IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-身体状態分析装置および該プログラム 図1
  • 特許-身体状態分析装置および該プログラム 図2
  • 特許-身体状態分析装置および該プログラム 図3
  • 特許-身体状態分析装置および該プログラム 図4
  • 特許-身体状態分析装置および該プログラム 図5
  • 特許-身体状態分析装置および該プログラム 図6
  • 特許-身体状態分析装置および該プログラム 図7
  • 特許-身体状態分析装置および該プログラム 図8
  • 特許-身体状態分析装置および該プログラム 図9
  • 特許-身体状態分析装置および該プログラム 図10
  • 特許-身体状態分析装置および該プログラム 図11
  • 特許-身体状態分析装置および該プログラム 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】身体状態分析装置および該プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20220412BHJP
   A61B 5/1171 20160101ALI20220412BHJP
   A47G 1/00 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
A61B5/00 101A
A61B5/1171 200
A47G1/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017088364
(22)【出願日】2017-04-27
(65)【公開番号】P2018183509
(43)【公開日】2018-11-22
【審査請求日】2020-04-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】今井 梢平
(72)【発明者】
【氏名】西角 雅史
(72)【発明者】
【氏名】村田 琢哉
(72)【発明者】
【氏名】塩田 奈津子
(72)【発明者】
【氏名】米山 正利
(72)【発明者】
【氏名】木戸 稔人
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/163019(WO,A1)
【文献】特開2012-010955(JP,A)
【文献】特開2012-130520(JP,A)
【文献】特開2009-153609(JP,A)
【文献】特開2013-081601(JP,A)
【文献】特開2014-180305(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0121540(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/01
A61B 5/06-5/22
A47G 1/00-1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミラーと、
前記ミラーの前方を撮像して画像を分析対象画像として生成する撮像部と、
使用者を特定し識別するための使用者識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
前記撮像部で撮像した分析対象画像に基づいて前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定する使用者判定部と、
前記使用者における、病理診断に用いる所定の特徴量であって身体状態を分析する際の判定基準となる前記特徴量を判定基準特徴量として記憶する基準特徴量記憶部と、
前記撮像部で撮像した分析対象画像から前記特徴量を分析時特徴量として求める特徴量処理部と、
前記使用者判定部で前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定部で判定された使用者識別情報の使用者における、前記基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理部で求めた前記分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析する分析部と、
前記分析部で分析された身体状態の分析結果を外部に出力する出力部とを備え、
前記使用者識別情報は、前記使用者の顔を写し込んだ顔画像であり、
前記使用者判定部は、顔認証技術によって、前記撮像部で撮像した分析対象画像に基づいて前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定し、
前記使用者判定部で前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定部で判定された前記使用者識別情報の使用者における、前記識別情報記憶部に記憶されている使用者識別情報を、前記撮像部で撮像した分析対象画像に基づいて更新して前記識別情報記憶部に記憶する識別情報更新部をさらに備える、
身体状態分析装置。
【請求項2】
ミラーと、
前記ミラーの前方を撮像して画像を分析対象画像として生成する撮像部と、
使用者を特定し識別するための使用者識別情報を記憶する識別情報記憶部と、
前記撮像部で撮像した分析対象画像に基づいて前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定する使用者判定部と、
前記使用者における、病理診断に用いる所定の特徴量であって身体状態を分析する際の判定基準となる前記特徴量を判定基準特徴量として記憶する基準特徴量記憶部と、
前記撮像部で撮像した分析対象画像から前記特徴量を分析時特徴量として求める特徴量処理部と、
前記使用者判定部で前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定部で判定された使用者識別情報の使用者における、前記基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理部で求めた前記分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析する分析部と、
前記分析部で分析された身体状態の分析結果を外部に出力する出力部とを備え、
前記使用者における、身体状態の分析に用いる判定閾値を記憶する閾値記憶部をさらに備え、
前記分析部は、前記基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理部で求めた分析時特徴量との差を求め、この求めた差と、前記使用者判定部で判定された使用者識別情報の使用者における、前記閾値記憶部に記憶された判定閾値と、を比較することによって、身体状態を分析する、
身体状態分析装置。
【請求項3】
前記分析部は、前記特徴量処理部で求めた前記分析時特徴量が所定の正常範囲内であるか否かを判定することによって、前記身体状態が正常であるか否かを判定し、
前記使用者における、カルテの内容を表す電子カルテ情報、および、前記使用者における、健康診断の結果を表す健康診断結果情報のうちの少なくとも一方を過去身体状態情報として記憶する過去身体状態情報記憶部と、
前記使用者判定部で判定された使用者識別情報の使用者における、前記過去身体状態情報記憶部に記憶された過去身体状態情報に基づいて、前記正常範囲を調整する正常範囲調整部とをさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の身体状態分析装置。
【請求項4】
前記特徴量は、第1特徴量と、前記第1特徴量の成分である第2特徴量とを備え、
前記特徴量処理部は、前記第1および第2特徴量それぞれを第1および第2分析時特徴量それぞれとして求め、
前記分析部は、前記特徴量処理部で求めた前記第1分析時特徴量が所定の正常範囲内であるか否かを判定することによって、前記身体状態が正常であるか否かを判定し、
前記分析部は、前記正常範囲内ではないと判定した場合に、前記基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理部で求めた第2分析時特徴量との差を求め、この求めた差と、前記使用者判定部で判定された使用者識別情報の使用者における、前記閾値記憶部に記憶された判定閾値と、を比較することによって、身体状態を分析する、
請求項2を引用する請求項3に記載の身体状態分析装置。
【請求項5】
コンピュータに、
撮像された分析対象画像に基づいて、使用者を特定し識別するための使用者識別情報を記憶する識別情報記憶部に記憶された前記使用者識別情報の使用者か否かを判定する使用者判定工程と、
前記析対象画像から、病理診断に用いる所定の特徴量を分析時特徴量として求める特徴量処理工程と、
前記使用者判定工程で前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定工程で判定された使用者識別情報の使用者における、身体状態を分析する際の判定基準となる前記特徴量を判定基準特徴量として記憶する基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理工程で求めた前記分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析する分析工程と、
前記分析工程で分析された身体状態の分析結果を外部に出力する出力工程とを実行させるための身体状態分析プログラムであって、
前記使用者識別情報は、前記使用者の顔を写し込んだ顔画像であり、
前記使用者判定工程は、顔認証技術によって、前記析対象画像に基づいて前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定し、
前記使用者判定工程で前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定工程で判定された前記使用者識別情報の使用者における、前記識別情報記憶部に記憶されている使用者識別情報を、前記析対象画像に基づいて更新して前記識別情報記憶部に記憶する識別情報更新工程をさらに備える、
身体状態分析プログラム。
【請求項6】
コンピュータに、
撮像された分析対象画像に基づいて、使用者を特定し識別するための使用者識別情報を記憶する識別情報記憶部に記憶された前記使用者識別情報の使用者か否かを判定する使用者判定工程と、
前記析対象画像から、病理診断に用いる所定の特徴量を分析時特徴量として求める特徴量処理工程と、
前記使用者判定工程で前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定工程で判定された使用者識別情報の使用者における、身体状態を分析する際の判定基準となる前記特徴量を判定基準特徴量として記憶する基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理工程で求めた前記分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析する分析工程と、
前記分析工程で分析された身体状態の分析結果を外部に出力する出力工程とを実行させるための身体状態分析プログラムであって、
前記分析工程は、前記基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理工程で求めた分析時特徴量との差を求め、この求めた差と、前記使用者判定工程で判定された使用者識別情報の使用者における、閾値記憶部に記憶された身体状態の分析に用いる判定閾値と、を比較することによって、身体状態を分析する、
身体状態分析プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体状態を分析する身体状態分析装置および身体状態分析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人々は、日々、健康であることを望むが、体調管理のために、例えばその一指標となる血圧を測定する血圧計等のように、専用の測定装置によって測定しなければならない場合が多い。このため、人は、手間を嫌って測定しなかったり、失念したりしてしまう。そこで、特許文献1に健康管理システムが提案されている。
【0003】
この特許文献1に開示された健康管理システムは、化粧台または洗面台に備えられたミラー部と、ミラー部を使用する使用者の顔画像情報を取得する顔画像情報取得手段と、取得した顔画像情報から使用者の顔の肌状態を分析する分析部と、分析部による分析結果を通知する分析結果通知手段とを備える。これによれば、朝の外出の準備などで覗き込む化粧台または洗面台に備わるミラーを、顔画像情報取得手段で顔画像情報を取得するためのミラー部としたことで、普段の生活習慣の中で定期的な健康チェックをできて健康増進を図ることができる(例えば[0005]段落)。そして、この特許文献1に開示された健康管理システムは、顔画像情報取得手段で取得した顔画像情報を記憶する取得情報記憶部と、取得情報記憶部に記憶した顔画像情報を表示する顔画像表示手段と、判定部による判定結果が低評価な場合に、判定結果が高評価時のときの取得情報記憶部に記憶された顔画像情報を、顔画像表示手段に表示する制御部とをさらに備える。これによれば、判定部による低評価な判定結果が判定結果通知手段にて使用者に通知されて使用者が意気阻喪した際に、制御部によって、判定結果が高評価時のときの取得情報記憶部に記憶された顔画像情報を、顔画像表示手段に表示させることで、使用者を叱咤激励できて健康増進を図ることができる(例えば[0008]段落)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-153609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ミラー部を覗き込むユーザは、例えば同居人が居れば必ずしも1人とは限らないため、前記特許文献1に開示された健康管理システムでは、複数人のデータが混在してしまう虞がある。複数人のデータが混在してしまうと、個々人の身体状態を適正に分析できない。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、より適正に身体状態を分析できる身体状態分析装置および身体状態分析プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様にかかる身体状態分析装置は、ミラーと、前記ミラーの前方を撮像して画像を分析対象画像として生成する撮像部と、使用者を特定し識別するための使用者識別情報を記憶する識別情報記憶部と、前記撮像部で撮像した分析対象画像に基づいて前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定する使用者判定部と、前記使用者における、病理診断に用いる所定の特徴量であって身体状態を分析する際の判定基準となる前記特徴量を判定基準特徴量として記憶する基準特徴量記憶部と、前記撮像部で撮像した分析対象画像から前記特徴量を分析時特徴量として求める特徴量処理部と、前記使用者判定部で前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定部で判定された使用者識別情報の使用者における、前記基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理部で求めた前記分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析する分析部と、前記分析部で分析された身体状態の分析結果を外部に出力する出力部とを備える。好ましくは、上述の身体状態分析装置において、前記基準特徴量記憶部は、1または複数の前記判定基準特徴量を1または複数の前記使用者識別情報と対応付けて記憶する。好ましくは、上述の身体状態分析装置において、前記識別情報記憶部は、1または複数の前記使用者識別情報を1または複数の使用者に対応付けて記憶し、前記基準特徴量記憶部は、1または複数の前記判定基準特徴量を1または複数の前記使用者に対応付けて記憶する。好ましくは、上述の身体状態分析装置において、前記撮像部で撮像した複数の分析対象画像から複数の前記特徴量を求め、この求めた前記複数の特徴量の平均値を前記判定基準特徴量として求め、この求めた前記判定基準特徴量を前記基準特徴量記憶部に記憶する判定基準特徴量生成部をさらに備える。好ましくは、上述の身体状態分析装置において、前記特徴量は、第1特徴量と、前記第1特徴量の成分である第2特徴量とを備える。好ましくは、上述の身体状態分析装置において、前記第1特徴量は、白目部分(眼球における白い部分、結膜部分)の色である。好ましくは、黄疸の可能性を好適に分析できることから、上述の身体状態分析装置において、前記第2特徴量は、白目部分の色における青成分(色相の青成分)である。好ましくは、結膜炎の可能性を好適に分析できることから、上述の身体状態分析装置において、前記第2特徴量は、白目部分の色における赤成分(色相の赤成分)である。好ましくは、白内障および翼状片のうちの少なくともいずれかの可能性、ならびに、網膜出血、網膜色素変性症、網膜脈絡膜萎縮、網膜脈絡膜炎、視神経萎縮および視神経炎のうちの少なくともいずれかの可能性を好適に分析できることから、上述の身体状態分析装置において、前記第2特徴量は、黒目部分(眼球における虹彩および瞳孔の部分)の色における明度である。好ましくは、上述の身体状態分析装置において、前記第2特徴量は、頬部分の色である。好ましくは、黄疸の可能性を好適に分析できることから、上述の身体状態分析装置において、前記第2特徴量は、頬部分の色における青成分(色相の青成分)である。好ましくは、腎臓病の可能性を好適に分析できることから、上述の身体状態分析装置において、前記第2特徴量は、頬部分の色における明度である。好ましくは、骨粗鬆症の可能性を好適に分析できることから、上述の身体状態分析装置において、前記特徴量は、目の高さ位置である。好ましくは、上述の身体状態分析装置において、基準となる基準色を記憶する基準色記憶部をさらに備え、前記特徴量処理部は、前記撮像部で撮像した分析対象画像から前記特徴量を求め、この求めた前記特徴量を、前記基準色記憶部に記憶された基準色に基づいて補正した補正特徴量を前記分析時特徴量として求める。
【0008】
このような身体状態分析装置は、ミラーを備え、ミラーの前方を撮像することによって分析対象画像を生成し、この分析対象画像に基づいて、識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定し、この判定の結果、識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、この判定された使用者識別情報の使用者における、判定基準特徴量と、前記分析対象画像に基づいて求められた分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析し、その分析結果を外部に出力する。したがって、上記身体状態分析装置は、ミラーを備え、ミラーの前方を撮像することによって分析対象画像を生成するので、例えば、洗顔、歯磨き、メイクアップ、ヘアセット、コンタクトレンズの取付け、その取外し等の日常生活における行動の中でミラーを見る自然な動作の際に意識することなく、身体状態を分析でき、その分析結果の出力を参照することで、前記自然な動作の際に、日々の身体状態をチェックできる。そして、上記身体状態分析装置は、その身体状態の分析の際に、識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定し、この判定された使用者識別情報の使用者における、判定基準特徴量と分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析するので、当該身体状態分析装置が複数の使用者によって使用される場合でも、当該使用者の判定基準特徴量で身体状態を分析するから、より適正に身体状態を分析できる。
【0009】
そして、上述の身体状態分析装置において、前記使用者識別情報は、前記使用者の顔を写し込んだ顔画像であり、前記使用者判定部は、顔認証技術によって、前記撮像部で撮像した分析対象画像に基づいて前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定し、前記使用者判定部で前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定部で判定された前記使用者識別情報の使用者における、前記識別情報記憶部に記憶されている使用者識別情報を、前記撮像部で撮像した分析対象画像に基づいて更新して前記識別情報記憶部に記憶する識別情報更新部をさらに備える。
【0010】
このような身体状態分析装置は、識別情報記憶部に記憶されている使用者識別情報を、撮像部で撮像した分析対象画像に基づいて更新して識別情報記憶部に記憶するので、使用者の容貌が変化しても、より適切に使用者を判定できる。したがって、当該使用者の判定基準特徴量で身体状態が分析されるから、上記身体状態分析装置は、より適正に身体状態を分析できる。
【0011】
本発明の他の一態様にかかる身体状態分析装置は、ミラーと、前記ミラーの前方を撮像して画像を分析対象画像として生成する撮像部と、使用者を特定し識別するための使用者識別情報を記憶する識別情報記憶部と、前記撮像部で撮像した分析対象画像に基づいて前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定する使用者判定部と、前記使用者における、病理診断に用いる所定の特徴量であって身体状態を分析する際の判定基準となる前記特徴量を判定基準特徴量として記憶する基準特徴量記憶部と、前記撮像部で撮像した分析対象画像から前記特徴量を分析時特徴量として求める特徴量処理部と、前記使用者判定部で前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定部で判定された使用者識別情報の使用者における、前記基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理部で求めた前記分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析する分析部と、前記分析部で分析された身体状態の分析結果を外部に出力する出力部とを備え、前記使用者における、身体状態の分析に用いる判定閾値を記憶する閾値記憶部をさらに備え、前記分析部は、前記基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理部で求めた分析時特徴量との差を求め、この求めた差と、前記使用者判定部で判定された使用者識別情報の使用者における、前記閾値記憶部に記憶された判定閾値と、を比較することによって、身体状態を分析する。
【0012】
このような身体状態分析装置は、使用者における、身体状態の分析に用いる判定閾値を記憶し、この使用者の判定閾値でその身体状態を分析する。したがって、上記身体状態分析装置は、使用者個々人に応じて判定閾値をカスタマイズでき、より適正に身体状態を分析できる。
【0013】
他の一態様では、これら上述の身体状態分析装置において、前記分析部は、前記特徴量処理部で求めた前記分析時特徴量が所定の正常範囲内であるか否かを判定することによって、前記身体状態が正常であるか否かを判定し、前記使用者における、カルテの内容を表す電子カルテ情報、および、前記使用者における、健康診断の結果を表す健康診断結果情報のうちの少なくとも一方を過去身体状態情報として記憶する過去身体状態情報記憶部と、前記使用者判定部で判定された使用者識別情報の使用者における、前記過去身体状態情報記憶部に記憶された過去身体状態情報に基づいて、前記正常範囲を調整する正常範囲調整部とをさらに備える。
【0014】
このような身体状態分析装置は、使用者判定部で判定された使用者識別情報の使用者における過去身体状態情報に基づいて、前記正常範囲を調整する。したがって、上記身体状態分析装置は、使用者個々人の過去身体状態情報を考慮することで、より適正に使用者が正常範囲内であるか否かを判定できる。
【0015】
他の一態様では、上述の身体状態分析装置において、前記特徴量は、第1特徴量と、前記第1特徴量の成分である第2特徴量とを備え、前記特徴量処理部は、前記第1および第2特徴量それぞれを第1および第2分析時特徴量それぞれとして求め、前記分析部は、前記特徴量処理部で求めた前記第1分析時特徴量が所定の正常範囲内であるか否かを判定することによって、前記身体状態が正常であるか否かを判定し、前記分析部は、前記正常範囲内ではないと判定した場合に、前記基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理部で求めた第2分析時特徴量との差を求め、この求めた差と、前記使用者判定部で判定された使用者識別情報の使用者における、前記閾値記憶部に記憶された判定閾値と、を比較することによって、身体状態を分析する。
【0016】
このような身体状態分析装置は、使用者が正常範囲内である否かを判定した上で、前記正常範囲内ではない場合に、身体状態を分析する。したがって、上記身体状態分析装置は、正常範囲内である場合に、身体状態を分析する処理をスキップでき、一方、2段階で解析するので、より適正に身体状態を分析できる。
【0017】
本発明の他の一態様にかかる身体状態分析プログラムは、コンピュータに、撮像された分析対象画像に基づいて、使用者を特定し識別するための使用者識別情報を記憶する識別情報記憶部に記憶された前記使用者識別情報の使用者か否かを判定する使用者判定工程と、前記析対象画像から、病理診断に用いる所定の特徴量を分析時特徴量として求める特徴量処理工程と、前記使用者判定工程で前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定工程で判定された使用者識別情報の使用者における、身体状態を分析する際の判定基準となる前記特徴量を判定基準特徴量として記憶する基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理工程で求めた前記分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析する分析工程と、前記分析工程で分析された身体状態の分析結果を外部に出力する出力工程とを実行させるための身体状態分析プログラムであって、前記使用者識別情報は、前記使用者の顔を写し込んだ顔画像であり、前記使用者判定工程は、顔認証技術によって、前記析対象画像に基づいて前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定し、前記使用者判定工程で前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定工程で判定された前記使用者識別情報の使用者における、前記識別情報記憶部に記憶されている使用者識別情報を、前記析対象画像に基づいて更新して前記識別情報記憶部に記憶する識別情報更新工程をさらに備える身体状態分析プログラムである。このような身体状態分析プログラムは、ミラーに設けられた撮像部で、前記ミラーの前方を撮像することによって分析対象画像を生成し、この分析対象画像に基づいて、識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定し、この判定の結果、識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、この判定された使用者識別情報の使用者における、判定基準特徴量と、前記分析対象画像に基づいて求められた分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析し、その分析結果を外部に出力する。したがって、上記身体状態分析プログラムは、ミラーに設けられた撮像部で、前記ミラーの前方を撮像することによって分析対象画像を生成するので、日常生活における前記行動の中でミラーを見る自然な動作の際に意識することなく、身体状態を分析でき、その分析結果の出力を参照することで、前記自然な動作の際に、日々の身体状態をチェックできる。そして、上記身体状態分析プログラムは、その身体状態の分析の際に、識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定し、この判定された使用者識別情報の使用者における、判定基準特徴量と分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析するので、前記ミラーが複数の使用者によって使用される場合でも、当該使用者の判定基準特徴量で身体状態を分析するから、より適正に身体状態を分析できる。さらに、このような身体状態分析プログラムは、識別情報記憶部に記憶されている使用者識別情報を、撮像部で撮像した分析対象画像に基づいて更新して識別情報記憶部に記憶するので、使用者の容貌が変化しても、より適切に使用者を判定できる。したがって、当該使用者の判定基準特徴量で身体状態が分析されるから、上記身体状態分析プログラムは、より適正に身体状態を分析できる。
【0018】
本発明の他の一態様にかかる身体状態分析プログラムは、コンピュータに、撮像された分析対象画像に基づいて、使用者を特定し識別するための使用者識別情報を記憶する識別情報記憶部に記憶された前記使用者識別情報の使用者か否かを判定する使用者判定工程と、前記析対象画像から、病理診断に用いる所定の特徴量を分析時特徴量として求める特徴量処理工程と、前記使用者判定工程で前記識別情報記憶部に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定工程で判定された使用者識別情報の使用者における、身体状態を分析する際の判定基準となる前記特徴量を判定基準特徴量として記憶する基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理工程で求めた前記分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析する分析工程と、前記分析工程で分析された身体状態の分析結果を外部に出力する出力工程とを実行させるための身体状態分析プログラムであって、前記分析工程は、前記基準特徴量記憶部に記憶された前記判定基準特徴量と、前記特徴量処理工程で求めた分析時特徴量との差を求め、この求めた差と、前記使用者判定工程で判定された使用者識別情報の使用者における、閾値記憶部に記憶された身体状態の分析に用いる判定閾値と、を比較することによって、身体状態を分析する、身体状態分析プログラムである。このような身体状態分析プログラムは、使用者における、身体状態の分析に用いる判定閾値を記憶し、この使用者の判定閾値でその身体状態を分析する。したがって、上記身体状態分析プログラムは、使用者個々人に応じて判定閾値をカスタマイズでき、より適正に身体状態を分析できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる身体状態分析装置および身体状態分析方法は、より適正に身体状態を分析できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態における身体状態分析装置の構成を示すブロック図である。
図2】前記身体状態分析装置の外観構成を示す図である。
図3】前記身体状態分析装置に記憶されるベース情報テーブルの構成を示す図である。
図4】前記身体状態分析装置を備えた身体状態分析システムの構成を示す図である。
図5】前記身体状態分析装置の動作を示すフローチャートである。
図6図5に示すフローチャートにおける使用者の識別処理における各処理を示すフローチャートである。
図7図6に示すフローチャートにおける使用者の過去身体状態情報の諸処理における各処理を示すフローチャートである。
図8図5に示すフローチャートにおける特徴量の抽出処理における各処理を示すフローチャートである。
図9図5に示すフローチャートの分析処理において、黒目部分に基づく分析処理の各処理を示すフローチャートである。
図10図5に示すフローチャートの分析処理において、白目部分に基づく分析処理の各処理を示すフローチャートである。
図11図5に示すフローチャートの分析処理において、頬部分に基づく分析処理の各処理を示すフローチャートである。
図12図5に示すフローチャートにおける分析結果の処理における各処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
【0022】
図1は、実施形態における身体状態分析装置の構成を示すブロック図である。図2は、前記身体状態分析装置の外観構成を示す図である。図3は、前記身体状態分析装置に記憶されるベース情報テーブルの構成を示す図である。図4は、前記身体状態分析装置を備えた身体状態分析システムの構成を示す図である。
【0023】
実施形態における身体状態分析装置は、使用者の身体状態を分析する装置であり、例えば、図1および図2に示すように、ミラー1と、照明部2(2-1、2-2)と、撮像部3と、表示部4と、制御処理部5と、記憶部6と、通信インターフェース部(通信IF部)7と、筐体FRとを備える。
【0024】
筐体FRは、ミラー1が外部に臨むように、ミラー1、撮像部3、表示部4、制御処理部5、記憶部6および通信IF部7を収容する部材であり、例えば、比較的薄い箱体である。照明部2は、後述するように、筐体FRの外面に配設される。筐体FRは、例えば手鏡や姿見鏡等を構成する単体であって良く、あるいは、例えば化粧台や洗面台等の一部であって良い。
【0025】
ミラー(鏡)1は、物体の外観を写す部材である。本実施形態では、ミラー1を介して撮像部3がミラー1の前方を撮像し、ミラー1を介して表示部4に表示された表示内容が外部から参照できるようにするために、ミラー1は、ハーフミラー(半透鏡)で構成されている。なお、ミラー1の透過率と反射率との比は、1:1であって良いが、必ずしも1:1である必要はなく、任意である。
【0026】
照明部2は、制御処理部5に接続され、制御処理部5の制御に従って、ミラー1の前方を照明する照明光を放射する光源装置である。照明部2は、1個でも良いが、本実施形態では、ミラー1の前方を撮像部3で撮像して生成された画像(分析対象画像)に、ミラー1を使う人物(当該身体状態分析装置Dに登録された使用者および非登録で使う使用者を含む)が写り込んでいる場合に、前記人物の画像に影が形成されることを抑制するために、照明部2は、少なくとも2個の1対の第1および第2照明部2-1、2-2を備えて構成され、これら第1および第2照明部2-1、2-2は、互いに所定の間隔開けて離間して、ミラー1の上方両端における筐体表面上に配設される。第1および第2照明部2-1、2-2は、例えば、電球、蛍光灯および白色LED(白色発光ダイオード)等である。
【0027】
撮像部3は、制御処理部5に接続され、制御処理部5の制御に従って、ミラー1の前方を撮像して画像(画像データ)を分析対象画像(分析対象画像データ)として生成する装置である。撮像部3は、前記画像は、静止画であって良く、動画像であって良い。撮像部3は、例えば、本実施形態では、光学像を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記光学像を電気的な信号に変換するエリアイメージセンサ、および、エリアイメージセンサの出力を画像処理することで画像を表すデータである画像データを生成する画像処理回路等を備えるデジタルカメラ等である。撮像部3は、本実施形態では、ミラー1の背面に配設され、ミラー1を介してミラー1の前方を撮像する。例えば、撮像部3は、埃等の侵入を防止するために、前記結像光学系の対物側がミラー1の背面に当接するように、配設され、固定されている。
【0028】
表示部4は、制御処理部5に接続され、制御処理部5の制御に従って、例えば、当該身体状態分析装置Dで分析された身体状態の分析結果等の所定の情報を表示する装置である。表示部4は、例えば、当該身体状態分析装置Dを好適に薄型化できる観点から、LCD(液晶表示装置)および有機EL(ElectroLuminecence、OLED(有機発光ダイオード))表示装置等である。本実施形態では、表示部4は、その表示面をミラー1に向けて、ミラー1を介して前記表示面が外部から参照可能なように、ミラー1の背面に前記表示面を当接させて配設されている。表示部4は、その表示面の大きさがミラー1の大きさと略同等であって良く、あるいは、ミラー1の大きさより小さくて良い。
【0029】
通信IF部7は、制御処理部5に接続され、制御処理部5の制御に従って、外部の機器と通信を行うための通信回路である。通信IF部7は、制御処理部5から入力された転送すべきデータを収容した通信信号を、図4に示す後述のネットワークNWで用いられる通信プロトコルに従って生成し、この生成した通信信号をネットワークNWを介して外部の機器(例えば図4に示す後述のパーソナルコンピュータPCやサーバ装置SV等)へ送信する。通信IF部7は、ネットワークNWを介して前記外部の機器から通信信号を受信し、この受信した通信信号からデータを取り出し、この取り出したデータを制御処理部5が処理可能な形式のデータに変換して制御処理部5へ出力する。通信IF部7は、例えば、移動体通信網やデータ通信網等の通信網によって有線または無線で通信する通信カード、および、IEEE802シリーズの規格等に従った通信インターフェース回路等である。なお、通信IF部7は、さらに、例えば、Bluetooth(登録商標)規格、IrDA(Infrared Data Asscoiation)規格およびUSB(Universal Serial Bus)規格等の規格を用い、外部機器との間でデータの入出力を行うインターフェース回路を備えても良い。
【0030】
記憶部6は、制御処理部5に接続され、制御処理部5の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、制御プログラム、使用者判定プログラム、特徴量処理プログラム、分析プログラム、識別情報更新プログラムおよび正常範囲調整プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記制御プログラムは、当該身体状態分析装置Dの各部2~4、6、7を当該各部の機能に応じて制御するプログラムである。前記使用者判定プログラムは、撮像部3で撮像した分析対象画像に基づいて後述の識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定するプログラムである。前記特徴量処理プログラムは、撮像部3で撮像した分析対象画像から、病理診断に用いる所定の特徴量を分析時特徴量として求めるプログラムである。前記分析プログラムは、前記使用者判定プログラムで識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定プログラムで判定された使用者識別情報の使用者における、後述の基準特徴量記憶部62に記憶された判定基準特徴量と、前記特徴量処理プログラムで求めた前記分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析するプログラムである。前記識別情報更新プログラムは、前記使用者判定プログラムで識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、前記使用者判定プログラムで判定された前記使用者識別情報の使用者における、識別情報記憶部61に記憶されている使用者識別情報を、撮像部3で撮像した分析対象画像に基づいて更新して識別情報記憶部61に記憶するプログラムである。前記正常範囲調整プログラムは、後述の正常範囲を調整するプログラムである。前記各種の所定のデータには、例えば、使用者識別情報、判定基準特徴量、過去身体状態情報、判定閾値および基準色等の、身体状態を分析する上で必要なデータが含まれる。このような記憶部6は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。そして、記憶部6は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆる制御処理部5のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。記憶部6は、これら上述の使用者識別情報、判定基準特徴量、過去身体状態情報、判定閾値および基準色それぞれを記憶するために、識別情報記憶部61、基準特徴量記憶部62、過去身体状態情報記憶部63、閾値記憶部64、正常範囲記憶部65および基準色記憶部66を機能的に備える。
【0031】
識別情報記憶部61は、前記使用者識別情報を記憶するものである。前記使用者識別情報は、当該身体状態分析装置Dの使用者を認証するために、使用者を特定し識別するための情報(データ)である。前記使用者識別情報は、例えば、使用者の名前(使用者名)や使用者に割り当てられた識別子(ID)等であって良いが、前記使用者識別情報が使用者名やID等である場合にはその入力を受け付ける入力部が必要となるので、その入力部を不要にできる観点から、本実施形態では、前記使用者識別情報は、撮像部3で撮像した画像から使用者を特定し識別できるように、使用者の顔を写し込んだ画像(顔画像、顔画像データ)である。
【0032】
基準特徴量記憶部62は、識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者における、前記判定基準特徴量(判定基準特徴量のデータ)を記憶するものである。前記判定基準特徴量は、病理診断に用いる所定の特徴量であって身体状態を分析する際の判定基準となる前記特徴量である。前記所定の特徴量は、撮像部3で撮像した画像から得られる、使用者を写し込んだ画像領域(使用者画像領域)における色(色相、彩度、明度)、形状、コントラスト等である。より具体的には、本実施形態では、前記特徴量は、第1特徴量と、前記第1特徴量の成分である第2特徴量とを備える。前記第1特徴量は、例えば、白目部分(眼球における白い部分、結膜部分)の色である。この第1特徴量において、前記第2特徴量は、黄疸の可能性を好適に分析できることから、白目部分の色における青成分(色相の青成分)であり、結膜炎の可能性を好適に分析できることから、白目部分の色における赤成分(色相の赤成分)である。また例えば、前記第1特徴量は、黒目部分(眼球における虹彩および瞳孔の部分)の色であり、この第1特徴量において、前記第2特徴量は、白内障および翼状片のうちの少なくともいずれかの可能性、ならびに、網膜出血、網膜色素変性症、網膜脈絡膜萎縮、網膜脈絡膜炎、視神経萎縮および視神経炎のうちの少なくともいずれかの可能性を好適に分析できることから、黒目部分の色における明度である。また例えば、前記第1特徴量は、頬部分の色であり、この第1特徴量において、前記第2特徴量は、腎臓病の可能性を好適に分析できることから、頬部分の色における明度である。
【0033】
過去身体状態情報記憶部63は、識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者における、前記過去身体状態情報を記憶するものである。前記過去身体状態情報は、カルテの内容を表す電子カルテ情報、および、前記使用者における、健康診断の結果を表す健康診断結果情報のうちの少なくとも一方の情報(データ)である。より具体的には、前記過去身体状態情報は、例えば、バイタルの測定結果、血液検査結果、通院履歴および既往歴、持病等を含む。なお、本実施形態では、前記過去身体状態情報には、後述のように分析部54で分析した分析結果も含まれる。
【0034】
閾値記憶部64は、識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者における、前記判定閾値(判定閾値のデータ)を記憶するものである。前記判定閾値は、身体状態の分析に用いる閾値である。本実施形態では、前記第1および第2特徴量、特に第2特徴量によって黄疸の可能性、結膜炎の可能性、白内障および翼状片のうちの少なくともいずれかの可能性、網膜出血、網膜色素変性症、網膜脈絡膜萎縮、網膜脈絡膜炎、視神経萎縮および視神経炎のうちの少なくともいずれかの可能性、ならびに、腎臓病の可能性それぞれが分析されるので、前記判定閾値は、第1ないし第5判定閾値を含む。前記第1判定閾値は、白目部分の色における青成分に基づいて黄疸の可能性が有るか否かを判定するために用いられる閾値である。白目部分の色における青成分において、分析時特徴量から判定基準特徴量を減算した第1減算結果が所定の第1判定閾値以上のマイナス値である場合に、黄疸の可能性が有ると判定される。前記第2判定閾値は、白目部分の色における赤成分に基づいて結膜炎の可能性が有るか否かを判定するために用いられる閾値である。白目部分の色における赤成分において、分析時特徴量から判定基準特徴量を減算した第2減算結果が所定の第2判定閾値以上のプラス値である場合に、結膜炎の可能性が有ると判定される。前記第3判定閾値は、黒目部分の色における明度に基づいて白内障および翼状片のうちの少なくともいずれかの可能性が有るか否かを判定するために用いられる閾値である。黒目部分の色における明度において、分析時特徴量から判定基準特徴量を減算した第3減算結果が所定の第3判定閾値以上のプラス値である場合に、白内障および翼状片のうちの少なくともいずれかの可能性が有ると判定される。前記第4判定閾値は、黒目部分の色における明度に基づいて網膜出血、網膜色素変性症、網膜脈絡膜萎縮、網膜脈絡膜炎、視神経萎縮および視神経炎のうちの少なくともいずれかの可能性が有るか否かを判定するために用いられる閾値である。黒目部分の色における明度において、分析時特徴量から判定基準特徴量を減算した第4減算結果が所定の第4判定閾値以上のマイナス値である場合に、網膜出血、網膜色素変性症、網膜脈絡膜萎縮、網膜脈絡膜炎、視神経萎縮および視神経炎のうちの少なくともいずれかの可能性の可能性が有ると判定される。前記第5判定閾値は、頬部分の色における明度に基づいて腎臓病の可能性が有るか否かを判定するために用いられる閾値である。頬部分の色における明度において、分析時特徴量から判定基準特徴量を減算した第5減算結果が所定の第5判定閾値以上のマイナス値である場合に、腎臓病の可能性が有ると判定される。これら第1ないし第4判定閾値は、眼球色が相対的に薄い場合、眼球色が相対的に濃い場合および眼球色の違い等の、眼球色における色調の違いに応じた複数の設定値が複数のサンプルから適宜にそれぞれ設定される。すなわち、例えば、第1判定閾値は、眼球色が相対的に薄い場合の第1a判定閾値、眼球色が相対的に濃い場合の第1b判定閾値、眼球色が褐色である場合の第1c判定閾値、および、眼球色が青色である場合の第1d判定閾値等の、複数の閾値から成る。また、第5判定閾値は、肌の色の違い(人種の違い)等に応じた複数の設定値が複数のサンプルから適宜にそれぞれ設定される。すなわち、例えば、第5判定閾値は、白色人種用の第5a判定閾値、黄色人種用の第5b判定閾値および黒人種用の第5c判定閾値等の複数の閾値から成る。
【0035】
好ましくは、識別情報記憶部61は、1または複数の使用者識別情報を記憶し、基準特徴量記憶部62は、1または複数の判定基準特徴量を前記1または複数の使用者識別情報と対応付けて記憶し、過去身体状態情報記憶部63は、1または複数の過去身体状態情報を前記1または複数の使用者識別情報と対応付けて記憶し、閾値記憶部64は、1または複数の判定閾値(本実施形態では1または複数の第1ないし第5判定閾値)を前記1または複数の使用者識別情報と対応付けて記憶して良い。好ましくは、識別情報記憶部61は、1または複数の使用者識別情報を1または複数の使用者(例えば使用者の名前やID等)に対応付けて記憶し、基準特徴量記憶部62は、1または複数の判定基準特徴量を前記1または複数の使用者と対応付けて記憶し、過去身体状態情報記憶部63は、1または複数の過去身体状態情報を前記1または複数の使用者と対応付けて記憶し、閾値記憶部64は、1または複数の判定閾値(本実施形態では1または複数の第1ないし第5判定閾値)を前記1または複数の使用者と対応付けて記憶して良い。
【0036】
本実施形態では、これら使用者識別情報、判定基準特徴量、過去身体状態情報および判定閾値(本実施形態では1または複数の第1ないし第5判定閾値)は、1つのテーブルに纏めて記憶され、これら識別情報記憶部61、基準特徴量記憶部62、過去身体状態情報記憶部63および閾値記憶部64は、互いに兼用されている。これら使用者識別情報、判定基準特徴量、過去身体状態情報および判定閾値(本実施形態では1または複数の第1ないし第5判定閾値)を登録するベース情報テーブルTBは、例えば、図3に示すように、使用者識別情報を登録する使用者識別情報フィールド621と、使用者識別情報フィールド621に登録された使用者識別情報の使用者における判定基準特徴量を登録する判定基準特徴量フィールド622と、使用者識別情報フィールド621に登録された使用者識別情報の使用者における過去身体状態情報を登録する過去身体状態情報フィールド623と、使用者識別情報フィールド621に登録された使用者識別情報の使用者における判定閾値を登録する判定閾値フィールド624とを備え、使用者識別情報ごとにレコードを備える。そして、本実施形態では、図3に示すように、ベース情報テーブルTBは、使用者識別情報フィールド621に登録された使用者識別情報の使用者における名前(使用者名、ID)および基本属性情報それぞれを登録する使用者名フィールド611および基本属性情報フィールド612をさらに備える。
【0037】
判定基準特徴量フィールド622には、本実施形態では、白目部分の色における青成分に基づいて黄疸の可能性を判定する際に用いられる、黄疸用の第1判定基準特徴量、白目部分の色における赤成分に基づいて結膜炎の可能性を判定する際に用いられる、結膜炎用の第2判定基準特徴量、黒目部分の色における明度に基づいて白内障および翼状片のうちの少なくともいずれかの可能性を判定する際に用いられる、白内障、翼状片用の第3判定基準特徴量、黒目部分の色における明度に基づいて網膜出血、網膜色素変性症、網膜脈絡膜萎縮、網膜脈絡膜炎、視神経萎縮および視神経炎のうちの少なくともいずれかの可能性をを判定する際に用いられる、網膜出血等用の第4判定基準特徴量、ならびに、頬部分の色における明度に基づいて腎臓病の可能性を判定する際に用いられる、腎臓病用の第5判定基準特徴量が登録される。判定閾値フィールド624には、本実施形態では、第1ないし第5判定閾値が登録される。基本属性情報フィールド612には、前記基本属性情報として、使用者の性別、生年月日(年齢)、眼球色の色調、肌の色等が登録される。
【0038】
これら使用者名、基本属性情報、過去身体状態情報は、例えば、図4に示すように、身体状態分析装置Dに通信可能に接続された、ユーザインターフェースとしての端末装置(例えばパーソナルコンピュータやスマートホン等)PCから、使用者Obが身体状態分析装置Dの使用を開始する際等の適宜なタイミングで入力され、新たなレコードが生成され、この新たに生成されたレコードにおける使用者名フィールド611、基本属性情報フィールド612および過去身体状態情報フィールド623に登録される。このタイミングで、例えば、端末装置PCによって、使用者Obがミラー1の前に居るように促され、撮像部3で使用者Obの画像が生成される。この生成された使用者Obの画像から背景差分法によって人物領域が抽出される。この人物領域から、例えば円形や楕円形のハフ変換によって、また例えば予め用意された頭部のモデル(テンプレート)を用いたパターンマッチングによって、また例えば頭部検出用に学習したニューラルネットワークによって、使用者Obの頭部領域の画像が顔画像として抽出される。この抽出された顔画像が使用者識別情報とされ、この使用者識別情報(顔画像)が前記新たに生成されたレコードにおける使用者識別情報フィールド621に登録される。そして、前記入力され登録された基本属性情報における眼球色の色調に応じた第1ないし第4判定閾値が前記新たに生成された判定閾値フィールド624に登録され、前記入力され登録された基本属性情報における肌の色に応じた第5判定閾値が前記新たに生成された判定閾値フィールド624に登録される。なお、過去身体状態情報は、例えば、図4に示すように、身体状態分析装置Dに通信可能に接続された、例えば病院HS等に配設された、電子カルテを管理するサーバ装置SVから、使用者名を検索キーに検索され、ダウンロードされ、過去身体状態情報フィールド623に登録されても良い。このように各情報が登録された後に、例えば、1週間や、2週間や、1カ月等の所定の準備期間中に、使用者がミラー1の前に居ると、その都度、制御処理部5によって、撮像部3で画像が生成され、この生成された画像に基づいて前記所定の特徴量が求められ、記憶部6に使用者識別情報あるいは使用者名と対応付けて蓄積される。前記所定の特徴量を求める際に、後述の、分析時特徴量を求める際に実施される色ズレの補正と同様に前記色ズレが補正される。前記所定の準備期間が経過すると、これら求められた複数の前記所定の特徴量の平均値が判定基準特徴量として求められ、前記使用者識別情報を使用者識別情報フィールド621に登録するレコード、あるいは、前記使用者名を使用者名フィールド611に登録するレコードにおける判定基準特徴量フィールド622に登録される。一例では、このように各情報(データ)がベース情報テーブルTBの各フィールド611、612、621~624に登録される。
【0039】
図1に戻って、正常範囲記憶部65は、正常範囲(正常範囲のデータ)を記憶するものである。前記正常範囲は、身体状態が正常であるか否かを判定するために用いられ、前記身体状態が正常である範囲である。本実施形態では、前記身体状態が正常であるか否かの判定は、分析時特徴量の第1特徴量によって実施される。このため、正常範囲は、白目部分の色が正常である範囲を表す第1正常範囲、黒目部分の色が正常である範囲を表す第2正常範囲、および、頬部分の色が正常である範囲を表す第3正常範囲から成る。これら第1ないし第3正常範囲は、それぞれ、複数のサンプルを用いて適宜に設定され、正常範囲記憶部65にデフォルト値として記憶される。後述するように、これら第1ないし第3正常範囲は、それぞれ、このデフォルト値を基準に、正常範囲調整部56によって、過去身体状態情報に基づいて調整される。
【0040】
基準色記憶部66は、前記基準色(基準色のデータ)を記憶するものである。前記基準色は、分析時特徴量を求める際に実施される色ズレの補正を実行する場合に、その基準となる色であり、例えば、赤成分を補正する赤用の基準値、緑成分を補正する緑用の基準値、および、青成分を補正する青用の基準値を備えて成る。例えば、身体状態分析装置Dの初期設定の際に、制御処理部5によって、照明部2(2-1、2-2)を点灯して撮像部3で得られた分析対象画像における色補正用領域の色が前記基準色として求められ、基準色記憶部66に記憶される。前記色補正用領域は、分析対象画像における人物が写り込んでない背景部分を写し込んだ画像の領域であり、例えば、通常、人物が写り込まないと考えられる、分析対象画像における上部右端に位置する所定の小領域、その上部中央に位置する所定の小領域、および、その上部左端に位置する所定の小領域等である。
【0041】
制御処理部5は、身体状態分析装置Dの各部2~4、6、7を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、身体状態を分析するための回路である。制御処理部5は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。制御処理部5には、制御処理プログラムが実行されることによって、制御部51、使用者判定部52、特徴量処理部53、分析部54、識別情報更新部55および正常範囲調整部56が機能的に構成される。
【0042】
制御部51は、身体状態分析装置Dの各部2~4、6、7を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御し、身体状態分析装置Dの全体制御を司るものである。
【0043】
使用者判定部52は、撮像部3で撮像した分析対象画像に基づいて識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定するものである。本実施形態では、前記使用者識別情報は、上述したように、顔画像(顔画像のデータ)であり、使用者判定部52は、公知の顔認証技術によって、撮像部3で撮像した分析対象画像に基づいて識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定する。顔認証技術は、例えば、今岡仁、他、「顔認証技術とその応用」、NEC技法、Vol63 No.3、2010年(平成29年3月29日検索、インターネット、<URL:http//jpn.nec.com/techrep/journal/g10/n03/pdf/100306.pdf>等に開示されている。この顔認証技術は、画像から顔領域の画像(顔画像)を抽出し、この抽出した顔画像から、例えば目、鼻、口端等の顔の特徴点を検出して顔の特徴点位置を求める検出処理と、この検出処理で求めた顔の特徴点位置を用いて前記顔画像の位置、大きさを正規化して照合画像を生成した後に、この照合画像と、予め登録された登録画像(本実施形態では使用者識別情報がこれに相当する)との類似度を求めて照合する照合処理とを備える。
【0044】
特徴量処理部53は、撮像部3で撮像した分析対象画像から、病理診断に用いる前記所定の特徴量を分析時特徴量として求めるものである。この分析時特徴量を求める際に、本実施形態では、特徴量処理部53は、撮像部3で撮像した分析対象画像から前記特徴量を求め、この求めた前記特徴量を、基準色記憶部66に記憶された基準色に基づいて補正した補正特徴量を前記分析時特徴量として求める。
【0045】
分析部54は、使用者判定部52で識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、使用者判定部52で判定された使用者識別情報の使用者における、基準特徴量記憶部62に記憶された判定基準特徴量と、特徴量処理部53で求めた分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析するものである。より具体的には、分析部54は、基準特徴量記憶部62に記憶された判定基準特徴量と、特徴量処理部53で求めた分析時特徴量との差を求め、この求めた差と、使用者判定部52で判定された使用者識別情報の使用者における、閾値記憶部64に記憶された判定閾値と、を比較することによって、身体状態を分析する。また、分析部54は、特徴量処理部53で求めた分析時特徴量が所定の正常範囲内であるか否かを判定することによって、身体状態が正常であるか否かを判定する。より詳しくは、本実施形態では、分析部54は、特徴量処理部53で求めた第1分析時特徴量(第1特徴量の分析時特徴量)が所定の正常範囲内であるか否かを判定することによって、身体状態が正常であるか否かを判定し、分析部54は、前記正常範囲内ではないと判定した場合に、基準特徴量記憶部62に記憶された判定基準特徴量と、特徴量処理部53で求めた第2分析時特徴量(第2特徴量の分析時特徴量)との差を求め、この求めた差と、使用者判定部52で判定された使用者識別情報の使用者における、閾値記憶部64に記憶された判定閾値と、を比較することによって、身体状態を分析する。
【0046】
識別情報更新部55は、使用者判定部52で識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者であると判定された場合に、使用者判定部52で判定された使用者識別情報の使用者における、識別情報記憶部61に記憶されている使用者識別情報を、撮像部3で撮像した分析対象画像に基づいて更新して識別情報記憶部61に記憶するものである。
【0047】
正常範囲調整部56は、使用者判定部52で判定された使用者識別情報の使用者における、過去身体状態情報記憶部63に記憶された過去身体状態情報に基づいて、正常範囲記憶部に記憶された正常範囲を調整するものである。
【0048】
次に、本実施形態の動作について説明する。図5は、前記身体状態分析装置の動作を示すフローチャートである。図6は、図5に示すフローチャートにおける使用者の識別処理における各処理を示すフローチャートである。図7は、図6に示すフローチャートにおける使用者の過去身体状態情報の諸処理における各処理を示すフローチャートである。図8は、図5に示すフローチャートにおける特徴量の抽出処理における各処理を示すフローチャートである。図9は、図5に示すフローチャートの分析処理において、黒目部分に基づく分析処理の各処理を示すフローチャートである。図10は、図5に示すフローチャートの分析処理において、白目部分に基づく分析処理の各処理を示すフローチャートである。図11は、図5に示すフローチャートの分析処理において、頬部分に基づく分析処理の各処理を示すフローチャートである。図12は、図5に示すフローチャートにおける分析結果の処理における各処理を示すフローチャートである。
【0049】
上記構成の身体状態分析装置Dでは、図略の電源スイッチのオン操作によって電源が投入されると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。その制御処理プログラムの実行によって、制御処理部5には、制御部51、使用者判定部52、特徴量処理部53、分析部54および識別情報更新部55が機能的に構成される。初期設定では、制御処理部5は、照明部2(2-1、2-2)を点灯し、撮像部3によって背景画像を生成し、この背景画像の色補正用領域からその色を基準色として求め、この求めた基準色を記憶部6の基準色記憶部66に記憶する。
【0050】
そして、一例では、上述したように、使用者Obは、身体状態分析装置Dと通信可能に端末装置PCを身体状態分析装置Dに接続し、この端末装置Dから、使用者名、基本属性情報および過去身体状態情報を入力し、端末装置PCに表示されるメッセージに促されてミラー1の前に立つと、撮像部3によって使用者Obの画像が生成され、この使用者Obの画像から顔画像が使用者識別情報として抽出される。そして、この入力された基本属性情報における眼球色の色調に応じた第1ないし第4判定閾値が設定され、肌の色に応じた第5判定閾値が設定される。これら使用者識別情報、過去身体状態情報および判定閾値それぞれは、記憶部6における識別情報記憶部61、過去身体状態情報記憶部63および閾値記憶部64それぞれに記憶される。本実施形態では、これら使用者名、基本属性情報、使用者識別情報、過去身体状態情報および判定閾値それぞれは、ベース情報テーブルTBに新たに生成されたレコードの各フィールド611、612、621、623、624に登録され、記憶部6に記憶される。なお、必要に応じて、過去身体状態情報は、電子カルテを管理するサーバ装置SVから、使用者名を検索キーに検索され、ダウンロードされ、記憶部6に記憶されても良い。そして、準備期間に求められた複数の前記所定の特徴量から、判定基準特徴量が求められ、この求めた判定基準特徴量が基準特徴量記憶部62に、本実施形態では、ベース情報テーブルTBの判定基準特徴量フィールド622に登録され、記憶部6に記憶される。
【0051】
このように使用者Obにカスタマイズされた各情報が記憶部6に記憶されると、身体状態の分析が開始され、次のような動作によって、使用者Obの身体状態が日々のミラー1の自然な使用の際に、自動的に実施される。なお、身体状態分析装置Dは、電子カルテを管理する上述のサーバ装置SVと通信可能であるものとする。
【0052】
使用者Obがミラー1の前に行くと、例えば焦電式等の図略の人感センサによって使用者Obを検出すると、図5において、身体状態分析装置Dは、制御処理部5の制御部51によって、第1および第2照明部2-1、2-2を点灯する(S1)。
【0053】
次に、身体状態分析装置Dは、制御処理部5の制御部51によって、分析対象画像の取得処理を実行する(S3)。より具体的には、制御部51は、撮像部3で撮像して画像を分析対象画像として生成する。これによって分析対象画像が取得される。第1および第2照明部2-1、2-2は、ミラー1の上方両端から使用者Obを照明するので、撮像部3で撮像した分析対象画像に写り込んだ使用者Obの画像には、影ができ難く、いつも同じ照明環境の安定した撮影環境で分析対象画像が生成できる。本実施形態では、色の変化によって病気の可能性を判定(病理診断)するので、このような安定した撮影環境は、好ましい。
【0054】
次に、身体状態分析装置Dは、制御処理部5の使用者判定部52によって、使用者の認証処理を実行する。
【0055】
より具体的には、図6において、使用者判定部52は、処理S3において撮像部3で撮像して取得した分析対象画像に基づいて公知の顔認証技術によって顔認証の処理(S501)を実行し、前記分析対象画像の使用者Obが識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者か否かを判定する(S502)。より詳しくは、使用者判定部52は、まず、処理S3において撮像部3で撮像して取得した分析対象画像から顔領域の画像(顔画像)を抽出する。次に、使用者判定部52は、この抽出した顔画像から、例えば目、鼻、両口端の各特徴点位置を求める。次に、使用者判定部52は、この求めた顔の各特徴点位置を用いて顔画像の位置および大きさを正規化して照合画像を生成する。そして、使用者判定部52は、この照合画像と、ベース情報テーブルTBにおける使用者識別情報フィールド621に登録されている使用者識別情報(登録画像)と照合し、前記照合画像にマッチ(一致)する使用者識別情報(登録画像)が存在するか否かを判定する。この判定の結果、前記照合画像にマッチ(一致)する使用者識別情報(登録画像)が存在しない場合(No)には、身体状態分析装置Dは、次に、制御処理部5によって、処理S503を実行する。一方、前記判定の結果、前記照合画像に一致する使用者識別情報(登録画像)が存在する場合(Yes)には、身体状態分析装置Dは、次に、制御処理部5によって、処理S504を実行する。
【0056】
この処理S503では、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、後述の処理S7で分析部54によって用いられる値として、一般用の第1ないし第5判定閾値を記憶部6から読み出して取得し、次に、処理S6を実行する。この一般用の第1ないし第5判定閾値は、複数のサンプルに基づいて予め適宜に設定されて用意され、前記各種の所定のデータの一つとして予め記憶部6に記憶される。
【0057】
前記処理S504では、身体状態分析装置Dは、制御処理部5の識別情報更新部55によって、処理S502で前記照合画像に一致すると判定された、ベース情報テーブルTBの使用者識別情報フィールド621に登録されている使用者識別情報(登録画像)を、処理S3において撮像部3で撮像して取得した分析対象画像に基づいて更新し、次に、処理S505を実行した後に、処理S6を実行する。
【0058】
この処理S505では、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、使用者の過去身体状態情報の諸処理を実行し、次に、処理S6を実行する。
【0059】
より具体的には、使用者の過去身体状態情報の諸処理S505は、本実施形態では、例えば、図7に示す各処理が実行される。
【0060】
図7において、次に、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、処理S502で前記照合画像に一致すると判定された使用者識別情報(登録画像)をベース情報テーブルTBの使用者識別情報フィールド621に登録するレコードにおける、使用者名フィールド611、過去身体状態情報フィールド623および判定閾値フィールド624それぞれに登録されている、使用者名、過去身体状態情報および第1ないし第5判定閾値を記憶部6から読み出して取得する(S551)。
【0061】
次に、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、電子カルテを管理するサーバ装置SVから、処理S551で取得した使用者名を検索キーに検索し、使用者の電子カルテをダウンロードし、取得する(S552)。
【0062】
次に、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、電子カルテが更新されているか否かを判定する(S553)。より具体的には、制御処理部5は、処理S551で取得した過去身体状態情報と処理S552で取得した電子カルテとを比較することによって、電子カルテが更新されているか否かを判定する。この判定の結果、制御処理部5は、両者に相違がなければ、電子カルテが更新されていないと判定し(No)、次に、処理S557を実行する。一方、前記判定の結果、制御処理部5は、両者に相違があれば、電子カルテが更新されていると判定し(Yes)、前記処理S552で取得した電子カルテの内容で、前記処理S502で前記照合画像に一致すると判定された使用者識別情報(登録画像)をベース情報テーブルTBの使用者識別情報フィールド621に登録するレコードにおける過去身体状態情報フィールド623に登録されている過去身体状態情報を更新、登録し、次に、処理S554を実行する。
【0063】
この処理S554では、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、治療中の病気は、何かを判定する。この判定の結果、治療中の病気が無い場合(No)には、制御処理部5は、次に、処理S555を実行し、一方、前記判定の結果、治療中の病気が有る場合(Yes)には、制御処理部5は、次に、処理S556を実行する。
【0064】
この処理S555では、治療中の病気がないので、制御処理部5は、記憶部6の正常範囲記憶部65に記憶されている正常範囲を読み込み、このデフォルト値で正常範囲を設定し、次に、処理S6を実行する。
【0065】
この処理S556では、制御処理部5は、正常範囲調整部56によって、記憶部6の正常範囲記憶部65に記憶されている正常範囲を読み込み、このデフォルト値を治療中の病気に応じて調整し、この調整後の値で新たに正常範囲を設定し、次に、処理S6を実行する。より具体的には、正常範囲調整部565は、治療中の病気が、後述の処理S7で分析の対象となっている病気、あるいは、後述の処理S7で分析の対象となっている病気と合併して発症する病気である場合、その病気の正常範囲を所定割合だけ狭くし、この狭くした範囲を新たな正常範囲に設定する。例えば、治療中の病気が黄疸である場合には、本実施形態では、白目部分の色で黄疸の可能性が分析されるので、デフォルト値の第1正常範囲が所定割合(例えば5%や10%等)だけ狭くされ、この狭く調整された範囲が新たな第1正常範囲に設定される。また例えば、治療中の病気が高血圧である場合には、この病気の合併症で発症する可能性のある腎臓病の第3正常範囲が所定割合だけ狭くされ、新たな第3正常範囲に設定される。
【0066】
一方、処理S557では、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、治療の完了済みか否かを判定する。この判定は、例えば、電子カルテが治療完了の有無を表す治療完了フラグを備える場合には、処理S552で取得した電子カルテの治療完了フラグを参照し、治療完了フラグが有る場合(あるいは治療完了フラグが治療完了を示す「1」である場合)には、治療の完了と判定し、治療完了フラグが無い場合(あるいは治療完了フラグが治療完了では無いことを示す「0」である場合)には、治療の完了ではないと判定する。また例えば、この判定は、処方箋の発行状況を参照し、定期的に発行されていた処方箋の発行が停止している場合には、治療の完了と判定し、処方箋の発行が継続している場合には、治療の完了ではないと判定する。この判定の結果、治療の完了である場合(Yes)には、制御処理部5は、次に、処理S6を実行し、一方、前記判定の結果、治療の完了である場合(No)には、制御処理部5は、次に、処理S558を実行する。
【0067】
この処理S558では、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、定期受診できているか否かを判定する。より具体的には、例えば、制御処理部5は、処理S552で取得した電子カルテにおける治療日(カルテの記載日、通院日)から平均通院間隔日数を求め、この求めた平均通院間隔日数に所定の定数(例えば1.3や1.5等)を乗算し、最終治療日にこの乗算結果を加算し、本日の日付が加算結果の日付を越えているか否かを判定する。この判定の結果、本日の日付が加算結果の日付を越えている場合には、制御処理部5は、定期受診できてないと判定し(No)、次に、処理S559を実行する。一方、前記判定の結果、本日の日付が加算結果の日付を越えていない場合には、制御処理部5は、定期受診できていると判定し(Yes)、次に、処理S6を実行する。
【0068】
この処理S559では、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、例えば「通院してください。」等の定期受診の推奨の通知を所定時間の間だけ表示部4に表示し、処理S6を実行する。
【0069】
図5に戻って、この処理S6では、身体状態分析装置Dは、制御処理部5の特徴量処理部53によって、分析時特徴量を求める。より具体的には、特徴量処理部53は、処理S2において撮像部3で撮像した分析対象画像から前記所定の特徴量を分析時特徴量として求める。より詳しくは、特徴量処理部53は、処理S3において撮像部3で撮像した分析対象画像から前記所定の特徴量を求め、この求めた前記特徴量を、基準色記憶部66に記憶された基準色に基づいて補正した補正特徴量を前記分析時特徴量として求める。
【0070】
本実施形態では、白目部分の色や黒目部分の色や頬部分の色に基づいて所定の病気の可能性を分析するので、一例では、図8において、まず、特徴量処理部53は、処理S3において撮像部3で撮像した分析対象画像から背景差分法によって人物領域を抽出する(S601)。次に、特徴量処理部53は、この抽出した人物領域から、例えば、楕円のハフ変換によって、あるいは、頭部のモデル(テンプレート)を用いたパターンマッチングによって、顔領域を抽出する(S602)。次に、特徴量処理部53は、目領域および頬領域を抽出するために、この抽出した顔領域の画像から、エッジフィルタでエッジを抽出してエッジ画像を生成し、この生成したエッジ画像を上下左右に4つに分割し、上下方向の中央位置またはこの中央位置よりやや上部に位置する水平方向に横長な左右一対の楕円形状を、例えば、楕円のハフ変換によって、あるいは、目のモデル(テンプレート)を用いたパターンマッチングによって、左右1対の目領域として抽出し、この抽出した目領域に対し下部一定領域を頬領域として抽出する(S603)。この抽出された頬領域の画像が分析対象画像における頬部分とされる。次に、特徴量処理部53は、この抽出した左右1対の目領域の少なくとも一方から、その画素値から白目領域と黒目領域とに分け、分析対象画像における白目領域の画像(白目画像、白目部分)と、分析対象画像における黒目領域の画像(黒目画像、黒目部分)とを抽出する(S604)。次に、特徴量処理部53は、白目部分、黒目部分および頬部分から各分析時特徴量を求める(S605)。より詳しくは、特徴量処理部53は、前記抽出した白目部分における赤成分を、例えば白目部分における各画素の各赤成分を平均することによって求め、前記抽出した白目部分における青成分を、例えば白目部分における各画素の各青成分を平均することによって求め、前記抽出した白目部分における緑成分を、例えば白目部分における各画素の各緑成分を平均することによって求める。これによって、白目部分の色(赤成分、青成分、緑成分)が白目部分に関する第1特徴量として求められ、白目部分の赤成分および青成分が白目部分に関する第2特徴量として求められる。同様に、特徴量処理部53は、前記抽出した黒目部分における赤成分を、例えば黒目部分における各画素の各赤成分を平均することによって求め、前記抽出した黒目部分における青成分を、例えば黒目部分における各画素の各青成分を平均することによって求め、前記抽出した黒目部分における緑成分を、例えば黒目部分における各画素の各緑成分を平均することによって求め、これらに基づいて黒目部分における明度を求める。これによって、黒目部分の色(赤成分、青成分、緑成分)が黒目部分に関する第1特徴量として求められ、黒目部分の明度が黒目部分に関する第2特徴量として求められる。同様に、特徴量処理部53は、前記抽出した頬部分における赤成分を、例えば頬部分における各画素の各赤成分を平均することによって求め、前記抽出した頬部分における青成分を、例えば頬部分における各画素の各青成分を平均することによって求め、前記抽出した頬部分における緑成分を、例えば頬部分における各画素の各緑成分を平均することによって求め、これらに基づいて頬部分における明度を求める。これによって、頬部分の色(赤成分、青成分、緑成分)が頬部分に関する第1特徴量として求められ、頬部分の明度が頬部分に関する第2特徴量として求められる。なお、左右1対の目領域の両方が用いられる場合には、左右それぞれの各目領域で、各赤成分、各青成分、各緑成分および各明度が求められ、赤成分、青成分、緑成分および明度それぞれで、その平均が求められ、各平均値が最終的な赤成分、青成分、緑成分および明度の各値とされればよい。次に、これら赤成分、青成分、緑成分および明度における色ズレを補正するために、特徴量処理部53は、処理S3において撮像部3で撮像した分析対象画像の色補正用領域の色を求め、この求めた色補正用領域の色と基準色記憶部66に記憶された基準色とに基づいて各成分の補正値を求める。そして、特徴量処理部53は、前記求めた白目部分における赤成分、青成分および緑成分、前記求めた黒目部分における赤成分、青成分、緑成分および明度、ならびに、前記求めた頬目部分における赤成分、青成分、緑成分および明度それぞれを各補正値で補正して、各分析時特徴量として補正後の白目部分の色、赤成分および緑成分、黒目部分の色および明度、ならびに、頬部分の色および明度を求める。これによって例えば経年劣化等による照明部2における照明光の変化に起因する色ズレを補正した、各分析時特徴量としての、白目部分の色、赤成分および緑成分、黒目部分の色および明度、ならびに、頬部分の色および明度が求められる。なお、上述では、明度自体が補正されたが、色ズレ補正後の赤成分、青成分および緑成分を用いることによって色ズレ補正後の明度が求められても良い。
【0071】
図5に戻って、このような処理S6の実行後に、身体状態分析装置Dは、制御処理部5の分析部54によって、処理S5において使用者判定部52で判定された使用者識別情報の使用者における、基準特徴量記憶部62に記憶された判定基準特徴量と、処理S6において特徴量処理部53で求めた分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析する分析処理を実行する(S7)。
【0072】
本実施形態では、白目部分の色、黒目部分の色および頬部分の色に基づいて所定の病気の可能性を分析するので、一例では、前記黒目部分の色について、図9において、分析部54は、まず、前記処理S605で求めた第1分析時特徴量(第1特徴量の分析時特徴量)としての黒目部分の色(赤成分、青成分、緑成分)が第2正常範囲内であるか否かを判定する(S710)。この判定の結果、黒目部分の色が第2正常範囲内である場合(Yes)には、分析部54は、異常無しと判定し(S713)、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、次に、処理S8を実行する。一方、前記判定の結果、黒目部分の色が第2正常範囲内ではない場合(No)には、分析部54は、次に、処理S711を実行する。
【0073】
この処理S711では、分析部54は、前記処理S605で求めた第2分析時特徴量(第2特徴量の分析時特徴量)としての黒目部分における色の明度が高いか否かが判定される。より具体的には、前記処理S502で前記照合画像に一致すると判定された使用者識別情報(登録画像)をベース情報テーブルTBの使用者識別情報フィールド621に登録するレコードにおける、判定基準特徴量フィールド622に登録されている白内障、翼状片用の判定基準特徴量が、記憶部6から読み出されて取得され、前記処理S605で求めた第2分析時特徴量としての黒目部分の色における明度から、この取得した白内障、翼状片用の判定基準特徴量を減算した第3減算結果が、前記処理S505で取得した第3判定閾値以上のプラス値であるか否かが判定される。この判定の結果、明度が高くない、すなわち、前記第3減算結果が前記第3判定閾値以上のプラス値ではない場合(No)には、分析部54は、白内障、翼状片のうちの少なくともいずれかの可能性の点で、異常無しと判定し、次に、処理S712を実行する。一方、前記判定の結果、明度が高い、すなわち、前記第3減算結果が前記第3判定閾値以上のプラス値である場合(Yes)には、白内障、翼状片のうちの少なくともいずれかの可能性が有ると判定し(S715)、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、次に、処理S8を実行する。
【0074】
この処理S712では、分析部54は、前記処理S605で求めた第2分析時特徴量(第2特徴量の分析時特徴量)としての黒目部分における色の明度が低いか否かが判定される。より具体的には、前記処理S502で前記照合画像に一致すると判定された使用者識別情報(登録画像)をベース情報テーブルTBの使用者識別情報フィールド621に登録するレコードにおける、判定基準特徴量フィールド622に登録されている網膜出血等用の判定基準特徴量が、記憶部6から読み出されて取得され、前記処理S605で求めた第2分析時特徴量としての黒目部分の色における明度から、この取得した網膜出血等用の判定基準特徴量を減算した第4減算結果が、前記処理S505で取得した第4判定閾値以上のマイナス値であるか否かが判定される。この判定の結果、明度が低くない、すなわち、前記第4減算結果が前記第4判定閾値以上のマイナス値ではない場合(No)には、分析部54は、網膜出血、網膜色素変性症、網膜脈絡膜萎縮、網膜脈絡膜炎、視神経萎縮および視神経炎のうちの少なくともいずれかの可能性の点で、異常無しと判定し(S713)、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、次に、処理S8を実行する。一方、前記判定の結果、明度が低い、すなわち、前記第4減算結果が前記第4判定閾値以上のマイナス値である場合(Yes)には、分析部54は、網膜出血、網膜色素変性症、網膜脈絡膜萎縮、網膜脈絡膜炎、視神経萎縮および視神経炎のうちの少なくともいずれかの可能性が有ると判定し(S714)、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、次に、処理S8を実行する。
【0075】
そして、一例では、前記白目部分の色について、図10において、分析部54は、まず、前記処理S605で求めた第1分析時特徴量(第1特徴量の分析時特徴量)としての白目部分の色(赤成分、青成分、緑成分)が第1正常範囲内であるか否かを判定する(S720)。この判定の結果、白目部分の色が第1正常範囲内である場合(Yes)には、分析部54は、異常無しと判定し(S723)、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、次に、処理S8を実行する。一方、前記判定の結果、白目部分の色が第1正常範囲内ではない場合(No)には、分析部54は、次に、処理S721を実行する。
【0076】
この処理S721では、分析部54は、前記処理S605で求めた第2分析時特徴量(第2特徴量の分析時特徴量)としての白目部分の色における青成分が低いか否かが判定される。より具体的には、前記処理S502で前記照合画像に一致すると判定された使用者識別情報(登録画像)をベース情報テーブルTBの使用者識別情報フィールド621に登録するレコードにおける、判定基準特徴量フィールド622に登録されている黄疸用の判定基準特徴量を記憶部6から読み出して取得し、前記処理S605で求めた第2分析時特徴量としての白目部分の色における青成分から、この取得した黄疸用の判定基準特徴量を減算した第1減算結果が、前記処理S505で取得した第1判定閾値以上のマイナス値であるか否かが判定される(S721)。この判定の結果、青成分が低くない、すなわち、前記第1減算結果が前記第1判定閾値以上のマイナス値ではない場合(No)には、分析部54は、黄疸の可能性の点で、異常無しと判定し、次に、処理S722を実行する。一方、前記判定の結果、青成分が低い、すなわち、前記第1減算結果が前記第1判定閾値以上のマイナス値である場合(Yes)には、分析部54は、黄疸の可能性が有ると判定し(S725)、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、次に、処理S8を実行する。
【0077】
前記処理S722では、分析部54は、前記処理S605で求めた第2分析時特徴量(第2特徴量の分析時特徴量)としての白目部分の色における赤成分が高いか否かが判定される。より具体的には、前記処理S502で前記照合画像に一致すると判定された使用者識別情報(登録画像)をベース情報テーブルTBの使用者識別情報フィールド621に登録するレコードにおける、判定基準特徴量フィールド622に登録されている結膜炎用の判定基準特徴量を記憶部6から読み出して取得し、前記処理S605で求めた第2分析時特徴量としての白目部分の色における赤成分から、この取得した結膜炎用の判定基準特徴量を減算した第2減算結果が、前記処理S505で取得した第2判定閾値以上のプラス値であるか否かが判定される。この判定の結果、赤成分が高くない、すなわち、前記第2減算結果が前記第2判定閾値以上のプラス値ではない場合(No)には、分析部54は、結膜炎の可能性の点で、異常無しと判定し(S723)、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、次に、処理S8を実行する。一方、前記判定の結果、赤成分が高い、すなわち、前記第2減算結果が前記第2判定閾値以上のプラス値である場合(Yes)には、分析部54は、結膜炎の可能性が有ると判定し(S724)、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、次に、処理S8を実行する。
【0078】
さらに、一例では、前記頬部分の色について、図11において、分析部54は、まず、前記処理S605で求めた第1分析時特徴量(第1特徴量の分析時特徴量)としての頬部分の色(赤成分、青成分、緑成分)が第3正常範囲内であるか否かを判定する(S730)。この判定の結果、頬部分の色が第3正常範囲内である場合(Yes)には、分析部54は、異常無しと判定し(S732)、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、次に、処理S8を実行する。一方、前記判定の結果、頬部分の色が第3正常範囲内ではない場合(No)には、分析部54は、次に、処理S731を実行する。
【0079】
この処理S731では、分析部54は、前記処理S605で求めた第2分析時特徴量(第2特徴量の分析時特徴量)としての頬部分の色における明度が低いか否かが判定される。より具体的には、前記処理S502で前記照合画像に一致すると判定された使用者識別情報(登録画像)をベース情報テーブルTBの使用者識別情報フィールド621に登録するレコードにおける、判定基準特徴量フィールド622に登録されている腎臓病用の判定基準特徴量を記憶部6から読み出して取得し、前記処理S605で求めた第2分析時特徴量としての頬部分の色における明度から、この取得した黄疸用の判定基準特徴量を減算した第5減算結果が、前記処理S505で取得した第5判定閾値以上のマイナス値であるか否かが判定される。この判定の結果、明度が低くない、すなわち、前記第5減算結果が前記第5判定閾値以上のマイナス値ではない場合(No)には、分析部54は、腎臓病の可能性の点で、異常無しと判定し、次に、処理S732を実行する。一方、前記判定の結果、明度が低い、すなわち、前記第5減算結果が前記第5判定閾値以上のマイナス値である場合(Yes)には、分析部54は、腎臓病の可能性が有ると判定し(S733)、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、次に、処理S8を実行する。
【0080】
図5に戻って、処理S8では、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、前記処理S7で何らかの病気の可能性があると判定されたか否かを判定する。本実施形態では、制御処理部5は、白内障および翼状片のうちの少なくともいずれかの可能性、網膜出血、網膜色素変性症、網膜脈絡膜萎縮、網膜脈絡膜炎、視神経萎縮および視神経炎のうちの少なくともいずれかの可能性、黄疸の可能性、結膜炎の可能性、ならびに、腎臓病の可能性、のうちの少なくともいずれかが可能性有りと判定されたか否かを判定する。この判定の結果、白内障および翼状片のうちの少なくともいずれかの可能性、網膜出血、網膜色素変性症、網膜脈絡膜萎縮、網膜脈絡膜炎、視神経萎縮および視神経炎のうちの少なくともいずれかの可能性、黄疸の可能性、結膜炎の可能性、ならびに、腎臓病の可能性の全てが無いと判定されている場合(No)には、身体状態分析装置Dは、本処理を終了し、一方、前記判定の結果、白内障および翼状片のうちの少なくともいずれかの可能性、網膜出血、網膜色素変性症、網膜脈絡膜萎縮、網膜脈絡膜炎、視神経萎縮および視神経炎のうちの少なくともいずれかの可能性、黄疸の可能性、結膜炎の可能性、ならびに、腎臓病の可能性、のうちの少なくともいずれか1つが可能性有りと判定されている場合(Yes)には、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、分析結果の処理を実行し(S9)、本処理を終了する。
【0081】
この分析結果の処理S9では、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、分析結果等を記憶し、必要に応じた分析結果の表示を実行する。より具体的には、図12において、制御処理部5は、分析結果等を記憶部6に記憶する(S901)。より詳しくは、制御処理部5は、前記処理S502で前記照合画像に一致すると判定された使用者識別情報(登録画像)をベース情報テーブルTBの使用者識別情報フィールド621に登録するレコードにおける、過去身体状態情報フィールド623に分析結果を追加して登録する。これによって今般の分析結果が記憶部6に記憶(記録)される。
【0082】
次に、制御処理部5は、前記処理S554の判定結果に基づいて、処理S7における分析結果に含まれる病名全てが治療中の病名か否かを判定する。この判定の結果、病名全てが治療中である場合(Yes)には、制御処理部5は、処理を終了する。一方、病名全てが治療中ではない場合(No)には、制御処理部5は、分析結果を表示部4に表示し、処理を終了する。ここで、表示部4には、好ましくは、分析結果から、治療中の病名を除いた残余の分析結果が表示されて良いが、分析結果の全てが表示部4に表示されても良い。このように表示部4は、前記分析部で分析された身体状態の分析結果を外部に出力する出力部の一例に相当する。なお、必要に応じて、処理S7の分析結果は、通信IF部7から外部の機器へ出力されても良い。この場合、通信IF部7は、前記分析部で分析された身体状態の分析結果を外部に出力する出力部の他の一例に相当する。
【0083】
以上説明したように、本実施形態における身体状態分析装置Dおよびこれに実装された身体状態測定方法は、ミラー1に設けられた撮像部3で、ミラー1の前方を撮像することによって分析対象画像を生成し、この分析対象画像に基づいて、識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者Obか否かを判定し、この判定の結果、識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者Obであると判定された場合に、この判定された使用者識別情報の使用者Obにおける、判定基準特徴量と、前記分析対象画像に基づいて求められた分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析し、その分析結果を外部に出力する。したがって、上記身体状態分析装置Dおよび身体状態分析方法は、ミラー1に設けられた撮像部3で、ミラー1の前方を撮像することによって分析対象画像を生成するので、例えば、洗顔、歯磨き、メイクアップ、ヘアセット、コンタクトレンズの取付け、その取外し等の日常生活における行動の中でミラー1を見る自然な動作の際に意識することなく、身体状態を分析でき、その分析結果の出力を参照することで、前記自然な動作の際に、日々の身体状態をチェックできる。そして、上記身体状態分析装置Dおよび身体状態分析方法は、その身体状態の分析の際に、識別情報記憶部61に記憶された使用者識別情報の使用者Obか否かを判定し、この判定された使用者識別情報の使用者Obにおける、判定基準特徴量と分析時特徴量とに基づいて、身体状態を分析するので、当該身体状態分析装置Dおよび身体状態分析方法が複数の使用者によって使用される場合でも、当該使用者Obの判定基準特徴量で身体状態を分析するから、より適正に身体状態を分析できる。
【0084】
上記身体状態分析装置Dおよび身体状態分析方法は、識別情報記憶部61に記憶されている使用者識別情報を、撮像部3で撮像した分析対象画像に基づいて更新して識別情報記憶部61に記憶するので、使用者Obの容貌が変化しても、より適切に使用者Obを判定できる。したがって、当該使用者Obの判定基準特徴量で身体状態が分析されるから、上記身体状態分析装置および身体状態分析方法は、より適正に身体状態を分析できる。
【0085】
上記身体状態分析装置Dおよび身体状態分析方法は、使用者における、身体状態の分析に用いる判定閾値を記憶し、この使用者の判定閾値でその身体状態を分析する。したがって、上記身体状態分析装置Dおよび身体状態分析方法は、使用者個々人に応じて判定閾値をカスタマイズでき、より適正に身体状態を分析できる。
【0086】
上記身体状態分析装置Dおよび身体状態分析方法は、使用者判定部52で判定された使用者識別情報の使用者における過去身体状態情報に基づいて、正常範囲を調整する。したがって、上記身体状態分析装置Dおよび身体状態分析方法は、使用者個々人の過去身体状態情報を考慮することで、より適正に使用者が正常範囲内であるか否かを判定できる。
【0087】
上記身体状態分析装置Dおよび身体状態分析方法は、使用者が正常範囲内である否かを判定した上で、前記正常範囲内ではない場合に、身体状態を分析する。したがって、上記身体状態分析装置および身体状態分析方法は、正常範囲内である場合に、身体状態を分析する処理をスキップでき、一方、2段階で解析するので、より適正に身体状態を分析できる。
【0088】
なお、上述の実施形態では、前記所定の特徴量は、白目部分の色や黒目部分の色や頬部分の色であったが、これに限定されるものではなく、病理診断に用いられる他の諸量であって良い。例えば、上述に代え、あるいは、上述に加えて、前記第1特徴量が頬部分の色である場合において、前記第2特徴量は、黄疸の可能性を好適に分析できることから、頬部分の色における青成分(色相の青成分)であり、肝硬変の可能性を好適に分析できることから、頬部分の色における明度であっても良い。頬部分の色における青成分において、第2分析時特徴量(第2特徴量の分析時特徴量)から判定基準特徴量を減算した第6減算結果が所定の第6判定閾値以上のマイナス値である場合に、黄疸の可能性が有ると判定される。頬部分の色における明度において、第2分析時特徴量から判定基準特徴量を減算した第7減算結果が所定の第7判定閾値以上のマイナス値である場合に、肝硬変の可能性が有ると判定される。これら第6および第7判定閾値は、上述の第1ないし第5判定閾値と同様に、肌色の違いに応じた複数の設定値が複数のサンプルから適宜にそれぞれ設定される。この黄疸の可能性や、肝硬変の可能性を分析する場合においても、第1ないし第3正常範囲と同様な正常範囲(第4正常範囲)が設けられても良い。さらに、この第4正常範囲は、過去身体状態情報に基づくだけでなく、例えば色黒や色白等に応じて調整されても良い。または、これら上述に代え、あるいは、これら上述に加えて、骨粗鬆症の可能性を好適に分析できることから、前記特徴量は、目の高さ位置であっても良い。目の高さ位置において、分析時特徴量から判定基準特徴量を減算した第8減算結果が所定の第8判定閾値以上のマイナス値である場合に、骨粗鬆症の可能性が有ると判定される。第8判定閾値は、その設定値が複数のサンプルから適宜に設定され、例えば1cmや2cmや3cm等の数センチに設定される。
【0089】
また、上述の実施形態において、身体状態分析装置Dは、図1に破線で示すように、撮像部3で撮像した複数の分析対象画像から複数の前記特徴量を求め、この求めた前記複数の特徴量の平均値を前記判定基準特徴量として求め、この求めた前記判定基準特徴量を基準特徴量記憶部62に記憶する判定基準特徴量生成部57を、制御処理部5に機能的にさらに備えても良い。例えば、判定基準特徴量生成部57は、上述の処理S505を実行する前に、または、上述の処理S505を実行した後に、処理S3において撮像部3で撮像した分析対象画像から前記特徴量を求め、この求めた前記特徴量と、使用者判定部52で判定された使用者識別情報の使用者Obにおける、基準特徴量記憶部62に記憶された判定基準特徴量との平均値を求め、この求めた平均値で基準特徴量記憶部62に記憶されていた判定基準特徴量を更新し記憶する。これによれば、使用者個々人の日々の変化に応じて判定基準特徴量が微調整され、より適正に身体状態が分析できる。また、前記準備期間中における判定基準特徴量の生成を、この判定基準特徴量生成部57が実施しても良い。
【0090】
また、上述の実施形態において、身体状態分析装置Dに端末装置PCを通信可能に接続しておき、処理S502の判定の結果、前記照合画像に一致する使用者識別情報(登録画像)が存在しない場合(No)に、身体状態分析装置Dは、新規に使用者を登録する処理を、処理S503の実行前に、実施しても良い。この新規に使用者を登録する処理では、まず、身体状態分析装置Dは、制御処理部5によって、新規登録するか否かのメッセージを端末装置PCに表示させ、返信を待機する。端末装置PCの返信が新規登録しないを意味する場合には、制御処理部5は、次に、処理S503を実行し、一方、端末装置PCの返信が新規登録するを意味する場合には、制御処理部5は、処理S3において撮像部3で撮像して取得した分析対象画像に基づいて使用者識別情報(照合画像)を生成し、使用者名、基本属性情報および過去身体状態情報の入力を促すメッセージを端末装置PCに表示させ、返信を待機する。この返信を受信すると、制御処理部5は、ベース情報テーブルTBに、新たなレコードを生成し、この新たに生成したレコードにおける使用者名フィールド611、基本属性情報フィールド612、使用者識別情報フィールド621および過去身体状態情報フィールド623それぞれに、使用者名、基本属性情報、使用者識別情報(照合画像)および過去身体状態情報それぞれを登録する。制御処理部5は、この基本属性情報に応じた第5判定閾値を前記新たに生成された判定閾値フィールド624に登録する。なお、過去身体状態情報は、上述と同様に、電子カルテを管理するサーバ装置SVから、使用者名を検索キーに検索され、ダウンロードされ、過去身体状態情報フィールド623に登録されても良い。そして、判定基準特徴量を生成する所定の準備期間が開始され、制御処理部5は、次に、処理S503を実行する。そして、前記所定の準備期間が経過すると、制御処理部5は、この準備期間中に求められた複数の前記所定の特徴量の平均値を判定基準特徴量として求め、これを、前記使用者識別情報を使用者識別情報フィールド621に登録するレコード、あるいは、前記使用者名を使用者名フィールド611に登録するレコードにおける判定基準特徴量フィールド622に登録する。このように新規に使用者を登録する処理が実行される。
【0091】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【符号の説明】
【0092】
D 身体状態分析装置
1 ミラー
2(2-1、2-2) 照明部
3 撮像部
4 表示部
5 制御処理部
6 記憶部
7 通信インターフェース部(通信IF部)
51 制御部
52 使用者判定部
53 特徴量処理部
54 分析部
55 識別情報更新部
56 正常範囲調整部
57 判定基準特徴量生成部
61 識別情報記憶部
62 基準特徴量記憶部
63 過去身体状態情報記憶部
64 閾値記憶部
65 正常範囲記憶部
66 基準色記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12