(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入方法及び挿入装置
(51)【国際特許分類】
H02K 15/10 20060101AFI20220412BHJP
H02K 15/085 20060101ALI20220412BHJP
H02K 3/34 20060101ALI20220412BHJP
H02K 3/48 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
H02K15/10
H02K15/085
H02K3/34 C
H02K3/48
(21)【出願番号】P 2019155404
(22)【出願日】2019-08-28
【審査請求日】2019-08-31
(31)【優先権主張番号】201811010541.7
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519312762
【氏名又は名称】恵州領標精密机械有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】魯其竜
(72)【発明者】
【氏名】羅運福
(72)【発明者】
【氏名】熊一兵
(72)【発明者】
【氏名】何方良
(72)【発明者】
【氏名】程秋生
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-074689(JP,A)
【文献】特開2008-154358(JP,A)
【文献】中国特許第102792561(CN,B)
【文献】中国特許出願公開第103683719(CN,A)
【文献】中国実用新案第204013128(CN,U)
【文献】中国実用新案第204316284(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 15/10
H02K 15/085
H02K 3/34
H02K 3/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入方法であって、
平角線モータのステータスロットの寸法に合わせた成形絶縁スリーブを用いて、ステータの寸法に従って絶縁スリーブの長さを切断して予備加工するステップS1と、
挿入対象の平角線モータステータを位置決め套設板に置いて固定するステップS2と、
予備加工した絶縁スリーブを供給機構に入れて、搬送機構により後方の位置決め機構に送るステップS3と、
クランプ機構で位置決め機構における絶縁スリーブをクランプして平角線モータのステータスロットの上方の平面に送るステップS4と、
ガイド機構を位置決め套設板の平角線モータステータの上方に移動させるステップS5と、
クランプ機構は、ガイド機構を介して絶縁スリーブを平角線モータのステータスロットの内部に送るステップS6と、
平坦化機構で絶縁スリーブ全体を平角線モータのステータスロットに収納するステップS7と、
加工済みの平角線モータステータを取り出して、新しい平角線モータステータを入れて、各機構をリセットさせ、ステップS1-S7を繰り返すステップS8とを含み、
ステップS4、S5は、同期して行われることを特徴とする平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入方法。
【請求項2】
前記絶縁スリーブは、1回、2回又は2回以上の工程で平角線モータのステータスロットへ挿入できることを特徴とする請求項1に記載の平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入方法。
【請求項3】
前記成形絶縁スリーブは、螺旋複合成形絶縁スリーブ、押出成形絶縁スリーブ、射出成形絶縁スリーブのうちのいずれか1種であることを特徴とする請求項1に記載の平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入方法。
【請求項4】
前記成形絶縁スリーブは、炭素繊維成形絶縁スリーブ、ガラス繊維絶縁スリーブ、PET絶縁スリーブ、PI絶縁スリーブ、プラスチック絶縁スリーブのうちのいずれか1種又は2種の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入方法。
【請求項5】
作業テーブル、駆動装置を備える平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入装置であって、前記作業テーブルの上方には、供給機構、搬送機構、位置決め機構、クランプ機構、ガイド機構、位置決め套設板が設けられ、前記供給機構は、作業テーブルの一側に設けられ且つ予備加工した絶縁スリーブを供給するように用いられ、前記供給機構の下方には、搬送機構が接続され、前記搬送機構が絶縁スリーブを搬送するように用いられ、前記搬送機構の末端には、位置決め機構が接続され、前記位置決め機構が前記絶縁スリーブの位置決めに用いられ、前記位置決め機構の一側には、クランプ機構が設けられ、前記クランプ機構が絶縁スリーブをクランプして平角線モータのステータスロットの上方の平面に送るように用いられ、前記位置決め套設板は、作業テーブルの他側に対称的に設けられ、前記位置決め套設板は平角線モータステータが置かれて固定するように用いられ、前記位置決め套設板の一側には、前記
絶縁スリーブを平角線モータのステータスロットに挿入するようにガイドするためのガイド機構が設けられることを特徴とする平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入装置。
【請求項6】
前記作業テーブルの両側には、第1ガイドレールが対称的に設けられ、前記第1ガイドレールに第1駆動機構が接続され、前記第1ガイドレールには、フレームが設けられ、前記フレームには、第1位置決めロッドと第1伝動ロッドが対称的に設けられ、前記第1伝動ロッドには、クランプ機構が設置され、前記クランプ機構は、第1位置決めロッドに接続され、前記フレームの先端には、バッフルが対称的に設けられ、前記バッフル間には、第2位置決めロッドと第2伝動ロッドが対称的に設けられることを特徴とする請求項5に記載の平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入装置。
【請求項7】
前記位置決め機構は、制限リング、位置決め回転ディスクを含み、前記位置決め回転ディスクが制限リングの内部に套設され、前記制限リングが位置決め回転ディスクと同軸に設置され、前記制限リングの一側には、開口が設けられ、前記位置決め回転ディスクの表面には、制限溝が対称的に設けられることを特徴とする請求項5に記載の平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入装置。
【請求項8】
前記クランプ機構は、駆動套設棒を含み、前記駆動套設棒の一端には、第3駆動機構が接続され、前記駆動套設棒の他端には、回動部が接続され、前記回動部には、チャックが取り付けられ、前記チャックの表面には、金属シートが対称的に設けられることを特徴とする請求項5に記載の平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入装置。
【請求項9】
前記ガイド機構は、対向して設置された第2ガイドレールを含み、前記第2ガイドレールに第2駆動機構が接続され、前記第2ガイドレールには、ガイド板が設けられ、前記ガイド板には、円弧状開口が設けられ、前記円弧状開口には、ガイドリングが設けられ、前記ガイドリングの内部には、仕切り溝が対称的に設けられることを特徴とする請求項5に記載の平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入装置。
【請求項10】
位置決め套設板の上方に設けられた平坦化機構をさらに備え、前記平坦化機構は、水平伝動部を含み、前記水平伝動部が第2伝動ロッドに設けられ、前記水平伝動部の一端が第2位置決めロッドに接続され、前記水平伝動部には、加工ベースが設けられ、前記加工ベースには、垂直伝動部が設けられ、前記垂直伝動部の下方には、平坦化プレートが接続され、前記第2伝動ロッドには、第4駆動機構が接続され、前記垂直伝動部には、第5駆動機構が設けられることを特徴とする請求項6に記載の平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車駆動モータ又は発電機のステータ巻線スロットの絶縁スリーブの挿入技
術に関し、特に平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入方法及び挿入装置
に関する。
【背景技術】
【0002】
平角線モータの巻線が方線であり、巻線コイルが通常挿入方式でステータスロットに嵌め
込まれ、従来技術では、エナメル平角線間の絶縁の信頼性を確保するために、コイルをス
テータスロットに挿入する前に、まずステータスロットの内部に絶縁紙スリーブを挿入し
、次にコイルを絶縁紙スリーブに挿入する。平角線モータのステータスロットにおいて、
絶縁材料又はプロセスによって異なる絶縁構造が構成される。絶縁構造は、主に電気的絶
縁の役割を果たし、長期間の作動過程において、点、熱、機械的作用や様々な環境による
影響を受けるため、絶縁が劣化しつつあり、その結果、モータが安全に作動できなくなり
、このため、抵抗遮断及び絶縁は、モータの作動を支配する要因である。
【0003】
平角線モータのステータスロットの絶縁紙スリーブの挿入方法は、まず機械装置を用いて帯状又は板状の絶縁紙全体を折り畳んで折り目を形成し、絶縁紙をステータスロットの上方に送って、機械を用いて絶縁紙を分割部分に切断し、分割部分をスリーブ状に折り畳んで、最後にホットプレス成形を行い、ステータスロットに送ることである。単一のステータスロットに複数の絶縁紙スリーブを挿入する必要があるため、このように1つずつ挿入する方式は、加工効率が低く、且つ形成された絶縁紙スリーブの規格が制御されにくく、このように折り曲げて成形させる方式で形成された絶縁紙スリーブは、末端に隙間があり、コイルの絶縁性に一定の悪影響を与える。さらに、スロットにおける線の本数が多いほど、モータスロット占積率が低下し、このため、平角線モータの高ステータスロット占積率の利点を発揮できず、且つ巻線コイルの寸法設計の柔軟性がある程度制限されてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に鑑み、本発明は、平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入効率が低
く、絶縁性が不安定であるという従来技術の問題を解決し、生産効率を大幅に向上させる
平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入方法及び挿入装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術案は、以下のとおりである。平角線モータのステータスロットの絶縁スリー
ブの挿入方法であって、
平角線モータのステータスロットの寸法に合わせた成形絶縁スリーブを用いて、ステータ
の寸法に従って絶縁スリーブの長さを切断して予備加工するステップS1と、
挿入対象の平角線モータステータを位置決め套設板に置いて固定するステップS2と、
予備加工した絶縁スリーブを供給機構に入れて、搬送機構により後方の位置決め機構に送
るステップS3と、
クランプ機構で位置決め機構の絶縁スリーブをクランプして平角線モータのステータスロ
ットの上方の平面に送るステップS4と、
ガイド機構を位置決め套設板の平角線モータステータの上方に移動させるステップS5と
、
クランプ機構は、ガイド機構を介して絶縁スリーブを平角線モータのステータスロットの
内部に送るステップS6と、
平坦化機構で絶縁スリーブ全体を平角線モータのステータスロットに収納するステップS
7と、
加工済みの平角線モータステータを取り出して、新しい平角線モータステータを入れて、
各機構をリセットさせ、ステップS1-S7を繰り返すステップS8とを含み、ステップ
S4、S5は、同期して行われることを特徴とする挿入方法。
【0006】
さらに、前記絶縁スリーブは、1回、2回又は2回以上の工程で平角線モータのステータ
スロットへ絶縁スリーブを挿入できる。
【0007】
さらに、前記成形絶縁スリーブは、螺旋複合成形絶縁スリーブ、押出成形絶縁スリーブ、
射出成形絶縁スリーブのうちのいずれか1種である。
【0008】
さらに、前記成形絶縁スリーブは、炭素繊維成形絶縁スリーブ、ガラス繊維絶縁スリーブ
、PET絶縁スリーブ、PI絶縁スリーブ、プラスチック絶縁スリーブのうちのいずれか
1種又は2種の組み合わせである。
【0009】
作業テーブル、駆動装置を備える平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入
装置であって、前記作業テーブルの上方には、供給機構、搬送機構、位置決め機構、クラ
ンプ機構、ガイド機構、位置決め套設板が設けられ、前記供給機構は、作業テーブルの一
側に設けられ、前記供給機構の下方には、搬送機構が接続され、前記搬送機構の末端には
、位置決め機構が接続され、前記位置決め機構の一側には、クランプ機構が設けられ、前
記位置決め套設板は、作業テーブルの他側に対称的に設けられ、前記位置決め套設板の一
側には、ガイド機構が設けられることを特徴とする挿入装置。
【0010】
本発明では、前記駆動装置は、第1駆動機構、第2駆動機構、第3駆動機構、第4駆動機
構、第5駆動機構、第6駆動機構、第7駆動機構を含む。本発明では、前記駆動装置は、
任意の従来技術によって実現できる。
【0011】
さらに、前記作業テーブルの両側には、第1ガイドレールが対称的に設けられ、前記第1
ガイドレールの下方に第1駆動機構が接続され、前記第1ガイドレールには、フレームが
設けられ、前記フレームには、第1位置決めロッドと第1伝動ロッドが対称的に設けられ
、前記第1伝動ロッドには、クランプ機構が設置され、前記クランプ機構は、第1位置決
めロッドに接続され、前記第1伝動ロッドには、第6駆動機構が接続され、前記フレーム
の先端には、バッフルが対称的に設けられ、前記バッフル間には、第2位置決めロッドと
第2伝動ロッドが対称的に設けられる。
【0012】
さらに、搬送機構は、第1搬送ベルト、第2搬送ベルトを含み、前記第1搬送ベルトと第
2搬送ベルトは、L字形で接続される。特に、前記第1搬送ベルトと第2搬送ベルトは、
従来技術によるステアリング機構を介してL字形で接続されて搬送を行う。
【0013】
さらに、前記第1搬送ベルトの上方には、案内板が対称的に設けられる。特に、絶縁チュ
ーブが第1搬送ベルトの中央位置に容易にスライドするように、前記案内板は、V字形で
第1搬送ベルトの上方に設置される。
【0014】
さらに、前記位置決め機構は、制限リング、位置決め回転ディスクを含み、前記位置決め
回転ディスクが制限リングの内部に套設され、前記制限リングが位置決め回転ディスクと
同軸で設置され、前記制限リングの一側には、開口が設けられ、前記位置決め回転ディス
クの表面には、制限溝が対称的に設けられる。絶縁スリーブは、制限リングの開口から位
置決め回転ディスクの制限溝に入り、同時に、絶縁スリーブが制限溝を満たすまで位置決
め回転ディスクは、連続的に回動する。
【0015】
さらに、前記クランプ機構は、駆動套設棒を含み、前記駆動套設棒の一端には、第3駆動
機構が接続され、前記駆動套設棒の他端には、回動部が接続され、前記回動部には、チャ
ックが取り付けられ、前記チャックの表面には、金属シートが対称的に設けられる。特に
、前記金属シートの長さは、絶縁スリーブの長さの1/4-1/3であり、前記金属シー
トは、絶縁スリーブと締まりばめし、このように設置されることによって、絶縁スリーブ
を安定的にクランプするとともに、平角線モータのステータスロットに挿入した後にクラ
ンプ機構を容易に退出させることができ、前記金属シートは、前記位置決め回転ディスク
の制限溝に対応して設置される。本発明のクランプ機構は、まず駆動套設棒を介して回動
部を駆動して横方向に設置し、チャックを位置決め機構に向けて、次に第6駆動機構によ
りクランプ機構を前へプッシュするように伝動ロッドを駆動して、金属シートを絶縁スリ
ーブの内部に部分的に挿入して、クランプをリセットさせ、駆動套設棒を介して回動部を
駆動して縦方向に設置し、第1駆動機構によってフレームを位置決め套設板の上方に至る
まで第1ガイドレールに沿って前へ移動するように駆動する。それと同時に、ガイド機構
のガイド板も位置決め套設板の上方に移動して、第3駆動機構を駆動してチャックを下へ
移動させ、絶縁スリーブは、ガイドリングの内部の仕切り溝に沿って位置決め套設板に設
置された平角線モータのステータスロットに挿入される。
【0016】
さらに、前記ガイド機構は、対向して設置された第2ガイドレールを含み、前記第2ガイ
ドレールの後方には、第2駆動機構が接続され、前記第2ガイドレールには、ガイド板が
設けられ、ガイド板を前後変位させることができる。
【0017】
さらに、前記ガイド板には、円弧状開口が設けられ、前記円弧状開口には、ガイドリング
が設けられ、前記ガイドリングの内部には、仕切り溝が対称的に設けられる。ガイド板を
設置することによって、平角線モータのステータスロットに挿入する前に絶縁スロットに
ガイド支持力を付与し、絶縁スロットが平角線モータのステータスロットに容易に挿入で
きるようにする。
【0018】
さらに、本発明は、位置決め套設板の上方に設けられた平坦化機構をさらに備え、前記平
坦化機構は、水平伝動部を含み、前記水平伝動部が第2伝動ロッドに設けられ、前記水平
伝動部の一端が第2位置決めロッドに接続され、前記水平伝動部には、加工ベースが設け
られ、前記加工ベースには、垂直伝動部が設けられ、前記垂直伝動部の下方には、平坦化
プレートが接続される。前記第2伝動ロッドには、第4駆動機構が接続され、前記垂直伝
動部には、第5駆動機構が設けられる。絶縁スリーブがすべて平角線モータのステータス
ロットに挿入された後、すべての部材は、リセットして次の同様な操作を行う。それと同
時に、平坦化機構は、水平伝動部を介して位置決め套設板における平坦化対象の平角線モ
ータのステータスロットの上方に移動した後、垂直伝動部によって加工ベースを下へ押さ
え、絶縁スリーブをすべて平角線モータのステータスロットの内部に入れ、平坦化機構は
、リセットして、マニピュレータは、平角線モータステータを取り出して、新しい平角線
モータステータを入れて絶縁スリーブを挿入する。
【0019】
本発明の作動過程は、以下のとおりである。絶縁スリーブを供給機構に入れて、モータに
よって供給機構を前後揺動するように振動させて絶縁スリーブを順次第1搬送ベルトに落
下させ、次に第2搬送ベルトに搬送して順に配列させ、第2搬送ベルトが前へ連続的に伝
動するため、絶縁スリーブは、位置決め回転ディスクの制限溝に送られ、位置決め回転デ
ィスクの回転により、複数の絶縁スリーブは、所定の角度で配列される。次に駆動機構に
よってクランプ機構を駆動して位置決め回転ディスクに移動させ、金属シートを絶縁スリ
ーブに挿入することで絶縁スリーブを取り出し、位置決め套設板における平角線モータス
テータの上方に順次移して挿入作業を行う。スリーブを1回(又は複数回)で平角線モー
タのステータスロットに順調に挿入するように(ステータスロットにおいて複数の絶縁ス
リーブを同時に配列できる)、挿入前にガイド機構を利用して絶縁スリーブをガイドし、
絶縁スリーブがすべて平角線モータのステータスロットに挿入された後、クランプ機構を
退出させて、ガイド機構を順次外し、それに対応してほかの機構をリセットさせる。駆動
機構は、平坦化機構を駆動して挿入されたスリーブを要求に応じて平坦化し、平角線モー
タステータを取り出すと終了し、上記操作を繰り返してスリーブ挿入作業を行う。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、絶縁紙を成形させた後に挿入するような従来の加工方式の代わりに平角線モ
ータのステータスロットへ絶縁スリーブを直接挿入する方式を革新的に用いることで、挿
入された絶縁スリーブの寸法の一致性を確保するとともに、成形絶縁スリーブには、隙間
がなく、絶縁性に優れている。本発明では、大量のスリーブの完成品を機械で平角線モー
タのステータスロットに挿入する方式によって、加工効率を大幅に向上させ、従来のよう
に1つの平角線モータステータのすべてのスロットが挿入されるのに5minがかかるの
に対して、本発明の方法によれば、10-20s内で完成でき、平角線モータのスロット
占積率がさらに確保され、巻線コイルの寸法設計の柔軟性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図4】本発明の平角線モータステータの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施例にて本発明の技術案を明瞭かつ完全に説明するが、勿論、説明する実施例は
、本発明の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。
【0023】
実施例
平角線モータのステータスロットの絶縁スリーブの挿入方法は、
平角線モータのステータスロットの寸法に合わせた成形絶縁スリーブを用いて、ステータ
の寸法に従って絶縁スリーブの長さを切断して予備加工するステップS1と、
挿入対象の平角線モータステータを位置決め套設板に置いて固定するステップS2と、
予備加工した絶縁スリーブを供給機構に入れて、搬送機構により後方の位置決め機構に送
るステップS3と、
クランプ機構で位置決め機構における絶縁スリーブをクランプして平角線モータのステー
タスロットの上方の平面に送るステップS4と、
ガイド機構を位置決め套設板の平角線モータステータの上方に移動させるステップS5と
、
クランプ機構は、ガイド機構を介して絶縁スリーブを平角線モータのステータスロットの
内部に送るステップS6と、
平坦化機構で絶縁スリーブ全体を平角線モータのステータスロットに収納するステップS
7と、
加工済みの平角線モータステータを取り出して、新しい平角線モータステータを入れて、
各機構をリセットさせ、ステップS1-S7を繰り返すステップS8とを含み、
ステップS4、S5は、同期して行われることを特徴とする。
【0024】
さらに、前記絶縁スリーブは、1回、2回又は2回以上の工程で平角線モータのステータ
スロットへ挿入できる。
【0025】
さらに、前記成形絶縁スリーブは、螺旋複合成形絶縁スリーブ、押出成形絶縁スリーブ、
射出成形絶縁スリーブのうちのいずれか1種である。
【0026】
さらに、前記成形絶縁スリーブは、炭素繊維成形絶縁スリーブ、ガラス繊維絶縁スリーブ
、PET絶縁スリーブ、PI絶縁スリーブ、プラスチック絶縁スリーブのうちのいずれか
1種又は2種の組み合わせである。
【0027】
作業テーブル1、駆動装置(図示せず)を備える平角線モータのステータスロットの絶縁
スリーブの挿入装置であって、前記作業テーブルの上方には、供給機構2、搬送機構3、
位置決め機構4、クランプ機構5、ガイド機構6、位置決め套設板7が設けられ、前記供
給機構は、作業テーブルの一側に設けられ、前記供給機構の下方には、搬送機構が接続さ
れ、前記搬送機構の末端には、位置決め機構が接続され、前記位置決め機構の一側には、
クランプ機構が設けられ、前記位置決め套設板は、作業テーブルの他側に対称的に設けら
れ、前記位置決め套設板の一側には、ガイド機構が設けられ、前記位置決め套設板には、
平角線モータステータ8が設置されてもよく、前記供給機構には、第7駆動機構21が接
続されることを特徴とする。
【0028】
本発明では、前記駆動装置は、第1駆動機構(図示せず)、第2駆動機構(図示せず)、
第3駆動機構55、第4駆動機構94、第5駆動機構105、第6駆動機構92、第7駆
動機構21を含む。
【0029】
さらに、前記作業テーブルの両側には、第1ガイドレール11が対称的に設けられ、前記
第1ガイドレールの下方には、第1駆動機構(図示せず)が接続され、前記第1ガイドレ
ールには、フレーム9が設けられ、前記フレームには、第1位置決めロッド(図示せず)
と第1伝動ロッド(図示せず)が対称的に設けられ、前記第1伝動ロッドには、クランプ
機構5が設置され、前記クランプ機構は、第1位置決めロッドに接続され、前記第1伝動
ロッドには、第6駆動機構92が接続され、前記フレームの先端には、バッフル91が対
称的に設けられ、前記バッフル間には、第2位置決めロッド95と第2伝動ロッド93が
対称的に設けられる。
【0030】
さらに、搬送機構は、第1搬送ベルト31、第2搬送ベルト32を含み、前記第1搬送ベ
ルトと第2搬送ベルトは、L字形で接続される。特に、前記第1搬送ベルトと第2搬送ベ
ルトは、従来技術によるステアリング機構を介してL字形で接続されて搬送を行う。
【0031】
さらに、前記第1搬送ベルトの上方には、案内板33が対称的に設けられる。特に、絶縁
チューブが第1搬送ベルトの中央位置に容易にスライドするように、前記案内板は、V字
形で第1搬送ベルトの上方に設置される。
【0032】
さらに、前記位置決め機構4は、制限リング41、位置決め回転ディスク42を含み、前
記位置決め回転ディスク42が制限リングの内部に套設され、前記制限リングが位置決め
回転ディスク42と同軸で設置され、前記制限リングの一側には、開口(図示せず)が設
けられ、前記開口は、第2搬送ベルトの末端に向かっており、前記位置決め回転ディスク
42の表面には、制限溝43が対称的に設けられる。絶縁スリーブは、制限リングの開口
から位置決め回転ディスク42の制限溝43に入り、同時に、絶縁スリーブが制限溝43
を満たすまで位置決め回転ディスク42は、連続的に回動する。
【0033】
さらに、前記クランプ機構5は、駆動套設棒51を含み、前記駆動套設棒の一端には、第
3駆動機構55が接続され、前記駆動套設棒の他端には、回動部52が接続され、前記回
動部には、チャック53が取り付けられ、前記チャックの表面には、金属シート54が対
称的に設けられる。特に、前記金属シート54の長さは、絶縁スリーブの長さの1/4-
1/3であり、前記金属シート54は、絶縁スリーブと締まりばめし、このように設置さ
れることによって、絶縁スリーブを安定的にクランプするとともに、平角線モータのステ
ータスロットに挿入した後にクランプ機構を容易に退出させることができ、前記金属シー
ト54は、前記位置決め回転ディスクの制限溝に対応して設置される。本発明のクランプ
機構は、まず駆動套設棒を介して回動部を駆動して横方向に設置し、チャックを位置決め
機構に向けて、次に第6駆動機構により前へクランプ機構をプッシュし、金属シート54
を絶縁スリーブの内部に部分的に挿入して、クランプをリセットさせ、駆動套設棒を介し
て回動部を駆動して縦方向に設置し、第1駆動機構によってフレームを第1ガイドレール
に沿って位置決め套設板の上方に至るまで前へ移動するように駆動する。それと同時に、
ガイド機構のガイド板も位置決め套設板の上方に移動して、第3駆動機構を駆動してチャ
ックを下へ移動させ、絶縁スリーブは、ガイドリングの内部の仕切り溝に沿って位置決め
套設板の平角線モータのステータスロットに挿入される。特に、前記クランプ機構とフレ
ームにおける第1位置決めロッド、第1伝動ロッドとの接続方式は、平坦化機構と第2位
置決めロッド、第2伝動ロッドとの接続方式と類似している。
【0034】
さらに、前記ガイド機構6は、対向して設置された第2ガイドレール61を含み、前記第
2ガイドレールの後方には、第2駆動機構(図示せず)が接続され、前記第2ガイドレー
ルには、ガイド板62が設けられ、ガイド板を前後位移させることができる。
【0035】
さらに、前記ガイド板には、円弧状開口621が設けられ、前記円弧状開口には、ガイド
リング622が設けられ、前記ガイドリングの内部には、仕切り溝623が対称的に設け
られる。ガイド板を設置することによって、平角線モータのステータスロットに挿入する
前に絶縁スロットにガイド支持力を付与し、絶縁スロットが平角線モータのステータスロ
ットに容易に挿入できるようにする。
【0036】
さらに、本発明は、位置決め套設板の上方に設けられた平坦化機構10をさらに備え、前
記平坦化機構は、水平伝動部101を含み、前記水平伝動部が第2伝動ロッド93に設け
られ、前記水平伝動部の一端が第2位置決めロッド95に接続され、前記水平伝動部には
、加工ベース102が設けられ、前記加工ベースには、垂直伝動部103が設けられ、前
記垂直伝動部の下方には、平坦化プレート104が接続される。前記第2伝動ロッド93
には、第4駆動機構94が接続され、前記垂直伝動部には、第5駆動機構105が設けら
れる。絶縁スリーブがすべて平角線モータのステータスロットに挿入された後、すべての
部材は、リセットして次の同様な操作を行う。それと同時に、平坦化機構は、水平伝動部
を介して位置決め套設板における平坦化対象の平角線モータのステータスロットの上方に
移動した後、垂直伝動部によって加工ベースを下へ押さえ、絶縁スリーブをすべて平角線
モータのステータスロットの内部に入れ、平坦化機構は、リセットして、マニピュレータ
は、平角線モータステータを取り出して、新しい平角線モータステータを入れて絶縁スリ
ーブを挿入する。
【0037】
本発明の作動過程は、以下のとおりである。絶縁スリーブ81を供給機構に入れて、モー
タによって供給機構を前後揺動するように振動させて絶縁スリーブを順次第1搬送ベルト
31に落下させ、次に第2搬送ベルト32に搬送して順に配列させ、第2搬送ベルト32
が前へ連続的に伝動するため、絶縁スリーブは、位置決め回転ディスク42の制限溝43
に送られ、位置決め回転ディスク42の回転により、複数の絶縁スリーブは、所定の角度
で配列される。次に駆動機構によってクランプ機構を駆動して位置決め回転ディスク42
に移動させ、金属シートを絶縁スリーブに挿入することで絶縁スリーブを取り出し、位置
決め套設板における平角線モータステータの上方に順次移して挿入作業を行う。スリーブ
を1回(又は複数回)で平角線モータステータ8のスロットに順調に挿入するように(ス
テータスロットにおいて複数の絶縁スリーブを同時に配列できる)、挿入前にガイド機構
を利用して絶縁スリーブをガイドし、絶縁スリーブがすべて平角線モータのステータスロ
ットに挿入された後、クランプ機構を退出させて、ガイド機構を順次外し、それに対応し
てほかの機構をリセットさせる。駆動機構は、平坦化機構を駆動して挿入されたスリーブ
を要求に応じて平坦化し、平角線モータステータ8を取り出すと終了し、上記操作を繰り
返してスリーブ挿入作業を行う。
【0038】
本発明では、絶縁紙を成形させた後に挿入するような従来の加工方式の代わりに平角線モ
ータのステータスロットへ絶縁スリーブを直接挿入する方式を革新的に用いることで、挿
入された絶縁スリーブの寸法の一致性を確保するとともに、成形絶縁スリーブには、隙間
がなく、絶縁性に優れている。本発明では、大量のスリーブの完成品を機械で平角線モー
タのステータスロットに挿入する方式によって、加工効率を大幅に向上させ、従来のよう
に1つの平角線モータステータのすべてのスロットが挿入されるのに5minがかかるの
に対して、本発明の方法によれば、10-20s内で完成でき、平角線モータのスロット
占積率がさらに確保され、巻線コイルの寸法設計の柔軟性が確保される。
【0039】
当業者にとって明らかなように、本発明は、上記実施例の例示の詳細に制限されず、本発
明の主旨又は基本的な特徴から逸脱せずに、ほかの形態で本発明を実施できる。このため
、いずれの点からも、実施例は、例示的なものに過ぎず、制限するものではなく、本発明
の範囲は、上記説明ではなく、特許請求の範囲により限定され、したがって、請求項の同
等物の意味及び範囲に属するすべての変化は、本発明に含まれる。
【0040】
また、なお、本明細書において実施形態にて説明したが、各実施形態は、1つの独立した
技術案だけを含むのではなく、明細書においてこのように説明するのは、分かりやすくす
るために過ぎず、当業者であれば、明細書を全体とすべきであり、各実施例における技術
案を適切に組み合わせて、当業者が理解できるほかの実施形態を構成してもよい。なお、
本発明において詳細に説明した技術的特徴は、いずれも本分野におけるいずれかの従来技
術によって実現される。