(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】フレキシブル表示パネルおよびフレキシブル表示装置
(51)【国際特許分類】
H05B 33/04 20060101AFI20220412BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220412BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220412BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
H05B33/04
H05B33/14 A
H01L27/32
G09F9/30 308Z
G09F9/30 349Z
G09F9/30 380
G09F9/30 365
(21)【出願番号】P 2018562319
(86)(22)【出願日】2017-10-20
(86)【国際出願番号】 CN2017107001
(87)【国際公開番号】W WO2019075714
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-09-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ダウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シエ、 チュンヤン
【審査官】横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0240817(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0222176(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/00-33/28
H01L 51/50
H01L 27/32
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板と、
前記ベース基板上に位置する表示手段と、
前記表示手段の前記ベース基板から離れた側に位置するとともに、前記表示手段を封止する封止層と、を含み、
前記封止層は、
前記表示手段の前記ベース基板から離れた側に位置する第1無機封止層と、
前記第1無機封止層の前記表示手段から離れた側に位置する第1有機封止層および第2有機封止層と、を含み、
前記第1有機封止層および前記第2有機封止層の各々は、前記第1無機封止層と接しており、
前記第1有機封止層のヤング率は、前記第2有機封止層のヤング率よりも低く、
前記第2有機封止層の幅は、前記第1無機封止層の幅の1/3以下であ
り、
前記第1有機封止層は、前記第2有機封止層の前記第1無機封止層から離れた側に位置するとともに、前記第2有機封止層を覆っていることを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
湾曲可能部を有し、
前記ベース基板の表面を含む平面における前記第1有機封止層の正投影と前記ベース基板の表面を含む平面における前記湾曲可能部の正投影とは、少なくとも一部重なっていることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記ベース基板の表面を含む平面における前記第1有機封止層の正投影は、前記ベース基板の表面を含む平面における前記湾曲可能部の正投影を覆っていることを特徴とする請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記第1有機封止層の幅は、前記湾曲可能部の幅の1.2倍~2.0倍であることを特徴とする請求項3に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記第2有機封止層の厚さは、前記第1有機封止層の厚さの1/2以下であることを特徴とする請求項
1に記載の表示パネル。
【請求項6】
湾曲可能部を有し、
前記ベース基板の表面を含む平面における前記第2有機封止層の正投影と前記ベース基板の表面を含む平面における前記湾曲可能部の正投影とは、少なくとも一部重なっていることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記ベース基板の表面を含む平面における前記湾曲可能部の正投影は、前記ベース基板の表面を含む平面における前記第2有機封止層の正投影を覆っていることを特徴とする請求項
6に記載の表示パネル。
【請求項8】
湾曲可能部を有し、
前記第2有機封止層は、前記湾曲可能部の長さ方向と平行する方向に沿って延在し、かつ前記封止層の全長に亘って延在する単一の第2有機封止ブロックを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項9】
湾曲可能部を有し、
前記第2有機封止層は、前記湾曲可能部の長さ方向と平行する方向に沿って互いに離間する複数の第2有機封止ブロックを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記封止層は、前記第1無機封止層の前記表示手段から離れた側に位置するとともに、前記第1無機封止層と接している第3有機封止層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記第1有機封止層は、前記第2有機封止層の前記第1無機封止層から離れた側に位置するとともに、前記第2有機封止層を覆っており、
前記第1有機封止層は、第1の側、第2の側、および、前記第1の側と前記第2の側とを接続する第3の側を有し、前記第3の側の第1部分は、前記第1無機封止層と接しており、前記第3の側の第2部分は、前記第2有機封止層と接しており、
前記第3有機封止層は、前記第1の側と前記第2の側に前記第1有機封止層を挟み込んでいることを特徴とする請求項
10に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記第3有機封止層は、第3有機材を含み、
前記第2有機封止層は、第2有機材を含み、
前記第3有機材と前記第2有機材は、同一のヤング率を有することを特徴とする請求項
10に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記第3有機封止層と前記第2有機封止層は、同じ材料で製造されることを特徴とする請求項
10に記載の表示パネル。
【請求項14】
前記第3有機封止層は、第3有機材を含み、
前記第2有機封止層は、第2有機材を含み、
前記第3有機材のヤング率は、前記第2有機材のヤング率と異なることを特徴とする請求項
10に記載の表示パネル。
【請求項15】
前記第3有機封止層および前記第2有機封止層の各々は、ポリアクリレートとエポキシ樹脂のうちの1つまたはその組み合わせを含むことを特徴とする請求項
10に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記第1有機封止層は、シリコーン樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項17】
有機発光ダイオード表示パネルである表示パネルであって、
前記表示手段は、複数の有機発光ダイオードと複数の薄膜トランジスタとを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項18】
湾曲可能部を有し、
前記第1有機封止層は、複数列の第1有機封止ブロックを含み、前記複数列の第1有機封止ブロックのうちの各列は、前記湾曲可能部の長さ方向に沿って延在し、
前記第2有機封止層は、複数列の第2有機封止ブロックを含み、前記複数列の第2有機封止ブロックのうちの各列は、前記湾曲可能部の長さ方向と平行する方向に沿って延在し、
前記複数列の第2有機封止ブロックのうちの各列は、前記封止層の全長に亘って延在する単一の第2有機封止ブロックを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項19】
湾曲可能部を有し、
前記第1有機封止層は、複数列の第1有機封止ブロックを含み、前記複数列の第1有機封止ブロックのうちの各列は、前記湾曲可能部の長さ方向と平行する方向に沿って延在し、
前記第2有機封止層は、複数列の第2有機封止ブロックを含み、前記複数列の第2有機封止ブロックのうちの各列は、互いに離間して前記湾曲可能部の長さ方向と平行する方向に沿って延在する複数の第2有機封止ブロックを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項20】
前記第1有機封止層および前記第2有機封止層の前記第1無機封止層から離れた側に位置する第2無機封止層をさらに含み、
前記第1有機封止層は、前記第2無機封止層と接しており、
前記第2有機封止層は、前記第1有機封止層によって前記第2無機封止層と離隔されていることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項21】
前記封止層は、前記第1無機封止層と前記第2無機封止層との間に位置するとともに、前記第1無機封止層および前記第2無機封止層と接している第3有機封止層をさらに含むことを特徴とする請求項
20に記載の表示パネル。
【請求項22】
請求項1~
21のいずれか1項に記載の表示パネルを備えることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術に関し、特にフレキシブル表示パネルおよびフレキシブル表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル表示装置は、フレキシブル表示パネルを備える曲げ可能または変形可能な表示装置である。フレキシブル表示装置の例としては、フレキシブル有機発光ダイオード(OLED)表示装置、フレキシブル電気泳動表示(EPD)装置およびフレキシブル液晶表示(LCD)装置が含まれている。フレキシブル表示装置は、新世代の表示装置として、より薄型化かつより軽量化で、高いコントラスト、高い応答性および高い輝度を有し、またフルカラーや広視野角を実現した。フレキシブル表示装置は、携帯電話、パーソナル・デジタル・アシスタンス(PDAs)、デジタルカメラ、オンボードディスプレイ、ノートパソコン、壁掛けテレビおよび様々な軍事用途に広く用いられている。フレキシブル表示装置は、フレキシブルアレイ基板を含む。フレキシブルアレイ基板のベース基板は、プラスチックなどの可撓性材で製造可能なものである。
【発明の概要】
【0003】
1つの形態において、本発明は、ベース基板と、前記ベース基板上に位置する表示手段と、前記表示手段の前記ベース基板から離れた側に位置し、前記表示手段を封止する封止層とを含み、前記封止層は、前記表示手段の前記ベース基板から離れた側に位置する第1無機封止層と、前記第1無機封止層の前記表示手段から離れた側に位置する第1有機封止層および第2有機封止層とを含み、前記第1有機封止層および前記第2有機封止層の各々は前記第1無機封止層と接しており、前記第1有機封止層のヤング率は、前記第2有機封止層のヤング率よりも低いである表示パネルを提供する。
【0004】
必要に応じて、前記表示パネルは、湾曲可能部を有し、前記ベース基板の表面を含む平面における前記第1有機封止層の正投影と前記ベース基板の表面を含む平面における前記湾曲可能部の正投影とは少なくとも一部重なっている。
【0005】
必要に応じて、前記ベース基板の表面を含む平面における前記第1有機封止層の正投影は、前記ベース基板の表面を含む平面における前記湾曲可能部の正投影を大体覆っている。
【0006】
必要に応じて、前記第1有機封止層の幅は、前記湾曲可能部の幅の約1.2倍~約2.0倍である。
【0007】
必要に応じて、前記第2有機封止層の幅は、前記第1有機封止層の幅の約1/3以下である。
【0008】
必要に応じて、前記第1有機封止層は、前記第2有機封止層の前記第1無機封止層から離れた側に位置し、前記第2有機封止層を大体覆っている。
【0009】
必要に応じて、前記第2有機封止層の厚さは、前記第1有機封止層の厚さの約1/2以下である。
【0010】
必要に応じて、前記表示パネルは、湾曲可能部を有し、前記ベース基板の表面を含む平面における前記第2有機封止層の正投影と前記ベース基板の表面を含む平面における前記湾曲可能部の正投影とは少なくとも一部重なっている。
【0011】
必要に応じて、前記ベース基板の表面を含む平面における前記湾曲可能部の正投影は、前記ベース基板の表面を含む平面における前記第2有機封止層の正投影を大体覆っている。
【0012】
必要に応じて、前記表示パネルは、湾曲可能部を有し、前記第2有機封止層は、前記湾曲可能部の長さ方向と大体平行する方向に沿って延在し、かつ大体前記封止層の全長に亘って延在する単一の第2有機封止ブロックを含む。
【0013】
必要に応じて、前記表示パネルは、湾曲可能部を有し、前記第2有機封止層は、前記湾曲可能部の長さ方向と大体平行する方向に沿って互い離間する複数の第2有機封止ブロックを含む。
【0014】
必要に応じて、前記封止層は、前記第1無機封止層の前記表示手段から離れた側に位置するとともに、前記第1無機封止層と接している第3有機封止層をさらに含む。
【0015】
必要に応じて、前記第1有機封止層は、前記第2有機封止層の前記第1無機封止層から離れた側に位置するとともに、前記第2有機封止層を大体覆っており、前記第1有機封止層は、第1の側、第2の側、および、前記第1の側と前記第2の側とを接続する第3の側を有し、前記第3の側の第1部分は、前記第1無機封止層と接しており、前記第3の側の第2部分は、前記第2有機封止層と接しており、前記第3有機封止層は、前記第1の側と前記第2の側に前記第1有機封止層を挟み込んでいる。
【0016】
必要に応じて、前記第3有機封止層は、第3有機材を含み、前記第2有機封止層は、第2有機材を含み、前記第3有機材と前記第2有機材は、ほぼ同一のヤング率を有する。
【0017】
必要に応じて、前記第3有機封止層と前記第2有機封止層は、同じ材料で製造される。
【0018】
必要に応じて、前記第3有機封止層は、第3有機材を含み、前記第2有機封止層は、第2有機材を含み、前記第3有機材のヤング率は、前記第2有機材のヤング率と異なる。
【0019】
必要に応じて、前記第3有機封止層および前記第2有機封止層の各々は、ポリアクリレートとエポキシ樹脂のうちの1つまたはその組み合わせを含む。
【0020】
必要に応じて、前記第1有機封止層は、シリコーン樹脂を含む。
【0021】
必要に応じて、前記表示パネルは、有機発光ダイオード表示パネルであり、前記表示手段は、複数の有機発光ダイオードと複数の薄膜トランジスタとを含む。
【0022】
必要に応じて、前記表示パネルは、湾曲可能部を有し、前記第1有機封止層は、複数列の第1有機封止ブロックを含み、前記複数列の第1有機封止ブロックのうちの各列は、大体前記湾曲可能部の長さ方向に沿って延在し、前記第2有機封止層は、複数列の第2有機封止ブロックを含み、前記複数列の第2有機封止ブロックのうちの各列は、前記湾曲可能部の長さ方向と大体平行する方向に沿って延在し、前記複数列の第2有機封止ブロックのうちの各列は、大体前記封止層の全長に亘って延在する単一の第2有機封止ブロックを含む。
【0023】
必要に応じて、前記表示パネルは、湾曲可能部を有し、前記第1有機封止層は、複数列の第1有機封止ブロックを含み、前記複数列の第1有機封止ブロックのうちの各列は、前記湾曲可能部の長さ方向と大体平行する方向に沿って延在し、前記第2有機封止層は、複数列の第2有機封止ブロックを含み、前記複数列の第2有機封止ブロックのうちの各列は、前記湾曲可能部の長さ方向と大体平行する方向に沿って延在し、前記複数列の第2有機封止ブロックのうちの各列は、互い離間する複数の第2有機封止ブロックを含む。
【0024】
必要に応じて、前記表示パネルは、前記第1有機封止層および前記第2有機封止層の前記第1無機封止層から離れた側に位置する第2無機封止層をさらに含み、前記第1有機封止層は前記第2無機封止層と接しており、前記第2有機封止層は、前記第1有機封止層によって前記第2無機封止層と離隔されている。
【0025】
必要に応じて、前記封止層は、前記第1無機封止層と前記第2無機封止層との間に位置するとともに、前記第1無機封止層および前記第2無機封止層と接している第3有機封止層をさらに含む。
【0026】
別の形態において、本発明は、本開示に記載の表示パネルまたは本開示に記載の方法により製造された表示パネルを備える表示装置を提供する。
【0027】
以下の図面は、さまざまな開示実施例を説明する例に過ぎず、本発明の範囲を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の幾つかの実施例におけるフレキシブル表示パネルの構造を示す図である。
【
図2】本開示の幾つかの実施例における
図1のA-A’線に沿う断面図である。
【
図3】本開示の幾つかの実施例における
図1のA-A’線に沿う断面図である。
【
図4】本開示の幾つかの実施例におけるフレキシブル表示パネルの平面図である。
【
図5】本開示の幾つかの実施例におけるフレキシブル表示パネルの平面図である。
【
図6】本開示の幾つかの実施例における
図1のA-A’線に沿う断面図である。
【
図7】本開示の幾つかの実施例におけるフレキシブル表示パネルの平面図である。
【
図8】本開示の幾つかの実施例におけるフレキシブル表示パネルの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下は、実施例に合わせて、本発明をさらに詳しく説明する。幾つかの実施例に関する以下の説明は、例示や説明を目的とするためのものだけであり、全てを網羅するものではなく、開示した形態と全く同じものに本発明を制限するものではないことに留意すべきである。
【0030】
図1は、本開示の幾つかの実施例におけるフレキシブル表示パネルの構造を示す図である。
図1を参照すると、フレキシブル表示パネルは、少なくとも1つの湾曲可能部Bを含む。1つの実施例において、フレキシブル表示パネルは、ローラブル表示パネルであって、複数の湾曲可能部Bを含む。別の実施例において、フレキシブル表示パネルは、折り畳み可能な表示パネルである。例えば、折り畳み可能な表示パネルは、湾曲可能部Bと、湾曲可能部Bの2つの相対する側に位置する第1曲げ不可能部N1および第2曲げ不可能部N2とを含んでよい。折り畳まれた構造において、第1曲げ不可能部N1と第2曲げ不可能部N2とは、対向する。折り畳まれない構造において、湾曲可能部Bと、第1曲げ不可能部N1と、第2曲げ不可能部N2とは、大体同一平面にあることができる。必要に応じて、湾曲可能部Bと、第1曲げ不可能部N1と、第2曲げ不可能部N2とは、一体型の、折り畳み可能な表示パネルまたはローラブル表示パネルを構成する。
【0031】
図2は、本開示の幾つかの実施例における
図1のA-A’線に沿う断面図である。
図2を参照すると、幾つかの実施例において、フレキシブル表示パネルは、フレキシブルベース基板100と、フレキシブルベース基板100上に位置する表示手段200と、表示手段200のフレキシブルベース基板100から離れた側に位置するとともに、表示手段200を封止する封止層300とを含む。幾つかの実施例において、封止層300は、表示手段200のフレキシブルベース基板100から離れた側に位置する第1無機封止層310と、第1無機封止層310の表示手段200から離れた側に位置する有機封止層320と、有機封止層320の第1無機封止層310から離れた側に位置する第2無機封止層330を含む。良好な撓性を図るために、有機封止層320は、通常、比較的高い弾性を有する材料(たとえば、比較的小さなヤング率を有する材料)で製造される。しかし、比較的小さなヤング率を有する材料は、通常、無機封止層(例えば、第1無機封止層310と第2無機封止層330)に対して、比較的弱い接着性を有する。これによって、通常、有機封止層320が無機封止層から分離(例えば、剥離)され、特にフレキシブル表示パネルの湾曲可能部Bまたはその周辺に分離が発生し、フレキシブル表示パネルの欠陥につながる。
【0032】
これに鑑み、本発明は、特に、従来技術の制限及び欠点による1つ以上の問題を大体解消したフレキシブル表示パネルおよびフレキシブル表示装置を提供する。1つの形態において、本開示は、曲げることができる位置に湾曲可能部を有する表示パネルを提供する。幾つかの実施例において、表示パネルは、ベース基板と、ベース基板上に位置する表示手段と、表示手段のベース基板から離れた側に位置するとともに、表示手段を封止する封止層とを含む。必要に応じて、封止層は、表示手段のベース基板から離れた側に位置する第1無機封止層と、第1無機封止層の表示手段から離れた側に位置する第1有機封止層および第2有機封止層とを含む。必要に応じて、第1有機封止層および第2有機封止層の各々は第1無機封止層と接している。必要に応じて、第1有機封止層のヤング率は、第2有機封止層のヤング率よりも低い。必要に応じて、表示手段は、複数の副画素の発光をそれぞれ駆動するための複数の薄膜トランジスタを有する液晶表示手段である。各副画素における液晶表示手段は、共通電極と、画素電極と、対向する2つの基板の間に挟み込まれた液晶分子層とを含む。必要に応じて、表示手段は、複数の副画素のそれぞれに位置する複数の有機発光ダイオードと、複数の有機発光ダイオードの発光をそれぞれ駆動するための複数の薄膜トランジスタとを備える有機発光表示手段である。複数の副画素のうちの1つにおける複数の有機発光ダイオードの各々は、陰極と、陽極と、陰極と陽極との間に位置する有機発光層とを含む。
【0033】
図3は、本開示の幾つかの実施例における
図1のA-A’線に沿う断面図である。
図3を参照すると、幾つかの実施例において、フレキシブル表示パネルは、フレキシブルベース基板100と、フレキシブルベース基板100上に位置する表示手段200と、表示手段200のフレキシブルベース基板100から離れた側に位置するとともに、表示手段200を封止する封止層300とを含む。幾つかの実施例において、封止層300は、表示手段200のフレキシブルベース基板100から離れた側に位置する第1無機封止層310と、第1無機封止層310の表示手段200から離れた側に位置する有機封止層320とを含む。
図3に示すように、幾つかの実施例において、有機封止層320は、第1有機封止層324と、第2有機封止層323と、第1無機封止層310の表示手段200から離れた側に位置する第3有機封止層322とを含む。1つの実施例において、第1有機封止層324と第2有機封止層323と第3有機封止層322とは、大体同一水平面(例えば、第1無機封止層310の上表面を含む平面)にある。必要に応じて、第1有機封止層324と第2有機封止層323と第3有機封止層322はいずれも第1無機封止層310と接している。必要に応じて、第1有機封止層324は、第2有機封止層323の第1無機封止層310から離れた側に位置するとともに、第2有機封止層323を大体覆っている。必要に応じて、第1有機封止層324は、第1の側、第2の側、および、第1の側と第2の側とを接続する第3の側を有する。第3の側の第1部分(たとえば、周辺部分)は、第1無機封止層310と接している。第3の側の第2部分(たとえば、中央部分)は、第2有機封止層323と接している。必要に応じて、第3有機封止層322は、第1の側と第2の側に第1有機封止層324を挟み込んでいる。
【0034】
必要に応じて、第2有機封止層323は、第1の側、第2の側、および、第1の側と第2の側とを接続する第3の側を有する。必要に応じて、第2有機封止層323の第3の側は、第1無機封止層310と接している。第1有機封止層324は、第1の側と第2の側に第2有機封止層323を挟み込んでいる。
【0035】
幾つかの実施例において、第1有機封止層324は、第2有機封止層323および第3有機封止層322よりも撓性がある。必要に応じて、第1有機封止層324は、第2有機封止層323および第3有機封止層322よりも弾性がある。必要に応じて、第2有機封止層323および第3有機封止層322は、第1有機封止層324と比べて、第1無機封止層310との接着性がより優れる。必要に応じて、第1有機封止層324のヤング率は、第2有機封止層323および第3有機封止層322のヤング率よりも低い。必要に応じて、第2有機封止層323または第3有機封止層322のヤング率に対する第1有機封止層324のヤング率の比は、約1:40~約1:20000の範囲、例えば、約1:40~約1:400の範囲、約1:400~約1:2000の範囲、約1:2000~約1:4000の範囲、約1:4000~約1:8000の範囲、約1:8000~約1:12000の範囲、約1:12000~約1:14000の範囲、約1:14000~約1:16000の範囲、約1:16000~約1:18000の範囲、および約1:18000~約1:20000の範囲にある。
【0036】
幾つかの実施例において、第3有機封止層322は第3有機材を含み、第2有機封止層323は第2有機材を含み、且つ、第1有機封止層324は第1有機材を含む。必要に応じて、第1有機材(例えば、ポリマー材)のヤング率は、約0.001GPa~約0.5Gpaの範囲、例えば、0.001GPa~約0.05Gpaの範囲、0.05GPa~約0.1Gpaの範囲、0.1GPa~約0.2Gpaの範囲、0.2GPa~約0.3Gpaの範囲、0.3GPa~約0.4Gpaの範囲、および0.4GPa~約0.5Gpaの範囲にある。必要に応じて、第1有機材(例えば、ポリマー材)のヤング率は、約0.5GPa~約1.5Gpaの範囲、例えば、0.5GPa~約1.0Gpaの範囲および1.0GPa~約1.5Gpaの範囲にある。必要に応じて、第1有機材(例えば、ポリマー材)のヤング率は、約2.0GPa~約20GPaの範囲、例えば、約2.0GPa~約4.0GPaの範囲、約4.0GPa~約6.0GPaの範囲、約6.0GPa~約8.0GPaの範囲、約8.0GPa~約10GPaの範囲、約10GPa~約12.5GPaの範囲、約12.5GPa~約15GPaの範囲、約15GPa~約17.5GPaの範囲および約17.5GPa~約20GPaの範囲にある。必要に応じて、第2有機材(例えば、ポリマー材)のヤング率は、約2.0GPa~約20GPaの範囲、例えば、約2.0GPa~約4.0GPaの範囲、約4.0GPa~約6.0GPaの範囲、約6.0GPa~約8.0GPaの範囲、約8.0GPa~約10GPaの範囲、約10GPa~約12.5GPaの範囲、約12.5GPa~約15GPaの範囲、約15GPa~約17.5GPaの範囲および約17.5GPa~約20GPaの範囲にある。必要に応じて、第3有機材(例えば、ポリマー材)のヤング率は、約2.0GPa~約20GPaの範囲、例えば、約2.0GPa~約4.0GPaの範囲、約4.0GPa~約6.0GPaの範囲、約6.0GPa~約8.0GPaの範囲、約8.0GPa~約10GPaの範囲、約10GPa~約12.5GPaの範囲、約12.5GPa~約15GPaの範囲、約15GPa~約17.5GPaの範囲および約17.5GPa~約20GPaの範囲にある。
【0037】
必要に応じて、第3有機材のヤング率は、第2有機材のヤング率と異なる。必要に応じて、第3有機材と第2有機材は、ほぼ同一のヤング率を有する。必要に応じて、第3有機封止層322と第2有機封止層323は同じ材料で製造される。1つの実施例において、第3有機封止層322と第2有機封止層323は、単一のパターニング・プロセスにおいて、同一のマスクプレートを用いて同一の層に形成されている。
【0038】
幾つかの実施例において、第1有機封止層324のヤング率は第2有機封止層323および第3有機封止層322のヤング率より低ければ、第1有機封止層324、第2有機封止層323および第3有機封止層322はいずれもシリコーン樹脂、ポリアクリレート、エポキシ樹脂およびポリウレタンアクリレート樹脂のうちの1つまたはその組み合わせで製造されることができる。必要に応じて、第1有機封止層324は、シリコーン樹脂を含む。必要に応じて、第3有機封止層322は、ポリアクリレートおよびエポキシ樹脂のうちの1つまたはその組み合わせを含む。必要に応じて、第2有機封止層323は、ポリアクリレートおよびエポキシ樹脂のうちの1つまたはその組み合わせを含む
【0039】
幾つかの実施例において、フレキシブルベース基板100の表面(例えば、上表面)を含む平面における第1有機封止層324の正投影とフレキシブルベース基板100の表面を含む平面における湾曲可能部Bの正投影とは、少なくとも一部重なっている。
図3に示すように、幾つかの実施例において、フレキシブルベース基板100の表面を含む平面における第1有機封止層324の正投影は、フレキシブルベース基板100の表面を含む平面における湾曲可能部Bの正投影を大体覆っている。
【0040】
必要に応じて、フレキシブルベース基板100の表面(例えば、上表面)を含む平面における第3有機封止層322の正投影は、大体、フレキシブルベース基板100の表面を含む平面における第1有機封止層324および第2有機封止層323の正投影の外に位置する(例えば、重ならない)。
【0041】
図3を参照すると、第1有機封止層324は、湾曲可能部Bの幅方向に幅w1を有する。湾曲可能部Bは、湾曲可能部Bの幅方向に幅Wbを有する。必要に応じて、第2有機封止層323は、湾曲可能部Bの幅方向に幅w2を有する。幾つかの実施例において、幅w1は、幅Wbよりも大きく、幅Wbは、幅w2よりも大きい。必要に応じて、幅w1は、幅Wbの約1.2倍~約2.0倍、例えば、約1.2倍~約1.4倍、約1.4倍~約1.6倍、約1.6倍~約1.8倍および約1.8倍~約2倍である。必要に応じて、幅w2は、幅w1の約1/3以下(例えば、1/6以下)である。必要に応じて、幅w1に対する幅w2の比は、約1:6~約1:3の範囲にある。
【0042】
幾つかの実施例において、第1有機封止層324は、第2有機封止層323の第1無機封止層310から離れた側に位置するとともに、第2有機封止層323を大体覆っている。必要に応じて、第2有機封止層323は、第1無機封止層310と接しており、かつ、第1有機封止層324は、第2有機封止層323と接しているとともに、第2有機封止層323の両側に第1無機封止層310と接している。
【0043】
図3を参照すると、幾つかの実施例において、第1有機封止層324は、厚さ(例えば、最大厚さ)t1を有し、第2有機封止層323は、厚さ(例えば、最大厚さ)t2を有する。必要に応じて、厚さt1は、厚さt2よりも大きく、すなわち第1有機封止層324は、第2有機封止層323を覆っている。必要に応じて、厚さt2は、厚さt1の1/2以下(例えば、1/4以下)である。必要に応じて、厚さt1に対する厚さt2の比は、約1:4~約1:2の範囲にある。
【0044】
幾つかの実施例において、フレキシブルベース基板100の表面を含む平面における第2有機封止層323の正投影とフレキシブルベース基板100の表面を含む平面における湾曲可能部Bの正投影とは、少なくとも一部重なっている。
図3を参照すると、フレキシブルベース基板100の表面を含む平面における湾曲可能部Bの正投影は、フレキシブルベース基板100の表面を含む平面における第2有機封止層323の正投影を大体覆っている。
【0045】
図4は、本開示の幾つかの実施例におけるフレキシブル表示パネルの平面図である。
図4および
図3を参照すると、幾つかの実施例において、第2有機封止層323は、湾曲可能部Bの長さ方向と大体平行する方向に沿って延在し、大体前記封止層300の全長(例えば、第3有機封止層322の全長または第1無機封止層310の全長)に亘って延在する単一の第2有機封止ブロック323bを含む。
【0046】
図5は、本開示の幾つかの実施例におけるフレキシブル表示パネルの平面図である。
図5および
図3を参照すると、幾つかの実施例において、第2有機封止層323は、湾曲可能部Bの長さ方向と大体平行する方向に沿って配列されている互い離間する複数の第2有機封止ブロック323bを含む。
【0047】
図6は、本開示の幾つかの実施例における
図1のA-A’線に沿う断面図である。
図7は、本開示の幾つかの実施例におけるフレキシブル表示パネルの平面図である。
図8は、本開示の幾つかの実施例におけるフレキシブル表示パネルの平面図である。
図6~
図8を参照すると、幾つかの実施例において、第1有機封止層324は、複数列の第1有機封止ブロック324bを含む。複数列の第1有機封止ブロック324bのうちの各列は、大体湾曲可能部Bの長さ方向に沿って延在する。複数列の第1有機封止ブロック324bのうち隣接する2列は、第3有機封止層322によって離隔されている。第2有機封止層323は、複数列の第2有機封止ブロック323bを含む。複数列の第2有機封止ブロック323bのうちの各列は、湾曲可能部Bの長さ方向と大体平行する方向に沿って延在する。
図7を参照すると、幾つかの実施例において、複数列の第2有機封止ブロック323bのうちの各列は、大体前記封止層300の全長(例えば、第3有機封止層322の全長または第1無機封止層310の全長)に亘って延在する単一の有機封止ブロックを含む。
図8を参照すると、幾つかの実施例において、複数列の第2有機封止ブロック323bのうちの各列は、互い離間する複数の第2有機封止ブロック323bを含む。
【0048】
第1有機封止層324が複数列の第1有機封止ブロック324bを含みかつ第2有機封止層323が複数列の第2有機封止ブロック323bを含む場合、湾曲可能部Bは、複数列の第1有機封止ブロック324bのうちの1列以上または複数列の第2有機封止ブロック323bのうちの1列以上に対応することができる。1つの実施例において、湾曲可能部Bは、複数列の第1有機封止ブロック324bのうちの一列と複数列の第2有機封止ブロック323bのうちの一列に対応する。必要に応じて、複数列の第1有機封止ブロック324bのうちの一列の幅は湾曲可能部Bの幅よりも大きく、湾曲可能部Bの幅は複数列の第2有機封止ブロック323bのうちの一列の幅よりも大きい。別の実施例において、湾曲可能部Bは、複数列の第1有機封止ブロック324bのうちの複数列または複数列の第2有機封止ブロック323bのうちの複数列に対応する。例えば、湾曲可能部Bの幅は、複数列の第1有機封止ブロック324bのうちの複数列、または、複数列の第2有機封止ブロック323bのうちの複数列に亘るものである。
【0049】
幾つかの実施例において、フレキシブル表示パネルは、ローラブル表示パネルである。ローラブル表示パネルにおいて、
図6~
図8に示すように、第1有機封止層324は、複数列の第1有機封止ブロック324bを含み、第2有機封止層323は、複数列の第2有機封止ブロック323bを含む。ローラブル表示パネルは、複数の湾曲可能部を含み、この複数の湾曲可能部の各々は、複数例の第1有機封止ブロック324bのうちの1列及び複数列の第2有機封止ブロック323bのうちの1列に対応する。このような構造により、ローラブル表示パネルは、撓性が向上するとともに、機械的耐久性が向上する。例えば、本ローラブル表示パネルにおいて、有機封止層の無機封止層から分離することはより難くなる。
【0050】
図3を参照すると、幾つかの実施例において、フレキシブル表示パネルは、有機封止層320の第1無機封止層310から離れた側、例えば、第3有機封止層322、第2有機封止層323および第1有機封止層324の第1無機封止層310から離れた側に位置する第2無機封止層330をさらに含む。必要に応じて、第3有機封止層322および第1有機封止層324は、第2無機封止層330と接している。第2有機封止層323と第2無機封止層330とは、第1有機封止層324によって離隔されている。
【0051】
必要に応じて、フレキシブル表示パネルは、フレキシブル液晶表示パネルである。必要に応じて、フレキシブル表示パネルは、フレキシブル有機発光ダイオード表示パネルである。
【0052】
別の実施例において、本開示は、表示パネル(例えば、フレキシブル表示パネル)を製造する方法を提供する。幾つかの実施例において、この方法は、ベース基板(例えば、フレキシブルベース基板)に表示手段を形成することと、表示手段のベース基板から離れた側に封止層を形成して表示手段を封止することとを含む。必要に応じて、封止層を形成する工程は、表示手段のベース基板から離れた側に第1無機封止層を形成することと、第1無機封止層の表示手段から離れた側に第1有機封止層および第2有機封止層を形成することを含む。必要に応じて、第1有機封止層および第2有機封止層の各々は、第1無機封止層と接するように形成されている。必要に応じて、第1有機封止層のヤング率は、第2有機封止層のヤング率よりも低い。
【0053】
幾つかの実施例において、表示パネルは、曲げることができる位置に湾曲可能部を有するように形成されている。必要に応じて、第1有機封止層は、ベース基板の表面を含む平面における第1有機封止層の正投影とベース基板の表面を含む平面における湾曲可能部の正投影とが少なくとも一部重なるように形成されている。必要に応じて、第1有機封止層は、ベース基板の表面を含む平面における第1有機封止層の正投影がベース基板の表面を含む平面における湾曲可能部の正投影を大体覆うように形成されている。必要に応じて、第1有機封止層は、その幅が湾曲可能部の幅の約1.2倍~約2.0倍であるように形成されている。
【0054】
必要に応じて、第2有機封止層および第1有機封止層は、第2有機封止層の幅が第1有機封止層の幅の約1/3以下であるように形成されている。必要に応じて、第1有機封止層は、第2有機封止層の第1無機封止層から離れた側にあるとともに、第2有機封止層を大体覆うように形成されている。必要に応じて、第2有機封止層および第1有機封止層は、第2有機封止層の厚さが第1有機封止層の厚さの約1/2以下であるように形成されている。
【0055】
幾つかの実施例において、表示パネルは、曲げることができる位置に湾曲可能部を有するように形成されている。必要に応じて、第2有機封止層は、ベース基板の表面を含む平面における第2有機封止層の正投影とベース基板の表面を含む平面における湾曲可能部の正投影とが少なくとも一部重なるように形成されている。必要に応じて、第2有機封止層は、ベース基板の表面を含む平面における湾曲可能部の正投影がベース基板の表面を含む平面における第2有機封止層の正投影を大体覆うように形成されている。
【0056】
幾つかの実施例において、表示パネルは、曲げることができる位置に湾曲可能部を有するように形成されている。必要に応じて、第2有機封止層を形成する工程は、湾曲可能部の長さ方向と大体平行する方向に沿って延在し、大体前記封止層の全長に亘って延在する単一の第2有機封止ブロックを形成することを含む。必要に応じて、第2有機封止層を形成する工程は、湾曲可能部の長さ方向と大体平行する方向に形成された互い離間する複数の第2有機封止ブロックを形成する工程を含む。
【0057】
幾つかの実施例において、封止層を形成する工程は、第1無機封止層の表示手段から離れた側に位置するとともに、第1無機封止層と接している第3有機封止層を形成することをさらに含む。必要に応じて、第1有機封止層は、第2有機封止層の第1無機封止層から離れた側にあるとともに、第2有機封止層を大体覆うように形成されている。必要に応じて、第1有機封止層は、第1の側、第2の側、および、第1の側と第2の側とを接続する第3の側を有するように形成されている。第3の側の第1部分は、第1無機封止層と接するように形成されている。第3の側の第2部分は、第2有機封止層と接するように形成されている。必要に応じて、第3有機封止層は、第1の側と第2の側に第1有機封止層を挟み込むように形成されている。必要に応じて、第1有機封止層のヤング率は、第2有機封止層および第3有機封止層のヤング率よりも低い。
【0058】
必要に応じて、第3有機材で第3有機封止層を形成し、第2有機材で第2有機封止層を形成する。必要に応じて、第3有機材と第2有機材は、ほぼ同一のヤング率を有する。必要に応じて、第3有機封止層と第2有機封止層は、同じ材料で製造される。必要に応じて、第3有機材のヤング率は、第2有機材のヤング率と異なる。必要に応じて、シリコーン樹脂を含む材料で第1有機封止層を形成する。必要に応じて、ポリアクリレートとエポキシ樹脂のうちの1つまたはその組み合わせを含む材料で第3有機封止層を形成する。必要に応じて、ポリアクリレートとエポキシ樹脂のうちの1つまたはその組み合わせを含む材料で第2有機封止層を形成する。
【0059】
必要に応じて、第3有機封止層と第2有機封止層は、単一のパターニング・プロセスにおいて、同一のマスクプレートを用いて同一の層に形成されている。必要に応じて、第3有機封止層と第2有機封止層は、単一のパターニング・プロセスにおいて、同じ材料によって、同一のマスクプレートを用いて同一の層に形成されている。
【0060】
幾つかの実施例において、表示パネルは、曲げることができる位置に湾曲可能部を有するように形成されている。必要に応じて、第1有機封止層を形成する工程は、複数列の第1有機封止ブロックを形成し、複数列の第1有機封止ブロックのうちの各列が大体湾曲可能部の長さ方向に沿って延在することを含む。必要に応じて、第2有機封止ブロックを形成する工程は、複数列の第2有機封止ブロックを形成し、複数列の第2有機封止ブロックのうちの各列が湾曲可能部の長さ方向と大体平行する方向に沿って延在することを含む。必要に応じて、複数列の第2有機封止ブロックのうちの各列は、大体前記封止層の全長に亘って延在する単一の第2有機封止ブロックを含むように形成されている。必要に応じて、複数列の第2有機封止ブロックのうちの各列は、互い離間する複数の第2有機封止ブロックを含むように形成されている。
【0061】
幾つかの実施例において、前記方法は、第1有機封止層および第2有機封止層の第1無機封止層から離れた側に第2無機封止層を形成することをさらに含む。必要に応じて、第1有機封止層は、第2無機封止層と接しするように形成されている。必要に応じて、第2有機封止層は、第1有機封止層によって第2無機封止層から離隔されるように形成されている。必要に応じて、封止層を形成する工程は、第1無機封止層と第2無機封止層との間に第3有機封止層を形成することをさらに含む。必要に応じて、第3有機封止層は、第1無機封止層と第2無機封止層と接するように形成されている。
【0062】
別の形態において、本発明は、本開示に記載の表示パネル(例えば、フレキシブル表示パネル)または本開示に記載の方法により製造された表示パネル(例えば、フレキシブル表示パネル)を有する表示装置(例えば、フレキシブル表示装置)を提供する。必要に応じて、前記表示装置は液晶表示装置である。必要に応じて、前記表示装置は有機発光ダイオード表示装置である。必要に応じて、前記表示装置は電気泳動表示装置である。適切な表示装置の例としては、電子ペーパー、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、モニター、ノートパソコン、デジタルアルバム、GPSなどが含まれるが、これらに制限されない。
【0063】
本発明の実施例に関する前述の説明は、例示や説明を目的とするためのものであり、全てを網羅している訳ではなく、また、開示した形態と全く同じものもしくは例示的な実施例に本発明を限定することを意図しない。従って、前述の説明は、制限的であるというよりも例示的であると考えるべきである。勿論、様々の修正、変形は、当業者にとって明らかである。前記実施例は、本発明の主旨と好ましい実施形態を解説するために選択・説明され、当業者が、特定の用途又は想定される実装方式に適する様々な実施例や様々な変更を理解できるようになる。本発明の範囲は添付した請求項及びそれらの等価物によって制限することが意図され、請求項及びそれらの等価物において全ての用語は、特に明記しない限り、最も広い合理的な意味に解される。従って、「発明」、「本発明」又は類似する用語は必ずしも請求項の範囲を特定の実施例に制限するものではなく、発明の典型的な実施例への参照は発明に対する制限を意味せず、そのような制限は推定されない。本発明は、添付の請求項の趣旨及び範囲のみに制限される。また、これらの請求項は「第1」、「第2」などを使用し、その後ろに名詞又は要素を付け加える場合がある。上記用語は名付けための用語と理解すべきであり、特定の数値を与えない限り、上記名付けための用語が付加された要素の数を制限すると解釈すべきでない。記述した利点や利益は本発明の全ての実施例に応用できるとは限らない。添付の請求項によって定義された本発明の趣旨を逸脱することなく、前述した実施例を当業者にて変更できることが理解されよう。さらに、本開示の要素又は部品が添付の請求項において明示的に記載されるか否かを問わず、該要素又は部品を公衆に捧げることを意図しない。