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特許7056903デオドラント液状洗浄剤組成物及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】デオドラント液状洗浄剤組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20220412BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20220412BHJP
   C11D 9/02 20060101ALI20220412BHJP
   C11D 9/18 20060101ALI20220412BHJP
   C11D 9/38 20060101ALI20220412BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20220412BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20220412BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALI20220412BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20220412BHJP
【FI】
A61K8/36
C11D17/08
C11D9/02
C11D9/18
C11D9/38
A61Q19/10
A61K8/19
A61K8/9794
A61K8/9789
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017140859
(22)【出願日】2017-07-20
(65)【公開番号】P2019019103
(43)【公開日】2019-02-07
【審査請求日】2020-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】516079833
【氏名又は名称】株式会社スタジオライン
(74)【代理人】
【識別番号】100195327
【弁理士】
【氏名又は名称】森 博
(72)【発明者】
【氏名】倉崎 雄介
【審査官】山中 隆幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-020789(JP,A)
【文献】特開2004-161632(JP,A)
【文献】国際公開第2008/044388(WO,A1)
【文献】特開2002-325828(JP,A)
【文献】特開2001-302483(JP,A)
【文献】特開2013-241347(JP,A)
【文献】特開2003-113013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
C11D 1/00-19/00
A61L 9/00- 9/22
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石鹸成分(A)と、銀コロイド粒子(B)と、竹炭粉末(C)と、水(D)とを含有し、
さらにオオウメガサソウ及びゴボウ根エキスを含有することを特徴とするミドル脂臭の抑制用デオドラント液状洗浄剤組成物。
【請求項2】
銀コロイド粒子(B)と、竹炭粉末(C)との質量比(B/C)が0.05~10である請求項1に記載のデオドラント液状洗浄剤組成物。
【請求項3】
石鹸成分(A)と、銀コロイド粒子(B)と、竹炭粉末(C)と、水(D)と、
さらにオオウメガサソウ及びゴボウ根エキスを混合する工程を有するミドル脂臭の抑制用デオドラント液状洗浄剤組成物製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デオドラント液状洗浄剤組成物に関する。より詳しくは、男性の体臭、特には中年男性特有の加齢臭及びミドル脂臭の抑制に好適なデオドラント液状洗浄剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のエチケット志向の高まりをうけ、自分の体臭を気にする人が増加しており、体臭に対するデオドラント製品のニーズは高まっている。中年男性においてもこの例外ではなく、加齢臭や、ミドル脂臭(中年男性特有の脂っぽい汗の臭い)は、40歳前後で増加する傾向にあり、これを抑制するための技術は様々に開発が進められている。
加齢臭やミドル脂臭を対象として体臭を除去する方法としては、体臭を抑制する組成物(いわゆる、デオドラント剤)を使用する方法(例えば、特許文献1,2)が挙げられるが、これらの組成物には洗浄作用はない。
【0003】
一方、様々な男性用の洗浄剤組成物が開発されているが、いまだその効果は満足のいくものでないのが実情であり、更なる開発が期待されていた。また、入浴時に体臭の除去を気にするあまり、石鹸やボディソープで過度に皮膚洗浄することと、角質層の剥離等を引き起こし、肌荒れの原因となっているという課題も存在していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-55815号公報
【文献】特開2017-567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる状況下、本発明の目的は、男性の体臭(特に加齢臭やミドル脂臭)の抑制に適したデオドラント液状洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、石鹸成分と水とを含む液状洗浄剤原液に、銀コロイドと竹炭粉末とを所定量含有させることにより、男性の体臭、特に加齢臭とミドル脂臭に対する消臭効果に優れる洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 石鹸成分(A)と、銀コロイド粒子(B)と、竹炭粉末(C)と、水(D)とを含有するデオドラント液状洗浄剤組成物。
<2> 銀コロイド粒子(B)と、竹炭粉末(C)との質量比(B/C)が0.05~10である<1>に記載のデオドラント液状洗浄剤組成物。
<3> 加齢臭及びミドル脂臭の抑制用である<1>または<2>に記載のデオドラント液状洗浄剤組成物。
<4> さらにオオウメガサソウ、ゴボウ根エキス及び柿タンニンから選択される1以上を含有する<1>から<3>のいずれかに記載のデオドラント液状洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、男性の体臭(特に加齢臭及びミドル脂臭)の抑制作用を有するデオドラント液状洗浄剤組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明について例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、本明細書において、「~」とはその前後の数値又は物理量を含む表現として用いるものとする。
【0010】
本発明は、石鹸成分(A)と、銀コロイド粒子(B)と、竹炭粉末(C)と、水(D)とを含有するデオドラント液状洗浄剤組成物に関する。
【0011】
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物は、液状洗浄剤組成物のベースとなる石鹸成分(A)及び水(D)に加え、銀コロイド粒子(B)と、竹炭粉末(C)と、を必須成分とすることに特徴がある。すなわち、本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物は、使用時に石鹸成分(A)から溶出する、銀コロイドから発生する銀イオンによる殺菌作用及び消臭作用を有すると共に、竹炭粉末の汚れ成分及び臭い成分吸着除去作用により、洗浄力に優れる。
そして、詳細な理由は現在のところ完全には明らかではないが、本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物は、銀コロイド粒子(B)と、竹炭粉末(C)と共存させることにより、優れた男性の体臭の抑制作用を発現し、その持続性が向上することに最大の特徴がある。
【0012】
なお、本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物は、その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては例えば、保湿成分、エイジングケア成分等が挙げられる。詳細は後述する。
【0013】
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物において、銀コロイド粒子(B)と、竹炭粉末(C)との質量比(B/C)が0.05~10であることが好ましく、0.1~5であることがより好ましい。B/Cがこの範囲であると、本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物は、より優れた体臭(特に加齢臭及びミドル脂臭)の抑制作用が認められる。
【0014】
対象となる体臭には制限はないが、好適な対象は加齢臭及びミドル脂臭である。そのため、本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物は、加齢臭及びミドル脂臭の抑制用の用途として用いることができる。
【0015】
以下、本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物の構成成分について詳述する。
【0016】
<石鹸成分(A)>
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物において、石鹸成分(A)は任意であり、公知の液状洗浄剤組成物で使用される高級脂肪酸のアルカリ塩が使用できる。
石鹸成分(A)としての高級脂肪酸のアルカリ塩の好適例を示すと、ラウリン酸高級脂肪酸のアルカリ塩ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、イソステアリン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、パーム油脂肪酸ナトリウム、等が挙げられるがこれらに限定されない。これらの高級脂肪酸のアルカリ塩は単独で使用しても、あるいは2種以上を併用してもよい。
【0017】
また、石鹸成分(A)の原料として油脂を用いる場合は、公知の洗浄剤組成物で使用される油脂を用いることができ、例えば、牛脂、ヤシ油、オリーブオイル等が示される。これらは単独で使用しても、あるいは2種以上を併用してもよい。
【0018】
石鹸成分(A)として、肌への刺激性を考慮して植物由来の石鹸成分を好適に使用することができる。
【0019】
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物における、石鹸成分(A)の割合は剤型等に応じて適宜決定される。液状洗浄剤組成物としての石鹸成分(A)の割合は、30~90重量%(水(D)との合計量で50~95重量%)を例示できるが、これに限定されない。なお、石鹸成分(A)が少なすぎると洗浄効果が不足するおそれがあり、多すぎると使用後につっぱり感が生じるおそれがある。
【0020】
<銀コロイド粒子(B)>
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物において、銀コロイド粒子(B)はナノオーダーの銀コロイド粒子を意味する。銀コロイド粒子の粒径は、典型的には平均粒径が50nm未満であるが、本発明の効果を損なわない限りはこれ以上の大きさでもよい。
【0021】
上述の通り、銀コロイド粒子から発生する銀イオンは優れた殺菌作用及び消臭作用を有するので、銀コロイド粒子を配合することにより本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物に消臭作用を与えることができる。ここで、銀イオンを石鹸成分(A)に添加する場合には十分な量を入れることができないが、(銀イオンの発生源として機能する)銀コロイド粒子(B)として石鹸成分(A)に添加することにより、実質的に殺菌作用及び消臭作用を有する銀イオンを多量に石鹸成分(A)に含ませることができる。
【0022】
また、洗浄後に皮膚に残存した銀コロイド粒子により、皮膚表面の雑菌の繁殖を抑制して肌の清潔さを保つことも期待できる。また、銀コロイド粒子から発生する銀イオンにより肌のイオンバランスを整えて酸化ストレスを抑制することができる。そのため、本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物を使用し続けることで体臭の原因と雑菌の増加をコントロールして、健康な肌の状態を保つことができる。
【0023】
銀コロイド粒子(B)としては市販のものを使用することもできる。
【0024】
銀コロイド粒子(B)の配合量は、デオドラント液状洗浄剤組成物全量に対して、固形物換算で0.001~1質量%が好ましく、0.001~0.5質量%がより好ましい。竹炭粉末(C)の配合量が少なすぎると、体臭抑制効果が十分に得られないおそれがあり、多すぎるとそれ以上の効果が得られないことに加え、銀コロイド粒子(B)とのバランスを欠き、かえって体臭抑制効果が低減する場合がある。
【0025】
なお、銀イオンには殺菌作用があることは従来より知られているが、銀コロイドを液状洗浄剤組成物に竹炭粉末(C)と共に使用することはこれまで全く知られていない。
【0026】
<竹炭粉末(C)>
竹炭粉末(C)は、竹炭からなる粉末である。竹炭粉末は、多孔質性であり、脱臭作用を有し、またアルカリ性で肌に優しい。さらに遠赤外線を発生し、人体の血流を促し、肌の新陳代謝を促進する作用も有する。また、竹酢液に抗菌作用があるように、竹炭粉末に基づく抗菌作用も期待できる。
【0027】
また、竹炭粉末(C)の吸着能により、銀コロイド粒子(B)が分散担持されるので銀コロイド粒子(B)を分散した状態で石鹸成分(A)に含ませることができるという利点もある。さらには竹炭粉末(C)の吸着能により、体臭に一因である毛穴の奥に詰まった皮脂汚れを吸着除去するという利点もある。皮脂には加齢臭の原因となるノネナールの元となるパルミトオレイン酸が含まれるため、皮脂汚れを吸着除去することにより加齢臭が抑制される。なお、竹炭はその組織の違いから木炭より多孔質で表面積が広いため、より多くの汚れ成分を吸着することができる。
【0028】
竹炭粉末の粒子径は、石鹸成分(A)の種類や配合量等を考慮して適宜選択され、例えば、0.1μm~3mmであるが、これに限定されない。
【0029】
竹炭粉末(C)の配合量は、デオドラント液状洗浄剤組成物全量に対して、固形物換算で0.01~10質量%が好ましく、0.001~5質量%がより好ましい。竹炭粉末(C)の配合量が少なすぎると、体臭抑制効果が十分に得られないおそれがあり、多すぎるとそれ以上の効果が得られないことに加え、銀コロイド粒子(B)とのバランスを欠き、かえって体臭抑制効果が低減する場合がある。
【0030】
竹炭粉末(C)としては上述の性質を有する竹炭であればいかなるものを使用することができるが、特に乾燥させた竹を150~200℃で燻製熱処理したものが好ましい。150~200℃で燻製熱処理して得られる竹炭は組織が硬化することにより竹本来が有する細孔を保つことができるため高い吸着性を有する。
また、過剰な熱処理が行われると竹本来の抗菌力や天然ミネラル成分が失われることがあるが、150~200℃で燻製熱処理の竹炭では、抗菌力や天然ミネラル成分を保つことができる。
【0031】
竹炭粉末(C)としては市販のものを使用することもできる。
【0032】
<水(D)>
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物は、水(D)を含有する。水(D)としては、特に限定されないが、精製水を用いることが好ましい。水(D)の配合量は、本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物の粘度等を考慮して、石鹸成分(A)と併せて適宜選択され、石鹸成分(A)との合計量で、50~95重量%を例示できるが、これに限定されない。
【0033】
<成分(E)>
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、石鹸成分(A)、銀コロイド粒子(B)、竹炭粉末(C)及び水(D)以外の任意成分を成分(E)として配合することができる。
任意成分としては、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤;動植物抽出エキス;ビタミン類;アミノ酸;pH調整剤;シリカ、タルク、ベントナイト等の粉体;清涼剤;美白剤;抗炎症剤;等が挙げられる。なお、配合量は適宜選定される。
【0034】
なお、本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物に必須成分として含まれる銀コロイド粒子(B)、竹炭粉末(C)は殺菌作用等の有用な作用を有するため、石鹸成分(A)として天然由来成分(特には植物由来成分)を使用しても、品質劣化が起こりづらく、長期間品質が保てるという利点もある。
そのため、本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物は、合成着色料、合成香料、石油系界面活性剤等の人工成分を含まない洗浄剤組成物とすることができる。
【0035】
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物は、石鹸成分(A)、銀コロイド粒子(B)、竹炭粉末(C)及び水(D)に加え、さらに成分(E)としてオオウメガサソウ、ゴボウ根エキス及び柿タンニンから選択される1以上を含有することが好ましい。
【0036】
オオウメガサソウは優れた消臭力を有し、石鹸成分による洗浄のみでは除去しづらい加齢臭の元になるノネナールの抑制に寄与し、かつ、年齢による肌ダメージの改善作用が期待できる。
【0037】
ゴボウ根エキスは、毛穴引き締め作用や保湿作用を有し、洗浄後に清潔な肌を保持し、しっとり感が持続する。
【0038】
柿タンニンは、臭い成分に直接的に作用することからこれを含むことにより消臭作用が向上する。
【0039】
オオウメガサソウ、ゴボウ根エキス及び柿タンニンはいずれか1種を含んでいることが好ましく、オオウメガサソウ及びゴボウ根エキスの両方を含むことがより好ましく、オオウメガサソウ、ゴボウ根エキス及び柿タンニンのすべてを含むことがより好ましい。
オオウメガサソウ、ゴボウ根エキス及び柿タンニンの配合量は、配合量は適宜選定すればよいが、通常、それぞれがデオドラント液状洗浄剤組成物全量に対して、固形物換算で0.0001~1質量%が好ましく、0.0001~0.5質量%がより好ましい。
【0040】
オオウメガサソウ、ゴボウ根エキス及び柿タンニンはそれぞれ天然成分であるため、肌に悪影響を与えることが少ないという利点もある。
【0041】
また、他の好適な成分(E)としては、エイジングケアの観点から、アーチチョーク葉エキス、クダモノトケイソウ果実エキス、グリチルリチン酸カリウム等、肌のハリや透明感を改善する観点からフィトスインゴシン、プラチナコラーゲン、セイヨウナシ果汁発酵液等が挙げられる。これらもそれぞれ天然成分であるため、肌に悪影響を与えることが少ないという利点もある。
【0042】
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物には、制汗成分を配合することもできる。制汗成分により、洗浄後の身体から汗や皮脂の分泌を抑制することでより効果的に体幹部から発生する臭気を抑制することができる。制汗成分は公知の成分が使用でき、例えば、クロルヒドロキシアルミニウムが挙げられる。
【0043】
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物の製造方法は任意であり、上記の構成成分を任意の順番で混合し、剤型等に応じて適宜決定すればよい。
【0044】
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物の形態に制限はなく、典型的にはボディソープである。また、ヘアシャンプーや洗顔料の形態であってもよい。
【0045】
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物は、男性の体臭、特に加齢臭及びミドル脂臭に対して、優れた消臭・防臭効果を有する。
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物の対象となる男性の体臭としては、全身(頭皮、顔部、体幹部、脇、股間、足裏)の体臭のすべてが対象となるが、体幹部(胸、背中、首周り及び腹)の体臭が好適な対象である。
【0046】
本発明のデオドラント液状洗浄剤組成物の使用方法としては特に限定されないが、公知の洗浄剤組成物と同様の方法で身体を洗浄すればよい。
【0047】
以上、本発明について述べたが、上記記載において、明示的に開示されていない事項は、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能なものを採用することができ、制限的なものではない。
【実施例
【0048】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量は、特記しない限り「質量%」を表し、全て純分に換算した量である。
【0049】
(試料の調製)
以下の組成に従い、実施例1の洗浄剤組成物を調製した。

石鹸成分(カリ石鹸素地、水酸化カリウム) :80%
銀コロイド粒子 :0.01%
竹炭粉末 :0.05%
ゴボウ根エキス :0.001%
オオウメガサソウ葉エキス :0.001%
水 :残部

上記成分を均等になるまで混合して実施例1の洗浄剤組成物(液状物)を得た。
【0050】
評価1:臭気抑制試験
モデル臭気として、以下の臭気成分を使用して、実施例1の洗浄剤組成物の臭気抑制試験を行った。

<臭気成分>
・ノネナール(加齢臭)
・ジアセチル(ミドル脂臭)
・酪酸(汗臭)
・吉草酸(足臭)
【0051】
実施例1の洗浄剤組成物を水に溶解し、10重量%洗浄剤組成物溶液からなる試験液を得た。得られた試験液10mLをガラス製バイアル(容量21mL)に入れ、以下の臭気成分をそれぞれ10mgずつ添加し、磁性回転子を入れ、シリコンセプタムとアルミシールで密閉した。室温で緩やかに1時間撹拌した後に、気相に移行した臭気物質をGC/MS分析を行った。また、参照として洗浄剤組成物を含まない試験液についても同様の測定を行った。
【0052】
試験結果を表1に示す。結果は、洗浄剤組成物を含まない参照を100%とし、参照に対する各臭気成分の残存率(%)で示した。
【0053】
【表1】

【0054】
表1に示されるように加齢臭の原因であるノネナールについては残存率0.012%(99.88%減少)、ミドル脂臭の原因であるジアセチルについては残存率0.007%(99.93%減少)という優れた減少効果が認められた。この結果から、実施例の洗浄剤組成物は加齢臭及びミドル脂臭に対して強い抑制作用を有していることが認められた。
また、酪酸や吉草酸についても優れた抑制作用が認められた。
【0055】
また、パネラー(30代女性)による臭気確認を行ったところ、臭いをほとんど感じない、と回答された。
【0056】
評価2:洗浄評価
実施例1の洗浄剤組成物に加水して泡立てたのちに中年男性(40代男性)が身体を洗浄し、その使用感を確かめたところ、市販のボディ用洗浄剤と同等以上の洗浄性があり、使用後のぬめりや肌荒れを感じない、と回答された。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明によれば、銀コロイド粒子から発生する銀イオンによる殺菌作用、消臭作用と、竹炭粉末の臭い物質吸着除去作用により、男性の体臭(特に加齢臭やミドル脂臭)の抑制作用に優れ、かつ、洗浄力に優れるデオドラント液状洗浄剤組成物が提供されるため、産業上有益である。