(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】光走査装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G02B 26/10 20060101AFI20220412BHJP
B41J 2/47 20060101ALI20220412BHJP
H04N 1/113 20060101ALI20220412BHJP
G02B 26/12 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
G02B26/10 F
B41J2/47 101D
H04N1/113
G02B26/12
(21)【出願番号】P 2018010207
(22)【出願日】2018-01-25
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】特許業務法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 慎也
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 亮
(72)【発明者】
【氏名】谷口 元
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-234977(JP,A)
【文献】特開2005-305964(JP,A)
【文献】特開2002-148542(JP,A)
【文献】特開2013-164483(JP,A)
【文献】特開平04-127116(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0109398(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10,26/12
B41J 2/47
H04N 1/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
光源からの光を偏向する偏向器と、
前記偏向器による偏向光を感光体へ導く光学素子と、
前記偏向器と前記光学素子とを収納するハウジングと、を有する光走査装置であって、
前記ハウジングは、底板と、前記底板の周囲から立設された側壁と、前記底板上に立設され、平面視において両端部が前記側壁に接合され、互いに平行な一対のリブと、が一体成形されており、
前記底板のうち、前記一対のリブに挟まれた領域は、当該底板の他の領域よりも、前記側壁の起立方向上方へ変位した部分を有している
ことを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
前記底板のうち、前記一対のリブに挟まれた領域全体が、当該底板の他の領域よりも、前記側壁の起立方向上方へ変位している
ことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項3】
前記底板のうち前記側壁の起立方向上方側へ変位した部分は段部になっており、
前記偏向器は、前記段部の前記側壁の起立方向上方側に支持される
ことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
【請求項4】
光源と、
光源からの光を偏向する偏向器と、
前記偏向器による偏向光を感光体へ導く光学素子と、
前記偏向器と前記光学素子とを収納するハウジングと、を有する光走査装置であって、
前記ハウジングは、底板と、前記底板の周囲から立設された側壁と、前記底板上に立設され、平面視において両端部が前記側壁に接合され、互いに平行な一対のリブと、が一体成形されており、
前記底板のうち、前記一対のリブに挟まれた領域は貫通孔を有している
ことを特徴とする光走査装置。
【請求項5】
前記偏向器は、当該偏向器の一部が前記貫通孔内に陥入した状態で、前記底板のうち前記貫通孔の周囲に支持される
ことを特徴とする請求項4に記載の光走査装置。
【請求項6】
前記底板は、前記側壁が立設された主面とは反対側の主面に立壁が配設されている
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の光走査装置。
【請求項7】
光源と、
光源からの光を偏向する偏向器と、
前記偏向器による偏向光を感光体へ導く光学素子と、
前記偏向器と前記光学素子とを収納するハウジングと、を有する光走査装置であって、
前記ハウジングは、
底板と、
前記底板の周囲から立設された側壁と、
前記底板上に立設され、平面視において両端部が前記側壁に接合され、互いに平行な一対のリブと、
前記側壁が立設された主面とは反対側の主面に配設された立壁と、が一体成形されて
おり、
前記立壁の起立方向上端から当該立壁が立設された前記底板の主面まで深さZ1は、前記側壁の起立方向上端から当該側壁が立設された前記底板の主面まで深さZ2よりも大きい
ことを特徴とする光走査装置。
【請求項8】
前記立壁は、前記側壁が立設された主面とは反対側の主面の周囲から立設されている
ことを特徴とする請求項6または7に記載の光走査装置。
【請求項9】
前記立壁の起立方向上端から当該立壁が立設された前記底板の主面まで深さZ1は、前記側壁の起立方向上端から当該側壁が立設された前記底板の主面まで深さZ2よりも大きい
ことを特徴とする請求項
6に記載の光走査装置。
【請求項10】
前記一対のリブに挟まれた領域と、前記リブと前記側壁とに挟まれた領域とのうちの少なくとも1つの領域において前記光学素子が前記底面に直接固定されている
ことを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の光走査装置。
【請求項11】
前記光学素子は、前記底面の両方の主面上に亘って配設されている
ことを特徴とする請求項1から10の何れかに記載の光走査装置。
【請求項12】
請求項1から11の何れかに記載の光走査装置と、
前記光走査装置の出射光を用いて静電潜像を形成する画像形成部と、を備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光走査装置及び画像形成装置に関し、特に、光走査装置が備えるハウジングの反りを抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置には、感光体を露光して静電潜像を形成するために光走査装置を用いるものがある。光走査装置は、ハウジング内に収納された偏向ミラーと光学素子とを用いて、LD(Laser Diode)が出射するレーザー光を偏向することによって、感光体表面を走査する。偏向ミラーは偏向器に保持されており、偏向器はハウジングの中央付近に配置されるのが一般的である。
【0003】
偏向器は露光時に偏向ミラーを回転駆動するが、この回転軸上に偏向ミラーの重心がないため、偏向ミラーは回転によって振動する。偏向ミラーの振動が偏向器とハウジングを経由して光学素子まで伝達し、これらの部材を振動させると、感光体(像面)でのビーム性能が変化する。
【0004】
ハウジングは中央付近において剛性が最も低いため、中央付近に配置された偏向器が振動すると、振動が大きくなり易い。また、単位時間当たりの画像形成枚数を増加させたり、高解像度化したりするためには、偏向ミラーの回転数を上げる必要があるが、偏向ミラーの回転数を上げると、偏向ミラーの振動が大きくなる。このため、これらの要因が重なると、ビーム性能の変化によって画像が劣化する恐れがある。
【0005】
このような問題に対して、例えば、ハウジングの中央付近の剛性を高める対策が提案されている(特許文献1を参照)。具体的には、
図12に示すように、矩形状の底板1201とその周囲から立設された側壁1202とを有するハウジング12において、底板1201の中央部付近に複数のリブ1203を立設し、当該リブ1203の両端を側壁1202に結合する。
【0006】
このようにすれば、ハウジング12中央部の剛性が高まるので、偏向ミラーの振動が底板1201に伝達しても、リブ1203によって底板1201の振動が規制される。従って、底板1201から光学素子へ伝達する振動エネルギーが抑制され、光学素子の振動が抑制されるので、画像の劣化を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ハウジング12は、
図13(a)に示すように、金型1301、1302に高温の成形材料を流し込むことによって成形される。この成形材料の熱は金型1301、1302に伝導し、更に金型1301、1302から周囲の空間へ放熱される。このため、金型1301、1302の外周部分は低温域になる。
【0009】
また、底板1201と側壁1202とで囲繞される空間のうち、リブ1203で仕切られた外側の空間1311、1312は、何れも上下側と側壁1202側が金型1301、1302の低温域になっているため、当該空間1311、1312の内部は金型1301の中温域になる。一方、リブ1203に挟まれた中央側の空間1313は、上下側は低温域になっているものの、リブ1203を搬さんだ空間1311、1312内は何れも中温域になっており、放熱し難いため、空間1313では金型1301の温度が高い高温域になる。
【0010】
図13(b)に示すように、ハウジング1330の成形材料が高温の液状から冷却によって固化する過程において、底板1331の2つの主面にそれぞれ接する金型1321、1322の表面温度が異なっていると、底板1331の高温側で低温側よりも収縮力が大きくなる。その結果、底板1331の2つの主面どうしで収縮差が発生して、成形後に底板1331が元の低温側へ湾出するように反る。
【0011】
ハウジング1330の底板1331に反りが発生すると、ハウジング1330の寸法精度が確保できないために偏向器や光学素子間での配置関係のズレが発生し、像面上でのビーム性能が確保できなくなる。
【0012】
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、高い寸法精度を有するハウジングを備えた光走査装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明に係る光走査装置は、光源と、光源からの光を偏向する偏向器と、前記偏向器による偏向光を感光体へ導く光学素子と、前記偏向器と前記光学素子とを収納するハウジングと、を有する光走査装置であって、前記ハウジングは、底板と、前記底板の周囲から立設された側壁と、前記底板上に立設され、平面視において両端部が前記側壁に接合され、互いに平行な一対のリブと、が一体成形されており、前記底板のうち、前記一対のリブに挟まれた領域は、当該底板の他の領域よりも、前記側壁の起立方向上方へ変位した部分を有していることを特徴とする。
【0014】
この場合において、前記底板のうち、前記一対のリブに挟まれた領域全体が、当該底板の他の領域よりも、前記側壁の起立方向上方へ変位してもよい。
【0015】
また、前記底板のうち前記側壁の起立方向上方側へ変位した部分は段部になっており、前記偏向器は、前記段部の前記側壁の起立方向上方側に支持されてもよい。
【0016】
また、光源と、光源からの光を偏向する偏向器と、前記偏向器による偏向光を感光体へ導く光学素子と、前記偏向器と前記光学素子とを収納するハウジングと、を有する光走査装置であって、前記ハウジングは、底板と、前記底板の周囲から立設された側壁と、前記底板上に立設され、平面視において両端部が前記側壁に接合され、互いに平行な一対のリブと、が一体成形されており、前記底板のうち、前記一対のリブに挟まれた領域は貫通孔を有していることを特徴とする。
【0017】
また、前記偏向器は、当該偏向器の一部が前記貫通孔内に陥入した状態で、前記底板のうち前記貫通孔の周囲に支持されてもよい。
【0018】
また、前記底板は、前記側壁が立設された主面とは反対側の主面に立壁が配設されてもよい。
【0019】
また、光源と、光源からの光を偏向する偏向器と、前記偏向器による偏向光を感光体へ導く光学素子と、前記偏向器と前記光学素子とを収納するハウジングと、を有する光走査装置であって、前記ハウジングは、底板と、前記底板の周囲から立設された側壁と、前記底板上に立設され、平面視において両端部が前記側壁に接合され、互いに平行な一対のリブと、前記側壁が立設された主面とは反対側の主面に配設された立壁と、が一体成形されており、前記立壁の起立方向上端から当該立壁が立設された前記底板の主面まで深さZ1は、前記側壁の起立方向上端から当該側壁が立設された前記底板の主面まで深さZ2よりも大きいことを特徴とする。
【0020】
また、前記立壁は、前記側壁が立設された主面とは反対側の主面の周囲から立設されてもよい。
【0021】
また、前記第2の側壁の起立方向上端から当該第2の側壁が立設された前記底板の主面まで深さZ1は、前記側壁の起立方向上端から当該側壁が立設された前記底板の主面まで深さZ2よりも大きいのが望ましい。
【0022】
また、前記一対のリブに挟まれた領域と、前記リブと前記側壁とに挟まれた領域とのうちの少なくとも1つの領域において前記光学素子が前記底面に直接固定されてもよい。
【0023】
また、前記光学素子は、前記底面の両方の主面上に亘って配設されているのが望ましい。
【0024】
また、本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る光走査装置と、前記光走査装置の出射光を用いて静電潜像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
このようにすれば、ハウジング底板の上面と下面との間の温度差に伴う収縮差により発生するソリが抑制されるので、ハウジングの寸法精度が確保され、偏向器や光学素子間での配置関係のズレが抑えられ、像面上でのビーム性能が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】画像形成装置1の主要な構成を示す図である。
【
図3】カバー部材201を取り外した光走査装置100の外観斜視図である。
【
図4】
図2のB-B線における光走査装置100の断面図である。
【
図5】ハウジング200を射出成形するための金型を例示する断面図である。
【
図6】(a)は第2の実施の形態に係るハウジング200の外観斜視図であり、(b)はハウジング200を射出成形するための金型を例示する断面図である。
【
図7】(a)は第3の実施の形態に係るハウジング200の外観斜視図であり、(b)はハウジング200を射出成形するための金型を例示する断面図である。
【
図8】(a)は本発明の変形例に係るハウジング200を上方から見た外観斜視図であり、(b)は下方から見た外観斜視図である。
【
図9】
図8(a)のC-C線におけるハウジング200の断面図である。
【
図10】本発明の変形例に係るハウジング200を射出成形するための金型を例示する断面図である。
【
図11】本発明の変形例に係るハウジング200の断面図である。
【
図12】従来技術に係るハウジング12の外観斜視図である。
【
図13】(a)は
図12のD-D線に相当する断面における断面図であって、従来技術に係るハウジング12を射出成形するための金型を例示し、(b)は底板1331と側壁1332を備えたハウジング1330を、金型1321、1322を用いて射出成形する際の底板1331の反りの発生メカニズムを説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る光走査装置及び画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1]第1の実施の形態
本発明の第1の実施の形態に係る光走査装置及び画像形成装置は、光走査装置のハウジングが底板に立設された2つのリブによって区画されており、2つのリブに挟まれた中央部分の底板が、両側部分の底板よりも高くなっている点を特徴とする。
(1-1)画像形成装置の構成
本実施の形態に係る画像形成装置は、所謂タンデム方式のデジタルカラープリンターであって、LAN(Local Area Network)等の通信網に接続され、PC(Personal Computer)等の他の装置から印刷ジョブを受付けると、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナー像を形成し、これらを多重転写してカラー画像を形成して、記録シートに転写、定着する。
【0028】
図1に示すように、画像形成装置1は、光走査装置100、作像部110Y、110M、110C、110K、給紙カセット130及び定着装置140等を有している。作像部110Y、110M、110C及び110Kはいずれも同様の構成を備えているので、以下では作像部110Yを例にとって説明する。なお、作像部110Y、110M、110C及び110K間で光走査装置100は共通に使用される。
【0029】
作像部110Yは、感光体ドラム111Y、帯電装置112Y、現像装置113Y、一次転写ローラー114Y及びクリーナー115Yを備えており、感光体ドラム111Yの外周面に沿って、帯電装置112Y、現像装置113Y、一次転写ローラー114及びクリーナー115Yが順次配設されている。
【0030】
帯電装置112Yは感光体ドラム111Yの外周面を一様に帯電させる。光走査装置100は、感光体ドラム111Yの外周面を露光して、静電潜像を形成する。現像装置113Yは、感光体ドラム111Yの外周面にY色のトナーを供給して静電潜像を現像し、Y色のトナー像を形成する。
【0031】
一次転写ローラー114は、中間転写ベルト121を挟んで感光体ドラム111Yと対向する位置に配設されており、感光体ドラム111Yの外周面上に担持されているY色のトナー像を中間転写ベルト121上に静電転写する(一次転写)。クリーナー115Yは、一次転写後に感光体ドラム111Yの外周面上に残留するトナーを掻き取って廃棄する。
【0032】
中間転写ベルト121は、無端状のベルトであり、駆動ローラー122と従動ローラー123に張架されて矢印A方向に周回駆動される。YMCK各色のトナー像を形成した作像部110Y、110M、110C及び110Kは、中間転写ベルト121の周回駆動に合わせて、YMCK各色のトナー像が互いに重なり合うように一次転写し、カラートナー像を形成する。
【0033】
駆動ローラー122には、中間転写ベルト121を挟んで二次転写ローラー124が圧接されており、これによって二次転写ニップ125が形成される。中間転写ベルト121に担持されたカラートナー像は、中間転写ベルトの周回駆動によって二次転写ニップ125まで搬送される。
【0034】
給紙カセット130は、記録シートSを収容する。ピックアップローラー131は、給紙カセット130に収容されている記録シートSを1枚ずつ繰り出す。繰り出された記録シートSは、先頭をレジストローラー132に突き当ててループを形成することによってスキュー補正される。
【0035】
中間転写ベルト121によるカラートナー像の搬送にタイミングを合わせて、レジストローラー132が回転駆動を開始されると、記録シートSが二次転写ニップ125まで搬送される。二次転写ローラー124には二次転写バイアスが印加されており、カラートナー像が中間転写ベルト121から記録シートSへ静電転写される(二次転写)。
【0036】
その後、記録シートSは定着装置140にてカラートナー像を溶融、圧着により定着され、排紙ローラー141によって排紙トレイ142上に排出される。
(1-2)光走査装置100の構成
次に、光走査装置100の構成について説明する。
【0037】
図2に示すように、光走査装置100は、ハウジング200にカバー部材201を取着したものであり、その外形は概ね直方体形状である。矩形状のカバー部材201にはスリット202Y、202M、202C及び202Kが設けられている。光走査装置100は、スリット202Y、202M、202C及び202Kから走査光210Y、210M、210C及び210Mを出射して、感光体ドラム111Y、111M、111C及び111Kの外周面を露光する。
【0038】
なお、以下においては、走査光210Y、210M、210C及び210Mの出射方向をZ方向、感光体ドラム111Y、111M、111C及び111Kの軸方向(主走査方向)をY方向、また、Z方向とY方向との何れにも直交する方向(副走査方向)をX方向と称する。
【0039】
図3及び
図4に示すように、ハウジング200は底板300、301及び302を備えている。底板300、301及び302の周囲からは側壁311、312、313及び314が立設されている。側壁311、312はY方向に長尺になっており、側壁313、314はX方向に長尺になっている。Z方向における側壁311、312、313及び314の先端(言い換えると、起立方向上端)から底板300までの深さは、Z方向における側壁311、312、313及び314の先端から底板301、302の深さの概ね半分である。
【0040】
底板300、301の境界はY方向に沿って延びており、リブ321が立設されている。同様に、底板300、302の境界はY方向に沿って延びており、リブ322が立設されている。リブ321とリブ322とは何れも両端が側壁313、314に達している。ハウジング200は、底板300、301及び302、側壁311、312、313及び314及びリブ321、322が射出成形によって一体形成されたものである。
【0041】
本実施の形態においては、リブ321、322はZ方向において側壁311、312、313及び314よりも低くなっているが、同じ高さであってもよい。
【0042】
側壁314のX方向における中央部分には貫通孔330a、330bがX方向に隣り合うように設けられており、半導体レーザー装置331a、331bがそれぞれ嵌設される。底板300の中央部には偏向ミラー334が配設されており、半導体レーザー装置331aは、互いに直交する偏光面を有する2本のレーザービーム210Y、210Mを偏向ミラー334に向かって出射する。レーザービーム210Y、210M(直線偏光)は、偏向ミラー334の偏向反射面に対して、一方がS偏光になり、他方がP偏光となっている。
【0043】
同様に、半導体レーザー装置331bもまた互いに直交する偏光面を有する2本のレーザービーム210C、210Kを偏向ミラー334に向かって出射する。なお、直線偏光のレーザービームを出射する2つの半導体レーザー装置からの出射ビームを、偏向ミラー334の偏向反射面に対して各々S偏光及びP偏光になるように合成してもよい。また、S偏光及びP偏光のレーザービームは各々1本ずつではなく、複数本であってもよい。
【0044】
半導体レーザー装置331aから偏向ミラー334に至るレーザービーム210Y、210Mの光路上には、半導体レーザー装置331a側から順にカップリングレンズ332a、シリンドリカルレンズ33aが配設されている。カップリングレンズ332aは、感光体ドラム111Y、111Mに至るまでの光学系の特性に応じて、レーザービーム210Y、210Mを平行光束、弱い発散光束及び弱い収束光束の何れかに変換する。シリンドリカルレンズ333aは、レーザービーム210Y、210Mを偏向ミラー334の偏向反射面上に結像させる。
【0045】
同様に、半導体レーザー装置331bから偏向ミラー334に至るレーザービーム210C、210Kの光路上にはカップリングレンズ332b、シリンドリカルレンズ33bが配設されており、カップリングレンズ332aはレーザービーム210C、210Kを平行光束、弱い発散光束及び弱い収束光束の何れかに変換し、シリンドリカルレンズ333aはレーザービーム210C、210Kを偏向ミラー334の偏向反射面上に結像させる。
【0046】
リブ321、322のY方向中央部にはスリット321s、322sが形成されており、偏向ミラー334に偏向反射面で反射されたレーザービーム210Y、210Mはスリット321sを通過し、走査光学系335aを経由して光束分離手段336aに入射する。光束分離手段336aは、レーザービーム210Y、210Mの偏光特性に応じて、レーザービーム210Yは透過させ、レーザービーム210Mは反射させる。
【0047】
その後、レーザービーム210Yは、折り返しミラー337a、338aで順次反射されることによって、感光体ドラム111Yに入射する。レーザービーム210Mは、折り返しミラー339aで反射され、感光体ドラム111Mに入射する。
【0048】
同様に、レーザービーム210C、210Kはスリット322sを通過して、走査光学系335bを経由して光束分離手段336bに入射する。レーザービーム210Cは、光束分離手段336b、折り返しミラー339bで反射され、感光体ドラム111Cに入射する。レーザービーム210Kは、光束分離手段336bを透過した後、折り返しミラー337b、338bで反射され、感光体ドラム111Kに入射する。
【0049】
偏向ミラー334の回転駆動によって、レーザービーム210Y、210M、210C及び210Kは感光体ドラム111Y、111M、111C及び111Kの外周面を走査、露光する。
【0050】
なお、折り返しミラー339a、339bで反射されたレーザービーム210M、210Cとの干渉を防止するために、偏向ミラー334をカバー部材に収容するのが望ましい。また、カバー部材201のスリット202Y、202M、202C及び202Kには、防塵ガラスを嵌設するのが好適である。
【0051】
折り返しミラー337a、338a、339a、337b、338b及び339bは何れも両端を側壁313、314に挿入することによって支持されているが、他の支持構造を採用してもよい。走査光学系335a、335bの支持構造についても本実施の形態には限定されない。
(1-3)成形時の温度分布
図5に示すように、ハウジング200は金型501、502を組み合わせることによって射出成形される。X方向における中央部の底板300は、Z方向における中央部に位置しているので、底板300、側壁313、314及びリブ321、322で囲まれた空間510は、底板300が他の底板301、302とZ方向において同じ位置にある場合と比較して浅くなっているので、金型501のZ方向上側へ放熱し易い。従って、成形時において空間510は中温域になる。
【0052】
一方、底板300の金型502側は、底板300、側壁313、314及びリブ321、322に囲まれた空間513になっている。このため、空間513は、金型502の底板301、302のZ方向下側に位置する低温域よりも温度が高い中温域になる。
【0053】
従って、底板300を挟んだ金型501、502の温度が小さいので、成形後に底板300に反りが発生するのが防止される。
[2]第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る画像形成装置は、上記第1の実施の形態に係る画像形成装置と概ね共通の構成を備える一方、ハウジング200の底板300に貫通孔が設けられている点で相違している。以下、主に相違点に着目して説明する。なお、本明細書においては、実施の形態並びに変形例の間で共通する部材等については共通の符号が付与されている。
【0054】
図6(a)に示すように、ハウジング200のX方向中央の底板300には貫通孔600が設けられている。
【0055】
ハウジング200は、金型601、602を組み合わせることによって、射出成形される。貫通孔600を形成するためには、貫通孔600に対応する位置に金型(図b(b)では金型602)が配置される。また、金型は熱伝導性が高いので、X方向中央部の空間610内の金型601の熱が、貫通孔600内を経由して、ハウジング200の下方の低温域611へ排出され、空間610が冷却される。
【0056】
従って、空間610と低温域611との温度差が小さくなるので、底板300の反りが抑制される。
【0057】
なお、貫通孔600を用いて偏向ミラー334及び偏向ミラーを回転駆動する偏向モーターを含む偏向器の位置決めを行ってもよい。
[3]第3の実施の形態
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る画像形成装置は、上記第1の実施の形態に係る画像形成装置と概ね共通の構成を備える一方、ハウジング200の底板300に段部が設けられている点で相違している。
【0058】
図7(a)に示すように、ハウジング200のX方向中央の底板300には段部700が設けられている。このようにすれば、段部700を設けない場合の底板300の面積よりも、段部700以外の底板300の面積が小さくなる。従って、段部700以外の底板300に接する箇所における空間710の温度を下げることができる。従って、底板300の空間710側と低温域611側との温度差が小さくなるので、底板300の反りを抑制することができる。
【0059】
なお、段部700を設ければ、底板300の剛性を高めることができるので、その意味においても底板300の反りを抑制することができる。また、底板300の段部700以外の箇所は段部700に対して窪んでいるので、偏向ミラー801を回転駆動する偏向モーターを収容する承け部として利用することができる。
[4]第4の実施の形態
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る画像形成装置は、ハウジング200の底板300の両面に光学素子や側壁が配設されていることを特徴としている。
【0060】
図8(a)に示すように、本実施の形態に係るハウジング200は、矩形状の底板300の周囲から側壁311、312、313及び314を立設したものである。側壁311、312、313及び314は底板300の上側だけでなく、下側までZ方向に延長されている。なお、本実施の形態において、底板300の上側とは、底板300の2つの主面のうち、偏向ミラー801が配設されている主面側をいい、下側は上側に対して反対側を指す。
【0061】
図9に示すように、側壁311、312、313及び314の高さは、底板300の上側ではZ2であり、底板300の下側ではZ1である。側壁311、312、313及び314は、上側よりも下側の方が高くなっている。すなわち、
Z1 > Z2 …(1)
である。なお、本実施の形態に係る光走査装置100は、底板300の上側と下側の両方にカバー部材(図示省略)が取着される。
【0062】
底板300の上側にはリブ321、322が立設されている。リブ321、322は、いずれも両端が側壁313、314に接続されており、Y方向に長尺になっている。リブ321、322には、それぞれビーム光900a、900bを通過させるためのスリット321s、322sが設けられている。側壁311、312、313及び314の先端にカバー部材を取着する都合上、リブ321、322の高さは、側壁311、312、313及び314の高さZ2以下になっている。
【0063】
底板300の上側のリブ321、322に挟まれた中央部には偏向ミラー801が配設されている。偏向ミラー801は、回転駆動されることによって、不図示の光源からの2本のビーム光900a、900bを偏向反射する。偏向反射された2本のビーム光900a、900bのうち一方のビーム光900aはスリット321sを通過して、fθレンズ802aに入射する。fθレンズ802aは走査光学系として機能する。fθレンズ802aを透過したビーム光900aは、折り返しミラー803aによって反射され、スリット804aを通過して底板300の下側へ進む。
【0064】
底板300の下側では、
図8(b)に示すように、ビーム光900aは折り返しミラー805aによって更に反射され、fθレンズ806aへ導かれる。fθレンズ806aを透過したビーム光900aは更に感光体ドラム111Yへ導かれ、感光体ドラム111Yの外周面を露光する。
【0065】
ビーム光900aと同様に、ビーム光900bはスリット322s、fθレンズ802b、折り返しミラー803b、スリット804b、折り返しミラー805b及びfθレンズ806bを経由して、感光体ドラム111Mの外周面を露光する(
図9)。感光体ドラム111C、111Kの外周面を露光するためには、同様の構成を備えた別の光走査装置100が用いられる。
【0066】
このようなハウジング200を射出成型する際には、
図10に示すように、金型1001、1002を組み合わせる。上述のように、側壁311、312、313及び314は、底板300の上側だけでなく、底板300の下側にまで亘って立設されている。このため、底板300と側壁311、312、313及び314の下側に囲まれた空間1003では、放熱による金型1002の温度低下が抑制されるため、中温域になる。
【0067】
底板300、リブ321、322及び側壁313、314に囲まれた空間510は、リブ321、322の高さが側壁313、314の上側の高さZ2以下になっており、側壁313、314の上側の高さZ2は下側の高さZ1よりも小さくなっている。このため、空間510は、上方の低温域への放熱によって温度低下し易くなっているので、中温域になる。従って、底板300の上側の空間510と下側の空間1003との温度差が小さくなる。
【0068】
また、底板300のX方向かつY方向の中央部分には偏向ミラー801を回転駆動する偏向モーター901を嵌設するための貫通孔1010が設けられており、当該貫通孔1010を経由して底板300の上側の空間410と下側の空間1003との間で熱が伝導することができる。この熱伝導によっても、底板300の上側と下側との温度差が低減される。従って、底板300の反りが抑制される。
【0069】
また、従来技術では、底板300の上側だけに光学素子を配設してビーム光を折り返すと、折り返した後のビーム光を受光する光学素子から底板300までの距離が大きくなる。この結果、底板300の振動に起因する光学素子の振動幅が大きくなると、感光体ドラムの外周面上で露光位置がぶれて画像品質の劣化を招き易い。
【0070】
これに対して、本実施の形態によれば、折り返しミラー803a、803bで折り返した後のビーム光900a、900bを底板300の下側に配設した光学素子で受光するので、光学素子から底板300までの距離を小さくすることができる。従って、底板300の振動に起因する光学素子の振動幅を小さく抑えることができるので、高い画質を達成することができる。
【0071】
なお、Z方向へビーム光を折り返さないことによっても、底板300の振動に起因する光学素子の振動幅を小さく抑えることができるが、この場合には、光学素子の配設位置を確保するために底板300の面積を大きくせざるを得なくなるので、ハウジングや光走査装置の大型化を招き、画像形成装置の省スペース化の要請に反することになる。
【0072】
また、本実施の形態においても、リブ321、322に挟まれた中央部分の底板300を、リブ321と側壁311に挟まれた部分の底板300や、リブ322と側壁312に挟まれた部分の底板300よりも上側に設けたり、中央部分の底板300に段部を設けたりしてもよい。このようにすれば、第1の実施の形態や第3の実施の形態において説明したように、空間510内の金型温度を低下させることができる。
【0073】
従って、側壁311、312、313及び314の高さZ1を低くしても、底板300の上下における温度差を小さくして、底板300の反りを抑制することができるので、ハウジング200を小型化することによって、光走査装置100や画像形成装置1の小型化を図ることができる。
[5]変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(4-1)上記第2の実施の形態においては、貫通孔600が側壁313から側壁314までのY方向全体に亘って設けられている場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて、Y方向における中央部分にのみ貫通孔600を設けたり、Y方向に沿って断続的に貫通孔600を設けたりしてもよい。
【0074】
また、側壁313、314に近い個所においては、側壁313、314に相当する箇所に注入された成形材料によっても金型601が昇温されるので、空間610の内部でも特に高温になり易い。これに対して、側壁313、314に近い個所に貫通孔600を設けたり、側壁313、314から遠い個所と比較してX方向における貫通孔600の幅を大きくしたりすれば、当該箇所の金型601の温度を効果的に低下させることができる。従って、底板300の反りを抑えて、更に寸法精度を向上させることができる。
(4-2)上記第3の実施の形態においては、底板300の段部700に挟まれた窪みに偏向モーターを収容する場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしてもよい。
【0075】
例えば、
図11に示すように、段部700の上に偏向ミラー810及び偏向モーター901を含む偏向器を配設してもよい。このようにすれば、走査光学系335a、335b等の配置に合わせて、Z方向における偏向ミラー801の位置を自由に調整することができる。また、底板300の反りを抑制して平面度を高めることができるので、Z方向における偏向ミラー801の位置を高い精度で調整することができる。
【0076】
更に、上述のように段部700を設けることによって底板300の剛性を高めることができるという意味で、偏向器の保持部の剛性を高めることができる。
(4-3)上記第3の実施の形態においては、底板300のうちリブ321、322に近い部分がZ方向に高くなり、X方向中央部分がZ方向に低くなるように段部700を設ける場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて、底板300のうちリブ321、322に近い部分がZ方向に低くなり、X方向中央部分がZ方向に高くなるように段部を設けてもよい。このようにしても、上記第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(4-4)上記第4の実施の形態においては、底板300の上側にだけリブ321、322を設ける場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて、底板300の下側までリブ321、322を延長してもよい。
【0077】
更に、側壁311、312、313及び314の上側の高さZ2と下側の高さZ1とを、ハウジング200の構造が、底板300について面対称になるので、リブ321、322に挟まれた底板300の中央部において、上側と下側との温度差を小さくし、底板300の反りを抑制することができる。また、下側の側壁311、312、313及び314の高さZ1を小さくすることができるので、光走査装置100を小型化し、画像形成装置1の省スペース化を図ることもできる。
(4-5)上記第4の実施の形態においては、
図9に示すように、fθレンズ805aが支持部材812aに支持され、折り返しミラー803a、805aが支持部材813aに支持され、fθレンズ806aが支持部材816aに支持され、同様にfθレンズ805b、折り返しミラー803b、805b及びfθレンズ806aがそれぞれ支持部材812b、813b及び816aに支持される場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、光走査装置100が備える光学素子の一部または全部が底面300に直接支持されてもよい。このようにすれば、底面300の振動に起因する光学素子の振動幅を小さくすることができるので、感光体ドラムの外周面上に形成される静電潜像の高画質化を貼ることができる。
(4-6)上記第4の実施の形態においては、底板300の上側と下側とで同じ位置に側壁311、312、313及び314を立設する場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて次のようにしてもよい。すなわち、底板300の上側だけ及び上側と下側との両方の何れに立壁を配設する場合でも、立壁の一部または全部が底板の外周以外の位置に配設されていてもよく、またZ方向からの平面視において上側の立壁と下側の立壁との一部または全部を異なる位置に配設してもよい。底板300における立壁の配設位置の如何に関わらず本発明の効果を得ることができる。
【0078】
底板300の形状は矩形状に限定されず、光走査装置100の形状は直方体形状に限定されないことも言うまでもない。
(4-7)上記第4の実施の形態においては、金型1001、1002を用いて偏向モーター901を嵌設するための貫通孔1010を成形する場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えて、射出成形を完了した後で底板300に貫通孔1010を穿孔してもよい。この場合には、射出成形時に貫通孔1010を通じた熱伝導は行われないが、底板300の下側にまで側壁311、312を立設することによって、空間1003が中温域となる。このため、リブ321、322に挟まれた中央部分の空間510と底板300の下側の空間1003との温度差を小さくすることができるので、底板300の反りを抑制することができる。
(4-8)上記実施の形態においては、ハウジング200を成形するための金型形状が示されているが、本発明がこれらに限定されないのは言うまでもなく、他の形状の金型を用いてもよいことは言うまでもない。また、1組の金型を用いて、複数のハウジング200を同時に成形してもよい。この場合にも、本発明を適用すれば同様の効果を得ることができる。
(4-9)上記実施の形態においては特に言及しなかったが、ハウジング200の底板300、301及び302に走査光学系335a、335bや光束分離手段336a、336b、折り返しミラー337a、337b、338a、338b、339a、339bを直接固定すれば、他の支持部材を介して固定する場合と比較して部品点数を低減することができるので、部品コストや製造コストを低減することができる。
【0079】
しかしながら、これらの光学素子を底板300、301及び302に直接固定すると、底板300、301及び302の寸法精度が光学精度や延いては画像品質に影響を及ぼし易くなる。これに対して、本発明のように、底板300の反りを低減すれば、光学素子の直接固定によるコスト低減と、高い画像品質の達成とを両立させることができる。
(4-10)上記実施の形態においては特に言及しなかったが、ハウジング200の材料としては、例えば、マルチロンDN-1525やザイロン等の樹脂やアルミニウムやマグネシウム等の金属を用いることができる。
(4-11)上記実施の形態においては、画像形成装置がタンデム方式のデジタルカラープリンターである場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、これに代えてタンデム方式以外の方式のデジタルカラープリンターであってもよいし、モノクロプリンターであってもよい。また、スキャナーを備えた複写装置やファクシミリ通信機能を備えたファクシミリ装置といった単機能機、或いはこれらの機能を兼ね備えた複合機(MFP: Multi-Function Peripheral)に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明に係る光走査装置及び画像形成装置は、偏向器などを収容するハウジングの反りを抑制した装置として有用である。
【符号の説明】
【0081】
1………………………………………画像形成装置
100…………………………………光走査装置
200…………………………………ハウジング
300、301、302……………底板
311、312、313、314…側壁
321、322………………………リブ
600…………………………………貫通孔
700…………………………………段部