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特許7055954植込み型マイクロニードルおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】植込み型マイクロニードルおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 37/00 20060101AFI20220412BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20220412BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20220412BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20220412BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
A61M37/00 505
A61M37/00 520
A61K9/70 401
A61K47/36
A61K47/42
A61K45/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020538971
(86)(22)【出願日】2019-01-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 KR2019000710
(87)【国際公開番号】W WO2019143152
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2018-0006765
(32)【優先日】2018-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520254185
【氏名又は名称】シンビア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ソン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イム、サン ク
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ヨン チョン
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0350457(US,A1)
【文献】国際公開第2017/090254(WO,A1)
【文献】特開2013-043034(JP,A)
【文献】国際公開第2017/104144(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1776659(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0269685(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0279401(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 37/00
A61K 9/70
A61K 47/36
A61K 47/42
A61K 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッチ部と、
前記パッチ部に形成された円錐形の先端部を有するマイクロニードルと、
前記先端部の表面の少なくとも一部をカバーする膨潤性高分子コーティング層と、を含み
前記コーティング層は、前記マイクロニードルの中心軸に対して非対称で、一部が他の部分より厚い厚さを有し、
前記コーティング層は、前記マイクロニードルが皮膚に挿入されてから除去される動作で、前記マイクロニードルから分離され、前記皮膚内に挿入されることを特徴とする、植込み型マイクロニードル。
【請求項2】
前記マイクロニードルは、前記パッチ部に垂直に設けられる円筒形のボディ部をさらに有し、前記先端部が前記ボディ部の上端に形成されている弾丸の形状であり、
前記コーティング層は、前記先端部の表面の全部をカバーし、前記ボディ部の全部をカバーしないことを特徴とする、
請求項1に記載の植込み型マイクロニードル。
【請求項3】
前記マイクロニードルの表面と前記コーティング層との間に水分によって前記コーティング層よりも先に溶解される犠牲層をさらに含ことを特徴とする、
請求項に記載の植込み型マイクロニードル。
【請求項4】
前記膨潤性高分子は、ゼラチン、キトサン、コラーゲン、ヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸のうち少なくともいずれか1つの高分子を含むことを特徴とする、
請求項に記載の植込み型マイクロニードル。
【請求項5】
前記膨潤性高分子は、水分によって界面または表面の少なくとも一部が溶解可能なように架橋されたことを特徴とする、
請求項に記載の植込み型マイクロニードル。
【請求項6】
前記犠牲層は、単糖類および10k未満の分子量を有する水溶性高分子のうち少なくともいずれか1つで形成されたことを特徴とする、
請求項に記載の植込み型マイクロニードル。
【請求項7】
前記コーティング層は、薬物を含むことを特徴とする、
請求項に記載の植込み型マイクロニードル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロニードルに関し、より具体的には、植込み型マイクロニードルおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロニードルを製造するためにはモールドに高分子溶液を満たす方式が一般的に多く使用されている。しかし、これらの方法は、高分子溶液を満たすためには、工程を真空中で実行したり、空気を除去する(degassing)別の工程が必要で、特に、水溶性高分子の場合には、疎水性モールドに簡単に満たされず、工程中にマイクロニードルのニードルの形状が変形される欠点がある。また、薬物を伝達するためのマイクロニードルの場合には、効果的に薬物を伝達するためには、組織に浸透するマイクロニードルチップのみ塗布されていることが好ましいが、モールドを利用する方法で薬物伝達用マイクロニードルパッチを製造する場合、マイクロニードル以外に、パッチ部分にも薬物が含まれるため、薬物を定量的に伝達しにくく、捨てられる薬物が多くて非効率であり、経済的にも多くの費用が必要である。
【0003】
このような点に着目して、最近では、あらかじめ製造された固体マイクロニードルパッチに高分子溶液を浸漬コーティング法(dip coating)やスプレーコーティング法(spray coating)を利用して塗布する方法が使用されている。浸漬コーティング法やスプレーコーティング法の場合、マイクロニードルをコーティングするために、大量の高分子溶液が必要であり、均一にチップのみに塗布することが困難な欠点がある。
【0004】
また、従来のマイクロニードルは、体内で急速に溶解され、長時間の薬物の放出には限界があり、マイクロニードルを取り付けすることにより、皮膚の損傷を起こしたり、二次感染などの懸念があるという問題がある。
【0005】
したがって、定量的に薬物を伝達することができ、皮膚の損傷や感染の懸念を回避することができる新しいタイプのマイクロニードルと、これを製造する方法の研究開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一目的は、組織の損傷や感染を防ぐことができ、効率的に薬物を伝達することができる植込み型マイクロニードルの製造方法を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、組織の損傷や感染を防ぐことができ、効率的に薬物を伝達することができる植込み型マイクロニードルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一目的のための植込み型マイクロニードルの製造方法は、先端部を有するマイクロニードルをステージ(stage)に装着し、ステージを一定の傾きで傾けた状態で、マイクロニードルの先端部の表面に膨潤性高分子溶液をコーティングして、コーティング層を形成するステップを含む。
【0009】
本発明の他の目的のための植込み型マイクロニードルの製造方法は、円筒形のボディ部と円錐形の先端を有する形状のマイクロニードルの先端部の表面の少なくとも一部をカバーするように膨潤性高分子溶液をコーティングして、コーティング層を形成するステップを含む。
【0010】
本発明のもう一つの目的のための植込み型マイクロニードルの製造方法は、先端部を有するマイクロニードルの先端部の表面に選択的に水分によって界面または表面の少なくとも一部が、短時間に溶解可能なように、不完全架橋された膨潤性高分子溶液をコーティングして、コーティング層を形成するステップを含む。
【0011】
本発明のもう一つの目的のための植込み型マイクロニードルの製造方法は、先端部の表面の少なくとも一部をカバーする犠牲層を含むマイクロニードルの犠牲層上に膨潤性高分子溶液をコーティングして、膨潤性高分子コーティング層を形成するステップを含む。
【0012】
本発明の植込み型マイクロニードルは、先端部を有するマイクロニードルの先端部の表面の少なくとも一部をカバーするコーティング層を含み、水分にさらされる場合、前記コーティング層が前記マイクロニードルの先端部から分離されて前記コーティング層を移植可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のマイクロニードルおよびその製造方法によれば、本発明は、先端部のみに選択的にコーティング層を含み、マイクロニードルからコーティング層を分離して、コーティング層を植込むことができるマイクロニードルを容易に製造することができる。本発明のマイクロニードルは、膨潤性を有する高分子を利用してコーティング層を形成することができ、これにより、本発明のマイクロニードルは、体内に挿入する場合、膨潤性高分子コーティング層が膨潤して、体内の組織と機械的にかみ合って組織に固定され、マイクロニードルを除去する場合、コーティング層がマイクロニードルから分離されて体内に残存することができる。したがって、これらの特性に起因して、本発明のマイクロニードルを植込み型薬物伝達体または植込み型組織接着剤として利用することができる。また、本発明のマイクロニードルは、皮膚挿入時、膨潤性高分子コーティング層の膨潤によって皮膚挿入時、体内でマイクロニードルの膨潤によって、挿入によって形成される穴(hole)を満たすことができ、これにより、組織の損傷と二次感染を防止することができる。それだけでなく、本発明のマイクロニードルは、マイクロニードル全体に薬物を含むのではなく先端部に形成されたコーティング層のみに選択的に薬物を担持しているので、目的とする量だけ定量的に薬物を伝達することができ、製造時に多くの薬物が要求されないので、より経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例に係るマイクロニードルを説明するための模式図である。
図2】本発明の一実施例に係るマイクロニードルを説明するための模式図である。
図3】本発明の一実施例に係る本発明のマイクロニードルの製造方法を説明するための図である。
図4a】本発明の実施例1に係るマイクロニードルを説明するための図である。
図4b】本発明の実施例1に係るマイクロニードルを説明するための図である。
図5a】本発明の実施例2に係るマイクロニードルを説明するための図である。
図5b】本発明の実施例2に係るマイクロニードルを説明するための図である。
図5c】本発明の実施例2に係るマイクロニードルを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について詳細に説明する。本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を持つことができるところ、特定の実施例を図面に例示して本明細書に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態について限定するものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。各図面を説明しながら類似の参照符号を類似の構成要素について使用した。
【0016】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定する意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに別の意味をしない限り、複数の表現を含んでいる。本出願では、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするのであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0017】
別途に定義されない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を持っている。一般的に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上持つ意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0018】
図1は、本発明の一実施例に係るマイクロニードルを説明するための模式図である。
【0019】
図1を参照すると、本発明のマイクロニードル100は、先端部120を有するニードル形状であり、先端部120の表面の少なくとも一部をカバーするコーティング層124を含む。
【0020】
マイクロニードル100は、微細な大きさの針形状を意味する。マイクロニードル100は、高分子、金属などの様々な物質で形成されたマイクロニードル100であることができる。一例として、マイクロニードル100は、生体適合性高分子で形成されたマイクロニードル100であることができる。このとき、本発明のマイクロニードル100が高分子で形成される場合、マイクロニードル100は、体内挿入時に折れない程度の強度を持つことができる。本発明のマイクロニードル100は、マイクロニードル100が配置される平らな面であるパッチ部200をさらに含むことができる。パッチ部200は、マイクロニードル100を皮膚に挿入する場合、皮膚内に挿入されず、皮膚の表面と接触して付着される面を意味することができる。パッチ部200は、弾性、柔軟性を示すことができ、これにより、屈曲した皮膚の表面に合わせて形が変形されることができる。図示していないが、パッチ部200の一面上に多数のマイクロニードル100が配置されることができる。また、パッチ部200の一面上に、マイクロニードル100が単独または複数本配置されて、本発明のマイクロニードルパッチ300を構成することができる。このとき、本発明のマイクロニードル100は、マイクロニードルパッチ300のパッチ部200の一面上に配置された単一または複数のマイクロニードル100を意味することができ、これとは異なり、単独のマイクロニードル100を意味することもできる。
【0021】
マイクロニードル100の先端部120は、マイクロニードル100のとがった端、すなわち、先端(pointed portion、cutting edge)を含む部分を意味するもので、チップ(tip)ともすることができる。本発明では、先端部120は、マイクロニードル100の先端を基準に、マイクロニードル100の全長の約50%以下の領域を意味することができる。本発明のマイクロニードル100は、一例として、円柱型のボディ部とボディ部の上部に先端を有する形態であることができる。具体的には、例えば、図1に示したように、本発明のマイクロニードル100は、円筒形のボディ部と円錐の先端部120を有する弾丸や鉛筆の端のような形であることができる。このとき、本発明の先端部120は、円錐形の先端自体を意味することができ、円錐形の先端およびこれにつながるボディ部の一部を含んでいることを意味することもできる。図1では、本発明のマイクロニードルの一つの好ましい例示的な形状を図示したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、本発明のマイクロニードル100は、類似な形態を持つことができる。本発明のマイクロニードル100は、弾丸のような円柱形のボディ部と円錐形の先端を持つことにより、マイクロニードル100の先端部120の表面の少なくとも一部をカバーする犠牲層122およびコーティング層124の形成を容易にすることができる。これについて、より具体的な説明は、下記本発明のマイクロニードルの製造方法で後述することにする。
【0022】
本発明のコーティング層124は、本発明のマイクロニードル100の先端部120の表面の少なくとも一部をカバーしながら、先端部120の表面上に形成された薄膜層である。本発明のコーティング層124は、架橋可能な膨潤性高分子で形成される。膨潤性高分子は、ハイドロゲルのように水のような液体を吸収して体積が増加する、すなわち、膨潤することができる高分子を意味し、本発明の膨潤性高分子は、膨潤性を持ちながら、溶解性および/または生分解性を示す生体適合性高分子であることができる。一例として、本発明では、膨潤性高分子は、ヒアルロン酸(hyaluronic acid、HA)、ゼラチン(gelatin)、キトサン(chitosan)、コラーゲン(collagen)、コンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate)のような化合物を利用することができ、前記膨潤性高分子を架橋させたり、架橋させずに利用することができる。一例として、膨潤性高分子は、アミン基(-NH)やチオール基(-SH)を含むことができ、これは高分子自体に含有された作用基であることができ、これとは異なり、別途官能基を導入された作用基であることもできる。膨潤性高分子がアミン基やチオール基を含有する場合、前記膨潤性高分子は、架橋剤としてジェニーピン(genipin)を利用して架橋させることができる。また、本発明のコーティング層124の膨潤および溶解速度は、膨潤性高分子の分子量を調節したり、膨潤性高分子の架橋度を調節して制御することができる。一例として、膨潤性高分子の分子量が600k以上の場合、コーティング層124膨潤性高分子鎖間の物理的架橋によって、非常徐々に溶解されることができる。また、一例として、物理的、化学的、または光学的に架橋された膨潤性高分子がコーティング層124を形成する場合、コーティング層124は、水分によって膨潤した後、ゆっくりと溶解されることができる。これとは異なり、前記膨潤性高分子は、架橋されていない高分子であるか、比較的低い分子量を有する高分子であることができ、架橋されていない高分子や低分子量の高分子でコーティング層124を形成する場合、コーティング層124は、水分によって膨潤した後、急速に溶解されることができる。
【0023】
本発明のマイクロニードル100を皮膚に挿入した場合について、図2を参照して、より具体的に説明することにする。
【0024】
図2は、本発明の一実施例に係るマイクロニードルを説明するための模式図である。
【0025】
図2図1と共に参照すると、本発明のマイクロニードル100は、膨潤性高分子で形成されたコーティング層124は、皮膚組織内の体液や血液などの水分を吸収して膨潤して、皮膚組織と堅固な機械的かみ合いを形成し、それに応じて皮膚組織に固定される。このとき、膨潤性高分子の分子量が高い場合、低分子量の膨潤性高分子を用いた場合よりも遅く溶解されることができ、そこで、膨潤性高分子の分子量を制御して膨潤性高分子コーティング層の溶解速度を制御することができる。このような脈絡で、膨潤性高分子の架橋度によっても溶解速度を制御することができる。
【0026】
また、挿入されたマイクロニードル100を皮膚から除去する場合、膨潤したコーティング層124と皮膚組織との間の固定力および/または膨潤したコーティング層124の溶解により、マイクロニードルと膨潤したコーティング層124が分離されて、マイクロニードルは、体外に除去される一方、膨潤したコーティング層は、体内に残ることができる。すなわち、膨潤したコーティング層124を体内に植込むことができる。このとき、一例として、本発明のマイクロニードル100が弾丸のような形である場合、膨潤したコーティング層124をマイクロニードル100からより容易に分離することができる。これに対する詳細な説明は、下記本発明のマイクロニードルの製造方法で、より具体的に後述することにする。
【0027】
また、コーティング層124は、膨潤することにより、マイクロニードル100を皮膚に挿入することによって発生する皮膚組織の微細な穴を満たし、そこから組織の損傷を防止したり、追加の感染(二次感染など)を防止することができる。
【0028】
一方、コーティング層124は、薬物のような機能性物質を含むことができる。一例として、コーティング層124が薬物を含んでいる場合、組織内で膨潤したコーティング層124から薬物が組織内に放出されることができる。このとき、膨潤したコーティング層124は、膨潤性高分子の架橋度に応じて担持された薬物の放出量を調節することができる。一例として、架橋膨潤性高分子で形成されたコーティング層124は、薬物をゆっくり放出する徐放性放出することができる。すなわち、コーティング層124は、体内で長時間薬物を伝達することができる。
【0029】
コーティング層124が薬物を含んでいる場合、本発明のマイクロニードル100は、膨潤性コーティング層124を体内に植込むことができる植込み型薬物伝達体として利用することができる。また、湿潤環境での組織と組織の間を接着する植込み型組織接着剤として使用されることができる。組織接着剤(tissue adhesive)は、組織の間を接着する物質として、傷口の保護および止血や組織間の接合および縫合などの様々な目的のために使用されることができる。本発明のマイクロニードル100は、皮膚に挿入した後、表面や組織内の体液を吸収してチップ部分のみが選択的に膨潤して膨らみ、それに応じて組織と機械的噛み合いを実現することができ、湿潤表面でも効果的に組織を接着することができる。したがって、本発明のマイクロニードル100は、接着が必要な組織に挿入してコーティング層124の膨潤により、急速かつ容易に組織を接着することができる組織接着剤として利用でき、皮膚だけでなく、筋肉、粘膜など、様々な軟組織(soft tissue)にも使用されることができる。
【0030】
また、一例として、本発明のマイクロニードル100は、先端部120の表面とコーティング層124の間に犠牲層122をさらに含むことができ、この場合、本発明のマイクロニードル100は、先端部120の表面の少なくとも一部をカバーする犠牲層122および犠牲層122上に形成されて犠牲層122の少なくとも一部をカバーするコーティング層124の積層構造を含むことができる。本発明の犠牲層122は、水分にさらされる場合、水分によって最初に溶解されて消えることができる水溶性化合物で形成された薄膜層を意味する。犠牲層122は、マイクロニードル100の先端部120の表面と密接に付着して薄膜を形成することにより、マイクロニードル100とコーティング層124との間の直接的な接触を防ぎ、マイクロニードル100から起因するコーティング層124の特性変化を防止したり、コーティング層124が薬物を担持する場合、薬物の活性を維持できるようにすることができる。また、マイクロニードル100を皮膚に挿入する場合、マイクロニードル100からコーティング層124が容易に分離されるようにすることができる。具体的に、本発明のマイクロニードル100を皮膚に挿入する場合、皮膚組織内の体液や血液によってコーティング層124よりも犠牲層122が先に溶解されて消えて、これにより、マイクロニードル100の先端部120の表面とコーティング層124の間に空き空間(隙間)が形成されて、マイクロニードル100からコーティング層124が分離されることができる。これについて、より具体的な説明は下記で後述するようにする。
【0031】
犠牲層122は、水分によって急速に溶解されることができるほどの水溶解性を有する水溶性化合物で形成されることができ、このとき、犠牲層122を形成する物質は、犠牲層122上にコーティングされるコーティング層124の形成が容易になるようすることができる物質であることができる。一例として、犠牲層122の形成物質は、単糖類または水溶性高分子であることができ、犠牲層122が急速に溶解されてコーティング層124を急速に分離するためには、体液や血液のような水分によって急速に溶解することができる単糖類や分子量10K未満の分子量を有する水溶性高分子を利用することができる。一例として、本発明の犠牲層122を形成することができる単糖類としてスクロース(sucrose)を使用することができる。本発明の犠牲層122が単糖類や低分子量の水溶性高分子で形成される場合、犠牲層122の厚さに応じて、溶解速度に差はあるが、おおむね10分以内に溶解されてコーティング層124をマイクロニードル100から分離することができる。
【0032】
本発明のマイクロニードル100は、上記で説明したように、マイクロニードル100を体内に挿入時、体液や血液のような水分によって膨潤性高分子で形成されたコーティング層124が膨潤して、皮膚組織と機械的に堅固にかみ合うようにされるが、このとき、犠牲層122が存在する場合、犠牲層122が膨潤性高分子コーティング層124が溶解される前に、最初に溶解されて、マイクロニードル100とコーティング層124の間に空き空間を形成する。したがって、挿入されたマイクロニードル100を皮膚から除去する場合、マイクロニードル100とコーティング層124との間の隙間からマイクロニードルとコーティング層124の分離をより容易にして、マイクロニードル100のみが皮膚から除去され、膨潤したコーティング層124は、皮膚組織に残るようにすることができる。すなわち、本発明のマイクロニードル100からより容易にコーティング層124を分離してコーティング層124を体内に植込むことができる。一方、一例として、本発明のマイクロニードル100が弾丸のような形である場合、膨潤したコーティング層124をマイクロニードル100からより容易に分離することができる。これに対する詳細な説明は、下記本発明のマイクロニードルの製造方法で、より具体的に後述することにする。
【0033】
以下では、本発明の植込み型マイクロニードルの製造方法を図1および2と一緒に具体的に説明することにする。
【0034】
本発明の一実施例に係る植込み型マイクロニードルの製造方法は、先端部120を有するマイクロニードル100をステージ(stage)に装着し、ステージを一定の傾きで傾けた状態で、マイクロニードル100の先端部120に膨潤性高分子溶液をコーティングして、コーティング層124を形成するステップを含む。
【0035】
マイクロニードル100、膨潤性高分子は、前記本発明のマイクロニードル100で説明したものと実質的に同じなので、これに重複する詳細な説明は省略して相違点を中心に後述することにする。
【0036】
マイクロニードル100は、一定の傾きで傾けた状態で膨潤性高分子溶液をコーティングすれば、マイクロニードル100の先端部120の傾斜度が減少して溶液のコーティングが有利になる。すなわち、マイクロニードル100に沿って膨潤性高分子溶液が流れることを防止して、膨潤性高分子コーティング層124がより容易に形成されるようにすることができる。このとき、一例として、前記傾きは0°を超えかつ90°未満であることができ、好ましくは45°であることができる。
【0037】
また、本発明の一実施例にしたがって、マイクロニードル100を傾けた状態で膨潤性高分子溶液をコーティングすれば、マイクロニードル100の先端部120に全体的に膨潤性高分子溶液が均一に塗布されず、一部のみに選択的に他の部分と比較して相対的に多い量の溶液が点滴されてコーティングされることができるので、形成されたコーティング層124は、マイクロニードル100の先端部120の表面から均一な厚さを持たず、一部のみに大量に存在することができる。すなわち、マイクロニードル100の先端部120の表面に非対称的な膨潤性高分子コーティング層124が形成されることができる。このような非対称的な膨潤性高分子コーティング層124を有するマイクロニードル100は、体内に挿入時、膨潤性高分子コーティング層124の非対称的な構造から、よりよく膨潤することができ、より堅固に組織とかみ合うことができ、さらに、マイクロニードル100を皮膚から除去する場合、より容易にマイクロニードル100から膨潤性高分子コーティング層124が着脱されるようにすることができる。
【0038】
一例として、膨潤性高分子溶液のコーティングは、点滴の方法で行うことができ、この場合、ディスペンサーを利用することができる。また、塗布された膨潤性高分子溶液は、必要に応じて、より物理的、化学的または光学的に架橋させることもできる。
【0039】
一方、一例として、コーティング層124を形成するステップ以前に、マイクロニードル100の先端部120の表面に犠牲層122を形成するステップをさらに含むことができ、これとは異なり、すでに犠牲層122が形成されているマイクロニードル100の先端部120の表面にコーティング層124を形成することもできる。このとき、犠牲層は、前記本発明のマイクロニードルの製造方法で説明したように、単糖類または10k未満の分子量を有する水溶性高分子で形成されることができる。
【0040】
また、本発明の他の実施例に係る植込み型マイクロニードルの製造方法は、円筒形のボディ部と円錐形の先端を有する形状のマイクロニードル100の先端部120の表面の少なくとも一部をカバーするように膨潤性高分子溶液をコーティングして、コーティング層124を形成するステップを含む。
【0041】
マイクロニードル100、膨潤性高分子は、前記本発明のマイクロニードル100で説明したものと実質的に同じなので、これに重複する詳細な説明は省略して相違点を中心に後述することにする。
【0042】
円筒形のボディ部と円錐形の先端を有する弾丸のような形態を有するマイクロニードル100に膨潤性高分子溶液をコーティングする場合、コーティング層124がより安定的にコーティングすることができる。具体的に、マイクロニードル100に高分子溶液をコーティングする際の重要な要素は、接触面積(contact area)、接触面の傾斜角度(sliding angle)であり、これは溶液と接触面との間に必要な付着力(Fadhesion)で計算されることができる。このとき、接触面積が減少したり、傾斜面が大きいほど、表面との付着力に比べて液滴の重力がより大きく作用して安定したコーティングが難しく、傾斜面に沿って流れていくことになる(式1を参照)。
【0043】
式1
【0044】
【数1】
【0045】
(式1において、ρは、溶液の密度であり、Vは、溶液滴(droplet)の体積であり、gは、重力加速度であり、θは、傾斜角度であり、dは、溶液の接触面積である。)
【0046】
すなわち、同じ長さのニードルを有する場合、全体的なマイクロニードルの形状が全体的に円錐(cone)のような形状を有するマイクロニードルより円柱型のボディ部と円錐形の先端を有する弾丸のような形状を有するマイクロニードルが、マイクロニードルの先端部の傾斜度がより低く、接触面積がより広いので、マイクロニードルの表面に安定的に溶液コーティングが可能である。したがって、本発明に基づいて円柱型のボディ部と円錐形の先端を有する弾丸のような形状のマイクロニードル100に膨潤性高分子コーティング層を形成することにより、マイクロニードル100のボディ部に沿って、膨潤性高分子溶液が流れることを防止して、マイクロニードル100の先端部120の表面のみにコーティング層124を形成することができる。
【0047】
また、マイクロニードル100が円柱形のボディ部と円錐形の先端を有する弾丸のような形状を有する場合、これを体内に挿入した後、除去するとき、マイクロニードル100の構造により膨潤したコーティング層124との分離がさらに容易になることができる。すなわち、マイクロニードルが円柱形のボディ部と円錐形の先端を持つので、これを除去する場合、より容易に水分によって膨潤したコーティング層124が分離されることができる。
【0048】
一方、一例として、本発明の他の実施例に係る円筒形のボディ部と円錐形の先端を有する形状のマイクロニードル100の先端部120の表面に膨潤性コーティング層溶液をコーティングしてコーティング層124を形成するステップは、前記本発明の一実施例に係る植込み型マイクロニードルの製造方法で説明したように、円筒状のボディ部と円錐形の先端を有する形状のマイクロニードル100をステージに装着し、これを一定の傾きで傾けた状態で実行することができる。
【0049】
また、前記本発明の一実施例に係る移植型マイクロニードルの製造方法で説明したように、一例として、膨潤性高分子溶液のコーティングは、点滴の方法で行うことができ、この場合、ディスペンサーを利用することができる。また、塗布された膨潤性高分子溶液は、必要に応じて、より物理的、化学的または光学的に架橋させることもできる。
【0050】
その上、一例として、コーティング層124を形成するステップの以前に、マイクロニードル100の先端部120の表面に犠牲層122を形成するステップをさらに含むことができ、これとは異なり、すでに犠牲層122が形成されているマイクロニードル100の先端部120の表面にコーティング層124を形成することもできる。このとき、犠牲層は、前記本発明のマイクロニードルの製造方法で説明したように、単糖類または10k未満の分子量を有する水溶性高分子で形成されることができる。
【0051】
本発明の他の実施例に係る植込み型マイクロニードルの製造方法は、先端部120を有するマイクロニードル100の先端部120の表面に選択的に水分によって界面または表面の少なくとも一部が、短時間に溶解可能なように不完全架橋された膨潤性高分子溶液をコーティングして、コーティング層124を形成するステップを含む。
【0052】
マイクロニードル100、膨潤性高分子は、前記本発明のマイクロニードル100で説明したものと実質的に同じなので、これに重複する詳細な説明は省略して相違点を中心に後述することにする。
【0053】
本発明では、水分によって界面または表面の少なくとも一部が、短時間に溶解可能なように、不完全架橋された膨潤性高分子溶液は、膨潤後、界面または表面の少なくとも一部が短時間に溶解することができるほどの架橋度を有する膨潤性高分子を含む溶液を意味することができる。このとき、短時間は挿入後1時間以内を意味することができ、好ましくは30分以内、より好ましくは15分以内を意味することができるが、短時間で選択された高分子に応じて差があることができ、本発明は、必ずしもこれらに限定されるものではない。本発明によると、水分によって短期間溶解可能なように、不完全架橋された膨潤性高分子溶液をマイクロニードル100の先端部120にコーティングすれば、マイクロニードル100を体内に挿入時、コーティング層124を形成する膨潤性高分子が十分に架橋されず、コーティング層124の表面が水分によって急速に溶解され、これにより、マイクロニードル100から容易に分離されることができる。
【0054】
このとき、一例として、水分によって短期間溶解可能なように、不完全架橋された膨潤性高分子としては、600k以下の分子量を有する膨潤性高分子を利用することができる。一例として、分子量が600k以上の場合、高分子の分子鎖間の物理的架橋によって溶解が比較的ゆっくりと起こるので、好ましくは600k以下の分子量を有する膨潤性高分子を利用することができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0055】
一方、一例として、本発明の別の実施例に基づいて先端部120を有するマイクロニードル100の先端部120に水分によって界面または表面の少なくとも一部が、短時間に溶解可能なように、不完全架橋された膨潤性高分子溶液をコーティングしてコーティング層124を形成するステップは、前記本発明の一実施例に係る植込み型マイクロニードルの製造方法で説明したように、マイクロニードル100をステージに装着し、これを一定の傾きで傾けた状態で行うことができ、または前記本発明の他の実施例に係る植込み型マイクロニードルの製造方法で説明したように、円筒状のボディ部と円錐形の先端を有する形状のマイクロニードル100の先端部120に水分によって界面または表面の少なくとも一部が短時間に溶解可能なように、不完全架橋された膨潤性高分子溶液をコーティングして行うこともでき、または円筒形のボディ部と円錐形の先端を有する形状のマイクロニードル100を一定の傾きで傾けた状態で行うこともできる。
【0056】
また、前記本発明の一実施例または他の実施例に係る植込み型マイクロニードルの製造方法で説明したように、一例として、膨潤性高分子溶液のコーティングは、点滴の方法で行うことができ、この場合、ディスペンサーを利用することができる。また、塗布された膨潤性高分子溶液は、必要に応じて、より物理的、化学的または光学的に架橋させることもできる。
【0057】
その上、一例として、コーティング層124を形成するステップの以前に、マイクロニードル100の先端部120の表面に犠牲層122を形成するステップをさらに含むことができ、これとは異なり、すでに犠牲層122が形成されているマイクロニードル100の先端部120の表面にコーティング層124を形成することもできる。このとき、犠牲層は、前記本発明のマイクロニードルの製造方法で説明したように、単糖類または10k未満の分子量を有する水溶性高分子で形成されることができる。
【0058】
また、本発明の他の実施例に係る植込み型マイクロニードルの製造方法は、先端部120の表面の少なくとも一部をカバーする犠牲層122を含むマイクロニードル100の先端部120の表面の犠牲層122上に膨潤性高分子溶液をコーティングして、膨潤性高分子コーティング層124を形成するステップを含む。
【0059】
マイクロニードル100、膨潤性高分子は、前記本発明のマイクロニードル100で説明したものと実質的に同じなので、これに重複する詳細な説明は省略して相違点を中心に後述することにする。
【0060】
このとき、前記膨潤性高分子コーティング層124を形成するステップの以前に、先端部120を有するマイクロニードル100の先端部120の表面に水溶性化合物を含む犠牲層溶液をコーティングして、犠牲層122を形成するステップを含んで、先端部120の表面の少なくとも一部をカバーする犠牲層122を含むマイクロニードル100を準備することができる。
【0061】
犠牲層を形成する犠牲層溶液は、犠牲層上に膨潤性高分子溶液を塗布する場合、犠牲層が一部溶解されて膨潤性高分子溶液の粘度を向上させることができる単糖類または低分子量の水溶性高分子のような水溶性化合物を含む。一例として、このような水溶性化合物は、スクロースであることができ、一例として、前記犠牲層溶液はスクロース水溶液であることができる。このとき、スクロース水溶液は、好ましくは、粘度値0.95~1.3cp、濃度1~5wt%を持つことができ、このとき、犠牲層を形成するスクロース水溶液の体積は0.05~0.3μl程度であることができる。上記では、具体的な粘度値、濃度および体積を例示的に言及したが、本発明はこれに必ずしも限定されるものではなく、選択された水溶性化合物の溶液が点滴されてコーティングされることができる粘度、濃度および体積であれば可能である。
【0062】
本発明によれば、水溶性化合物で形成された犠牲層122上に膨潤性高分子溶液を塗布することにより、膨潤性高分子溶液がマイクロニードル100に沿って流されずに、表面張力などにより犠牲層122の表面に密接にコーティングされることができる。また、犠牲層122が膨潤性高分子溶液を塗布時、少なくとも一部が溶解されることができる水溶性化合物で形成されるので、膨潤性高分子溶液を塗布すると、犠牲層122の表面の少なくとも一部が膨潤性高分子溶液により一時的に溶解されて、粘度の上昇などにより膨潤性高分子溶液が流されず、犠牲層122上に形成されることもできる。すなわち、マイクロニードル100の先端部120のみにコーティング層124をコーティングすることができる。したがって、本発明によると、犠牲層122を形成した後、別のプラズマ処理のような処理工程がなくても犠牲層122上に容易にコーティング層124を形成することができる。一例として、犠牲層122がスクロースで形成される場合、上記のようなメカニズムによりコーティング層124に形成可能な膨潤性高分子としては、架橋および架橋されていないゼラチン、キトサン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸などを利用することができ、このとき、膨潤性高分子は、作用基が導入されているか、他の高分子と共重合された高分子であることもできる。
【0063】
一方、一例として、本発明の別の実施例に基づいて先端部120の表面の少なくとも一部をカバーする犠牲層122を含むマイクロニードル100の先端部120の表面の犠牲層122上に膨潤性高分子溶液をコーティングして、膨潤性高分子コーティング層124を形成するステップと、および膨潤性高分子コーティング層124を形成するステップの以前に、マイクロニードル100の先端部120の表面に水溶性化合物を含む犠牲層溶液をコーティングして、犠牲層122を形成するステップのうち少なくともいずれか1つは、前記本発明の一実施例に係る植込み型マイクロニードルの製造方法で説明したように、マイクロニードル100をステージに装着し、これを一定の傾きで傾けた状態で行うことができ、または前記本発明の他の実施例に係る植込み型マイクロニードルの製造方法で説明したように、円筒状のボディ部と円錐形の先端を有する形状のマイクロニードル100を利用することができ、または円筒形のボディ部と円錐形の先端を有する形状のマイクロニードル100を一定の傾きで傾けた状態で行うこともできる。
【0064】
また、前記本発明の一実施例または他の実施例に係る植込み型マイクロニードルの製造方法で説明したように、一例として、犠牲層溶液のコーティングおよび膨潤性高分子溶液のコーティングは、点滴の方法で行うことができ、この場合、ディスペンサーを利用することができる。また、塗布された膨潤性高分子溶液は、必要に応じて、より物理的、化学的または光学的に架橋させることもできる。
【0065】
その上、前記膨潤性高分子は、前記本発明の他の実施例に係る植込み型マイクロニードルで説明したように、水分によって界面または表面の少なくとも一部が、短時間に溶解可能なように、不完全架橋された膨潤性高分子であることができるが、このとき、前記膨潤性高分子で形成されたコーティング層124よりも犠牲層122が先に溶解されることができる。
【0066】
併せて、上記で説明した本発明の実施例に係る植込み型マイクロニードルの製造方法では、マイクロニードル100の先端部120は、コーティング層124を形成する前に、または犠牲層122を含む場合、犠牲層122を形成する前に、マイクロニードル100の先端部120の表面を選択的に親水化処理することができる。
【0067】
このとき、マイクロニードル100は、マイクロニードル100の先端部120のみを露出させ、露出されたマイクロニードルの先端部120を選択的に親水化表面処理することができる。このとき、親水化表面処理方法は、様々な親水化表面処理方法を利用することができる。一例として、マイクロニードルの先端部120のみを露出させたマイクロニードル100をマイクロニードル100の表面と化学的に反応することができる物質の溶液に接触させ、マイクロニードルの先端部120のみを選択的に親水化することができる。または、これとは異なり、前記親水化処理は、プラズマ処理であることができる。
【0068】
図3は、マイクロニードル100の先端部120の表面を選択的にプラズマ処理した後、犠牲層122と犠牲層122上に膨潤性高分子コーティング層124を形成する具体的な実施例による本発明のマイクロニードルの製造方法を説明するための図面である。
【0069】
具体的に、図3の(a)は、マイクロニードルのマスキングフィルム付着を説明するための模式図であり、(b)は、マイクロニードルの選択的なプラズマ処理を説明するための模式図である。(c)は、犠牲層の形成を説明するための模式図であり、(d)は、コーティング層の形成を説明するための模式図である。
【0070】
図3図1および2と一緒に参照すると、マイクロニードル100を選択的にプラズマ処理するために、先端部120のみを露出させたマイクロニードル100の露出された先端部120を選択的にプラズマ処理することができる。マイクロニードル100の先端部120の露出は先端部120を除いた全体的なマイクロニードル100の表面にマスキングフィルム(masking film)を位置させて行うことができる(図3の(a)と(b)を参照)。
【0071】
前記プラズマは、マイクロニードル100の先端部120の表面にヒドロキシ基(hydroxyl group、-OH)、カルボキシ基(carboxyl group、-COOH)のような親水性作用基を形成することができるプラズマであることができる。すなわち、前記プラズマは先端部120の表面を親水化処理することができるプラズマであることができる。一例として、前記親水化処理可能なプラズマは、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ、またはアンモニアプラズマであることができる。上記では、親水化処理にプラズマを用いる具体的な実施例を挙げ、本発明を説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0072】
一例として、本発明のマイクロニードル100が図面に示したように、犠牲層122と膨潤性コーティング層124の両方を含む場合、マイクロニードル100の先端部120の表面を親水化処理することにより、犠牲層122を形成する水溶性化合物を含む犠牲層122溶液をマイクロニードル100の先端部120の表面に容易にコーティングすることができ(図3の(c)を参照)、形成された犠牲層122の上に、別の処理なして膨潤性高分子溶液をコーティングすることができる(図3の(d)を参照)。
【0073】
一方、図面には図示しなかったが、本発明の植込み型マイクロニードル100が犠牲層122を含まない場合、マイクロニードル100の先端部120の表面をプラズマで処理する時間を調節して、マイクロニードル100の先端部120表面とコーティング層124との間の接着力を調節することができ、これにより、コーティング層124がより容易にマイクロニードル100の先端部120にコーティングされることができるとともに、体内に挿入時によく脱着されるようにプラズマ処理することができる。このとき、マイクロニードル100の先端部120の表面とコーティング層124との間の接着力は、プラズマ処理時間と比例することができる。
【0074】
また、一例として、上記の本発明の実施例では膨潤性高分子溶液は、点滴可能なほどの粘度、濃度および体積でコーティングされることができ、これは、一例として、粘度値10~20000cp、体積0.1~0.4μl程度であることができる。上記では、具体的な粘度値、濃度および体積を例示的に言及したが、本発明はこれに必ずしも限定されるものではなく、選択された高分子溶液が点滴されてコーティングされることができる粘度、濃度および体積であれば可能である。例えば、膨潤性高分子として分子量が600kであるヒアルロン酸を用いる場合、これを含むヒアルロン酸溶液は粘度値20~20000cp、濃度0.25~3wt%であることが好ましいことができ、点滴されるヒアルロン酸溶液の体積は0.15~0.4μlであることが好ましいことができる。また、一例として、架橋ゼラチンを用いる場合、架橋ゼラチンは、約5wt%の濃度で粘度値の30~100cp、体積0.1~0.4μl程度の体積でコーティングすることが好ましいことができる。
【0075】
その上、前記膨潤性高分子溶液は、薬物のような機能性物質を含むこともできる。薬物を含む膨潤性高分子溶液でコーティング層124を形成する場合、マイクロニードル100が皮膚組織内に挿入時、コーティング層124から薬物を放出することができる。マイクロニードル100から放出される薬物の量は、膨潤性高分子溶液に添加される薬物の量を調節したり、マイクロニードル100の先端部120の表面に膨潤性高分子をコーティングする回数を調節したり、または膨潤性高分子の架橋度を制御して調節することができる。このとき、一例として、コーティング層124をゆっくりと溶解させるためには、コーティング層124は、点滴された膨潤性高分子溶液を物理的、化学的、または光学的に架橋させて架橋程度を増加させることができ、これとは異なり、架橋された膨潤性高分子溶液を点滴してコーティング層124を形成することもできる。また、一例として、コーティング層124を急速に溶解させるためには、架橋されていない膨潤性高分子を利用することができる。
【0076】
本発明は、薬物のような機能性物質を含む膨潤性高分子溶液を選択的にマイクロニードル100の先端部120のみにコーティングすることにより、マイクロニードル100の先端部120のみに機能性物質を含むことができ、これにより、伝達しようとする機能性物質の量を失うことなく、体内に伝達することができる。したがって、機能性物質の無駄なく、効率的かつ経済的に機能性物質を伝達することができる。
【0077】
以下では、具体的な実施例を挙げ、本発明のマイクロニードル、その製造方法およびこれを含むパッチに対してより詳細に説明する。
【0078】
まず、体内に挿入時、壊れない程度の強度を持って生体適した高分子である、ポリラクチドグリコールライド(poly(lactic-co-glycolic acid)、PLGA)を利用して、弾丸のような形態を有するマイクロニードルを有するマイクロニードルパッチを製造した後、マイクロニードルにマスキングフィルムを配置させ、マイクロニードルの先端部の表面のみに選択的に酸素プラズマ処理した。
【0079】
次に、高分子として600kヒアルロン酸を利用してコーティング層を形成した。具体的に、選択的に先端部のみにプラズマ処理されたマイクロニードルを含むマイクロニードルパッチをステージに装着して、これを約45°の角度で傾けた後、水分によって短時間溶解可能な分子量である600kのヒアルロン酸を含むヒアルロン酸溶液を、マイクロニードルの先端部に点滴した。次に、これを常温で乾燥して、本発明の実施例1によるマイクロニードルパッチ(以下、マイクロニードル1)を製造した。
【0080】
図4aは、本発明の実施例1によるマイクロニードルを説明するための図であり、選択的に先端部のみにプラズマ処理されたマイクロニードルの先端部の表面にヒアルロン酸溶液を点滴した後、およびこれを常温で乾燥した後のコーティング層を示す写真である。
【0081】
図4aを参照すると、本発明に基づいて、マイクロニードルの先端部の表面にヒアルロン酸溶液を点滴した後、ヒアルロン酸溶液がマイクロニードルに沿って流れることなく、その形態を維持することを確認することができ、これを常温で乾燥した後、マイクロニードルの先端部に密着して、マイクロニードルの先端部形状を維持しながら、薄膜の形で形成されることを確認することができる。
【0082】
次に、本発明の実施例1によるマイクロニードル1を皮膚組織を模倣したアガロースゲルに挿入し、一定時間経過後、マイクロニードル1をアガロースゲルから除去して、アガロースゲルとマイクロニードル1の変化を確認した。
【0083】
図4bは、本発明の実施例1によるマイクロニードルを説明するための図であり、本発明の実施例1によるマイクロニードル1をアガロースゲルに挿入した後、除去によるアガロースゲルとマイクロニードルの表面を示す写真である(スケールバー;500μm)。
【0084】
図4bを参照すると、ヒアルロン酸コーティング層が形成されたマイクロニードル1がアガロースゲルに挿入された後、ヒアルロン酸コーティング層が膨潤することを確認することができ、特に、マイクロニードル1をアガロースゲルから除去すると、ヒアルロン酸コーティング層は、アガロースゲルに残って溶解されることを確認することができる。また、除去されたマイクロニードル1の表面には、残りのコーティング層がないことを確認することができ、これは本発明に係るマイクロニードル1のコーティング層がアガロースゲル内の水分によって膨潤するとともに、表面層が急速に溶解されてマイクロニードル1と容易に分離され、皮膚組織に植込まれることができることを意味する。
【0085】
すなわち、本発明に基づいてコーティング層を容易に植込むことができる植込み型マイクロニードルを製造したことを確認することができ、本発明に係る植込み型マイクロニードルは、水分によって急速にコーティング層が分離されて容易に体内に植込むことができることを確認することができる。
【0086】
また、先端部の表面が選択的にプラズマ表面処理されたマイクロニードルパッチをステージに装着して、約45°の傾斜角度で傾けた後、マイクロニードルの先端部のみにディスペンサーを利用して、スクロース水溶液を点滴した。次に、これを常温で乾燥して、犠牲層を製造した。
【0087】
図5aは、本発明の実施例2によるマイクロニードルを説明するための図であり、選択的に先端部のみにプラズマ処理されたマイクロニードルの先端部の表面にスクロース水溶液を点滴した後、およびこれを常温で乾燥した後の犠牲層を示す写真である。
【0088】
図5aを参照すると、マイクロニードルの表面に点滴された犠牲層溶液(スクロース水溶液)(青)は、点滴後、マイクロニードルに沿って流れることなく、その形態を維持することを確認することができ、これを常温で乾燥した後には、マイクロニードルの先端部に密着して、マイクロニードルの先端部形状を維持しながら、薄膜の形で形成されることを確認することができる。
【0089】
続いて、スクロース犠牲層上にゼラチンと架橋剤としてジェニーピン(genipin)を混合したジェルピン溶液(gelatin + genipin)を点滴した後、これを常温で乾燥してコーティング層を形成し、本発明の実施例2によるマイクロニードル(以下、マイクロニードル2)を製造した。
【0090】
図5bは、本発明の実施例2によるマイクロニードルを説明するための図であり、スクロース犠牲層上にジェルピン溶液を点滴した後、およびこれを常温で乾燥した後のコーティング層を示す写真である。
【0091】
図5bを参照すると、青のスクロース犠牲層上にジェルピン溶液を点滴した後、ジェルピン溶液がマイクロニードルに沿って流れることなく、その形態を維持することを確認することができ、これを常温で乾燥した後には、犠牲層をカバーしながら、マイクロニードルの先端部に密着されて、マイクロニードルの先端部形状を維持しながら、薄膜の形で形成されることを確認することができる。
【0092】
すなわち、本発明に基づいて、マイクロニードルの先端部のみに犠牲層とコーティング層を形成することができることを確認することができる。
【0093】
また、スクロース犠牲層とジェルピンコーティング層が形成された本発明の実施例2によるマイクロニードル2を皮膚組織を模倣したアガロースゲルに挿入した後、マイクロニードル2を除去することによるアガロースゲルとマイクロニードル2の表面を示す写真である(スケールバー;500μm)。
【0094】
図5cは、本発明の実施例2によるマイクロニードルを説明するための図であり、本発明の実施例2によるマイクロニードル2をアガロースゲルに挿入した後、除去によるアガロースゲルとマイクロニードルの表面を示す写真である(スケールバー;500μm)。
【0095】
図5cで、(a)は、本発明の実施例2によるマイクロニードル2をアガロースゲルに挿入し、一定時間経過後の写真を示し、(b)は、マイクロニードル2をアガロースゲルから除去した後のアガロースゲルの写真を示し、(c)は、アガロースゲルから除去されたマイクロニードル2の表面を示す。
【0096】
図5cを参照すると、図5cの(a)に示したように、スクロース犠牲層とジェルピンコーティング層が形成されたマイクロニードルをアガロースゲルに挿入した後ジェルピンコーティング層が水分を吸収して膨潤することを確認することができ、図5cの(b)に示したように、アガロースゲルからマイクロニードルを除去すると、マイクロニードルは、除去されるが膨潤したジェルピンコーティング層は、アガロースゲルと機械的に堅固に噛み合ってアガロースゲル内に残ることを確認することができる。すなわち、マイクロニードルからジェルピンコーティング層が分離され、これにより、ジェルピンコーティング層がアガロースゲル内に植込まれることを確認することができる。
【0097】
また、図5cの(c)を参照すると、アガロースゲルから除去されたマイクロニードルの表面に犠牲層とコーティング層が存在しないことを確認することができ、これは本発明のマイクロニードルアガロースゲルに挿入されると、スクロース犠牲層が水分によって溶解されることを示し、これにより膨潤したジェルピンコーティング層とマイクロニードルの間に空間を形成して、より容易に膨潤を介してアガロースゲル内に堅固に固定されたジェルピンコーティング層をマイクロニードルから分離することができることを意味する。
【0098】
すなわち、本発明に基づいて、マイクロニードルの先端部の表面のみに犠牲層とコーティング層を容易に形成することができることを確認することができ、本発明によるマイクロニードルを皮膚に挿入時、コーティング層が皮膚組織内で水分によって膨潤して、皮膚組織と堅固に固定され、犠牲層は水分によって溶解され、前記マイクロニードルを除去することによって、コーティング層が分離されて、組織内に植込まれることができることを確認することができる。
【0099】
その上、本発明のコーティング層の形成高分子としてゼラチン、ヒアルロン酸、キトサン、コンドロイチン硫酸を用いる場合のコーティング層の形成を説明するために、前記高分子を用いてゼラチン溶液、ヒアルロン酸-メタクリル酸(methacrylate)と光架橋剤混合溶液、600kのヒアルロン酸溶液、チオール基が導入されたヒアルロン酸(HA-SH)とジェニーピン混合溶液、キトサンとジェニーピン混合溶液、コンドロイチン硫酸とジェニーピン混合溶液の膨潤性高分子溶液をそれぞれ用意し、これを利用し、前記図3を参照して説明したのと同じスクロース犠牲層上に、それぞれの溶液を点滴させた後、常温で乾燥した。
【0100】
その結果、それぞれの溶液が点滴された後、マイクロニードルに沿って流されず、乾燥した後、マイクロニードルの犠牲層上に密着して薄膜の形でコーティングされることを確認できた。
【0101】
併せて、マイクロニードルの形状による違いを確認するために、マイクロニードルの形状が円錐(コーン)型であるマイクロニードルを用意して、前記本発明の実施例1に基づいて、マイクロニードルを製造したものと実質的に同じように、マイクロニードルを製造した。
【0102】
その結果、円錐のマイクロニードルは、犠牲層がマイクロニードルに沿って一部が流れることを確認することができ、また、犠牲層上にコーティング層を形成する場合にも、一部のコーティング層溶液がマイクロニードルに沿って流れることが確認できた。
【0103】
その上、製造されたマイクロニードルをアガロースゲルに挿入時、前記図5の(c)に示したように、本発明の実施例1によるマイクロニードルは、犠牲層が溶解されて膨潤性コーティング層が完全に分離されて、コーティング層は、固定されたアガロースゲル内に位置し、マイクロニードルのみアガロースゲルから除去されることを確認することができたが、円錐形のマイクロニードルの場合、マイクロニードルの除去とともに、膨潤性高分子コーティング層が膨潤したアガロースゲルから多少移動したことを確認することができた。すなわち、マイクロニードルの形状が弾丸のような形状であることが好ましいことが確認できる。
【0104】
したがって、上記で説明したバー総合すると、本発明の実施例に基づいて、マイクロニードルの先端部のみコーティング層を容易に形成することができ、体内に挿入時、コーティング層が容易に分離されてコーティング層を植込むことができるマイクロニードルを製造することができることを確認することができる。
【0105】
また、特に、図4aないし5cを参照すると、一定の傾きで犠牲層とコーティング層を形成することにより、マイクロニードル先端部の表面から犠牲層とコーティング層が、マイクロニードルの先端部の一部に、より多くの量でコーティングされることができることを確認することができ、これは、これらの非対称コーティングから膨潤性高分子コーティング層がアガロースゲル内より堅固に固定されることを意味する。
【0106】
その上、植込まれたコーティング層は、薬物などを担持して、組織内で溶解され、これを放出することができるので、これにより、本発明のマイクロニードルは、植込み型薬物伝達体や膨潤性コーティング層の堅固な機械的固定に起因して、植込み型組織接着剤として利用することができることを確認することができる。
【0107】
上記では、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正および変更させることができることを理解できるだろう。
【符号の説明】
【0108】
100:マイクロニードル
120:マイクロニードルの先端部
122:犠牲層
124:コーティング層
200:パッチ部
300:マイクロニードルパッチ
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c