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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】地球外通信のための予測測定
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/10 20090101AFI20220411BHJP
   H04W 36/30 20090101ALI20220411BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20220411BHJP
   H04B 7/185 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W36/30
H04W84/06
H04B7/185
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020542873
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 EP2019055863
(87)【国際公開番号】W WO2019170866
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】18160962.9
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518144182
【氏名又は名称】アイピーコム ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ハンス、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ビエナス、マイク
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-69058(JP,A)
【文献】特開平10-108267(JP,A)
【文献】国際公開第01/06803(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
H04B 7/185
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送信ポイントを備える地球外通信システムと通信するユーザ機器、UE、デバイスを操作する方法であって、
前記地球外通信システムの送信ポイントから受信した信号の受信した信号のパラメータを前記UEデバイスによって測定すること、及び測定された前記パラメータと閾値とを比較することに応じて、前記UEデバイスで測定レポートを送信することをトリガーする段階であって、前記閾値は前記送信ポイントに対する前記UEデバイスの時間に依存した予測位置に応じて予め定められた時間変数関数である、段階と、
前記測定レポートを送信する段階と
を備える、方法。
【請求項2】
前記閾値は、前記地球外通信システムから受信した構成情報に従って適応し得る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
測定レポートが複数の送信ポイントに送信され、送信ポイントごとに当該送信ポイントから受信した信号のパラメータと当該送信ポイントに対して予め定められた時間変数関数との間の比較が行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記測定が予め定められた周期で行われ、前記予め定められた周期は時間とともに変化する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記周期は、前記UEデバイスに対する前記送信ポイントの位置に応じて変化する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記周期は、前記UEデバイスに対する第2の送信ポイントの位置に応じて変化する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
衛星通信システムと通信することが可能なユーザ機器、UE、デバイスであって、前記UEデバイスは測定レポートを生成するよう適応され、前記UEデバイスは、測定レポートが送信されるべきか否かを決定すべく受信した信号の強度と時間変数閾値とを比較することを実行するよう構成され、前記時間変数閾値は、前記衛星通信システムの衛星の位置の予測される変化に応じて予め定められた時間変数関数に従って変化する、UEデバイス。
【請求項8】
前記UEデバイスは、前記衛星通信システムから情報を受信するよう構成され、前記情報は、第1の衛星から受信した信号の受信した信号の強度と第2の衛星から受信した信号の受信した信号の強度との比較を前記UEデバイスが実行すべきである期間を示す、請求項7に記載のUEデバイス。
【請求項9】
前記UEデバイスは、前記衛星通信システムから構成情報を受信するよう構成され、前記構成情報は、前記UEデバイスが実行するよう要求される前記測定レポートを前記UEデバイスに示す、請求項7又は8に記載のUEデバイス。
【請求項10】
前記UEデバイスは、前記受信した信号の強度との比較のために前記時間変数閾値の現在の値を決定するのに前記UEデバイスの位置の推定を用いるよう構成される、請求項7から9のいずれか一項に記載のUEデバイス。
【請求項11】
前記UEデバイスは、前記衛星通信システムの前記衛星から受信した信号を用いて位置の前記推定を決定するよう構成される、請求項10に記載のUEデバイス。
【請求項12】
地球外通信システムがユーザ機器、UE、デバイスの第1の送信ポイントから第2の送信ポイントへのハンドオーバーを制御する方法であって、
前記UEデバイスに測定レポートを実行するための構成情報を提供する段階と、
前記第1の送信ポイントから受信した信号の測定値と時間変数閾値とを比較することによって測定レポートを実行することを前記UEデバイスに命令する段階であって、前記時間変数閾値は、前記第1の送信ポイントに対する前記UEデバイスの時間に依存した予測位置に応じて予め定められた時間変数関数に従って変化する、段階と、
前記構成情報に従って測定レポートを前記UEデバイスから受信する段階と、
前記測定レポートに基づいて、前記第1の送信ポイントから前記第2の送信ポイントへのハンドオーバーが有益であることを決定した場合に前記UEデバイスにハンドオーバーコマンドを発行する段階と
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛星通信システム等の地球外通信システムで測定レポートをトリガーすることに関する。
【0002】
衛星通信又は衛星電話システムは公知である。一例は、イリジウム電話及びデータ通信システムである。
【0003】
イリジウムは、6つの軌道と、軌道ごとに11機の衛星とを有する地球低軌道(LEO)衛星を用いる。衛星は781kmの高度及び約100分の軌道周期を有し、結果として、地上の同じポイントを通過する同じ軌道の2つの隣接する衛星間の時間は約9分である。
【0004】
現在、次世代のモバイル通信規格(5G)が、3GPPによって定義されている。それは、コアネットワーク(5GC)及び新たな無線アクセスネットワーク(NR)に対するネットワークアーキテクチャを定義する。さらに、非3GPPアクセスネットワークから5GCへのアクセスが提供される。NR及び5GCの一般的な詳細については、以前の発明における説明を参照する。
【0005】
2017年に、地球外アクセスネットワーク(NTN)サポートをNRに含める新たな活動が3GPPで開始した。3GPP Tdoc RP-171450で新たな研究が提案され、これは、NTNがネットワーク又はネットワークのセグメントとして定義され、送信に航空機又は宇宙船を用いる。 宇宙船:衛星(地球低軌道(LEO)衛星、地球中軌道(MEO)衛星、地球静止軌道(GEO)衛星、及び、長楕円軌道(HEO)衛星を含む) 航空機:繋留UAS、空気より軽いUAS(LTA)、及び空気より重いUAS(HTA)を含み、その全てが典型的には8kmから50kmの間の高度で動作し準定常である、無人航空機システム(UAS)を包含する高高度UASプラットフォーム(HAP)
【0006】
表明された目的は、NTNサポートをNRに組み込むことである。したがって、イリジウムのような既知の衛星通信テクノロジーが5GCにアクセスすることを可能にすることが提案される。上述の地球外の乗り物にわたって動作を可能にすべく、現在開発されているNR規格に必要な強化を含めることが提案される。
【0007】
この目的は、UEとNTN基地局又はNTN送受信機との間の効率的な通信を可能にするのに必要な広い範囲の革新を開く。
【0008】
NTN NR基地局又は送受信機の最も可能性が高い配備モデルは、準定常HAP及びLEO衛星(LEO)である。本発明は、LEO、MEO、及びHEOをNRに組み込むことを強化する。
【0009】
3Gから3GPPが定義するように、配備モデルは、共有の無線ネットワークアクセスとしてNTNアクセスをモバイルネットワークオペレータ(MNO)に提供する衛星のオペレータによってLEOが操作されることであり得る。共有のNTN RANは、MNOの地球上のRANを補完するだろう。各衛星は現在のカバレッジエリア内の共有のRANに寄与し得、これにより、特定のMNOによって用いられる共有のRANが、衛星が軌道を通ってそれらの経路を進むときに動的に変化する複数の衛星によって提供される。
【0010】
NTNの配備について、概して、2つのアーキテクチャの代替手段が存在する。
衛星は、全ての典型的な基地局インテリジェンスを有する基地局を構成する。この配備では、基地局は衛星リンクを介して地上局に接続され、地上局は衛星をそれぞれのコアネットワークに接続する。
衛星は、UEと実際の基地局である地上局との間でデータを転送するリピータを基本的に構成する。この配備は、「曲管(bent pipe)」配備としばしば称される。
【0011】
本発明について、特に記載がない場合、基地局を備える衛星を有するモデルを用いる。これは読みやすくするためだけであり、一般性の損失を引き起こすことはない。本発明の着想は、曲管配備に対しても同様に有効である。
【0012】
現在のNR規格化活動から、物理層に対する柔軟なパラメータ化が知られている。すなわち、単一のキャリアで同時に複数の伝送時間間隔(TTI)の長さ又は異なるサブキャリア間隔の値が、潜在的に単一のUEによっても用いられ得る。
【0013】
これに関連して、帯域幅部分(bandwidth parts)の着想が、現在、3GPPで説明されている。時間領域及び/又は周波数領域で隣接して配置される物理リソースエレメントを分類することによって、帯域幅部分が与えられたキャリア内に形成され得る。各帯域幅部分は、例えば、サブキャリア間隔、サイクリックプレフィックス、(周波数領域における)幅、(時間領域における)長さ等の観点から、異なるヌメロロジーで構成され得る。さらに、(上位層から受信したデータ又は上位層向けのデータを伝送するのに用いられる)物理チャネル及び物理信号(測定を実行するための参照信号等の、物理層で直接印象付けられる又は評価される情報)への帯域幅部分の物理リソースの割り当てが、1つの帯域幅部分から他の帯域幅部分に変化し得る。将来、それぞれ異なるヌメロロジー及び/又は異なる物理リソース割り当てを有する、キャリアごとに2つ以上の帯域幅部分が存在し得、UEは与えられたキャリア内で動作中に1又は複数の帯域幅部分の間でスイッチするよう構成され得る。2又はそれより多い帯域幅部分が、いくつかのシナリオにおいて、時間領域及び/又は周波数領域で重複さえし得る。
【0014】
しかしながら、予測されるリンクの変化に基づく物理層パラメータ及び/又は帯域幅部分間の自動遷移が、知られても予測されてもいない。
【0015】
セルラ通信システムの基地局がUEにサービス提供するのにベストセル及び最良の基地局を決定し、ハンドオーバー、キャリアアグリゲーション及びマルチセル接続の候補セル及びタイミングを決定すべく、基地局は測定構成をUEに提供する。この構成は、測定される値、測定値と比較される閾値、トリガーポイント等の測定レポートの詳細、及び測定レポートに含まれる値を備える。
【0016】
測定される典型的な値は、サービングセル、プライマリセル及び/又はセカンダリセル(キャリアアグリゲーションが適用される場合)、及びネイバーセルの受信信号強度(RSS、例えば、LTEで定義されているような値RSRP)である。この受信信号強度は、典型的に、受信側で有意な測定を可能するために固定の送信電力又は予め定められた送信電力を変調又はさらに符号化することなく、基地局によって送信された既知の参照信号の測定信号の電力である。
【0017】
LTEの場合、3つのレポート基準が構成され得る。
イベントトリガーレポート、
周期的レポート、及び
イベントトリガー周期的レポート
【0018】
閾値の比較に基づくLTEにおける典型的なイベントベースのレポートトリガーは以下のとおりであり、これらはほとんどのセルラ通信規格と類似している。
イベントA1(サービングが閾値より良好になる)
イベントA2(サービングが閾値より悪くなる)
イベントA4(ネイバーが閾値より良好になる)
イベントA5(PCell/PSCellが閾値1より悪くなり、且つ、ネイバーが閾値2より良好になる)
イベントB1(インターラット(Inter RAT)ネイバーが閾値より良好になる)
イベントB2(PCellが閾値1より悪くなり、且つ、インターラットネイバーが閾値2より良好になる)
イベントC1(CSI-RSリソースが閾値より良好になる)
【0019】
2又はそれより多い測定の比較に基づくLTEにおける典型的なレポートトリガーは以下のとおりである。
イベントA3(ネイバーがPCell/PSCellより良好なオフセットになる)
イベントA6(ネイバーがSCellより良好なオフセットになる)
イベントC2(CSI-RSリソースが参照CSI-RSリソースより良好なオフセットになる)
【0020】
さらに、LTEは、周期的な測定レポートを構成することを可能にする。これは、例えば、Automated Neighbour Relation(ANR)機能という観点から、UEにその最も強いネイバーセル(の識別子)を規則的にレポートさせるのに用いられ得る。
【0021】
上述から、従来技術による測定サンプルの比較は固定して構成された閾値又は他の測定サンプルのいずれかを用いて行われていることが明らかである。
【0022】
イベントA1、イベントA2、及びイベントA4、及び/又はイベントB1の使用例は以下のとおりである。基地局は、測定イベントA2でUEを構成し、A1、A4、及びB1のいずれでも構成しない。サービング基地局からの受信信号が十分に良好である限り、測定レポートは送信されない。
【0023】
A2の基準が満たされるとき、測定レポートがUEから基地局に送信され、基地局は、ネイバーセル測定を実行するためにUEによって要求され得、無線リソースを要求し従って効率を下げる、測定ギャップを含むネイバーセル測定A4及びB1を用いてUEを再構成し得る。さらに、基地局は、イベントA1を構成してサービング基地局が再び良好であるときを検出し得、A1がレポートをトリガーするとき、A4、B1、及び測定ギャップを除去し従って効率を以前のレベルに戻し得る。
【0024】
アイドルモードにおいて、UEはキャンプオンするセル、すなわちUEがページングメッセージをリッスンし、且つ、UEが必要に応じて接続設定を要求するセルを自律的に選択する。UEは、典型的に、測定するべきセルのリスト(ネイバーセルリスト)を用いて構成されるが、UEは、格納されている情報に基づいて及びUEの実装に応じて、自律的に他の候補セルを捜索して検出し得る。UEは、通常、サービングセルのRSSが閾値を下回るとすぐにネイバーセル測定を実行する。
【0025】
US2011/0195708は、ネイバーセルの状況に応じてネイバーセルのRSS測定又は測定レポートの送信を実行することをUEに要求する測定命令を備える測定構成を説明する。したがって、測定レポートは、(通常のセルラ通信システムの従来技術に示すように)測定値それ自体だけでなく、測定構成が既に適用されている間に受信した追加の情報にも依存している。この文書は、時間又は衛星の相対位置に依存する測定構成を全く説明しておらず、測定レポートをトリガーするための可変な(すなわち、時間変数の)閾値又はオフセット値も説明していない。
【0026】
WO 2013/115696は、モニタリングされたセル負荷に基づいている閾値を決定することで閾値がサービングセル及びネイバーセルに用いられるセル測定を実行する方法を説明する。UEは位置を変更するので、信号強度が時間と共に変化するが、信号強度の値の予測が既知の時間変数関数によって導出されない。
【0027】
WO 2017/189862は、衛星通信システムにおけるハンドオフを説明する。ユーザ端末は、特定の衛星にハンドオフするタイミングを含む、地上のネットワークからのハンドオフ情報を要求し得る。NRフレームワークにおける5GCに衛星接続する場合、衛星がその軌道に沿ってUEの上空を飛行すると、経路損失、したがってUE-衛星接続のリンクの品質は、予め定められた増加及び劣化に従う。UE-衛星ラインが水平線上の平角の場合、当該リンクの品質は、高吸収率の対流圏を通る長い道のりを備える、UEと衛星との間のより長い距離に悩まされ得る。より急勾配な角度を有するエリアでは、距離がより短くて吸収率がより低く、したがって、リンクの品質が向上する。
【0028】
地上のUEにサービス提供する衛星が上空飛行している間、リンクの品質の上術の変化が既知又は予め定められており、すなわち、これらの影響を測定し、結果として生じる測定レポートをトリガーする理由が存在しない。通常、LEO衛星を介した通信接続を有するUEは、全く同じ又は類似した相対軌道に沿ってUEの上空を飛行するいくつかの衛星によって連続してサービス提供を受けるので、変化はまた、周期的である。回転軸が極性軸に対してわずかに傾いているので軌道は衛星間で類似しているだけであり得、全く同じでないが、影響は基本的に無視できるほどであり、したがって本明細書では無視される。
【0029】
予め定められた長期間のリンク変化に適応した測定構成、測定パフォーマンス、及び測定レポートのための手段を提供することが知られていない。また、予め定められた周期的なリンク変化に対する効率的な測定及びレポートメカニズムに対処する手段を提供することが知られていない。UEを地上の基地局に接続する衛星基地局又は衛星送受信機局の測定のために最適化されたセルラ通信UEに測定レジームを提供することが本発明の目的である。
【0030】
以下では、用語「地上のUE(ground-based UE)」は、地上にあって静止している、又は地上の近くにあって衛星までの距離に関して及び衛星の速度に関して準定常であるUEを意味する。すわなち、約10kmの典型的な移動高度及び最大で1000km/hまでの移動速度で移動する飛行機も、地上のUEとみなされる。
【0031】
本発明は、複数の送信ポイントを備える地球外通信システムと通信するユーザ機器、UEデバイスを操作する方法であって、システムの送信ポイントから受信した信号の受信した信号のパラメータをUEデバイスによって測定すること、及び測定されたパラメータを閾値とを比較することに応じて、UEデバイスで測定レポートを送信することをトリガーする段階であって、閾値は送信ポイントに対するUEデバイスの予測位置に応じて、予め定められた関数に従って変化する、段階を備える方法を提供する。
【0032】
好ましい例では、衛星ベースの通信システムが参照されるが、そうでないことが明らかでない限り、本発明がそうように限定されない。ネットワーク送信ポイントは、衛星又は航空機の送受信機の形態であり得る。
【0033】
本発明の一態様は、可変な閾値に基づいて、UEによって送信される測定レポートをトリガーする測定レポートであり、閾値がUEの上空を飛行する衛星の軌道に対応する既知の又は予め定められた変化に従うよう閾値が定義又は構成される。
【0034】
この態様では、UE-衛星リンクの予め定められた変化の特性を定義する基地局による、UEにおけるそのような測定レポートの構成が存在する。特性が、関数の説明として、複数の予め定められた候補関数のうちの1つのインジケータとして、予め定められた関数のパラメータとして、又はそれらの任意の組み合わせとして、1又は複数の測定構成メッセージでUEに提供される。
【0035】
そのような説明された関数が、測定値との比較の前に閾値に適用され得る。代替的に、そのような説明された関数が、構成された閾値との比較の前に測定値に適用され得る。
【0036】
本発明のさらなる態様は、異なる衛星の信号の複数の測定値の比較に基づいて、UEによって送信される測定レポートをトリガーする測定レポートである。ここで、異なる特性が、結果として生じる値を比較する前に異なる衛星の測定に適用される。これは、異なる衛星の測定が、比較される前にUEに対するそれらのそれぞれの軌道に対して適応、例えば、標準化されることを可能にする。
【0037】
この態様の代替的な又は追加の変形は、例えば、上述の測定A3、A6、及びC2に示すように、オフセットを用いる異なる衛星から2つの測定値を比較することである。当該変形は、関数又はパラメータとして構成された予め定められ特性に沿って動的にオフセットを構成する。動的なオフセットを定義するにより、例えば、衛星間の測定比較を適応して、短期間のリンクの品質の向上が予測され得る、又は好ましい軌道にある衛星へのハンドオーバーの可能性を高めることを可能にする。
【0038】
本発明の他の態様は、(例えば、上述の帯域幅部分の概念という観点から)UE-衛星リンクの予め定められた変化に基づいて、(参照)信号に対して測定を実行するための物理信号を変化する構成である。
【0039】
本発明のさらなる態様は、以下の3つの段階を組み合わせて、適用される閾値又はオフセットパラメータを決定することに関連する。第一に、基地局による上空飛行の軌道のステージに基づく測定の一般的な構成、すなわち、UEに対する衛星の現在のステージから独立した構成が行われる。第二に、UEに対する特定の衛星の位置の決定、すなわち、第2の段階で衛星の現在のステージが決定される。第三に、衛星の一般的な構成及び現在のステージに基づいて、構成された測定パラメータをUEで適用。
【0040】
この態様に従って、第1の段階で、基地局は、必ずしも構成が行われる時間でのUE-衛星リンクの現在のステージではない予め定められたステージに関するリンクの予め定められた変化の特性を構成し得る。簡単に言えば、基地局は、衛星の上空飛行の異なる時間、水平線上のUE-衛星ライン特定の開始角度又は類似する仮想の開始ポイントに対応し得る開始時刻に対する異なる時間でリンクの特性を構成する。
【0041】
第2の段階は、衛星が現在存在している、UEに対する衛星の上空飛行の軌道のポイントを決定することである。言い換えれば、この態様は、UE-衛星リンクのステージに関連する、UEに対する衛星の現在のステージを決定する手段を提供する。
【0042】
第2の段階の推定が、例えば、経時的なリンク変化、ドップラー周波数又はその変化、到着角度又はその変化、異なる衛星間の測定の比較等のUEの内部測定を用いて行われ得る。推定はまた、例えば、特性を定義するための既知の開始時刻に基づいて、時間を考慮し得る。推定はまた、UEの地理的位置、例えば、GPS座標、及び衛星の軌道及び移動の知識から計算され得る。推定はまた、衛星によってブロードキャストされた情報、例えば、その位置、現在の時刻、又は隣接している衛星の位置、を考慮し得る。
【0043】
実際の位置の推定が自律的にUEによって実行され得、又は、基地局は、上述の一般的な方法で特性を提供した後、UEに対するその上空飛行の軌道上の衛星の現在位置を決定し、UEに情報を提供し得る。
【0044】
現在のステージが、測定値と閾値との比較、又は異なる衛星の2つの測定値の比較のために実際に適用されるパラメータ又は関数を決定するのに第3の段階で用いられる。
【0045】
本発明の他の態様は、(基本的に)同じ軌道に沿った異なる衛星の反復する上空飛行の周期の測定のために構成されたリンクの特性を反復して適用することである。すわなち、測定構成は、UEにサービス提供する衛星の複数の期間に対して有効のままである。この態様は、一般的な方法で特性を定義する前者の態様と有利に組み合わせられ得る。ハンドオーバー後、基地局、例えば、ターゲット衛星におけるターゲット基地局は、UEが前に受信し、現在、ターゲット衛星の軌道と合わせられる測定構成を適用できるよう、その推定されたUEに対する現在位置を単に提供し得る。代替的に、UEは、ハンドオーバー後、UE-衛星リンクの現在のステージを自律的に推定し得、現在の相対的な衛星の位置に適応された一般的な測定構成を適用し得る。
【0046】
上述の態様はまた、基地局によってUEに構成される複数の異なる一般的な特性、例えば、特定の軌道の衛星に関連する各一般的な特性と組み合わせされ得る。2つの異なる隣接している軌道から衛星によって交互にサービス提供を受けるUEを考慮すると、軌道ごとに構成された一般的な特性が存在し得る。ハンドオーバー後、ターゲット基地局は、構成された特性のうちのどれがUEによって適用されるべきか、すなわち、衛星がどの軌道に存在するかの指標を含む、UEに対するその推定された現在位置を提供し得る。さらに、代替的に、現在位置及び衛星が存在する可能性もある軌道の推定がUEによって自律的に行われて、適用される測定特性を決定し得る。
【0047】
本発明の追加の態様は、上述の可変測定に基づいて延期される測定構成である。この態様は、基地局が可変閾値又はオフセットを有する第1の測定及び第1の測定レポート基準、又は延期される第2の測定及び第2の測定レポート基準を構成し得ることを提案する。第2の測定及びレポート基準が時間情報と共に構成され、これにより、UEが時間情報によって与えられた時間以降でそれぞれポイントからのみこれらの測定及びレポートを実行する。第2の測定が、UL及び/又はDL方向における測定ギャップに調整されて、UEが測定を実行することを可能にし得る。ギャップがDLに存在し得、すなわち、基地局が時間で示されるポイントからのみDL送信を停止し得、すなわち、DLの測定ギャップが測定自体として延期される。同様に、ULでは、UEはギャップを含むことのみが可能であり、すなわち、時間で示されるポイントから送信されない、すなわち、ULのギャップが延期される。
【0048】
この態様は、基地局が可変閾値又はオフセットに基づく測定を構成することを可能にし、これにより、予測される進行からのUE-衛星リンクの偏差が基地局に通知される。さらに、基地局は、例えば、リンクが特定の閾値を下回って悪化すると予測された瞬間に、ネイバーセル測定及びそれぞれのギャップを構成する。そのような構成により、UEはネイバーセル測定を開始し、自律的にギャップを使用し、基地局は、UEを信頼して予測していない変化を通知し、測定、ギャップ、及び/又は他の構成の変更を可能にすることができる。
【0049】
この測定構成により、測定のパフォーマンス及びレポートに対してUE及び基地局の無線リソース及び計算リソースを節約することが可能であり、同時にそれぞれのリンクの品質が永久に基地局に通知されることを保証する。明らかに、全てのリンクの特性の変化がそれらの予測された経路に従う場合、リンクの品質に関する情報は、測定レポートが存在しないことから基地局によって黙示的に導出される。
【0050】
本発明のさらなる態様は、基地局が時間変数の周期的な測定レポートを構成することである。基地局は、集められる測定サンプルの量、及び/又は、例えば、問題のあるステージでより頻繁に、理想的な状態である間ではより少ない頻度で、異なるステージ間の測定レポートの周期を変更し得、それにより、集められる測定サンプル及び/又は送信される測定レポートの総数を減らす。
【0051】
他の関連する態様は、ネイバーセルがサービングセルより良好であると予測され、且つ、予測していない状況を通知する測定レポートが受信されていないときに、基地局で黙示的に導出された知識に単に基づいて測定レポートをトリガーすることなく、基地局で自律的なハンドオーバーをトリガーすることである。これは時間によって純粋にトリガーされ得、すなわち、基地局はタイマーを設定し、タイマーが終了するとすぐにハンドオーバーが開始される。タイマーが作動している間にUEから測定レポートを受信すると、提供される測定に応じてタイマーを変更、リセット、又は停止し得る。
【0052】
類似の方法では、基地局はまた、キャリアアグリゲーション又はデュアル接続シナリオにこのメカニズムを用い得る。キャリアアグリゲーション及びデュアル接続の両方において、ネットワークへのUE接続は、複数のキャリアを並行して構成する。キャリアアグリゲーションでは、複数のキャリアは、通常、低いレイテンシ接続(ファイバー又は同じホスティング機械)を有する同じ基地局又は2つの基地局にUEを接続する。デュアル接続では、キャリアは、2つの衛星へのUE接続に並行して用いられ得る非理想的な接続で異なる基地局にUEを接続する。その場合、1つの衛星はマスタセルに広がり、他の(又は複数の他の)衛星は(複数の)セカンダリセルに広がる。基地局は、本発明に従って、UEからの測定を信頼し、予測していない信号強度が通知され、これにより、タイマー及び測定レポートが存在しないことに基づいて、セカンダリキャリアを追加又はリリースし得る。
【0053】
基地局は、例えば、既に第1の衛星に設定されたリンクにキャリアを追加し得、新たなキャリアは第2の衛星である。UEが反対のことを提示する測定レポートを提供しない限り、追加は、第2の衛星が特定の時点で到達して十分なリンクの品質を有するという知識に基づいてよい。同様に、基地局は、衛星の軌道及び対応するリンクの変化の知識に基づいて、第1の衛星への第1のリンクに並行してキャリアを第2の衛星にリリースし得る。
【0054】
基地局はまた、上述の態様の代替手段として、時間に基づいてキャリアを接続に追加又はリリースするようUEを構成し得、キャリアを追加又はリリースする時点が、UEに対する衛星の予め定められた相対運動に基づいて基地局によって決定される。UEは、次に、基地局からの再構成のような追加のトリガーなしで、構成された時間にキャリアを追加又はリリースする。基地局は、送信機及び受信機が同期するように、同期してキャリアを追加又はリリースする。UEは、測定値に基づいて構成された追加のキャリアを用いることをやめて、その代わりに測定レポートを送信して基地局に状況を通知するよう構成され得る。
【0055】
本発明の他の態様は、UEが、例えば、アイドルモードでセルの再選択のためにネイバーセル測定を自律的に実行するときに、UEで上述の態様を使用することである。UEは、候補衛星が到達すると予測されるときにのみ、セルの再選択、すなわち、衛星の再選択のために測定を実行するよう構成され得る。そうでなければ、たとえ、UEが現在キャンプオンしている衛星のRSSが既知の配置に従ってそのような捜索及びそれぞれの測定をトリガーする場合であっても、UEは、測定を省略すること、すなわち、存在しないと知られているネイバーセルを捜索することを省略することによって、リソースを節約し得る。
【図面の簡単な説明】
【0056】
ここで、本発明の好ましい実施形態が、例示のためだけに、添付図面を参照して説明される。
図1】軌道におけるUEと衛星との間の相対位置の変化を示す。
図2】複数の軌道に複数の衛星を有する衛星システムを示す。
図3】測定された信号強度及び可変閾値の経時変化を示す。
図4】信号強度が閾値を下回った後にUEが再構成メッセージを受信することを示す。
図5】サービング提供局及び隣接局で行われる測定を示す。
図6】衛星通信に関連したドップラー効果を示す。
図7】位置推定を決定するアルゴリズムを示す。
図8】位置を決定するのにドップラーシフトを用いることを示す。
図9】単一の衛星の位置決定及び測定構成のアルゴリズムを示す。
図10】測定周波数がどのように衛星の位置と共に変化し得るかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1は、LEO衛星に基づく無線アクセスネットワークの一例を示す。図は、2つの衛星(SATn,m、SATn,m+1)を表す。ここで、インデックスmは、同じ軌道(Orbit n)上の衛星に繰り返して使用する。例示的な方法では、LEO衛星の2つの典型的な距離が図1で参照されている。地上の上方の衛星の高度(781km)、及び典型的に水平線上から約10°で地上のポイントから見えるようになる衛星の典型的な距離(2050km)。
【0058】
例示的な設定において、衛星が水平線で見えてから同じ衛星が反対側で消えるまでの間の時間は、9分である。地上のUEと衛星との間のリンクが、基本的に予想可能な方法で、これらの9分間で経路損失及びレイテンシが大幅に変化することが図1から明らかである。
【0059】
図2は、2つの軌道(Orbit n及びOrbit n+1)を有する類似した例示的な設定を示す。ここで、インデックスnは、衛星無線アクセスネットワークが備え得る全ての軌道、例えば、典型的に6つ、に繰り返して使用する。各軌道上で、2つの衛星(インデックスm及びインデックスm+1)のみがそれぞれ示される。ここで、典型的に、11機の衛星が360°全体に存在する。軌道面の間のポイントで地上に存在するUEが交互軌道の衛星によってサービス提供を受け得るように、隣接している軌道上の最も近い衛星が1つの軌道上の衛星距離の半分だけオフセットされ得る。
【0060】
図1及び図2の設定は、現在配備されているLEO衛星ベースのシステムと類似した一例である。本発明は、異なる数の衛星、異なる数の軌道、軌道の異なる傾き、異なる高度及び衛星の速度等を有する他の設定も同様に関連している。
【0061】
図3は、実線1として示されるように、衛星の一回の上空飛行の間(9分)の秒単位の時間にわたる、dBm単位の予測された受信信号強度(RSS)の例を示す図を表す。図は、図1に従う配置及び以下のRSSの式(dBm)を前提とする。
dBm=dBm-10nlog10(r/R)
ここで、rは図1の配置に従う現在のUE-衛星間距離であり、R=2050kmは通信リンクが維持される最大のUE-衛星間距離であり、n=3は経路損失指数であり(n=2は真空LOSであり、n=4は典型的な都市環境である)、dBmは典型的なUEによって検出可能な最小のRSSであり、-113dBmに設定される。
【0062】
UEは、UEとUEにサービス提供する衛星との間のリンクの受信信号強度(RSS)を測定するよう基地局によって構成され得る。衛星の動きの既知の特性、すなわち、軌道及びその位置に起因して、RSSは図3の実線1で表されるように変更することが予測され得る。本発明に従って、基地局は、図3のより低い破線2で表されるように経時的に変更するよう構成される閾値に基づいて、レポートイベントを構成し得る。当該閾値の構成によって、基地局は、測定されたRSSがその期待値から大幅に逸脱するたびにそれが通知されることを保証する。
【0063】
測定レポートイベントをトリガーする偏差は、期待値の上又は下の固定オフセット(絶対値)、上又は下の百分率(相対値)、又はそれらの組み合わせとして構成され得る。代替的に、段階的な定義が適用され得、すなわち、特定の時間に有効な固定オフセット又は分数オフセットが適用され、その後、異なる固定オフセット又は分数オフセットが有効になる。
【0064】
現在の例では、基地局は現在のUE-衛星リンクの予測していない低下に関心があり得、よって、図3に従って、予測されたものより2dBm低い閾値が構成され得る。結果として、測定されたRSSが期待値より2dBm低い測定値に該当するとき、UEは測定レポートを送信するだろう。
【0065】
測定されたRSSは、任意の既知の方法により、すなわち、複数の連続した測定を平均化することにより、UEによって平滑化され得る。これは、高速フェーディング、散乱、又は他の環境の影響のような、短時間の信号劣化に起因してレポートがトリガーされることを回避するのに役立つ。窒息関数でさえパラメータ化され得、これにより、衛星の軌道に従う予め定められた又は構成された変化に従ってそれが時間変化する。
【0066】
基地局によるUEへの変化する閾値の構成のために、複数の代替可能なメカニズムが単独で又は組み合わされて適用され得る。
【0067】
予め定められた関数は、UEに実装されて、基地局によって知られ得、例えば、
dBmth(t)=dBm-10n/2log10(a-bcos(t×j))
であり、ここで、dBm、n、a、b及びjは基地局によって構成され、tは参照時間tと現在の時刻との間の時間である。
【0068】
参照時間tは、基地局から構成メッセージを受信した時間、又は予測されるRSSの一般的な説明のための固定された相対的な開始時刻であり得る。
【0069】
上述の定数のいずれかは、例えば、規格文書で固定されてよく、又は上述のように構成されてよく、又は、それらは衛星無線アクセスネットワークの1つの衛星又は任意の複数の衛星によってブロードキャストされ得る。UEで用いられる関数は、上述の例と類似していても異なっていてもよく、より多くのパラメータ又はより少ないパラメータがUEを構成するのに基地局によって用いられてよい。代替例において、主なパラメータが固定されても又はブロードキャストされてもよく、UEの位置に応じて個々に予測されたRSS曲線を説明する1つ又は2つの追加パラメータのみが基地局によって構成される。さらなる他の代替手段において、主なパラメータが固定又はブロードキャストされ、UEは、衛星に対する自身の位置から個々の曲線進行を計算する。さらなる他の代替手段において、UEが関数のプールから予め定められた関数を選択するために、関数の識別子がUEに提供される。
【0070】
図3の例において、測定されたRSSが期待値から大幅に逸脱しなくてよく、これにより、基地局がRSSの進行、したがってUE-衛星リンクの特性を黙示的に知っている。例えば、RSSが-106dBmの閾値を超えるとすぐに基地局がより高いデータレートの接続を再構成する必要がある場合、基地局は、UEと測定レポートを全く交換する必要がなく、これが約t=140sで起こると推測できる。送信される測定レポートで予測されたRSS進行及び測定再構成の必要性の結果として、従来技術から知られている任意の有意な固定された閾値がある時点で交差するので、これは従来技術に対する大きな利点である。しかしながら、測定レポートは、明らかなことを主にレポートするだろう。
【0071】
図4は、図3を参照して説明されたような同様の設定及び初期構成の異なる例を表す。UEは、そのサービング衛星のRSSを測定し、測定値が破線12に示される変化する閾値を下回るたびに測定レポートをトリガーするよう構成され得る。実線11で示される測定値は、期待値(点線)から大幅に逸脱することなく約320s間進行し得る。その後、測定値は予測されるものより速く低下し、時刻treconf1で構成された閾値を下回る。当該時刻で、UEは、そのレポート基準に従って、測定値を含む測定レポートを生成し、基地局にレポートを送信する。
【0072】
測定レポートは、例えば、測定されるべきハンドオーバー候補衛星に関する情報及びUEがネイバーセル測定を実行することを可能にする測定ギャップを含むネイバーセル(隣接している衛星)測定でUEの測定レポートを再構成するよう基地局をトリガーし得る。加えて、基地局は、サービング衛星の測定のために新たなイベント及び閾値を構成し得、その結果、サービング衛星のRSSが図4の破線13に従う閾値を超えるときに、UEはレポートする。
【0073】
その後の略80秒間、UEは構成された測定を実行し、それにより、要求されるリソース、例えば、測定ギャップのための無線リソース及びRFを再調整するための時間、を用いる。その後のあるポイントtreconf2で、測定されたサービング衛星のRSSは、良好なリンクの品質をレポートするための閾値に到達してよく、基地局は、それぞれのギャップを含む隣接している衛星を測定する必要性を除去することによって、及び、当該閾値を下回るRSSをレポートするためのより低い動的な閾値(破線14)を構成することによって、UEの測定基準を再構成してよい。
【0074】
図4に明確に見えるように、動的に変化する閾値を提供する本発明の段階は、UE-衛星間のリンクの明らかな変更をレポートすることなく効率的で効果的な測定レポートを可能にする。
【0075】
同じ予測された軌道を有するターゲット衛星へのUEのハンドオーバーが行われると仮定すると、同じ構成が有効のままであり得、それは、図4に示される開始の状況から再開するために、又はハンドオーバー後のUEとターゲット衛星との間のリンクの現在のステージを表す時点に、ハンドオーバー中に単にリセットされる(当該ポイントを推定する方法についての詳細は、以下にさらに続く)。
【0076】
図5は、サービング衛星21の経時的なUEの受信信号強度の予測される進行を示す図4と同様のグラフを表す。さらに、図5は、隣接している衛星、例えば、隣接している軌道上の衛星23の予測されたRSSを示す。既に上述した態様によれば、基地局は、閾値を下回るサービング衛星のRSSに基づく測定イベントでUEを構成し得、閾値は既知の又は構成された関数22に沿って進行し、その結果、基地局は予測されたRSSを示す測定レポートが存在しないことを確認できる。
【0077】
本発明の一態様によれば、サービング基地局は、隣接している衛星を測定し、サービング衛星及び隣接している衛星の測定されたRSSを比較するようUEを構成し得る。このネイバーセル測定の開始は、図5に表されるように、測定が意味をなすと基地局が予測する時点まで延期され得る。一例において、UEは、サービング衛星へのリンクの品質がその上位ピークを有すると予測されるおおよその時間でネイバーセル測定を開始するよう構成され得る。UEの構成は、より前のポイント、例えば、図5のt=0sの周辺又はより前の上空飛行の周期内で行われることが予測され、その結果、本発明の1つの革新的な態様に従ってネイバーセル測定が時間内で延期されることに留意されたい。
【0078】
それぞれの測定が再構成することなくUEによって実行され得るように、延期されたネイバーセル測定に同じ時点まで延期された測定ギャップ構成も伴ってよい。
【0079】
サービングセル及びネイバーセルの比較は、サービング基地局のRSSがネイバーセルのRSSよりオフセットだけ下回る場合にレポートがUEによって送信されるよう構成され得る。ネイバーセルが予測された実線23のように測定される例示的な状況を仮定すると、レポート基準は、サービングセルのRSSが破線24として図に示される曲線を下回るか否かを検証するだろう。
【0080】
予測されたサービングセル及びネイバーセルの進行は、図5のtHO-expectedで示される時点でお互いに交差する。ネイバーセルへのリンクがサービング衛星へのリンクより良好であるので、当該時刻の周辺で、基地局はハンドオーバーをトリガーし得る。本発明の1つの目的は、UEによって明らかなものをレポートする測定レポートを送信する必要性を除去することであるので、ネイバーセルをオフセットだけ下回るサービングセルのRSSに基づく測定基準が除去され得る。この測定基準の除去は、ネイバーセル測定が構成された時点、すなわち、経時的に変化する測定構成が構成された時点で既に構成されている。この例において、測定構成の変更が時間によってトリガーされ得る。他の例において、任意の種類の測定、すなわち、UEがリンクの状態又は任意の衛星のUEに対する位置を推定することを可能にする任意の測定が、適用される構成の変更をもたらし得る(その詳細は、本発明のさら下の部分)。
【0081】
追加の測定レポートの基準は、ハンドオーバーが予測された後の時間までその適用がUEによって延期されるように、基地局によって構成され得る。例えば、図5に表されるように、基地局は、その瞬間以降からサービングセルがネイバーセルより第2のオフセットだけ良好に受信される任意の状況でハンドオーバーが実際に起こるまでレポートするようUEに要求し得る。図5の曲線25は、ネイバーセルのRSS及びそれぞれの第2のオフセットの合計を示す。すわなち、隣接している衛星がより良いリンクを提供できることが予測され得る瞬間から、(それが起こる場合)予測していない反対のことがUEによってレポートされる。これは、ハンドオーバーがまだ起こっておらず、且つ、隣接している衛星がサービングセルより第2のオフセットだけ下回る状況のためのものであり、これにより、実際のハンドオーバーが基地局によってさらに延期され得る。
【0082】
言い換えれば、本発明のこの例示的な実施形態では、測定レポートは、予測していない測定のみがレポートされることを保証するよう構成される。サービングセルがベストセルであると予測される限り、測定レポートが、ネイバーセルをオフセットだけ下回るサービングセルのRSSによってトリガーされる。ネイバーセルがより良好なセルであると予測されるとすぐに、ネイバーセルのRSSがサービングセルをオフセットだけ下回るときに測定レポートがトリガーされるよう変更される。
【0083】
適用される測定構成を変更する時点は、予測されたハンドオーバーポイントである。しかしながら、実際のハンドオーバーポイントは、他のパラメータ、例えば、ネイバーセルの占有、ハンドオーバーをトリガーして実行するために基地局の利用可能な無線リソース及び計算リソースによって影響を受け得る基地局の決定である。したがって、ハンドオーバーの時点は、変化し得、したがって、UEの測定構成の自律的な変化は、測定効率を高め、予測していないことが起こり、ネイバーセルが予測された時点でベストセルでない場合にハンドオーバーのパフォーマンスを向上させ得る。適用された測定構成が変更される時点が基地局によって設定され、それは、例えば、予測されたハンドオーバーより前であり得、又は、それは、2のRSS曲線の予測された交差ポイントであり得るが、実際のハンドオーバーが、十分なネイバーセルの信号品質を保証すべく、後で短い時間インスタンスとなるよう基地局によって計画される。全てのこれらの場合において、本発明は、最小のシグナリングで効率的な測定レポートを適用する手段を提供する。
【0084】
ハンドオーバーが実際に起こるとき、すなわち、基地局がハンドオーバーメッセージ、例えば、ハンドオーバーコマンドメッセージを介してターゲット衛星にスイッチするようUEをトリガーするとき、測定構成が、例えば、図5におけるポイントtpost-HOに対するターゲット衛星の新たな相対状態にソース若しくはターゲット基地局によって、又は自律的にUEによって容易にリセットされ得る。曲線の周期のために、ポイントtpost-HOが同じ図に表されるが、実際のポイントtpost-HOは、ポイントtHO-expectedに従う。結果として、ネイバーセル測定が実行されず、関連のオフセットがリセットされる。ハンドオーバーの間、測定構成が、例えば、タイミング及びオフセット情報を不変のまま、(周波数/コード)を測定する隣接している衛星に関する情報をアップデートすることによって、ターゲットUEによって代替的に再び行われ得、又はそれは部分的にのみ再び行われ得る。
【0085】
本発明の他の態様の実施形態が図10に表される。基地局は、UEにおける周期的な測定レポートを構成し得、周期又は時間単位ごとに取られる測定サンプルの数が、経時的変化するよう構成され得る。図10の例において、2つの構成がUEに提供され得る。一方は、第1の時間間隔0s<t<170s及び370s<t<540sにおける予測された低いリンクの品質の間に適用され、他方は、高いリンクの品質が予測される第2の時間間隔170s≦t≦370sの間に適用される。第1の時間間隔(破線)の間、構成が、毎秒サービングセルをRSS測定することを備える1つの測定レポートを送信するようUEに要求し得、一方で、第2の時間間隔(実線)の間、UEが3秒毎に1つのレポートを送信することのみ要求され得る。
【0086】
本発明の他の重要な態様は、1つの衛星の予測された上空飛行の周期に対する一般的な測定構成及びUEにおける衛星の現在の相対位置の推定に基づく、UEによる現在の測定構成及び将来の測定構成の適用である。構成及び推定の両方によって、UEが訂正された現在の測定構成のパラメータを適用することを可能にする。
【0087】
一般的な構成は、衛星の仮想の上空飛行の周期に基づいて本発明によって導入された異なるパラメータを備え得る。その軌道上の衛星の位置は、UEの視点から見た、UEと衛星との間の水平線上の角度によって示され得る。角度は、0°から180°の間で変化し得るが、一方で、現実的に利用可能な角度は、最大で10°から170°まであり得る。一般的な説明について、UE及び基地局が定義された値間隔を有すること、すなわち、基地局及びUEが異なる角度に対するパラメータの構成が何を意味するかを単に知っていることは必然的である。基地局は、次に、それぞれ角度の異なる値間隔に対する異なる関数又はパラメータを構成し得る。
【0088】
代替的に、構成が上空飛行の時間を用い得、本明細書で用いられる例示的な衛星において、t=0sからt=9min=540sになる。他の衛星軌道は、より短い時間又はより長い時間を有し得る。9分の上空飛行の時間の例が、本発明におけるRSS、閾値、及びオフセットの例示的な値を示す図に用いられた。基地局は、次に、現在の時刻と定義されたt=0sとの差の異なる値間隔に対する異なる関数又はパラメータを構成し得る。
【0089】
時間及び角度以外の他の値が、例えば、0%から100%までの衛星経路のある仮想部分又は同様のものに用いられ得る。
【0090】
図9は、本発明の説明された態様の例示的なブロックフローを示す。UEは、UEに対する衛星の位置posの関数である測定構成MCを基地局から受信し得る。関数は、上述の様々な例で説明されているように、連続して適用された複数の測定構成の形態の関数として、予め定められた関数のパラメータとして、又は段階的に定義された閾値及びオフセットのいずれかとして構成され得る。
【0091】
UEは、次に、時刻tでUEに対する衛星の現在位置を決定する。当該決定は、前に位置posを計算した基地局から受信された情報の形態であり得る。代替的に、位置posが、時間、測定、及び衛星軌道に関する知識等からUEで推定される。
【0092】
以前の段階と共に、又は以前の段階から分離して、UEは、次回の期間に対する位置posの進行を決定する。この決定は、位置進行に対する予め定められた関数を検索することによって、基地局から受信したパラメータで予め定められた関数をパラメータ化することによって、又は、UE自体によって行われる測定によって、簡単に行われ得る。位置pos(t)の進行は、(図9の例に示すように)時間tに依存する関数の形態で、水平線上のUE-衛星ラインの角度から、又は同様の技術によって決定され得る。
【0093】
ここで、他の衛星へのハンドオーバーが発生するまで、UEは現在の時刻(t)に対して構成される測定構成を適用し、この場合、UEは、今度は、ハンドオーバーのターゲット衛星に対して現在の衛星の位置の決定を再実行し得る。この段階は、ハンドオーバー後、UEに対する新たな衛星の軌道の新たに決定された位置に基づいて、同じ測定構成が用いられることを保証する。
【0094】
図9に示されるブロックは、単一の衛星に対する測定構成及び位置決定を説明する。前に説明されるように、本発明において、測定構成は、複数の衛星、例えば異なる軌道上の測定及びレポートトリガーを備え得る。その場合において、同じ軌道上の新たな衛星が、その信号がUEによって測定される必要があるサービング又は隣接している衛星として前の衛星の役割を果たすたびに、同様のブロックがさらなる衛星に対して実行されて、再決定する段階に戻るループが発生し得る。
【0095】
この経路上のUEに対する衛星の位置を推定することは、以下の例のいずれかを用い得る。以下では、正確な式を証明することなく、定性的な値及び導出手法のみを説明する。また以下の全てが、角度、時間、割合、又は他の代替として上述の位置の指定を用い得る。
【0096】
位置の推定が、衛星及びUEの正確な位置に関する情報を用いて、例えば、UEの位置及び軌道情報並びに衛星測位の時間にGPS又はGLONASSのようなグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS)を用いて行われ得る。UE又は基地局のいずれかで利用可能な情報の両方が、相対位置を計算するのに十分である。これは、比較的簡単であるが、GPS及び衛星の軌道の正確な知識の使用はまた、比較的リソースを消費する。
【0097】
推定の他の例は、複数の衛星からのRSS測定及び測定された衛星の相対位置のある知識に基づいている。衛星は、例えば、それらのシステム情報で、軌道上の衛星の順序の指標(図2のインデックスm)及び/又はそれぞれの衛星が属する軌道(図2のインデックスn)を提供する識別情報をブロードキャストし得る。上空飛行の周期の半分(又はLEO衛星の例における4.5分)又は任意の他の割合だけシフトされた異なる軌道であると知られている異なる衛星の異なるダウンリンク信号に対してUEによって実行された2つの測定の比較によって、その後、いずれかの衛星の位置の良好な推定をもたらし得る。図5を参照すると、例えば、衛星n,mからの予測される最大のRSS及び衛星n+1,m+1からの低いが検出可能なRSSを測定することによって、UEは、図5に示される期間内の270sである衛星n,mの位置を推定し得る。対照的に、衛星n,mからの中間レベルのRSS及び(衛星n+1,mから検出可能なRSSがあるが)衛星n+1,m+1からの検出可能なRSSがないことは、60sから70sの間の範囲の位置を示し得る。当然ながら、実際の測定は、例えば、秒、又はその分数である、上述で説明された推定された値より正確な時間の値をもたらし得る。
【0098】
上述の例が、特定のタイムリーな距離で2つ連続する測定のRSS差を測定することによって強化され得る。RSSが上昇している衛星が、その上空飛行の前半で予測され得、RSSの低下が後半を指し示し得る。より正確には、絶対値と共に正確な差が、UEに対する衛星の相対位置の正確な推定に寄与し得る。
【0099】
推定に対する他の例は、ドップラー周波数の測定、すなわち、衛星及びUEの相対速度に起因する受信した信号と送信した信号との間の周波数の偏差の測定に基づいている。高速フェーディング及び散乱のような環境の影響に対して耐性があるので、ドップラー周波数を用いることは有益である。本発明の至る所で用いられるLEO衛星の例について、図6は、衛星の軌道面上に正確に位置する地上のUE(実線)及び衛星の軌道面から離れて1000kmであるUE(破線)に対する上空飛行の周期のkHzのドップラー周波数を示す。ドップラー周波数が2GHzのキャリア周波数に対して示され、他のキャリア周波数が図6に対して線形偏差を示すだろう。明らかように、ドップラー周波数は、上空飛行の周期の開始及び終了でそれぞれ反対の符号で、約80kHzの高い値を有する。UEと衛星との間の急勾配な角度のフェーズ(すなわち、衛星がUEの天頂にある)において、ドップラー周波数は、+60kHzからー60kHzに迅速に低下する。ドップラー周波数測定を用いることによって、UE及び衛星の相対位置を良好に示す。変化を推定するために複数のドップラー周波数測定を用いることによって、位置推定の正確性さえも向上させるだろう。
【0100】
RSS及びドップラー周波数を用いる位置推定の2つの説明された方法を組み合わせることによって、正確性をさら向上させ得る。組み合わせの1つの方法は、複数のRSS及び複数のドップラー周波数測定に基づく推定にどの測定を用いるかを最初に検出することである。RSS測定の大幅な変化は、上空飛行の周期の開始又は終了を示し得る。ここで、ドップラー周波数における大幅な変化がその測定が最良の結果を提供する上空飛行の周期の中間を示す場合があるが、RSSの変化はドップラー周波数の符号と組み合わせて最良の結果を提供する。その検出に基づいて、それぞれの測定が位置推定に用いられる。組み合わせの他の方法は、最初に、2つの衛星のドップラー周波数及び/又はその変化を用いて、それらの上空飛行の周期上の衛星の位置を推定し、その後、図6に表わされるようにその距離がドップラー周波数に十分な違いが生じないので、ドップラー周波数測定から推定できない衛星の軌道に対するUEの距離を含む位置をより正確に計算するのにRSS及び/又はその変化を用いる。
【0101】
加えて、検出された衛星がいる軌道を検出するために、衛星軌道についてのある知識と共に、RSS及びドップラー周波数のいずれか、又はそれらの組み合わせが用いられ得る。2つの隣接する軌道の衛星の間の期間におけるシフト、例えば、上空飛行の周期の半分のシフトが知られている場合、ドップラー周波数の符号及びその傾きが、どの衛星がどの軌道にいるか及び上空飛行のどのフェーズであるかを識別するのに十分であり得る。
【0102】
相対的な衛星の位置を推定するのにUEで利用可能であり得る他の測定は、衛星から受信した信号の到着の角度(AoA)である。UEの方位が知られていない場合があり、又は経時的に変化する場合があるので、AoAが異なる衛星に対して測定され得、衛星の軌道のさらなる知識又はドップラー周波数のさらなる測定及び/又はRSSが、UEの移動の影響が除去された状態で、水平線上の衛星の角度を推定するのに用いられ得る。
【0103】
図7は、UEにおける位置推定の例の機能フローを表す。UEは自律的に衛星測位をトリガーし得、すなわち、それは、UEで実行される位置方法を用いてUEに対する1又は複数の衛星の位置を推定し得る。位置は、1又は複数の衛星に関連する測定に基づいてよい。図7は、それぞれ軌道n及び軌道l上の衛星m及び軌道kである2つの衛星n,m及び衛星l,kのそれぞれの方法を表す。軌道が同一(n=l)であってよく、衛星は隣接している衛星(k=m+1又はk=m-1)である、又は軌道が隣接しており(l=n+1又はl=n-1)、複数の衛星は、周期の一部だけお互いに対してそれらの軌道上で潜在的にシフトされた隣接している衛星である(k=m又はk=m+1、隣接している軌道上の近い衛星に同じインデックスを想定)。
【0104】
UEは、例えば、衛星n,mのRSS及びドップラー周波数fを測定し得る。例えば、1s又は5sだけ分離した異なる時間での複数のそのような測定が、図7のΔRSS及びΔfを示す、RSS及びドップラー周波数の傾きを推定するのに用いられ得る。同じ測定が衛星k,lに対して行われ得る。実行される潜在的な複数の測定が衛星n,mの複数の測定と時間多重化されて、したがって、2つの衛星の特定の測定ブロックが、単一の測定ボックス内で並行して示される。
【0105】
ドップラー周波数fDn,m、fDk,l、ΔfDn,m、及びΔfDk,lに基づく測定及びお互いに対する2つのそれぞれの衛星の位置に関する潜在的に利用可能な情報から、UEは、最初に位置Pos n,m及び潜在的に位置Pos l,kの位置推定を実行する。測定が単一の衛星の位置を推定するためにのみ用いられ得るので、後者が図に示されていない。この推定は、図6の関係と同様の既知の関係に基づいてよい。例示的な方法では、UEは、(衛星n,mから)118kHz/117kHzの値(衛星k,lから)-69kHz/-71kHzの値をそれぞれ有する、2つの衛星のそれぞれのfの2つのサンプルを測定し得る。異なる軌道上の2つの衛星が上空飛行の周期の半分、すなわち270sだけ分離しているという知識を用いて、図6に表わされるような曲線(又はUEにおける同様のデータ表現)に対する検索は、図6における矢印によって表われる、t=100sの位置である衛星n,m及び270sである衛星l,kをもたらすだろう。そのポイントでのUEが2つ軌道面へのその距離をまだ知らない場合、ドップラー測定は、あまり正確な推定を提供しないだろう。図6が示すように、実線及び破線のドップラー周波数曲線の間に1000kmの距離があるので、非常に小さな測定誤差が距離の大きな偏差をもたらす場合がある。
【0106】
したがって、」図7に示される他の段階において、UEはより正確な位置Posn,m及び潜在的にPosl,kを計算する。後者は、RSSを考慮して示されていない。2つのそれぞれの衛星の-108dBm及び-113dBmの測定を仮定すると、UEは、ドップラー周波数に基づく推定を考慮して、UEと軌道面との間の距離及び上空飛行の周期における位置に基づいて、異なる衛星の予測されたRSSの既知のデータを検索し得る。与えられた例において、図8に従う検索は、軌道面からの異なる距離で予測されたRSSを表す異なる曲線で行われ得る。それぞれの衛星の推定された位置と共に測定されたRSSの値は、2つの曲線を指し示す。一方は400kmの距離で、一方は1600kmから2000kmの間である。測定が測定誤差に起因して逸脱する最適でない例において、UEは、例えば、2つの隣接している軌道面の総距離が、例えば、2000kmと知られているというその位置の緯度の追加の情報を用い得る。その場合、測定誤差を除去又は減らし得るために、2つの隣接している軌道面のそれぞれに対するUEの距離の合計が2000kmでなければならない。
【0107】
示されるように、予測されたRSS及びドップラー周波数の進行と、衛星軌道の配置とに関する事前知識を有する図7に従って、UEは、衛星の相対位置を推定し得、例えば、UEの測定構成に関して前に説明されたもののような、訂正された構成パラメータを適用するのに情報を用いる。
【0108】
他の実施形態において、特定の図にサポートされていないが、図1から図7に表わされる態様に関して、UEは、UEによって適用され、自律的なセル選択又はセル再選択を実行する基地局から測定構成を受信し得る。これは、通常、例えば、不活動の期間の後、又は接続を損失した後に、UEがアイドルモードに変更する場合である。UEは、衛星の1つ又は2つの反復軌道に基づいて、一般的な測定構成をそれぞれ受信し得る。UEはまた、測定構成のサイクルの周期に関連する情報、又は、言い換えれば、同じ軌道における2つの衛星のタイムリーな距離及び/又は隣接している軌道における衛星のオフセットに関する情報を有し得る。UEはまた、例えば、衛星によってブロードキャストされたシステム情報、サーバから受信したアルマナック情報等の測定構成以外の手段を通じて衛星の動きに関する情報を得てよい。
【0109】
UEは、次に、測定構成又は時間に基づく情報を適用し得、すなわち、UEは、n秒又は分毎に軌道の次の衛星が水平線で見え、k秒又は分毎後、隣接している軌道の衛星が見えることを知っている。UEは、次に、これに応じて、その自律的なセル再選択を適応し得る。UEは、例えば、到達可能であることが知られているとき、ネイバーセル(隣接している衛星)のリソース(周波数)のみを測定し得、すなわち、衛星が軌道又は構成情報から到達しないことが知られている限り、それは検索されない。一方、衛星が現在のサービング衛星よりUEにとって潜在的に良好であり得ることが知られるとすぐに、それぞれの測定が開始され、又はそのような測定の周期が増加する。
【0110】
以下では、潜在的な代替物を有する本発明の様々な態様の主な特徴の概要である。
【0111】
用語「構成され(configured)」は、基地局からUEで受信した構成を意味する。
【0112】
以下のいずれかに基づいて、UEに対する基地局の予め定められた相対運動に応じてUEで測定レポートを送信することをトリガーする。
UEによる測定及び閾値との比較、閾値は、構成されたパラメータの有無に関わらず予め定められた関数として時間変化する又は構成された関数である、又は、
オフセットを用いて比較されたUEによる2つの測定、オフセットは、構成されたパラメータの有無に関わらず予め定められた関数として時間変化する又は構成された関数である。
関数は時間の関数として、又はUEに対する基地局の相対位置の関数として、又は、UEに対する基地局の相対位置を実質的に表す1又は複数の測定の関数として定義され又はパラメータ化される。
【0113】
関数は、UEに対する基地局の予め定められた相対運動に起因する、UEと基地局との間のリンクの予め定められた変化に実質的にマッピングし得る。
【0114】
関数は、UEに対する基地局の相対位置の関数として定義され又はパラメータ化得、測定レポートのトリガーは、関数及びUEによって決定され又は基地局によって決定され、構成メッセージでUEに提供されるUEに対する基地局の最初の相対位置に依存する。
【0115】
測定は、基地局とUEとの間のリンクの少なくとも1つのパラメータの測定に基づいてよい。
【0116】
基地局は衛星の一部であり得、UEに対する基地局の相対運動は、地上のUEの上方で地球を周回する衛星の運動である。
【0117】
基地局は2つの部分を備え得る。1つの部分が地上局に実装され、他の部分が衛星に実装され、UEに対する基地局の相対運動は、地上のUEの上方で地球を周回する衛星の運動である。
【0118】
閾値又はオフセットが第1の期間中に第1の静的な値を有するよう構成され得、閾値が第1の期間に続く第2の期間中に第2の静的な値を有するよう構成される。
【0119】
閾値又はオフセットが、様々な値を有する時間の連続関数として構成され得る。
【0120】
閾値又はオフセットは、UEによって測定された少なくとも1つの測定の連続関数として構成され得、少なくとも1つの測定は、UEに対する基地局の相対位置を実質的に表す。
【0121】
第2の基地局へのUEのハンドオーバー後、閾値又はオフセットが、(不変の)関数及び(UE又は基地局で、UEに提供される)再び決定されたUEに対する第2の基地局の最初の相対位置に基づいてリセットされ得る。
【0122】
UEに対する基地局の予め定められた相対運動に応じて、第1の構成から第2の構成に測定又は測定レポートのパフォーマンスに適用される構成をUEが変更する際、第1の構成及び第2の構成が第1の構成を適用前又は適用中に(基地局から)UEで受信される。第2の構成は、第1の測定レポートに存在しない測定、測定レポート、及び測定レポートトリガーのうちの少なくとも1つを備え(逆もまた同様)、又は、
第1の構成は指定されたリソース(時間、周波数、信号、コード)に対する測定を備え、第2の構成は異なるリソースに対する測定を備え、又は、
第1の構成は、第1の測定に基づいて測定レポートを送信する測定レポートトリガーを備え、第2の構成は第1の測定とは異なる第2の測定に基づいて測定レポートを送信する測定レポートトリガーを備え、又は、
第1の構成は第1の周期を有する周期的な測定レポートの構成を備え、第2の構成は第1の周期とは異なる第2の周期を有する周期的な測定レポートの構成を備える。
【0123】
測定のパフォーマンスに適用された構成を変更する時点が、UEに対する基地局の相対位置の関数、又はUEに対する基地局の相対位置を実質的に表す1又は複数の測定の関数として決定され得る。
【0124】
決定がUEで実行され得、又は基地局で実行されて構成メッセージでUEに提供され得る。
【0125】
測定又は測定レポートの適用された構成を変更する時点が、測定に基づいてUEによって決定され又は基地局によって決定されて構成メッセージでUEに提供された、関数及びUEに対する基地局の最初の相対位置に基づいてよい。
【0126】
現在位置が、UEと基地局との間のリンクの少なくとも1つのパラメータの測定に基づいて決定され得る。
【0127】
基地局が衛星の一部であり得、UEに対する基地局の相対運動は、地上のUEの上方で地球を周回する衛星の運動である。
【0128】
基地局が2つの部分を備え得る。1つの部分が地上局に実装され、他の部分が衛星に実装され、UEに対する基地局の相対運動は、地上のUEの上方で地球を周回する衛星の運動である。
【0129】
第2の基地局へのUEのハンドオーバー後、測定又は測定レポートに適用された構成が第1の構成にリセットされ得、第1の構成から第2の構成に変化する時点が、UEと第2の基地局との間のリンクの少なくとも1つのパラメータの測定に基づいて(再び)決定される。
【0130】
UEと基地局との間のリンクの少なくとも1つのパラメータの測定は、リンクのドップラー周波数の測定、又は、異なる時間インスタンスでのリンクのドップラー周波数の2又はそれより多い測定の差、又は、リンクの受信した信号の電力、又は、異なる時間インスタンスでのリンクの受信した信号の電力の2又はそれより多い測定の差、又は、リンクで受信した信号の到着の角度、又は、リンクで受信した第1の信号及びUEと他の基地局との間の第2のリンクで受信した第2の信号の到着の角度の1つを備え得る。
【0131】
同じことが第2の衛星に追加キャリアを追加又はリリースすることに適用され得るが、第1の衛星に存在するキャリアは上述の測定で説明されたように時間又は測定に基づいたままである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10