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特許7055902光電検出器及びその製造方法、イメージセンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-08
(45)【発行日】2022-04-18
(54)【発明の名称】光電検出器及びその製造方法、イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20220411BHJP
   H01L 31/02 20060101ALI20220411BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20220411BHJP
【FI】
H01L27/146 F
H01L31/02 B
H01L31/10 A
H01L31/10 H
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020562810
(86)(22)【出願日】2018-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2018112042
(87)【国際公開番号】W WO2019242188
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2020-07-29
(31)【優先権主張番号】201810654716.1
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520281859
【氏名又は名称】中芯集成電路(寧波)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】羅 海龍
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0240962(US,A1)
【文献】特開2017-143143(JP,A)
【文献】特開2016-032053(JP,A)
【文献】特開2015-038931(JP,A)
【文献】特開2017-204510(JP,A)
【文献】特開2018-098495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H01L 31/02
H01L 31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素回路及び共通電極接続部材が形成され、正面に複数の第1配線板が形成され、前記第1配線板がこれに対応する前記画素回路に電気的に接続される第1基板と、
複数の画素ユニットと、各前記画素ユニットを互いに仕切る仕切り壁であって導電体及び前記導電体と前記画素ユニットとの間に位置する側壁を含む仕切り壁とが形成され、正面に複数の第2配線板が形成され、前記第2配線板がこれに対応する前記画素ユニットの第1端極に電気的に接続され、裏面に透明電極層が形成され、それぞれの前記画素ユニットの第2端極が前記透明電極層に電気的に接続される第2基板と、を備え、
前記第2配線板は、これに対応する前記第1配線板に接合されて電気的に接続され、前記透明電極層は、複数の前記導電体を介して前記共通電極接続部材に電気的に接続され
各前記導電体の長さは、略一致する、ことを特徴とする光電検出器。
【請求項2】
前記第1配線板は、第1導電層、又は、第1誘電体層及び前記第1誘電体層内に位置する第1導電性パッドを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の光電検出器。
【請求項3】
前記第1導電層は、導電性接着剤、導電性テープ及び金属層のうちの少なくとも1種を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の光電検出器。
【請求項4】
前記第2配線板は、第2導電層、又は、第2誘電体層及び前記第2誘電体層内に位置する第2導電性パッドを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の光電検出器。
【請求項5】
前記第2導電層は導電性接着剤、導電性テープ及び金属層のうちの少なくとも1種を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の光電検出器。
【請求項6】
前記第1配線板及び前記第2配線板の少なくとも1種の材質は、金、銀、白金、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルトもしくこれらのいずれかの合金、又は、導電性コロイドから選ばれる、ことを特徴とする請求項1に記載の光電検出器。
【請求項7】
前記第2配線板は、これに対応する前記第1配線板に密着して接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の光電検出器。
【請求項8】
前記第2配線板は、これに対応する前記画素ユニットの第1端極に直接接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の光電検出器。
【請求項9】
前記第2基板の裏面に近接する前記導電体の端面が、前記第2基板の裏面よりも低い、ことを特徴とする請求項1に記載の光電検出器。
【請求項10】
前記仕切り壁の横断面の線幅は、0.1μm~5μmである、ことを特徴とする請求項1に記載の光電検出器。
【請求項11】
前記側壁は、単層側壁、又は多層側壁である、ことを特徴とする請求項1に記載の光電検出器。
【請求項12】
前記多層側壁は、第1側壁及び第2側壁を含み、
前記第1側壁は、前記画素ユニットの側壁を覆い、且つ前記第2配線板の側壁を覆うように延在し、
前記第2側壁は、前記第1側壁を覆い、且つ前記第1配線板の側壁を覆うように延在する、ことを特徴とする請求項11に記載の光電検出器。
【請求項13】
前記側壁の材質は、半導体酸化物及び半導体窒化物から選ばれる少なくとも1種であり、
前記導電体の材質は、アルミニウム、銅、タングステン、チタン、コバルト、ニッケル、銀、金、白金、及びこれらのいずれかの合金から選ばれる少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載の光電検出器。
【請求項14】
前記第2基板の材質は、シリコン半導体、ゲルマニウム半導体、テルル化カドミウム水銀、テルル化カドミウム亜鉛、テルル化インジウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、アルミニウムガリウムヒ素及びガリウムヒ素から選ばれる少なくとも1種又は半導体合金である、ことを特徴とする請求項1に記載の光電検出器。
【請求項15】
前記画素ユニットは、画素基板と、前記画素基板に形成されたPN接合検出部材と、を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の光電検出器。
【請求項16】
前記透明電極層を覆う反射防止層をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の光電検出器。
【請求項17】
複数の画素回路及び共通電極接続部材が形成され、正面に第1配線板材料層が形成され、各前記画素回路が前記第1配線板材料層に電気的に接続される第1基板を提供するステップと、
画素層が形成され、正面に第2配線板材料層が形成され、前記画素層が前記第2配線板材料層に電気的に接続される第2基板を提供するステップと、
前記第2配線板材料層と前記第1配線板材料層を接合して接続するステップと、
前記第2基板、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層をエッチングしてビアホールを形成し、導電体及び前記導電体と前記画素ユニットの間に位置する側壁を含む仕切り壁を、前記ビアホール内に形成し、前記ビアホールにより前記画素層、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層を分割して複数の画素ユニット、複数の第2配線板及び複数の第1配線板を形成するステップと、
前記画素ユニット及び前記仕切り壁を覆う透明電極層を前記第2基板の裏面に形成するステップと、を含み、
前記透明電極層は、複数の前記導電体を介して前記共通電極接続部材に電気的に接続され、
各前記導電体の長さは、略一致する、ことを特徴とする光電検出器の製造方法。
【請求項18】
前記第2基板、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層をエッチングして前記ビアホールを形成し、前記ビアホール内に前記仕切り壁を形成するステップは、
前記第2基板、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層を前記第1基板の正面までエッチングしてビアホールを形成するステップと、
前記画素ユニット、前記第2配線板及び前記第1配線板の側壁を覆う側壁を前記ビアホール内に形成するステップと、
前記ビアホール内に導電体を充填するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項17に記載の光電検出器の製造方法。
【請求項19】
前記第2基板、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層をエッチングして前記ビアホールを形成し、前記ビアホール内に前記仕切り壁を形成するステップは、
前記第2基板及び前記第2配線板材料層を前記第1配線板材料層の表面までエッチングしてビアホールを形成し、前記ビアホールにより前記画素層及び前記第2配線板材料層を分割して複数の画素ユニットと複数の第2配線板を形成するステップと、
前記画素ユニット及び前記第2配線板の側壁を覆う第1側壁を前記ビアホール内に形成するステップと、
前記ビアホール内において露出した前記第1配線板材料層を前記第1基板の正面までエッチングして前記ビアホールの深さを増大し、前記ビアホールによりさらに前記第1配線板材料層を分割して複数の第1配線板を形成するステップと、
前記第1側壁及び前記第1配線板の側壁を覆う第2側壁を前記ビアホール内に形成するステップと、
前記ビアホール内に導電体を充填するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項17に記載の光電検出器の製造方法。
【請求項20】
前記第2基板、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層をエッチングして前記ビアホールを形成し、前記ビアホール内に前記仕切り壁を形成するステップは、前記ビアホール内に導電体を充填した後、
前記導電体を、前記第2基板の裏面に近接する端面が前記第2基板の裏面よりも低くなるようにエッチングバックするステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項18又は19に記載の光電検出器の製造方法。
【請求項21】
電気めっきプロセス又は堆積プロセスで前記ビアホール内に導電体を充填する、ことを特徴とする請求項18又は19に記載の光電検出器の製造方法。
【請求項22】
前記第1配線板材料層は、第1導電層、又は、第1誘電体層及び前記第1誘電体層内に位置する複数の第1導電性パッドを含み、
前記第1導電性パッドがこれに対応する前記画素回路に電気的に接続され、
前記第2配線板材料層は、第2導電層、又は、第2誘電体層及び前記第2誘電体層内に位置する複数の第2導電性パッドを含む、ことを特徴とする請求項17に記載の光電検出器の製造方法。
【請求項23】
前記第1配線板材料層は、前記第1基板の全面、又は前記第1基板の接合エリアの正面だけを覆う、ことを特徴とする請求項22に記載の光電検出器の製造方法。
【請求項24】
前記第2配線板材料層と前記第1配線板材料層は、金属接着工程、混合接着工程、又は導電性接着プロセスにより接合して接続される、ことを特徴とする請求項17に記載の光電検出器の製造方法。
【請求項25】
前記透明電極層上に反射防止層を形成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項17に記載の光電検出器の製造方法。
【請求項26】
イメージセンサであって、
複数の画素回路及び共通電極接続部材が形成され、正面に複数の第1配線板が形成され、前記第1配線板がこれに対応する前記画素回路に電気的に接続される第1基板と、
複数の画素ユニットと、各前記画素ユニットを互いに仕切る仕切り壁であって導電体及び前記導電体と前記画素ユニットとの間に位置する側壁を含む仕切り壁とが形成され、正面に複数の第2配線板が形成され、前記第2配線板がこれに対応する前記画素ユニットの第1端極に電気的に接続され、裏面に透明電極層が形成され、それぞれの前記画素ユニットの第2端極が前記透明電極層に電気的に接続される第2基板と、を備え、
前記第2配線板は、これに対応する前記第1配線板に接合されて電気的に接続され、前記透明電極層は、複数の前記導電体を介して前記共通電極接続部材に電気的に接続され
各前記導電体の長さは、略一致する、ことを特徴とするイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造の技術分野に関し、特に、光電検出器及びその製造方法、イメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
光電子効果に基づく光電検出・画像形成デバイスは、受けた外部放射線によって、照射対象となる半導体光電材料に光電子信号を生成させ、信号増幅及び処理を通じて検出信号又は画像を取得するものである。この光電検出・画像形成デバイスは、産業、自動車や国民経済のさまざまな分野で広く使用されている。近赤外線帯域では、この光電検出・画像形成デバイスは主に放射線の測定及び検出、産業用自動制御、測光などに使用され、赤外線帯域(850nmから12μmの波長)では、主に赤外線画像形成、赤外線リモートセンシング、赤外線ガイドなどの分野に使用される。
【0003】
図1を参照すると、従来技術による赤外線光電検出・画像形成デバイスの断面模式図である。図1に示すように、従来技術の光電検出・画像形成デバイス100は、主に、通常シリコンベースのCMOSから構成される画素回路111を有する第1基板110と、化合物半導体ベースの光電感知画素ユニット121を有する第2基板120と、を備え、前記第1基板110と前記第2基板120は、マイクロはんだ接合部130(前記画素回路に接続された第1マイクロはんだ接合部131と前記画素ユニット121に接続された第2マイクロはんだ接合部132を含む)を介して溶接されることで、前記画素回路111と前記画素ユニット121を電気的に接続し、それにより、異種半導体マイクロシステムを集積させた光電検出・画像形成デバイスシステムを形成する。
【0004】
このように形成された光電検出・画像形成デバイス100は、マイクロはんだ接合部130の溶接プロセスの技術的ボトルネックの影響を受け、画素ユニット121のサイズが非常に大きい。また、各画素ユニット121上のマイクロはんだ接合部130の違いは、画素ユニット121の接触やオン抵抗に反映されるため、画素ユニット121の間の取得した信号の差異やそれによる固定パターンノイズ(Fixed pattern noise)を引き起こしやすい。また、画素ユニットのサイズが縮小されると、化合物半導体に基づく光電感知画素ユニット121によって生成される感知光電子ドリフトによって、画素ユニット間のソース信号干渉がますます深刻になる。
【0005】
現在の主流の光電検出・画像形成デバイスのSPWaP3規格によると、Sすなわちsizeは非常に重要な指標であり、如何に光電検出・画像形成デバイスのサイズを小さくするかは、従来から当業者にとって難問である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術での光電検出・画像形成デバイスがマイクロはんだ接合部の溶接プロセスの技術的ボトルネックの影響を受け、画素ユニットのサイズが減少しにくいという課題を解決するように、光電検出器及びその製造方法、イメージセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、
複数の画素回路及び共通電極接続部材が形成され、正面に複数の第1配線板が形成され、前記第1配線板が対応する前記画素回路に電気的接続される第1基板と、
複数の画素ユニットと、各前記画素ユニットを互いに仕切る仕切り壁であって導電体及び前記導電体と前記画素ユニットとの間に位置する側壁を含む仕切り壁とが形成され、正面に複数の第2配線板が形成され、前記第2配線板がこれに対応する前記画素ユニットの第1端極に電気的に接続され、裏面に透明電極層が形成され、それぞれの前記画素ユニットの第2端極が前記透明電極層に電気的に接続される第2基板と、を備え、
前記第2配線板は、これに対応する前記第1配線板接合に接合されて電気的接続され、前記透明電極層は、前記導電体を介して前記共通電極接続部材に電気的接続される光電検出器を提供する。
【0008】
好ましくは、前記光電検出器では、前記第1配線板は、第1導電層、又は、第1誘電体層及び前記第1誘電体層に位置する第1導電性溶接パッドを含む。
【0009】
好ましくは、前記光電検出器では、前記第1導電層は、導電性接着剤、導電性テープ及び金属層のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
好ましくは、前記光電検出器では、前記第2配線板は、第2導電層、又は、第2誘電体層及び前記第2誘電体層に位置する第2導電性溶接パッドを含む。
【0011】
好ましくは、前記光電検出器では、前記第2導電層は、導電性接着剤、導電性テープ及び金属層のうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
好ましくは、前記光電検出器では、前記第1配線板及び前記第2配線板の少なくとも1つの材質は、金、銀、白金、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルトもしくこれらのいずれかの合金、又は、導電性コロイドから選ばれる。
【0013】
好ましくは、前記光電検出器では、前記第2配線板は、これに対応する前記第1配線板に密着して接続される。
【0014】
好ましくは、前記光電検出器では、前記第2配線板は、これに対応する前記画素ユニットの第1端極に直接接続される。
【0015】
好ましくは、前記光電検出器では、前記第2基板の裏面に近接する前記導電体の端面が、前記第2基板の裏面よりも低い。
【0016】
好ましくは、前記光電検出器では、前記仕切り壁の横断面の線幅は、0.1μm~5μmである。
【0017】
好ましくは、前記光電検出器では、前記側壁は、単層側壁、又は多層側壁である。
【0018】
好ましくは、前記光電検出器では、前記多層側壁は、第1側壁及び第2側壁を含み、前記第1側壁は、前記画素ユニットの側壁を覆い、且つ前記第2配線板の側壁を覆うように延在し、前記第2側壁は、前記第1側壁を覆い、且つ前記第1配線板の側壁を覆うように延在する。
【0019】
好ましくは、前記光電検出器では、前記側壁の材質は、半導体酸化物及び半導体窒素化物から選ばれる少なくとも1種であり、前記導電体の材質は、アルミニウム、銅、タングステン、チタン、コバルト、ニッケル、銀、金、白金、及びこれらのいずれかの合金から選ばれる少なくとも1種である。
【0020】
好ましくは、前記光電検出器では、前記第2基板の材質は、シリコン半導体、ゲルマニウム半導体、テルル化カドミウム水銀、テルル化カドミウム亜鉛、テルル化インジウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、アルミニウムガリウムヒ素及びガリウムヒ素から選ばれる少なくとも1種又は半導体合金である。
【0021】
好ましくは、前記光電検出器では、前記画素ユニットは、画素基板と、前記画素基板に形成されたPN接合検出部材と、を備える。
【0022】
好ましくは、前記光電検出器では、前記光電検出器は、前記透明電極層を覆う反射防止層を、さらに含む。
【0023】
本発明は、
複数の画素回路及び共通電極接続部材が形成され、正面に第1配線板材料層が形成され、各前記画素回路が前記第1配線板材料層に電気的に接続される第1基板を提供するステップと、
画素層が形成され、正面に第2配線板材料層が形成され、前記画素層が前記第2配線板材料層に電気的に接続される第2基板を提供するステップと、
前記第2配線板材料層と前記第1配線板材料層を接合して接続するステップと、
前記第2基板、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層をエッチングしてビアホールを形成し、導電体及び前記導電体と前記画素ユニットの間に位置する側壁を含む仕切り壁を、前記ビアホール内に形成し、前記ビアホールにより前記画素層、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層を分割して複数の画素ユニット、複数の第2配線板及び複数の第1配線板を形成するステップと、
前記画素ユニット及び前記仕切り壁を覆う透明電極層を前記第2基板の裏面に形成するステップと、を含む光電検出器の製造方法をさらに提供する。
【0024】
好ましくは、前記光電検出器の製造方法では、前記第2基板、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層をエッチングして前記ビアホールを形成し、前記仕切り壁を前記ビアホール内に形成するステップは、
前記第2基板、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層を前記第1基板の正面までエッチングしてビアホールを形成するステップと、
前記画素ユニット、前記第2配線板及び前記第1配線板の側壁を覆う側壁を前記ビアホール内に形成するステップと、
前記ビアホール内に導電体を充填するステップと、を含む。
【0025】
好ましくは、前記光電検出器の製造方法では、前記第2基板、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層をエッチングして前記ビアホールを形成し、前記仕切り壁を前記ビアホール内に形成するステップは、
前記第2基板及び前記第2配線板材料層を前記第1配線板材料層の表面までエッチングしてビアホールを形成し、前記ビアホールにより前記画素層及び前記第2配線板材料層を分割して複数の画素ユニットと複数の第2配線板を形成するステップと、
前記画素ユニット及び前記第2配線板の側壁を覆う第1側壁を前記ビアホール内に形成するステップと、
前記ビアホール内において露出した前記第1配線板材料層を前記第1基板の正面までエッチングして前記ビアホールの深さを増大し、前記ビアホールによりさらに前記第1配線板材料層を分割して複数の第1配線板を形成するステップと、
前記第1側壁及び前記第1配線板の側壁を覆う第2側壁を前記ビアホール内に形成するステップと、
前記ビアホール内に導電体を充填するステップと、を含む。
【0026】
好ましくは、前記光電検出器の製造方法では、前記ビアホール内に導電体を充填した後、前記第2基板、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層をエッチングして前記ビアホールを形成し、前記仕切り壁を前記ビアホール内に形成するステップは、
前記導電体を、前記第2基板の裏面に近接する端面が前記第2基板の裏面よりも低くなるようにエッチングバックするステップをさらに含む。
【0027】
好ましくは、前記光電検出器の製造方法では、電気めっきプロセス又は堆積プロセスで前記ビアホール内に導電体を充填する。
【0028】
好ましくは、前記光電検出器の製造方法では、前記第1配線板材料層は、第1導電層、又は第1誘電体層及び前記第1誘電体層内に位置する複数の第1導電性溶接パッドを含み、前記第1導電性溶接パッドがこれに対応する前記画素回路に電気的接続され、前記第2配線板材料層は、第2導電層、又は第2誘電体層及び前記第2誘電体層内に位置する複数の第2導電性溶接パッドを含む。
【0029】
好ましくは、前記光電検出器の製造方法では、前記第1配線板材料層は、前記第1基板の全面、又は前記第1基板の接合エリアの正面だけを覆う。
【0030】
好ましくは、前記光電検出器の製造方法では、前記第2配線板材料層と前記第1配線板材料層は、金属接着工程、混合接着工程又は導電性接着プロセスにより接合して接続される。
【0031】
好ましくは、前記光電検出器の製造方法では、前記光電検出器の製造方法は、
前記透明電極層上に反射防止層を形成するステップをさらに含む。
【0032】
本発明は、
複数の画素回路及び共通電極接続部材が形成され、正面に複数の第1配線板が形成され、前記第1配線板がこれに対応する前記画素回路に電気的接続される第1基板と、
複数の画素ユニットと、各前記画素ユニットを互いに仕切る仕切り壁であって導電体及び前記導電体と前記画素ユニットとの間に位置する側壁を含む仕切り壁とが形成され、正面に複数の第2配線板が形成され、前記第2配線板がこれに対応する前記画素ユニットの第1端極に電気的に接続され、裏面に透明電極層が形成され、それぞれの前記画素ユニットの第2端極が前記透明電極層に電気的に接続される第2基板と、を備え、
前記第2配線板は、これに対応する前記第1配線板に接合されて電気的接続され、前記透明電極層は、前記導電体を介して前記共通電極接続部材に電気的に接続されるイメージセンサをさらに提供する。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、従来技術に比べて以下の利点を有する。
従来技術のマイクロはんだ接合部による接続と比較して、本発明の光電検出器では、画素ユニットと画素回路が第1配線板と第2配線板を介して電気的に接続され、このような接続方法は面間接続であり、マイクロはんだ接合部による接続方法におけるサイズについての制限を克服し、画素ユニットのサイズを小さくすることができる。さらに、画素回路と第1配線板の電気接続、及び画素ユニットと第2配線板の電気接続により、マイクロはんだ接合部による接続方法でのそれぞれの画素ユニットの接触やオン抵抗も大幅に削減され、それにより、固定パターンノイズを低減できる。なお、本発明の光電検出器では、それぞれの画素ユニットが仕切り壁により分離されており、プロセスの観点から、画素ユニットと画素回路との位置合わせ精度を大幅に向上させることができる。それぞれの画素ユニットは、透明電極層を介して第1基板内の共通電極接続部材に電気的に接続され、それにより、各画素ユニットは、同じ/実質的に同じ距離をもって共通電位に接続でき、各画素ユニット間の信号の違いを削減させ、前記光電検出器の安定性と品質を向上させることができる。
【0034】
さらに、導電体の端面が第2基板の裏面よりも低いため、導電体に照射された光が隣接する画素に反射して画像形成品質に影響を与えることを防止できる。
本発明の光電検出器の製造方法では、第1配線板材料層と第2配線板材料層とを結合することにより、画素ユニットと画素回路とを電気的に接続し、材料層の厚みを比較的薄くできるので、後続の2つの材料層の結合には影響することがなく、このため、画素ユニットのサイズを大幅に縮小できる。なお、画素層を含む第2基板と画素回路を含む第1基板を結合した後、それぞれの画素層を個々の画素ユニットに分割するための仕切り壁が形成され、このようにして、画素ユニットと画素回路を位置合わせするという従来技術の工程を省略し、位置合わせの精度を大幅に向上させる。
【0035】
さらに、第1配線板材料層と第2配線板材料層は金属とすることができ、且つ接続はバンディングにより行うことができ、プロセスが非常に簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】従来技術の光電検出・画像形成デバイスの局部断面模式図である。
図2】本発明の実施例の光電検出器の局部上面模式図である。
図3図2に示す光電検出器のA~A’に沿う局部断面模式図である。
図4】本発明の実施例の光電検出器の製造方法の模式的フローチャートである。
図5】本発明の実施例の光電検出器の製造方法による第1基板の局部断面模式図である。
図6】本発明の実施例の光電検出器の製造方法による第2基板の局部断面模式図である。
図7】本発明の実施例の光電検出器の製造方法で第2配線板材料層と第1配線板材料層を密着して接続した後の局部断面模式図である。
図8】本発明の実施例の光電検出器の製造方法で仕切り壁が形成された後の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面及び具体的な実施例を参照しながら、本発明で提案される光電検出器及びその製造方法、イメージセンサについてさらに詳細に説明する。以下の説明及び特許請求の範囲に基づいて、本発明の効果及び特徴がより明瞭になる。なお、図面は、いずれも、非常に簡略化した形態で不正確な比例となっていないが、本発明の実施例を容易且つ明瞭に補助説明するためのものに過ぎない。
【0038】
まず、図3を参照し、本発明の実施例の光電検出器の断面模式図である。図3に示すように、本願の実施例では、前記光電検出器200は、複数の画素回路211及び共通電極接続部材212が内部に形成され、正面には複数の第1配線板213が形成され、前記第1配線板213が対応する前記画素回路211に電気的接続される第1基板210と、複数の画素ユニット221及び各前記画素ユニット221を互いに仕切る仕切り壁222が内部に形成され、前記仕切り壁222が導電体2221、及び前記導電体2221と前記画素ユニット221との間に位置する側壁2220を含み、正面には複数の第2配線板223が形成され、前記第2配線板223が対応する前記画素ユニット221の第1端極2210に電気的接続され、裏面には透明電極層224が形成され、それぞれの前記画素ユニット221の第2端極2211が前記透明電極層224に電気的接続される第2基板220と、を備え、前記第2配線板223は、対応する前記第1配線板213に接合され且つ電気的接続され、前記透明電極層224は、前記導電体2221を介して前記共通電極接続部材212に電気的に接続される。
【0039】
本願の実施例では、画素ユニット221と画素回路211が第1配線板213と第2配線板223を介して電気的接続され、このような接続方法は、面間接続であり、マイクロはんだ接合部による接続方法におけるサイズについての制限を克服し、画素ユニット221のサイズを小さくすることができる。また、画素回路211と第1配線板213の電気的接続、画素ユニット221と第2配線板223の電気的接続により、マイクロはんだ接合部による接続方法で、それぞれの画素ユニット221の接触やオン抵抗も大幅に削減され、それにより、固定パターンノイズを低減できる。なお、本願の実施例の光電検出器200では、それぞれの画素ユニットが仕切り壁222により分離されており、プロセスの観点から、画素ユニット221と画素回路211との位置合わせ精度を大幅に向上させることができる。それぞれの画素ユニット221は、透明電極層224を介して第1基板210内の共通電極接続部材212に電気的接続され、それにより、各前記画素ユニット221は、同じ/実質的に同じ距離をもって共通電位に接続でき、各前記画素ユニット221間の信号の違いを削減させ、前記光電検出器200の安定性と品質を向上させることができる。
【0040】
前記第1基板210及び前記第2基板220の材質は、半導体から選ばれる。好ましくは、前記第2基板220の材質は、シリコン半導体、ゲルマニウム半導体、テルル化カドミウム水銀、テルル化カドミウム亜鉛、テルル化インジウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、アルミニウムガリウムヒ素及びガリウムヒ素から選ばれる少なくとも1種又は半導体合金である。本願の実施例では、前記光電検出器200は、検出波長が850nm~12000nmの電磁波に用いることができる。前記第2基板220の材質は、前記光電検出器200が検出波長が850nm~4000nmの電磁波に用いられると、ゲルマニウム半導体又はゲルマニウム含有合金から選ばれ、前記光電検出器200が検出波長が6000nm~12000nmの電磁波に用いられると、テルル化カドミウム水銀又はリン化インジウムを含む化合物半導体から選ばれる。他の実施例では、前記第2基板220の材質は、検出波長範囲に応じて適当な材料を選択でき、検出波長範囲が赤外波帯に限られない。
【0041】
本願の実施例では、前記画素ユニット221は、具体的には、三原色画素のうちの赤色画素、緑色画素又は青色画素であってもよく、四原色画素のうちの白色画素などであってもよく、本願は、これについて限定しない。前記画素ユニット221は、具体的には、画素基板221aと、前記画素基板221a内に形成されたPN接合検出部材221bと、を備えることができる。前記第1端極2210及び前記第2端極2211は、具体的には、前記画素基板221aの両端に位置してもよく、前記第1端極2210は、さらに、前記PN接合検出部材221bの端部に位置してもよい。前記PN接合検出部材221bは、前記画素基板221aにドーピングすることによって形成されてもよく、具体的には、従来のいずれかのドーピングプロセスによって形成されてもよく、本願は、これについて限定しない。当然ながら、前記PN接合検出部材221bは、エピタキシャルプロセスによって形成されてもよい。
【0042】
さらに、前記画素ユニット221の横断面の線幅は、1μm~100μmであり、たとえば、2μm、5μm、10μm、20μm、30μm、50μm又は70μmなどであり得、前記画素ユニット221の縦断面の線幅は、1μm~1000μmであり、たとえば、20μm、50μm、100μm、200μm、500μm又は700μmなどであり得る。ここで、前記画素ユニット221の横断面の線幅が半導体プロセスのみで制限されるが、従来の半導体プロセスがnmレベルを実現でき、従って、前記画素ユニット221の横断面の線幅及び縦断面の線幅が必要に応じて設定することができる。
【0043】
前記仕切り壁222の横断面の線幅は、0.1μm~5μmであり、たとえば、0.2μm、0.5μm、1μm、1.5μm、2.5μm又は4μmなどであり得る。ここで、前記仕切り壁222の横断面の線幅は、前記画素ユニット221の横断面の線幅にマッチングするように設定することができ、プロセスの実現を容易にするために、前記画素ユニット221の横断面の線幅の1/10以上であり得る。本願の実施例では、前記仕切り壁222の線幅は、進んだエッチングプロセスで限定され、サブミクロンレベルを実現でき、画素ピッチ(pixel pitch)を大幅に減少させ、画素ユニット221の縮小に寄与する。
【0044】
それに応じて、図2及び図3を組み合わせて参照することができ、図2は、本発明の実施例の光電検出器の局部上面模式図である。前記仕切り壁222によって、各前記画素ユニット221が互いに仕切られている。ここで、各前記画素ユニット221を仕切る前記仕切り壁222が接続される。さらに、前記仕切り壁222は、外周領域において長方(体)形であり、異なる必要を満たし、たとえば、周辺回路の接続必要を満たすように、外周領域での前記第2基板220を複数のブロックに分離することができる。
【0045】
本願の実施例では、前記画素ユニット221を取り囲む前記仕切り壁222では、周方向に沿って、前記仕切り壁222の少なくとも一部の導電体2221が前記共通電極接続部材212に電気的接続され、たとえば、直接接続されるか、又は導電性接続部品を介して間接接続される。具体的には、前記共通電極接続部材212は、複数のディスクリート部品を備えることができ、それぞれの前記画素回路211側に少なくとも1つの前記ディスクリート部品があり、それぞれの前記画素ユニット221の各側壁にいずれも一部の前記仕切り壁222が覆われ、それぞれの一部の前記仕切り壁222がいずれも前記側壁2220と、前記側壁2220内(ここで、すなわち、環状を呈する前記側壁2220の一側)に位置する前記導電体2221と、を含み、それぞれの前記画素ユニット221の少なくとも1つの側壁に覆われた一部の前記仕切り壁222内の前記導電体2221が1つの前記ディスクリート部品に電気的に接続される。それにより、各前記画素ユニット221がいずれも同じ/実質的に同じ距離をもって共通電位に接続でき、各前記画素ユニット221間の信号の違いを削減させ、前記光電検出器200の安定性と品質を向上させることができる。
【0046】
引き続き、図3を参照して、本願の実施例では、前記側壁2220は、前記画素ユニット221の側壁を覆い、前記第1配線板213の側壁を覆うまで前記画素ユニット221の第2端極2211から延在する。すなわち、前記側壁2220を介して各前記画素ユニット221、各前記第2配線板223及び各前記第1配線板213が分離される。さらに、前記導電体2221が前記側壁2220内に位置し、それにより、前記側壁2220を介して、前記導電体2221が前記画素ユニット221、前記第2配線板223及び前記第1配線板213と分離される。
【0047】
前記側壁2220の材質は、半導体酸化物及び半導体窒素化物から選ばれる少なくとも1種である。
【0048】
前記側壁2220は、単層側壁であってもよく、多層側壁であってもよい。前記多層側壁は、第1側壁(図示せず)と、前記第1側壁内に位置する第2側壁(図示せず)と、を含み、前記第1側壁は、前記画素ユニット221の側壁を覆い、前記第2配線板223の側壁を覆うまで延在し、前記第2側壁は、前記第1側壁を覆い、前記第1配線板213の側壁を覆うまで延在する。前記第1側壁によって、前記画素ユニット221が汚染されないように保護でき、それにより、前記光電検出器200の品質を向上させる。
【0049】
本願の実施例では、前記第2基板220の裏面に近い前記導電体2221の端面が、前記第2基板220の裏面よりも低い。さらに、前記画素ユニット221の第2端極2211に近い一側には、前記導電体2221の表面が前記側壁2220の表面よりも低い(すなわち、前記画素ユニット221の第2端極2211に近い前記仕切り壁222の一側は、前記導電体2221箇所が前記第1端極2210へ凹む)。導電体の端面が第2基板の裏面よりも低いため、導電体に照射された光が隣接する画素に反射して画像形成品質に影響を与えることを防止できる。
【0050】
本願の実施例では、前記導電体2221が前記共通電極接続部材212に電気的接続され、さらに前記透明電極層224に電気的接続され、前記導電体2221を介して前記透明電極層224と前記共通電極接続部材212の電気的接続を実現できる。前記導電体2221が前記共通電極接続部材212及び前記透明電極層224に直接接続されてもよく、導電性接続部品を介して間接接続されてもよい。たとえば、前記導電体2221と前記透明電極層224の電気的接続を良好に実現できるように、前記導電体2221のトップ端面(前記透明電極層224に近い端面)上に他の導電部材を追加してもよく、両者間の良好な電気的接続を実現するように、前記共通電極接続部材212と前記導電体2221との間に他の導電部材を追加してもよい。
【0051】
さらに、前記導電体2221は、各前記画素ユニット221の間のクロストークをさらに削減させ、前記光電検出器200の品質を向上させることができる。前記導電体2221の材質は、アルミニウム、銅、タングステン、チタン、コバルト、ニッケル、銀、金及び白金から選ばれる少なくとも1種又はこれらのいずれかの合金である。具体的には、前記導電体2221の材質は、アルミニウム、銅、タングステン、チタン、コバルト、ニッケル、銀、金、白金、アルミニウム合金、銅合金、タングステン合金、チタン合金、コバルト合金、ニッケル合金、銀合金、金合金又は白金合金などから選ばれ、たとえば、前記導電体2221の材質は、窒化チタンであってもよい。
【0052】
本願の実施例では、前記第1配線板213は、第1導電層を含むか、又は第1誘電体層と、前記第1誘電体層に位置する第1導電性溶接パッドを含み、すなわち、前記第1配線板213は、全体が導電性構造であってもよく、一部の導電性構造及び一部の非導電性構造を含んでもよく、前記第2配線板223は、第2導電層を含むか、又は第2誘電体層と、前記第2誘電体層に位置する第2導電性溶接パッドを含み、すなわち、前記第2配線板223は、全体が導電性構造であってもよく、一部の導電性構造及び一部の非導電性構造を含んでもよい。前記第1配線板213及び前記第2配線板223のうちの一方が導電層である(すなわち、全体が導電性構造である)場合、前記第1配線板213と前記第2配線板223の接合過程に、接合位置合わせの課題を回避できる。前記第1配線板213及び前記第2配線板223の両者がいずれも誘電体層及び導電性溶接パッドを含む場合、前記第1配線板213と前記第2配線板223が電気的接続を実現できるように、結合・位置合わせを重視すべきである。
【0053】
前記第1導電層は、導電性接着剤、導電性テープ及び金属層のうちの少なくとも1つを含み、前記第2導電層は、導電性接着剤、導電性テープ及び金属層のうちの少なくとも1つを含む。
【0054】
具体的には、前記第1配線板213及び前記第2配線板223の少なくとも1つの材質は、金、銀、白金、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、又は金、銀、白金、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルトのいずれかの合金から選ばれ、又は前記第1配線板213及び前記第2配線板223の少なくとも1つの材質は、導電性コロイドから選ばれる。好ましくは、前記第1配線板213及び前記第2配線板223のうちの一方の材質は、金から選ばれ、他方の材質は、銀、白金、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト、又はこれらのいずれかの合金から選ばれ、それにより、良好な接合効果を確保できるとともに、接合プロセスの課題を制御でき、光電検出器全体が高い品質と信頼性を有するようにする。さらに好ましくは、前記第1配線板213の材質は、金から選ばれ、前記第2配線板223の材質は、銀、白金、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト又はこれらのいずれかの合金から選ばれ、それにより、良好な接合効果を確保できるとともに、接合プロセスの課題を制御でき、さらに、プロセス汚染を良好に回避できる。
【0055】
本願の実施例では、前記第2配線板223が対応する前記第1配線板213に密着して接続され、前記第2配線板223が対応する前記画素ユニット221の第1端極に接続される。前記第2配線板223と前記第1配線板213の接合は、接着工程によって実現されてもよく、導電性接着プロセスによって実現されてもよく、それにより、前記画素ユニット221と前記画素回路211との間の電気的接続も実現する。接着工程によって実現される場合、低いバンディング温度を用いることができるとともに、前記第2配線板223と前記第1配線板213の接続信頼性も確保できる。
【0056】
本願の実施例では、前記光電検出器は、前記透明電極層224を覆う反射防止層225をさらに備えることができる。前記透明電極層224の材質は、酸化インジウムスズ又は酸化インジウム亜鉛などから選ばれることができ、前記反射防止層225の材質は、フッ化マグネシウム、酸化チタン、硫化鉛又はセレン化鉛などから選ばれることができる。
【0057】
それに応じて、本実施例は、光電検出器の製造方法をさらに提供し、図4を参照すると、本発明の実施例の光電検出器の製造方法の模式的フローチャートである。図4に示すように、本願の実施例では、前記光電検出器の製造方法は、主に、
複数の画素回路及び共通電極接続部材が形成され、正面には第1配線板材料層が形成され、各前記画素回路が前記第1配線板材料層に電気的接続される第1基板を提供するステップS10と、
画素層が形成され、正面には第2配線板材料層が形成され、前記画素層が前記第2配線板材料層に電気的接続される第2基板を提供するステップS11と、
前記第2配線板材料層と前記第1配線板材料層を接合して接続するステップS12と、
前記第2基板、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層をエッチングしてビアホールを形成し、導電体及び前記導電体と前記画素ユニットの間に位置する側壁を含む仕切り壁を、前記ビアホール内に形成し、前記ビアホールにより前記画素層、前記第2配線板材料層及び前記第1配線板材料層を分割して複数の画素ユニット、複数の第2配線板及び複数の第1配線板を形成するステップS13と、
前記画素ユニット及び前記仕切り壁を覆う透明電極層を前記第2基板の裏面に形成するステップS14と、を含む。
【0058】
本願の実施例では、ステップS12、ステップS13及びステップS14が順に実行され、且つステップS12、ステップS13及びステップS14がステップS10及びステップS11の後に位置し、ステップS10及びステップS11が同時に実行されてもよく、又はステップS10がステップS11の前に実行されてもよく、又はステップS11がステップS10の前に実行されてもよい。ここで、ステップS10、ステップS11、ステップS12、ステップS13及びステップS14が順に実行されることを例として、説明する。
【0059】
まず、図5を参照でき、複数の画素回路211及び共通電極接続部材212が内部に形成され、正面には第1配線板材料層213aが形成され、各前記画素回路211が前記第1配線板材料層213aに電気的に接続される第1基板210を提供する。
【0060】
前記第1配線板材料層213aは、具体的には、堆積プロセス、たとえば、物理蒸着プロセス(PVD)によって形成することができる。さらに、前記第1配線板材料層213aは、前記第1基板210の全面を覆ってもよく、又は前記第1基板210の接合エリア(ここで、前記第2基板220に接合される前記第1基板210の領域)の正面だけを覆ってもよい。
【0061】
前記第1配線板材料層213aが前記第1基板210の全面を覆う場合、次にステップS13を実行するとき、前記第1基板210の外周領域(ここで、すなわち、非接合エリア)の正面を覆う第1配線板材料層を同時に除去し、前記第1基板210の接合エリアの正面を覆う前記第1配線板材料層213aに対してパターニングを行い、前記第1配線板材料層213aを分割して複数の第1配線板を形成することを実現することができる。
【0062】
前記第1配線板材料層213aが前記第1基板210の接合エリアの正面だけを覆う場合、まず、前記第1基板210の全面を覆う第1配線板材料層を形成し、前記第1基板210の全面を覆う第1配線板材料層に対してパターニングプロセスを実行し、前記第1基板210の外周領域(ここで、すなわち、非接合エリア)の正面を覆う第1配線板材料層を除去し、それにより、前記第1基板210の接合エリアの正面だけを覆う前記第1配線板材料層213aを形成することができる。
【0063】
前記第1配線板材料層213aの材質は、金、銀、白金、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト又はこれらのいずれかの合金(たとえば、金合金、銀合金、白金合金、銅合金、アルミニウム合金、ニッケル合金又はコバルト合金)から選ばれ、又は導電性コロイドから選ばれる。本願の実施例では、前記第1配線板材料層213aは、第1導電層を含むか、又は第1誘電体層及び前記第1誘電体層内に位置する複数の第1導電性溶接パッドを含み、前記第1導電性溶接パッドが対応する前記画素回路211に電気的に接続される。具体的には、前記第1配線板材料層213は、全体が導電層構造であってもよく、導電性構造が前記画素回路211における対応する位置に含まれ、対応する前記画素回路211に電気的に接続されてもよい。前記画素回路211は、従来の半導体プロセスで形成することができ、通常の機能を有することができ、たとえば信号収集・増幅などの機能を実現できる。前記共通電極接続部材212は、具体的には、金属製接合部材であり得る。
【0064】
続いて、図6に示すように、画素層2212が内部に形成され、正面には第2配線板材料層223aが形成され、前記画素層2212が前記第2配線板材料層223aに電気的に接続される第2基板220を提供する。前記第2基板220の材質は、シリコン半導体、ゲルマニウム半導体、テルル化カドミウム水銀、テルル化カドミウム亜鉛、テルル化インジウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、アルミニウムガリウムヒ素及びガリウムヒ素から選ばれる少なくとも1種又は半導体合金である。前記画素層2212は、前記第2基板220にドーピングすることによって形成することができる。前記第2配線板材料層223aの材質は、金、銀、白金、銅、アルミニウム、ニッケル、コバルト又はこれらのいずれかの合金(たとえば、金合金、銀合金、白金合金、銅合金、アルミニウム合金、ニッケル合金又はコバルト合金)から選ばれるか、又は導電性コロイドから選ばれることができる。前記第2配線板材料層223aは、具体的には、堆積プロセス、たとえば、物理蒸着プロセス(PVD)によって形成することができる。本願の実施例では、前記第2配線板材料層223aは、第2導電層を含むか、又は第2誘電体層及び前記第2誘電体層に位置する複数の第2導電性溶接パッドを含み、前記第2導電性溶接パッドが前記画素層に電気的に接続される。具体的には、前記第2配線板材料層223aは、全体が導電層構造であってもよく、導電性構造が、形成される画素ユニットに対応する位置に含まれ、対応する画素ユニットに電気的に接続されてもよい。
【0065】
続いて、図7に示すように、前記第2配線板材料層223aが前記第1配線板材料層213aに接合して接続される。具体的には、接着工程又は導電性接着プロセスを用いて前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの接合接続を実現できる。ここで、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aが金属接着工程又は混合接着工程により密着接続を実現できる。前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの材質によって、接着工程に異なるプロセス温度を用いることができ、たとえば、前記プロセス温度が100℃~500℃を用いることができ、本願は、これについて限定しない。
【0066】
具体的には、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの材質が同じであり、たとえば、いずれも銅である場合、接着工程の温度が250℃~400℃を用いることができ、好ましくは、接着工程を行う前、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aに対して湿式洗浄及び原位置ガス保護を用いて酸化層(酸化銅層)を除去し、それにより、後続の接着工程の品質を向上させる。また例えば、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの材質がいずれも金である場合、接着工程の温度が250℃~400℃を用いることができ、好ましくは、接着工程を行う前、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aに対して酸素プラズマ又は紫外光照射を用いて有機除去を行い、それにより、後続の接着工程の品質を向上させる。また例えば、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの材質がいずれもアルミニウムである場合、接着工程の温度が400℃~480℃を用いることができ、好ましくは、接着工程を行う前、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aに対して分解されたアルゴン原子を用いて原位置洗浄を行って酸化層を除去し、それにより、後続の接着工程の品質を向上させる。さらに例えば、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの材質がいずれもチタンである場合、接着工程の温度が300℃~400℃を用いることができ、好ましくは、接着工程を行う前、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aに対して小範囲洗浄を用いて有機除去を行い、それにより、後続の接着工程の品質を向上させる。
【0067】
また、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの材質が異なってもよく、たとえば、それぞれ金及びインジウムである場合、接着工程の温度が180℃~210℃を用いることができ、好ましくは、接着工程を行う前、材質が金の第2配線板材料層223a又は前記第1配線板材料層213aに対して有機灰化処理を行い、それにより、後続の接着工程の品質を向上させる。また例えば、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの材質がそれぞれ銅及び錫であり、又はそれぞれ銅錫銀及び銅である場合、接着工程の温度が240℃~270℃を用いることができ、好ましくは、接着工程を行う前、材質が銅の前記第2配線板材料層223a又は前記第1配線板材料層213aに対して酸化除去プロセスを行い、それにより、後続の接着工程の品質を向上させる。また例えば、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの材質がそれぞれ金及び錫である場合、接着工程の温度が280℃~310℃を用いることができ、好ましくは、接着工程を行う前、材質が金の前記第2配線板材料層223a又は前記第1配線板材料層213aに対して有機灰化処理を行い、それにより、後続の接着工程の品質を向上させる。また例えば、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの材質がそれぞれ金及びゲルマニウムである場合、接着工程の温度が380℃~400℃を用いることができ、好ましくは、接着工程を行う前、材質が金の前記第2配線板材料層223a又は前記第1配線板材料層213aに対して有機灰化処理を行い、それにより、後続の接着工程の品質を向上させる。また例えば、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの材質がそれぞれ金及びシリコンである場合、接着工程の温度が390℃~415℃を用いることができ、好ましくは、接着工程を行う前、材質が金の前記第2配線板材料層223a又は前記第1配線板材料層213aに対して有機灰化処理を行い、それにより、後続の接着工程の品質を向上させる。さらに例えば、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの材質がそれぞれアルミニウム及びゲルマニウムである場合、接着工程の温度が430℃~450℃を用いることができ、且つ直接接着工程を行うことができる。さらに例えば、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの材質がそれぞれ錫及び鉛である場合、接着工程の温度が180℃~200℃を用いることができ、且つ直接接着工程を行うことができる。
【0068】
ここで、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの材質選択、接着工程の温度設定及び接着工程前の異なる処理によって、前記第2配線板材料層223aと前記第1配線板材料層213aの接合信頼性を確保するとともに、他のデバイスへの影響も回避でき、形成される光電検出器の品質と信頼性を向上させる。
【0069】
図8を参照すると、続いて、前記第2基板220、前記第2配線板材料層223a及び前記第1配線板材料層213aをエッチングしてビアホールを形成し、導電体2221及び前記導電体2221と前記画素ユニット221との間に位置する側壁2220を含む仕切り壁222を前記ビアホール内に形成し、前記ビアホールにより前記画素層2212、前記第2配線板材料層223a及び前記第1配線板材料層213aを分割して複数の画素ユニット221、複数の第2配線板223及び複数の第1配線板213を形成する。
【0070】
本願の実施例では、前記ビアホールは、ワンステップのエッチングプロセスによって形成されてもよく、ツーステップのエッチングプロセスによって形成されてもよい。
【0071】
ワンステップのエッチングプロセスによって前記ビアホールを形成する場合、前記第2基板220、前記第2配線板材料層223a及び前記第1配線板材料層213aをエッチングして前記ビアホールを形成し、前記仕切り壁222を前記ビアホール内に形成するステップは、具体的には以下を含む。
まず、前記第2基板220、前記第2配線板材料層223a及び前記第1配線板材料層213aを前記第1基板210の正面までエッチングしてビアホールを形成し、前記ビアホールにより前記画素層2212、前記第2配線板材料層223a及び前記第1配線板材料層213aを分割して複数の画素ユニット221、複数の第2配線板223及び複数の第1配線板213を形成する。
【0072】
続いて、前記画素ユニット221、前記第2配線板223及び前記第1配線板の側壁213を覆う側壁2220を前記ビアホール内に形成する。前記側壁2220は、具体的には、まず、前記ビアホールの側壁及び底壁を覆い、前記第2基板220の裏面を覆うまで延在した、好ましくは、厚みが1000オングストローム~5000オングストロームの酸化層を堆積させ、続いて、前記ビアホールの底壁を覆う酸化層及び前記第2基板220の裏面を覆う酸化層を(エッチングプロセスによって)除去して形成することができる。
【0073】
次に、前記ビアホール内に導電体2221を充填する。本願の実施例では、前記ビアホール内に前記導電体2221を充填した後、さらに前記導電体2221をエッチングバックして、前記第2基板220に近い前記導電体2221の裏面の端面が前記第2基板220の裏面よりも低いようにすることができる。
【0074】
具体的には、まず、前記ビアホールに充填され、前記第2基板220の裏面を覆うまで延在する金属層(たとえば銅層)を電気めっきプロセスによって形成し、続いて、平坦化プロセス又は平坦化プロセスとエッチングプロセスの組み合わせによって、前記第2基板220の裏面を覆う金属層を除去し、前記ビアホール内の一部の厚みの金属層を除去し、それにより、前記導電体2221を形成することができる。さらに好ましくは、原子層堆積(ALD)プロセスによって前記ビアホール内に金属窒化層(TiN)を前記導電体2221として形成し、ALDプロセスを用いると、対応する平坦化プロセスを行う必要がなく、ALDプロセス後、エッチングバックプロセスを行って、前記第2基板220の裏面を覆う金属窒化層を除去した後、直接透明電極層に接続する。
【0075】
ツーステップのエッチングプロセスによって前記ビアホールを形成する場合、前記第2基板220、前記第2配線板材料層223a及び前記第1配線板材料層213aをエッチングして前記ビアホールを形成し、前記仕切り壁222を前記ビアホール内に形成するステップは、具体的には以下を含む。
まず、前記第2基板220及び前記第2配線板材料層223aを前記第1配線板材料層213aの表面まで乾式エッチングしてビアホールを形成し、前記ビアホールにより前記画素層2212及び前記第2配線板材料層223aを分割して複数の画素ユニット221及び複数の第2配線板223を形成する。
【0076】
次に、前記画素ユニット221及び前記第2配線板223の側壁を覆う第1側壁(図示せず)を前記ビアホール内に形成する。前記第1側壁は、具体的には、まず、前記ビアホールの側壁及び底壁を覆い、前記第2基板220の裏面を覆うまで延在した、好ましくは、厚みが100オングストローム~3000オングストロームの酸化層を堆積させ、続いて、前記ビアホールの底壁を覆う酸化層及び前記第2基板220の裏面を覆う酸化層を(エッチングプロセスによって)除去して形成することができる。前記第1側壁によって前記画素ユニット221を保護し、前記第1配線板材料層213aをエッチングするとき、前記画素ユニット221へ汚染をもたらすことを回避する。
【0077】
続いて、前記ビアホール内の露出した前記第1配線板材料層213aを前記第1基板210の正面までエッチングして前記ビアホールの深さを増大し、前記ビアホールによりさらに前記第1配線板材料層213aを分割して複数の第1配線板213を形成する。
【0078】
次に、前記第1側壁及び前記第1配線板213の側壁を覆う第2側壁を前記ビアホール内に形成する。前記第2側壁は、具体的には、まず、前記ビアホールの側壁及び底壁を覆い、前記第2基板220の裏面を覆うまで延在した、好ましくは、厚みが100オングストローム~3000オングストロームの酸化層を堆積させ、続いて、前記ビアホールの底壁を覆う酸化層及び前記第2基板220の裏面を覆う酸化層を(エッチングプロセスによって)除去して形成することができ、前記第1側壁及び前記第2側壁が前記側壁2220を構成する。
【0079】
最後に、前記ビアホール内に導電体2221を充填する。本願の実施例では、前記ビアホール内に前記導電体2221を充填した後、さらに前記導電体2221をエッチングバックして、前記第2基板220の裏面に近い前記導電体2221の端面が前記第2基板220の裏面よりも低いようにすることができる。具体的には、まず、前記ビアホールに充填され、前記第2基板220の裏面を覆うまで延在する金属層(たとえば銅層)を電気めっきプロセスによって形成し、続いて、平坦化プロセス又は平坦化プロセスとエッチングプロセスの組み合わせによって、前記第2基板220の裏面を覆う金属層を除去し、前記ビアホール内の一部の厚みの金属層を除去し、それにより、前記導電体2221を形成することができる。さらに好ましくは、原子層堆積(ALD)プロセスによって前記ビアホール内に金属窒化層(TiN)を前記導電体2221として形成し、ALDプロセスを用いると、対応する平坦化プロセスを行う必要がなく、ALDプロセス後、エッチングバックプロセスを行って前記第2基板220の裏面を覆う金属窒化層を除去した後、直接透明電極層に接続する。
【0080】
本願の実施例では、前記仕切り壁222を形成した後、続いて、図3に示すように、前記導電体2221を介して前記共通電極接続部材212に電気的に接続される透明電極層224を前記第2基板220の裏面に形成する。ここで、前記透明電極層224が前記導電体2221に直接接続され、前記導電体2221が前記共通電極接続部材212に直接接続され、前記透明電極層224の材質は、透明導電性材料から選ばれ、たとえば、酸化インジウムスズであり得る。
【0081】
さらに、前記透明電極層224上に反射防止層225を形成することによって、前記光電検出器200の信頼性を向上させることができる。前記反射防止層225の材質は、フッ化マグネシウム、酸化チタン、硫化鉛又はセレン化鉛などから選ばれることができる。
【0082】
よって、本発明の光電検出器では、画素ユニットと画素回路が第1配線板と第2配線板を介して電気的接続され、このような接続方法が面間接続であり、マイクロはんだ接合部による接続方法におけるサイズについての制限を克服し、画素ユニットのサイズを小さくすることができる。さらに、画素回路と第1配線板の電気的接続、及び画素ユニットと第2配線板の電気的接続により、マイクロはんだ接合部による接続方法でのそれぞれの画素ユニットの接触やオン抵抗も大幅に削減され、それにより、固定パターンノイズを低減できる。なお、本発明の光電検出器では、仕切り壁によってそれぞれの画素ユニットを分離させ、仕切る壁の線幅は、進んだエッチングプロセスで限定され、サブミクロンレベルを実現でき、画素ピッチ(pixel pitch)を大幅に減少させ、画素ユニットの縮小に寄与し、プロセスの観点から、画素ユニットと画素回路の位置合わせ精度を大幅に向上させることができる。それぞれの画素ユニットは、透明電極層を介して第1基板内の共通電極接続部材に電気的に接続され、それにより、各前記画素ユニットは、同じ/実質的に同じ距離をもって共通電位に接続でき、各前記画素ユニット間の信号の違いを削減させ、前記光電検出器の安定性と品質を向上させることができる。
【0083】
さらに、導電体の端面が第2基板の裏面よりも低いため、導電体に照射された光が隣接する画素に反射して画像形成品質に影響を与えることを防止できる。
【0084】
本発明の光電検出器の製造方法では、第1配線板材料層と第2配線板材料層を結合することにより、画素ユニットと画素回路とを電気的に接続し、材料層の厚みを比較的薄くできるので、後続の2つの材料層の結合には影響することがなく、このため、画素ユニットのサイズを大幅に縮小できる。なお、画素層を含む第2基板と画素回路を含む第1基板を結合した後、それぞれの画素層を個々の画素ユニットに分割するための仕切り壁が形成され、画素ユニットと画素回路を位置合わせするという従来技術の工程を省略し、位置合わせ精度を大幅に向上させることができる。
【0085】
さらに、第1配線板材料層及び第2配線板材料層は、金属とすることができ、且つ接続はバンディングにより行うことができ、プロセスが非常に簡単である。
【0086】
以上の光電検出器の原理に基づいて、本発明は、
複数の画素回路及び共通電極接続部材が内部に形成され、正面には複数の第1配線板が形成され、前記第1配線板が対応する前記画素回路に電気的接続される第1基板と、
複数の画素ユニット及び各前記画素ユニットを互いに仕切る仕切り壁が内部に形成され、前記仕切り壁が導電体、及び前記導電体と前記画素ユニットとの間に位置する側壁を含み、正面には複数の第2配線板が形成され、前記第2配線板が対応する前記画素ユニットの第1端極に電気的接続され、裏面には透明電極層が形成され、それぞれの前記画素ユニットの第2端極が前記透明電極層に電気的接続される第2基板と、を備え、
前記第2配線板は、対応する前記第1配線板に接合され且つ電気的接続され、前記透明電極層は、前記導電体を介して前記共通電極接続部材に電気的に接続される、イメージセンサをさらに提供する。
【0087】
イメージセンサ及び光電検出器は、処理する信号や適用される分野によって、画素ユニットの材料、第1基板における回路を変える。
【0088】
上記説明は、本発明の好適な実施例を説明するものに過ぎず、本発明の範囲に対するいかなる限定ではなく、当業者であれば、上記開示内容に基づいて行われたいかなる変更や修飾が、いずれも特許請求の範囲の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0089】
100 光電検出・画像形成デバイス
110 第1基板
111 画素回路
120 第2基板
121 画素ユニット
130 マイクロはんだ接合部
131 第1マイクロはんだ接合部
132 第2マイクロはんだ接合部
200 光電検出器
210 第1基板
211 画素回路
212 共通電極接続部材
213 第1配線板
213a 第1配線板材料層
220 第2基板
221 画素ユニット
221a 画素基板
221b PN接合検出部材
2210 第1端極
2211 第2端極
2212 画素層
222 仕切り壁
2220 側壁
2221 導電体
2222 収容空間
223 第2配線板
223a 第2配線板材料層
224 透明電極層
225 反射防止層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8