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  • 特許-電源装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220412BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220412BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20220412BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
H02J7/00 Y
H01M10/48 P
H02J7/34 G
H02J9/06 110
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021006813
(22)【出願日】2021-01-20
【審査請求日】2021-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】赤木 貴文
(72)【発明者】
【氏名】武本 修一
(72)【発明者】
【氏名】小野 祐徳
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-135315(JP,A)
【文献】特開2010-204091(JP,A)
【文献】特開2016-185029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01M 10/48
H02J 7/34
H02J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子の管理ユニットと、
前記管理ユニットから送信される前記蓄電素子の状態情報をD/A変換器でアナログ値に変換して、前記蓄電素子の電力供給先の電気負荷を備える設備が有する監視用のアナログ通信インタフェースへ前記アナログ値を出力するアナログ出力ユニットと、を備える電源装置。
【請求項2】
前記管理ユニットから前記D/A変換器に前記状態情報を送信するデジタル信号線を更に備える、請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記デジタル信号線は、前記電源装置の筐体から外部に延びて、前記アナログ出力ユニットの前記D/A変換器に接続される、請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記アナログ出力ユニットは、前記電気負荷の近傍に配置される、請求項3に記載の電源装置。
【請求項5】
前記管理ユニットは、当該管理ユニットが状態情報を取得する複数の蓄電素子のうち、健康状態が最も低下した蓄電素子の健康状態を示す情報を、前記D/A変換に送信する、請求項1~4のいずれかに記載の電源装置。
【請求項6】
蓄電素子の管理ユニットと、
前記管理ユニットから送信される前記蓄電素子の状態情報をD/A変換器でアナログ値に変換して出力するアナログ出力ユニットと、を備え、
前記管理ユニットは、当該管理ユニットが状態情報を取得する複数の蓄電素子のうち、健康状態が最も低下した蓄電素子の健康状態を示す情報を、前記D/A変換器に送信する、電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、移動体通信用の基地局などの設備に好適に用いられる蓄電システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017-002526号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体通信用の基地局やテレビ中継局には、停電時の電気負荷へのバックアップ電源として、蓄電素子を内蔵した直流電源(例えば、DC48V電源)が備えられている。従来こうしたバックアップ電源には、蓄電素子として鉛蓄電池が用いられているが、近年、鉛蓄電池をリチウムイオン電池に置き換えるニーズが生じている。
【0005】
エネルギー密度が高いリチウムイオン電池を用いることで、電気負荷への長時間にわたるバックアップ電力供給を実現しやすくなる。また、リチウムイオン電池は、電池管理ユニット(Battery Management Unit:BMU)を通じて、電池の充電状態(State Of Charge:SOC)や、健康状態(State Of Health:SOH)を監視しやすい。
【0006】
長年使用されている移動体通信用の基地局やテレビ中継局などの設備には、電池状態を示すデータをその設備において検出しても、デジタル値を受信するための通信インタフェースがない(又は残されていない)機器が用いられていることがある。
【0007】
本発明の一態様は、既設の設備にも適用でき、蓄電素子の状態情報をアナログ値で出力できる電源装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る電源装置は、蓄電素子の管理ユニットと、前記管理ユニットから送信される前記蓄電素子の状態情報をD/A変換器でアナログ値に変換して出力するアナログ出力ユニットと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記態様によれば、管理ユニットから送信される蓄電素子の状態情報をアナログ出力ユニットでアナログ値に変換する。これにより、デジタル通信インタフェースがない(又は残されていない)機器に対して、蓄電素子の状態を示すアナログ値を送信することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】電源装置及び電気負荷を示す概略図である。
図2】アナログ出力ユニットの正面図及び背面図である。
図3】監視・運用の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
電源装置は、蓄電素子の管理ユニットと、前記管理ユニットから送信される前記蓄電素子の状態情報をD/A変換器でアナログ値に変換して出力するアナログ出力ユニットと、を備える。
【0012】
ここで、蓄電素子は、蓄電セルであってもよいし、複数の蓄電セルを直列及び/又は並列に接続した蓄電モジュールであってもよい。蓄電素子は、複数の蓄電モジュールを直列に接続した蓄電ユニット(以下、「バンク」とも称する)であってもよい。蓄電素子は、複数の蓄電モジュール又はバンクを並列に接続した蓄電ユニットであってもよい。
蓄電素子は、リチウムイオン電池であってもよいが、これに限定はされず、管理ユニットにより状態情報を取得できるものであれば、他の二次電池や、一次電池、キャパシタであってもよい。
【0013】
上記構成の電源装置は、例えば、長年使用されている移動体通信用の基地局やテレビ中継局などの設備におけるバックアップ電源として適用できる。
上記構成では、管理ユニットから送信される蓄電素子の状態情報をアナログ出力ユニットでアナログ値に変換する。これにより、デジタル通信インタフェースがない(又は残されていない)機器に対して、蓄電素子の状態を示すアナログ値を送信することが可能になる。
【0014】
前記電源装置は、前記管理ユニットから前記D/A変換器に前記状態情報を送信するデジタル信号線を更に備えてもよい。
ここで、デジタル信号線は、RS-485ケーブルなどの通信ケーブルであってもよいが、これに限定はされない。
【0015】
上記構成によれば、デジタル信号線によって、ノイズの影響を抑制しつつ蓄電素子の状態情報(デジタル値)を管理ユニットからアナログ出力ユニットのD/A変換器に送信できる。
【0016】
前記デジタル信号線は、前記電源装置の筐体から外部に延びて、前記アナログ出力ユニットの前記D/A変換器に接続されてもよい。
ここで、電源装置の筐体は、金属製の筐体(例えば、充電器と複数の蓄電モジュールとを内蔵する電源盤)であってもよいが、これに限定はされない。
【0017】
上記構成によれば、電源装置の筐体から外部に延びるデジタル信号線によって、ノイズの影響を抑制しつつ蓄電素子の状態情報を筐体内の管理ユニットから、筐体外に配置されたアナログ出力ユニットのD/A変換器に送信できる。
【0018】
前記アナログ出力ユニットは、当該電源装置が電力を供給する電気負荷の近傍に配置されてもよい。
ここで、電気負荷は、移動体通信用の基地局やテレビ中継局などの設備に備えられている電気負荷であってもよいが、これに限定はされない。
【0019】
上記構成によれば、ノイズの影響を受けやすいアナログ信号線による伝搬距離を短くした状況で、アナログ値を電気負荷に送信することが可能になる。
【0020】
前記管理ユニットは、当該管理ユニットが状態情報を取得する複数の蓄電素子のうち、健康状態が最も低下した蓄電素子の健康状態を示す情報を、前記D/A変換機に送信してもよい。
【0021】
上記構成によれば、蓄電素子の健康状態について、平均値や最大値ではなく、最低値を監視することで、適切なタイミングで蓄電素子を交換するなど、適切な予防保全を行うことが可能となる。
【0022】
以下、図面を参照しながら電源装置の実施形態を説明する。図1に示すように、電源装置は、並列接続された複数の蓄電モジュール20(蓄電素子)と通信可能に接続された統合監視ユニット15(管理ユニット)を備える。また電源装置は、統合監視ユニット15と通信可能に接続されたアナログ出力ユニット30を備える。
【0023】
本実施形態では、デジタルテレビ中継局などの設備におけるバックアップ電源として、電源装置を用いている。設備及び電源装置は、小型の建物内に収容されてもよいし、一又は複数の金属製の筐体(キュービクル)内に配置されてもよい。
【0024】
統合監視ユニット15は、充電器12及び複数の蓄電モジュール20とともに直流電源盤11に収容されている。直流電源盤11は、開閉扉(図示せず)を有する金属製の筐体であってもよい。設備の管理者や保守員は、交換等の作業のために、開閉扉を開いて内部の蓄電モジュール20にアクセスすることができる。
【0025】
代替的に、統合監視ユニット15及び充電器12は、棚(ラック)等の支持部材に配置されてもよい。つまり、本明細書において、「電源装置の筐体」とは、外装体を有しない構造物もその意味に含む。
【0026】
充電器12は、整流器(コンバータ)を内蔵する。充電器12は、系統電源200(例えば、交流三相200V)に接続されて、電源ライン1に直流電力(例えば、直流48V)を出力する。電源ライン1は、直流電源盤11の外部に延びて、設備の電気負荷60に直流電力を供給する。電気負荷60は、別の盤51に収容されてもよいし、別の棚(ラック)等の支持部材に配置されてもよい。
【0027】
電源ライン1には、直流電源盤11内で、複数の蓄電モジュール20が並列に接続されている。各蓄電モジュール20は、蓄電セル(例えば、リチウムイオン電池)を複数個(例えば、12個又は13個)直列に接続して構成されている。各蓄電モジュール20は、充電器12から出力される直流電力によって充電され、系統電源200の異常時に例えば48Vの直流電力を電気負荷60に供給する。
【0028】
直流電源盤11内の統合監視ユニット15は、統合監視基板(図示せず)に設けられた通信ユニット16を有する。各蓄電モジュール20は、BMU基板(図示せず)に設けられた通信ユニット21を有する。統合監視ユニット15は、例えばCAN通信により、各蓄電モジュール20から、蓄電セル及び/又は蓄電モジュール20の状態情報を取得する。統合監視ユニット15は、取得した状態情報を、デジタル値のまま、CAN通信とは異なる通信方式で図示しない監視機器(例えば、監視サーバー)や周辺機器に送信してもよい。
【0029】
蓄電セル及び/又は蓄電モジュール20の状態情報は、各蓄電モジュール20のSOC、SOHを含む。統合監視ユニット15は、後述するアナログ値への変換のために、取得した情報に基づき、複数の蓄電モジュール20それぞれのSOCの平均値(平均SOC)と、複数の蓄電モジュール20それぞれのSOHの最低値(最低SOH)とを得る。SOHは、各蓄電モジュール20の容量維持率や満充電容量(定格値ではなくその時点の値)であってもよいが、これに限定はされない。また、統合監視ユニット15は、複数の蓄電モジュール20それぞれのバックアップ可能時間(停電時、すなわちバックアップ開始時からの蓄電モジュール20の放電にともない減少される値)の最小値(最小バックアップ可能時間)を得る。
【0030】
統合監視ユニット15には、RS-485ケーブル17(デジタル信号線)の一端が接続されている。RS-485ケーブル17は、直流電源盤11の外部に延びて、他端がアナログ出力ユニット30のD/A変換器36に接続されている。統合監視ユニット15は、RS-485ケーブル17を通じて、上述の平均SOC、最低SOH、最小バックアップ可能時間を、アナログ出力ユニット30のD/A変換器36にデジタル値で送信する。RS-485ケーブル17のようなデジタル信号線は、ノイズの影響を抑制しつつ、デジタル値を送信できる。
【0031】
統合監視ユニット15及び充電器12には、接点出力信号線15a、12aの一端がそれぞれ接続されている。接点出力信号線15a、12aは、直流電源盤11の外部に延びて、他端がアナログ出力ユニット30に接続されている。統合監視ユニット15は、接点出力信号線15aを通じて、「BMU異常」、「蓄電素子異常」といった接点出力信号をアナログ出力ユニット30に送信する。充電器12は、接点出力信号線12aを通じて、「充電器故障」、「停電」といった接点出力信号をアナログ出力ユニット30に送信する。
【0032】
アナログ出力ユニット30は、電源ライン1から動作電力を得ているため、停電時(バックアップ時)にも、蓄電モジュール20からの電力により動作を継続できる。
【0033】
アナログ出力ユニット30は、直流電源盤11から離れた位置、かつ電気負荷60の近傍に配置される。アナログ出力ユニット30は、直流電源盤11とは別の盤に配置される。例えば、アナログ出力ユニット30は、電気負荷60を収容する盤51の開閉扉(図示せず)の内面に取り付けられる。統合監視ユニット15とアナログ出力ユニット30とを繋ぐRS-485ケーブル17は、電源装置の設置面に露呈させてもよいし、高所に配索されてもよい。
【0034】
アナログ出力ユニット30は、マイクロコンピュータ(図示せず)を内蔵する。アナログ出力ユニット30は、統合監視ユニット15から受信した平均SOC、最低SOH、最小バックアップ可能時間のそれぞれを、D/A変換器36でアナログ値(例えば、0~5Vの電圧値)に変換し、アナログ信号線31に出力する。
【0035】
アナログ出力ユニット30は、SOCに関し、複数の蓄電モジュール20の平均SOCが100%である場合に5Vのアナログ値を出力し、複数の蓄電モジュール20の平均SOCが0%である場合に0Vのアナログ値を出力してもよい。平均SOCとアナログ値との対応は、この例に限定はされない。
【0036】
アナログ出力ユニット30は、SOH(容量維持率)に関し、複数の蓄電モジュール20から特定された最低SOHが100%である場合に5Vのアナログ値を出力し、複数の蓄電モジュール20の最低SOHが50%である場合に0Vのアナログ値を出力してもよい。最低SOHとアナログ値との対応は、この例に限定はされない。
【0037】
アナログ出力ユニット30は、バックアップ可能時間に関し、例えば、複数の蓄電モジュール20から特定された最小バックアップ可能時間が48時間(2880分)のとき、5Vのアナログ値を出力してもよい。バックアップ可能時間は、停電時、すなわち各蓄電モジュール20によるバックアップ開始時からの蓄電モジュール20の放電にともない減少される。バックアップ可能時間は、各蓄電モジュール20のSOCに基づいて算出されてもよい。放電電流がゼロのとき、バックアップ可能時間は減少されない。
【0038】
アナログ出力ユニット30は、統合監視ユニット15及び充電器12から受信した各種の接点出力信号を、接点出力信号線30aにそのまま出力(パススルー)する。
【0039】
アナログ出力ユニット30からアナログ信号線31に出力された各種アナログ値(平均SOC、最低SOH、最小バックアップ可能時間)は、電気負荷60の近傍に設けられている(又は残されている)アナログ通信インタフェース52を介して受信される。
【0040】
図2(A)は、アナログ出力ユニット30の正面図、図2(B)は、アナログ出力ユニット30の背面図である。ここに示すのは単なる一例であり、アナログ出力ユニット30の形態はこれに限定はされない。
【0041】
アナログ出力ユニット30は金属製で直方体形状の外装ケース31を有する。図2(A)に示すように、アナログ出力ユニット30はその正面に、手動式スイッチ31aと、パワーインジケータ(パワーLED)31bとを有する。
【0042】
図2(B)に示すように、アナログ出力ユニット30はその背面に、電源ポート31cと、RS-485通信コネクタ37とを有する。この通信コネクタ37に、RS-485ケーブル17が接続される。
【0043】
アナログ出力ユニット30は、充電器12からの接点出力信号線12aが接続されるコネクタ35と、統合監視ユニット15からの接点出力信号線15aが接続されるコネクタ32と、当該アナログ出力ユニット30をパススルーした接点出力信号の出力用のコネクタ34とを備える。アナログ出力ユニット30は更に、アナログ信号線31の一端が接続されるアナログ通信コネクタ33を備える。アナログ信号線31の他端は、電気負荷60の近傍に設けられている(又は残されている)アナログ通信インタフェース52に接続される。
【0044】
図3は、監視・運用の流れを示すフローチャートである。系統電源200の正常時には(S10)、アナログ出力ユニット30から、平均SOC、最低SOH、最小バックアップ可能時間がアナログ値で出力され、アナログ通信インタフェース52を介して受信される。充電器12により各蓄電モジュール20の充電が継続される。
【0045】
系統電源200が正常である間(S20、NO)、S10の処理が繰り返される。最低SOHが閾値を下回ることが検出された場合、保守又はそのための準備が行われる。
【0046】
系統電源200の異常を示す信号を統合監視ユニット15が取得すると(S20、YES)、異常時監視と、各蓄電モジュール20による電気負荷60への放電が行われる。異常時監視でも、アナログ出力ユニット30から、平均SOC、最低SOH、最小バックアップ可能時間がアナログ値で出力され、アナログ通信インタフェース52を介して受信される。
【0047】
上記実施形態によれば、統合監視ユニット15(管理ユニット)から送信される蓄電モジュール20(蓄電素子)の状態情報をアナログ出力ユニット30でアナログ値に変換する。これにより、限られた通信インタフェース52を用いて、蓄電モジュール20の状態を示すアナログ値を受信することが可能になる。
【0048】
上記実施形態によれば、直流電源盤11から外部に延びるRS-485ケーブル17によって、ノイズの影響を抑制しつつ蓄電モジュール20の状態情報(デジタル値)を統合監視ユニット15からアナログ出力ユニット30のD/A変換器36に送信できる。
【0049】
上記実施形態によれば、ノイズの影響を受けやすいアナログ信号線31による伝搬距離を短くした状況で、アナログ値を電気負荷60に送信することが可能になる。
【0050】
上記実施形態によれば、複数の蓄電モジュール20のSOHについて、平均値や最大値ではなく、最低値を監視することで、適切なタイミングで蓄電モジュール20を交換するなど、適切な予防保全を行うことが可能となる。
【0051】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。
実施形態では、電源装置を、設備におけるバックアップ電源に適用する例を説明したが、電源装置は他の用途に適用されてもよい。
【0052】
実施形態では、アナログ値で出力する蓄電素子の状態情報はSOCとSOHとバックアップ可能時間であったが、他の情報を代替的に又は追加的にアナログ出力ユニット30が出力してもよい。例えば、内部短絡等の蓄電素子の異常の予兆をアナログ出力ユニット30がアナログ値で出力してもよい。正常時監視のときと、異常時監視のときとで、アナログ値で出力する情報を異ならせてもよい。
【0053】
実施形態では、電源装置の筐体(直流電源盤11)が、管理ユニット(統合監視ユニット15)のほか充電器12と蓄電素子(複数の蓄電モジュール20)とを収容している。代替的に、蓄電素子は、電源装置の筐体の外部に配置されてもよい。例えば、電源盤とは別に設けられた電池盤に蓄電素子が収容されてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 電源ライン
12 充電器
15 統合監視ユニット(管理ユニット)
17 RS-485ケーブル(デジタル信号線)
20 蓄電モジュール(蓄電素子)
30 アナログ出力ユニット
36 D/A変換器
60 電気負荷
【要約】      (修正有)
【課題】既設の設備にも適用できる電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置は、蓄電素子20及び蓄電素子20の管理ユニット15を有する直流電源盤11と、管理ユニット15から送信される蓄電素子20の状態情報をD/A変換器36でアナログ値に変換して出力するアナログ出力ユニット30を有する別の盤51と、管理ユニット15からD/A変換器36に状態情報を送信するデジタル信号線(ケーブル17)と、を備える。デジタル信号線は、直流電源盤の筐体から外部に延びて、アナログ出力ユニットのD/A変換器に接続される。
【選択図】図1
図1
図2
図3