(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】液体クロマトグラフ
(51)【国際特許分類】
G01N 30/86 20060101AFI20220412BHJP
G01N 30/20 20060101ALI20220412BHJP
G01N 30/24 20060101ALI20220412BHJP
G01N 30/32 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
G01N30/86 P
G01N30/20 A
G01N30/24 M
G01N30/32 C
G01N30/86 T
(21)【出願番号】P 2021501218
(86)(22)【出願日】2019-02-21
(86)【国際出願番号】 JP2019006464
(87)【国際公開番号】W WO2020170378
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149009
【氏名又は名称】古賀 稔久
(72)【発明者】
【氏名】大橋 浩志
(72)【発明者】
【氏名】辻井 貫也
【審査官】高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-211337(JP,A)
【文献】特開平09-5312(JP,A)
【文献】特開平06-324027(JP,A)
【文献】特開平10-10106(JP,A)
【文献】国際公開第14/31069(WO,A1)
【文献】特開2000-73959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00- 30/96
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動相を送液する送液ポンプと、
前記送液ポンプからの移動相が流れ、試料を成分ごとに分離するための分離カラム及び前記分離カラムにおいて分離した試料成分を検出するための検出器を有する分析流路と、
前記分離カラムの上流において前記分析流路中に試料を注入するための試料注入部と、
前記送液ポンプによる送液圧力を検出する圧力センサと、
試料の分析回ごとに、分析に関する一連の動作中の所定のタイミングで前記圧力センサにより検出される前記送液圧力を記録するように構成された送液圧力記録部と、を備えた液体クロマトグラフ。
【請求項2】
前記送液圧力記録部は、前記試料注入部が前記分析流路中に試料を注入する直前の前記送液圧力を記録するように構成されている、請求項1に記載の液体クロマトグラフ。
【請求項3】
前記試料注入部は、分析対象試料を一時的に保持するサンプルループ、及び、前記サンプルループを前記送液ポンプと前記分離カラムとの間に介在させない第1状態と前記サンプルループを前記送液ポンプと前記分離カラムとの間に介在させる第2状態との間で流路構成を切り替えるように構成された切替バルブを有し、
前記送液圧力記録部は、前記試料注入部の前記切替バルブが前記第1状態から前記第2状態に切り替えられる直前の前記送液圧力を記録するように構成されている、請求項2に記載の液体クロマトグラフ。
【請求項4】
前記試料注入部は、管理装置から送信される分析開始命令を受けてから前記切替バルブを前記第1状態から前記第2状態へ切り替えるように構成され、
前記送液圧力記録部は、前記管理装置が前記試料注入部へ前記分析開始命令を送信する直前若しくは直後、又は前記管理装置が前記試料注入部へ前記分析開始命令を送信するのと同時に、前記送液圧力を記録するように構成されている、請求項3に記載の液体クロマトグラフ。
【請求項5】
複数の分析回のそれぞれについて前記送液圧力記録部により記録された前記送液圧力を時系列的に表示するように構成された送液圧力表示部を備えている、請求項1に記載の液体クロマトグラフ。
【請求項6】
前記圧力センサによって検出される前記送液圧力を予め設定されたしきい値と比較し、前記送液圧力が前記しきい値を超えたことを圧力エラーとして検出するように構成されたエラー検出部と、
前記エラー検出部が前記圧力エラーを検出した分析回を記録するエラー記録部と、を備えている、請求項1に記載の液体クロマトグラフ。
【請求項7】
前記送液圧力記録部は、試料の分析回ごとに、分析に関する一連の動作中の複数のタイミングで前記圧力センサにより検出される前記送液圧力のうち最も高い圧力値を記録するように構成されている、請求項1に記載の液体クロマトグラフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体クロマトグラフに関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体クロマトグラフは、分離カラムが設けられた分析流路中で移動相を流し、分離カラムの上流から試料を注入して分離カラムにて試料を成分ごとに分離し、分離された試料成分を検出器により検出する(特許文献1参照)。試料を成分ごとに分離するための分離カラムは使用時間の経過とともに劣化し、分離性能が低下する。そのため、ある程度の使用時間や使用回数に達したときに分離カラムを交換する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来では、分離カラムの累積使用時間若しくは累積使用時間によって劣化具合を判断するか、又は、分離カラムを用いて実際に分析を行ない、その分析で得られる成分ピークの形状・分離度から劣化具合を判断することが一般的であった。しかしながら、分離カラムの劣化具合を累積使用時間若しくは累積使用時間によって判断すると、実際には使用不可能な程度にまで劣化していない分離カラムを交換してしまったり、劣化の進行した分離カラムを用いた無駄な分析を実施してしまったりするという問題がある。また、実際に分析した後で分離カラムの劣化に気付いた場合には、その分析時間、試料、移動相が無駄になるという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、分離カラムの劣化具合を判断しやすくすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る液体クロマトグラフは、移動相を送液する送液ポンプと、前記送液ポンプからの移動相が流れ、試料を成分ごとに分離するための分離カラム及び前記分離カラムにおいて分離した試料成分を検出するための検出器を有する分析流路と、前記分離カラムの上流において前記分析流路中に試料を注入するための試料注入部と、前記送液ポンプによる送液圧力を検出する圧力センサと、試料の分析回ごとに、分析に関する一連の動作中の所定のタイミングで前記圧力センサにより検出される前記送液圧力を記録するように構成された送液圧力記録部と、を備えている。
【0007】
分離カラムが劣化していくと、分離カラム内の充填剤への不純物の蓄積などによって、同じ条件下での分析流路内の圧力が徐々に高くなる。そのため、分析回ごとに、その分析に関する一連の動作中の所定のタイミングでの送液圧力を観察すれば、分離カラムの劣化度合いを知ることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、試料の分析回ごとに、分析に関する一連の動作中の所定のタイミングで圧力センサにより検出される前記送液圧力を記録するように構成された送液圧力記録部を備えているので、その記録を参照することによって分離カラムの劣化具合が判断しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】液体クロマトグラフの一実施例を概略的に示す構成図である。
【
図2】同実施例の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、液体クロマトグラフの一実施例について説明する。
【0011】
この実施例の液体クロマトグラフは、主として、送液ポンプ2、圧力センサ4、オートサンプラ6(試料注入部)、分離カラム8、検出器10及び管理装置12を備えている。送液ポンプ2及び圧力センサ4は移動相供給流路14上に設けられ、分離カラム8及び検出器は分析流路16上に設けられている。
【0012】
オートサンプラ2は、主として、サンプリング用のニードル18、切替バルブ20及びシリンジポンプ22を備えている。ニードル18の基端にサンプルループ26の一端が流体的に接続されている。サンプルループ26は、ニードル18の先端から吸入された試料を保持しておくための流路であり、ニードル18とは反対側の他端が切替バルブ20の1つのポート(1)に流体的に接続されている。ニードル18は、図示されていない移動機構によって、鉛直方向と水平面内方向へ移動させられる。
【0013】
切替バルブ20は流路構成を切り替えるためのものであり、この実施例では6ポートバルブが用いられている。切替バルブ20の各ポートには、サンプルループ26のほか、シリンジポンプ22、注入ポート24、ドレイン流路28、移動相供給流路14及び分析流路16が接続されている。移動相供給流路14は送液ポンプ2によって移動相を供給するための流路である。送液ポンプ2による送液圧力は圧力センサ4によって検出される。
【0014】
切替バルブ20は、移動相供給流路14と分析流路16との間を直接的に接続した第1状態(ポート(5)-(6)間を連通させた
図1の状態)と、移動相供給流路14と分析流路16との間にサンプルループ26及びニードル18を介在させるための第2状態(ポート(1)-(6)間、(2)-(3)間、(4)-(5)間を連通させた状態)のいずれかの状態に切り替えることができる。
【0015】
シリンジポンプ22は、切替バルブ20が第1状態(
図1の状態)になることによってサンプルループ26を介してニードル18と流体的に連通するように設けられている。
【0016】
この実施例では、管理装置12からオートサンプラ6に対して分析開始命令が送信されるまで、切替バルブ20が第1状態となる。このとき、移動相供給流路14と分析流路16はサンプルループ26をその間に介在させずに流体的に連通しており、送液ポンプ2からの移動相が分析流路16を流れる。
【0017】
管理装置12からオートサンプラ6へ分析開始命令が送信されると、オートサンプラ6は、ニードル18の先端を次の分析対象試料を収容した試料容器(図示は省略)内に挿入させ、シリンジポンプ22を吸入駆動してサンプルループ26に試料を保持させる。サンプルループ26に試料を保持させた後、ニードル18の先端を注入ポート24に流体的に接続した状態で切替バルブ20を第1状態から第2状態に切り替え、サンプルループ26に保持された試料を送液ポンプ2からの移動相とともに分析流路16へ導入する。分析流路16に導入された試料は分離カラム8に導かれ、成分ごとに分離され、各試料成分が検出器10により検出される。
【0018】
管理装置12は、試料の分析に関する上記の一連の動作が実行されるように、送液ポンプ2及びオートサンプラ6の動作を管理する。管理装置12は、汎用のパーソナルコンピュータ又は専用のコンピュータによって実現することができる。管理装置12は、送液圧力記録部30、送液圧力表示部32、エラー検出部34及びエラー記録部36を備えている。送液圧力記録部30、送液圧力表示部32、エラー検出部34及びエラー記録部36は、管理装置12に搭載された中央演算装置(CPU)がプログラムを実行することによって得られる機能である。
【0019】
送液圧力記録部30は、試料の分析回ごとに、分析に関する一連の動作中における所定のタイミングで、圧力センサ4により検出される送液圧力を管理装置12内の所定の記憶領域に記録するように構成されている。送液圧力を記録するタイミングとしては、分析流路16に試料を注入する直前のタイミング、すなわち、オートサンプラ6が管理装置12から分析開始命令を受けて切替バルブ20を第1状態から第2状態に切り替える直前のタイミングが挙げられる。分析流路16に試料を注入するために切替バルブ20が第1状態から第2状態に切り替えられる直前のタイミングは、分析に関する一連の動作中で最も送液圧力が安定しているタイミングである。このタイミングでの送液圧力を試料の分析回ごとに記録してプロットすることで、分離カラム8の劣化具合を送液圧力から判断しやすくなる。
【0020】
送液圧力表示部32は、送液圧力記録部30によって記録された各分析回の送液圧力を時系列的に、すなわち、分析回を追うごとの送液圧力の変化を視覚的に把握できるように、管理装置12に電気的に接続されている表示装置(図示は省略)に表示するように構成されている。表示装置に表示された送液圧力の変化を見ることにより、分析回を追うごとの送液圧力が上昇傾向にある場合には、ユーザは分離カラム8が劣化していることを判断することができる。なお、ユーザが分離カラム8の劣化を判断する代わりに、管理装置12によって自動的に分離カラム8の劣化を判断し、分離カラム8が劣化していると判断する場合に、表示装置にその旨を表示する等、ユーザに告知を行なうこともできる。
【0021】
エラー検出部34は、分析に関する一連の動作中における送液圧力を監視し、送液圧力が予め設定されたしきい値を超えたときに圧力エラーとして検出するように構成されている。この機能は、ユーザが移動相流量などの分析条件を間違えて設定したような場合に、分離カラム8に過剰な圧力がかかることを防止するための機能である。したがって、エラー検出部34が圧力エラーの検出に用いるしきい値は、分離カラム8の交換時期を示すためのものではなく、この液体クロマトグラフにおいて使用可能な送液圧力の上限値としての意味をもつものである。しかしながら、エラー検出部34が圧力エラーの検出に用いるしきい値として、分離カラム8の交換時期を示すためのものを、実験結果などから推定して、別途予め設定するようにしてもよい。
【0022】
しきい値を超えるような過剰な圧力が分離カラム8に掛かった場合、分離カラム8の劣化が進行することが考えられる。そのため、圧力エラーが検出されたことが事後的に確認できるようになっていることが好ましい。そこで、エラー記録部36は、エラー検出部34によって圧力エラーが検出された分析回を所定の記憶領域に記録するように構成されている。これにより、ユーザは、分離カラム8の劣化具合の判断の目安として、分析回ごとの送液圧力とともに圧力エラーが検出された分析回を確認することができる。
【0023】
この実施例の動作の一例について、
図1とともに
図2のフローチャートを用いて説明する。
【0024】
分析を開始する前の段階では、オートサンプラ6の切替バルブ20が第1状態(
図1の状態)にされる(ステップ101)。管理装置12は、予め設定された分析スケジュールにしたがい、試料の分析を開始すべきタイミングとなったときに(ステップ102)、オートサンプラ6へ分析開始命令を送信する。オートサンプラ6は、管理装置12からの分析開始命令を受けて、分析対象試料を試料容器から吸入して分析流路16へ注入する試料注入動作を実行する(ステップ104)。これにより、試料の分析が行われる(ステップ105)。
【0025】
送液圧力記録部30は、分析流路16へ試料を注入するために切替バルブ20が第1状態から第2状態へ切り替えられるときの(すなわち直前の)送液圧力を圧力センサ4から読み取り、管理装置12内の所定の記憶領域に記録する(ステップ103)。送液圧力記録部30が送液圧力を記憶領域に記録するタイミングは、管理装置12からオートサンプラ6へ分析開始命令が送信される直前若しくは直後であってもよいし、管理装置12からオートサンプラ6へ分析開始命令が送信されるのと同時であってもよい。
【0026】
予定されている全ての試料について、上記ステップ101~105の動作を実行する(ステップ106)。
【0027】
以上において説明した実施例のオートサンプラ6は、ニードル18の先端から吸入した試料の全量を分析流路16へ注入する全量注入方式の構成を有するものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、ニードル18の先端から吸入した試料のうちの所定量を第2のサンプルループへ注入し、そのサンプルループを分析流路に介挿することによって所定量の試料を分析流路へ注入するループ注入方式の構成を有するものであってもよい。
【0028】
また、送液圧力記録部30は、分析回ごとに試料の分析を開始してから終了するまでの間に圧力センサによって検出された送液圧力を監視しておき、その中で最も高い1つの送液圧力を記憶領域に記憶するようにしてもよい。これは、グラジエント分析を行なうことで送液圧力の変動が生じるが、分析回ごとに最も高い1つの送液圧力を時系列的に記憶しておくことで、最も高い送液圧力が時系列的に上昇するように場合に、カラムが劣化していると判断できるからである。
【0029】
本発明に係る液体クロマトグラフの実施形態は、移動相を送液する送液ポンプ(2)と、前記送液ポンプ(2)からの移動相が流れ、試料を成分ごとに分離するための分離カラム(8)及び前記分離カラム(8)において分離した試料成分を検出するための検出器(10)を有する分析流路(16)と、前記分離カラム(8)の上流において前記分析流路(16)中に試料を注入するための試料注入部(6)と、前記送液ポンプ(2)による送液圧力を検出する圧力センサ(4)と、試料の分析回ごとに、分析に関する一連の動作中の所定のタイミングで前記圧力センサ(4)により検出される前記送液圧力を記録するように構成された送液圧力記録部(30)と、を備えている。
【0030】
上記実施形態の第1態様では、前記送液圧力記録部(30)は、前記試料注入部(6)が前記分析流路(16)中に試料を注入する直前の前記送液圧力を記録するように構成されている。
【0031】
上記第1態様の具体例では、前記試料注入部(6)は、分析対象試料を一時的に保持するサンプルループ(26)、及び、前記サンプルループ(26)を前記送液ポンプ(2)と前記分離カラム(8)との間に介在させない第1状態と前記サンプルループ(26)を前記送液ポンプ(2)と前記分離カラム(8)との間に介在させる第2状態との間で流路構成を切り替えるように構成された切替バルブ(20)を有し、前記送液圧力記録部(30)は、前記試料注入部(6)の前記切替バルブ(20)が前記第1状態から前記第2状態に切り替えられる直前の前記送液圧力を記録するように構成されている。前記分析流路(16)に試料を注入するために前記切替バルブ(20)が第1状態から第2状態に切り替えられる直前のタイミングは、分析に関する一連の動作中で最も前記送液圧力が安定しているタイミングである。このタイミングでの前記送液圧力を試料の分析回ごとに記録してプロットすることで、前記分離カラム(8)の劣化具合を送液圧力から判断しやすくなる。すなわち、分析回ごとに記録してプロットされいる送液圧力が、時系列的に上昇傾向にある場合には、カラムが劣化していることをユーザが認識することができる。
【0032】
上記第1態様のさらなる具体例では、前記試料注入部(6)は、管理装置(12)から送信される分析開始命令を受けてから前記切替バルブ(20)を前記第1状態から前記第2状態へ切り替えるように構成され、前記送液圧力記録部(30)は、前記管理装置(12)が前記試料注入部(6)へ前記分析開始命令を送信する直前若しくは直後、又は前記管理装置(12)が前記試料注入部(6)へ前記分析開始命令を送信するのと同時に、前記送液圧力を記録するように構成されている。
【0033】
本発明に係る液体クロマトグラフの上記実施形態の第2態様では、複数の分析回のそれぞれについて前記送液圧力記録部(30)により記録された前記送液圧力を時系列的に表示するように構成された送液圧力表示部(32)を備えている。このような態様により、ユーザは分析回を追うごとの送液圧力の変化を視覚的に把握することができ、前記分離カラム(8)の劣化具合をより判断しやすくなる。この第2態様は上記第1態様と組み合わせることができる。
【0034】
本発明に係る液体クロマトグラフの上記実施形態の第3態様では、前記圧力センサ(4)によって検出される前記送液圧力を予め設定されたしきい値と比較し、前記送液圧力が前記しきい値を超えたことを圧力エラーとして検出するように構成されたエラー検出部(34)と、前記エラー検出部が前記圧力エラーを検出した分析回を記録するエラー記録部(36)と、を備えている。このような態様により、ユーザは、前記分離カラム(8)の劣化具合の判断の目安として、分析回ごとの送液圧力とともに圧力エラーが検出された分析回を確認することができる。
【0035】
本発明に係る液体クロマトグラフの上記実施形態の第4態様では、送液圧力記録部30は、試料の分析回ごとに、分析に関する一連の動作中の複数のタイミングで前記圧力センサにより検出される前記送液圧力のうち最も高い圧力値を記録するように構成されている。グラジエント分析を行うことで送液圧力の変動が生じるが、分析回ごとに最も高い1つの送液圧力を時系列的に記憶しておくことで、最も高い送液圧力が時系列的に上昇するように場合に、カラムが劣化していると判断できる。
【符号の説明】
【0036】
2 送液ポンプ
4 圧力センサ
6 オートサンプラ(試料注入部)
8 分離カラム
10 検出器
12 管理装置
14 移動相供給流路
16 分析流路
18 ニードル
20 切替バルブ
22 シリンジポンプ
24 注入ポート
26 サンプルループ
28 ドレイン流路
30 送液圧力記録部
32 送液圧力表示部
34 エラー検出部
36 エラー記録部