(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】画像形成装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20220412BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220412BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220412BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
B41J29/38 203
G03G21/00 388
H04N1/00 Z
G06F3/12 303
G06F3/12 329
G06F3/12 373
(21)【出願番号】P 2021516027
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(86)【国際出願番号】 JP2020016489
(87)【国際公開番号】W WO2020218098
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】P 2019086207
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】内海 大祐
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-078061(JP,A)
【文献】特開2012-043043(JP,A)
【文献】特開2017-199168(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0098249(US,A1)
【文献】国際公開第2009/119182(WO,A1)
【文献】特開2011-007358(JP,A)
【文献】特開2004-289642(JP,A)
【文献】特開2017-081085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/00
H04N 1/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を記録媒体に形成する画像形成部と、記憶部と、制御部と、を備える画像形成装置であって、
前記記憶部は、ユーザーの滞在時間を滞在場所ごとに示す滞在情報を記憶し、
前記制御部は、
前記滞在情報に基づいて、複数の前記滞在場所の中から、前記滞在時間が長い順に、予め定められている第1の数だけ滞在場所を特定し、
前記特定されたそれぞれの滞在場所を示すとともに、前記それぞれの滞在場所について、前記滞在時間の長さに基づく前記画像形成装置の設置位置としての適切さの度合いを示す情報を含む画像を生成し、
前記画像形成部に対し、生成された前記画像を前記記録媒体に形成させる、画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記画像形成装置の使用量をユーザーごとに示す履歴情報と、各ユーザーについて、当該ユーザーの滞在時間を滞在場所ごとに示す前記滞在情報と、を記憶し、
前記制御部は、
前記履歴情報に基づいて、複数の前記ユーザーの中から、前記画像形成装置の使用量の多い順に、予め定められている第2の数だけユーザーを特定し、
前記滞在情報に基づいて、前記特定された前記第2の数のユーザーのそれぞれについて、複数の前記滞在場所の中から、前記滞在時間が長い順に、前記予め定められている第1の数だけ滞在場所を特定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、複数の前記滞在場所のそれぞれにおけるユーザーの滞在の有無を検出する検出部との通信を行なう通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記通信部を介して、前記検出部から、前記ユーザーの滞在が検出されていることを示す第1情報と、前記ユーザーの滞在が検出されなくなったことを示す第2情報とを受信すると、前記第1情報を受信した時点から前記第2情報を受信した時点までの経過時間が前記滞在時間となるように、前記滞在情報を生成する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記画像形成装置の使用量とともに、機密性の高い機密画像の形成回数をユーザーごとにさらに示す前記履歴情報を記憶し、
前記制御部は、前記履歴情報に基づいて、複数の前記ユーザーの中から、機密画像の形成回数が多い順に、予め定められている第3の数だけユーザーを特定し、特定された前記第3の数のユーザーのそれぞれについて、前記画像形成装置の使用量の多い順に、予め定められている第2の数だけユーザーを特定する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記適切さの度合いを示す情報として、前記滞在時間を示す文字列を含む前記画像を生成する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記適切さの度合いを示す情報として、上位になるほど前記適切さの度合いが高く、下位になるほど前記適切さの度合いが低くなるように付されている順位を示す文字列を含む前記画像を生成する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
複数の滞在場所のそれぞれにおけるユーザーの滞在の有無を検出する検出部と、画像形成装置と、を含む画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、画像を記録媒体に形成する画像形成部と、前記検出部との通信を行なう通信部と、記憶部と、制御部と、を備え、
前記記憶部は、ユーザーの滞在時間を前記滞在場所ごとに示す滞在情報を記憶し、
前記制御部は、
前記滞在情報に基づいて、複数の前記滞在場所の中から、前記滞在時間が長い順に、予め定められている第1の数だけ滞在場所を特定し、
前記特定されたそれぞれの滞在場所を示すとともに、前記それぞれの滞在場所について、前記滞在時間の長さに基づく前記画像形成装置の設置位置としての適切さの度合いを示す情報を含む画像を生成し、
前記画像形成部に対し、生成された前記画像を前記記録媒体に形成させ、
前記制御部はまた、前記通信部を介して、前記検出部から、前記ユーザーの滞在が検出されていることを示す第1情報と、前記ユーザーの滞在が検出されなくなったことを示す第2情報とを受信すると、前記第1情報を受信した時点から前記第2情報を受信した時点までの経過時間が前記滞在時間となるように、前記滞在情報を生成する、画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及び画像形成システムに関し、特に、画像形成装置の設置位置に関する情報を提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
センサーによって、装置又は人の位置を検出する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ネットワーク上の各装置の位置情報を管理する管理サーバーから複合機の設置位置を示す配置図を取得し、取得された配置図を表示部に表示させる技術が開示されている。特許文献1にはまた、センサーによって複合機の移動が検出された場合に、変更後の位置情報を管理サーバーに対して送信する技術が開示されている。
【0003】
特許文献2には、広域センサー、ゲートセンサー、及びスポットセンサーを天井板に配置しておき、各センサーの検出結果に基づいて、検知対象者又は検知対象物の位置検出、及び検知対象者の行動認知を行なうとともに、検知対象者に対して情報アシストを行なう技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-42117号公報
【文献】特開2011-108137号公報
【発明の概要】
【0005】
画像形成装置の管理者は、画像形成装置が設置されている部屋のレイアウトを変更する場合等に、画像形成装置の設置位置を決定する必要がある。このような場合、管理者は、画像形成装置の適切な設置位置を決定するために、多くの時間を要するという問題がある。
【0006】
特許文献1に開示されている技術は、ネットワーク上の各装置の位置情報を管理するための技術であり、特許文献2に開示されている技術は、検知対象者に対して情報アシストを行なうための技術である。したがって、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、上記した問題を解決することはできない。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、管理者に対して、画像形成装置の適切な設置位置に関する情報を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、画像を記録媒体に形成する画像形成部と、記憶部と、制御部と、を備える。記憶部は、ユーザーの滞在時間を滞在場所ごとに示す滞在情報を記憶する。制御部は、滞在情報に基づいて、複数の滞在場所の中から、滞在時間が長い順に、予め定められている第1の数だけ滞在場所を特定し、特定されたそれぞれの滞在場所を示すとともに、それぞれの滞在場所について、滞在時間の長さに基づく画像形成装置の設置位置としての適切さの度合いを示す情報を含む画像を生成し、画像形成部に対し、生成された画像を記録媒体に形成させる。
【0009】
本発明の別の一局面に係る画像形成システムは、複数の滞在場所のそれぞれにおけるユーザーの滞在の有無を検出する検出部と、画像形成装置と、を含む。画像形成装置は、画像を記録媒体に形成する画像形成部と、検出部との通信を行なう通信部と、記憶部と、制御部と、を備える。記憶部は、ユーザーの滞在時間を滞在場所ごとに示す滞在情報を記憶する。制御部は、滞在情報に基づいて、複数の滞在場所の中から、滞在時間が長い順に、予め定められている第1の数だけ滞在場所を特定し、特定されたそれぞれの滞在場所を示すとともに、それぞれの滞在場所について、滞在時間の長さに基づく画像形成装置の設置位置としての適切さの度合いを示す情報を含む画像を生成し、画像形成部に対し、生成された画像を記録媒体に形成させる。制御部はまた、通信部を介して、検出部から、ユーザーの滞在が検出されていることを示す第1情報と、ユーザーの滞在が検出されなくなったことを示す第2情報とを受信すると、第1情報を受信した時点から第2情報を受信した時点までの経過時間が滞在時間となるように、滞在情報を生成する。
【0010】
本発明によれば、画像形成装置の管理者は、生成された画像が形成された記録紙を視認することによって、ユーザーの滞在時間の長さに応じた画像形成装置の適切な設置位置を容易に知ることができる。したがって、管理者は、画像形成装置の設置位置の決定に要する時間を短縮することができる。また、管理者は、生成された画像によって示されている設置位置に画像形成装置を設置することによって、画像形成装置の使用頻度を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る提案画像生成処理を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る画像形成システムの構成を示す図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る提案画像生成処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システム及び画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成システムの構成を示す図である。
図1を参照して、画像形成システム100は、画像形成装置1と、検出部7A乃至7L、検出部8A乃至8H、及び検出部9と、を含む。
【0013】
画像形成装置1は、画像形成装置1が設置されている部屋において、予め定められている位置に配置されている。部屋には、画像形成装置1以外の他の備品として、事務用机2A乃至2Lと、事務用椅子3A乃至3Lと、会議用机4と、会議用椅子5A乃至5Hと、ペーパーシュレッダー6と、が予め定められている位置にそれぞれ配置されている。
【0014】
検出部7A乃至7Lのそれぞれは、事務用椅子3A乃至3Lのそれぞれに備えられている。検出部7A乃至7Lのそれぞれは、対応する事務用椅子3A乃至3Lのそれぞれにおけるユーザーの滞在の有無を検出する。検出部8A乃至8Hのそれぞれは、会議用椅子5A乃至5Hのそれぞれに備えられている。検出部8A乃至8Hのそれぞれは、対応する会議用椅子5A乃至5Hのそれぞれにおけるユーザーの滞在の有無を検出する。検出部9は、ペーパーシュレッダー6に備えられている。検出部9は、ペーパーシュレッダー6の近傍におけるユーザーの滞在の有無を検出する。
【0015】
検出部7A乃至7L、検出部8A乃至8H、及び検出部9は、それぞれ、人感センサーを備えている。人感センサーとしては、一般的に使用されているものであれば特に限定されないが、例えば、赤外線センサー、又は、超音波センサー等である。
【0016】
検出部7A乃至7L、検出部8A乃至8H、及び検出部9は、それぞれ、メモリーを備えている。当該各メモリーは、事務用椅子3A乃至3L、会議用椅子5A乃至5H、及びペーパーシュレッダー6のそれぞれを識別するための識別番号を、備品ID(Identification)として予め記憶している。
【0017】
ここでは、事務用椅子3A乃至3Lのそれぞれには、この順に、「20001」乃至「20012」という番号が、備品IDとして昇順に付されているものとする。会議用椅子5A乃至5Hのそれぞれには、この順に、「30001」乃至「30008」という番号が、備品IDとして昇順に付されているものとする。ペーパーシュレッダー6には、「40001」という番号が、備品IDとして付されているものとする。
【0018】
検出部7A乃至7L、検出部8A乃至8H、及び検出部9は、それぞれ、無線LAN(Local Area Network)等による無線通信を行なうための無線通信モジュールを備えている。検出部7A乃至7L、検出部8A乃至8H、及び検出部9は、人感センサーによってユーザーが検出されると、ユーザーの滞在が検出されていることを示す検出有情報を、対応する備品IDとともに画像形成装置1に対して送信する。検出部7A乃至7L、検出部8A乃至8H、及び検出部9は、人感センサーによってユーザーが検出されなくなると、ユーザーの滞在が検出されなくなったことを示す検出無情報を、対応する備品IDとともに画像形成装置1に対して送信する。なお、検出有情報は、特許請求の範囲における第1情報に対応し、検出無情報は、特許請求の範囲における第2情報に対応する。
【0019】
[画像形成装置1の構成]
図2は、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
図2を参照して、画像形成装置1は、ファクシミリ機能、コピー機能、プリンター機能、及びスキャナー機能等の複数の機能を兼ね備えている複合機である。
【0020】
画像形成装置1は、制御ユニット200を備えている。制御ユニット200は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。
【0021】
制御ユニット200は、内蔵するROM又はHDD(Hard Disk Drive)19に記憶されている制御プログラムが上記のプロセッサーによって実行されることにより、制御部10として機能する。なお、制御部10は、制御プログラムに基づく動作によらず、ハード回路によって動作可能に構成されてもよいし、2つ以上の制御ユニットによって実現される構成であってもよい。
【0022】
制御ユニット200は、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、給紙部14、表示部15、操作部16、画像処理部17、画像メモリー18、HDD19、検出部20、ファクシミリ通信部21、及び通信部22等と電気的に接続されている。
【0023】
制御部10は、画像形成装置1の全体制御を司る。より詳細には、制御部10は、画像形成装置1の各部の動作、及び、ネットワークを介して接続されているPC(Personal Computer)等の情報処理装置23との通信等を制御する。
【0024】
画像読取部11は、原稿を搬送する原稿搬送部と、原稿搬送部によって搬送されてくる原稿又はプラテンガラスに載置されている原稿を光学的に読取るスキャナーと、を含むADF(Auto Document Feeder)である。画像読取部11は、光照射部によって原稿を照射し、その反射光をCCD(Charge-Coupled Device)センサーによって受光することで、原稿を読取って画像データを生成する。
【0025】
画像形成部12は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、及び転写装置を含む。画像形成部12は、画像読取部11によって生成された画像データ等に基づいて、給紙部14から供給される記録紙にトナー像によって構成される画像を形成する。
【0026】
定着部13は、画像形成部12によって表面にトナー像が形成された記録紙を加熱及び加圧することでトナー像を記録紙に定着させる。定着部13によってトナー像が定着された記録紙は排紙トレイに排出される。
【0027】
給紙部14は、用紙カセットに収容されている記録紙、又は手差しトレイに載置されている記録紙をピックアップローラーによって1枚ずつ引出して画像形成部12へと送り出す。
【0028】
表示部15は、液晶ディスプレイ等によって構成されている表示装置である。表示部15は、画像形成装置1によって実行可能な各種機能に関する各種の画面を表示する。
【0029】
操作部16は、表示部15に重ねて配置されるタッチパネル16Aを含む。操作部16はまた、各種機能の実行の開始を指示するためのスタートキー16B等を含む複数のハードキーを含む。ユーザーは、操作部16を介して、画像形成装置1によって実行可能な各種機能についての指示を入力する。
【0030】
画像処理部17は、画像読取部11によって生成された画像データに対して、必要に応じて画像処理を実行する。
【0031】
画像メモリー18は、画像読取部11によって生成された画像形成対象の画像データを一時的に記憶する領域を含む。
【0032】
HDD19は、画像読取部11によって生成された画像データ等を含む各種データを記憶する大容量の記憶装置である。HDD19は、画像形成装置1の一般的な動作を実現するための各種制御プログラムを記憶している。HDD19は、各種制御プログラムのうちの1つとして、本発明の第1の実施形態に係る提案画像生成処理を実行するための制御プログラムを記憶している。HDD19は、特許請求の範囲における記憶部の一例である。
【0033】
HDD19は、画像形成装置1を識別するための識別番号を、備品IDとして予め記憶している。ここでは、画像形成装置1には、「50001」という番号が、備品IDとして付されているものとする。
【0034】
HDD19は、ユーザーの滞在場所としての、画像形成装置1の近傍、事務用椅子3A乃至3Lの近傍、会議用椅子5A乃至5Hの近傍、及びペーパーシュレッダー6の近傍におけるユーザーの滞在時間を、備品IDに対応付けて、滞在情報として記憶している。滞在情報は、検出部7A乃至7L、検出部8A乃至8H、検出部9、及び検出部20によって、ユーザーの滞在が検出される度に更新される。滞在情報は、画像形成装置1の管理者等の指示に応じてリセットされる。
【0035】
HDD19は、画像形成装置1が設置されている部屋のレイアウトを示す画像データ(以下、「レイアウト画像」と記す。)を、予め記憶している。HDD19は、レイアウト画像における、画像形成装置1、事務用椅子3A乃至3L、会議用椅子5A乃至5H、及びペーパーシュレッダー6のそれぞれの位置を示す座標情報を、対応する備品IDに対応付けて位置情報として予め記憶している。
【0036】
検出部20は、画像形成装置1の近傍に滞在しているユーザーを検出する。検出部20は、人感センサーを備えている。人感センサーとしては、一般的に使用されているものであれば特に限定されないが、例えば、赤外線センサー、又は、超音波センサー等である。
【0037】
ファクシミリ通信部21は、公衆回線への接続を行ない、公衆回線を介して画像データの送受信を行なう。
【0038】
通信部22は、有線LAN等による有線通信を行なうための有線通信モジュール、及び、無線LAN等による無線通信を行なうための無線通信モジュールを含む。画像形成装置1は、通信部22を介して、ネットワーク上の情報処理装置23等との通信を行なう。画像形成装置1はまた、通信部22を介して、検出部7A乃至7L、検出部8A乃至8H、及び検出部9との通信を行なう。
【0039】
画像形成装置1の各部には電源が接続され、この電源から電力が供給されることによって、画像形成装置1の各部が動作する。
【0040】
[動作]
以下、滞在情報の生成時及び提案画像生成処理時における画像形成装置1の動作について説明する。
【0041】
(1)滞在情報の生成時
ユーザーは、事務用椅子3Aに座ったものとする。検出部7Aに備えられている人感センサーは、事務用椅子3Aに座っているユーザーを検出する。検出部7Aは、検出有情報を、「20001」という備品IDとともに、画像形成装置1に対して送信する。
【0042】
画像形成装置1の制御部10は、一般的なタイムカウンタ機能を備えており、通信部22を介して検出有情報及び備品IDを受信すると、タイムカウンタ機能を用いて、検出有情報を受信した時点からの経過時間を1秒単位で計測する。
【0043】
ユーザーは、事務用椅子3Aに座った時点から例えば10分経過した時点で、事務用椅子3Aから離れたものとする。ユーザーが検出可能範囲から立ち去り、人感センサーによってユーザーが検出されなくなると、検出部7Aは、検出無情報を、「20001」という備品IDとともに、画像形成装置1に対して送信する。
【0044】
制御部10は、通信部22を介して検出無情報及び備品IDを受信すると、タイムカウンタ機能による経過時間の計測を終了する。経過時間の計測を終了すると、制御部10は、HDD19に記憶されている滞在情報を更新する。
【0045】
図3は、滞在情報の一例を示す図である。
図3を参照して、この場合、制御部10は、滞在情報30において、受信された「20001」という備品IDに対応付けられている滞在時間を示す値を、更新前の値よりも「10(分)」増加させて、更新前の値から、100時間00分00秒を示す「100:00:00」という値に更新する。このようにして、制御部10は、検出有情報を受信した時点から検出無情報を受信した時点までの経過時間が滞在時間となるように、滞在情報30を生成する。
【0046】
制御部10は、検出部7B乃至7L、検出部8A乃至8H、検出部9、及び検出部20によってユーザーが検出された場合においても、上記と同様にして、経過時間の計測及び滞在情報30の更新を行なう。なお、制御部10は、検出部20によって出力される検出有情報及び検出無情報については、画像形成装置1内のデータバスを通じて受信する。制御部10は、画像形成装置1の備品IDについては、HDD19から読出すことによって取得する。
【0047】
(2)提案画像生成処理時
図4は、本発明の第1の実施形態に係る提案画像生成処理を示すフローチャートである。提案画像生成処理は、タッチパネル16Aを介して、ユーザーによって、画像形成装置1の設置位置を提案する設置位置提案機能を選択するための指示が入力されることによって、制御部10により実行が開始される。
【0048】
画像形成装置1の電源が投入されると、制御部10は、表示部15に、ホーム画面を表示させる。
図5は、ホーム画面の一例を示す図である。
図5を参照して、ホーム画面50は、ソフトキーとして、コピー機能を選択するためのキー52、及び、設置位置提案機能を選択するためのキー54等を含む。
【0049】
画像形成装置1の管理者は、ホーム画面50を確認して、画像形成装置1の適切な設置位置を知るために、キー54をタッチしたものとする。
図4を参照して、タッチパネル16Aを介してキー54に対するタッチ操作を検知すると、制御部10は、HDD19に記憶されている滞在情報30に基づいて、複数の備品IDの中から、滞在時間が長い順に、第1の数として予め定められている数だけ備品IDを特定する(ステップS11)。ここでは、第1の数として「3」が予め定められているものとする。
【0050】
この場合、制御部10は、最も長い滞在時間である「100:00:00」に対応する「20001」という備品IDと、第2番目に長い滞在時間である「70:00:00」に対応する「30003」という備品IDと、第3番目に長い滞在時間である「65:00:00」に対応する「30005」という備品IDと、を特定する。
【0051】
備品IDの特定後、制御部10は、HDD19に記憶されているレイアウト画像及び位置情報と、特定された備品IDとに基づいて、特定されたそれぞれの備品IDに対応する滞在場所を示すとともに、それぞれの滞在場所について、滞在時間の長さに基づく画像形成装置1の設置位置としての適切さの度合いを示す情報を含む画像データ(以下、「提案画像」と記す。)を生成する(ステップS12)。
【0052】
図6は、提案画像の一例を示す図である。
図6を参照して、ステップS12において、制御部10はまず、位置情報に基づいて、レイアウト画像における、特定された備品IDに対応する滞在場所の位置を、特定する。ここでは、制御部10は、レイアウト画像における、「20001」という備品IDに対応する事務用椅子3Aの位置と、「30003」という備品IDに対応する会議用椅子5Cの位置と、「30005」という備品IDに対応する会議用椅子5Eの位置と、を特定するものとする。
【0053】
制御部10は、レイアウト画像を用いて、事務用椅子3Aの近傍の位置に配置されている画像62と、会議用椅子5Cの近傍の位置に配置されている画像64と、会議用椅子5Eの近傍の位置に配置されている画像66と、を含んでいる提案画像60を生成する。画像62乃至66は、当該画像62乃至66の配置位置を画像形成装置1の設置位置として提案するための画像である。
【0054】
画像62乃至66には、それぞれ、対応する滞在時間を示す文字列が含まれている。当該文字列は、画像形成装置1の設置位置としての適切さの度合いを示す指標として機能する。すなわち、滞在時間が長いほど、画像形成装置1の設置位置としての適切さの度合いが高く、滞在時間が短いほど、画像形成装置1の設置位置としての適切さの度合いが低くなる。
【0055】
提案画像60の生成後、制御部10は、画像形成部12等に対し、提案画像60を、記録紙に形成させる(ステップS13)。画像形成装置1の管理者は、提案画像60が形成された記録紙を取得した後、操作部16を介して、滞在情報30をリセットするための指示を入力する。制御部10は、上記指示を受け付けると、HDD19に記憶されている滞在情報30をリセットする。
【0056】
上記第1の実施形態によれば、HDD19は、ユーザーの滞在時間を備品IDごとに示す滞在情報30を記憶している。制御部10は、滞在情報30に基づいて、複数の備品IDの中から、滞在時間が長い順に、予め定められている第1の数だけ備品IDを特定し、特定されたそれぞれの備品IDに対応する滞在場所の近傍の位置に配置されるとともに、それぞれの滞在場所について、対応する滞在時間を示す文字列を含む画像62乃至66を含む提案画像60を生成し、画像形成部12等に対し、提案画像60を記録紙に形成させる。
【0057】
これによって、画像形成装置1の管理者は、提案画像60が形成された記録紙を視認することによって、ユーザーの滞在時間の長さに応じた画像形成装置1の適切な設置位置を容易に知ることができる。したがって、管理者は、画像形成装置1の設置位置の決定に要する時間を短縮することができる。また、管理者は、提案画像60によって示されている設置位置に画像形成装置1を設置することによって、画像形成装置1の使用頻度を増やすことができる。
【0058】
また上記第1の実施形態によれば、制御部10は、通信部22を介して、検出部7A乃至7L,8A乃至8H,9,20から、検出有情報及び検出無情報を受信すると、検出有情報を受信した時点から検出無情報を受信した時点までの経過時間が滞在時間となるように、滞在情報30を生成する。これによって、制御部10は、正確な滞在時間を滞在情報30に反映させることができる。
【0059】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る画像形成システム及び画像形成装置は、ユーザーの滞在の有無を検出するための検出部の構成が異なる点、及びHDDに記憶されている情報が異なる点を除き、上記第1の実施形態と同じである。以下、上記第1の実施形態と異なる点について説明する。
【0060】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成システムの構成を示す図である。
図7を参照して、画像形成システム400は、画像形成装置300と、検出部72A乃至72L、検出部74A乃至74H、及び検出部76と、を含む。
【0061】
画像形成装置300は、画像形成装置300が設置されている部屋において、予め定められている位置に配置されている。部屋には、画像形成装置300以外の他の備品として、事務用机2A乃至2Lと、事務用椅子3A乃至3Lと、会議用机4と、会議用椅子5A乃至5Hと、ペーパーシュレッダー6と、が予め定められている位置にそれぞれ配置されている。
【0062】
検出部72A乃至72Lのそれぞれは、事務用椅子3A乃至3Lのそれぞれに備えられている。検出部72A乃至72Lのそれぞれは、対応する事務用椅子3A乃至3Lのそれぞれにおけるユーザーの滞在の有無を検出する。検出部74A乃至74Hのそれぞれは、会議用椅子5A乃至5Hのそれぞれに備えられている。検出部74A乃至74Hのそれぞれは、対応する会議用椅子5A乃至5Hのそれぞれにおけるユーザーの滞在の有無を検出する。検出部76は、ペーパーシュレッダー6に備えられている。検出部76は、ペーパーシュレッダー6の近傍におけるユーザーの滞在の有無を検出する。
【0063】
[検出部72A乃至72L,検出部74A乃至74H,検出部76の構成]
検出部72A乃至72L、検出部74A乃至74H、及び検出部76は、それぞれ、RFID(Radio Frequency Identification)用のリーダーを備えている。当該リーダーは、通信可能範囲に存在するRF(Radio Frequency)タグとの無線通信を行なう読取装置である。リーダーは、アンテナを介して電波を発信し、当該電波を受信した例えばパッシブ方式のRFタグから送信される電波を受信することによって、RFタグに記憶されている情報を取得する。本実施形態において、リーダーの通信可能範囲は、リーダーから1メートル離れた距離までであるものとする。
【0064】
検出部72A乃至72L、検出部74A乃至74H、及び検出部76は、それぞれ、メモリーを備えている。当該各メモリーは、事務用椅子3A乃至3L、会議用椅子5A乃至5H、及びペーパーシュレッダー6のそれぞれの備品IDを予め記憶している。
【0065】
検出部72A乃至72L、検出部74A乃至74H、及び検出部76は、それぞれ、無線通信モジュールを備えている。検出部72A乃至72L、検出部74A乃至74H、及び検出部76は、リーダーによってRFタグに記憶されている情報が取得されると、取得された情報を検出有情報として、対応する備品IDとともに画像形成装置300に対して送信する。検出部72A乃至72L、検出部74A乃至74H、及び検出部76は、リーダーによって情報が取得されなくなると、情報が取得されていないことを示す検出無情報を、対応する備品IDとともに画像形成装置300に対して送信する。
【0066】
[画像形成装置300の構成]
図8は、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
図8を参照して、画像形成装置300は、制御ユニット200、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、給紙部14、表示部15、操作部16、画像処理部17、画像メモリー18、HDD80、リーダー82、ファクシミリ通信部21、及び通信部22を備えている。
【0067】
[HDD80の構成]
HDD80は、画像読取部11によって生成された画像データ等を含む各種データを記憶する大容量の記憶装置である。HDD80は、画像形成装置300の一般的な動作を実現するための各種制御プログラムを記憶している。HDD80は、各種制御プログラムの1つとして、本発明の第2の実施形態に係る提案画像生成処理を実行するための制御プログラムを記憶している。HDD80は、特許請求の範囲における記憶部の一例である。
【0068】
HDD80は、認証情報として、ユーザーを識別するための識別番号であるユーザーIDを予め記憶している。ユーザーIDとしては、ユーザーを識別可能な情報であれば特に限定されない。ここでは、ユーザーIDとして、社員番号が用いられるものとする。ユーザーIDは、画像形成装置300の管理者等による操作部16を介した入力によって予め登録される。
【0069】
HDD80は、記録紙の使用枚数を、ユーザーIDに対応付けて、履歴情報として記憶している。履歴情報は、画像形成部12による画像形成が実行される度に更新される。履歴情報は、画像形成装置300の管理者等の指示に応じてリセットされる。
【0070】
HDD80は、画像形成装置300を識別するための識別番号を、備品IDとして予め記憶している。ここでは、画像形成装置300には、「50002」という番号が、備品IDとして付されているものとする。
【0071】
HDD80は、ユーザーIDごとに、画像形成装置300の近傍、事務用椅子3A乃至3Lの近傍、会議用椅子5A乃至5Hの近傍、及びペーパーシュレッダー6の近傍におけるユーザーの滞在時間を、備品IDに対応付けて、滞在情報として記憶している。滞在情報は、検出部72A乃至72L、検出部74A乃至74H、及び検出部76にそれぞれ備えられているリーダー、又はリーダー82によって、ユーザーの滞在が検出される度に更新される。滞在情報は、画像形成装置300の管理者等の指示に応じてリセットされる。
【0072】
HDD80は、画像形成装置300が設置されている部屋のレイアウトを示すレイアウト画像を、予め記憶している。HDD80は、レイアウト画像における、画像形成装置300、事務用椅子3A乃至3L、会議用椅子5A乃至5H、及びペーパーシュレッダー6のそれぞれの位置を示す座標情報を、対応する備品IDに対応付けて位置情報として予め記憶している。
【0073】
[検出部としてのリーダー82の構成]
リーダー82は、通信可能範囲に存在するRFタグ84との無線通信を行なうRFID用の読取装置である。リーダー82は、アンテナを介して電波を発信し、当該電波を受信したパッシブ方式のRFタグ84から送信される電波を受信することによって、RFタグ84に記憶されている情報を取得する。本実施形態では、リーダー82の通信可能範囲は、リーダー82から1メートル離れた距離までであるものとする。リーダー82は、画像形成装置300の近傍に滞在しているユーザーを検出するための検出部として機能する。
【0074】
[動作]
以下、履歴情報の生成時、滞在情報の生成時、及び提案画像生成処理時における画像形成装置300の動作について説明する。
【0075】
(1)履歴情報の生成時
画像形成装置300の電源が投入されると、制御部10は、リーダー82を介して、RFタグ84に記憶されているユーザーIDが取得されるまで待機する。このような場合において、ユーザーが、リーダー82の通信可能範囲に入ったものとする。リーダー82は、ユーザーが所持しているIC(Integrated Circuit)カードに埋め込まれているRFタグ84からユーザーIDとして、「10002」という社員番号を取得したものとする。
【0076】
制御部10は、リーダー82を介してユーザーIDを取得すると、取得されたユーザーIDが、HDD80に認証情報として予め記憶されているユーザーIDと一致するか否かを判定する。この場合、制御部10は、取得されたユーザーIDが、HDD80に記憶されているユーザーIDと一致すると判定し、画像形成装置300へのログインを許可して、表示部15に、ホーム画面50を表示させる。ユーザーは、ホーム画面50を確認し、コピー機能の利用を所望して、キー52を押下したものとする。
【0077】
タッチパネル16Aを介してキー52の押下を検知すると、制御部10は、表示部15に、コピー機能に関する各種設定を入力するための設定画面を表示させる。ユーザーは、設定画面を確認して、操作部16を介して、コピー機能に関する各種設定を入力する。このとき、ユーザーは、コピー部数を10部に設定したものとする。
【0078】
各種設定の入力後、ユーザーは、画像読取部11のプラテンガラスに、1枚の原稿を載置する。原稿の載置後、ユーザーは、コピーを開始するために、スタートキー16Bを押下する。スタートキー16Bの押下を検知すると、制御部10は、画像読取部11に対し、プラテンガラスに載置されている原稿を読み取らせて、画像データを生成させる。制御部10は、画像形成部12等に対し、生成された画像データに基づく画像を10枚の記録紙に形成させる。
【0079】
画像形成部12等による画像形成が終了すると、制御部10は、HDD80に記憶されている履歴情報を更新する。
図9は、履歴情報の一例を示す図である。
図9を参照して、この場合、制御部10は、履歴情報90において、ログイン中のユーザーIDである「10002」という社員番号に対応付けられている記録紙の使用枚数を示す値を、更新前の値よりも「10(枚)」増加させて、更新前の値から、「1200(枚)」という値に更新する。このようにして、制御部10は、履歴情報90を生成する。
【0080】
一方、制御部10は、取得されたユーザーIDが、HDD80に記憶されているユーザーIDと一致しないと判定した場合には、画像形成装置300へのログインを許可することなく、画像形成装置300が備える各種機能を実行不可能な状態のまま維持する。
【0081】
なお、画像形成部12による画像形成を実行する、例えばファクシミリ機能及びプリンター機能等の他の機能の実行時においても、制御部10は、上記と同様にして、ログイン処理及び履歴情報90の更新を行なう。
【0082】
(2)滞在情報の生成時
コピーの終了後、ユーザーは、事務用椅子3Bに座ったものとする。検出部7Bに備えられているリーダーは、ユーザーが所持しているICカードに埋め込まれているRFタグ84からユーザーIDとして、「10002」という社員番号を取得する。検出部7Bは、取得されたユーザーIDを検出有情報として、「20002」という備品IDとともに、画像形成装置300に対して送信する。
【0083】
画像形成装置300の制御部10は、一般的なタイムカウンタ機能を備えており、通信部22を介してユーザーID及び備品IDを受信すると、タイムカウンタ機能を用いて、ユーザーIDを受信した時点からの経過時間を1秒単位で計測する。
【0084】
ユーザーは、事務用椅子3Bに座った時点から例えば30分経過した時点で、事務用椅子3Bから離れたものとする。ユーザーが通信可能範囲から立ち去り、リーダーによってユーザーIDが取得されなくなると、検出部7Bは、検出無情報を、「20002」という備品IDとともに、画像形成装置300に対して送信する。
【0085】
制御部10は、通信部22を介して検出無情報及び備品IDを受信すると、タイムカウンタ機能による経過時間の計測を終了する。経過時間の計測を終了すると、制御部10は、HDD80に記憶されている滞在情報を更新する。
【0086】
図10は、滞在情報の他の一例を示す図である。
図10を参照して、この場合、制御部10は、滞在情報102において、「10002」というユーザーIDについて、「20002」という備品IDに対応付けられている滞在時間を示す値を、更新前の値よりも「30(分)」増加させて、更新前の値から、30時間10分10秒を示す「30:10:10」という値に更新する。このようにして、制御部10は、検出有情報を受信した時点から検出無情報を受信した時点までの経過時間が滞在時間となるように、滞在情報102を生成する。
【0087】
制御部10は、検出部72A、検出部72C乃至72L、検出部74A乃至74H、及び検出部76にそれぞれ備えられているリーダー、又は、リーダー82によってユーザーが検出された場合においても、上記と同様にして、経過時間の計測及び滞在情報102の更新を行なう。なお、制御部10は、リーダー82によって出力される検出有情報及び検出無情報については、画像形成装置300内のデータバスを通じて受信する。制御部10は、画像形成装置300の備品IDについては、HDD80から読出すことによって取得する。
【0088】
(3)提案画像生成処理の実行時
図11は、本発明の第2の実施形態に係る提案画像生成処理を示すフローチャートである。提案画像生成処理は、タッチパネル16Aを介して、ユーザーによって、設置位置提案機能を選択する指示が入力されることによって、制御部10により実行が開始される。
【0089】
画像形成装置300の管理者は、ホーム画面50を確認して、画像形成装置300の適切な設置位置を知るために、キー54をタッチしたものとする。
図11を参照して、タッチパネル16Aを介してキー54に対するタッチ操作を検知すると、制御部10は、HDD80に記憶されている履歴情報90に基づいて、複数のユーザーIDの中から、記録紙の使用枚数の多い順に、第2の数として予め定められている数だけユーザーIDを特定する(ステップS21)。
【0090】
ここでは、第2の数として「1」が予め定められているものとする。この場合、制御部10は、記録紙の使用枚数が最も多い「1200(枚)」に対応する「10002」というユーザーIDを特定する。
【0091】
ユーザーIDの特定後、制御部10は、HDD80に記憶されている滞在情報102に基づいて、特定されたユーザーIDについて、複数の備品IDの中から、滞在時間が長い順に、予め定められている第1の数だけ備品IDを特定する(ステップS22)。ここでは、第1の数として「1」が予め定められているものとする。この場合、制御部10は、「10002」というユーザーIDについて、最も長い滞在時間である「80:00:00」に対応する「30002」という備品IDを特定する。
【0092】
備品IDの特定後、制御部10は、HDD19に記憶されているレイアウト画像及び位置情報と、特定された備品IDとに基づいて、提案画像を生成する(ステップS23)。
【0093】
図12は、提案画像の他の一例を示す図である。
図12を参照して、ステップS23において、制御部10はまず、位置情報に基づいて、レイアウト画像における、特定された備品IDに対応する滞在場所の位置を特定する。この場合、制御部10は、レイアウト画像における、「30002」という備品IDに対応する会議用椅子5Bの位置を特定する。
【0094】
制御部10は、レイアウト画像を用いて、会議用椅子5Bの近傍の位置に配置されている画像122を含んでいる提案画像120を生成する。画像122は、当該画像122の配置位置を画像形成装置1の設置位置として提案するための画像である。提案画像120は、画像形成装置1の設置位置を提案するための画像として、画像122のみを含んでいる。すなわち、画像122は、画像形成装置1の設置位置としての適切さの度合いが最も高いことを示している。
【0095】
提案画像120の生成後、制御部10は、画像形成部12等に対し、提案画像120を、記録紙に形成させる(ステップS24)。画像形成装置300の管理者は、提案画像120が形成された記録紙を取得した後、操作部16を介して、履歴情報90及び滞在情報102をリセットするための指示を入力する。制御部10は、上記指示を受け付けると、HDD80に記憶されている履歴情報90及び滞在情報102をリセットする。
【0096】
上記第2の実施形態によれば、HDD19は、記録紙の使用枚数をユーザーIDごとに示す履歴情報90と、各ユーザーIDについて、ユーザーの滞在時間を備品IDごとに示す滞在情報102と、を記憶している。制御部10は、履歴情報90に基づいて、複数のユーザーIDの中から、記録紙の使用枚数の多い順に、予め定められている第2の数だけユーザーIDを特定し、滞在情報102に基づいて、特定されたユーザーIDについて、複数の備品IDの中から、滞在時間が長い順に、予め定められている第1の数だけ備品IDを特定し、特定された備品IDに対応する滞在場所の近傍の位置に配置されるとともに、当該配置位置が画像形成装置1の設置位置として最も適切であることを示す画像122を含む提案画像120を生成し、画像形成部12等に対し、提案画像120を記録紙に形成させる。
【0097】
これによって、画像形成装置300の管理者は、提案画像120が形成された記録紙を視認することによって、記録紙の使用枚数の多さ、及びユーザーの滞在時間の長さに応じた画像形成装置300の適切な設置位置を容易に知ることができる。したがって、管理者は、画像形成装置300の設置位置の決定に要する時間をより一層短縮することができる。また、管理者は、提案画像120によって示されている設置位置に画像形成装置300を設置することによって、画像形成装置300の使用頻度を増やすことができる。さらに画像形成装置300の使用量が多いユーザーは、画像形成装置300までの移動時間を短縮できるので、当該ユーザーの利便性が向上する。
【0098】
(第1の変形例)
上記第2の実施形態では、予め定められている第1の数及び第2の数がともに「1」であったが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、予め定められている第1の数が「1」であり、予め定められている第2の数が「2」であってもよい。この場合、制御部10は、ステップS21において、記録紙の使用枚数が最も多い「1200(枚)」に対応する「10002」というユーザーIDと、記録紙の使用枚数が第2番目に多い「800(枚)」に対応する「10001」というユーザーIDと、を特定する。
【0099】
制御部10はまた、ステップS22において、「10002」というユーザーIDについて、最も長い滞在時間である「80:00:00」に対応する「30002」という備品IDを特定し、「10001」というユーザーIDについて、最も長い滞在時間である「100:00:00」に対応する「20001」という備品IDを特定する。
【0100】
図13は、提案画像の他の一例を示す図である。
図13を参照して、ステップS23において、制御部10はまず、レイアウト画像における、「30002」という備品IDに対応する会議用椅子5Bの位置と、「20001」という備品IDに対応する事務用椅子3Aの位置とを特定する。
【0101】
制御部10は、レイアウト画像を用いて、会議用椅子5Bの近傍の位置に配置されている画像132と、事務用椅子3Aの近傍の位置に配置されている画像134と、を含んでいる提案画像130を生成する。画像132及び134は、当該画像132及び134の配置位置を画像形成装置300の設置位置として提案するための画像である。
【0102】
画像132及び134には、それぞれ、記録紙の使用枚数の多い順に付されている順位を示す文字列が含まれている。当該文字列は、画像形成装置1の設置位置としての適切さの度合いを示す指標として機能する。すなわち、順位が上位になるほど、画像形成装置1の設置位置としての適切さの度合いが高く、順位が下位になるほど、画像形成装置1の設置位置としての適切さの度合いが低くなる。
【0103】
(第2の変形例)
上記第2の実施形態では、HDD80は、記録紙の使用枚数をユーザーIDに対応付けて、履歴情報90として記憶していたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、HDD80は、記録紙の使用枚数とともに、機密性の高い文書の印刷回数を、ユーザーIDに対応付けて履歴情報として記憶してもよい。制御部10は、例えば、印刷対象の画像データに「秘」の文字が含まれている場合に、当該画像データの印刷を機密性の高い文書の印刷としてカウントする。
【0104】
この場合、ステップS21において、制御部10はまず、複数のユーザーIDの中から、機密性の高い機密文書の印刷回数が多い順に、第3の数として予め定められている数のユーザーIDを特定する。制御部10は次いで、特定された第3の数のユーザーIDのそれぞれについて、記録紙の使用枚数が多い順に、予め定められている第2の数のユーザーIDを特定する。
【0105】
これによって、画像形成装置300の管理者は、提案画像が形成された記録紙を視認することによって、機密文書の印刷回数の多さ、記録紙の使用枚数の多さ、及びユーザーの滞在時間の長さに応じた画像形成装置300の適切な設置位置を容易に知ることができる。したがって、提案画像によって示されている設置位置に画像形成装置300が設置されると、機密文書の印刷回数が多いユーザーは、画像形成装置300までの移動時間を短縮できる。その結果、機密文書の内容が第三者に視認される機会を減らすことができ、機密文書の印刷に起因する情報漏えいを減らすことができる。
【0106】
(第3の変形例)
上記第2の実施形態では、画像形成装置300の使用量は、記録紙の使用枚数によって示されたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。画像形成装置300の使用量は、画像形成の実行回数、すなわち、印刷ジョブの回数によって示されていてもよい。この場合、制御部10は、ステップS21において、画像形成の実行回数が多い順に、予め定められている第2の数のユーザーIDを特定する。
【0107】
また、画像形成装置300の使用量は、画像形成装置300の近傍におけるユーザーの滞在時間によって示されていてもよい。この場合、制御部10は、ステップS21において、画像形成装置300の近傍におけるユーザーの滞在時間が長い順に、予め定められている第2の数のユーザーIDを特定する。
【0108】
また、画像形成装置300の使用量は、画像形成装置300の機能別の使用回数によって示されていてもよい。この場合、制御部10は、ステップS21において、例えば、コピー機能又はファクシミリ機能等の予め定められている機能の使用回数が多い順に、予め定められている第2の数のユーザーIDを特定する。
【0109】
(その他の変形例)
上記第1及び第2の実施形態では、事務用椅子3A乃至3Lのそれぞれが検出部を備えていたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、事務用机2A乃至2Lのそれぞれが検出部を備えている構成であってもよい。
【0110】
また上記第1及び第2の実施形態では、会議用椅子5A乃至5Hのそれぞれが検出部を備えていたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、会議用机4が検出部を備えている構成であってもよい。
【0111】
また上記第1及び第2の実施形態では、ペーパーシュレッダー6が検出部9又は検出部76を備えていたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、本棚又は衝立等の備品が検出部を備えている構成であってもよい。
【0112】
また上記第2の実施形態において、ユーザーIDは、RFID用のリーダーによって取得されたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、ユーザーIDは、磁気カードの磁気ストライプに記憶されている情報を読取る磁気リーダーによって取得されてもよい。この場合、複数の備品に備えられている検出部は、磁気リーダーとともに人感センサーを備えている。これによって、検出部は、備品の近傍に滞在しているユーザーを特定するとともに、当該ユーザーの滞在の有無を検出することができる。
【0113】
また上記第1及び第2の実施形態では、滞在情報30はHDD19に記憶され、滞在情報102及び履歴情報90はHDD80に記憶されていたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、滞在情報30、又は滞在情報102及び履歴情報90は、ネットワークを介して画像形成装置1又は画像形成装置300と接続されているサーバー装置に記憶されていてもよい。この場合、制御部10が、通信部22を介して、サーバー装置から滞在情報30、又は滞在情報102及び履歴情報90を取得する。
【0114】
また上記第1及び第2の実施形態では、滞在情報30,102及び履歴情報90は、画像形成装置1又は画像形成装置300の管理者等の指示に応じてリセットされたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、提案画像60,120,130が出力される等の所定の条件を満たした場合に、制御部10が、滞在情報30,102及び履歴情報90をリセットする構成であってもよい。
【0115】
また上記第1及び第2の実施形態では、提案画像60,120,130には、画像形成装置の設置位置を提案するための情報として、画像62,64,66,122,132,134が含まれていたが、本発明はそのような実施の形態に限定されない。例えば、制御部10は、画像形成装置の設置位置を提案するための情報として、「ペーパーシュレッダーの近傍」、又は「会議用机の近傍」等の文字列を含む提案画像を生成する構成であってもよい。
【0116】
また上記第1及び第2の実施形態では、画像形成部12等は、記録紙に画像を形成したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。画像形成部12等は、記録紙に限らず、他の記録媒体に画像を形成してもよい。他の記録媒体としては、例えば、OHP(Overhead Projector)シートを例示できる。
【0117】
また、上記第1及び第2の実施形態において
図1乃至
図13を用いて示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。