(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】脱穀装置
(51)【国際特許分類】
A01F 12/22 20060101AFI20220412BHJP
A01F 12/18 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
A01F12/22 Z
A01F12/18 K
(21)【出願番号】P 2020154687
(22)【出願日】2020-09-15
【審査請求日】2020-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【氏名又は名称】松田 正道
(74)【代理人】
【識別番号】110000899
【氏名又は名称】特許業務法人新大阪国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上加 郁朗
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特許第4534836(JP,B2)
【文献】実開昭51-051370(JP,U)
【文献】特開昭55-054821(JP,A)
【文献】特許第3499067(JP,B2)
【文献】特開2012-139120(JP,A)
【文献】特開昭55-068216(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0174677(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/18 - 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の扱歯(10a)を有する扱胴(10)を軸架した扱室(11)と、排塵処理胴(
18)を軸架した排塵処理室(19)を備え、さらに扱胴(10)後端部の扱歯(10a
)によってささり粒を回収する四番ささり粒回収室(21)を備え、該四番ささり粒回収
室(21)と排塵処理室(19)の間に遮蔽板(23)を設けた脱穀装置において、該遮
蔽板(23)に四番ささり粒回収室(21)と排塵処理室(19)を連通する孔(24)
を設
け、
遮蔽板(23)を下方の急傾斜の急傾斜面(23a)から屈曲して上方の緩傾斜の緩傾
斜面(23b)とし、該上方の緩傾斜面(23b)に孔(24)を設け、扱胴(10)が
該遮蔽板(23)の下方から上方に向けて駆動回転することを特徴とする脱穀装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扱室と排塵処理室を設けた脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
扱胴を軸架した扱室と排塵処理胴を軸架した排塵処理室を備え、扱室と排塵処理室を連通する連通口よりも後側に扱胴後端部の扱歯によりささり粒を回収する四番ささり粒回収室を設けた脱穀装置がある。(特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
扱室と排塵処理室を連通する連通口の後側に四番ささり粒回収室の前部隔壁を形成する仕切板を設けて四番ささり粒回収室に大量の藁屑等の排塵物が送られるのを抑制するようにしているが、未だ四番ささり粒回収室に多くの藁屑が入り込みささり粒の回収効率がよくない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、四番ささり粒回収室の藁屑を減らしてささり粒の回収効率を改善した脱穀装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
多数の扱歯(10a)を有する扱胴(10)を軸架した扱室(11)と、排塵処理胴(
18)を軸架した排塵処理室(19)を備え、さらに扱胴(10)後端部の扱歯(10a
)によってささり粒を回収する四番ささり粒回収室(21)を備え、該四番ささり粒回収
室(21)と排塵処理室(19)の間に遮蔽板(23)を設けた脱穀装置において、該遮
蔽板(23)に四番ささり粒回収室(21)と排塵処理室(19)を連通する孔(24)
を設け、
遮蔽板(23)を下方の急傾斜の急傾斜面(23a)から屈曲して上方の緩傾斜の緩傾
斜面(23b)とし、該上方の緩傾斜面(23b)に孔(24)を設け、扱胴(10)が
該遮蔽板(23)の下方から上方に向けて駆動回転することを特徴とする脱穀装置である。
本発明に関連する第1の発明は、多数の扱歯10aを有する扱胴10を軸架した扱室11と排塵処理胴18を軸架した排塵処理室19を備え、扱胴10後端部の扱歯10aによってささり粒を回収する四番ささり粒回収室21を備え、該四番ささり粒回収室21と排塵処理室19の間に遮蔽板23を設けた脱穀装置において、該遮蔽板23に四番ささり粒回収室21と排塵処理室19を連通する孔24を設けた脱穀装置である。
【0007】
本発明によれば、遮蔽板23に四番ささり粒回収室21と排塵処理室19を連通する孔24を設けたので、四番ささり粒回収室21の藁屑が遮蔽板23の孔24から排塵処理室19に入り、四番ささり粒回収室21を循環する藁屑を減らして四番ささり粒の回収を効率的に行なうことができる。さらに、遮蔽板23を下方の急傾斜の急傾斜面23aから屈曲して上方の緩傾斜の緩傾斜面23bとし、該上方の緩傾斜面23bに孔24を設け、扱胴10が該遮蔽板23の下方から上方に向けて駆動回転するので、処理物は遮蔽板23下方の急傾斜面23aに沿って揚上し、急傾斜面23a上端の屈曲点で穀粒は比重が重いのでそのまま上方に飛んで扱胴10の駆動回転に伴って遮蔽板23から離れていくが、藁屑は比重が軽いので急傾斜面23a上端の屈曲点を超えた時点で急傾斜面23aの傾斜に沿った延長線から下方に落下し緩傾斜面23bに沢山載り、緩傾斜面23bの孔24から排塵処理室19内に入って、効率よく藁屑を四番ささり粒回収室21から排塵処理室19内に送ることができる。
本発明に関連する第1の発明によれば、遮蔽板23に四番ささり粒回収室21と排塵処理室19を連通する孔24を設けたので、四番ささり粒回収室21の藁屑が遮蔽板23の孔24から排塵処理室19に入り、四番ささり粒回収室21を循環する藁屑を減らして四番ささり粒の回収を効率的に行なうことができる。
【0008】
本発明に関連する第2の発明は、遮蔽板23の孔24を排塵処理胴18よりも上方に設けた本発明に関連する第1の発明の脱穀装置である。
【0009】
本発明に関連する第2の発明によれば、本発明に関連する第1の発明の効果に加えて、遮蔽板23の孔24を排塵処理胴18よりも上方に設けたので、排塵処理胴18の処理物の持ち回りで藁屑等の処理物が遮蔽板23の孔24から四番ささり粒回収室21に逆流することを防ぐことができる。
【0010】
本発明に関連する第3の発明は、遮蔽板23を下方の急傾斜の急傾斜面23aから屈曲して上方の緩傾斜の緩傾斜面23bとし、該上方の緩傾斜面23bに孔24を設け、扱胴10が該遮蔽板23の下方から上方に向けて駆動回転する本発明に関連する第1または2の発明の脱穀装置である。
【0011】
本発明に関連する第3の発明によれば、本発明に関連する第1または2の発明の効果に加えて、遮蔽板23を下方の急傾斜の急傾斜面23aから屈曲して上方の緩傾斜の緩傾斜面23bとし、該上方の緩傾斜面23bに孔24を設け、扱胴10が該遮蔽板23の下方から上方に向けて駆動回転するので、処理物は遮蔽板23下方の急傾斜面23aに沿って揚上し、急傾斜面23a上端の屈曲点で穀粒は比重が重いのでそのまま上方に飛んで扱胴10の駆動回転に伴って遮蔽板23から離れていくが、藁屑は比重が軽いので急傾斜面23a上端の屈曲点を超えた時点で急傾斜面23aの傾斜に沿った延長線から下方に落下し緩傾斜面23bに沢山載り、緩傾斜面23bの孔24から排塵処理室19内に入って、効率よく藁屑を四番ささり粒回収室21から排塵処理室19内に送ることができる。
【0012】
本発明に関連する第4の発明は、排塵処理胴18より上方、且つ、排塵処理胴18の回転軸18b軸芯に対して左右方向における扱胴10の反対側に排塵処理胴ケーシング18aを設け、該排塵処理胴ケーシング18aよりも上方に遮蔽板23の孔24を設けた本発明に関連する第1~3のいずれかの発明の脱穀装置である。
【0013】
本発明に関連する第5の発明は、遮蔽板23の孔24を扱歯10aに臨むように設けた本発明に関連する第1~4のいずれかの発明の脱穀装置である。
【0014】
本発明に関連する第5の発明によれば、本発明に関連する第1~4のいずれかの発明の効果に加えて、遮蔽板23の孔24を扱歯10aに臨むように設けたので、扱歯10aが跳ね飛ばした藁屑が、当該扱歯10aに臨む遮蔽板23の孔24に入り、効率良く藁屑を四番ささり粒回収室21から排塵処理室19内に送ることができる。
【0015】
本発明に関連する第6の発明は、2列以上の扱歯10aが遮蔽板23の孔24に臨むように設けた本発明に関連する第5の発明の脱穀装置である。
【0016】
本発明に関連する第6の発明によれば、2列以上の扱歯10aが遮蔽板23の孔24に臨むように設けたので、2列以上の扱歯10aが跳ね飛ばした藁屑が、当該2列以上の扱歯10aに臨む遮蔽板23の孔24に入り、効率良く藁屑を四番ささり粒回収室21から排塵処理室19内に送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる脱穀装置を備えたコンバインの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本願の開示する5条刈コンバインの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<全体構成>
まず、
図1及び
図2に基づいてコンバインの全体構成について説明する。
【0019】
走行装置としての左右走行クロ-ラ1を具備する機体2上には、前部に昇降可能な刈取部3を、後部に脱穀部4を搭載している。刈取部3の後方右側部には操作パネル5や運転席6等からなる運転部が設置されている。
【0020】
そして、運転部の前側及び側部の操作パネル5には、左右走行クロ-ラ1のサイドクラッチ及びサイドブレーキを操作して機体の操向操作を行なう操向レバー5aと、左右走行クロ-ラ1,1へエンジンからの駆動力を変速して伝達する静油圧式無段変速装置HSTを中立及び前後進変速操作する主変速レバー5bと、刈取部3及び脱穀部4への駆動を入り切り操作する刈脱クラッチレバー5cと、後述の排出オーガ27を入り切り操作するオーガ排出レバー5dと、左右走行クロ-ラ1や刈取部3を駆動させずに脱穀クラッチを入りにして脱穀部4のみを駆動させる手扱ぎ作業に切り換える手扱ぎレバー5eが設けられている。
【0021】
そして、エンジンからの駆動力を変速して伝達する静油圧式無段変速装置HSTから駆動力が伝達される左右駆動軸にて左右走行クロ-ラ1,1の駆動スプロケット1aが駆動回転されて、左右走行クロ-ラ1,1は駆動回転する。
【0022】
また、運転部の後方にはグレンタンクGが装備されている。脱穀部4の後方部には脱穀処理後の排藁を所定長さに切断処理する排藁カッターが設置されている。
<刈取部3>
刈取部3は、立毛穀稈Kを分草する分草杆7と、引起し装置8と、引起し後の穀稈を刈り取る刈取装置9と、刈取後の穀稈の株元部を挟持して揚上搬送する株元搬送装置としての株元搬送チエン及び穀稈の穂先側を係止保持して揚上搬送する穂先搬送チエンとからなる構成としている。
<脱穀部4>
脱穀部4は、外周に多数の扱歯10aを設けた扱胴10を扱胴軸10bにて内装軸架した扱室11の下半周部に沿って受網12を張設している。扱室11の上方部を覆う扱胴カバー13は、扱胴軸10b方向に平行な軸芯回りに揺動開閉可能に構成している。
【0023】
扱室11の扱口11a側一側には刈取部3の株元搬送チエンにて揚上搬送される穀稈の株元部を引き継いで挟持搬送する脱穀チエン14とこの上側に対設する挟持レ-ル15を配設している。この挟持レ-ル15は扱胴カバー13側に装着して該扱胴カバー13と共に揺動開閉する構成としている。扱室11の脱穀チエン14側とは反対側他側には処理胴16を内装軸架した二番処理室17を並設している。また、前記処理胴16の後方にはこれと同一軸芯上において排塵処理胴18を内装軸架した排塵処理胴ケーシング18aよりなる排塵処理室19を構成して設けている。
【0024】
なお、
図3、
図4に示すように、扱歯10aは、扱胴10の矢印(イ)方向の駆動回転に伴って脱穀作用と処理物(脱穀物)を扱室11の下手側に送る送塵作用が機能するように配列した構成にしている。
【0025】
そして、扱室11の処理物搬送下手側(後側)に仕切板20を設け、扱室11の後部を四番ささり粒回収室21としている。
【0026】
仕切板20は、高さが25mm程度の隔壁で、扱室11の扱胴10の周囲部分を堰き止めた状態で、排塵物が処理物搬送下手側(後側)の四番ささり粒回収室21に送られるのを抑制する。そして、これらの排塵物は、扱室11と排塵処理室19の連通口22を経由してほとんどが排塵処理室19に供給され、後側の四番ささり粒回収室21に送られる穀粒の混入した排塵物(塵埃)が少なくなり、機外損失となる四番ロスを低減することができる。
【0027】
そして、四番ささり粒回収室21と排塵処理室19は、遮蔽板23により仕切られている。
【0028】
即ち、四番ささり粒回収室21は、上記仕切板20と遮蔽板23により、扱室11後部に隔離した空間として形成されている。
【0029】
ここで、
図3及び
図4に基づいて、遮蔽板23の構成について更に詳述する。
【0030】
遮蔽板23は、四番ささり粒回収室21の上方位置から扱胴10下方位置に亘って四番ささり粒回収室21と排塵処理室19を仕切る隔壁である。
【0031】
遮蔽板23の形状は、扱胴10下方位置から扱胴10の扱胴軸10b位置までの急傾斜の急傾斜面23aから屈曲して緩傾斜の緩傾斜面23bとなっている。そして、上方の緩傾斜面23bに四番ささり粒回収室21と排塵処理室19を連通する孔24が設けられている。
【0032】
孔24は、排塵処理室19の排塵処理胴ケーシング18a上端よりも上方に配置され(排塵処理胴18よりも上方に配置され)、且つ、扱胴10の扱胴軸10b軸芯と排塵処理胴18の回転軸18b軸芯を結ぶ直線Aよりも上方に配置され、且つ、扱胴10外周と排塵処理胴18外周の最接近点Bよりも上方に配置されている。
【0033】
なお、排塵処理胴ケーシング18aは、排塵処理胴18より上方、且つ、排塵処理胴18の回転軸18b軸芯に対して左右方向における扱胴10の反対側に設けられており、遮蔽板23の孔24に対応する位置は解放している。排塵処理胴18は、矢印(ロ)方向に駆動回転される。
【0034】
従って、四番ささり粒回収室21で分離した藁屑を遮蔽板23の孔24から排塵処理室19に落下させることで、四番ささり粒回収室21を循環する藁屑を減らして四番ささり粒の回収を効率的に行なうと共に、後述の下方の選別室25に漏下する処理物を低減し、選別性能を向上することができる。
【0035】
特に、扱胴10が矢印(イ)方向に駆動回転して処理物は矢印(イ)方向に送られるが、遮蔽板23の形状を扱胴10下方位置から扱胴10の扱胴軸10b位置までの急傾斜の急傾斜面23aから屈曲して緩傾斜の緩傾斜面23bとし、上方の緩傾斜面23bに四番ささり粒回収室21と排塵処理室19を連通する孔24が設けたので、処理物は遮蔽板23下方の急傾斜面23aに沿って揚上し、急傾斜面23a上端の屈曲点で穀粒は比重が重いのでそのまま上方に飛んで扱胴10の矢印(イ)方向の駆動回転に伴って遮蔽板23から離れていくが、藁屑は比重が軽いので急傾斜面23a上端の屈曲点を超えた時点で急傾斜面23aの傾斜に沿った延長線から下方に落下し緩傾斜面23bに多く載り、緩傾斜面23bの孔24から排塵処理室19内に入る。従って、効率よく藁屑を四番ささり粒回収室21から排塵処理室19内に送ることができる。
【0036】
また、遮蔽板23の孔24は、排塵処理室19の排塵処理胴ケーシング18a上端よりも上方に配置され(排塵処理胴18よりも上方に配置され)、且つ、扱胴10の扱胴軸10b軸芯と排塵処理胴18の回転軸18b軸芯を結ぶ直線Aよりも上方に配置され、且つ、扱胴10外周と排塵処理胴18外周の最接近点Bよりも上方に配置されているので、排塵処理胴18の処理物の持ち回りで藁屑等の処理物が遮蔽板23の孔24から四番ささり粒回収室21に逆流することを防ぐことができる。
【0037】
また、遮蔽板23の孔24は、扱胴10の2列の扱歯10aに臨むように形成されている。なお、3列以上の扱歯10aに臨むようにしても良い。遮蔽板23の孔24に扱歯10aが臨むとは、機体前後方向において孔24の前端付近と後端付近の間に扱歯10aが位置し、扱歯10aによって孔24に藁屑を送ることができる構成をいう。
【0038】
従って、扱胴10の2列以上の扱歯10aが跳ね飛ばした藁屑が、当該2列以上の扱歯10aに臨む遮蔽板23の孔24に落下することとなり、効率良く藁屑を四番ささり粒回収室21から排塵処理室19内に送ることができる。
【0039】
また、四番ささり粒回収室21の扱胴カバー13内面には、剛性材よりなる切刃26を設けている。該切刃26は、扱歯10aの回転圏内に臨ませて配置され、扱歯10aの回転方向に対して後退角を与えた構成としている。
【0040】
切刃26は、扱歯10aによって持ち回られてくる処理物を比較的小さい消費馬力で適確に切断して落下させて、効率良く藁屑を四番ささり粒回収室21から排塵処理室19内に送ることができる。
【0041】
なお、切刃26を剛性材よりなる板体製のガイド部材にして、藁屑を四番ささり粒回収室21から排塵処理室19内に落下させて送るようにしても良い。また、ガイド部材は、柔軟なブラシ状のものでも良く、柔軟なゴム製でも良い。
【0042】
扱室11及び四番ささり粒回収室21の下方には揺動可能に架設した揺動選別装置(揺動選別棚)が設けられてあり、更に、その下方には選別方向の上手側から順に、唐箕と、1番移送螺旋と、2番移送螺旋と、その上方に前記排塵フアンを配置して選別室25を構成している。なお、1番揚穀装置は1番移送螺旋で回収された穀物を揚送してグレンタンクG内に収容し、タンクG内の穀粒はオーガ排出レバー5dにて入り切り操作される排出オーガ27によって取り出すことができるようになっている。また、2番揚穀装置は2番移送螺旋で回収された2番処理物を排塵処理室19内へ還元するようになっている。
【0043】
そして、揺動選別装置は、扱室11からの脱穀処理後の処理物、つまり、被処理物を受け入れて揺動移送しながらふるい選別する構成であり、選別方向上手側から移送棚、チャフシ-ブ、ストロ-ラックの順に配置し、且つ、前記チャフシ-ブの下方にグレンシ-ブ及び1番戻し棚を配置して一体的に設け、唐箕及び排塵フアンによる選別風と揺動との共同作用によって扱室11及び四番ささり粒回収室21から漏下してきた処理物を受け入れて揺動移送しながらふるい選別処理するように構成している。
【符号の説明】
【0044】
10 扱胴
10a 扱歯
11 扱室
18 排塵処理胴
18a 排塵処理胴ケーシング
19 排塵処理室
21 四番ささり粒回収室
23 遮蔽板
23a 急傾斜面
23b 緩傾斜面
24 孔