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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】電気導体
(51)【国際特許分類】
   H01P 3/10 20060101AFI20220412BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20220412BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
H01P3/10
G06K19/077 200
H01Q1/38
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017535028
(86)(22)【出願日】2015-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-03-08
(86)【国際出願番号】 US2015065504
(87)【国際公開番号】W WO2016109168
(87)【国際公開日】2016-07-07
【審査請求日】2018-11-14
【審判番号】
【審判請求日】2020-12-01
(31)【優先権主張番号】62/098,133
(32)【優先日】2014-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル, ニコラス ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ジェスム, ロナルド ディー.
(72)【発明者】
【氏名】アウダーカーク, アンドリュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】パラニスワミー, ラヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ボニファス, アンドリュー ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ナラグ, アレハンドロ オルドリン ザ セカンド エー.
(72)【発明者】
【氏名】ジェニングス, ロバート エム.
(72)【発明者】
【氏名】ゴレル, ロビン イー.
【合議体】
【審判長】伊藤 隆夫
【審判官】衣鳩 文彦
【審判官】佐藤 智康
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0222727(US,A1)
【文献】特開2007-228326(JP,A)
【文献】米国特許第4605934(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/00~25/04
G06K 19/00~19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸を中心として延びる細長い波状導体であって、前記導体は、前記導体が延在する面に平行な方向に沿った幅を有し、前記導体に沿って、
前記軸の曲率半径が連続であり、
複数の相隔てられた第1の場所において、前記軸が局所的最小曲率半径をとり、前記導体が局所的最大幅及び厚みをとる、細長い波状導体。
【請求項2】
細長い、電気的に連続な導体であって、前記導体が、前記導体の長手方向において、可変の幅及び可変の曲率半径を有し、前記導体の曲率半径が大きいほど前記導体の幅及び厚みが小さく、前記導体の曲率半径が小さいほど前記導体の幅及び厚みが大きい、電気的に連続な導体。
【請求項3】
細長い、電気的に連続な導体であって、前記導体が、前記導体の長手方向において、可変の幅及び可変の曲率半径を有し、前記導体の曲率半径が小さくなるにつれて前記導体の前記幅及び厚みが大きくなり、前記導体の曲率半径が大きくなるにつれて前記導体の前記幅及び厚みが小さくなる、電気的に連続な導体。
【請求項4】
軸を中心として延びる細長い導体であって、前記軸上の複数の相隔てられた第1の場所のそれぞれにおいて、前記第1の場所における前記軸の接線が前記導体の伸張方向に平行である同じ基準線に平行であり、前記軸上の複数の相隔てられた第2の場所のそれぞれにおいて、前記第2の場所における前記軸の接線が前記基準線に対して平行ではなく、前記導体が、各第1の場所においてより幅広且つ厚く、各第2の場所においてより幅狭且つ薄い、細長い導体。
【請求項5】
第1の方向に沿って元の未伸張寸法の最大1.5倍まで破断することなく伸張可能な可撓性伸縮基材と、
前記可撓性伸縮基材の上に配置され、概ね前記第1の方向に沿って延在する導体であって、前記導体が軸を中心として延在し、前記導体が、前記導体の前記第1の方向において、可変の幅及び可変の曲率半径を有し、前記導体の曲率半径が小さくなるにつれて前記導体の前記幅及び厚みが大きくなり、前記導体の曲率半径が大きくなるにつれて前記導体の前記幅及び厚みが小さくなる、導体と、を備える、導体アセンブリ。
【請求項6】
細長い、電気的に連続な導体であって、前記導体が、前記導体の長手方向において、可変の厚さ及び可変の曲率半径を有し、前記導体の曲率半径が大きいほど前記導体の厚さが薄く、前記導体の曲率半径が小さいほど前記導体の厚さが厚い、電気的に連続な導体。
【請求項7】
可撓性伸縮基材と、
前記可撓性伸縮基材の上に配置され、軸を中心として延びるアンテナであって、前記軸に沿った複数の相隔てられた第1の場所及び第2の場所では、
前記アンテナが各第1の場所において各第2の場所よりも幅広且つ厚く、
前記軸の曲率半径が各第1の場所において各第2の場所よりも小さい、アンテナと、を備える、無線周波数識別タグ。
【請求項8】
可撓性伸縮基材と、
前記可撓性伸縮基材の上に配置され、複数の第1のゾーンと複数の第2のゾーンとを有するアンテナであって、各第1のゾーンが複数の第1の同心円弧を含み、各第2のゾーンが複数の第2の同心円弧を含み、各第1のゾーンの各第1の円弧が各第2のゾーンの各第2の円弧よりも幅広且つ厚く、前記第1の同心円弧の曲率半径が前記第2の同心円弧の曲率半径よりも小さい、アンテナと、を備える、無線周波数識別タグ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電気導体は、ある場所から別の場所まで電気情報を運ぶようになっている導電材料部分である。適切な特性を有する電気導体は、送信アンテナ、受信アンテナ又は送受信アンテナとして使用できる。剪断力やひずみの力にさらされる電気導体は、これらの応力によって破断したり、損傷を受けたりする場合もあれば、時間と共に脆弱化する場合もある。
【発明の概要】
【0002】
一態様では、本開示は、細長い導体に関する。細長い導体は、導体の長さに沿った軸を中心とし、軸が、基準線に関する連続な一次導関数を有し、この基準線は導体の伸張方向に平行である。一次導関数は、複数の相隔てられた第1の場所においてゼロであり、軸が、少なくとも1つの第2の場所において不連続である、基準線に関する二次導関数を有し、導体が各第1の場所において各第2の場所よりも幅広である。
【0003】
別の態様では、本開示は、長さに沿った軸を中心とした細長い導体に関し、軸が、基準線に関する連続な一次導関数を有し、この基準線は、導体の伸張方向に平行である。一次導関数が複数の相隔てられた第1の場所においてゼロであり、軸が、少なくとも1つの第2の場所において実質的にゼロである、基準線に関する二次導関数を有し、導体が各第1の場所において各第2の場所よりも幅広である。一部の実施形態では、少なくとも1つの第2の場所は、少なくとも2つの第2の場所を含む。
【0004】
更に別の態様では、本開示は、長さに沿いかつ面を画定する、軸を中心とした細長い波状導体に関し、導体は、導体の面に平行な方向に沿った幅を有する。軸の曲率半径は連続であり、複数の相隔てられた第1の場所において、軸が局所的最小曲率半径をとり、導体は局所的最大幅をとる。一部の実施形態では、各第1の場所における局所的最大幅が、第1の場所以外の任意の他の場所における導体の幅よりも広い。一部の実施形態では、導体の伸張方向に平行である基準線に関する軸の二次導関数の大きさは導体の長さに沿って連続である。
【0005】
別の態様では、本開示は、長さに沿って細長い、電気的に連続な導体に関し、導体が、導体の長さに沿って、実質的に一定の高さ、可変の幅及び可変の曲率半径を有する。導体の長さに沿って、導体の曲率半径が大きいほど導体の幅が狭く、導体の曲率半径が小さいほど導体の幅が広い。一部の実施形態では、導体の長さに沿って、曲率半径が実質的に等しい場所は、幅が実質的に等しい。
【0006】
更に別の態様では、本開示は、長さに沿って細長い、電気的に連続な導体に関し、導体が、導体の長さに沿って、可変の幅及び可変の曲率半径を有する。導体の長さに沿って、導体の曲率半径が小さくなるにつれて導体の幅は広くなり、導体の曲率半径が大きくなるにつれて導体の幅は狭くなる。
【0007】
別の態様では、本開示は、長さに沿った軸を中心とした、細長い導体に関する。軸上の複数の相隔てられた第1の場所のそれぞれにおいて、第1の場所における軸の接線導体の伸張方向に平行であり、軸上の複数の相隔てられた第2の場所のそれぞれにおいて、第2の場所における軸の接線が基準線に対して平行ではない。導体は、各第1の場所においてより幅広であり、各第2の場所においてより幅狭である。
【0008】
更なる別の態様では、本開示は、導体アセンブリに関する。導体アセンブリは、第1の方向に沿って元の未伸張寸法の最大1.5倍まで破断することなく伸張可能な可撓性伸縮基材と、基材の上に配置され、概ね第1の方向に沿って延在する導体であって、導体が導体の長さに沿った軸を中心とし、軸に沿って交互に配置された複数の第1の場所及び複数の第2の場所では、導体が各第1の場所において各第2の場所よりも幅広である、導体と、を備える。一部の実施形態では、軸の曲率半径は、各第1の場所において各第2の場所よりも小さい。
【0009】
別の態様では、本開示は、長さに沿って細長い、電気的に連続な導体に関し、導体が、導体の長さに沿って、可変の厚さ及び可変の曲率半径を有する。導体の長さに沿って、導体の曲率半径が大きいほど導体の厚さが薄く、導体の曲率半径が小さいほど導体の厚さが厚い。一部の実施形態では、導体は、導体の長さに沿って可変の幅を有し、導体の長さに沿って、導体の曲率半径が大きいほど導体の幅が狭く、導体の曲率半径が小さいほど導体の幅が広い。
【0010】
更なる別の態様では、本開示は、無線周波数識別タグに関する。無線周波数識別タグは、可撓性伸縮基材と、基材の上に配置され、長さに沿った軸を中心としたアンテナと、を備える。軸に沿った複数の相隔てられた第1の場所及び第2の場所では、アンテナが各第1の場所において各第2の場所よりも幅広であり、軸の曲率半径が各第1の場所において各第2の場所よりも小さい。一部の実施形態では、基材が基材の元の未伸張寸法の最大1.5倍まで破断することなく伸張可能である。
【0011】
別の態様では、本開示は、無線周波数識別タグに関する。無線周波数識別タグは、可撓性伸縮基材と、基材の上に配置されたアンテナと、を備える。アンテナは、複数の第1のゾーンと複数の第2のゾーンとを有し、各第1のゾーンが複数の第1の同心円弧を含み、各第2のゾーンが複数の第2の同心円弧を含み、各第1のゾーンの各第1の円弧が各第2のゾーンの各第2の円弧よりも幅広である。
【0012】
更なる別の態様では、本開示は、無線周波数識別タグに関する。無線周波数識別タグは、可撓性伸縮基材と、基材の上に配置され、長さに沿った軸を中心とした細長い波状電極と、を備える。電極の長さに沿って、軸の曲率半径が連続であり、電極が、平行かつ頂面よりも底面が幅広の実質的に平坦な表面を、対応する頂面及び底面の対向する第1及び第2の側稜と共に備える。軸に沿った各点では、その点において軸に垂直な面が、頂面及び底面の第1の稜と、対応する頂面及び底面の第1の点において交わり、頂面及び底面の第1の点を接続する直線が電極の底面に対して60~85度の角度をなす。
【0013】
別の態様では、本開示は、無線周波数識別タグに関する。無線周波数識別タグは、第1の方向に沿って伸縮可能であり、第1の方向に直交する第2の方向に沿って延在する複数の線状構造を含む構造化表面を有する。無線周波数識別タグはまた、構造化表面上に形成され、複数の線状構造のうちの少なくとも2つの線状構造にわたって延在するアンテナを備える。一部の実施形態では、複数の線状構造が角柱である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】電気導体の一部分の平面図である。
図2】別の電気導体の一部分の平面図である。
図3】電気導体の一部分の側面図である。
図4】基材上に配置されたアンテナの平面図である。
図5】アンテナの一部分の拡大図である。
図6】電気導体の正面断面図である。
図7】構造化表面上に配置された電気導体の一部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
高応力環境での使用を目的とする電子デバイス、例えば、皮膚へ付着させたり頭部や衣類に搭載したりする装着型電子機器は、従来の電気部品の典型的な許容範囲を超える剪断やひずみにさらされる場合がある。例えば、硬質なハウジング内に配置された導体は、動きによる応力から大部分が保護されるが、皮膚又は衣類に取り付けられた部品は、起立、着座及び屈伸などの人間の動きにさらされる。例えば、単純に、従来の導体を伸縮基材上に設けるだけでは不十分な場合があり、それは、導体が、損傷を受けたり性能低下したりすることなしに、繰り返される屈曲及び伸縮に耐え得ることが望ましい場合があるためである。本明細書で開示する特定の設計考慮事項又はそれらの組み合わせによって、これらの用途に好適な堅牢性を実現できる。
【0016】
図1は、電気導体の一部分の平面図である。導体110は、軸112と、複数の第1の場所114と、複数の第2の場所116と、を備える。基準線R並びに平行接線P及び非平行接線NPも図示されている。導体110は導体全体のうちの一部分だけかもしれないが、図1に示す部分は、いくつかの導体の特徴を説明するのに足りる。
【0017】
導体110は、任意の好適な材料から形成され、任意の好適な導電性配線用プロセスによって形成される。例えば、導体110は、銅、金、白金、銀、若しくはアルミニウム、又はこれらの合金から形成されてもよい。一部の実施形態では、グラファイトなどの非金属導体を使用してもよいし、炭素、ケイ素、又は金属などの、粒子、薄片、ナノファイバ、又はナノシート状の材料から作られた複合物を使用してもよい。導電材料としてはまた、例えば、10nm~100ミクロンの粒子サイズの金属部品を含む、金属粒子のインクが挙げられ得る。導電材料としては、グラファイト状炭素、アモルファス状炭素又は熱分解炭素が挙げられ得る。材料は、銀ナノワイヤ及び金ナノワイヤなどのナノワイヤを含んでもよいし、銀ナノワイヤ及び金ナノワイヤなどのナノワイヤであってもよい。材料を銀及び塩化銀で被覆してもよい。導体110用の材料は、その導電率、耐食性、延性、展性、又は任意の他の物理的又は電気的特性に関して選択され得る。導体110は、ポッティング、コンフォーマルコーティング、絶縁、又は電気絶縁被覆を更に含んでもよい。好適な材料としては、ポリウレタン、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、並びに他の好適なエラストマー及びポリマーが挙げられる。
【0018】
導体110は、1つ以上のフォトリソグラフィ(及び/又はエッチング)ステップから形成されてもよい。導体110は、物理蒸着若しくは化学蒸着、又は電気めっき若しくは電鋳によって形成されてもよい。蒸着は、バインダーがあってもなくてもよい。任意の他の好適なアディティブ法若しくはサブトラクティブ法、又は組み合わせを使用することもできる。一部の実施形態では、導体110は、曲げ加工、圧縮成形、及び/又はスタンピング加工など、金属を物理的に加工することによって形成されてもよい。研磨、エッチング、化学機械研磨、又は研削などの他のプロセスを使用して、材料を選択的に除去してもよい。
【0019】
導体110は、導体の一方の端部から他方の端部まで電気情報を運ぶことができるように、導電性に関して不連続箇所又は破断箇所を含まないという点で、連続導体であり得る。電気情報は、電力、信号、データなどであってもよいし、電力、信号、データなどを含んでもよい。軸112の中心は、導体に沿っている。換言すると、軸112に沿った各点において、導体110の稜までの2つの最短距離は等しい。導体110の形状は、一部の実施形態では、正弦曲線又は波状であり得る。導体110の形状は、正弦曲線部分と直線部分との両方を含み得る。一部の実施形態では、導体は、電極として機能してもよいし、電極として構成されてもよい。
【0020】
軸112に沿って、複数の第1の場所114と複数の第2の場所116とが存在する。第1の場所及び第2の場所を決める又は規定するために、いくつかの方法があり得る。例えば、第1の場所及び第2の場所は、導体の幅によって規定されてもよい。例えば、軸112沿いの最も幅広の場所又は局所的最大幅を第1の場所114としてもよく、一方、軸112沿いの最も幅狭の場所又は局所的最小幅を第2の場所116としてもよい。各第1の場所における局所的最大幅は、第1の場所以外の、軸112沿いの任意の他の場所における導体110の幅よりも広い。一部の実施形態では、軸112沿いの第1の場所及び第2の場所は、それらの場所における軸の曲率半径によって特徴付けられてもよい。曲率半径のより小さい場所又は局所的最小曲率半径を有する場所は第1の場所114であってもよく、一方、曲率半径が最も大きい場所又は局所的最大曲率半径を有する場所は第2の場所116であってもよい。この説明のために、ある場所の曲率半径は、湾曲の程度に反比例する正のスカラー値であり、取り得る最小曲率半径がゼロに近づき、取り得る最大曲率半径が正の無限大に近づく。二次導関数を有する曲線では、曲線沿いのある場所の曲率半径は、その場所の二次導関数の大きさに反比例する。
【0021】
一部の実施形態では、第1の場所及び第2の場所は、基準線に関する、軸112の導関数によって規定され得る。図1の基準線Rは、導体110の伸張方向に平行である。例えば、2本の直交する軸からなる座標系が存在してもよく、ここで、座標のうちの1本だけが、軸112に沿って波状に起伏している。波状に起伏しない軸を伸張方向と呼ぶこともある。あるいは、導体が周期的に同じ最大値をとる座標系が存在してもよい。これらの実施形態では、基準線は、これらの同じ最大値をつないだ線に平行である。他の実施形態では、導体は、導体のバルク幅よりもかなり大きいバルク長(すなわち、軸112に追従していないが、形状全体で捉えた場合に矩形に当てはまる)を有する。この方法では、バルク長が伸張方向である。一部の実施形態では、基準線Rは、(軸又は導体の)曲率半径が増加から減少又は減少から増加に転じる点を通る最良適合線から形成されてもよい。一部の実施形態では、軸112が数学関数である座標系が存在してもよい。これらの実施形態では、基準線は、この座標系において(定義域,0)の複数の順序対によって表される(換言すると、範囲はゼロに等しくなるように設定される)線である、又はこの線に平行である。一部の実施形態では、導体110は、ある面内に位置する。一部の実施形態では、導体110は、ある面内に部分的にのみ位置する。一部の実施形態では、基準線は、平坦面上への導体110の射影に対して決定されてもよい。
【0022】
一部の実施形態では、基準線Rに関する軸の一次導関数は連続である。一部の実施形態では、複数の第1の場所114は、基準線Rに関する一次導関数がゼロである、軸112に沿った場所である。一部の実施形態では、複数の第1の場所114は、軸112の接線が基準線Rに平行である、軸112に沿った場所である。これらは図1において、Pと記された線で示されている。説明を容易にするために、線は、軸からわずかにずらしてある。一部の実施形態では、複数の第2の場所116は、基準線Rに関する軸112の一次導関数が最大又は最小の場所である。一部の実施形態では、複数の第2の場所116は、基準線Rに関する軸112の二次導関数がゼロの場所である。一部の実施形態では、複数の第2の場所116は、基準線Rに関する軸112の二次導関数が不連続な場所である。一部の実施形態では、複数の第2の場所116は、軸112の接線が基準線Rに対してなす角度が最も大きい、軸112に沿った場所である。一部の実施形態では、複数の第2の場所116は、軸112の接線が基準線Rに平行ではない、軸112に沿った場所である。これらは図1において、NPと記された線で示されている。一部の実施形態では、第1の場所及び第2の場所を規定するための上記方法の一部又はすべてを重ね合わせてもよい。一部の実施形態では、第1の場所及び第2の場所のそれぞれは相隔てられてもよい。
【0023】
しかしながら、導体110では、導体は、各第1の場所114において各第2の場所116よりも幅広である。一部の実施形態では、導体は、各第1の場所114において各第2の場所116よりも高さがある(すなわち、より厚い)。一部の実施形態では、導体110は、各第1の場所114において各第2の場所116よりも幅広かつ厚い。第1の場所の方が厚い導体は、例えば、適切なマスキングをした上で、複数の堆積ステップ又はフォトリソグラフィステップによって作製できる。一部の実施形態では、導体110の一部分が、これらの特性を有する。一部の実施形態では、導体110全体がこれらの特性を有する。導体には、バンプ(凹形又は凸形のいずれか)、波状若しくはのこぎり歯状の厚さプロファイル、又はその他の好適な構造などの他の面外又は面内の特徴があり得る。特徴は、導体110の一部分又は全体にわたって、規則的、不規則、疑似ランダム、パターン付き、不連続、一様又は非一様であってよい。
【0024】
図2は、別の電気導体の一部分の平面図である。導体210は、軸212と、複数の第1の場所214と、複数の第2の場所216と、を備える。基準線Rもまた、示されている。図1及び図2を併せてみると、それぞれ導体(110、210)を示しており、導体は、軸(112、212)と、複数の第1の場所(114、214)と、複数の第2の場所(116、216)とを有している。各図において、軸は、基準線Rに関する連続な一次導関数を有する。しかしながら、導体210は、その複数の第2の場所において不連続である、基準線Rに関する二次導関数を有する軸212を有するが、図1の導体110は、その複数の第2の場所において、基準線Rに関する二次導関数がゼロである軸を有する。にもかかわらず、導体110及び導体210のそれぞれの幅は、複数の第1の場所において複数の第2の場所よりも広い。図2には接線を示していないが、第1の場所及び第2の場所を決定するための様々な指標及び方法を、導体110及び210に同様に適用できる。
【0025】
図3は、電気導体の一部分の側面図である。導体310は、複数の第1の場所314と、複数の第2の場所316と、を備える。図3は、第1の場所314の厚さが、第2の場所316の厚さよりも大きい実施形態を示している。他の場所でも説明するように、更なる堆積ステップ又は複数のフォトリソグラフィステップによって、厚さを増やしてもよい。厚さは滑らかに推移するのであってもよいし、より肉厚の不連続部分が存在してもよい(すなわち、側面からみると、第1の場所314は、楕円状というよりも矩形にみえ得る)。
【0026】
図4は、基材上に配置されたアンテナの平面図である。導体アセンブリ400は、基材420の上に配置された、導体410から形成されたアンテナを備える。導体410は、図1と併せて説明するように、同じ材料から同じプロセスで形成されてもよい。しかしながら、図4は、導体410が導体自体に対して内側(又は外側)へと螺旋状になる構成の導体410を示している。一部の実施形態では、この螺旋配置は、所望の電磁周波数又は電磁周波数範囲を受信又は送信するのに十分又は適切な長さを提供しながら、二次元の広がり(回路密度)を最小化するためであり得る。一部の実施形態では、導体410は、無線周波数IDタグ、すなわちRFIDタグ用のアンテナとして使用するのに好適であり得る。RFIDタグは、取得無線周波数の処理、変調、及び/又は復調のための好適な集積回路(図示せず)を含み得る。RFIDタグは、バッテリなどの一体化した電源又は取り付けられた電源から電力を得てもよいし、取得無線周波数波自体から電力を得てもよい。一部の実施形態では、導体410を備えるアンテナは、近距離無線通信(NFC)のプロトコル及び標準と適合性があってもよい。一部の実施形態では、導体410は、無線、又は他の電磁周波数を送信するのに好適な電子機器を含み得る。
【0027】
図4において導体410は、設計の柔軟性を示すために、いくぶん恣意的かつ不規則な形状として示されている。一部の実施形態では、導体410はより整然とした形状にされ、(少なくともこれらの点において)同心の円弧によって、限られた二次元領域においてより密かつ効果的に導体を配線する。一部の実施形態の導体410の曲率半径は連続である。導体410は、複数の第1の場所と複数の第2の場所とを有してよく、第1の場所が第2の場所よりも幅広であり、第1の場所における導体の曲率半径は第2の場所における導体の曲率半径よりも小さい。図4では、導体410の形状全体を強調するために、導体の幅の差は省略されている。一部の実施形態では、導体410は第1の場所において第2の場所よりも厚く、第1の場所における導体は、第2の場所よりも小さい曲率半径を有する。一部の実施形態では、導体の曲率半径が小さくなるにつれて導体の幅は広くなってよく、導体の曲率半径が大きくなるにつれて導体の幅は狭くなってよい。一部の実施形態では、幅に加えて、又は幅の変わりに、幅について説明したのと同様に厚さが変わり得る。
【0028】
基材420は任意の好適な材料であってよく、導体410は基材420上又は基材420内に形成されてもよいし、導体410は基材420に接着又は取り付けられてもよい。一部の実施形態では、基材420は導体410の上下の両方にあり、導体410を挟む。基材420は、任意の好適なサイズを有し得る。基材420は破線で示されており、基材の全体的な形状及びサイズが導体アセンブリ400にとって重要ではなく、基材420が任意の好適な形状、サイズ、及び厚さを有し得ることを示している。一部の実施形態では、基材420は伸縮可能である又は可撓性を有する。一部の実施形態では、基材420の材料は、皮膚になじむ又は付着する基材の能力に関して選択される。一部の実施形態では、基材は、3M Company(St.Paul,Minn.)から市販されているTEGADERMブランドの創傷包帯であってもよいし、TEGADERMブランドの創傷包帯と類似のものであってよいし、TEGADERMブランドの創傷包帯を含んでもよい。基材420は、エラストマー材料若しくは物質、粘弾性材料若しくは物質、弾性材料若しくは物質、又はゴム材料若しくは物質であってもよいし、エラストマー材料若しくは物質、粘弾性材料若しくは物質、弾性材料若しくは物質、又はゴム材料若しくは物質を含んでもよい。一部の実施形態では、基材420は透明である。一部の実施形態では、基材420は、元の寸法の少なくとも1.5倍まで破断することなく伸張可能であってもよい。一部の実施形態では、基材は、元の寸法の少なくとも2又は3倍まで破断することなく伸張可能であってもよい。一部の実施形態では、破断することなく伸張することに代えて又はそれに加えて、基材は、元の寸法の少なくとも1.5倍、2倍又は3倍まで座屈、応力割れ、又は破砕することなく伸張可能であってもよい。一部の実施形態では、基材は、その元の寸法に復帰又は実質的に復帰してもよく、一部の実施形態では、基材は、一度だけ伸張される(そしてその伸張した寸法に留まる)ように設計されてもよい。一部の実施形態では、基材420は、表面に取り付けるための接着剤又は接着層を備える。一部の実施形態では、取り付け後の取り外しを容易にするために、基材420の一部分、例えば、角部には接着剤がない。一部の実施形態では、基材420は、構造化表面を有する、又は他の方法によって可変の厚さを有する。
【0029】
図5は、アンテナの一部分の拡大図である。アンテナ部分500は、第1の同心円弧532を含む第1のゾーン530と、第2の同心円弧542を含む第2のゾーン540と、を有する。アンテナ部分500は、本明細書で説明する導体の他の任意のもので使用される導電材料などの導電材料を含む。図5は、2つのゾーン、すなわち、第1のゾーン530及び第2のゾーン540を示している。第1のゾーン530及び第2のゾーン540のそれぞれは、導体の同心円弧をいくつか含む。第1のゾーン530は、第1の同心円弧532を含む。第2のゾーン540は、第2の同心円弧542を含む。第1の同心円弧532のそれぞれは、第2の同心円弧542よりも幅広である。一部の実施形態では、幅広であることに加えて又はその代わりに、第1の同心円弧532のそれぞれは、第2の同心円弧542よりも厚い。
【0030】
図6は、電気導体の正面断面図である。電気導体610は、(紙面に垂直な)軸612と、頂面652と、底面654と、第1の側面656及び第2の側面658と、頂面上の第1の点672と、底面上の第1の点674と、頂面上の第2の点676と、底面上の第2の点678と、直線659とを備える。頂面652及び底面654は、平行又は実質的に平行である。一部の実施形態では、頂面及び底面は、表面の少なくとも一部分にわたって、ある程度の湾曲を有する。一部の場合では、頂面の接線と底面の接線とが平行であってもよい。頂面652は底面654よりも狭い。頂面652は対向する第1の側稜と第2の側稜とを有して、軸612に沿った各点において、その点にて軸に垂直な面が、頂面の第1の側稜及び第2の側稜と、第1の頂面上の点672及び第2の頂面上の点676において交わる。同様に、底面654は、対向する第1の側稜と第2の側稜とを有して、軸612に沿った各点において、その点にて軸に垂直な面が、底面の第1の側稜及び第2の側稜と、第1の底面上の点674及び第2の底面上の点678において交わる。
【0031】
第1の側面656と第2の側面658とは、頂面652と底面654とをつなぐ。一部の実施形態では、第1の側面656などでは、軸612の長さに沿った側面の一部又はすべては、頂面と底面とにある各側稜間の最短経路を表す表面である。他の実施形態では、軸612の長さに沿った側面の一部又はすべては、所望の用途に応じて、湾曲していたり、小平面を有していたりする。第2の側面658は、そのような、側面に利用できる可能な設計オプションの一例である。いずれにせよ、一部の実施形態を表す導体610では、第1の頂面上の点672と第1の底面上の点674との間の線と、底面654とがなす角度は、60~85度の角度θである。一部の実施形態では、第2の頂面上の点676と第2の底面上の点678との間の線と、底面654とがなす角度もまた、60~85度の角度θである。
【0032】
60~85度の角度θで導体を作製するための好適な方法としては、セミアディティブ法が挙げられる。誘電体膜上に、任意の好適な材料(例えば、クロム)からなるシード層をまず作製し、その後、薄い下地導電層を作製する。この基材に電気めっきして、導電層(例えば、銅導電層)を数ミクロン厚まで成長させる。シード層を作製した基材にフォトレジストを塗布し、1つ以上のフォトマスク及び露光ステップを含むフォトリソグラフィプロセスでパターニングする。続いて、導電材料(電気めっきした導電層と同じであってもよいし異なっていてもよい)を薄い導電層の露出部分上に電気溶着する。一部の実施形態では40~50ミクロンの導電材料を電気溶着するが、所望の用途に応じて厚さを調整できる。フォトレジストを除去し、導電材料のすべて(厚い部分及び薄い下地導電層)を露出する。研磨、エッチング、反応性イオンエッチング、化学機械研磨、又は研削などのプロセスを使用して、電気めっきした導電層の露出部分を選択的に除去してもよい。
【0033】
図7は、構造化表面上に配置された電気導体の一部分の平面図である。部分700は、接合部718を有する導体710と、山部782及び谷部784を有する構造化表面780と、を含む。
【0034】
導体710は構造化表面780の輪郭に密接していてもよく、一部の実施形態では、構造化表面780に取り付けられる場合もあれば、構造化表面780の一部として形成される場合さえもある。一部の実施形態では、導体710は、山部のみ、谷部のみ、山部及び谷部のみ、若しくは山部及び谷部以外に、取り付け又は接着され得る。構造化表面780は導体710の主な基材であってもよく、構造化表面780は別の基材の上に配置されてもよい。一部の実施形態では、構造化表面780はそれ自体伸縮可能又は変形可能であってもよく、一部の場合では、未伸張時の寸法の1.5倍以上まで破断することなく伸張可能であってもよい。
【0035】
構造化表面は、山部782と谷部784とを含む。山部及び谷部並びにそれらの相対的な高さ及び深さは、所望の用途及び性能によって決まり得る。一部の実施形態では、構造化表面780の裏側は、実質的に平滑又は平坦な表面であってもよい。この場合、基材の厚さは、山部と谷部との間で変わり、基本的に構造化表面によって決まる。一部の実施形態では、山部及び谷部によって、複数の線状微細構造体が形成されてもよい。一部の実施形態では、導体は、少なくとも2つの線状微細構造体にわたって延在する。一部の実施形態では、微細構造体は実質的に三角形又は角柱の形状であってもよい。一部の実施形態では、微細構造体は、例えば小型レンズのように、湾曲していてもよく、丸みを帯びていてもよい。一部の実施形態では、基材の1つ以上の寸法に沿って微細構造体の形状が変わり得て、微細構造体のピッチ、高さ、深さ、又は形状などの微細構造体の特性が変わり得る。一部の実施形態では、これらの特性は構造化表面の方向に沿って滑らかに変化し得る。一部の実施形態では、これらの特性は、急激に、周期的に、又は疑似ランダムに変化し得る。アセンブリ全体のうち、部分が異なれば、山部及び谷部の向きが異なる場合もあれば、山部及び谷部の特性(ピッチ、高さ、角柱の角度、形状など)が異なる場合もある。
【0036】
一部の実施形態では、接合部718を、複数本の導体710を接続するために使用して、構造を支持してもよく、アセンブリ全体が屈曲又は伸縮する際に力を再分散させてもよい。一部の実施形態では、接合部718を使用しない場合もある。使用する場合、接合部718は、所望の用途に応じて任意の好適な形状を有し得る。接合部718は、残りの導体710よりも実質的に厚くてもよい。図7には1つの接合部のみを示しているが、一部の実施形態では、所望の用途に好適であれば、2つ以上を使用することもできる。
【0037】
導体718は、構造化表面780に沿わずに波状であってもよく、湾曲していてもよい。例えば、導体718の射影が、例えば、図1及び図2の導体110及び210に関して説明した形状特性の一部又はすべてを有してもよい。一部の実施形態では、導体は、山部及び谷部のうちの1つ以上において、特に、山部と谷部との中ほどよりも厚い及び/又は幅広であり得る。一部の実施形態では、導体710の曲率半径は連続であり得る。
【0038】
肉厚部分及び肉薄部分、又は幅広部分及び幅狭部分を有する、本明細書で説明する導体のいずれかにおいても、幅狭部分の幅又は肉薄部分の厚さのそれぞれに対する、幅広部分の幅又は肉厚部分の厚さの比率は、少なくとも1.1、1.5、2又はそれ以上の場合もある。一部の実施形態では、導体が、一様な幅の導体、一様な厚さの導体、又は一様な幅と一様な厚さの両方の導体のいずれかであることを除いて、導体は、同じ形状の導体よりも小さい応力下最大ひずみを有し得る。一部の実施形態では、導体は、少なくとも25%小さい最大ひずみ、少なくとも33%小さい最大ひずみ、又は少なくとも50%の最大ひずみを有する場合さえある。一部の実施形態では、導体は、構造全体にわたってより優れた応力の一様性を呈し得る。例えば、導体が、一様な幅の導体、一様な厚さの導体又は一様な幅と一様な厚さの両方の導体のいずれかであることを除いて、局所的平均応力に対する局所的最大応力の比率は、同じ形状の導体と比べて25%、33%、又は50%だけ低下し得る。
【0039】
本発明の実施形態を以下に記す。
【0040】
実施形態1は、長さに沿った軸を中心とした細長い導体であって、軸が、基準線に関する連続な一次導関数を有し、基準線は導体の伸張方向に平行であり、一次導関数が複数の相隔てられた第1の場所においてゼロであり、軸が、少なくとも1つの第2の場所において不連続である、基準線に関する二次導関数を有し、導体が各第1の場所において各第2の場所よりも幅広である、細長い導体である。
【0041】
実施形態2は、長さに沿った軸を中心とした細長い導体であって、軸が、基準線に関する連続な一次導関数を有し、基準線は導体の伸張方向に平行であり、一次導関数が、複数の相隔てられた第1の場所においてゼロであり、軸が、少なくとも1つの第2の場所において実質的にゼロである、前記基準線に関する二次導関数を有し、導体が各第1の場所において各第2の場所よりも幅広である、細長い導体である。
【0042】
実施形態3は、少なくとも1つの第2の場所が、少なくとも2つの第2の場所を含む、実施形態2に記載の導体である。
【0043】
実施形態4は、長さに沿いかつ面を画定する、軸を中心とした細長い波状導体であって、導体は、導体の面に平行な方向に沿った幅を有し、導体の長さに沿って、軸の曲率半径が連続であり、複数の相隔てられた第1の場所において、軸が局所的最小曲率半径をとり、導体が局所的最大幅をとる、細長い波状導体である。
【0044】
実施形態5は、各第1の場所における局所的最大幅が、第1の場所以外の任意の他の場所における導体の幅よりも広い、実施形態4に記載の導体である。
【0045】
実施形態6は、導体の伸張方向に平行である基準線に関する軸の二次導関数の大きさは導体の長さに沿って連続である、実施形態4に記載の導体である。
【0046】
実施形態7は、長さに沿って細長い、電気的に連続な導体であって、導体が、導体の長さに沿って、実質的に一定の高さ、可変の幅及び可変の曲率半径を有し、導体の長さに沿って、導体の曲率半径が大きいほど導体の幅が狭く、導体の曲率半径が小さいほど導体の幅が広い、電気的に連続な導体である。
【0047】
実施形態8は、導体の長さに沿って、曲率半径が実質的に等しい場所は、幅が実質的に等しい、実施形態7に記載の導体である。
【0048】
実施形態9は、長さに沿って細長い、電気的に連続な導体であって、導体が、導体の長さに沿って、可変の幅及び可変の曲率半径を有し、導体の長さに沿って、導体の曲率半径が小さくなるにつれて導体の幅が広くなり、導体の曲率半径が大きくなるにつれて導体の幅が狭くなる、電気的に連続な導体である。
【0049】
実施形態10は、長さに沿った軸を中心とした細長い導体であって、軸上の複数の相隔てられた第1の場所のそれぞれにおいて、第1の場所における軸の接線が導体の伸張方向に平行である同じ基準線に平行であり、軸上の複数の相隔てられた第2の場所のそれぞれにおいて、第2の場所における軸の接線が基準線に対して平行ではなく、導体が、各第1の場所においてより幅広であり、各第2の場所においてより幅狭である、細長い導体である。
【0050】
実施形態11は、第1の方向に沿って元の未伸張寸法の最大1.5倍まで破断することなく伸張可能な可撓性伸縮基材と、基材の上に配置され、概ね第1の方向に沿って延在する導体であって、導体が導体の長さに沿った軸を中心とし、軸に沿って交互に配置された複数の第1の場所及び複数の第2の場所では、導体が各第1の場所において各第2の場所よりも幅広である、導体と、を備える、導体アセンブリである。
【0051】
実施形態12は、軸の曲率半径が、各第1の場所において各第2の場所よりも小さい、実施形態11に記載の導体アセンブリである。
【0052】
実施形態13は、長さに沿って細長い、電気的に連続な導体であって、導体が、導体の長さに沿って、可変の厚さ及び可変の曲率半径を有し、導体の長さに沿って、導体の曲率半径が大きいほど導体の厚さが薄く、導体の曲率半径が小さいほど導体の厚さが厚い、電気的に連続な導体である。
【0053】
実施形態14は、導体の長さに沿って可変の幅を有し、導体の長さに沿って、導体の曲率半径が大きいほど導体の幅が狭く、導体の曲率半径が小さいほど導体の幅が広い、実施形態13に記載の導体である。
【0054】
実施形態15は、可撓性伸縮基材と、基材の上に配置され、長さに沿った軸を中心としたアンテナであって、軸に沿った複数の相隔てられた第1の場所及び第2の場所では、アンテナが各第1の場所において各第2の場所よりも幅広であり、軸の曲率半径が各第1の場所において各第2の場所よりも小さい、アンテナと、を備える、無線周波数識別タグである。
【0055】
実施形態16は、基材が、基材の元の未伸張寸法の最大1.5倍まで破断することなく伸張可能である、実施形態15に記載のタグである。
【0056】
実施形態17は、可撓性伸縮基材と、基材の上に配置され、複数の第1のゾーンと複数の第2のゾーンとを有するアンテナであって、各第1のゾーンが複数の第1の同心円弧を含み、各第2のゾーンが複数の第2の同心円弧を含み、各第1のゾーンの各第1の円弧が各第2のゾーンの各第2の円弧よりも幅広である、アンテナと、を備える、無線周波数識別タグである。
【0057】
実施形態18は、可撓性伸縮基材と、基材の上に配置され、長さに沿った軸を中心とした細長い波状電極であって、電極の長さに沿って、軸の曲率半径が連続であり、電極が、平行かつ頂面よりも底面が幅広の実質的に平坦な表面を、対応する頂面及び底面の対向する第1の側稜及び第2の側稜と共に備え、軸に沿った各点では、その点において軸に垂直な面が、頂面及び底面の第1の稜と、対応する頂面及び底面の第1の点において交わり、頂面及び底面の複数の第1の点を接続する直線が電極の底面に対して60~85度の角度をなす、電極と、を備える、無線周波数識別タグである。
【0058】
実施形態19は、第1の方向に沿って伸縮可能であり、第1の方向に直交する第2の方向に沿って延在する複数の線状構造を含む構造化表面を有する、可撓性基材と、構造化表面上に形成され、複数の線状構造のうちの少なくとも2つの線状構造にわたって延在する、アンテナと、を備える、無線周波数識別タグである。
【0059】
実施形態20は、複数の線状構造が角柱である、請求項19に記載の無線周波数識別タグである。
【0060】
図における構成要素の説明は、特に指示がない限り、他の図における対応する構成要素にも等しく当てはまると理解すべきである。本発明は、上述の特定の実施例及び実施形態に限定されると考えられるべきでなく、そのような実施形態は、本発明の様々な態様の説明をわかりやすくするために詳細に説明されている。むしろ、本発明は、添付の請求項及びそれらの均等物によって規定される本発明の範囲に入る種々の変更、等価なプロセス、及び代替的なデバイスを含む、本発明のすべての態様に及ぶと理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7