(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】マイクロ波調理装置、制御方法及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H05B 6/64 20060101AFI20220411BHJP
H05B 6/72 20060101ALI20220411BHJP
H05B 6/70 20060101ALI20220411BHJP
H05B 6/68 20060101ALI20220411BHJP
F24C 1/00 20060101ALI20220411BHJP
F24C 7/02 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
H05B6/64 G
H05B6/72
H05B6/70 E
H05B6/68 350
H05B6/68 370
F24C1/00 340A
F24C7/02 301E
(21)【出願番号】P 2019572043
(86)(22)【出願日】2019-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2019074235
(87)【国際公開番号】W WO2019149252
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2019-12-26
(31)【優先権主張番号】201810096705.6
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810110876.X
(32)【優先日】2018-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515032617
【氏名又は名称】広東美的厨房電器制造有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】陳礼康
(72)【発明者】
【氏名】唐相偉
(72)【発明者】
【氏名】呉添洪
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼洋
(72)【発明者】
【氏名】陳茂順
(72)【発明者】
【氏名】陳宗龍
(72)【発明者】
【氏名】方友平
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-262385(JP,A)
【文献】実開昭49-097442(JP,U)
【文献】特開2008-269794(JP,A)
【文献】特開2003-269728(JP,A)
【文献】特開2008-261530(JP,A)
【文献】特開昭55-035485(JP,A)
【文献】特開2010-073382(JP,A)
【文献】特開昭61-027093(JP,A)
【文献】特開昭50-045356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/46
H05B 6/48-6/50
H05B 6/52-6/64
H05B 6/66-6/68
H05B 6/70-6/80
H05B 11/00
F24C 1/00
F24C 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティと、
前記キャビティの側壁に固定して設けられ、且つ前記キャビティ内に
第1の周波数範囲を有する第1のマイクロ波を供給し、第1の電力調整精度で前記第1のマイクロ波に対応する電力を調整するマグネトロンと、
前記マグネトロンから前記キャビティの底部まで延び、前記キャビティの底部に開放端を有し、前記第1のマイクロ波を前記キャビティ内に供給するように前記マグネトロンに接続される導波路と、
前記側壁に固定して設けられ、且つ前記キャビティ内に
前記第1の周波数範囲と前記第1の周波数範囲より低い第2の周波数範囲と前記第1の周波数範囲より高い第3の周波数範囲とを含む第4の周波数範囲を有する第2のマイクロ波を供給し、第2の電力調整精度で前記第2のマイクロ波に対応する電力を調整する半導体マイクロ波源と、
前記キャビティの頂部に固定して設けられ、前記第2のマイクロ波を前記キャビティ内に供給するように前記半導体マイクロ波源に接続され、
前記第4の周波数範囲のうち前記第1の周波数範囲内にある前記第2のマイクロ波を遮蔽
し、前記第4の周波数範囲のうち前記第2の周波数範囲内と前記第3の周波数範囲内とにある前記第2のマイクロ波を通過させる帯域阻止アンテナと、
を備え、
前記第2の電力調整精度は前記第1の電力調整精度より高い
マイクロ波調理装置。
【請求項2】
前記第1のマイクロ波の第1の電力範囲は第1の最小電力及び第1の最大電力を有し、
前記第2のマイクロ波の第2の電力範囲は第2の最小電力及び第2の最大電力を有し、
前記第2の最大電力は前記第1の最小電力と前記第1の最大電力との間にある
請求項
1に記載のマイクロ波調理装置。
【請求項3】
前記第1のマイクロ波の
前記第1の周波数範囲は、前記第2のマイクロ波の
前記第2の周波数範囲と
前記第3の周波数範囲とのいずれにも重複しない
請求項
1に記載のマイクロ波調理装置。
【請求項4】
前記帯域阻止アンテナは、具体的には、
前記第4の周波数範囲を有する前記第2のマイクロ波を前記キャビティ内に供給するアンテナと、
前記アンテナに接続され、且つ
前記第4の周波数範囲のうち前記第1の周波数範囲内にある前記第2のマイクロ波を遮蔽するフィルタ、又は
前記アンテナに接続され、且つ
前記第4の周波数範囲のうち前記第1の周波数範囲内にある前記第2のマイクロ波を遮蔽するサーキュレータと、を備える
請求項
1に記載のマイクロ波調理装置。
【請求項5】
請求項
1~4のいずれか一項に記載のマイクロ波調理装置に用いられる制御方法であって、
前記マイクロ波調理装置の目標電力を取得するステップと、
前記目標電力と前記マイクロ波調理装置における半導体マイクロ波源及びマグネトロンの電力パラメータとの大小関係を判断し、判断結果を生成するステップと、
前記マイクロ波調理装置の全体電力が前記目標電力に達するように、前記判断結果に基づいて、第1の電力調整精度で前記マグネトロンの第1の電力を調整し、且つ第2の電力調整精度で前記半導体マイクロ波源の第2の電力を調整するステップと、
を含み、
前記全体電力は前記第1の電力と前記第2の電力との和である
制御方法。
【請求項6】
前記マイクロ波調理装置の全体電力が前記目標電力に達するように、前記判断結果に基づいて、第1の電力調整精度で前記マグネトロンの第1の電力を調整し、且つ第2の電力調整精度で前記半導体マイクロ波源の第2の電力を調整する前記ステップは、具体的には、
前記目標電力が前記半導体マイクロ波源の第2の最大電力以下である場合、前記マグネトロンをオフにし、前記第2の電力調整精度で前記第2の電力を前記目標電力に調整することを含む
請求項
5に記載の制御方法。
【請求項7】
前記マイクロ波調理装置の全体電力が前記目標電力に達するように、前記判断結果に基づいて、第1の電力調整精度で前記マグネトロンの第1の電力を調整し、且つ第2の電力調整精度で前記半導体マイクロ波源の第2の電力を調整する前記ステップは、具体的には、
前記目標電力が前記マグネトロンの第1の最大電力以上である場合、前記第2の電力が前記目標電力と前記第1の最大電力との差の値となるように、前記第1の電力を前記第1の最大電力に調整し、且つ前記第2の電力調整精度で前記第2の電力を調整することを含む
請求項
5に記載の制御方法。
【請求項8】
前記第1のマイクロ波の第1の電力範囲は第1の最小電力及び第1の最大電力を有し、
前記第2のマイクロ波の第2の電力範囲は第2の最小電力及び第2の最大電力を有し、
前記マイクロ波調理装置の全体電力が前記目標電力に達するように、前記判断結果に基づいて、第1の電力調整精度で前記マグネトロンの第1の電力を調整し、且つ第2の電力調整精度で前記半導体マイクロ波源の第2の電力を調整する前記ステップは、具体的には、
前記目標電力が前記第1の最大電力と前記第2の最大電力との間にある場合、前記第2の電力が前記目標電力と目標プリセット電力との差の値となるように、前記第1の電力を前記目標プリセット電力に調整し、且つ前記第2の電力調整精度で前記第2の電力を調整することを含み、
前記第1の最小電力と前記第1の最大電力との間に複数のプリセット電力が設けられ、隣接する任意の2つの前記プリセット電力の差の値は前記第2の最大電力以下であり、前記目標プリセット電力は前記目標電力以下のいずれか1つの前記プリセット電力である
請求項
5に記載の制御方法。
【請求項9】
前記目標プリセット電力は、前記目標電力以下の少なくとも1つのプリセット電力において、前記目標電力に最も近いプリセット電力である
請求項
8に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年01月31日に中国特許庁に提出された、出願番号が201810096705.6であり、発明の名称が「マイクロ波加熱装置及び制御方法」である中国特許出願、及び2018年02月05日に中国特許庁に提出された、出願番号が201810110876.Xであり、発明の名称が「マイクロ波調理装置、制御方法及び記憶媒体」である中国特許出願に基づき優先権を主張し、その内容の全てを援用することにより本願に取り入れる。
【0002】
本願は、家庭用電化製品の分野に関し、具体的には、マイクロ波調理装置、制御方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、電子レンジ加熱の便利さにより、電子レンジはますます普及しており、そのニーズもますます多様化している。それに対応して、マイクロ波、蒸気、あぶり焼き、熱風、解凍などの様々な複合加熱モードが生み出されている。複合加熱の主な解決策は、マグネトロンと蒸気発生器とを組み合わせることによりマイクロスチームレンジを構成し、マグネトロン、蒸気発生器及び発熱管を組み合わせることによりマイクロスチームオーブンを構成するなど、各電力部材を直接積み重ねることである。既存の電子レンジは、主にマグネトロンをマイクロ波源として使用しており、マグネトロンは大電力、高効率、低コストであるが、生成されたマイクロ波が制御できず、マイクロ波電力が給電電源の電流を制限することによってのみ削減できるため、他の電力デバイスと組み合わせて加熱する場合、加熱効果が低下するという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の趣旨は、少なくとも従来技術又は関連技術に存在する技術的問題の一つを解決することである。
【0005】
そのため、本願の一つの目的は、新しいマイクロ波調理装置を提供し、マグネトロンと他のパワーアセンブリとを組み合わせて複数の加熱モードを生成する代わりに、固体マイクロ波源を追加し、固体マイクロ波源を制御することにより、電力調整可能な加熱機能を実現し、加熱効果をさらに向上する。
【0006】
本願の別の目的は、それに対応して制御方法及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0007】
本願のさらに別の目的は、新しいマイクロ波調理装置を提供する。
【0008】
本願のさらに別の目的はそれに対応して制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的の少なくとも一つを達成するために、本願の第1態様によれば、内部に加熱キャビティを画設可能なハウジングと、ハウジングに設けられ、第1の可変電力マイクロ波を放射する固体マイクロ波源と、固体マイクロ波源と対応してハウジングの頂部に設けられ、第1の可変電力マイクロ波を加熱キャビティ内に供給するアンテナと、固体マイクロ波源に接続され、固体マイクロ波源の作動を制御し、且つ第1の可変電力マイクロ波を調整するコントローラと、ハウジングに設けられ且つコントローラに接続され、第2の電力マイクロ波を放射するマグネトロンと、マグネトロンから前記ハウジングの底部まで延び、ハウジングの底部に開放端を有し、第2の電力マイクロ波を加熱キャビティ内に供給する導波路と、を備えるマイクロ波調理装置を提供する。
【0010】
当該技術的手段において、ハウジングに固体マイクロ波源及び固体マイクロ波源から放射される可変電力マイクロ波を伝送するためのアンテナを設けることにより、マグネトロン加熱を採用する方法に比べて、固体マイクロ波源は、マグネトロンに対してマイクロ波電力を連続的に調整することができるという特徴を持っているため、一方では、密封された食材に対する加熱効果がよりよく、他方では、固体マイクロ波源はマグネトロンより電力がはるかに小さいため、これに対応して、解凍操作を実行する時、電力が大きすぎることによる解凍待ちの食材が局所的に吸熱しすぎて局所的な過熱により局所的に成熟するという現象を引き起こせることがなく、解凍の効果を改善する。
【0011】
上記技術的手段において、好ましくは、マイクロ波調理装置は、ハウジングに設けられ且つ前記コントローラに接続され、第2の電力マイクロ波を放射するマグネトロンと、マグネトロンと対応して設けられ、第2の電力マイクロ波を加熱キャビティ内に供給する導波路と、をさらに備え、コントローラは、マグネトロンの作動を制御し、又はマグネトロンと固体マイクロ波源との同期作動を制御する。
【0012】
当該技術的手段において、コントローラがマグネトロンの作動を制御することにより、マグネトロンの単一加熱モードの機能を実現し、マグネトロンと固体マイクロ波源との同期作動を制御することにより、マグネトロンと固体マイクロ波源の組み合わせによって発生するマイクロ波の電力がより高くなり、単位時間あたりに発生するマイクロ波エネルギーがより高くなり、これにより、大電力加熱が必要な条件下で、マグネトロンのみを設置する方法に比べて作動効率をさらに向上することができる。
【0013】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、マイクロ波調理装置は、ハウジングに設けられ、加熱キャビティに高温蒸気を搬送する蒸気発生器をさらに備え、コントローラは、蒸気発生器の作動を制御し、又は蒸気発生器と固体マイクロ波源との同期作動を制御する。
【0014】
当該技術的手段において、蒸気発生器と固体マイクロ波源との同期作動を制御することにより、蒸気発生器とマグネトロンとの同時作動に比べて、マイクロ波の周波数が調整できないため蒸気が加熱キャビティの周囲に凝縮することによる加熱キャビティの共振特性の変更が回避できる。固体マイクロ波源はマイクロ波源の放射周波数を任意に調整することができるので、凝縮が発生した加熱キャビティに共振点を再発見してこの共振点で作動することができ、これにより、マイクロ波加熱効率を向上するという目的を達成する。
【0015】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、マイクロ波調理装置は、ハウジングに貼り付けて設けられ、高温赤外線を放射する発熱管をさらに備え、コントローラは、発熱管の作動を制御し、又は発熱管と固体マイクロ波源との同期作動を制御する。
【0016】
当該技術的手段において、発熱管と固体マイクロ波源との同期作動という加熱モードを設定することによって、従来技術のマグネトロンと発熱管を組み合わせて加熱する方式に比べて、電力がより低く、マイクロ波電力が最高で300Wだけであるため、金属フレームをグリルとして加熱キャビティに載置することができ、マイクロ波電力が高すぎて金属フレームに高誘導電圧が発生することによる点火の現象が発生することがなく、あぶり焼きモード(発熱管+固体マイクロ波源)で作動する安全性を向上する。
【0017】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、ハウジングは直方体構造であり、固体マイクロ波源及びアンテナのアセンブリは、それぞれハウジングの頂部に設けられ、マグネトロンはハウジングの後部に設けられ、導波路はマグネトロンの下方に設けられ、且つハウジングの下方まで延びており、蒸気発生器はハウジングの側壁に設けられ、加熱管はハウジングの後壁に設けられる。
【0018】
当該技術的手段において、固体マイクロ波源、マグネトロン、蒸気発生器及び加熱管をそれぞれハウジングの異なるエリアに設置することにより、パワーアセンブリの合理的な配置が実現され、これにより、固体マイクロ波源を増やすという前提の下で、従来のマイクロ波調理装置の製造サイズを増大しないことが実現できる。
【0019】
また、機能や作動モードの調整に応じて、上記デバイスの配置位置を調整することもできる。
【0020】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、固体マイクロ波源は、オリジナルのマイクロ波信号を生成する信号源と、信号源に接続され、オリジナルのマイクロ波信号を小電力マイクロ波信号に増幅するプリアンプと、プリアンプに接続され、小電力マイクロ波信号をマルチパスのマイクロ波信号に分配する電力分配器と、電力分配器に接続され、マルチパスのマイクロ波信号を電力増幅してマルチパスの第1の可変電力マイクロ波を発生する電力増幅管と、それぞれ電力増幅管及びアンテナに接続され、第1の可変電力マイクロ波をアンテナに伝送する無線周波数射出モジュールと、を備え、第1の可変電力マイクロ波の電力変化範囲は0ワット以上300ワット以下である。
【0021】
当該技術的手段において、信号源、プリアンプ、電力分配器及び電力増幅管をそれぞれ設置することにより、信号源から放射したマイクロ波の電力を調整することが実現され、且つ作動電圧が低いため安全性がより高く、且つ無線周波数射出モジュールにより、アンテナを介して加熱キャビティ内に供給することが実現され、且つ調整可能な加熱空間を構成し、加熱キャビティ内に回転部材を設置する必要があり、さらにマイクロ波調理装置の構成を簡素化することに役立つ。
【0022】
電力増幅管はGaN半導体電力増幅管である。
【0023】
本願の第2態様によれば、加熱指令を受信した場合、加熱指令が単一加熱モードを起動するために用いられるか、又は組み合わせ加熱モードを起動するために用いられるかを検出するステップと、加熱指令が組み合わせ加熱モードを起動するために用いられると検出した場合、組み合わせ加熱モードにおける少なくとも2組のパワーアセンブリを決定し、少なくとも2組のパワーアセンブリを起動させて加熱操作を実行するステップと、を含み、少なくとも2組のパワーアセンブリは固体マイクロ波源アセンブリを含む制御方法を提供する。
【0024】
当該技術的手段において、マイクロ波加熱指令を受信する時に、まずマイクロ波加熱指令の種類を判断し、加熱指令に応じて起動される電力デバイスに基づいて種類を区分することができ、単一加熱モードと組み合わせ加熱モードを含み、組み合わせ加熱モードであると判断する時に、当該組み合わせ加熱モードに対応するパワーアセンブリを決定し、起動電力の間でマイクロ波加熱操作を実行するように制御する。固体マイクロ波源は、マグネトロンに対してマイクロ波電力を連続的に調整することができるという特徴を持っているため、固体マイクロ波源を追加することで、一方では、密封された食材に対する加熱効果がよりよく、他方では、固体マイクロ波源はマグネトロンより電力がはるかに小さいため、これに対応して、解凍操作を実行する時、電力が大きすぎることによる解凍待ちの食材が局所的に吸熱しすぎて局所的な過熱により局所的に成熟するという現象を引き起こせることがなく、解凍の効果を改善する。
【0025】
また、加熱電力の大きさに応じて種類を区分することもできる。
【0026】
上記技術的手段において、好ましくは、加熱操作を実行する前に、固体マイクロ波源アセンブリを制御して加熱キャビティ内に固定電力検知信号を発信させるステップと、固定電力検知信号の反射信号を受信し、且つ反射信号の大きさとプリセット閾値との間の関係に基づいて加熱キャビティが空であるか否かを判断するステップと、加熱キャビティが空であると判断した場合、警報信号を生成するステップと、加熱キャビティが空ではないと判断した場合、加熱指令に応じて加熱操作を実行するステップと、をさらに含む。
【0027】
当該技術的手段において、加熱キャビティに比較的小さくて電力値が固定された検知信号を発信し、続いて当該検知信号の反射信号の大きさがプリセット閾値を超えたか否かを検出し、加熱キャビティが空であるか否かを判断し、超えれば空であると判断し、超えなければ空ではないと判断する。これにより、一方では、他の検出デバイスを設ける必要がなく、マイクロ波信号により空きを直接検出するという機能を実現し、他方では、空きを検出した時に警報信号を生成し、マイクロ波調理装置の安全性を向上する。
【0028】
固体マイクロ波源は、マグネトロンに比べて以下のような利点を有している。すなわち、(1)マグネトロンから放射したマイクロ波電力が安定的ではない(10%以上の変動)ことに対して、固体マイクロ波源はマイクロ波電力を正確且つ安定的に放射することができ、(2)マグネトロンから放射したマイクロ波が空間自由波であり、戻りの電力の大きさを正確に検出することができないことに対して、固体源から放射したマイクロ波がパイロット波であり、戻りのマイクロ波電力の大きさを正確に検出することができる、という利点である。したがって、固体マイクロ波源により検知信号を発信することによってのみ空き検出機能が実現できる。
【0029】
具体的には、所定の大きさ及び形状の加熱キャビティにおいて、空である時に、マイクロ波の吸収率が一定であり、且つ最小値であり、例えば加熱キャビティが空の時のマイクロ波吸収率(損失)が4%であると、空である時にマイクロ波源から放射したマイクロ波電力の4%が損失し、96%のマイクロ波電力が固体マイクロ波源に戻る。したがって、正確な電力のマイクロ波検知信号を発信し、例えば電力値が100Wであり、続いて反射された反射信号の電力値を検出することにより、96W以上であれば空であると判断し、96W未満であれば空ではないと判断することができる。
【0030】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、組み合わせ加熱モードは固体マイクロ波源とマグネトロンの組み合わせ、固体マイクロ波源と蒸気発生器の組み合わせ、及び固体マイクロ波源と発熱管の組み合わせのいずれか1つを含む。
【0031】
当該技術的手段において、組み合わせ加熱モードは少なくとも上記3種類のパワーアセンブリの組み合わせを含む。
【0032】
マグネトロンを固体マイクロ波源とともに作動させるように制御することにより、マグネトロンと固体マイクロ波源の組み合わせによって発生するマイクロ波の電力がより高くなり、単位時間あたりに発生するマイクロ波エネルギーがより高くなり、これにより、大電力加熱が必要な条件下で、マグネトロンのみを設置する方法に比べて作動効率をさらに向上することができる。
【0033】
蒸気発生器と固体マイクロ波源との同期作動を制御することにより、蒸気発生器とマグネトロンとの同時作動に比べて、マイクロ波の周波数を調整できないため蒸気が加熱キャビティの周囲に凝縮することによる加熱キャビティの共振特性の変更が回避できる。固体マイクロ波源はマイクロ波源の放射周波数を任意に調整することができるので、凝縮が発生した加熱キャビティに共振点を再発見してこの共振点で作動することができ、これにより、マイクロ波加熱効率を向上するという目的を達成する。
【0034】
当該技術的手段において、発熱管と固体マイクロ波源との同期作動という加熱モードを設定することにより、従来技術のマグネトロンと発熱管を組み合わせて加熱する方式に比べて、電力がより低く、マイクロ波電力が最高で300Wだけであるため、金属フレームをグリルとして加熱キャビティに載置することができ、マイクロ波電力が高すぎて金属フレームに高誘導電圧が発生することによる点火の現象は発生することがなく、これにより、あぶり焼きモード(発熱管+固体マイクロ波源)で作動する安全性を向上する。
【0035】
上記いずれかの技術的手段において、好ましくは、加熱指令が単一加熱モードを起動するために用いられると検出した場合、単一加熱モードに対応するパワーアセンブリを決定し、パワーアセンブリを起動させて加熱操作を実行するステップをさらに含み、パワーアセンブリは、固体マイクロ波源、マグネトロン、蒸気発生器及び発熱管のいずれか1つを含む。
【0036】
当該技術的手段において、固体マイクロ波源加熱モード、マグネトロン加熱モード、蒸気加熱モード及び発熱管加熱モードという4種類の単一加熱モードを設定することにより、マグネトロン加熱を採用して大電力加熱ニーズに応えることができ、固体マイクロ波源加熱を採用して解凍ニーズに応えることができ、蒸気加熱を採用して高温蒸気を生成することができ、加熱食品の食感を向上することができ、発熱管加熱を採用してあぶり焼き機能を実現することができる。
【0037】
本願の第3態様によれば、プロセッサと、プロセッサにより実行可能な指令を記憶するメモリと、を備え、プロセッサは、メモリに記憶された実行可能な指令を実行する時に、上記第1態様の技術的手段のいずれか1つに記載の制御方法のステップを実現するマイクロ波調理装置を提供する。
【0038】
本願の第4態様によれば、コンピュータプログラムが記憶され、コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される時、上記第1態様の技術的手段のいずれか1つに記載の制御方法のステップを実現するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0039】
上記目的を達成するために、本願の第5態様によれば、キャビティと、キャビティの側壁に固定して設けられ、且つキャビティ内に第1の周波数範囲を有する第1のマイクロ波を供給し、第1の電力調整精度で前記第1のマイクロ波に対応する電力を調整するマグネトロンと、マグネトロンからキャビティの底部まで延び、キャビティの底部に開放端を有し、第1のマイクロ波をキャビティ内に供給するようにマグネトロンに接続される導波路と、側壁に固定して設けられ、且つキャビティ内に前記第1の周波数範囲と前記第1の周波数範囲より低い第2の周波数範囲と前記第1の周波数範囲より高い第3の周波数範囲とを含む第4の周波数範囲を有する第2のマイクロ波を供給し、第2の電力調整精度で前記第2のマイクロ波に対応する電力を調整する半導体マイクロ波源と、キャビティの頂部に固定して設けられ、第2のマイクロ波を前記キャビティ内に供給するように半導体マイクロ波源に接続され、前記第4の周波数範囲のうち第1の周波数範囲内にある第2のマイクロ波を遮蔽し、前記第4の周波数範囲のうち前記第2の周波数範囲内と前記第3の周波数範囲内とにある前記第2のマイクロ波を通過させる帯域阻止アンテナと、を備え、第2の電力調整精度が第1の電力調整精度より高いマイクロ波調理装置を提供する。
【0040】
当該技術的手段において、マイクロ波調理装置は2つのマイクロ波源を有し、それぞれがマグネトロンと半導体マイクロ波源であり、マグネトロンが単独で作動する時、マイクロ波調理装置の性能は、単一のマグネトロンを備えた従来のマイクロ波調理装置の性能と同様である。半導体マイクロ波源が単独で作動する時、半導体マイクロ波源の第2の電力調整精度がマグネトロンの第1の電力調整精度より高いため、即ち第2のマイクロ波に対応する電力の最小ステップ値は、第1のマイクロ波に対応する電力の最小ステップ値より小さく、この時、マイクロ波調理装置の電力調整精度がより高く、より多くの電力段の調整を実現し、これにより、マイクロ波調理装置はより多くの加熱ニーズに応えることができる。マグネトロンと半導体マイクロ波源が同時に作動する時、その時にマイクロ波調理装置の全体電力は第1のマイクロ波に対応する電力と第2のマイクロ波に対応する電力との和であることを理解することができ、そのため、その時にマイクロ波調理装置の全体電力範囲を広げるだけでなく、マイクロ波調理装置の電力調整精度を向上することができる。マグネトロンのみを有するマイクロ波調理装置に対して、全体電力範囲及び電力調整精度はいずれも改善され、加熱段の数が多く、異なる加熱対象に応じて適切な加熱段を調整することができ、異なる加熱ニーズに応え、適用性がよくなる。
【0041】
第2の電力調整精度が第1の電力調整精度より高い前提で、第2の電力調整精度の好ましい値は1~10Wである。
【0042】
上記技術的手段において、好ましくは、第1のマイクロ波の第1の電力範囲は第1の最小電力及び第1の最大電力を有し、第2のマイクロ波の第2の電力範囲は第2の最小電力及び第2の最大電力を有し、第2の最大電力は第1の最小電力と第1の最大電力との間にある。
【0043】
当該技術的手段において、第2のマイクロ波の電力範囲は第2の最小電力から第2の最大電力までである。第1のマイクロ波の第1の最小電力を第2のマイクロ波の全体電力範囲内に設け、これにより、マイクロ波調理装置は第2の最小電力から第1の最大電力までの間の調整を実現し、この時、マイクロ波調理装置の全体電力範囲は第2の最小電力から第1の最大電力と第2の最大電力との合計であり、マイクロ波調理装置の全体電力範囲が広くなり、より多くの加熱ニーズに応えることができる。
【0044】
好ましくは、第2の最小電力は0Wである。
【0045】
好ましくは、第2のマイクロ波の電力範囲は、マイクロ波調理装置の全体電力範囲内において第2の電力調整精度でマイクロ波調理装置の全体電力の連続調整を達成するために、第1の電力調整精度の最小ステップ値以上である。
【0046】
上記技術的手段において、好ましくは、第1のマイクロ波の第1の周波数範囲は、第2のマイクロ波の第2の周波数範囲と重複しない。
【0047】
当該技術的手段において、第1のマイクロ波の第1の周波数範囲が第2のマイクロ波の第2の周波数範囲と重複しないため、マグネトロンと半導体マイクロ波源が同時に作動する時、第1のマイクロ波と第2のマイクロ波が相互に干渉する可能性を防止することができ、マイクロ波調理装置の加熱の信頼性を向上する。
【0048】
上記技術的手段において、好ましくは、側壁に固定して設けられ、第2のマイクロ波をキャビティ内に供給するように半導体マイクロ波源に接続され、また第1の周波数範囲内にある第2のマイクロ波を遮蔽する帯域阻止アンテナをさらに備える。
【0049】
当該技術的手段において、半導体マイクロ波源から発生した第2の周波数範囲内にある第2のマイクロ波は、帯域阻止アンテナを介してキャビティ内に供給され、同時に第1の周波数範囲内にある第2のマイクロ波は、帯域阻止アンテナによって遮蔽され、これにより、第2のマイクロ波と第1のマイクロ波が相互に干渉する可能性を低減し、マイクロ波調理装置の加熱の信頼性を向上する。
【0050】
上記技術的手段において、好ましくは、帯域阻止アンテナは、具体的には、第2のマイクロ波をキャビティ内に供給するアンテナと、アンテナに接続され、且つ第1の周波数範囲内にある第2のマイクロ波を遮蔽するフィルタ、又はアンテナに接続され、且つ第1の周波数範囲内にある第2のマイクロ波を遮蔽するサーキュレータと、を備える。
【0051】
当該技術的手段において、帯域阻止アンテナはアンテナ及びアンテナに接続されるフィルタであり、又は帯域阻止アンテナはアンテナ及びアンテナに接続されるサーキュレータである。フィルタ及びサーキュレータは、第1の周波数範囲内にある第2のマイクロ波を遮蔽し、即ち、第1の周波数範囲外にある第2のマイクロ波のみがフィルタ及びサーキュレータを通過することができ、最終的にアンテナを介して第2のマイクロ波をキャビティ内に供給し、これにより、第2のマイクロ波と第1のマイクロ波が相互に干渉する可能性を低減し、マイクロ波調理装置の加熱の信頼性を向上する。
【0052】
上記技術的手段において、好ましくは、側壁に固定して設けられ、第1のマイクロ波をキャビティ内に供給するようにマグネトロンに接続される導波路をさらに備える。
【0053】
当該技術的手段において、マグネトロンから発生した第1のマイクロ波は導波路を介してキャビティ内に供給され、この時、マグネトロンの点検に役立つようにマグネトロンはキャビティの外壁に設けられてもよい。
【0054】
本願の第6態様の技術的手段は、第5態様の技術的手段のいずれか1つに記載のマイクロ波調理装置に用いられ、マイクロ波調理装置の目標電力を取得するステップと、目標電力とマイクロ波調理装置における半導体マイクロ波源及びマグネトロンの電力パラメータとの大小関係を判断し、判断結果を生成するステップと、マイクロ波調理装置の全体電力が目標電力に達するように、判断結果に基づいて、第1の電力調整精度でマグネトロンの第1の電力を調整し、且つ第2の電力調整精度で半導体マイクロ波源の第2の電力を調整するステップと、を含み、全体電力は第1の電力と第2の電力との和である制御方法を提供する。
【0055】
当該技術的手段において、電子レンジの全体電力はマグネトロンの第1の電力と半導体マイクロ波源の第2の電力との和であり、且つ、マグネトロンの第1の電力は、即ち第1のマイクロ波に対応する電力であり、半導体マイクロ波源の第2の電力は、即ち第2のマイクロ波に対応する電力であることを理解することができる。マイクロ波調理装置が作動する時、マイクロ波調理装置の目標電力を取得した後、大小関係により第1の電力と第2の電力を決定し、全体電力を目標電力に等しくするように目標電力とマイクロ波調理装置における半導体マイクロ波源及びマグネトロンの電力パラメータとの大小関係を判断する。セミマグネトロンの電力パラメータは、第1のマイクロ波の第1の最小電力、第1の最大電力、及び第1の電力調整精度を含み、半導体マイクロ波源の電力パラメータは、第2のマイクロ波の第2の最小電力、第2の最大電力、及び第2の電力調整精度を含む。理解できるように、目標電力の精度が第1の電力調整精度より高くない場合、全体電力の精度が目標電力の精度と一致するようにマグネトロンの第1の電力を第1の電力調整精度で調整できるだけでなく、全体電力の精度が目標電力の精度と一致するように半導体マイクロ波源の第2の電力を第2の電力調整精度で調整することもでき、それとともに全体電力の精度が目標電力の精度と一致するように第1の電力と第2の電力を同時に調整することもできる。目標電力の精度が第1の電力調整精度より高い場合、マグネトロンが作動しているか否かに関係なく、全体電力を目標電力に等しくするように第2の電力を第2の電力調整精度で調整しなければならない。同時に、第1の電力と第2の電力との和即ちマイクロ波調理装置の全体電力が目標電力に達するように、目標電力と第1の最大電力及び第2の最大電力との関係に応じ、マグネトロンの第1の電力及び半導体マイクロ波源の第2の電力の大きさを決定する。
【0056】
上記技術的手段において、好ましくは、マイクロ波調理装置の全体電力が目標電力に達するように、判断結果に基づいて、第1の電力調整精度でマグネトロンの第1の電力を調整し、且つ第2の電力調整精度で半導体マイクロ波源の第2の電力を調整する前記ステップは、具体的には、目標電力が半導体マイクロ波源の第2の最大電力以下である場合、マグネトロンをオフにし、第2の電力調整精度で第2の電力を目標電力に調整することを含む。
【0057】
当該技術的手段において、目標電力が半導体マイクロ波源の第2の最大電力以下である場合、その時に半導体マイクロ波源のみを動作させるだけで全体電力を目標電力に等しくすることができ、そのためマグネトロンをオフにし、その時、マイクロ波調理装置のマイクロ波源は半導体マイクロ波源であり、全体電力を目標電力に等しくするように第2の電力調整精度で第2の電力を目標電力に調整する。半導体マイクロ波源を単独で動作させるとマイクロ波調理装置の全体電力の調整精度を向上させ、マイクロ波調理装置がより多くの加熱ニーズに応えることができるようにするだけでなく、マイクロ波調理装置の電力調整のプロセスを簡素化し、マイクロ波調理装置の制御を容易にすることができ、また、マグネトロンの第1の電力範囲の制限性により、全体電力を0から増やすことができず、半導体マイクロ波源の場合にマイクロ波調理装置の全体電力を0から徐々に増やし、これにより、マイクロ波調理装置の全体電力の範囲を広げ、マイクロ波調理装置の適用性を向上する。
【0058】
上記技術的手段において、好ましくは、マイクロ波調理装置の全体電力が目標電力に達するように、判断結果に基づいて、第1の電力調整精度でマグネトロンの第1の電力を調整し、且つ第2の電力調整精度で半導体マイクロ波源の第2の電力を調整する前記ステップは、具体的には、目標電力がマグネトロンの第1の最大電力以上である場合、第2の電力が目標電力と第1の最大電力との差の値となるように、第1の電力を第1の最大電力に調整し、且つ第2の電力調整精度で第2の電力を調整することを含む。
【0059】
当該技術的手段において、目標電力がマグネトロンの第1の最大電力以上である場合、この時、マグネトロンの第1の電力を第1の最大電力に調整し、即ちマグネトロンは第1の最大電力で動作し、続いて、第1の電力と第2の電力との和即ち全体電力を目標電力に等しくするように第2の電力調整精度で半導体マイクロ波源の第2の電力を調整する。具体的に言えば、目標電力が第1の最大電力に等しい場合、この時、マグネトロンは第1の最大電力で動作し、半導体マイクロ波源は作動しない。目標電力が第1の最大電力より大きい場合、第2の電力が目標電力と第1の最大電力との差の値と等しくなるように、マグネトロンは第1の最大電力で動作するとともに半導体マイクロ波源は作動する。
【0060】
上記技術的手段において、好ましくは、マイクロ波調理装置の全体電力が目標電力に達するように、判断結果に基づいて、第1の電力調整精度でマグネトロンの第1の電力を調整し、且つ第2の電力調整精度で半導体マイクロ波源の第2の電力を調整する前記ステップは、具体的には、目標電力が第1の最大電力と第2の最大電力との間にある場合、第2の電力が目標電力と目標プリセット電力との差の値となるように、第1の電力を目標プリセット電力に調整し、且つ第2の電力調整精度で第2の電力を調整することを含み、第1の最小電力と第1の最大電力との間に複数のプリセット電力が設けられ、隣接する任意の2つのプリセット電力の差の値は第2の最大電力以下であり、目標プリセット電力は目標電力以下の任意のプリセット電力である。
【0061】
当該技術的手段において、マグネトロンに対して、複数のプリセット電力が予め設定され、且つ隣接する任意の2つのプリセット電力の差の値は第2の最大電力以下であり、理解できるように、プリセット電力の間の差の値は第1の電力調整精度値の整数倍であり、且つプリセット電力は第1の最大電力と第1の最小電力を含む。したがって、目標電力が第1の最小電力と第1の最大電力との間にある場合、目標電力が複数のプリセット電力のうちの1つに等しいと、目標プリセット電力が目標電力に等しく、この時第1の電力を第1の電力調整精度で調整して第1の電力をプリセット目標電力に等しくし、マイクロ波調理装置の全体電力が目標電力に等しいか、又は目標プリセット電力が目標電力より小さくても、第1の電力調整精度で第1の電力を調整して第1の電力をプリセット目標電力に等しくした後、第2の電力調整精度で第2の電力を調整して、第2の電力を目標電力とプリセット目標電力との差の値に等しくし、この時にプリセット目標電力の値の値は一意ではなく、目標電力とプリセット目標電力との差の値が第2の最大電力以下であればよい。
【0062】
目標電力がいずれのプリセット電力とも等しくない場合、目標プリセット電力は目標電力より小さい少なくとも1つのプリセット電力のいずれかであり、目標電力と第1の電力との差の値が第2の最大電力以下であればよい。
【0063】
好ましくは、目標電力と第1の電力との差の値が第2の最大電力以下である場合、第1の電力の値を変更せず、第2の電力調整精度で第2の電力を調整し、第2の電力を目標電力と第1の電力との差の値と等しくする。これにより、第1の電力の値をできるだけ一定にしてマイクロ波調理装置の全体電力を迅速に調整する。
【0064】
上記技術的手段において、好ましくは、目標プリセット電力は目標電力以下の少なくとも1つのプリセット電力において、目標電力に最も近いプリセット電力である。
【0065】
当該技術的手段において、目標プリセット電力が目標電力以下の少なくとも1つのプリセット電力において、目標電力に最も近いプリセット電力であることは、具体的には、目標電力が複数のプリセット電力のうちの1つに等しい場合、目標プリセット電力が目標電力に等しく、目標電力がいずれのプリセット電力とも等しくない場合、目標プリセット電力が目標電力より小さい少なくとも1つのプリセット電力のうち、値が最大の電力である。本技術的手段において目標プリセット電力と目標電力は比較的近く、第2のプリセット電力が目標電力と目標プリセット電力との差の値と等しくなるように第2のプリセット電力を迅速に調整することが容易になる。
【0066】
好ましくは、隣接する任意の2つのプリセット電力の差の値が第2の最大電力以下である前提で、第1の電力の値を低減するためにプリセット電力の数をできるだけ低減し、これにより、第1の電力の値をできるだけ一定にしてマイクロ波調理装置の全体電力を迅速に調整する。
【0067】
本発明のほかの態様及び利点は、以下の説明に記載され、一部は以下の説明から明確になり、または本発明を実施することで理解できる。
【0068】
本発明の上記及び/又はほかの態様及び利点は、以下の図面を参照した実施例の説明から明確になり、容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【
図1】本願の実施例に係るマイクロ波調理装置の構成を示す概略図である。
【
図2】本願の実施例に係るマイクロ波調理装置の構成を示す概略図である
【
図3】本願の実施例に係る制御方法を示す概略フローチャートである。
【
図4】本願の実施例に係る空き検出方法を示す概略フローチャートである。
【
図5】本願の実施例に係るマイクロ波調理装置を示す概略ブロック図である。
【
図6】本願の実施例に係るマイクロ波調理装置の構成を示す概略図である。
【
図7】本願の実施例に係る制御方法を示す概略フローチャートである。
【
図8】本願の実施例に係る制御方法を示す概略フローチャートである。
【
図9】本願の実施例に係る制御方法を示す概略フローチャートである。
【
図10】本願の実施例に係る制御方法を示す概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本願の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解できるように、以下、図面及び具体的な実施形態を参照しながら本願についてさらに詳しく説明する。なお、矛盾しない限り、本願の実施例及び実施例中の特徴を組み合わせることができる。
【0071】
本願を充分に理解するように、以下の説明で多くの具体的な詳細を説明するが、本願はここで説明する形態と異なる形態で実施することもできるので、本願の保護範囲は以下で開示する具体的な実施例に限定されない。
【0072】
以下は
図1及び
図2を参照しながら、本願の第1の実施例のマイクロ波調理装置について具体的に説明する。
【0073】
図1及び
図2に示すように、本願の実施例によるマイクロ波調理装置は、ハウジング102と、マイクロ波共振器特性を有する加熱キャビティ104と、最大電力が300Wで、小電力マイクロ波(制御可能な無線周波数マイクロ波)を発生する固体マイクロ波源106と、小電力無線周波数マイクロ波を加熱キャビティ104に放射するアンテナ108と、最大電力が1000Wで、大電力マイクロ波(空間自由波)を発生するマグネトロン110と、マグネトロンにより発生されたマイクロ波をキャビティに供給する導波路112と、最大電力が1400Wで、高温蒸気を生成する蒸気発生器114と、最大電力が1000Wで、高温熱風及び赤外線を生成する発熱管116と、を備える。
【0074】
固体マイクロ波源106が、他の電力デバイス(マグネトロン110、蒸気発生器114及び発熱管116のうちの少なくとも1つ)と組み合わせ加熱モードを形成することにより、マイクロ波加熱電力を調整することが実現でき、加熱及び解凍の効果をさらに改善する。
【0075】
図1及び
図2に示すように、具体的には、内部に加熱キャビティ104を画設可能なハウジング102と、ハウジング102に設けられ、第1の可変電力マイクロ波を放射する固体マイクロ波源106と、固体マイクロ波源106に接続され、第1の可変電力マイクロ波を加熱キャビティ104内に供給するアンテナ108と、固体マイクロ波源106に接続され、固体マイクロ波源106の作動を制御し、且つ第1の可変電力マイクロ波を調整するコントローラと、を備える。
【0076】
図1及び
図2に示すように、さらに、マイクロ波調理装置は、ハウジング102に設けられ、第2の電力マイクロ波を放射するマグネトロン110と、マグネトロン110と対応して設けられ、第2の電力マイクロ波を加熱キャビティ104内に供給する導波路112と、をさらに備え、コントローラは、マグネトロン110の作動を制御し、又はマグネトロン110と固体マイクロ波源106との同期作動を制御する。
【0077】
図1及び
図2に示すように、さらに、マイクロ波調理装置は、ハウジング102に設けられ、加熱キャビティ104に高温蒸気を搬送する蒸気発生器114をさらに備え、コントローラは、蒸気発生器114の作動を制御し、又は蒸気発生器114と固体マイクロ波源106との同期作動を制御する。
【0078】
図1及び
図2に示すように、さらに、マイクロ波調理装置は、ハウジング102に貼り付けて設けられ、高温赤外線を放射する発熱管116をさらに備え、コントローラは、発熱管116の作動を制御し、又は発熱管116と固体マイクロ波源106との同期作動を制御する。
【0079】
図1及び
図2に示すように、ハウジング102は直方体構造であり、ハウジング102の前側に加熱キャビティ104の開口が開設され、固体マイクロ波源106とアンテナ108のアセンブリは、それぞれハウジング102の頂部に設けられ、マグネトロン110はハウジング102の後部に設けられ、導波路112はマグネトロン110の下方に設けられ、且つハウジング102の下方まで延びており、蒸気発生器114はハウジング102の側壁に設けられ、加熱管はハウジング102の後壁に設けられる。
【0080】
なお、固体マイクロ波源106の設置態様の1つとして、固体マイクロ波源106は、オリジナルのマイクロ波信号を生成する信号源と、信号源に接続され、オリジナルのマイクロ波信号を小電力マイクロ波信号に増幅するプリアンプと、プリアンプに接続され、小電力マイクロ波信号をマルチパスのマイクロ波信号に分配する電力分配器と、電力分配器に接続され、マルチパスのマイクロ波信号を電力増幅してマルチパスの第1の可変電力マイクロ波を発生する電力増幅管と、それぞれ電力増幅管及びアンテナ108に接続され、第1の可変電力マイクロ波をアンテナ108に伝送する無線周波数射出モジュールと、を備え、第1の可変電力マイクロ波の電力変化範囲は0ワット以上300ワット以下である。
【0081】
当該実施例において、ハウジング102に固体マイクロ波源106及び固体マイクロ波源106により放射される可変電力マイクロ波を伝送するためのアンテナ108を設けることにより、マグネトロン110加熱を採用する方法に比べて、固体マイクロ波源106は、マグネトロン110に対してマイクロ波電力を連続的に調整することができるという特徴を持っているため、一方では、密封された食材に対する加熱効果がよりよく、他方では、固体マイクロ波源106はマグネトロン110より電力がはるかに小さいため、これに対応して、解凍操作を実行する時、電力が大きすぎることによる解凍待ちの食材が局所的に吸熱しすぎて局所的な過熱により局所的に成熟するという現象を引き起こせることがなく、解凍の効果を改善する。
【0082】
当該実施例において、コントローラがマグネトロン110の作動を制御することにより、マグネトロン110の単一加熱モードの機能を実現し、マグネトロン110と固体マイクロ波源106との同期作動を制御することにより、マグネトロン110と固体マイクロ波源106の組み合わせによって発生するマイクロ波の電力がより高くなり、単位時間あたりに発生するマイクロ波エネルギーがより高くなり、これにより、大電力加熱が必要な条件下で、マグネトロン110のみを設置する方法に比べて作動効率をさらに向上することができる。
【0083】
当該実施例において、蒸気発生器114と固体マイクロ波源106との同期作動を制御することによって、蒸気発生器114とマグネトロン110との同時作動に比べて、マイクロ波の周波数を調整することができないため蒸気が加熱キャビティ104の周囲に凝縮することによる加熱キャビティ104の共振特性の変更が回避できる。固体マイクロ波源106はマイクロ波源の放射周波数を任意に調整することができるので、凝縮が発生した加熱キャビティ104に共振点を再発見してこの共振点で作動することができ、これにより、マイクロ波加熱効率を向上するという目的を達成する。
【0084】
当該実施例において、発熱管116と固体マイクロ波源106との同期作動という加熱モードを設定することによって、従来技術のマグネトロン110と発熱管116を組み合わせて加熱する方式に比べて、電力がより低く、マイクロ波電力が最高で300Wだけであるため、金属フレームをグリルとして加熱キャビティ104に載置することができ、マイクロ波電力が高すぎて金属フレームに高誘導電圧が発生することによる点火の現象が発生することがなく、これにより、あぶり焼きモード(発熱管116+固体マイクロ波源106)で作動する安全性を向上する。
【0085】
当該実施例において、固体マイクロ波源106、マグネトロン110、蒸気発生器114及び加熱管をそれぞれハウジング102の異なるエリアに設置することにより、パワーアセンブリの合理的な配置が実現され、これにより、固体マイクロ波源106を増やすという前提の下で、従来のマイクロ波調理装置の製造サイズを増大しないことが実現できる。
【0086】
また、機能や作動モードの調整に応じて、上記デバイスの設置位置を調整することもできる。
【0087】
当該実施例において、それぞれ信号源、プリアンプ、電力分配器及び電力増幅管を設置し、信号源から放射したマイクロ波電力を調整することが実現され、且つ作動電圧が低いため安全性がより高く、且つ無線周波数射出モジュールにより、アンテナ108を介して加熱キャビティ104内に供給することが実現され、且つ調整可能な加熱空間を構成し、加熱キャビティ104内に回転部材を設置する必要があり、さらにマイクロ波調理装置の構成を簡素化することに役立つ。
【0088】
電力増幅管はGaN半導体電力増幅管である。
【0089】
図3は本願の実施例による制御方法を示す概略フローチャートである。
【0090】
図3に示すように、本願の実施例による制御方法は、加熱指令を受信した場合、加熱指令が単一加熱モードを起動するために用いられるか、又は組み合わせ加熱モードを起動するために用いられるかを検出するステップ202と、加熱指令が組み合わせ加熱モードを起動するために用いられると検出した場合、組み合わせ加熱モードにおける少なくとも2組のパワーアセンブリを決定し、少なくとも2組のパワーアセンブリを起動させて加熱操作を実行するステップ204と、を含み、少なくとも2組のパワーアセンブリは固体マイクロ波源アセンブリを含む。
【0091】
当該実施例において、マイクロ波加熱指令を受信する時に、まずマイクロ波加熱指令の種類を判断し、加熱指令に応じて起動される電力デバイスに基づいて種類を区分することができ、単一加熱モードと組み合わせ加熱モードを含み、組み合わせ加熱モードであると判断する時に、当該組み合わせ加熱モードに対応するパワーアセンブリを決定し、起動電力の間でマイクロ波加熱操作を実行するように制御する。ただし、固体マイクロ波源は、マグネトロンに対してマイクロ波電力を連続的に調整することができるという特徴を持っているため、固体マイクロ波源を追加することで、一方では、密封された食材に対する加熱効果がよりよく、他方では、固体マイクロ波源はマグネトロンより電力がはるかに小さいため、これに対応して、解凍操作を実行する時、電力が大きすぎることによる解凍待ちの食材が局所的に吸熱しすぎて局所的な過熱により局所的に成熟するという現象を引き起こせることがなく、解凍の効果を改善する。
【0092】
また、加熱電力の大きさに応じて種類を区分することもできる。
【0093】
さらに、上記実施例では、加熱指令が単一加熱モードを起動するために用いられると検出した場合、単一加熱モードに対応するパワーアセンブリを決定し、パワーアセンブリを起動させて加熱操作を実行するステップをさらに含み、パワーアセンブリは、固体マイクロ波源、マグネトロン、蒸気発生器及び発熱管のいずれか1つを含む。
【0094】
当該実施例において、固体マイクロ波源加熱モード、マグネトロン加熱モード、蒸気加熱モード及び発熱管加熱モードという4種類の単一加熱モードを設定することにより、マグネトロン加熱を採用して大電力加熱ニーズに応えることができ、固体マイクロ波源加熱を採用して解凍ニーズに応えることができ、蒸気加熱を採用して高温蒸気を生成することができ、加熱食品の食感を向上することができ、発熱管加熱を採用してあぶり焼き機能を実現することができる。
【実施例1】
【0095】
図4に示すように、本願の実施例による空き検出方法は、
さらに、上記実施例では、加熱操作を実行する前に、加熱指令を受信した場合、固体マイクロ波源アセンブリを制御して加熱キャビティ内に固定電力検知信号を発信させるステップ302と、検知信号の反射信号を受信し、且つ反射信号の大きさとプリセット閾値との間の関係に基づいて加熱キャビティが空であるか否かを判断するステップ304と、加熱キャビティが空であると判断した場合、警報信号を生成するステップ306と、加熱キャビティが空ではないと判断した場合、加熱指令に対応するパワーアセンブリを起動させて加熱操作を実行するステップ308と、をさらに含む。
【0096】
当該実施例において、加熱キャビティに比較的小さくて電力値が固定された検知信号を発信し、続いて当該検知信号の反射信号の大きさがプリセット閾値を超えたか否かを検出し、加熱キャビティが空であるか否かを判断し、超えれば空であると判断し、超えなければ空ではないと判断する。これにより、一方では、他の検出デバイスを設ける必要がなく、マイクロ波信号により空きを直接検出するという機能を実現し、他方では、空きを検出した時に警報信号を生成し、マイクロ波調理装置の安全性を向上する。
【0097】
固体マイクロ波源は、マグネトロンに比べて、以下のような利点を有している。すなわち、(1)マグネトロンから放射したマイクロ波電力が安定的ではない(10%以上の変動)ことに対して、固体マイクロ波源はマイクロ波電力を正確且つ安定的に放射することができ、(2)マグネトロンから放射したマイクロ波が空間自由波であり、戻りの電力の大きさを正確に検出することができないことに対して、固体源から放射したマイクロ波がパイロット波であり、戻りのマイクロ波電力の大きさを正確に検出することができる、という利点である。したがって、固体マイクロ波源により検知信号を発信することによってのみ空き検出機能が実現できる。
【0098】
具体的には、所定の大きさ及び形状の加熱キャビティにおいて、空である時に、マイクロ波の吸収率が一定であり、且つ最小値であり、例えば加熱キャビティが空の時のマイクロ波吸収率(損失)が4%であると、空である時にマイクロ波源から放射したマイクロ波電力の4%が損失し、96%のマイクロ波電力が固体マイクロ波源に戻り、したがって正確な電力のマイクロ波検知信号を発信し、例えば電力値が100Wであり、続いて反射された反射信号の電力値を検出し、96W以上であれば空であると判断し、96W未満であれば空ではないと判断する。
【0099】
さらに、組み合わせ加熱モードは、具体的には、以下の組み合わせモードを含むがそれらに限定されず、コントローラによる制御によって組み合わせ加熱機能を実現する。
【実施例2】
【0100】
固体マイクロ波源とマグネトロンを組み合わせ、マグネトロンと固体マイクロ波源との同期作動を制御することにより、マグネトロンと固体マイクロ波源の組み合わせによって発生するマイクロ波の電力がより高くなり、単位時間あたりに発生するマイクロ波エネルギーがより高くなり、これにより、大電力加熱が必要な条件下で、マグネトロンのみを設置する方法に比べて作動効率をさらに向上することができる。
【実施例3】
【0101】
固体マイクロ波源と蒸気発生器を組み合わせ、蒸気発生器と固体マイクロ波源との同期作動を制御することによって、蒸気発生器とマグネトロンとの同期作動に比べて、マイクロ波の周波数を調整することができないため蒸気が加熱キャビティの周囲に凝縮することによる加熱キャビティの共振特性の変更が回避できる。固体マイクロ波源はマイクロ波源の放射周波数を任意に調整することができるので、凝縮が発生した加熱キャビティに共振点を再発見してこの共振点で作動することができ、これにより、マイクロ波加熱効率を向上するという目的を達成する。
【実施例4】
【0102】
固体マイクロ波源と発熱管を組み合わせ、発熱管と固体マイクロ波源との同期作動という加熱モードを設定することによって、従来技術のマグネトロンと発熱管を組み合わせて加熱する方式に比べて、電力がより低く、マイクロ波電力が最高で300Wだけであるため、金属フレームをグリルとして加熱キャビティに載置することができ、マイクロ波電力が高すぎて金属フレームに高誘導電圧が発生することによる点火の現象が発生することがなく、これにより、あぶり焼きモード(発熱管+固体マイクロ波源)で作動する安全性を向上する。
【0103】
図5は本願の第2の実施例によるマイクロ波調理装置を示す概略ブロック図である。
【0104】
図5に示すように、本願の第2の実施例によるマイクロ波調理装置50は、プロセッサ502と、プロセッサ502により動作可能なコンピュータプログラムを記憶するメモリ504とを含み、メモリ504とプロセッサ502との間はバスを介して接続されてもよく、当該プロセッサ502は、メモリ504に記憶されたコンピュータプログラムを実行する時に、上記実施例に記載のマイクロ波調理装置のステップを実現する。
【実施例5】
【0105】
図6に示すように、本願の第1態様の実施例で提供するマイクロ波調理装置60では、キャビティ602は複数の側壁6022で囲まれ、キャビティ602の隣接する2つの側壁6022の外側にマグネトロン604及び半導体マイクロ波源606がそれぞれ固定して設けられ、マグネトロン604から発生した第1のマイクロ波は側板に固定して設けられた導波路610を介してキャビティ602に供給され、半導体マイクロ波源606から発生した第2のマイクロ波は側壁6022に固定して設けられた帯域阻止アンテナ608を介してキャビティ602に供給される。本実施例における第1のマイクロ波の第1の最小電力は300Wであり、第1のマイクロ波の第1の最大電力は1000Wであり、第1の電力調整精度は100Wであり、マグネトロン604は100Wの第1の電力調整精度で300Wから1000Wの間に第1のマイクロ波に対応する電力を調整する。第1のマイクロ波の第1の周波数範囲は2440~2460MHzであり、第2のマイクロ波の第2の最小電力は0Wであり、第2のマイクロ波の第2の最大電力は350Wであり、第2の電力調整精度は1Wであり、半導体マイクロ波源は1Wの第2の電力調整精度で0から350Wの間に第2のマイクロ波に対応する電力を調整する。第2のマイクロ波の第2の周波数範囲は2400~2435MHz及び2465~2500MHzであり、ただし、帯域阻止アンテナ608の帯域阻止周波数は2440~2460MHzであり、第1のマイクロ波の第1の周波数範囲と重複し、帯域阻止アンテナ608はアンテナ及びアンテナに接続されるフィルタを含み、アンテナは第2のマイクロ波をキャビティ602内に供給する。フィルタはアンテナ及び半導体マイクロ波源606に接続され且つ第1の周波数範囲内にある第2のマイクロ波を遮蔽する。
【0106】
当該実施例において、マイクロ波調理装置60は2つのマイクロ波源を有し、それぞれマグネトロン604と半導体マイクロ波源606であり、マグネトロン604が単独で作動する場合、マグネトロン604が発生した第1のマイクロ波は導波路610を介してキャビティ602内に供給され、マイクロ波調理装置60の全体電力範囲は300~1000Wであり、マイクロ波調理装置60は300~1000Wの間に100Wの第1の電力調整精度でマイクロ波調理装置60の全体電力(即ち第1のマイクロ波に対応する電力と第2のマイクロ波に対応する電力との和)を調整することができ、この時、マイクロ波調理装置60の性能は従来の単一のマグネトロン604を有するマイクロ波調理装置60の性能と同様である。
【0107】
半導体マイクロ波源606が単独で作動する場合、マイクロ波調理装置60の全体電力範囲は0~350Wであり、マイクロ波調理装置60は0~350Wの間に1Wの第2の電力調整精度でマイクロ波調理装置60の全体電力を調整することができ、この時、マイクロ波調理装置60の電力調整精度がより高く、より多くの電力段の調整を実現し、マイクロ波調理装置60はより多くの加熱ニーズに応えることができる。
【0108】
マグネトロン604と半導体マイクロ波源606が同時に作動する場合、マイクロ波調理装置60の全体電力範囲は0~1350Wであり、全体電力範囲は大幅に広くなり、低電力状態で作動するマグネトロン604の不安定性を無視することができ、0~300Wの間の全体電力の値を達成する上に、マグネトロン604の電力の上限を克服し、1000~1350Wの間の全体電力の値を達成することができる。さらに重要なことは、マグネトロン604と半導体マイクロ波源606の作動状態を同時に調整することにより、マイクロ波調理装置60の全体電力を0~1350Wの間に1Wの第2の電力調整精度で全体電力を調整することができ、負荷応答がより均一で効率的であり、様々な加熱ニーズに応えることができ、適用性を改善する。
【0109】
なお、第1のマイクロ波の第1の周波数範囲が第2のマイクロ波の第2の周波数範囲と重複しないため、マグネトロン604と半導体マイクロ波源606が同時に作動する時、第1のマイクロ波と第2のマイクロ波が相互に干渉する可能性を防止することができ、マイクロ波調理装置60の加熱の信頼性を向上する。さらに、フィルタは、第1の周波数範囲内にある第2のマイクロ波を遮蔽することができ、即ち、第1の周波数範囲外にある第2のマイクロ波のみがフィルタ及びサーキュレータを通過することができ、最終的にアンテナを介して第2のマイクロ波をキャビティ602内に供給し、これにより、第2のマイクロ波と第1のマイクロ波が相互に干渉する可能性を低減し、マイクロ波調理装置60の加熱の信頼性を向上する。
【0110】
好ましくは、マイクロ波調理装置60は電子レンジであり、異なる食材に応じて加熱段を柔軟に調整することができ、これにより、ユーザの異なる加熱需要を満たす。
【0111】
なお、マイクロ波調理装置60は、電子レンジ及びマイクロ波を利用して加熱する他の装置を含む。
【0112】
好ましくは、帯域阻止アンテナ608はアンテナ及びアンテナに接続されるサーキュレータを含み、サーキュレータは第1の周波数範囲内にある第2のマイクロ波を遮蔽し、即ち、第1の周波数範囲外にある第2のマイクロ波のみがサーキュレータを通過することができ、最終的にアンテナを介して第2のマイクロ波をキャビティ602内に供給し、これにより、第2のマイクロ波と第1のマイクロ波が相互に干渉する可能性を低減し、マイクロ波調理装置60の加熱の信頼性を向上する。
【0113】
好ましくは、第2の電力調整精度は10Wであり、マグネトロン604と半導体マイクロ波源606が同時に作動する場合、マイクロ波調理装置60の全体電力は0~1350Wの間に10Wの第2の電力調整精度で全体電力を調整し、マグネトロン604が単独で作動する時に100Wの第1の電力調整精度で調整する場合より優れ、適用性がよりよい。
【0114】
好ましくは、半導体マイクロ波源606の電力範囲は第1の電力調整精度の最小ステップ値以下であり、マイクロ波調理装置60の全体電力範囲内に第2の電力調整精度でマイクロ波調理装置60の電力を連続的に調整することを実現する。
【実施例6】
【0115】
図7に示すように、本願の第2態様の実施例で提供する制御方法は、第1態様のいずれか1つの実施例に記載のマイクロ波調理装置60に用いられ、マイクロ波調理装置60の目標電力を取得するステップS702と、目標電力とマイクロ波調理装置60における半導体マイクロ波源606及びマグネトロン604の電力パラメータとの大小関係を判断し、判断結果を生成するステップS704と、マイクロ波調理装置60の全体電力が目標電力に達するように、判断結果に基づいて、第1の電力調整精度でマグネトロン604の第1の電力を調整し、且つ第2の電力調整精度で半導体マイクロ波源606の第2の電力を調整するステップS706と、を含み、全体電力は第1の電力と第2の電力との和である。
【0116】
当該実施例において、電子レンジの全体電力はマグネトロン604の第1の電力と半導体マイクロ波源606の第2の電力との和であり、且つ、マグネトロンの第1の電力は、即ち第1のマイクロ波に対応する電力であり、半導体マイクロ波源606の第2の電力は、即ち第2のマイクロ波に対応する電力であることを理解できる。マイクロ波調理装置60が作動する時、ステップS702において、マイクロ波調理装置60の目標電力を取得し、その後、ステップS704において、目標電力とマイクロ波調理装置60における半導体マイクロ波源606及びマグネトロン604の電力パラメータとの大小関係を判断し、判断結果を生成する。ただし、マグネトロン604の電力パラメータは、第1のマイクロ波の第1の最小電力、第1の最大電力、及び第1の電力調整精度を含み、半導体マイクロ波源606の電力パラメータは、第2のマイクロ波の第2の最小電力、第2の最大電力、及び第2の電力調整精度を含む。ステップS706において、全体電力を目標電力に等しくするように判断結果に基づいて第1の電力及び第2の電力を決定することは、具体的に言えば、一方では、目標電力の精度が第1の電力調整精度より高くない場合、全体電力の精度が目標電力の精度と一致するようにマグネトロン604の第1の電力を第1の電力調整精度で調整できるだけでなく、全体電力の精度が目標電力の精度と一致するように半導体マイクロ波源606の第2の電力を第2の電力調整精度で調整することもでき、それとともに全体電力の精度が目標電力の精度と一致するように第1の電力と第2の電力を同時に調整することもできる。目標電力の精度が第1の電力調整精度より高い場合、マグネトロン604が作動しているか否かに関係なく、全体電力を目標電力に等しくするように第2の電力を第2の電力調整精度で調整しなければならない。他方では、第1の電力と第2の電力との和即ちマイクロ波調理装置60の全体電力が目標電力に達するように、目標電力と第1の最大電力及び第2の最大電力との関係に応じ、マグネトロン604の第1の電力及び半導体マイクロ波源606の第2の電力の大きさを決定する。
【実施例7】
【0117】
図8に示すように、本願の一実施例では、制御方法は、マイクロ波調理装置60の目標電力を取得するステップS802と、目標電力とマイクロ波調理装置60における半導体マイクロ波源606及びマグネトロン604の電力パラメータとの大小関係を判断し、判断結果を生成するステップS804と、目標電力が半導体マイクロ波源606の第2の最大電力以下である場合、マグネトロン604をオフにして、第2の電力調整精度で第2の電力を目標電力に調整するステップS806と、を含む。
【0118】
当該実施例において、マイクロ波調理装置60が作動している時、ステップS802において、マイクロ波調理装置60の目標電力を取得し、その後、ステップS804において、目標電力とマイクロ波調理装置60における半導体マイクロ波源606及びマグネトロン604の電力パラメータとの大小関係を判断し、判断結果を生成する。ステップS806において、目標電力が半導体マイクロ波源606の第2の最大電力以下である場合、その時に半導体マイクロ波源606のみを動作させるだけで全体電力を目標電力に等しくすることができ、そのためマグネトロン604をオフにし、その時、マイクロ波調理装置60のマイクロ波源は半導体マイクロ波源606であり、全体電力を目標電力に等しくするように第2の電力調整精度で第2の電力を目標電力に調整する。半導体マイクロ波源606を単独で動作させるとマイクロ波調理装置60の全体電力の調整精度を向上させ、マイクロ波調理装置60がより多くの加熱ニーズに応えることができるようにするだけでなく、マイクロ波調理装置60の電力調整のプロセスを簡素化し、マイクロ波調理装置60の制御を容易にすることができ、また、マグネトロン604の電力範囲の制限性により、全体電力を0から増やすことができず、半導体マイクロ波源606の場合にマイクロ波調理装置60の全体電力を0から徐々に増やし、これにより、マイクロ波調理装置60の全体電力の範囲を広げ、マイクロ波調理装置60の適用性を向上する。
【実施例8】
【0119】
図9に示すように、本願の一実施例では、制御方法は、マイクロ波調理装置60の目標電力を取得するステップS902と、目標電力とマイクロ波調理装置60における半導体マイクロ波源606及びマグネトロン604の電力パラメータとの大小関係を判断し、判断結果を生成するステップS904と、目標電力がマグネトロン604の第1の最大電力以上である場合、第2の電力が目標電力と第1の最大電力との差の値となるように、第1の電力を第1の最大電力に調整し、且つ第2の電力調整精度で第2の電力を調整するステップS906と、を含む。
【0120】
当該実施例において、マイクロ波調理装置60が作動している時、ステップS902において、マイクロ波調理装置60の目標電力を取得し、その後、ステップS904において、目標電力とマイクロ波調理装置60における半導体マイクロ波源606及びマグネトロン604の電力パラメータとの大小関係を判断し、判断結果を生成する。ステップS906において、目標電力がマグネトロン604の第1の最大電力以上である場合、この時、マグネトロン604の第1の電力を第1の最大電力に調整し、即ちマグネトロン604は第1の最大電力で動作し、続いて、第1の電力と第2の電力との和即ち全体電力を目標電力に等しくするように第2の電力調整精度で半導体マイクロ波源606の第2の電力を調整する。具体的に言えば、目標電力が第1の最大電力に等しい場合、この時、マグネトロン604は第1の最大電力で動作し、半導体マイクロ波源606は作動しない。目標電力が第1の最大電力より大きい場合、第2の電力が目標電力と第1の最大電力との差の値と等しくなるように、マグネトロン604は第1の最大電力で動作するとともに半導体マイクロ波源606は作動する。
【実施例9】
【0121】
図10に示すように、本願の一実施例では、制御方法は、マイクロ波調理装置60の目標電力を取得するステップS1002と、目標電力とマイクロ波調理装置60における半導体マイクロ波源606及びマグネトロン604の電力パラメータとの大小関係を判断し、判断結果を生成するステップS1004と、目標電力が第1の最大電力と第2の最大電力との間にある場合、第2の電力が目標電力と目標プリセット電力との差の値となるように、第1の電力を目標プリセット電力に調整し、且つ第2の電力調整精度で第2の電力を調整するステップS1006と、を含み、第1の最小電力と第1の最大電力との間に複数のプリセット電力が設けられ、隣接する任意の2つのプリセット電力の差の値は第2の最大電力以下であり、目標プリセット電力は目標電力以下の任意のプリセット電力である。
【0122】
当該実施例において、マグネトロン604に対して、複数のプリセット電力が予め設定され、且つ隣接する任意の2つのプリセット電力の差の値は第2の最大電力以下であり、理解できるように、プリセット電力の間の差の値は第1の電力調整精度値の整数倍であり、且つプリセット電力は第1の最大電力と第1の最小電力を含む。マイクロ波調理装置60が作動している時、ステップS1002において、マイクロ波調理装置60の目標電力を取得し、その後、ステップS1004において、目標電力とマイクロ波調理装置60における半導体マイクロ波源606及びマグネトロン604の電力パラメータとの大小関係を判断し、判断結果を生成する。ステップS1006において、目標電力が第1の最小電力と第1の最大電力との間にある場合、目標電力が複数のプリセット電力のうちの1つに等しいと、目標プリセット電力が目標電力に等しく、この時第1の電力を第1の電力調整精度で調整して第1の電力をプリセット目標電力に等しくし、マイクロ波調理装置60の全体電力が目標電力に等しいか、又は目標プリセット電力が目標電力より小さくても、第1の電力調整精度で第1の電力を調整して第1の電力をプリセット目標電力に等しくした後、第2の電力調整精度で第2の電力を調整して、第2の電力を目標電力とプリセット目標電力との差の値と等しくし、この時にプリセット目標電力の値の値は一意ではなく、目標電力とプリセット目標電力との差の値が第2の最大電力以下であればよい。
【0123】
目標電力がいずれのプリセット電力とも等しくない場合、目標プリセット電力は目標電力より小さい少なくとも1つのプリセット電力のいずれかであり、目標電力と第1の電力との差の値が第2の最大電力以下であればよい。
【0124】
好ましくは、目標電力と第1の電力との差の値が第2の最大電力以下である場合、第1の電力の値を変更せず、第2の電力調整精度で第2の電力を調整し、第2の電力を目標電力と第1の電力との差の値と等しくする。これにより、第1の電力の値をできるだけ一定にしてマイクロ波調理装置60の全体電力を迅速に調整する。
【0125】
好ましくは、目標プリセット電力は目標電力以下の少なくとも1つのプリセット電力において、目標電力に最も近いプリセット電力である。具体的に言えば、目標電力が複数のプリセット電力のうちの1つに等しい場合、目標プリセット電力は目標電力に等しい。目標電力がいずれのプリセット電力とも等しくない場合、目標プリセット電力は目標電力より小さい少なくとも1つのプリセット電力のうち、値が最大の電力である。本実施例における目標プリセット電力と目標電力は比較的近く、第2のプリセット電力を目標電力と目標プリセット電力との差の値と等しくなるように第2のプリセット電力を迅速に調整することが容易になる。
【0126】
好ましくは、隣接する任意の2つのプリセット電力の差の値が第2の最大電力以下である前提で、第1の電力の値を低減するためにプリセット電力の数をできるだけ低減し、これにより、第1の電力の値をできるだけ一定にしてマイクロ波調理装置60の全体電力を迅速に調整する。
【0127】
本願の一実施例では、好ましくは、マグネトロン604の第1の最小電力は300Wであり、マグネトロン604の第1の最大電力は900Wであり、第1の電力調整精度は100Wであり、半導体マイクロ波源606の第2の最小電力は0Wであり、第2の最大電力は350Wであり、第2の電力調整精度は1Wであり、マグネトロン604のプリセット電力は300W、600W、900Wである。
【0128】
当該実施例において、目標電力が350W以下である場合、マグネトロン604をオフにし、半導体マイクロ波源606を単独で動作させ、第2の電力が目標電力に等しく、即ち全体電力が目標電力に等しくなるように第2の電力調整精度で半導体マイクロ波源606の第2の電力を調整する。
【0129】
目標電力が300Wより大きく且つ600W以下である場合、第1の電力調整精度でマグネトロン604の第1の電力を300Wに調整し、第2の電力が目標電力と第1の電力との差の値、即ち目標電力と300Wとの差の値と等しくなるように第2の電力調整精度で第2の電力を調整する。
【0130】
目標電力が600Wより大きく且つ900W以下である場合、第1の電力調整精度でマグネトロン604の第1の電力を900Wに調整し、第2の電力が目標電力と第1の電力との差の値、即ち目標電力と600Wとの差の値と等しくなるように第2の電力調整精度で第2の電力を調整する。
【0131】
目標電力が900Wより大きく且つ1250W以下である場合、第1の電力調整精度でマグネトロン604の第1の電力を900Wに調整し、第2の電力が目標電力と第1の電力との差の値、即ち目標電力と900Wとの差の値と等しくなるように第2の電力調整精度で第2の電力を調整する。
【0132】
本実施例では、プリセット電力の数をできるだけ低減し、第1の電力の値をできるだけ一定にし、これにより、マイクロ波調理装置60の全体電力を迅速に調整しやすい。
【0133】
本願の実施例の方法におけるステップは実際の必要に応じて順序調整、組み合わせ及び削減を行うことができる。
【0134】
本願の実施例に基づき、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、その上にコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサに実行される時に上記実施例に記載のマイクロ波調理装置のステップを実現する。
【0135】
さらに、理解できることは、フローチャート又は本明細書で他の形で記述されたいかなるプロセス又は方法の説明は、特定の論理機能又はプロセスのステップを実現するための1つ又は複数の実行可能な指令を含むモードのモジュール、セグメント又は一部を表し、及び本願の好ましい実施形態の範囲は別の実現を含むが、これは図示又は説明された順序ではない場合があり、関連する機能に応じて、実質的に同時又は逆の順序で機能を実行することを含むことである。本願の実施例は、当業者によって理解されるであろう。
【0136】
フローチャートで示されるか又は本明細書で他の形で記述された論理及び/又はステップは、例えば、論理機能を実現するための実行可能な指令の順序付きリストと見なされてもよく、指令実行システム、装置、又は機器(例えば、コンピュータベースのシステム、プロセッサを含むシステム、又は指令実行システム、装置、又は機器から指令を読み取って実行できる他のシステム)の使用に用いられ、又はこれらの指令実行システム、装置、又は機器と組み合わせて使用するように、任意のコンピュータ可読媒体で具現化されてもよい。本明細書に関しては、「コンピュータ可読媒体」は、指令実行システム、装置、又は機器で使用するか、又はそのような指令実行システム、装置、又は機器と組み合わせて使用するための、プログラムを含有、記憶、通信、伝播、又は輸送できる任意の装置であってもよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)として、1つ又は複数の電気配線接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスクカートリッジ(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー装置、及びポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CDROM)が挙げられる。さらに、コンピュータ可読媒体は、その上に前記プログラムが印刷できる紙又は他の適切な媒体であってもよく、例えば、紙又は他の媒体によって光学的にスキャンされ、その後、前記プログラムを電子的に取得するために、編集、解釈、又は必要に応じて他の適切方法で処理でき、そしてそれをコンピュータのメモリに保存する。
【0137】
本願の各セクションはハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、あるいはそれらの組み合わせによって実現できると理解すべきである。上記の実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶され、適切な指令実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアで実現されてもよい。例えば、ハードウェアで実現する場合、別の実施形態のように、データ信号に対して論理機能を実現するための論理ゲート回路を備えた離散論理回路、適切な組み合わせ論理ゲート回路を有する専用集積回路、プログラマブルゲート回路(PGA)、フィールドプログラマブルゲート回路(FPGA)など当技術分野で周知している技術のいずれか1つ又は組み合わせによって実現することができる。
【0138】
当業者は上記実施例の方法に携帯するステップの全て又は一部はプログラムによって関連するハードウェアを指示して完了することができ、前記プログラムはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され、当該プログラムは実行する時に、方法例のステップの1つ又はその組み合わせを含む。
【0139】
なお、本願の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに統合されてもよく、各ユニットは物理的に別々に存在してもよく、又は2つ以上のユニットが1つのモジュールに統合されてもよい。上記の統合モジュールは、ハードウェアの形で実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形で実現されてもよい。前記統合モジュールは、ソフトウェア機能モジュールの形で実現され且つスタンドアロン製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に保存することもできる。
【0140】
上記言及した記憶媒体は、読み取り専用メモリ、磁気ディスク、又は光ディスクなどであってもよい。
【0141】
以上は図面を参照して本願の技術的手段を詳細に説明し、当該技術的手段は、固体マイクロ波源を追加し、及びマグネトロンの代わりに固体マイクロ波源を制御して他のパワーアセンブリと組み合わせて複数の加熱モードを生成することにより、電力調整可能な加熱機能を実現し、加熱効果をさらに向上する。
【0142】
以上は本願の好適な実施例にすぎず、本願を限定するものではなく、当業者であれば、本願に対して様々な変更及び変形を行うことができる。本願の趣旨及び原則内に行われた任意の修正、均等置換、改善などは、本願の保護範囲内に含まれるべきである。