとのデータ伝送用に、前記接続された外部データ処理装置の他の1つによって使用される通信プロトコルを選択するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のデータインターフェース装置。
【請求項4】
1つまたは複数の工作機械のコンフィギュレーションデータ(361)は、各々が、各工作機械(100)の機械状態に関するセンサ信号を、各工作機械(100)の制御装置(200)に出力する複数のセンサ(120)を備え、前記各工作機械(100)のセンサの各グループと、および/または読み出しと、各工作機械(100)のセンサのグループのセンサ信号に対する処理規則と、を示し、
前記データインターフェース装置(300)は、前記コンフィギュレーションデータ(361)において示された読み出し規則に基づいて、前記制御インターフェースユニット(310)を介して、前記コンフィギュレーションデータ(361)において示された前記工作機械(100)のセンサのグループのセンサ信号のセンサ信号値を読み出す読み出しユニット(320)を備え、および/または、
前記データ処理装置(330)は、前記読み出しユニット(320)によって読み出された前記センサ信号値を、前記コンフィギュレーションデータ(361)において指定された処理規則に基づいて、集約されたセンサデータへと処理するように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載のデータインターフェース装置。
【請求項5】
前記データ処理装置(330)は、特に前記制御インターフェースユニット(310)を介して受信されたデータに基づいて、前記データ処理装置(330)によって処理されたデータに基づいて、および/または前記データ記憶装置(350)によって記憶されたデータに基づいて、前記第1および第2のグループの通信プロトコルとは無関係な所定のデータフォーマットのデータセットを生成するように構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一に記載のデータインターフェース装置。
【請求項6】
生成されたデータセットの各々は、識別データを含み、前記識別データは、生成されたデータセットと共に、1つまたは複数の工作機械のアイデンティティ、1つまたは複数の工作機械コンポーネントのアイデンティティ、および/または1つまたは複数のセンサのアイデンティティを示すことを特徴とする請求項5に記載のデータインターフェース装置。
【請求項7】
生成されたデータセットの各々は、値データと、前記値データに関連する1つ以上のタイムスタンプとを示し、
前記値データは、データ値を示し、
前記データ値は、1つ以上のセンサ信号および/または制御信号値、複数の信号値から計算された1つ以上のデータ値、および/または1つ以上の工作機械の機械状態を示す1つ以上の状態値を示すことを特徴とする請求項5または6に記載のデータインターフェース装置。
【請求項8】
データタイプは、各データセットに対して、および/または前記値データの各値に対して指定され、
前記データタイプは、対応する値が、対応する工作機械の動作における機械状態、信号値、または動作現象を記載してるか否かを示すことを特徴とする請求項7に記載のデータインターフェース装置。
【請求項9】
前記データ処理装置(330)は、前記第2の記憶媒体(360)に記憶された署名データに基づいて、電子署名を生成されたデータセットに追加し、及び/またはデータセットに追加された署名を検証するように構成されていることを特徴とする請求項5から8のいずれか一に記載のデータインターフェース装置。
【請求項10】
前記データ処理装置(330)は、前記第2の記憶媒体(360)に記憶された暗号化データに基づいて、生成されたデータセットを暗号化し、および/または、前記第2の記憶媒体(360)に記憶された暗号化データに基づいて暗号化されたデータセットを復号するように構成されることを特徴とする請求項5から9のいずれか一に記載のデータインターフェース装置。
【請求項11】
前記データ処理装置(330)は、さらに、識別署名を生成されたデータセットに追加するように構成されていることを特徴とする請求項5から10のいずれか一に記載のデータインターフェース装置。
【請求項12】
前記通信ユニット(340)は、前記外部データ処理装置(400;500)とのデータ伝送のために、ヘッダデータおよびユーザーデータを含むデータパケットを生成するように構成され、
前記ヘッダデータは、前記外部データ処理装置(400;500)によって使用される通信プロトコルに基づいて生成され、
前記ユーザーデータは、前記第1および第2のグループの通信プロトコルからは独立したデータフォーマットの前記データ処理装置(330)によって生成される1つまたは複数のデータセットを備えることを特徴とする請求項5から11のいずれかに記載のデータインターフェース装置。
【請求項13】
前記制御インターフェースユニット(310)は、前記制御装置(200)とのデータ伝送のために、ヘッダデータを含むデータパケットを生成するように構成され、
前記ヘッダデータは、前記制御装置(200)によって使用される通信プロトコルに基づいて生成されることを特徴とする請求項5から12のいずれか一に記載のデータインターフェース装置。
【請求項14】
前記データ処理装置(330)は、前記コンフィギュレーションデータ(361)において指定された処理規則に基づいて、規則的な時間間隔で、特に前記コンフィギュレーションデータ(361)において指定された1つまたは複数のデータセットを生成し、それらを、特に、前記第2のグループの1つまたは複数の通信プロトコルに従い、1つまたは複数のデータパケット内の前記1つまたは複数のデータセットを伝送するインストラクションと共に、前記通信ユニット(340)に伝送することを特徴とする請求項5から13のいずれか一に記載のデータインターフェース装置。
【請求項15】
前記通信ユニット(340)は、前記第2のグループの1つ以上の通信プロトコルによる1つ以上のデータパケット内の1つ以上のデータセットを、パブリッシュ・サブスクライブ・モデルによる複数の接続された外部データ処理装置(400、500)に伝送するように構成され、
前記コンフィギュレーションデータ(361)は、特に、登録加入者として、前記接続された外部データ処理装置のうちの1つ以上を示す加入者識別データを含むことを特徴とする、請求項14に記載のデータインターフェース装置。
【請求項16】
前記通信ユニット(340)は、請求項1から15の一に記載の他のデータインターフェース装置(300)の制御インターフェースユニット(310)に、直接またはデータネットワークを介して接続可能なデータセット出力ユニット(342)を備え、前記データ処理装置(300)によって生成されたデータセットを前記他のデータインターフェース装置(300)に伝送することを特徴とする請求項1から15のいずれか一に記載のデータインターフェース装置。
【請求項17】
前記制御インターフェースユニット(310)は、請求項1から16のいずれか一に記載の他のデータインターフェース装置(300)の通信ユニット(340)に、直接またはデータネットワークを介して接続可能なデータセット受信ユニット(311)を備え、データ処理装置(330)によって生成された前記他のデータインターフェース装置(300)のデータセットを受信することを特徴とする請求項1から16のいずれか一に記載のデータインターフェース装置。
【請求項18】
前記通信ユニット(340)は、外部データ処理装置からコンフィギュレーションインストラクションを受信するように構成され、
前記データ処理装置(330)は、前記データ記憶装置(350)に記憶されたコンフィギュレーションデータを修正し、および/または、前記通信ユニット(340)を介して受信されたコンフィギュレーションインストラクションに基づいて新しいコンフィギュレーションデータを記憶するように構成されていることを特徴とする請求項1から17のいずれか一に記載のデータインターフェース装置。
【請求項19】
前記データ記憶装置(350)は、データインターフェース(390)を有し、
前記データインターフェース(390)は、データバックアップおよび/または長期記憶のために、特に、同期、非同期データ伝送、またはデータミラーリングに従い、データバックアップおよび/または長期記憶のために、外部接続されたデータ記憶装置(800)に、前記第1のデータ記憶媒体(370)に記憶されたデータを伝送するように構成され、
前記データミラーリングは、規則的な間隔で、または、前記第1のデータ記憶媒体に記憶されたデータ量の限界値を超えたときに実行されることを特徴とする請求項1から18のいずれか一に記載のデータインターフェース装置。
【請求項20】
前記外部データ記憶装置は、ローカルまたはグローバルネットワークを介して接続され、外部データサーバ、ウェブサーバ、外部メッセージブローカユニット、および/または請求項1から19のいずれか一に記載の他のデータインターフェース装置を備え、または、前記外部データ記憶装置は、外部データサーバ、ウェブサーバ、外部メッセージブローカユニット、および/または請求項1から19のいずれか一に記載の他のデータインターフェース装置(300)であることを特徴とする請求項1から19のいずれか一に記載のデータインターフェース装置。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一に記載の1つまたは複数のデータインターフェース装置(300)と、
ローカルまたはグローバルデータネットワーク(600)を介して前記データインターフェース装置(300)の少なくとも1つの通信ユニット(340)に接続される1つまたは複数の外部データ処理装置(400、500)と
を備え、
特に、前記データインターフェース装置(300)の少なくとも1つの一の通信ユニット(340)は、ローカルまたはグローバルデータネットワーク(600)を介して別のデータインターフェース装置の制御インターフェースユニット(310)に接続されていることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値制御工作機械と外部データ処理装置との間のデータ伝送のためのデータインターフェース装置に関し、特に、1つまたは複数の数値制御工作機械と1つまたは複数の外部データ処理装置(例えば、コンピュータ、サーバ若しくはコンピュータ、またはサーバネットワーク)との間の工作機械データの伝送のためのデータインターフェース装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、数値制御工作機械が知られており、各工作機械は、工作機械の複数のアクチュエータを制御するための制御装置と、工作機械の機械状態に関するセンサ信号を制御装置に出力するための複数のセンサとを備える。
【0003】
工作機械上での工作物の加工中、又は動作中の工作機械の機械状態の評価、表示又は監視のために、プロセッサ制御メモリユニット(いわゆる「データロガー」)が、工作機械の制御ユニットの上に又は工作機械の制御ユニットに設けられることが知られている。このメモリユニットは、工作機械のセンサの全ての利用可能なセンサ信号を、1つの記憶媒体に同じサンプリング周波数又は読出周波数で個々のチャネルに記憶するが、工作機械の制御装置(NC制御及び/又はPLC又はSPS)の型式依存性に左右される。
【0004】
したがって、様々な工作機械のための従来技術から周知のデータロガーによって、すべての利用可能なセンサからの純粋なセンサ値データのアンフィルタリングおよび不適合なフラッドが記憶され、これらは工作機械に依存し、制御に依存する。
【0005】
一方で、これは、大量かつ混乱を招くように収集されたデータにつながり、他方では、収集されたデータを、工作機械および/または制御から独立した態様で評価または表示することを困難にする。
【0006】
さらに、工作機械用の制御装置(NC/PLC)は、異なる製造業者によって提供され、それぞれが、別々の、部分的に独自のデータインターフェースを有することが知られている。この目的のために、工作機械制御装置は、最も一般的には、制御装置からデータを読み出すための、または制御装置から外部データ処理装置へデータを受信するための通信プロトコルを提供する。機械制御によってサポートされる、かかる通信プロトコルは、部分的に非常に発散的であり、一般に、組み合わせることも統合することもできない。既知の制御は、既知のシステム、例えばUDI、RFC、またはOPCベースのシステムに帰着するが、いくつかの制御製造業者の制御は、個々の独自の通信プロトコルを使用する。
【0007】
このことは、様々なメーカーの制御装置による、複数の工作機械から外部データ処理装置への均一な方法で均一なデータの伝送の提供を困難にしてしまう。このようなデータの伝送の提供は、例えば、様々なメーカーの、または、異なる制御サプライヤーの制御を用いた、工作機械の機械状態データの読み出し及び処理、または、工作機械の機械状態の監視をできるだけ均一かつ簡単な方法でするために行われるものである。
【0008】
これに関連して、ユニバーサル通信プロトコル(いわゆるマシン間通信プロトコルまたはM2M通信プロトコル)が提供されることが知られており、データ伝送のためにユニバーサルM2M通信プロトコルを使用する単一の外部データ伝送インターフェースを用いてマシンツール制御を提供するという基本的なアイデアがある。
【0009】
しかしながら、様々な係るM2M通信プロトコルが従来技術で知られており、これらの公知のM2M通信プロトコルの1つが、将来使用される標準プロトコルとして普及することは予見できない。公知のM2M通信プロトコルは、例えば、プロトコルOPC UA、MTConnect、AMPQ又はMQTTである。
【0010】
工作機械制御装置のより新しいバージョンが1つまたは複数のM2M通信プロトコルをサポートする場合、またはM2M通信プロトコルのより新しいバージョンが相互の互換性を許容する場合であっても、制御装置の古い既存のバージョンは、依然として、既に使用されている工作機械において改造または交換される必要がある。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、上記課題を回避することができる数値制御工作機械において用いられるデータ記憶装置を提供することにある。
【0012】
上述の問題に関して、特に、本発明の目的は、工作機械と外部データ処理装置(例えば、サーバまたはサーバネットワーク)との間のデータ伝送ソリューションを提供することである。外部データ処理装置によって、特に、複数の様々な工作機械(部分的には、様々なシリーズおよび様々な製造年のものであり、部分的には、様々な製造業者および様々な制御バージョンの非常に異なる制御装置を有する)と、工作機械の状態監視のための外部データ処理装置とを有するシステムにおいて、単純、効率的、かつ信頼性のある方法で、データ交換および均一な機械状態監視を可能にする。
【0013】
特に、本発明の目的は、様々な制御装置を有する様々な工作機械の機械状態を監視するための、標準化された、より簡単な、より明確なデータ伝送またはデータインターフェースソリューションを提供することである。このデータ伝送またはデータインターフェースソリューションは、さらに、工作機械のタイプおよび/または制御装置のタイプにかかわらず汎用的に使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明によれば、独立請求項1に記載の数値制御工作機械で使用するためのデータインターフェース装置が提案される。従属請求項、システム請求項または関連する請求項は、本発明の好ましい実施形態に関する。
【0015】
本発明の一態様によれば、外部データ処理装置と数値制御工作機械との間のデータ伝送のためのデータインターフェース装置が提案され、このデータインターフェース装置は、工作機械の複数のアクチュエータを制御するための制御装置を備える。
【0016】
本発明の一態様によれば、データインターフェース装置は、それぞれの工作機械の1つまたは複数の制御装置とのデータ伝送のための制御インターフェースユニットを備える。
【0017】
そのような制御インターフェースユニットは、1つまたは複数のコンピュータファシリティのソフトウェアコンポーネントとして、および、1つまたは複数のコンピュータファシリティのハードウェアコンポーネントとして、または組合せとして提供され得る。制御インターフェースユニットは、例えばローカルまたはグローバルネットワークを介して、それぞれの工作機械の1つまたは複数の制御装置(NCおよび/またはPLC制御装置)に直接または間接的に接続されることができ、あるいは制御装置に統合されることもできる。
【0018】
本発明の一態様によれば、データインターフェース装置は、好ましくは、データ、特に工作機械データ又は信号値データ(例えば工作機械のセンサ及び/又は制御信号)、特に少なくとも制御インターフェースユニットを介して受信されたデータを処理するためのデータ処理装置を含む。
【0019】
本発明の一態様によれば、データインターフェース装置は、好ましくは、制御インターフェースユニットを介して受信されたデータ、および/または、データ処理によって処理されたデータを記憶するための第1の記憶媒体(例えば、好ましくは、1つまたは複数のハードディスクおよび/または1つまたは複数のSSD記憶媒体の形態をとる不揮発性記憶媒体)と、コンフィギュレーションデータを記憶するための第2の記憶媒体(例えば、好ましくは、例えば、1つまたは複数のハードディスクおよび/または1つまたは複数のSSD記憶媒体の形態をとる不揮発性記憶媒体、または場合によっては不揮発性RAMまたはNVRAM)とを有する第1のデータ記憶装置を備える。
【0020】
本発明の一態様によれば、データインターフェース装置は、好ましくは、1つまたは複数の外部データ処理装置とのデータ伝送のための通信ユニットを備える。そのような通信ユニットは、1つまたは複数のコンピュータファシリティのソフトウェアコンポーネントとして、および1つまたは複数のコンピュータファシリティのハードウェアコンポーネントとして、または組み合わせとして提供され得る。通信ユニットは、例えば、ローカルまたはグローバルネットワークを介して、1つまたは複数の外部データ処理装置(例えば、コンピュータ、工作機械フロントエンド制御装置、データサーバ、ウェブサーバ、データベースシステム、およびクラウドシステム)に直接または間接的に接続されることができる。
【0021】
本発明の一態様によれば、コンフィギュレーションデータは、好ましくは、それぞれの工作機械の1つまたは複数の制御装置について、通信プロトコルの第1のグループからそれぞれの工作機械のそれぞれの制御装置によって使用されてサポートされる通信プロトコルを示すことができる。
【0022】
それによって、通信プロトコルの第1のグループは、好ましくは、OPCベースの通信プロトコル、UDIベースの通信プロトコル、および/または、シーメンス(Siemens)、ハイデンハイン(Heidenhain)、ファンク(Fanuc)、三菱(Mitsubishi)などからのNC/PLC制御システムなど、様々な製造業者からの様々な工作機械制御によってそれぞれサポートされる独自の通信プロトコルなど、様々な製造業者からの工作機械制御装置、又は制御バージョンによってサポートされるいくつかの通信プロトコルを含む。
【0023】
本発明の一態様によれば、コンフィギュレーションデータは、好ましくは、1つまたは複数の外部データ処理装置に対する、第2のグループの通信プロトコルからそれぞれの外部データ処理装置によって使用またはサポートされる通信プロトコルを示すことができる。
【0024】
特に、第2のグループの通信プロトコルは、それによって、好ましくは、OPC UAに基づく通信プロトコル、MQTTに基づく通信プロトコル、MTConnectに基づく通信プロトコル、および/またはAMPQに基づく通信プロトコルなどの、いわゆるユニバーサルM2M通信プロトコルを場合によっては含む、いくつかのM2M通信プロトコル(「M2M」 for machine-to-machine)を含む。
【0025】
第1および第2のグループの通信プロトコルは、それぞれ異なる通信プロトコルを含むことができるだけであるが、1つのグループの1つまたは複数の通信プロトコルも他のグループに含まれるという意味で重複することもできることに留意されたい。
【0026】
機能的な実施形態によれば、制御インターフェースユニットは、好ましくは、(特に工作機械制御装置または工作機械制御装置を用いて)データ伝送のために第1のグループの通信プロトコルからの通信プロトコルのそれぞれを使用またはサポートするように構成されている。
【0027】
これは、特に好ましくは、制御インターフェースユニットが、好ましくは、第1のグループから様々な通信プロトコルのデータパケットを受信し、復号するように(特に、それぞれの通信プロトコルに応じた任意のヘッダデータを復号するように)構成されることを意味する。好ましくは、これはまた、制御インターフェースユニットが、好ましくは、第1のグループからの様々な通信プロトコルのデータパケットを送信し、符号化するように(特に、それぞれの通信プロトコルに応じた任意のヘッダデータを符号化または生成するように)構成されることを意味する。さらに、これは、特に、制御インターフェースユニットが、通信接続を確立し、および/または、通信またはデータ送信のために第1のグループの通信プロトコルをサポートまたは使用する装置とのデータ送信(好ましくは、双方向)を実行することができることを意味する。
【0028】
機能的な実施形態によれば、制御インターフェースユニットは、好ましくは、工作機械の制御装置とのデータ伝送のために、コンフィギュレーションデータに基づいて、それぞれの工作機械のそれぞれの制御装置によって使用される通信プロトコルを選択するように、特に、通信接続を確立するために、および/またはデータ伝送を実行するために、それによって使用またはサポートされる通信プロトコルを用いて対応する制御装置と通信を行うように構成される。
【0029】
機能的な実施形態によれば、通信ユニットは、好ましくは、データ伝送のために、特に、1つ以上の外部データ処理装置とのデータ伝送のために、第2のグループの通信プロトコルからの通信プロトコルの各々を使用またはサポートするように構成されている。
【0030】
これは、特に好ましくは、通信ユニットが、第2のグループからの様々な通信プロトコルのデータパケットを送信および符号化するように(特に、それぞれの通信プロトコルに応じて任意のヘッダデータを符号化または生成するように)構成されていることを意味する。好ましくは、これはまた、通信ユニットが、好ましくは、第2のグループからの様々な通信プロトコルのデータパケットを受信し、復号するように(特に、それぞれの通信プロトコルに応じて任意のヘッダデータを復号するように)構成されていることを意味する。さらに、これは、特に、通信ユニットが、通信接続を確立し、および/または、通信またはデータ送信のために第2のグループの通信プロトコルをサポートまたは使用する装置とのデータ送信(好ましくは、双方向)を実行することができることを意味する。
【0031】
機能的な実施形態によれば、通信ユニットは、好ましくは、コンフィギュレーションデータに基づいて、1つまたは複数の外部データ処理装置とのデータ送信のために、それぞれの外部データ処理装置によって使用される通信プロトコルを選択するように構成される。特に、通信ユニットは、対応する外部データ処理装置と、それによって使用またはサポートされる通信プロトコルで通信するように構成され、通信接続を確立し、および/またはデータ送信を実行する。
【0032】
好ましい機能的実施形態によれば、制御インターフェースユニットは、それぞれの工作機械のいくつかの同時に接続された制御装置と(好ましくは並列に)データを送信するように構成されている。
【0033】
好ましくは、接続された制御装置の各々のコンフィギュレーションデータは、第1のグループの通信プロトコルからのそれぞれの制御装置によって使用される通信プロトコルを示す。
これは、第1のグループのいくつかの通信プロトコルをサポートする制御インターフェースユニットが、それぞれの制御装置によって使用される通信プロトコルを、それぞれの制御装置との柔軟で、簡単で、信頼性のある方法で選択し、使用することができるという利点を有する(特に、例えば、制御装置を要求し、データを送信し、または制御装置でデータを能動的に読み取るためにデータパケットが送信されるべきである場合)。
【0034】
制御インターフェースユニットは、好ましくは、コンフィギュレーションデータに基づいて、接続された制御装置のうちの1つとのデータ伝送のために、制御装置のうちの1つによって使用される通信プロトコルを選択するように構成され、さらに、コンフィギュレーションデータに基づいて、接続された制御装置のうちの別の制御装置とのデータ伝送のために他の制御装置によって使用される通信プロトコルを選択するように構成されている。
【0035】
1つまたは複数の制御装置が接続または切断される場合、これが、制御インターフェースユニットが適切な通信プロトコルを選択して使用することができるように、コンフィギュレーションデータに容易に指定され、または格納することができる。
【0036】
好ましい機能的実施形態によれば、通信ユニットは、いくつかの接続された外部データ処理装置と(好ましくは並列に)データを送信するように構成されている。
【0037】
好ましくは、接続された外部データ処理装置のそれぞれのコンフィギュレーションデータは、第2のグループの通信プロトコルから外部データ処理装置によって使用される通信プロトコルを示す。
これは、通信ユニットが、第2のグループのいくつかの通信プロトコルをサポートし、さらに、(特に、データパケットを送信または受信するためにデータパケットが送信される場合に)柔軟、簡単、且つ信頼性のある方法で、外部データ処理装置によって使用される通信プロトコルを選択し、使用することができるという利点を有する。
【0038】
通信ユニットは、好ましくは、コンフィギュレーションデータに基づいて、接続された外部データ処理装置のうちの1つ(または複数)とのデータ送信のために、1つ(または複数)の接続された外部データ処理装置によって使用される通信プロトコルを選択するように構成され、特に、接続された外部データ処理装置のうちの別のものとのデータ送信のために、コンフィギュレーションデータに基づいて、他の接続された外部データ処理装置によって使用される通信プロトコルを選択するように構成される。
【0039】
1つまたは複数の外部データ処理装置が接続または切断される場合、これは、通信ユニットがそれぞれの通信プロトコルを適切に選択して使用することができるように、コンフィギュレーションデータにおいて容易に指定され、または格納されることができる。
【0040】
好ましい機能的実施形態によれば、各々がそれぞれの工作機械の機械状態に関するセンサ信号をそれぞれの工作機械の制御装置に出力する複数のセンサを含むことが好ましい1つまたは複数の工作機械のコンフィギュレーションデータは、それぞれの工作機械のセンサのそれぞれのグループ、および/またはそれぞれの工作機械のセンサのグループのセンサ信号の読取りおよび/または処理規則を指定することが好ましい。
【0041】
これは、工作機械のタイプ、工作機械の構成、工作機械のセンサ機器、または工作機械の製造業者に応じて、工作機械の既存のセンサまたは既存のセンサ機器を、それぞれの工作機械用のコンフィギュレーションデータに定義することができ、または工作機械が、より新しい、異なる、または追加のセンサを用いて拡張または改造されるときに構成させることもできるという利点を有する。
【0042】
好ましくは、データインターフェース装置は、コンフィギュレーションデータにおいて指定された読み出し規則に基づいて、制御インターフェースユニットを介して、コンフィギュレーションデータにおいて指定された工作機械のセンサのグループのセンサ信号からセンサ信号値を読み出す読み出しユニットを備える。
【0043】
データ処理装置は、好ましくは、コンフィギュレーションデータにおいて指定された処理規則に基づいて、読み出しユニットによって読み出されたセンサ信号値を集約されたセンサデータに処理するように設定される。
【0044】
したがって、利用可能なまたは読み取り可能な機械データまたはセンサデータは、個々の機械ごとに単純かつ信頼性の高い方法で読み取りまたは受信することができる。潜在的に個々の読み取りおよび/または処理規則を使用して、個々の機械ごとに、データがどのように利用可能であるか、および/またはどのように読み取ることができるか、または、データをどのようにさらに処理または集約することができるか、またはすべきかを定義することも好ましい。これは、例えば、個々の制御装置及び/又は個々のセンサに対して(特に、例えば、様々な機械又は機械の様々なセンサに対して定義された読み出し間隔によって)設定又は定義することもできる。
【0045】
好ましい機能的実施形態によれば、データ処理装置は、好ましくは第1および/または第2のグループの通信プロトコルとは独立した所定のデータフォーマットのデータセットを、特に好ましくは制御インターフェースユニットを介して受信されたデータに基づいて、特に好ましくはデータ処理装置によって処理されたデータに基づいて、および/または、特に好ましくはデータ記憶装置によって記憶されたデータに基づいて、生成するように構成される。
【0046】
これは、制御装置の使用される通信プロトコルまたは外部データ処理装置の使用される通信プロトコルにかかわらず、特に生成されるべきデータパケットのユーザーデータ(ペイロードデータ)に対する均一なデータフォーマットを提供することができ、その結果、様々な製造業者の多くの様々な制御装置を備えた工作機械の間で互換性のある非常に不均一なシステムにおいてさえ、均一なデータフォーマットにあるデータを交換することができ、この均一なデータフォーマットにおいても、様々な通信プロトコルを備えた多数の外部装置およびシステムに送信することができ、そのような不均一なシステムにおいて、均一な評価および比較を行うことができるという利点を有する。
【0047】
これは、係る不均一なシステムにおいて、非常に均一なデータ伝送及びデータ評価ソリューションを可能にする。このシステムは、様々な製造業者からの様々な制御装置を備えた多くの工作機械を含み、及び/又は多数の様々なデータ収集及びデータ評価を含む。その結果、大きなワークショップにおける機械状態及びワークショップの境界を越えた機械状態を、簡単で、均一で、信頼性があり、比較可能な方法で測定し、観察し、評価し、分析することができる。
【0048】
好ましい機能的実施形態によれば、生成されたデータセットの各々は、好ましくは、識別データを含む。識別データは、生成されたデータセットの基礎をなすデータセットに関して、1つまたは複数の工作機械のアイデンティティ、1つまたは複数の工作機械コンポーネントのアイデンティティ、および/または1つまたは複数のセンサのアイデンティティを示す。これにより、様々な工作機械、工作機械構成部品、またはセンサシステムの機械状態を実行し、それらを追跡可能かつ評価可能なデータベースに格納することが、簡単な方法で可能になる。その理由は、各データレコードについて、対応するデータレコードが、どの機械、機械構成部品、またはセンサシステムに割り当てることができるかが常に分かっているためである。
【0049】
好ましい機能的実施形態によれば、生成されたデータセットの各々は、値データを与え、さらに、値データに関連付けられた1つまたは複数のタイムスタンプを指定する(したがって、各値データのデータ入力、出力、および/または評価の時間を有利に記憶することができる)。
【0050】
好ましくは、値データは、それぞれ、1つ以上のデータ値、例えば、1つ以上のセンサ信号および/または制御信号値、いくつかの信号値から計算された1つ以上のデータ値(例えば、ある時間間隔にわたる平均値、圧縮信号値、いくつかの信号に基づいて計算された値、例えば、均一な単位系への変換によって変換された値)、および/または1つ以上の工作機械の機械状態を示す1つ以上の状態値を示す。
【0051】
1つ以上の工作機械の機械状態を示す状態値は、例えば、好ましくは、1つ以上の読み出し信号値(及び/又は制御信号値)に基づいて計算することができ、及び/又は制御装置から直接読み出すこともできる。そのような状態値は、好ましくは、工作機械、工作機械構成部品及び/又はセンサシステム、又は工作機械のコンポーネント又はアセンブリの状態(例えば、所定の可能な状態のグループからの)を示すことができる。
【0052】
好ましくは、データタイプは、各データセットについて、および/または値データの各値について指定される。データタイプは、好ましくは、対応する値(値データ)が、機械状態、信号値(またはいくつかの信号値を示す値)、または対応する工作機械の動作中の動作事象を記述するかどうかを示す。
【0053】
これは、例えば、「状態(STATUS)」(例えば、工作機械の状態、工作機械の構成部品および/またはセンサシステム、または工作機械の構成部品またはアセンブリの状態が指定されている場合)、「事象(EVENT)」(例えば、工作機械、工作機械の構成部品または類似物上の事象が指定されている場合)、(例えば、工作機械の停止、緊急停止、工作機械上の機械加工中の衝突、警告が発せられた場合の保守または修理事象、または類似物)、および、「値(VALUE)」(例えば、瞬間的な、集約された、または平均化されたセンサ信号値または制御信号値のみが指定されている場合)によって行うことができる。
【0054】
好ましい機能的実施形態によれば、データ処理装置は、好ましくは、第2の記憶媒体に記憶された署名データに基づいて、生成されたデータセットに電子署名を追加し、および/または、データセットに追加された署名を検証するように構成される。これにより、例えばコンフィギュレーションデータに記憶された署名データに基づいて(又は、例えば、工作機械に現在ログイン又は認証されているオペレータが制御装置に個人(電子)署名を記憶しているか、又はそれでログインしている場合には、制御装置から読み出された署名データに基づいて)、データセットに、後に可能性のあるデータチェック用の署名を提供すること、又は、追加された署名を検証することが可能になる。
【0055】
好ましい機能的実施形態によれば、データ処理装置は、好ましくは、第2の記憶媒体に記憶された暗号化データに基づいて、生成されたデータセットを暗号化するように構成され、および/または、第2の記憶媒体に記憶された暗号化データに基づいて暗号化されたデータセットを復号するように構成される。これによって、ローカル又はグローバルネットワークを介して送信されるデータを、伝送(例えば、インターネットを介して、またはクラウドにおいて)のための、簡単で、信頼性のある、安全な方法で暗号化できるという利点を有する。これらのデータは、場合によっては(例えば、遠隔診断による自動保守監視を様々なユーザに提供し、または、新しいタイプの工作機械の改善および開発のために長期的な動作状態を評価するために、工作機械メーカーや制御サプライヤーを介するなどして様々なユーザの工作機械によって収集される場合や、例えば、工作機械又は制御製造業者によって収集される場合)機密データを含むことがある。
【0056】
好ましい機能的実施形態によれば、データ処理装置は、さらに、識別署名または識別番号を生成されたデータセットに追加するように構成される。これは、例えば、本発明によるいくつかのデータインターフェース装置が並列及び/又は直列に使用されるシステムに対して、データインターフェース装置のアイデンティティを(特に、データソースの固有のアイデンティティとして)容易にデータセットに格納することを可能にする。
【0057】
好ましい機能的実施形態によれば、通信ユニットは、外部データ処理装置とのデータ送信のために、ヘッダデータおよびペイロードデータを備えるデータパケットを生成するように構成される。ヘッダデータは、好ましくは、外部データ処理装置によって使用される通信プロトコルに基づいて生成される。および/または、ペイロードデータは、第1および第2のグループの通信プロトコルとは独立したデータフォーマットのデータ処理装置によって生成される1つまたは複数のデータセットを備える。
【0058】
これは、非均一な通信方法(通信プロトコル)の構造を、送信されたコンテンツから容易に分離し、このコンテンツを依然として標準化された形式で有利に提供することを可能にする。その理由は、ヘッダ情報は、常にプロトコルに依存するが、容易に抽出可能なユーザーデータ(ペイロードデータ)の送信されたコンテンツ(データセット)は、常にマシン独立、制御独立、およびプロトコル独立であり、単純で信頼性のある均一なデータフォーマットを有するためである。
【0059】
好ましい機能的実施形態によれば、制御インターフェースユニットは、制御装置とのデータ送信用に、ヘッダデータを含むデータパケットを生成するように構成される。ヘッダデータは、制御装置によって使用される通信プロトコルに基づいて生成される。
【0060】
好ましい機能的実施形態によれば、データ処理装置は、特に好ましくはコンフィギュレーションデータにおいて指定された規則的な時間間隔で、コンフィギュレーションデータにおいて指定された処理規則に基づいて、特に好ましくは第2のグループの1つまたは複数の通信プロトコルに従い1つまたは複数のデータパケットの中の1つまたは複数のデータセットを送信するインストラクションにより、1つまたは複数のデータセットを生成し、かつ/または通信ユニットに送信するように構成される。したがって、(例えば、進行中の状態チェックおよび/または機械監視のための)定期的なデータ伝送のための伝送間隔は、コンフィギュレーションデータにおいて効果的に簡単に設定することができる。
【0061】
好ましい機能的実施形態によれば、通信ユニットは、第2のグループの1つまたは複数の通信プロトコルに従い、1つまたは複数のデータパケット内の1つまたは複数のデータセットを、パブリッシュ・サブスクライブ・モデルに従い複数の相互接続された外部データ処理装置へと送信するように構成されている。コンフィギュレーションデータは、好ましくは、登録加入者として、相互接続された外部データ処理装置のうちの1つまたは複数を好ましくは示す加入者識別データを含む。
【0062】
これは、データインターフェース装置が、1つまたは複数の加入者グループ(様々なデータセットを受信することができる)から、すべての外部データ処理装置に、対応するデータセットを容易に送信することができるという効果を奏する。外部データ処理装置は、それぞれの加入者グループに関連する対応するデータセットを(例えば、各加入者グループへのコンテンツおよび/またはデータセットタイプの割り当てに基づいて)受信する加入者として容易に加入することができ、または、それぞれの加入者グループから加入を解除することによって受信を停止することができる。
【0063】
好ましい機能的実施形態によれば、通信ユニットは、データセット出力ユニットを備える。このデータセット出力ユニットは、前述の(および後述の)態様のうちの1つに従い、別のデータインターフェース装置の制御インターフェースユニットに、直接またはデータネットワークを介して接続することができる。データセット出力ユニットは、好ましくは、データ処理装置によって生成されたデータセットを他のデータインターフェース装置に送信する。
【0064】
これは、例えば、本発明によるデータインターフェース装置(例えば、本明細書に記載の態様及び実施例のうちの1つによる)が、通信ユニットを介して、本発明による(例えば、本明細書に記載の態様及び例のうちの1つによる)接続された別のデータインターフェース装置にデータセットを送信し、「上位」データインターフェース装置において並列に接続された様々なデータインターフェース装置のデータセットを収集することもできるという利点を有する。
【0065】
好ましい機能的実施形態によれば、制御インターフェースユニットは、好ましくは、前述の(および後述する)態様のうちの1つに従う別のデータインターフェース装置のデータ処理装置から受信するために、別のデータインターフェース装置の通信ユニットに、直接またはデータネットワークを介して接続されるデータセット受信ユニットを備える。
【0066】
これは、本発明によるデータインターフェース装置(例えば、本明細書で説明される態様および実施例のうちの1つによる)が、例えば、「上位」のデータインターフェース装置にて並列に接続された様々な「下位」のデータインターフェース装置のデータセットを収集するために(例えば、評価、長期記憶、検証、集約などのために)、本発明による1つまたは好ましくはいくつかの接続された他のデータインターフェース装置(例えば、本明細書で説明される態様および実施例のうちの1つによる)から、制御インターフェースユニットによって、データセットを受信することもできるという利点を有する。
【0067】
データインターフェース装置の間の共通プロトコルと、コンフィギュレーションデータの各々における共通または調整されたプリセットとを使用することができるので、伝送速度を増加させることもでき、全体のデータフローを最適化することができる。この場合、相互接続されたデータインターフェース装置のシステム全体が、多くの制御装置(すなわち、様々な制御プロトコルは、「下位」のデータインターフェース装置の制御インターフェースユニットによるサポートを継続する)および多くの外部データ処理装置(すなわち、様々なM2Mプロトコルは、「上位」のデータインターフェース装置の通信ユニットによるサポートを継続する)を用いて、多種多様なアプリケーションのための使用を「外向きに」保証する。それにより、好ましくは、多数の接続が可能である(例えば、1対多数、多数対1、多数対多数、多数対多数対1、多数対1対多数など)。
【0068】
好ましい機能的実施形態によれば、通信ユニットは、外部データ処理装置からコンフィグレーションインストラクションを受信するように構成される。この場合、データ処理装置は、好ましくは、データ記憶装置に記憶されたコンフィギュレーションデータを修正し、および/または、通信ユニットを介して受信されたコンフィグレーションインストラクションに基づいて、新しいコンフィギュレーションデータを記憶するように構成される。したがって、基礎となるコンフィギュレーションデータは、容易に適合され、調整され、変更され、または最適化することができる。さらに、例えば、工作機械、工作機械制御装置、工作機械システムが拡張され、改造され、追加の機能および/または構成部品が装備されたとき、または構成部品、機械などが交換されたとき、または生成されるデータセット、生成される値データが適合され、最適化され、または調整されるときに、システムの変化に柔軟に対応することが可能である。
【0069】
好ましい機能的実施形態によれば、データ記憶装置は、データインターフェースを備える。データインターフェースは、好ましくは、第1のデータ記憶媒体に記憶されたデータを、データバックアップおよび/または長期記憶のために、特に好ましくは、同期、非同期データ伝送またはデータミラーリングに従って、外部接続されたデータ記憶装置に伝送するように構成される。データミラーリングは、規則的な間隔で、および/または第1のデータ記憶媒体に記憶されたデータ量の限界値を超えたときに実行される。これは、データを(例えば、直接または少なくともローカル接続を介して)長時間記憶、保存または記憶することができるという利点を有する。例えば、全ての(又は選択された)読み取られた生データ及び/又は計算されたデータセットを接続されたデータ記憶装置に直接記憶することが考えられる。その結果、データは、各工作機械又は工作機械グループに直接設けることができるデータインターフェース装置に大きすぎるデータ記憶媒体を設けることを必要とせずに、電力供給障害があったとしても、データを常にローカルにバックアップすることができる。
【0070】
好ましい機能的実施形態によれば、外部データ記憶装置は、ローカルまたはグローバルネットワークを介して接続される。外部データ記憶装置は、好ましくは、外部データサーバ(データ記憶、評価、および/またはさらなる送信のため)、ウェブサーバ(評価のための、または好ましくは、例えば、ローカル、グローバルネットワーク、またはインターネットを介するウェブアプリケーションを介したデータまたはデータセットまたは評価データへのアクセスを可能にするため)、外部メッセージブローカユニット(例えば、異なるユニットおよびシステム間で受信されたデータセットを共有するため)、および/または、上記の態様のうちの1つによる別のデータインターフェース装置を備える。または、好ましくは、外部データ記憶装置は、上記の態様のうちの1つによる、外部データサーバ、ウェブサーバ、外部メッセージブローカユニット、および/または別のデータインターフェース装置として構成される。
【0071】
さらなる態様によれば、提案されたシステムは、上記態様のうちの1つによる1つまたは複数のデータインターフェース装置と、少なくとも1つのデータインターフェース装置の通信ユニットにローカルまたはグローバルデータネットワークを介して好ましくは接続された1つまたは複数の外部データ処理装置とを備える。特に、好ましくは、少なくとも1つのデータインターフェース装置の通信ユニットは、ローカルまたはグローバルデータネットワークを介して別のデータインターフェース装置の制御インターフェースユニットに接続されている。
【0072】
要約すると、工作機械と外部データ処理装置(例えば、サーバまたはサーバネットワーク)との間のデータ伝送ソリューションが提供される。このデータ伝送ソリューションは、特に、多数の様々な工作機械(部分的には様々なシリーズおよび様々な製造年を有し、部分的には様々な製造業者および様々な制御バージョンの非常に異なる制御装置を有する)と、工作機械の状態監視のための外部データ処理装置とを有するシステムにおいて、単純で効率的かつ信頼性の高い方法で、データ交換および均一な機械状態監視を可能にする。
【0073】
特に、標準化された、より単純な、より明確なデータ伝送、またはデータインターフェースソリューションを、様々な制御装置を有する様々な工作機械の機械状態を監視するために提供することができる。このソリューションは、工作機械のタイプおよび/または制御装置のタイプにかかわらず、汎用的に使用することができる。
【0074】
加えて、本発明は、センサデータおよび機械状態データまたは上述のデータセットが、非常に異なる場所からであっても、簡単かつ普遍的な方法で、ローカルまたはグローバルネットワークを介して、いくつかの工作機械から送信されるという効果を奏する。したがって、例えば、様々な工作機械の、または異なる条件下および異なる場所で使用される同じ工作機械のセンサデータの標準化された遠隔保守診断または有利な比較分析を可能にする。
【0075】
さらなる態様および効果は、上記の態様および特徴の効果およびより具体的な実施形態と同様、以下の記載及び添付の図面の説明に記載されている。しかしながら、これらは、限定的な態様で理解すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0076】
図1図1は、本発明の一実施形態によるデータ記憶装置を有するシステムの例示的な概略図を示す。
図2図2は、本発明の別の実施形態によるシステムの例示的な概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例および実施形態を詳細に説明する。図中の同じまたは類似の構成部品は、同じ参照符号で識別することができるが、時には異なる参照符号でも識別することができる。
【0078】
しかしながら、本発明は、決して以下に記載される実施形態およびそれらの特徴に限定または限定されるものではなく、実施形態の変更例、特に、記載される実施例の特徴の変更によって、または独立請求項の保護の範囲内で記載される実施例の特徴の1つ以上の組み合わせによってカバーされる変更例をさらに含むことを理解すべきである。
【0079】
したがって、本発明によれば、実施形態では、数値制御工作機械の上で使用され、外部データ処理装置(例えば、データサーバ、ウェブサーバ、コンピュータ、PC、ノートブック、タブレット、および/またはスマートフォン)と接続され、または外部データネットワーク(LAN、WAN、イントラネット、および/またはインターネット)と接続されるデータインターフェース装置が提案される。工作機械は、工作機械の複数のアクチュエータを制御するための制御装置(例えば、NCおよび/またはPLC)と、工作機械の機械状態に関するセンサ信号を制御装置に出力するための複数のセンサとを備える。
【0080】
これは、例えば、改善された状態監視、すなわち、工作機械の対応するセンサからの機械プロセスデータ(例えば、温度、負荷、振動)の永続的および/または定期的な取得を可能にして、機械状態(例えば、現在の機械状態、平均機械状態、以前の時点または以前の期間における機械状態、または限界範囲内のピーク加工時間における機械状態)を決定する。
【0081】
これらの決定されたデータの後続の計算および分析によって、例えば、サービス間隔をダイナミックに変更するために、機械全体または個々のアセンブリの有利な変化を導出することが可能である(「予知保守」)。さらに、決定されたプロセスデータは、工作機械を使用するプロセッサ、オペレータ、または会社に、工作機械上の加工物の機械加工を、より透明性を高めることによって最適化する可能性を提供する。
【0082】
一方では、これは、機械状態を好ましく提示または表示することを可能にし、他方では、時間(時間経過)の関数として、工作機械上のセンサ信号またはセンサデータの履歴を表示、プロットまたは評価することを可能にする。これは、問題領域の好ましい効率的な検出を可能にする。さらに、機械状態の時間経過に関するさらなる情報及び収集されたセンサデータは、予測のために有利に使用することができる。例えば、個々の構成部品の摩耗の程度、および最終的には予想される残存耐用年数を表示することが可能である。これは、例えば、純粋な消耗品(例えば、潤滑剤タンク)について、充填レベルに基づいて考慮することができる。さらに、追加のセンサパッケージ(例えば、状態監視のための品質センサまたは特別なセンサ)を提供して、工作機械の既存のセンサデータを追加のセンサデータでアップグレードすることができる。
【0083】
本発明によれば、数値制御工作機械上で使用するためのデータ処理装置を有するデータインターフェース装置が、実施形態において提案される。このデータインターフェース装置は、工作機械からの読み取られたセンサデータに基づいてデータセットを計算し、これらを外部のデータ処理装置に送信することができ、例えば、1つの及び幾つかの接続された工作機械について収集されたセンサデータに基づいてステータス分析又はステータス表示を可能にする。これは、1つまたは複数のセンサ信号の時間履歴、所定の期間にわたって収集されたセンサデータに基づくプロセス分析(例えば、個々のまたは複数のセンサ信号の限界値超過としての、イベントの検索)、履歴ベースのプログラム分析、および/または、保守または交換の必要性の予測を表示するためのプロッタ機能を含んでも良い。保守または交換の必要性の予測は、例えば、収集されたセンサデータの自動分析に基づいた、必要な消耗品(例えば、フィルタ交換、クーラント潤滑剤交換、または消耗品の必要な補充動作)だけでなく、工作機械の構成部品および部品の充填レベル表示ベースおよび/またはカウンタベースの残存寿命予測に基づいている。
【0084】
以下において、上記の概要の態様を取り上げ、発展させ、または繰り返す第1の一般的な実施例が記載される。いずれの場合も、上記の概要の態様および以下の図面の説明の態様と常に組み合わせることができる。
【0085】
工作機械上で利用可能なセンサおよび制御装置上でのセンサ値の利用可能性は、機械および/または制御装置のタイプに応じて非常に異なる場合がある。
【0086】
この目的のために、例えば、どのセンサが工作機械上で利用可能であるか、またはどのセンサが読み出されるべきか、それぞれのセンサ値がどのように読み出されるべきか(例えば、所定の個々の読み出し速度を定義することによって)、および/または、読み出されたセンサ値がどのように処理され、記憶されるべきか(処理規則)を決定するために、変更可能な方法でセンサデータを読み出し、処理するための構成データを提供することができる。
【0087】
個別に構成可能なコンフィギュレーションデータに基づいて、データインターフェース装置は、様々な方法で例示的に使用することができ、多数のオプションのセンサを有する包括的なセンサパッケージを有するマシン上で使用することができる。しかし、利用可能なセンサのタイプおよび数、ならびに制御に依存する読出しオプションに応じて、コンフィギュレーションデータを使用することによって、既存のマシンに後付けすることもできる。これによって、読出し機能およびさらなる処理機能をそれぞれのマシンおよびその制御装置に個別に設定し、またはそれを要件に適応させ、さらに、工作機械および制御装置とは独立した様々なM2Mプロトコルを有する他のデータ処理装置にセンサデータを送信する。
【0088】
コンフィギュレーションデータは、例えば、マークアップ言語(例えば、XMLファイル)のユニバーサルデータフォーマットのコンフィギュレーションファイルに格納することができる。
【0089】
証明のために、コンフィギュレーションデータは、証明のために供給されなければならないセンサ信号チャネル、すなわち、どのセンサ信号が、またはどのセンサ信号に関連してどのイベントが、証明データに記憶されるべきかを示すこともできる。
【0090】
好ましい態様によれば、データ処理装置は、データ送信のために第1の記憶媒体に記憶されたセンサデータを圧縮および/または暗号化するように構成されても良い。これは、無許可のアクセスの回避と同様に送信中のデータセキュリティが、長期間の記憶目的のための圧縮データの効率的なデータ記憶と同様に、可能になるという利点を有する。
【0091】
例示的な態様によれば、データ処理装置は、計算されたデータセット、第1の記憶媒体に記憶されたデータセット、および所定の期間にわたって収集されたセンサデータ、またはセンサデータを含むデータセットを、ローカルネットワークまたはグローバルネットワークを介して送信するように構成されても良い。その間、データは、(ネットワークに問題がある場合にデータ損失を回避するためのセキュリティ上の理由のために)データ記憶装置にバッファされることができ、これは、また、例えば、所定の時間間隔で、またはデータ量で、必要であれば所定の時間に、パケット内のデータの単純かつ制御された、必要であれば、自動送信を可能にする。
【0092】
好ましい態様によれば、送信されたセンサデータおよび/またはデータセットは、工作機械の機械タイプ、工作機械の機械構成、および/または特に工作機械の機械番号を含む機械識別データも含むことができる。これは、工作機械の比較および識別、および/または、工作機械または機械タイプの作業条件が、特に様々な機械のデータの比較を分析することにより、単純化されるという利点を有する。
【0093】
好ましい態様によれば、通信ユニットは、ウェブインターフェースおよび/またはウェブサービスアプリケーションを提供することができる。ウェブインターフェースおよび/またはウェブサービスアプリケーションを介して、外部データ処理装置は、好ましくは、ウェブブラウザおよび/またはウェブアプリケーションによって、第1の記憶媒体に記憶された集約されたセンサデータへのアクセスを許可されることができる。この場合、インターネット通信プロトコルは、通信プロトコルの第2のグループに含まれてもよい。これは、データの表示および分析が、ウェブインターフェースおよびウェブブラウザアクセスを介して簡単かつ効率的に可能になり、その結果、多数の外部データ処理装置(例えば、コンピュータ、ノートブック、タブレット、スマートフォン)も、ウェブアプリケーションを介して、および/またはウェブブラウザを介したリンクを介して、単純かつ汎用的にデータにアクセス、表示、および/または分析することもできるという利点を有する。
【0094】
好ましい態様によれば、コンフィギュレーションデータは、さらに、データフォーマットを指定することができ、データ処理装置は、好ましくは、第1の記憶媒体内のコンフィギュレーションデータ内で指定されたデータフォーマットで、読み取り、変換、集約、または計算されたデータを格納することができる。これは、汎用的であるが汎用的に構成可能なデータフォーマットが、異なる機械および制御構成またはセンサの利用可能性であっても可能にされ、その結果、機械独立および制御独立のセンサデータが、汎用データフォーマットにおいて多数の様々な外部データ処理装置による汎用アクセスに対して提供され得るという利点を有する。
【0095】
好ましい態様によれば、通信ユニットは、好ましくは、第1の記憶媒体に記憶されたデータをヒューマン・マシンインターフェースに送信するために、好ましくは、工作機械の制御装置のヒューマン・マシンインターフェースのグラフィカルユーザインターフェース上に表示するために、工作機械の制御装置のヒューマン・マシンインターフェースに接続可能であってもよい。これは、制御装置のヒューマン・マシンインターフェースで、データを表示し、読み取り、分析し、または見ることもでき、その結果、オペレータが、センサおよび/または証明データの表示および/または分析に基づいて、工作機械で直接機械制御装置を操作できるという利点を有する。
【0096】
好ましい態様によれば、第1の記憶媒体は、リングバッファを含むことができ、読み取りおよび/または計算されたデータおよび/または生成されたデータセットは、好ましくは、リングバッファに格納することができる。これは、所定のデータ量の後、特に外部データ処理装置へのデータの送信後に、新たに収集されたデータのためにデータメモリが利用可能であるという利点を有する。リングバッファにおいて利用可能にされるべきデータ記憶量は、好ましくは、例えばコンフィギュレーションデータを介して構成可能である。
【0097】
好ましい態様によれば、データ処理装置は、さらに、対応するタイムスタンプと共にセンサデータを第1の記憶媒体に記憶するように構成されてもよい。これは、分析が可能になり、データ履歴を記録することができるという利点を有する。
【0098】
好ましい態様によれば、コンフィギュレーションデータの読み出し規則は、コンフィギュレーションデータにおいて指定された工作機械のセンサのグループのうちの1つ、いくつか、またはすべてのセンサ信号に対して、個々の読み出し周波数を指定することができる。次に、読み出しユニットは、好ましくは、コンフィギュレーションデータにおいて指定された対応する個々の読み出し周波数を有する対応するセンサ信号のセンサ信号値を読み出すように設定される。これは、個々のセンサ信号読出し速度を必要に応じて構成することができるという利点を有する。
【0099】
好ましい態様によれば、コンフィギュレーションデータにおいて指定された少なくとも1つの個々の読み出し周波数は、記憶されたプログラマブル制御装置のセンサ値メモリ周波数よりも、および/または制御装置のNC制御のセンサ値記憶周波数よりも小さくてもよい。これは、有利なことに、より制御に依存しない汎用読み出し特性を可能にする。
【0100】
好ましい態様によれば、コンフィギュレーションデータの処理規則は、コンフィギュレーションデータにおいて指定された工作機械のセンサのグループのうちの1つ、いくつか、またはすべてのセンサ信号に対する個々の処理規則を示すことができる。好ましくは、データ処理装置は、コンフィギュレーションデータにおいて指定された対応する個々の処理規則に基づいて、個々の処理規則において指定された期間にわたって読み出された複数のセンサ信号値から、対応するセンサ信号に対する単一のセンサ値を計算し、それを第1の記憶媒体に記憶するように構成されてもよい。これは、処理規則は、例えば、センサのいくつかの信号値を、記憶されるべき1つの信号値に統合することによって、必要に応じて記憶されるべきデータ量を低減するようにを構成することもできるという利点を有する。
【0101】
好ましい態様によれば、個々の処理規則は、センサ値が、個々の処理規則において指定された期間にわたって読み取られた複数のセンサ信号値の平均として計算されることを示すことができる。そして/または、個々の処理規則は、センサ値が、個々の処理規則において指定された期間にわたって読み取られた複数のセンサ信号値の最大値または最小値として計算されることを示すことができる。パラメータの単位を他の単位系に変換することも可能である。
【0102】
好ましい態様によれば、コンフィギュレーションデータの処理規則は、コンフィギュレーションデータにおいて指定された工作機械のセンサグループのうちの少なくとも2つのセンサ信号に対する組み合わせ規則を示すことができる。次に、データ処理装置は、組み合わせ規則に基づいて、少なくとも2つのセンサ信号のセンサ値に対して組み合わせセンサ値を計算し、それを第1の記憶媒体に記憶するように構成されてもよい。これは、処理規則を、例えば、いくつかのセンサのいくつかの信号値を、記憶される1つの信号値(例えば、同じ機械構成部品に関連するいくつかのセンサ信号)へと組み合わせることによって、必要に応じて記憶されるべきデータ量を低減するように構成することもできるという利点を有する。
【0103】
好ましい態様によれば、コンフィギュレーションデータにおいて指定された工作機械のセンサグループのうちの1つ、いくつか、またはすべてのセンサ信号のコンフィギュレーションデータは、証明規則を含むことができる。また、データ処理装置は、証明データを生成し、生成された証明データを、コンフィギュレーションデータにおいて指定された証明規則に基づいて、さらに、読み出された対応するセンサ信号に基づいて格納するように構成されてもよい。これは、センサデータ記憶が、プロセスの任意の必要な証明と容易かつ効率的に組み合わされ得るという利点を有する。これは、証明を、記憶されたセンサデータに基づいて遡及的に行う必要がないことを意味する。
【0104】
好ましい態様によれば、証明データは、証明規則において指定された1つまたは複数のセンサ信号が、いつ対応する限界値を超えたか、及び/又は、工作機械の制御装置上で実行されるNCプログラムのどの位置でその対応する限界値を超えたか、を示すことができる。代替的に又は追加的に、例えば、限界値を超えていない場合、証明規則において指定されたセンサ信号のいずれもが、指定された期間内において、又はNCプログラムの実行中において対応する限界値を超えていないことを示すことができる。
【0105】
好ましい態様によれば、通信ユニットは、外部データ処理装置が、第2の記憶媒体に記憶されたコンフィギュレーションデータにアクセスすることを可能にするように構成されてもよく、特に、コンフィギュレーションデータの修正のために好ましい。これは、例えば、様々な又は追加の読み出し又は処理規則が設定される場合、又は機械にセンサを後付けしたり又は制御装置を拡張する場合に、コンフィギュレーションデータを必要に応じて構成することができるという利点を有する。
【0106】
好ましい態様によれば、コンフィギュレーションデータは、コンフィギュレーションデータにおいて指定される工作機械のセンサのグループの1つ、いくつか、またはすべてのセンサ信号に対して、1つまたは複数の個別の限界値を指定することができる。データ処理装置は、計算されたセンサ値に関連付けられ、且つコンフィギュレーションデータにおいて指定された限界値を、第1の記憶媒体に記憶するように構成されても良い。これは、対応する限界値もそれぞれ記憶されるので、データの後の分析を容易にする。
【0107】
好ましい態様によれば、制御インターフェースユニットまたはデータ処理装置の読出しユニットは、制御インターフェースユニットを介して、工作機械の制御装置のプログラマブル制御装置のレジスタからメータの示度を読み取るように構成されてもよい。
【0108】
好ましい態様によれば、データ処理装置は、さらに、特に好ましくはタイムスタンプと一緒に、第1の記憶媒体に読み取ったメータの示度を記憶するように構成されてもよい。
【0109】
図1は、本発明の一実施形態によるデータ記憶装置を有するシステムの例示的な概略図を示す。
【0110】
このシステムは、データインターフェース装置300、工作機械100、工作機械100の制御装置200、および外部データ処理装置400を含む。
【0111】
工作機械100は、例えば、制御装置200によって制御可能な工作機械100の複数のアクチュエータ110と、工作機械100の機械状態に関するセンサ信号を制御装置200に出力するための複数のセンサ120とを含む。
【0112】
アクチュエータ110は、例えば、工具と加工物との間の制御された相対運動のための制御可能な直線軸および回転軸(旋回軸および/または回転軸)のための駆動装置、ならびに工具搬送加工物スピンドル(例えばフライス盤上)または加工物搬送加工物スピンドル(例えば旋盤上)のための駆動装置を含むことができる。さらに、アクチュエータ110は、電子的に、油圧的に、および/または空気圧的に制御される弁、ポンプ、または内部もしくは外部の冷却剤潤滑剤供給源もしくは圧縮空気供給源からの他の供給装置とすることができる。コンベヤ、パレットチェンジャ、加工物チェンジャ、工具マガジン、および他の工作機械付属品も、駆動装置、回路、または対応するアクチュエータを介して制御できる。
【0113】
センサ120は、例えば、工作機械のそれぞれのアセンブリまたは構成部品、例えば、軸、駆動装置、車軸軸受、スピンドル、スピンドル軸受、工具マガジン、工具チェンジャ、パレットまたは加工物チェンジャ、内部または外部冷却剤潤滑剤供給装置、チップコンベヤ装置、および/または油圧および/または空気圧制御装置に割り当てることができるセンサとすることができる。様々な異なるセンサを、個々のアセンブリに提供することができる。センサは、例えば、位置測定センサ、電流および/または電圧測定センサ、温度センサ、力センサ、加速度センサ、振動センサ、軸受診断センサ、変位センサ、レベルインジケータセンサ、液体センサ(例えば、冷却剤潤滑剤中のPH値を測定するため、油、冷却剤などの含水量測定センサ)、空気圧システム中の含水量センサ、および/またはフィルタ状態センサである。
【0114】
工作機械上で利用可能なセンサおよび制御装置上でのセンサ値の利用可能性は、機械および/または制御装置のタイプに応じて非常に異なり得る。
【0115】
この目的のために、本発明は、例示的に、変更可能な方法でセンサデータを読み出し、処理するためのコンフィギュレーションデータにおいて、どのセンサが工作機械上で利用可能であるか、または読み出されるべきか、そして、それぞれのセンサ値がどのように読み出されるべきか(例えば、所定の個々の読み出し速度を定義することによって)、および/または、どのように読み出されたセンサ値を処理し、記憶すべきか(処理規則)を決定することを提供する。
【0116】
個別に構成可能なコンフィギュレーションデータに基づいて、本発明によるデータ記憶ユニットは、様々な方法で使用することができ、多数のオプションのセンサを有する広範なセンサパッケージを有する機械に改造することができる。コンフィギュレーションデータによって、それぞれの機械およびその制御装置に個別に適合されたり、または要件に従って構成されたり、さらには、機械および制御とは無関係に、センサデータを他の(外部)データ処理装置にデータインターフェース装置300を介して送信する、データ記憶ユニットの読み出し機能およびさらなる処理機能が可能になる。
【0117】
コンフィギュレーションデータは、例えば、マークアップ言語(例えば、XMLファイル)のユニバーサルデータフォーマットのコンフィギュレーションファイルに格納することができる。
【0118】
制御ユニット200は、例えば、NC制御211およびプログラマブル論理制御212(「プログラマブル論理制御」のためにPLCとも呼ばれる)を有する制御装置210を備える。
【0119】
さらに、制御ユニット200は、例えば、工作機械100のオペレータが工作機械100を制御し、監視し、および/または操作することを可能にするヒューマン・マシンインターフェース220(「ヒューマン・マシンインターフェース」に対してHMIと称される)を含む。マンマシンインターフェース220は、例えば、モニタまたはタッチスクリーン上に表示することができるグラフィカルユーザインターフェース221(「グラフィカルユーザインターフェース」に対してGUIと称される)を含む。
【0120】
データインターフェース装置300は、例示的に、第1のインターフェースユニット310(制御インターフェースユニット)、読み出しユニット320、プロセッサ制御データ処理ユニット330、第2のインターフェースユニット340(通信ユニット)、および第2の記憶媒体360および第1の記憶媒体370を有するデータメモリ350(データ記憶装置)を備える。
【0121】
第2の(好ましくは不揮発性の)記憶媒体360(例えば、NVRAM、ハードディスク、またはフラッシュメモリ、またはSSDメモリ)は、例えば、例示的に、工作機械100のセンサ120のグループ、ならびに工作機械100のセンサ120のグループのセンサ信号の読出しおよび処理規則を指定するコンフィギュレーションデータ361を記憶する。第1の記憶媒体370(例えば、1つまたは複数のハードディスクおよび/またはフラッシュメモリ)は、例えば、センサデータ381(または計算データセット)および証明データ382を記憶するため、またはデータ処理ユニット330によって計算され、作成され、生成され、または変換されたデータおよび/またはデータセットを記憶するためのデータベースまたはデータ記憶装置380を備える。
【0122】
データ記憶装置350は、さらに、例示的に、データインターフェース390を備える。データインターフェース390は、第1のデータ記憶媒体370に記憶されたデータを、データバックアップおよび/または長期記憶のために、特に、好ましくは、同期、非同期データ伝送またはデータミラーリングに従い、外部接続データ記憶装置800に伝送するように構成されている。同期、非同期データ伝送またはデータミラーリングは、規則的な間隔で、または第1のデータ記憶媒体に記憶されたデータ量の限界値を超えたときに実行される。
【0123】
読み出しユニット320は、特に、例えば、コンフィギュレーションデータにおいて指定された読み出し規則に基づいて、制御装置210から(例えば、PLC 212のレジスタから)第1のインターフェースユニット310(制御インターフェースユニット)を介して、コンフィギュレーションデータにおいて指定された工作機械110のセンサグループ120のセンサ信号のセンサ信号値を読み出すように構成される。
【0124】
データ処理ユニット330は、例示的には、読み出しユニットによって読み出されたセンサ信号値をラフに記憶し、特に、例示的に、コンフィギュレーションデータにおいて指定された処理規則に基づいて、計算され変換されまたは集約されたセンサデータを処理し、処理され集約されたセンサデータ361をデータベース380の第2の記憶媒体380に記憶するように構成されている。
【0125】
第2のインターフェースユニット340(通信ユニット)は、例えば、外部データ処理装置とのデータ送信用に構成されている。
【0126】
このような外部データ処理装置の一例として、図1は、例示的に、第2のインターフェースユニット340が、制御装置200のマンマシンインターフェース220に接続されることを示す。例えば、オペレータは、センサデータ381を表示させたり、または、センサデータ381に、マンマシンインターフェース220のアプリケーション222およびグラフィカルユーザインターフェース221によってアクセスできる。および/または、オペレータは、必要に応じて、例えば、読み出しおよび/または処理規則を変更または閲覧するために、コンフィギュレーションデータ361を、グラフィカルユーザインターフェース221を介して閲覧したり、または修正することができる。読み出されるセンサ120のグループは、観察したり、変更することもできる。
【0127】
そのような外部データ処理装置のさらなる例として、図1には、第2のインターフェースユニット340(通信ユニット)が、コンピュータ装置500(例えば、外部PC、ノートブック、スマートフォン、またはタブレット)に接続されていることが示されている。コンピュータ装置500は、アプリケーション502およびウェブブラウザ501を備える。その結果、例えば、オペレータは、センサデータ381を表示させたり、アプリケーション502(例えば、ウェブアプリケーション)によって、および/またはウェブブラウザ501によって、センサデータ381にアクセスすることができる。オペレータは、読み出しおよび/または処理規則を変更したりまたは閲覧するために、必要に応じて、コンフィギュレーションデータ361を閲覧したり、または修正することができる。読み出されるセンサ120のグループは、見ることも、変更することもできる。このために、第1のインターフェースユニットは、例示的に、アプリケーション502に対応するウェブサービスアプリケーション341を含む(これは、サービスアプリケーションまたはサーバアプリケーションとして、ウェブアプリケーション、例えば、アプリケーション222および/または502へのアクセスを許可することができる)。
【0128】
そのような外部データ処理装置のさらなる例として、図1に例示的に示されるように、第2のインターフェースユニット340は、サービスアプリケーション401(例えば、ウェブサービスアプリケーション341に類似する)を備えるローカルまたはグローバルネットワーク600を介してサーバ400に接続されている。サーバ400は、インターフェースユニット340(通信ユニット)を介してセンサデータ381および証明データ382を要求して受信し、それらを記憶媒体402(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ、クラウドメモリ、外部記憶アレイなど)にサーバ400上でローカルに格納することができる(記憶媒体370が、センサデータ381を格納するためにリングバッファを備えている場合、及び/又は、制御装置210が、それぞれ、対応するデータ記憶装置300に接続されているような工作機械100の複数台からのセンサデータ381を格納する場合などより大量のデータの格納の場合)。
【0129】
追加のローカル又はグローバルネットワーク700(例えば、LAN、WAN、イントラネット又はインターネット)は、追加のサーバ400及び/又は追加のコンピュータファシリティ500を、サーバ400に接続することができる。
【0130】
例示的な態様によれば、図1によるデータインターフェース装置300は、以下のように構成される。
【0131】
コンフィギュレーションデータ361は、第1のグループの通信プロトコルから工作機械100の制御装置200によって使用される通信プロトコルと、第2のグループの通信プロトコルから外部データ処理装置400、500によってそれぞれ使用される通信プロトコルとを示す。制御インターフェースユニット310は、データ伝送のために第1のグループの通信プロトコルから各通信プロトコルを使用し、コンフィギュレーションデータ361に基づいて、工作機械100の制御装置200とのデータ伝送のために、工作機械100の制御装置200によって使用される通信プロトコルを選択するように構成されている。
【0132】
通信ユニット340は、データ送信のために第2のグループの通信プロトコルから各通信プロトコルを使用し、コンフィギュレーションデータ361に基づいて、外部データ処理装置とのデータ送信のために、それぞれの外部データ処理装置によって使用される通信プロトコルを選択するように構成されている。
【0133】
それによって、通信プロトコルの第1のグループは、特に、好ましくは、OPCベースの通信プロトコル、UDIベースの通信プロトコル、および/または、例えばシーメンス、ハイデンハイン、ファンク、三菱などのNC/PLC制御システムなどの様々な製造業者の様々な工作機械制御システムによってサポートされている自社の通信プロトコルなど、様々な製造業者の工作機械制御システムまたは制御バージョンによってサポートされているいくつかの通信プロトコルを含む。
【0134】
さらに、通信プロトコルの第2のグループは、好ましくは、OPC UAに基づく通信プロトコル、MQTTに基づく通信プロトコル、MTConnectに基づく通信プロトコル、および/またはAMPQに基づく通信プロトコルなど、いわゆるユニバーサルM2M通信プロトコルを含む、いくつかのM2M通信プロトコル(マシン対マシンに対して「M2M」)を含む。
【0135】
通信プロトコルの第1および第2のグループは、それぞれ異なる通信プロトコルを含むことができるだけであるが、1つのグループの1つまたは複数の通信プロトコルも他のグループに含まれるという意味で重複することもできることに留意されたい。
【0136】
データ処理装置330は、例えば、第1及び第2のグループの通信プロトコルとは独立した所定のデータフォーマットのデータセットを、特に、制御インターフェースユニット310を介して受信されたデータに基づいて、データ処理装置330によって処理されたデータに基づいて、及びデータ記憶装置350によって記憶されたデータに基づいて、生成するように構成されている。
【0137】
好ましい実施例では、各生成されたデータセットは、1つまたは複数の工作機械のアイデンティティ、1つまたは複数の工作機械部品のアイデンティティ、および/または、生成されたデータセットの基礎をなすデータセットについての1つまたは複数のセンサのアイデンティティを示す識別データを含む。各生成されたデータセットは、好ましくは、値データと、値データに関連する1つまたは複数のタイムスタンプとを示す。値データは、1つまたは複数のセンサ信号および/または制御信号値を示すデータ値と、複数の信号値から計算された1つまたは複数のデータ値と、および/または、1つまたは複数の工作機械の機械状態を示す1つまたは複数の状態値とを示す。さらに、データタイプは、各データセット、および/または、値データの各値に対して指定することができる。データタイプは、例えば、対応する値が、対応する工作機械の動作中に、機械状態、信号値、または動作イベントを記載しているか否かを指定する。
【0138】
さらに、第2の記憶媒体360に記憶された署名データに基づいて、データ処理装置330は、生成されたデータセットに電子署名を追加するように、および/または、データセットに追加された署名をチェックするように、および/または、第2の記憶媒体360に記憶された暗号化データに基づいて、生成されたデータセットを暗号化するように、および/または、第2の記憶媒体360に記憶された暗号化データに基づいて、暗号化されたデータセットを復号化するように設定することができる。
【0139】
通信ユニット340は、例示的に、それぞれ外部データ処理装置400および500とのデータ送信のために、ヘッダデータおよびユーザーデータを備えるデータパケットを生成するように構成される。ヘッダデータは、それぞれの外部データ処理装置によって使用される通信プロトコルに基づいて生成される。ユーザーデータは、データ処理装置330によって生成される第1および第2のグループの通信プロトコルとは独立したデータフォーマットの1つまたは複数のデータセットを備える。
【0140】
制御インターフェースユニット310は、例示的に、制御装置200とのデータ送信用に、ヘッダデータを有するデータパケットを生成するように構成される。ヘッダデータは、制御装置200によって使用される通信プロトコルに基づいて生成される。
【0141】
データ処理装置330は、規則的な時間間隔で1つまたは複数のデータセットを生成する。1つまたは複数のデータセットは、コンフィギュレーションデータ361において指定された処理規則に基づいて、コンフィギュレーションデータ361において、特に指定することができる。データ処理装置330は、生成されたデータセットを、通信ユニット340に、特に、第2のグループの1つまたは複数の通信プロトコルに従い、1つまたは複数のデータパケットにおける1つまたは複数のデータセットを送信するインストラクションと共に送ることができる。
【0142】
さらなる実施例では、通信ユニット340は、パブリッシュ・サブスクライブ・モデルに従って、第2のグループの1つまたは複数の通信プロトコルに従って、1つまたは複数のデータパケット内の1つまたは複数のデータセットを、複数の接続された外部データ処理装置に送信するように構成されていても良い。この場合、コンフィギュレーションデータ361は、特に、接続された外部データ処理装置のうちの1つまたは複数を示す加入者識別データを、登録加入者として備える。
【0143】
特に機能的な実施例が、図1に例示的に提供される。図1において、通信ユニット340は、別のデータインターフェース装置300の別の制御インターフェースユニット310に、直接またはデータネットワークを介して接続可能なデータセット出力ユニット342を備え、データ処理装置300によって生成されたデータセットを他のデータインターフェース装置300に送信する。
【0144】
他のデータインターフェース装置300からこのようなデータを受信するために、制御インターフェースユニット310は、例示的に、他のデータインターフェース装置300の別の通信ユニット340に、またはそのデータセット出力ユニット342に、直接またはデータネットワークを介して接続可能なデータセット受信ユニット311を備え、他のデータインターフェース装置300から別のデータ処理装置によって生成されたデータを受信する。
【0145】
これは、特に機能的である。その理由は、いくつかのデータインターフェース装置300が、それぞれのデータレコード出力ユニット342およびデータレコード受信ユニット311の通信接続によって、直列におよび部分的に並列に接続することができる。その結果、データセットを効率的に交換し、または、必要であれば、中央に配置されたデータインターフェース装置において、様々なデータインターフェース装置300の300個のデータセットを受信および収集する。または、その後、通信ユニット340を介して、通信ユニット340によってサポートされるいくつかのM2Mプロトコルと共に柔軟に、そして、必要であれば、例示的な発行/サブスクライブ・モデルに基づいて、いくつかのロケーションに配置された大型・プロトコル不均質工作機械に関する、他の外部の、有利に均一、中央集中化された、および信頼性のあるデータセットに対し利用可能にする。
これは、特に機能的である。その理由は、いくつかのデータインターフェース装置300が、それぞれのデータレコード出力ユニット342およびデータレコード受信ユニット311の通信接続によって、直列におよび部分的に並列に接続することができる。その結果、データセットを効率的に交換し、または、必要であれば、中央に配置されたデータインターフェース装置において、様々なデータインターフェース装置300の300個のデータセットを受信および収集する。または、その後、通信ユニット340を介して、通信ユニット340によってサポートされるいくつかのM2Mプロトコルと共に柔軟に、そして、必要であれば、例示的な発行/サブスクライブ・モデルに基づいて、いくつかのロケーションに配置された大型・プロトコル不均質工作機械に関する、他の外部の、有利に均一、中央集中化された、および信頼性のあるデータセットに対し利用可能にする。
【0146】
図2は、本発明の別の実施形態によるシステムの例示的な概略図を示す。
【0147】
図2に記載されたデータインターフェース装置300は、例えば、図1のように例示的に構成され、簡略化のために通信インターフェースのみ、すなわち、それぞれの制御インターフェースユニット310(それぞれが図示されていないデータセット受信ユニット311を有する)と、それぞれの通信ユニット340(それぞれが図示されていないデータセット出力ユニット342を有する)と、それぞれの外部データ記憶装置800に、例えば、直接またはデータネットワーク(例えば、LAN、WAN、WLAN、イントラネット、またはインターネット)を介して接続されているオプションのデータインターフェース390とが、図2に示されている。
【0148】
既に説明したように、1つ(または複数)のデータインターフェース390と1つ(または複数)の外部データ記憶装置800との間の通信接続は、それぞれのデータインターフェース装置300の第1のデータ記憶媒体370に記憶されたデータを、データバックアップおよび/または長期記憶のために、特に好ましくは、規則的な間隔で実行される同期、非同期データ伝送またはデータミラーリングに従って、または第1のデータ記憶媒体に記憶されたデータ量の限界値を超えたときに、それぞれの外部接続されたデータ記憶装置800に送信することを可能にする。
【0149】
一実施例として、制御装置200を有する工作機械100は、それぞれ、それぞれのデータインターフェース装置300(アナログ図1)の制御インターフェースユニット310に接続される。この場合、一実施例として、制御装置200を有するいくつかの工作機械100は、同じデータインターフェース装置300(図2の左側の2つのデータインターフェース装置300を参照)に接続することができる。または、一実施例として、制御装置200を有する1つの工作機械100のみが、単一のデータインターフェース装置300(図2の右側の工作機械100を参照)に接続することができる。
【0150】
制御装置200は、それぞれの制御インターフェースユニット310によってサポートされている(適用可能な場合にはそれぞれの)第1のグループの様々な通信プロトコルをそれぞれ使用することができる。したがって、簡単且つ信頼性のあるアーキテクチャを用いて、様々な工作機械からのデータを、必要に応じて、様々な制御装置およびそれらの使用される通信プロトコルを有する異なる位置で、有利かつ均一に読み出すことができる。これらのデータまたはセンサデータ、機械データ、機械状態データ、および/またはこれらのデータを示すデータセットは、様々なシステムの組合せにおいて、有利かつ確実に、効率的に、均一に、かつ多才に送信されることができる。
【0151】
一実施例として、図2の左側データインターフェース装置300は、図1と同様に、対応する通信ユニット340と共に、外部コンピュータ装置500に直接接続され、このコンピュータ装置500によって使用される第2のグループの通信プロトコルのうちのインターネット通信プロトコル、すなわちM2Mによってデータを送信する。
【0152】
さらに、3つの下方データインターフェース装置300の通信ユニット340は、図示しないデータセット出力ユニット342を介して、図2の上方データインターフェース装置300の制御インターフェースユニット310に、より正確には、一例として、データセット受信ユニット311に接続されている。これらの通信接続は、直接またはデータネットワークを介して(ローカルにまたはグローバルに)確立することができる。
【0153】
これは、以下の効果を有する。図2の上方側のデータインターフェース装置300は、「下方」側の、互いに異なる(例えば、場所ごとに異なる)データインターフェース装置300のデータセットを、単一の共通通信プロトコルにより、又場合によっては最適化され相互調整された各コンフィギュレーションデータに基づいて効率的に受信し、収集することができるという長所を備える。その結果、これらのデータセットを、例えば、対応するデータインターフェース390を介して、例えば、データネットワークを介して、外部データ記憶装置800に送信することができる。また、複数の工作機械100に関するこれらの収集されたデータセットを、サポートされたM2M通信プロトコルに関連する効率的、均一性、高信頼性及び柔軟性を有して、かつ、簡単な方法で、コンピュータファシリティ500やサーバファシリティ400(例えば、データサーバ、ウェブサーバ、メッセージブローカーサーバ等)などの他の外部データ処理装置に送信することができる。
【0154】
サーバ400は、例えば、いくつかの工作機械100によって収集されたセンサデータ381を局所的に集中化して記憶し、それらを分析に利用可能にすることができる。データは、ネットワーク(例えば、LAN、WAN、WLAN、イントラネット、またはインターネット、あるいは同じネットワーク600を介して)を介して中央サーバに送信され、そこにグローバルに集中化された方法で記憶されることができる。これに加えて、またはこれに代えて、上方データインターフェースユニット300のデータインターフェース390は、すべてのデータを外部データ記憶装置800上に集中的に記憶することができる。
【0155】
したがって、サーバ400は、すべての工作機械のすべてのセンサデータおよびデータセットを記憶し、それらを表示、分析、または比較のために利用可能にして、保守または予備部品需要予測を表示、分析、または生成することができる。工作機械100は、様々なワークショップに、または様々な場所に、または様々な会社に設置することができる。
【0156】
さらなる実施形態では、データインターフェース装置のデータ処理装置330は、さらに、データまたはデータセットを圧縮形式(すなわち、データ圧縮後)でデータ記憶装置に記憶し、そして/または、データセットを圧縮形式(すなわち、データ圧縮後)でユーザーデータとして通信ユニット340に出力するように構成されてもよい。
【0157】
要約すると、工作機械と外部データ処理装置(例えば、サーバまたはサーバネットワーク)との間のデータ伝送ソリューションが提供され、これにより、
特に、多数の様々な工作機械(部分的には様々なシリーズおよび様々な製造年度を有し、部分的には様々な製造業者および様々な制御バージョンの非常に異なる制御装置を有する)と、工作機械の状態監視のための外部データ処理装置とを有するシステムにおいて、単純で効率的かつ信頼性の高い方法で、データ交換および均一な機械状態監視を可能にする。
【0158】
これは、極めて汎用性の高いプロトコル変換機能(すなわち、特に、OPC UA、MQTT、MTConnect、またはAMQPなどのM2Mプロトコルに変換された制御プロトコル)を提供し、同時に、コンフィギュレーションデータを用いて最も多様な工作機械に個別に適用させることができる柔軟で効率的なデータ処理およびデータ伝送ソリューションを提案する。
【0159】
特に、標準化された、より単純な、より明確なデータ伝送またはデータインターフェースソリューションを、様々な制御装置を有する様々な工作機械の機械状態を監視するために提供することができる。これは、また、工作機械のタイプおよび/または制御のタイプにかかわらず、汎用的に使用することができる。
【0160】
本発明の実施例または実施形態およびそれらの利点は、添付の図面を参照して上で詳細に説明されている。本発明は、決して上記の実施形態およびそれらの特徴に限定または限定されるものではなく、実施形態の修正、特に、記載された実施例の特徴の変更によって、または独立請求項の保護範囲内で記載された実施例の特徴の1つまたは複数の組み合わせによってカバーされる変更をさらに含むことを再び強調する。
図1
図2