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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】氷および氷の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F25C 1/145 20180101AFI20220412BHJP
   A23L 3/36 20060101ALI20220412BHJP
   F25C 1/00 20060101ALI20220412BHJP
   C09K 5/06 20060101ALN20220412BHJP
【FI】
F25C1/145 A
A23L3/36 A
F25C1/00 B
C09K5/06 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017134134
(22)【出願日】2017-07-07
(62)【分割の表示】P 2016132615の分割
【原出願日】2016-07-04
(65)【公開番号】P2017215136
(43)【公開日】2017-12-07
【審査請求日】2019-07-03
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2015226589
(32)【優先日】2015-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016041189
(32)【優先日】2016-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016103012
(32)【優先日】2016-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】518403539
【氏名又は名称】ブランテックインターナショナル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105315
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 温
(72)【発明者】
【氏名】廣兼 美雄
(72)【発明者】
【氏名】秋山 知昭
【合議体】
【審判長】林 茂樹
【審判官】平城 俊雅
【審判官】槙原 進
(56)【参考文献】
【文献】特許第6175168(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25C 1/145
A23L 3/36
F25C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)及び(b)の条件を満たす、溶質を含有する水溶液および分離しない状態で油を含む液体が前記油が分離しない状態で凍った氷であって、前記液体が生乳であり、前記油が脂肪である氷
(a)融解完了時の温度が0℃未満である
(b)融解過程で前記氷から発生する水溶液の溶質濃度の変化率が30%以内である
【請求項2】
氷の製造方法であって、
溶質を含有する水溶液および分離しない状態で油を含む液体を、該水溶液の凝固点以下の温度に保持された壁面に対して噴霧することによって、前記壁面上に前記液体が前記油が分離しない状態で凍った氷を生成する工程と、
前記壁面上において生じた前記氷を回収する工程と、を有し、
前記噴霧の水圧、前記壁面の温度、及び前記回収までの壁面での氷の保持時間が、請求項に記載の氷が生成される条件である方法。
【請求項3】
前記氷を生成する工程において、前記壁面が前記水溶液の凝固点より5℃以上低い温度に保持される、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、氷、冷媒、氷の製造方法、及び被冷却物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、魚の鮮度を保持すること等を目的として、氷が被冷却物の冷却に用いられている。
【0003】
特許文献1には、食塩水からなる氷を魚に接触させることで魚を冷却し、魚の鮮度を保持する方法が開示されている。特許文献1には、食塩水からなる氷の製造方法として、塩水溶液を容器に溜め外部より冷却する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-3544542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された外部より冷却することで製造されたような氷では、冷却中に氷自身の温度が上がりやすく、被冷却物を冷却する能力が十分なものではなかった。
【0006】
本発明は以上の実情に鑑みてなされたものであり、冷却能に優れた氷、その製造方法、被冷却物の製造方法、及び冷媒を提供することを目的とする。また、本発明は、分離しない状態である氷及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、所定の方法により凝固点が低下した水溶液自身の氷を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0008】
(1) 以下の(a)及び(b)の条件を満たす、溶質を含有する水溶液および分離しない状態で油を含む液体が前記油が分離しない状態で凍った氷。
(a)融解完了時の温度が0℃未満である
(b)融解過程で前記氷から発生する水溶液の溶質濃度の変化率が30%以内である
【0009】
(2) 前記液体が、生乳である、(1)に記載の氷。
【0010】
(3) 前記油が、脂肪である、(1)記載の氷。
【0014】
の製造方法であって、
溶質を含有する水溶液および分離しない状態で油を含む液体を、該水溶液の凝固点以下の温度に保持された壁面に対して噴霧することによって、前記壁面上に前記液体が前記油が分離しない状態で凍った氷を生成する工程と、
前記壁面上において生じた前記氷を回収する工程と、を有し、
前記噴霧の水圧、前記壁面の温度、及び前記回収までの壁面での氷の保持時間が、(1)から(3)に記載の氷が生成される条件である方法。
【0015】
) 前記氷を生成する工程において、前記壁面が前記水溶液の凝固点より5℃以上低い温度に保持される、()に記載の方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、冷却能に優れた氷、その製造方法、被冷却物の製造方法、及び冷媒を提供することができる。また、本発明は、分離しない状態である氷及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の動植物又はその部分の被冷蔵物の製造方法において用いられる製氷機の部分断面斜視図である。
図2図1に示される製氷機を用いた製氷システムの模式図である。
図3】実施例1に係る氷と高濃度食塩水についての経時的な温度変化を示すグラフである。
図4】実施例2に係る氷(溶液:飽和食塩水)、実施例2に係る氷(溶液:飽和食塩水+CU)、飽和食塩水(-20℃水溶液)により魚を冷却したときの、魚体芯の温度の経時変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0022】
<氷>
本発明の氷は、以下の(a)及び(b)の条件を満たす、溶質を含有する水溶液を含む液体の氷である。
(a)融解完了時の温度が0℃未満である
(b)融解過程で前記氷から発生する水溶液の溶質濃度の変化率が30%以内である
【0023】
水に溶質を融解した場合、その水溶液の凝固点が低下するという凝固点降下が生じることが知られている。凝固点降下の作用により、上述の特許文献1に記載されたような食塩等の溶質が融解した水溶液は、その凝固点が低下している。つまり、そのような水溶液からなる氷は、真水からなる氷より低い温度で凝固した氷である。ここで、氷が水に変化するときに必要な熱を「潜熱」というが、この潜熱は温度変化を伴わない。このような潜熱の効果により、上記のような凝固点が低下した氷は、融解時に真水の凝固点以下の温度で安定な状態が続くため、冷熱エネルギーを蓄えた状態が持続することになる。よって、本来であれば、被冷却物の冷却能が真水からなる氷より高くなるはずである。しかし、特許文献1に記載された氷は、冷却の際に自身の温度が経時的に早く上がる等、被冷却物を冷却する能力が十分なものではないことを本発明者らは発見した。その理由について本発明者らは検討したところ、特許文献1に記載されたような方法では、食塩等の溶質を含有する水溶液から氷を製造したとしても、実際は、水溶液が凍る前に溶質を含まない氷が先に製造されてしまい、結果として製造されるのは溶質を含まない氷と溶質との混合物となってしまうか、あるいは、凝固点の低下した氷はほんの僅かしか生成されないため、冷却能の高い氷が製造されていなかったことがわかった。
【0024】
しかしながら、本発明者らは、所定の方法により(詳細は後述する)、凝固点が低下した水溶液を含む液体の氷を製造することに成功した。このような本発明の氷は、上述の(a)及び(b)の条件を満たすものである。以下、上述の(a)及び(b)の条件について説明する。
【0025】
(融解完了時の温度)
上記(a)に関して、本発明の氷は、溶質を含む水溶液を含む液体の氷であるため、真水(溶質を含まない水)の凝固点より凝固点の温度が低下している。そのため、融解完了時の温度が0℃未満であるという特徴を有する。「融解完了時の温度」とは、本発明の氷を融点以上の環境下(例えば、室温、大気圧下)に置くことで氷の融解を開始させ、全ての氷が融解して水になった時点におけるその水の温度のことを指す。
【0026】
融解完了時の温度は0℃未満であれば特に限定されず、溶質の種類、濃度を調整することで適宜変更することができる。融解完了時の温度は、より冷却能が高いという点で、温度が低い方が好ましく、具体的には、-1℃以下(-2℃以下、-3℃以下、-4℃以下、-5℃以下、-6℃以下、-7℃以下、-8℃以下、-9℃以下、-10℃以下、-11℃以下、-12℃以下、-13℃以下、-14℃以下、-15℃以下、-16℃以下、-17℃以下、-18℃以下、-19℃以下、-20℃以下等)であることが好ましい。他方、凝固点を、被冷却物の凍結点に近づけた方が好ましい場合もあり(例えば、生鮮動植物の損傷を防ぐため等)、このような場合は、融解完了時の温度が高すぎない方が好ましく、例えば、-21℃以上(-20℃以上、-19℃以上、-18℃以上、-17℃以上、-16℃以上、-15℃以上、-14℃以上、-13℃以上、-12℃以上、-11℃以上、-10℃以上、-9℃以上、-8℃以上、-7℃以上、-6℃以上、-5℃以上、-4℃以上、-3℃以上、-2℃以上、-1℃以上、-0.5℃以上等)であることが好ましい。
【0027】
(溶質濃度の変化率)
上記(b)に関して、本発明の氷は、融解過程で氷から発生する水溶液の溶質濃度の変化率(以下、本明細書において「溶質濃度の変化率」と略称する場合がある。)が30%以内であるという特徴を有する。特許文献1に記載されたような方法においても、わずかに凝固点の低下した氷が生じる場合もあるが、そのほとんどは溶質を含まない水の氷と溶質の結晶との混合物であるため、冷却能が十分なものでない。このように溶質を含まない水の氷と溶質の結晶との混合物が多く含まれる場合、氷を融解条件下においた場合、融解に伴う溶質の溶出速度が不安定であり、融解開始時に近い時点である程、溶質が多く溶出し、融解が進むとともに溶質の溶出する量が少なくなり、融解が完了時に近い時点程、溶質の溶出量が少なくなる。これに対し、本発明の氷は、溶質を含む水溶液を含む液体の氷からなるものであるため、融解過程における溶質の溶出速度の変化が少ないという特徴を有する。具体的には、融解過程で氷から発生する水溶液の溶質濃度の変化率が30%である。なお、「融解過程で氷から発生する水溶液の溶質濃度の変化率」とは、融解過程の任意の時点での発生する水溶液における溶質濃度に対する、融解完了時における水溶液の濃度の割合を意味する。なお、「溶質濃度」とは、水溶液中の溶質の質量の濃度を意味する。
【0028】
本発明の氷における溶質濃度の変化率は30%以内であれば特に限定されないが、その変化率が少ない方が、凝固点の低下した水溶液の氷の純度が高いこと、つまり、冷却能が高いことを意味する。この観点から、溶質濃度の変化率は、25%以内(24%以内、23%以内、22%以内、21%以内、20%以内、19%以内、18%以内、17%以内、16%以内、15%以内、14%以内、13%以内、12%以内、11%以内、10%以内、9%以内、8%以内、7%以内、6%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%以内、1%以内、0.5%以内等)であることが好ましい。他方、溶質濃度の変化率は、0.1%以上(0.5%以上、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上、18%以上、19%以上、20%以上等)であってもよい。
【0029】
(溶質)
本発明の氷に含まれる溶質の種類は、水を溶媒としたときの溶質であれば特に限定されず、所望の凝固点、使用する氷の用途等に応じて、適宜選択することができる。溶質としては、固体状の溶質、液状の溶質等が挙げられるが、代表的な固体状の溶質としては、塩類(無機塩、有機塩等)が挙げられる。特に、塩類のうち、食塩(NaCl)は、凝固点の温度を過度に下げすぎず、生鮮動植物又はその一部の冷却に適してことから好ましい。また、食塩は海水に含まれるものであるため、調達が容易であるという点でも好ましい。また、液状の溶質としては、エチレングリコール等が挙げられる。なお、溶質は1種単独で含まれてもよく、2種以上含まれてもよい。
【0030】
本発明の氷に含まれる溶質の濃度は特に限定されず、溶質の種類、所望の凝固点、使用する氷の用途等に応じて、適宜選択することができる。例えば、溶質として食塩を用いた場合は、水溶液の凝固点をより下げて、高い冷却能を得ることができる点で、食塩の濃度は0.5%(w/v)以上(1%(w/v)以上、2%(w/v)以上、3%(w/v)以上、4%(w/v)以上、5%(w/v)以上、6%(w/v)以上、7%(w/v)以上、8%(w/v)以上、9%(w/v)以上、10%(w/v)以上、11%(w/v)以上、12%(w/v)以上、13%(w/v)以上、14%(w/v)以上、15%(w/v)以上、16%(w/v)以上、17%(w/v)以上、18%(w/v)以上、19%(w/v)以上、20%(w/v)以上等)であることが好ましい。他方、本発明の氷を生鮮動植物又はその一部の冷却に用いる場合等においては、凝固点の温度を過度に下げすぎない方が好ましく、この観点で、23%(w/v)以下(20%(w/v)以下、19%(w/v)以下、18%(w/v)以下、17%(w/v)以下、16%(w/v)以下、15%(w/v)以下、14%(w/v)以下、13%(w/v)以下、12%(w/v)以下、11%(w/v)以下、10%(w/v)以下、9%(w/v)以下、8%(w/v)以下、7%(w/v)以下、6%(w/v)以下、5%(w/v)以下、4%(w/v)以下、3%(w/v)以下、2%(w/v)以下、1%(w/v)以下等)であることが好ましい。
【0031】
本発明の氷は冷却能に優れるため、冷媒としての使用に適している。低温の冷媒としては、氷以外に、エタノール等の不凍液として使用される有機溶媒が挙げられるが、これらの不凍液より氷の方が熱伝導率が高く、比熱が高い。そのため、本発明の氷のような溶質を溶解させて凝固点が低くなった氷は、不凍液のような他の0℃未満の冷媒より、冷却能が優れている点においても有用である。
【0032】
本発明の氷は、上記の溶質以外の成分を含んでもよく、含まなくてもよい。
【0033】
本発明において、「氷」とは、水溶液を含む液体が凍ったものを指す。
【0034】
また、本発明の氷は、真水の凝固点以下の温度で安定な状態が続くため、すなわち、分離しない状態とすることができる。そのため、例えば、後述のとおり、本発明の氷を構成する液体が、上記の溶質を含有する水溶液に加え、さらに、油を含む液体であった場合、該油が均一な状態が長持ちし、つまり、分離しない状態とすることができる。なお、本発明において「分離しない状態」とは、マクロな観点で分離していない状態(層の状態が分離していない状態)を意味しているのであり、ミクロな観点で分離している部分(例えば、一部の水と油)は含むものである。
【0035】
上述のとおり、本発明の氷を構成する液体は、上記の溶質を含有する水溶液に加え、さらに、油を含む液体であってもよい。そのような液体としては、生乳、水と油を含む産業廃棄物(廃棄乳等)が挙げられる。液体が生乳であった場合、その氷を食したときの官能性が向上する点で好ましい。このように、官能性が向上する理由は、生乳に含まれる油(脂肪)が氷の中に閉じ込められた状態であるからと推測される。なお、本発明の氷は、上記の溶質を含有する水溶液を凍結させたもののみから構成してもよい。
【0036】
本発明の氷を構成する液体がさらに油を含む場合、液体中の水と油との比率は、特に限定されず、例えば、1:99~99:1(10:90~90:10、20:80~80:20、30:80~80:30、40~60:40~60等)の範囲で適宜選択してもよい。
【0037】
また、本発明の氷は、凝固点降下度の異なる2種以上の溶質を含む水溶液の氷であってもよい。この場合、本発明の氷は、一方の溶質を含む水溶液の氷と、他方の溶質を含む水溶液の氷との混合物であってもよい。かかる場合、例えば、溶質としてエチレングリコールを含む水溶液の氷に、エチレングリコールと凝固点降下度の異なる溶質として食塩を含む水溶液の氷を加えることで、エチレングリコールを含む水溶液の氷の融解を遅らせることができる。あるいは、本発明の氷は、2種以上の溶質を同一の水溶液に溶解した水溶液の氷であってもよい。また、凝固点降下度の異なる2種以上の溶質を併用する場合、対象となる溶質を含む水溶液の氷の融点を下げる場合においても有用である。例えば、溶質として食塩を用いる場合に、食塩よりさらに融点を下げることができる溶質(エチレングリコール、塩化カルシウム等)を併用することで、食塩水の氷の融点を下げることができ、例えば、食塩水の氷のみではなしえない-30℃近辺での温度を実現できる。凝固点降下度の異なる2種以上の溶質の比率は、目的に応じて適宜変更することができる。
【0038】
<冷媒>
本発明は、上記の氷を含む冷媒を包含する。上記のとおり、本発明の氷は冷却能に優れるため、冷媒に好適である。
【0039】
本発明の冷媒は、上記の氷の他の成分を含んでもよく、例えば、上記の氷以外に水を含むことで、氷と水との混合物により構成してもよい。例えば、氷に含まれる溶質と同一の溶質を含有する水をさらに含む場合、氷における溶質の濃度と、水における溶質の濃度は近い方が好ましい。その理由は、以下のとおりである。
【0040】
氷の溶質濃度が水の溶質濃度より高い場合、氷の温度が水の飽和凍結点より低いため、溶質濃度が低い水を混合した直後に水分が凍結する。一方、氷の溶質濃度が水の溶質濃度より低い場合、氷の飽和凍結点よりも水の飽和凍結点のほうが低いため氷が融解し、氷と水との混合物からなる冷媒の温度が低下する。つまり、氷と水との混合物の状態(氷スラリーの状態)を変動させないようにするためには、上述のとおり、混合する氷と水の溶質濃度を同程度とすることが好ましい。また、氷と水との混合物の状態である場合、水は、上記氷が融解してなるものであってもよく、別途調製したものであってもよいが、上記氷が融解してなるものであることが好ましい。
【0041】
具体的には、本発明の冷媒を氷と水との混合物により構成する場合、氷における溶質の濃度と、水における溶質の濃度との比が、75:25~20:80であることがより好ましく、70:30~30:70であることがさらに好ましく、60:40~40:60であることがより一層好ましく、55:45~45:55であることがさらに一層好ましく、52:48~48:52であることが特に好ましく、50:50であることが最も好ましい。特に、溶質として食塩を用いる場合、氷における溶質の濃度と、水における溶質の濃度との比が上記範囲内にあることが好ましい。
【0042】
本発明の冷媒の冷却対象は、特に限定されないが、生鮮動植物又はその部分の冷却に好適である。生鮮動植物としては、例えば、海水魚等の生鮮魚、生鮮野菜等が挙げられる。生鮮動植物の部分としては、動物(ヒト等)の臓器が挙げられる。
【0043】
本発明の氷の原料となる水は、特に限定されないが、溶質として食塩を使用する場合、海水、海水に塩を追加した水、又は海水の希釈水、の氷であることが好ましい。海水、海水に塩を追加した水、又は海水の希釈水は、調達が容易であり、これによりコストの削減も可能となる。
【0044】
本発明の冷媒は、さらに、上記の本発明の氷より高い熱伝導率を有する固体を含有してもよく、含有さなくてもよいが、含有することが好ましい。短時間で冷却対象物を冷却しようとした場合、熱伝導率の高い固体を利用することにより達成可能であるが、この場合、その固体自身も短時間で冷熱エネルギーを失い温度が上がりやすいため、長時間の冷却には不適である。他方、熱伝導率の高い固体を利用しない方が長時間の冷却に適しているが、短時間で冷却対象物を冷却するのには不適である。しかしながら、本発明の氷は、上記のように冷却能が高いため、熱伝導率の高い固体による短時間の冷却能力を得つつ、長時間の冷却も可能としている点で有用である。本発明の氷より高い熱伝導率を有する固体としては、例えば、金属(アルミニウム、銀、銅、金、ジュラルミン、アンチモン、カドミウム、亜鉛、すず、ビスマス、タングステン、チタン、鉄、鉛、ニッケル、白金、マグネシウム、モリブデン、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ニオブ、クロム、コバルト、イリジウム、パラジウム)、合金(鋼(炭素鋼、クロム鋼、ニッケル鋼、クロムニッケル鋼、ケイ素鋼、タングステン鋼、マンガン鋼等)、ニッケルクロム合金、アルミ青銅、砲金、黄銅、マンガニン、洋銀、コンスタンタン、はんだ、アルメル、クロメル、モネルメタル、白金イリジウム等)、ケイ素、炭素、セラミックス(アルミナセラミックス、フォルステライトセラミックス、ステアタイトセラミックス等)、大理石、レンガ(マグネシアレンガ、コルハルトレンガ等)等であって、本発明の氷より高い熱伝導率を有するものが挙げられる。また、本発明の氷より高い熱伝導率を有する固体は、熱伝導率が2.3W/m K以上(3W/m K以上、5W/m K以上、8W/m K以上等)の固体であることが好ましく、熱伝導率が10W/m K以上(20W/m K以上、30W/m K以上、40W/m K以上等)の固体であることがより好ましく、熱伝導率が50W/m K以上(60W/m K以上、75W/m K以上、90W/m K以上等)の固体であることがさらに好ましく、熱伝導率が100W/m K以上(125W/m K以上、150W/m K以上、175W/m K以上等)の固体であることがより一層好ましく、熱伝導率が200W/m K以上(250W/m K以上、300W/m K以上、350W/m K以上等)の固体であることがなお好ましく、熱伝導率が200W/m K以上の固体であることがなお好ましく、熱伝導率が400W/m K以上(410W/m K以上等)の固体であることが特に好ましい。
【0045】
本発明の冷媒が、上記の本発明の氷より高い熱伝導率を有する固体を含有する場合、上記のとおり、多くの固体を含んでも長時間の冷却に適しており、例えば、本発明の氷より高い熱伝導率を有する固体の質量/冷媒に含まれる本発明の氷の質量(又は冷媒に含まれる本発明の氷と水溶液を含む液体との合計質量)は、1/100000以上(1/50000以上、1/10000以上、1/5000以上、1/1000以上、1/500以上、1/100以上、1/50以上、1/10以上、1/5以上、1/4以上、1/3以上、1/2以上等)であってもよい。
【0046】
本発明における上記固体は、どのような形状であってもよいが、粒子状であることが好ましい。また、上記固体は、本発明の氷の内部に含まれた形態で含まれていてもよく、氷の外部に含まれた形態で含まれていてもよいが、氷の外部に含まれた形態で含まれていた方が冷却対象物に直接接しやすくなるため、冷却能が高くなる。このことから、氷の外部に含まれた形態で含まれていた方が好ましい。また、本発明の冷媒が上記固体を含有する場合、後述の本発明の氷の製造方法により氷を製造した後に上記固体と混合してもよく、あるいは、あらかじめ原料となる水に混合した状態で、氷を製造してもよい。
【0047】
<氷の製造方法>
本発明は、溶質を含有する水溶液を含む液体の氷の製造方法であって、溶質を含有する水溶液を含む液体を、該水溶液の凝固点以下の温度に保持された壁面に対して噴霧することによって、壁面上に水溶液を含む液体の氷を生成する工程と、壁面上において生じた氷を回収する工程と、有する方法を包含する。かかる方法により、上記(a)及び(b)の条件を満たす本発明の氷を製造することができる。
【0048】
(氷生成工程)
本発明は、溶質を含有する水溶液を含む液体の氷の製造方法であって、溶質を含有する水溶液を含む液体を、該水溶液の凝固点以下の温度に保持された壁面に対して噴霧することによって、壁面上に水溶液を含む液体の氷を生成する工程と、壁面上において生じた氷を回収する工程を有する。
【0049】
上述の特許文献1のように容器に溜められた状態の水溶液を含む液体を外部から冷却しても、本発明の氷を製造することができない。これは、冷却速度が十分でないことに起因すると考えられる。しかしながら、本発明の製造方法は、溶質を含有する水溶液を含む液体を噴霧することで霧状となった水溶液が凝固点以下の温度に保持された壁面に直接接することにより従来なかった急速な冷却を可能としている。これにより、本発明は、上記(a)及び(b)の条件を満たす、冷却能の高い氷を生成することができると考えられる。
【0050】
壁面は、例えば、後述する図1における竪型ドラム11のような円柱型の構造物の内壁等が挙げられるが、水溶液の凝固点以下の温度に保持できるような壁面であれば特に限定されない。壁面の温度は、水溶液の凝固点以下の温度に保持されていれば特に限定されないが、上記(a)及び(b)の条件を満たす氷の純度が高い氷を製造できる点で、水溶液の凝固点より1℃以上低い温度(2℃以上低い温度、3℃以上低い温度、4℃以上低い温度、5℃以上低い温度、6℃以上低い温度、7℃以上低い温度、8℃以上低い温度、9℃以上低い温度、10℃以上低い温度、11℃以上低い温度、12℃以上低い温度、13℃以上低い温度、14℃以上低い温度、15℃以上低い温度、16℃以上低い温度、17℃以上低い温度、18℃以上低い温度、19℃以上低い温度、20℃以上低い温度、21℃以上低い温度、22℃以上低い温度、23℃以上低い温度、24℃以上低い温度、25℃以上低い温度等)に保持されることが好ましい。
【0051】
噴霧の方法は、特に限定されないが、例えば、後述する図1におけるパイプ13のように、噴射孔を備える噴射手段から、噴射することにより、噴霧をすることができる。この場合において、噴射する際の水圧は、例えば、0.001MPa以上(0.002MPa以上、0.005MPa以上、0.01MPa以上、0.05MPa以上、0.1MPa以上、0.2MPa以上等)であってもよく、1MPa以下(0.8MPa以下、0.7MPa以下、0.6MPa以下、0.5MPa以下、0.3MPa以下、0.1MPa以下、0.05MPa以下、0.01MPa以下等)であってもよい。
【0052】
また、後述する図1に示すように、竪型ドラム11の中心軸上に回転可能な回転軸12を設ける等の回転手段を設け、回転させながら噴霧を行う等の連続的な噴霧により行ってもよい。
【0053】
(回収工程)
本発明は、上述の氷生成工程後に、壁面上において生じた氷を回収する工程を有する。
【0054】
回収する方法は、特に限定されず、例えば、後述する図2に示すように、壁面上の氷をブレード15等の手段により掻き取り、落下した氷を回収してもよい。
【0055】
また、氷が生成される際に、製氷熱が発生するが、この製氷熱を帯びることで、実際の融解完了温度に影響を与える可能性がある。このように、融解完了温度は、溶質の種類、濃度のみでなく、製氷熱の影響を受けると考えられる。そのため、氷に残存する製氷熱の熱量を調整することで、実際の融解完了温度を調整することができる。製氷熱を調整するためには、本発明における回収工程において、氷を壁面上の保持時間を調整することで行うことができる。
【0056】
[製氷機及び製氷システム]
本発明の氷を製造するのに利用可能な製氷機、及び製氷システムの一態様について、図1図2を参照しながら以下に説明する。なお、以下の製氷機の例は、溶質として食塩を用いたものである。
【0057】
製氷機10の部分断面斜視図を図1に、製氷機10を含む製氷システムを図2に示す。製氷機10は、冷媒により内周面が冷却される竪型ドラム11を備え、ギヤードモータ20により回転する回転軸12が竪型ドラム11の中心軸上に配置されている。回転軸12には、回転軸12と共に回転し、竪型ドラム11の内周面に向けて塩水を噴射する噴射孔13aを先端部に有する複数のパイプ13と、竪型ドラム11の半径方向に延出し、回転軸12と共に回転するアーム14が取り付けられている。アーム14の先端部には、竪型ドラム11の内周面に生成した氷を掻き取るブレード15が装着されている。
【0058】
竪型ドラム11は、氷が内周面に生成する内筒22と、内筒22を囲繞する外筒23とを有している。内筒22及び外筒23は鋼製とされ、内筒22と外筒23の間にはクリアランスが設けられている。クリアランスには、配管35を介して冷凍機(図示省略)から冷媒が供給される。なお、竪型ドラム11の外周面は円筒状の保護カバー19で覆われている。
【0059】
竪型ドラム11の上面は、鍋を逆さにした形状からなる上部軸受部材17で封止されている。上部軸受部材17の中心部には、回転軸12を支持するブッシュ28が嵌装されている。回転軸12は上部軸受部材17にのみ支持され、回転軸12の下端部は軸支されていない。そのため、竪型ドラム11の下方には、ブレード15によって掻き取られた氷が落下する際に障害となる物がなく、竪型ドラム11の下面は氷を排出する排出口16とされている。排出口16から落下した氷は、製氷機10の直下に配置された氷貯留タンク34内に貯えられる(図2参照)。
【0060】
回転軸12は、上部軸受部材17の上方に設置されたギヤードモータ20によって材軸回りに回転する。回転軸12の上部には、材軸方向に延在し各パイプ13と連通する竪穴12aが形成されている(図2参照)。また、回転軸12の頂部にはロータリージョイント21が取り付けられている。氷の原料となる塩水は、塩水貯留タンク30から配管32を介してロータリージョイント21に送給される(図2参照)。ロータリージョイント21に送給された塩水は、ロータリージョイント21から回転軸12に形成された竪穴12aに送給され、竪穴12aから各パイプ13に送給される。
【0061】
パイプ13は、回転軸12から竪型ドラム11の半径方向に放射状に延出している。各パイプ13の設置高さは竪型ドラム11の内筒22高さの上部位置とされ、内筒22の内周面の上部に向けて塩水が噴射される(図1参照)。噴射孔13aから塩水を噴射する際の水圧としては例えば、0.01MPa程度である。なお、パイプ13に代えてスプレーノズルなどを使用しても良い。この場合、噴射圧力は例えば、0.2~0.5MPaとすることができる。
【0062】
アーム14は回転軸12に関して対称となるように装着されている。本実施の形態では、アーム14の本数は2本とされている。各アーム14の先端部に装着されているブレード15は、内筒22の全長(全高)にほぼ等しい長さを有するステンレス製の板材からなり、内筒22に面する端面には複数の鋸歯15aが形成されている。
【0063】
次に、上記構成を有する製氷機10及び製氷システムの動作について説明する。冷凍機を作動させることで竪型ドラム11に冷媒を供給し、竪型ドラム11の内周面の温度を-20~-25℃にする。次いで、ギヤードモータ20を作動させて、回転軸12を材軸周りに回転させると共に、ロータリージョイント21を介して回転軸12内に塩水を供給する。回転軸12の回転速度は2~4rpmとする。なお、パイプ13ではなくスプレーノズルを使用した場合は、回転軸12の回転速度は10~15rpmとする。
【0064】
回転軸12と共に回転するパイプ13から竪型ドラム11の内周面に向けて噴射された塩水は、竪型ドラム11の内周面に接触すると瞬時に凍結する。竪型ドラム11の内周面に生成した氷は、アーム14と共に回転するブレード15によって掻き取られる。掻き取られた氷は排出口16から落下する。排出口16から落下した氷は、製氷機10の直下に配置された氷貯留タンク34内に貯えられ、生鮮海産物の鮮度保持に使用される。
【0065】
一方、氷とならず、竪型ドラム11の内周面を流下した塩水は塩水貯留タンク30に貯えられ、ポンプ31を作動させることにより配管32を介してロータリージョイント21に再び送給される(図2参照)。なお、塩水貯留タンク30内の塩水が少なくなった場合は、塩水タンク33に貯えられている塩水が塩水貯留タンク30に供給される。
【0066】
<被冷却物の製造方法>
本発明は、冷却された被冷却物の製造方法であって、上述の冷媒を用いて被冷却物を冷却する工程を有する方法を包含する。
【0067】
被冷却物は、特に限定されず、例えば、生鮮動植物又はその部分等が挙げられる。生鮮動植物としては、例えば、海水魚等の生鮮魚、生鮮野菜等が挙げられる。生鮮動植物の部分としては、動物(ヒト等)の臓器が挙げられる。
【0068】
冷却する方法は、特に限定されず、上述の冷媒を直接被冷却物に接触させて冷却してもよく、間接的に(例えば、熱源を伝えられる熱伝導手段を冷媒により冷却させ、冷却された熱伝導手段を介して)、冷却してもよい。
【0069】
また、上述の本発明の冷媒が氷より高い熱伝導率を有する固体を含有する場合、冷却する工程において、冷媒に含まれる氷と被冷却物との間に、氷より高い熱伝導率を有する固体が介在するように冷却を行うことが好ましい。これにより、熱伝導率の高い固体による短時間の冷却能力を得つつ、長時間の冷却も可能となる。かかる場合、目的に応じて、氷、氷より高い熱伝導率を有する固体、被冷却物とのぞれぞれの間に、別のものが介在していてもよい。例えば、冷媒の中に被冷却物と直接接するのが好ましくないもの(例えば、安全性の観点で被冷却物と接するのが好ましくない、氷より熱伝導率が高い固体(金属等)等)が含まれる場合、袋に冷媒又は被冷却物のいずれか一方を収容して、冷媒と被冷却物とが直接接しないようにして冷却してもよい。
【実施例
【0070】
<実施例1>
上述の製氷機10を用いて、溶質として食塩を23.1%含有する水溶液(飽和食塩水)の氷(以下、「実施例1に係る氷」という。)を製造した。この実施例1に係る氷は、(a)融解完了時の温度が0℃未満であった。また、融解過程での水溶液の食塩水の濃度が略一定であり、つまり(b)融解過程で氷から発生する水溶液の溶質濃度の変化率が30%以内であった。この実施例1に係る氷の温度について、外気温下において経時変化を測定した。また、実施例1に係る氷と同濃度の食塩水(図3中の「高濃度食塩水」)についても、同様に温度の経時変化を測定した。その結果を図3に示す。図3中、縦軸が温度(℃)、横軸が時間(分)である。
【0071】
図3に示すように、高濃度食塩水は凍っていないため、時間の経過に比例して温度が上がっていった。これに対し、実施例1に係る氷は、融解が完了するまでの間、-20℃付近でほとんど温度変化がみられなかったことから、潜熱の効果により、高い冷却能を有することがわかった。
【0072】
<実施例2> 実施例1と同様に、上述の製氷機10を用いて、溶質として食塩を23.1%含有する水溶液(飽和食塩水)の氷(以下、「実施例2に係る氷(溶液:飽和食塩水)」という。)を製造した。また、実施例2に係る氷(溶液:飽和食塩水)に、銅を加えたものを準備し、これを実施例2に係る氷(溶液:飽和食塩水+CU)とした。さらに、凍らせていない飽和食塩水(-20℃水溶液)を準備した。
【0073】
実施例2に係る氷(溶液:飽和食塩水)、実施例2に係る氷(溶液:飽和食塩水+CU)、飽和食塩水(-20℃水溶液)を用いて、魚を冷却し、魚体芯温度の経時的な変化を測定した。その結果を図4に示す。図4中、縦軸が温度(℃)、横軸が時間(分)である。
【0074】
図4に示すとおり、実施例2に係る氷(溶液:飽和食塩水+CU)は、実施例2に係る氷(溶液:飽和食塩水)より魚の冷却能が高いことがわかった。この結果より、銅のような氷より高い熱伝導率を有する固体をさらに加えることで、冷却能が高くなることがわかった。
【0075】
<実施例3>
上述の製氷機10を用いて、23.1%含有する水溶液(飽和食塩水)の代わりに生乳を用いて、実施例1に係る氷と同様の方法で実施例3に係る生乳の氷を製造した。実施例3に係る氷を試食したところ、食べている間に分離しにくく固体状態を長持ちでき、おいしかったことが確認できた。また、同様の氷を食べずに放置して溶解させたところ、溶解して生じた生乳が分離していなかった。さらに、実施例3に係る生乳の氷を上述の製氷機10を用いて製造したときの分離状態を確認したところ、液体を噴霧した壁面から氷を回収した後においても壁面上に油が残っておらず、製造時においても分離していないことが確認できた。これらのことから、本発明の氷が分離しない状態とすることができることがわかった。
【符号の説明】
【0076】
10:製氷機、11:竪型ドラム、12:回転軸、12a:竪穴、13:パイプ、13a:噴射孔、14:アーム、15:ブレード、15a:鋸歯、16:排出口、17:上部軸受部材、19:保護カバー、20:ギヤードモータ、21:ロータリージョイント、22:内筒、23:外筒、28:ブッシュ、30:塩水貯留タンク、31:ポンプ、32、35:配管、33:塩水タンク、34:氷貯留タンク
図1
図2
図3
図4