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特許7056892電子パッケージ、端末、及び電子パッケージの処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】電子パッケージ、端末、及び電子パッケージの処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/29 20060101AFI20220412BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
H01L23/30 R
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020533118
(86)(22)【出願日】2017-12-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 CN2017120076
(87)【国際公開番号】W WO2019127448
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-07-09
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シ、ホンビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ズキウ
(72)【発明者】
【氏名】イェ、ルンキン
(72)【発明者】
【氏名】ロン、ハオフイ
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0249106(US,A1)
【文献】国際公開第2010/109703(WO,A1)
【文献】特開2000-299356(JP,A)
【文献】特開2002-016192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/48 - 21/607
H01L 23/02 - 23/32
H01L 23/48 - 23/538
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路素子、接続プレート、接続半田、及びアンダーフィル層を備え、
前記回路素子は、疎な半田ボールが配置される領域である半田ボール疎領域、密な半田ボールが配置される領域である半田ボール密領域、及びエッジ領域を有し、前記半田ボール疎領域は前記回路素子の中央領域内に配置され、前記半田ボール密領域は前記半田ボール疎領域を囲んで前記半田ボール疎領域の外周に配置され、前記エッジ領域は前記半田ボール密領域を囲んで前記回路素子の外周に配置され、
前記接続半田は、前記半田ボール疎領域及び前記半田ボール密領域上に形成され、前記接続半田は、前記回路素子及び前記接続プレートの間接続
前記アンダーフィル層は、ディスペンス領域及び非ディスペンス領域を含み、前記非ディスペンス領域は前記半田ボール疎領域の全体をカバーし前記ディスペンス領域は接着剤で充填される領域であり、前記非ディスペンス領域は接着剤で充填されない領域であり、
前記接続プレート上であり、前記ディスペンス領域及び前記非ディスペンス領域の間の境界に対応する場所に溝が配置される、
端末。
【請求項2】
回路素子、接続プレート、接続半田、及びアンダーフィル層を備え、
前記回路素子は、疎な半田ボールが配置される領域である半田ボール疎領域、密な半田ボールが配置される領域である半田ボール密領域、及びエッジ領域を有し、前記半田ボール疎領域は前記回路素子の中央領域内に配置され、前記半田ボール密領域は前記半田ボール疎領域を囲んで前記半田ボール疎領域の外周に配置され、前記エッジ領域は前記半田ボール密領域を囲んで前記回路素子の外周に配置され、
前記接続半田は、前記半田ボール疎領域及び前記半田ボール密領域上に形成され、前記接続半田は、前記回路素子及び前記接続プレートの間を接続し、
前記アンダーフィル層は、ディスペンス領域及び非ディスペンス領域を含み、前記非ディスペンス領域は前記半田ボール疎領域の全体をカバーし、前記ディスペンス領域は接着剤で充填される領域であり、前記非ディスペンス領域は接着剤で充填されない領域であり、
前記接続プレート上であり、前記ディスペンス領域及び前記非ディスペンス領域の間の境界に対応する場所にシルクスクリーンが配置される、
端末。
【請求項3】
前記ディスペンス領域は、前記エッジ領域の全体及び前記半田ボール密領域の全体を含む、又は、
前記ディスペンス領域は、前記エッジ領域の全体及び前記半田ボール密領域の一部を含み、前記半田ボール密領域の前記一部は、最側の複数の半田ボールが前記回路素子上に配置される領域を含む、
請求項1又は2に記載の端末。
【請求項4】
前記非ディスペンス領域は、円形領域であり、前記円形領域のエッジは、複数列の半田ボールにより前記回路素子のエッジから分離される、請求項1から3のいずれか一項に記載の端末。
【請求項5】
前記非ディスペンス領域は、多角形である、請求項1から3のいずれか一項に記載の端末。
【請求項6】
前記回路素子は、中央処理装置CPU)ダイである、請求項1からのいずれか一項に記載の端末。
【請求項7】
前記接続プレートは、プリント回路板PCB、パッケージ基板、又はCPUダイである、請求項1からのいずれか一項に記載の端末。
【請求項8】
前記アンダーフィル層の前記ディスペンス領域は、ノーフロー接着剤で充填される、請求項1からのいずれか一項に記載の端末。
【請求項9】
電子パッケージを製造するための方法であって、
前記電子パッケージは、回路素子、接続プレート、接続半田、及びアンダーフィル層を備え、前記回路素子は、疎な半田ボールが配置される領域である半田ボール疎領域、密な半田ボールが配置される領域である半田ボール密領域、及びエッジ領域を有し、前記半田ボール疎領域は前記回路素子の中央領域内に配置され、前記半田ボール密領域は前記半田ボール疎領域を囲んで前記半田ボール疎領域の外周に配置され、前記エッジ領域は前記半田ボール密領域を囲んで前記回路素子の外周に配置され、前記接続半田は、前記半田ボール疎領域及び前記半田ボール密領域上に形成され、前記方法は、
前記接続プレートの予め設定された領域の外周の周りにブロッキング構造を配置する段階であり、前記予め設定された領域の前記回路素子上への投影が前記半田ボール疎領域の全体をカバー前記ブロッキング構造が溝を含む、段階と、
前記接続半田を使用することにより、前記接続プレート及び前記回路素子を接続する段階と、
前記接続プレート及び前記回路素子の間の外周に、前記アンダーフィル層が充填される接着剤をディスペンスする段階であって、前記予め設定された領域の前記外周を超える前記接着剤が前記溝に蓄えられる、段階と、
を備える、方法。
【請求項10】
電子パッケージを製造するための方法であって、
前記電子パッケージは、回路素子、接続プレート、接続半田、及びアンダーフィル層を備え、前記回路素子は、疎な半田ボールが配置される領域である半田ボール疎領域、密な半田ボールが配置される領域である半田ボール密領域、及びエッジ領域を有し、前記半田ボール疎領域は前記回路素子の中央領域内に配置され、前記半田ボール密領域は前記半田ボール疎領域を囲んで前記半田ボール疎領域の外周に配置され、前記エッジ領域は前記半田ボール密領域を囲んで前記回路素子の外周に配置され、前記接続半田は、前記半田ボール疎領域及び前記半田ボール密領域上に形成され、前記方法は、
前記接続プレートの予め設定された領域の外周の周りに前記アンダーフィル層が充填される接着剤のためのブロッキング構造を配置する段階であり、前記予め設定された領域の前記回路素子上への投影が前記半田ボール疎領域の全体をカバーし、前記ブロッキング構造がシルクスクリーンを含む、段階と、
前記接続半田を使用することにより、前記接続プレート及び前記回路素子を接続する段階と、
前記接続プレート及び前記回路素子の間の外周に前記接着剤をディスペンスする段階と、
を備える、方法。
【請求項11】
前記接着剤はノーフロー接着剤である、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記予め設定された領域は、リング、正方形、又は多角形である、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子及び情報技術の分野に関し、特に、電子パッケージ、端末、及び電子パッケージの処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、スマートウォッチ、及びタブレットコンピュータのような携帯型電子製品の中核要素として、アプリケーションプロセッサ(Application Processor、AP)は高い熱生成及び大きなサイズのような特徴を有する。
【0003】
また、AP内の半田ボールの落下信頼度を保証するため、温度変動(温度衝撃及び温度サイクリングを含む)の信頼度が比較的低い低銀LF35(Sn/Ag1.2/Cu0.5/Ni0.05)はんだが、半田ボール材料として通常使用され、再加工可能な高(high)熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion,CTE)アンダーフィル(underfill)がAPとプリント回路板(Printed Circuit Board,PCB)との間に充填される。この充填処理は、ディスペンスプロセスと称される。しかしながら、高CTEアンダーフィルの充填は、APの温度変動故障のリスクを増大し、半田ボールの温度変動信頼性を低減する。比較的高温のため、半田ボール上のはんだは熱膨張し、半田ボールの周りの高CTEアンダーフィルも熱膨張する。膨張により2つが互いに圧迫され、その結果、半田ボールは変形さらには破損する。その結果、半田ボールが故障、すなわち、温度変動故障が発生し、半田ボールの温度変動信頼性が低下する。特に、疎な半田ボールのAP要素の中央位置において、高CTEアンダーフィルの比率がより高い。従って、高CTEアンダーフィルは、半田ボールにより大きな温度変動力を及ぼし、その結果、AP要素の中央領域内の半田ボールが故障する。図1内の白部分は、APの中央領域内で故障した半田ボールを示す。図1は、半田ボールが破損したことを示す。
【0004】
先行技術において、比較的高い落下信頼度の要件を有する製品に対して、高CTEアンダーフィルは、通常、AP及びPCBの間の間隙間に100%充填される。しかしながら、高CTEアンダーフィルは、APの温度変動故障のリスクを増大する、すなわち、半田ボールの温度変動信頼性、特に、疎な半田ボールの要素の中央位置での温度変動信頼性を低減する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、電子パッケージ、端末、及び電子パッケージを処理するための方法を提供し、それにより、半田ボール疎領域内の半田ボールの温度変動信頼性及び機械的信頼性の両方が保証されることができる。
【0006】
第1の態様によると、本発明は、回路素子、接続プレート、接続半田、及びアンダーフィル層を含む電子パッケージを提供する。
【0007】
前記回路素子は、半田ボール疎領域、半田ボール密領域、及びエッジ領域を有し、前記半田ボール疎領域は前記回路素子の中央領域内に配置され、前記半田ボール密領域は前記半田ボール疎領域を囲んで前記半田ボール疎領域の外周に配置され、前記エッジ領域は前記半田ボール密領域を囲んで前記回路素子の外周に配置され、前記接続半田は、前記回路素子及び前記接続プレートの間に接続され、前記アンダーフィル層は、ディスペンス領域及び非ディスペンス領域を含み、前記非ディスペンス領域は前記半田ボール疎領域の全体を含む。
【0008】
本発明では、アンダーフィル層は、ディスペンス領域及び非ディスペンス領域を含み、ディスペンス領域は、電子パッケージの比較的高い機械的信頼性を保証するようエッジ領域の少なくとも一部を含み、それにより、電子パッケージは、機械的信頼性の要件を満たすことができる。また、非ディスペンス領域は、少なくとも半田ボール疎領域の全体を含む、すなわち、半田ボール疎領域ではディスペンスが実行されず、それにより電子パッケージの温度変動信頼性が改善されることができる。このように、比較的高い機械的信頼性が保証される場合に、本発明における電子パッケージは、温度変動信頼性を改善することができる。
【0009】
任意選択の実装例では、前記ディスペンス領域は、前記エッジ領域の全体及び前記半田ボール密領域の全体を含み、又は前記ディスペンス領域は、前記エッジ領域の全体及び前記半田ボール密領域の一部を含み、前記半田ボール密領域の前記一部は、半田ボールの複数の最外周円が前記回路素子上に配置される領域を含む。
【0010】
任意選択の実装例では、前記非ディスペンス領域は、円形領域であり、前記円形領域のエッジ及び前記回路素子のエッジは、複数列の半田ボールにより分離される。
【0011】
ディスペンスの最中、ディスペンス材料の流動性が、通常、ディスペンス範囲を制御するために使用される。従って、ディスペンスの最中、ディスペンス材料は、実際の充填範囲からのずれを引き起こし得る。この実装では、前記半田ボール密領域の前記一部は、半田ボールの複数の最外周円が前記回路素子上に配置される領域を含む。このように、ずれを考慮する場合、ディスペンス領域は、少なくとも、最外周半田ボールが回路素子201に配置される領域をカバーし、それによりディスペンス領域が最小の場合に機械的信頼性が低下しないことを保証してよく、ディスペンス領域が最大の場合に、ディスペンス領域は半田ボール疎領域を含まない、すなわち、半田ボールの温度変動信頼性が可能な限り改善される。
【0012】
任意選択の実装例では、非ディスペンス領域は多角形である。
【0013】
任意選択の実装例では、回路素子は中央処理装置CPUコアである。
【0014】
任意選択の実装例では、接続プレートは、プリント回路板PCB、パッケージ基板、又はCPUコアである。
【0015】
任意選択の実装例では、前記接続プレート上であり、前記ディスペンス領域及び前記非ディスペンス領域の間の境界に対応する場所にシルクスクリーンが配置される。
【0016】
任意選択の実装例では、前記接続プレート上であり、前記ディスペンス領域及び前記非ディスペンス領域の間の境界に対応する場所に溝が配置される。
【0017】
任意選択の実装例では、ノーフロー接着剤は、アンダーフィル層のディスペンス領域に充填される。
【0018】
任意選択の実装例では、回路素子のアンダーフィル層のディスペンス領域は、半田ペースト印刷の前にディスペンスが実行される領域である。
【0019】
任意選択の実装例では、前記接続プレートの表面は、予め形成されたアンダーフィラーでカバーされ、前記予め形成されたアンダーフィラーは前記ディスペンス領域と一致する。
【0020】
第2の態様によると、本発明は、上記の電子パッケージのいずれか1つを含む端末を提供する。
【0021】
更に、本発明は、さらに、電子パッケージを処理するための2つの方法を提供する。
【0022】
本発明にかかる方法を使用することにより、非ディスペンス領域の精密制御が保証され、電子パッケージの機械的信頼性及び温度変動信頼性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】APの中央領域内の故障した半田ボールの概略図である。
【0024】
図2】本発明の実施形態にかかる電子パッケージの概略構造図である。
【0025】
図3】本発明の実施形態にかかる電子パッケージのディスペンス領域の概略図である。
【0026】
図4】本発明の実施形態にかかる別の電子パッケージの概略構造図である。
【0027】
図5a】本発明の実施形態にかかる最大クリープひずみエネルギー密度の技術的効果の概略図である。
【0028】
図5b】本発明の実施形態にかかる最大落下応力の効果比較の概略図である。
【0029】
図6】本発明の実施形態にかかる別の電子パッケージの概略構造図である。
【0030】
図7】本発明の実施形態にかかる電子パッケージのディスペンス領域の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
回路素子及び接続プレートが互いに接続されパッケージ化された後、回路素子及び接続プレートは電子パッケージと称される。ディスペンスは、機械的信頼性を保証するために電子パッケージ内に必要とされる。本発明の実施形態において、ディスペンス領域は、回路素子と接続プレートとの間のアンダーフィル層に配置され、非ディスペンス領域は少なくとも半田ボール疎領域を有する。このように、半田ボール疎領域内の半田ボールの温度変動信頼性が改善されることができる。また、機械的信頼性を保証するために、ディスペンス領域は、回路素子のエッジ領域の少なくとも一部を含み、それにより、半田ボールの温度変動信頼性及び機械的信頼性の両方が保証されることができる。
【0032】
図2は、本発明の実施形態にかかる電子パッケージの概略構造図である。図2に示されるように、本発明のこの実施形態にかかる電子パッケージは、具体的には、回路素子201、接続プレート202、接続半田203、及びアンダーフィル層(不図示)含む。
【0033】
回路素子は、中央演算処理装置(central processing unit,CPU)コアであってよく、接続プレートは、PCB、パッケージ基板、又はCPUコアであってよい。半田ボールは、黒色の点として示され、接続半田203は、半田ボールの上部に配置される。密な半田ボールがある領域は、半田ボール密領域と称される。疎な半田ボールがある領域は、半田ボール疎領域と称され、半田ボール疎領域は、回路素子201の中央領域内に配置される。図2において回路素子201の4つのエッジが内向きに水平に延在する領域は、エッジ領域と称される。エッジ領域は、可変である、具体的には、エッジ領域は、少なくとも、回路素子201の4つのエッジの交点領域、すなわち、回路素子201の4隅が配置される領域を含む。エッジ領域は、4つのエッジの交点領域に基づくエッジに水平に延在してよい。一般的に、エッジ領域は、最大の機械的応力に抵抗する領域である。
【0034】
半田ボール密領域は、エッジ領域と半田ボール疎領域との間に配置される領域であり、半田ボール疎領域を囲むことがわかる。
【0035】
アンダーフィル層は、ディスペンス領域2041及び非ディスペンス領域2042を含む。ディスペンス領域2041は、図2における円形領域の外の領域である。ディスペンス領域2041は、接着剤を充填するのに使用される領域であり、接着剤は、高CTEアンダーフィルであってよく、又はノーフローアンダーフィル(no-flow underfill)であってよい。ノーフローアンダーフィルは、低い流動性を有する。従って、ノーフローアンダーフィルは、ディスペンス材料として選択される。ディスペンスプロセスの最中、ディスペンス範囲は、効率的に制御されて、ノーフローアンダーフィルが、非ディスペンス領域に入るのを防止してよく、従って、ノーフローアンダーフィルが非ディスペンス領域内に存在しないことをより良好に保証することができ、それにより、半田ボールの温度変動信頼性を向上する。
【0036】
エッジ領域内でディスペンスを実行することは、機械的信頼性を保証できることを考えると、例えば、エッジ領域内でディスペンスを実行することは落下応力を増大し得る。ディスペンス領域2041は、エッジ領域の少なくとも一部を含んでよく、現在のディスペンス領域はエッジ領域の全体を有してもよい。
【0037】
非ディスペンス領域2042は、図2における円形領域の内の領域である。非ディスペンス領域は、接着剤で充填されない領域である。非ディスペンス領域2042は、少なくとも半田ボール疎領域の全体を有する。このように、接着剤は、非ディスペンス領域2042に充填される必要はなく、従って、非ディスペンス領域2042は、比較的高温下で高CTEアンダーフィルの熱膨張により影響されることがなく、それにより、半田ボールの温度変動信頼性が増強される。
【0038】
図3は、図2に示されるディスペンス方式における電子パッケージの中間位置内の断面の概略図であり、影部分がディスペンス領域2041である。図3から、非ディスペンス領域2042は半田ボール疎領域の全体を含むことがわかる。
【0039】
本発明の本実施形態では、回路素子のワーキング処理において、温度が、半田ボール疎領域内で比較的高く、その結果、半田ボールの温度変動信頼性が比較的低い。半田ボール疎領域の温度変動信頼性を改善するために、非ディスペンス領域2042は、半田ボール疎領域の全体を含んでよく、又は非ディスペンス領域2042は半田ボール疎領域の全体及び半田ボール密領域の一部を含んでよい。ディスペンスは、非ディスペンス領域2042で実行される必要はなく、接着剤の影響なく、半田ボールの温度変動信頼性が改善される。
【0040】
例では、具体的には、ディスペンス領域2041は、エッジ領域の全体及び半田ボール密領域の一部を含んでよい。半田ボール密領域の一部は、半田ボールの複数の最外周円が回路素子201上に配置される領域を含む。言い換えれば、図2内のディスペンス領域2041は、半田ボールの4つの最外周円が回路素子201に配置される領域を含む。
【0041】
ディスペンスの最中、ディスペンス範囲が、通常、ディスペンス材料の流動性によって制御される。従って、ディスペンスの最中、ディスペンス材料は、実際の充填範囲からのずれを引き起こし得る。一般的に、例えば、ずれ範囲は、半田ボールの列であってよい。従って、本発明の本実施形態では、ディスペンス領域2041は、半田ボールの4つの最外周円が回路素子201に配置される領域を含んでよく、ここで、回路素子201内の半田ボールの4つの最外周円は、それぞれ、外側から、第1円の半田ボール、第2円の半田ボール、第3円の半田ボール、及び第4円の半田ボールとしてマークされる。
【0042】
このように、ずれが考慮される場合、ディスペンス領域は、少なくとも、半田ボールの3つの最外周円が回路素子201上に配置される領域をカバーしてよく、ディスペンス領域は、半田ボールの5つの最外周円が回路素子201上に配置される最大領域をカバーしてよく、それにより、ディスペンス領域が最小の場合に機械的信頼性は低下されず、ディスペンス領域が最大の場合に半田ボールの温度変動信頼性が改善されることができる。
【0043】
非ディスペンス領域2042は、半田ボール疎領域の全体を含むだけでなく、半田ボール密領域の一部を含んでもよい。このように、ディスペンスは、半田ボール疎領域において実行される必要はなく、従って、半田ボール疎領域内の半田ボールの温度変動信頼性が改善されることができる。エッジ領域の全体及び半田ボール密領域の一部においてディスペンスを実行することは、機械的信頼性を保証する、すなわち落下応力を増大してよい。
【0044】
例では、非ディスペンス領域2042は、半田ボール疎領域を含む円形領域であってよく、円形領域のエッジは、複数列の半田ボールにより回路素子201のエッジから分離される。
【0045】
図2に示されるように、ディスペンス領域2041は、エッジ領域及び半田ボール密領域の一部を含む。非ディスペンス領域2042は、半田ボール疎領域を含む円形領域である。
【0046】
円形領域のエッジは、4列の半田ボールにより、回路素子201のエッジから分離されてよいことに留意すべきである。
【0047】
図4は、本発明の実施形態にかかる別の電子パッケージの概略構造図である。図4に示されるように、ディスペンス領域401は、エッジ領域の全体及び半田ボール密領域の一部を含み、非ディスペンス領域402は、半田ボール疎領域の全体を含むだけでなく、半田ボール密領域の一部も含む。ディスペンスは、半田ボール疎領域において実行される必要はなく、従って、半田ボール疎領域内の半田ボールの温度変動信頼性が改善されてよい。エッジ領域の全体及び半田ボール密領域の一部においてディスペンスを実行することは、機械的信頼性を保証する、すなわち落下応力を増大してよい。
【0048】
本発明の本実施形態における例では、具体的には、ディスペンス領域401は、エッジ領域の全体及び半田ボール密領域の一部を含んでよい。半田ボール密領域の一部は、半田ボールの複数の最外周円が回路素子201上に配置される領域を含む。言い換えれば、図4内のディスペンス領域401は、半田ボールの4つの最外周円が回路素子201に配置される領域を含む。
【0049】
図4に示されるディスペンス領域401と比較すると、図2に示されるディスペンス領域2041は、回路素子201の4隅におけるより大きいディスペンス範囲を有し、それにより、機械的信頼性が改善されることができる。
【0050】
機械的信頼性は、最大落下応力により測定される。最大落下応力が大きいほど、機械的強度がより高いことを示す。半田ボールの温度変動信頼性は、最大クリープひずみエネルギー密度により測定される。最大クリープひずみエネルギー密度が低いほど、半田ボールの温度変動信頼性が高いことを示す。
【0051】
本発明の本実施形態では、接続プレート202は、具体的にはPCBであり、例として使用される。以下では、図5a及び図5bに示される効果、先行技術におけるディスペンス方式の効果の概略図を使用することにより、本発明の図2に示される実施形態におけるディスペンス方式、本発明の図4に示される実施形態におけるディスペンス方式を比較する。
【0052】
先行技術では、ディスペンスは、回路素子201の全体について実行される。
【0053】
本発明の図2に示される実施形態におけるディスペンス方式は、次のとおりである。ディスペンス領域2041は、エッジ領域及び半田ボール密領域の一部を含む。非ディスペンス領域2042は、半田ボール疎領域の全体及び半田ボール密領域の一部を含む円形領域であり、非ディスペンス領域2042のエッジは、4列の半田ボールにより回路素子201のエッジから分離される。
【0054】
本発明の図4に示される実施形態におけるディスペンス方式は、次のとおりである。ディスペンス領域401は、エッジ領域及び半田ボール密領域の一部を含む。非ディスペンス領域402は、半田ボール疎領域の全体及び半田ボール密領域の一部を含む四辺形領域であり、非ディスペンス領域402のエッジは、4列の半田ボールにより回路素子201のエッジから分離される。
【0055】
図5a及び図5bにおいて、Aは先行技術におけるディスペンス方式を表し、Bは本発明の図4に示される実施形態におけるディスペンス方式を表し、Cは本発明の図2に示される実施形態におけるディスペンス方式を表す。また、図5a及び図5bにおいて、A、B、及びCはそれぞれ2つのデータを含み、2つのデータは、それぞれ、回路素子201側のデータ及びPCB側のデータである。詳細については、図の例を参照せよ。
【0056】
図5aは、回路素子201側及びPCB側の3つのディスペンス方式A、B、及びCに対応する最大クリープひずみエネルギー密度を示す。具体的には、図5aに示されるように、ディスペンス方式Aでは、回路素子201側の最大クリープひずみエネルギー密度は1.31MPaであり、PCB側の最大クリープひずみエネルギー密度は1.05MPaである。ディスペンス方式Bでは、回路素子201側の最大クリープひずみエネルギー密度は0.42MPaであり、PCB側の最大クリープひずみエネルギー密度は0.02MPaである。ディスペンス方式Cでは、回路素子201側の最大クリープひずみエネルギー密度は0.44MPaであり、PCB側の最大クリープひずみエネルギー密度は0.14MPaである。
【0057】
図5bは、回路素子201側及びPCB側の3つのディスペンス方式A、B、及びCに対応する最大落下応力を示す。具体的には、図5aに示されるように、ディスペンス方式Aでは、回路素子201側の最大落下応力は173.2MPaであり、PCB側の最大落下応力は81.41MPaである。ディスペンス方式Bでは、回路素子201側の最大落下応力は179.7MPaであり、PCB側の最大落下応力は81.28MPaである。ディスペンス方式Cでは、回路素子201側の最大落下応力は173.3MPaであり、PCB側の最大落下応力は81.29MPaである。
【0058】
図5aに示される比較図に示されるように、本発明の図4に示される実施形態におけるディスペンス方式の最大クリープひずみエネルギー密度が、本発明の図2に示される実施形態におけるディスペンス方式の最大クリープひずみエネルギー密度より低いことがわかる。さらに、これは、本発明の図4に示される実施形態におけるディスペンス方式内の半田ボールの温度変動信頼性は、本発明の図2に示される実施形態におけるディスペンス方式内の半田ボールの温度変動信頼性より高いことを示す。従って、ディスペンス領域が大きいほど、最大クリープひずみエネルギー密度が高くなり、半田ボールの温度変動信頼性が低くなることを示すことがわかる。しかしながら、先行技術におけるディスペンス方式と比較すると、半田ボールの温度変動信頼性は、本発明の複数の実施形態におけるディスペンス方式、特に、本発明の図4に示される実施形態におけるディスペンス方式を使用することにより改善されることができる。
【0059】
図5bに示される比較図に示されるように、3つのディスペンス方式A、B、及びCに対応する最大落下応力は、基本に同一である、すなわち、本発明の図4に示される実施形態におけるディスペンス方式も、本発明の図2に示される実施形態におけるディスペンス方式も、機械的信頼性を低減しない。
【0060】
図5a及び図5bに示される比較図から、本発明の複数の実施形態におけるディスペンス方式は、半田ボールの温度変動の信頼度を改善するとともに、機械的信頼性を保証できることがわかる。
【0061】
本発明の実施形態において、非ディスペンス領域は、半田ボール疎領域を含む多角形である。
【0062】
図6は、本発明の実施形態にかかる別の電子パッケージの概略構造図である。図6に示されるように、ディスペンス領域601は、エッジ領域及び半田ボール密領域の一部を含む。非ディスペンス領域602は、半田ボール疎領域の全体及び半田ボール密領域の一部を含む多角形である。図6内の多角形は、具体的には正六角形であってよい。
【0063】
この操作の目的は、高CTEアンダーフィルの高いCTEの観点において、高い機械的リスクを有するデバイスの外周領域、すなわち、ディスペンス領域601においてのみディスペンスが実行されてよく、半田ボール疎領域ではディスペンスは実行されない。ディスペンスが実行されない半田ボール疎領域の形状は、長方形、円、多角形などであってよい。
【0064】
以下では、特定の実施形態を参照して回路素子201及び接続プレート202を説明する。
【0065】
本発明の別の実施形態では、回路素子201は、接続半田203を使用することにより接続プレート202に接続される。回路素子201は、高い熱生成及び大きなサイズのような特徴を有する。例では、回路素子201は、CPUコア(ダイ)であってよい。ダイは、ウェハから切断されたチップであり、完全な機能を有し、概して数ミリメートルのサイズである。金属線を接続するためのスコルダーパッド又は穴は、エッジに配置され、金属線は回路基板上の外部ピン又はスコルダーパッドに接続される。
【0066】
例では、接続プレート202は、PCBであってよい。PCBは、重要な電子部品であり、電子パーツ及び部品のサポート本体であり、電子パーツ及び部品の電気的接続のためのキャリアである。
【0067】
ダイは、接続半田203を使用することにより、PCBに接続されてよい。具体的には、半田ボール密領域及び半田ボール疎領域はダイ上に配置され、接続半田203は具体的には半田ボール上に配置される。
【0068】
ダイの実行プロセスでは、半田ボール疎領域の温度は比較的高く、半田ボールの温度変動信頼性は比較的低い。ディスペンスは、本発明の本実施形態ではディスペンス領域及び非ディスペンス領域に基づいて実行されてよく、それにより、半田ボールの温度変動信頼性が改善されるとともにダイの機械的信頼性が保証される。
【0069】
本発明の実施形態において、回路素子201は、ダイであってよい。接続プレート202は、パッケージ基板(基板)であってよい。パッケージ基板は、電気的接続、保護、サポート、放熱、及びチップへの組み付けのような機能を提供してよく、マルチピン化を実装し、パッケージ製品のサイズを低減し、電気性能及び放熱性能を改善し、超高密度又はマルチチップのモジュール化の目的を達成してよい。
【0070】
ダイ及び基板は、接続半田203を使用することにより接続されてよい。具体的には、半田ボール密領域及び半田ボール疎領域はダイ上に配置され、接続半田203は具体的には半田ボール上に配置される。ダイの実行プロセスでは、半田ボール疎領域の温度は比較的高く、半田ボールの温度変動信頼性は比較的低い。ディスペンスは、本発明の本実施形態ではディスペンス領域及び非ディスペンス領域に基づいて実行されてよく、それにより、半田ボールの温度変動信頼性が改善されるとともにダイの機械的信頼性が保証される。
【0071】
本発明の実施形態において、回路素子201は、ダイであってよく、接続プレート202もダイであってよい。
【0072】
ダイは、接続半田203を使用することにより接続されてよい。具体的には、半田ボール密領域及び半田ボール疎領域はダイ上に配置され、接続半田203は具体的には半田ボール上に配置される。ダイの実行プロセスでは、半田ボール疎領域の温度は比較的高く、半田ボールの温度変動信頼性は比較的低い。ディスペンスは、本発明の本実施形態ではディスペンス領域及び非ディスペンス領域に基づいて実行されてよく、それにより、半田ボールの温度変動信頼性が改善されるとともにダイの機械的信頼性が保証される。
【0073】
図7は、本発明の実施形態にかかる電子パッケージのディスペンス方式の概略図である。図7に示されるように、パッケージは、合計で5つの層を有し、すなわち、第1層が基板であり、第2層がメインコントロールダイであり、第3から第5層は下から上への2次ダイである。
【0074】
第1層の基板は、半田ボール上の接続半田を使用することにより第2層のメインコントロールダイに接続される。それに応じて、第2層のメインコントロールダイは、半田ボール上の接続半田を使用することにより第3層の2次ダイに接続される。第3層の2次ダイは、半田ボール上の接続半田を使用することにより第4層の2次ダイに接続される。第4層の2次ダイは、半田ボール上の接続半田を使用することにより第5層の2次ダイに接続される。半田ボールの各層は、半田ボール疎領域及び半田ボール密領域を含み、図2に示されるアンダーフィル層は層間に含まれ、アンダーフィル層はディスペンス領域及び非ディスペンス領域を含む。
【0075】
このように、第1層の基板は、第1層の基板と第2層のメインコントロールダイとの間の半田ボール、第2層のメインコントロールダイと第3層のサブダイとの間の半田ボール、第3層の2次ダイと第4層のサブダイとの間の半田ボール、及び第4層のサブダイと第5層のサブダイとの間の半田ボールを使用することにより、各層のダイに接続してよい。本発明の上記の複数の実施形態におけるディスペンス方式は、層間のディスペンスに使用されてよい。
【0076】
図7は、各層が、本発明の図2に示される実施形態にかかるディスペンス方式を使用する場合の電子パッケージの中間位置内の断面の概略図であり、影部分がディスペンス領域である。図7に示されるように、第1層と第2層との間では、ディスペンス領域は101であり、非ディスペンス領域は102である。第2層と第3層との間では、ディスペンス領域は901であり、非ディスペンス領域は902である。第3層と第4層との間では、ディスペンス領域は801であり、非ディスペンス領域は802である。第4層と第5層との間では、ディスペンス領域は701であり、非ディスペンス領域は702である。
【0077】
言い換えれば、実際のアプリケーションでは、電子パッケージは、複数の回路素子及び複数の接続プレートを含んでよい。複数の回路素子及び複数の接続プレートは積み重ねられ、回路素子及び接続プレートは半田ボールの接続半田を使用することにより接続される。本発明の複数の実施形態における技術的な解決手段は、アンダーフィル層に適用されてよい。ダイの実行プロセスでは、各層における半田ボール疎領域の温度は比較的高く、半田ボールの温度変動信頼性は比較的低い。ディスペンスは、本発明の本実施形態ではディスペンス領域及び非ディスペンス領域に基づいて実行されてよく、それにより、半田ボールの温度変動信頼性が改善されるとともに電子パッケージの全体の機械的信頼性が保証される。
【0078】
本発明の実施形態において、端末がさらに開示される。端末は、上記の電子パッケージを含んでよい。
【0079】
本発明は、さらに、電子パッケージを処理するための方法を提供し、回路素子は、半田ボール疎領域、半田ボール密領域、及びエッジ領域を有し、半田ボール疎領域は回路素子の中央領域内に配置され、半田ボール密領域は半田ボール疎領域を囲んで半田ボール疎領域の外周に配置され、エッジ領域は半田ボール密領域を囲んで回路素子の外周に配置される。方法は、接続プレートの予め設定された領域の外周の周りにブロッキング構造を配置する段階であり、予め設定された領域の回路素子上への投影が半田ボール疎領域の全体をカバーする、段階と、接続半田を使用することにより、接続プレート及び回路素子を接続する段階と、接続プレート及び回路素子の間の外周に接着剤をディスペンスする段階と、を含む。
【0080】
ブロッキング構造は、接続プレートの予め設定された領域の外周の周りに配置され、その結果、接続プレートが回路素子に接続された後、ディスペンスプロセスは正確に制御されることができ、ブロッキング構造は接着剤が非ディスペンス領域に入るのを防止することができ、それにより、電子パッケージの機械的信頼性及び温度変動信頼性が向上する。
【0081】
ブロッキング構造は、シルクスクリーン、溝、又はシルクスクリーン及びノーフロー接着剤の組み合わせを含む。
【0082】
具体的には、接続プレートは、例えばPCBである。PCBシルクスクリーンは、ディスペンス領域及び非ディスペンス領域がPCB内で接続される場所に配置されてよい。PCBは、絶縁材料及び導電配線を含む構造要素である。最終製品が製造される場合、集積回路、トランジスタ、ダイオード、受動要素(例えば、抵抗、コンデンサ、又はコネクタ)、及び他の電子部品がPCB上にインストールされる。シルクスクリーン層は、PCBの最上層であるテキスト層である。
【0083】
本発明の本実施形態では、PCBシルクスクリーン遮断は、アンダーフィル層のディスペンスの最中に使用されてよい。PCBシルクスクリーンは、接着剤の流れを限定してよい。このように、ディスペンスは、遮断後に取得されるディスペンス領域において実行されてよく、ディスペンスは、アンダーフィル層の非ディスペンス領域において実行される必要はない。
【0084】
任意で、溝が、接続プレートの予め設定された領域の外周の周りに配置され、それにより、溝が予め設定された領域を囲み、回路素子上の非ディスペンス領域の外周に対応する。ディスペンスは、溝内に接着剤を蓄えることにより、アンダーフィル層のディスペンス領域において実行される。
【0085】
本発明の本実施形態では、アンダーフィル層のディスペンス領域に対応して、溝が接続プレート上に配置されてよい。ディスペンスがディスペンス領域において実行される場合、ディスペンス領域を超える接着剤は、溝に蓄えられてよく、それにより、接着剤は非ディスペンス領域に入らない。さらに、これは、非ディスペンス領域内で接着剤がないことを保証する。
【0086】
任意で、シルクスクリーンが、まず、接続プレートの予め設定された領域の外周に配置されてよく、ノーフロー接着剤がシルクスクリーンに配置され、それにより、接着剤が非ディスペンス領域に入らないことが保証されることができる。
【0087】
本発明の実施形態は、さらに、電子パッケージを処理するための別の方法を提供し、回路素子は、半田ボール疎領域、半田ボール密領域、及びエッジ領域を有し、半田ボール疎領域は回路素子の中央領域内に配置され、半田ボール密領域は半田ボール疎領域を囲んで半田ボール疎領域の外周に配置され、エッジ領域は半田ボール密領域を囲んで回路素子の外周に配置される。方法は、具体的には、接続プレートの予め設定された領域の外周の周りにプリディスペンス領域を配置する段階であり、予め設定された領域の回路素子上への投影が半田ボール疎領域の全体をカバーする、段階と、接続半田を使用することにより、接続プレート及び回路素子を接続する段階と、を含む。
【0088】
プリディスペンス領域は、接続プレートの予め設定された領域の外周の周りに配置され、それにより、非ディスペンス領域の範囲の正確さが保証され、電子パッケージの機械的信頼性及び温度変動信頼性が改善される。
【0089】
具体的には、プリディスペンス領域は、回路素子のアンダーフィル層のディスペンス領域に配置される。プリディスペンス領域は、半田ペースト印刷の前にディスペンスが実行される領域、又はアンダーフィラーであってよい。
【0090】
一般的に、半田ペースト印刷がまず回路素子上で実行されて半田ボールを形成し、その後、電子パーツ及び部品が半田ボールに挿入される。アンダーフィル層のディスペンス領域でディスペンスが実行された後、電子パッケージが固化を通じて取得される。
【0091】
例では、回路素子のアンダーフィル層にてディスペンス領域においてディスペンスが実行されてよく、それにより、接着剤が回路素子上で固化され、その後、半田ペースト印刷が実行されて半田ボールを形成し、それにより、回路素子が接続プレート202に接合され、電子パッケージが固化を通じて取得される。印刷プロセスは、高温になる。従って、回路素子上で固化される接着剤は、液体状態に変質され、接続プレート202に接続され得る。電子パッケージが固化を通じて取得された後、接着剤も固化され、ディスペンス領域におけるディスペンスプロセスを完了する。
【0092】
任意で、接続プレート202はアンダーフィル層を用いてカバーされ、アンダーフィル層は予め形成されたアンダーフィラーを含み、予め形成されたアンダーフィラーはディスペンス領域と一致する。
【0093】
回路素子上のアンダーフィル層のディスペンス領域においてディスペンスを直接実行するのを防ぐために、予め形成されたアンダーフィラーが、アンダーフィル層のディスペンス領域に基づいて予め生成されてよい。言い換えれば、予め形成されたアンダーフィラーはディスペンス領域と一致し、予め形成されたアンダーフィラーは固化されたディスペンス材料であってよい。その後、予め形成されたアンダーフィラーは接続プレート202をカバーする。このように、高温度の印刷プロセスにおいて、予め形成されたアンダーフィラーは液体状態に変質され、回路素子201に接続され得る。電子パッケージが固化を通じて取得された後、接着剤も固化され、ディスペンス領域におけるディスペンスプロセスを完了する。このように、接着剤がディスペンス領域内にディスペンスされる場合、接着剤は、非ディスペンス領域に入るのを防止され得る。
【0094】
前述の記載事項は、本発明の単なる特定の実施例にすぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。本発明において開示された技術的範囲内において、当業者が容易に考え出すいかなる変形例又は置換例も、本発明の保護範囲に含まれることになる。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
本明細書によれば、以下の各項目に記載の構成もまた開示される。
[項目1]
回路素子、接続プレート、接続半田、及びアンダーフィル層を備え、
前記回路素子は、半田ボール疎領域、半田ボール密領域、及びエッジ領域を有し、前記半田ボール疎領域は前記回路素子の中央領域内に配置され、前記半田ボール密領域は前記半田ボール疎領域を囲んで前記半田ボール疎領域の外周に配置され、前記エッジ領域は前記半田ボール密領域を囲んで前記回路素子の外周に配置され、
前記接続半田は、前記回路素子及び前記接続プレートの間に接続され、
前記アンダーフィル層は、ディスペンス領域及び非ディスペンス領域を含み、前記非ディスペンス領域は前記半田ボール疎領域の全体を含む、
電子パッケージ。
[項目2]
前記ディスペンス領域は、前記エッジ領域の全体及び前記半田ボール密領域の全体を含み、
前記ディスペンス領域は、前記エッジ領域の全体及び前記半田ボール密領域の一部を含み、前記半田ボール密領域の前記一部は、半田ボールの複数の最外周円が前記回路素子上に配置される領域を含む、
項目1に記載の電子パッケージ。
[項目3]
前記非ディスペンス領域は、円形領域であり、前記円形領域のエッジは、複数列の半田ボールによって前記回路素子のエッジから分離される、項目1又は2に記載の電子パッケージ。
[項目4]
前記非ディスペンス領域は、多角形である、項目1又は2に記載の電子パッケージ。
[項目5]
前記回路素子は、中央処理装置CPUコアである、項目1から4のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
[項目6]
前記接続プレートは、プリント回路板PCB、パッケージ基板、又はCPUコアである、項目1から5のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
[項目7]
前記接続プレート上であり、前記ディスペンス領域及び前記非ディスペンス領域の間の境界に対応する場所にシルクスクリーンが配置される、項目1から6のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
[項目8]
前記接続プレート上であり、前記ディスペンス領域及び前記非ディスペンス領域の間の前記境界に対応する前記場所に溝が配置される、項目1から7のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
[項目9]
前記アンダーフィル層の前記ディスペンス領域は、ノーフロー接着剤で充填される、項目1から8のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
[項目10]
前記アンダーフィル層の前記ディスペンス領域は、半田ペースト印刷の前にディスペンスが実行される領域である、項目1から9のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
[項目11]
前記接続プレートの表面は、予め形成されたアンダーフィラーでカバーされ、前記予め形成されたアンダーフィラーは前記ディスペンス領域と一致する、項目1から10のいずれか一項に記載の電子パッケージ。
[項目12]
項目1から11のいずれか一項に記載の電子パッケージを備える端末。
[項目13]
電子パッケージを処理するための方法であって、回路素子は、半田ボール疎領域、半田ボール密領域、及びエッジ領域を有し、前記半田ボール疎領域は前記回路素子の中央領域内に配置され、前記半田ボール密領域は前記半田ボール疎領域を囲んで前記半田ボール疎領域の外周に配置され、前記エッジ領域は前記半田ボール密領域を囲んで前記回路素子の外周に配置され、前記方法は、
前記接続プレートの予め設定された領域の外周の周りにブロッキング構造を配置する段階であり、前記予め設定された領域の前記回路素子上のへの投影が前記半田ボール疎領域の全体をカバーする、段階と、
接続半田を使用することにより、前記接続プレート及び前記回路素子を接続する段階と、
前記接続プレート及び前記回路素子の間の外周に接着剤をディスペンスする段階と、
を備える方法。
[項目14]
前記ブロッキング構造は、シルクスクリーン、溝、又は前記シルクスクリーン及びノーフロー接着剤の組み合わせを含む、項目13に記載の方法。
[項目15]
前記予め設定された領域は、リング、正方形、又は多角形である、項目13又は14に記載の方法。
[項目16]
電子パッケージを処理するための方法であって、回路素子は、半田ボール疎領域、半田ボール密領域、及びエッジ領域を有し、前記半田ボール疎領域は前記回路素子の中央領域内に配置され、前記半田ボール密領域は前記半田ボール疎領域を囲んで前記半田ボール疎領域の外周に配置され、前記エッジ領域は前記半田ボール密領域を囲んで前記回路素子の外周に配置され、前記方法は、
接続プレートの予め設定された領域の外周の周りにプリディスペンス領域を配置する段階であり、前記予め設定された領域の前記回路素子上の投影が前記半田ボール疎領域の全体をカバーする、段階と、
接続半田を使用することにより、前記接続プレート及び前記回路素子を接続する段階と、
を備える方法。
[項目17]
前記プリディスペンス領域は、接着剤がプリディスペンスされる又はアンダーフィラーである領域を含む、項目16に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7