(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】組織形成誘導用化合物及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07K 7/00 20060101AFI20220412BHJP
C07K 14/00 20060101ALI20220412BHJP
A61K 38/08 20190101ALI20220412BHJP
A61K 38/10 20060101ALI20220412BHJP
A61K 38/16 20060101ALI20220412BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220412BHJP
A61P 19/00 20060101ALI20220412BHJP
A61P 19/06 20060101ALI20220412BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20220412BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220412BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20220412BHJP
A61P 9/04 20060101ALI20220412BHJP
A61P 9/06 20060101ALI20220412BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20220412BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220412BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20220412BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20220412BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20220412BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20220412BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20220412BHJP
A61P 21/02 20060101ALI20220412BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20220412BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20220412BHJP
A61P 31/06 20060101ALI20220412BHJP
A61P 7/06 20060101ALI20220412BHJP
A61P 7/02 20060101ALI20220412BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20220412BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20220412BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20220412BHJP
A61K 8/04 20060101ALI20220412BHJP
A61Q 19/04 20060101ALI20220412BHJP
A61K 49/00 20060101ALI20220412BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20220412BHJP
A61K 47/62 20170101ALI20220412BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20220412BHJP
【FI】
C07K7/00 ZNA
C07K14/00
A61K38/08
A61K38/10
A61K38/16
A61P43/00 105
A61P19/00
A61P19/06
A61P19/02
A61P9/00
A61P9/12
A61P9/04
A61P9/06
A61P29/00
A61P25/00
A61P27/02
A61P13/12
A61P21/00
A61P17/14
A61P15/00
A61P21/02
A61P11/00
A61P11/06
A61P31/06
A61P7/06
A61P7/02
A61P3/04
A61P9/10
A61P31/04
A61K8/04
A61Q19/04
A61K49/00
A61K47/54
A61K47/62
C12N15/09 Z
(21)【出願番号】P 2018529728
(86)(22)【出願日】2016-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2016070133
(87)【国際公開番号】W WO2017032856
(87)【国際公開日】2017-03-02
【審査請求日】2019-08-23
(32)【優先日】2015-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518065175
【氏名又は名称】ヒスタイド アクツィエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ズアニ, オマール エフ.
【審査官】野村 英雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/055868(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/094570(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/127029(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/037395(WO,A2)
【文献】国際公開第2014/140504(WO,A1)
【文献】国際公開第2001/076457(WO,A2)
【文献】国際公開第2008/150119(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/163423(WO,A1)
【文献】国際公開第1999/026975(WO,A2)
【文献】LI, J., et al.,"Repair of rat cranial bone defects with nHAC/PLLA and BMP-2-related peptide or rhBMP-2.",JOURNAL OF ORTHOPAEDIC RESEARCH,2011年11月,Vol.29,pp.1745-1752,doi: 10.1002/jor.21439, Published online 15 April 2011
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00-19/00
C12N 15/00-15/90
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
8~30個のアミノ酸を有し且つ成長因子受容体に結合できる、
配列番号1~1085及び1143~6352で表される
配列からなるペプチドのいずれか1つ
を含むペプチド又はペプチド模倣体。
【請求項2】
配列番号1~1085及び1143~6352で表される
配列からなるペプチドのいずれか1つである、請求項
1に記載のペプチド又はペプチド模倣体。
【請求項3】
少なくとも1種の生理活性担体親和性基を含み、該少なくとも1種の生理活性担体親和性基によって、前記ペプチド又はペプチド模倣体は、生理活性担体と共有結合的又は非共有結合的に相互作用できるようになり、
前記生理活性担体親和性基は、生体材料親和性基である、
請求項
1または2に記載の成長因子受容体に結合できるペプチド又はペプチド模倣体。
【請求項4】
請求項1
~3のいずれか1項に記載のペプチド又はペプチド模倣体と、生体材料とを含む機能化生体材料。
【請求項5】
請求項1
~3のいずれか1項に記載のペプチド又はペプチド模倣体、及び請求項
4に記載の機能化生体材料を少なくとも1種含む医療機器。
【請求項6】
請求項1~
3のいずれか1項に記載のペプチド又はペプチド模倣体、及び請求項
4に記載の機能化生体材料の少なくとも1種と、医学的に許容される担体とを含む医療組成物。
【請求項7】
請求項1~
3のいずれか1項に記載のペプチド又はペプチド模倣体を含む、医療用の医療組成物であって、
前記医療用途が、医薬用途、外科用途、皮膚科学用途、予防用途、診断用途、又は造影用途である、医療組成物。
【請求項8】
細胞分化を促進するための、及び組織再生を促進するための、請求項
7に記載の医療組成物。
【請求項9】
骨形成の増強、骨形成の誘導、骨細胞成熟の誘導、骨粗鬆症の治療、予防又は診断、及びこれらの任意の組み合わせ、
軟骨形成の増強、軟骨形成の誘導、軟骨細胞成熟の誘導、変形性関節症の治療又は予防、肋軟骨炎の治療又は予防、ヘルニア形成の治療又は予防、軟骨無形成症の治療又は予防、再発性多発軟骨炎の治療、予防又は診断、及びこれらの任意の組み合わせ、
内皮化の増強、血管新生/血管形成の増強、冠動脈疾患、心筋症、高血圧性心疾患、心不全、肺性心、不整脈、炎症性心疾患、心内膜炎、炎症性心拡大、心筋炎、心臓弁膜症、脳血管疾患、末梢動脈疾患、先天性心疾患、及びリウマチ性心疾患のうち少なくとも1つの治療、予防又は診断、並びにこれらの任意の組み合わせ、
軸索樹状ニューロン成長の増強、ニューロン再生の促進、ニューロン変性に関連する異常及び疾患の治療、予防又は診断、
網膜細胞再生の増強、網膜細胞変性に関連する異常及び疾患の治療、予防又は診断、
腎機能の増強、腎不全、慢性腎臓病、及び/又は腎線維症の予防、治療又は診断、
線維組織形成の増強、腱及び靱帯再生の促進、腱/靱帯細胞変性の予防、治療又は診断、
毛包組織の再生、毛包幹細胞の活性化、円形脱毛症、全頭脱毛症、汎発性脱毛症、男性ホルモン型脱毛症、休止期性脱毛、成長期脱毛症、又は化学療法誘導性脱毛症の予防、治療又は診断、及びこれらの任意の組み合わせ、
組織閉鎖の増強、
雌性受胎能の促進、雌性不妊症の治療、予防又は診断、
筋疾患、筋萎縮症、廃用性萎縮症、脱神経性萎縮症、筋ジストロフィー、線維症、結合織炎、筋力低下、疲労、筋痙攣、線維筋痛症、並びに慢性筋痛症候群、
喘息、慢性閉塞性肺疾患、慢性気管支炎、肺気腫、嚢胞性線維症、肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、塵肺症、間質性肺疾患、類肉腫症、特発性肺線維症、肺塞栓症、肺高血圧症、胸水、気胸、中皮腫、多発血管炎性肉芽腫症、グッドパスチャー症候群、肺肥大、乳幼児呼吸窮迫症候群、慢性閉塞性肺疾患、珪肺症、睡眠時無呼吸、重症急性呼吸器症候群、肺線維症、原発性線毛機能不全、塵肺症、過敏性肺炎、特発性器質化肺炎(閉塞性細気管支炎性器質化肺炎)、綿肺症、気管支肺異形成症、細気管支炎、気管支拡張症、石綿肺、百日咳、中東呼吸器症候群、肺炎、結核、気管支炎、ヒストプラスマ症、コクシジオイデス症、及び急性気管支炎の治療、
貧血、鉄欠乏性貧血、慢性疾患による貧血、悪性貧血、再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血、地中海貧血症、鎌状赤血球貧血、真性多血症、ビタミン欠乏性貧血、溶血性貧血、血小板減少症、特発性血小板減少性紫斑病、ヘパリン起因性血小板減少症、血栓性血小板減少性紫斑病、本態性血小板増加症、血栓症、血友病、フォン・ヴィルブランド病、血液凝固亢進状態、深部静脈血栓症、播種性血管内凝固、血小板減少症、免疫性血小板減少症、薬剤起因性血小板減少症、妊娠性血小板減少症、血栓性微小血管症、薬剤起因性血栓性微小血管症、補体媒介性血栓性微小血管症、混合型クリオグロブリン血症、好酸球増加症、好酸球減少症、特発性好酸球増多症候群、抗リン脂質抗体症候群、グランツマン血小板無力症、ウィスコット・アルドリッチ症候群、リーシュマニア感染、トキソプラズマ症、遺伝性低ガンマグロブリン血症、非家族性低ガンマグロブリン血症、白血球減少症、無顆粒球症、好塩基球減少症、ベルナール・スーリエ症候群、マラリア、敗血症、及び溶血性尿毒症症候群の治療、
肥満症、ダーカム病、多発性対称性脂肪腫症、家族性多発性脂肪腫症、脂肪萎縮症、脂肪性浮腫、及びアテローム動脈硬化症の治療
からなる群より選択されるいずれかのための、
請求項
7に記載の医療組成物。
【請求項10】
組織再生及び細胞分化を誘導できるペプチド又はペプチド模倣体を選択するためのスクリーニング方法であって、
(a)PEPREF
の3次元原子座標の分子モデルを作成する工程、及び
(b)RMSDが2.45Å以下である類似体候補を同定する工程
を有
し、
該PEPREFは下記の通りである方法。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【請求項11】
インビトロ、エクスビボ、又はインビボで、任意の分化段階の間葉系幹細胞又は前駆細胞、或いは前記細胞を含む対象に投与されたときに有効な量の請求項1~
3のいずれか1項に記載のペプチド又はペプチド模倣体、請求項
4に記載の機能化生体材料、又は請求項
6に記載の医療組成物、
パッケージ、及び
指示書を含む、
医薬的、外科的、皮膚科学的、予防的、診断的、又は造影用機能性連合体を製造するためのキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織形成誘導用化合物、該化合物を含む生体材料及び医療機器、医療的方法に使用するための該化合物、並びに非医療的方法における該化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
組織再生は、疾患、外傷又は手術後の治癒過程における重要な部分を構成している。疾患又は外傷によって骨、軟骨、皮膚、血管組織又は網膜欠損等の組織欠損が発生した場合、組織の再生が回復の主な目標である。だが、これは常に又は容易に達成できる目標ではなく、組織の修復及び再生を促進するためのより新しくより効果的な方法を求めて多くの研究が実施されてきた。組織再生を達成する従来の手法では、成長因子(GF)と呼ばれる組換えタンパク質を用いて、成体組織中に存在する修復能及び/又は再生能を有する組織特異的幹細胞(間葉系幹細胞又はMSCともいう)の活性化を行う。MSC又はMSC様細胞は、骨髄中だけでなく、脂肪、臍帯血、羊水、胎盤、歯髄、腱、滑膜及び骨格筋等の組織中にも見られる。MSCの自然制御は、いくつかの成長因子(GF)が関与することで達成され、このような成長因子としては、大半の組織の修復に重要な血管新生を引き起こす血管内皮細胞成長因子(VEGF)、新しい骨の形成を誘導し、毛細血管幹細胞の活性化を制御する骨形成タンパク質(BMP)、軟骨形成を誘導するトランスフォーミング成長因子(TGF)、及び肉芽組織形成と幹細胞動員に関与する血小板由来成長因子-BB(PDGF-BB)等が挙げられる。天然由来成長因子は、組織自体の中に見られ、少量しか存在していない。従って、産業的に有用で且つ再生可能な量のヒト成長因子を提供するために、従来の手法では遺伝的組換えによってGFの製造を行う。典型的には、これらの組換え分子は生体適合性材料の表面にグラフト化され、必要に応じて患者の体内又は体表に配置される。
【0003】
(骨)
成熟骨芽細胞は、骨形成に関与する細胞であり、骨芽細胞前駆体に由来することが従来から知られている。ヒト骨髄間葉系幹細胞及び骨芽細胞前駆体の分化は、骨再生における重要なプロセスの一つである。骨芽細胞は間葉系幹細胞から分化する。成熟骨芽細胞は骨芽細胞前駆体から分化して、非分裂細胞である骨細胞となる。細胞活性化時、骨芽細胞は自身の周囲にいくらかの細胞外基質を分泌し始める。基質が分泌されて少ししたら、石灰化、すなわち骨基質の不溶性カルシウム塩の沈着が始まる。骨基質の合成が完了すると、骨芽細胞はアポトーシスによって細胞死するか、あるいは骨細胞又は骨ライニング細胞へと分化する。間葉系幹細胞は、骨の外表面にある繊維状膜である骨膜及び骨髄中に多く見られる。骨芽細胞の細胞分化の際、発育する前駆細胞は転写制御因子Cbfa1/Runx2を発現する。骨芽細胞分化に必要な別の重要な転写因子はosterixである。骨細胞前駆細胞は、成長因子の影響下で分化する。骨格分化において重要な成長因子としては、骨形成タンパク質(BMP)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-β)、及び繊維芽細胞成長因子(FGF)が挙げられる。また、骨芽細胞の分化は、前骨芽細胞の初期マーカーとしてアルカリフォスファターゼが発現することでも特徴付けられる。結果として、哺乳類の骨髄間葉系幹細胞及び骨芽細胞前駆体の分化サイクルへの作用は、骨組織再生に有用となり得る。
【0004】
(骨粗鬆症)
骨粗鬆症は、骨量及び骨密度の減少を特徴とする進行性骨疾患であり、骨折のリスクの増加につながり得る。骨粗鬆症では、骨塩量(BMD)が減少し、骨微小構造が劣化して、骨中のタンパク質の量及び種類が変化する。世界保健機関によれば、骨粗鬆症は、二重エネルギーX線吸収測定によって測定した骨塩量が、平均ピーク骨量(若年健常成人の平均)に対して2.5SD以上下回ると定義されている。「確定骨粗鬆症」という用語は、脆弱性骨折の存在を含む。骨粗鬆症性骨折の治療は、骨治癒の低下と合併症率の上昇とによって阻害されることが多い。骨粗鬆症動物モデルでの研究によれば、カルス形成の遅延と軟骨内骨化とが発生し、結果として骨の生体力学的機能が損なわれることが分かった。骨折治癒の細胞源は間葉系幹細胞(MSC)である。MSCが骨折部位へ遊走して増殖し、骨誘導性サイトカインの刺激によって骨芽細胞へと分化する。骨粗鬆症患者では、MSCの分子生物学的変化(増殖能の低下、コラーゲン(collagen)I欠乏基質の産生、脂肪生成分化の選好性、及び骨形成分化の劣化等)が示されている。MSCの骨誘導に関しては、BMPが重要な因子である。なかでも、BMP-2は、骨折治癒の初期段階に生理学的に貢献する最も強力な骨誘導性サイトカインの1つである。その上、BMP-2は、異なる骨折の存在の治療について既に臨床的に承認されている。骨誘導及び骨形成においてBMP-2が中心的働きをするため、骨粗鬆症の病態生理への関与について科学的な探求が行われることとなった。骨粗鬆症動物モデルでは、BMP-2発現量に関して矛盾したデータが明らかとなった。BMP-2は下顎骨のカルスで過剰発現しており、脛骨及び大腿骨由来のMSCでは下方制御されていることが分かった。ヒトの場合、BMP-2の遺伝子多型が家族性骨粗鬆症及び骨粗鬆症性骨折の発生に対するリスク因子として同定された。これらの所見はいずれも、BMP経路を骨粗鬆症へと直接結びつけるものである。他の研究では、骨粗鬆症動物モデルにおいてBMP-2の治療可能性を調査している。骨粗鬆症マウスにおいてrhBMP-2を全身投与すると、海綿骨の体積が増加して骨形成が刺激された。骨粗鬆症ヒツジにおいてアデノウイルスBMP-2を受傷部位に局所投与すると、カルス形成が増強されて治癒した骨の力学的特性が向上した。従って、MSC分化への刺激及び/又は成長因子、特にBMPの活性誘導は、新規な骨粗鬆症治療の開発につながり得る。
【0005】
(軟骨)
天然の軟骨細胞は、受傷した関節軟骨を支援することはほとんどないが、これらの細胞は、軟骨細胞に栄養拡散環境を提供し、関節表面に生体力学的応答能を提供する軟骨細胞外基質(ECM)の合成及び代謝回転に関与する。軟骨形成細胞は、一連の分化経路を介して成体多能性間葉系幹細胞(MSC)から発生する。その後、いくつかのサイトカイン及び転写因子が軟骨細胞成熟及び軟骨形成に関与することが分かった。MSCの軟骨形成分化は、各種の内因子及び外因子によって誘導される。成長因子は、このプロセスにおいて最も重要な役割を担う。これらは身体で産生される生物活性ポリペプチド群であり、細胞の増殖、分化及び成熟を刺激できる。硝子軟骨の場合、成長因子は恒常性及び統合性、並びに発生を制御する。軟骨再生に介入する重要な成長因子としては、TGF-β1、TGF-β3、BMP-2、BMP-4、BMP-7、及びGDF-5が挙げられる。結果として、哺乳類の間葉系幹細胞及び軟骨芽細胞前駆体の分化サイクルへの作用は、軟骨組織再生において有用となり得る。
【0006】
(筋肉)
骨格筋は、生体内で多くの機能を担う非常に複雑で異質な組織である。筋肉を生成するプロセス(筋形成)は、いくつかの異なる段階に分割できる。胚性筋形成では、中胚葉由来構造が身体の第一の筋線維を適切に生成し、その後の波で、これらのテンプレート線維に沿って追加の線維が生成される。出生段階では、最初に、筋肉に存在する筋前駆細胞が過剰に増殖するが、その後、筋核数が定常状態に到達して筋原線維タンパク質の合成が最大量になると減少する。筋肉が成熟したら、これらの前駆細胞は静止状態に入り、これ以降は衛星細胞として内部に存在することになる。全ての再生する器官と同様に、成体骨格筋は、終末分化細胞の代謝回転を補償して組織恒常性を維持するメカニズムに頼っている。このような筋形成は、新しい線維に分化し得る衛星細胞の活性化に依存している。成熟した筋肉が損傷した場合に最も包括的に研究された形態の筋形成が起こり、衛星細胞の大コホートが有糸分裂的に増殖、分化することにより、組織を修復し、恒常性を回復させる。成熟した骨格筋系での胚性筋形成と再生とには共通の転写因子及びシグナル分子等の多くの類似性が見出されている。現在、衛星細胞が体節由来の前駆細胞と密接に関連していると一般的に受け入れられている。骨格筋発生を制御する転写因子ネットワークの活性化は、神経管、脊索、表皮外胚葉及び側板中胚葉等の隣接組織から放出されるパラクリン因子に依存している。筋形成の空間的及び時間的開始を決定する分泌因子がいくつか同定されている。だが、これらの分子がナイーブ細胞に教示し(教示的誘導)、関与した前駆細胞のプールを増幅し、及び/又はデフォルトの分化経路を実現し(許容的誘導)、又は主に筋前駆細胞のプログラム細胞死を防止するかどうかについて総意は得られていない。ソニックヘッジホッグ(SHH)及びWNTシグナル伝達は、筋形成の誘導において中心的な役割を果たすことが報告されている。同様に、トランスフォーミング成長因子-β(TGFβ)スーパーファミリーの受容体をそれぞれ不活化、活性化するノギン及び骨形成タンパク質(BMP)等の他のシグナル分子は、筋形成の活性化を指揮するのに重要な役割を果たすことが知られている。筋組織変性疾患又は障害としては、筋疾患、筋萎縮症、廃用性萎縮症、脱神経性萎縮症、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)及びベッカー型筋ジストロフィー(BMD)等の筋ジストロフィー、線維症、結合織炎、筋力低下、疲労、筋痙攣、線維筋痛症、並びに慢性筋痛症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
【0007】
(血管系)
人体の脈管構造は、2つの異なるプロセスである脈管発生及び血管新生によって形成される。脈管発生は、内皮前駆細胞(血管芽細胞)が遊走して内皮細胞へと分化した際に起こる新規な血管形成プロセスと定義され、それにより新しい血管が形成される。その後、これらの血管樹は、既存の血管の内皮細胞の増殖に続発する新規な血管形成として定義される血管新生によって伸長する。脈管発生も血管新生も、循環系の胎生発育中に起こるだけでなく、成人生体内でも末梢血血管内皮前駆細胞(幹細胞の誘導体)で起こり、程度は異なれど、新血管形成に貢献できる。成人においてこれらのプロセスが起こり得る例としては、心虚血後等、外傷後の血管再生が挙げられる。骨髄内の内皮前駆細胞(EPC)を切除すると、脈管構造発生の著しい減少が起こることが知られており、このため、内皮前駆細胞は新規な治療標的と考えられる。EPCの分化は、成長因子等の各種シグナル分子の相互作用の結果として起こる。これらにはFGF、VEGF、及びPDGF等が含まれる。血管内皮細胞成長因子(VEGF)は、細胞によって産生されるシグナルタンパク質であり、脈管発生及び血管新生を刺激する。血液循環が不充分である場合に組織への酸素供給を回復させる系の一部である。VEGFは、成長因子のサブファミリー、具体的にはシスチンノット成長因子の血小板由来成長因子ファミリーである。VEGFは、内皮細胞で重要なシグナル伝達カスケードを引き起こす。VEGF受容体-2(VEGFR-2)に結合すると、チロシンキナーゼシグナル伝達カスケードが開始され、該カスケードが、血管の透過性、増殖/生存、遊走、更には成熟した血管への分化を様々に刺激する因子の産生を刺激する。また、近年のレポートによれば、様々な体細胞(EPCを除く)が、別の内皮細胞系列へと初期化されることが示された。このような体細胞の初期化及びEPC分化の刺激は、いずれも血管再生医薬の治療標的として有望である。
【0008】
(創傷治癒)
創傷治癒は、失活し、欠損した細胞構造及び組織層を置き換える複雑で動的なプロセスである。皮膚が損傷すると、密接に組織化されたカスケードにおいて一連の複雑な生化学的現象が発生して、損傷を修復し、正常な皮膚において定常平衡状態で存在する表皮(最外層)及び真皮(内層又は深層)で構成される保護バリアを回復させる。ヒト成人の創傷治癒プロセスは、止血、炎症、繊維芽細胞及び成熟(再構築)という4つの異なる段階に分割できる。これらの段階は成長因子等の各種分泌因子によって開始、制御される。第一段階では、血小板から分泌される血小板由来成長因子(PDGF)等の各種物質により、損傷した血管が封止される。第二段階は、血管を漏出性にして血漿及びPMNを周辺組織へ放出する炎症反応に相当する。好中球はデブリ及び微生物を貪食し、感染に対する第一防衛線を提供する。マクロファージ細胞は細菌を貪食し、第二防衛線を提供できる。また、これらは、繊維芽細胞成長因子(FGF)、上皮成長因子(EGF)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGFβ)及びインターロイキン-1(IL-1)等の各種の走化性因子及び成長因子を分泌する。これにより、創傷治癒の次の段階へ向かうように思われる。第三段階では、皮膚組織及び皮下組織を置き換える。繊維芽細胞は、コラーゲンフレームワークを分泌し、そこで更に皮膚再生が起こる。毛細血管の外層を再生する周皮細胞及びライニングを産生する内皮細胞は血管新生に関与する。角化細胞は上皮化に関与する。上皮化の最終段階では、角化細胞が分化して保護外層又は角質層を形成するにつれて、拘縮が起こる。創傷治癒の最後の第四段階では、皮膚組織を再構築して更に大きな引っ張り強さを得る。このプロセスに関与する主細胞は繊維芽細胞である。創傷を良好に治癒するためには、4つの段階全てが適切な順序及び時間枠で起こらなければならない。多くの因子がこのプロセスの1つ以上の段階を阻害することで、創傷治癒が不適切又は損なわれ得る。また、近年の研究から、成体幹細胞が創傷治癒に関与し得ることが分かった。特に、(血液中で成熟細胞を生成する)造血前駆細胞は、造血幹細胞へ脱分化及び/又は繊維芽細胞等の非系列細胞へ分化転換し得る。乳頭間突起の頂端(基底幹細胞又はBSC)、毛包のバルジ(毛包幹細胞又はHFSC)、及び真皮乳頭層(真皮幹細胞)に存在する有糸分裂的に活性な幹細胞によって表皮及び真皮が再構築されるため、皮膚創傷治癒に幹細胞が関与する度合いは複雑であると考えられる。更に、骨髄も皮膚創傷治癒で主要な役割を担う幹細胞を含み得る。従って、成体幹細胞並びに皮膚創傷治癒プロセスの4つの段階において介在する各種細胞及び成長因子の活性化は、間違いなく治療標的として有望である。
【0009】
(組織閉鎖)
創傷治癒は、皮膚組織修復だけでなく、受傷や手術等において損傷したあらゆる組織層の閉鎖にも適用される。例えば、骨修復手術では、外科医が骨損傷部まで到達して修復するために切開した組織の各層を全て閉鎖して、全体的な治癒プロセスを進行させる必要がある。このように複雑な「多層」治癒プロセスの媒介には、成長因子等の多くの異なる因子が関与する。
【0010】
(ニューロン)
中枢神経系(CNS)内でニューロンは分裂しないため、ヒトの神経系は固定されていて再生不能であると長年考えられてきた。近年、神経細胞を神経幹細胞(NSC)から再生できることが発見された。これらは、神経系の主要な表現型を産生する自己再生性多能性成体幹細胞である。これらは非対称細胞分裂によって2つの娘細胞となるが、一方は特殊化していない細胞であり、他方は特殊化した細胞である。NSCは主にニューロン、アストロサイト、及び乏突起膠細胞に分化する。NSCは、神経発生プロセスによって成人期を通して生成される。NSCは分化して、喪失又は損傷したニューロン、又は多くの場合はグリア細胞にさえ置き換わることができる。NSCは、微小環境又は神経幹細胞ニッチからの外因性刺激により刺激されて分化を開始する。このニッチは、胚発生後に幹細胞が神経系の新規細胞の生成のために保持される領域を画定する。そして、このように連続して新規ニューロン及びグリアを供給することで、出生後及び成人の脳に細胞可塑性の追加能力を提供する。幹細胞ニッチの維持に重要なのは、幹細胞の静止と増殖とを釣り合わせると共に、神経発生-グリア新生系列の決定に向わせるように作用する微小環境刺激及び細胞間相互作用である。各種成長因子等のいくつかのタンパク質は、神経幹細胞ニッチのメカニズムや、新規に形成されたニューロンの維持及び成長に関与する。これらの例としては、BMP、FGF、PDGF、VEGF、TGFβ、BDNF等が挙げられる。神経成長因子(NGF)は小さい分泌タンパク質であり、ある種の標的ニューロン(神経細胞)の成長、維持及び生存に重要である。また、シグナル分子としても機能する。「神経成長因子(単数)」は単一の因子を意味するが、「神経成長因子(複数)」はニューロトロフィンとしても知られる因子ファミリーを意味する。ニューロトロフィンファミリーのメンバーとして周知である他のものとしては、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン-3(NT-3)、及びニューロトロフィン4/5(NT-4/5)が挙げられる。NGFは交感及び感覚ニューロンの生存及び維持に重要である。これが無いと、上記ニューロンのアポトーシスが起こる。神経成長因子は軸索成長を引き起こす。研究によれば、軸索の分岐及び伸長も引き起こすことが分かっている。いくつかの脳疾患は、神経幹細胞ニッチ、特にこのような微小環境の正確なシグナル伝達の異常によって引き起こされると考えられる。従って、正しい成長因子シグナル伝達の回復は、脳疾患治療の標的として有望である。
【0011】
(網膜)
脊椎動物の網膜は組織の光感受性層であり、目の内面を覆っている。網膜に光が到達すると、化学的且つ電気的現象のカスケードが開始されて、最終的に神経インパルスを引き起こす。これらは視神経の線維を通じて脳の各種視覚中枢へと送られる。脊椎動物の胚発生の場合、網膜及び視神経は発生中の脳の生育の結果として得られるので、網膜は中枢神経系(CNS)の一部であると考えられ、実際には脳組織である。網膜発生には、組織誘導、網膜前駆細胞(RPC)群の増殖、及びこれらの細胞から特定の機能種への終末分化という複雑な進行が伴う。いくつかの外因性刺激が網膜細胞発生の重要な役割を担っていることを示す証拠が増えてきている。このような外因性分子種の一つである骨形成タンパク質(BMP)は、発生中の神経系における各種の細胞機能(神経誘導、細胞運命決定、アポトーシス、及び増殖等)を制御することが知られているシグナル分子のトランスフォーミング成長因子(TGF)-βファミリーの一員である。BMP-2、BMP-4、及びBMP-7並びにこれらの受容体(BMPR)は胚発生中に眼内で発現されるものであり、網膜発生の複数の局面において必須である。網膜に影響を及ぼし得る多くの遺伝性及び後天性の疾患又は障害が存在しており、例えば黄斑変性が挙げられる。この疾患は、通常は高齢者に影響を及ぼす変性疾患であり、網膜の損傷によって視野中心部(黄斑)の視覚喪失が起こる。加齢黄斑変性は、北米における不可逆的失明の主要な原因である。従って、網膜発生に関与する成長因子シグナル伝達による網膜の再生は、治療標的としての可能性が非常に大きい。
【0012】
(腎臓)
腎臓は、糸球体足細胞、内皮細胞、メサンギウム細胞、間質細胞、尿細管上皮細胞、及び結合管細胞を含むいくつかの異なる細胞型で構成された複雑な組織である。これらの細胞型は相互に相互作用して、効率的な組織として機能する精密な細胞環境を構築する。現在、腎臓疾患は、発生率が流行の域に達し、世界中で上昇し続けている世界的な公衆衛生問題となっている。腎不全は、数ヶ月又は数年単位にわたる腎機能の進行性喪失である慢性腎臓病(CKD)を伴う可能性がある。CKDの一般的な病理学的特徴である腎線維症は、ECM(細胞外基質)の過剰蓄積を特徴とする。TGF-βスーパーファミリーにおける2つの主要なメンバーであるTGF-β(トランスフォーミング成長因子-β)及びBMP-7(骨形成タンパク質-7)は、CKD(慢性腎臓病)において重要であるが異なる役割を担っている。TGF-β及びBMP-7は何れも類似した下流のSmadシグナル伝達経路を有しているが、相互に逆制御してそれらの生物学的活性のバランスを維持している。CKDでの腎損傷時には、TGF-β1が誘導されてSmad3が活性化されることで、TGF-βシグナル伝達が上方制御される一方、BMP-7及びその下流Smad1/5/8が下方制御されるため、このバランスが大きく変化する。腎線維症の場合、Smad3は病原性であるが、Smad2及びSmad7は腎保護性である。しかしながら、このような相殺機構は、TGF-β1がユビキチンE3リガーゼであるSmurf2を誘導して、Smad7及びSmad2を標的として分解するため、変化してしまう。従って、腎臓Smad7を過剰発現すれば、TGF-β/Smadシグナル伝達のバランスが回復され、CKDに対して治療効果が得られる。以上より、BMP-7シグナル伝達の回復は、腎再生療法の治療標的の可能性があり得る。
【0013】
(靱帯及び腱)
腱及び靱帯(T/L)は、中胚葉由来の密性結合組織である。これらはそれぞれ、筋肉と骨、骨と骨を結合してその間で力を伝達する。いずれの組織も弾性エネルギーを貯蔵し、高張力に耐えることができ、自発運動はこれらに完全に依存している。T/Lは、T/Lに特徴的な極めて階層的な形態で組織されたI型コラーゲン線維で主に構成されている。その他のコラーゲン(III-VI、XI、XII、XIV、及びXV型)や各種プロテオグリカン(デコリン、軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP)、バイグリカン、ルミカン、フィブロモジュリン、テネイシンC等)が残りのT/L物質を構築している。T/Lの細胞含量は、腱細胞と呼ばれる腱特異的繊維芽細胞によって決定される。胚発生時、腱特異的細胞は、硬節の背外側領域である靱帯節(syndetome)に集中した間葉系前駆細胞の小集団から発生する。更に、中胚葉由来の組織を発生させる成体多能性細胞である間葉系幹細胞(MSC)は、インビトロでT/L前駆細胞を生成することが示されている。いくつかの腱損傷は、酷使や加齢による腱に対する漸進的な摩耗や断裂が原因である。腱の治癒は、多種多様な分子によって開始、維持及び最終的に終了される高度に制御された複雑なプロセスである。成長因子は、再生に関与する最も重要な分子ファミリーの一つである。5種の成長因子、すなわち、インスリン様成長因子-I(IGF-I)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGFbeta)、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、及び塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)の活性は、このプロセス過程において最もよく特徴付けられている。従って、MSCの分化の刺激及び/又は成長因子活性の誘導は、T/Lの再生及び治癒における2つの重要な治療標的となり得る。
【0014】
(受胎能及び生殖)
生殖(又は繁殖)は、両親から新たな個体子孫生物が生み出される生物学的プロセスである。有性生殖は、種の(通常は)異なる2構成員に由来する遺伝子材料の組み合わせを有する子孫を生物が生み出す生物学的プロセスである。受胎能は、子孫を生み出す生得的な能力である。哺乳類の生殖器系における基礎構造の発生及び生理学的機能は、異なる成長因子ファミリー(BMPファミリー等)のメンバーの組織特異的発現に影響を受ける。生殖系列の確立は生殖の基本的な側面である。生殖細胞決定は、胚外外胚葉のエピブラスト細胞で誘導されるものであり、事前に形成された生殖質の遺伝によって得られるものではない。胚で始原生殖細胞(PGC)の形成を決定するのに、BMP-4及びBMP-8bが中心的な役割を担っているという強力な証拠がいくつか存在している。BMP-4及びBMP-8bをコードする遺伝子は、原腸形成前、すなわちPGCが見られる前に胚外外胚葉において重複する発現を示す。従って、PGC形成にはBMP-4発現が必要である。また、ノックアウト哺乳類において、PGC形成にはBMP-8bが必要であるという証拠も存在している。更に、局所的に産生されたBMPが、下垂体の性腺刺激ホルモン分泌細胞の分化において主要な役割を担っているという証拠も増加している。従って、BMPシグナル伝達の回復は、不妊治療において重要な要因となり得る。
【0015】
(毛髪)
組織の恒常性及び再生は、静止状態と、静止状態にある上皮幹細胞(SC)の活性化とのバランスによって制御されている。毛包(HF)はこのプロセスに従う。成人期を通して、毛包は退化(退行期)、静止状態(休止期)及び再生(成長期)という動的で同期的なサイクルを経る。数ヶ月に及ぶ休止期において、HFSCは静止状態にあり、バルジと呼ばれる特殊化された微小環境内に存在している。このニッチ内で、HFSCは、その前のサイクルで産生された毛幹を囲んでいる。休止期を通して、二次毛芽(HG)と呼ばれるバルジの基部は、HFSCの主要なシグナル伝達中枢である下部の間葉系毛乳頭(DP)と直接接している。休止期/成長期の移行は、活性化因子に必要な閾値を生成するDP-HFSCクロストークに依存している。活性化時、HGのHFSCが最初に増殖してHF再生を開始する一方、バルジ内のHFSCは数日後に活性化する。新規なHFが現れたら、更にニッチSCからのDP刺激がますます進行して、静止状態に戻る。それに対して、成長期を通して、外毛根鞘(ORS)沿いにある相対的に未分化なバルジ細胞の子孫は、DPに接近するにつれて増殖を加速させる。これにより、TA基質細胞の安定的な産生が促進され、何回か分裂しながらDPと接触した後、終末分化して、毛髪及び内毛根鞘(IRS)を形成する。成長期/退行期移行では、基質細胞のアポトーシスが起こり、死につつある/分化しつつある上皮鎖と共に上方へDPが退縮する。HFが再び休止期に入ると、非SCニッチ細胞の内層及び周辺皮膚組織からの成長因子によって閾値が課せられるが、次のサイクルを開始するにはこの閾値を超える必要がある。休止期の細胞が再び成長期に入ることができない場合、毛髪は成長を止め、脱毛等の異常が現れる。結果として、哺乳類の毛包間葉系幹細胞及び前駆細胞の分化サイクルへの作用は、毛包組織再生において有用となり得るものであり、従って、脱毛の予防、発毛の活性化、これらに限定されないが円形脱毛症、全頭脱毛症、汎発性脱毛症、男性ホルモン型脱毛症(男性型脱毛症)、休止期性脱毛、成長期脱毛症、又は化学療法誘導性脱毛症の予防/治療が可能となる。
【0016】
(皮膚)
皮膚は成人期を通して絶えず新生する。表皮に存在する幹細胞(SC)は、成体皮膚の恒常性を確実に維持するが、一方で損傷した表皮の修復にも関与する。皮膚は身体を脱水、損傷及び感染から保護している。皮膚は、基底膜によって下部の真皮がそれを覆う多層表皮から分離されて構成される。真皮は中胚葉胚に由来し、成体幹細胞として繊維芽細胞間葉系幹細胞様細胞を含んでいる。これらの細胞は多系列分化能を有し、脂肪組織又は骨を形成することもできる。重層表皮は外胚葉由来であり、遮水性の角質層に分化する角化細胞で構成されている。表皮の終末分化細胞は皮膚から分離されるため、新しく分化する細胞の継続的な供給が必要である。表皮は約4週間ごとに完全に新生される。分化細胞がもはや分裂しないとすると、その交替は表皮幹細胞に依存することになる。皮膚幹細胞は容易に到達できるので、特に関心が高い。近年、皮膚幹細胞に関連があると言われているいくつかの物質について、化粧品市場における用途が見出された。例としては、Voss Laboratories社が販売するフェイスケア製品シリーズであり、皮膚の幹細胞を刺激すると言われているAMATOKIN(登録商標)や、抗しわ剤として使用され、幹細胞が持つ生命力の保護に基づくと言われるメカニズムを有するDior社のCAPTURE(登録商標)R60/80XP製品シリーズ等が挙げられる。従って、結果としては、哺乳類の皮膚間葉系幹細胞及び前駆細胞の分化サイクルに対して作用できる可能性がいくらかあり、皮膚組織再生によってしわ形成を予防し、一般的には皮膚外観を改善するのに有用であり得る。
【0017】
(血液)
血液は動物の体液であり、栄養素及び酸素等の必要な物質を細胞へ供給し、それらの細胞から代謝老廃物を取り除く。血液が肺に到達すると、気体交換が起こって、二酸化炭素が血液から肺胞へと拡散し、酸素が血液へと拡散する。このように酸素を含んだ血液は、肺静脈で心臓の左手側へと汲み上げられて左心房に入る。ここから二尖弁を通過し、心室を通過して、大動脈によって全身に運ばれる。血液は、抗体、栄養素、酸素の他、身体の働きを助けるものを数多く含有している。脊椎動物の場合、血漿に懸濁している血液細胞で構成されている。血液の55%を占める血漿は、大半(92体積%)が水であり、消散したタンパク質、グルコース、無機イオン、ホルモン、二酸化炭素(血漿は、排泄物を輸送する際の主要な媒体である)、及び血液細胞自体を含有している。血漿中の主要なタンパク質はアルブミンであり、血液の膠質浸透圧を制御する機能を有する。造血幹細胞(HSC)は、他の全ての血液細胞を生成する血液細胞であり、中胚葉に由来する。この細胞は、大半の骨の中心部に含まれている赤色骨髄中に位置している。HSCは、骨髄系列(単核球及びマクロファージ、好中球、好塩基球、好酸球、赤血球、巨核球/血小板、樹状細胞)やリンパ系列(T細胞、B細胞、NK細胞)を生成する。脊椎動物の血液で最も豊富な細胞は赤血球(RBSともいう)である。赤血球は、含鉄タンパク質であるヘモグロビンを含有しており、呼気に可逆的に結合して血液中のその溶解度を大きく向上させることによって酸素輸送を促進する。血液細胞変性に関連する疾患、異常又は障害としては、貧血、鉄欠乏性貧血、慢性疾患による貧血、悪性貧血、再生不良性貧血、自己免疫性溶血性貧血、地中海貧血症、鎌状赤血球貧血、真性多血症、ビタミン欠乏性貧血、溶血性貧血、血小板減少症、特発性血小板減少性紫斑病、ヘパリン起因性血小板減少症、血栓性血小板減少性紫斑病、本態性血小板増加症(原発性血小板血症)、血栓症、血友病、フォン・ヴィルブランド病、血液凝固亢進状態、深部静脈血栓症、播種性血管内凝固(DIC)、血小板減少症、免疫性血小板減少症(ITP)、薬剤起因性血小板減少症(DITP)、妊娠性血小板減少症、血栓性微小血管症(TMA)、薬剤起因性血栓性微小血管症、補体媒介性血栓性微小血管症、混合型クリオグロブリン血症、好酸球増加症、好酸球減少症、特発性好酸球増多症候群、抗リン脂質抗体症候群(ヒューズ症候群)、グランツマン血小板無力症、ウィスコット・アルドリッチ症候群(WAS)、リーシュマニア感染、トキソプラズマ症、遺伝性低ガンマグロブリン血症、非家族性低ガンマグロブリン血症、白血球減少症、無顆粒球症、好塩基球減少症、ベルナール・スーリエ症候群(BSS)、マラリア、敗血症、及び溶血性尿毒症症候群(HUS)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
(脂肪組織)
脂肪組織は、主に脂肪細胞で構成された疎性結合組織である。脂肪組織は、脂肪細胞に加えて、前脂肪細胞、繊維芽細胞、血管内皮細胞及び各種の免疫細胞(すなわち、脂肪組織マクロファージ(ATM))等の細胞の間質血管細胞群(SVF)を含む。脂肪組織は前脂肪細胞に由来する。身体への衝撃を和らげ、身体を防護する働きもあるが、その主な役割は、エネルギーを脂質の形で貯蔵することである。前脂肪細胞は、刺激を受けて脂肪細胞を形成することができる未分化の繊維芽細胞であると考えられる。前脂肪細胞は間葉系幹細胞に由来する。輪紋状結合組織は脂肪細胞で構成されている。「脂肪芽細胞」という用語は、成体細胞の前駆体を表すのに使用される。脂肪組織変性に関連する疾患、異常又は障害としては、肥満症、ダーカム病(DD)、多発性対称性脂肪腫症(MSL)、家族性多発性脂肪腫症(FML)、脂肪萎縮症、脂肪性浮腫及びアテローム動脈硬化症等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
(肺)
肺は、多くの空気呼吸動物において必要不可欠な呼吸器官である。哺乳類の場合、心臓の両側の背骨近くに2つの肺が位置している。その主な働きは、酸素を大気から血流へと輸送すること及び血流から大気へ二酸化炭素を放出することである。このように気体を交換するには大きな表面積が必要であるが、小さくて桁外れに壁の薄い肺胞と呼ばれる気嚢を数百万個形成する特殊化した細胞の寄せ集めによって達成される。肺細胞としては、I型肺細胞、II型肺細胞、クララ細胞及び杯状細胞が挙げられるが、これらに限定されない。肺組織変性に関連する疾患、異常又は障害としては、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、肺気腫、嚢胞性線維症、肺水腫、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、塵肺症、間質性肺疾患(ILD)、類肉腫症、特発性肺線維症、肺塞栓症(PE)、肺高血圧症、胸水、気胸、中皮腫、多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、グッドパスチャー症候群(GPS)、肺肥大、乳幼児呼吸窮迫症候群(IRDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、珪肺症、睡眠時無呼吸、重症急性呼吸器症候群(SARS)、肺線維症、原発性線毛機能不全(PCD)、塵肺症(炭塵肺)、過敏性肺炎、特発性器質化肺炎(閉塞性細気管支炎性器質化肺炎(BOOP))、綿肺症、気管支肺異形成症、細気管支炎、気管支拡張症、石綿肺、百日咳、中東呼吸器症候群(MERS)、肺炎、結核、気管支炎、ヒストプラスマ症、コクシジオイデス症(Cocci)、及び急性気管支炎等が挙げられるが、これらに限定されない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0020】
従って、本発明は、化合物、組成物、微小環境、機能化生理活性担体、医療機器、及びキット、該化合物、組成物、機能化生理活性担体、医療機器、及びキットを設計、調製、製造、及び/又は製剤化するための方法及びプロセス、並びに哺乳類の組織を再生又は再コード化するための方法及びこれらの使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明のある実施形態における、チタン表面に共有結合的にグラフトした場合の蛍光強度を表す図である。
【
図2】天然アパタイトセラミック生体材料及び共有結合的に修飾した本開示に係るアパタイトセラミック生体材料で48時間培養した後の骨芽細胞前駆体の増殖(Cell Proliferation)を表すグラフである。
【
図3】Runx2及びOsterix免疫蛍光染色を用いた、共有結合的に修飾した本開示に係るチタン生体材料で62時間培養した後のヒト骨髄間葉系幹細胞の骨芽細胞様細胞へのコミットメントを表すグラフである(Intensite relative:相対強度)。
【
図4】
図4(a)は、共有結合的に修飾した本開示に係るチタン生体材料で24時間培養した骨芽細胞前駆体によって生成されたECM(細胞外基質)を表す光学形状測定顕微鏡写真である。
図4(b)は分化細胞によって生成されたECM(コラーゲン線維)を走査型電子顕微鏡で観察したものである。
【
図5】非修飾PEEK生体材料(コントロール)及び共有結合的に修飾した本開示に係るPEEK生体材料で培養した細胞におけるRunx2の発現に対する定量的リアルタイムPCR分析を表すグラフである(P<0.001)。
【
図6】I型コラーゲン又はアパタイトセラミック基質と混合した、本明細書に記載した骨形成性GFR結合化合物の蛍光強度を表す。画像は、本明細書に記載した骨形成性GFR結合化合物-FITCで非共有結合的に被覆された表面を表す。
【
図7】I型コラーゲン基質と混合した、本明細書に記載した骨形成性GFR結合化合物の3、7、及び10日後の蛍光強度を表す。
図7(a)は、本明細書に記載した骨形成性GFR結合化合物-FITCで非共有結合的に被覆された表面を表す画像であり、
図7(b)は、細胞培地で所定の時間(最長10日)インキュベートした後でアパタイトセラミックに被覆した骨形成性GFR結合化合物-FITCの蛍光強度を表す。
【
図8】本明細書に記載した骨形成性GFR結合化合物で被覆したアパタイトセラミック及びコラーゲンで48時間細胞培養した後に定量した骨芽細胞前駆体の増殖を表すグラフである。
【
図9】
図9(a)は、Runx2及びOsterix免疫蛍光染色を用いた、本明細書に記載した骨形成性GFR結合化合物で被覆したコラーゲン及びアパタイトセラミックで48時間培養した後のヒト骨髄間葉系幹細胞の骨芽細胞様細胞へのコミットメントを表し、
図9(b)は、アルカリフォスファターゼ活性を分析したものである。
【
図10】本明細書に記載したGFR結合化合物で非共有結合的に修飾したI型コラーゲンスキャフォールドで96時間培養した後の、骨芽細胞への分化を示すhMSCに対するF-アクチン(緑)及びオステオポンチン(赤)の免疫蛍光染色を表す。
【
図11】天然I型コラーゲン及び本明細書に記載した骨形成性GFR結合化合物で非共有結合的に修飾した天然I型コラーゲンスキャフォールドで培養した細胞におけるRunx2の発現に対する定量的リアルタイムPCR分析を表す(P<0.005)。
【
図12】
図12(a)は、天然ヒドロゲル(コントロール)及び本明細書に記載した軟骨細胞GFR結合化合物で共有結合的に修飾したヒドロゲルで培養した後に定量したhMSCの細胞面積を表し、hMSCは、軟骨細胞へ分化するようにコミットされていたことが、Sox9(転写因子)免疫蛍光染色で観察された。
図12(b)は、Sox9遺伝子の発現に対する定量的リアルタイムPCR分析及びAggrecan遺伝子の発現に対する半定量的RT-PCR分析を表す。
【
図13】内皮細胞接着結合の大きさ(Junction Size)の分布を示すヒストグラムである。結果は、CD31(PECAM1)に対する抗体を用いた蛍光免疫染色によって得た。
【
図14】天然ポリマー及び共有結合的に修飾されたポリマーで培養した内皮細胞(EC)の共焦点画像を表し、CMFDAに対応する蛍光強度は灰色で表した。
【
図15】
図15(a)は、引っ掻き後の遊走細胞の増大を表す位相差顕微鏡画像であり、
図15(b)は、天然ポリマー又は本明細書に記載したGFR結合化合物で共有結合的に修飾したポリマーで培養した細胞で測定した平均上皮細胞速度を表す(migration velocity:遊走速度)。
【
図16】
図16(a)は、天然ヒドロゲル(コントロール)及び本発明の毛包幹細胞活性化化合物で共有結合的に修飾したヒドロゲルで培養した細胞におけるSox2の発現に対する定量的リアルタイムPCR分析の結果を表すグラフであり、
図16(b)は、96時間培養した毛包幹細胞で定量した細胞培地における総BMP-6免疫蛍光強度を表す。
【
図17】
図17(a)は、天然ヒドロゲル(コントロール)及び本明細書に記載した筋原性(musculogenic)GFR結合化合物で共有結合的に修飾したヒドロゲルで培養したhMSCで定量した細胞面積を表し、平均細胞面積は、2つの異なる継代から得た約25個の細胞から概算した。
図17(b)は、COMP遺伝子(軟骨オリゴマー基質タンパク質、腱/靱帯系列遺伝子)の発現に対する定量的リアルタイムPCR分析を表す。
【
図18】
図18(a)は、天然ポリマー及び共有結合的に修飾したポリマーで培養した神経細胞を表す画像であり、ファロイジン及びビンキュリン免疫染色はそれぞれ緑色及び赤色で表す。核はDAPIで染色されており、青色で表す。
図18(b)は、天然ポリマー(PET、コントロール)及び神経原性ペプチドで共有結合的に修飾したポリマー(PET)で培養した細胞における成長関連タンパク質43(GAP43)遺伝子の発現に対する定量的リアルタイムPCR分析の結果を表すグラフである。
【
図19】細胞内に存在するSTRO-1(hMSC幹細胞性マーカー)量を、細胞数で正規化した平均蛍光強度として表す。
【
図20】RMSD算出手順で使用したStandard Protein Blastオンラインソフトウェアのスクリーンショットである。
【
図21】本開示に係るいくつかの実施形態の骨粗鬆症に対する効果を実証するのに使用した実験プロトコルの概要である。
【
図22】臨界サイズ欠損の誘導から3週後(左側)及び12週後(右側)における、「埋込み無し(No implantation)」条件に対応する大腿欠損部位の冠状断面に対する組織学的分析を表す。断面に対しては、組織形態を定性的に分析するヘマトキシリン・エオシン(HE)染色、骨組織(水色)内の活性破骨細胞断片(赤色)を強調する酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ(TRAP)染色、及び石灰化骨組織(黒色)、非石灰化類骨組織(暗いピンク色)、及び線維組織(明るいピンク色)を強調するフォンコッサ・ワンギーソン(VKVG)染色という3種類の染色を実施した。HE染色における点線は大まかな欠損部位領域を表し、黒色矢印は欠損部位導入を表す。
【
図23】本開示条件の代表的なGFR結合化合物を臨界サイズ誘導欠損に埋め込んでから3週後(A)及び12週後(B)における、コントロール2の条件と比較した大腿欠損部位の冠状断面に対する組織学的分析を表す。断面に対しては、組織形態を定性的に分析するヘマトキシリン・エオシン(HE)染色、骨組織(水色)内の活性破骨細胞断片(赤色)を強調する酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ(TRAP)染色、及び石灰化骨組織(黒色)、非石灰化類骨組織(暗いピンク色)、及び線維組織(明るいピンク色)を強調するフォンコッサ・ワンギーソン(VKVG)染色という3種類の染色を実施した。HE染色における点線は大まかな欠損部位領域を表す。明るい緑色の星はセラミックを表す。TRAP染色における黒色の残留物は焼結セラミック結晶と対応する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
細胞分化は細胞型が特殊化するプロセスであり、一つの遺伝子発現パターンから別のパターンへの高度に制御された転換を伴う。具体的な各系列において、細胞は分化及び成熟の各段階を通じて成長する。骨系列の場合、骨芽前駆細胞は成体骨髄間葉系幹細胞に由来し、その後、骨芽細胞前駆体、成熟骨芽細胞、及び骨細胞となる。
【0023】
間葉系幹細胞又はMSCは、骨芽細胞(骨細胞)、軟骨細胞、ニューロン、内皮細胞、及び脂肪細胞等の各種細胞型に分化できる多能性間質細胞である。一般的に、成長因子は、成長因子受容体(GFR)と呼ばれる特異的な受容体に非共有結合することで、MSC活性を調節する。成長因子(GF)は、細胞表面のセリンスレオニンキナーゼ受容体に結合して、特異的な細胞内経路を引き起こすことで遺伝子転写を活性化し、影響を及ぼして、細胞の増殖及び/又は分化に作用する。GFのメンバーについては3種以上の受容体(I型、II型及びIII型)が存在しているが、結合及びシグナル伝達にはI型及びII型のみが必要とされる。シグナル分子が結合したら、受容体が活性化してSMAD経路が誘導される。I型受容体は、受容体制御型Smad(R-Smad)をリン酸化して、共通パートナー型Smad(Co-Smad)と複合体を形成する。この複合体は核内に転位置して、軟骨形成分化に必要な他の転写因子と共に遺伝子転写を調節する。
【0024】
このような活性の調節は、典型的には、遺伝子組換え成長因子を用いて実施できる。しかしながら、例えば脊椎固定の分野において、この技術を用いた従来の試みは治療を受けた患者にとって有害になる場合があり、ある症例では腫瘍の発生や他の深刻な副作用が引き起こされたとする研究もある。また、遺伝子組換え成長因子を使用しない手法として従来採用されてきたものに対して臨床的な実際の利点が疑問視されることもある。
【0025】
組織形成を誘導する他の試みでは、成長因子の自然配列の一部を再現した合成ペプチドを用いている。例えば、これらの合成ペプチドは、骨修復の改善における利用可能性が研究されてきた。だが、これらのペプチドは一般的に生物学的活性が不足していることが多く、インビトロ及び/又はインビボ安定性に劣っていた。更に、従来の合成ペプチドの組織誘導活性は迅速なものではない。例えば、このような従来のペプチドを使用した生体材料上で培養した間葉系幹細胞のインビトロ骨形成分化が観察されるのは、通常、細胞培養から3週間後である。
【0026】
従って、本発明は以下を目的とする実施形態を提供する。
・哺乳類、好ましくはヒトの組織再生を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は活性化すること。
・骨、及び/又は軟骨、及び/又は血管、及び/又はニューロン、及び/又は網膜、及び/又は器官(腎臓又は肺等)、及び/又は靱帯/腱、及び/又は毛包、及び/又は皮膚、及び/又は血液、及び/又は脂肪の組織再生を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は活性化すること。
・胚のパターン化を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は活性化すること。
・細胞遊走及び創傷治癒を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は活性化すること。
・任意の生体組織種の閉鎖を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は活性化すること。
・雌性受胎能を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は活性化すること。
・哺乳類、好ましくはヒトにおける組織変性を予防、及び/又は抑制又は回避又は低減すること。
・骨、及び/又は軟骨、及び/又は血管、及び/又はニューロン、及び/又は網膜、及び/又は器官(腎臓又は肺等)、及び/又は靱帯/腱、及び/又は毛包、及び/又は皮膚、及び/又は血液、及び/又は脂肪の組織変性を予防、及び/又は抑制又は回避又は低減すること。
・患者を組織変性疾患、障害又は異常から保護すること。
・患者を骨粗鬆症から保護すること。
・細胞固定化、並びに創傷の形成及び/又は悪化を予防、及び/又は抑制又は回避又は低減すること。
・任意の生体組織種の閉鎖不全(misclosure)を予防、及び/又は抑制又は回避又は低減すること。
・雌性不妊症を予防、及び/又は抑制又は回避又は低減すること。
・脱毛を予防、及び/又は抑制又は回避又は低減すること。
・円形脱毛症、全頭脱毛症、汎発性脱毛症、男性ホルモン型脱毛症(男性型脱毛症)、休止期性脱毛、成長期脱毛症、又は化学療法誘導性脱毛症を予防/治療すること。
・医療機器の製造に有用であり得る生理活性担体(生体材料等)の骨形成能、及び/又は軟骨形成能、及び/又は内皮化・血管新生能、及び/又は発毛能、及び/又は創傷治癒能、及び/又は皮膚修復能、及び/又は組織欠損閉鎖能、及び/又は神経再生能、及び/又は靱帯/腱組織再生能、及び/又は雌性受胎能を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は活性化すること。
・化粧品の抗老化/抗しわ効果/特性を改変、及び/又は増強、及び/又は活性化すること。
・化粧品の発毛効果/特性を改変、及び/又は増強、及び/又は活性化すること。
・特定の細胞系列における幹細胞、好ましくは成体幹細胞、より好ましくは間葉系幹細胞のコミットメント及び/又は分化を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は誘導、及び/又は活性化すること。
・前駆細胞の分化及び/又は成熟を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は誘導、及び/又は活性化すること。
・機能的分化細胞を取得/産生すること。
・改変及び/又は改善した機能性及び/又は生理学的活性を有する分化細胞を取得/産生すること。
【0027】
(I.定義)
当業者であれば、通常の実験を採用するだけで、本明細書で記載した本発明に係る具体的な実施形態の均等物を数多く認識、確認できるであろう。本発明の範囲は、本明細書に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲に記載した通りである。
【0028】
特許請求の範囲において、「a」、「an」及び「the」という冠詞は、別段の指示がない限り又は文脈から明らかでない限り、1つ又は1つ以上を意味する。特許請求の範囲又は明細書において、群を構成する1つ以上の構成員間に「又は」が記載されている場合、別段の指示がない限り又は文脈から明らかでない限り、当該構成員の1つ、2つ以上、又は全てが所定のもの又は方法に存在している、使用されている、又は関連していると考えられる。本発明は、当該構成員の1つのみが所定のもの又は方法に存在している、使用されている、又は関連している実施形態を包含している。本発明は、当該構成員の2つ以上又は全てが所定のもの又は方法に存在している、使用されている、又は関連している実施形態を包含している。
【0029】
なお、「含む」及び「有する」(comprising)という用語は、オープンであることを意図したものであり、追加の要素又は工程を含むことを許容するが、必要とはしないことを表す。従って、本明細書中で「含む」又は「有する」という用語が使用された場合、「からなる(consisting of)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、「から実質的になる(consisting substantially of)」、及び「のみからなる(consisting exclusively of)」という用語も包含、開示されていることになる。
【0030】
本明細書中、「約」又は「およそ」という用語は、対象となる1つ以上の値に適用された場合、記載された参照値と同様な値を意味する。ある実施形態において、「約」又は「およそ」という用語は、別段の指示がない限り又は自明でない限り又は文脈に矛盾しない限り(例えば、可能性のある値の100%を超えるような数値は除く)、記載された参照値からいずれかの方向(多い方又は少ない方)に25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以内である値の範囲を意味する。
【0031】
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、アミノ酸の具体的な個数に付随する「を有する」という用語は、具体的なペプチド、又はその変異体若しくは類似体を定義するのに使用されている場合(例えば「3個のアミノ酸を有するペプチド」)、当該ペプチド、又はその変異体若しくは類似体が、その用語の後に記載された特定の個数だけアミノ酸を有することを意味する。
【0032】
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「炭素数iのアルキル」という用語は、「i」個の炭素原子を有する任意の分岐状又は非分岐状の基、部分、又は官能基を具体的且つ個別に開示することを意図している。
【0033】
本明細書中、各種炭化水素含有部分の炭素原子量は、該部分における炭素原子数の最小値及び最大値を示す接頭辞によって示される場合もある。例えばある実施形態において、炭素数a~bのアルキルは、「a」(整数)個~「b」(整数)個(a、bを含む)の炭素原子を有するアルキル部分を示している。
【0034】
本明細書の様々な箇所において、本開示に係る化合物の置換基がグループ単位で又は範囲として開示されている。当該グループ又は範囲の構成員を部分的に組み合わせたもののどれもが本開示に包含されることを具体的に意図したものである。例えばある実施形態において、「炭素数1~5のアルキル」という用語は、炭素数1のアルキル(すなわちメチル)、炭素数2のアルキル(すなわちエチル)、炭素数3のアルキル(すなわち1-プロピル及び2-プロピル)、炭素数4のアルキル(すなわち1-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル及びtert-ブチル)、及び炭素数5のアルキル(すなわち1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチル-1-ブチル、3-メチル-1-ブチル、2-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ブチル、2,2-ジメチル-1-プロピル及び1,1-ジメチル-1-プロピル)の省略形である(従って、これらを個別に開示することを具体的に意図したものである)。
【0035】
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「アルキル」及び「炭素数a~bのアルキル」という用語は、直鎖若しくは分岐部分、又はその組み合わせを有し、上述したような必要数の炭素原子を有する1価の炭化水素基を意味する。本明細書中、アルキル基は、1~4個の置換基で置換されていてもよい。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル等が挙げられるが、これらに限定されない。当然ながら、本開示の利益を享受する当業者には他のアルキル基も明らかである。
【0036】
範囲が提示された場合、その端点も包含される。更に、別段の指示がない限り又は文脈及び当業者の理解から明らかでない限り、本発明の各実施形態において、範囲で表された数値は、文脈において特に明示されない限り、当該範囲の下限の単位の10分の1まで、記載された範囲内の任意の具体的な値又は部分範囲を想定できると理解される。例えばある実施形態において、0~10という範囲が記載されている場合、例えばある実施形態においては、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、0~1、0~2、0~3、0~4、0~5、0~6、0~7、0~8、0~9、1~2、1~3、1~4、1~5、1~6、1~7、1~8、1~9、2~3、2~4、2~5、2~6、2~7、2~8、2~9、2~10、3~4、3~5、3~6、3~7、3~8、3~9、3~10、4~5、4~6、4~7、4~8、4~9、4~10、5~6、5~7、5~8、5~9、5~10、6~7、6~8、6~9、6~10、7~8、7~9、7~10、8~9、8~10、9~10、0~0.1、0~0.2、0~0.3、0~0.4、0~0.5、0~0.6、0~0.7、0~0.8、0~0.9、0~1.1、0~1.2等の値及び範囲が具体的且つ個別に開示されていることにもなる。
【0037】
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「実質的に」という用語は、対象となる特性又は特徴の範囲又は程度が完全に又は略完全に発揮される質的条件を意味する。生物学分野の当業者であれば、生物学的及び化学的現象の完全な完了及び/又は進行、又は絶対的な結果の達成又は回避は、あったとしても稀であることが理解できるだろう。従って、本明細書中、「実質的に」という用語は、多くの生物学的及び化学的現象につきものの完全性の潜在的な欠如を捉えるためのものである。
【0038】
加えて、従来技術に含まれる本発明の任意の具体的な実施形態は、適切な放棄又は但し書きによって、1つ以上の請求項から明示的に除外されることが理解されよう。そのような実施形態は当業者に公知であると思われるため、たとえその除外が本明細書に明示的に記載されていなくても除外される。本発明に係る組成物の任意の具体的な実施形態(例えば、任意の核酸又はそれによってコードされるタンパク質、任意の製造方法、任意の使用方法等)は、従来技術の有無にかかわらず、何らかの理由によって1つ以上の請求項から除外される場合もある。
【0039】
ある実施形態において本明細書で引用した参照文献、刊行物、データベース、データベース項目、及び技術等のあらゆる引用資料は、引用部分で明示されていなくても、参照によりその全体が本願に組み込まれる。引用資料と本出願とで記載が矛盾する場合、本出願の記載に従う。
【0040】
場合に応じて、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、本明細書において、高分子の分子量は数平均分子量であると理解されたい。
【0041】
本明細書に記載のペプチドは、一般的な記載方法に準拠しない場合がある。例えば、ペプチド配列のN末端アミノ酸は、配列の最初のアミノ酸又は最後のアミノ酸であってもよい。同様に、ペプチド配列のC末端アミノ酸は、配列の最初のアミノ酸又は最後のアミノ酸であってもよい。例えば、ペプチド配列NAISにおいて、「N」はN末端であってもC末端であってもよく、「S」はN末端であってもC末端であってもよい。従って、本開示の目的によれば、例えば、NAISはSIANも包含し、SAISはSIASも包含し、SPINはNIPSも包含する。
【0042】
本出願において、1つ以上の他のペプチドを含む特定のペプチド(例えば、本明細書で提供されるGFR結合化合物)に言及した場合、当該1つ以上の他のペプチドは、上記ペプチドの少なくとも一部に安定して(多くの場合は共有結合的に)付着/結合していると理解される。別段の指示がない限り又は文脈に矛盾したり一般的な科学法則に矛盾したりしない限り、この付着/結合はペプチドのどこに位置していてもよい。特に明記されない限り、当該1つ以上の他のペプチドの上記ペプチドへの付着/結合位置は具体的に想定されない。
【0043】
ペプチド又はポリペプチド
本明細書中、「ペプチド」又は「ポリペプチド」という用語は交換可能に使用されており、100アミノ酸長以下、例えば、約4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100アミノ酸長のポリマーを意味する。当該用語は、1個以上のアミノ酸残基が対応する天然アミノ酸の合成化学模倣物であるアミノ酸ポリマーや、天然アミノ酸ポリマー、非天然アミノ酸ポリマー、ペプチド類似体、ペプチド変異体、及びペプチド模倣物に適用される。ペプチドを合成する従来の技術では、カップリング剤を用いてアミノ酸又はペプチドのカルボン酸官能基を活性化する。その後、このように活性化した酸をアミノ酸、又はN末端アミノ酸が保護されていないペプチドと接触させることで、ペプチド結合とも呼ばれるアミド結合を形成する。カップリング剤を用いたカップリング反応条件は当該技術分野で周知であり、例えば、Greene,「Protective Groups in Organic Synthesis」,Wiley,New York,2007,4th edition等に記載されている。更に、Hojo H.,「Recent progress in the chemical synthesis of proteins」,Curr Opin Struct Biol.2014;26C:16-23、及びSaranya Chandrudu,et al.,「Chemical Methods for Peptide and Protein Production」,Molecules,2013,18,4373-4388等には、好適なペプチド合成経路が記載されている。各文献は参照によりその全体が本願に組み込まれる。ペプチド合成の戦略としては、液相ペプチド合成、及び現在最も一般的に使用されているペプチド合成法である固相ペプチド合成(SPPS)の2つが主流である。化学基によってC末端を保護する代わりに、第1アミノ酸のC末端をポリスチレン又はポリアクリルアミド等の活性化固体担体に結合させる。このような手法では二重の機能が得られる。すなわち、樹脂がC末端保護基として作用するとともに、合成中に成長しているペプチド生成物を他の反応混合物から分離できる迅速な方法を提供する。多くの異なる生物学的製造プロセスと同様に、ペプチド製造の自動化及びハイスループット化を目的としたペプチド合成装置が開発されてきた。SPPSによれば、細菌で発現するのが難しい天然ペプチドの合成、非天然アミノ酸の導入、ペプチド/タンパク質骨格の改変、及びD-アミノ酸からなるD-タンパク質の合成が可能となる。定量的収率で2つのペプチドを結合するネイティブ・ケミカル・ライゲーションによって、非常に長いペプチド得ることができる。
【0044】
ペプチド類似体
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「ペプチド類似体」という用語は、親又は開始ペプチドの特性を1つ以上依然として維持している1つ以上のアミノ酸変化(アミノ酸残基の置換、付加、又は欠失等)により異なっているポリペプチド変異体を意味する。
【0045】
ペプチド変異体
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「ペプチド変異体」という用語は、天然又は参照化合物配列と一定の同一性を有するペプチドを意味する。一例示において、ペプチド変異体は、任意の投与、塗布、注射後修飾ペプチドを意味する。このような投与、塗布、注射後修飾としては、リン酸化、アセチル化、グルタミル化、チロシン化、パルミトイル化、グリコシル化、ミリストイル化、パルミトイル化、イソプレニル化、グリコシルホスファチジルイノシトール化(glypiation)、リポイル化、ホスホパンテテイニル化(phosphopantetheinylation)、アシル化、アルキル化、アミド化、アルギニル化、ポリグルタミル化、ポリグリシル化、ブチリル化、ガンマカルボキシル化、グリコシル化、ポリシアリル化、マロニル化、ヒドロキシル化、ヨウ素化、ヌクレオチド付加、酸化、アデニリル化、プロピオニル化、ピログルタミン酸形成、S-グルタチオン付加、S-ニトロシル化、スクシニル化、硫酸化、糖化、ビオチン化、ペグ化、ISG化、SUMO化、ユビキチン化、NEDD化、PUP化、シトルリン化、脱アミド、脱離化(eliminylation)、カルバミル化、及びラセミ化等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
ペプチド模倣体
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「ペプチド模倣体」又は「ペプチド模倣体」という用語は、アミノ酸を有するだけでなく、ペプチドの生物学的作用を模倣できる合成化学化合物を意味する。模倣できる理由は、模倣体が、多くの場合、ペプチドの基本構造を模倣した基本構造を有しており、及び/又は当該ペプチドの顕著な生物学的特性を有しているためである。具体的な一例示において、ペプチド模倣体は、少なくとも1種のペプチドと、少なくとも1種の多糖、ポリヌクレオチド又は直鎖若しくは分岐状の飽和若しくは不飽和炭化水素鎖との両方を含むハイブリッド分子である。
【0047】
直鎖ペプチド
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「直鎖ペプチド」という用語は、C末端及びN末端アミノ酸残基が共有結合的に相互作用しておらず、C末端及びN末端アミノ酸残基がどれもペプチド鎖の他のアミノ酸残基と共有結合的に相互作用していないペプチドを意味する。
【0048】
環状ペプチド
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「環状ペプチド」という用語は、C末端及びN末端アミノ酸残基が共有結合的に相互作用しているか、あるいはC末端及び/又はN末端アミノ酸残基がペプチド鎖の少なくとも1つの他のアミノ酸残基と共有結合的に相互作用して環状構造を形成しているペプチドを意味する。
【0049】
アミノ酸
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「アミノ酸」という用語は、アミノ酸類似体を含む天然及び非天然のアミノ酸を意味する。天然アミノ酸は、遺伝暗号によってコード化されるものや、ヒドロキシプロリン、ガンマカルボキシグルタミン酸及びO-ホスホセリン等の後修飾されたアミノ酸である。天然にコード化されたアミノ酸は、グリシン(Gly、G)、アラニン(Ala、A)、バリン(Val、V)、ロイシン(Leu、L)、イソロイシン(Ile、I)、セリン(Ser、S)、スレオニン(Thr、T)、フェニルアラニン(Phe、F)、チロシン(Tyr、Y)、トリプトファン(Trp、W)、システイン(Cys、C)、メチオニン(Met、M)、プロリン(Pro、P)、アスパラギン酸(Asp、D)、アスパラギン(Asn、N)、グルタミン(Gln、Q)、グルタミン酸(Glu、E)、ヒスチジン(His、H)、アルギニン(Arg、R)、及びリジン(Lys、K)という20種の一般アミノ酸、並びにピロリジン及びセレノシステインである。非天然アミノ酸としては、上述した天然アミノ酸の右旋性(D)異性体が挙げられるが、これらに限定されない。アミノ酸類似体とは、天然アミノ酸と同じ基本化学構造、すなわち、水素、カルボキシ基、アミノ基及びR基(すなわち側鎖)に結合したアルファ炭素を有しており、それが属するペプチドの全体的機能に実質的に影響を及ぼすことなく置き換えて使用できる化合物を意味する。本発明の実施形態を実施するのに好適であり得るアミノ酸類似体(又は非天然アミノ酸)としては、光活性化架橋剤を含むアミノ酸、スピン標識アミノ酸、蛍光アミノ酸、金属結合アミノ酸、金属含有アミノ酸、放射性アミノ酸、新規な官能基を有するアミノ酸、他の分子と共有結合的又は非共有結合的に相互作用するアミノ酸、光ケージ化及び/又は光異性化アミノ酸、ビオチン又はビオチン類似体を含むアミノ酸、糖置換セリン等のグリコシル化アミノ酸、その他の糖修飾アミノ酸、ケト含有アミノ酸、ポリエチレングリコール又はポリエーテルを含むアミノ酸、重原子置換アミノ酸、化学分解性及び/又は光分解性アミノ酸、天然アミノ酸よりも延長された側鎖(これらに限定されないが、ポリエーテル又は長鎖炭化水素等(これらに限定されないが、炭素数約5超又は約10超等))を有するアミノ酸、炭素結合糖含有アミノ酸、レドックス活性アミノ酸、アミノ酸を含有するアミノチオ酸、及び1つ以上の毒性部位を含むアミノ酸等が挙げられるが、これらに限定されない。「AAI(AAローマ数字1)」という用語は、本明細書において使用されるが、上で定義した任意のアミノ酸、特に任意の天然及び非天然アミノ酸であってもよいアミノ酸を意味する。
【0050】
アミノ酸側鎖
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「アミノ酸側鎖」という用語は、他のアミノ酸と区別させるアミノ酸の官能基を意味する。すべてのアミノ酸構造は、カルボキシ基、アミン基、及び特定の側鎖を有している。
【0051】
AAII(AAローマ数字2)
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「極性アミノ酸」又は「AAII」という用語は、極性無電荷基含有側鎖を有するアミノ酸を意味する。極性アミノ酸は生理学的pH(約7)でプロトン化される。極性アミノ酸としては、Cys(C)、Asn(N)、Gln(Q)、Ser(S)、Thr(T)、及びTyr(Y)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
AAIII(AAローマ数字3)
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「酸性アミノ酸」又は「AAIII」という用語は、酸性基含有側鎖を有するアミノ酸を意味する。酸性アミノ酸は生理学的pH(約7)で脱プロトン化型が優勢である。酸性アミノ酸としては、Asn(N)及びGlu(E)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
AAIV(AAローマ数字4)
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「脂肪族アミノ酸」又は「AAIV」という用語は、脂肪族側鎖を有するアミノ酸を意味する。脂肪族アミノ酸としては、Ala(A)、Leu(L)、Ile(I)、Gly(G)、Val(V)、並びにこれらの類似体及び誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
AAV(AAローマ数字5)
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「無極性アミノ酸」又は「AAV」という用語は、無極性側鎖を有するアミノ酸を意味する。無極性アミノ酸としては、Ala(A)、Phe(F)、Gly(G)、Ile(I)、Leu(L)、Met(M)、Pro(P)、Val(V)、及びTrp(W)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
AAVI(AAローマ数字6)
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「芳香族アミノ酸」又は「AAVI」という用語は、芳香族基含有側鎖を有するアミノ酸を意味する。芳香族アミノ酸としては、Trp(W)、Tyr(Y)、及びPhe(F)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
AAVII(AAローマ数字7)
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「塩基性アミノ酸」又は「AAVII」という用語は、塩基性基含有側鎖を有するアミノ酸を意味する。塩基性アミノ酸は、生理学的pH(約7)でプロトン化型が優勢である。塩基性アミノ酸としては、Arg(R)、His(H)、及びLys(K)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
AAVIII(AAローマ数字8)
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「AAVIII」という用語は、Leu(L)及びIle(I)、並びにこれらの類似体及び誘導体を意味する。
【0058】
AAIX(AAローマ数字9)
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「荷電アミノ酸」又は「AAIX」という用語は、酸性基含有側鎖又は塩基性基含有側鎖のいずれかを有するアミノ酸を意味する。荷電アミノ酸は、生理学的pH(約7)で荷電型が優勢である。荷電アミノ酸としては、Asn(N)、Glu(E)、His(H)、Lys(K)、及びArg(R)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
AAn
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「AAn」(式中、nは、ペプチドの一次配列内の具体的な位置を特定するよう任意に選択された正の整数を表す)という用語。例えば、AA13は、13位のアミノ酸を意味している。「アミノ酸」及び「AA」という用語は、本明細書において交換可能に使用される。
【0060】
N末端
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「N末端」という用語は、タンパク質又はポリペプチドの一(末)端に位置するアミン(-NH2)官能基/基/部分を意味する。この官能基は、アミドペプチド結合に結合していない唯一のアミン基である。
【0061】
C末端
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「C末端」という用語は、タンパク質又はポリペプチドの一(末)端に位置するカルボキシレート(-CO2H)官能基/基/部分を意味する。この官能基は、アミドペプチド結合に結合していない唯一のカルボン酸基である。
【0062】
天然ペプチド
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「天然ペプチド」という用語は、ヒトの直接的介入(抽出及び/又は単離を除く)なく自然界に見られるペプチドを意味する。
【0063】
合成ペプチド
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「合成ペプチド」又は「非天然ペプチド」という用語は、ヒトの直接的介入(抽出及び/又は単離を除く)がなければ自然界に見られることはないペプチドを意味する。例えばある実施形態において、合成ペプチドは、天然の配列に対して少なくとも1個のアミノ酸が欠失又は置換していること以外は、天然ペプチドのアミノ酸配列を有していてもよい。置換の場合、天然配列のアミノ酸が他の異なる天然又は非天然アミノ酸と置き換えられる。例えばある実施形態において、合成ペプチドは、酢酸基、リン酸基、脂質又は炭水化物の付加やジスルフィド橋の形成といった天然ペプチドの翻訳後修飾を有していなくてもよい。
【0064】
共有結合的相互作用
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「共有結合的に相互作用する」、「共有結合的相互作用」、及び「共有結合」という用語は、交換可能に使用されており、原子間での電子対の共有を伴う化学結合又は相互作用を意味する。このような相互作用としては、σ結合及びπ結合が挙げられる。
【0065】
非共有結合的相互作用
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「非共有結合的に相互作用する」、「非共有結合的相互作用」、及び「非共有結合」という用語は、交換可能に使用されており、原子間での電子対の共有は伴わないが、分子間又は分子内でより分散した様々な電磁的相互作用を伴う化学結合又は相互作用を意味する。非共有結合的相互作用は、一般的に、静電的相互作用、π相互作用、ファンデルワールス力、及び疎水性相互作用という4つのカテゴリーに分類される。
【0066】
求電子剤
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「求電子剤」という用語は、電子に引きつけられる有機分子であって、電子対を受け取ることで化学反応に関与して求核剤に結合する有機分子を意味する。大半の求電子剤は正に荷電しており、部分正電荷を有する原子、又は電子の八重項を有していない原子を有する。
【0067】
求核剤
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「求核剤」という用語は、電子対を求電子剤に供与して反応に関する化学結合を形成する有機分子を意味する。遊離電子対又は少なくとも1つのパイ結合を有するあらゆる分子又はイオンが求核剤として作用できる。
【0068】
多糖
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「多糖」という用語は、グリコシド結合によって互いに結合した単糖単位の長鎖で構成されており、加水分解時に単糖又はオリゴ糖を供給する高分子炭水化物分子を意味する。構造的には、直鎖状から多分岐ポリマーにまで及ぶ。
【0069】
ポリヌクレオチド
本明細書中、「ポリヌクレオチド」及び「核酸」という用語は、交換可能に使用されており、1本鎖型又は二重鎖らせんのいずれかであるリボヌクレオシド(「RNA分子」)若しくはデオキシリボヌクレオシド(「DNA分子」)、又はその任意のリン酸エステル類似体(ホスホロチオエート及びチオエステル等)のリン酸エステルポリマー型を意味する。「核酸」という用語には、二本鎖環状DNA、特に直鎖状(制限酵素断片等)又は環状DNA分子中のものが含まれる。なかでも、本明細書で使用する核酸は、本明細書で定義される成長因子受容体のアゴニストをコードするRNA等の核酸を意味する。
【0070】
ヌクレオシド
本明細書中、「ヌクレオシド」という用語は、糖分子(ペントース若しくはリボース等)又はその誘導体を有機塩基(プリン若しくはピリミジン等)又はその誘導体(本明細書中、「核酸塩基」ともいう)と組み合わせて含む化合物を意味する。
【0071】
ヌクレオチド
本明細書中、「ヌクレオチド」という用語は、リン酸基を有するヌクレオシドを意味する。
【0072】
デンドリマー
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「デンドリマー」という用語は、任意の繰り返し分岐状分子を意味する。デンドリマーとしては、リン含有デンドリマー、ポリリジンデンドリマー、ポリプロピルエニミンデンドリマー、及びPAMAMデンドリマー等が挙げられ、例えば、Scientific World Journal.2013;2013:732340、Curr Opin Chem Biol.1998;2(6):733-42、J Pept Sci.1999;5(5):203-20、及びJ Pept Sci.2008;14(1):2-43等に記載のものが挙げられる。これらは本発明の実施形態を実施するのに使用でき、参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【0073】
合成分子
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「合成分子」という用語は、ヒトの直接的介入(抽出及び/又は単離を除く)がなければ自然界に見られることはない分子を意味する。
【0074】
合成高分子
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「合成高分子」という用語は、ヒトの直接的介入(抽出及び/又は単離を除く)がなければ自然界に見られることはない高分子又はポリマーを意味する。
【0075】
生体適合性
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「生体適合性」という用語は、生体の細胞、組織、器官、又は系と適合するため、損傷、毒性、又は免疫系による拒絶のリスクがほとんど又は全くないことを意味する。
【0076】
生物活性
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「生物活性」という用語は、生物学的系及び/又は生体において活性を有する任意の物質の特徴を意味する。例えば、生体に投与した場合にその生体に対して生物学的効果を有する物質は、生物活性であると考えられる。特定の例示においては、本開示の化合物、物質、又は医薬組成物は、その一部が生物活性であるか、あるいは生物学的に関連すると考えられる活性を模倣する場合でも、生物活性であると考えられる。
【0077】
幹細胞
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「幹細胞」という用語は、当該分野で一般的に理解されるような用語を意味する。例えばある実施形態において、幹細胞は、その由来にかかわらず、長期にわたって自身を分裂、再生できる細胞であり、少なくともある程度は非特殊的(未分化)であり、特殊化した細胞型を生み出せる(に分化できる)(すなわち、各種の異なる特殊化した細胞型に対する前駆体又は前駆細胞である)。
【0078】
間葉系幹細胞
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「間葉系幹細胞」という用語は、一般に、骨芽細胞、軟骨細胞、及び脂肪細胞等の各種細胞型に分化できる成体多能性間質細胞を意味する。
【0079】
幹細胞様
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「幹細胞様」という用語は、その由来から幹細胞ではないものの、幹細胞のように機能する細胞であって、Stro-1等の幹細胞性マーカーの発現等の類似した特徴を示し、及び/又は多能性であって、各種の細胞型に分化できる細胞を意味する。
【0080】
前駆細胞
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「前駆細胞」という用語は、一般に、任意の幹細胞と同様、特定の細胞型に分化する傾向のある生物学的細胞であるが、既に幹細胞よりも特異的であって、その「標的」細胞へ分化するよう駆り立てられた細胞を意味する。一般に、幹細胞は無制限に複製できるが、前駆細胞は限られた回数しか分裂できない。
【0081】
成体幹細胞
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「成体幹細胞」という用語は、発生後の全身で見られる未分化細胞であって、細胞分裂によって増殖して、死細胞を補充し、損傷した組織を再生する細胞を意味する。体性幹細胞としても知られており、動物やヒトの成体に加えて若年段階にも見られる。
【0082】
分化
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「分化」という用語は、特殊化程度の低い細胞がより特殊化された細胞型になるプロセスであって、1つの遺伝子発現パターンから別のパターンへの転換を伴うプロセスを意味する。
【0083】
分化細胞
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「分化細胞」という用語は、一般に、幹細胞特異的マーカーを含む細胞を除き、特定の系列の任意の細胞を意味する。
【0084】
非終末分化
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「非終末分化」という用語は、細胞に関して使用した場合、本明細書で定義される分化細胞のうち、分化の最終状態に到達していないものを意味する。例えばある実施形態において、骨芽細胞系列の場合、非終末分化細胞は、骨細胞を除く当該系列の任意の分化細胞である。
【0085】
終末分化
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「終末分化」という用語は、細胞に関して使用した場合、本明細書で定義される分化細胞のうち、分化の最終状態に到達したものを意味する。例えばある実施形態において、骨芽細胞系列の場合、終末分化細胞は骨細胞である。
【0086】
幹細胞を得る方法
上記幹細胞を得て、液体培地又は半固体培地等の初期培養条件を提供する方法が当該分野で公知である。最初に、幹細胞源と、組織源又は培地中で該細胞を増殖又は濃縮するのに好適な試薬とを接触させることで、細胞をインビボ又はインビトロで増殖させる。成体幹細胞を組織源から単離し、好適な試薬に曝露してインビトロで増殖又は濃縮することが好ましい。動物から細胞サンプルを得る任意の好適な方法によって個体から細胞を得る。この方法としては、骨髄採取、体液(血液等)採取、臍帯血採取、組織パンチ、及び組織切開等が挙げられるが、これらに限定されない。具体的には、皮膚、腸、角膜、脊髄、脳組織、頭皮、胃、乳房、肺(洗浄及び気管支鏡検査等を含む)のバイオプシーや、骨髄、羊水、胎盤、及び卵黄嚢の穿刺吸引等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
骨形成
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「骨形成」という用語は、骨が形成されるプロセスを意味する。骨の発生、成長、又は修復に作用する実体、分子、化合物、連合体(association)、組み合わせ、又は組成物は、「骨形成性」であると言える。このプロセスには幹細胞が関与する。
【0088】
軟骨形成
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「軟骨形成」という用語は、軟骨が形成されるプロセスを意味する。軟骨の発生、成長、又は修復に作用する実体、分子、化合物、連合体、組み合わせ、又は組成物は、「軟骨形成性」であると言える。このプロセスには幹細胞が関与する。
【0089】
内皮化
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「内皮化」及び「再内皮化」という用語は、正常な血管恒常性を維持又は回復し、新生内膜過形成を制御するプロセスを意味する。天然の組織では、血栓症及び内膜過形成を防止する動的メカニズムによって内皮が血管統合性を維持する。内皮前駆細胞は血管損傷に応答する重要な成分であり、迅速な再内皮化によって血管修復を加速させることができる。例えば、一般に、血管形成術では、アテローム動脈硬化症を患って狭窄又は再狭窄となってしまう患者に薬剤溶出性ステントが埋め込まれる。薬剤溶出性ステントにおいて、典型的には、薬剤は金属合金フレームワークを被覆しており、再狭窄を引き起こし得る新生内膜成長(平滑筋細胞の増殖による)を阻害するのに主に使用される。新生内膜過形成の多くは炎症によって引き起こされるようなので、従来は免疫抑制及び抗増殖性薬剤が使用されてきた。現在はシロリムス及びパクリタキセル等の薬剤が使用されている。薬剤溶出性ステントでの再内皮化は一般的に遅延するので、遅発性ステント血栓症のリスクが上昇し得る。従って、クロピドグレル及びアスピリン等の抗血小板薬を投与する必要もあり得る。
【0090】
血管新生/血管形成
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「血管新生/血管形成」という用語は、既存の血管から新たな血管が形成される生理学的プロセスを意味する。このプロセスには幹細胞が関与する。
【0091】
創傷治癒
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「創傷治癒」という用語は、受傷後に皮膚(又は他の器官組織)が自身を修復するプロセスを意味する。このプロセスには幹細胞が関与する。
【0092】
皮膚修復
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「皮膚修復」という用語は、幹細胞の関与によって真皮を修復することを意味する。これらの活性細胞は膠原性線維及び基底質を産生する。血管はすぐに真皮へと成長し、循環を回復する。
【0093】
ニューロン再生
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「ニューロン再生」及び「神経再生」という用語は、幹細胞が関与する神経組織、細胞又は細胞産物の再成長又は修復を意味する。このメカニズムでは、新規なニューロン、グリア、軸索、ミエリン、又はシナプスの発生が起こり得る。
【0094】
組織閉鎖
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「組織閉鎖」という用語は、受傷又は手術等において損傷したあらゆる組織層の閉鎖を意味する。例えば、骨修復手術では、外科医が骨の損傷部まで到達して修復するために切開した組織の各層を全て閉鎖して、全体的な治癒プロセスを進行させる必要がある。
【0095】
細胞系列
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「細胞系列」という用語は、特定の細胞について、受精卵又は胚の一次状態から完全に分化した状態までの成長履歴を意味する。細胞の成長に伴う各工程及び段階では多くの中間細胞(本明細書中ではこれらを前駆体又は前駆細胞とも呼ぶ)が生成され、細胞系列に不可欠な部分を形成する。
【0096】
骨芽細胞系列
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「骨芽細胞系列」という用語は、その発生の任意の段階の骨細胞を意味し、従って、間葉系幹細胞、骨芽細胞、骨細胞、及びこれらの前駆体等が含まれるが、これらに限定されない。
【0097】
軟骨細胞系列
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「軟骨細胞系列」という用語は、その発生の任意の段階の軟骨細胞を意味し、従って、間葉系幹細胞等が含まれるが、これらに限定されない。
【0098】
筋肉細胞系列
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「筋肉細胞系列」という用語は、その発生の任意の段階の筋肉細胞を意味し、従って、間葉系幹細胞、筋芽細胞、筋細胞、及びこれらの前駆体等が含まれるが、これらに限定されない。
【0099】
血管細胞系列
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「血管細胞系列」という用語は、その発生の任意の段階の血管細胞を意味し、従って、間葉系幹細胞、血管芽細胞、周皮細胞、内皮細胞、及びこれらの前駆体等が含まれるが、これらに限定されない。
【0100】
神経細胞系列
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「神経細胞系列」という用語は、その発生の任意の段階の脳細胞を意味し、従って、神経幹細胞、神経芽細胞、神経細胞、神経膠細胞、及びこれらの前駆体等が含まれるが、これらに限定されない。
【0101】
網膜細胞系列
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「網膜細胞系列」という用語は、その発生の任意の段階の網膜細胞を意味し、従って、視細胞、双極細胞、桿体、及び錐体細胞、並びにこれらの前駆体等が含まれるが、これらに限定されない。
【0102】
腎細胞系列
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「腎細胞系列」という用語は、その発生の任意の段階の腎細胞を意味し、従って、間葉系幹細胞、有足細胞、及びこれらの前駆体等が含まれるが、これらに限定されない。
【0103】
靱帯及び腱細胞系列
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「靱帯及び腱細胞系列」又は「L/T細胞系列」という用語は、その発生の任意の段階の骨又は軟骨細胞を意味し、従って、間葉系幹細胞、繊維芽細胞、線維細胞、及びこれらの前駆体等が含まれるが、これらに限定されない。
【0104】
繊維芽細胞系列
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「繊維芽細胞系列」という用語は、その発生の任意の段階の皮膚細胞を意味し、従って、間葉系幹細胞、繊維芽細胞、角化細胞、メルケル細胞、メラニン形成細胞、ランゲルハンス細胞、及びこれらの前駆細胞等が含まれるが、これらに限定されない。
【0105】
生殖器系系列
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「生殖器系系列」という用語は、その発生の任意の段階のセルトリ細胞、ライディッヒ細胞、及び生殖細胞、特に間葉系幹細胞を意味する。
【0106】
血液細胞系列(骨髄細胞系列及びリンパ球細胞系列)
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「血液細胞系列」という用語は、その骨髄細胞又はリンパ球細胞系列からの発生の任意の段階の血液細胞を意味し、従って、造血幹細胞(HSC)、骨髄前駆細胞、リンパ球前駆細胞、マスト細胞、骨髄芽球、単核球、マクロファージ、好中球、好塩基球、好酸球、赤血球、巨核球、血小板、樹状細胞、小リンパ球、Tリンパ球(T細胞)、Bリンパ球(B細胞)、ナチュラルキラー(NK)細胞、及びこれらの前駆細胞等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
脂肪細胞系列
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「脂肪細胞系列」という用語は、その発生の任意の段階の脂肪細胞を意味し、従って、間葉系幹細胞、輪紋状結合細胞、脂肪細胞、前脂肪細胞/脂肪芽細胞、及びこれらの前駆細胞等が含まれるが、これらに限定されない。
【0108】
肺細胞系列
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「肺細胞系列」という用語は、その発生の任意の段階の肺細胞を意味し、従って、上皮細胞、赤血球、肺胞細胞、及びこれらの前駆細胞等が含まれるが、これらに限定されない。
【0109】
比
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「比」という用語は、本明細書で開示した医薬的連合体又は組成物における生理活性担体に対するGFR結合化合物について使用される場合、上記GFR結合化合物の量と生理活性担体の量との(規定したモル、重量又は部の)比を意味する。上記比は、モル比であっても、重量比であっても、部比であってもよく、ケースバイケースで必要に応じて規定される。従来通り、量の単位はモル、ミリモル、グラム、ミリグラム又は部であってもよい。例えばある実施形態において、GFR結合化合物と生理活性担体との相対量は密度を用いて表すのが便利である。この比は、治療する細胞型によって変化することを理解されたい。
【0110】
密度
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「密度」という用語は、本明細書で開示した医薬的組成物における生理活性担体に対するGFR結合化合物について使用される場合、平方ミリメートル(mm2)、平方マイクロメートル(μm2)、又は平方ナノメートル(nm2)等の一標準化面積単位に対するモル、ミリモル、グラム又はミリグラム等で表したGFR結合化合物の量を意味する。例えばある実施形態において、本明細書で開示した医薬的連合体又は組成物におけるGFR結合化合物と生理活性担体との比は、mm2あたりのpmol(pmol/mm2)で表してもよい。
【0111】
再コード化
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「再コード化」という用語は、細胞(特に間葉系幹細胞又は前駆幹細胞)に関して使用した場合、(本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、ペプチド模倣体、生体材料、医療機器、又は医療若しくは化粧組成物等を含有する)好適な細胞外微小環境と処理対象の幹細胞とを(インビトロ、エクスビボ又はインビボで)接触させることで、適当な細胞外シグナルを供給して、細胞をより特殊化した細胞型に効率よく分化させる行為を意味する。
【0112】
再コード化療法
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「再コード化療法」という用語は、哺乳類の組織を再生する目的で効率的な幹細胞分化を促進する療法を意味する。
【0113】
細胞外微小環境
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「細胞外微小環境」という用語は、特定の幹細胞を囲む(特定の幹細胞と機能的に近接している)環境であって、各組織に特異的な生物物理学的、力学的、及び生化学的特性を特徴とし、細胞の挙動を制御できる環境を意味する。例えば、本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、ペプチド模倣体、生体材料、医療機器、又は医療若しくは化粧組成物等を用いて特定の間葉系幹細胞の細胞外微小環境を変化させると、この細胞をより特殊化した細胞型へと効率よく分化できる。
【0114】
生理学的機能細胞
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「生理学的機能細胞」という用語は、特定の細胞型に関連し、細胞の正常な生理機能に必要な全ての細胞機能を正常に実施できる細胞を意味する。このような機能としては、全ての細胞内分子機構だけでなく、細胞とその微小環境との正常な伝達に必要な全ての活性が含まれる。細胞が生理学的機能性を有しているかを確認できる方法としては、蛍光マーカーを導入した後、マウスモデル等の他の哺乳類生体モデルに細胞をグラフト化する方法が挙げられる。細胞は、その細胞型に対応した組織にグラフト化される。一定時間後、インビボ顕微鏡観察又は組織学的染色等の各種方法で細胞の特徴及び正常な機能をモニタリングする。「機能(性)」という用語は、分子、化合物、又は物質に関して使用した場合、生物学的分子が、それを特徴付ける特性及び/又は活性を示す状態にあることを意味する。
【0115】
より短い時間
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「より短い時間」という用語は、分化又は再コード化期間に関して使用した場合、治療を受けた患者が実質的な利益を享受するまでの時間が、既存の治療法と比較して実質的に短いことを意味する。ある実施形態において、より短い時間としては、既存の治療法に対して、少なくとも1/1.5、少なくとも1/2、少なくとも1/2.5、少なくとも1/3、少なくとも1/3.5、少なくとも1/4、少なくとも1/4.5、少なくとも1/5、少なくとも1/6、少なくとも1/7、少なくとも1/8、少なくとも1/9、又は少なくとも1/10に短縮されることが挙げられる。
【0116】
外因性
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「外因性」という用語は、細胞、器官、又は個体等の生体系の外部から来た物質を意味する。例えばある実施形態において、医薬品の外因子としては病原体及び治療薬が挙げられる。遺伝子導入又はウイルス感染によって細胞に導入されたDNAは、外因子として考えられる。発がん性物質も通常は外因子とされる。
【0117】
内因性
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「内因性」という用語は、生体、組織、又は細胞内に由来する物質を意味する。
【0118】
細胞内
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「細胞内」という用語は、一般に、「細胞の内部」を意味する。動物等の脊椎動物の場合、細胞膜は細胞の内部と細胞の外部(細胞外環境)との間の障壁である。従って、少なくとも1つの物質、化合物、医薬的連合体、組み合わせ、又は組成物が、処理する細胞の細胞壁を貫通してその(有効な)生物学的効果を発揮/供給する処置法及び治療法は、細胞内処置法及び治療法であると考えられる。
【0119】
細胞外
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「細胞外」という用語は、「細胞の外部」を意味する。動物等の脊椎動物の場合、細胞膜は細胞の内部(細胞内環境)と細胞の外部との間の障壁である。従って、物質、化合物、医薬的連合体、組み合わせ又は組成物がいずれも細胞膜を貫通することなく、(例えば、膜貫通受容体との相互作用により)その(有効な)生物学的効果を発揮/供給する処置法及び治療法は、細胞外処置法及び治療法であると考えられる。すなわち、所望の生物学的効果を得るために複数の物質を使用する療法であって、これらの物質のうち1種以上が、その生物学的効果を提供(又は供給)するために細胞内部へと進入する必要がある療法は、本開示の意味においては細胞外療法とは考えられない。
【0120】
インビトロ
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「インビトロ」という用語は、生体(動物、植物、又は微生物等)内ではなく、試験管、反応容器、細胞培地、ペトリ皿等の人工環境において起こる事象を意味する。
【0121】
インビボ
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「インビボ」という用語は、生体(動物、植物、微生物、又はその細胞若しくは組織等)において起こる事象を意味する。
【0122】
エクスビボ
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「エクスビボ」という用語は、生体(動物、植物、又は微生物等)外で天然の生存条件を再現することを目指して、外部環境において該生体に由来する組織で起こる事象を意味する。
【0123】
患者/被験者
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「患者」及び「被験者」という用語は、交換可能に使用されており、実験、診断、予防、及び/又は治療等の目的で本発明に係る組成物が投与され得る任意の生体を意味する。典型的な被験者としては、動物(マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及びヒト等の哺乳類)及び/又は植物が挙げられる。本明細書中、患者/被験者としては、治療を求める又は必要とする可能性のある個体、治療を要する個体、治療を受けている個体、治療を受けるつもりの個体、及び特定の疾患又は異常のために訓練を受けた専門家の世話を受けている被験者が挙げられる。
【0124】
精製
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「精製する」、「精製した」、「精製」という用語は、望ましくない成分、材料の汚染、混合、又は欠陥を実質的に純粋に又は汚れのない状態にすることを意味する。
【0125】
標的細胞
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「標的細胞」という用語は、対象となる1種以上の細胞を意味する。細胞は、インビトロ、インビボ、生体内原位置、又は生体の組織若しくは器官に見られてもよい。生体は動物であってもよく、好ましくは哺乳類であり、より好ましくはヒトであり、最も好ましくは患者である。
【0126】
分子長
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、分子又はペプチドの「長さ」又は「サイズ」という用語は、分子内で測定され得る最も長い2D又は3Dの距離を意味する。環状分子の場合、「長さ」又は「サイズ」という用語は、環状構造を横切る測定可能な最も長い距離を意味する。本開示を通じて、分子のサイズ又は長さが与えられている場合(一般的にはナノメートル(nm)単位)、以下の手順を用いて算出した。
・いわゆる「2D」手順
ChemDraw(登録商標)ソフトウェア等で2D化学構造を描画した。次いで、利用可能なChemDrawの長さ測定ツールでサイズを測定した。本明細書中に記載した長さは、2D結合サイズ及び角度についてソフトウェアのデフォルト設定を用いた分子の最も長い2D長さに相当する。
・あるいは、いわゆる「3D」手順を実施してもよい。
(1)好適なソフトウェア(ChemDraw等)を用いて、分子の化学構造を描画する。
(2)SCWRL(Protein Sci.2003;12(9):2001-14)又はMODELLER(Current Protocols in Bioinformatics.15:5.6:5.6.1-5.6.30)(いずれも参照によりその全体が本願に組み込まれる)を用いて、描画した分子の3D構造モデルを生成する。
(3)AMBER(J.Computat.Chem.2005;26,1668-1688)(参照によりその全体が本願に組み込まれる)を用いて、得られた3D構造モデルを水を含有するボックスシミュレーションにおいて数ミリ秒インキュベートする。
(4)Pymol(登録商標)等のソフトウェアを用いて、利用可能なPymol長さ測定ツール(DeLano Scientific LLC、http://www.pymol.org)により、得られた分子のサイズを測定する。
【0127】
平均二乗偏差
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「平均二乗偏差」及び「RMSD」という用語は、当該分野で周知であり、マッチさせた特定の原子の間の距離を二乗したものの算術平均の平方根を意味する。分子立体構造は、分子を構成する原子のデカルト座標を成分とするベクトルとして表せる。従って、N個の原子を有する分子の立体構造は、実数の3N寸法ベクトルとして表せる。ペプチド又はペプチド模倣体のペア(x及びy等)のRMSDを算出するには、それぞれを座標の3N長さベクトル(原子がN個の場合)として表す必要がある。従って、RMSDは、対応する原子x及びy間の距離を二乗したものの算術平均の平方根である。これは、2つの構造の立体構造間の平均原子変位の尺度である。
【0128】
【0129】
すなわち、RMSDは、重ねたポリペプチド又はペプチド模倣体の原子(通常は骨格原子)間の平均距離の尺度である。球状タンパク質立体構造の研究においては、習慣的に、剛体の重ね合わせを最適化してから、Cα原子座標のRMSDによって3次元構造の類似性を測定している。
【0130】
具体的に選択した参照構造(以下、「PEPREF」ともいう)に対する所定のペプチド又はペプチド模倣体のRMSDは、当業者に周知の各種方法によって算出できる。だが、本開示の目的のため、及び疑義を回避するため、本開示で使用する所定のペプチド又はペプチド模倣体のRMSDは、以下の手順で正確に得られる。
【0131】
(STEP1)
以下によって、RMSDを算出するペプチド又はペプチド模倣体の3次元モデルを作成する(すなわち、その3D構造座標を得る)。
【0132】
(STEP1.1)
以下の手順に従い、BLASTアルゴリズムを用いて、RMSDを算出するペプチド又はペプチド模倣体の配列とのアラインメントに基づいてポリペプチド3D構造座標セットを得る。
【0133】
1.以下のリンクを開いて「Standard Protein Blast」ツールにアクセスする。
http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi?PROGRAM=blastp&PAGE_TYPE=BlastSearch&LINK_LOC=blasthome
2.対象となるペプチド又はペプチド模倣体のアミノ酸配列を「Enter Query配列」セクションに入力する。各配列のアラインメントを順次実行する(多重アラインメントツールではない)。
3.「Choose Search Set」セクションは、Protein Data Bank Proteins(pdb)データベースを選択する。
4.「Choose Search Set」セクションでは、「Models(XM/XP)」を除外せず、「Uncultured/environmental sample sequences」を除外しない。
5.「Program Selection」セクションでは、blastp(Protein-Protein BLAST)アルゴリズムを選択する。
6.他の領域は、
図20のスクリーンショットに示したようにしておく。
7.BLASTを実行する。
8.クエリで得られた結果が、複数のPDBファイルの形式で示される。
9.この出力結果から、最も良好な配列アラインメントに相当する最初の10個のPDBファイルが保持される。この10個で1セットのPDBファイル又は構造を次工程(工程2:STAMPとの構造アラインメント)で使用する。
10.最後に、例えば別の小分子、受容体又はその一部、二量体又はその一部等をすべて除去して10個のPDBファイルに含まれる10個の構造をクリーンアップして、対象のポリペプチド鎖のみを保持する。
【0134】
一連のPDFファイルには、RMSDを算出するペプチド又はペプチド模倣体との配列相同性が最も高い10個の構造のポリペプチド3D構造座標が含まれる。
【0135】
(STEP1.2)
以下の手順に従い、STAMP(Structural Alignment of Multiple Proteins Version 4.2)を用いて、STEP1.1で得られた3D構造座標セットの構造アラインメントを実施することで、アラインメント済みポリペプチド3D構造座標セットを得る。
【0136】
1.以下のリンクを開いて「STAMP superposition」ツールにアクセスする。
http://www.russelllab.org/cgi-bin/pdc/stamp.pl
2.「Structure A」というセクションにおいて、STEP1.1で得られた10個で1セットの3次元構造座標のうち、BLASTによる最良の配列アラインメントに相当する第一の構造に対応するPDBファイルを入力する。
3.「Structure B」というセクションにおいて、STEP1.1で得られた10個で1セットの3次元構造座標のうち、BLASTによる2番目に良い配列アラインメントに相当する第二の構造に対応するPDBファイルを入力する。
4.STAMPを実行する。
5.STEP1.1で同定された10個で1セットの3D構造座標の他の8個のPDBファイルについて、「Structure B」領域にPDBファイルを順次入力して、工程2~4を繰り返す。
6.その結果、STEP1.1で得られた一連のPDBファイルに含まれる10個の構造の構造アラインメントが、アラインメント済みポリペプチド3次元構造ペア(構造1と構造2、構造1と構造3、構造1と構造4、…、構造1と構造10)をそれぞれ含む9個の異なるPDBファイルとして得られる。
7.これら9個の「ペア」PDBファイルから、構造1~10のうち1個をそれぞれ含む10個のPDBファイルが作成される。
8.こうして、STEP1.2によって、アラインメント済み3D構造座標を含む10個のPDBファイルが得られ、次の工程で使用する。
【0137】
(STEP1.3)
以下の手順に従い、SCWRL(参照:「SCWRL and MolIDE:computer programs for side-chain conformation prediction and homology modeling」,Nature Protocols VOL.3 NO.12 2008,Qiang Wang et al.、参照によりその全体が本願に組み込まれる。)を用いて、STEP1.2で得られたアラインメント済みポリペプチド3D構造座標セットに対して、RMSDを算出するペプチド又はペプチド模倣体の配列をモデリングして、RMSDを算出するペプチド又はペプチド模倣体の3D構造座標セットを得る。
【0138】
1.RMSDを算出するペプチド又はペプチド模倣体のインプット配列をFasta形式で挿入する。
2.STEP1.2で得られたアラインメント済みポリペプチド3D構造座標を含む第一のPDBファイルをインポートする。
3.「scwrl_path/scwrl3 -i inputpdbfile -o outputpdbfile -s sequencefile 4 logfile」というコマンドをUnixベースシステムにタイプしてSCWRLを実行する。
4.その結果、RMSDを算出するペプチド又はペプチド模倣体の予測3D構造座標を含む第一のPBDファイルが得られる。
5.STEP1.2で得られた残り9個のPDBファイルを用いて、工程1~3を繰り返す。
6.STEP1.3によって、10個のPDBファイルが得られ、次のSTEP1.4で使用する。
【0139】
(STEP1.4)
以下の手順に従い、GROMACS(参照:Hess B,Kutzner C,Van Der Spoel D,Lindahl E(2008).「GROMACS 4:Algorithms for Highly Efficient,Load-Balanced,and Scalable Molecular Simulation」,J Chem Theory Comput 4(2):435、参照によりその全体が本願に組み込まれる。)を用いて、STEP1.3で得られたRMSDを算出するペプチド又はペプチド模倣体の3D構造座標セットの自由エネルギー(ΔG)を最小化する。
【0140】
1.「pdb2gmx -f NOMDUFICHIERPDB.pdb -water spc」というコマンドを用いて、STEP1.3で得られたRMSDを算出するペプチド又はペプチド模倣体モデルの第一のPDBファイルからGromacs topology(gmx)ファイルを作成する。「NOMDUFICHIERPDB」は入力PDBファイルの名称である。
2.「editconf -f conf.gro -bt cubic d 0.7 o box.gro」というコマンドを用いて、インポートしたペプチド又はペプチド模倣体モデルの周囲にボックスを作成する。
3.「genbox -cp box.gro -cs spc216.gro -p topol.top - o solvated.gro」というコマンドを用いて、ボックス内に溶媒(水)分子を加える。
4.「vim em.mdp」コマンドで実行される分子動態(MD)の入力値を準備する。デフォルト実行は1000nstepsに設定される。
5.「grompp -f em.mdp -p topol.top -c solvated.gro -o em.tpr」というコマンドを用いて、MD実行の入力値を作成する。
6.「mdrun -v -deffnm em」コマンドを実行して、実際のエネルギー最小化を実施する。
7.「g energy -f em.edr -s em.tpr -o em.xvg」というコマンドを実行した後、オプション「7」を実行する。
8.その結果、第一のXMGファイルが得られる。XMGファイルを見るには、「xmgrace em.xvg」コマンドを実行する。
9.STEP1.3で得られた残り9個の構造について工程1~8を繰り返す。こうして、10個のXMGファイルが得られる。
10.各XMGファイルから、PDBファイル形式で最低エネルギーの構造が得られる。こうして、STEP1.4によって、最低エネルギーの構造をそれぞれ1個含む10個のPDBファイルが得られ、次の工程で使用する。
【0141】
(STEP2)
以下の手順に従い、FATCAT(Flexible structure AlignmenT by Chaining Aligned fragment pairs allowing Twists)を用いて、STEP1.4で得られたペプチド又はペプチド模倣体の3D構造座標とPEPREFの3D構造座標とを比較することにより、RMSDを算出するペプチド又はペプチド模倣体のRMSDを算出し、考えられる最も低いRMSDを得る。
【0142】
1.以下のリンクを開いて「FATCAT」ソフトウェアにアクセスする。
http://fatcat.burnham.org
2.「pairwise alignment」ツールを開く。
3.「Get the 1st structure」セクションにおいてPEPREFの構造座標を含むPDBファイルをインポートする。
4.STEP1.4で得られた最小エネルギーを有するRMSDを算出するペプチド又はペプチド模倣体の第一のPDBファイルをインポートする。
5.FATCATを実行する。
6.その結果、STEP1.4で得られたRMSDを算出するペプチド又はペプチド模倣体の第一の構造の第一のRMSDが出力レポートで得られる。
7.STEP1.4で得られた残り9個の構造(PDBファイル)について工程1~5を繰り返す。
8.(順次得られた10個のRMSDのうち)最小のRMSDを有するペプチド又はペプチド模倣体の構造が、細胞分化能及び組織再生能を有するペプチド又はペプチド模倣体を選択するために本出願で考慮される値である。
【0143】
PEPREFの3D構造座標
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、PEPREFの3D構造座標は以下の通りである。
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
構造座標
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「構造座標」という用語は、結晶型のタンパク質、タンパク質複合体、又はペプチドの原子(散乱中心)によるX線単色ビームの回折において得られたパターンに関する数式に由来するデカルト座標を意味する。回折データは、結晶の繰り返し単位の電子密度マップを算出するのに使用される。その後、電子密度マップを用いて、分子又は分子複合体の個々の原子の位置を確定する。
【0148】
STAMP
STAMP(Structural Alignment of Multiple Proteins)は、3次元構造に基づいてタンパク質配列をアラインメントするツールである。そのアルゴリズムは、剛体の回転及び平行移動を包括的に最適化することで、各分子のアラインメントされた残基間の距離Cαを最小化する。このプログラムによって、選択したモデル間の残基の同等性に関する情報がいくらか得られる。
【0149】
SCWRL
このプログラムは、タンパク質の側鎖立体構造を予測及び最適化する。支持タンパク質の骨格及び骨格依存性回転異性体ライブラリを使用することである。側鎖間、及び側鎖と骨格の間の立体障害を最小化することで、考えられる立体構造を調査する。
【0150】
GROMACS
GROMACSは分子動態パッケージである。GROMACSに含まれる「gmx rms」ツールは、平均二乗偏差(RMSD)をコンピュータで算出することで、2つの構造を比較する。
【0151】
II.成長因子受容体結合化合物
一態様において、本開示は、幹細胞の分化を誘導し、組織再生を促進できる成長因子受容体結合化合物を提供する。
【0152】
本明細書中、「成長因子受容体結合化合物」、「GFR結合化合物」、及び「GFRBC」という用語は、本明細書で定義される成長因子受容体への(結合)親和性を有する外因性又は内因性の化合物、分子、又は物質を意味しており、必要に応じて、本明細書で定義される生理活性担体との連合体又は組み合わせとすることができてもよい。
【0153】
所定の受容体に対する所定の物質の結合親和性を試験、測定及び提示する方法は数多く存在しているが、本開示の目的のため、及び疑義を回避するため、所定のGFRに対する所定のGFR結合化合物の(結合)親和度は、蛍光異方性測定法を用いて得る。この方法では、当該分野で充分に確立されている手法を用いてGFR結合化合物を蛍光標識する。得られた標識化合物が成長因子受容体へ結合すると蛍光異方性が変動し、それによって親和性結合曲線を作成し、そこからGFR結合化合物の結合親和度を求める。この手法を用いて、結合親和度を解離定数Kdとして得る。ある実施形態において、本開示に係るGFR結合化合物は、蛍光異方性で測定したKd値が1ピコモル濃度(pM)より大きい。ある実施形態において、本開示に係るGFR結合化合物は、蛍光異方性で測定したKd値が1ナノモル濃度(nM)より大きい。ある実施形態において、本開示に係るGFR結合化合物は、蛍光異方性で測定したKd値が10ナノモル濃度(nM)より大きい。ある実施形態において、本開示に係るGFR結合化合物は、蛍光異方性で測定したKd値が100ナノモル濃度(nM)より大きい。ある実施形態において、本開示に係るGFR結合化合物は、蛍光異方性で測定したKd値が1マイクロモル濃度(μM)より大きい。ある実施形態において、本開示に係るGFR結合化合物は、蛍光異方性で測定したKd値が10マイクロモル濃度(μM)より大きい。ある実施形態において、本開示に係るGFR結合化合物は、蛍光異方性で測定したKd値が100マイクロモル濃度(μM)より大きい。
【0154】
GFR結合化合物は、GFR結合化合物と生理活性担体との共有結合的又は非共有結合的集合体を形成できる機能的化学元素、官能基、又は基を含んでいれば、生理活性担体との連合体又は組み合わせとすることができるといえる。このような機能的化学元素、官能基、又は基は、生理活性担体親和性基又は生理活性担体高親和性基ともいい、チオール含有化合物、システイン含有化合物、システイン、及びGTPGP又はWWFWGペプチド断片等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0155】
成長因子受容体
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「成長因子受容体」及び「GFR」という用語は、細胞成長、増殖、治癒、及び細胞分化等を刺激できる天然物質である成長因子に結合する受容体である。本発明の実施形態を実施するために好適な成長因子受容体としては、上皮成長因子受容体(EGFR)、繊維芽細胞成長因子受容体(FGFR)、血管内皮細胞成長因子受容体(VEGFR)、神経成長因子受容体(NGFR)、インスリン受容体ファミリー、Trk受容体ファミリー、Eph受容体ファミリー、AXL受容体ファミリー、LTK受容体ファミリー、TIE受容体ファミリー、ROR受容体ファミリー、DDR受容体ファミリー、RET受容体ファミリー、KLG受容体ファミリー、RYK受容体ファミリー、MuSK受容体ファミリー、肝細胞成長因子受容体(HGFR)、ソマトメジン又はインスリン様成長因子受容体(SGFR)、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-β)スーパーファミリータンパク質(AMH、ARTN、BMP10、BMP15、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8A、BMP8B、GDF1、GDF10、GDF11、GDF15、GDF2、GDF3、GDF3A、GDF5、GDF6、GDF7、GDF8、GDF9、GDNF、INHA、INHBA、INHBB、INHBC、INHBE、LEFTY1、LEFTY2、MSTN、NODAL、NRTN、PSPN、TGFB1、TGFB2、及びTGFB3等)、並びにこれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0156】
成長因子
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「成長因子」という用語は、成長因子受容体へ結合し、該成長因子受容体を活性化して生物学的効果又は反応(組織成長の促進等)を生じさせることができる任意の物質を意味する。成長因子の例としては、血小板由来成長因子(PDGF)、血小板由来血管新生因子(PDAF)、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、血小板由来上皮成長因子(PDEGF)、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-β)、トランスフォーミング成長因子A(TGF-A)、上皮成長因子(EGF)、繊維芽細胞成長因子(FGF)、酸性繊維芽細胞成長因子(FGF-A)、塩基性繊維芽細胞成長因子(FGF-B)、インスリン様成長因子1及び2(IGF-I及びIGF-2)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、繊維芽細胞成長因子(FGF)及びインターロイキン1(IL-I)、ケラチノサイト成長因子2(KGF-2)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0157】
成長因子受容体の活性化
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「活性化する」又は「の活性化」という用語は、成長因子受容体に関して使用した場合、該成長因子受容体のチロシンキナーゼドメインのリン酸化を意味する。
【0158】
一態様において、本開示は、間葉系幹細胞及び前駆細胞をコミットさせる及び/又は分化させる及び/又は成熟させることができ、それにより組織を再生できるGFR結合化合物を提供する。
【0159】
一例示において、上記GFR結合化合物は、分子量が4,000ダルトン未満である。具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、分子量が3,000ダルトン未満である。具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、分子量が600~4,000ダルトンである。具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、分子量が800~4,000ダルトンである。具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、分子量が600~3,000ダルトンである。具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、分子量が800~3,000ダルトンである。800~3,000ダルトンが特に好ましい。
【0160】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物との相互作用に関与する成長因子受容体は、上皮成長因子受容体である。具体的な一例示において、上記GFR結合化合物との相互作用に関与する成長因子受容体は、繊維芽細胞成長因子受容体である。具体的な一例示において、上記GFR結合化合物との相互作用に関与する成長因子受容体は、血管内皮細胞成長因子受容体である。具体的な一例示において、上記GFR結合化合物との相互作用に関与する成長因子受容体は、神経成長因子受容体である。具体的な一例示において、上記GFR結合化合物との相互作用に関与する成長因子受容体は、肝細胞成長因子受容体である。具体的な一例示において、上記GFR結合化合物との相互作用に関与する成長因子受容体は、ソマトメジン又はインスリン様成長因子受容体である。具体的な一例示において、上記GFR結合化合物との相互作用に関与する成長因子受容体は、血小板由来成長因子受容体である。具体的な一例示において、上記GFR結合化合物との相互作用に関与する成長因子受容体は、トランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-β)スーパーファミリーに属するタンパク質である。
【0161】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物との相互作用に関与する成長因子受容体は、上皮成長因子受容体、繊維芽細胞成長因子受容体、血管内皮細胞成長因子受容体、神経成長因子受容体、肝細胞成長因子受容体、ソマトメジン又はインスリン様成長因子受容体、血小板由来成長因子受容体、及びトランスフォーミング成長因子ベータ(TGF-β)スーパーファミリータンパク質から選択されることが好ましい。
【0162】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、8~30個のアミノ酸、特に8~25個のアミノ酸又は8~22個のアミノ酸、より具体的には18~22、より更に具体的には19~21個又は20個のアミノ酸のみからなる(又は、で構成される)ペプチド、又はその変異体若しくは類似体である。PEPREFに対する上記GFR結合化合物の3次元(3D)原子座標のRMSDは2.45Å(オングストローム)以下、特に2Å以下、より具体的には1.79Å以下であり、PEPREFは、本明細書で既に定義した3D原子座標群である(以下、簡潔に「RMSDは2.45Å以下である」と記載する)。
【0163】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、8~30個のアミノ酸のみからなる(又は、で構成される)ペプチド、又はその変異体若しくは類似体である。PEPREFに対する上記GFR結合化合物の3次元(3D)原子座標のRMSDは2.45Å(オングストローム)以下、特に2Å以下、より具体的には1.79Å以下であり、PEPREFは、本明細書で既に定義した3D原子座標群である。
【0164】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、8~30個のアミノ酸、特に8~25個のアミノ酸又は8~22個のアミノ酸、より具体的には18~22、より更に具体的には19~21個又は20個のアミノ酸のみからなる(又は、で構成される)ペプチド、又はその変異体若しくは類似体である。PEPREFに対する上記GFR結合化合物の3次元(3D)原子座標のRMSDは2.45Å(オングストローム)以下、特に2Å以下、より具体的には1.79Å以下であり、PEPREFは、本明細書で既に定義した3D原子座標群である。
【0165】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、8~25個のアミノ酸のみからなる(又は、で構成される)ペプチド、又はその変異体若しくは類似体である。PEPREFに対する上記GFR結合化合物の3次元(3D)原子座標のRMSDは2.45Å(オングストローム)以下、特に2Å以下、より具体的には1.79Å以下であり、PEPREFは、本明細書で既に定義した3D原子座標群である。
【0166】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、8~22個のアミノ酸のみからなる(又は、で構成される)ペプチド、又はその変異体若しくは類似体である。PEPREFに対する上記GFR結合化合物の3次元(3D)原子座標のRMSDは2.45Å(オングストローム)以下、特に2Å以下、より具体的には1.79Å以下であり、PEPREFは、本明細書で既に定義した3D原子座標群である。
【0167】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、18~22個のアミノ酸のみからなる(又は、で構成される)ペプチド、又はその変異体若しくは類似体である。PEPREFに対する上記GFR結合化合物の3次元(3D)原子座標のRMSDは2.45Å(オングストローム)以下、特に2Å以下、より具体的には1.79Å以下であり、PEPREFは、本明細書で既に定義した3D原子座標群である。
【0168】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、19~21個のアミノ酸のみからなる(又は、で構成される)ペプチド、又はその変異体若しくは類似体である。PEPREFに対する上記GFR結合化合物の3次元(3D)原子座標のRMSDは2.45Å(オングストローム)以下、特に2Å以下、より具体的には1.79Å以下であり、PEPREFは、本明細書で既に定義した3D原子座標群である。
【0169】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、20個のアミノ酸のみからなる(又は、で構成される)ペプチド、又はその変異体若しくは類似体である。PEPREFに対する上記GFR結合化合物の3次元(3D)原子座標のRMSDは2.45Å(オングストローム)以下、特に2Å以下、より具体的には1.79Å以下であり、PEPREFは、本明細書で既に定義した3D原子座標群である。
【0170】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、8~18個のアミノ酸のみからなる(又は、で構成される)ペプチド、又はその変異体若しくは類似体である。PEPREFに対する上記GFR結合化合物の3次元(3D)原子座標のRMSDは2.45Å(オングストローム)以下、特に2Å以下、より具体的には1.79Å以下であり、PEPREFは、本明細書で既に定義した3D原子座標群である。
【0171】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、22~30個のアミノ酸のみからなる(又は、で構成される)ペプチド、又はその変異体若しくは類似体である。PEPREFに対する上記GFR結合化合物の3次元(3D)原子座標のRMSDは2.45Å(オングストローム)以下、特に2Å以下、より具体的には1.79Å以下であり、PEPREFは、本明細書で既に定義した3D原子座標群である。
【0172】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、8~30個のアミノ酸、特に8~25個又は8~22個のアミノ酸、より具体的には18~22個のアミノ酸、より更に具体的には19~21個又は20個のアミノ酸を(連続的又は非連続的に)有し、分子量が600~4,000ダルトン(特に800~4,000Da、600~3,000Da、より具体的には800~3,000Da)である本明細書で定義されるペプチド模倣体である。
【0173】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、成長因子受容体結合能を有し、分子量が600~4,000Da、600~3,000Da、又は800~4,000Da、特に800~3,000Daであり、RMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0174】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、成長因子受容体結合能を有し、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP1)を含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0175】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、8個のアミノ酸を有するペプチド(PEP12)を含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0176】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP1)を含み、3個のアミノ酸を有するペプチド(PEP3)を更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0177】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、8個のアミノ酸を有するペプチド(PEP12)を含み、3個のアミノ酸を有するペプチド(PEP3)を更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0178】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP1)を含み、5個のアミノ酸を有するペプチド(PEP5)を更に含み、RMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0179】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、8個のアミノ酸を有するペプチド(PEP12)を含み、5個のアミノ酸を有するペプチド(PEP5)を更に含み、RMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0180】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP1)を含み、6~12個のアミノ酸を有するペプチド(PEP9)を更に含み、RMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0181】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、8個のアミノ酸を有するペプチド(PEP12)を含み、6~12個のアミノ酸を有するペプチド(PEP9)を更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0182】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP1)を含み、3個のアミノ酸を有するペプチド(PEP3)及びアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチド(PEP7)を更に含み、RMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0183】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP12)を含み、3個のアミノ酸を有するペプチド(PEP3)及びアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチド(PEP7)を更に含み、RMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0184】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP1)を含み、5個のアミノ酸を有するペプチド(PEP5)及びアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチド(PEP7)を更に含み、RMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0185】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP12)を含み、5個のアミノ酸を有するペプチド(PEP5)及びアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチド(PEP7)を更に含み、RMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0186】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、下記一般式(I):
PEP(C)-PEP12 (I)
(式中、PEP12は、本明細書で定義される、PEP1-AA17-PEP11で表される8個のアミノ酸を有するペプチドである。PEP(C)の一端は、PEP1の一端を介してPEP12と共有結合的に相互作用する。PEP(C)は少なくとも5個のアミノ酸を有するペプチドであり、特に5~12個のアミノ酸を有するペプチドである。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。(以下、化合物(I)又はペプチド(I)ともいう)。
【0187】
一態様において、本開示は、一般式(I)(式中、PEP(C)はPEP3を含む。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下であるGFR化合物を提供する。
【0188】
一態様において、本開示は、一般式(I)(式中、PEP(C)はPEP5を含む。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下であるGFR化合物を提供する。具体的な一例示において、PEP(C)はPEP5である。
【0189】
一態様において、本開示は、一般式(I)(式中、PEP(C)はPEP9を含む。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下であるGFR化合物を提供する。具体的な一例示において、PEP(C)はPEP9である。
【0190】
一態様において、本開示は、一般式(I)(式中、PEP(C)はPEP3及びPEP7含む。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下であるGFR化合物を提供する。
【0191】
一態様において、本開示は、一般式(I)(式中、PEP(C)はPEP5及びPEP7を含む。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下であるGFR化合物を提供する。
【0192】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、下記一般式(II):
PEP7-PEP5-PEP12 (II)
(式中、PEP12は、本明細書で定義される、PEP1-AA17-PEP11で表される8個のアミノ酸を有するペプチドである。PEP5は、本明細書で定義される5個のアミノ酸を有するペプチドである。PEP7は、本明細書で定義される、アミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。PEP5の一端は、PEP1の一端を介してPEP12の一端と共有結合的に相互作用する。PEP5の別の一端は、AA7を介してPEP7の一端と共有結合的に相互作用する。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。(以下、化合物(II)又はペプチド(II)ともいう)。
【0193】
ある実施形態において、PEP1は、SAIS、SSLS、NAIS、SATS、SPIS、EPIS、SPIN、KPLS、EPLP、EPLT、SNIT、RSVK、及びRPVQからなる群より選択される。
【0194】
ある実施形態において、PEP3は、VPT、VPE、APT、TPT、VPA、APV、VPQ、VSQ、SRV、及びTQVからなる群より選択される。
【0195】
ある実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、VPE、APT、TPT、VPA、APV、VPQ、VSQ、SRV、及びTQVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTEL、VPEKM、APTKL、APTQL、VPTKL、TPTKM、VPARL、VPTRL、APVKT、VPQAL、VSQDL、VPQDL、VPTEE、VPTGQ、SRVHH、及びTQVQLからなる群より選択される。
【0196】
ある実施形態において、PEP7は、アミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドであり、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択される。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択される。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表される。具体的な一例示において、PEP7は、KIPKAXX、GIPEPXX、SIPKAXX、HVTKPTX、YVPKPXX、TVPKPXX、AVPKAXX、KVGKAXX、KASKAXX、GSAGPXX、AAPASXX、STPPTXX、HVPKPXX、RVPSTXX、ASAAPXX、ASASPXX、NDEGLEX、SSVKXQP、及びRNVQXRP(本明細書を通じて、式中のXはC又はSである)からなる群より選択される。
【0197】
ある実施形態において、PEP9は、一般式PEP7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、VPE、APT、TPT、VPA、APV、VPQ、VSQ、SRV、及びTQVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。PEP7は、アミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドであり、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択される。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択される。)で表される。}のペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、KIPKAXXVPTEL、GIPEPXXVPEKM、SIPKAXXVPTEL、HVTKPTXAPTKL、YVPKPXXAPTKL、TVPKPXXAPTQL、AVPKAXXAPTKL、KVGKAXXVPTKL、KASKAXXVPTKL、GSAGPXXTPTKM、AAPASXXVPARL、STPPTXXVPTRL、HVPKPXXAPTKL、RVPSTXXAPVKT、ASAAPXXVPQAL、ASASPXXVSQDL、ASASPXXVPQDL、NDEGLEXVPTEE、NDEGLEXVPTGQ、SSVKXQPSRVHH、及びRNVQXRPTQVQL(本明細書を通じて、式中のXはC又はSである。)からなる群より選択される。
【0198】
ある実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。PEP1は、SAIS、SSLS、NAIS、SATS、SPIS、EPIS、SPIN、KPLS、EPLP、EPLT、SNIT、RSVK、及びRPVQからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。
【0199】
ある実施形態において、PEP3:PEP1ペアは、VPT:SAIS、VPE:SAIS、APT:SAIS、TPT:SAIS、VPA:SAIS、APV:SAIS、VPQ:SAIS、VSQ:SAIS、SRV:SAIS、TQV:SAIS、VPE:SSLS、VPT:SSLS、APT:SSLS、TPT:SSLS、VPA:SSLS、APV:SSLS、VPQ:SSLS、VSQ:SSLS、SRV:SSLS、TQV:SSLS、APT:NAIS、VPT:NAIS、VPE:NAIS、TPT:NAIS、VPA:NAIS、APV:NAIS、VPQ:NAIS、VSQ:NAIS、SRV:NAIS、TQV:NAIS、APT:SATS、VPT:SATS、VPE:SATS、TPT:SATS、VPA:SATS、APV:SATS、VPQ:SATS、VSQ:SATS、SRV:SATS、TQV:SATS、VPT:SPIS、VPE:SPIS、APT:SPIS、TPT:SPIS、VPA:SPIS、APV:SPIS、VPQ:SPIS、VSQ:SPIS、SRV:SPIS、TQV:SPIS、VPT:EPIS、VPE:EPIS、APT:EPIS、TPT:EPIS、VPA:EPIS、APV:EPIS、VPQ:EPIS、VSQ:EPIS、SRV:EPIS、TQV:EPIS、TPT:SPIN、VPT:SPIN、VPE:SPIN、APT:SPIN、VPA:SPIN、APV:SPIN、VPQ:SPIN、VSQ:SPIN、SRV:SPIN、TQV:SPIN、APV:KPLS、VPT:KPLS、VPE:KPLS、APT:KPLS、TPT:KPLS、VPA:KPLS、VPQ:KPLS、VSQ:KPLS、SRV:KPLS、TQV:KPLS、VPQ:EPLP、VPT:EPLP、VPE:EPLP、APT:EPLP、TPT:EPLP、VPA:EPLP、APV:EPLP、VSQ:EPLP、SRV:EPLP、TQV:EPLP、VSQ:EPLT、VPT:EPLT、VPE:EPLT、APT:EPLT、TPT:EPLT、VPA:EPLT、APV:EPLT、VPQ:EPLT、SRV:EPLT、TQV:EPLT、VPT:SNIT、VPE:SNIT、APT:SNIT、TPT:SNIT、VPA:SNIT、APV:SNIT、VPQ:SNIT、VSQ:SNIT、SRV:SNIT、TQV:SNIT、SRV:RSVK、VPT:RSVK、VPE:RSVK、APT:RSVK、TPT:RSVK、VPA:RSVK、APV:RSVK、VPQ:RSVK、VSQ:RSVK、TQV:RSVK、TQV:RPVQ、VPT:RPVQ、VPE:RPVQ、APT:RPVQ、TPT:RPVQ、VPA:RPVQ、APV:RPVQ、VPQ:RPVQ、VSQ:RPVQ、及びSRV:RPVQからなる群より選択される。
【0200】
ある実施形態において、PEP5:PEP1ペアは、VPTKM:SAIS、VPTKL:SAIS、VPTQL:SAIS、VPTRL:SAIS、VPTKT:SAIS、VPTAL:SAIS、VPTDL:SAIS、VPEKM:SAIS、APTKL:SAIS、APTQL:SAIS、TPTKM:SAIS、VPARL:SAIS、APVKT:SAIS、VPQAL:SAIS、VSQDL:SAIS、VPQDL:SAIS、SRVHH:SAIS、TQVQL:SAIS、VPEEL:SSLS、VPEKL:SSLS、VPEQL:SSLS、VPEKM:SSLS、VPERL:SSLS、VPEKT:SSLS、VPEAL:SSLS、VPEDL:SSLS、VPTEL:SSLS、APTKL:SSLS、APTQL:SSLS、VPTKL:SSLS、TPTKM:SSLS、VPARL:SSLS、VPTRLSSLS、APVKT:SSLS、VPQAL:SSLS、VSQDL:SSLS、VPQDL:SSLS、VPTEE:SSLS、VPTGQSSLS、SRVHH:SSLS、TQVQL:SSLS、APTEL:NAIS、APTKM:NAIS、APTKL:NAIS、APTRL:NAIS、APTKT:NAIS、APTAL:NAIS、APTDL:NAIS、VPTEL:NAIS、VPEKM:NAIS、VPTKL:NAIS、TPTKM:NAIS、VPARL:NAIS、VPTRL:NAIS、APVKT:NAIS、VPQAL:NAIS、VSQDL:NAIS、VPQDL:NAIS、VPTEE:NAIS、VPTGQ:NAIS、SRVHH:NAIS、TQVQL:NAIS、APTEL:SATS、APTKM:SATS、APTKL:SATS、APTQL:SATS、APTRL:SATS、APTKT:SATS、APTAL:SATS、APTDL:SATS、VPTEL:SATS、VPEKM:SATS、VPTKL:SATS、TPTKM:SATS、VPARL:SATS、VPTRL:SATS、APVKT:SATS、VPQAL:SATS、VSQDL:SATS、VPQDL:SATS、VPTEE:SATS、VPTGQ:SATS、SRVHH:SATS、TQVQL:SATS、VPTEL:SPIS、VPTKM:SPIS、VPTKL:SPIS、VPTQL:SPIS、VPTRL:SPIS、VPTKT:SPIS、VPTAL:SPIS、VPTDL:SPIS、VPEKM:SPIS、APTKL:SPIS、APTQL:SPIS、TPTKM:SPIS、VPARL:SPIS、APVKT:SPIS、VPQAL:SPIS、VSQDL:SPIS、VPQDL:SPIS、SRVHH:SPIS、TQVQL:SPIS、VPTEL:EPIS、VPTKM:EPIS、VPTKL:EPIS、VPTQL:EPIS、VPTRL:EPIS、VPTKT:EPIS、VPTAL:EPIS、VPTDL:EPIS、VPEKM:EPIS、APTKL:EPIS、APTQL:EPIS、TPTKM:EPIS、VPARL:EPIS、APVKT:EPIS、VPQAL:EPIS、VSQDL:EPIS、VPQDL:EPIS、SRVHH:EPIS、TQVQL:EPIS、TPTEL:SPIN、TPTKM:SPIN、TPTKL:SPIN、TPTQL:SPIN、TPTRL:SPIN、TPTKT:SPIN、TPTAL:SPIN、TPTDL:SPIN、VPTEL:SPIN、VPEKM:SPIN、APTKL:SPIN、APTQL:SPIN、VPTKL:SPIN、VPARL:SPIN、VPTRL:SPIN、APVKT:SPIN、VPQAL:SPIN、VSQDL:SPIN、VPQDL:SPIN、VPTEE:SPIN、VPTGQ:SPIN、SRVHH:SPIN、TQVQL:SPIN、VPAEL:SPIS、VPAKM:SPIS、VPAKL:SPIS、VPAQL:SPIS、VPAKT:SPIS、VPAAL:SPIS、VPADL:SPIS、VPTEE:SPIS、VPTGQ:SPIS、APVEL:KPLS、APVKM:KPLS、APVKL:KPLS、APVQL:KPLS、APVRL:KPLS、APVAL:KPLS、APVDL:KPLS、VPTEL:KPLS、VPEKM:KPLS、APTKL:KPLS、APTQL:KPLS、VPTKL:KPLS、TPTKM:KPLS、VPARL:KPLS、VPTRL:KPLS、VPQAL:KPLS、VSQDL:KPLS、VPQDL:KPLS、VPTEE:KPLS、VPTGQ:KPLS、SRVHH:KPLS、TQVQL:KPLS、VPQEL:EPLP、VPQKM:EPLP、VPQKL:EPLP、VPQQL:EPLP、VPQRL:EPLP、VPQKT:EPLP、VPQDL:EPLP、VPTEL:EPLP、VPEKM:EPLP、APTKL:EPLP、APTQL:EPLP、VPTKL:EPLP、TPTKM:EPLP、VPARL:EPLP、VPTRL:EPLP、APVKT:EPLP、VSQDL:EPLP、VPTEE:EPLP、VPTGQ:EPLP、SRVHH:EPLP、TQVQL:EPLP、VSQEL:EPLT、VSQKM:EPLT、VSQKL:EPLT、VSQQL:EPLT、VSQRL:EPLT、VSQKT:EPLT、VSQAL:EPLT、VSQDL:EPLT、VPTEL:EPLT、VPEKM:EPLT、APTKL:EPLT、APTQL:EPLT、VPTKL:EPLT、TPTKM:EPLT、VPARL:EPLT、VPTRL:EPLT、APVKT:EPLT、VPQAL:EPLT、VPTEE:EPLT、VPTGQ:EPLT、SRVHH:EPLT、TQVQL:EPLT、VPQEL:EPLT、VPQKM:EPLT、VPQKL:EPLT、VPQQL:EPLT、VPQRL:EPLT、VPQKT:EPLT、VPQDL:EPLT、VPTGQ:SNIT、VPEKM:SNIT、APTKL:SNIT、APTQL:SNIT、TPTKM:SNIT、VPARL:SNIT、APVKT:SNIT、VPQAL:SNIT、VSQDL:SNIT、VPQDL:SNIT、SRVHH:SNIT、TQVQL:SNIT、SRVQL:RSVK、VPTEL:RSVK、VPEKM:RSVK、APTKL:RSVK、APTQL:RSVK、VPTKL:RSVK、TPTKM:RSVK、VPARL:RSVK、VPTRL:RSVK、APVKT:RSVK、VPQAL:RSVK、VSQDL:RSVK、VPQDL:RSVK、VPTEE:RSVK、VPTGQ:RSVK、TQVQL:RSVK、TQVHH:RPVQ、VPTEL:RPVQ、VPEKM:RPVQ、APTKL:RPVQ、APTQL:RPVQ、VPTKL:RPVQ、TPTKM:RPVQ、VPARL:RPVQ、VPTRL:RPVQ、APVKT:RPVQ、VPQAL:RPVQ、VSQDL:RPVQ、VPQDL:RPVQ、VPTEE:RPVQ、VPTGQ:RPVQ、及びSRVHH:RPVQからなる群より選択される。
【0201】
ある実施形態において、PEP7:PEP1ペアは、GIPEPXX:SAIS、HVTKPTX:SAIS、YVPKPXX:SAIS、TVPKPXX:SAIS、AVPKAXX:SAIS、KVGKAXX:SAIS、KASKAXX:SAIS、GSAGPXX:SAIS、AAPASXX:SAIS、STPPTXX:SAIS、HVPKPXX:SAIS、RVPSTXX:SAIS、ASAAPXX:SAIS、ASASPXX:SAIS、SSVKXQP:SAIS、RNVQXRP:SAIS、KIPKAXX:SSLS、SIPKAXX:SSLS、HVTKPTX:SSLS、YVPKPXX:SSLS、TVPKPXX:SSLS、AVPKAXX:SSLS、KVGKAXX:SSLS、KASKAXX:SSLS、GSAGPXX:SSLS、AAPASXX:SSLS、STPPTXX:SSLS、HVPKPXX:SSLS、RVPSTXX:SSLS、ASAAPXX:SSLS、ASASPXX:SSLS、NDEGLEX:SSLS、SSVKXQP:SSLS、RNVQXRP:SSLS、KIPKAXX:NAIS、GIPEPXX:NAIS、SIPKAXX:NAIS、AVPKAXX:NAIS、KVGKAXX:NAIS、KASKAXX:NAIS、GSAGPXX:NAIS、AAPASXX:NAIS、STPPTXX:NAIS、RVPSTXX:NAIS、ASAAPXX:NAIS、ASASPXX:NAIS、NDEGLEX:NAIS、SSVKXQP:NAIS、RNVQXRP:NAIS、KIPKAXX:SATS、GIPEPXX:SATS、SIPKAXX:SATS、HVTKPTX:SATS、YVPKPXX:SATS、TVPKPXX:SATS、KVGKAXX:SATS、KASKAXX:SATS、GSAGPXX:SATS、AAPASXX:SATS、STPPTXX:SATS、HVPKPXX:SATS、RVPSTXX:SATS、ASAAPXX:SATS、ASASPXX:SATS、NDEGLEX:SATS、SSVKXQP:SATS、RNVQXRP:SATS、KIPKAXX:SPIS、GIPEPXX:SPIS、SIPKAXX:SPIS、HVTKPTX:SPIS、YVPKPXX:SPIS、TVPKPXX:SPIS、AVPKAXX:SPIS、KASKAXX:SPIS、GSAGPXX:SPIS、AAPASXX:SPIS、STPPTXX:SPIS、HVPKPXX:SPIS、RVPSTXX:SPIS、ASAAPXX:SPIS、ASASPXX:SPIS、SSVKXQP:SPIS、RNVQXRP:SPIS、KIPKAXX:EPIS、GIPEPXX:EPIS、SIPKAXX:EPIS、HVTKPTX:EPIS、YVPKPXX:EPIS、TVPKPXX:EPIS、AVPKAXX:EPIS、KVGKAXX:EPIS、GSAGPXX:EPIS、AAPASXX:EPIS、STPPTXX:EPIS、HVPKPXX:EPIS、RVPSTXX:EPIS、ASAAPXX:EPIS、ASASPXX:EPIS、SSVKXQP:EPIS、RNVQXRP:EPIS、KIPKAXX:SPIN、GIPEPXX:SPIN、SIPKAXX:SPIN、HVTKPTX:SPIN、YVPKPXX:SPIN、TVPKPXX:SPIN、AVPKAXX:SPIN、KVGKAXX:SPIN、KASKAXX:SPIN、AAPASXX:SPIN、STPPTXX:SPIN、HVPKPXX:SPIN、RVPSTXX:SPIN、ASAAPXX:SPIN、ASASPXX:SPIN、NDEGLEX:SPIN、SSVKXQP:SPIN、RNVQXRP:SPIN、KVGKAXX:SPIS、NDEGLEX:SPIS、KIPKAXX:KPLS、GIPEPXX:KPLS、SIPKAXX:KPLS、HVTKPTX:KPLS、YVPKPXX:KPLS、TVPKPXX:KPLS、AVPKAXX:KPLS、KVGKAXX:KPLS、KASKAXX:KPLS、GSAGPXX:KPLS、AAPASXX:KPLS、STPPTXX:KPLS、HVPKPXX:KPLS、ASAAPXX:KPLS、ASASPXX:KPLS、NDEGLEX:KPLS、SSVKXQP:KPLS、RNVQXRP:KPLS、KIPKAXX:EPLP、GIPEPXX:EPLP、SIPKAXX:EPLP、HVTKPTX:EPLP、YVPKPXX:EPLP、TVPKPXX:EPLP、AVPKAXX:EPLP、KVGKAXX:EPLP、KASKAXX:EPLP、GSAGPXX:EPLP、AAPASXX:EPLP、STPPTXX:EPLP、HVPKPXX:EPLP、RVPSTXX:EPLP、ASASPXX:EPLP、NDEGLEX:EPLP、SSVKXQP:EPLP、RNVQXRP:EPLP、KIPKAXX:EPLT、GIPEPXX:EPLT、SIPKAXX:EPLT、HVTKPTX:EPLT、YVPKPXX:EPLT、TVPKPXX:EPLT、AVPKAXX:EPLT、KVGKAXX:EPLT、KASKAXX:EPLT、GSAGPXX:EPLT、AAPASXX:EPLT、STPPTXX:EPLT、HVPKPXX:EPLT、RVPSTXX:EPLT、ASAAPXX:EPLT、ASASPXX:EPLT、NDEGLEX:EPLT、SSVKXQP:EPLT、RNVQXRP:EPLT、NDEGLEX:SNIT、GIPEPXX:SNIT、HVTKPTX:SNIT、YVPKPXX:SNIT、TVPKPXX:SNIT、AVPKAXX:SNIT、GSAGPXX:SNIT、AAPASXX:SNIT、HVPKPXX:SNIT、RVPSTXX:SNIT、ASAAPXX:SNIT、ASASPXX:SNIT、SSVKXQP:SNIT、RNVQXRP:SNIT、RNVQXRP:RSVK、KIPKAXX:RSVK、GIPEPXX:RSVK、SIPKAXX:RSVK、HVTKPTX:RSVK、YVPKPXX:RSVK、TVPKPXX:RSVK、AVPKAXX:RSVK、KVGKAXX:RSVK、KASKAXX:RSVK、GSAGPXX:RSVK、AAPASXX:RSVK、STPPTXX:RSVK、HVPKPXX:RSVK、RVPSTXX:RSVK、ASAAPXX:RSVK、ASASPXX:RSVK、NDEGLEX:RSVK、SSVKXQP:RPVQ、KIPKAXX:RPVQ、GIPEPXX:RPVQ、SIPKAXX:RPVQ、HVTKPTX:RPVQ、YVPKPXX:RPVQ、TVPKPXX:RPVQ、AVPKAXX:RPVQ、KVGKAXX:RPVQ、KASKAXX:RPVQ、GSAGPXX:RPVQ、AAPASXX:RPVQ、STPPTXX:RPVQ、HVPKPXX:RPVQ、RVPSTXX:RPVQ、ASAAPXX:RPVQ、ASASPXX:RPVQ、及びNDEGLEX:RPVQからなる群より選択される。
【0202】
ある実施形態において、ある実施形態において、PEP9:PEP1ペアは、GIPEPXXVPTKM:SAIS、HVTKPTXVPTKL:SAIS、YVPKPXXVPTKL:SAIS、TVPKPXXVPTQL:SAIS、AVPKAXXVPTKL:SAIS、KVGKAXXVPTKL:SAIS、KASKAXXVPTKL:SAIS、GSAGPXXVPTKM:SAIS、AAPASXXVPTRL:SAIS、STPPTXXVPTRL:SAIS、HVPKPXXVPTKL:SAIS、RVPSTXXVPTKT:SAIS、ASAAPXXVPTAL:SAIS、ASASPXXVPTDL:SAIS、GIPEPXXVPEKM:SAIS、HVTKPTXAPTKL:SAIS、YVPKPXXAPTKL:SAIS、TVPKPXXAPTQL:SAIS、AVPKAXXAPTKL:SAIS、GSAGPXXTPTKM:SAIS、AAPASXXVPARL:SAIS、HVPKPXXAPTKL:SAIS、RVPSTXXAPVKT:SAIS、ASAAPXXVPQAL:SAIS、ASASPXXVSQDL:SAIS、ASASPXXVPQDL:SAIS、SSVKXQPSRVHH:SAIS、RNVQXRPTQVQL:SAIS、KIPKAXXVPEEL:SSLS、SIPKAXXVPEEL:SSLS、HVTKPTXVPEKL:SSLS、YVPKPXXVPEKL:SSLS、TVPKPXXVPEQL:SSLS、AVPKAXXVPEKL:SSLS、KVGKAXXVPEKL:SSLS、KASKAXXVPEKL:SSLS、GSAGPXXVPEKM:SSLS、AAPASXXVPERL:SSLS、STPPTXXVPERL:SSLS、HVPKPXXVPEKL:SSLS、RVPSTXXVPEKT:SSLS、ASAAPXXVPEAL:SSLS、ASASPXXVPEDL:SSLS、KIPKAXXVPTEL:SSLS、SIPKAXXVPTEL:SSLS、HVTKPTXAPTKL:SSLS、YVPKPXXAPTKL:SSLS、TVPKPXXAPTQL:SSLS、AVPKAXXAPTKL:SSLS、KVGKAXXVPTKL:SSLS、KASKAXXVPTKL:SSLS、GSAGPXXTPTKM:SSLS、AAPASXXVPARL:SSLS、STPPTXXVPTRL:SSLS、HVPKPXXAPTKL:SSLS、RVPSTXXAPVKT:SSLS、ASAAPXXVPQAL:SSLS、ASASPXXVSQDL:SSLS、ASASPXXVPQDL:SSLS、NDEGLEXVPTEE:SSLS、NDEGLEXVPTGQ:SSLS、SSVKXQPSRVHH:SSLS、RNVQXRPTQVQL:SSLS、KIPKAXXAPTEL:NAIS、GIPEPXXAPTKM:NAIS、SIPKAXXAPTEL:NAIS、AVPKAXXAPTKL:NAIS、KVGKAXXAPTKL:NAIS、KASKAXXAPTKL:NAIS、GSAGPXXAPTKM:NAIS、AAPASXXAPTRL:NAIS、STPPTXXAPTRL:NAIS、RVPSTXXAPTKT:NAIS、ASAAPXXAPTAL:NAIS、ASASPXXAPTDL:NAIS、KIPKAXXVPTEL:NAIS、GIPEPXXVPEKM:NAIS、SIPKAXXVPTEL:NAIS、KVGKAXXVPTKL:NAIS、KASKAXXVPTKL:NAIS、GSAGPXXTPTKM:NAIS、AAPASXXVPARL:NAIS、STPPTXXVPTRL:NAIS、RVPSTXXAPVKT:NAIS、ASAAPXXVPQAL:NAIS、ASASPXXVSQDL:NAIS、ASASPXXVPQDL:NAIS、NDEGLEXVPTEE:NAIS、NDEGLEXVPTGQ:NAIS、SSVKXQPSRVHH:NAIS、RNVQXRPTQVQL:NAIS、KIPKAXXAPTEL:SATS、GIPEPXXAPTKM:SATS、SIPKAXXAPTEL:SATS、HVTKPTXAPTKL:SATS、YVPKPXXAPTKL:SATS、TVPKPXXAPTQL:SATS、KVGKAXXAPTKL:SATS、KASKAXXAPTKL:SATS、GSAGPXXAPTKM:SATS、AAPASXXAPTRL:SATS、STPPTXXAPTRL:SATS、HVPKPXXAPTKL:SATS、RVPSTXXAPTKT:SATS、ASAAPXXAPTAL:SATS、ASASPXXAPTDL:SATS、KIPKAXXVPTEL:SATS、GIPEPXXVPEKM:SATS、SIPKAXXVPTEL:SATS、KVGKAXXVPTKL:SATS、KASKAXXVPTKL:SATS、GSAGPXXTPTKM:SATS、AAPASXXVPARL:SATS、STPPTXXVPTRL:SATS、RVPSTXXAPVKT:SATS、ASAAPXXVPQAL:SATS、ASASPXXVSQDL:SATS、ASASPXXVPQDL:SATS、NDEGLEXVPTEE:SATS、NDEGLEXVPTGQ:SATS、SSVKXQPSRVHH:SATS、RNVQXRPTQVQL:SATS、KIPKAXXVPTEL:SPIS、GIPEPXXVPTKM:SPIS、SIPKAXXVPTEL:SPIS、HVTKPTXVPTKL:SPIS、YVPKPXXVPTKL:SPIS、TVPKPXXVPTQL:SPIS、AVPKAXXVPTKL:SPIS、KASKAXXVPTKL:SPIS、GSAGPXXVPTKM:SPIS、AAPASXXVPTRL:SPIS、STPPTXXVPTRL:SPIS、HVPKPXXVPTKL:SPIS、RVPSTXXVPTKT:SPIS、ASAAPXXVPTAL:SPIS、ASASPXXVPTDL:SPIS、GIPEPXXVPEKM:SPIS、HVTKPTXAPTKL:SPIS、YVPKPXXAPTKL:SPIS、TVPKPXXAPTQL:SPIS、AVPKAXXAPTKL:SPIS、GSAGPXXTPTKM:SPIS、AAPASXXVPARL:SPIS、HVPKPXXAPTKL:SPIS、RVPSTXXAPVKT:SPIS、ASAAPXXVPQAL:SPIS、ASASPXXVSQDL:SPIS、ASASPXXVPQDL:SPIS、SSVKXQPSRVHH:SPIS、RNVQXRPTQVQL:SPIS、KIPKAXXVPTEL:EPIS、GIPEPXXVPTKM:EPIS、SIPKAXXVPTEL:EPIS、HVTKPTXVPTKL:EPIS、YVPKPXXVPTKL:EPIS、TVPKPXXVPTQL:EPIS、AVPKAXXVPTKL:EPIS、KVGKAXXVPTKL:EPIS、GSAGPXXVPTKM:EPIS、AAPASXXVPTRL:EPIS、STPPTXXVPTRL:EPIS、HVPKPXXVPTKL:EPIS、RVPSTXXVPTKT:EPIS、ASAAPXXVPTAL:EPIS、ASASPXXVPTDL:EPIS、GIPEPXXVPEKM:EPIS、HVTKPTXAPTKL:EPIS、YVPKPXXAPTKL:EPIS、TVPKPXXAPTQL:EPIS、AVPKAXXAPTKL:EPIS、GSAGPXXTPTKM:EPIS、AAPASXXVPARL:EPIS、HVPKPXXAPTKL:EPIS、RVPSTXXAPVKT:EPIS、ASAAPXXVPQAL:EPIS、ASASPXXVSQDL:EPIS、ASASPXXVPQDL:EPIS、SSVKXQPSRVHH:EPIS、RNVQXRPTQVQL:EPIS、KIPKAXXTPTEL:SPIN、GIPEPXXTPTKM:SPIN、SIPKAXXTPTEL:SPIN、HVTKPTXTPTKL:SPIN、YVPKPXXTPTKL:SPIN、TVPKPXXTPTQL:SPIN、AVPKAXXTPTKL:SPIN、KVGKAXXTPTKL:SPIN、KASKAXXTPTKL:SPIN、AAPASXXTPTRL:SPIN、STPPTXXTPTRL:SPIN、HVPKPXXTPTKL:SPIN、RVPSTXXTPTKT:SPIN、ASAAPXXTPTAL:SPIN、ASASPXXTPTDL:SPIN、KIPKAXXVPTEL:SPIN、GIPEPXXVPEKM:SPIN、SIPKAXXVPTEL:SPIN、HVTKPTXAPTKL:SPIN、YVPKPXXAPTKL:SPIN、TVPKPXXAPTQL:SPIN、AVPKAXXAPTKL:SPIN、KVGKAXXVPTKL:SPIN、KASKAXXVPTKL:SPIN、AAPASXXVPARL:SPIN、STPPTXXVPTRL:SPIN、HVPKPXXAPTKL:SPIN、RVPSTXXAPVKT:SPIN、ASAAPXXVPQAL:SPIN、ASASPXXVSQDL:SPIN、ASASPXXVPQDL:SPIN、NDEGLEXVPTEE:SPIN、NDEGLEXVPTGQ:SPIN、SSVKXQPSRVHH:SPIN、RNVQXRPTQVQL:SPIN、KIPKAXXVPAEL:SPIS、GIPEPXXVPAKM:SPIS、SIPKAXXVPAEL:SPIS、HVTKPTXVPAKL:SPIS、YVPKPXXVPAKL:SPIS、TVPKPXXVPAQL:SPIS、AVPKAXXVPAKL:SPIS、KVGKAXXVPAKL:SPIS、KASKAXXVPAKL:SPIS、GSAGPXXVPAKM:SPIS、STPPTXXVPARL:SPIS、HVPKPXXVPAKL:SPIS、RVPSTXXVPAKT:SPIS、ASAAPXXVPAAL:SPIS、ASASPXXVPADL:SPIS、KVGKAXXVPTKL:SPIS、NDEGLEXVPTEE:SPIS、NDEGLEXVPTGQ:SPIS、KIPKAXXAPVEL:KPLS、GIPEPXXAPVKM:KPLS、SIPKAXXAPVEL:KPLS、HVTKPTXAPVKL:KPLS、YVPKPXXAPVKL:KPLS、TVPKPXXAPVQL:KPLS、AVPKAXXAPVKL:KPLS、KVGKAXXAPVKL:KPLS、KASKAXXAPVKL:KPLS、GSAGPXXAPVKM:KPLS、AAPASXXAPVRL:KPLS、STPPTXXAPVRL:KPLS、HVPKPXXAPVKL:KPLS、ASAAPXXAPVAL:KPLS、ASASPXXAPVDL:KPLS、KIPKAXXVPTEL:KPLS、GIPEPXXVPEKM:KPLS、SIPKAXXVPTEL:KPLS、HVTKPTXAPTKL:KPLS、YVPKPXXAPTKL:KPLS、TVPKPXXAPTQL:KPLS、AVPKAXXAPTKL:KPLS、KVGKAXXVPTKL:KPLS、KASKAXXVPTKL:KPLS、GSAGPXXTPTKM:KPLS、AAPASXXVPARL:KPLS、STPPTXXVPTRL:KPLS、HVPKPXXAPTKL:KPLS、ASAAPXXVPQAL:KPLS、ASASPXXVSQDL:KPLS、ASASPXXVPQDL:KPLS、NDEGLEXVPTEE:KPLS、NDEGLEXVPTGQ:KPLS、SSVKXQPSRVHH:KPLS、RNVQXRPTQVQL:KPLS、KIPKAXXVPQEL:EPLP、GIPEPXXVPQKM:EPLP、SIPKAXXVPQEL:EPLP、HVTKPTXVPQKL:EPLP、YVPKPXXVPQKL:EPLP、TVPKPXXVPQQL:EPLP、AVPKAXXVPQKL:EPLP、KVGKAXXVPQKL:EPLP、KASKAXXVPQKL:EPLP、GSAGPXXVPQKM:EPLP、AAPASXXVPQRL:EPLP、STPPTXXVPQRL:EPLP、HVPKPXXVPQKL:EPLP、RVPSTXXVPQKT:EPLP、ASASPXXVPQ
DL:EPLP、KIPKAXXVPTEL:EPLP、GIPEPXXVPEKM:EPLP、SIPKAXXVPTEL:EPLP、HVTKPTXAPTKL:EPLP、YVPKPXXAPTKL:EPLP、TVPKPXXAPTQL:EPLP、AVPKAXXAPTKL:EPLP、KVGKAXXVPTKL:EPLP、KASKAXXVPTKL:EPLP、GSAGPXXTPTKM:EPLP、AAPASXXVPARL:EPLP、STPPTXXVPTRL:EPLP、HVPKPXXAPTKL:EPLP、RVPSTXXAPVKT:EPLP、ASASPXXVSQDL:EPLP、NDEGLEXVPTEE:EPLP、NDEGLEXVPTGQ:EPLP、SSVKXQPSRVHH:EPLP、RNVQXRPTQVQL:EPLP、KIPKAXXVSQEL:EPLT、GIPEPXXVSQKM:EPLT、SIPKAXXVSQEL:EPLT、HVTKPTXVSQKL:EPLT、YVPKPXXVSQKL:EPLT、TVPKPXXVSQQL:EPLT、AVPKAXXVSQKL:EPLT、KVGKAXXVSQKL:EPLT、KASKAXXVSQKL:EPLT、GSAGPXXVSQKM:EPLT、AAPASXXVSQRL:EPLT、STPPTXXVSQRL:EPLT、HVPKPXXVSQKL:EPLT、RVPSTXXVSQKT:EPLT、ASAAPXXVSQAL:EPLT、ASASPXXVSQDL:EPLT、KIPKAXXVPTEL:EPLT、GIPEPXXVPEKM:EPLT、SIPKAXXVPTEL:EPLT、HVTKPTXAPTKL:EPLT、YVPKPXXAPTKL:EPLT、TVPKPXXAPTQL:EPLT、AVPKAXXAPTKL:EPLT、KVGKAXXVPTKL:EPLT、KASKAXXVPTKL:EPLT、GSAGPXXTPTKM:EPLT、AAPASXXVPARL:EPLT、STPPTXXVPTRL:EPLT、HVPKPXXAPTKL:EPLT、RVPSTXXAPVKT:EPLT、ASAAPXXVPQAL:EPLT、NDEGLEXVPTEE:EPLT、NDEGLEXVPTGQ:EPLT、SSVKXQPSRVHH:EPLT、RNVQXRPTQVQL:EPLT、KIPKAXXVPQEL:EPLT、GIPEPXXVPQKM:EPLT、SIPKAXXVPQEL:EPLT、HVTKPTXVPQKL:EPLT、YVPKPXXVPQKL:EPLT、TVPKPXXVPQQL:EPLT、AVPKAXXVPQKL:EPLT、KVGKAXXVPQKL:EPLT、KASKAXXVPQKL:EPLT、GSAGPXXVPQKM:EPLT、AAPASXXVPQRL:EPLT、STPPTXXVPQRL:EPLT、HVPKPXXVPQKL:EPLT、RVPSTXXVPQKT:EPLT、ASASPXXVPQDL:EPLT、NDEGLEXVPTGQ:SNIT、GIPEPXXVPEKM:SNIT、HVTKPTXAPTKL:SNIT、YVPKPXXAPTKL:SNIT、TVPKPXXAPTQL:SNIT、AVPKAXXAPTKL:SNIT、GSAGPXXTPTKM:SNIT、AAPASXXVPARL:SNIT、HVPKPXXAPTKL:SNIT、RVPSTXXAPVKT:SNIT、ASAAPXXVPQAL:SNIT、ASASPXXVSQDL:SNIT、ASASPXXVPQDL:SNIT、SSVKXQPSRVHH:SNIT、RNVQXRPTQVQL:SNIT、RNVQXRPSRVQL:RSVK、KIPKAXXVPTEL:RSVK、GIPEPXXVPEKM:RSVK、SIPKAXXVPTEL:RSVK、HVTKPTXAPTKL:RSVK、YVPKPXXAPTKL:RSVK、TVPKPXXAPTQL:RSVK、AVPKAXXAPTKL:RSVK、KVGKAXXVPTKL:RSVK、KASKAXXVPTKL:RSVK、GSAGPXXTPTKM:RSVK、AAPASXXVPARL:RSVK、STPPTXXVPTRL:RSVK、HVPKPXXAPTKL:RSVK、RVPSTXXAPVKT:RSVK、ASAAPXXVPQAL:RSVK、ASASPXXVSQDL:RSVK、ASASPXXVPQDL:RSVK、NDEGLEXVPTEE:RSVK、NDEGLEXVPTGQ:RSVK、RNVQXRPTQVQL:RSVK、SSVKXQPTQVHH:RPVQ、KIPKAXXVPTEL:RPVQ、GIPEPXXVPEKM:RPVQ、SIPKAXXVPTEL:RPVQ、HVTKPTXAPTKL:RPVQ、YVPKPXXAPTKL:RPVQ、TVPKPXXAPTQL:RPVQ、AVPKAXXAPTKL:RPVQ、KVGKAXXVPTKL:RPVQ、KASKAXXVPTKL:RPVQ、GSAGPXXTPTKM:RPVQ、AAPASXXVPARL:RPVQ、STPPTXXVPTRL:RPVQ、HVPKPXXAPTKL:RPVQ、RVPSTXXAPVKT:RPVQ、ASAAPXXVPQAL:RPVQ、ASASPXXVSQDL:RPVQ、ASASPXXVPQDL:RPVQ、NDEGLEXVPTEE:RPVQ、NDEGLEXVPTGQ:RPVQ、及びSSVKXQPSRVHH:RPVQからなる群より選択される。
【0203】
ある実施形態において、PEP3:PEP12ペアは、VPT:SAIS-AA17-LYL、VPE:SAIS-AA17-LYL、APT:SAIS-AA17-LYL、TPT:SAIS-AA17-LYL、VPA:SAIS-AA17-LYL、APV:SAIS-AA17-LYL、VPQ:SAIS-AA17-LYL、VSQ:SAIS-AA17-LYL、SRV:SAIS-AA17-LYL、TQV:SAIS-AA17-LYL、VPE:SSLS-AA17-LFF、VPT:SSLS-AA17-LFF、APT:SSLS-AA17-LFF、TPT:SSLS-AA17-LFF、VPA:SSLS-AA17-LFF、APV:SSLS-AA17-LFF、VPQ:SSLS-AA17-LFF、VSQ:SSLS-AA17-LFF、SRV:SSLS-AA17-LFF、TQV:SSLS-AA17-LFF、APT:NAIS-AA17-LYF、VPT:NAIS-AA17-LYF、VPE:NAIS-AA17-LYF、TPT:NAIS-AA17-LYF、VPA:NAIS-AA17-LYF、APV:NAIS-AA17-LYF、VPQ:NAIS-AA17-LYF、VSQ:NAIS-AA17-LYF、SRV:NAIS-AA17-LYF、TQV:NAIS-AA17-LYF、APT:SATS-AA17-LYY、VPT:SATS-AA17-LYY、VPE:SATS-AA17-LYY、TPT:SATS-AA17-LYY、VPA:SATS-AA17-LYY、APV:SATS-AA17-LYY、VPQ:SATS-AA17-LYY、VSQ:SATS-AA17-LYY、SRV:SATS-AA17-LYY、TQV:SATS-AA17-LYY、VPT:SPIS-AA17-LYK、VPE:SPIS-AA17-LYK、APT:SPIS-AA17-LYK、TPT:SPIS-AA17-LYK、VPA:SPIS-AA17-LYK、APV:SPIS-AA17-LYK、VPQ:SPIS-AA17-LYK、VSQ:SPIS-AA17-LYK、SRV:SPIS-AA17-LYK、TQV:SPIS-AA17-LYK、VPT:EPIS-AA17-LYL、VPE:EPIS-AA17-LYL、APT:EPIS-AA17-LYL、TPT:EPIS-AA17-LYL、VPA:EPIS-AA17-LYL、APV:EPIS-AA17-LYL、VPQ:EPIS-AA17-LYL、VSQ:EPIS-AA17-LYL、SRV:EPIS-AA17-LYL、TQV:EPIS-AA17-LYL、TPT:SPIN-AA17-LYF、VPT:SPIN-AA17-LYF、VPE:SPIN-AA17-LYF、APT:SPIN-AA17-LYF、VPA:SPIN-AA17-LYF、APV:SPIN-AA17-LYF、VPQ:SPIN-AA17-LYF、VSQ:SPIN-AA17-LYF、SRV:SPIN-AA17-LYF、TQV:SPIN-AA17-LYF、VPA:SPIS-AA17-LYI、VPT:SPIS-AA17-LYI、VPE:SPIS-AA17-LYI、APT:SPIS-AA17-LYI、TPT:SPIS-AA17-LYI、APV:SPIS-AA17-LYI、VPQ:SPIS-AA17-LYI、VSQ:SPIS-AA17-LYI、SRV:SPIS-AA17-LYI、TQV:SPIS-AA17-LYI、VPT:SPIS-AA17-LFI、VPE:SPIS-AA17-LFI、APT:SPIS-AA17-LFI、TPT:SPIS-AA17-LFI、VPA:SPIS-AA17-LFI、APV:SPIS-AA17-LFI、VPQ:SPIS-AA17-LFI、VSQ:SPIS-AA17-LFI、SRV:SPIS-AA17-LFI、TQV:SPIS-AA17-LFI、APV:KPLS-AA17-LYV、VPT:KPLS-AA17-LYV、VPE:KPLS-AA17-LYV、APT:KPLS-AA17-LYV、TPT:KPLS-AA17-LYV、VPA:KPLS-AA17-LYV、VPQ:KPLS-AA17-LYV、VSQ:KPLS-AA17-LYV、SRV:KPLS-AA17-LYV、TQV:KPLS-AA17-LYV、VPQ:EPLP-AA17-VYY、VPT:EPLP-AA17-VYY、VPE:EPLP-AA17-VYY、APT:EPLP-AA17-VYY、TPT:EPLP-AA17-VYY、VPA:EPLP-AA17-VYY、APV:EPLP-AA17-VYY、VSQ:EPLP-AA17-VYY、SRV:EPLP-AA17-VYY、TQV:EPLP-AA17-VYY、VSQ:EPLT-AA17-LYY、VPT:EPLT-AA17-LYY、VPE:EPLT-AA17-LYY、APT:EPLT-AA17-LYY、TPT:EPLT-AA17-LYY、VPA:EPLT-AA17-LYY、APV:EPLT-AA17-LYY、VPQ:EPLT-AA17-LYY、SRV:EPLT-AA17-LYY、TQV:EPLT-AA17-LYY、VPT:SNIT-AA17-QIM、VPE:SNIT-AA17-QIM、APT:SNIT-AA17-QIM、TPT:SNIT-AA17-QIM、VPA:SNIT-AA17-QIM、APV:SNIT-AA17-QIM、VPQ:SNIT-AA17-QIM、VSQ:SNIT-AA17-QIM、SRV:SNIT-AA17-QIM、TQV:SNIT-AA17-QIM、SRV:RSVK-AA17-AKV、VPT:RSVK-AA17-AKV、VPE:RSVK-AA17-AKV、APT:RSVK-AA17-AKV、TPT:RSVK-AA17-AKV、VPA:RSVK-AA17-AKV、APV:RSVK-AA17-AKV、VPQ:RSVK-AA17-AKV、VSQ:RSVK-AA17-AKV、TQV:RSVK-AA17-AKV、TQV:RPVQ-AA17-RKI、VPT:RPVQ-AA17-RKI、VPE:RPVQ-AA17-RKI、APT:RPVQ-AA17-RKI、TPT:RPVQ-AA17-RKI、VPA:RPVQ-AA17-RKI、APV:RPVQ-AA17-RKI、VPQ:RPVQ-AA17-RKI、VSQ:RPVQ-AA17-RKI、及びSRV:RPVQ-AA17-RKI(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。)からなる群より選択される。
【0204】
ある実施形態において、PEP12:PEP5ペアは、VPTKM:SAIS-AA17-LYL、VPTKL:SAIS-AA17-LYL、VPTQL:SAIS-AA17-LYL、VPTRL:SAIS-AA17-LYL、VPTKT:SAIS-AA17-LYL、VPTAL:SAIS-AA17-LYL、VPTDL:SAIS-AA17-LYL、VPEKM:SAIS-AA17-LYL、APTKL:SAIS-AA17-LYL、APTQL:SAIS-AA17-LYL、TPTKM:SAIS-AA17-LYL、VPARL:SAIS-AA17-LYL、APVKT:SAIS-AA17-LYL、VPQAL:SAIS-AA17-LYL、VSQDL:SAIS-AA17-LYL、VPQDL:SAIS-AA17-LYL、SRVHH:SAIS-AA17-LYL、TQVQL:SAIS-AA17-LYL、VPEEL:SSLS-AA17-LFF、VPEKL:SSLS-AA17-LFF、VPEQL:SSLS-AA17-LFF、VPEKM:SSLS-AA17-LFF、VPERL:SSLS-AA17-LFF、VPEKT:SSLS-AA17-LFF、VPEAL:SSLS-AA17-LFF、VPEDL:SSLS-AA17-LFF、VPTEL:SSLS-AA17-LFF、APTKL:SSLS-AA17-LFF、APTQL:SSLS-AA17-LFF、VPTKL:SSLS-AA17-LFF、TPTKM:SSLS-AA17-LFF、VPARL:SSLS-AA17-LFF、VPTRL:SSLS-AA17-LFF、APVKT:SSLS-AA17-LFF、VPQAL:SSLS-AA17-LFF、VSQDL:SSLS-AA17-LFF、VPQDL:SSLS-AA17-LFF、VPTEE:SSLS-AA17-LFF、VPTGQ:SSLS-AA17-LFF、SRVHH:SSLS-AA17-LFF、TQVQL:SSLS-AA17-LFF、APTEL:NAIS-AA17-LYF、APTKM:NAIS-AA17-LYF、APTKL:NAIS-AA17-LYF、APTRL:NAIS-AA17-LYF、APTKT:NAIS-AA17-LYF、APTAL:NAIS-AA17-LYF、APTDL:NAIS-AA17-LYF、VPTEL:NAIS-AA17-LYF、VPEKM:NAIS-AA17-LYF、VPTKL:NAIS-AA17-LYF、TPTKM:NAIS-AA17-LYF、VPARL:NAIS-AA17-LYF、VPTRL:NAIS-AA17-LYF、APVKT:NAIS-AA17-LYF、VPQAL:NAIS-AA17-LYF、VSQDL:NAIS-AA17-LYF、VPQDL:NAIS-AA17-LYF、VPTEE:NAIS-AA17-LYF、VPTGQ:NAIS-AA17-LYF、SRVHH:NAIS-AA17-LYF、TQVQL:NAIS-AA17-LYF、APTEL:SATS-AA17-LYY、APTKM:SATS-AA17-LYY、APTKL:SATS-AA17-LYY、APTQL:SATS-AA17-LYY、APTRL:SATS-AA17-LYY、APTKT:SATS-AA17-LYY、APTAL:SATS-AA17-LYY、APTDL:SATS-AA17-LYY、VPTEL:SATS-AA17-LYY、VPEKM:SATS-AA17-LYY、VPTKL:SATS-AA17-LYY、TPTKM:SATS-AA17-LYY、VPARL:SATS-AA17-LYY、VPTRL:SATS-AA17-LYY、APVKT:SATS-AA17-LYY、VPQAL:SATS-AA17-LYY、VSQDL:SATS-AA17-LYY、VPQDL:SATS-AA17-LYY、VPTEE:SATS-AA17-LYY、VPTGQ:SATS-AA17-LYY、SRVHH:SATS-AA17-LYY、TQVQL:SATS-AA17-LYY、VPTEL:SPIS-AA17-LYK、VPTKM:SPIS-AA17-LYK、VPTKL:SPIS-AA17-LYK、VPTQL:SPIS-AA17-LYK、VPTRL:SPIS-AA17-LYK、VPTKT:SPIS-AA17-LYK、VPTAL:SPIS-AA17-LYK、VPTDL:SPIS-AA17-LYK、VPEKM:SPIS-AA17-LYK、APTKL:SPIS-AA17-LYK、APTQL:SPIS-AA17-LYK、TPTKM:SPIS-AA17-LYK、VPARL:SPIS-AA17-LYK、APVKT:SPIS-AA17-LYK、VPQAL:SPIS-AA17-LYK、VSQDL:SPIS-AA17-LYK、VPQDL:SPIS-AA17-LYK、SRVHH:SPIS-AA17-LYK、TQVQL:SPIS-AA17-LYK、VPTEL:EPIS-AA17-LYL、VPTKM:EPIS-AA17-LYL、VPTKL:EPIS-AA17-LYL、VPTQL:EPIS-AA17-LYL、VPTRL:EPIS-AA17-LYL、VPTKT:EPIS-AA17-LYL、VPTAL:EPIS-AA17-LYL、VPTDL:EPIS-AA17-LYL、VPEKM:EPIS-AA17-LYL、APTKL:EPIS-AA17-LYL、APTQL:EPIS-AA17-LYL、TPTKM:EPIS-AA17-LYL、VPARL:EPIS-AA17-LYL、APVKT:EPIS-AA17-LYL、VPQAL:EPIS-AA17-LYL、VSQDL:EPIS-AA17-LYL、VPQDL:EPIS-AA17-LYL、SRVHH:EPIS-AA17-LYL、TQVQL:EPIS-AA17-LYL、TPTEL:SPIN-AA17-LYF、TPTKM:SPIN-AA17-LYF、TPTKL:SPIN-AA17-LYF、TPTQL:SPIN-AA17-LYF、TPTRL:SPIN-AA17-LYF、TPTKT:SPIN-AA17-LYF、TPTAL:SPIN-AA17-LYF、TPTDL:SPIN-AA17-LYF、VPTEL:SPIN-AA17-LYF、VPEKM:SPIN-AA17-LYF、APTKL:SPIN-AA17-LYF、APTQL:SPIN-AA17-LYF、VPTKL:SPIN-AA17-LYF、VPARL:SPIN-AA17-LYF、VPTRL:SPIN-AA17-LYF、APVKT:SPIN-AA17-LYF、VPQAL:SPIN-AA17-LYF、VSQDL:SPIN-AA17-LYF、VPQDL:SPIN-AA17-LYF、VPTEE:SPIN-AA17-LYF、VPTGQ:SPIN-AA17-LYF、SRVHH:SPIN-AA17-LYF、TQVQL:SPIN-AA17-LYF、VPAEL:SPIS-AA17-LYI、VPAKM:SPIS-AA17-LYI、VPAKL:SPIS-AA17-LYI、VPAQL:SPIS-AA17-LYI、VPARL:SPIS-AA17-LYI、VPAKT:SPIS-AA17-LYI、VPAAL:SPIS-AA17-LYI、VPADL:SPIS-AA17-LYI、VPTEL:SPIS-AA17-LYI、VPEKM:SPIS-AA17-LYI、APTKL:SPIS-AA17-LYI、APTQL:SPIS-AA17-LYI、VPTKL:SPIS-AA17-LYI、TPTKM:SPIS-AA17-LYI、VPTRL:SPIS-AA17-LYI、APVKT:SPIS-AA17-LYI、VPQAL:SPIS-AA17-LYI、VSQDL:SPIS-AA17-LYI、VPQDL:SPIS-AA17-LYI、VPTEE:SPIS-AA17-LYI、VPTGQ:SPIS-AA17-LYI、SRVHH:SPIS-AA17-LYI、TQVQL:SPIS-AA17-LYI、VPTEL:SPIS-AA17-LFI、VPTKM:SPIS-AA17-LFI、VPTKL:SPIS-AA17-LFI、VPTQL:SPIS-AA17-LFI、VPTRL:SPIS-AA17-LFI、VPTKT:SPIS-AA17-LFI、VPTAL:SPIS-AA17-LFI、VPTDL:SPIS-AA17-LFI、VPEKM:SPIS-AA17-LFI、APTKL:SPIS-AA17-LFI、APTQL:SPIS-AA17-LFI、TPTKM:SPIS-AA17-LFI、VPARL:SPIS-AA17-LFI、APVKT:SPIS-AA17-LFI、VPQAL:SPIS-AA17-LFI、VSQDL:SPIS-AA17-LFI、VPQDL:SPIS-AA17-LFI、SRVHH:SPIS-AA17-LFI、TQVQL:SPIS-AA17-LFI、APVEL:KPLS-AA17-LYV、APVKM:KPLS-AA17-LYV、APVKL:KPLS-AA17-LYV、APVQL:KPLS-AA17-LYV、APVRL:KPLS-AA17-LYV、APVAL:KPLS-AA17-LYV、APVDL:KPLS-AA17-LYV、VPTEL:KPLS-AA17-LYV、VPEKM:KPLS-AA17-LYV、APTKL:KPLS-AA17-LYV、APTQL:KPLS-AA17-LYV、VPTKL:KPLS-AA17-LYV、TPTKM:KPLS-AA17-
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【0205】
ある実施形態において、PEP12:PEP7ペアは、GIPEPXX:SAIS-AA17-LYL、HVTKPTX:SAIS-AA17-LYL、YVPKPXX:SAIS-AA17-LYL、TVPKPXX:SAIS-AA17-LYL、AVPKAXX:SAIS-AA17-LYL、KVGKAXX:SAIS-AA17-LYL、KASKAXX:SAIS-AA17-LYL、GSAGPXX:SAIS-AA17-LYL、AAPASXX:SAIS-AA17-LYL、STPPTXX:SAIS-AA17-LYL、HVPKPXX:SAIS-AA17-LYL、RVPSTXX:SAIS-AA17-LYL、ASAAPXX:SAIS-AA17-LYL、ASASPXX:SAIS-AA17-LYL、SSVKXQP:SAIS-AA17-LYL、RNVQXRP:SAIS-AA17-LYL、KIPKAXX:SSLS-AA17-LFF、SIPKAXX:SSLS-AA17-LFF、HVTKPTX:SSLS-AA17-LFF、YVPKPXX:SSLS-AA17-LFF、TVPKPXX:SSLS-AA17-LFF、AVPKAXX:SSLS-AA17-LFF、KVGKAXX:SSLS-AA17-LFF、KASKAXX:SSLS-AA17-LFF、GSAGPXX:SSLS-AA17-LFF、AAPASXX:SSLS-AA17-LFF、STPPTXX:SSLS-AA17-LFF、HVPKPXX:SSLS-AA17-LFF、RVPSTXX:SSLS-AA17-LFF、ASAAPXX:SSLS-AA17-LFF、ASASPXX:SSLS-AA17-LFF、NDEGLEX:SSLS-AA17-LFF、SSVKXQP:SSLS-AA17-LFF、RNVQXRP:SSLS-AA17-LFF、KIPKAXX:NAIS-AA17-LYF、GIPEPXX:NAIS-AA17-LYF、SIPKAXX:NAIS-AA17-LYF、AVPKAXX:NAIS-AA17-LYF、KVGKAXX:NAIS-AA17-LYF、KASKAXX:NAIS-AA17-LYF、GSAGPXX:NAIS-AA17-LYF、AAPASXX:NAIS-AA17-LYF、STPPTXX:NAIS-AA17-LYF、RVPSTXX:NAIS-AA17-LYF、ASAAPXX:NAIS-AA17-LYF、ASASPXX:NAIS-AA17-LYF、NDEGLEX:NAIS-AA17-LYF、SSVKXQP:NAIS-AA17-LYF、RNVQXRP:NAIS-AA17-LYF、KIPKAXX:SATS-AA17-LYY、GIPEPXX:SATS-AA17-LYY、SIPKAXX:SATS-AA17-LYY、HVTKPTX:SATS-AA17-LYY、YVPKPXX:SATS-AA17-LYY、TVPKPXX:SATS-AA17-LYY、KVGKAXX:SATS-AA17-LYY、KASKAXX:SATS-AA17-LYY、GSAGPXX:SATS-AA17-LYY、AAPASXX:SATS-AA17-LYY、STPPTXX:SATS-AA17-LYY、HVPKPXX:SATS-AA17-LYY、RVPSTXX:SATS-AA17-LYY、ASAAPXX:SATS-AA17-LYY、ASASPXX:SATS-AA17-LYY、NDEGLEX:SATS-AA17-LYY、SSVKXQP:SATS-AA17-LYY、RNVQXRP:SATS-AA17-LYY、KIPKAXX:SPIS-AA17-LYK、GIPEPXX:SPIS-AA17-LYK、SIPKAXX:SPIS-AA17-LYK、HVTKPTX:SPIS-AA17-LYK、YVPKPXX:SPIS-AA17-LYK、TVPKPXX:SPIS-AA17-LYK、AVPKAXX:SPIS-AA17-LYK、KASKAXX:SPIS-AA17-LYK、GSAGPXX:SPIS-AA17-LYK、AAPASXX:SPIS-AA17-LYK、STPPTXX:SPIS-AA17-LYK、HVPKPXX:SPIS-AA17-LYK、RVPSTXX:SPIS-AA17-LYK、ASAAPXX:SPIS-AA17-LYK、ASASPXX:SPIS-AA17-LYK、SSVKXQP:SPIS-AA17-LYK、RNVQXRP:SPIS-AA17-LYK、KIPKAXX:EPIS-AA17-LYL、GIPEPXX:EPIS-AA17-LYL、SIPKAXX:EPIS-AA17-LYL、HVTKPTX:EPIS-AA17-LYL、YVPKPXX:EPIS-AA17-LYL、TVPKPXX:EPIS-AA17-LYL、AVPKAXX:EPIS-AA17-LYL、KVGKAXX:EPIS-AA17-LYL、GSAGPXX:EPIS-AA17-LYL、AAPASXX:EPIS-AA17-LYL、STPPTXX:EPIS-AA17-LYL、HVPKPXX:EPIS-AA17-LYL、RVPSTXX:EPIS-AA17-LYL、ASAAPXX:EPIS-AA17-LYL、ASASPXX:EPIS-AA17-LYL、SSVKXQP:EPIS-AA17-LYL、RNVQXRP:EPIS-AA17-LYL、KIPKAXX:SPIN-AA17-LYF、GIPEPXX:SPIN-AA17-LYF、SIPKAXX:SPIN-AA17-LYF、HVTKPTX:SPIN-AA17-LYF、YVPKPXX:SPIN-AA17-LYF、TVPKPXX:SPIN-AA17-LYF、AVPKAXX:SPIN-AA17-LYF、KVGKAXX:SPIN-AA17-LYF、KASKAXX:SPIN-AA17-LYF、AAPASXX:SPIN-AA17-LYF、STPPTXX:SPIN-AA17-LYF、HVPKPXX:SPIN-AA17-LYF、RVPSTXX:SPIN-AA17-LYF、ASAAPXX:SPIN-AA17-LYF、ASASPXX:SPIN-AA17-LYF、NDEGLEX:SPIN-AA17-LYF、SSVKXQP:SPIN-AA17-LYF、RNVQXRP:SPIN-AA17-LYF、KIPKAXX:SPIS-AA17-LYI、GIPEPXX:SPIS-AA17-LYI、SIPKAXX:SPIS-AA17-LYI、HVTKPTX:SPIS-AA17-LYI、YVPKPXX:SPIS-AA17-LYI、TVPKPXX:SPIS-AA17-LYI、AVPKAXX:SPIS-AA17-LYI、KVGKAXX:SPIS-AA17-LYI、KASKAXX:SPIS-AA17-LYI、GSAGPXX:SPIS-AA17-LYI、STPPTXX:SPIS-AA17-LYI、HVPKPXX:SPIS-AA17-LYI、RVPSTXX:SPIS-AA17-LYI、ASAAPXX:SPIS-AA17-LYI、ASASPXX:SPIS-AA17-LYI、NDEGLEX:SPIS-AA17-LYI、SSVKXQP:SPIS-AA17-LYI、RNVQXRP:SPIS-AA17-LYI、KIPKAXX:SPIS-AA17-LFI、GIPEPXX:SPIS-AA17-LFI、SIPKAXX:SPIS-AA17-LFI、HVTKPTX:SPIS-AA17-LFI、YVPKPXX:SPIS-AA17-LFI、TVPKPXX:SPIS-AA17-LFI、AVPKAXX:SPIS-AA17-LFI、KVGKAXX:SPIS-AA17-LFI、KASKAXX:SPIS-AA17-LFI、GSAGPXX:SPIS-AA17-LFI、AAPASXX:SPIS-AA17-LFI、HVPKPXX:SPIS-AA17-LFI、RVPSTXX:SPIS-AA17-LFI、ASAAPXX:SPIS-AA17-LFI、ASASPXX:SPIS-AA17-LFI、SSVKXQP:SPIS-AA17-LFI、RNVQXRP:SPIS-AA17-LFI、KIPKAXX:KPLS-AA17-LYV、GIPEPXX:KPLS-AA17-LYV、SIPKAXX:KPLS-AA17-LYV、HVTKPTX:KPLS-AA17-LYV、YVPKPXX:KPLS-AA17-LYV、TVPKPXX:KPLS-AA17-LYV、AVPKAXX:KPLS-AA17-LYV、KVGKAXX:KPLS-AA17-LYV、KASKAXX:KPLS-AA17-LYV、GSAGPXX:KPLS-AA17-LYV、AAPASXX:KPLS-AA17-LYV、STPPTXX:KPLS-AA17-LYV、HVPKPXX:KPLS-AA17-LYV、ASAAPXX:KPLS-AA17-LYV、ASASPXX:KPLS-AA17-LYV、NDEGLEX:KPLS-AA17-LYV、SSVKXQP:KPLS-AA17-LYV、RNVQXRP:KPLS-AA17-LYV、KIPKAXX:EPLP-AA17-VYY、GIPEPXX:EPLP-AA17-VYY、SIPKAXX:EPLP-AA17-VYY、HVTKPTX:EPLP-AA17-VYY、YVPKPXX:EPLP-AA17-VYY、TVPKPXX:EPLP-AA17-VYY、AVPKAXX:EPLP-AA17-VYY、KVGKAXX:EPLP-AA17-VYY、KASKAXX:EPLP-AA17-VYY、GSAGPXX:EPLP-AA17-VYY、AAPASXX:EPLP-AA17-VYY、STPPTXX:EPLP-AA17-VYY、HVPKPXX:EPLP-AA17-VYY、RVPSTXX:
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【0206】
ある実施形態において、PEP12:PEP9ペアは、GIPEPXXVPTKM:SAIS-AA17-LYL、HVTKPTXVPTKL:SAIS-AA17-LYL、YVPKPXXVPTKL:SAIS-AA17-LYL、TVPKPXXVPTQL:SAIS-AA17-LYL、AVPKAXXVPTKL:SAIS-AA17-LYL、KVGKAXXVPTKL:SAIS-AA17-LYL、KASKAXXVPTKL:SAIS-AA17-LYL、GSAGPXXVPTKM:SAIS-AA17-LYL、AAPASXXVPTRL:SAIS-AA17-LYL、STPPTXXVPTRL:SAIS-AA17-LYL、HVPKPXXVPTKL:SAIS-AA17-LYL、RVPSTXXVPTKT:SAIS-AA17-LYL、ASAAPXXVPTAL:SAIS-AA17-LYL、ASASPXXVPTDL:SAIS-AA17-LYL、GIPEPXXVPEKM:SAIS-AA17-LYL、HVTKPTXAPTKL:SAIS-AA17-LYL、YVPKPXXAPTKL:SAIS-AA17-LYL、TVPKPXXAPTQL:SAIS-AA17-LYL、AVPKAXXAPTKL:SAIS-AA17-LYL、GSAGPXXTPTKM:SAIS-AA17-LYL、AAPASXXVPARL:SAIS-AA17-LYL、HVPKPXXAPTKL:SAIS-AA17-LYL、RVPSTXXAPVKT:SAIS-AA17-LYL、ASAAPXXVPQAL:SAIS-AA17-LYL、ASASPXXVSQDL:SAIS-AA17-LYL、ASASPXXVPQDL:SAIS-AA17-LYL、SSVKXQPSRVHH:SAIS-AA17-LYL、RNVQXRPTQVQL:SAIS-AA17-LYL、KIPKAXXVPEEL:SSLS-AA17-LFF、SIPKAXXVPEEL:SSLS-AA17-LFF、HVTKPTXVPEKL:SSLS-AA17-LFF、YVPKPXXVPEKL:SSLS-AA17-LFF、TVPKPXXVPEQL:SSLS-AA17-LFF、AVPKAXXVPEKL:SSLS-AA17-LFF、KVGKAXXVPEKL:SSLS-AA17-LFF、KASKAXXVPEKL:SSLS-AA17-LFF、GSAGPXXVPEKM:SSLS-AA17-LFF、AAPASXXVPERL:SSLS-AA17-LFF、STPPTXXVPERL:SSLS-AA17-LFF、HVPKPXXVPEKL:SSLS-AA17-LFF、RVPSTXXVPEKT:SSLS-AA17-LFF、ASAAPXXVPEAL:SSLS-AA17-LFF、ASASPXXVPEDL:SSLS-AA17-LFF、KIPKAXXVPTEL:SSLS-AA17-LFF、SIPKAXXVPTEL:SSLS-AA17-LFF、HVTKPTXAPTKL:SSLS-AA17-LFF、YVPKPXXAPTKL:SSLS-AA17-LFF、TVPKPXXAPTQL:SSLS-AA17-LFF、AVPKAXXAPTKL:SSLS-AA17-LFF、KVGKAXXVPTKL:SSLS-AA17-LFF、KASKAXXVPTKL:SSLS-AA17-LFF、GSAGPXXTPTKM:SSLS-AA17-LFF、AAPASXXVPARL:SSLS-AA17-LFF、STPPTXXVPTRL:SSLS-AA17-LFF、HVPKPXXAPTKL:SSLS-AA17-LFF、RVPSTXXAPVKT:SSLS-AA17-LFF、ASAAPXXVPQAL:SSLS-AA17-LFF、ASASPXXVSQDL:SSLS-AA17-LFF、ASASPXXVPQDL:SSLS-AA17-LFF、NDEGLEXVPTEE:SSLS-AA17-LFF、NDEGLEXVPTGQ:SSLS-AA17-LFF、SSVKXQPSRVHH:SSLS-AA17-LFF、RNVQXRPTQVQL:SSLS-AA17-LFF、KIPKAXXAPTEL:NAIS-AA17-LYF、GIPEPXXAPTKM:NAIS-AA17-LYF、SIPKAXXAPTEL:NAIS-AA17-LYF、AVPKAXXAPTKL:NAIS-AA17-LYF、KVGKAXXAPTKL:NAIS-AA17-LYF、KASKAXXAPTKL:NAIS-AA17-LYF、GSAGPXXAPTKM:NAIS-AA17-LYF、AAPASXXAPTRL:NAIS-AA17-LYF、STPPTXXAPTRL:NAIS-AA17-LYF、RVPSTXXAPTKT:NAIS-AA17-LYF、ASAAPXXAPTAL:NAIS-AA17-LYF、ASASPXXAPTDL:NAIS-AA17-LYF、KIPKAXXVPTEL:NAIS-AA17-LYF、GIPEPXXVPEKM:NAIS-AA17-LYF、SIPKAXXVPTEL:NAIS-AA17-LYF、KVGKAXXVPTKL:NAIS-AA17-LYF、KASKAXXVPTKL:NAIS-AA17-LYF、GSAGPXXTPTKM:NAIS-AA17-LYF、AAPASXXVPARL:NAIS-AA17-LYF、STPPTXXVPTRL:NAIS-AA17-LYF、RVPSTXXAPVKT:NAIS-AA17-LYF、ASAAPXXVPQAL:NAIS-AA17-LYF、ASASPXXVSQDL:NAIS-AA17-LYF、ASASPXXVPQDL:NAIS-AA17-LYF、NDEGLEXVPTEE:NAIS-AA17-LYF、NDEGLEXVPTGQ:NAIS-AA17-LYF、SSVKXQPSRVHH:NAIS-AA17-LYF、RNVQXRPTQVQL:NAIS-AA17-LYF、KIPKAXXAPTEL:SATS-AA17-LYY、GIPEPXXAPTKM:SATS-AA17-LYY、SIPKAXXAPTEL:SATS-AA17-LYY、HVTKPTXAPTKL:SATS-AA17-LYY、YVPKPXXAPTKL:SATS-AA17-LYY、TVPKPXXAPTQL:SATS-AA17-LYY、KVGKAXXAPTKL:SATS-AA17-LYY、KASKAXXAPTKL:SATS-AA17-LYY、GSAGPXXAPTKM:SATS-AA17-LYY、AAPASXXAPTRL:SATS-AA17-LYY、STPPTXXAPTRL:SATS-AA17-LYY、HVPKPXXAPTKL:SATS-AA17-LYY、RVPSTXXAPTKT:SATS-AA17-LYY、ASAAPXXAPTAL:SATS-AA17-LYY、ASASPXXAPTDL:SATS-AA17-LYY、KIPKAXXVPTEL:SATS-AA17-LYY、GIPEPXXVPEKM:SATS-AA17-LYY、SIPKAXXVPTEL:SATS-AA17-LYY、KVGKAXXVPTKL:SATS-AA17-LYY、KASKAXXVPTKL:SATS-AA17-LYY、GSAGPXXTPTKM:SATS-AA17-LYY、AAPASXXVPARL:SATS-AA17-LYY、STPPTXXVPTRL:SATS-AA17-LYY、RVPSTXXAPVKT:SATS-AA17-LYY、ASAAPXXVPQAL:SATS-AA17-LYY、ASASPXXVSQDL:SATS-AA17-LYY、ASASPXXVPQDL:SATS-AA17-LYY、NDEGLEXVPTEE:SATS-AA17-LYY、NDEGLEXVPTGQ:SATS-AA17-LYY、SSVKXQPSRVHH:SATS-AA17-LYY、RNVQXRPTQVQL:SATS-AA17-LYY、KIPKAXXVPTEL:SPIS-AA17-LYK、GIPEPXXVPTKM:SPIS-AA17-LYK、SIPKAXXVPTEL:SPIS-AA17-LYK、HVTKPTXVPTKL:SPIS-AA17-LYK、YVPKPXXVPTKL:SPIS-AA17-LYK、TVPKPXXVPTQL:SPIS-AA17-LYK、AVPKAXXVPTKL:SPIS-AA17-LYK、KASKAXXVPTKL:SPIS-AA17-LYK、GSAGPXXVPTKM:SPIS-AA17-LYK、AAPASXXVPTRL:SPIS-AA17-LYK、STPPTXXVPTRL:SPIS-AA17-LYK、HVPKPXXVPTKL:SPIS-AA17-LYK、RVPSTXXVPTKT:SPIS-AA17-LYK、ASAAPXXVPTAL:SPIS-AA17-LYK、ASASPXXVPTDL:SPIS-AA17-LYK、GIPEPXXVPEKM:SPIS-AA17-LYK、HVTKPTXAPTKL:SPIS-AA17-LYK、YVPKPXXAPTKL:SPIS-AA17-LYK、TVPKPXXAPTQL:SPIS-AA17-LYK、AVPKAXXAPTKL:SPIS-AA17-LYK、GSAGPXXTPTKM:SPIS-AA17-LYK、AAPASXXVPARL:SPIS-AA17-LYK、HVPKPXXAPTKL:SPIS-AA17-LYK、RVPSTXXAPVKT:SPIS-AA17-LYK、ASAAPXXVPQAL:SPIS-AA17-LYK、ASASPXXVSQDL:SPIS-AA17-LYK、ASASPXXVPQDL:SPIS-AA17-LYK、SSVKXQPSRVHH:SPIS-AA17-LYK、RNVQXRPTQVQL:SPIS-AA17-LYK、KIPKAXXVPTEL:EPIS-AA17-LYL、GIPEPXXVPTKM:EPIS-AA17-LYL、SIPKAXXVPTEL:EPIS-AA17-LYL、HVTKPTXVPTKL:EPIS-AA17-LYL、YVPKPXXVPTKL:EPIS-AA17-LYL、TVPKPXXVPTQL:EPIS-AA17
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【0207】
ある実施形態において、PEP7:PEP3:PEP1の3つ組は、GIPEPXX:VPT:SAIS、HVTKPTX:VPT:SAIS、YVPKPXX:VPT:SAIS、TVPKPXX:VPT:SAIS、AVPKAXX:VPT:SAIS、KVGKAXX:VPT:SAIS、KASKAXX:VPT:SAIS、GSAGPXX:VPT:SAIS、AAPASXX:VPT:SAIS、STPPTXX:VPT:SAIS、HVPKPXX:VPT:SAIS、RVPSTXX:VPT:SAIS、ASAAPXX:VPT:SAIS、ASASPXX:VPT:SAIS、GIPEPXX:VPE:SAIS、HVTKPTX:APT:SAIS、YVPKPXX:APT:SAIS、TVPKPXX:APT:SAIS、AVPKAXX:APT:SAIS、GSAGPXX:TPT:SAIS、AAPASXX:VPA:SAIS、HVPKPXX:APT:SAIS、RVPSTXX:APV:SAIS、ASAAPXX:VPQ:SAIS、ASASPXX:VSQ:SAIS、ASASPXX:VPQ:SAIS、SSVKXQP:SRV:SAIS、RNVQXRP:TQV:SAIS、KIPKAXX:VPE:SSLS、SIPKAXX:VPE:SSLS、HVTKPTX:VPE:SSLS、YVPKPXX:VPE:SSLS、TVPKPXX:VPE:SSLS、AVPKAXX:VPE:SSLS、KVGKAXX:VPE:SSLS、KASKAXX:VPE:SSLS、GSAGPXX:VPE:SSLS、AAPASXX:VPE:SSLS、STPPTXX:VPE:SSLS、HVPKPXX:VPE:SSLS、RVPSTXX:VPE:SSLS、ASAAPXX:VPE:SSLS、ASASPXX:VPE:SSLS、KIPKAXX:VPT:SSLS、SIPKAXX:VPT:SSLS、HVTKPTX:APT:SSLS、YVPKPXX:APT:SSLS、TVPKPXX:APT:SSLS、AVPKAXX:APT:SSLS、KVGKAXX:VPT:SSLS、KASKAXX:VPT:SSLS、GSAGPXX:TPT:SSLS、AAPASXX:VPA:SSLS、STPPTXX:VPT:SSLS、HVPKPXX:APT:SSLS、RVPSTXX:APV:SSLS、ASAAPXX:VPQ:SSLS、ASASPXX:VSQ:SSLS、ASASPXX:VPQ:SSLS、NDEGLEX:VPT:SSLS、SSVKXQP:SRV:SSLS、RNVQXRP:TQV:SSLS、KIPKAXX:APT:NAIS、GIPEPXX:APT:NAIS、SIPKAXX:APT:NAIS、AVPKAXX:APT:NAIS、KVGKAXX:APT:NAIS、KASKAXX:APT:NAIS、GSAGPXX:APT:NAIS、AAPASXX:APT:NAIS、STPPTXX:APT:NAIS、RVPSTXX:APT:NAIS、ASAAPXX:APT:NAIS、ASASPXX:APT:NAIS、KIPKAXX:VPT:NAIS、GIPEPXX:VPE:NAIS、SIPKAXX:VPT:NAIS、KVGKAXX:VPT:NAIS、KASKAXX:VPT:NAIS、GSAGPXX:TPT:NAIS、AAPASXX:VPA:NAIS、STPPTXX:VPT:NAIS、RVPSTXX:APV:NAIS、ASAAPXX:VPQ:NAIS、ASASPXX:VSQ:NAIS、ASASPXX:VPQ:NAIS、NDEGLEX:VPT:NAIS、SSVKXQP:SRV:NAIS、RNVQXRP:TQV:NAIS、KIPKAXX:APT:SATS、GIPEPXX:APT:SATS、SIPKAXX:APT:SATS、HVTKPTX:APT:SATS、YVPKPXX:APT:SATS、TVPKPXX:APT:SATS、KVGKAXX:APT:SATS、KASKAXX:APT:SATS、GSAGPXX:APT:SATS、AAPASXX:APT:SATS、STPPTXX:APT:SATS、HVPKPXX:APT:SATS、RVPSTXX:APT:SATS、ASAAPXX:APT:SATS、ASASPXX:APT:SATS、KIPKAXX:VPT:SATS、GIPEPXX:VPE:SATS、SIPKAXX:VPT:SATS、KVGKAXX:VPT:SATS、KASKAXX:VPT:SATS、GSAGPXX:TPT:SATS、AAPASXX:VPA:SATS、STPPTXX:VPT:SATS、RVPSTXX:APV:SATS、ASAAPXX:VPQ:SATS、ASASPXX:VSQ:SATS、ASASPXX:VPQ:SATS、NDEGLEX:VPT:SATS、SSVKXQP:SRV:SATS、RNVQXRP:TQV:SATS、KIPKAXX:VPT:SPIS、GIPEPXX:VPT:SPIS、SIPKAXX:VPT:SPIS、HVTKPTX:VPT:SPIS、YVPKPXX:VPT:SPIS、TVPKPXX:VPT:SPIS、AVPKAXX:VPT:SPIS、KASKAXX:VPT:SPIS、GSAGPXX:VPT:SPIS、AAPASXX:VPT:SPIS、STPPTXX:VPT:SPIS、HVPKPXX:VPT:SPIS、RVPSTXX:VPT:SPIS、ASAAPXX:VPT:SPIS、ASASPXX:VPT:SPIS、GIPEPXX:VPE:SPIS、HVTKPTX:APT:SPIS、YVPKPXX:APT:SPIS、TVPKPXX:APT:SPIS、AVPKAXX:APT:SPIS、GSAGPXX:TPT:SPIS、AAPASXX:VPA:SPIS、HVPKPXX:APT:SPIS、RVPSTXX:APV:SPIS、ASAAPXX:VPQ:SPIS、ASASPXX:VSQ:SPIS、ASASPXX:VPQ:SPIS、SSVKXQP:SRV:SPIS、RNVQXRP:TQV:SPIS、KIPKAXX:VPT:EPIS、GIPEPXX:VPT:EPIS、SIPKAXX:VPT:EPIS、HVTKPTX:VPT:EPIS、YVPKPXX:VPT:EPIS、TVPKPXX:VPT:EPIS、AVPKAXX:VPT:EPIS、KVGKAXX:VPT:EPIS、GSAGPXX:VPT:EPIS、AAPASXX:VPT:EPIS、STPPTXX:VPT:EPIS、HVPKPXX:VPT:EPIS、RVPSTXX:VPT:EPIS、ASAAPXX:VPT:EPIS、ASASPXX:VPT:EPIS、GIPEPXX:VPE:EPIS、HVTKPTX:APT:EPIS、YVPKPXX:APT:EPIS、TVPKPXX:APT:EPIS、AVPKAXX:APT:EPIS、GSAGPXX:TPT:EPIS、AAPASXX:VPA:EPIS、HVPKPXX:APT:EPIS、RVPSTXX:APV:EPIS、ASAAPXX:VPQ:EPIS、ASASPXX:VSQ:EPIS、ASASPXX:VPQ:EPIS、SSVKXQP:SRV:EPIS、RNVQXRP:TQV:EPIS、KIPKAXX:TPT:SPIN、GIPEPXX:TPT:SPIN、SIPKAXX:TPT:SPIN、HVTKPTX:TPT:SPIN、YVPKPXX:TPT:SPIN、TVPKPXX:TPT:SPIN、AVPKAXX:TPT:SPIN、KVGKAXX:TPT:SPIN、KASKAXX:TPT:SPIN、AAPASXX:TPT:SPIN、STPPTXX:TPT:SPIN、HVPKPXX:TPT:SPIN、RVPSTXX:TPT:SPIN、ASAAPXX:TPT:SPIN、ASASPXX:TPT:SPIN、KIPKAXX:VPT:SPIN、GIPEPXX:VPE:SPIN、SIPKAXX:VPT:SPIN、HVTKPTX:APT:SPIN、YVPKPXX:APT:SPIN、TVPKPXX:APT:SPIN、AVPKAXX:APT:SPIN、KVGKAXX:VPT:SPIN、KASKAXX:VPT:SPIN、AAPASXX:VPA:SPIN、STPPTXX:VPT:SPIN、HVPKPXX:APT:SPIN、RVPSTXX:APV:SPIN、ASAAPXX:VPQ:SPIN、ASASPXX:VSQ:SPIN、ASASPXX:VPQ:SPIN、NDEGLEX:VPT:SPIN、SSVKXQP:SRV:SPIN、RNVQXRP:TQV:SPIN、KIPKAXX:VPA:SPIS、GIPEPXX:VPA:SPIS、SIPKAXX:VPA:SPIS、HVTKPTX:VPA:SPIS、YVPKPXX:VPA:SPIS、TVPKPXX:VPA:SPIS、AVPKAXX:VPA:SPIS、KVGKAXX:VPA:SPIS、KASKAXX:VPA:SPIS、GSAGPXX:VPA:SPIS、STPPTXX:VPA:SPIS、HVPKPXX:VPA:SPIS、RVPSTXX:VPA:SPIS、ASAAPXX:VPA:SPIS、ASASPXX:VPA:SPIS、KVGKAXX:VPT:SPIS、NDEGLEX:VPT:SPIS、KIPKAXX:APV:KPLS、GIPEPXX:APV:KPLS、SIPKAXX:APV:KPLS、HVTKPTX:APV:KPLS、YVPKPXX:APV:KPLS、TVPKPXX:APV:KPLS、AVPKAXX:APV:KPLS、KVGKAXX:APV:KPLS、KASKAXX:APV:KPLS、GSAGPXX:APV:KPLS、AAPASXX:APV:KPLS、STPPTXX:APV:KPLS、HVPKPXX:APV:KPLS、ASAAPXX:APV:KPLS、ASASPXX:APV:KPLS、KIPKAXX:VPT:KPLS、GIPEPXX:VPE:KPLS、SIPKAXX:VPT:KPLS、HVTKPTX:APT:KPLS、YVPKPXX:APT:KPLS、TVPKPXX:APT:KPLS、AVPKAXX:APT:KPLS、KVGKAXX:VPT:KPLS、KASKAXX:VPT:KPLS、GSAGPXX:TPT:KPLS、AAPASXX:VPA:KPLS、STPPTXX:VPT:KPLS、HVPKPXX:APT:KPLS、ASAAPXX:VPQ:KPLS、ASASPXX:VSQ:KPLS、ASASPXX:VPQ:KPLS、NDEGLEX:VPT:KPLS、SSVKXQP:SRV:KPLS、RNVQXRP:TQV:KPLS、KIPKAXX:VPQ:EPLP、GIPEPXX:VPQ:EPLP、SIPKAXX:VPQ:EPLP、HVTKPTX:VPQ:EPLP、YVPKPXX:VPQ:EPLP、TVPKPXX:VPQ:EPLP、AVPKAXX:VPQ:EPLP、KVGKAXX:VPQ:EPLP、KASKAXX:VPQ:EPLP、GSAGPXX:VPQ:EPLP、AAPASXX:VPQ:EPLP、STPPTXX:VPQ:EPLP、HVPKPXX:VPQ:EPLP、RVPSTXX:VPQ:EPLP、ASASPXX:VPQ:EPLP、KIPKAXX:VPT:EPLP、GIPEPXX:VPE:EPLP、SIPKAXX:VPT:EPLP、HVTKPTX:APT:EPLP、YVPKPXX:APT:EPLP、TVPKPXX:APT:EPLP、AVPKAXX:APT:EPLP、KVGKAXX:VPT:EPLP、KASKAXX:VPT:EPLP、GSAGPXX:TPT:EPLP、AAPASXX:VPA:EPLP、STPPTXX:VPT:EPLP、HVPKPXX:APT:EPLP、RVPSTXX:APV:EPLP、ASASPXX:VSQ:EPLP、NDEGL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【0208】
ある実施形態において、PEP7:PEP3:PEP12の3つ組は、GIPEPXX:VPT:SAIS-AA17-LYL、HVTKPTX:VPT:SAIS-AA17-LYL、YVPKPXX:VPT:SAIS-AA17-LYL、TVPKPXX:VPT:SAIS-AA17-LYL、AVPKAXX:VPT:SAIS-AA17-LYL、KVGKAXX:VPT:SAIS-AA17-LYL、KASKAXX:VPT:SAIS-AA17-LYL、GSAGPXX:VPT:SAIS-AA17-LYL、AAPASXX:VPT:SAIS-AA17-LYL、STPPTXX:VPT:SAIS-AA17-LYL、HVPKPXX:VPT:SAIS-AA17-LYL、RVPSTXX:VPT:SAIS-AA17-LYL、ASAAPXX:VPT:SAIS-AA17-LYL、ASASPXX:VPT:SAIS-AA17-LYL、GIPEPXX:VPE:SAIS-AA17-LYL、HVTKPTX:APT:SAIS-AA17-LYL、YVPKPXX:APT:SAIS-AA17-LYL、TVPKPXX:APT:SAIS-AA17-LYL、AVPKAXX:APT:SAIS-AA17-LYL、GSAGPXX:TPT:SAIS-AA17-LYL、AAPASXX:VPA:SAIS-AA17-LYL、HVPKPXX:APT:SAIS-AA17-LYL、RVPSTXX:APV:SAIS-AA17-LYL、ASAAPXX:VPQ:SAIS-AA17-LYL、ASASPXX:VSQ:SAIS-AA17-LYL、ASASPXX:VPQ:SAIS-AA17-LYL、SSVKXQP:SRV:SAIS-AA17-LYL、RNVQXRP:TQV:SAIS-AA17-LYL、KIPKAXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、SIPKAXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、HVTKPTX:VPE:SSLS-AA17-LFF、YVPKPXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、TVPKPXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、AVPKAXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、KVGKAXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、KASKAXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、GSAGPXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、AAPASXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、STPPTXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、HVPKPXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、RVPSTXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、ASAAPXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、ASASPXX:VPE:SSLS-AA17-LFF、KIPKAXX:VPT:SSLS-AA17-LFF、SIPKAXX:VPT:SSLS-AA17-LFF、HVTKPTX:APT:SSLS-AA17-LFF、YVPKPXX:APT:SSLS-AA17-LFF、TVPKPXX:APT:SSLS-AA17-LFF、AVPKAXX:APT:SSLS-AA17-LFF、KVGKAXX:VPT:SSLS-AA17-LFF、KASKAXX:VPT:SSLS-AA17-LFF、GSAGPXX:TPT:SSLS-AA17-LFF、AAPASXX:VPA:SSLS-AA17-LFF、STPPTXX:VPT:SSLS-AA17-LFF、HVPKPXX:APT:SSLS-AA17-LFF、RVPSTXX:APV:SSLS-AA17-LFF、ASAAPXX:VPQ:SSLS-AA17-LFF、ASASPXX:VSQ:SSLS-AA17-LFF、ASASPXX:VPQ:SSLS-AA17-LFF、NDEGLEX:VPT:SSLS-AA17-LFF、SSVKXQP:SRV:SSLS-AA17-LFF、RNVQXRP:TQV:SSLS-AA17-LFF、KIPKAXX:APT:NAIS-AA17-LYF、GIPEPXX:APT:NAIS-AA17-LYF、SIPKAXX:APT:NAIS-AA17-LYF、AVPKAXX:APT:NAIS-AA17-LYF、KVGKAXX:APT:NAIS-AA17-LYF、KASKAXX:APT:NAIS-AA17-LYF、GSAGPXX:APT:NAIS-AA17-LYF、AAPASXX:APT:NAIS-AA17-LYF、STPPTXX:APT:NAIS-AA17-LYF、RVPSTXX:APT:NAIS-AA17-LYF、ASAAPXX:APT:NAIS-AA17-LYF、ASASPXX:APT:NAIS-AA17-LYF、KIPKAXX:VPT:NAIS-AA17-LYF、GIPEPXX:VPE:NAIS-AA17-LYF、SIPKAXX:VPT:NAIS-AA17-LYF、KVGKAXX:VPT:NAIS-AA17-LYF、KASKAXX:VPT:NAIS-AA17-LYF、GSAGPXX:TPT:NAIS-AA17-LYF、AAPASXX:VPA:NAIS-AA17-LYF、STPPTXX:VPT:NAIS-AA17-LYF、RVPSTXX:APV:NAIS-AA17-LYF、ASAAPXX:VPQ:NAIS-AA17-LYF、ASASPXX:VSQ:NAIS-AA17-LYF、ASASPXX:VPQ:NAIS-AA17-LYF、NDEGLEX:VPT:NAIS-AA17-LYF、SSVKXQP:SRV:NAIS-AA17-LYF、RNVQXRP:TQV:NAIS-AA17-LYF、KIPKAXX:APT:SATS-AA17-LYY、GIPEPXX:APT:SATS-AA17-LYY、SIPKAXX:APT:SATS-AA17-LYY、HVTKPTX:APT:SATS-AA17-LYY、YVPKPXX:APT:SATS-AA17-LYY、TVPKPXX:APT:SATS-AA17-LYY、KVGKAXX:APT:SATS-AA17-LYY、KASKAXX:APT:SATS-AA17-LYY、GSAGPXX:APT:SATS-AA17-LYY、AAPASXX:APT:SATS-AA17-LYY、STPPTXX:APT:SATS-AA17-LYY、HVPKPXX:APT:SATS-AA17-LYY、RVPSTXX:APT:SATS-AA17-LYY、ASAAPXX:APT:SATS-AA17-LYY、ASASPXX:APT:SATS-AA17-LYY、KIPKAXX:VPT:SATS-AA17-LYY、GIPEPXX:VPE:SATS-AA17-LYY、SIPKAXX:VPT:SATS-AA17-LYY、KVGKAXX:VPT:SATS-AA17-LYY、KASKAXX:VPT:SATS-AA17-LYY、GSAGPXX:TPT:SATS-AA17-LYY、AAPASXX:VPA:SATS-AA17-LYY、STPPTXX:VPT:SATS-AA17-LYY、RVPSTXX:APV:SATS-AA17-LYY、ASAAPXX:VPQ:SATS-AA17-LYY、ASASPXX:VSQ:SATS-AA17-LYY、ASASPXX:VPQ:SATS-AA17-LYY、NDEGLEX:VPT:SATS-AA17-LYY、SSVKXQP:SRV:SATS-AA17-LYY、RNVQXRP:TQV:SATS-AA17-LYY、KIPKAXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、GIPEPXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、SIPKAXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、HVTKPTX:VPT:SPIS-AA17-LYK、YVPKPXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、TVPKPXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、AVPKAXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、KASKAXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、GSAGPXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、AAPASXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、STPPTXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、HVPKPXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、RVPSTXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、ASAAPXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、ASASPXX:VPT:SPIS-AA17-LYK、GIPEPXX:VPE:SPIS-AA17-LYK、HVTKPTX:APT:SPIS-AA17-LYK、YVPKPXX:APT:SPIS-AA17-LYK、TVPKPXX:APT:SPIS-AA17-LYK、AVPKAXX:APT:SPIS-AA17-LYK、GSAGPXX:TPT:SPIS-AA17-LYK、AAPASXX:VPA:SPIS-AA17-LYK、HVPKPXX:APT:SPIS-AA17-LYK、RVPSTXX:APV:SPIS-AA17-LYK、ASAAPXX:VPQ:SPIS-AA17-LYK、ASASPXX:VSQ:SPIS-AA17-LYK、ASASPXX:VPQ:SPIS-AA17-LYK、SSVKXQP:SRV:SPIS-AA17-LYK、RNVQXRP:TQV:SPIS-AA17-LYK、KIPKAXX:VPT:EPIS-AA17-LYL、GIPEPXX:VPT:EPIS-AA17-LYL、SIPKAXX:VPT:EPIS-AA17-LYL、HVTKPTX:VPT:EPIS-AA17-LYL、YVPKPXX:VPT:EPIS-AA17-LYL、TVPKPXX:VPT:EPIS-AA17-LYL、AVPKAXX:VPT:EPIS-AA17-LYL、KVGKAXX:VPT:EPIS-AA17-LYL、GSAGPXX:VPT:EPIS-AA17-LYL、AAPASXX:VPT:EPIS-AA17-LYL、STPPTXX:VPT:EPIS-AA17-LYL、HVPKPXX:VPT:EPIS-AA17-LYL、RVPSTXX:VPT:EPIS-AA17-LYL、ASAAPXX:VPT:EPIS-
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【0209】
ある実施形態において、PEP7:PEP5:PEP1の3つ組は、GIPEPXX:VPTKM:SAIS、HVTKPTX:VPTKL:SAIS、YVPKPXX:VPTKL:SAIS、TVPKPXX:VPTQL:SAIS、AVPKAXX:VPTKL:SAIS、KVGKAXX:VPTKL:SAIS、KASKAXX:VPTKL:SAIS、GSAGPXX:VPTKM:SAIS、AAPASXX:VPTRL:SAIS、STPPTXX:VPTRL:SAIS、HVPKPXX:VPTKL:SAIS、RVPSTXX:VPTKT:SAIS、ASAAPXX:VPTAL:SAIS、ASASPXX:VPTDL:SAIS、GIPEPXX:VPEKM:SAIS、HVTKPTX:APTKL:SAIS、YVPKPXX:APTKL:SAIS、TVPKPXX:APTQL:SAIS、AVPKAXX:APTKL:SAIS、GSAGPXX:TPTKM:SAIS、AAPASXX:VPARL:SAIS、HVPKPXX:APTKL:SAIS、RVPSTXX:APVKT:SAIS、ASAAPXX:VPQAL:SAIS、ASASPXX:VSQDL:SAIS、ASASPXX:VPQDL:SAIS、SSVKXQP:SRVHH:SAIS、RNVQXRP:TQVQL:SAIS、KIPKAXX:VPEEL:SSLS、SIPKAXX:VPEEL:SSLS、HVTKPTX:VPEKL:SSLS、YVPKPXX:VPEKL:SSLS、TVPKPXX:VPEQL:SSLS、AVPKAXX:VPEKL:SSLS、KVGKAXX:VPEKL:SSLS、KASKAXX:VPEKL:SSLS、GSAGPXX:VPEKM:SSLS、AAPASXX:VPERL:SSLS、STPPTXX:VPERL:SSLS、HVPKPXX:VPEKL:SSLS、RVPSTXX:VPEKT:SSLS、ASAAPXX:VPEAL:SSLS、ASASPXX:VPEDL:SSLS、KIPKAXX:VPTEL:SSLS、SIPKAXX:VPTEL:SSLS、HVTKPTX:APTKL:SSLS、YVPKPXX:APTKL:SSLS、TVPKPXX:APTQL:SSLS、AVPKAXX:APTKL:SSLS、KVGKAXX:VPTKL:SSLS、KASKAXX:VPTKL:SSLS、GSAGPXX:TPTKM:SSLS、AAPASXX:VPARL:SSLS、STPPTXX:VPTRL:SSLS、HVPKPXX:APTKL:SSLS、RVPSTXX:APVKT:SSLS、ASAAPXX:VPQAL:SSLS、ASASPXX:VSQDL:SSLS、ASASPXX:VPQDL:SSLS、NDEGLEX:VPTEE:SSLS、NDEGLEX:VPTGQ:SSLS、SSVKXQP:SRVHH:SSLS、RNVQXRP:TQVQL:SSLS、KIPKAXX:APTEL:NAIS、GIPEPXX:APTKM:NAIS、SIPKAXX:APTEL:NAIS、AVPKAXX:APTKL:NAIS、KVGKAXX:APTKL:NAIS、KASKAXX:APTKL:NAIS、GSAGPXX:APTKM:NAIS、AAPASXX:APTRL:NAIS、STPPTXX:APTRL:NAIS、RVPSTXX:APTKT:NAIS、ASAAPXX:APTAL:NAIS、ASASPXX:APTDL:NAIS、KIPKAXX:VPTEL:NAIS、GIPEPXX:VPEKM:NAIS、SIPKAXX:VPTEL:NAIS、KVGKAXX:VPTKL:NAIS、KASKAXX:VPTKL:NAIS、GSAGPXX:TPTKM:NAIS、AAPASXX:VPARL:NAIS、STPPTXX:VPTRL:NAIS、RVPSTXX:APVKT:NAIS、ASAAPXX:VPQAL:NAIS、ASASPXX:VSQDL:NAIS、ASASPXX:VPQDL:NAIS、NDEGLEX:VPTEE:NAIS、NDEGLEX:VPTGQ:NAIS、SSVKXQP:SRVHH:NAIS、RNVQXRP:TQVQL:NAIS、KIPKAXX:APTEL:SATS、GIPEPXX:APTKM:SATS、SIPKAXX:APTEL:SATS、HVTKPTX:APTKL:SATS、YVPKPXX:APTKL:SATS、TVPKPXX:APTQL:SATS、KVGKAXX:APTKL:SATS、KASKAXX:APTKL:SATS、GSAGPXX:APTKM:SATS、AAPASXX:APTRL:SATS、STPPTXX:APTRL:SATS、HVPKPXX:APTKL:SATS、RVPSTXX:APTKT:SATS、ASAAPXX:APTAL:SATS、ASASPXX:APTDL:SATS、KIPKAXX:VPTEL:SATS、GIPEPXX:VPEKM:SATS、SIPKAXX:VPTEL:SATS、KVGKAXX:VPTKL:SATS、KASKAXX:VPTKL:SATS、GSAGPXX:TPTKM:SATS、AAPASXX:VPARL:SATS、STPPTXX:VPTRL:SATS、RVPSTXX:APVKT:SATS、ASAAPXX:VPQAL:SATS、ASASPXX:VSQDL:SATS、ASASPXX:VPQDL:SATS、NDEGLEX:VPTEE:SATS、NDEGLEX:VPTGQ:SATS、SSVKXQP:SRVHH:SATS、RNVQXRP:TQVQL:SATS、KIPKAXX:VPTEL:SPIS、GIPEPXX:VPTKM:SPIS、SIPKAXX:VPTEL:SPIS、HVTKPTX:VPTKL:SPIS、YVPKPXX:VPTKL:SPIS、TVPKPXX:VPTQL:SPIS、AVPKAXX:VPTKL:SPIS、KASKAXX:VPTKL:SPIS、GSAGPXX:VPTKM:SPIS、AAPASXX:VPTRL:SPIS、STPPTXX:VPTRL:SPIS、HVPKPXX:VPTKL:SPIS、RVPSTXX:VPTKT:SPIS、ASAAPXX:VPTAL:SPIS、ASASPXX:VPTDL:SPIS、GIPEPXX:VPEKM:SPIS、HVTKPTX:APTKL:SPIS、YVPKPXX:APTKL:SPIS、TVPKPXX:APTQL:SPIS、AVPKAXX:APTKL:SPIS、GSAGPXX:TPTKM:SPIS、AAPASXX:VPARL:SPIS、HVPKPXX:APTKL:SPIS、RVPSTXX:APVKT:SPIS、ASAAPXX:VPQAL:SPIS、ASASPXX:VSQDL:SPIS、ASASPXX:VPQDL:SPIS、SSVKXQP:SRVHH:SPIS、RNVQXRP:TQVQL:SPIS、KIPKAXX:VPTEL:EPIS、GIPEPXX:VPTKM:EPIS、SIPKAXX:VPTEL:EPIS、HVTKPTX:VPTKL:EPIS、YVPKPXX:VPTKL:EPIS、TVPKPXX:VPTQL:EPIS、AVPKAXX:VPTKL:EPIS、KVGKAXX:VPTKL:EPIS、GSAGPXX:VPTKM:EPIS、AAPASXX:VPTRL:EPIS、STPPTXX:VPTRL:EPIS、HVPKPXX:VPTKL:EPIS、RVPSTXX:VPTKT:EPIS、ASAAPXX:VPTAL:EPIS、ASASPXX:VPTDL:EPIS、GIPEPXX:VPEKM:EPIS、HVTKPTX:APTKL:EPIS、YVPKPXX:APTKL:EPIS、TVPKPXX:APTQL:EPIS、AVPKAXX:APTKL:EPIS、GSAGPXX:TPTKM:EPIS、AAPASXX:VPARL:EPIS、HVPKPXX:APTKL:EPIS、RVPSTXX:APVKT:EPIS、ASAAPXX:VPQAL:EPIS、ASASPXX:VSQDL:EPIS、ASASPXX:VPQDL:EPIS、SSVKXQP:SRVHH:EPIS、RNVQXRP:TQVQL:EPIS、KIPKAXX:TPTEL:SPIN、GIPEPXX:TPTKM:SPIN、SIPKAXX:TPTEL:SPIN、HVTKPTX:TPTKL:SPIN、YVPKPXX:TPTKL:SPIN、TVPKPXX:TPTQL:SPIN、AVPKAXX:TPTKL:SPIN、KVGKAXX:TPTKL:SPIN、KASKAXX:TPTKL:SPIN、AAPASXX:TPTRL:SPIN、STPPTXX:TPTRL:SPIN、HVPKPXX:TPTKL:SPIN、RVPSTXX:TPTKT:SPIN、ASAAPXX:TPTAL:SPIN、ASASPXX:TPTDL:SPIN、KIPKAXX:VPTEL:SPIN、GIPEPXX:VPEKM:SPIN、SIPKAXX:VPTEL:SPIN、HVTKPTX:APTKL:SPIN、YVPKPXX:APTKL:SPIN、TVPKPXX:APTQL:SPIN、AVPKAXX:APTKL:SPIN、KVGKAXX:VPTKL:SPIN、KASKAXX:VPTKL:SPIN、AAPASXX:VPARL:SPIN、STPPTXX:VPTRL:SPIN、HVPKPXX:APTKL:SPIN、RVPSTXX:APVKT:SPIN、ASAAPXX:VPQAL:SPIN、ASASPXX:VSQDL:SPIN、ASASPXX:VPQDL:SPIN、NDEGLEX:VPTEE:SPIN、NDEGLEX:VPTGQ:SPIN、SSVKXQP:SRVHH:SPIN、RNVQXRP:TQVQL:SPIN、KIPKAXX:VPAEL:SPIS、GIPEPXX:VPAKM:SPIS、SIPKAXX:VPAEL:SPIS、HVTKPTX:VPAKL:SPIS、YVPKPXX:VPAKL:SPIS、TVPKPXX:VPAQL:SPIS、AVPKAXX:VPAKL:SPIS、KVGKAXX:VPAKL:SPIS、KASKAXX:VPAKL:SPIS、GSAGPXX:VPAKM:SPIS、STPPTXX:VPARL:SPIS、HVPKPXX:VPAKL:SPIS、RVPSTXX:VPAKT:SPIS、ASAAPXX:VPAAL:SPIS、ASASPXX:VPADL:SPIS、KVGKAXX:VPTKL:SPIS、NDEGLEX:VPTEE:SPIS、NDEGLEX:VPTGQ:SPIS、KIPKAXX:APVEL:KPLS、GIPEPXX:APVKM:KPLS、SIPKAXX:APVEL:KPLS、HVTKPTX:APVKL:KPLS、YVPKPXX:APVKL:KPLS、TVPKPXX:APVQL:KPLS、AVPKAXX:APVKL:KPLS、KVGKAXX:APVKL:KPLS、KASKAXX:APVKL:KPLS、GSAGPXX:APVKM:KPLS、AAPASXX:APVRL:KPLS、STPPTXX:APVRL:KPLS、HVPKPXX:APVKL:KPLS、ASAAPXX:APVAL:KPLS、ASASPXX:APVDL:KPLS、KIPKAXX:VPTEL:KPLS、GIPEPXX:VPEKM:KPLS、SIPKAXX:VPTEL:KPLS、HVTKPTX:APTKL:KPLS、YVPKPXX:APTKL:KPLS、TVPKPXX:APTQL:KPLS、AVPKAXX:APTKL:KPLS、KVGKAXX:VPTKL:KPLS、KASKAXX:VPTKL:KPLS、GSAGPXX:TPTKM:KPLS、AAPASXX:VPARL:KPLS、STPPTXX:VPTRL:KPLS、HVPKPXX:APTKL:KPLS、ASAAPXX:VPQAL:KPLS、ASASPXX:VSQDL:KPLS、ASASPXX:VPQDL:KPLS、NDEGLEX:VPTEE:KPLS、NDEGLEX:VPTGQ:KPLS、SSVKXQP:SRVHH:KPLS、RNVQXRP:TQVQL:KPL
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【0210】
ある実施形態において、PEP7:PEP5:PEP12の3つ組は、GIPEPXX:VPTKM:SAIS-AA17-LYL、HVTKPTX:VPTKL:SAIS-AA17-LYL、YVPKPXX:VPTKL:SAIS-AA17-LYL、TVPKPXX:VPTQL:SAIS-AA17-LYL、AVPKAXX:VPTKL:SAIS-AA17-LYL、KVGKAXX:VPTKL:SAIS-AA17-LYL、KASKAXX:VPTKL:SAIS-AA17-LYL、GSAGPXX:VPTKM:SAIS-AA17-LYL、AAPASXX:VPTRL:SAIS-AA17-LYL、STPPTXX:VPTRL:SAIS-AA17-LYL、HVPKPXX:VPTKL:SAIS-AA17-LYL、RVPSTXX:VPTKT:SAIS-AA17-LYL、ASAAPXX:VPTAL:SAIS-AA17-LYL、ASASPXX:VPTDL:SAIS-AA17-LYL、GIPEPXX:VPEKM:SAIS-AA17-LYL、HVTKPTX:APTKL:SAIS-AA17-LYL、YVPKPXX:APTKL:SAIS-AA17-LYL、TVPKPXX:APTQL:SAIS-AA17-LYL、AVPKAXX:APTKL:SAIS-AA17-LYL、GSAGPXX:TPTKM:SAIS-AA17-LYL、AAPASXX:VPARL:SAIS-AA17-LYL、HVPKPXX:APTKL:SAIS-AA17-LYL、RVPSTXX:APVKT:SAIS-AA17-LYL、ASAAPXX:VPQAL:SAIS-AA17-LYL、ASASPXX:VSQDL:SAIS-AA17-LYL、ASASPXX:VPQDL:SAIS-AA17-LYL、SSVKXQP:SRVHH:SAIS-AA17-LYL、RNVQXRP:TQVQL:SAIS-AA17-LYL、KIPKAXX:VPEEL:SSLS-AA17-LFF、SIPKAXX:VPEEL:SSLS-AA17-LFF、HVTKPTX:VPEKL:SSLS-AA17-LFF、YVPKPXX:VPEKL:SSLS-AA17-LFF、TVPKPXX:VPEQL:SSLS-AA17-LFF、AVPKAXX:VPEKL:SSLS-AA17-LFF、KVGKAXX:VPEKL:SSLS-AA17-LFF、KASKAXX:VPEKL:SSLS-AA17-LFF、GSAGPXX:VPEKM:SSLS-AA17-LFF、AAPASXX:VPERL:SSLS-AA17-LFF、STPPTXX:VPERL:SSLS-AA17-LFF、HVPKPXX:VPEKL:SSLS-AA17-LFF、RVPSTXX:VPEKT:SSLS-AA17-LFF、ASAAPXX:VPEAL:SSLS-AA17-LFF、ASASPXX:VPEDL:SSLS-AA17-LFF、KIPKAXX:VPTEL:SSLS-AA17-LFF、SIPKAXX:VPTEL:SSLS-AA17-LFF、HVTKPTX:APTKL:SSLS-AA17-LFF、YVPKPXX:APTKL:SSLS-AA17-LFF、TVPKPXX:APTQL:SSLS-AA17-LFF、AVPKAXX:APTKL:SSLS-AA17-LFF、KVGKAXX:VPTKL:SSLS-AA17-LFF、KASKAXX:VPTKL:SSLS-AA17-LFF、GSAGPXX:TPTKM:SSLS-AA17-LFF、AAPASXX:VPARL:SSLS-AA17-LFF、STPPTXX:VPTRL:SSLS-AA17-LFF、HVPKPXX:APTKL:SSLS-AA17-LFF、RVPSTXX:APVKT:SSLS-AA17-LFF、ASAAPXX:VPQAL:SSLS-AA17-LFF、ASASPXX:VSQDL:SSLS-AA17-LFF、ASASPXX:VPQDL:SSLS-AA17-LFF、NDEGLEX:VPTEE:SSLS-AA17-LFF、NDEGLEX:VPTGQ:SSLS-AA17-LFF、SSVKXQP:SRVHH:SSLS-AA17-LFF、RNVQXRP:TQVQL:SSLS-AA17-LFF、KIPKAXX:APTEL:NAIS-AA17-LYF、GIPEPXX:APTKM:NAIS-AA17-LYF、SIPKAXX:APTEL:NAIS-AA17-LYF、AVPKAXX:APTKL:NAIS-AA17-LYF、KVGKAXX:APTKL:NAIS-AA17-LYF、KASKAXX:APTKL:NAIS-AA17-LYF、GSAGPXX:APTKM:NAIS-AA17-LYF、AAPASXX:APTRL:NAIS-AA17-LYF、STPPTXX:APTRL:NAIS-AA17-LYF、RVPSTXX:APTKT:NAIS-AA17-LYF、ASAAPXX:APTAL:NAIS-AA17-LYF、ASASPXX:APTDL:NAIS-AA17-LYF、KIPKAXX:VPTEL:NAIS-AA17-LYF、GIPEPXX:VPEKM:NAIS-AA17-LYF、SIPKAXX:VPTEL:NAIS-AA17-LYF、KVGKAXX:VPTKL:NAIS-AA17-LYF、KASKAXX:VPTKL:NAIS-AA17-LYF、GSAGPXX:TPTKM:NAIS-AA17-LYF、AAPASXX:VPARL:NAIS-AA17-LYF、STPPTXX:VPTRL:NAIS-AA17-LYF、RVPSTXX:APVKT:NAIS-AA17-LYF、ASAAPXX:VPQAL:NAIS-AA17-LYF、ASASPXX:VSQDL:NAIS-AA17-LYF、ASASPXX:VPQDL:NAIS-AA17-LYF、NDEGLEX:VPTEE:NAIS-AA17-LYF、NDEGLEX:VPTGQ:NAIS-AA17-LYF、SSVKXQP:SRVHH:NAIS-AA17-LYF、RNVQXRP:TQVQL:NAIS-AA17-LYF、KIPKAXX:APTEL:SATS-AA17-LYY、GIPEPXX:APTKM:SATS-AA17-LYY、SIPKAXX:APTEL:SATS-AA17-LYY、HVTKPTX:APTKL:SATS-AA17-LYY、YVPKPXX:APTKL:SATS-AA17-LYY、TVPKPXX:APTQL:SATS-AA17-LYY、KVGKAXX:APTKL:SATS-AA17-LYY、KASKAXX:APTKL:SATS-AA17-LYY、GSAGPXX:APTKM:SATS-AA17-LYY、AAPASXX:APTRL:SATS-AA17-LYY、STPPTXX:APTRL:SATS-AA17-LYY、HVPKPXX:APTKL:SATS-AA17-LYY、RVPSTXX:APTKT:SATS-AA17-LYY、ASAAPXX:APTAL:SATS-AA17-LYY、ASASPXX:APTDL:SATS-AA17-LYY、KIPKAXX:VPTEL:SATS-AA17-LYY、GIPEPXX:VPEKM:SATS-AA17-LYY、SIPKAXX:VPTEL:SATS-AA17-LYY、KVGKAXX:VPTKL:SATS-AA17-LYY、KASKAXX:VPTKL:SATS-AA17-LYY、GSAGPXX:TPTKM:SATS-AA17-LYY、AAPASXX:VPARL:SATS-AA17-LYY、STPPTXX:VPTRL:SATS-AA17-LYY、RVPSTXX:APVKT:SATS-AA17-LYY、ASAAPXX:VPQAL:SATS-AA17-LYY、ASASPXX:VSQDL:SATS-AA17-LYY、ASASPXX:VPQDL:SATS-AA17-LYY、NDEGLEX:VPTEE:SATS-AA17-LYY、NDEGLEX:VPTGQ:SATS-AA17-LYY、SSVKXQP:SRVHH:SATS-AA17-LYY、RNVQXRP:TQVQL:SATS-AA17-LYY、KIPKAXX:VPTEL:SPIS-AA17-LYK、GIPEPXX:VPTKM:SPIS-AA17-LYK、SIPKAXX:VPTEL:SPIS-AA17-LYK、HVTKPTX:VPTKL:SPIS-AA17-LYK、YVPKPXX:VPTKL:SPIS-AA17-LYK、TVPKPXX:VPTQL:SPIS-AA17-LYK、AVPKAXX:VPTKL:SPIS-AA17-LYK、KASKAXX:VPTKL:SPIS-AA17-LYK、GSAGPXX:VPTKM:SPIS-AA17-LYK、AAPASXX:VPTRL:SPIS-AA17-LYK、STPPTXX:VPTRL:SPIS-AA17-LYK、HVPKPXX:VPTKL:SPIS-AA17-LYK、RVPSTXX:VPTKT:SPIS-AA17-LYK、ASAAPXX:VPTAL:SPIS-AA17-LYK、ASASPXX:VPTDL:SPIS-AA17-LYK、GIPEPXX:VPEKM:SPIS-AA17-LYK、HVTKPTX:APTKL:SPIS-AA17-LYK、YVPKPXX:APTKL:SPIS-AA17-LYK、TVPKPXX:APTQL:SPIS-AA17-LYK、AVPKAXX:APTKL:SPIS-AA17-LYK、GSAGPXX:TPTKM:SPIS-AA17-LYK、AAPASXX:VPARL:SPIS-AA17-LYK、HVPKPXX:APTKL:SPIS-AA17-LYK、RVPSTXX:APVKT:SPIS-AA17-LYK、ASAAPXX:VPQAL:SPIS-AA17-LYK、ASASPXX:VSQDL:SPIS-AA17-LYK、ASASPXX:VPQDL:SPIS-AA17-LYK、SSVKXQP:SRVHH:SPIS-AA17-LYK、RNVQXRP:TQVQL:SPIS-AA17-LYK、KIPKAXX:VPTEL:EPIS-AA17-L
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される。
【0211】
ある実施形態において、PEP11は、3個のアミノ酸を有する一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択される。AA19は、F、W、H、Y、I、及びKからなる群より選択される。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP11は、LYL、LFF、LYF、LYY、LYK、LYI、LFI、LYV、VYY、QIM、AKV、及びRKIからなる群より選択される。
【0212】
ある実施形態において、PEP1は、SAIS、SSLS、NAIS、SATS、SPIS、EPIS、SPIN、KPLS、EPLP、EPLT、SNIT、RSVK、及びRPVQからなる群より選択される。PEP11は、LYL、LFF、LYF、LYY、LYK、LYI、LFI、LYV、VYY、QIM、AKV、及びRKIからなる群より選択される。PEP1:PEP11ペアは、SAIS:LYL、SSLS:LFF、NAIS:LYF、SATS:LYY、SPIS:LYK、SPIS:LYI、SPIS:LFI、EPIS:LYL、SPIN:LYF、KPLS:LYV、EPLP:VYY、EPLT:LYY、SNIT:QIM、RSVK:AKV、及びRPVQ:RKIからなる群より選択される。
【0213】
一態様において、本開示はGFR結合化合物を提供し、上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、下記一般式(III):
AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-AA8-AA9-AA10-AA11-AA12-AA13-AA14-AA15-AA16-AA17-AA18-AA19-AA20 (III)
(式中、AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7は、本明細書で定義されるPEP7である。AA13-AA14-AA15-AA16-AA17-AA18-AA19-AA20は、本明細書で定義されるPEP12である。AA8-AA9-AA10は、本明細書で定義されるPEP3である。AA11及びAA12は本明細書で定義される通りである。AA1はN末端アミノ酸であってもよく、C末端アミノ酸であってもよい。AA20は、N末端アミノ酸であってもよく、C末端アミノ酸であってもよい。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である(以下、化合物(III)又はペプチド(III)ともいう)。
【0214】
一例示において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0215】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0216】
最も具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は合成ペプチドである。
【0217】
一例示において、上記GFR結合化合物は、生理学的に許容される溶媒(水又はPBS等)等の溶液中において、上述した標準的な「3D」手順で測定される長さが約6~約20nmであり、好ましくは約6~約16nmである。
【0218】
具体的な一例示において、上記GFR結合化合物は、配列番号1~1058及び1143~6352のペプチドのうちのいずれか1つ又は複数である。
【0219】
(骨)
本発明の特定の実施形態は、骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、骨組織の再生、骨の修復、及び骨粗鬆症からの保護に特に有用である。
【0220】
骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、骨組織の再生、骨の修復、及び骨粗鬆症からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、SAIS、NAIS、SATS、及びSPISからなる群より選択される。
【0221】
骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、骨組織の再生、骨の修復、及び骨粗鬆症からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP3は、VPT、APT、VPQ、VSQ、及びTQVからなる群より選択される。
【0222】
骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、骨組織の再生、骨の修復、及び骨粗鬆症からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、VPQ、VSQ、及びTQVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、K、Q、A、及びDからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にLである。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTEL、APTKL、APTQL、VPTKL、VPQAL、VSQDL、VPQDL、及びTQVQLからなる群より選択される。
【0223】
骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、骨組織の再生、骨の修復、及び骨粗鬆症からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、T、又はRである。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくは、C、S、及びPからなる群より選択される。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、KIPKAXX、SIPKAXX、HVTKPTX、YVPKPXX、TVPKPXX、AVPKAXX、KVGKAXX、ASAAPXX、ASASPXX、及びRNVQXRPからなる群より選択される。
【0224】
骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、骨組織の再生、骨の修復、及び骨粗鬆症からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、VPQ、VSQ、及びTQVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、K、Q、A、及びDからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にLである。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、T、又はRである。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、及びPからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、KIPKAXXVPTEL、SIPKAXXVPTEL、HVTKPTXAPTKL、YVPKPXXAPTKL、TVPKPXXAPTQL、AVPKAXXAPTKL、KVGKAXXVPTKL、ASAAPXXVPQAL、ASASPXXVSQDL、ASASPXXVPQDL、及びRNVQXRPTQVQLからなる群より選択される。
【0225】
骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、骨組織の再生、骨の修復、及び骨粗鬆症からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。PEP1は、SAIS、NAIS、SATS、及びSPISからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。
【0226】
骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、骨組織の再生、骨の修復、及び骨粗鬆症からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にLである。AA19は、F、W、H、及びYからなる群より選択され、特にY等の芳香族極性アミノ酸である。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にL、F、Y、及びKからなる群より選択される。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11は、LYL、LYF、LYY、及びLYKからなる群より選択される。
【0227】
骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、骨組織の再生、骨の修復、及び骨粗鬆症からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、SAIS、NAIS、SATS、及びSPISからなる群より選択される。PEP11は、LYL、LFF、LYF、LYY、LYK、LYI、LFI、LYV、VYY、QIM、AKV、及びRKIからなる群より選択される。PEP1:PEP11ペアは、SAIS:LYL、NAIS:LYF、SATS:LYY、及びSPIS:LYKからなる群より選択される。
【0228】
骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、骨組織の再生、骨の修復、及び骨粗鬆症からの保護に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組、(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が本明細書の骨の項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0229】
骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、骨組織の再生、骨の修復、及び骨粗鬆症からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0230】
骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、骨組織の再生、骨の修復、及び骨粗鬆症からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0231】
(軟骨)
本発明の特定の実施形態は、軟骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、軟骨組織の再生、軟骨の修復、及び変形性関節症、肋軟骨炎、ヘルニア形成、軟骨無形成症、又は再発性多発軟骨炎等からの保護に特に有用である。
【0232】
軟骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、軟骨組織の再生、軟骨の修復、及び変形性関節症、肋軟骨炎、ヘルニア形成、軟骨無形成症、又は再発性多発軟骨炎等からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、SAIS、NAIS、SPIS、EPLP、及びEPLTからなる群より選択される。
【0233】
軟骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、軟骨組織の再生、軟骨の修復、及び変形性関節症、肋軟骨炎、ヘルニア形成、軟骨無形成症、又は再発性多発軟骨炎等からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP3は、VPT、APT、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。
【0234】
軟骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、軟骨組織の再生、軟骨の修復、及び変形性関節症、肋軟骨炎、ヘルニア形成、軟骨無形成症、又は再発性多発軟骨炎等からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、K、Q、R、A、及びDからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にLである。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTEL、APTKL、APTQL、VPTRL、VPQAL、VSQDL、及びVPQDLからなる群より選択される。
【0235】
軟骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、軟骨組織の再生、軟骨の修復、及び変形性関節症、肋軟骨炎、ヘルニア形成、軟骨無形成症、又は再発性多発軟骨炎等からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS、C、又はTである。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、KIPKAXX、SIPKAXX、HVTKPTX、YVPKPXX、TVPKPXX、STPPTXX、ASAAPXX、及びASASPXXからなる群より選択される。
【0236】
軟骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、軟骨組織の再生、軟骨の修復、及び変形性関節症、肋軟骨炎、ヘルニア形成、軟骨無形成症、又は再発性多発軟骨炎等からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、K、Q、R、A、及びDからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にLである。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS、C、又はTである。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、KIPKAXXVPTEL、SIPKAXXVPTEL、HVTKPTXAPTKL、YVPKPXXAPTKL、TVPKPXXAPTQL、STPPTXXVPTRL、ASAAPXXVPQAL、ASASPXXVSQDL、及びASASPXXVPQDLからなる群より選択される。
【0237】
軟骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、軟骨組織の再生、軟骨の修復、及び変形性関節症、肋軟骨炎、ヘルニア形成、軟骨無形成症、又は再発性多発軟骨炎等からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。PEP1は、SAIS、NAIS、SPIS、EPLP、及びEPLTからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。
【0238】
軟骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、軟骨組織の再生、軟骨の修復、及び変形性関節症、肋軟骨炎、ヘルニア形成、軟骨無形成症、又は再発性多発軟骨炎等からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にL又はVである。AA19は、F、W、H、及びYからなる群より選択され、特にY又はFである。AA20は、L、F、Y、及びIからなる群より選択される。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11は、LYL、LYF、LFI、VYY、及びLYYからなる群より選択される。
【0239】
軟骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、軟骨組織の再生、軟骨の修復、及び変形性関節症、肋軟骨炎、ヘルニア形成、軟骨無形成症、又は再発性多発軟骨炎等からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、SAIS、NAIS、SPIS、EPLP、及びEPLTからなる群より選択される。PEP11は、LYL、LYF、LFI、VYY、及びLYYからなる群より選択される。PEP1:PEP11ペアは、SAIS:LYL、NAIS:LYF、SPIS:LFI、EPLP:VYY、及びEPLT:LYYからなる群より選択される。
【0240】
軟骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、軟骨組織の再生、軟骨の修復、及び変形性関節症、肋軟骨炎、ヘルニア形成、軟骨無形成症、又は再発性多発軟骨炎等からの保護にに最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が本明細書の軟骨の項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0241】
軟骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、軟骨組織の再生、軟骨の修復、及び変形性関節症、肋軟骨炎、ヘルニア形成、軟骨無形成症、又は再発性多発軟骨炎等からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0242】
軟骨細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、軟骨組織の再生、軟骨の修復、及び変形性関節症、肋軟骨炎、ヘルニア形成、軟骨無形成症、又は再発性多発軟骨炎等からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0243】
(血管組織)
本発明の特定の実施形態は、血管細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、内皮化、血管新生/血管形成の増強、及び心臓組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に特に有用である。
【0244】
血管細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、内皮化、血管新生/血管形成の増強、及び心臓組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な他の実施形態において、PEP1は、SNIT、RPVQ、及びRSVKからなる群より選択される。
【0245】
血管細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、内皮化、血管新生/血管形成の増強、及び心臓組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な他の実施形態において、PEP3は、VPT、SRV、及びTQVからなる群より選択される。
【0246】
血管細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、内皮化、血管新生/血管形成の増強、及び心臓組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な他の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、SRV、及びTQVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、G、H、及びQからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にE、Q、H、及びLからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTGQ、VPTEE、SRVHH、及びTQVQLからなる群より選択される。
【0247】
血管細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、内皮化、血管新生/血管形成の増強、及び心臓組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な他の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはE、Q、及びRからなる群より選択される。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS、C、及びPからなる群より選択される。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、NDEGLEX、SSVKXQP、及びRNVQXRPからなる群より選択される。
【0248】
血管細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、内皮化、血管新生/血管形成の増強、及び心臓組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な他の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、SRV、及びTQVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、G、H、及びQからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にE、Q、H、及びLからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはE、Q、及びRからなる群より選択される。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS、C、及びPからなる群より選択される。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、NDEGLEXVPTEE、NDEGLEXVPTGQ、SSVKXQPSRVHH、及びRNVQXRPTQVQLからなる群より選択される。
【0249】
血管細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、内皮化、血管新生/血管形成の増強、及び心臓組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な他の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。PEP1は、SNIT、RPVQ、及びRSVKからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。
【0250】
血管細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、内皮化、血管新生/血管形成の増強、及び心臓組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な他の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にQ、A、及びRからなる群より選択される。AA19は、F、W、H、Y、I、及びKからなる群より選択され、特にI又はKである。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にM、V、及びIからなる群より選択される。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11は、QIM、AKV、及びRKIからなる群より選択される。
【0251】
血管細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、内皮化、血管新生/血管形成の増強、及び心臓組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な他の実施形態において、PEP1は、SNIT、RPVQ、及びRSVKからなる群より選択される。PEP11は、QIM、AKV、及びRKIからなる群より選択される。PEP1:PEP11ペアは、SNIT:QIM、RSVK:KEVQV、及びRPVQ:KKATVからなる群より選択される。
【0252】
血管細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、内皮化の増強、脈管化/血管新生、及び心臓組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書の血管組織の項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0253】
血管細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、内皮化、血管新生/血管形成の増強、及び心臓組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な他の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0254】
血管細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、内皮化、血管新生/血管形成の増強、及び心臓組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な他の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0255】
(神経再生)
本発明の特定の実施形態は、神経細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、ニューロン再生の促進、及びニューロン変性に関連する異常及び疾患からの保護に特に有用である。
【0256】
神経細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、ニューロン再生の促進、及びニューロン変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、NAIS、SPIS、及びEPISからなる群より選択される。
【0257】
神経細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、ニューロン再生の促進、及びニューロン変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP3は、VPT、APT、VPA、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。
【0258】
神経細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、ニューロン再生の促進、及びニューロン変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、VPA、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、K、Q、R、A、及びDからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にLである。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTEL、APTKL、APTQL、VPTKL、VPARL、VPQAL、VSQDL、及びVPQDLからなる群より選択される。
【0259】
神経細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、ニューロン再生の促進、及びニューロン変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、KIPKAXX、SIPKAXX、HVTKPTX、YVPKPXX、TVPKPXX、AVPKAXX、KVGKAXX、ASAAPXX、ASASPXX、及びRNVQXRPからなる群より選択される。
【0260】
神経細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、ニューロン再生の促進、及びニューロン変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、VPA、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、K、Q、R、A、及びDからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にLである。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、KIPKAXXVPTEL、SIPKAXXVPTEL、HVTKPTXAPTKL、YVPKPXXAPTKL、TVPKPXXAPTQL、AVPKAXXAPTKL、KVGKAXXVPTKL、ASAAPXXVPQAL、ASASPXXVSQDL、ASASPXXVPQDL、及びRNVQXRPTQVQLからなる群より選択される。
【0261】
神経細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、ニューロン再生の促進、及びニューロン変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。PEP1は、NAIS、SPIS、及びEPISからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。
【0262】
神経細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、ニューロン再生の促進、及びニューロン変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にLである。AA19は、F、W、H、及びYからなる群より選択され、特にY等の芳香族極性アミノ酸である。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にL、F、I、及びKからなる群より選択される。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11は、LYL、LYF、LYI、及びLYKからなる群より選択される
【0263】
神経細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、ニューロン再生の促進、及びニューロン変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、NAIS、SPIS、及びEPISからなる群より選択される。PEP11は、LYF、LYK、LYL、及びLYIからなる群より選択される。PEP1:PEP11ペアは、NAIS:LYF、SPIS:LYK、EPIS:LYL、及びSPIS:LYIからなる群より選択される。
【0264】
神経細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、ニューロン再生の促進、及びニューロン変性に関連する異常及び疾患からの保護に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書の神経再生の項で定義した上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0265】
神経細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、ニューロン再生の促進、及びニューロン変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0266】
神経細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、ニューロン再生の促進、及びニューロン変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0267】
(網膜)
本発明の特定の実施形態は、網膜細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、網膜細胞再生の促進、及び網膜細胞変性に関連する異常及び疾患(黄斑変性等)からの保護に特に有用である。
【0268】
網膜細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、網膜細胞再生の促進、及び網膜細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1はSPINである。
【0269】
網膜細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、網膜細胞再生の促進、及び網膜細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP3は、VPT、APT、TPT、VPA、及びAPVからなる群より選択される。
【0270】
網膜細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、網膜細胞再生の促進、及び網膜細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、TPT、VPA、及びAPVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、K、Q、及びRからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、又はTである。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTEL、APTKL、APTQL、VPTKL、TPTKM、VPARL、VPTRL、及びAPVKTからなる群より選択される。
【0271】
網膜細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、網膜細胞再生の促進、及び網膜細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、KIPKAXX、SIPKAXX、HVTKPTX、YVPKPXX、TVPKPXX、AVPKAXX、KVGKAXX、KASKAXX、GSAGPXX、AAPAXXS、STPPTXX、HVPKPXX、及びRVPSTXXからなる群より選択される。
【0272】
網膜細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、網膜細胞再生の促進、及び網膜細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、TPT、VPA、及びAPVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、K、Q、及びRからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、又はTである。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、KIPKAXXVPTEL、SIPKAXXVPTEL、HVTKPTXAPTKL、YVPKPXXAPTKL、TVPKPXXAPTQL、AVPKAXXAPTKL、KVGKAXXVPTKL、KASKAXXVPTKL、GSAGPXXTPTKL、AAPASXXVPARL、STPPTXXVPTRL、HVPKPXXAPTKL、及びRVPSTXXAPVKTからなる群より選択される。
【0273】
網膜細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、網膜細胞再生の促進、及び網膜細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。PEP1はSPINである。)で表されるペプチドである。
【0274】
網膜細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、網膜細胞再生の促進、及び網膜細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にLである。AA19は、F、W、H、及びYからなる群より選択され、特にY又はFである。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にL、F、Y、K、I、及びVからなる群より選択される。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11はLYFである。
【0275】
網膜細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、網膜細胞再生の促進、及び網膜細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1はSPINであり、PEP11はLYFである。
【0276】
網膜細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、網膜細胞再生の促進、及び網膜細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書の網膜の項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0277】
網膜細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、網膜細胞再生の促進、及び網膜細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0278】
網膜細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、網膜細胞再生の促進、及び網膜細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0279】
(腎組織)
本発明の特定の実施形態は、腎細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、腎細胞再生及び/又は腎機能の促進、及び腎細胞変性に関連する異常及び疾患(慢性腎臓病又は腎線維症等)からの保護に特に有用である。
【0280】
腎細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、腎細胞再生及び/又は腎機能の促進、及び腎細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1はSPINである。
【0281】
腎細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、腎細胞再生及び/又は腎機能の促進、及び腎細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP3は、VPT、APT、TPT、VPA、及びAPVからなる群より選択される。
【0282】
腎細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、腎細胞再生及び/又は腎機能の促進、及び腎細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、TPT、VPA、及びAPVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、K、Q、及びRからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、又はTである。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTEL、APTKL、APTQL、VPTKL、TPTKM、VPARL、VPTRL、及びAPVKTからなる群より選択される。
【0283】
腎細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、腎細胞再生及び/又は腎機能の促進、及び腎細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、KIPKAXX、SIPKAXX、HVTKPTX、YVPKPXX、TVPKPXX、AVPKAXX、KVGKAXX、KASKAXX、GSAGPXX、AAPAXXS、STPPTXX、HVPKPXX、及びRVPSTXXからなる群より選択される。
【0284】
腎細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、腎細胞再生及び/又は腎機能の促進、及び腎細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、TPT、VPA、及びAPVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、K、Q、及びRからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、又はTである。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、KIPKAXXVPTEL、SIPKAXXVPTEL、HVTKPTXAPTKL、YVPKPXXAPTKL、TVPKPXXAPTQL、AVPKAXXAPTKL、KVGKAXXVPTKL、KASKAXXVPTKL、GSAGPXXTPTKL、AAPASXXVPARL、STPPTXXVPTRL、HVPKPXXAPTKL、及びRVPSTXXAPVKTからなる群より選択される。
【0285】
腎細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、腎細胞再生及び/又は腎機能の促進、及び腎細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。PEP1はSPINである。
【0286】
腎細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、腎細胞再生及び/又は腎機能の促進、及び腎細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にLである。AA19は、F、W、H、及びYからなる群より選択され、特にY又はFである。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にL、F、Y、K、I、及びVからなる群より選択される。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11はLYFである。
【0287】
腎細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、腎細胞再生及び/又は腎機能の促進、及び腎細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1はSPINであり、PEP11はLYFである。
【0288】
腎細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、腎細胞再生及び/又は腎機能の促進、及び腎細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書の腎組織の項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0289】
腎細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、腎細胞再生及び/又は腎機能の促進、及び腎細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0290】
腎細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、腎細胞再生及び/又は腎機能の促進、及び腎細胞変性に関連する異常及び疾患からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0291】
(靱帯及び腱)
本発明の特定の実施形態は、靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に特に有用である。
【0292】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、NAIS、SPIS、EPLP、及びEPLTからなる群より選択される。
【0293】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP3は、VPT、APT、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。
【0294】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にE、K、Q、R、A、又はDである。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にLである。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTEL、APTKL、APTQL、VPTRL、VPQAL、VSQDL、及びVPQDLからなる群より選択される。
【0295】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはT、S、及びCからなる群より選択される。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、KIPKAXX、SIPKAXX、HVTKPTX、YVPKPXX、TVPKPXX、STPPTXX、ASAAPXX、及びASASPXXからなる群より選択される。
【0296】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にE、K、Q、R、A、又はDである。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にLである。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはT、S、及びCからなる群より選択される。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、KIPKAXXVPTEL、SIPKAXXVPTEL、HVTKPTXAPTKL、YVPKPXXAPTKL、TVPKPXXAPTQL、STPPTXXVPTRL、ASAAPXXVPQAL、ASASPXXVSQDL、及びASASPXXVPQDLからなる群より選択される。
【0297】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。PEP1は、NAIS、SPIS、EPLP、及びEPLTからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。
【0298】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にL又はVである。AA19は、F、W、H、及びYからなる群より選択され、特にY又はFである。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にF、I、及びYからなる群より選択される。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11は、LYF、LFI、VYY、及びLYYからなる群より選択される。
【0299】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、NAIS、SPIS、EPLP、及びEPLTからなる群より選択される。PEP11は、LYF、LFI、VYY、及びLYYからなる群より選択される。PEP1:PEP11ペアは、NAIS:LYF、SPIS:LFI、EPLP:VYY、及びEPLT:LYYからなる群より選択される。
【0300】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書のL/Tの項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0301】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0302】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0303】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な他の実施形態において、PEP1はSPISである。
【0304】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な他の実施形態において、PEP3は、VPT、APT、TPT、VPA、及びAPVからなる群より選択される。
【0305】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な他の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、TPT、VPA、及びAPVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にE、K、Q、及びRからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、及びTからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTEL、APTKL、APTQL、VPTKL、TPTKM、VPARL、VPTRL、及びAPVKTからなる群より選択される。
【0306】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な他の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、KIPKAXX、SIPKAXX、HVTKPTX、YVPKPXX、TVPKPXX、AVPKAXX、KVGKAXX、KASKAXX、GSAGPXX、AAPAXXS、STPPTXX、HVPKPXX、及びRVPSTXXからなる群より選択される。
【0307】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な他の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、TPT、VPA、及びAPVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、K、Q、及びRからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、又はTである。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、KIPKAXXVPTEL、SIPKAXXVPTEL、HVTKPTXAPTKL、YVPKPXXAPTKL、TVPKPXXAPTQL、AVPKAXXAPTKL、KVGKAXXVPTKL、KASKAXXVPTKL、GSAGPXXTPTKL、AAPASXXVPARL、STPPTXXVPTRL、HVPKPXXAPTKL、及びRVPSTXXAPVKTからなる群より選択される。
【0308】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な他の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。))で表されるペプチドである。PEP1はSPISである。
【0309】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な他の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にLである。AA19は、F、W、H、及びYからなる群より選択され、特にY等の極性芳香族アミノ酸である。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にIである。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11はLYIである。
【0310】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な他の実施形態において、PEP1はSPISであり、PEP11はLYIである。
【0311】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書のL/Tの項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0312】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な他の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0313】
靱帯及び腱(L/T)細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、線維組織形成及びT/L再生の促進、並びにL/T細胞変性及びL/T細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの保護に有用な他の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0314】
(創傷治癒)
本発明の特定の実施形態は、本明細書で定義される創傷治癒プロセスに関わる間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、並びに創傷治癒、皮膚修復、及び細胞遊走の促進に特に有用である。
【0315】
本明細書で定義される創傷治癒プロセスに関わる間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、並びに創傷治癒、皮膚修復、及び細胞遊走の促進に有用な特定の実施形態において、PEP1は、SNIT、RPVQ、及びRSVKからなる群より選択される。
【0316】
本明細書で定義される創傷治癒プロセスに関わる間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、並びに創傷治癒、皮膚修復、及び細胞遊走の促進に有用な特定の実施形態において、PEP3は、VPT、SRV、及びTQVからなる群より選択される。
【0317】
本明細書で定義される創傷治癒プロセスに関わる間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、並びに創傷治癒、皮膚修復、及び細胞遊走の促進に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、SRV、及びTQVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にE、G、H、及びQからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にE、Q、H、及びLからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTGQ、VPTEE、SRVHH、及びTQVQLからなる群より選択される。
【0318】
本明細書で定義される創傷治癒プロセスに関わる間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、並びに創傷治癒、皮膚修復、及び細胞遊走の促進に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはE、Q、及びRからなる群より選択される。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS、C、及びPからなる群より選択される。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、NDEGLEX、SSVKXQP、及びRNVQXRPからなる群より選択される。
【0319】
本明細書で定義される創傷治癒プロセスに関わる間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、並びに創傷治癒、皮膚修復、及び細胞遊走の促進に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、SRV、及びTQVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、G、H、及びQからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にE、Q、H、及びLからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはE、Q、及びRからなる群より選択される。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS、C、及びPからなる群より選択される。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、NDEGLEXVPTEE、NDEGLEXVPTGQ、SSVKXQPSRVHH、及びRNVQXRPTQVQLからなる群より選択される。
【0320】
本明細書で定義される創傷治癒プロセスに関わる間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、並びに創傷治癒、皮膚修復、及び細胞遊走の促進に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。PEP1は、SNIT、RPVQ、及びRSVKからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。
【0321】
本明細書で定義される創傷治癒プロセスに関わる間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、並びに創傷治癒、皮膚修復、及び細胞遊走の促進に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にQ、A、及びRからなる群より選択される。AA19は、F、W、H、Y、I、及びKからなる群より選択され、特にI又はKである。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にM、V、及びIからなる群より選択される。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11は、QIM、AKV、及びRKIからなる群より選択される。
【0322】
本明細書で定義される創傷治癒プロセスに関わる間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、並びに創傷治癒、皮膚修復、及び細胞遊走の促進に有用な特定の実施形態において、PEP1は、SNIT、RPVQ、及びRSVKからなる群より選択される。PEP11は、QIM、AKV、及びRKIからなる群より選択される。PEP1:PEP11ペアは、SNIT:QIM、RSVK:KEVQV、及びRPVQ:KKATVからなる群より選択される。
【0323】
本明細書で定義される創傷治癒プロセスに関わる間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、並びに創傷治癒、皮膚修復、及び細胞遊走の促進に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書の創傷治癒の項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0324】
本明細書で定義される創傷治癒プロセスに関わる間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、並びに創傷治癒、皮膚修復、及び細胞遊走の促進に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0325】
本明細書で定義される創傷治癒プロセスに関わる間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、並びに創傷治癒、皮膚修復、及び細胞遊走の促進に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0326】
(皮膚の再生及び抗老化)
本発明の特定の実施形態は、繊維芽細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、皮膚組織再生及び管腔形成の誘導、しわの予防、軽減、マスキング、又は除去、皮膚の引き締め、皮膚色素沈着の予防、軽減、又は抑制、並びに皮膚組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの患者の保護に特に有用である。
【0327】
繊維芽細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、皮膚組織再生及び管腔形成の誘導、しわの予防、軽減、マスキング、又は除去、皮膚の引き締め、皮膚色素沈着の予防、軽減、又は抑制、並びに皮膚組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、EPLP、EPLT、SNIT、RSVK、及びRPVQからなる群より選択される。
【0328】
繊維芽細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、皮膚組織再生及び管腔形成の誘導、しわの予防、軽減、マスキング、又は除去、皮膚の引き締め、皮膚色素沈着の予防、軽減、又は抑制、並びに皮膚組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP3は、VPT、APT、VPQ、VSQ、SRV、及びTQVからなる群より選択される。
【0329】
繊維芽細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、皮膚組織再生及び管腔形成の誘導、しわの予防、軽減、マスキング、又は除去、皮膚の引き締め、皮膚色素沈着の予防、軽減、又は抑制、並びに皮膚組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、VPQ、VSQ、SRV、及びTQVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にE、K、Q、A、D、及びHからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、E、及びHからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTEL、APTKL、APTQL、VPQAL、VSQDL、VPQDL、VPTEE、SRVHH、及びTQVQLからなる群より選択される。
【0330】
繊維芽細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、皮膚組織再生及び管腔形成の誘導、しわの予防、軽減、マスキング、又は除去、皮膚の引き締め、皮膚色素沈着の予防、軽減、又は抑制、並びに皮膚組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、T、E、R、及びQからなる群より選択される。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS、C、及びPからなる群より選択される。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、KIPKAXX、SIPKAXX、HVTKPTX、YVPKPXX、TVPKPXX、ASAAPXX、ASASPXX、NDEGLEX、SSVKXQP、及びRNVQXRPからなる群より選択される。
【0331】
繊維芽細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、皮膚組織再生及び管腔形成の誘導、しわの予防、軽減、マスキング、又は除去、皮膚の引き締め、皮膚色素沈着の予防、軽減、又は抑制、並びに皮膚組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、VPQ、VSQ、SRV、及びTQVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にE、K、Q、A、D、及びHからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、E、及びHからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、T、E、R、及びQからなる群より選択される。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS、C、及びPからなる群より選択される。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、KIPKAXXVPTEL、SIPKAXXVPTEL、HVTKPTXAPTKL、YVPKPXXAPTKL、TVPKPXXAPTQL、ASAAPXXVPQAL、ASASPXXVSQDL、ASASPXXVPQDL、NDEGLEXVPTEE、SSVKXQPSRVHH、及びRNVQXRPTQVQLからなる群より選択される。
【0332】
繊維芽細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、皮膚組織再生及び管腔形成の誘導、しわの予防、軽減、マスキング、又は除去、皮膚の引き締め、皮膚色素沈着の予防、軽減、又は抑制、並びに皮膚組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。PEP1は、EPLP、EPLT、SNIT、RSVK、及びRPVQからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。
【0333】
繊維芽細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、皮膚組織再生及び管腔形成の誘導、しわの予防、軽減、マスキング、又は除去、皮膚の引き締め、皮膚色素沈着の予防、軽減、又は抑制、並びに皮膚組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択される。AA19は、F、W、H、Y、I、及びKからなる群より選択され、特にY、I、及びKからなる群より選択される。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にY、M、V、及びIからなる群より選択される。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11は、VYY、LYY、QIM、AKV、及びRKIからなる群より選択される。
【0334】
繊維芽細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、皮膚組織再生及び管腔形成の誘導、しわの予防、軽減、マスキング、又は除去、皮膚の引き締め、皮膚色素沈着の予防、軽減、又は抑制、並びに皮膚組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、EPLP、EPLT、SNIT、RSVK、及びRPVQからなる群より選択される。PEP11は、VYY、LYY、QIM、AKV、及びRKIからなる群より選択される。PEP1:PEP11ペアは、EPLP:VYY、EPLT:LYY、SNIT:QIM、RSVK:KEVQV、及びRPVQ:KKATVからなる群より選択される。
【0335】
繊維芽細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、皮膚組織再生及び管腔形成の誘導、しわの予防、軽減、マスキング、又は除去、皮膚の引き締め、皮膚色素沈着の予防、軽減、又は抑制、並びに皮膚組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの患者の保護に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書の皮膚の再生の項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0336】
繊維芽細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、皮膚組織再生及び管腔形成の誘導、しわの予防、軽減、マスキング、又は除去、皮膚の引き締め、皮膚色素沈着の予防、軽減、又は抑制、並びに皮膚組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0337】
繊維芽細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、皮膚組織再生及び管腔形成の誘導、しわの予防、軽減、マスキング、又は除去、皮膚の引き締め、皮膚色素沈着の予防、軽減、又は抑制、並びに皮膚組織変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0338】
(毛髪)
本発明の特定の実施形態は、毛包細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化、毛包組織の再生及び形成(発毛)の誘導、並びに毛包に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの保護に特に有用である。
【0339】
毛包細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化、毛包組織の再生及び形成(発毛)の誘導、並びに毛包に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1はSSLSである。
【0340】
毛包細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化、毛包組織の再生及び形成(発毛)の誘導、並びに毛包に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP3は、VPT、VPE、APT、TPT、VPA、APV、VPQ、VSQ、及びSRVからなる群より選択される。
【0341】
毛包細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化、毛包組織の再生及び形成(発毛)の誘導、並びに毛包に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、VPE、APT、TPT、VPA、APV、VPQ、VSQ、及びSRVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にE、K、Q、R、A、D、及びHからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、T、E、及びHからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTEL、VPEKM、APTKL、APTQL、VPTKL、TPTKM、VPARL、VPTRL、APVKT、VPQAL、VSQDL、VPQDL、VPTEE、及びSRVHHからなる群より選択される。
【0342】
毛包細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化、毛包組織の再生及び形成(発毛)の誘導、並びに毛包に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、T、E、及びQからなる群より選択される。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS、C、及びPからなる群より選択される。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、KIPKAXX、GIPEPXX、SIPKAXX、HVTKPTX、YVPKPXX、TVPKPXX、AVPKAXX、KVGKAXX、KASKAXX、GSAGPXX、AAPASXX、STPPTXX、HVPKPXX、RVPSTXX、ASAAPXX、ASASPXX、NDEGLEX、及びSSVKXQPからなる群より選択される。
【0343】
毛包細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化、毛包組織の再生及び形成(発毛)の誘導、並びに毛包に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、VPE、APT、TPT、VPA、APV、VPQ、VSQ、及びSRVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にE、K、Q、R、A、D、及びHからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、T、E、及びHからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、T、E、及びQからなる群より選択される。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS、C、及びPからなる群より選択される。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、KIPKAXXVPTEL、GIPEPXXVPEKM、SIPKAXXVPTEL、HVTKPTXAPTKL、YVPKPXXAPTKL、TVPKPXXAPTQL、AVPKAXXAPTKL、KVGKAXXVPTKL、KASKAXXVPTKL、GSAGPXXTPTKM、AAPASXXVPARL、STPPTXXVPTRL、HVPKPXXAPTKL、RVPSTXXAPVKT、ASAAPXXVPQAL、ASASPXXVSQDL、ASASPXXVPQDL、NDEGLEXVPTEE、及びSSVKXQPSRVHHからなる群より選択される。
【0344】
毛包細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化、毛包組織の再生及び形成(発毛)の誘導、並びに毛包に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。PEP1はSSLSである。
【0345】
毛包細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化、毛包組織の再生及び形成(発毛)の誘導、並びに毛包に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にLである。AA19は、F、W、H、Y、I、及びKからなる群より選択され、特にFである。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にFである。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11はLFFである。
【0346】
毛包細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化、毛包組織の再生及び形成(発毛)の誘導、並びに毛包に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、PEP1はSSLSであり、PEP11はLFFである。
【0347】
毛包細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化、毛包組織の再生及び形成(発毛)の誘導、並びに毛包に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの保護に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書の毛髪の項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0348】
毛包細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化、毛包組織の再生及び形成(発毛)の誘導、並びに毛包に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0349】
毛包細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化、毛包組織の再生及び形成(発毛)の誘導、並びに毛包に関連する疾患、障害、異常、又は病変からの保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0350】
(受胎能及び生殖)
本発明の特定の実施形態は、生殖器系系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、雌性受胎能の増強、及び雌性不妊症又はそれに関連する任意の疾患、異常、障害、又は病変の治療、予防、軽減、又は抑制に特に有用である。
【0351】
生殖器系系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、雌性受胎能の増強、及び雌性不妊症又はそれに関連する任意の疾患、異常、障害、又は病変の治療、予防、軽減、又は抑制に有用な特定の実施形態において、PEP1はNAISである。
【0352】
生殖器系系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、雌性受胎能の増強、及び雌性不妊症又はそれに関連する任意の疾患、異常、障害、又は病変の治療、予防、軽減、又は抑制に有用な特定の実施形態において、PEP3は、VPT、APT、TPT、VPA、及びAPVからなる群より選択される。
【0353】
生殖器系系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、雌性受胎能の増強、及び雌性不妊症又はそれに関連する任意の疾患、異常、障害、又は病変の治療、予防、軽減、又は抑制に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、TPT、VPA、及びAPVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にE、K、Q、及びRからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、及びTからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTEL、APTKL、APTQL、VPTKL、TPTKM、VPARL、VPTRL、及びAPVKTからなる群より選択される。
【0354】
生殖器系系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、雌性受胎能の増強、及び雌性不妊症又はそれに関連する任意の疾患、異常、障害、又は病変の治療、予防、軽減、又は抑制に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、及びTからなる群より選択される。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS及びCからなる群より選択される。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、KIPKAXX、SIPKAXX、HVTKPTX、YVPKPXX、TVPKPXX、AVPKAXX、KVGKAXX、KASKAXX、GSAGPXX、AAPASXX、STPPTXX、HVPKPXX、及びRVPSTXXからなる群より選択される。
【0355】
生殖器系系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、雌性受胎能の増強、及び雌性不妊症又はそれに関連する任意の疾患、異常、障害、又は病変の治療、予防、軽減、又は抑制に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、APT、TPT、VPA、及びAPVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にE、K、Q、及びRからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、及びTからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、及びTからなる群より選択される。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS及びCからなる群より選択される。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、KIPKAXXVPTEL、SIPKAXXVPTEL、HVTKPTXAPTKL、YVPKPXXAPTKL、TVPKPXXAPTQL、AVPKAXXAPTKL、KVGKAXXVPTKL、KASKAXXVPTKL、GSAGPXXTPTKM、AAPASXXVPARL、STPPTXXVPTRL、HVPKPXXAPTKL、及びRVPSTXXAPVKTからなる群より選択される。
【0356】
生殖器系系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、雌性受胎能の増強、及び雌性不妊症又はそれに関連する任意の疾患、異常、障害、又は病変の治療、予防、軽減、又は抑制に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。PEP1はNAISである。
【0357】
生殖器系系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、雌性受胎能の増強、及び雌性不妊症又はそれに関連する任意の疾患、異常、障害、又は病変の治療、予防、軽減、又は抑制に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にLである。AA19は、F、W、H、Y、I、及びKからなる群より選択され、特にYである。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にFである。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11はLYFである。
【0358】
生殖器系系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、雌性受胎能の増強、及び雌性不妊症又はそれに関連する任意の疾患、異常、障害、又は病変の治療、予防、軽減、又は抑制に有用な特定の実施形態において、PEP1はNAISであり、PEP11はLYFである。
【0359】
生殖器系系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、雌性受胎能の増強、及び雌性不妊症又はそれに関連する任意の疾患、異常、障害、又は病変の治療、予防、軽減、又は抑制に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書の受胎能及び生殖の項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0360】
生殖器系系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、雌性受胎能の増強、及び雌性不妊症又はそれに関連する任意の疾患、異常、障害、又は病変の治療、予防、軽減、又は抑制に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0361】
生殖器系系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、雌性受胎能の増強、及び雌性不妊症又はそれに関連する任意の疾患、異常、障害、又は病変の治療、予防、軽減、又は抑制に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0362】
(肺)
本発明の特定の実施形態は、肺細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、肺組織の再生、及び肺組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に特に有用である。
【0363】
肺細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、肺組織の再生、及び肺組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、NAIS、SATS、SPIS、EPIS、及びSPINからなる群より選択される。
【0364】
肺細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、肺組織の再生、及び肺組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP3は、VPT、VPE、APT、TPT、VPA、APV、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。
【0365】
肺細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、肺組織の再生、及び肺組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、VPE、APT、TPT、VPA、APV、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にE、K、Q、R、A、及びDからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、及びTからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTEL、VPEKM、APTKL、APTQL、VPTKL、TPTKM、VPARL、VPTRL、APVKT、VPQAL、VSQDL、及びVPQDLからなる群より選択される。
【0366】
肺細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、肺組織の再生、及び肺組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、及びTからなる群より選択される。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC又はSである。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、KIPKAXX、GIPEPXX、SIPKAXX、HVTKPTX、YVPKPXX、TVPKPXX、AVPKAXX、KVGKAXX、KASKAXX、GSAGPXX、AAPASXX、STPPTXX、HVPKPXX、RVPSTXX、ASAAPXX、及びASASPXXからなる群より選択される。
【0367】
肺細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、肺組織の再生、及び肺組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、VPE、APT、TPT、VPA、APV、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、K、Q、R、A、及びDからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、及びTからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、及びTからなる群より選択される。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC又はSである。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、KIPKAXXVPTEL、GIPEPXXVPEKM、SIPKAXXVPTEL、HVTKPTXAPTKL、YVPKPXXAPTKL、TVPKPXXAPTQL、AVPKAXXAPTKL、KVGKAXXVPTKL、KASKAXXVPTKL、GSAGPXXTPTKM、AAPASXXVPARL、STPPTXXVPTRL、HVPKPXXAPTKL、RVPSTXXAPVKT、ASAAPXXVPQAL、ASASPXXVSQDL、及びASASPXXVPQDLからなる群より選択される。
【0368】
肺細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、肺組織の再生、及び肺組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。PEP1は、NAIS、SATS、SPIS、EPIS、及びSPINからなる群より選択される。
【0369】
肺細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、肺組織の再生、及び肺組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にLである。AA19は、F、W、H、及びYからなる群より選択され、特にY等の極性芳香族アミノ酸である。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にL、F、Y、及びKからなる群より選択される。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11は、LYF、LYY、LYK、及びLYLからなる群より選択される。
【0370】
肺細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、肺組織の再生、及び肺組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、NAIS、SATS、SPIS、EPIS、及びSPINからなる群より選択される。PEP11は、LYF、LYY、LYK、及びLYLからなる群より選択される。PEP1:PEP11ペアは、NAIS:LYF、SATS:LYY、SPIS:LYK、EPIS:LYL、及びSPIN:LYFからなる群より選択される。
【0371】
肺細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、肺組織の再生、及び肺組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書の肺の項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0372】
肺細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、肺組織の再生、及び肺組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0373】
肺細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、肺組織の再生、及び肺組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0374】
(筋肉)
本発明の特定の実施形態は、筋肉細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、筋肉組織の再生、筋形成の増強、筋肉組織の補強、損傷した筋肉の修復、及び筋肉組織変性に関連する1種以上の疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に特に有用である。
【0375】
筋肉細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、筋肉組織の再生、筋形成の増強、筋肉組織の補強、損傷した筋肉の修復、及び筋肉組織変性に関連する1種以上の疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、RSVK又はRPVQである。
【0376】
筋肉細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、筋肉組織の再生、筋形成の増強、筋肉組織の補強、損傷した筋肉の修復、及び筋肉組織変性に関連する1種以上の疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP3は、VPQ、VSQ、及びVPTからなる群より選択される。
【0377】
筋肉細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、筋肉組織の再生、筋形成の増強、筋肉組織の補強、損傷した筋肉の修復、及び筋肉組織変性に関連する1種以上の疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPQ、VSQ、及びVPTからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にA、D、E、及びGからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びH、特にL、E、及びQからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPQAL、VSQDL、VPQDL、VPTEE、及びVPTGQからなる群より選択される。
【0378】
筋肉細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、筋肉組織の再生、筋形成の増強、筋肉組織の補強、損傷した筋肉の修復、及び筋肉組織変性に関連する1種以上の疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、又はEである。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、ASAAPXX、ASASPXX、及びNDEGLEXからなる群より選択される。
【0379】
筋肉細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、筋肉組織の再生、筋形成の増強、筋肉組織の補強、損傷した筋肉の修復、及び筋肉組織変性に関連する1種以上の疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPQ、VSQ、及びVPTからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にA、D、E、及びGからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びH、特にL、E、及びQからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、又はEである。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS又はCである。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、ASAAPXXVPQAL、ASASPXXVSQDL、ASASPXXVPQDL、NDEGLEXVPTEE、及びNDEGLEXVPTGQからなる群より選択される。
【0380】
筋肉細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、筋肉組織の再生、筋形成の増強、筋肉組織の補強、損傷した筋肉の修復、及び筋肉組織変性に関連する1種以上の疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にI又はMである。PEP1は、RSVK又はRPVQである。)で表されるペプチドである。
【0381】
筋肉細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、筋肉組織の再生、筋形成の増強、筋肉組織の補強、損傷した筋肉の修復、及び筋肉組織変性に関連する1種以上の疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にA又はRである。AA19は、AAVIIアミノ酸からなる群より選択され、特にKである。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にV又はIである。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11は、AKV又はRKIである。
【0382】
筋肉細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、筋肉組織の再生、筋形成の増強、筋肉組織の補強、損傷した筋肉の修復、及び筋肉組織変性に関連する1種以上の疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、RSVK又はRPVQである。PEP11は、AKV又はRKIである。PEP1:PEP11ペアは、RSVK:AKV又はRPVQ:RKIである。
【0383】
筋肉細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、筋肉組織の再生、筋形成の増強、筋肉組織の補強、損傷した筋肉の修復、及び筋肉組織変性に関連する1種以上の疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義、最も具体的には実施形態は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書の筋肉の項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0384】
筋肉細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、筋肉組織の再生、筋形成の増強、筋肉組織の補強、損傷した筋肉の修復、及び筋肉組織変性に関連する1種以上の疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0385】
筋肉細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、筋肉組織の再生、筋形成の増強、筋肉組織の補強、損傷した筋肉の修復、及び筋肉組織変性に関連する1種以上の疾患、障害、異常、又は病変からの被験者の保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0386】
(血液)
本発明の特定の実施形態は、血液細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、血液組織の再生、及び血液細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に特に有用である。
【0387】
血液細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、血液組織の再生、及び血液細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP1はSNITである。
【0388】
血液細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、血液組織の再生、及び血液細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP3は、TPT、VPA、VPT、APT、APV、VPQ、VSQ、SRV、及びTQVからなる群より選択される。
【0389】
血液細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、血液組織の再生、及び血液細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、TPT、VPA、VPT、APT、APV、VPQ、VSQ、SRV、及びTQVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にK、R、A、D、H、及びQからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にM、L、T、及びHからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、TPTKM、VPARL、VPTRL、APTKL、APVKT、VPQAL、VSQDL、VPQDL、SRVHH、及びTQVQLからなる群より選択される。
【0390】
血液細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、血液組織の再生、及び血液細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS、C、Q、及びRからなる群より選択される。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくは、C、S、及びPからなる群より選択される。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、GSAGPXX、AAPASXX、STPPTXX、HVPKPXX、RVPSTXX、ASAAPXX、ASASPXX、SSVKXQP、及びRNVQXRPからなる群より選択される。
【0391】
血液細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、血液組織の再生、及び血液細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、TPT、VPA、VPT、APT、APV、VPQ、VSQ、SRV、及びTQVからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にK、R、A、D、H、及びQからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にM、L、T、及びHからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはS、C、Q、及びRからなる群より選択される。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、及びPからなる群より選択される。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、GSAGPXXTPTKM、AAPASXXVPARL、STPPTXXVPTRL、HVPKPXXAPTKL、RVPSTXXAPVKT、ASAAPXXVPQAL、ASASPXXVSQDL、ASASPXXVPQDL、SSVKXQPSRVHH、及びRNVQXRPTQVQLからなる群より選択される。
【0392】
血液細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、血液組織の再生、及び血液細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、V、及びTからなる群より選択される。PEP1はSNITである。)で表されるペプチドである。
【0393】
血液細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、血液組織の再生、及び血液細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にQである。AA19は、F、W、H、I、及びYからなる群より選択され、特にIである。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にMである。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11はQIMである。
【0394】
血液細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、血液組織の再生、及び血液細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP1はSNITであり、PEP11はQIMである。
【0395】
血液細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、血液組織の再生、及び血液細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義、最も具体的には実施形態は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書の血液の項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0396】
血液細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、血液組織の再生、及び血液細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0397】
血液細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、血液組織の再生、及び血液細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0398】
(脂肪組織)
本発明の特定の実施形態は、脂肪細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、脂肪組織の再生、及び脂肪組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に特に有用である。
【0399】
脂肪細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、脂肪組織の再生、及び脂肪組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、SAIS又はNAISである。
【0400】
脂肪細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、脂肪組織の再生、及び脂肪組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP3は、VPT、VPE、APT、TPT、VPA、APV、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。
【0401】
脂肪細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、脂肪組織の再生、及び脂肪組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP5は、一般式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、VPE、APT、TPT、VPA、APV、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びHからなる群より選択され、特にE、K、Q、R、A、及びDからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、及びTからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP5は、VPTEL、VPEKM、APTKL、APTQL、VPTKL、TPTKM、VPARL、VPTRL、APVKT、VPQAL、VSQDL、及びVPQDLからなる群より選択される。
【0402】
脂肪細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、脂肪組織の再生、及び脂肪組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP7は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7(式中、AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、及びTからなる群より選択される。AA7は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC又はSである。AA1、AA2、AA3、AA4、AA5、AA6、及びAA7の少なくとも1つは存在している。)で表されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP7は、KIPKAXX、GIPEPXX、SIPKAXX、HVTKPTX、YVPKPXX、TVPKPXX、AVPKAXX、KVGKAXX、KASKAXX、GSAGPXX、AAPASXX、STPPTXX、HVPKPXX、RVPSTXX、ASAAPXX、及びASASPXXからなる群より選択される。
【0403】
脂肪細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、脂肪組織の再生、及び脂肪組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP9は、一般式AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-PEP5{式中、PEP5は、式PEP3-AA11-AA12(式中、PEP3は、VPT、VPE、APT、TPT、VPA、APV、VPQ、及びVSQからなる群より選択される。AA11は、E、K、Q、R、A、D、G、及びH、特にE、K、Q、R、A、及びDからなる群より選択される。AA12は、L、M、T、E、Q、及びHからなる群より選択され、特にL、M、及びTからなる群より選択される。)で表されるペプチドである。AA1、AA2、AA3、AA4、及びAA5は、それぞれ独立に、存在しないか又は本明細書で定義されるAAIである。AA6は、存在しないか又はS、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC、S、及びTからなる群より選択される。AA7は、S、T、C、E、Q、P、及びRからなる群より選択され、好ましくはC又はSである。}で表されるペプチドである。具体的な一例示において、PEP9は、KIPKAXXVPTEL、GIPEPXXVPEKM、SIPKAXXVPTEL、HVTKPTXAPTKL、YVPKPXXAPTKL、TVPKPXXAPTQL、AVPKAXXAPTKL、KVGKAXXVPTKL、KASKAXXVPTKL、GSAGPXXTPTKM、AAPASXXVPARL、STPPTXXVPTRL、HVPKPXXAPTKL、RVPSTXXAPVKT、ASAAPXXVPQAL、ASASPXXVSQDL、及びASASPXXVPQDLからなる群より選択される。
【0404】
脂肪細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、脂肪組織の再生、及び脂肪組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP12は、一般式PEP1-AA17-PEP11(式中、AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、V、及びTからなる群より選択される。PEP1は、SAIS又はNAISである。)で表されるペプチドである。
【0405】
脂肪細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、脂肪組織の再生、及び脂肪組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP11は、一般式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択され、特にLである。AA19は、F、W、H、及びYからなる群より選択され、特にY等の極性芳香族アミノ酸である。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択され、特にL又はFである。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。具体的な一例示において、PEP11は、LYL又はLYFである。
【0406】
脂肪細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、脂肪組織の再生、及び脂肪組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、PEP1は、SAIS又はNAISである。PEP11は、LYL又はLYFである。PEP1:PEP11ペアは、SAIS:LYL又はNAIS:LYFである。
【0407】
脂肪細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、脂肪組織の再生、及び脂肪組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に最も有用な「PEP」のペア及び3つ組(PEP3:PEP1、PEP5:PEP12、又はPEP7:PEP5:PEP1等)の定義、最も具体的には実施形態は、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP11、及びPEP12が、本明細書の脂肪組織の項で定義した通り上記用途に特に有用となる限り、本明細書で既に定義した通りである。
【0408】
脂肪細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、脂肪組織の再生、及び脂肪組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義の項において定義される合成分子である。
【0409】
脂肪細胞系列からの間葉系又は前駆幹細胞の分化の誘導、脂肪組織の再生、及び脂肪組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護に有用な特定の実施形態において、上記GFR結合化合物は、合成ペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0410】
(組織閉鎖)
組織閉鎖の促進に有用なある実施形態において、PEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP12、PEP11、及びAA17の選択肢は、実施される組織閉鎖の具体的な種類によって決定され、骨、軟骨、血管、創傷治癒、神経、網膜、腎臓、肝臓、L/T、及び皮膚用途に対して本明細書で既に開示した任意の好適なアミノ酸、ペプチド及びその類似体若しくは変異体、又はペプチド模倣体が含まれていてもよい。例えば、ある実施形態において、骨修復手術では、皮膚、筋肉、及び血管等の各組織層を切開して損傷した骨部に到達する。従って、このような具体的状況で本発明の実施形態を実施するのに好適なPEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP12、PEP11、及びAA17としては、皮膚、筋肉、血管、及び骨組織の再生/形成、並びに細胞遊走に対して本明細書で既に開示した上記アミノ酸、ペプチド及びその類似体若しくは変異体、又はペプチド模倣体が挙げられる。同様に、例えばある実施形態において、心臓手術では、皮膚、筋肉、及び血管等の各組織層を切開して患者の心臓に到達する。従って、このような具体的状況で本発明の実施形態を実施するのに好適なPEP1、PEP3、PEP5、PEP7、PEP9、PEP12、PEP11、及びAA17としては、皮膚、筋肉、及び血管組織の再生/形成、並びに細胞遊走に対して本明細書で既に開示したアミノ酸、ペプチド及びその類似体若しくは変異体、又はペプチド模倣体が挙げられる。
【0411】
III.生理活性担体
本発明は、生理活性担体との機能的な組み合わせ(又は連合(association))によって、効率的な組織誘導などを介して意図した治療及び/又は化粧作用を達成できる。
【0412】
従って、一例示において、上記GFR結合化合物と上記生理活性担体とは、本明細書で定義されるように作動可能に連合、組み合わせ、連結、又は結合されるので、本明細書で定義される使用及び方法のための医薬的、皮膚科学的、予防的、診断的、造影用、又は化粧的な連合体又は組み合わせを形成できる。
【0413】
本明細書中、「生理活性担体」、「生体適合性担体」、「生理活性材料」、「生体適合性材料」、「生理活性物質」、「生体物質」、及び「生体適合性物質」という用語は、交換可能に使用される。
【0414】
好適な生理活性担体は、生存細胞、組織、器官、又は系と適合するため、損傷、毒性、又は免疫系による拒絶のリスクがほとんど又は全くない。本発明の実施形態を実施するのに好適な生理活性担体としては、
(a)生体高分子:(a1)コラーゲン、(a2)フィブリン等、
(b)合成高分子:(b1)超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、(b2)ポリウレタン(PE)、(b3)ポリウレタン(PU)、(b4)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、(b5)ポリアセタール(PA)、(b6)ポリメチルメタクリレート(PMMA)、(b7)ポリエチレンテレフタレート(PET)、(b8)シリコーンゴム(SR)、(b9)ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、(b10)ポリ乳酸(PLA)、(b11)ポリスルホン(PS)、(b12)PLLA、(b13)PLGA、(b14)PLDA等、
(c)金属及び金属酸化物:(c1)金及び金合金、(c2)銀及び銀合金、(c3)白金及び白金合金、(c4)タンタル、(c5)Ti6Al4V、(c6)316Lステンレス鋼、(c7)Co-Cr合金、(c8)□型、β型、□+□型Ti合金やTi-Nb合金(Ti29Nb13Ta4.6Zr、Ti35Nb4Sn等)などのチタン合金等、
(d)金属ガラス、
(e)非晶質合金:Zr系合金等、
(f)多孔質金属:Ryan et al.,2006,Biomaterials,27,2651;Lopez-Heredia et al.,2008,Biomaterials,29,2608;Ryan et al.,2008,Biomaterials,29,3625;Li et al.,2007,Biomaterials,28,2810;Hollander et al.,2006,Biomaterials,27,955(それぞれ参照によりその全体が本願に組み込まれる)に記載されたもの等、
(g)ゲル又は固体セラミック:(g1)アルミナ、(g2)ジルコニア、(g3)カーボン、(g4)チタニア、(g5)バイオガラス、(g6)ヒドロキシアパタイト(HA)等、
(h)複合材:(h1)シリカ/SR、(h2)CF/UHMWPE、(h3)CF/PTFE、(h4)HA/PE、(h5)CF/エポキシ、(h6)CF/PEEK、(h7)CF/C、(h8)Al2O3/PTFE等、
(i)ヒドロゲル:(i1)例えばVan Buul,et al.,Chem.Sci.4,2357-2363(2013)(参照によりその全体が本願に組み込まれる)に記載されたオリゴ(エチレン)グリコールポリイソシアノペプチド等のポリイソシアノペプチドヒドロゲル、(i2)アルギン酸塩、キトサン、キチン、グアーガム、ペクチン、ゲランガム、ヘパリン、カラギーナン、ヒアルロナン、デンプン、寒天、キサンタンガム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の多糖類、(i3)ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリグリコール、(i4)ポリビニルピロリドン、(i5)ポリビニルアルコール、(i6)ポリアクリル酸、(i7)グリセロリン酸、(i8)2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(i9)ポリホスファゼン等、
(j)脱灰骨基質等の他の好適な材料、
並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0415】
本発明の実施形態を実施するための生理活性担体の好適な供給源としては、オートグラフ、アログラフ、キセノグラフ、植物、溶液、賦形剤(excipient)、セラミック、金属、金属合金、有機及び無機ポリマー、バイオガラス、炭素含有構造体、及びこれらの組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0416】
本発明の実施形態を実施するための生理活性担体として特に好適なものとしては、少なくとも1つの表面に少なくとも1個の天然水酸基を含む生理活性担体、表面に少なくとも1個の水酸基を天然には含まないが、従来の表面処理技術によって表面に少なくとも1個の水酸基が存在するように修飾された生理活性担体が挙げられる。一例示において、上記水酸基は、有効水酸基、すなわち、本開示の化合物との相互作用及び/又は反応が防止されないものである。本発明の実施形態を実施するための表面に水酸基を天然に含む生理活性担体として好適なものとしては、具体的には、酸化チタン等の金属酸化物及びセラミック等の非金属酸化物が挙げられる。また、本発明の実施形態を実施するための生理活性担体として好適なものとしては、少なくとも1つの表面に少なくとも1個の天然カルボキシレート基(-COOH)又はアミン基(-NH2)を含む生理活性担体、表面に少なくとも1個のカルボキシレート基(-COOH)又はアミン基(-NH2)を天然には含まないが、従来の表面処理技術によって表面に少なくとも1個のカルボキシレート基(-COOH)又はアミン基(-NH2)が存在するように修飾された生理活性担体が挙げられる。
【0417】
一例示において、上記生理活性担体は生体材料を含む。本開示の特定の実施形態を実施するのに好適な生体材料は、天然由来であってもよく、あるいは金属成分、ポリマー、セラミック、又は複合材料を利用した各種の化学的アプローチによって実験室で合成してもよい。これらは医療用途で使用及び/又は適合されることが多く、従って、生体構造又は医療機器の全体又は一部を構成する。本開示の特定の実施形態を実施するのに好適な生体材料は、通常、関節置換、骨プレート、骨セメント、人工靱帯及び腱、歯固定用歯科インプラント、人工血管、心臓弁、皮膚修復装置(人工組織)、蝸牛置換、コンタクトレンズ、乳房インプラント、ドラッグデリバリー機構、持続可能材料、血管移植、ステント、人工神経管で使用される。本開示の特定の実施形態を実施するのに特に好適な生体材料は、Nitesh et al.,International Journal of Emerging Technology and Advanced Engineering,ISSN 2250-2459,Volume 2,Issue 4,2012(参照によりその全体が本願に組み込まれる)において金属及び合金(94~95頁)、セラミック(95~97頁)、高分子生体材料(97~98頁)、並びに生物複合材料(98~99頁)等が記載されている。
【0418】
具体的な一例示において、上記生理活性担体は生体材料である。
【0419】
ある実施形態において、特に好適な生理活性担体は、生体不活性生体材料、生理活性生体材料、及び生体吸収性生体材料からなる群より選択される。
【0420】
生体材料の性質は重要なパラメータである。再生及び/又は修復される組織の主要成分で主に構成された生理活性担体を用いると、特に良好な結果が得られた。これにより、通常は、生理活性担体をより良好に統合でき、既に存在している周囲の細胞によってより良好に吸収でき、従って、標的組織をより良好に再生又は修復できる。例えば、固体セラミック成分(顆粒セラミック粉末又はセラミックスキャフォールド)又はゲルセラミック成分を本開示のGFR結合ペプチドと組み合わせて骨を再生し、骨粗鬆症から保護した場合、特に良好な結果が得られることが分かった。また、例えば、コラーゲン、特にコラーゲンI型、II型、III型、及びXI型を本開示のGFR結合ペプチドと組み合わせて軟骨を再生した場合、特に良好な結果が得られることが分かった。また、例えば、コラーゲン、特にコラーゲンI型及びIII型、又は生分解性ヒドロゲルを本開示のGFR結合ペプチドと組み合わせて筋肉、皮膚、並びに腱及び靱帯を再生した場合、特に良好な結果が得られることが分かった。また、例えば、コラーゲン又は生分解性ヒドロゲルを本開示のGFR結合ペプチドと組み合わせて血管、ニューロン、網膜、腎臓、創傷治癒、毛髪、受胎及び生殖、肺、及び脂肪組織の組織及び/又は機能を再生した場合、特に良好な結果が得られることが分かった。
【0421】
生体不活性生体材料
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「生体不活性生体材料」という用語は、人体内に置かれても周辺組織と最小限にしか相互作用しない任意の材料を意味する。これらの例としては、ステンレス鋼、チタン、アルミナ、部分安定化ジルコニア、及び超高分子量ポリエチレンが挙げられる。一般に、生体不活性インプラントの周辺には線維被膜が形成され得るので、その生物機能性はインプラントによる組織統合に依存する。
【0422】
生理活性生体材料
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「生理活性生体材料」という用語は、人体内に置かれたら、周辺の骨や場合によっては軟組織とも相互作用する材料を意味する。これは、生体骨に埋め込むことで発生する表面の時間依存的動的修飾によって起こる。生理活性インプラントと周辺体液とのイオン交換反応によって、骨の無機相と化学的且つ結晶学的に等価な生物活性炭酸アパタイト(CHAp)層がインプラント上に形成される。このような材料の例としては、合成ヒドロキシアパタイト[Ca10(PO4)6(OH)2]、ガラスセラミックA-W、及びバイオガラス(登録商標)が挙げられる。
【0423】
生体吸収性生体材料
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「生体吸収性生体材料」という用語は、人体内に置かれたら、溶解し(吸収され)始め、進行する組織(骨等)と緩やかに置き換わる材料を意味する。生体吸収性材料の例としては、リン酸三カルシウム[Ca3(PO4)2]、ポリ乳酸-ポリグリコール酸共重合体、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、及び石膏が挙げられるが、これらに限定されない。
【0424】
従って、本発明の実施形態を実施するための生理活性担体として好適な物質、材料、又は分子は、該物質、材料、又は分子が(a)本明細書で定義される生体適合性であり、且つ(b)本明細書で定義されるGFR結合化合物と組み合わせ又は連合可能である限り、何ら限定されない。好適な一例示において、上記生理活性担体は、Gong JP et al.,Double-network hydrogels with extremely high mechanical strength,Adv Mater 2003,15(14),1155e8(参照により本願に組み込まれる)等で詳述されている従来の動的機械分析で測定した硬度が少なくとも5kPa、より好ましくは少なくとも35kPaであり、好ましくは3又は5GPa以下である。
【0425】
具体的な一例示において、神経細胞関連用途で使用される本明細書で定義される生体材料は、硬度が約0.01kPa~約3kPa、好ましくは約0.01kPa~約1kPaである。具体的な一例示において、筋肉、軟骨、及び腱/靱帯関連用途で使用される本明細書で定義される生体材料は、硬度が約3kPa~約200kPa、好ましくは約10kPa~約30kPaである。具体的な一例示において、骨関連用途で使用される本明細書で定義される生体材料は、硬度が約30kPa~約3GPaであり、例えば骨粗鬆症及び骨組織再生の治療及び予防等の用途の場合、好ましくは約70kPa~約200kPaである。具体的な一例示において、毛髪関連用途で使用される本明細書で定義される生体材料は、硬度が約0.01kPa~約200kPa、好ましくは約3kPa~約70kPaである。具体的な一例示において、内皮化関連用途で使用される本明細書で定義される生体材料は、硬度が約500kPa~約2.5GPaである。具体的な一例示において、血管新生関連用途で使用される本明細書で定義される生体材料は、硬度が約0.01kPa~約100kPaである。具体的な一例示において、創傷治癒及び皮膚関連用途で使用される本明細書で定義される生体材料は、硬度が約0.01kPa~約70kPaである。
【0426】
有効水酸基
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「遊離水酸基」又は「有効水酸基」という用語は、-OH、ラジカル(-O・)、又は完全若しくは部分的にイオン化したアニオン(-O-)であってもよく、以下で定義する化合物(A)又は化合物(B)等の求電子剤との反応において求核剤として作用できる水酸基を意味する。
【0427】
有効水酸基含有表面
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「有効水酸基含有表面」又は「遊離水酸基含有表面」という用語は、本明細書で定義される遊離又は有効水酸基を少なくとも1個含む表面を意味する。
【0428】
セラミック
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「セラミック」という用語は、1000℃を超える高融点の無機材料を意味する。最も典型的には、「セラミック」といわれる材料は、原料固体粒子を加熱して焼結するプロセスで得られるものである。「セラミック」といわれる材料は、広義で2つのグループ、すなわち「酸化物セラミック」及び「非酸化物セラミック」に分けられる。「酸化物セラミック」としては、MgO及びBaO等のアルカリ土類金属酸化物、Al2O3及びアルミン酸塩、TiO2及びチタン酸塩、ZrO2及びジルコニウム酸塩、並びにクレイ及びクレイ由来材料等のケイ酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。「セラミック」という用語は結晶性、部分非晶質、及び完全非晶質材料を包含するので、「酸化物セラミック」という用語は、完全非晶質ケイ酸塩ガラスを包含するとも解釈できる。「非酸化物セラミック」としては、炭化ケイ素及び窒化ケイ素等の炭化物、窒化物、ホウ化物、及びケイ化物、並びに金属の炭化物及び窒化物等が挙げられるが、これらに限定されない。具体的な一例示において、骨関連用途において本開示に係る生理活性担体として顆粒化粉末又はスキャフォールド状等の固体セラミックが使用される。具体的な一例示において、骨関連用途において本開示に係る生理活性担体としてゲルセラミックが使用される。
【0429】
金属酸化物
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「金属酸化物」という用語は、少なくとも1個の酸素原子と少なくとも1個の別の元素を化学式中に有する化学化合物を意味する。金属酸化物は、典型的には酸化状態が-2である酸素のアニオンを含む。これは加水分解又は空気/酸素酸化によって得られる。このような金属酸化物としては、酸化チタン(TiO、Ti2O3、TiO2等)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化鉄(II、III)(Fe2O3等)、及び酸化亜鉛(ZnO)等が挙げられる。
【0430】
生体高分子
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「生体高分子」という用語は、生体によって産生されるポリマーを意味し、ポリペプチド及びタンパク質(コラーゲン及びフィブリン等)、多糖(セルロース、デンプン、キチン、及びキトサン等)、核酸(DNA及びRNA等)、並びにこれらの水素化物等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0431】
ヒドロゲル
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「ヒドロゲル」という用語は、水性媒体中で膨潤するが、水中では溶解しない高分子材料群を意味する。ヒドロゲルは、高吸収性(水を99%以上含有できる)の天然又は合成高分子である。また、ヒドロゲルは、その顕著な含水量から、天然組織と非常に近い柔軟度を有する。例えば、米国特許第6,475,516号明細書には、インプラント等の内在性医療機器の表面に共有結合的に結合するヒドロゲルが開示されており、本明細書で記載したプロセス等によって本開示のGFR結合化合物で機能化できる。具体的な一例示において、生分解性ヒドロゲルは、本開示に係る生理活性担体として使用される。
【0432】
コラーゲン
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「コラーゲン」という用語は、大半が腱、靱帯、及び皮膚等の線維組織に見られ、角膜、軟骨、骨、血管、消化管、及び椎間円板にも豊富に見られる動物の各種結合組織の主要な構造タンパク質を意味する。コラーゲンは、典型的には三重らせんで構成されており、一般にヒドロキシプロリン含量が高い。アミノ酸配列中の最も一般的なモチーフはグリシン-プロリン-X及びグリシン-X-ヒドロキシプロリンであり、Xはグリシン、プロリン及びヒドロキシプロリン以外の任意のアミノ酸を表す。コラーゲンとしては28種が同定され、文献に記載されており、現在のところいずれも本発明の実施形態を実施するのに好適であると考えられる。最も一般的な5種類は、皮膚、腱、血管結紮糸、器官、骨(骨の有機部分の主成分)に見られるコラーゲンI型;軟骨(軟骨の主成分)に見られるコラーゲンII型;網状組織(細網線維の主成分)に見られるコラーゲンIII型;基底層、基底膜の上皮分泌層に見られるコラーゲンIV型;及び細胞表面、毛髪、及び胎盤に見られるコラーゲンV型である。例えばある実施形態において、本発明の実施形態を実施するのに好適なコラーゲンとしては、特にコラーゲンI型及びIV型が挙げられる。具体的な一例示において、コラーゲンI型、II型、III型、及びXI型等のコラーゲンが、本開示に係る生理活性担体として軟骨関連用途に使用される。具体的な一例示において、コラーゲンI型及びIII型等のコラーゲンが、本開示に係る生理活性担体として筋肉関連用途、皮膚関連用途、及びT/L関連用途に使用される。具体的な一例示において、任意の種類のコラーゲンが、本開示に係る生理活性担体として血管、神経、網膜、腎臓、創傷治癒、毛髪、受胎及び生殖、肺、及び脂肪関連用途に使用される。
【0433】
ある実施形態において、上記GFR結合化合物と生理活性担体との上記連合、組み合わせ、連結、又は結合は、本明細書で定義される生理活性担体親和性基を介して形成できる。
【0434】
IV.生理活性担体親和性基
一態様において、本開示は、少なくとも1個の生理活性担体親和性基で修飾又は機能化した本明細書で既に定義したGFR結合化合物を提供する。上記少なくとも1個の生理活性担体親和性基によって、上記GFR結合化合物は、本明細書で定義される生理活性担体(特に、本明細書で定義される生体材料)と共有結合的又は非共有結合的に相互作用又は結合できるようになる。
【0435】
上記共有結合的相互作用又は結合を介した親和性が必要となる実施形態において、上記生理活性担体親和性基は、チオール(SH)含有基又はシステイン含有基、特にチオール(SH)含有ペプチド又はシステイン含有ペプチドであってもよい。上記共有結合的相互作用又は結合を介した親和性が必要となる実施形態において、上記生理活性担体親和性基は、特にシステインであってもよい。
【0436】
上記非共有結合的相互作用又は結合を介した親和性が必要となる実施形態において、上記生理活性担体親和性基は、米国特許出願公開第2008/0268015号明細書(参照によりその全体が本願に組み込まれる)に開示されたペプチド基のうち任意の1種等のペプチド基を含んでいてもよい(又はであってもよい)。特に、米国特許出願公開第2008/0268015号明細書に記載の配列番号1~45等、Phe、Trp、Tyrの1個以上を含む大きな芳香族アミノ酸残基中に豊富に存在するアミノ酸配列を有するペプチド(芳香族アミノ酸含有ペプチド又はペプチド模倣体)は、本発明の実施形態を実施するための生体材料親和性断片として好適である。また、上記断片は、米国特許第6,818,620号明細書(参照によりその全体が本願に組み込まれる)に開示されたペプチド断片のうち任意の1種等のペプチド断片であってもよい。特に、米国特許第6,818,620号明細書に記載の配列番号1~7のペプチドは、本発明の実施形態を実施するための生体材料親和性断片として好適である。
【0437】
具体的な一例示において、上記生理活性担体親和性基は、生体材料高親和性基等の生理活性担体高親和性基である。
【0438】
ある実施形態において、上記生理活性担体親和性基は、コラーゲン、アパタイト、チタン、又は米国特許出願公開第2008/0268015号明細書(参照により本願に組み込まれる)等に列挙された任意のもの等、所定の生理活性担体(特に生体材料)に対していくらかの親和性(好ましくは高い親和性)を有する。例えば、生体材料に対していくらかの親和性を有する基は、該基が別の材料、表面、又はこのような比較で典型的に使用されるタンパク質(ウシ血清アルブミン等)等の適当なコントロールに結合する際の親和性に対して、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも200%、少なくとも300%、少なくとも400%、少なくとも500%、又はそれ以上の値から選択される親和性/特異性で生体材料と非共有結合的に相互作用/結合できる任意の基である。一例示において、生体材料親和性基は、EC50として測定される相対結合親和性で特徴付けられる結合特異性が10□M以下であり、ある実施形態においては1□M未満である。ある実施形態において、相対親和性が1pM~100□M、1pM~10□M、又は1pM~1□Mであることが特に好適である。EC50は、当該分野で公知の任意の数の方法によって決定される。この場合、EC50は、アッセイにおいて断片について観察される最大結合の50%となる該断片の濃度を表す。
【0439】
具体的な一例示において、上記生理活性担体親和性基は、アパタイト等の生理活性担体と非共有結合的に相互作用することが好ましいGTPGP、及び、コラーゲン等の生理活性担体と非共有結合的に相互作用することが好ましいWWFWGからなる群より選択される。
【0440】
具体的な一例示において、上記生理活性担体親和性基は、上記GFR結合化合物の一端(又は末端)へ共有結合的又は非共有結合的(特に共有結合的)に付着する。
【0441】
V.修飾GFR結合化合物
従って、一態様において、本開示は、本開示で定義されるGFR結合化合物と、生理活性担体親和性基とを含む修飾GFR結合化合物を提供する。GFR結合化合物のRMSDは2.45Å以下である。
【0442】
例えばある実施形態において、本開示は、本開示で定義されるGFR結合化合物と、生理活性担体親和性基とを含む修飾GFR結合化合物を提供する。上記生理活性担体親和性基は、チオール含有基(特にチオール含有ペプチド)、システイン含有基(特にシステイン含有ペプチド、より具体的にはシステイン)、及び芳香族アミノ酸含有ペプチド又はペプチド模倣体からなる群より選択される。GFR結合化合物のRMSDは2.45Å以下である。
【0443】
例えばある実施形態において、本開示は、GFR結合化合物及び生理活性担体親和性基を含む修飾GFR結合化合物を提供する。上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、且つSAIS、SSLS、NAIS、SATS、SPIS、EPIS、SPIN、KPLS、EPLP、EPLT、SNIT、RSVK、及びRPVQからなる群より選択される4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP1)を含む、本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。上記生理活性担体親和性基は、チオール含有基(特にチオール含有ペプチド)、システイン含有基(特にシステイン含有ペプチド、より具体的にはシステイン)、及び芳香族アミノ酸含有ペプチド又はペプチド模倣体からなる群より選択される。GFR結合化合物のRMSDは2.45Å以下である。
【0444】
例えばある実施形態において、本開示は、GFR結合化合物及び生理活性担体親和性基を含む修飾GFR結合化合物を提供する。上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、且つ一般式PEP1-AA17-PEP11{式中、PEP1は、SAIS、SSLS、NAIS、SATS、SPIS、EPIS、SPIN、KPLS、EPLP、EPLT、SNIT、RSVK、及びRPVQからなる群より選択される4個のアミノ酸を有するペプチドである。PEP11は、式AA18-AA19-AA20(式中、AA18は、L、V、Q、A、及びRからなる群より選択される。AA19は、F、W、H、及びYからなる群より選択され、特にY等の芳香族極性アミノ酸である。AA20は、L、F、Y、K、I、V、及びMからなる群より選択される。)で表される3個のアミノ酸を有するペプチドである。AA17は、G、A、V、L、I、P、F、M、W、T、及びSからなる群より選択され、特にM、I、L、V、及びTからなる群より選択される。}で表される8個のアミノ酸を有するペプチド(PEP12)を含む、本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。上記生理活性担体親和性基は、チオール含有基(特にチオール含有ペプチド)、システイン含有基(特にシステイン含有ペプチド、より具体的にはシステイン)、及び芳香族アミノ酸含有ペプチド又はペプチド模倣体からなる群より選択される。GFR結合化合物のRMSDは2.45Å以下である。
【0445】
例えば、ある実施形態において、本開示は、GFR結合化合物及び生理活性担体親和性基を含む修飾GFR結合化合物を提供する。上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、且つ下記一般式(I):
PEP(C)-PEP12 (I)
(式中、PEP12は、本明細書で定義されるPEP1-AA17-PEP11で表される8個のアミノ酸を有するペプチドである。PEP(C)の一端は、PEP1の一端を介してPEP12と共有結合的に相互作用する。PEP(C)は少なくとも5個のアミノ酸を有するペプチドであり、特に5~12個のアミノ酸を有するペプチドである。)で表される、本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である(以下、化合物(I)又はペプチド(I)ともいう)。上記生理活性担体親和性基は、チオール含有基(特にチオール含有ペプチド)、システイン含有基(特にシステイン含有ペプチド、より具体的にはシステイン)、及び芳香族アミノ酸含有ペプチド又はペプチド模倣体からなる群より選択される。GFR結合化合物のRMSDは2.45Å以下である。
【0446】
例えばある実施形態において、本開示は、GFR結合化合物及び生理活性担体親和性基を含む修飾GFR結合化合物を提供する。上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、且つ下記一般式(II):
PEP7-PEP5-PEP12 (II)
(式中、PEP12は、本明細書で定義されるPEP1-AA17-PEP11で表される8個のアミノ酸を有するペプチドである。PEP5は、本明細書で定義される5個のアミノ酸を有するペプチドである。PEP7は、本明細書で定義されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。PEP5の一端は、PEP1の一端を介してPEP12の一端と共有結合的に相互作用する。PEP5の別の一端は、AA7を介してPEP7の一端と共有結合的に相互作用する。)で表される、本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。(以下、化合物(II)又はペプチド(II)ともいう)。上記生理活性担体親和性基は、チオール含有基(特にチオール含有ペプチド)、システイン含有基(特にシステイン含有ペプチド、より具体的にはシステイン)、及び芳香族アミノ酸含有ペプチド又はペプチド模倣体からなる群より選択される。GFR結合化合物のRMSDは2.45Å以下である。
【0447】
例えばある実施形態において、本開示は、GFR結合化合物及び生理活性担体親和性基を含む修飾GFR結合化合物を提供する。上記GFR結合化合物は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、且つ下記一般式(III):
AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7-AA8-AA9-AA10-AA11-AA12-AA13-AA14-AA15-AA16-AA17-AA18-AA19-AA20 (III)
(式中、AA1-AA2-AA3-AA4-AA5-AA6-AA7は、本明細書で定義されるPEP7である。AA13-AA14-AA15-AA16-AA17-AA18-AA19-AA20は、本明細書で定義されるPEP12である。AA8-AA9-AA10は、本明細書で定義されるPEP3である。AA11及びAA12は本明細書で定義される通りである。AA1はN末端アミノ酸であってもよく、C末端アミノ酸であってもよい。AA20は、N末端アミノ酸であってもよく、C末端アミノ酸であってもよい。)で表される本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である(以下、化合物(III)又はペプチド(III)ともいう)。上記生理活性担体親和性基は、チオール含有基(特にチオール含有ペプチド)、システイン含有基(特にシステイン含有ペプチド、より具体的にはシステイン)、及び芳香族アミノ酸含有ペプチド又はペプチド模倣体からなる群より選択される。GFR結合化合物のRMSDは2.45Å以下である。
【0448】
VI.機能化生理活性担体
一態様において、本開示は、本開示で定義するGFR結合化合物を少なくとも1種(特に修飾GFR結合化合物を少なくとも1種)含み、インビトロ、エクスビボ、又はインビボで組織再生を促進するのに使用できる機能化生理活性担体を提供する。一例示において、上記(修飾)GFR結合化合物及び生理活性担体は、いずれも活性素/成分である。ある実施形態において、上記機能化生理活性担体は、本明細書で定義される修飾、機能化、被覆、又はグラフト化された生体材料、特に修飾、機能化、被覆、又はグラフト化された組織再生適合性生体材料である。
【0449】
一例示において、上記機能化生理活性担体は、(修飾)GFR結合化合物を1種含む。一例示において、上記機能化生理活性担体は、2種以上の異なる(修飾)GFR結合化合物を含む。一例示において、上記機能化生理活性担体は、3種以上の異なる(修飾)GFR結合化合物を含む。一例示において、上記機能化生理活性担体は、4種以上の異なる(修飾)GFR結合化合物を含む。
【0450】
活性又は生理活性素又は成分
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「(生理)活性素」又は「(生理)活性成分」とは、一般に、所望の生物学的効果の提供に関連する分子、化合物、又は物質を意味する。上記活性成分がなければ、それを含む製剤又は組成物は所望の生物学的効果を提供しない。例えばある実施形態において、製剤賦形剤は、本明細書で定義される医薬組成物の活性成分とはみなさない。
【0451】
一例示において、上記機能化生理活性担体は、反応条件下において本明細書で定義される生理活性担体と(修飾)GFR結合化合物とを接触させることで、上記生理活性担体の少なくとも一部(又は表面の少なくとも一部)を機能化し、それにより上記生理活性担体と上記(修飾)GFR結合化合物との機能的連合、相互作用又は結合を形成する工程を含む、又はのみからなる方法によって形成される。
【0452】
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「機能的に連合した」、「機能的に組み合わせた」、「機能化した」、「固定した」、「堆積した」、「被覆した」、又は「グラフト化した」という用語はいずれも、(修飾)GFR結合化合物を用いて生理活性担体の少なくとも一部を連合又は機能化することで、組織形成の誘導等の所望の生物学的、治療的、及び/又は化粧的効果を得る行為を意味している。連合又は組み合わせは共有結合的であって、上記(修飾)GFR結合化合物と上記生理活性担体との間に本明細書で既に定義した共有結合的相互作用を生じさせてもよい。あるいは、連合又は組み合わせは非共有結合的であって、上記(修飾)GFR結合化合物と上記生理活性担体との間に本明細書で既に定義した非共有結合的相互作用を生じさせてもよい。
【0453】
例えばある実施形態において、(修飾)GFR結合化合物は、上記生理活性担体と共有結合的に相互作用する(少なくとも1つの機能的共有結合的相互作用を形成する)。
【0454】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、成長因子受容体結合能を有し、分子量が600~4,000Da、600~3,000Da、又は800~4,000Da、特に800~3,000Daであり、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0455】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、成長因子受容体結合能を有し、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP1)を含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0456】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、8個のアミノ酸を有するペプチド(PEP12)を含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0457】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP1)を含み、3個のアミノ酸を有するペプチド(PEP3)を更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0458】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、8個のアミノ酸を有するペプチド(PEP12)を含み、3個のアミノ酸を有するペプチド(PEP3))を更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0459】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP1)を含み、5個のアミノ酸を有するペプチド(PEP5)を更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0460】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、8個のアミノ酸を有するペプチド(PEP12)を含み、5個のアミノ酸を有するペプチド(PEP5)を更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0461】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP1)を含み、6~12個のアミノ酸を有するペプチド(PEP9)を更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0462】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、8個のアミノ酸を有するペプチド(PEP12)を含み、6~12個のアミノ酸を有するペプチド(PEP9)を更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0463】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP1)を含み、3個のアミノ酸を有するペプチド(PEP3)及びアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチド(PEP7)を更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0464】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP12)を含み、3個のアミノ酸を有するペプチド(PEP3)及びアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチド(PEP7)を更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0465】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP1)を含み、5個のアミノ酸を有するペプチド(PEP5)及びアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチド(PEP7)を更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0466】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、4個のアミノ酸を有するペプチド(PEP12)を含み、5個のアミノ酸を有するペプチド(PEP5)及びアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチド(PEP7)を更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。
【0467】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、下記一般式(I):
PEP(C)-PEP12 (I)
(式中、PEP12は、本明細書で定義されるPEP1-AA17-PEP11で表される8個のアミノ酸を有するペプチドである。PEP(C)の一端は、PEP1の一端を介してPEP12と共有結合的に相互作用する。PEP(C)は少なくとも5個のアミノ酸を有するペプチドであり、特に5~12個のアミノ酸を有するペプチドである。)で表され、且つ且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である(以下、化合物(I)又はペプチド(I)ともいう)。
【0468】
一態様において、本開示は、一般式(I)(式中、PEP(C)はPEP3を含む。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下である(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。
【0469】
一態様において、本開示は、一般式(I)(式中、PEP(C)はPEP5を含む。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下である(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。具体的な一例示において、PEP(C)はPEP5である。
【0470】
一態様において、本開示は、一般式(I)(式中、PEP(C)はPEP9を含む。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下である(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。具体的な一例示において、PEP(C)はPEP9である。
【0471】
一態様において、本開示は、一般式(I)(式中、PEP(C)はPEP3及びPEP7を含む。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下である(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。
【0472】
一態様において、本開示は、一般式(I)(式中、PEP(C)はPEP5及びPEP7を含む。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下である(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。
【0473】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記GFR結合化合物(任意の修飾前)は、8~30個(特に8~25個又は8~22個、より具体的には18~22個、より更に具体的には19~21個又は20個)のアミノ酸を有し(含み、のみからなり、又は、で構成され)、下記一般式(II):
PEP7-PEP5-PEP12 (II)
(式中、PEP12は、本明細書で定義されるPEP1-AA17-PEP11で表される8個のアミノ酸を有するペプチドである。PEP5は、本明細書で定義される5個のアミノ酸を有するペプチドである。PEP7は、本明細書で定義されるアミノ酸又は2~7個のアミノ酸を有するペプチドである。PEP5の一端は、PEP1の一端を介してPEP12の一端と共有結合的に相互作用する。PEP5の別の一端は、AA7を介してPEP7の一端と共有結合的に相互作用する。)で表され、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド、その変異体若しくは類似体、又はペプチド模倣体である。(以下、化合物(II)又はペプチド(II)ともいう)。
【0474】
具体的な一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生体材料を提供する。上記生体材料は本明細書に定義される通りである。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、18~22個のアミノ酸を有し、ペプチド(PEP1)又はペプチド(PEP12)と、ペプチド(PEP3)又はペプチド(PEP5)とを含み、ペプチド(PEP7)を任意で更に含み、且つRMSDが2.45Å以下である本明細書で定義されるペプチド又はその変異体若しくは類似体である。
【0475】
具体的な一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生体材料を提供する。上記生体材料は本明細書に定義される通りである。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、18~22個のアミノ酸を有し、ペプチド(PEP1)又はペプチド(PEP12)と、ペプチド(PEP3)又はペプチド(PEP5)とを含み、ペプチド(PEP7)を任意で更に含み、且つRMSDが2.45Å以下であるペプチド模倣体である。
【0476】
具体的な一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生体材料を提供する。上記生体材料は本明細書に定義される通りである。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、19~21個のアミノ酸を有し、ペプチド(PEP1)又はペプチド(PEP12)と、ペプチド(PEP3)又はペプチド(PEP5)とを含み、ペプチド(PEP7)を任意で更に含み、且つRMSDが2.45Å以下であるペプチド又はその変異体若しくは類似体である。
【0477】
具体的な一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生体材料を提供する。上記生体材料は本明細書に定義される通りである。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、19~21個のアミノ酸を有し、ペプチド(PEP1)又はペプチド(PEP12)と、ペプチド(PEP3)又はペプチド(PEP5)とを含み、ペプチド(PEP7)を任意で更に含み、且つRMSDが2.45Å以下であるペプチド模倣体である。
【0478】
具体的な一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生体材料を提供する。上記生体材料は本明細書に定義される通りである。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、21個のアミノ酸を有し、ペプチド(PEP1)又はペプチド(PEP12)と、ペプチド(PEP3)又はペプチド(PEP5)とを含み、ペプチド(PEP7)を任意で更に含み、且つRMSDが2.45Å以下であるペプチド又はその変異体若しくは類似体である。
【0479】
具体的な一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生体材料を提供する。上記生体材料は本明細書に定義される通りである。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、21個のアミノ酸を有し、ペプチド(PEP1)又はペプチド(PEP12)と、ペプチド(PEP3)又はペプチド(PEP5)とを含み、ペプチド(PEP7)を任意で更に含み、且つRMSDが2.45Å以下であるペプチド模倣体である。
【0480】
具体的な一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生体材料を提供する。上記生体材料は本明細書に定義される通りである。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、20個のアミノ酸を有し、ペプチド(PEP1)又はペプチド(PEP12)と、ペプチド(PEP3)又はペプチド(PEP5)とを含み、ペプチド(PEP7)を任意で更に含み、且つRMSDが2.45Å以下であるペプチド又はその変異体若しくは類似体である。
【0481】
具体的な一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生体材料を提供する。上記生体材料は本明細書に定義される通りである。上記(修飾)GFR結合化合物(任意の修飾前)は、20個のアミノ酸を有し、ペプチド(PEP1)又はペプチド(PEP12)と、ペプチド(PEP3)又はペプチド(PEP5)とを含み、ペプチド(PEP7)を任意で更に含み、且つRMSDが2.45Å以下であるペプチド模倣体である。
【0482】
一態様において、本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。上記GFR結合化合物は、配列番号1~1085及び1143~6352のペプチドのうちのいずれか一つであってもよく、複数であってもよい。
【0483】
本開示は、(修飾)GFR結合化合物を含む機能化生理活性担体を提供する。PEP1、PEP3、PEP5、PEP9、PEP11、PEP12、及びAA17、これらのペア及び3つ組、並びに放棄及び但し書きは、本明細書で既に定義した通りである。
【0484】
本発明の実施形態を実施するための好適な共有結合的連合又は機能化技術としては、H.Freichel et al.,Macromol.Rapid Commun.2011,32,616-621及びV.Pourcelle et al.,Biomacromol.2009,10,966-974(参照によりその全体が本願に組み込まれる)に記載されているような還元的アミノ化カップリング及び光グラフト等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0485】
一態様において、本開示は、本開示に係る機能化生理活性担体を製造するのに有用な製造方法又はプロセスを提供する。上記生理活性担体は、セラミック又はチタン等の生体材料である。上記方法又はプロセスは、好適な共有結合形成条件下において式(C-I):
【0486】
【化1】
(式中、XはSiである。Yは2価の有機リンカーである。Aは、本開示に係る(修飾)GFR結合化合物である。R
1及びR
2は、それぞれ独立に、本明細書で定義される脱離基以外の空間形成有機化合物である。R
3は、本明細書で定義される脱離基である。)で表される化合物と、本明細書で定義される生理活性担体とを接触させることにより、上記化合物(C-I)と上記生理活性担体との間に少なくとも1つの共有結合を形成して、本開示に係る機能化生理活性担体を形成する工程を含む、又はのみからなる。
【0487】
具体的な一例示において、(修飾)GFR結合化合物(GFR-binding compound)をセラミック又はチタン等の生理活性担体(Bioactive carrier)と機能的に連合する(Functionally associated)又は組み合わせるのに使用できるプロセス又は方法をスキーム1に示す。
【0488】
【0489】
この合成では、(修飾)GFR結合化合物(スキーム1では(A)-SHと表す)と本明細書で定義される生理活性担体との共有結合的相互作用(又は連合)が形成される。
【0490】
具体的な一例示において、(修飾)GFR結合化合物を生理活性担体と機能的に連合する又は組み合わせるのに使用できるプロセス又は方法は、(修飾)GFR結合化合物をポリエーテルエーテルケトンポリマー(PEEK)の表面に共有結合的に機能化又は堆積する方法であって、(i)上記ポリマーをエチレンジアミン(NH2=NH2)で処理することで、PEEK表面にケトン(=O)官能基からNH2官能基を形成し、(ii)こうして修飾されたPEEK-NH2ポリマーを選択したヘテロ二官能性架橋剤(3-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナート等)の溶液に浸漬することで、マレイミド基と(修飾)GFR結合化合物とをそのチオール基等を介して反応させる方法である。
【0491】
具体的な一例示において、(修飾)GFR結合化合物を生理活性担体と機能的に連合する又は組み合わせるのに使用できるプロセス又は方法は、(修飾)GFR結合化合物をポリ乳酸(PLLA)ポリマー上に共有結合的に機能化又は堆積する方法であって、(i)上記ポリマーを(ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドハイドロクロライド+N-ヒドロキシスクシンイミドの(2-(N-モルホリノ)-エタンスルホン酸溶液等に浸漬し、(ii)MilliQ水等で洗浄する方法である。
【0492】
脱離基
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「脱離基」という用語は、異方性結合分解において電子対を有しつつ離れることができる分子断片を意味する。脱離基はアニオン又は中性分子であり、不均一結合開裂によって追加された電子密度を安定化できる。通常のアニオン性脱離基は塩素(Cl)、臭素(Br)、及びヨウ素(I)等のハロゲン原子であり、それぞれ塩化物イオン(Cl-)、臭化物イオン(Br-)、及びヨウ化物イオン(I-)として脱離する。他の脱離基としては、トシレート(TsO-)等のスルホン酸エステルが挙げられる。従来の中性分子脱離基としては水及びアンモニアが挙げられる。本発明の実施形態を実施するのに好適な脱離基としては、好ましくはハロゲンからなる基、置換又は非置換のアルコキシ基(-OR)、置換又は非置換のアリールオキシ又はヘテロアリールオキシ基(-OAr)、置換又は非置換のアルキルカルボニルオキシ基(-O2CR)、置換又は非置換のアリールカルボニルオキシ又はヘテロアリールカルボニルオキシ基(-O2CAr)、置換又は非置換のアルキルスルホニルオキシ基(-O3SR)、及び置換又は非置換のアリールスルホニルオキシ又はヘテロアリールスルホニルオキシ基(-O3SAr)が挙げられる。脱離基の置換基としては、ハロゲン、アルキル(好ましくは炭素数1~5のアルキル)基、及びアルコキシ(好ましくは炭素数1~5のアルコキシ)基が挙げられる。
【0493】
Y基
本開示において、Y基は特に限定されるものではなく、少なくとも1個の原子を含み、本明細書で定義されるX基及びA基と共有結合的又は非共有結合的に、好ましくは共有結合的に連結又は相互作用して、活性物質Aと本明細書で定義されるX基との間に安定した結合を形成できる任意の部分が、特に文脈と矛盾しない限り又は不適合でない限り、本開示の実施形態を実施するのに好適であり、本発明の範囲に含まれる。
【0494】
従って、本明細書中、別段の指示がない限り、「リンカー」という用語は、Y基に関して用いられる場合、少なくとも1個の原子を含み、活性物質Aと共有結合的又は非共有結合的に相互作用し、本明細書で定義されるX基と共有結合的に相互作用することができる任意の有機部分を意味する。
【0495】
一例示において、Y基としては、1~30個の炭素原子を含む飽和又は不飽和、好ましくは飽和の炭化水素鎖からなる群より選択される2価の有機基が挙げられる。上記炭化水素鎖は、必要に応じて、1個以上の非炭素原子、好ましくは適宜1~16個、1~12個、又は1~8個の非炭素原子で分断されていてもよい。上記非炭素原子は、例えば、-O-、-S-、-C(=O)、-SO2-、-N(Ri)(C=O)-、-N(Ri)-(式中、Riは、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、及びアリール基からなる群より選択される。)、及び以下の基:
【0496】
【化3】
からなる群より選択される。上記炭化水素鎖は、非置換であるか、あるいはハロゲン、水酸基、炭素数1~20のアルキル基、及びアリール基からなる群より選択される少なくとも1つの基で置換されている。
【0497】
本発明の実施形態を実施するのに好適なY基としては、1~20個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素鎖、1~10個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素鎖、1~5個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素鎖、及び1、2、又は3個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素鎖が挙げられる。いずれも、具体的に且つ独立して好ましい。
【0498】
また、本発明の実施形態を実施するのに好適なY基としては、1~20個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素鎖、1~10個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素鎖、1~5個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素鎖、及び1、2、又は3個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の炭化水素鎖が挙げられ、上記炭化水素鎖は、必要に応じて、1個以上、好ましくは1~16個、1~12個、又は1~8個の非炭素原子で分断されていてもよく、該非炭素原子は、酸素原子、窒素原子、カルボニル基、及び/又は以下の基:
【0499】
【化4】
からなる群より選択される。いずれも具体的に好ましく、独立して考慮される。
【0500】
また、本発明の実施形態を実施するのに好適なY基としては、
【0501】
【化5】
(式中、nは、1~29、特に1~5である。mは、1~29、特に1~5である。)が挙げられる。
【0502】
好適な共有結合形成条件
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「好適な共有結合形成条件」という用語は、出発材料が接触し、該出発材料間に少なくとも1つの共有結合が形成されることで少なくとも1種の追加材料が得られるような圧力、温度、試薬量、溶媒の種類及び量、又は撹拌等の反応条件を意味する。本発明の実施形態を実施するのに好適な共有結合形成条件としては、好ましくは実質的な大気条件が挙げられる。
【0503】
空間形成有機化合物
本明細書中、別段の指示がない限り、「空間形成有機化合物」という用語は、本開示の(修飾)GFR結合化合物の直近で立体効果/障害及び/又は電子効果/障害を生じさせることができる有機化学基(好ましくは一官能基)を意味する。好適な空間形成有機化合物としては、長さが20ナノメートル(nm)以下、好ましくは10nm、5nm、1nm、0.5nm、0.1nm、0.05nm、又は0.01nm以下である飽和又は不飽和炭化水素鎖からなる群より独立して選択される1価の有機基が挙げられるが、これらに限定されない。上記炭化水素鎖は、必要に応じて、1個以上、好ましくは適宜1~16個、1~12個、又は1~8個の非炭素原子で分断されていてもよく、上記非炭素原子は、-O-、-S-、-C(=O)、-SO2-、-N(Ri)(C=O)-、及び-N(Ri)-(式中、Riは、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、及びアリール基からなる群より選択される。)からなる群より選択され、上記炭化水素鎖は、非置換であるか、あるいはハロゲン、水酸基、炭素数1~20アルキル基、及びアリール基からなる群より選択される少なくとも1つの基で置換されている。特に、空間形成有機化合物としては、炭素原子を1~80個含む飽和又は不飽和炭化水素鎖、炭素原子を1~60個含む飽和又は不飽和炭化水素鎖、炭素原子を1~40個含む飽和又は不飽和炭化水素鎖、炭素原子を1~20個含む飽和又は不飽和炭化水素鎖、炭素原子を1~10個含む飽和又は不飽和炭化水素鎖、炭素原子を1、2、3、4、5、又は6個含む飽和炭化水素鎖が挙げられ、いずれも、具体的に且つ独立して好ましい。一例示において、上記飽和炭化水素鎖は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、又はペンチルであってもよい。一例示において、上記不飽和炭化水素鎖は、エチレン、プロペン、1-若しくは2-ブテン、1-、2-若しくは3-ペンテン、アセチレン、プロピン、1-若しくは2-ブチン、又は1-、2-若しくは3-ペンチンであってもよい。
【0504】
飽和炭化水素鎖
本明細書中、別段の指示がない限り、「飽和炭化水素鎖」という用語は、単結合によって互いに連結された炭素原子鎖を意味し、炭素原子の他の結合軌道は全て水素原子で満たされている。
【0505】
不飽和炭化水素鎖
本明細書中、別段の指示がない限り、「不飽和炭化水素鎖」という用語は、アルケン、アルキン等でそれぞれ見られるような炭素炭素二重結合又は三重結合を含む炭素鎖を意味する。
【0506】
大気条件
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「大気条件」及び「周囲条件」という用語は、交換可能に使用されており、実験場所で自然に見られる条件を意味する。例えばある実施形態において、化学/生物学実験室に典型的な大気条件は、温度が約15℃~約35℃、圧力が約1atmである。
【0507】
溶液
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「溶液」という用語は、1相のみで構成される均一な混合物であって、安定しており、光線を散乱させず、溶質粒子が肉眼では見えず、濾過しても溶質を分離できない混合物を意味する。
【0508】
懸濁液
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「懸濁液」という用語は、充分に沈降できる大きさの固体粒子を含有する不均一な混合物を意味する。典型的には、上記固体粒子は、1マイクロメートルより大きい。一般に、内相(固体)は、特定の賦形剤又は懸濁剤を用いた機械的攪拌によって外相(流体)全体に分散している。
【0509】
本発明の実施形態を実施するのに好適な非共有結合的連合又は機能化技術としては、本明細書で既に定義した生理活性担体親和性基と生理活性担体の少なくとも一部との連合等が挙げられるが、これらに限定されない。このような連合では、(修飾)GFR結合化合物と本明細書で定義される生理活性担体との間に少なくとも1つの非共有結合的相互作用(又は付着)が形成される。
【0510】
一例示において、上記機能化生理活性担体は、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、又は少なくとも10個の(修飾)GFR結合化合物と機能的に連合しており、該GFR結合化合物はそれぞれ異なる別々の化学構造を有している。
【0511】
一例示において、上記機能化生理活性担体は、ポリシロキサンの層を含んでいない。
【0512】
例えばある実施形態において、本明細書で定義される機能化生理活性担体は、少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物と、少なくとも1種の生理活性担体とを含んでおり、上記生理活性担体は、
・孔径がナノメートルを超える範囲の場合は走査型電子顕微鏡観察で、孔径がナノメートル範囲の場合は原子力顕微鏡観察で測定した多孔度(又は平均孔径)が1nm~1000μmであり、及び/又は
・動的機械分析で測定した硬度が少なくとも5kPa、好ましくは少なくとも35kPaであり、及び/又は
・生体高分子(コラーゲン、フィブリン等)、合成高分子(PEEK、PET等)、固体材料(チタン、金属等)、及びセラミック(ヒドロキシアパタイト、ベータ-リン酸三カルシウム、二相性リン酸カルシウム等)からなる群より選択され、及び/又は
・従来の蛍光顕微鏡観察で測定した又はペプチドサイズに基づいて理論的に算出した連合化合物(I)の密度又は濃度が0.05×10-12mol/mm2~50×10-12mol/mm2であり、及び/又は
・ポリシロキサンの層を含まない。
【0513】
多孔度
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「多孔度」という用語は、物質又は材料の空隙の尺度を意味しており、総体積に対する間隙の体積分率を0~1又は0%~100%で表したものである。物質又は材料の多孔度を試験、測定する方法は数多く存在しているが、本開示の目的のため、及び疑義を回避するため、多孔度は、孔径が小さい(100nm以内)場合は原子力顕微鏡観察で、それより孔径が大きい場合は走査型電子顕微鏡観察で得られたナノメートル(nm)単位で表す。
【0514】
硬度
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「硬度」という用語は、物質又は材料の剛性、すなわち、負荷された力に対して変形に耐える程度を意味する。物質又は材料の硬度を試験、測定する方法は数多く存在しているが、本開示の目的のため、及び疑義を回避するため、硬度は、動的機械分析(DMA)を用いて得られたパスカル(Pa)単位で表す。特に好ましい硬度は、再生又は修復する組織に応じて、1kPa~100kPaであり、5GPa以下である。
【0515】
上述の通り、生体材料の性質は重要なパラメータである。再生及び/又は修復される組織の主要材料成分で主に構成された生理活性担体を用いると、特に良好な結果が得られた。これにより、通常は、生理活性担体をより良好に統合でき、既に存在している周囲の細胞によってより良好に吸収でき、従って、標的組織をより良好に再生又は修復できる。
【0516】
一例示において、神経再生関連用途に使用される上記生理活性担体は、硬度が約0.01kPa~約3kPa、好ましくは約0.01kPa~約1kPaである。一例示において、筋肉、軟骨、及びT/L関連用途に使用される上記生理活性担体は、硬度が約3kPa~約200kPa、好ましくは約10kPa~約30kPaである。一例示において、骨関連用途、例えば骨粗鬆症の治療又は予防、骨組織再生等の用途に使用される上記生理活性担体は、硬度が約30kPa~約3GPa、好ましくは約70kPa~約200kPaである。一例示において、毛髪関連用途に使用される上記生理活性担体は、硬度が約0.01kPa~約200kPa、好ましくは約3kPa~約70kPaである。一例示において、内皮化関連用途に使用される上記生理活性担体は、硬度が約500kPa~約2.5GPaである。一例示において、血管新生関連用途に使用される上記生理活性担体は、硬度が約0.01kPa~約100kPaである。一例示において、創傷治癒及び皮膚関連用途に使用される上記生理活性担体は、硬度が約0.01kPa~約70kPaである。例えばある実施形態において、本発明の医薬的、皮膚科学的、又は化粧的連合体又は組み合わせは、乾燥無菌粉末であってもよい。
【0517】
具体的な一例示において、本明細書で定義される生理活性担体中又はその表面における(修飾)GFR結合化合物の(本明細書で定義される)濃度又は密度は、0.05~50pmol/mm2、特に0.1~30pmol/mm2、0.1~10pmol/mm2、0.1~5pmol/mm2、又は0.1~2pmol/mm2である。各範囲はそれぞれ好ましく、本明細書で記載した他の数値的又は非数値的範囲と組み合わせることも具体的に考慮される。極めて特に、上記密度は0.2~2pmol/mm2である。
【0518】
VII.医療機器
インビボ投与の場合、本発明のGFR結合化合物、修飾GFR結合化合物、又は機能化生理活性担体は、適当な注射器等を使用して特定の標的部位に注射することによって、PTD又は細胞浸透性ペプチド等を介して治療される細胞に極めて接近して体関節又は皮下等の内部へ直接送達してもよい。あるいは、上記GFR結合化合物、修飾GFR結合化合物、又は機能化生理活性担体を含む医療機器又はインプラント(埋込み式医療機器)を使用してもよい。インプラントは、本発明のGFR結合化合物、修飾GFR結合化合物、又は機能化生理活性担体を配置して周辺組織へと放出するための貯蔵部を含んでいてもよく、あるいは埋め込む前に本開示のGFR結合化合物又は修飾GFR結合化合物を1種以上含有する溶液に浸漬される多孔質組成物を含んでいてもよい。
【0519】
ヒドロゲル、持続放出型カプセル若しくは球体、リポソーム、小球体、ナノ球体、生分解性ポリマー、又はこのような他のドラッグデリバリーシステムを用いて、本発明のGFR結合化合物を標的細胞及び組織に送達することもできる。例えば米国特許第6,475,516号明細書には、インプラント等の内在性医療機器の表面と共有結合的に結合するヒドロゲルが記載されており、これは、本開示のGFR結合化合物と共に使用できる。
【0520】
一態様において、本開示は、本明細書で定義されるGFR結合化合物、修飾GFR結合化合物、又は機能化生理活性担体を少なくとも1種含む医療機器を提供する。具体的な一例示において、本発明の医療機器は、本明細書で定義される機能化生理活性担体で部分的又は全体的に構成されていてもよく、あるいは、例えばある実施形態において、その空洞部分に上記機能化生理活性担体を含んでいてもよい。
【0521】
一例示において、上記医療機器は、医療機器の総重量に対して本発明の機能化生理活性担体を1~100重量%含んでいてもよい。一例示において、上記医療機器は、医療機器の総重量に対して本発明の機能化生理活性担体を約50~100重量%、約60~100重量%、約70~100重量%、約80~100重量%、約90~100重量%含む。いずれの範囲も、具体的に且つ独立して好ましい。
【0522】
一例示において、上記医療機器の表面の少なくとも一部は、本発明のGFR結合化合物、修飾GFR結合化合物、又は機能化生理活性担体を含む。例えばある実施形態において、上記医療機器は埋込み式医療機器であることが好ましい。
【0523】
また、本発明の実施形態を実施するために好適な医療機器としては、ステント、縫合糸、粉末、顆粒、スポンジ、パテ、注射液及び非注射液、硬化性組成物、成形性組成物、膜、接着剤、スプレー、丸薬、フィラメント、義肢、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0524】
一態様において、本開示は、本発明のGFR結合化合物又は修飾GFR結合化合物と、本明細書で定義されるコラーゲンとを含む骨移植材料を提供する。本明細書中、別段の指示がない限り、「骨移植材料」という用語は、骨移植に好適な材料を意味する。
【0525】
VIII.抗体/GFR結合化合物複合体
一態様において、本開示は、少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物と、少なくとも1種の抗体又はその任意の機能的断片とを含む抗体/GFR結合化合物複合体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物は、本明細書で定義される通りである。
【0526】
抗体
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「抗体」という用語は、天然遺伝子又はコドン最適化遺伝子のいずれかである遺伝子でコードされる抗体の軽鎖及び重鎖タンパク質を意味する。抗体の軽鎖及び重鎖遺伝子は、ヒト抗体の軽鎖及び重鎖遺伝子であってもよい。抗体又は免疫グロブリンは、細菌、ウイルス、又は不適切に増殖する天然細胞等の異物を同定、中和するために免疫系の細胞によって産生されるタンパク質である。免疫グロブリンは所望のグロブリン分子の一群であり、IgG、IgM、IgA、IgD、IgE、IgY、λ鎖、κ鎖、及びそれらの断片;二重特異性抗体及びそれらの断片;scFv断片、Fc断片及びFab断片や、抗体断片の二量体、三量体、及びオリゴマー等が挙げられるが、これらに限定されない。好適な抗体としては、天然抗体、動物特異的抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、自己抗体、及びハイブリッド抗体等が挙げられるが、これらに限定されない。また、好適な抗体としては、特定のリガンドに結合できる抗体等も挙げられる。また、好適な抗体としては、一次抗体、二次抗体、デザイナー抗体、抗タンパク質抗体、抗ペプチド抗体、抗DNA抗体、抗RNA抗体、抗ホルモン抗体、抗下垂体刺激性ペプチド、非天然抗原に対する抗体、抗脳下垂体前葉ホルモン抗体、抗脳下垂体後葉ホルモン抗体、抗毒素抗体、抗腫瘍マーカー抗体、感染性疾患関連エピトープに対する抗体(抗ウイルス、抗菌、抗原虫、抗真菌、抗寄生虫、抗受容体、抗脂質、抗リン脂質、抗成長因子、抗サイトカイン、抗モノカイン、抗イディオタイプ、及び抗アクセサリー(提示)タンパク質抗体)等も挙げられるが、これらに限定されない。また、好適な抗体としては、3F8、8H9、Abagovomab、Abciximab、Abituzumab、Abrilumab、Actoxumab、Adalimumab、Adecatumumab、Aducanumab、Afelimomab、Afutuzumab、Alacizumab pegol、ALD518、Alemtuzumab、Alirocumab、Altumomab pentetate、Amatuximab、Anatumomab mafenatox、Anetumab ravtansine、Anifrolumab、Anrukinzumab、Apolizumab、Arcitumomab、Ascrinvacumab、Aselizumab、Atezolizumab、Atinumab、Atlizumab、Atorolimumab、Bapineuzumab、Basiliximab、Bavituximab、Bectumomab、Begelomab、Belimumab、Benralizumab、Bertilimumab、Besilesomab、Bevacizumab、Bezlotoxumab、Biciromab、Bimagrumab、Bimekizumab、Bivatuzumab mertansine、Blinatumomab、Blosozumab、Bococizumab、Brentuximab vedotin、Briakinumab、Brodalumab、Brolucizumab、Brontictuzumab、Canakinumab、Cantuzumab mertansine、Cantuzumab ravtansine、Caplacizumab、Capromab pendetide、Carlumab、Catumaxomab、cBR96-doxorubicin immunoconjugate、CC49、Cedelizumab、Certolizumab pegol、Cetuximab、Ch.14.18、Citatuzumab bogatox、Cixutumumab、Clazakizumab、Clenoliximab、Clivatuzumab tetraxetan、Codrituzumab、Coltuximab ravtansine、Conatumumab、Concizumab、CR6261、Crenezumab、Dacetuzumab、Daclizumab、Dalotuzumab、Dapirolizumab pegol、Daratumumab、Dectrekumab、Demcizumab、Denintuzumab mafodotin、Denosumab、Derlotuximab biotin、Detumomab、Dinutuximab、Diridavumab、Dorlimomab aritox、Drozitumab、Duligotumab、Dupilumab、Durvalumab、Dusigitumab、Ecromeximab、Eculizumab、Edobacomab、Edrecolomab、Efalizumab、Efungumab、Eldelumab、Elgemtumab、Elotuzumab、Elsilimomab、Emactuzumab、Emibetuzumab、Enavatuzumab、Enfortumab vedotin、Enlimomab pegol、Enoblituzumab、Enokizumab、Enoticumab、Ensituximab、Epitumomab cituxetan、Epratuzumab、Erlizumab、Ertumaxomab、Etaracizumab、Etrolizumab、Evinacumab、Evolocumab、Exbivirumab、Fanolesomab、Faralimomab、Farletuzumab、Fasinumab、FBTA05、Felvizumab、Fezakinumab、Ficlatuzumab、Figitumumab、Firivumab、Flanvotumab、Fletikumab、Fontolizumab、Foralumab、Foravirumab、Fresolimumab、Fulranumab、Futuximab、Galiximab、Ganitumab、Gantenerumab、Gavilimomab、Gemtuzumab ozogamicin、Gevokizumab、Girentuximab、Glembatumumab vedotin、Golimumab、Gomiliximab、Guselkumab、Ibalizumab、Ibritumomab tiuxetan、Icrucumab、Idarucizumab、Igovomab、IMAB362、Imalumab、Imciromab、Imgatuzumab、Inclacumab、Indatuximab ravtansine、Indusatumab vedotin、Infliximab、Inolimomab、Inotuzumab ozogamicin、Intetumumab、Ipilimumab、Iratumumab、Isatuximab、Itolizumab、Ixekizumab、Keliximab、Labetuzumab、Lambrolizumab、Lampalizumab、Lebrikizumab、Lemalesomab、Lenzilumab、Lerdelimumab、Lexatumumab、Libivirumab、Lifastuzumab vedotin、Ligelizumab、Lilotomab satetraxetan、Lintuzumab、Lirilumab、Lodelcizumab、Lokivetmab、Lorvotuzumab mertansine、Lucatumumab、Lulizumab pegol、Lumiliximab、Lumretuzumab、Mapatumumab、Margetuximab、Maslimomab、Matuzumab、Mavrilimumab、Mepolizumab、Metelimumab、Milatuzumab、Minretumomab、Mirvetuximab soravtansine、Mitumomab、Mogamulizumab、Morolimumab、Motavizumab、Moxetumomab pasudotox、Muromonab-CD3、Nacolomab tafenatox、Namilumab、Naptumomab estafenatox、Narnatumab、Natalizumab、Nebacumab、Necitumumab、Nemolizumab、Nerelimomab、Nesvacumab、Nimotuzumab、Nivolumab、Nofetumomab merpentan、Obiltoxaximab、Ocaratuzumab、Ocrelizumab、Odulimomab、Ofatumumab、Olaratumab、Olokizumab、Omalizumab、Onartuzumab、Ontuxizumab、Opicinumab、Oportuzumab monatox、Oregovomab、Orticumab、Otelixizumab、Otlertuzumab、Oxelumab、Ozanezumab、Ozoralizumab、Pagibaximab、Palivizumab、Panitumumab、Pankomab、Panobacumab、Parsatuzumab、Pascolizumab、Pasotuxizumab、Pateclizumab、Patritumab、Pembrolizumab、Pemtumomab、Perakizumab、Pertuzumab、Pexelizumab、Pidilizumab、Pinatuzumab vedotin、Pintumomab、Placulumab、Polatuzumab vedotin、Ponezumab、Priliximab、Pritoxaximab、Pritumumab、PRO 140、Quilizumab、Racotumomab、Radretumab、Rafivirumab、Ralpancizumab、Ramucirumab、Ranibizumab、Raxibacumab、Refanezumab、Regavirumab、Reslizumab、Rilotumumab、Rinucumab、Rituximab、Robatumumab、Roledumab、Romosozumab、Rontalizumab、Rovelizumab、Ruplizumab、Sacituzumab govitecan、Samalizumab、Sarilumab、Satumomab pendetide、Secukinumab、Seribantumab、Setoxaximab、Sevirumab、SGN-CD19A、SGN-CD33A、Sibrotuzumab、Sifalimumab、Siltuximab、Simtuzumab、Siplizumab、Sirukumab、Sofituzumab vedotin、Solanezumab、Solitomab、Sonepcizumab、Sontuzumab、Stamulumab、Sulesomab、Suvizumab、Tabalumab、Tacatuzumab tetraxetan、Tadocizumab、Talizumab、Tanezumab、Taplitumomab paptox、Tarextumab、Tefibazumab、Telimomab aritox、Tenatumomab、Teneliximab、Teplizumab、Teprotumumab、Tesidolumab、TGN1412、Ticilimumab、Tigatuzumab、Tildrakizumab、TNX-650、Tocilizumab、Toralizumab、Tosatoxumab、Tositumomab、Tovetumab、Tralokinumab、Trastuzumab、TRBS07、Tregalizumab、Tremelimumab、Trevogrumab、Tucotuzumab celmoleukin、Tuvirumab、Ublituximab、
Ulocuplumab、Urelumab、Urtoxazumab、Ustekinumab、Vandortuzumab vedotin、Vantictumab、Vanucizumab、Vapaliximab、Varlilumab、Vatelizumab、Vedolizumab、Veltuzumab、Vepalimomab、Vesencumab、Visilizumab、Volociximab、Vorsetuzumab mafodotin、Votumumab、Zalutumumab、Zanolimumab、Zatuximab、Ziralimumab、及びZolimomab aritox等も挙げられるが、これらに限定されない。
【0527】
ある実施形態において、上記抗体/GFR結合化合物複合体は、共有結合的複合体である。ある実施形態において、上記抗体/GFR結合化合物複合体は、非共有結合的複合体である。
【0528】
IX.デンドリマー/GFR結合化合物複合体
一態様において、本開示は、少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物と、少なくとも1種のデンドリマー又はその任意の機能的断片とを含むデンドリマー/GFR結合化合物複合体を提供する。上記(修飾)GFR結合化合物は、本明細書で定義される通りである。上記デンドリマーは、本明細書で既に定義した通りである。
【0529】
ある実施形態において、上記デンドリマー/GFR結合化合物複合体は、共有結合的複合体である。ある実施形態において、上記デンドリマー/GFR結合化合物複合体は、非共有結合的複合体である。
【0530】
X.ポリヌクレオチド
また、GFR結合ペプチドの生物学的細胞外作用は、所望の特定のGFR結合ペプチドをコードするよう操作された適当なポリヌクレオチド配列が細胞により発現されることによって伝達されてもよい。従って、哺乳類の被験体に、GFR結合ペプチドコード化ポリヌクレオチド(メッセンジャーRNA等)を注射又は投与してもよく、この場合、上記ポリヌクレオチドによって、コードされたGFR結合ペプチドが細胞内で産生され、これが宿主細胞外に放出されると、宿主細胞及び/又は近隣細胞及び/又は離れた細胞に対して細胞外作用を発揮できる。すなわち、GFR結合ペプチドは、エクスビボ(例えばペプチドシンセサイザーを用いて)又はインビボ(例えばGFR結合ペプチドコード化ポリヌクレオチドの細胞発現を介して)で産生でき、いずれの場合も、成長因子受容体を活性化するという生物学的細胞外作用を示して、細胞分化及び/又は組織再生を誘導できる。
【0531】
従って、一態様において、本開示は、本明細書に開示したペプチドの少なくとも1種をコードするポリヌクレオチドを提供する。具体的な一例示において、上記ポリヌクレオチドは、メッセンジャーRNA又はその一次コンストラクトである。上記メッセンジャーRNAは、m7G(5’)ppp(5’)A,G(5’)ppp(5’)A、及びG(5’)ppp(5’)Gからなる群より選択される5’キャップ構造を更に有していてもよい。一例示において、メッセンジャーRNAは、約10~200個のアデノシンヌクレオチドで構成されたポリA鎖を更に有している。一例示において、メッセンジャーRNAは、約10~200個のシトシンヌクレオチドで構成されたポリC鎖を更に有している。一例示において、上記メッセンジャーRNAは、ヘキサヒスチジンタグ(HISタグ、ポリヒスチジンタグ)、ストレプトアビジンタグ(Strepタグ)、SBPタグ(ストレプトアビジン結合タグ)、及びGST(グルタチオン-S-トランスフェラーゼ)タグからなる群より選択される精製用タグ、又は抗体結合タグ、Mycタグ、Swal 1エピトープ、FLAGタグ、及びHAタグからなる群より選択される抗体エピトープを介する精製用タグを更にコードする。一例示において、メッセンジャーRNAは、シグナルペプチド及び/又は局在化配列、特に分泌配列を更にコードする。一例示において、上記ポリヌクレオチドは、上記メッセンジャーRNA又はその一次コンストラクトの相補DNAである。
【0532】
一態様において、本開示はまた、本開示で定義されるポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
【0533】
一態様において、本開示はまた、本開示で定義されるベクターを含む培養細胞を提供する。
【0534】
一態様において、本開示はまた、所望のペプチド、又はその変異体若しくは類似体を哺乳類細胞で発現する方法であって、(i)本開示で定義されるmRNAを調製する工程、及び(ii)哺乳類細胞によって所望のペプチドを発現できる条件下で上記mRNAを上記哺乳類細胞に導入する工程を有する方法を提供する。
【0535】
一態様において、本開示はまた、医療的処置又は予防方法で使用するための本明細書で開示されるmRNAを提供する。一例示において、上記医療的処置方法は、治療、外科、又は診断方法である。具体的な一例示において、上記方法は、本開示で定義される細胞変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変を治療又は予防する方法である。具体的な一例示において、上記方法は、本明細書で開示される哺乳類組織を再生する方法である。
【0536】
一態様において、本開示はまた、本明細書で開示される細胞変性に関連する疾患、障害、異常、又は病変を治療又は予防するための医薬組成物を調製するための本開示で定義されるRNA又はmRNAの使用を提供する。
【0537】
一態様において、本開示はまた、いずれも本開示で定義されるポリヌクレオチド、ベクター、又は遺伝子導入細胞と、医学的に許容される賦形剤又は担体とを含む医療組成物を提供する。
【0538】
発現
本明細書中、核酸配列の「発現」という用語は、以下の事象:(1)(転写等による)DNA配列からのRNAテンプレートの作成;(2)(スプライシング、エディティング、5’キャップ形成、及び/又は3’末端プロセシング等による)RNA転写物のプロセシング;(3)RNAからポリペプチド又はタンパク質への翻訳;及び(4)ポリペプチド又はタンパク質の翻訳後修飾のうち1つ以上を意味する。
【0539】
mRNA
本明細書中、「mRNA」という用語は、メッセンジャーRNAを意味する。従来、mRNA分子の基本成分としては、少なくともコード領域、5’UTR、3’UTR、5’キャップ及びポリA鎖が含まれる。通常、安定性、リボソームによる翻訳及び/又は認識等の向上には5’UTR、3’UTR、5’キャップ、及びポリA鎖が必要とされるが、(治療上)所望のタンパク質、ポリペプチド、又はペプチドをコードする配列を含むのはコード領域である。従って、本明細書で開示されるmRNA分子が従来通りそのコード領域を参照して記載されている場合、5’UTR、3’UTR、5’キャップ、又はポリA鎖の少なくとも1つを含むいずれのmRNA分子も、本開示に不可欠な部分を形成する。
【0540】
コード領域
本明細書中、「コード領域」及び「コード配列」という用語は、所望のペプチドをコードするポリヌクレオチドの一部を意味する。
【0541】
一次RNAコンストラクト又は転写物
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「一次RNAコンストラクト」又は「一次RNA転写物」という用語は、成熟した機能的な(すなわち翻訳可能な)RNA分子が得られる任意のRNA前駆体分子を意味する。例えば、メッセンジャーRNA前駆体(pre-mRNA)は、プロセシングによってメッセンジャーRNA(mRNA)となる一次転写物の一種である。新たに合成された一次転写物は、いくつかの方法で修飾されて、その成熟型が産生され、その後、所望のタンパク質へと翻訳できる。このような修飾としては、イントロンの切除、エクソンのスプライシング、5’キャップ及びポリA鎖の付加等が挙げられるが、これらに限定されない。従って、RNA分子を参照した場合、コードする所望のペプチドを発現させることが可能なコード領域又はその前駆体をRNA分子が含んでいる限り、イントロン、エクソン、5’キャップ、ポリA鎖、及び/又は他の従来の修飾等を有する又は有していない成熟した機能的なRNA分子が得られる修飾プロセスの任意の段階の一次RNA転写物又はコンストラクトを含む全てのRNA分子を包含することを意図していると理解されたい。但し、これらに限定されない。
【0542】
5’キャップ
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「5’キャップ」という用語は、核外輸送に関与し、mRNA安定性を向上させ、mRNAキャップ結合タンパク質(CBP)と結合し、このCBPがポリ(A)結合タンパク質と結合することによって成熟環状mRNA種を形成して細胞内のmRNA安定性及び翻訳適格性に関与することになるmRNAの5’キャップ構造を意味する。更に、上記キャップは、mRNAスプライシング中の5’近位イントロンの除去を補助する。内因性mRNA分子は、5’末端がキャップされることで、末端グアノシンキャップ残基とmRNA分子の5’末端転写センスヌクレオチドとの間に5’-ppp-5’-三リン酸結合を形成してもよい。その後、この5’-グアニル酸キャップをメチル化して、N7-メチル-グアニル酸残基を形成してもよい。
【0543】
ポリA鎖
RNAプロセシング中、アデニンヌクレオチド長鎖(ポリA鎖)をmRNA分子等のポリヌクレオチドに付加することで、安定性を向上させてもよい。転写直後、転写物の3’末端を切断して3’水酸基を遊離させてもよい。その後、ポリAポリメラーゼによってアデニンヌクレオチド鎖をRNAに付加する。ポリアデニル化と呼ばれる上記プロセスによって、例えば、約100~250残基の長さであってもよいポリA鎖を付加する。
【0544】
非翻訳領域
本明細書中、遺伝子の「非翻訳領域」及び「UTR」という用語は、転写されたが翻訳されてはいない領域を意味する。5’UTRは、転写開始部位から始まり、開始コドンまで続くが、開始コドンは含まない。一方、3’UTRは、終止コドンの直後から始まり、転写終結シグナルまで続く。UTRの制御特徴を本開示のポリヌクレオチド、一次コンストラクト、及び/又はmRNAに導入して、分子の安定性を向上させることができる。
【0545】
3’UTR
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「3’UTR」及び「3プライム非翻訳領域」という用語は、翻訳終止コドンの直後のメッセンジャーRNAの領域を意味する。3’-UTRは、転写後の遺伝子発現に影響を与える制御領域を含むことが多い。
【0546】
5’UTR
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「5’UTR」及び「5プライム非翻訳領域」という用語は、転写開始部位から始まり、開始コドンまで続くが、開始コドンは含まないmRNAの領域を意味する。核酸分子の安定性及び翻訳に関してUTRが果たす制御機能について多くの証拠が集まってきている。天然の5’UTRは、翻訳開始に関する役割を担う特徴を有している。また、5’UTRは、伸長因子の結合に関与する二次構造を形成することも知られている。
【0547】
相補DNA
本明細書中、「相補DNA」及び「cDNA」という用語は、原核生物宿主細胞で発現するように作製又は操作された真核生物遺伝子を含むDNA分子を意味する。また、cDNAは、イントロンをコードする遺伝子領域が欠けているので、「イントロン非含有」DNAとも呼ばれ、これを転写することでイントロン非含有mRNA分子が得られる。
【0548】
一態様において、本開示は、本明細書で定義される成長因子受容体結合能を有するペプチド、又はその変異体若しくは類似体の少なくとも1種をコードするポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
【0549】
ベクター
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「ベクター」という用語は、最も一般的な意味で使用されており、例えば核酸を原核生物及び/又は真核生物細胞へ導入したり、必要に応じてゲノムに組み込んだりすることなどを可能にする核酸用中間媒体を意味する。このようなベクターは、細胞において複製及び/又は発現させることが好ましい。ベクターは、プラスミド、ファージミド、バクテリオファージ、又はウイルスゲノムを含んでいてもよい。
【0550】
プラスミド
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「プラスミド」という用語は、宿主細胞中で自律複製できる二本鎖(環状であってもよい)DNA配列を意味する。
【0551】
一態様において、本開示は、本明細書で定義される成長因子受容体結合能を有するペプチド、又はその変異体若しくは類似体の少なくとも1種をコードするポリヌクレオチドを含む培養細胞(又は遺伝子導入細胞)を提供する。
【0552】
一態様において、本開示は、本明細書で定義される成長因子受容体結合能を有するペプチド、又はその変異体若しくは類似体の少なくとも1種をコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含むベクター、及び該ベクターを含む遺伝子導入細胞のうち少なくとも1種と、医学的に許容される担体とを含む医療組成物を提供する。
【0553】
一態様において、本開示は、本明細書で定義される成長因子受容体結合能を有するペプチド、又はその変異体若しくは類似体の少なくとも1種をコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドを含むベクター、該ベクターを含む遺伝子導入細胞、及びそれらを含む医療組成物のうち少なくとも1種を用いて、細胞分化を誘導し、組織を再生し、細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変から患者を保護する方法及び使用を提供する。
【0554】
XI.医薬組成物
本開示は、幹細胞の分化及び組織再生を誘導するのに使用できるGFR結合化合物、修飾GFR結合化合物、及び機能化生理活性担体を提供する。
【0555】
一態様において、本開示は、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物及び機能化生理活性担体のうち少なくとも1種を含み、医薬的に許容される賦形剤、担体、及び/又は増量剤(vehicle)を少なくとも1種更に含む医薬的、予防的、外科的、診断的、又は造影用組成物等の組成物(以下、医薬又は医療組成物と略する)を提供する。
【0556】
本明細書に記載した医薬組成物の製剤は、薬理学分野で公知であるか又はこれから開発される任意の方法で調製できる。一般に、このような調製方法は、活性成分を賦形剤及び/又は1種以上の他の副成分と組み合わせた後、必要及び/又は所望により、製品を所望の単回投与若しくは複数回投与単位へ整形及び/又はパッケージングする工程を有する。
【0557】
例えばある実施形態において、本明細書で定義される医薬組成物は、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体を薬学的有効量として(医薬組成物の総重量に対して)0.01~100重量%含有していてもよい。特に、医薬組成物は、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物及び機能化生理活性担体のうちいずれか1種を(医薬組成物の総重量に対して)0.01~95重量%、0.01~90重量%、0.01~85重量%、0.01~80重量%、0.01~75重量%、0.01~70重量%、0.01~65重量%、0.01~60重量%、0.01~55重量%、0.01~50重量%、0.01~45重量%、0.01~40重量%、0.01~35重量%、0.01~30重量%、0.01~25重量%、0.01~20重量%、0.01~15重量%、0.01~10重量%、0.01~5重量%、0.1~100重量%、0.1~95重量%、0.1~90重量%、0.1~85重量%、0.1~80重量%、0.1~75重量%、0.1~70重量%、0.1~65重量%、0.1~60重量%、0.1~55重量%、0.1~50重量%、0.1~45重量%、0.1~40重量%、0.1~35重量%、0.1~30重量%、0.1~25重量%、0.1~20重量%、0.1~15重量%、0.1~10重量%、及び0.1~5重量%含む。
【0558】
従って、通常、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体は、そのままで投与でき、又は医薬組成物又は医薬製剤と一般的に呼ばれるものを形成するように1種以上の医薬的に許容される賦形剤、担体、及び/又は増量剤と連合させた製剤の一部として投与できる。
【0559】
薬学的有効量
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「薬学的有効量」及び「治療有効量」という用語は、薬剤(核酸、タンパク質、ペプチド、医薬品、治療剤、診断剤、予防剤等)を感染症、疾患、障害、異常、及び/又は病変を有する又は有しやすい被験者に投与した場合、治療上有効な結果を得るのに充分なその送達量を意味する。従って、「薬学的有効量」は、それが適用される文脈によって異なる。組成物の薬学的有効量は、少なくとも部分的には、標的組織、標的細胞型、投与手段、医薬的連合体又は組成物の物理的特徴(大きさ、3D形状等)、及びその他の決定要因に基づいて提供される。例えばある実施形態において、組織再生を誘導する薬剤を提供する場合、薬剤の薬学的有効量は、例えばある実施形態において、薬剤を提供しないで得られた応答と比較した際に、組織再生を達成するのに充分な量である。例えばある実施形態において、本明細書で使用される治療有効量は、(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体について本明細書で開示した重量、モル量、比、又は範囲のいずれかである。
【0560】
治療上有効な結果
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「治療上有効な結果」という用語は、感染症、疾患、障害、異常、及び/又は病変を有する又は有しやすい被験者において、該感染症、疾患、障害、異常、及び/又は病変の治療、その症状の改善、診断、予防、及び/又はその発生の遅延を達成するのに充分な結果を意味する。
【0561】
治療剤
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「治療剤」という用語は、被験者/患者/個体に投与した場合、治療、診断、及び/又は予防効果、及び/又は所望の生物学的及び/又は薬理学的効果を示す薬剤を意味する。
【0562】
医薬的に許容される
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「医薬的に許容される」という用語は、正当な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題若しくは合併症を引き起こすことなくヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、合理的な利点/リスクの比に見合っている化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を意味する。
【0563】
医薬的に許容される賦形剤
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「医薬的に許容される賦形剤」という用語は、本明細書で記載した化合物(すなわち、本明細書で定義されるGFR結合化合物及び生理活性担体、又はその他の有効成分)以外の任意の成分であって、患者に対して本明細書で定義される「医薬的に許容される」の定義を満たすものを意味する。賦形剤としては、例えば、不活性希釈剤、分散及び/又は顆粒化剤、界面活性剤及び/又は乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存料、緩衝剤、滑沢剤、オイル、印刷インキ、甘味料、及び/又は水和水等が挙げられる。賦形剤は、主として具体的な投与形態、溶解性及び安定性に対する賦形剤の効果、及び剤形の性質等の要因に基づいて選択される。一実施形態において、医薬的に許容される賦形剤は、天然賦形剤ではない。
【0564】
希釈剤
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、粉糖、及び/又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0565】
緩衝剤
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、緩衝剤としては、クエン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、リン酸緩衝溶液、塩化アンモニウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、リン酸二水素カリウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、リン酸、リン酸水酸化カルシウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質非含有水、等張食塩水、リンゲル溶液、エチルアルコール、及びこれらの任意の組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0566】
顆粒化及び/又は分散剤
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、顆粒化及び/又は分散剤としては、馬鈴薯デンプン、コーンスターチ、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロース及び木材製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニルピロリドン)、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、アルファ化デンプン、微結晶デンプン、非水溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物、及び/又はこれらの任意の組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0567】
界面活性剤及び/又は乳化剤
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、界面活性剤及び/又は乳化剤としては、コロイド粘土(ケイ酸アルミニウム及びケイ酸アルミニウムマグネシウム等)、天然乳化剤(アカシア、寒天、アルギン酸ナトリウム、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、コレステロール、ワックス、及びレシチン等)、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(ステアリル、セチル、及びオレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、及びモノステアリン酸グリセリル等)、カルボマー(カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、及びカルボキシビニルポリマー等)、モノラウリン酸ジエチレングリコール、オレイン酸トリエタノールアミン、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサートナトリウム、カラギーナン、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びメチルセルロース等)、ソルビタン脂肪酸エステル(モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、及びモノオレイン酸グリセリル等)、ポリオキシエチレンエステル、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンエーテル、ポリ(ビニルピロリドン)、及びこれらの任意の組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0568】
結合剤
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、結合剤としては、天然及び合成ゴム(アカシア、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、酢酸セルロース、及びポリ(ビニルピロリドン)等)、ゼラチン、デンプン、糖(スクロース、ブドウ糖、グルコース、デキストリン、ラクトース、及びマンニトール等)、アルギン酸塩、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、無機カルシウム塩、水、アルコール、ケイ酸、ワックス、及びこれらの任意の組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0569】
保存料
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、保存料としては、酸化防止剤、キレート剤、抗真菌保存料、抗菌保存料、酸性保存料、及びアルコール保存料等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0570】
酸化防止剤
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、酸化防止剤としては、αートコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸、メタ重亜硫酸カリウム、没食子酸プロピル、メタ重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、及び亜硫酸ナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0571】
キレート剤
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、クエン酸一水和物、及び酒石酸等が挙げられる。
【0572】
抗菌保存料
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、抗菌保存料としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、ベンジルアルコール、ブロノポール、塩化セチルピリジニウム、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノキシエタノール、硝酸フェニル水銀、フェニルエチルアルコール、フェノール、及びプロピレングリコール等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0573】
抗真菌保存料
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、抗真菌保存料としては、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、及び/又はソルビン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0574】
アルコール保存料
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、アルコール保存料としては、フェノール、フェノール系化合物、ビスフェノール、エタノール、ポリエチレングリコール、クロロブタノール、及びヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0575】
酸性保存料
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、酸性保存料としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、酢酸、クエン酸、デヒドロ酢酸、及びソルビン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0576】
滑沢剤
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸マグネシウム、及びこれらの任意の組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0577】
甘味料
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、甘味料としては、任意の天然又は合成代替糖等が挙げられるが、これらに限定されない。天然代替糖としては、ブラゼイン、クルクリン、エリスリトール、グリチルリチン、グリセロール、水素化デンプン加水分解物、イヌリン、イソマルト、ラクチトール、モグロシド混合物、マビンリン、マルチトール、マルトオリゴ糖、マンニトール、ミラクリン、モナチン、モネリン、オスラジン、ペンタジン、ソルビトール、ステビア、タガトース、タウマチン、及びキシリトール等が挙げられるが、これらに限定されない。合成代替糖としては、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、アリテーム、アスパルテーム、アスパルテーム/アセスルファム塩、サイクラミン酸ナトリウム、ズルチン、グルチン(glucin)、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、P-4000、サッカリン、及びスクラロース等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0578】
賦形剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微結晶セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、アルファ化デンプン、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、シェラック、二酸化ケイ素、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、デンプン、ステアリン酸、スクロース、タルク、二酸化チタン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC、及びキシリトール等が挙げられるが、これらに限定されない。本発明で使用される好適な賦形剤としては、水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、リンゲル溶液、ブドウ糖溶液、血清含有溶液、ハンクス溶液、他の生理学的平衡水溶液、オイル、エステル、及びグリコール等も挙げられるが、これらに限定されない。水性賦形剤は、例えばある実施形態において、化学的安定性及び等張性を向上させることで受容者の生理学的条件を模倣するのに必要となる好適な補助物質を含有していてもよい。
【0579】
医薬的に許容される担体
本明細書中、特に提示されない限り又は文脈に矛盾しない限り、「医薬的に許容される担体」及び「担体」という用語は、本発明の治療方法及び使用に有用な医薬又は治療組成物を好適なインビボ又はエクスビボ部位へと送達するのに好適な医薬的に許容される賦形剤及び/又は送達増量剤を意味する。好ましい医薬的に許容される担体は、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物及び生理活性担体の有効な組み合わせ又は連合体を含む組成物が標的細胞、部位、又は組織へ到着した際に、その細胞又は組織部位のタンパク質に対して生物学的機能を1つ以上発揮できるような形態に当該組成物を維持できる。医薬的に許容される担体の1種として、動物体内へ組成物又は組み合わせを緩やかに放出できる徐放製剤が挙げられる。一例示において、徐放製剤は、徐放性増量剤中に本明細書で定義される有効な組み合わせ又は連合体を含む。好適な徐放性増量剤としては、微粒子、生体適合性ポリマー、他のポリマー基質、カプセル、マイクロカプセル、浸透圧ポンプ、ボーラス製剤、拡散装置、リポソーム、リポスフィア、及び経皮デリバリーシステム等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの好適な徐放性増量剤は、少なくとも1種の標的部分と組み合わせてもよい。一実施形態において、医薬的に許容される担体は天然担体ではない。
【0580】
標的部分
一例示において、本明細書に開示した機能化生理活性担体は、インビボ、エクスビボ、又はインビトロで細胞を特定の組織空間に標的化する又は特定の部分と相互作用する機能を有する結合パートナーを少なくとも1種含む。好適な結合パートナーとしては、抗体及びその機能化断片、スキャフォールドタンパク質、並びにペプチド等が挙げられる。
【0581】
一例示において、上記賦形剤、担体、又は増量剤は、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体と適合するので、上記(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体を破壊、干渉、変性、脱組織化、脱組み合わせ、又は脱連合させることはない。一方、上記賦形剤、担体、又は増量剤は、(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体の安定性を保存、維持、又は補強して、その生物学的活性を保存する。
【0582】
一例示において、本医薬組成物はまた、本明細書で記載した(修飾)GFR結合化合物又は他の有効成分等の物質及び化合物の医薬的に許容される塩及び/又は溶媒和物及び/又はプロドラッグ及び/又は同位体標識誘導体を含む。
【0583】
医薬的に許容される塩
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「医薬的に許容される塩」という用語は、開示した物質及び化合物の誘導体であって、存在する酸又は塩基部分を(例えば遊離塩基基を好適な有機酸と反応させて)塩型に変換することによって親物質又は化合物が修飾されているものを意味する。塩のイオン化度は、完全なイオン化状態から略非イオン化状態までの間で変化してもよい。医薬的に許容される塩の例としては、アミン等の塩基性残基の無機又は有機酸塩、及びカルボン酸等の酸性残基のアルカリ又は有機塩等が挙げられるが、これらに限定されない。代表的な酸付加塩としては、酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重硫酸、ホウ酸、酪酸、カンファー酸、カンファースルホン酸、クエン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ジグルコン酸、ドデシル硫酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グリセロリン酸、ヘミ硫酸、ヘプトン酸、ヘキサン酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸、ラクトビオン酸、乳酸、ラウリン酸、ラウリル硫酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、2-ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、ペクチン酸、過硫酸、3-フェニルプロピオン酸、リン酸、ピクリン酸、ピバル酸、プロピオン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸、ウンデカン酸、及び吉草酸の塩等が挙げられる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウム等、並びに無毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、及びアミンカチオン(アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン等を含むが、これらに限定されない)が挙げられる。本開示の医薬的に許容される塩としては、例えばある実施形態においては無毒性無機又は有機酸から形成された親化合物の従来の無毒性塩が挙げられる。本開示の医薬的に許容される塩は、従来の化学的方法によって塩基性又は酸性部分を含む親化合物から合成できる。通常、このような塩は、遊離酸又は塩基型である上記化合物を化学量論量の適当な塩基又は酸の水溶液、又は有機溶媒溶液、又は両者の混合液と反応させることで調製できる。通常、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリル等の非水性媒体が好ましい。通常、好適な塩は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418及び「Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」,P.H.Stahl and C.G.Wermuth(eds.),Wiley-VCH,2008(それぞれ参照によりその全体が本願に組み込まれる)に列挙されている。一実施形態において、医薬的に許容される塩は、天然塩ではない。
【0584】
医薬的に許容される溶媒和物
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「医薬的に許容される溶媒和物」という用語は、好適な溶媒の分子が結晶格子に組み込まれる化合物、物質、連合体、又は組み合わせを意味する。好適な溶媒は、投与量では生理学的に許容される。例えばある実施形態において、溶媒和物は、結晶化、再結晶、又は析出によって、有機溶媒、水、又はこれらの混合物を含む溶液から調製できる。好適な溶媒の例としては、エタノール、水(例えばある実施形態において、一、二、及び三水和物)、N-メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、[Nu],[Nu]’-ジメチルアセタミド(DMAC)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMEU)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2-(1H)-ピリミジノン(DMPU)、アセトニトリル(ACN)、プロピレングリコール、酢酸エチル、ベンジルアルコール、2-ピロリドン、及び安息香酸ベンジル等が挙げられる。溶媒が水である場合、溶媒和物は、「水和物」といわれる。一実施形態において、医薬的に許容される溶媒和物は天然溶媒和物ではない。
【0585】
医薬的に許容される同位体標識化合物
一例示において、本発明はまた、天然に通常見られる原子量又は質量数とは異なる原子量又は質量数を持つ原子で1個以上の原子が置換されていることを除けば、本明細書に記載した化合物、物質、組み合わせ、又は連合体と同一である全ての医薬的に許容される同位体標識誘導体を含む。本明細書で定義されるGFR結合化合物に導入できる同位体の例としては、水素、炭素、塩素、フッ素、ヨウ素、窒素、酸素、及び硫黄の同位体(それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、36Cl、18F、123I、13N、15N、17O、18O、及び35S等)が挙げられる。なお、上記同位体及び/又は他の原子の同位体を含む本明細書に記載された化合物、物質、組み合わせ、連合体、プロドラッグ、及びその医薬的に許容される塩も本発明の範囲に包含される。例えばある実施形態においては放射性同位体(3H及び14C等)を導入したもの等の特定の同位体標識化合物、物質、組み合わせ、連合体、プロドラッグ、及びその塩は、薬剤及び/又は基材組織分布の研究に有用である。トリチウムすなわち3H及び炭素-14すなわち14Cは、調製及び検出が容易なので特に好ましい。更に、重水素すなわち2H等のより重い同位体との置換は、代謝安定性がより高くなることによる特定の治療上の利点、例えばある実施形態においてはインビボ半減期の増大又は投与要件の減少などが得られ得るため、いくつかの条件下では好ましい場合がある。同位体標識化合物、物質、組み合わせ、連合体、プロドラッグ、及びその塩は、通常、容易に入手できる非同位体標識試薬を同位体標識試薬で置換してスキーム及び/又は実施例で開示した手順を実施することで調製できる。
【0586】
プロドラッグ
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「プロドラッグ」という用語は、インビボで変換されることで、本明細書で定義される化合物、物質、組み合わせ、若しくは連合体、又はその医薬的に許容される塩若しくは溶媒和物が得られるような化合物、物質、組み合わせ、又は連合体を意味する。変換は、血液中での加水分解等、各種の機構によって起こり得る。本明細書で定義される化合物、物質、組み合わせ、又は連合体のプロドラッグは、アミノ、ヒドロキシ、又はカルボキシ基等の化合物中の1個以上の官能基を用いて従来の方法で形成できる。例えばある実施形態において、本明細書で定義される化合物がカルボン酸官能基を有している場合、プロドラッグは、(1)酸基の水素を炭素数1~6のアルキル又は炭素数6~10のアリール等の基で置換して形成されたエステル、(2)酸基の水素を-(CR2)COOR’(式中、CR2はスペーサである。Rは、H又はメチル等の基であってもよい。R’は、炭素数1~6のアルキル又は炭素数6~10のアリール等の基であってもよい。)等の基で置換して形成された活性化エステル、及び/又は(3)酸の水素をCHROCOOR’(式中、Rは、H又はメチル等の基であってもよい。R’は、炭素数1~6のアルキル又は炭素数6~10のアリール等の基であってもよい。)等の基で置換して形成された炭酸エステルを含んでいてもよい。同様に、本明細書で定義される化合物がアルコール官能基を有している場合、プロドラッグは、アルコールの水素を(C1-C6)アルカノイルオキシメチル又は(C1-C6)アルカノイルオキシアリール等の基で置換すること、又は、例えばある実施形態においてはアミノ酸で縮合してエステルを形成することで形成できる。本明細書で定義される化合物が1級又は2級アミノ基を有する場合、プロドラッグは、例えばある実施形態において、アミノ基の水素原子の一方又は両方を炭素数1~10のアルカノイル又は炭素数6~10のアロイルと置換して形成されたアミドを含んでいてもよい。アミンの他のプロドラッグも当業者に周知である。あるいは、本明細書で定義される特定の化合物はそれ自体が、本明細書で定義される他の化合物のプロドラッグとして作用してもよい。プロドラッグ及びその使用に関する考察は、例えばある実施形態において、「Prodrugs as Novel Delivery Systems」,T.Higuchi and W.Stella,Vol.14 of the ACS Symposium Series及び「Bioreversible Carriers in Drug Design」,Pergamon Press,1987(ed.E B Roche,American Pharmaceutical Association)等に見られる。他の種類のプロドラッグの例としては、上述の引用文献(参照により本願に組み込まれる)に見られる。
【0587】
XII.投与経路及び手順
本開示に係る送達される(修飾)GFR結合化合物、物質、及び機能化生理活性担体、及び/又はその医薬的、皮膚科学的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物若しくは製剤は、疾患、障害、又は異常の予防、治療、診断、又は造影、及び/又はその少なくとも1つの症状の治療又は軽減、及び/又は組織の形成/再生の誘導、及び/又は組織変性の低減若しくは予防に効果的な任意の投与経路で投与できる。
【0588】
好適な投与プロトコルとしては、任意のインビトロ、インビボ、又はエクスビボ投与プロトコルが挙げられる。予防又は治療する異常又は疾患の種類又は再生する組織の性質;組成物が核酸系、タンパク質系、細胞系、又はこれらの組み合わせ若しくは混合物のいずれであるか;及び/又は標的となる細胞/組織に応じて、好ましい投与の形態及び経路は当業者には明らかである。
【0589】
エクスビボ及びインビトロ投与
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「エクスビボ投与」という用語は、診断、分析、及び/又は学術目的等で被験者/患者から取り出した細胞(間葉系幹細胞等)の集団に本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医療組成物を投与することなど、被験者/患者の外部で制御工程を実施することを意味する。
【0590】
細胞、組織、又は器官は、混合又は送達増量剤の使用等、任意の好適な方法によってエクスビボ又はインビトロで(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体と接触させることができる。効果的なインビトロ又はエクスビボ培養条件としては、細胞培養が可能となる効果的な培地、バイオリアクター、温度、pH、及び酸素条件が挙げられるが、これらに限定されない。効果的な培地とは、所定の宿主細胞又は組織が典型的に培養される任意の培地を意味する。このような培地は、典型的には、同化できる炭素、窒素、及びリン酸源と、適当な塩、無機質、金属、及びビタミン等の他の栄養素とを有する水性媒体を含む。細胞は、従来の発酵バイオリアクター、振とうフラスコ、試験管、マイクロタイタープレート、及びペトリ皿で培養できる。培養は、細胞又は組織に適当な温度、pH、及び酸素含量で実施できる。このような培養条件は、当業者の専門知識の範疇である。
【0591】
従って、一態様において、本開示はまた、インビトロ又はエクスビボで組織形成を誘導する方法であって、細胞(非完全分化細胞等)に本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又はその組成物を有効量投与する工程を含む方法を提供する。
【0592】
インビボ投与
一例示において、(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、直腸内、膣内、くも膜下腔内、皮下、脳室内、経皮、皮内、腹腔内、局所(軟膏、クリーム、粉末、ローション、ゲル、及び/又は滴薬による)、頬側、経腸、粘膜、経鼻、硝子体、舌下、口腔スプレー、経鼻スプレー、及び/又はエアロゾルとして気管内投与、気管支投与、及び/又は吸入、及び/又は門脈カテーテル等の各種経路を1つ以上用いて投与される。一例示において、(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物は、全身性静脈注射によって投与される。一例示において、(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物は、血液-脳関門、血管関門、又はその他の上皮関門を通過できる方法で投与できる。
【0593】
デリバリー
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「デリバリー」又は「送達」という用語は、化合物、物質、組成物、実体、部分、カーゴ、又はペイロードを送達する行為又は方法を意味する。
【0594】
送達剤
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「送達剤」という用語は、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物の標的細胞へのインビボにおける送達を少なくとも部分的に促進する任意の物質を意味する。
【0595】
経口投与に好適な形態
本発明の(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物は、例えばある実施形態において、錠剤、カプセル、丸薬、粉末、徐放製剤、溶液、又は懸濁物等の経口投与に好適な形態や、無菌溶液、懸濁液、又は乳液等の非経口注射に好適な形態を含む。本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物の送達に好適な医薬組成物及びその調製方法は、当業者には明らかである。このような組成物及びその調製方法は、例えばある実施形態において、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」,19th Edition(Mack Publishing Company,1995)(参照によりその全体が本願に組み込まれる)に見られる。経口投与は嚥下を伴うものであってもよく、この場合、化合物又は連合体は消化管に進入する。あるいは、化合物が口から血流へ直接進入する頬側又は舌下投与を採用してもよい。経口投与に好適な製剤としては、錠剤や、微粒子、液体又は粉末を含有するカプセル等の固体製剤;のど飴(液体充填したものを含む)及び咀嚼錠;多成分微粒子及びナノ微粒子;ゲル、固溶体、リポソーム、フィルム(粘膜付着性のものを含む)、オビュール剤、スプレー、並びに液体製剤が挙げられる。液体製剤としては、懸濁液、溶液、シロップ、及びエリキシル剤が挙げられる。これらの製剤は軟又は硬カプセルの充填剤として使用してもよく、典型的には、担体、例えばある実施形態においては水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、又は好適なオイルと、1種以上の乳化剤及び/又は懸濁剤とを含む。また、液体製剤は、例えばある実施形態においては分包の固体を再構成することで調製してもよい。また、本明細書で定義される医薬的連合体又は組成物は、当該分野で記載されたもの等の速溶性速崩壊性剤形で使用してもよい。
【0596】
非経口投与に好適な形態
一例示において、本発明の(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物は、非経口注射で投与できる。非経口投与形態の例としては、例えばある実施形態においては水性プロピレングリコール又はブドウ糖等の無菌水性媒体に本明細書で定義される医薬的連合体を添加した無菌溶液、懸濁液、又は乳液が挙げられる。別の実施形態において、非経口投与形態は溶液である。このような非経口剤形は、所望により好適に緩衝化できる。好ましい無菌溶液としては、塩化ナトリウムの0.9%UPS溶液が挙げられる。例えばある実施形態において、細菌保持フィルターを用いて濾過すること、及び/又は使用前に無菌水又は他の無菌注射媒体に溶解又は分散できる無菌固体組成物として無菌化剤を導入することで注射製剤を無菌化できる。
【0597】
直腸内及び膣内投与に好適な形態
直腸内又は膣内投与用組成物は、典型的には、周囲温度では固体であるが体温では液体となるため直腸又は膣腔内で溶けて活性成分を放出するカカオバター、ポリエチレングリコール、又は坐薬ワックス等の好適な非刺激性賦形剤と組成物とを混合して調製できる坐薬である。
【0598】
局所及び/又は経皮投与に好適な形態
組成物の局所及び/又は経皮投与用剤形としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入薬、及び/又はパッチが挙げられる。通常、活性成分は、医薬的に許容される賦形剤及び/又は任意の必要な保存料及び/又は緩衝液と無菌条件下で必要に応じて混合される。
【0599】
肺投与に好適な形態
頬側口腔を介した肺投与用剤形は、活性成分(本明細書で定義される医薬的連合体等)を含む粒子径が約0.5nm~約7nmの範囲の乾燥粒子を含んでいてもよい。このような組成物は、噴霧剤が流れ込んで粉末を分散させることができる乾燥粉末貯蔵部を有する装置、及び/又は、密閉した容器内の低沸点噴霧剤中で溶解及び/又は懸濁させた活性成分を含む装置等の自己噴射溶媒/粉末分注容器を用いて投与するための乾燥粉末であることが便利である。肺送達用に処方した医薬組成物は、活性成分を溶液及び/又は懸濁液の液滴として提供してもよい。このような製剤は、活性成分を含有する無菌であってもよい水性及び/又は希釈アルコール溶液及び/又は懸濁液として調製、パッケージング、及び/又は販売してもよく、任意の吸入及び/又は噴霧装置を用いて簡便に投与できる。このような製剤はまた、1種以上の追加成分を含んでいてもよく、追加成分としては、サッカリンナトリウム等のフレーバー剤、揮発オイル、緩衝剤、界面活性剤、及び/又はヒドロキシ安息香酸メチル等の保存料等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0600】
経鼻投与に好適な形態
本明細書に肺送達に有用なものとして記載した製剤はまた、医薬組成物の鼻腔内送達にも有用である。経鼻投与に好適な製剤は、例えばある実施形態において、活性成分(本明細書で定義される医薬的連合体等)を少なくとも約0.1%(w/w)、最大で100%(w/w)含んでいてもよく、本明細書に記載した追加成分を1種以上含んでいてもよい。医薬組成物は、頬側投与に好適な製剤として調製、パッケージング、及び/又は販売してもよい。このような製剤は、例えばある実施形態において、従来の方法を用いて作製された錠剤及び/又はのど飴であってもよく、例えばある実施形態において、活性成分を0.1~20%(w/w)含み、残りは経口溶解性及び/又は分解性組成物と、必要に応じて本明細書に記載した1種以上の追加成分とを含んでいてもよい。あるいは、頬側投与に好適な製剤は、活性成分を含む粉末、及び/又はエアロゾル化及び/又は噴霧溶液及び/又は懸濁液を含んでいてもよい。このような粉末、エアロゾル化、及び/又はエアロゾル化製剤は、分散させた場合、平均粒径及び/又は液滴径が約0.1nm~約200nmの範囲であってもよく、本明細書に記載した追加成分を1種以上更に含んでいてもよい。
【0601】
点眼投与に好適な形態
例えばある実施形態において、点眼投与用剤形としては、点眼薬が挙げられ、例えばある実施形態においては、水性又は油性液体賦形剤に活性成分(本明細書で定義される医薬的連合体等)を添加した0.1/1.0%(w/w)溶液及び/又は懸濁液が挙げられる。このような点眼薬は、緩衝剤、塩、及び/又は本明細書に記載した1種以上の追加成分を更に含んでいてもよい。他の有用な点眼投与製剤としては、微結晶状及び/又はリポソーム製剤に活性成分を含むものが挙げられる。点耳薬及び/又は点眼薬は、本開示の範囲に含まれるものと考慮される。
【0602】
直接注射
本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物を送達するのに好ましい投与方法の一つは、局所投与、特に直接注射である。直接注射技術は、特に体表面上又はその近傍にある、手術によって到達できる細胞又は組織への組成物の投与に特に有用である。標的細胞領域内への組成物の局所投与とは、標的細胞又は組織から数センチメートル、好ましくは数ミリメートルの場所に組成物を注射することを意味する。
【0603】
投与計画
本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物の投与計画は、所望の応答が最適に得られるように調整できる。例えばある実施形態において、1回のボーラス投与であってもよく、経時的な複数回の分割投与であってもよく、あるいは用量を治療状況の緊急性に応じて低減又は増大させてもよい。適当な投与計画、各投与量、及び/又は投与間隔は、使用する医薬的連合体、医薬組成物の種類、治療を必要とする被験者の特性、及び治療する異常の重症度によって異なる。従って、本明細書の開示に基づき、用量及び投与計画が当該治療分野で周知の方法に従って調整されることを熟練した技術者は理解するだろう。すなわち、最大許容用量を容易に確立でき、検出可能な治療上の利点を患者に提供できる有効量も決定でき、検出可能な治療上の利点を患者に提供するための各薬剤の投与の時間的要件も決定できる。従って、本明細書では特定の用量及び投与計画を例示したが、これらの例示は、本発明の実施において患者に提供できる用量及び投与計画を何ら限定するものではない。通常、本開示に係る医薬組成物は、1日あたり被験者体重に対して約0.0001mg/kg~約100mg/kg、約0.01mg/kg~約50mg/kg、約0.1mg/kg~約40mg/kg、約0.5mg/kg~約30mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、約0.1mg/kg~約10mg/kg、又は約1mg/kg~約25mg/kgを1日1回以上に分けて送達して、所望の治療的、診断的、予防的、又は造影的効果を充分に得られる投与量レベルで投与できる。所望の投与量は、1日3回、1日2回、1日1回、1日おき、3日に1回、毎週、2週間に1回、3週間に1回、又は4週間に1回送達してもよい。ある実施形態において、所望の投与量は、複数回投与(2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、又はそれ以上の回数の投与)によって送達してもよい。なお、各被験者について、具体的な投与計画は、個々の必要性、及び組成物の投与を管理又は監督する専門家の判断に応じて経時的に調整されるべきであり、本明細書に記載の投与量範囲は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲又は実施を限定するものではない。例えばある実施形態において、用量は、毒性効果及び/又は臨床検査値等の臨床効果などといった薬物動態又は薬力学的パラメータに基づいて調整できる。従って、本発明は、熟練技術者によって決定される患者内用量漸増を包含する。化学治療剤の投与における適当な投与量及び計画の決定は、関連技術において周知であり、本明細書で開示した教示を提供された熟練技術者であれば達成できることが理解される。
【0604】
有効量パラメータ
本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、又は機能化生理活性担体、及び/又は医薬組成物の投与計画を調整して、有効量パラメータを得ることができる。有効量パラメータは、具体的な疾患又は異常に対して当該分野で標準的な方法によって決定できる。特に、本明細書で定義される治療組成物の用量パラメータの有効性は、奏功率を評価することで決定できる。この奏功率とは、患者群のうち部分又は完全寛解の応答を示す治療された患者の割合を意味する。
【0605】
本明細書で定義される医薬組成物は、バルク、単回単位用量、又は複数回の単回単位用量として調製、パッケージング、又は販売できる。
【0606】
単位用量
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「単位用量」という用語は、活性成分を所定量含む医薬組成物の個別量を意味する。活性成分の量は、通常、被験者に投与されることになる活性成分の投与量に等しいか、あるいは該投与量の簡便な分割量、例えばある実施形態においては該投与量の半分又は1/3等である。
【0607】
単回単位用量
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「単回単位用量」という用語は、1用量/1回/単一経路/1接点、すなわち単一の投与事象で投与される治療連合体又は組成物の用量を意味する。
【0608】
分割用量
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「分割用量」という用語は、単回単位用量又は1日総量を2つ以上の用量に分割することを意味する。
【0609】
1日総量
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「1日総量」という用語は、24時間で与えられる又は処方される量を意味する。単回単位用量として投与してもよい。
【0610】
本明細書で定義される医薬組成物中の活性成分、医薬的に許容される賦形剤、担体、又は増量剤、及び任意の追加成分の相対量は、治療する被験者の特質、大きさ、及び状態に応じて変化し、更に組成物を投与する経路によっても変化する。活性成分に加えて、本発明の医薬組成物は、追加の医薬的に活性な薬剤を1種以上更に含んでいてもよい。
【0611】
組み合わせ療法
本明細書で定義される化合物、連合体、組成物、又は製剤は、1種以上の他の治療剤、予防剤、診断剤、又は造影剤と組み合わせて使用してもよい。本明細書中、「と組み合わせて」とは、薬剤を同時に投与しなければならないこと及び/又は一緒に送達するために製剤化しなければならないことを意味するものではないが、これらの送達方法も本開示の範囲には含まれる。組成物は、1種以上の他の所望の治療法又は医療的手順と同時に、それより前に、又はそれに続けて投与できる。いくつかの実施形態においては、それぞれの約90、60、30、15、10、5、又は1分以内に投与される。いくつかの実施形態において、薬剤は、組み合わせ効果(相乗効果等)が得られるような充分に近い間隔で投与される。一般に、各薬剤は、その薬剤に対して決定された用量及び/又はタイムスケジュールで投与される。一例示において、本開示は、医薬的、予防的、診断的、又は造影用組成物を、その生物学的利用能を向上させ、その代謝を低減及び/又は変化させ、その排泄を阻害し、及び/又はその体内での分布を変化させる薬剤と組み合わせて送達することを包含する。なお、組み合わせて使用される治療的、予防的、診断的、又は造影的に活性な薬剤は、単一の組成物としてまとめて投与してもよく、あるいは異なる組成物として別々に投与してもよい。一般に、組み合わせて使用される薬剤は、個別に使用される際の量を超えない量で使用されると考えられる。一例示において、組み合わせて使用する量は、個別に利用される量より少ない。組み合わせ計画において採用する療法の具体的な組み合わせは、所望の治療法及び/又は手順の適合性と、達成したい治療効果とを考慮して決定する。なお、採用した療法は、同じ障害に対して所望の効果を達成してもよく、あるいは異なる効果(任意の副作用の制御等)を達成してもよい。
【0612】
本明細書で提供する医薬組成物は、主として哺乳類、特にヒトへの投与に好適な医薬組成物について説明したが、熟練技術者であれば、該組成物はあらゆる種類の動物、特にあらゆる脊椎動物類への投与に概して好適であることが理解されよう。ヒトへの投与に好適な医薬組成物を改変して各種動物への投与に好適な組成物にすることは充分に理解されており、通常の技能を有する獣医薬理学者は、通常の実験があるならばそれさえ行えば、そのような改変を設計及び/又は実施できる。医薬組成物の投与が考慮される被験者としては、ヒト及び/又は他の霊長類;ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、イヌ、マウス、及び/又はラット等の商業関連哺乳類を含む哺乳類;及び/又は、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、及び/又はシチメンチョウ等の商業関連鳥類を含む鳥類等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0613】
XIII.皮膚科学的用途
再生、修復、又は治療される細胞又は組織が皮膚細胞又は組織(主に繊維芽細胞系列由来)である場合、本明細書で定義される医薬組成物は、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物又は少なくとも1種の機能化生理活性担体と、少なくとも1種の皮膚科学的に許容される賦形剤とを含む皮膚科学的組成物であってもよい。
【0614】
例えばある実施形態において、本発明の上記使用のための皮膚科学的組成物は、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物又は機能化生理活性担体を皮膚科学的有効量として(皮膚科学的組成物の総重量に対して)0.01~100重量%含んでもよい。皮膚科学的組成物は、特に、GFR結合化合物及び機能化生理活性担体のいずれか1種を(皮膚科学的組成物の総重量に対して)0.01~95重量%、0.01~90重量%、0.01~85重量%、0.01~80重量%、0.01~75重量%、0.01~70重量%、0.01~65重量%、0.01~60重量%、0.01~55重量%、0.01~50重量%、0.01~45重量%、0.01~40重量%、0.01~35重量%、0.01~30重量%、0.01~25重量%、0.01~20重量%、0.01~15重量%、0.01~10重量%、0.01~5重量%、0.1~100重量%、0.1~95重量%、0.1~90重量%、0.1~85重量%、0.1~80重量%、0.1~75重量%、0.1~70重量%、0.1~65重量%、0.1~60重量%、0.1~55重量%、0.1~50重量%、0.1~45重量%、0.1~40重量%、0.1~35重量%、0.1~30重量%、0.1~25重量%、0.1~20重量%、0.1~15重量%、0.1~10重量%、又は0.1~5重量%含む。
【0615】
皮膚科学的に許容される
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「皮膚科学的に許容される」という用語は、使用する化合物又は医薬的連合体が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応等を起こすことなく、ヒトの皮膚と接触して使用されるように適合されていることを意味する。
【0616】
皮膚科学的製剤
本発明の皮膚科学的実施形態を実施するのに好適な製剤としては、通常は広口瓶又はチューブに入っている水性又は油性溶液、水性クリーム又はゲル、及び油性ゲル、具体的にはシャワージェル、シャンプー、乳汁、乳液、マイクロエマルション、及びナノエマルション(具体的には油中水若しくは水中油、又は各種シリコーン系);ローション、具体的にはスプレーのガラス若しくはプラスチック瓶、又はエアロゾル瓶に入ったもの、ブリスターパック液体石鹸、皮膚科学的棒状石鹸、ポマード、ムース、無水物、好ましくは液体、クリーム、又は固体のもの(例えばスティック状、特にリップスティック状)、パップ剤、及びパッチが挙げられる。
【0617】
好ましい投与経路としては、本明細書で既に定義した経口、局所、及び皮内等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0618】
皮膚科学的に許容される賦形剤
本発明の実施形態を実施するために好適な皮膚科学的に許容される賦形剤としては、保存料、皮膚軟化剤、乳化剤、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、調整剤、テカリ防止剤、安定化剤、酸化防止剤、質感調整剤、光沢剤、膜形成剤、可溶化剤、顔料、着色料、香料、及び日光フィルター等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの賦形剤は、アミノ酸及びその誘導体、ポリグリセロール、エステル、ポリマー、及びセルロース誘導体、ラノリン誘導体、リン脂質、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼ、スクロース系安定化剤、ビタミンE及びその誘導体、天然及び合成ワックス、植物油、トリグリセリド、不ケン化物、フィトステロール、植物エステル、シリコーン及びその誘導体、タンパク質加水分解物、ホホバオイル及びその誘導体、脂/水溶性エステル、ベタイン、アミノオキシド、ショ糖エステル植物抽出物、二酸化チタン、グリシン、並びにパラベンからなる群より選択されることが好ましく、ブチレングリコール、グリコール-15ステアリルエーテル、セテアリルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ブチレングリコール、天然トコフェロール、グリセリン、ジヒドロキシセチルリン酸ナトリウム、イソプロピルヒドロキシセチルエーテル、ステアリン酸グリコール、トリイソノナノイン、ヤシ脂肪酸オクチル、ポリアクリルアミド、イソパラフィン、ラウレス-7、カルボマー、プロピレングリコール、グリセロール、ビサボロール、ジメチコン、水酸化ナトリウム、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG-30、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、オクタン酸セテアリル、アジピン酸ジブチル、グレープシードオイル、ホホバオイル、硫酸マグネシウム、EDTA、シクロメチコン、キサンタンガム、クエン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ミネラルワックス及びオイル、イソステアリン酸イソステアリル、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、PEG8、蜜蝋、水素化パーム核油のグリセリド、ラノリン油、ごま油、乳酸セチル、ラノリンアルコール、二酸化チタン、ラクトース、ショ糖、低密度ポリエチレン、並びに等張塩溶液からなる群より選択されることがより好ましい。
【0619】
一例示において、本明細書で定義される皮膚科学的組成物は、医薬的、特に皮膚科学的に有益な他の有効成分及び/又は賦形剤及び/又は添加剤を少なくとも1種含有していてもよく、以下の特性を有する薬剤等が挙げられる。
・創傷治癒特性:エチルパンテノール等のパンテノール及びその誘導体、アロエベラ、パントテン酸及びその誘導体、アラントイン、ビサボロール、及びグリチルリチン酸二カリウム等;
・抗炎症特性:ステロイド系及び非ステロイド系抗炎症薬、特にサイトカイン及びケモカイン、シクロオキシゲナーゼ、一酸化窒素(NO)、及び一酸化窒素合成酵素(NOS)の産生阻害剤。抗炎症物質の例としては、血小板活性化因子(PAF)拮抗特性で知られるイチョウ抽出物、トリラクトンテルペン、例えばギンコライド(特にギンコライドB)及びビロバライド等が挙げられる。
【0620】
CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition(1992)(参照によりその全体が本願に組み込まれる)には、化粧及び医薬産業において現在使用されており、特に局所使用に適合され、本発明の皮膚科学的組成物に使用できる様々な化粧及び医薬的成分が記載されている。このような種類の成分としては、研磨剤、吸収性化合物、香料、顔料、着色料、精油、及び収斂薬等の審美的目的を有する化合物(チョウジ油、メントール、樟脳、ユーカリ油、オイゲノール、乳酸メンチル、及びハマメリス留出物等)、抗ニキビ剤、抗凝集剤、消泡剤、抗菌剤(ブチルカルバミン酸ヨードプロピル等)、酸化防止剤、結合剤、生物学的添加剤、タンポン剤、膨潤剤、キレート剤、添加剤、殺生剤、変性剤、外用鎮痛剤、膜形成材、ポリマー、不透明化剤、pH調整剤、還元剤、脱色素又は脱色剤(ハイドロキノン、麹酸、アスコルビン酸、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルグルコサミン等)、調整剤(保水剤等)、皮膚用鎮静化剤、及び/又は瘢痕剤(エチルパンテノール等のパンテノール及びその誘導体等)、アロエベラ、パントテン酸及びその誘導体、アラントイン、ビサボロール、グリチルリチン酸二カリウム、増粘剤、ビタミン、並びにこれらの誘導体及び均等物等の化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0621】
一態様において、本開示は、瘢痕及び/又は炎症(歯肉炎等)の予防及び/又は治療に使用されるいずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は皮膚科学的組成物を提供する。
【0622】
具体的な一例示において、皮膚科学的組成物は、真皮が少なくとも部分的に損傷している皮膚、特に外科的手術を受けた、又は熱傷及び/又は損傷を受けた被験者の皮膚の治療を意図している。このような治療によって、繊維芽細胞の増殖及び/又は活性を刺激して、組織修復及び/又は皮膚再建を刺激できる。
【0623】
一態様において、本開示は、ニキビ、円形脱毛症、ボーエン病、先天性赤血球生成性ポルフィリン症、接触性皮膚炎、ダリエー病、湿疹(アトピー性湿疹)、単純性表皮水疱症、赤血球生成性プロトポルフィリン症、爪の真菌感染症、ヘイリー-ヘイリー病、単純ヘルペス、化膿性汗腺炎、多毛症、多汗症、魚鱗癬、膿痂疹、ケロイド、毛孔性苔癬、扁平苔癬、硬化性苔癬、肝斑、尋常性天疱瘡、足底疣贅(疣贅)、苔癬状粃糠疹、多形日光疹、乾癬、壊疽性膿皮症、酒さ、疥癬、帯状疱疹、及び白斑のうち少なくとも1つの予防及び/又は治療に使用されるいずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は皮膚科学的組成物を提供する。
【0624】
一態様において、本開示はまた、必要とする被験者に対する皮膚科学的ケア又は治療方法を提供する。上記方法は、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は皮膚科学的組成物の少なくとも1種を(適量で)局所投与、皮内注射、又は経口投与、好ましくは局所投与又は皮内注射する工程を有する。
【0625】
このような皮膚科学的ケア又は治療方法は、本明細書で引用した用途を含む。
【0626】
皮膚科学的分野において本発明の実施形態を実施するのに好適な(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体の量としては、約0.0001μg/日~約5000mg/日、約0.0001μg/日~約1000mg/日、約0.0001μg/日~約10mg/日、約0.0001μg/日~約1mg/日、又は約0.0001μg/日~約100μg/日からなる群が挙げられ、いずれも本発明の実施形態を実施するのに好ましい。
【0627】
上記必要とする被験者は、平均年齢が30歳を超える集団から選択された被験者、日光に過度に当たりすぎた被験者、皮膚異常の家族歴を有する被験者であることが有利である。
【0628】
XIV.眼科用途
網膜疾患、障害、又は異常を治療するためのいずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬組成物の好ましい剤形としては、例えばある実施形態において、点眼薬及び眼軟膏が挙げられる。これらは従来の技術で調製できる。例えば、点眼薬は、塩化ナトリウム等の等張剤、リン酸ナトリウム等の緩衝剤、及び塩化ベンザルコニウム等の保存料を用いて調製できる。好適なpHは、眼科学的に許容される範囲内である。好ましいpHは4~8である。
【0629】
特に好ましい投与経路としては、硝子体及び眼球内が挙げられる。
【0630】
眼障害を治療するのに好適な(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬組成物の用量は、症状、患者の年齢、剤形等に従って適宜選択される。点眼薬の場合、1日に1回又は複数回眼内投与するのに好適な濃度は、0.0001~10w/v%、好ましくは0.0001~0.01w/v%であってもよい。
【0631】
XV.外科的治療
いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、及び医薬組成物は、外科的介入が有益となるであろう患者又は被験者を疾患、異常、障害、又は病変から保護(治療又は予防等)するのに好適な外科的方法で使用できる。
【0632】
例えばある実施形態において、上記外科的方法は、骨修復手術、軟骨修復手術、心臓手術、腎臓又は肺手術、眼手術、筋肉修復手術、及び腱/靱帯修復手術からなる群より選択してもよい。
【0633】
従って、一態様において、本発明は、外科的治療のための外科的方法であって、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物の少なくとも1種、機能化生理活性担体の少なくとも1種、その医薬的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物、又は医療機器を治療を受ける患者の身体部位と接触させる工程を含み、上記接触工程により幹細胞分化及び組織形成を誘導する方法を開示する。
【0634】
一例示において、上記外科的方法は、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又はその医薬的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物を含む埋込み式医療機器をそのような外科的治療を必要とする患者又は被験者内に設置又は埋込みする工程を含む。
【0635】
例えばある実施形態において、本発明の外科的治療では、上記GFR結合化合物、上記機能化生理活性担体、又はその医薬的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物をそのような治療を必要とする患者又は被験者の身体部位と接触させるための設置、挿入、又は堆積装置を使用してもよい。一例示において、上記設置、挿入、又は堆積装置は、注射器等の注射装置を含む。
【0636】
ある実施形態において、上記外科的方法は、患者又は患者の身体部位に注射するための上記注射装置内に、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又はその医薬的、予防的、診断的、若しくは造影用組成物を配置する工程を含む。
【0637】
一例示において、上記医療機器は、チタン及び/又はPEEK及び/又はPET及び/又はヒドロゲル及び/又はセラミックを含む。具体的な一例示において、上記医療機器は、患者又は被験者の身体部位の一部又は全部と置き換えられる。一例示において、上記身体部位は、機能不全の又は損傷した骨、皮膚、毛髪頭皮、眼等の身体部位である。
【0638】
XVI.医薬的用途、使用、及び方法
いくつかの成長因子は、セリンスレオニンキナーゼファミリーに属する成長因子受容体1及び2と相互作用する。従来、シグナル伝達経路を媒介するために、成長因子は、特定のダイマー又はオリゴマー構造を形成することでこれらの受容体と相互作用する。構成的に活性な受容体2は受容体1をリン酸化し、その後、該受容体が伝達経路Smad1/5/8を活性化する。従って、従来、両方の受容体が、機能的複合体を形成して更なるシグナル伝達事象を開始することが必要とされる。次いで、リン酸化Smadが受容体から解離し、一般的な介在物質であるSmad4と結合することにより、核移行、特定遺伝子の制御が起こり、最終的には組織再生を誘導できる。
【0639】
先行技術のインビトロ及びインビボ科学的研究によれば、遺伝子組換え成長因子タンパク質又はそのペプチド断片等の外因性実体又は分子を用いてヒト間葉系幹細胞の天然/従来の生物学的特性に影響を与えると、細胞分化及び組織再生に効果が見られることが報告されている。本開示の(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体は、このような外因性実体又は分子の1種であってもよい。
【0640】
例えばある実施形態において、外因性実体又は分子を可逆的又は不可逆的に導入又は堆積(いずれも同様に好ましい)し、治療を必要とする患者内に配置した医療機器を使用した医療的治療は、該外因性実体又は分子のヒト間葉系幹細胞に対する影響の効果を発揮できる。
【0641】
一例示において、外因性実体又は分子と医薬的に許容される賦形剤又は担体とを含有する医薬組成物を、そのような治療を必要とする患者に例えば経口、腸管内、静脈内、腹腔内、皮下、経皮、非経口、又は直腸内投与する医療的治療は、該外因性実体又は分子のヒト間葉系幹細胞に対する影響の効果を提供できる。
【0642】
本明細書で上述した通り、インビボ投与の場合、本発明の化合物又は組成物を標的部位に注射することで、PTD又は細胞浸透性ペプチド等を介して治療される細胞に極めて接近して送達することができる。あるいは、PTD/GFR結合化合物複合体を含むインプラント(又は医療機器若しくは埋込み式医療機器)を使用してもよい。
【0643】
本発明は概して、インビトロ、エクスビボ、又はインビボで間葉系幹細胞又は(任意の分化段階の)前駆細胞の分化を誘導し、及び/又は組織の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法及び使用を提供する。
【0644】
簡便であることには、上記組織形成プロセスは、通常、7日未満で達成される。特に、上記組織形成プロセスは、通常、6日未満で達成される。特に、上記組織形成プロセスは、通常、5日未満で達成される。特に、上記組織形成プロセスは、通常、4日未満で達成される。特に、上記組織形成プロセスは、通常、3日未満で達成される。特に、上記組織形成プロセスは、通常、2日未満で達成される。特に、上記組織形成プロセスは、通常、24時間未満で達成される。特に、上記組織形成プロセスは、通常、18時間未満で達成される。
【0645】
一態様において、本開示は、非変異原性的に、すなわち治療細胞のゲノムを修飾又は変化させることなく、インビトロ、エクスビボ、又はインビボで組織形成を誘導する方法で使用される本明細書で定義される医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物を提供する。また、すなわち治療細胞のゲノムを修飾又は変化させることなく、組織形成を誘導する方法であって、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物をインビトロ、エクスビボ、又はインビボで有効量投与する工程を含む方法も提供される。
【0646】
一態様において、本開示は、組織形成を細胞外誘導する方法で使用される本明細書で定義される医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物を提供する。また、細胞外組織形成誘導方法であって、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物をインビトロ、エクスビボ、又はインビボで有効量投与する工程を含む方法も提供される。
【0647】
本明細書で使用される細胞外治療とは、治療される細胞(すなわち間葉系幹細胞)の外部で得られる又は生じる生物学的作用/効果を意味する。すなわち、生物学的に活性な薬剤(本明細書で定義されるGFR結合化合物又は医薬組成物等)は、細胞膜を貫通して治療される細胞内へ進入することなく、その生物学的/医薬的効果を細胞の外部(細胞表面等)へ送達/提供する。細胞外作用/効果が治療される細胞へ投与/送達されると、上記活性薬剤は、例えば、代謝されて又はされることなく宿主生物から排出され、及び/又は標識されてアポトーシス経路で破壊され、及び/又は近辺の細胞等によって内部移行されてもよい。
【0648】
一態様において、本開示は、生理学的に機能的な健常細胞を産生する方法であって、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物をインビトロ、エクスビボ、又はインビボで間葉系幹細胞又は(任意の分化段階の)前駆細胞に有効量投与する工程を含み、上記生理学的に機能的な健常細胞は、骨芽細胞、骨細胞、軟骨芽細胞、軟骨細胞、神経芽細胞、神経細胞、セルトリ細胞、ライディッヒ細胞、生殖細胞、筋芽細胞、筋細胞、角化細胞、内皮細胞、血管芽細胞、繊維芽細胞、線維細胞、有足細胞、輪紋状結合細胞、脂肪細胞、前脂肪細胞/脂肪芽細胞、上皮細胞、赤血球、肺胞細胞、造血幹細胞(HSC)、骨髄細胞前駆細胞、リンパ球細胞前駆細胞、マスト細胞、骨髄芽球、単核球、マクロファージ、好中球、好塩基球、好酸球、赤血球、巨核球、血小板、樹状細胞、小リンパ球、Tリンパ球(T細胞)、Bリンパ球(B細胞)、及びナチュラルキラー(NK)細胞からなる群より選択される、方法を提供する。
【0649】
一態様において、本開示は、間葉系幹細胞又は(任意の分化段階の)前駆細胞の表面に存在する成長因子受容体を活性化する方法であって、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物を上記間葉系幹細胞又は(任意の分化段階の)前駆細胞に有効量投与する工程を含み、上記本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物の投与によって、上記間葉系幹細胞又は(任意の分化段階の)前駆細胞の表面に存在する成長因子受容体が活性化される、方法を提供する。
【0650】
一態様において、本開示は、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物をインビトロ、エクスビボ、又はインビボで間葉系幹細胞又は(任意の分化段階の)前駆細胞に送達する方法であって、上記間葉系幹細胞又は(任意の分化段階の)前駆細胞を上記(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物と接触させる工程を含む方法を提供する。
【0651】
一態様において、本開示は、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物を患者又は被験者に投与する方法であって、上記患者又は被験者の少なくとも1つの身体部位を上記(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物と接触させる工程を含む方法を提供する。
【0652】
一例示において、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、哺乳類(好ましくはヒト)組織誘導性化合物、生理活性担体、又は組成物であって、インビトロ及び/又はインビボで組織形成を誘導できることが実証されているものであってもよい。
【0653】
一態様において、本開示は、療法、手術、又は診断的方法等の医療的方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物の有効量を提供する。
【0654】
一態様において、本開示は、間葉系幹細胞又は(任意の分化段階の)前駆細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法を提供する。一態様において、本発明は、間葉系幹細胞又は(任意の分化段階の)前駆細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物の有効量を開示する。
【0655】
一態様において、本開示は、組織の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物を間葉系幹細胞、任意の分化段階の前駆細胞、又は成熟細胞に有効量投与する工程を含む方法を提供する。一態様において、本発明は、組織の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物の有効量を開示する。
【0656】
一態様において、本開示は、細胞運動性又は単一/集団細胞遊走を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物を間葉系幹細胞、任意の分化段階の前駆細胞、又は成熟細胞に有効量投与する工程を含む方法を提供する。一態様において、本発明は、細胞運動性又は単一/集団細胞遊走を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物の有効量を開示する。
【0657】
一態様において、本発明は、細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物を分化細胞又は成熟細胞に有効量投与する工程を含む方法を開示する。一態様において、本発明は、細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物の有効量を開示する。
【0658】
一例示において、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、成体幹細胞及び/又は多能性前駆細胞と組み合わせ/混合してから、哺乳類(好ましくはヒト)に投与する又は埋め込むことで、組織再生を促進してもよい。
【0659】
一例示において、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、そのまま投与してもよく、成体幹細胞及び/又は多能性前駆細胞と組み合わせ/混合してから、哺乳類(好ましくはヒト)に投与することで、組織再生を促進してもよい。
【0660】
特に、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる医療用途としては、骨形成の増強、骨形成の誘導、骨細胞成熟の誘導、及び/又は骨粗鬆症の治療及び/又は予防等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0661】
従って、一例示において、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで骨形成を誘導できることが実証されている骨誘導性化合物、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0662】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(骨芽細胞系列の任意の分化段階の)前駆体骨芽細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・骨組織の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、骨芽細胞系列の任意の分化段階の前駆体骨芽細胞、又は成熟骨芽細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・骨細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した骨芽細胞又は成熟骨芽細胞(骨細胞等)に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞又は(骨芽細胞系列の任意の分化段階の)前駆体骨芽細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・骨組織の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・骨芽細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0663】
特に、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって得られる医療用途としては、軟骨形成の増強、及び/又は軟骨形成の誘導、及び/又は軟骨細胞成熟の誘導、及び/又は変形性関節症、肋軟骨炎、ヘルニア形成、軟骨無形成症、及び再発性多発軟骨炎のうち少なくとも1つの治療及び/又は予防等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0664】
一例示において、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで軟骨形成を誘導できることが実証されている軟骨誘導性化合物、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0665】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(軟骨細胞系列の任意の分化段階の)前駆体軟骨芽細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・軟骨組織の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、(軟骨細胞系列の任意の分化段階の)前駆体軟骨芽細胞、又は成熟軟骨芽細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・軟骨細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種のGFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した軟骨芽細胞又は成熟骨芽細胞(軟骨細胞等)に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞又は(軟骨細胞系列の任意の分化段階の)前駆体軟骨芽細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・軟骨組織の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・軟骨芽細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0666】
特に、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって得られる医療用途としては、内皮化及び/又は血管新生/血管形成の増強、及び/又は冠動脈疾患(冠動脈心疾患及び虚血性心疾患としても知られる)、心筋症、高血圧性心疾患、心不全、肺性心、不整脈、炎症性心疾患、心内膜炎、炎症性心拡大、心筋炎、心臓弁膜症、脳血管疾患、末梢動脈疾患、先天性心疾患、及びリウマチ性心疾患のうち少なくとも1つの治療及び/又は予防等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0667】
一例示において、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで血管組織形成を誘導できることが実証されている内皮化/血管新生/血管形成促進化合物、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0668】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(血管細胞系列の任意の分化段階の)前駆体内皮細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・血管組織再生/形成及び/又は管腔形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、血管細胞系列の任意の分化段階の前駆体内皮細胞、又は成熟内皮細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・細胞運動性若しくは単一/集団内皮細胞遊走、及び/又は血管新生を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、血管細胞系列の任意の分化段階の前駆体内皮細胞、又は成熟内皮細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・内皮細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した内皮細胞又は成熟内皮細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞、(血管細胞系列の任意の分化段階の)前駆体内皮細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・血管組織再生/形成、及び/又は管腔形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・細胞運動性若しくは単一/集団内皮細胞遊走、及び/又は血管新生を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・内皮細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0669】
特に、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる医療用途としては、軸索樹状ニューロン成長の増強、それによるニューロン再生の促進、及び/又はニューロン変性に関連する異常及び疾患の治療、及び/又は予防、及び/又は軽減若しくは抑制等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0670】
本明細書中、別段の指示がない限り、「ニューロン再生」又は「神経再生」という用語は、幹細胞が関与する神経組織、細胞、又は細胞産物の再成長又は修復を意味する。これらのメカニズムには、新たなニューロン、グリア、軸索、ミエリン、又はシナプスの生成が含まれてもよい。従って、本発明が有用となり得る神経学的障害としては、ALS、失書症、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、アンジェルマン症候群、失語症、失行症、くも膜炎、毛細血管拡張性運動失調症、注意欠陥多動障害、聴覚情報処理障害、自閉症、アルコール依存症、アスペルガー症候群、双極性障害、ベル麻痺、腕神経叢損傷、脳損傷、脳外傷、カナバン病、カプグラ症候群、灼熱痛、中枢痛症候群、橋中心髄鞘崩壊症、中心核ミオパチー、頭部障害、脳動脈瘤、脳動脈硬化症、大脳萎縮症、脳性巨人症、脳性麻痺、脳血管炎、頸椎脊椎管狭窄症、シャルコー・マリー・トゥース病、キアリ奇形、舞踏運動、慢性疲労症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、慢性疼痛、コフィン・ローリー症候群、昏睡、複合性局所疼痛症候群、圧迫性ニューロパチー、先天性両側顔面神経麻痺、大脳皮質基底核変性症、頭部動脈炎、頭蓋縫合早期癒合症、クロイツフェルト・ヤコブ病、累積外傷性障害、クッシング症候群、巨細胞性封入体症(CIBD)、サイトメガロウイルス感染症、ダンディ・ウォーカー症候群、ドーソン病、ドモルシア症候群、デジェリン・クルンプケ麻痺、デジェリン・ソッタス病、睡眠相後退症候群、認知症、皮膚筋炎、発達性協調運動症、糖尿病性神経障害、びまん性硬化症、ダウン症候群、ドラベ症候群、自律神経障害、失計算、書字障害、失読症、ジストニア、トルコ鞍空洞症候群、脳炎、脳ヘルニア、脳三叉神経領域血管腫症、遺糞、てんかん、エルブ麻痺、紅痛症、本態性振戦、ファブリー病、ファール症候群、卒倒、家族性痙性麻痺、熱性痙攣、フィッシャー症候群、フリードライヒ運動失調症、線維筋痛症、フォビーユ症候群、胎児性アルコール症候群、脆弱X振戦失調症候群、ゴーシェ病、ゲルストマン症候群、巨細胞性動脈炎、巨細胞性封入体病、グロボイド細胞白質ジストロフィー、異所性灰白質、ギラン・バレー症候群、HTLV-1関連脊髄症、ハラーホルデン・スパッツ病、頭部外傷、頭痛、片側顔面痙攣、遺伝性痙性対麻痺、多発神経炎型遺伝性運動失調症、耳帯状疱疹、帯状疱疹、平山症候群、全前脳症、ハンチントン病、水頭性無脳症、水頭症、コルチゾン過剰症、低酸素症、免疫介在性脳脊髄炎、封入体筋炎、色素失調症、乳児レフサム病、点頭てんかん、炎症性ミオパチー、頭蓋内嚢胞、頭蓋内圧亢進、ジュベール症候群、カラク症候群、カーンズ・セイヤー症候群、ケネディー病、キンスボーン症候群、クライン・レビン症候群、クリッペル・ファイル症候群、クラッベ病、クーゲルベルク・ヴェランダー病、ラフォラ病、ランバート・イートン筋無力症症候群、ランドウ・クレフナー症候群、延髄外側(ワレンベルグ)症候群、学習障害、リー病、レノックス・ガストー症候群、レッシュ・ナイハン症候群、白質ジストロフィー、レビー小体認知症、滑脳症、閉じ込め症候群、ルー・ゲーリック病(筋萎縮性側索硬化症を参照)、腰部椎間板症、腰部脊椎狭窄症、ライム病-神経学的後遺症、マシャド・ジョゼフ病(脊髄小脳失調症3型)、大頭症、巨視症、巨脳症、メルカーソン・ローゼンタール症候群、メニエール病、髄膜炎、メンケス病、異染性白質ジストロフィー、小頭症、小視症、偏頭痛、ミラー・フィッシャー症候群、軽度脳卒中(一過性虚血性発作)、ミソフォニア、ミトコンドリア筋症、メビウス症候群、一側筋萎縮症、運動神経細胞疾患(筋萎縮性側索硬化症を参照)、運動能力障害、もやもや病、ムコ多糖症、多発梗塞性認知症、多巣性運動ニューロパチー、多発性硬化症、多系統萎縮症、筋ジストロフィー、筋痛性脳脊髄炎、重症筋無力症、ミエリン分解性びまん性硬化症、幼児ミオクロニー脳症、ミオクローヌス、ミオパチー、筋細管ミオパチー、先天性筋強直症、ナルコレプシー、神経ベーチェット病、神経線維腫症、悪性症候群、AIDS神経症状、ループス神経学的後遺症、神経性筋強直症、神経セロイドリポフスチン症、神経細胞遊走障害、ニューロパチー、神経症、ニーマン・ピック病、非24時間睡眠覚醒障害、非言語性学習障害、オサリバン・マクラウド症候群、後頭神経痛、潜在性脊椎癒合不全、大田原症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、視神経炎、起立性低血圧、耳硬化症、使いすぎ症候群、反復視、錯感覚、パーキンソン病、先天性パラミオトニア、発作、パリー・ロンベルグ症候群、ペリツェウス・メルツバッハ病、周期性四肢麻痺、末梢神経障害、広汎性発達障害、光くしゃみ反射、フィタン酸蓄積症、ピック病、圧迫神経、PMG、多発神経炎、ポリオ、多小脳回、多発性筋炎、孔脳症、ポリオ後症候群、帯状疱疹後神経痛(PHN)、体位性低血圧症、プラダー・ウィリー症候群、原発性側索硬化症、プリオン病、進行性顔面片側萎縮症、進行性多巣性白質脳症、進行性核上性麻痺、四肢麻痺、狂犬病、ラムゼイ・ハント症候群I型、ラムゼイ・ハント症候群II型、ラムゼイ・ハント症候群III型、ラスムッセン脳炎、反射性神経血管性ジストロフィー、レフサム病、反復運動過多損傷、ムズムズ脚症候群、レトロウイルス関連脊髄症、レット症候群、ライ症候群、律動性運動障害、ロンベルク症候群、聖ヴィトゥス舞踏病、サンドホフ病、裂脳症、感覚処理障害、中隔視神経形成異常症、揺さぶられっ子症候群、帯状疱疹、シャイ・ドレーガー症候群、シェーグレン症候群、睡眠時無呼吸、睡眠病、スナチエーション(Snatiation)、ソトス症候群、痙攣、二分脊椎症、脊髄損傷、脊髄性筋萎縮症、脊髄小脳失調症、分離脳、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー症候群、全身硬直症候群、脳卒中、スタージ・ウェーバー症候群、亜急性硬化性全脳炎、皮質下動脈硬化性脳症、脳表ヘモジデリン沈着症、シデナム舞踏病、失神、共感覚、脊髄空洞症、足根管症候群、遅発性ジスキネジア、遅発性ジスフレニア、ターロブ嚢胞、テイ・サックス病、側頭動脈炎、破傷風、脊髄係留症候群、トムゼン病、胸郭出口症候群、疼痛性チック、トッド麻痺、トゥレット症候群、中毒性脳症、一過性虚血性発作、伝達性海綿状脳症、横断性脊髄炎、外傷性脳損傷、振戦、三叉神経痛、熱帯性痙性不全対麻痺症、トリパノソーマ症、結節性硬化症、ユビシオシス(Ubisiosis)、フォンヒッペル・リンダウ病(VHL)、ビリウスク脳脊髄炎(VE)、ワレンベルグ症候群、ウェルドニッヒ・ホフマン病、ウエスト症候群、むち打ち症、ウィリアムズ症候群、ウィルソン病、及びツェルウェーガー症候群等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0671】
一例示において、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで神経再生、及び/又はニューロン変性の予防、低減若しくは抑制を誘導できることが実証されている神経再生性又は神経変性制御/変調/阻害化合物、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0672】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(神経細胞系列の任意の分化段階の)前駆体神経細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・ニューロンの再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、神経細胞系列の任意の分化段階の前駆体神経細胞、又は成熟ニューロンに有効量投与する工程を含む方法。
・神経細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した神経細胞又は成熟神経細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞又は(神経細胞系列の任意の分化段階の)前駆体神経細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・ニューロンの再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・神経細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0673】
特に、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる医療用途としては、網膜細胞再生の増強/促進、及び/又は網膜細胞変性に関連する異常又は疾患の治療、及び/又は予防、及び/又は低減又は抑制等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0674】
従って、本発明が有用であり得る眼関連疾患又は障害としては、限局性脈絡網膜性炎症、限局性のそのような脈絡網膜炎、脈絡膜炎、網膜炎、及び脈絡網膜炎、播種性脈絡網膜炎、後部毛様体炎、原田病、後極黄斑部瘢痕及び日光網膜症等の脈絡網膜瘢痕、萎縮症及び硬化症等の脈絡膜変性、全脈絡膜萎縮及び脳回転状萎縮症等の遺伝性脈絡膜ジストロフィー、脈絡膜出血、脈絡膜剥離、脈絡網膜炎、網膜剥離、網膜分離症、網膜血管閉塞、高血圧性網膜症、糖尿病性網膜症、網膜症、未熟児網膜症、加齢黄斑変性、黄斑変性、網膜上膜、周辺部網膜変性、遺伝性網膜ジストロフィー、網膜色素変性症、網膜出血、中心性漿液性網膜症、網膜剥離、並びに黄斑浮腫等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0675】
一例示において、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで網膜細胞再生を誘導でき、及び/又は網膜細胞変性を予防、及び/又は低減又は抑制できることが実証されている眼組織再生性又は眼組織変性制御/変調/阻害化合物、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0676】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(網膜細胞系列の任意の分化段階の)前駆体網膜細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・網膜細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、網膜細胞系列の任意の分化段階の前駆体網膜細胞、又は成熟網膜細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・網膜細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した網膜細胞又は成熟網膜細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞又は(網膜細胞系列の任意の分化段階の)前駆体網膜細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・網膜細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・網膜細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0677】
特に、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる医療用途としては、老廃物除去の増強/向上、体液バランスの管理及び電解質バランスの管理等の腎機能の増強/促進、及び/又は腎不全及び/又は慢性腎臓病(CKD)及び/又は腎線維症の予防/治療等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0678】
一例示において、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで腎機能を促進/向上でき、及び/又は腎不全及び/又は慢性腎臓病(CKD)及び/又は腎線維症を予防/治療できることが実証されている腎機能増強化合物、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0679】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(腎細胞系列の任意の分化段階の)前駆体腎細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・腎細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、腎細胞系列の任意の分化段階の前駆体腎細胞、又は成熟腎細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・腎細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した腎細胞又は成熟腎細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞又は(腎細胞系列の任意の分化段階の)前駆体腎細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・腎細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・腎細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0680】
特に、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる医療用途としては、線維組織形成並びに腱及び靱帯再生の増強/促進、及び/又は腱/靱帯細胞変性の予防、及び/又は低減又は抑制等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0681】
一例示において、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで線維組織形成を誘導できることが実証されている線維組織形成促進化合物、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0682】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(T/L細胞系列の任意の分化段階の)前駆体腱/靱帯細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・腱/靱帯細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、T/L細胞系列の任意の分化段階の前駆体腱/靱帯細胞、又は成熟腱/靱帯細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・腱/靱帯細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した腱/靱帯細胞又は成熟腱/靱帯細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞又は(T/L細胞系列の任意の分化段階の)前駆体腱/靱帯細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・腱/靱帯細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・腱/靱帯細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0683】
特に、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる医療用途としては、毛包組織の再生及び形成(発毛)、毛包幹細胞の活性化(静止状態の喪失)、及び/又は円形脱毛症、全頭脱毛症、汎発性脱毛症、男性ホルモン型脱毛症(男性型脱毛症)、休止期性脱毛、成長期脱毛症、又は化学療法誘導性脱毛症の予防/治療等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0684】
一例示において、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで毛包形成及び/又は毛包幹細胞活性化を誘導できることが実証されている毛包成長活性化促進化合物、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0685】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(毛包細胞系列の任意の分化段階の)前駆体毛包細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・毛包細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、毛包細胞系列の任意の分化段階の前駆体毛包細胞、又は成熟毛包細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・毛包細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した毛包細胞又は成熟毛包細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・毛包幹細胞を活性化する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を静止状態の毛包幹細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞又は(毛包細胞系列の任意の分化段階の)前駆体毛包細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・毛包細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・腱/靱帯細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・毛包幹細胞を活性化する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0686】
特に、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる医療用途としては、組織閉鎖の増強等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0687】
一例示において、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで組織閉鎖を誘導できることが実証されている組織閉鎖促進化合物又は生体材料であってもよい。
【0688】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・組織閉鎖を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を切開/開放組織に有効量投与する工程を含む方法。
・組織閉鎖を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0689】
特に、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる医療用途としては、雌性受胎能の増強/促進、及び/又は雌性不妊症の予防、及び/又は低減又は抑制等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0690】
一例示において、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで雌性受胎能を増強/促進でき、及び/又は雌性不妊症を予防、及び/又は低減又は抑制できることが実証されている雌性受胎能増強又は雌性不妊症制御/変調/阻害化合物、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0691】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(生殖器系系列の任意の分化段階の)前駆体卵巣細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・卵巣細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、生殖器系系列の任意の分化段階の前駆体卵巣細胞、又は成熟卵巣細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・卵巣細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した卵巣細胞又は成熟卵巣細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞又は(生殖器系系列の任意の分化段階の)前駆体卵巣細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・卵巣細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・卵巣細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0692】
特に、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、若しくは診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる医療用途としては、筋形成の増強、筋肉組織形成の誘導、筋肉組織の補強、筋細胞成熟の誘導、損傷した筋肉の修復、筋肉組織変性又は損傷の予防、及び/又は筋疾患、筋萎縮症、廃用性萎縮症、脱神経性萎縮症、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)及びベッカー型筋ジストロフィー(BMD)等の筋ジストロフィー、線維症、結合織炎、筋力低下、疲労、筋痙攣、線維筋痛症、及び慢性筋痛症候群等の筋肉組織に関連する疾患、障害、異常、又は病変の1種以上からの被験者の保護等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0693】
従って、一例示において、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで筋肉組織形成を誘導できることが実証されている筋誘導化合物、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0694】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(筋肉細胞系列の任意の分化段階の)前駆体筋芽細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・筋肉組織の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、筋肉細胞系列の任意の分化段階の前駆体筋芽細胞、又は成熟筋芽細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・筋細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した筋芽細胞又は成熟筋芽細胞(筋細胞等)に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞又は(筋肉細胞系列の任意の分化段階の)前駆体筋芽細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・筋肉組織の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・筋芽細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0695】
特に、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる医療用途としては、血液組織再生の増強、血液細胞分化の誘導、又は血液細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0696】
従って、一例示において、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで血液細胞形成を誘導できることが実証されている血液細胞変性阻害剤、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0697】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(骨芽細胞系列の任意の分化段階の)前駆体血液細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・血液細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、血液細胞系列の任意の分化段階の前駆体血液細胞、又は成熟血液細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・血液細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した血液細胞又は成熟血液細胞(成熟赤血球等)に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞又は(血液細胞系列の任意の分化段階の)前駆体血液細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・血液細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・血液細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0698】
特に、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる医療用途としては、肺組織再生の増強、肺細胞分化の誘導、又は肺細胞変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0699】
従って、一例示において、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで肺細胞形成を誘導できることが実証されている肺細胞変性阻害剤、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0700】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(骨芽細胞系列の任意の分化段階の)前駆体肺細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・肺細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、肺細胞系列の任意の分化段階の前駆体肺細胞、又は成熟肺細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・肺細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した肺細胞又は成熟肺細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞又は(肺細胞系列の任意の分化段階の)前駆体肺細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・肺細胞の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・肺細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0701】
特に、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる医療用途としては、脂肪組織再生の増強、脂肪細胞分化の誘導、又は脂肪組織変性に関連する疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0702】
従って、一例示において、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ及び/又はエクスビボ及び/又はインビボで脂肪組織形成を誘導できることが実証されている脂肪組織変性阻害剤、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0703】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(骨芽細胞系列の任意の分化段階の)前駆体脂肪細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・脂肪組織の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、脂肪細胞系列の任意の分化段階の前駆体脂肪細胞、又は成熟脂肪細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・脂肪細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した脂肪細胞又は成熟脂肪細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞又は(脂肪細胞系列の任意の分化段階の)前駆体脂肪細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・脂肪組織の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・脂肪細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用されるいずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0704】
疾患、異常、障害、又は病変からの保護とは、疾患、異常、障害、又は病変の根本的な原因を治療すること、及び疾患、異常、障害、又は病変の症状を軽減すること、及び/又は疾患、異常、障害、又は病変の発生を低減すること、及び/又は疾患、異常、障害、又は病変の重症度を低減することを意味する。患者の保護とは、本発明の治療組成物を患者に投与した場合に、疾患、異常、障害、又は病変が発生することを防止でき、及び/又は疾患、異常、障害、又は病変の症状、兆候、又は原因を治癒又は緩和できることを意味する。そのため、疾患、異常、障害、又は病変からの患者の保護とは、疾患、異常、障害、又は病変の発生を防止すること(予防処置)、及び疾患、異常、障害、又は病変を有する患者、又は疾患、異常、障害、又は病変の初期症状又はそれより後の段階の症状がある患者を治療すること(治療処置)の両方を含む。
【0705】
治療
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「治療する」又は「治療」という用語は、具体的な疾患、障害、病変、及び/又は異常の1つ以上の症状又は特徴について、部分的又は完全に軽減、寛解、改善、緩和、発生遅延、進行阻害、重症度低減、及び/又は発生頻度低下させることを意味する。治療は、疾患、障害、及び/又は異常に関連する病変が発生するリスクを低減させる目的で、疾患、障害、及び/又は異常の兆候を示していない被験者、及び/又は疾患、障害、病変、及び/又は異常の初期兆候のみ示している被験者に適用してもよい。
【0706】
予防
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「予防」という用語は、感染症、疾患、障害、及び/又は異常の発生を部分的又は完全に遅延させること、具体的な感染症、疾患、障害、及び/又は異常の1つ以上の症状、特徴、又は臨床所見の発生を部分的又は完全に遅延させること、具体的な感染症、疾患、障害、及び/又は異常の1つ以上の症状、特徴、又は徴候の発生を部分的又は完全に遅延させること、感染症、具体的な疾患、障害、及び/又は異常の進行を部分的又は完全に遅延させること、及び/又は感染症、疾患、障害、及び/又は異常に関連する病変が発生するリスクを低減させることを意味する。
【0707】
疾患
本明細書中、別段の指示がない限り又は文脈に矛盾しない限り、「疾患」という用語は、患者の正常な健康状態からの逸脱を意味しており、疾患症状が存在している状態、及び逸脱が発生しているが、症状はまだ顕在化していない状態も含む。「異常」、「障害」、及び「病変」も同様である。
【0708】
一態様において、本開示は、インビトロ、エクスビボ、及びインビボで細胞分化を誘導し、又は組織再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御するための本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬組成物の有効性を決定する方法を提供する。該方法は、上記(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬組成物を細胞に投与する工程、上記細胞で本明細書で定義される特異的分化マーカーの発現を測定する工程、上記細胞での上記特異的分化マーカーの発現と、参照(又はコントロール)機能化生理活性担体、化合物、又は溶媒で処理した細胞での上記特異的分化マーカーの発現とを比較する工程、及び上記参照医薬的連合体又は化合物に対する上記(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬組成物の有効性を決定する工程を含む。
【0709】
一態様において、本開示は、間葉系幹細胞又は(その任意の分化段階の)前駆細胞内又は表面に存在する成長因子受容体の活性を活性化、促進、補助、向上、又は上昇させることで、上記細胞の細胞分化を効率化できるようにする方法を提供する。
【0710】
一態様において、本開示は、これらの基準に基づいて被験者を同定、診断、及び必要に応じて分類する方法であって、当該分野で公知の臨床診断、バイオマーカー濃度、及び他の方法を含んでいてもよい方法を提供する。
【0711】
XVII.創傷治癒用途
皮膚科学における本発明の特定の用途は、創傷治癒及び皮膚修復に関する。
【0712】
従って、本発明の化合物、機能化生理活性担体、又は組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる皮膚科学的用途としては、創傷治癒、皮膚修復、及び細胞遊走の増強等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0713】
皮膚修復
本明細書中、別段の指示がない限り、「皮膚修復」という用語は、真皮及び上皮細胞の再生、上皮細胞によるコラーゲン及び他の皮膚タンパク質の合成を意味する。
【0714】
細胞遊走
本明細書中、別段の指示がない限り、「細胞遊走」という用語は、多細胞生物の発生及び維持における中心的な過程を意味する。胚発生、創傷治癒、及び免疫応答中の組織形成には、いずれも、特に特定の位置へ向かう組織化された細胞の運動が必要である。細胞遊走に関与する細胞としては、結合組織を形成する上皮及び真皮細胞系列の細胞、すなわち、繊維芽細胞、線維細胞、筋繊維芽細胞、脂肪細胞、滑膜細胞、マクロファージ、組織球、顆粒球、形質細胞、及びマスト細胞等が挙げられる。
【0715】
一例示において、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医薬的(治療的、皮膚科学的、眼科的、又は診断的等)組成物は、インビトロ、エクスビボ、及び/又はインビボで創傷治癒、皮膚修復、及び/又は細胞遊走を誘導できることが実証されている創傷治癒促進化合物、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0716】
従って、一態様において、本開示は以下のものを提供する。
・間葉系幹細胞、(上皮及び真皮細胞系列の任意の分化段階の)前駆体上皮細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法であって、本発明の少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を上記細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・皮膚組織の再生/形成、及び/又は管腔形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法であって、本発明の少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、上皮及び真皮細胞系列の任意の分化段階の前駆体上皮細胞、又は成熟上皮細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・細胞運動性又は単一/集団上皮細胞遊走を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、本発明の少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を間葉系幹細胞、上皮及び真皮細胞系列の任意の分化段階の前駆体上皮細胞、又は成熟上皮細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・上皮細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法であって、本発明の少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物を分化した上皮細胞又は成熟上皮細胞に有効量投与する工程を含む方法。
・間葉系幹細胞、(上皮及び真皮細胞系列の任意の分化段階の)前駆体上皮細胞の分化を誘導、促進、又は増強する方法において使用される本発明の少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・皮膚組織の再生/形成を誘導、促進、増強、管理、又は制御する方法において使用される本発明の少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・細胞運動性又は単一/集団上皮細胞遊走を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用される本発明の少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
・上皮細胞成熟を誘導、及び/又は促進、及び/又は増強する方法において使用される本発明の少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、少なくとも1種の機能化生理活性担体、又は少なくとも1種の医薬組成物の有効量。
【0717】
XVIII.化粧用途
皮膚の老化は、典型的には、角化細胞増殖の減少、角化細胞分化の調節解除、死細胞の蓄積、及び皮膚の神経支配の減少を特徴とする皮膚細胞代謝の調節解除に関連している。
【0718】
いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又はその組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる非治療的化粧用途としては、皮膚再生の増強/促進、しわの予防、及び/又は減弱化、及び/又はマスキング、及び/又は除去、皮膚の引き締め、皮膚色素沈着の予防、及び/又は低減又は抑制等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0719】
一例示において、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又はその組成物は、インビトロ及び/又はインビボで化粧的な皮膚再生を増強/促進でき、及び/又はしわを予防、及び/又は減弱化、及び/又はマスキング、及び/又は除去でき、皮膚を引き締めることができ、皮膚色素沈着を予防、及び/又は低減又は抑制できることが実証されている抗しわ/抗老化及び/又は皮膚形成及び/又は皮膚再生促進化合物、生理活性担体、又は組成物であってもよい。
【0720】
一態様において、本開示は、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種のGFR結合化合物又は少なくとも1種の機能化生理活性担体を、少なくとも1種の好適な、好ましくは局所投与に好適な化粧担体と組み合わせて含む化粧的又は機能性食品組成物を提供する。
【0721】
好適な化粧担体
本明細書で使用される「好適な化粧担体」という用語は、組成物又はその成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応等を引き起こすことなく、ヒトの皮膚と接触させる使用に好適であることを意味する。
【0722】
一態様において、本開示は、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物又は機能化生理活性担体の化粧品又は機能性食品としての使用を提供する。
【0723】
一態様において、本開示は、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、若しくはその組成物、又は本明細書で定義される化粧的若しくは機能性食品組成物の抗しわ/抗老化剤としての使用を提供する。例えばある実施形態において、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又はその組成物は、皮膚老化を予防又は治療するための活性成分として化粧組成物又は機能性食品組成物において使用される。
【0724】
一態様において、本開示は、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物若しくは機能化生理活性担体、又は本明細書で定義されるその化粧組成物の化粧ケア方法における使用を提供する。上記化粧ケア方法は、上記化合物、生理活性担体、又は組成物を約0.0001□g/日~約5000mg/日、約0.0001□g/日~約1000mg/日、約0.0001□g/日~約10mg/日、約0.0001□g/日~約1mg/日、又は約0.0001□g/日~約100□g/日投与又は適用する工程を含む。いずれの範囲も、本発明の実施形態を実施するのに好ましく、具体的に考慮される。
【0725】
一例示において、上記投与は、いずれも本明細書で定義される上記GFR結合化合物若しくは機能化生理活性担体、又は本明細書で定義されるその化粧的若しくは機能性食品組成物を含む錠剤、カプセル、丸薬、粉末、徐放製剤、溶液、又は懸濁物の経口投与を含む。
【0726】
好ましい一例示において、上記使用は、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物若しくは機能化生理活性担体、又は本明細書で定義されるその化粧組成物の局所投与を含む。
【0727】
化粧ケア処置で使用するのに好適な製剤としては、例えば、米国特許第8,497,241号明細書(参照により本願に組み込まれる)に記載のものが挙げられる。
【0728】
一例示において、本発明の上記化粧的使用は、非治療的化粧的使用である。
【0729】
一態様において、本開示は、いずれも本明細書で定義されるGFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は化粧組成物を局所投与により使用することで、繊維芽細胞の増殖及び/又は活性を刺激する化粧的ケア又は処置方法を提供する。
【0730】
例えばある実施形態において、本発明の上記化粧ケア方法は、皮膚老化、特に、組織のたるみ、組織の張りの喪失、しわ、小じわ、くぼみの外観等の非審美的及び/又は不快な皮膚老化徴候の処置、及び/又はストレッチマーク及び/又は瘢痕の化粧的処置及び/又はケアを含む。
【0731】
一例示において、本発明の化粧ケア方法は、皮膚を皮膚老化から保護するためのものであることが好ましい。
【0732】
局所投与
本明細書中、別段の指示がない限り、「局所投与」という用語は、本発明の組成物を皮膚表面に塗布又は噴霧することを意味する。
【0733】
本発明の化粧組成物は、化粧的に有益な他の活性薬剤、特に、ヒアルロン酸、アスコルビン酸、レチノール、α-ヒドロキシ酸(AHA)、及び/又はウルソール酸等から選択される従来の抗老化組成物用薬剤を含んでいてもよい。
【0734】
一例示において、本発明の化粧組成物は、
・フィブロネクチン合成を刺激する薬剤、特にトウモロコシ抽出物;
・ラミニン合成を刺激する薬剤、特に麦芽抽出物;
・ヒアルロナン合成酵素2(HAS2)の発現及び/又は活性を刺激する薬剤;
・リジルオキシダーゼ類似体(LOXL)の合成を刺激する薬剤;
・細胞内ATPの合成を刺激する薬剤;及び
・FGF2の分解を保護する薬剤
のうち少なくとも1種を含有していてもよい。
【0735】
化粧組成物の形態であってもよい化粧用途のGFR結合化合物又は機能化生理活性担体は、自然な皮膚老化、及び/又は気候及び環境要因、特に風、汚染、紫外線、たばこ煙、及び/又は生理学的要因、特にストレスによって引き起こされる皮膚老化から皮膚を保護するのに特に好適である。
【0736】
一態様において、本開示は、必要とする被験者に対する化粧的ケア又は処置方法を提供する。上記方法は、本明細書で定義される化粧組成物の適用、好ましくは局所適用、又は投与を含む。
【0737】
一例示において、本発明の化粧ケアを必要とする被験者は、平均年齢が30歳を超える、好ましくは40歳を超える、より好ましくは50歳を超える集団から選択された被験者である。
【0738】
XIX.毛髪処置用途
毛髪は、例えばUV照射又は気象等の環境的影響、髪梳き等の物理的ストレス、又は洗髪、熱風による乾燥、脱色、染色、パーマ等の各種毛髪処置などの結果、様々な深刻なストレスに曝されており、それによって毛髪が損傷を受け得る。上記損傷としては、例えば、乾燥、弾力の低下、もろい毛髪、枝毛、くすみ、つやのない外観、ボリューム感の減少、粗い表面、及び物理的強度の低下等が挙げられる。これにより、櫛でときにくくなり、光沢が失われ、静電気が増大し、断裂しやすくなり、脱毛に至る場合もある。毛髪着用者は不安を感じる。脱毛は時間の経過のような加齢によっても生じ、毛髪は自然に少しずつ減少する傾向にある。脱毛の他の原因としては、ホルモン要因、病状、及び薬物療法が挙げられる。脱毛の最も一般的な原因は、男性型脱毛症又は女性型脱毛症と呼ばれる遺伝性疾患である。遺伝的に影響されやすい人々の場合、ある種の性ホルモンが特定の永久脱毛パターンを引き起こす。男性で最も一般的であるこのような薄毛は、早くて思春期から始まり得る。ホルモンの変化及び不均衡も一時的な脱毛の原因となる。これは妊娠、出産、経口避妊薬の中断、又は閉経期の開始によるものである。また、これらに限定はされないが、甲状腺異常、円形脱毛症、及び頭皮感染症等の各種病状によっても脱毛が引き起こされ得る。更に、脱毛は、関節炎、うつ、心臓異常、高血圧等を治療するのに使用される薬剤によっても引き起こされ得る。
【0739】
本発明の(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は組成物による成長因子受容体1及び2の媒介によって考えられる医療又は化粧用途としては、発毛の増強/促進、及び/又は脱毛の予防、及び/又は低減又は抑制等も挙げられる。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、この効果は、成長因子受容体と強く結合しているBMP-6等の天然結合リガンドを置換して、休止状態(又は静止状態)の毛包幹細胞を活性化することにより達成されると考えられる。
【0740】
一例示において、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体は、インビトロ、エクスビボ、及び/又はインビボで発毛を増強/促進でき、及び/又は脱毛を予防、及び/又は低減又は抑制できることが実証されている発毛促進若しくは脱毛制御/変調/阻害化合物又は機能化生理活性担体であってもよい。
【0741】
一態様において、本開示は、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物又は少なくとも1種の機能化生理活性担体を、少なくとも1種の好適な、好ましくは局所投与に好適な毛髪化粧担体と組み合わせて含む毛髪化粧的又は機能性食品組成物を提供する。
【0742】
局所投与は、最終使用者が、例えば、シャンプー又はコンディショナー等として処方された本発明の毛髪化粧組成物を適用し、必要に応じて毛髪頭皮をこすることによって、実行されてもよい。
【0743】
一態様において、本開示は、いずれも本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物又は少なくとも1種の機能化生理活性担体を、少なくとも1種の好適な、好ましくは頭皮注射適用に好適な毛髪医療担体と組み合わせて含む毛髪医療(医薬的、予防的、診断的、造影用等)組成物を提供する。
【0744】
頭皮注射適用は、皮膚科医及び/又は外科医等の熟練した最終使用者が、好ましくはクリーン又は無菌環境の臨床/医療環境において、実施することが好ましい。複数回の皮下注射を必要に応じて頭皮下に実施してもよく、必要に応じて数週間毎に、好ましくは数ヶ月毎に更新してもよい。
【0745】
一態様において、本発明は、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体の毛髪化粧品又は機能性食品としての使用を開示する。一態様において、本発明は、毛髪医療方法で使用するための本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体を開示する。
【0746】
一態様において、本開示は、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は毛髪化粧的若しくは機能性食品組成物の発毛促進剤又は脱毛予防剤としての使用を提供する。例えばある実施形態において、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体は、発毛を促進(増強、制御、調節、向上)し、及び/又は脱毛を予防又は治療し、及び/又は毛髪を装飾するための活性成分として毛髪化粧組成物又は機能性食品組成物において使用される。一態様において、本開示は、発毛促進剤又は脱毛予防剤としてのいずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は毛髪医療組成物を提供する。例えばある実施形態において、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物又は機能化生理活性担体は、発毛を促進(増強、制御、調節、向上)し、及び/又は脱毛を予防又は治療し、及び/又は毛髪を装飾するための活性成分として毛髪医療組成物において使用される。
【0747】
一態様において、本開示は、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は毛髪化粧組成物の毛髪化粧ケア方法における使用を提供する。上記毛髪化粧ケア方法は、上記化合物、生理活性担体、又は組成物を約0.0001~約100□g/日、より具体的には約0.001~約10□g/日、又は約0.0001~約100□g/日投与又は適用する工程を含む。
【0748】
一例示において、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は毛髪化粧組成物は、間葉系幹細胞及び/又は濾胞前駆細胞と組み合わせ/混合してから、哺乳類(好ましくはヒト)に投与、接触、又は埋め込むことで、発毛を促進し、及び/又は脱毛を予防、及び/又は低減又は抑制してもよい。
【0749】
一例示において、上記投与は、いずれも本明細書で定義される上記(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は毛髪化粧組成物を含む錠剤、カプセル、丸薬、粉末、徐放製剤、溶液、又は懸濁物の経口投与を含む。
【0750】
本発明の実施形態を実施するのに好適な毛髪化粧組成物の形態としては、毛髪リンス、毛髪マスク、シャンプー、コンディショナー、毛髪スプレー、毛髪フォーム、毛髪ムース、毛髪ジェル、毛髪トニック、毛髪セット用組成物、エンドフルーイド(end fluid)、パーマウェーブ用中和剤、毛髪着色剤及びブリーチ剤、並びにホットオイルトリートメント等が挙げられる。
【0751】
毛髪処置で使用するのに好適な製剤としては、例えば米国特許出願公開第2011/0312884号明細書(参照により本願に組み込まれる)に記載のものが挙げられる。
【0752】
一例示において、本発明の上記毛髪化粧的使用は、非治療的毛髪化粧的使用である。
【0753】
本発明の毛髪化粧組成物は、毛髪化粧的に有益な他の活性薬剤、特に従来の毛髪処置組成物用薬剤を少なくとも1種を含んでいてもよく、特に以下の薬剤のうち少なくとも1種を含んでいてもよい。
・アニオン性界面活性剤:石鹸、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、グリセロールエーテルスルホン酸塩、メチルエステルスルホン酸塩、スルホ脂肪酸、アルキル硫酸塩、脂肪族アルコールエーテル硫酸塩、グリセロールエーテル硫酸塩、脂肪酸エーテル硫酸塩、ヒドロキシ混合エーテル硫酸塩、モノグリセリド(エーテル)硫酸塩、脂肪酸アミド(エーテル)硫酸塩、モノ及びジアルキルスルホコハク酸塩、モノ及びジアルキルスルホスクシンアミド酸塩、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸及びその塩、脂肪族イセチオン酸塩、脂肪族サルコシン酸塩、脂肪族タウリド、N-アシルアミノ酸(アシル乳酸塩、アシル酒石酸塩、アシルグルタミン酸塩、及びアシルアスパラギン酸塩等)、並びにアルキルオリゴグルコシド硫酸塩等。好適な石鹸としては、ステアリン酸カリウム等、脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩等が挙げられる。好適なオレフィンスルホン酸塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩、又はグルコアンモニウム塩として存在していてもよい。オレフィンスルホン酸塩は、ナトリウム塩として存在することが好ましい。加水分解α-オレフィンスルホン化物、すなわちα-オレフィンスルホン酸塩は、アルカンスルホン酸塩60重量%程度とヒドロキシアルカンスルホン酸塩40重量%程度とで構成されるが、そのうち、約80~85重量%がモノスルホン酸塩であり、15~20重量%がジスルホン酸塩である。好ましいメチルエステルスルホン酸塩(MES)は、植物性又は動物性油脂の脂肪酸メチルエステルをスルホン化して得られる。好ましいものとしては、ナタネ油、ヒマワリ油、大豆油、パーム油、ココナッツ脂等の植物性油脂から得られるメチルエステルスルホン酸塩が挙げられる。好ましいサルコシン酸塩としては、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム及びステアロイルサルコシン酸ナトリウムが挙げられる。好ましいタンパク質脂肪酸縮合物としては、コムギ由来の植物産物が挙げられる。好ましいアルキルリン酸エステルとしては、モノ及びジリン酸アルキルエステルが挙げられる。
・好ましくは炭素数8~30、特に好ましくは炭素数10~22、特に炭素数12~20の脂肪族アルコール:脂肪族アルコールの炭化水素基は、原則として、直鎖状又は分岐状であっても、飽和又は不飽和であってもよい。脂肪族アルコールの典型例としては、カプロン酸アルコール、カプリル酸アルコール、2-エチルヘキシルアルコール、カプリン酸アルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。脂肪族アルコールの好ましい混合物としては、油脂由来のテクニカルグレードのメチルエステルを高圧で水素化する際、又はオキソ合成でアルデヒドを水素化する際、又は不飽和脂肪族アルコールを二量化する際などに得られるテクニカルグレードのアルコール混合物に基づくものが挙げられる。
・リン脂質、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物:リン脂質としては、フォスファチジルセリン、スフィンゴミエリン、及びプラスマロゲン等のリン含有両親媒性脂質が挙げられる。また、ホスホリパーゼ等の作用によって脂肪酸基がリン脂質分子から分離してOH基が供給されたいわゆるリゾリン脂質も好適である。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数1~6の低分子量アルコール又は炭素数7~30の脂肪族アルコールに由来するラウリルアルコールポリオキシエチレン酢酸エステル等の脂肪族アルコールポリオキシアルキレンエステル及びアルキルポリオキシアルキレンエーテル等が挙げられる。なお、エーテル成分は、エチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位、1,2-ブチレンオキシド単位、1,4-ブチレンオキシド単位、並びにそのランダム共重合体及びブロック共重合体に由来するものであってもよい。具体的には、イソトリデシルアルコール及びオレイルアルコールポリオキシエチレンエーテル等の脂肪族アルコールアルコキシレート及びオキソアルコールアルコキシレート、オクチルフェノールポリオキシエチレンエーテル等のアルキルアリールアルコールポリオキシエチレンエーテル、エトキシ化コーン油、エトキシ化ヒマシ油、エトキシ化獣脂等のアルコキシ化動物性及び/又は植物性油脂、モノステアリン酸グリセロール等のグリセロールエステル、エトキシ化イソオクチル、オクチル、又はノニルフェノール、トリブチルフェノールポリオキシエチレンエーテル等のアルキルフェノールアルコキシレート、脂肪族アミンアルコキシレート、脂肪酸アミド及び脂肪酸ジエタノールアミドアルコキシレート、特にそのエトキシ化物、糖類界面活性剤、ソルビタン脂肪酸エステル(モノオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のソルビトールエステル、アルキルポリグリコシド、N-アルキルグルコンアミド、アルキルメチルスルホキシド、テトラデシルジメチルホスフィンオキシド等のアルキルジメチルホスフィンオキシド等が挙げられる。好適な両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシナート、アルキルカルボキシグリシナート、アンホ酢酸又はプロピオン酸アルキル、アンホ二酢酸又はジプロピオン酸アルキル等が挙げられる。例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカンホプロピオン酸ナトリウム、又はテトラデシルジメチルアミンオキシドを使用することもできる。カチオン性界面活性剤としては、例えば、4級アンモニウム化合物、特にアルキルトリメチルアンモニウム及びジアルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物及び硫酸アルキル、並びにピリジン及びイミダゾリン誘導体、特にアルキルピリジニウムハロゲン化物等が挙げられる。例えば、塩化ベヘニル又はセチルトリメチルアンモニウムも好適に使用できる。
・ふけ予防活性成分:好適なふけ予防活性成分としては、ピロクトンオラミン(1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-(1H)-ピリジノンモノエタノールアミン塩)、crinipan AD(climbazole)、ケトコナゾール、elubiol、二硫化セレン、硫黄コロイド、モノオレイン酸ポリエチレングリコールソルビタン硫黄、ポリエトキシ化リシノール硫黄、硫黄タール留出物、サリチル酸(又はヘキサクロロフェンとの組み合わせ)、ウンデシレン酸モノエタノールアミドスルホコハク酸Na塩、lamepon UD(タンパク質-ウンデシレン酸縮合物)、ジンクピリチオン、アルミニウムピリチオン、及びマグネシウムピリチオン/ジピリチオン硫酸マグネシウム等が挙げられる。
・タンパク質及びタンパク質誘導体、化粧活性ポリマー、毛髪色素沈着剤、漂白剤、ケラチン硬化物質、抗菌活性成分、光フィルター活性成分、忌避活性成分、充血性物質、消炎剤、角質化物質、抗酸化活性成分及び/又はフリーラジカル活性成分、皮脂抑制活性成分、植物抽出物、抗紅斑性又は抗アレルギー性活性成分、及びこれらの混合物。
・油体、脂質、ワックス、真珠光沢性ワックス、噴霧剤、稠度調整剤、増粘剤、過脂肪剤、安定化剤、ポリマー、シリコーン化合物、UV安定化剤、酸化防止剤、造膜剤、膨潤剤、ハイドロトロープ、可溶化剤、保存料、香油、染料等、及びこれらの混合物等の化粧的に許容される助剤。
【0754】
一態様において、本発明は、必要とする被験者に対する毛髪化粧的ケア又は処置方法を開示する。上記方法は、本発明に係る毛髪化粧組成物を適用、好ましくは局所若しくは頭皮注射適用、又は投与する工程を含む。
【0755】
一態様において、本発明は、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は毛髪化粧組成物を用いて毛包幹細胞を刺激/活性化する毛髪化粧的ケア又は処置方法を開示する。
【0756】
一例示において、本発明の毛髪化粧ケアを必要とする被験者は、平均年齢が30歳を超える、好ましくは40歳を超える、より好ましくは50歳を超える集団から選択された被験者である。
【0757】
XX.診断方法
一態様において、本開示は、間葉系幹細胞又は(任意の分化段階の)前駆細胞を分化させる必要があり得る疾患又は異常の診断方法において使用するための本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は医療若しくは化粧組成物を提供する。
【0758】
一態様において、本開示は、間葉系幹細胞又は(任意の分化段階の)前駆細胞を分化させる必要があり得る疾患又は異常を診断するための診断方法であって、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、又は医薬的連合体、組み合わせ、若しくは組成物を調製する工程、及び上記GFR結合化合物、又は医薬的連合体、組み合わせ、若しくは組成物を、診断する被験者の身体部位に接触させる又は投与する工程を含む方法を提供する。
【0759】
患者において間葉系幹細胞又は(任意の分化段階の)前駆細胞を分化させる必要があり得る疾患又は異常を診断するための方法は、患者から生物学的サンプルを得る工程、及び蛍光及び/又は放射標識(修飾)GFR結合化合物を適用する工程を含み、上記化合物が高局在化した場合、患者において間葉系幹細胞又は(任意の分化段階の)前駆細胞を分化させる必要があり得る疾患又は異常が示される。
【0760】
XXI.スクリーニング方法
一態様において、本開示は、組織再生及び細胞分化を誘導できるペプチド又はペプチド模倣体を選択するためのスクリーニング方法を提供する。
【0761】
一態様において、本開示は、組織再生及び細胞分化を誘導できるペプチド又はペプチド模倣体を選択するためのスクリーニング方法であって、(a)PEPREFの下記3D構造座標の分子モデルを作成する工程、及び(b)RMSDが2.45Å以下である類似体候補を同定する工程を有する方法を提供する。具体的な一例示において、工程(b)は、本明細書で既に定義したRMSD算出方法を用いて実施する。
【0762】
ある実施形態において、上記方法は、コンピュータを用いて(すなわちインシリコで)実施できる。いくつかの実施形態において、上記方法は、複数のペプチド又はペプチド模倣体の3次元モデル(すなわち、ペプチド又はペプチド模倣体のライブラリ又はデータベース)を作成する工程、及び各化合物を個々にスクリーニングする工程を含んでいてもよい。従って、一態様において、ペプチド又はペプチド模倣体をスクリーニングする方法は、通常、選択したペプチド又はペプチド模倣体の電位をコンピュータで評価して、PEPREFの3次元構造のコンピュータモデルと構造的にマッチさせる工程を含む。例えば、この方法は、(a)コンピュータによるアプローチを採用して、選択したペプチド又はペプチド模倣体とPEPREFの3次元構造とのフィッティング操作を実施する工程;及び(b)フィッティング操作の結果を分析して、本明細書で定義されるRMSD手順を用いて、ペプチド又はペプチド模倣体とPEPREFとの3次元構造類似性を定量化する工程を含んでいてもよい。
【0763】
一態様において、本開示は、組織再生及び細胞分化を誘導できるペプチド又はペプチド模倣体を製造する方法であって、(a)PEPREFの下記3D構造座標の分子モデルを作成する工程、(b)本明細書で定義されるRMSDが2.45Å以下(特に2、より具体的には1.79)である類似体候補を同定する工程、及び(c)工程(b)で同定した類似体候補を製造する工程を有する方法を提供する。具体的な一例示において、上記方法は、工程(c)で製造した化合物が、細胞分化及び組織再生活性を有するかどうか決定する工程を更に有する。具体的な一例示において、工程(a)及び(b)は、電子プロセッサを用いて実施される。ある実施形態において、工程(a)は、PEPREFの原子座標の表示をコンピュータメモリに保存する工程を有する。
【0764】
一態様において、本開示は、組織再生及び細胞分化を誘導できるペプチド又はペプチド模倣体を製造する方法であって、(a)X線結晶構造解析によるPEPREFの原子座標をコンピュータメモリに作成する工程、(b)プロセッサを用いてPEPREFの3次元形状を有する分子モデルを生成する工程、(c)RMSDが2.45Å以下(特に2、より具体的には1.79)である類似体候補を同定する工程、(d)工程(c)で同定した類似体候補を製造する工程、及び(e)工程(d)で製造した類似体候補が組織再生及び細胞分化を誘導するかどうか決定する工程を有する方法を提供する。具体的な一例示において、上記方法は、市販するのに有用な量のペプチド又はペプチド模倣体を製造する追加工程を有する。
【0765】
一態様において、本開示は、(a)X線結晶構造解析によるPEPREFの原子座標を有するメモリ、及び(b)上記メモリと電気的に接続されているプロセッサを有するコンピュータシステムであって、上記プロセッサは、PEPREFを代表する3次元形状を有する分子モデルを生成する、コンピュータシステムを提供する。具体的な一例示において、上記座標は、コンピュータで読み取れるディスケットに保存される。
【0766】
XXII.キット
本開示は、本発明の方法及び使用を簡便及び/又は効果的に実施するための様々なキットを提供する。典型的には、キットは、使用者が被験者の複数の処置を実施できるように、及び/又は複数の実験を実施できるように充分な量及び/又は数の構成要素を含んでいる。
【0767】
一態様において、本開示は、医薬的、皮膚科学的、予防的、診断的、造影用、又は化粧的機能性連合体、組み合わせ、又は組成物を製造するためのキットであって、それぞれが医薬的、皮膚科学的、予防的、診断的、造影的、又は化粧的連合体を形成して、インビトロ、エクスビボ、又はインビボで間葉系幹細胞、(その任意の分化段階の)前駆細胞、又は該細胞を有する被験者に投与した場合に細胞分化を誘導し、組織再生を促進し、又は本明細書で定義される疾患、障害、又は異常から被験者を保護するのに有効な量で供給される本明細書で定義される少なくとも1種の(修飾)GFR結合化合物、本明細書で定義される少なくとも1種の生理活性担体(生体材料又は医療機器等)及び必要に応じて医薬的、皮膚科学的、予防的、診断的、造影的、又は化粧的に許容される賦形剤、担体、増量剤、又は溶媒と、パッケージと、指示書とを含むキットを提供する。
【0768】
本発明のキットで使用するのに好適な溶媒としては、生理学的に許容される溶媒、PBS、Milli-Q(登録商標)水等の濾過脱イオン水、アルファMEM、DMEM、及び/又はIMDM等が挙げられる。本発明の実施形態を実施するのに好適な生理学的に許容される溶媒は、いずれも使用前に脱酸素することが好ましい。
【0769】
一例示において、上記キットは、投与装置を更に含む。一例示において、上記投与装置は、注射器等の分注装置である。
【0770】
一例示において、上記キットは、本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物を含む第一の容器と、生体材料又は医療機器等の生理活性担体を含む第二の容器と、幹細胞、好ましくはMSCを含む第三の容器とを含む。
【0771】
好適な一例示において、本発明のキットは、(i)本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物を好ましくは凍結乾燥した状態で含む第一の好ましくは好適な無菌個別容器、(ii)生理学的に許容される無菌液(溶媒等)を含む第二の好ましくは好適な無菌個別容器、(iii)整形外科又は歯科インプラント等の従来の生体材料/医療機器を含む第三の好ましくは好適な無菌個別容器、及び必要に応じて(iv)好適な幹細胞、特に成体幹細胞又は間葉系幹細胞を含む第四の好ましくは好適な無菌個別容器を含む。実際には、上記キットは最終使用者(外科医等)に提供してもよい。上記最終使用者は、まず、第二容器の中身を第一容器に注ぎ、必要に応じて一種の撹拌を行って本発明の(修飾)GFR結合化合物を生理学的に許容される無菌液体に可溶化又は懸濁させた後、得られた溶液又は懸濁液を、従来の生体材料/医療機器(必要に応じて事前に活性化してもよい)を含む第三容器に注ぎ(又は浸漬し)、必要に応じて、得られた機能化生体材料/医療機器を、幹細胞を含む第四容器の中身と接触させた後、患者の体上又は体内、好ましくは欠陥部位に配置してもよい。
【0772】
あるいは、本発明のキットは、既に機能化された生体材料/医療機器(本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物で機能化した生体材料/医療機器等)を、必要に応じて生理学的に許容される液体中に含む第一の好ましくは好適な無菌個別容器と、好適な幹細胞、特に成体幹細胞又は間葉系幹細胞を含む第二の好ましくは好適な無菌個別容器とを含んでいてもよい。実際には、外科医等の最終使用者は、第二容器の中身を第一容器に注ぐ(及び必要に応じて一種の撹拌を行う)ことによって、被覆した生体材料に幹細胞を適用してから、患者の体上又は体内、好ましくは欠陥部位に配置してもよい。
【0773】
具体的な一例示において、本発明の上記キットは、無菌パッケージとして提供することも好適である。
【0774】
例えばある実施形態において、本発明の上記キットは、2種より多い、あるいは2~25種、2~15種、又は2~10種の本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、及び2種より多い、あるいは2~25種、2~15種、又は2~10種の本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物を含む。
【0775】
一例示において、各(修飾)GFR結合化合物及び各従来若しくは機能化生理活性担体は、凍結乾燥状態で、又は医薬的、皮膚科学的、予防的、診断的、造影的、又は化粧的に許容される賦形剤、担体、又は増量剤の溶液又は懸濁液として、分離された異なる区画に調製される。
【0776】
一態様において、本発明は、本明細書で定義される使用及び方法のための、いずれも本明細書で定義される生理活性担体及び(修飾)GFR結合化合物を含むパーツキット(kit-of-parts)を開示する。
【0777】
XXIII.配列表
配列表フリーテキスト:Xaaは、規定されるようにセリン(Ser、S)又はシステイン(Cys、C)であってもよい。本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物の例は、本願に不可欠な部分を構成する添付の配列表に列挙されている。
【0778】
いずれも本開示で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、及び組成物によって、細胞分化誘導及び組織再生の点で複数の異なる利点が得られることが分かった。
【0779】
本願の実施例で裏付けられるように、いずれも本明細書で定義される(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又はその組成物は、それを含まない(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は組成物に対する利点を示す。その例としては、以下のものが挙げられる。
・哺乳類、好ましくはヒトの組織再生が、増強された及び/又はより実用的な及び/又はより効率的な及び/又はより経済的な及び/又は最終使用者のニーズにより適合したものとなること。
・骨、及び/又は軟骨、及び/又は血管、及び/又は筋肉、及び/又はニューロン、及び/又は血液、及び/又は網膜、及び/又は器官(腎臓又は肺等)、及び/又は靱帯/腱、及び/又は毛包、及び/又は皮膚、及び/又は脂肪の組織再生を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は活性化すること。
・胚のパターン化を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は活性化すること。
・細胞遊走及び創傷治癒を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は活性化すること。
・任意の生体組織種の閉鎖を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は活性化すること。
・雌性受胎能を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は活性化すること。
・哺乳類、好ましくはヒトにおける組織変性を予防、及び/又は抑制又は回避又は低減すること。
・骨、及び/又は軟骨、及び/又は血管、及び/又は筋肉、及び/又はニューロン、及び/又は血液、及び/又は網膜、及び/又は器官(腎臓又は肺等)、及び/又は靱帯/腱、及び/又は毛包、及び/又は皮膚、及び/又は脂肪の組織変性を予防、及び/又は抑制又は回避又は低減すること。
・胚パターン化異常を予防、及び/又は抑制又は回避又は低減すること。
・細胞固定化、並びに創傷の形成及び/又は悪化を予防、及び/又は抑制又は回避又は低減すること。
・任意の生体組織種の閉鎖不全(misclosure)を予防、及び/又は抑制又は回避又は低減すること。
・雌性不妊症を予防、及び/又は抑制又は回避又は低減すること。
・脱毛を予防、及び/又は抑制又は回避又は低減すること。
・円形脱毛症、全頭脱毛症、汎発性脱毛症、男性ホルモン型脱毛症(男性型脱毛症)、休止期性脱毛、成長期脱毛症、又は化学療法誘導性脱毛症を予防/治療すること。
・医療機器の製造に有用であり得る生体材料の骨形成能、及び/又は軟骨形成能、及び/又は筋形成能、及び/又は内皮化・血管新生能、及び/又は発毛能、及び/又は創傷治癒能、及び/又は皮膚修復能、及び/又は組織欠損閉鎖能、及び/又は肺組織再生能、及び/又は腎組織再生能、及び/又は神経再生能、及び/又は靱帯/腱組織再生能、及び/又は雌性受胎能を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は活性化すること。
・化粧品の抗老化/抗しわ効果/特性を改変、及び/又は増強、及び/又は活性化すること。
・医薬品又は化粧品の発毛効果/特性を改変、及び/又は増強、及び/又は活性化すること。
・特定の細胞系列における幹細胞、好ましくは成体幹細胞、より好ましくは間葉系幹細胞のコミットメント及び/又は分化を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は誘導、及び/又は活性化すること。
・前駆細胞の分化及び/又は成熟を改変、及び/又は増強、及び/又は変調、及び/又は促進、及び/又は誘導、及び/又は活性化すること。
・機能的分化細胞を取得/産生すること。
・改変及び/又は改善した機能性及び/又は生理学的活性を有する分化細胞を取得/産生すること。
・骨吸収活性を(大きく)低減させつつ、骨芽細胞量を増大させること。
・骨の石灰化速度、率、及び面を増大させること。
・骨形成から骨吸収を切り離すことができること。
・骨粗鬆症患者において骨を効率的に強化できること。
・器官、特に肝臓の毒性が、低減された又は低い又は実質的に存在しないものになること。
【0780】
例えば、ある実施形態において、PEP1がSAIS、NAIS、SATS、及びSPISからなる群より選択されるペプチドであり、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な骨誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0781】
例えば、ある実施形態において、PEP1がSAIS、NAIS、SPIS、EPLP、及びEPLTからなる群より選択されるペプチドであり、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な軟骨誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0782】
例えば、ある実施形態において、PEP1がSNIT、RPVQ、及びRSVKからなる群より選択されるペプチドであり、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な血管組織誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0783】
例えば、ある実施形態において、PEP1が、NAIS、SPIS、及びEPISからなる群より選択され、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な神経細胞誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0784】
例えば、ある実施形態において、PEP1がSPINであり、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な網膜細胞誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0785】
例えば、ある実施形態において、PEP1がSPINであり、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な腎細胞誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0786】
例えば、ある実施形態において、PEP1がNAIS、SPIS、EPLP、及びEPLTからなる群より選択されるペプチドであり、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な腱細胞及び/又は線維細胞誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0787】
例えば、ある実施形態において、PEP1がSNIT、RPVQ、及びRSVKからなる群より選択され、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な創傷治癒誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0788】
例えば、ある実施形態において、PEP1がEPLP、EPLT、RSVK、及びRPVQからなる群より選択されるペプチドであり、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な皮膚細胞誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0789】
例えば、ある実施形態において、PEP1がSSLSであり、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な毛包細胞誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0790】
例えば、ある実施形態において、PEP1がNAISであり、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な卵巣細胞誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0791】
例えば、ある実施形態において、PEP1がNAIS、SATS、SPIS、EPIS、及びSPINからなる群より選択され、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な肺細胞誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0792】
例えば、ある実施形態において、PEP1がRSVK又はRPVQであり、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な筋肉細胞誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0793】
例えば、ある実施形態において、PEP1がSNITであり、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な血液細胞誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0794】
例えば、ある実施形態において、PEP1がSAIS又はNAISであり、RMSDが2.45Å以下である本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体又は組成物によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な脂肪細胞誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0795】
例えば、ある実施形態において、各PEP1がSAIS、SSLS、NAIS、SATS、SPIS、EPIS、SPIN、KPLS、EPLP、EPLT、SNIT、RSVK、及びRPVQからなる群より選択できるペプチドであり、RMSDが2.45Å以下である、構造的に別の/異なる本開示に係る(修飾)GFR結合化合物、機能化生理活性担体、又は組成物を複数含む微環境によれば、予想外に迅速で質的且つ量的に顕著な組織閉鎖誘導が起こり、高度に機能化した分化細胞が得られることが分かった。
【0796】
従って、整形外科又は歯科インプラント、基質注射、又は投与可能な組成物等を用いて、組織(骨、軟骨、血管、内皮、血液、ニューロン、網膜、腎臓、肺、脂肪、靱帯、腱、毛包、皮膚、卵巣等)再生を効率的且つ迅速に達成でき、それにより、当該治療に関連するコストを削減でき、組織治癒及び患者回復を向上及び加速できる。
【0797】
また、本開示の化合物、生理活性担体、及び組成物を使用すれば、本開示の化合物、生理活性担体、及び組成物の最終化学構造を準完全に又は完全に制御でき、それによって、望ましくない(例えば翻訳後)修飾、予期されない短半減期、及び早期代謝を回避できることが分かった。
【0798】
注目すべき点として、本開示の化合物、生理活性担体、及び組成物を使用すれば、投与量を削減(ほとんどの場合は顕著に削減)することで、公知の技術と比較して患者に有益な治療を提供でき、それによって、免疫応答のリスクを低減又は排除し、薬剤/治療毒性を低減又は排除することができることも分かった。
【0799】
公知の治療における1つ以上の、好ましくは複数の欠点を完全に又は少なくとも部分的に取り除いた組織再生環境/系を提供するという技術的課題を解決することも、本発明の一態様である。
【0800】
文脈に矛盾しない限り、本明細書の各部分で上述した特徴の任意の組み合わせは、いずれも本発明の範囲内に含まれると出願人は具体的に意図している。そのような組み合わせの例は、本明細書を通じて詳述している。
【0801】
以下に提示する実施例を考慮すれば、熟練した読者には更なる実施形態及び利点が明らかになるであろう。
【実施例】
【0802】
開示及び記載について、本明細書に開示されたプロセス工程及び材料はいくらか変更できるため、本発明は具体的な例示、プロセス工程、及び材料に限定されないことを理解されたい。また、本発明の範囲は添付した特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されるものであるため、本明細書で使用した用語は、具体的な実施形態を説明する目的でのみ使用しており、限定を意図したものではないことを理解されたい。
【0803】
以下の実施例は、本発明者が本発明の態様を実施するのに使用した技術を代表するものである。当然のことながら、これらの技術は本発明を実施するのに好ましい実施形態の例示であるが、本開示を参照した当業者であれば、本発明の趣旨及び意図した範囲を逸脱することなく多くの改変が可能であることを認識できるであろう。
【0804】
以下の出発材料及び試薬を使用した。
・アパタイトセラミック(本発明のアパタイト又はセラミックともいう):Mater Res.2004;7(4):625-630に記載の通り合成した。
・チタン:Goodfellow(登録商標)製
・ヒドロゲル(アクリルアミド・アクリル酸共重合体ゲル):Langmuir 2011;27(22):13635-42に記載の通り合成した。
・PEEK:Goodfellow(登録商標)製
・PET(ポリ(エチレンテレフタレート)):Goodfellow(登録商標)製
・I型コラーゲンスポンジ:Sigma(登録商標)製
・ヘキサン:Sigma(登録商標)製
・3-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナート(SMP):Sigma(登録商標)製
・DMF:Sigma(登録商標)製
・PBS 1X:Gibco(登録商標)製
・3-(エトキシジメチルシリル)プロピルアミン:Sigma(登録商標)製
・過硫酸アンモニウム:Biorad(登録商標)製
・N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン:Aldrich(登録商標)製
・アクリルアミド:Merck(登録商標)製
・アクリル酸:Merck(登録商標)製
・N,N-メチレン-ビス-アクリルアミド:Merck(登録商標)製
・NaOH:Aldrich(登録商標)製
・N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン:Aldrich(登録商標)製
・ジメチルアミノプロピル-3-エチルカルボジイミドハイドロクロライド:Aldrich(登録商標)製
・N-ヒドロキシスクシンイミド:Aldrich(登録商標)製
・2-(N-モルホリノ)-エタンスルホン酸:Aldrich(登録商標)製
・MilliQ水:比抵抗の点で特徴的な水(典型的には25℃で18.2MΩ・cm)
・低グルコースダルベッコ変法イーグル培地(DMEM):Invitrogen(登録商標)製
・アスコルビン酸非含有イーグル最小必須培地(αMEM):Invitrogen(登録商標)製
・全ての細胞培養実験において、最初の8時間は培地に血清を添加しないで培養した。
・骨芽前駆細胞又は前駆体骨芽細胞:ATCC(登録商標)製のMC3T3-E1細胞を、10%ウシ胎児血清(FCS)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したα-MEM培地で培養した。いずれの細胞も低継代数(7継代)で使用し、サブコンフルエントに培養し、細胞数104個/cm2で播種して実験を行った。
・ヒト骨髄間葉系幹細胞(hMSC):Lonza(登録商標)製。これらの細胞を、10%(v/v)FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したα-MEMで培養し、5%(v/v)CO2を含む37℃の湿潤雰囲気下でインキュベートした。いずれの細胞も低継代数(2~4継代)で使用し、サブコンフルエントに培養し、細胞数104個/cm2で播種して実験を行った。
・ヒト脂肪間葉系幹細胞(haMSC):Lonza(登録商標)製。これらの細胞を、10%(v/v)FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したα-MEMで培養し、5%(v/v)CO2を含む37℃の湿潤雰囲気下でインキュベートした。いずれの細胞も低継代数(3~4継代)で使用し、サブコンフルエントに培養し、細胞数104個/cm2で播種して実験を行った。
・マウス毛包幹細胞:Methods Mol Biol.2010;585:401-20に記載の通り単離、培養した。
・神経細胞:ATCC(登録商標)製の神経シュワン細胞。これらの細胞を、10%(v/v)FBS及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したダルベッコ変法イーグル培地で培養し、5%(v/v)CO2を含む37℃の湿潤雰囲気下でインキュベートした。いずれの細胞も低継代数(6~8継代)で使用し、サブコンフルエントに培養し、細胞数104個/cm2で播種して実験を行った。
・ヒト臍静脈内皮細胞(HUVEC):PromoCell(登録商標)から購入。HUVECは、20%(v/v)ウシ胎児血清(FBS)(PAA、フランス)及び0.4%(v/v)EC増殖添加剤/ヘパリンキット(PromoCell、フランス)を添加したHUVEC完全培地(IMDM)(Invitrogen、フランス)を用いてゼラチン被覆培養フラスコで単離、増殖した。細胞は、トリプシン/EDTA(Invitrogen、フランス)を用いて継代培養し、5%CO2を含む37℃の湿潤雰囲気下に維持した。これらの細胞を継代数3~5で使用して実験を行った。HUVECは、細胞数50000個/cm2の密度で各表面に播種した。
・ヒト乳腺上皮細胞(HMEC):Lonza(登録商標)製。これらの細胞をCloneticsTM MEGTM乳腺上皮細胞増殖培地で培養した。
・造血幹細胞(骨髄CD-34+細胞、Lonza):これらの細胞をHPGMTM造血増殖培地で無血清培養した。
・CMFDA:Invitrogen(登録商標)製Cell Tracker Green
・DAPI:Sigma(登録商標)製
・ウシ胎児血清(FBS):Gibco(登録商標)製
・ペニシリン/ストレプトマイシン:Invitrogen(登録商標)製
・AlamarBlue(登録商標)アッセイ:Molecular Probes(登録商標)製
・Runx2抗体:Abcam(登録商標)製
・Osterix抗体:Santa Cruz Biotechnology(登録商標)製
・オステオポンチン抗体:Abcam(登録商標)製
・Stro-1抗体:Abcam(登録商標)製
・Sox2抗体:Santa Cruz Biotechnology(登録商標)製
・Sox9抗体:Santa Cruz Biotechnology(登録商標)製
・BMP-6抗体:Abcam(登録商標)製
・CD31(PECAM-1)抗体:Invitrogen(登録商標)製
・GAP43用プライマー:Invitrogen(登録商標)製の5’-AAGCTACCACTGATAACTCGCC-3’(Forward)及び5’-CTTCTTTACCCTCATCCTGTCG-3’(Reverse)
・Aggrecan用プライマー:Invitrogen(登録商標)製の5’-CACTGTTACCGCCACTTCCC-3’(Forward)及び5’-ACCAGCGGAAGTCCCCTTCG-3’(Reverse)
・COMP用プライマー:Invitrogen(登録商標)製の5’-GCTCTGTGGCATACAGGAGA-3’(Forward)及び5’-CATAGAATCGCACCCTGATG-3’
・Runx2用プライマー:Invitrogen(登録商標)製の5’-GACGTGCCCAGGCGTATTTC-3’(Forward)及び5’-AAGTCTGGGGTCCGTCAAGG-3’(Reverse)
・HPRT用プライマー:Invitrogen(登録商標)製の5’-GCAGTACAGCCCCAAAATGG-3’(Forward)及び5’-ACAAAGTCCGGCCTGTATCCAA-3’(Reverse)
・いずれのペプチドも、従来の溶液及び/又は固体相ペプチド合成法を用いて合成した。
・いずれの実験も、本発明の化合物の濃度を400ng/mLとして実施した。細胞培養時間が24時間を超えたら、24時間毎に本発明の化合物の400ng/mL溶液を更に添加した。
・以下に例示する全てのペプチド配列において、X1(又はXaa)はセリン(Ser、S)である。
【0805】
以下の一般的な方法を採用した。
【0806】
・X線光電子分光法
X線光電子分光法では、AVG Scientific社製のESCALAB光電子分光装置を用いて、100Wの非単色化MgK1253.6eV源で表面解析を実施した。試料表面の解析X線スポットの面積は約200μm2であった。入射角は、解析深さ約5nmに相当する45°とした。フラッドガンを用いて電荷補償した。パスエネルギーを20eV一定として高解像度スペクトルを得た。
【0807】
・光学形状測定プロービング
表面形状測定システムは、広範囲の表面高さを測定する非接触式光学形状測定器である。垂直走査型干渉モードによって、数マイクロメートルまでの粗面及び段差を測定できる。このモードを用いて、細胞によって産生された細胞外基質の厚さを測定した。まず、24時間培養後に細胞をパラホルムアルデヒドPBS(4%)溶液を用いて4℃で30分間固定し、エタノールの濃度を上昇させながら(30、70、80、90、95、及び100%)試料を脱水し、臨界点乾燥させた。どの程度細胞外基質が新たに合成されたかを評価するため、スパチュラで材料表面を引っ掻いた。その後、試料を金又はチタンで10秒間金属被覆してから分析した。この手順は、細胞の形状及び寸法には影響を与えなかった。
【0808】
・免疫染色
まず、細胞を4%パラホルムアルデヒド/PBSを用いて4℃で20分間固定した。固定後、細胞を1%Triton X-100含有PBS中で15分間透過処理した。1%(v/v)特異的モノクローナル抗体を用いて細胞を37℃で1時間処理して、Runx2、Osterix、Stro-1、ビンキュリン、ファロイジン、オステオポンチン、Sox2、及びSox9抗体を可視化した。その後、Alexa fluor(登録商標)568又は647(IgG(H+L)のF(ab’)2断片)を用いて試料を室温で30分間インキュベートした。20ng/mL DAPIを用いて細胞核を室温で10分間、対比染色した。
【0809】
・正接触数及び面積の定量
この定量には、画像解析フリーウェアであるImageJ(登録商標)ソフトウェアを使用した。まず、raw画像を8-bitファイルに変換した後、アンシャープマスク機能(settings 1:0.2)を用いて画像背景を除去した(rolling ball radius=10)。スムージング後、元の顕微鏡写真と同様に見えるが背景が最小限となっている処理画像を、閾値を設定することで二値画像に変換した。閾値は、設定を選択して経験的に決定し、これにより、ランダムに選択した顕微鏡写真のサブセットに対して最も正確な二値画像を得た。細胞面積は、raw蛍光画像を用いて手動で描写して測定した。総接触面積及び細胞当たり平均接触面積は、ImageJ(登録商標)の「Analyze Particules」で算出した。1条件当たり最小で30個の細胞を解析した。この手順を採用してStro-1、CD-34+、及びCD-105の発現を測定した。
【0810】
・定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(Q-PCR)
RNeasy Total RNA Kit(Qiagen(登録商標))を用いて製造業者の指示書に従って全RNAを抽出した。精製した全RNAをテンプレートとして、ランダムプライマー(Invitrogen(登録商標))を用いた逆転写反応(Gibco Brl(登録商標))によってcDNAを作製した。その後、cDNAをテンプレートとして、SYBR green試薬(Bio-Rad(登録商標))の存在下、サーマルサイクラー(iCycler、Biorad(登録商標))を用いてリアルタイムPCR増幅した。データをiCycler IQTM(登録商標)ソフトウェアで解析し、ΔΔCt法で比較した。簡潔に言うと、標的遺伝子の平均Ct値をそのハウスキーピング遺伝子(HPRT)の平均Ct値で規格化して、ΔCt値を得た。これをコントロール試料で規格化してΔΔCt値を得た。結果は、3回繰り返して実施した2群の実験から得た。
【0811】
・半定量的RT-PCR
RNeasy Mini Kit(Qiagen)を用いて全RNAを抽出し、AMVキット(Invitrogen(登録商標))を用いて製造業者の指示書に従ってRNA1mgからcDNAを合成した。Taq DNAポリメラーゼ(Invitrogen(登録商標))を用いてサーマルサイクラー(Bio-Rad(登録商標))で半定量的逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を実施した。cDNAインプットをグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(HPRT)で規格化した。PCR産物を2%アガロースゲル上で解析した。Aggrecan遺伝子の場合、BioCaptソフトウェア(Vilber)を用いて濃度測定でPCRバンドを定量した。値をHPRTで規格化し、結果を相対遺伝子発現として表した。
【0812】
・本明細書で定義されるGFR結合化合物を生体材料へ共有結合的に堆積するのに使用した一般的手順
(方法1:ヒドロゲル表面調製及び共有結合的グラフト化(PLLA等))
アクリルアミド・アクリル酸共重合体ゲル基材の調製を例として、本明細書で定義されるGFR結合化合物の効果を示す。ヒドロゲルは、架橋剤としてのN,N’-メチレン-ビス-アクリルアミドの存在下、水性媒体中での重合によってアクリルアミド及びアクリル酸を用いて合成する。実際には、アクリルアミド(AM、Merck)0.3gをPBS1X(Invitrogen)5mLに溶解させた。アクリル酸(AA、Merck)30μL、次いでN,N-メチレン-ビス-アクリルアミドxg(硬度の関数)を攪拌下で添加した。その後、NaOH溶液(1M、Aldrich)を滴下してpHを8にした。フリーラジカル重合によって、ヒドロゲル形成を進行させた。窒素をバブリングして開始溶液を10分間脱気し、フリーラジカル重合プロセスの阻害剤として作用する酸素を除去した。溶液の上部は窒素雰囲気を維持し、10%過硫酸アンモニウム(Biorad)(フリ-ラジカル開始剤)50μL(総体積の1/100に相当)、次いでN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(触媒、Aldrich)5μL(総体積の1/1000に相当)を添加した。重合溶液を穏やかにボルテックス撹拌した。重合前にこのゲル溶液0.5mLを迅速にスライドガラス上に配置し、この構成体の上部に別のスライドガラスを配置した。Finemann-Ross法及びKelen-Tudos法で算出した反応性比から、共重合体はランダムであり、反応性比rAM=3.76及びrAA=0.28であることが分かった。ここで得られた材料は、0.1~600kPaの様々な硬度を有している。
【0813】
表面にある-COOH(カルボキシ)官能基を介してアクリルアミド・アクリル酸共重合体ゲル基材を本明細書で定義されるGFR結合化合物で化学的に機能化した。ジメチルアミノプロピル-3-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDC、0.2M)+N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS、0.1M)を2-(N-モルホリノ)-エタンスルホン酸(MESバッファ、0.1M MilliQ水溶液)に添加した溶液に、非撹拌下、室温で一晩、ヒドロゲルを浸漬した後、MilliQ水(50mLで30分間)で洗浄した。オービタルシェーカーを用いて室温で18時間、ペプチド/PBS1X(濃度=10-3M)溶液中で本明細書で定義されるGFR結合化合物を固定化した。グラフト化後、修飾ヒドロゲルをPBS1Xで1週間洗浄した。
【0814】
(方法2:固体材料の共有結合的修飾(セラミック又はチタン等))
制御雰囲気下(Ar雰囲気、グローブボックス)で材料を修飾した。本明細書で定義されるGFR結合化合物を共有結合的に修飾する戦略では、(1)(3-アミノプロピル)-トリエトキシシラン(濃度1×10-2M、4時間)を生体高分子表面にグラフト化し、(2)ヘテロ二官能性架橋剤である3-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナート(濃度1×10-3M、4時間)で末端アミンを置換して、(3)「外部」マレイミド基と本明細書で定義されるGFR結合化合物(濃度1×10-3M、18時間)とを末端システインに存在するチオール基を介して反応させた。グラフト化後、修飾した材料をPBS1Xバッファで5日間洗浄した。
【0815】
(方法3:ペプチドでグラフト化したポリマー(PET又はPEEK等))
本試験で使用したポリマーはポリ(エチレンテレフタレート)(PET)である。まず、ポリマーを処理して、PET表面に-OH(ヒドロキシ)官能基から-COOH(カルボキシ)官能基を形成した。次いで、PET-COOH試料を、ジメチルアミノプロピル-3-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDC、0.2M)+N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS、0.1M)を2-(N-モルホリノ)-エタンスルホン酸(MES)バッファ(0.1M MilliQ水溶液)に添加した溶液に浸漬し、試料をMilliQ水(50mLで30分間)で洗浄した。最外表面に-OH(ヒドロキシ)官能基を有する全てのポリマーに同じプロトコルを採用した。最後に、ペプチド/1XPBS(濃度=10-3M)溶液を室温で18時間インキュベートして、ペプチドを共有結合的に固定した。グラフト化後、材料をMilliQ水(100ml)で1週間洗浄した。
【0816】
(実施例1:本明細書で定義されるGFR結合化合物の従来のチタンへの共有結合的堆積)
制御雰囲気(Ar雰囲気、グローブボックス)下で材料を修飾した。共有結合的にペプチドを固定化する戦略では、(1)(3-アミノプロピル)-トリエトキシシラン(濃度1×10-2M、4時間)をインプラント表面にグラフト化し、(2)ヘテロ二官能性架橋剤である3-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナート(濃度1×10-3M、4時間)で末端アミンを置換して、(3)「外部」マレイミド基と骨形成性ペプチド(濃度1×10-3M、24時間)とを末端システインに存在するチオール基を介して反応させた。共有結合的に固定化した後、修飾材料をリン酸緩衝生理食塩水(PBS1X)バッファで5日間洗浄した。PBSは生物学的研究で通常使用される緩衝液であり、リン酸ナトリウム及び塩化ナトリウム、処方によっては塩化カリウム及びリン酸カリウムを含む水系塩溶液である。溶液のモル浸透圧濃度及びイオン濃度は人体のものとマッチする(等張)ので、生理学的であり、細胞無毒性である。
【0817】
生体材料の表面に共有結合できるようにGFR結合化合物に付加した末端システインに存在するチオール基を介して以下のペプチドを共有結合的に堆積した。
【0818】
【0819】
蛍光ペプチド(本明細書中、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)に結合した配列番号1、
図1)の共有結合的固定及びX線光電子分光法によって、生体材料の表面を特徴付けた(表3、4、及び5)。X線光電子分光法は、方法の項で記載した通り実施した。
【0820】
配列番号2~6で共有結合的に修飾したチタン合金材料(Ti6Al4V金属合金ペレット)で得られた結果を表3に示す。
【0821】
【0822】
(実施例2:本明細書で定義されるGFR結合化合物の従来のPEEK材料への共有結合的堆積)
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)をエチレンジアミン(NH2=NH2)で処理して、PEEK表面にケトン(=O)官能基から-NH2(アミン)官能基を形成した。続いて、ヘテロ二官能性架橋剤である3-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナート(濃度1×10-3M、4時間)溶液にPEEK-NH2試料を浸漬して、「外部」マレイミド基と本明細書で定義されるGFR結合化合物(濃度1×10-3M、24時間)とを末端システインに存在するチオール基を介して反応させた。グラフト化後、修飾材料をPBS1Xで5日間洗浄した。
【0823】
蛍光ペプチドのグラフト化及びX線光電子分光法等の他の方法を用いて表面を特徴付けた。X線光電子分光法は、方法の項で記載した通り実施した。
【0824】
配列番号7で共有結合的に修飾したPEEKを用いて得られた結果を表4に示す。
【0825】
【0826】
(実施例3:本明細書で定義されるGFR結合化合物のPLLAへの共有結合的堆積)
PLLA(ポリ乳酸)を、ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDC、0.2M)+N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS、0.1M)を(2-(N-モルホリノ)-エタンスルホン酸(MESバッファ、0.1M MilliQ水)に添加した溶液に浸漬した後、MilliQ水(30分間)で洗浄した。本明細書で定義される配列番号8のGFR結合化合物の溶液(濃度1×10-3M、18時間、室温)を用いて共有結合的に固定化した。共有結合的に固定化した後、修飾材料をPBS1Xで5日間洗浄した。
【0827】
蛍光ペプチド及びX線光電子分光法等の他の方法を用いて表面を特徴付けた。X線光電子分光法は、方法の項で記載した通り実施した。
【0828】
配列番号8で共有結合的に修飾したPLLAを用いて得られた結果を表5に示す。
【0829】
【0830】
(実施例4:前駆体骨細胞の増殖)
本明細書で定義される本発明のGFR結合化合物(配列番号9~14)の骨芽前駆細胞(MC3T3-E1細胞、ATCC(登録商標))の増殖に対する効果を調査した。本発明の少なくとも1種の誘導ペプチドで共有結合的に修飾したアパタイトセラミックの骨芽前駆細胞に対する刺激効果を、ヒト及び動物に好適な骨インプラントの製造に従来使用されている非修飾アパタイトセラミックの効果と比較した。AlamarBlue(登録商標)アッセイを用いて、代謝活性の検出に基づき、各生体材料上での細胞増殖の程度を比較した。これらのデータを分析したところ、本明細書で定義されるGFR結合化合物で共有結合的に修飾したアパタイトセラミックでは、従来の非修飾セラミックと比較して増殖が顕著に増大したことが分かった(
図2)。
【0831】
(実施例5:ヒト間葉系幹細胞の骨形成分化)
チタンTi6Al4V金属合金ペレットを生体材料として使用した。ヒト間葉系幹細胞(hMSC)はLonza(登録商標)製のものを使用した。10%(v/v)ウシ胎児血清(FBS)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加した低グルコースダルベッコ変法イーグル培地(DMEM、Invitrogen(登録商標))で細胞を培養し、5%(v/v)CO2を含む37℃の湿潤雰囲気下でインキュベートした。全ての細胞は低継代数(≦3継代)で使用し、サブコンフルエントに培養し、細胞数10000個/cm2で播種して実験を行った。本明細書で定義されるGFR結合化合物(配列番号15~20)で共有結合的に修飾したチタン上で62時間細胞培養した後、幹細胞表現型を分析した。
【0832】
この系列の詳細を精査するため、方法の項で記載した通り細胞固定後にRunx2及びOsterixを免疫染色した。方法の項で記載したようにしてRunx2及びOsterixの正接触数及び面積を定量した。
【0833】
図3に示す通り、本発明の共有結合的に修飾したチタンで培養した場合、ヒト骨髄間葉系幹細胞の大多数が付着、伸展し、骨芽細胞様細胞に分化することが、Runx2及びOsterixタンパク質の発現が増大したことで確認された(
図3)。
【0834】
(実施例6:骨芽前駆細胞の骨形成分化)
本明細書で定義されるGFR結合化合物(配列番号21)で従来のPEEK担体を共有結合的に修飾して本発明の生体材料を作製し、そこでマウス間葉系前骨芽細胞(MC3T3-E1、ATCC(登録商標)製)を培養した。MC3T3-E1細胞は、10%ウシ胎児血清(FCS)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したα-MEM培地で培養した。全ての細胞は低継代数(4継代)で使用し、サブコンフルエントに培養した。細胞を10000個/cm2で播種して実験を行った。24時間の細胞培養後、従来のPEEK生体材料上で培養した細胞と、本明細書で定義されるGFR結合化合物(配列番号21)で共有結合的に修飾したPEEK生体材料上で培養した細胞とを細胞外基質産生について比較した。これは方法の項で記載した通り光学形状測定システムプロービングによって実施した。
【0835】
図4に示す通り、コラーゲン線維のような細胞外基質の合成(ECM synthesis)で示されるように、本発明のPEEK生体材料、すなわち本明細書で定義されるGFR結合化合物の少なくとも1種で共有結合的に修飾した従来のPEEK生体材料を用いると、24時間培養後にマウス間葉系前骨芽細胞が成熟骨芽細胞へ分化できる(
図4b)。
【0836】
最後に、骨形成性バイオマーカーRunx2(Cbfa-1ともいう)の発現を分析することで、共有結合的に修飾したPEEK生体材料上で培養した場合に骨芽前駆細胞が成熟骨芽細胞へと形質転換したことが確認された。方法の項で記載した定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応から、従来の非修飾PEEK生体材料と比較して、24時間培養後にRunx2遺伝子発現の上昇が見られた(
図5)。
【0837】
(実施例7:本明細書で定義されるGFR結合化合物の非共有結合的堆積)
大気雰囲気下、室温で材料を非共有結合的に修飾した。非共有結合的被覆戦略では、誘導ペプチド(配列番号23、濃度1×10
-3M)とアパタイトセラミックインプラントの混合物、又は誘導ペプチド(配列番号22、濃度1×10
-3M)とI型コラーゲンスポンジの混合物を使用した。蛍光ペプチド(フルオレセインイソチオシアネート(FITC)に共有結合的に結合した配列番号22及び23、
図6)を用いて、非共有結合的に被覆した従来材料を特徴付けた。アパタイトセラミック及びI型コラーゲンスポンジを用いて実施した実験で得られた結果を
図6に示す。時間が経過してもペプチドの目立った放出は見られなかったことから、これらのペプチドとアパタイトセラミック又はI型コラーゲンとの相互作用は安定していることが分かる。実際に、3、7、又は10日後でも骨形成性ペプチドは依然としてセラミック又はI型コラーゲンと結合していた(
図7a及び
図7b)。
【0838】
本発明のGFR結合化合物に付加した特定のペプチド断片(WWFWG又はGTPGP等)によって非共有結合的に堆積したペプチドは以下の通りである。
【0839】
【0840】
(実施例8:前駆体骨細胞の増殖)
本明細書に記載した本発明のGFR結合化合物(配列番号24~27)の骨芽前駆細胞の増殖に対する効果を調査した。10%ウシ胎児血清(FCS)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したα-MEM培地でMC3T3-E1細胞を培養した。全ての細胞は低継代数(4継代)で使用し、サブコンフルエントに培養し、細胞数10000個/cm
2で播種して実験を行った。アパタイトセラミック又はI型コラーゲンに結合した骨形成性ペプチドの骨芽前駆細胞に対する刺激効果を、ヒトの変性椎間板疾患(DDD)の治療を補助するように設計されたBone Graft/LT-Cage(登録商標)lumbar tapered fusion deviceとして既に使用されている天然I型コラーゲンスポンジ又は天然アパタイトセラミックの効果と比較した。AlamarBlue(登録商標)アッセイを用いて、代謝活性の検出に基づき、各生体材料上での細胞増殖を比較した。これらのデータを分析したところ、骨形成性ペプチドと結合させたアパタイトセラミック及びI型コラーゲンスポンジでは、天然アパタイトセラミック及び天然I型コラーゲンスポンジと比較して細胞増殖が顕著に進んだことが分かった(
図8)。
【0841】
(実施例9:ヒト間葉系幹細胞の骨形成分化)
本明細書に記載したGFR結合化合物を、アパタイトセラミック又はI型コラーゲン、アパタイトセラミック又はI型コラーゲンスポンジに非共有結合的に堆積した。ヒト間葉系幹細胞(hMSC)はLonza(登録商標)製のものを使用した。10%(v/v)ウシ胎児血清(FBS)及び1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加した低グルコースダルベッコ変法イーグル培地(DMEM、Invitrogen(登録商標))で細胞を培養し、5%(v/v)CO2を含む37℃の湿潤雰囲気下でインキュベートした。全ての細胞培養試験において、最初の8時間は培地に血清を添加しないで培養した。全ての細胞は低継代数(≦3継代)で使用し、サブコンフルエントに培養し、細胞数10000個/cm2で播種して実験を行った。
【0842】
骨形成性ペプチド(配列番号28~31)と結合したアパタイトセラミック又はI型コラーゲンスポンジ上で96時間細胞培養した後、細胞表現型を分析した。本明細書に記載したGFR結合化合物と結合したアパタイトセラミック及びI型コラーゲンスポンジにおいて、ヒト骨髄間葉系幹細胞の大多数が付着、伸展し、骨芽細胞様細胞に分化することが、Runx2及びOsterixの発現を分析することで確認される(
図9a)。この系列の詳細を精査するため、方法の項で記載した通り細胞固定後にRunx2及びOsterixを免疫染色した。方法の項で記載したようにしてRunx2及びOsterixの正接触数及び面積を定量した。
【0843】
最後に、骨形成性バイオマーカーALPの活性(アルカリフォスファターゼ活性)を分析することで、hMSCが成熟骨芽細胞に分化したことが確認された。本明細書に記載したGFR結合化合物(配列番号32)と結合したI型コラーゲンスポンジ上で1週間培養した後にALP活性が増大したことを確認した(
図9b)。
【0844】
(実施例10:骨芽前駆細胞の骨形成分化)
成熟骨芽細胞は骨形成に関与する細胞であり、前駆体骨芽細胞に由来する。成熟骨芽細胞は、Runx2等の骨芽細胞マーカーの発現及び細胞外基質タンパク質の合成によって得られ、特徴付けられる。
【0845】
本明細書に記載したGFR結合化合物(配列番号33)の骨芽前駆細胞の分化に対する効果を評価した。これらの骨芽前駆細胞を、いずれも骨形成性ペプチドと結合したアパタイトセラミック又はI型コラーゲンスポンジに播種した。これらの非共有結合的に被覆した材料上で48時間培養した後、細胞は成熟骨芽細胞に分化した。分化した骨芽前駆細胞は、天然I型コラーゲンスポンジ上で培養した骨芽細胞前駆体と比較して、オステオポンチン(OPN)等の細胞外基質タンパク質を多量に産生した。これは、方法の項で記載した通り細胞固定後にオステオポンチン蛍光免疫染色することで分かった(
図10)。
【0846】
最後に、骨形成性バイオマーカーRunx2の発現を分析することで、骨芽前駆細胞が成熟骨芽細胞へ分化したことが確認された。方法の項で記載した定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応から、24時間培養後にRunx2遺伝子発現の上昇が見られた(
図11)。
【0847】
(実施例11:軟骨再生を誘導する本明細書で定義されるGFR結合化合物)
硬度が14kPaの天然ヒドロゲル(アクリルアミド・アクリル酸共重合体)及び本明細書にで定義されるGFR結合化合物(配列番号36及び37)で共有結合的に修飾したヒドロゲル(同様に硬度14kPa)上でhMSCを培養した。96時間培養後にSox9タンパク質の発現が見られたことから、hMSCは軟骨細胞様細胞への分化にコミットしたことが示された(
図12a)。
【0848】
その後、軟骨細胞遺伝子バイオマーカーであるAggrecanの発現を分析することで、共有結合的に修飾したヒドロゲル上で培養したhMSCは軟骨細胞へ分化したことが確認された。96時間培養後、この遺伝子の発現が確認された(
図12b)。これについて、Aggrecan遺伝子に対しては方法の項で記載した半定量的RT-PCRを実施し、Sox9に対しては定量的リアルタイムPCRを実施した。
【0849】
(実施例12:内皮化を誘導する本明細書で定義されるGFR結合化合物)
天然ポリマー(PET)、及び本明細書で定義される内皮化GFR結合化合物(配列番号38)で共有結合的に修飾したポリマー(PET)上でヒト臍静脈内皮細胞を培養した。共有結合的に修飾したPET上で36時間培養後、接着結合(CD31)面積の増大が確認された(
図13)。得られた結果から、本明細書で定義されるGFR結合化合物はステントの内皮化を迅速に誘導できることが分かった。
【0850】
(実施例13:血管新生を誘導する本明細書で定義されるGFR結合化合物)
天然ポリマー(PET)、及び血管ペプチド(配列番号39)で共有結合的に修飾したポリマー(PET)上でヒト臍静脈内皮細胞を培養した。共有結合的に修飾したPET上で18時間培養後、管状構造の形成が確認された(
図14)。得られた結果から、本明細書で定義されるGFR結合化合物は血管新生を迅速に誘導できることが分かった。
【0851】
(実施例14:創傷治癒及び集団細胞遊走の増大)
天然ポリマー(PET)、及び組織閉鎖ペプチド(配列番号40)で共有結合的に修飾したポリマー(PET)上でヒト上皮細胞を培養した。これらの上皮細胞の単一層に対して、培地中で通常の引っ掻き試験(Nat Protoc 2:329-333)を実施した(
図15a)。18時間培養後、ペプチドで共有結合的に修飾したPET上で培養した細胞については細胞遊走速度の上昇が見られた。細胞は集団的に遊走し、細胞間の連絡が維持されていた(
図15b)。実際に、本明細書に記載したGFR結合化合物で共有結合的に修飾したポリマー上で培養した細胞については損傷が迅速に閉鎖された。得られた結果から、本明細書に記載したGFR結合化合物は、創傷治癒等の組織閉鎖を迅速に誘導できることが分かった。
【0852】
(実施例15:毛包幹細胞の静止状態の喪失及び活性化)
硬度が73kPaである天然ヒドロゲル(アクリルアミド・アクリル酸共重合体)、及び本明細書で定義される毛包幹細胞GFR結合化合物(配列番号41及び42)で共有結合的に修飾したヒドロゲル(同様に硬度73kPa)上で、単離した毛包幹細胞を培養した。Sox2タンパク質発現の上昇が見られ、上記幹細胞が活性化されたことが示された(
図16a)。同時に、細胞培地においてBMP-6放出の減少が見られた(
図16b)。BMP-6放出の減少は、毛包幹細胞が活性化され、発毛プロセスが誘導されたことを示している。
【0853】
(実施例16:ヒト間葉系幹細胞の筋肉分化)
硬度が28kPaである天然ヒドロゲル(アクリルアミド・アクリル酸共重合体)、及び筋原性ペプチド(配列番号43~48)で共有結合的に修飾したヒドロゲル(同じく硬度28kPa)上でhMSCを培養した。共有結合的に修飾したヒドロゲル上で培養した細胞について、62時間培養後に細胞面積の増大が見られたことから、hMSCは筋肉への分化にコミットしたことが示された(
図17a)。
【0854】
その後、筋原性バイオマーカーCOMP(軟骨オリゴマー基質タンパク質)の発現を分析することで、共有結合的に修飾したヒドロゲル上で培養した上記hMSCが筋肉細胞へ分化したことが確認された。96時間培養後、この遺伝子の発現の上昇が見られた(
図17b)。これについて、方法の項で記載した定量的リアルタイムPCRを実施した。
【0855】
(実施例17:ニューロン成長)
天然チタン(コントロール)、及び神経原性ペプチド(配列番号49)で共有結合的に修飾したチタン上でニューロンを培養した。共有結合的に修飾したチタン上で6時間培養後、樹状突起成長による細胞間接触の迅速な確立が観察された(
図18a)。この結果は、使用した神経原性ペプチドの活性が、ニューロン間接触を促進することであることを示している。これを更に確認するため、神経原性ペプチド(配列番号49)で共有結合的に修飾した材料上で培養したニューロン細胞について、成長関連タンパク質43(GAP43)遺伝子の発現を検証した。方法の項で記載した定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応から、共有結合的に修飾したチタン上で48時間培養後、この遺伝子が高レベルで発現していることが観察された(
図18b)。
【0856】
(実施例18:幹細胞性の喪失)
本明細書で定義される各GFR結合化合物(配列番号50~104)の溶液のの存在下又は非存在下、細胞培地を用いて従来の細胞培養プラスチック皿でhMSCを培養した。本明細書で定義されるGFR結合化合物の存在下、細胞培養液で培養した細胞について、幹細胞性マーカーSTRO-1の迅速な(48時間)喪失が観察された(
図19)。これは、方法の項で記載した通り細胞固定後にStro-1免疫染色することで精査された。方法の項で記載した通りStro-1の正接触数及び面積の定量を実施した。1条件当たり最小で30個の細胞を解析した。いずれの配列も、以下の表7で示す通り、RMSDは2.45Å以下である。
【0857】
【0858】
(実施例19:ヒト造血幹細胞の分化)
本明細書で既に述べた方法でPET表面にグラフト化した本明細書に記載した各種GFR結合ペプチド(配列番号1071~1085)の存在下又は非存在下、細胞培地を用いて従来の細胞培養プラスチック皿でhMSCを培養した。本明細書に記載したGFR結合ペプチドの存在下、細胞培養液で培養した細胞について、幹細胞性マーカーCD-34+の迅速な(48時間)喪失が観察された。これは、方法の項で記載した通り細胞固定後にCD-34+免疫染色することで精査された。方法の項で記載した通りCD-34+の正接触数及び面積の定量を実施した。1条件当たり最小で30個の細胞を解析した。CD-34+陽性骨髄細胞は多分化能であり、各種のあらゆる血液細胞型に分化できる。いずれの配列も、以下の表8で示す通り、本明細書で定義されるRMSDが2.45Å以下である。
【0859】
【0860】
(実施例20:RMSD測定及び生物学的活性)
RMSDは、本明細書で定義されるあらゆる考えられ得る生理活性担体親和性基(システイン、WWFWG、GTPGP等)を除いたGFR結合ペプチド配列について常に算出する。必要に応じて、すなわち、生理活性担体への付着が意図される場合、生理活性担体親和性基は、生物学的試験の際にGFR結合化合物中に存在している。本明細書で詳述した方法を用いて、これまでに報告した57種のペプチド配列のRMSDを求め(表9)、本明細書で既に述べた方法でPET表面にグラフト化した後のSTRO-1発現と相関させた。これらのデータから、RMSDの算出値が2.45Åを超える、特に2Åを超える、より具体的には1.79Åを超えるものは、処理細胞の顕著なhMSCコミットメント及び/又は分化と必ずしも相関を示さないことが分かる。なお、細胞におけるSTRO-1の発現は、実質的に非分化状態の細胞を示しており、その発現の低下率が少なくとも約20%であれば、分化プロセスを開始しているものの、細胞の分化には至らないかもしれない細胞を示していることが一般的に認められている。50%を超えて低下している場合、分化状態へ顕著にシフトしていることを示している。70%を超えて低下している場合、分化状態へ極めて顕著にシフトしていることを示している。50%又は70%を超える低下が継続している(例えば、少なくとも96時間)場合、分化状態へ更に顕著にシフトしていることを示している。
【0861】
【0862】
同様に、本明細書で詳述した方法を用いて、本発明を代表する87種のGFR結合ペプチド配列のRMSDを求め(表10)、本明細書で既に述べた方法でPET表面にグラフト化した後のSTRO-1の発現と相関させた。配列番号1~49は、実施例の項で定義したように生理活性担体(すなわち、チタン、セラミック、PEEK、ヒドロゲル等)と組み合わせて試験し、一方、配列番号1143~1180は溶液中で試験した。これらのデータから、RMSDの算出値が2.45Å以下、特に2Å以下、より具体的には1.79Å以下であるものは、処理細胞の顕著なhMSCコミットメント及び/又は分化と常に相関を示すことが分かる。
【0863】
【0864】
(実施例21:骨粗鬆症治療への適用)
以下の研究は、骨粗鬆症ラットモデルの臨界サイズ骨折誘導性欠損においてGFR結合化合物の骨誘導性、骨伝導性、及び破骨細胞阻害活性を実証することを目的とする。目標は、生理学的な方法で骨再生プロセスを誘導して、異所的増殖や大理石骨病等の骨形成異常を起こすことなく骨形成することである。
【0865】
A.骨粗鬆症ラットモデル
閉経期のエストロゲン不足による骨代謝回転の加速が骨粗鬆症の最も一般的な原因であると仮定すると、治療剤の前臨床試験では、エストロゲン不足に応答して骨量を減少させた動物モデルが好ましい。この骨量減少は、代謝回転率の上昇、デンシトメトリーで測定される骨量の低下、及び骨体積の低下によって特徴付けられる。骨粗鬆症の調査及び前臨床動物試験で最も一般的に使用されるのは、卵巣摘出誘導性骨粗鬆症(OVX)ラットモデルである。卵巣摘出後、骨吸収が骨形成を上回り、エストロゲン不足に応答して迅速に再現性よく骨量減少が引き起こされる。
【0866】
B.実験プロトコル
実験プロトコルの概要を
図21に模式的に示す。
【0867】
B.1.外科的手順
1週間の適応期の後、月齢3ヶ月の雌ラット(Sprague Dawley(登録商標)系)に両側卵巣摘出(OVX)背側手術を実施した。この手順は痛みを伴うので、手術の30分前及び手術から6時間後に鎮痛剤を投与した。典型的には、動物モデルを手術してから8週間後にエストロゲン不足が誘導されて大腿骨顆部の骨量減少が顕著になる。化合物の投与1週間前に、OVXラットを3つの異なる群にランダムに割り当てた。
【0868】
B.2.化合物投与
手術から8週間後、J0においてOVXラットの大腿骨顆部に3mmの臨界サイズ欠損を穿孔し、共有結合的に結合したGFR結合化合物(配列番号1181)を局所投与した。この臨界サイズ欠損は、本試験の実験エンドポイントである3週目及び12週目では、外部からの処置がなければ、完全な骨形成のみによる治癒は見込めない。コントロール条件には、欠損に対して埋込みをしなかった「埋込み無し」条件、及び1個のセラミック(70%TCP30%HA)インプラントである顆粒セラミック粉末(コントロール2)が含まれる。配列番号1181は、(本明細書で既に述べた方法でN末端システインの共有結合的結合を介して)顆粒セラミック粉末(骨伝導を可能にする)にグラフト化した。以下に各種の実験条件及びその結果の詳細を記載する。
【0869】
【0870】
本試験では、化合物の投与から3週間後及び12週間後という2つの実験エンドポイントを試験した。第一のエンドポイントである3週目では、幹細胞及び前駆細胞の骨芽細胞系列への分化を含む早期骨形成プロセスが検出できる。第二のエンドポイントである12週目では、骨粗鬆症欠損治癒が検出でき、安定的且つ効率的に誘導された骨形成が評価できる。手順が完了するまで、更に各種の手法で結果を評価分析する際、グループ割当ては実験者には知らされなかった。
【0871】
B.3.病理組織学的分析
全ての実験条件について、大腿欠損部位を除去し、事前に脱石灰化することなく樹脂を埋め込んだ後、連続的な冠状切片を作製した。その後、上記切片について徹底的な病理組織学的分析を実施して、以下の染色によって組織及び細胞構造、ひいては骨形成、骨誘導、骨伝導、及び骨吸収プロセスを評価した。
・ヘマトキシリン・エオシン(HE)染色:組織形態の他、投与した化合物の有無、欠損部位における骨再構築(骨形成及び骨吸収)、及び骨芽細胞の有無を定性的に分析する。欠損部位領域の骨芽細胞の存在は骨誘導及び新規な骨形成の指標となるので、骨芽細胞検出を半定量的に分析した。
・酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ(TRAP)染色:欠損部位及びその周囲においてTRAPアイソザイムを産生する活性破骨細胞及び破骨細胞断片を強調する(赤色)。破骨細胞活性は骨吸収の指標である。
・フォンコッサ・ワンギーソン(VKVG)染色:新規に形成された骨組織、天然骨、及び石灰化化合物を含む石灰化した組織を強調し(黒色)、更に石灰化されていない類骨組織を強調する(暗いピンク色)。線維組織は明るいピンク色に染色され、骨髄は明るいオレンジ色に染色される。VKVG染色によって、欠損部位及びその周囲における石灰化及び類骨組織の割合、並びに投与から3週間及び12週間後の欠損部位領域における残留化合物量を評価できる。
【0872】
加えて、欠損部位の組織統合性、壊死組織の有無及び量、並びに免疫細胞やマクロファージ等の炎症細胞の浸潤の有無を調べることで、各種投与化合物の許容率を評価できる。
【0873】
C.結果
「埋込み無し」条件については、臨界サイズ欠損の誘導から3週間後に、全ての染色において欠損侵入部で骨膜(線維組織)の肥厚が確認できる(
図22左側)。このことから、欠損部位侵入部の閉鎖は12週間(
図22右側)後に開始、完了することが示される。加えて、骨膜では炎症細胞は検出されなかったので、3週目で手術関連炎症プロセスは全く起こっていないことが示された。3週目では欠損侵入部において破骨細胞活性が存在しているが、12週間後に活性破骨細胞は検出されなかった(
図22、TRAP染色)。最後に、3週目で欠損部位侵入部において類骨組織をほとんど伴わない石灰化骨組織が見られ(
図22、VKVG染色)、12週間後に欠損侵入部は石灰化組織によって閉鎖される。だが、12週目で欠損侵入部において石灰化組織と接触する類骨組織は検出されなかったため、骨形成活性は存在していないことが示された。加えて、欠損内部では骨組織構造又は海綿骨が検出されなかったので、12週間で上記領域において骨形成性活性は生じなかったことが示された。従って、「埋込み無し」条件における臨界サイズ欠損の誘導から12週間後に、欠損部位の侵入部は石灰化骨組織及び骨膜肥厚によって閉鎖された。侵入部位において類骨組織は検出されず、欠損領域内で骨組織構造及び類骨は見られなかったので、骨形成及び骨形成性活性は全く見られないことが示された。
【0874】
欠損部位へのHTD-PCL-M01投与から3週後、全ての染色において見られるように、欠損侵入部で骨膜閉鎖が開始され、12週目で完了した(
図23A右側及び
図23B右側)。全ての染色において、欠損侵入部での骨膜浸潤は、HTD-PCL-M01条件における顆粒セラミック粉末の吸収が、コントロール2と比べて増大していることと関連している(
図23A及びB)。特筆すべきことに、コントロール2においては欠損部位の端部が識別できないのに対し、HTD-PCL-M01条件においては端部がはっきりと視認できる(
図23A、VKVG染色)。これは、HTD-PCL-M01の局所投与から3週間後に誘導される顕著な類骨形成によるものである。HTD-PCL-M01化合物により誘導されるこの顕著な骨形成活性は、3週目で海綿骨及び骨欠損充填の増加が見られること、また、12週目で海綿骨がさらに増加し、且つ皮脂骨が肥厚化していることからも確認できる(
図23A及びB、HE染色)。この骨形成活性は、コントロール2条件の場合と異なりHTD-PCL-M01化合物周辺に骨芽細胞が存在することと関連している(
図23A及びB、HE染色)。また、HTD-PCL-M01条件においては、コントロール2と比較して低活性の破骨細胞が検出された。これは、HTD-PCL-M01の投与から3週及び12週後に、破骨細胞活性が低下することを示している(
図23A及びB、TRAP染色)。特筆すべきことに、HTD-PCL-M01の投与から12週後、コントロール2と比較して、欠損内部及び欠損侵入部において、石灰化組織及び類骨組織の顕著な増加が見られた(
図23B、VKVG染色)。これは、HTD-PCL-M01条件においては、3週~12週においてさらに骨形成活性が増加することを示している。結論として、投与から3週及び12週後に類骨及び石灰化骨組織の形成が増大したことから明らかな通り、HTD-PCL-M01は臨界欠損部位において効率的に骨生成を誘導している。この骨形成活性の増大は、骨芽細胞の存在、破骨細胞(骨吸収)活性の低下、及びセラミック吸収の増大と関連する。このことは、HTD-PCL-M01は、骨伝導に加えて骨誘導も開始することを示している。従って、HTD-PCL-M01は、骨の再構築用で既に市販されている製品であるコントロール2の顆粒セラミック粉末と比較して、骨粗鬆症関連骨折における骨の再構築に極めて好適である。
【0875】
D.結論
本件のCROによるランダム化盲検前臨床パイロット試験によって、骨粗鬆症動物モデルにおける骨粗鬆症及び骨粗鬆症関連骨折の治療及び予防に対する本明細書に開示した共有結合的に結合した代表的なGFR結合化合物の有効性が立証された。臨界サイズ誘導欠損の骨組織再生を通じて、骨誘導活性が観察された。代表的なGFR結合化合物は、投与から3週及び12週後に欠損領域において類骨及び石灰化骨組織の形成が増大したことから明らかな通り、良好に許容され、骨形成を効率的に誘導した。
【0876】
HTD-PCL-M01は骨形成活性を増大させ、骨芽細胞量を増加させ、破骨細胞(骨吸収)活性を低下させ、且つセラミック吸収を増大させることが分かった。これは、HTD-PCL-M01は、骨伝導に加えて骨誘導も開始させることを示している。従って、HTD-PCL-M01は、骨粗鬆症関連骨折における骨の再構築のための組合せ医療機器として、効率的な部位投与に極めて適している。
【0877】
3週目で、上記化合物は、幹細胞及び前駆細胞の骨芽細胞系列への分化を含む早期骨形成プロセスを誘導した。12週目で、上記化合物は安定的な骨形成を効率的に誘導し、効率的な骨粗鬆症欠損の治癒を誘導することが証明された。この12週間後に得られた結果は、より長期にわたって又は恒久的に顕著に障害されたままであるのが通常である骨粗鬆症関連骨折の患者にとって最も重要である。
【0878】
従って、本開示のGFR結合化合物は、骨粗鬆症用の新規な治療溶液であって、骨形成の増大及びそれに伴う骨吸収の低減によって、骨吸収を骨形成から切り離すことができるユニークな能力を有する。これは、既存の治療と比較して骨粗鬆症患者の骨を効率的に強化するのに必要となるものである。
【0879】
有利なことに、実験条件にかかわらず、実験で使用した動物には有害な副作用が何も存在しなかった。加えて、実験を通じて動物の体重を週に2回モニタリングしたが、この種の動物モデルで従来見られる卵巣摘出手術直後の麻酔に関連する食物摂取量の低下による体重減少は、全ての動物においてわずかしか見られなかった。化合物投与に関連する体重減少は検出されなかった。有害な副作用が全く存在しないことと組み合わせると、この結果は、投与した化合物が通常の動物代謝及び生理機能に対して負の方向に干渉しなかったことを示している。更に、実験中に病状の進行や痛みの兆候を理由として安楽死させた動物はいなかった。動物は、化合物投与から3週間又は12週間後の実験エンドポイントにおいて安楽死させ、動物の全身、特に投与部位について巨視的死後分析を実施した。分析の結果、全ての動物において、投与部位の炎症又は壊死について目に見える兆候はないことが明らかとなった。このことから、化合物は動物によって良好に許容され、これは投与部位の免疫細胞がごく少量であることから微視的にも確認された。最後に、大理石骨病障害の徴候を示す動物は検出されなかった。
【配列表】