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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】ランプユニット
(51)【国際特許分類】
   F21V 17/00 20060101AFI20220412BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220412BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20220412BHJP
【FI】
F21V17/00 200
F21Y115:10
F21Y115:15
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018125443
(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2020004665
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安部 俊也
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-037274(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0106445(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 17/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源からの光を配光制御する光学部品を有する光学部材と、
前記光学部材が取り付けられる取付面を有する取付部材と、
前記光学部材を前記取付部材に取り付ける締結具と、
を備え、
前記取付部材は、前記締結具が締結される締結穴を有し、前記取付面よりも前記光学部材側に突出する第1ボス部と、前記取付面から前記第1ボス部の基端面よりも高く、かつ、前記第1ボス部の先端面よりも短く突出する凸部とを有し、
前記光学部材は、前記第1ボス部よりも大径かつ前記締結具の頭部よりも小径の挿通穴を有する取付部を有し、
前記取付部は、前記挿通穴に前記第1ボス部が挿通された状態で、前記締結穴に締結された前記締結具の頭部と、前記取付部材の前記凸部とに挟み込まれて弾性変形した反力により、前記取付部材に対して保持される、
ことを特徴とするランプユニット。
【請求項2】
前記凸部の前記第1ボス部の基端面に対する突出長さは、前記第1ボス部の長さと前記取付部の厚みとの差よりも大きく、
前記第1ボス部の長さは、前記取付部の厚みより長い、
ことを特徴とする請求項1に記載のランプユニット。
【請求項3】
前記取付部材は、前記取付面から突出し、前記挿通穴よりも大径であり、先端面が前記第1ボス部の基端面となる第2ボス部をさらに有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のランプユニット。
【請求項4】
前記第1ボス部と前記凸部とは、前記取付部材の短手方向において一列に並ぶことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のランプユニット。
【請求項5】
前記取付部は、前記光学部材の長手方向の端部に設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のランプユニット。
【請求項6】
前記光学部材は、長手方向において複数のレンズが連なって形成されたレンズ部を有するレンズ部材であることを特徴とする請求項5に記載のランプユニット。
【請求項7】
前記光学部材は、長手方向に沿って延びる長穴状またはスリット状の第1位置決め部と、短手方向に沿って延びる長穴状またはスリット状の第2位置決め部とを有し、
前記取付部材は、前記第1位置決め部に嵌入される第1突出部と、前記第2位置決め部に嵌入される第2突出部とを有し、
前記第1位置決め部は、前記光学部材の前記長手方向の両端部に形成され、
前記第2位置決め部は、前記光学部品の1つの光軸と前記短手方向に沿って並ぶ位置に形成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のランプユニット。
【請求項8】
前記第1位置決め部は、前記光軸と前記長手方向に沿って並ぶ位置に形成されることを特徴とする請求項7に記載のランプユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源と、光源からの光を配光制御する光学部品を有する光学部材とを備えたランプユニットに関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、光学部材としてのリフレクタを、ベース部を介してヒートシンクにねじで固定する光学ユニットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-59643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の構造のように、ねじ止めにより光学部材と取付部材とを強固に固定した場合、光学部材の移動が規制される。そのため、熱影響などに起因して光学部材が膨張または収縮(寸法変化)しようとすると、光学部材に変形が発生する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光源からの光を配光制御する光学部材を取付部材に対して安定的に取り付けつつ、光学部材の変形の発生を抑制することが可能なランプユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、光源と、前記光源からの光を配光制御する光学部品を有する光学部材と、前記光学部材が取り付けられる取付面を有する取付部材と、前記光学部材を前記取付部材に取り付ける締結具と、を備え、前記取付部材は、前記締結具が締結される締結穴を有し、前記取付面よりも前記光学部材側に突出する第1ボス部と、前記取付面から前記第1ボス部の基端面よりも高く、かつ、前記第1ボス部の先端面よりも短く突出する凸部とを有し、前記光学部材は、前記第1ボス部よりも大径かつ前記締結具の頭部よりも小径の挿通穴を有する取付部を有し、前記取付部は、前記挿通穴に前記第1ボス部が挿通された状態で、前記締結穴に締結された前記締結具の頭部と、前記取付部材の前記凸部とに挟み込まれて弾性変形した反力により、前記取付部材に対して保持される、ことを特徴とする。
【0007】
また、前記凸部の前記第1ボス部の基端面に対する突出長さは、前記第1ボス部の長さと前記取付部の厚みとの差よりも大きく、前記第1ボス部の長さは、前記取付部の厚みより長いことが好ましい。
【0008】
また、前記取付部材は、前記取付面から突出し、前記挿通穴よりも大径であり、先端面が前記第1ボス部の基端面となる第2ボス部をさらに有することが好ましい。
【0009】
また、前記第1ボス部と前記凸部とは、前記取付部材の短手方向において一列に並ぶことが好ましい。
【0010】
また、前記取付部は、前記光学部材の長手方向の端部に設けられることが好ましい。
【0011】
また、前記光学部材は、長手方向において複数のレンズが連なって形成されたレンズ部を有するレンズ部材であることが好ましい。
【0012】
また、前記光学部材は、長手方向に沿って延びる長穴状またはスリット状の第1位置決め部と、短手方向に沿って延びる長穴状またはスリット状の第2位置決め部とを有し、前記取付部材は、前記第1位置決め部に嵌入される第1突出部と、前記第2位置決め部に嵌入される第2突出部とを有し、前記第1位置決め部は、前記光学部材の前記長手方向の両端部に形成され、前記第2位置決め部は、前記光学部品の1つの光軸と前記短手方向に沿って並ぶ位置に形成される、ことが好ましい。
【0013】
また、前記第1位置決め部は、前記光軸と前記長手方向に沿って並ぶ位置に形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかるランプユニットは、光源からの光を配光制御する光学部材を取付部材に対して安定的に取り付けつつ、光学部材の変形の発生を抑制することが可能なランプユニットを提供することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、ランプユニットを示す斜視図である。
図2図2は、ランプユニットを示す分解斜視図である。
図3図3は、ランプユニットを示す断面図である。
図4図4は、ランプユニットを示す正面図である。
図5図5は、光源基板を示す正面図である。
図6図6は、光源基板および第1レンズ部材が取り付けられたヒートシンクを示す正面図である。
図7図7は、ヒートシンクを示す正面図である。
図8図8は、図6におけるA-A矢視図である。
図9図9は、ねじが締結される前の第1レンズ部材およびヒートシンクの取付位置近傍を示す説明図である。
図10図10は、ねじ締結後の第1レンズ部材およびヒートシンクの取付位置近傍を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明にかかるランプユニットの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。以下の説明において、前後、上下、左右の各方向は、ランプユニットが車両に取り付けられた状態における方向であって、運転席から車両の進行方向を見た場合における方向を示す。なお、本実施形態では、上下方向は鉛直方向に平行であり、左右方向は水平方向であるとする。
【0017】
実施形態にかかるランプユニットの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、ランプユニットを示す斜視図であり、図2は、ランプユニットを示す分解斜視図であり、図3は、ランプユニットを示す断面図であり、図4は、ランプユニットを示す正面図である。実施形態において、図1から図4に示すランプユニット1は、車両に搭載される車両用前照灯である。ランプユニット1は、光源基板10と、光学部材としての第1レンズ部材20と、光学部材としての第2レンズ部材30と、取付部材としてのヒートシンク40と、締結具としてのねじ50、51、52とを備える。
【0018】
(光源基板)
光源基板10は、複数(本実施形態では、3つ)の光源11が取り付けられた長尺状の部材である。光源基板10は、例えば金属材料または樹脂材料等により形成される。光源基板10は、ヒートシンク40に取り付けられる。複数の光源11は、図2および図3に示すように、互いに間隔を空けつつ、光源基板10の長手方向に沿って並んで配置される。光源11は、本実施形態において、例えばLEDやOEL、OLED(有機EL)などの半導体型光源である。以下の説明では、適宜、図2および図3中の左側から順番に、「光源11a」、「光源11b」、「光源11c」と称する。光源基板10には、各光源11に電力を供給する給電部12が設けられている。給電部12は、図示しない電源装置に接続されている。
【0019】
(第1レンズ部材)
第1レンズ部材20は、光学部品として、複数の第1レンズ23を有する長尺状の部材である。本実施形態において、第1レンズ部材20は、例えばポリカーボネート系樹脂により形成される。第1レンズ部材20は、ヒートシンク40に取り付けられる。第1レンズ部材20は、図2および図3に示すように、複数の第1レンズ23を含むレンズ部21と、レンズ部21の周囲に延在する基部22とを有している。レンズ部21は、複数の第1レンズ23が連なって形成される。
【0020】
第1レンズ23は、図3に示すように、光源基板10に対して反対側に向けて凸形状を描く。第1レンズ23は、光源11a、11b、11cに対応した位置に、1つずつ設けられる。以下の説明では、適宜、各第1レンズ23を図3中の左側から順番に、「第1レンズ23a」、「第1レンズ23b」、「第1レンズ23c」と称する。第1レンズ23aは、光源11aに対応して設けられ、光源11aからの光を集光した集光配光パターンを形成するための集光用レンズである。また、第1レンズ23aは、集光配光パターンについて、カットオフラインを形成する。第1レンズ23bは、光源11bに対応して設けられ、光源11bからの光を中程度に拡散した中拡散配光パターンを形成する中拡散用レンズである。第1レンズ23cは、光源11cに対応して設けられ、光源11cからの光を第1レンズ23bよりも大きく拡散した拡散配光パターンを形成する拡散用レンズである。本実施形態において、第1レンズ23aの光軸AX1、第1レンズ23bの光軸AX2、第1レンズ23cの光軸AX3は、第1レンズ部材20の長手方向に沿って並んで配置される。
【0021】
(第2レンズ部材)
第2レンズ部材30は、光学部品として、複数の第2レンズ33を有する長尺状の部材である。第2レンズ部材30は、第1レンズ部材20よりも車両の進行方向側に配置される。本実施形態において、第2レンズ部材30は、例えばアクリル系樹脂により形成される。第2レンズ部材30は、ヒートシンク40に取り付けられる。第2レンズ部材30は、複数の第2レンズ33を含むレンズ部31と、レンズ部31の周囲に延在する基部32とを有している。レンズ部31は、図2および図3に示すように、出射部(正面部)311と、出射部311から延びる2つの脚部312とを有する。出射部311には、第2レンズ33が連なって形成されている。また、レンズ部31は、図1および図3に示すように、第1レンズ部材20を嵌入可能となるように、出射部311とは反対側が開口している。
【0022】
第2レンズ33は、図3に示すように、光源基板10側に向けて凸形状を描く。第2レンズ33は、光源11a、11b、11cに対応した位置に、1つずつ設けられる。以下の説明では、適宜、各第2レンズ33を図3中の左側から順番に、「第2レンズ33a」、「第2レンズ33b」、「第2レンズ33c」と称する。第2レンズ33aは、光源11aに対応して設けられ、第1レンズ23aと一致した光軸AX1を有する。第2レンズ33aは、第1レンズ23aと共に、上記集光配光パターンを形成する集光用レンズである。第2レンズ33bは、光源11bに対応して設けられ、第1レンズ23bと一致した光軸AX1を有する。第2レンズ33bは、第1レンズ23bと共に、上記中拡散配光パターンを形成する中拡散用レンズである。第2レンズ33cは、光源11cに対応して設けられ、第1レンズ23cと一致した光軸AX3を有する。第2レンズ33cは、第1レンズ23cと共に、上記拡散配光パターンを形成する。
【0023】
(ヒートシンク)
ヒートシンク40は、例えば金属材料等、熱伝導率が高い材料により形成される。ヒートシンク40は、樹脂材料により形成されてもよい。ヒートシンク40は、取付部41と、取付部41に設けられた複数のフィン42とを有する。取付部41には、ねじ50、51、52により、取付面41aに光源基板10、第1レンズ部材20、第2レンズ部材30が取り付けられる。複数のフィン42は、取付部41の光源基板10、第1レンズ部材20、第2レンズ部材30が取り付けられる取付面41aとは反対側に形成される。複数のフィン42は、ランプユニット1の各構成部材で発生した熱を外部に放熱する。
【0024】
次に、光源基板10、第1レンズ部材20および第2レンズ部材30のヒートシンク40に対する位置決め構造および固定構造について、図面を参照しながら説明する。図5は、光源基板を示す正面図であり、図6は、光源基板および第1レンズ部材が取り付けられたヒートシンクを示す正面図であり、図7は、ヒートシンクを示す正面図であり、図8は、図6におけるA-A矢視図であり、図9は、ねじが締結される前の第1レンズ部材およびヒートシンクの取付位置近傍を示す説明図であり、図10は、ねじ締結後の第1レンズ部材およびヒートシンクの取付位置近傍を示す説明図である。なお、図8から図10では、第1レンズ部材20について、後述する取付部232以外の記載を省略している。
【0025】
ここで、本実施形態において、光源基板10、第1レンズ部材20、第2レンズ部材30およびヒートシンク40の長手方向、短手方向および厚み方向は、一致している。以下の説明においては、光源基板10、第1レンズ部材20、第2レンズ部材30およびヒートシンク40の長手方向を「長手方向W」、短手方向を「短手方向H」、厚み方向(長手方向Wおよび短手方向Hと直交する方向)を「厚み方向D」と称する。
【0026】
(位置決め構造)
光源基板10は、図5に示すように、第1基板位置決め部101と、第2基板位置決め部102とを有する。第1基板位置決め部101は、光源基板10の長手方向Wにおける両端部に、1つずつ設けられる。本実施形態において、第1基板位置決め部101は、長手方向Wに沿って延びる長穴状に形成される。第1基板位置決め部101は、後述する第1レンズ部材20に形成される第1位置決め部201と、厚み方向Dからみて重なる位置に形成される。第2基板位置決め部102は、光源基板10の上辺に、短手方向Hに沿って延びるスリット状に形成される。第2基板位置決め部102は、後述する第1レンズ部材20に形成される第2位置決め部202と、厚み方向Dからみて重なる位置に形成される。
【0027】
第1レンズ部材20は、図6に示すように、基部22の両端部に形成された張出部24を有している。張出部24は、延出部241と、取付部242とを有する。延出部241は、基部22の短手方向Hにおける略中央部から、長手方向Wに沿って延びる。取付部242は、延出部241の端部に形成されている。取付部242は、延出部241と直交する方向、すなわち短手方向Hに沿って延びる。その結果、取付部242と基部22との間、すなわち延出部241の短手方向Hにおける両側には、切欠部25が形成されることになる。
【0028】
第1レンズ部材20は、図6に示すように、複数の光源11に対して位置決めされる基準点となる第1位置決め部201と、第2位置決め部202とを有する。第1位置決め部201は、延出部241に1つずつ形成されている。つまり、第1位置決め部201は、第1レンズ部材20の長手方向Wにおける両端部に、1つずつ設けられる。第1位置決め部201は、長手方向Wに沿って延びる長穴状に形成される。第2位置決め部202は、本実施形態では、レンズ部21の上方に延在する基部22に、1つ設けられる。第2位置決め部202は、短手方向Hに沿って延びる長穴状に形成される。
【0029】
ここで、図6に示すように、第1レンズ23aの光軸AX1は、第1位置決め部201の中心線(延長線)L1と第2位置決め部202の中心線(延長線)L2とが交差する位置、または、その近傍に配置される。第1位置決め部201は、各第1レンズ23の光軸AX1、AX2、AX3と、長手方向Wに沿って並ぶ位置に形成される。また、第2位置決め部202は、第1レンズ23aの光軸AX1と、短手方向Hに沿って並ぶ位置に形成される。本実施形態では、図中に一点鎖線で示すように、第1位置決め部201の長手方向Wに沿って延びる中心線L1が光軸AX1、AX2、AX3と重なる。また、第2位置決め部202の短手方向Hに沿って延びる中心線L2が光軸AX1と重なる。なお、「並ぶ位置に形成される」とは、中心線L1、L2が光軸AX1、AX2、AX3と重なる場合に限られない。第1位置決め部201は、中心線(延長線)L1上の近傍に光軸AX1、AX2、AX3が配置されればよく、第2位置決め部202は、中心線(延長線)L2上の近傍に光軸AX1が配置されればよい。例えば、図中に破線で囲んだ範囲に示すように、第1位置決め部201の短手方向Hにおける幅の範囲内に光軸AX1、AX2、AX3を配置し、第2位置決め部202の長手方向Wにおける幅の範囲内に、光軸AX1を配置してもよい。
【0030】
第2レンズ部材30は、図4に示すように、複数の光源11に対して位置決めされる基準点となる第3位置決め部301と、第4位置決め部302とを有する。第3位置決め部301は、第2レンズ部材30の長手方向Wにおける両端部に、1つずつ設けられる。第3位置決め部301は、レンズ部31の側方に延在する基部32に1つずつ設けられる。第3位置決め部301は、長手方向Wに沿って延びる長穴状に形成される。第4位置決め部302は、本実施形態では、レンズ部31の上方に延在する基部32に、1つ設けられる。第4位置決め部302は、短手方向Hに沿って延びるスリット状に形成される。
【0031】
ここで、図4に示すように、第2レンズ33aの光軸AX1は、第3位置決め部301の中心線(延長線)L3と第4位置決め部302の中心線(延長線)L4とが交差する位置、または、その近傍に配置される。第3位置決め部301は、各第2レンズ33の光軸AX1、AX2、AX3と、長手方向Wに沿って並ぶ位置に形成される。また、第4位置決め部302は、第2レンズ33aの光軸AX1と、短手方向Hに沿って並ぶ位置に形成される。本実施形態では、図中に一点鎖線で示すように、第3位置決め部301の長手方向Wに沿って延びる中心線L3が光軸AX1、AX2、AX3と重なる。また、第4位置決め部302の短手方向Hに沿って延びる中心線L4が光軸AX1と重なる。その結果、本実施形態では、第1位置決め部201と第3位置決め部301とが、長手方向Wに沿って並ぶ。また、第2位置決め部202と第4位置決め部302とが、短手方向Hに沿って並ぶ。なお、「並ぶ位置に形成される」とは、中心線L3、L4が光軸AX1、AX2、AX3と重なる場合に限られない。第3位置決め部301は、中心線(延長線)L3上の近傍に光軸AX1、AX2、AX3が配置されればよく、第4位置決め部302は、中心線(延長線)L4上の近傍に光軸AX1が配置されればよい。例えば、図中に破線で囲んだ範囲に示すように、第3位置決め部301の短手方向Hにおける幅の範囲内に光軸AX1、AX2、AX3を配置し、第4位置決め部402の長手方向Wにおける幅の範囲内に、光軸AX1を配置してもよい。
【0032】
ヒートシンク40は、図7に示すように、取付部41に形成されたピン状の第1突出部401、第2突出部402、第3突出部403および第4突出部404を有する。第1突出部401は、第1基板位置決め部101および第1位置決め部201に嵌入可能な位置に1つずつ形成される。第2突出部402は、第2基板位置決め部102および第2位置決め部202に嵌入可能な位置に1つ形成される。第3突出部403は、第3位置決め部301に嵌入可能な位置に1つずつ形成される。第4突出部404は、第4位置決め部302に嵌入可能な位置に1つ形成される。
【0033】
(取付構造)
光源基板10は、図5に示すように、複数のねじ挿通穴103を有する。複数のねじ挿通穴103は、光源基板10の長手方向Wにおける両端部に、2つずつ形成されている。ねじ挿通穴103は、上述した第1レンズ部材20に形成された切欠部25と、厚み方向Dからみて重なる位置に形成される。
【0034】
第1レンズ部材20は、図2に示すように、複数のねじ挿通穴203を有する。複数のねじ挿通穴203は、取付部242に1つずつ形成されている。ねじ挿通穴203は、後述するヒートシンク40に形成されるボス部43に対応した位置に設けられ、ボス部43の一部を挿通可能に形成されている。また、ねじ挿通穴203は、ねじ51の頭部51aよりも小径に形成される(図10参照)。
【0035】
第2レンズ部材30は、図2に示すように、複数のねじ挿通穴303を有する。複数のねじ挿通穴303は、第1レンズ部材20の短手方向Hにおける両端部に、2つずつ形成されている。ねじ挿通穴303は、レンズ部31の側方に延在する基部32に、2つずつ設けられる。
【0036】
ヒートシンク40は、図7に示すように、取付部41に形成された第1締結穴411および第2締結穴412を有する。第1締結穴411は、取付部41の両端部に2つずつ形成されている。第1締結穴411は、ねじ50(図2参照)を締結可能なねじ穴である。第1締結穴411は、ねじ挿通穴103と厚み方向Dからみて重なる位置に形成される。第2締結穴412は、第1締結穴411よりも外側で、取付部41の両端部に2つずつ形成されている。第2締結穴412は、ねじ52(図2参照)を締結可能なねじ穴である。第2締結穴412は、ねじ挿通穴303と厚み方向Dからみて重なる位置に形成される。
【0037】
また、ヒートシンク40は、図7に示すように、取付部41に形成された複数のボス部43を有する。本実施形態において、ボス部43は、ヒートシンク40の長手方向Wにおける両端部に、1つずつ形成されている。より詳細には、ボス部43は、第1突出部401と第3突出部403との間で、短手方向Hにおいて複数の凸部44の中央部に形成される。
【0038】
ボス部43は、図8に示すように、第1ボス部431と、第2ボス部432とを有する。第1ボス部431は、第2ボス部432から突出する。言い換えると、第1ボス部431は、第2ボス部432の先端面が基端面431aとなる。第1ボス部431は、第1レンズ部材20のねじ挿通穴203よりも小径に形成される。また、第1ボス部431は、図10に示すように、基端面431aから先端面431bにかけての長さLE1が、第1レンズ部材20の取付部242の厚みTよりも大きく形成されている。第2ボス部432は、取付面41aから突出する。第2ボス部432は、第1レンズ部材20のねじ挿通穴203よりも大径に形成される。
【0039】
また、ボス部43には、第1ボス部431および第2ボス部432の中心を貫通する締結穴433が形成されている。締結穴433は、ヒートシンク40の内部まで延びる。締結穴433は、ねじ51のねじ部51bが締結可能なねじ穴である。ボス部43は、締結穴433にねじ部51bが締結されたとき、第1ボス部431の先端面431bにおいて、頭部51aと当接する。
【0040】
さらに、ヒートシンク40は、複数の凸部44を有する。本実施形態において、凸部44は、図7に示すように、ヒートシンク40の長手方向Wにおける両端部に、2つずつ形成されている。より詳細には、凸部44は、ボス部43と短手方向Hにおいて一列に並び、ボス部43を挟んで2つ形成されている。凸部44は、図9に示すように、取付面41aから、第1ボス部431の基端面431aよりも長く、先端面431bよりも短く突出する。また、凸部44は、図10に示すように、第1ボス部431の基端面431aに対する突出長さLE2が、第1ボス部431の長さLE1と取付部242の厚みTとの差(図中の隙間Sの厚み方向Dの長さ)よりも大きい。なお、基端面431aに対する突出長さLE2とは、基端面431aから凸部44の頂点までの厚み方向Dにおける長さを意味する。
【0041】
(ランプユニットの組み付け)
ランプユニット1は、図2に示すように、ヒートシンク40に近い方から、光源基板10、第1レンズ部材20、第2レンズ部材30の順に並び、各部材がヒートシンク40の取付部41に取り付けられる。
【0042】
まず、ヒートシンク40の第1突出部401が、光源基板10の第1基板位置決め部101に嵌入される。それにより、ヒートシンク40に対する光源基板10の短手方向Hにおける移動が第1突出部401により規制され、光源基板10の短手方向Hにおける位置決めがなされる。また、図中の破線矢印に示すように、ヒートシンク40の第2突出部402が、光源基板10の第2基板位置決め部102に嵌入される。それにより、ヒートシンク40に対する光源基板10の長手方向Wにおける移動が第2突出部402により規制され、光源基板10の長手方向Wにおける位置決めがなされる。そして、各ねじ挿通穴103を介して、ねじ50がヒートシンク40の各第1締結穴411に締結される。
【0043】
次に、ヒートシンク40の第1突出部401が、第1レンズ部材20の第1位置決め部201に嵌入される。それにより、ヒートシンク40に対する第1レンズ部材20の短手方向Hにおける移動が第1突出部401により規制され、第1レンズ部材20の短手方向Hにおける位置決めがなされる。また、ヒートシンク40の第2突出部402が、第1レンズ部材20の第2位置決め部202に嵌入される。それにより、ヒートシンク40に対する第1レンズ部材20の長手方向Wにおける移動が第2突出部402により規制され、第1レンズ部材20の長手方向Wにおける位置決めがなされる。なお、図6に示すように、第1レンズ部材20には、切欠部25が形成されているため、ねじ50と第1レンズ部材20とが干渉することはない。
【0044】
このとき、図9に示すように、ねじ挿通穴203に第1ボス部431が挿通され、取付部242がヒートシンク40に形成された凸部44に当接する。そして、図10に示すように、ねじ挿通穴203を介して、ねじ51のねじ部51bがヒートシンク40の締結穴433に締結される。ねじ51は、頭部51aがボス部43の先端面431bに当接するまで、締結穴433にねじ込まれる。上述したように、凸部44の基端面431aに対する突出長さLE2は、第1ボス部431の長さLE1と取付部242の厚みTとの差(図中の隙間Sの厚み方向Dの長さ)よりも大きい。その結果、取付部242は、ねじ51の頭部51aにより取付面41a側に押圧され、凸部44を基点として弾性変形し、頭部51aと凸部44とに挟み込まれる。なお、図10では、説明のため、隙間Sを実際よりも大きく記載している。
【0045】
また、取付部242は、弾性変形した結果、頭部51aで押圧されている部分242aが基端面431a側に移動する。その結果、部分242aが基端面431aに当接することも考えられる。ただし、上述したように、第1ボス部431の長さLE1は、取付部242の厚みTよりも大きく形成されている。そのため、仮に取付部242の部分242aが基端面431aに当接したとしても、取付部242が基端面431aに押し付けられる力が過剰に大きくなることはない。このように、第1レンズ部材20は、ねじ51の頭部51aとヒートシンク40の凸部44とに挟み込まれて弾性変形した取付部242の反力を利用して、ヒートシンク40に取り付けられる。
【0046】
さらに、ヒートシンク40の第3突出部403が、第2レンズ部材30の第3位置決め部301に嵌入される。それにより、ヒートシンク40に対する第2レンズ部材30の短手方向Hにおける移動が第3突出部403により規制され、第2レンズ部材30の短手方向Hにおける位置決めがなされる。また、ヒートシンク40の第4突出部404が、第2レンズ部材30の第4位置決め部302に嵌入される。それにより、ヒートシンク40に対する第2レンズ部材30の長手方向Wにおける移動が第4突出部404により規制され、第2レンズ部材30の長手方向Wにおける位置決めがなされる。そして、各ねじ挿通穴303を介して、ねじ51がヒートシンク40の各第2締結穴412に締結される。これにより、第2レンズ部材30がヒートシンク40に固定され、図1に示すランプユニット1の組み付けが完了する。
【0047】
上述のように組み付けられたランプユニット1において、第1基板位置決め部101、第1位置決め部201および第3位置決め部301が長手方向Wに沿って延びる長穴状である。そのため、光源基板10、第1レンズ部材20、第2レンズ部材30の長手方向Wにおける熱による膨張または収縮(寸法変化)が許容される。また、第2基板位置決め部102、第2位置決め部202および第4位置決め部302が短手方向Hに沿って延びる長穴状またはスリット状である。そのため、光源基板10、第1レンズ部材20、第2レンズ部材30の短手方向Hにおける熱による膨張または収縮(寸法変化)が許容される。つまり、長手方向Wおよび短手方向Hの双方において、光源基板10、第1レンズ部材20、第2レンズ部材30の熱影響による熱による膨張または収縮(寸法変化)を吸収することができる。
【0048】
以上説明したように、実施形態にかかるランプユニット1では、第1レンズ部材20が、ねじ51の頭部51aとヒートシンク40の凸部44とに挟み込まれて弾性変形した取付部242の反力により、ヒートシンク40に取り付けられる。
【0049】
この構成により、凸部44の基端面431aに対する突出高さL2を調整すれば、取付部242に作用する反力の大きさを調整することができる。それにより、ねじ51の軸力で取付部242を圧縮しながら取付面41aに固定する場合に比べて、取付部242に作用する力を細やかに調整し、ひいては低減させることが可能となる。その結果、取付部242のヒートシンク40に対する移動を許容することができ、熱影響等に起因した第1レンズ部材20の膨張または収縮(寸法変化)を、取付部242のヒートシンク40に対する移動で吸収することが可能となる。したがって、実施形態の構成によれば、光源11からの光を配光制御する第1レンズ部材20をヒートシンク40に対して安定的に取り付けつつ、第1レンズ部材20の変形の発生を抑制することが可能なランプユニット1を提供することができる。
【0050】
また、第1ボス部431の基端面431aに対する突出長さLE2は、第1ボス部431の長さLE1と取付部242の厚みTとの差(図10中の隙間Sの厚み方向Dの長さ)よりも大きく、第1ボス部431の長さLE1は、取付部242の厚みTより大きい。
【0051】
この構成により、ねじ51の頭部51aにより取付部242を取付面41a側に押圧し、凸部44を基点として弾性変形させて、頭部51aと凸部44とに挟み込むことができる。また、第1ボス部431の長さLE1と取付部242の厚みTとの差よりも大きいため、取付部242が基端面431aに当接したとしても、取付部242に作用する力が過剰に大きくなることがない。したがって、取付部242に作用する力を低減させて、取付部242のヒートシンク40に対する移動を許容することが可能となる。
【0052】
また、ヒートシンク40は、取付面41aから突出し、ねじ挿通穴203よりも大径であり、先端面が第1ボス部431の基端面431aとなる第2ボス部432をさらに有する。
【0053】
この構成により、第1レンズ部材20の取付部242と、ヒートシンク40の取付面41aとの間に、第2ボス部432の長さ分だけスペースを形成することができる。その結果、図3に示すように、第1レンズ部材20とヒートシンク40との間に他の部材(実施形態では、光源基板10)を配置することが可能となる。
【0054】
また、第1ボス部431と凸部44とは、ヒートシンク40の短手方向Hにおいて一列に並ぶ。
【0055】
この構成により、ねじ51の頭部51aと凸部44との間で、取付部242を安定的に保持することができる。
【0056】
また、取付部242は、第1レンズ部材20の長手方向Wの端部に設けられる。
【0057】
この構成により、特に熱影響等に起因して膨張または収縮(寸法変化)が生じやすい第1レンズ部材20の長手方向Wについて、膨張または収縮(寸法変化)を許容して、変形の発生を抑制することができる。
【0058】
また、光学部材は、長手方向Wにおいて複数の第1レンズ23が連なって形成されたレンズ部21を有する第1レンズ部材20である。
【0059】
この構成により、長手方向Wにおいて第1レンズ23が連なることで、厚みが小さい部分と大きい部分が連続的に形成され、剛性が低下しがちな第1レンズ部材20について、膨張または収縮(寸法変化)を許容することで、変形の発生を抑制することができる。
【0060】
また、第1レンズ部材20は、長手方向Wに沿って延びる長穴状またはスリット状の第1位置決め部201と、短手方向Hに沿って延びる長穴状またはスリット状の第2位置決め部202とを有し、ヒートシンク40は、第1位置決め部201に嵌入される第1突出部401と、第2位置決め部202に嵌入される第2突出部402とを有し、第1位置決め部202は、第1レンズ部材20の長手方向Wの両端部に形成され、第2位置決め部202は、第1レンズ23aの光軸AX1と短手方向Hに沿って並ぶ位置に形成される。
【0061】
この構成により、第2位置決め部202が第1レンズ23aの光軸AX1と短手方向Hに沿って並ぶ位置に形成されるため、第1レンズ部材20は、熱影響を受けた場合、長手方向Hにおいて第1レンズ23aの光軸AX1を中心に膨張または収縮(寸法変化)することになる。その結果、特に熱による膨張または収縮(寸法変化)が生じやすい長手方向Wにおいて、第1レンズ23aの光軸AX1が初期位置からずれることを、抑制することができる。したがって、第1レンズ23aで形成する配光パターンを、より適切に維持することができる。
【0062】
また、第1位置決め部201が第1レンズ部材20の長手方向Wにおける両端部に形成されるため、第1位置決め部201が他の位置に形成される場合に比べて、短手方向Hにおける第1レンズ部材20の移動を、より安定的に規制することができる。その結果、例えばランプユニット1に振動、衝撃が加わったり、第1レンズ部材20をヒートシンク40にねじ50でねじ止めする際の摩擦トルクが加わったりしても、第1レンズ部材20が短手方向Hにおいて初期位置からずれることを抑制することができる。
【0063】
したがって、実施形態によれば、複数の光源11と、光源11ごとに対応した光学部品である第1レンズ23との位置関係を、より精度良く保持可能なランプユニット1を提供することができる。特に、実施形態の構成は、樹脂材料により形成され、熱影響等に起因して膨張または収縮(寸法変化)しやすい第1レンズ部材20を備えるランプユニット1への適用に好適である。
【0064】
また、第1位置決め部201は、光軸AX1と長手方向Wに沿って並ぶ位置に形成される。
【0065】
この構成により、第1レンズ部材20は、熱影響を受けた場合、短手方向Hにおいても第1レンズ23aの光軸AX1を中心に膨張または収縮(寸法変化)することになる。その結果、短手方向Hにおいても、第1レンズ23aの光軸AX1が初期位置からずれることを、抑制することができる。
【0066】
また、光源11が複数並んで設けられ、第1レンズ部材20との間でヒートシンク40に取り付けられた光源基板10をさらに備え、光源基板10は、第1位置決め部201に対応した位置に設けられ、長手方向Wに沿って延びる長穴状またはスリット状の第1基板位置決め部101と、第2位置決め部202に対応した位置に設けられ、短手方向Hに沿って延びるスリット状の第2基板位置決め部102と、を有し、第1突出部401は、第1位置決め部201および第1基板位置決め部101に嵌入され、第2突出部402は、第2位置決め部202および第2基板位置決め部102に嵌入される。
【0067】
この構成により、光源基板10と第1レンズ部材20とを同じ位置でヒートシンク40に対して位置決めすることができる。その結果、光源基板10と第1レンズ23a、23b、23cとの位置関係を、より精度良く維持することができる。また、位置決め用のピンである第1突出部401および第2突出部402を光源基板10と第1レンズ部材20とで共用することができるため、ヒートシンク40の構造を単純化することが可能となる。
【0068】
また、第1レンズ23aは、カットオフラインを有する配光パターンを形成する。
【0069】
この構成により、第1レンズ23aの光軸AX1が初期位置からずれることを抑制することで、配光パターンのカットオフラインを所望の位置に維持することができる。
【0070】
また、第1レンズ23aは、集光配光パターンを形成する。
【0071】
この構成により、第1レンズ23aの光軸AX1が初期位置からずれることを抑制することで、拡散配光パターンに比べて、光が所定の範囲に集中する集光配光パターンを、所望の位置に維持することができる。
【0072】
また、光学部材は、複数の光学部品として複数の第1レンズ23(23a、23b、23c)を有する第1レンズ部材20である。
【0073】
この構成により、第1レンズ23a、23b、23cの光源11に対する位置を、より精度良く維持することができる。
【0074】
また、光源11ごとに対応した位置に複数並んで設けられ、第1レンズ23と共に光源11からの光を配光制御する第2レンズ33を有する第2レンズ部材30をさらに備え、第2レンズ部材30は、長手方向Wに沿って延びる長穴状の第3位置決め部301と、短手方向Hに沿って延びるスリット状の第4位置決め部302とを有し、ヒートシンク40は、第3位置決め部301に嵌入される第3突出部403と、第4位置決め部302に嵌入される第4突出部404とを有し、第3位置決め部301は、第2レンズ部材30の長手方向Wの両端部に形成され、第4位置決め部302は、第2レンズ33aの光軸AX1と短手方向Hに沿って並ぶ位置に形成される。
【0075】
この構成により、第3位置決め部301および第3突出部403によって、短手方向Hにおいて第2レンズ部材30がヒートシンク40に対して位置決めされる。また、第4位置決め部302および第4突出部404によって、長手方向Wにおいて第2レンズ部材30がヒートシンク40に対して位置決めされる。
【0076】
そして、第3位置決め部302が第2レンズ33aの光軸AX1と短手方向Hに沿って並ぶ位置に形成される。そのため、第2レンズ部材30は、熱影響を受けた場合、長手方向Hにおいて第2レンズ33aの光軸AX1を中心に膨張または収縮(寸法変化)することになる。その結果、特に熱による膨張または収縮(寸法変化)が生じやすい長手方向において、第2レンズ33aの光軸AX1が初期位置からずれることを、抑制することができる。したがって、第2レンズ33aで形成する配光パターンを、より適切に維持することができる。
【0077】
また、第3位置決め部301が第2レンズ部材30の長手方向Wにおける両端部に形成される。そのため、第3位置決め部301が他の位置に形成される場合に比べて、短手方向Hにおける第2レンズ部材30の移動を、より安定的に規制することができる。その結果、例えばランプユニット1に振動、衝撃が加わったり、第2レンズ部材30をヒートシンク40にねじ51でねじ止めする際の摩擦トルクが加わったりしても、第2レンズ部材30が短手方向Hにおいて初期位置からずれることを抑制することができる。
【0078】
また、第3位置決め部301は、光軸AX1と長手方向Wに沿って並ぶ位置に形成される。
【0079】
この構成により、第2レンズ部材30は、熱影響を受けた場合、短手方向Hにおいても第2レンズ33aの光軸AX1を中心に膨張または収縮(寸法変化)することになる。その結果、短手方向Hにおいても、第2レンズ33aの光軸AX1が初期位置からずれることを、抑制することができる。
【0080】
また、本実施形態では、第1レンズ23aおよび第2レンズ33aの光軸AX1、第1レンズ23bおよび第2レンズ33bの光軸AX2、第1レンズ23cおよび第2レンズ33cの光軸AX3が、長手方向Wに沿って並んで配置される。そして、第1レンズ部材20の第2位置決め部202、第2レンズ部材30の第3位置決め部302が、光軸AX1、AX2、AX3のすべてと長手方向Wに沿って並ぶ。そのため、第1レンズ部材20または第2レンズ部材30が熱影響で膨張または収縮(寸法変化)したとしても、短手方向Hにおいて、光軸AX1、AX2、AX3のすべてが初期位置からずれることが抑制される。
【0081】
なお、本実施形態では、複数の光源11が設けられた光源基板10を用いるものとしたが、複数の光源11は、ヒートシンク40に直接取り付けられてもよい。この場合、光源基板10を配置するためのスペースが必要ない。そのため、ボス部43から第2ボス部432を省略してもよい。つまり、取付面41aから第1ボス部431を突出させてもよい。なお、取付面41aから第1ボス部431を突出させる場合、実施形態において説明した第1ボス部431の基端面431aは、取付面41aとなる。
【0082】
また、本実施形態では、短手方向Hにおいて1つの第1ボス部431を挟んで凸部44を2つ配置するものとしたが、第1ボス部431と凸部44との配置関係は、これに限られない。例えば、短手方向Hにおいて1つの凸部44を挟んで第1ボス部431(ボス部43)を2つ配置するものとしてもよい。また、第1ボス部431と凸部44とは、短手方向Hにおいて一列に並んで配置されなくてもよい。第1ボス部431と凸部44とは、ねじ51の頭部51aとヒートシンク40の凸部44とに挟み込まれて弾性変形した取付部242の反力により、第1レンズ部材20をヒートシンク40に取り付けられることができれば、いかなる配置関係であってもよい。
【0083】
また、本実施形態では、取付部232を第1レンズ部材20の長手方向Wの両端部に設けるものとしたが、取付部232の配置位置は、これに限られない。例えば、取付部232を第1レンズ部材20の長手方向Wの一端部にのみ設け、他端部では、ねじ51の軸力で第1レンズ部材20を圧縮しながらヒートシンク40に固定してもよい。また、取付部232は、第1レンズ部材20の短手方向Hにおける端部に設けられてもよい。
【0084】
また、第1基板位置決め部101、第2基板位置決め部102、第1位置決め部201、第2位置決め部202、第3位置決め部301および第4位置決め部302は、長穴状、スリット状のいずれに形成されてもよい。
【0085】
また、本実施形態では、第1レンズ部材20が複数の第1レンズ23が連なって形成された第1レンズ部21を有するものとしたが、第1レンズ部材20は、単一のレンズを有するものであってもよく、4つ以上のレンズを有するものであってもよい。
【0086】
また、本実施形態では、光学部材として第1レンズ部材20を用いる場合を例示として説明した。ただし、光学部材は、レンズに限られず、リフレクタであってもよい。
【0087】
また、本実施形態では、取付部材としてヒートシンク40を用いるものとしたが、取付部材は、ヒートシンク40以外の部材であってもよい。
【符号の説明】
【0088】
1 ランプユニット
10 光源基板
11、11a、11b、11c 光源
12 給電部
20 第1レンズ部材
21、31 レンズ部
22、32 基部
23、23a、23b、23c 第1レンズ
24 張出部
25 切欠部
30 第2レンズ部材
33、33a、33b、33c 第2レンズ
40 ヒートシンク
41 取付部
41a 取付面
42 フィン
43 ボス部
43a 先端面
44 凸部
50、51、52 ねじ
51a 頭部
51b ねじ部
101 第1基板位置決め部
102 第2基板位置決め部
103、203、303 ねじ挿通穴
201 第1位置決め部
202 第2位置決め部
241 延出部
242 取付部
301 第3位置決め部
302 第4位置決め部
311 出射部
312 脚部
401 第1突出部
402 第2突出部
403 第3突出部
404 第4突出部
411 第1締結穴
412 第2締結穴
431 第1ボス部
431a 基端面
431b 先端面
432 第2ボス部
433 締結穴
AX1、AX2、AX3 光軸
D 厚み方向
H 短手方向
L1、L2、L3、L4 中心線
W 長手方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10