(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】自動車ドア用ラッチ
(51)【国際特許分類】
E05B 85/26 20140101AFI20220412BHJP
B60J 5/00 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
E05B85/26
B60J5/00 M
(21)【出願番号】P 2019540363
(86)(22)【出願日】2018-01-31
(86)【国際出願番号】 IB2018000045
(87)【国際公開番号】W WO2018142210
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2021-01-19
(32)【優先日】2017-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ハント, ロバート, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】バーガー, ウィリアム, イー.
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0265255(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0031765(US,A1)
【文献】特開平10-266666(JP,A)
【文献】特開2016-014235(JP,A)
【文献】特開昭54-072816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 77/00-85/28
B60J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャッチ部(2)および爪部(3)を機能的に備えたロック機構(2,3)と、バネ突き当て式収納要素(8)とを備える、自動車ドア用ラッチにおいて、
前記爪部(3)は突出部(11)を有し、
前記バネ突き当て式収納要素(8)は、前記キャッチ部(2)が開錠されるまで、前記ロック機構(2,3)の開錠処理中、
前記キャッチ部(2)と係合しない収納位置に前記爪部を維持する、自動車ドア用ラッチであって、
前記バネ突き当て式収納要素(8)は
、前記バネ突き当て式収納要素(8)を前記ラッチ内に固定・保持する一方の脚部(8b)と、前記収納位置で前記爪部(3)を維持する他方の脚部(8a)と、前記一方の脚部(8b)と前記他方の脚部(8a)との間に位置し、前記収納位置で前記爪部を維持する停止部(10)とを有する脚バネ(8)として形成され、
前記爪部(3)の前記突出部(11)は、前記ロック機構(2,3)の開錠処理中、前記脚バネ(8)の他方の脚部(8a)に沿って滑り、前記停止部(10)と重なることによって前記収納位置が達成されることを特徴とする、自動車ドア用ラッチ。
【請求項2】
前記
一方の脚部(8b)は、固定されて動かない脚部(8b)
であり、
前記他方の脚部(8a)は、移動するラッチ用脚部(8a)
であり、それらは、巻かれた中央部分(8c)から始まり、そこに連結され、
前記一方の脚部(8b)と前記他方の脚部(8a)との間に
鋭角部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動車ドア用ラッチ。
【請求項3】
前記脚バネ(8)の前記ラッチ用脚部(8a)は、キャッチ部(2)がラチェット特徴部(2a、2b)を超えて開錠されないとき、前記爪部(3)の前記収納位置で支えられることを特徴とする、請求項2に記載の自動車ドア用ラッチ。
【請求項4】
前記キャッチ部(2)には外形部(12,13)が備えられ、前記収納位置を無効にすることを特徴とする、請求項
2~3のいずれか一項に記載の自動車ドア用ラッチ。
【請求項5】
前記外形部(12,13)は、前記爪部(3)に面する前記キャッチ部(2)に配置されることを特徴とする、請求項
4に記載の自動車ドア用ラッチ。
【請求項6】
前記外形部(12,13)は、前縁部(13)を
有することを特徴とする、請求項
4または5に記載の自動車ドア用ラッチ。
【請求項7】
前記外形部(12,13)は、前記爪部(3)の前記突出部(11)から前記ラッチ用脚部(8a)上で前記停止部(10)
を離れるように移動させることにより、前記収納位置を無効にすることを特徴とする、請求項
4~6のいずれか一項に記載の自動車ドア用ラッチ。
【発明の詳細な説明】
【説明】
【0001】
本発明は、基本的にキャッチ部および爪部を備えるロック機構と、バネ突き当て式収納要素とを備えた自動車ドア用ラッチに関するが、バネ突き当て式収納要素は、キャッチ部が開錠されるまで、開錠処理中、上昇した収納位置に爪部を維持する。
【0002】
自動車ドア用ラッチ、特に後尾扉または前方フラップ用ラッチの場合、実際には、ロック機構を開錠する為にキャッチ部から持ち上げられた爪部が、時々、突き当ての終了後に、依然として閉錠位置にあるキャッチ部と遭遇する。たとえば、後尾扉または前方フラップが、氷結または他の状況のため、その開錠位置にシフトしない又はシフトできないとき、ロック機構が開錠しているにも拘わらず、そのような機能状態が観察される。関連フラップを最終的に開けるには、結果的に爪部をキャッチ部から再び持ち上げる必要がある。
【0003】
そのような反復した開錠処理は、現状技術で既に防止されている。なぜなら、このために収納要素が設けられ、ロック機構の開錠処理中、この収納要素が、爪部を収納位置に維持するからである。収納位置における爪部の位置は、キャッチ部が(完全に)開錠されるまで維持される。
【0004】
そのため、たとえば、遠隔制御および関連する自動車ドアの不完全な開錠を用いて、キャッチ部のラチェットに爪部が(再)係合することを防止できる。これが適用されるのは、開錠処理が自動的であるとき、開錠が手動で行われるときの両方である。
【0005】
DE 10 2006 012 105 A1によるクラス固有の技術状態では、バネの助けを借りて突き当てられる収納要素が実行されている。収納要素は、関連するロック機構の開錠中、関連したバネの助けを借りて、少なくとも一つのラッチコンポーネントに隣接して維持される。そのため、機能的安全性、特に、収納要素に関する機能的安全性は、高められる。また、構造的に簡単な設計が説明されている。
【0006】
GB 2 457 680 Aには、トリガーレバーで動作するバネが設けられている。バネは、トリガーレバーが第1位置に旋回することを防止する。ここでは、バネが、いわゆる収納要素として実行されているが、バネはトリガーレバーに作用し、爪部には作用しない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、最初に説明された構造の自動車ドア用ラッチを更に開発する技術的問題に基づいており、変わらない機能的安全性で、構造に関連する努力および結果的に費用が減少される。
【0008】
この技術的問題を解決するため、本発明の範囲内のクラス固有の自動車ドア用ラッチは、バネ突当て式収納要素が脚バネとして設計され、脚バネは、一方の脚部でラッチ用ハウジング内に据え付けられ、他方の脚部で爪部を収納位置における上昇位置で維持し、このため、キャッチ部上に支えられる。
【0009】
本発明の範囲内で、バネ突当て式収納要素は、一つのコンポーネント、いわゆる、脚バネに凝縮されている。脚バネは、2つの脚部と、これらの脚部が連結された中央部分を有する。一方の脚部はラッチ用ハウジング内に据え付けられている。これは、通常、ハウジング用脚部である。脚バネの他方の脚部は、収納位置で爪部を維持する。このため、他方の脚部は、キャッチ部上で支えられる。結果として、これは、いわゆるラッチ用脚部である。
【0010】
有利な設計によると、ハウジング用脚部とラッチ用脚部は、これらの間で特に鋭角部を含む。さらに、両方の脚部は、一様に、巻かれた中央部分から始まり、中央部分と、一般的に接して接続される。これは、ハウジング用脚部およびラッチ用脚部の両方が、通常は円形領域を描く巻かれた中央部分から接線方向に始まることを意味する。ハウジング用脚部およびラッチ用脚部は、それらの間で一般的に鋭角部を含む。
【0011】
そのため、バネ突当て式収納要素として形成された脚バネは、キャッチ部が依然として開錠されない限り、本発明による収納位置において、キャッチ部から上昇した爪部を維持するだけでなく、2本の脚部に頼る設計は、バネ力が蓄積されることを可能にし、このバネ力は、両方の脚部の開錠位置の方向に作用する。この結果、脚バネは、現状技術では通常、互いに分離している機能(即ち、一方ではバネの機能、他方では収納要素の機能)をとり、これを単一のコンポーネント(即ち、脚バネ)に凝縮する。これは、先の手順と比較して、構造的かつ費用関連した利点を生じさせる。
【0012】
このため、ラッチ用脚部には、停止部が備えられ、停止部は、爪部を収納位置に維持する。さらに、爪部は、通常、突出部を持ち、この突出部が設定され、関連する停止部と相互作用するように構成される。
【0013】
そのため、脚バネは、更なる機能、即ち、脚バネは、収納位置で爪部を維持する停止部を形成する。その処理において、爪部は、述べられた停止部を備えた突出部と相互作用する。
【0014】
詳細には、この状況における構成は、ロック機構の開錠処理中、爪部上の関連する突出部が、ラッチ用脚部に沿って滑り、停止部と重なるような構成である。この開錠処理中、キャッチ部が完全に開錠されないとすぐに、或いは、開錠処理が全体として妨害されるとき、突出部は、停止部または爪部全体によって爪部上に保持される。そのため、爪部は、キャッチ部と相互作用するラチェット位置に(最早)旋回して戻ることができない。爪部上で更に爪部用バネは、一般的に、これを確実にする。
【0015】
次に、爪部は収納位置にある。
【0016】
この機能的状態は、キャッチ部が閉錠位置をとるまで、又は、開錠処理が妨害されるまで維持される。爪部の収納位置は、ロック機構の開錠処理が再開され、キャッチ部が通常完全に開錠されるときのみ、無効にされる。このため、キャッチ部には、都合良く、収納位置を無効にするために外形部が備えられている。外形部は、キャッチ部の縁部上、即ち、爪部に面するキャッチ部の縁部上に都合良く配置されている。詳細には、外形部は停止部を持つ。
【0017】
次に、キャッチ部が開錠位置に旋回すると直ぐに、旋回される関連した外形部または停止部は、脚部のラッチ用脚部に隣接するようになり、関連するラッチ用脚部が爪部の突出部からシフトされることを確実にする。そのため、ラッチ用脚部は爪部の突出部から離れるように外形部の助けを借りて旋回されることから、脚バネは、停止部又は外形部の助けを借りて全体的に圧縮される。この時点で、ラッチ用脚部は、爪部の収納位置が持ち上げられるように爪部の突出部から離れる。外形部又は停止部の助けを借りてラッチ用脚部が突き当てられるため、ラッチ用脚部又は停止部は、ラッチ用脚部上の爪部の突出部から上昇される。
【0018】
その結果として、最早、爪部をキャッチ部で支えることができず、その外部表面は、開錠するキャッチ部に隣接する。この隣接は、キャッチ部のラチェット凹部の他方の側にあるので、キャッチ部は、簡単かつ完全に開錠可能である。開錠位置でキャッチ部に予張力を与える更に設けられたキャッチ部用バネは、ストライカの退場と共に、これを助ける。これは、収納位置を無効にする為の外形部が、ラッチ用脚部上の停止部を爪部上の突出部から同時に持ち上げることを意味する。なぜなら、収納位置の無効化において、ラッチ用脚部は、外形部の助けを借りて、蓄積するバネ張力に抗して、ハウジング用脚部の方向にキャッチ部上を移動するからである。
【0019】
その結果、特に、フード用ラッチ又はフラップ用ラッチの実行に適した自動車ドア用ラッチが設けられるが、それに限定されるわけではない。このため、本発明による自動車ドア用ラッチは、バネ突当て式収納要素を持ち、このバネ突当て式収納要素は、本発明によると、ハウジングに付けられるハウジング用脚部と、キャッチ部上に支えられるラッチ用脚部とを備えた脚バネを有する。ハウジング用脚部は、ラッチ用ハウジングに据え付けられ、又は、固定されている。対照的に、ラッチ用脚部は、ハウジング用脚部に対して移動することができ、特に、2つの脚部の間に含まれる角度部は、通常、鋭角部であるが、これは、ラッチ用脚部の関連した突当てによって変更可能である。
【0020】
爪部上の突出部の為の停止部が、ラッチ用脚部上に同時に設けられている点に関連して、爪部が収納位置に維持されることによって、バネ突当て式収納要素の、特に簡単かつ費用対効果の良い変形例が全体的に実行される。これらは、重要な利点である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下、実施例だけを描写する略図に基づき、本発明を更に詳細に説明する。
【
図1】
図1は、異なる機能的な位置で、本発明による自動車ドア用ラッチ(閉錠位置またはメインラチェット位置にあるロック機構2,3)を示す。
【
図2】
図2は、異なる機能的な位置で、本発明による自動車ドア用ラッチを示す。
【
図3】
図3は、異なる機能的な位置で、本発明による自動車ドア用ラッチ(関連した収納位置)を示す。
【
図4】
図4は、異なる機能的な位置で、本発明による自動車ドア用ラッチを示す。
【
図5】
図5は、異なる機能的な位置で、本発明による自動車ドア用ラッチを示す。
【
図6】
図6は、異なる機能位置で、本発明による自動車ドア用ラッチを示す。
【詳細な説明】
【0022】
図は、ラッチケース1が装着された自動車ドア用ラッチと、ラッチケース1内で旋回できるように収納されたロック機構2,3を描写する。ロック機構2,3は、キャッチ部2と、キャッチ部2と相互作用する爪部3とを備える。キャッチ部2は、ラッチケース1内の軸5を中心に旋回できるように置かれる。対称的に、爪部3は、回転軸6を中心に旋回する。
【0023】
キャッチ部2は、キャッチ部2を開錠位置の方向に予張力を与える(唯一図示された)キャッチ部用バネ4に割り当てられている。これは
図1に矢印で示されているが、この矢印は、開錠処理中、軸5を中心としたキャッチ部2の反時計廻り方向の運動に対応する。実際、
図1は、閉錠位置またはメインラチェット位置にあるロック機構2,3を示す。このメインラチェット位置において、爪部3は、爪部用バネ7によって支えられたメインラチェット凹部2aに係合する。さらに、キャッチ部2は、顧客または規制によって決定された場合、更なるラチェット凹部、即ち、第2凹部を持ってもよい。
【0024】
バネ突当て式収納要素8は、本発明において特に重要であり、これは、本発明によると、脚バネ8を含む。ロック機構2,3の開錠処理において、キャッチ部2がラチェット位置(2a、2b)を超えて開錠されるまで、収納要素8は、上昇された収納位置で爪部3が維持されることを確実にする。
図3には、関連した収納位置が描写されている。
【0025】
バネ突当て式収納要素8または脚部バネ8は、脚部8bを持ち、脚部8bは、固定された特徴部、この実施例では、ラッチ用ハウジングに抗して支えられる。関連した脚部8bは、結果的にはハウジング用脚部8bである。ラッチ用ハウジングは、この図には示されていないが、これは、いわゆるラッチケース1の情報の上面視で上方に伸びているからである。しかしながら、関連した脚部8bは据え付けられており、これは明示されていない。
【0026】
脚部バネ8は、一つの固定された脚部8bに加えて、更に移動する脚部8aを持つ。脚部8aは、ラッチ用脚部8aである。脚部バネ8は、他の脚部またはラッチ用脚部8aを用いて、爪部3を収納位置に維持する。爪部3の収納位置は、
図3に描写されるように爪部3の上昇位置に対応する。このため、関連した脚部またはラッチ用脚部8aは、キャッチ部2上の外形部12によって係合されない。爪部3と同一の方法で、全体のロック機構2,3は、当然ながら、
図3による図示の範囲内で、収納位置にある。
【0027】
既に説明したように、ラッチ用脚部8aは、
図3における図示に従う爪部3の収納位置において、キャッチ部2の外形部12によって妨げられないとき、爪部用突出部11と係合する。実施例において、関連外形部の端部13は、任意の凹部2aまたはプリラチェット凹部2bを超えて配置される。そのため、脚部またはラッチ用脚部8aは、
図1に従ってキャッチ部2が閉錠位置を主として維持する場合、爪部用突出部11に直接係合することができ、ロック機構2,3の開錠まで、キャッチ部2から爪部3の上昇位置を維持する。
図1を参照して既に説明され、矢印によって描写された、軸5に関連して反時計廻り方向におけるキャッチ部2の開錠運動は、知られているように、これに対応する。
【0028】
ラッチ用脚部8aには、停止部10が装着されている。脚部バネ8のラッチ用脚部8a上またはラッチ用脚部8a内の停止部10は、爪部3上の突出部11と相互作用する。ラッチ用脚部8a上またはラッチ用脚部8a内の停止部10は、実施例の範囲内で、他の直線状ラッチ用脚部8aのZ状接続部又はZ状特徴部である。しかしながら、ラッチ用脚部8a内またはラッチ用脚部8a上の停止部10は、爪部3が、
図3に従う収納位置に維持されることを確実にする。なぜなら、この収納位置において、関連した停止部10は、爪部3上の突出部11と相互作用するからである。
【0029】
その結果、
図3に従う収納位置において、爪部をキャッチ部2に隣接した(即ち、
図3で描写された、回転軸6を中心とした反時計廻り方向に対応する)方向において予張力を与える爪部3上の爪部用バネ7に拘わらず、爪部3はラチェット状にキャッチ部2と相互作用することができない。なぜなら、爪部3は、脚部バネ8の助けを借りて、その収納位置に、キャッチ部2に対して上昇された位置に維持されるからである。
【0030】
ロック機構2,3のロックの開錠処理中、突出部11は、ラッチ用脚部8aに沿って滑り、停止部10と重複する。
図1から
図2の移行において、或いは、
図2の描写された2つの位置に基づき、これが明らかである。実際、ロック機構2,3の開錠処理は、たとえば、キャッチ部2上で係合するトリガーレバーの助けを借りて、キャッチ部2から上昇される爪部3に対応する。このため、爪部3は、反時計廻り方向において、
図2に描写される矢印に沿ってトリガーレバーの助けを借りて、軸6を中心に旋回される。そのため、爪部3は、キャッチ部2から持ち上げられる。この処理において、爪部3上の突出部11は、ラッチ用脚部8aに沿って滑り、爪部3の上昇位置で関連した停止部10と重複する。実施例において、トリガーレバーが、最早、爪部3に突き当てられなくなると、爪部3は、移動し-爪部用バネ7によって突き当てられ-、爪部3上の突出部11が停止部10上で隣接するようになるまで、その軸6を中心に時計廻り方向に僅かに戻される。
【0031】
キャッチ部2が、氷または他のフラップ障害のため、
図1に従う図示によると、この位置で閉錠位置を依然として維持する場合、爪部3は、
図3に従う図示によると、収納位置に置かれる。収納位置において、ラッチ用脚部8aは、キャッチ部2上の外形部12によって係合されない。
【0032】
図3に従う収納位置から始まり、ロック機構2,3の開錠に対するいかなる障害も除去されると、キャッチ部2は、キャッチ部用バネ4が、回転軸5又はその軸を中心として、
図4に従う図示の矢印による反時計廻り方向に衝突することによって、次第に開錠可能になる。キャッチ部2は、収納位置を無効にする為に外形部12が備えられている。外形部12は、爪部3に面するキャッチ部2の縁部上に置かれている。さらに、外形部12は、前縁部13を有する。外形部12は、外形部12から形成された前縁部13と組み合わされて、爪部3の収納位置を無効にする。このため、外形部12及び前縁部13は、脚バネ8のラッチ用脚部8a上の停止部10が爪部3上の突出部11から上昇されることを確実にする。この機能的な位置は、
図4~
図5からの移行部で明らかである。
【0033】
実際、
図3に従う収納位置から始まるキャッチ部2の開錠は、突出部11に対して先に置かれた脚バネ8のラッチ用脚部8aが、外形部12の前縁部13によって突き当てられることを確実にする。そのため、脚バネ8のラッチ用脚部8aは、脚バネ8の固定・保持された脚部8bの方向に移動される。
図4及び
図5による両方の機能的位置の比較で、これは明らかである。その結果、ラッチ用脚部8a内の停止部10またはラッチ用脚部8a上の停止部10は、同時に爪部3上の突出部11から離れるように移動する。従って、爪部3上の突出部11は、
図5による図示で停止部10から自由になる。ラッチ用脚部8aは、キャッチ部2の外形部12に沿って滑り、その結果、外形部12を備えた開錠するキャッチ部2がラッチ用脚部8aと係合しているので、最早、爪部3と相互作用することはできない。同様に、爪部3は、ラチェット用凹部2a、2bを超えていることから、キャッチ部2の外縁部に沿って滑る。キャッチ部2は、
図5に図示されているように、完全に開錠されている。
【0034】
図5による開錠位置から始まり、ロック機構2,3が閉錠されると、
図6による図示に従う閉錠処理は、キャッチ部2が、
図6の関連した矢印によって描写されるように、その軸又は回転軸5を中心に反時計廻りに旋回することに対応する。そのため、キャッチ部2による時計廻りの旋回運動は、ロック用ボルトによって始動またはトリガーされるが、ロック用ボルトは、明示されておらず、キャッチ部2に係合しており、自動車ドア用ラッチの閉錠中に、軸5を中心に時計廻りに矢印で描写された閉錠運動で突き当たる。
図6による図示の時計廻りのキャッチ部2の一定の旋回過程が完了した後、
図1に従ってメインラチェット位置または閉錠位置が(再び)達成されるまで、爪部用バネ7によってアシストされた爪部は、最初に、プリラチェット用凹部2bに係合し、その後、メインラチェット用凹部2aに係合する。この閉錠処理を通じて、バネ7によってキャッチ部2に向かって突き当てられた爪部3は、爪部用突出部11がバネ停止部10に係合するのに十分なほど上昇しない。