(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220412BHJP
A63F 7/02 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
A63F5/04 611B
A63F7/02 326Z
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2019184336
(22)【出願日】2019-10-07
【審査請求日】2020-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】三澤 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】和田 学
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 真寛
(72)【発明者】
【氏名】石原 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】大澤 友和
(72)【発明者】
【氏名】岩井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】小野 慎也
(72)【発明者】
【氏名】西澤 暢
(72)【発明者】
【氏名】内田 翔也
(72)【発明者】
【氏名】萩原 雄一
(72)【発明者】
【氏名】木村 優介
(72)【発明者】
【氏名】森山 翔太
(72)【発明者】
【氏名】橋本 泰彦
【審査官】岡崎 彦哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-068587(JP,A)
【文献】特開2019-165807(JP,A)
【文献】特開2008-049021(JP,A)
【文献】特開2006-061269(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04、7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示による演出を実行する表示手段と、
前記表示手段を介しての演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、演出に関する指示情報として予め用意されている第1のコマンドと、演出に関する情報が紐付けられた値とに基づき、前記第1のコマンドとは異なる第2のコマンドを生成し、前記第2のコマンドに基づいて、前記表示手段に演出を実行させ
、
前記第1のコマンドには、実行する所定の演出と、前記所定の演出の実行契機と、が含まれ、
前記値には、前記所定の演出の態様に関する情報が紐付けられている
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段は、
状態管理を行う状態管理手段と、
演出装置を管理するデバイス管理手段と、を備え、
前記状態管理手段には、演出内容を決定し、前記演出内容に基づいて前記第1のコマンドを生成し、前記第1のコマンドを前記デバイス管理手段に送信する場合と、
演出に関する情報が紐付けられた値をカウンタコマンドとして生成し、前記カウンタコマンドを前記デバイス管理手段に送信する場合とがあり、
前記第1のコマンドおよび前記カウンタコマンドの両方を前記デバイス管理手段に送信するときは、前記カウンタコマンド、前記第1のコマンドの順に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から遊技機として、外周面に複数の図柄が配列されたリールを複数備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始に伴ってリールが回転を開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。また、リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが複数のリールによって表示されて、この当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技媒体)を払い出すメダル払出処理やメダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0003】
こうした遊技機には、特許文献1のように液晶ユニット(表示装置)(表示手段)を備えたものがあり、表示装置に画像を表示することで、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出が行われる。この表示装置を介しての演出は、通常、どの画像を表示するかを指示するコマンド(演出コマンド)に基づいて行われる。この演出コマンドは、スロットマシン内部の記憶手段に予め用意されており、スタートレバーに対する操作やストップボタンに対する操作等を契機として、液晶ディスプレイへの表示を制御(実行)する手段に送信されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、表示装置を介しての多様な演出を実現するためには、多様な演出パターンに対応した演出コマンドを予め用意する必要がある。しかし、すべての演出パターンに対応した演出コマンドを予め用意する場合、演出コマンドの数が膨大な数となる。これは開発効率の低下や、記憶容量の圧迫につながるおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、演出の指示に係るコマンド数の増大が抑制された遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
画像表示による演出を実行する表示手段と、
前記表示手段を介しての演出を制御する演出制御手段と、を備え、
前記演出制御手段は、演出に関する指示情報として予め用意されている第1のコマンドと、演出に関する情報が紐付けられた値とに基づき、前記第1のコマンドとは異なる第2のコマンドを生成し、前記第2のコマンドに基づいて、前記表示手段に演出を実行させることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、演出制御手段が、演出に関する指示情報として予め用意されている第1のコマンド(演出コマンド)と、演出に関する情報が紐付けられた値とに基づき、第1のコマンドとは異なる第2のコマンドを生成し、第2のコマンドに基づいて表示手段に演出を実行させる。演出に関する情報が紐付けられた値としては、例えば、演出で表示する画像の色情報が紐付けられた値や、演出でどの画像を変化(変動)させるかという情報が紐付けられた値等がある。このように、演出に関する指示情報として予め用意されている第1のコマンド(演出コマンド)と、演出に関する情報が紐付けられた値とに基づいて演出を実行させることで、多様な演出パターンに対応したすべての演出コマンドを予め用意する必要がなく、演出コマンドの数が増大するのを抑制できる。これにより、開発効率の低下や、記憶容量の圧迫という問題を回避できる。
【0009】
また、演出制御手段が、第1のコマンド(演出コマンド)と演出に関する情報が紐づけられた値とに基づき、第1のコマンドとは異なる第2のコマンドを生成し、この第2のコマンドに基づいて表示手段に演出を実行させる。演出制御手段が第2のコマンドを生成するため、表示装置、音響装置、照明装置、可動体駆動装置等の演出装置の演出を制御する各制御手段が、第2のコマンドを共通して用い、演出を制御できる。これにより、各制御手段が個別に第2のコマンドを生成して演出を制御するように構成する必要がなく、開発効率をさらに向上させることができる。
【0010】
また、本発明の前記構成において、前記演出制御手段は、状態管理を行う状態管理手段と、演出装置を管理するデバイス管理手段とを備え、前記状態管理手段には、演出内容を決定し、前記演出内容に基づいて前記第1のコマンドを生成し、前記第1のコマンドを前記デバイス管理手段に送信する場合と、演出に関する情報が紐付けられた値をカウンタコマンドとして生成し、前記カウンタコマンドを前記デバイス管理手段に送信する場合とがあり、前記第1コマンドおよび前記カウンタコマンドの両方を前記デバイス管理手段に送信するときは、前記カウンタコマンド、前記第1のコマンドの順に送信することを特徴とする。仮に、デバイス管理手段が、第1のコマンドより前にカウンタコマンドを受信していなかった場合、第1のコマンドのみに基づく演出が実行され、状態管理手段が決定した演出パターンが正確に実行されないおそれがあるが、状態管理手段が、カウンタコマンドを送信し、その後に演出コマンドを送信するようにすることで、デバイス管理手段によって、状態管理手段が決定した演出パターンが正確に実行されることとなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の遊技機によれば、演出の指示に係るコマンド数の増大を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図2】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図3】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
【
図4】同、小役の当選態様を説明するための図である。
【
図7】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
【
図10】同、カウンタ値の例を示すものであり、(a)は保留種別カウンタのカウンタ値を示す図であり、(b)は保留変化何個目カウンタのカウンタ値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機に適用されてもよい。
【0014】
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第一リール20a、第二リール20bおよび第三リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダルの払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0015】
上扉12aには、表示装置13、スピーカ14等の演出用の装置(演出装置)、および、表示窓16が設けられている。表示装置13は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置(演出装置)としては、表示装置13やスピーカ14の他にランプ(LED)等の照明装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
【0016】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機では、第一リール20aの中段と、第二リール20bの中段と、第三リール20cの中段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0017】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0018】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0019】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(
図2参照)が設けられている。
【0020】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0021】
図2に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて表示装置13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0022】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0023】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0024】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づきナビ演出を行うか否かを決定する。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいはナビ演出を行うか否かの決定に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。ナビ演出とは、ストップボタンの操作順序(打順)に関する報知(表示)である。また、ナビ演出を実行可能な演出状態としてAT演出状態(アシストタイム演出状態)が設けられている。AT演出状態においては、内部抽選の結果、打順によって特定役の入賞の有無が変わる結果となり、打順によって遊技者の得られる利益が異なるような場合に、ナビ演出として、遊技者にとって有利な打順が報知される。
【0025】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0026】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0027】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0028】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。具体的には、本実施形態の遊技機は、
図3に示す、内部抽選テーブル1~内部抽選テーブル3までの、3種類の内部抽選テーブルを含む複数の内部抽選テーブルを有している。内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0029】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。また、各乱数値には、1つの当選役が対応付けられているものと、複数の当選役が対応付けられているものとが存在する。したがって、内部抽選によって、1つの役が当選する場合と、複数の役が重複して当選する場合とが存在する。
【0030】
本実施形態の遊技機では、小役として、通常ベルA、ベルB、ベルC、特殊小役A1、特殊小役A2、特殊小役A3、特殊小役A4、特殊小役B、弱チェリー、強チェリーおよびスイカが用意されており、複数種類の小役が重複して当選する小役の当選態様として、打順ベル(打順ベル1~打順ベル8:第1当選態様)と、JAC1(第2当選態様)およびJAC2とが設定されている。
【0031】
打順ベルについて
図4を参照しながら具体的に説明すると、打順ベル1~打順ベル4は、
図4(a)に示すように、ベルAと、ベルBと、特殊小役A1~特殊小役A4のうちいずれか1種類と、特殊小役Bとが重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、打順ベル1~打順ベル4において、ベルAと、ベルBと、2種類の特殊小役とが重複して当選し、ベルAおよびベルBと重複して当選する2種類の特殊小役の組合せが異なっている。また打順ベル5~打順ベル8は、
図4(a)に示すように、ベルAと、ベルCと、特殊小役A1~特殊小役A4のうちいずれか1種類と、特殊小役Bとが重複して当選することを示している。このように本実施形態の遊技機では、打順ベル5~打順ベル8において、ベルAと、ベルCと、2種類の特殊小役とが重複して当選し、ベルAおよびベルCと重複して当選する2種類の特殊小役の組合せが異なっている。
【0032】
また、JACについて
図4を参照しながら具体的に説明すると、JAC1は、
図4(b)に示すように、ベルAと、ベルBと、ベルCと、特殊小役Bと、スイカと、弱チェリーと、強チェリーとが重複して当選することを示している。また、JAC2は、
図4(b)に示すように、特殊小役A1~特殊小役A4と、特殊小役Bと、ベルAとが重複して当選することを示している。
【0033】
また、本実施形態の遊技機では、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2において小役の当選確率が同一となっている。また、内部抽選テーブル1~3においてリプレイの当選確率が同一となっている。また、内部抽選テーブル3では、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2とは異なる態様で小役が当選するようになっている。そして、内部抽選テーブル1および内部抽選テーブル2では、打順ベル1~打順ベル8によってベルBとベルCが互いに重複せずに当選するようになっており、内部抽選テーブル3ではJAC1によってベルBとベルCが重複して当選するようになっている。
【0034】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしてビッグボーナス(BB)が用意されており、内部抽選テーブル1では、ビッグボーナスが抽選対象として設定されているが、内部抽選テーブル2および内部抽選テーブル3では、ビッグボーナスが抽選対象から除外されている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、第一種特別役物や、第二種特別役物に係る役物連続作動装置等であってもよい。また、ボーナスは一種類に限られず、複数のボーナスを搭載していてもよい。
【0035】
また、本実施形態の遊技機では、リプレイおよびボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されているが、重複して当選する場合が設定されていてもよい。例えば、リプレイとボーナスとが重複して当選する場合や、小役とボーナスとが重複して当選する場合や、複数種類のリプレイが重複して当選する場合等が設定されていてもよい。
【0036】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAM60aに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0037】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナスがある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役、およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ビッグボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0038】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると内部抽選テーブル1~3からなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0039】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0040】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0041】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が通常状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が通常演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0042】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0043】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第一リール20a~第三リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第一リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第二リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第三リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序によって、第一リール20a~第三リール20cの停止順序が変化する。
【0044】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第一停止操作」、2番目に行う停止操作を「第二停止操作」、3番目に行う停止操作を「第三停止操作」とする。
【0045】
また、以下では、第一リール20a、第二リール20b、第三リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第一リール20a、第三リール20c、第二リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第二リール20b、第一リール20a、第三リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第二リール20b、第三リール20c、第一リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第三リール20c、第一リール20a、第二リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第三リール20c、第二リール20b、第一リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。
【0046】
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0047】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0048】
また、打順ベル1~打順ベル8には、それぞれ正解打順と特定打順とが設定されており、正解打順および特定打順のいずれとも異なる順序が不正解打順として扱われる。特に本実施形態では、正解打順と特定打順とでは最初に停止させるべきリールが同一であり、2番目に停止させるリールにおいて正解打順であると判断される場合と特定打順であると判断される場合に分岐するようになっている。そして、いずれかの打順ベルが当選した場合に、最初に押下されたストップボタンの種類が正解打順および特定打順に対応している場合には、最初に停止するリールについてはメダルの払出数が最も多く、かつ有効ライン上に表示可能となる図柄組合せの数が最も多くなる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、2番目以降に停止するリールについては、有効ライン上に表示可能となる図柄組合せの数が最も多くなる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。また、いずれかの打順ベルが当選した場合に、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、最も多くの入賞形態を構成する図柄組合せを表示することができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0049】
そして本実施形態の遊技機では、いずれかの打順ベルが当選した場合に、特定打順でストップボタン26a~26cが押下されると、ベルAを入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、ベルBやベルCを入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように遊技順位が求められ、不正解打順でストップボタン26a~26cが押下されると、特殊小役A1~特殊小役A4や特殊小役Bを入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0050】
また、JAC1に当選した場合には、いずれの打順で遊技を行ってもベルBあるいはベルCを入賞させることができ、JAC2に当選した場合には、いずれの打順で遊技を行ってもベルAを入賞させることができるようになっている。
【0051】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0052】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0053】
本実施形態の遊技機では、
図5に示すように、ベルA、特殊小役A1~A4または特殊小役Bに入賞すると1枚のメダルが払い出され、ベルBまたはベルCに入賞すると7枚のメダルが払い出され、スイカに入賞すると3枚のメダルが払い出され、弱チェリーまたは強チェリーに入賞すると2枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0054】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ処理手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0055】
遊技状態制御手段49は、
図6に示すように、通常状態、ボーナス成立状態およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0056】
内部抽選手段42は、遊技状態に応じて
図3に示す内部抽選テーブルのうちから内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、通常状態では、ビッグボーナスが抽選対象に設定されている内部抽選テーブル1を参照して内部抽選を行う。また、ボーナス成立状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブル2を参照して内部抽選を行う。また、ボーナス状態では、ビッグボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブル3を参照して内部抽選を行う。なお、スロットマシン10は、リプレイの当選確率の異なる複数の内部抽選テーブルを備え、遊技状態制御手段49が、所定の契機で(例えば、所定の役の当選に基づいて)、リプレイの当選確率の異なる複数の遊技状態(RT状態)の間で遊技状態を移行させるようになっていてもよい。
【0057】
遊技状態は、初期状態においては、通常状態となっている。
また、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、通常状態においてビッグボーナスが当選した場合に、遊技状態をボーナス成立状態へ移行させる。
【0058】
ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
【0059】
ボーナス状態は、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。また、ボーナス状態では、ボーナス状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、定められた所定枚数(例えば、100枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ移行させる。
なお、本実施形態では、ボーナス状態の終了条件がメダルの払出数の合計によって定められているが、ボーナス状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって終了条件が定められていてもよい。またボーナス状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0060】
指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典抽選手段82とを備えている。
【0061】
遊技区間制御手段80は、
図7に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。非有利区間においては、特典抽選手段82が有利区間移行抽選を行い、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80が遊技区間を有利区間へ移行させる。また、有利区間は、遊技を行うことが可能な回数に上限値(ここでは、1500回とする)が設けられた遊技区間となっている。また、遊技区間が非有利区間に設定されている状態ではナビ演出(より正確には打順を指示するナビ演出)を行うことができず、有利区間に設定されている場合に限りナビ演出(打順を指示するナビ演出)を行うことができるようになっている。遊技区間制御手段80は、有利区間において遊技を行った回数が上限値である1500回に達すると有利区間を終了させ、遊技区間を非有利区間へ移行させる。
【0062】
特典抽選手段82は、非有利区間においては、スイカ、弱チェリーまたは強チェリーの当選に基づいて、有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。そして、有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。
【0063】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65に一回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値が閾値(上限値)「1500」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が1500回に設定されており、有利区間において1500回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0064】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ(図示せず)の値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、7枚のメダルの払い出しがあった場合には「7」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタの値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタへの加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタの記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタの値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタの値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタの値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタの値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタの値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0065】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初のナビ演出(打順を指示するナビ演出)を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0066】
演出状態制御手段81は、
図7に示すように、通常演出状態、チャンス演出状態およびAT演出状態(ナビ演出状態)を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0067】
通常演出状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態に設定している。通常演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典抽選手段が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態をチャンス演出状態に移行させる。
【0068】
チャンス演出状態においては、特典抽選手段82は、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行う。具体的には、特典抽選手段82は、チャンス演出状態において、スイカ、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合に、AT抽選を行う。
なお、チャンス演出状態は、AT演出状態への移行確率が通常演出状態よりも高く、通常演出状態よりも遊技者にとって有利な演出状態となっている。また、チャンス演出状態は、ナビ演出が行われる頻度がAT演出状態よりも低く、ナビ演出がほぼ行われないか、あるいは全く行われないようになっている。
【0069】
AT抽選に当選すると、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させることを決定する。AT抽選に当選し、演出状態をAT演出状態へ移行させることを決定した場合、演出状態制御手段81は、記憶手段60のRAMに設けられたAT遊技数カウンタ67の記憶値に所定の値を設定し、演出状態をAT演出状態へ移行させる。本実施形態においては、AT遊技数カウンタ67には、例えば50回分の遊技に相当する値として「50」が設定される。また、AT演出状態においては、特典抽選手段82は、スイカ、弱チェリーまたは強チェリーに当選した場合に、AT演出状態での遊技回数を増加させるか否か決定する(AT演出状態の継続期間を増加させるか否か決定する)抽選(上乗せ抽選)を行い、当該抽選結果に基づいて決定された遊技の回数に相当する値がAT遊技数カウンタ67に加算される。
なお、AT演出状態の開始時にAT遊技数カウンタ67に設定される値は、抽選等により決定されるものであってもよい。
【0070】
なお、通常演出状態からAT演出状態へ直接移行することがあるようにしてもよい。例えば、有利区間移行抽選において、単に有利区間(チャンス演出状態)への移行の可否を決定するのではなく、演出状態をAT演出状態に移行させるか、チャンス演出状態に移行させるか、それとも通常演出状態のまま移行させないか抽選することとしてもよい。
【0071】
演出状態制御手段81は、AT演出状態において遊技が行われる毎に、AT遊技数カウンタ64の記憶値から、一回分の遊技回数に相当する値「1」を減算するデクリメント処理を行う。そして、AT遊技数カウンタ67の記憶値が閾値「0」に達すると、AT演出状態の終了条件が成立したものと判断してAT演出状態を終了させ、演出状態を通常演出状態に移行させる。
【0072】
また、AT演出状態は、ボーナスの当選あるいは入賞に基づいて移行する遊技状態に応じて設定されるものであってもよい。例えば、遊技状態がボーナス成立状態である場合にAT演出状態に移行し、通常状態やボーナス状態においてはAT演出状態に移行しないようになっていてもよい。換言すると、通常状態やボーナス状態においては、例えば、AT抽選に当選したとしてもAT演出状態に移行させないこととしてもよく、また、AT抽選を行わないようにしてもよい。
【0073】
また、演出状態がAT演出状態であって遊技状態がボーナス成立状態であるときにボーナスに入賞した場合、このボーナスの入賞により移行するボーナス状態の終了後に通常状態を経由して再びボーナス成立状態に移行するまでの間、AT演出状態(AT遊技数カウンタ67の更新)を中断することとしてもよい。すなわち、ボーナスに入賞するとナビ演出を止め、再びボーナス成立状態に移行するとナビ演出を再開させるようにしてもよい。
【0074】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が通常区間に移行する際に、ナビ演出に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化するナビ情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタの記憶値、ATフラグ記憶領域66に記憶された情報等のナビ演出に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)、AT遊技数カウンタ67の記憶値、投入数記憶領域68の記憶値、払出数記憶領域69の記憶値等を初期化する。すなわち、ナビ演出(指示機能)に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示したナビ演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0075】
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合に、打順ベル1~打順ベル8のいずれかが当選すると、正解打順を報知してベルBやベルCの入賞を補助するナビ演出を表示装置13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。ナビ演出で報知された正解打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ずベルBまたはベルCが入賞して7枚のメダルを獲得することができるようになっている。
なお、ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器にも正解打順を示す情報が表示される。
【0076】
演出制御手段100は、サブ制御基板32(演出サブ制御手段70)の備える状態管理手段(演出決定手段)200とデバイス管理手段(演出実行手段)201とを有している(
図2参照)。状態管理手段200は、メイン制御基板31(演出メイン制御手段52)からの情報(コマンド)に基づいて、演出に関する抽選等を行い、演出を決定する。そして、状態管理手段200は、決定した演出を実行させるように、デバイス管理手段201に演出コマンド(演出メッセージ)を送信する。デバイス管理手段201は、状態管理手段200から送信された演出コマンドに基づいて、表示装置13等の演出装置を制御し、演出装置に演出を実行させる。なお、状態管理手段200が演出状態を管理してもよい。なお、演出コマンドは、演出装置に演出を実行させるためのコマンドであり、コマンドの送信契機(送信条件)と関連付けて、サブ側記憶手段72のコマンド記憶領域(ROM)に予め記憶されている。
【0077】
より詳細には、状態管理手段200は、状態管理を行い、メイン制御基板31から送信されたコマンドを解読し、そのコマンドに対応する演出パターン(演出の一連の流れを示す内容)(演出内容)を決定するとともに、この演出パターンに対応する演出コマンドを決定(生成)して、オペレーションバッファに追加する。ここで、演出コマンドには、デバイス管理手段201への出力タイミング、および、各デバイス(表示装置13、スピーカ14、その他の演出装置)の動作パターンが示されている。本実施の形態の演出コマンドには、各操作契機でどのような演出(動き)をするかを指示するパターンがある。そして、演出コマンドの出力タイミングを管理する時間管理モジュールは、オペレーションバッファに蓄積された各演出コマンドを、その出力タイミングに応じてデバイス管理手段201に送信する。すなわち、状態管理手段200は、オペレーションバッファを介してデバイス管理手段201に演出コマンドを送信するようになっている。デバイス管理手段201は、デバイス(演出装置)を管理し、受信した演出コマンドに基づいて演出装置に演出を実行させる。具体的には、例えば、デバイス管理手段201は、オペレーションバッファから受信した演出コマンドに基づいて、所定の演出パターンを実行するための画像データを、サブ側記憶手段72のROMからフレームバッファ(VRAM)に読み出し、画像データを、順次、表示装置13に出力する。また、例えば、デバイス管理手段201は、オペレーションバッファから受信した演出コマンドに基づいて所定の演出パターンを実行するように演出用の照明装置の点灯/消灯を制御する。また、例えば、デバイス管理手段201は、オペレーションバッファから受信した演出コマンドに基づいて、所定の演出パターンを実行するための楽曲データをサブ側記憶手段72のROMから読み出し、楽曲データを、順次、スピーカに出力する。
さらに、サブ制御基板32には、演出用のボタン(演出操作装置)が押下操作されたことを示す検出信号が入力される。演出操作装置から検出信号が入力されると、その旨が、状態管理手段200に伝達され、状態管理手段200は、かかる検出信号の入力に応じて、表示装置13に画像を表示する等、さまざまな演出を決定する。かかる状態管理手段200およびデバイス管理手段201が実行する処理は、いずれも割込に応じた処理(割込処理)であり、デバイスそれぞれに対応付けられた割込タイミングで実行される。
【0078】
なお、ここでは、状態管理手段200、デバイス管理手段201およびサブ側記憶手段72等の一連の機能部が、SoC(System-on-a-Chip)として1個の集積回路に集積されている。ただし、かかるSoCにいずれの機能部を集積するかは任意に設定することができる。また、状態管理手段200、デバイス管理手段201およびサブ側記憶手段72等の各機能部がそれぞれ異なる集積回路として集積され、電気的に接続されているとしてもよい。
【0079】
次に、表示装置(表示手段)13を介して行われる演出の一つである保留演出(図柄変動演出)について説明する。本実施の形態では、遊技状態が所定のボーナス状態「〇〇ボーナス」(〇〇は例えばキャラクタ名称を指す)である場合に、
図8に示す保留演出画像300が、特図(特別図柄)画像(図示せず)に加えて表示装置13に表示される。この保留演出画像300は、チャンス演出状態またはAT演出状態への移行期待度を示唆するために表示される。なお、ここでいうボーナス状態は、AT演出状態中における上乗せ抽選の当選確率が優遇されたいわゆる特化ゾーン(疑似ボーナス)であってもよい。
【0080】
保留演出画像300は、枠画像301と、最大で5個表示される保留画像302とを有している。枠画像301の内側には、横一列に左側から右側に向かって、保留表示領域311、保留表示領域312、保留表示領域313、保留表示領域314および保留表示領域315がこの順に形成されており、保留表示領域311~315のそれぞれは、保留画像302を表示可能な大きさを有している。なお、保留演出画像300は、枠画像301を有していないもの、すなわち、保留画像302のみからなるものであってもよい。
【0081】
遊技の開始に基づき(スタートレバー24に対する操作に基づき)、保留表示領域311の保留画像302が非表示となり(保留表示領域311の保留画像302が消化され)、保留表示領域312~315に表示されていた4個の保留画像302が左に1個シフトし、保留表示領域315に新たな保留画像302が表示される。換言すると、遊技の進行に伴って、保留表示領域315に表示されていた保留画像302が、保留表示領域314、保留表示領域313、保留表示領域312、保留表示領域311の順に移動していく。なお、保留画像302の表示数は、遊技状態「〇〇ボーナス」での残りゲーム数に応じて変動する。
【0082】
保留表示領域311は、スタートレバー24に対する操作に基づき開始される遊技(当該遊技という)において消化される保留画像302が表示される領域である。この保留表示領域311に表示されている保留画像302を「当該保留」という。また、保留表示領域312に表示されている保留画像302を、「待機1個目の保留画像302」という。また、保留表示領域313に表示されている保留画像302を、「待機2個目の保留画像302」という。また、保留表示領域314に表示されている保留画像302を、「待機3個目の保留画像302」という。また、保留表示領域315に表示されている保留画像302を、「待機4個目の保留画像302」という。
【0083】
1遊技が開始された際に、当該保留の保留画像302によって、その遊技における移行期待度が示唆される。また、待機1個目の保留画像302から待機4個目の保留画像302によって、当該遊技の次の遊技から、当該遊技の4遊技後の遊技までの移行期待度が示唆される。本実施の形態では、移行期待度の示唆は、保留画像302の色によって表される。保留画像302が通常(例えば白色)である場合に最も移行期待度が低く、エフェクトあり通常、青、緑、赤、金の順に移行期待度が高くなる。なお、エフェクトあり通常とは、例えば図柄の周囲が光る(発光する)エフェクトが施されているものをいう。以下、保留画像302の色を変化させること(エフェクトを施すことを含む)を保留変化という。なお、
図8では保留画像302を球形状(円形状)の図柄としているが、これに限らず任意の形状の図柄としてよい。また、保留変化は保留画像302の色を変化させるとともに、図柄自体を他の図柄へと変更するものであってもよい。すなわち保留変化とは図柄の変動をも含む概念である。
【0084】
また、上記では、スタートレバー24に対する操作に基づき、保留画像302がシフトするパターンを示したが、保留画像302がシフトしないパターンがあってもよい。すなわち、遊技の開始に基づき(スタートレバー24に対する操作に基づき)、当該保留の保留画像302のみが保留変化し、待機1個目から待機4個目の保留画像302がそのままの位置で表示され続けるものであってもよい。また、複数の遊技に亘って、当該保留の保留画像302のみが連続して保留変化するようにしてもよい。
【0085】
状態管理手段200は、スタートレバー24に対する操作、ストップボタン26a~26cの第三停止操作等を契機として、所定の演出コマンド(演出メッセージ)(演出に関する指示情報)(第1のコマンド)をデバイス管理手段201に送信する。演出コマンドは、演出装置に演出を実行させるためのコマンドであり、コマンドの送信契機(送信条件)と関連付けて、サブ側記憶手段72のコマンド記憶領域(ROM)に予め記憶(用意)されている。演出コマンドとしては、例えば、各操作契機でどのような演出(動き)をするかを指示するパターンが用意されている。
【0086】
図9は、演出コマンド(第1のコマンド)の一例を示す図である。
図9では、演出の一つである保留演出に関する指示情報(保留変化の演出コマンド)を示している。
図9において、〇には文字が入り、□は区切りを示している。
(A1)デバイス管理手段201は、演出コマンドA1、すなわち「〇〇ボーナス□保留玉□レバー_通常シフト」を受信すると、スタートレバー24に対する操作に基づき、保留画像302を所定方向(本実施の形態では左方向)に1個分移動させる。
(A2)デバイス管理手段201は、演出コマンドA2、すなわち「〇〇ボーナス□保留玉□レバー_通常シフト+当該保留変化」を受信すると、スタートレバー24に対する操作に基づき、保留画像302を左方向に1個分移動させるとともに、当該保留の保留画像302を保留変化させる。
(A3)デバイス管理手段201は、演出コマンドA3、すなわち「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化」を受信すると、第3停止操作に基づき、保留画像302を保留変化させる。
なお、演出コマンドは、表示装置13、音響装置(スピーカ14)、照明装置、演出物(可動体)駆動装置等の演出装置が反応する(演出装置を作動させる)コマンドである。また、演出コマンドは、どのような演出を演出装置に実行させるかを指示するコマンドともいえる。
【0087】
ここで、予め用意する演出コマンドについて説明する。仮に、演出コマンドA2に関連する演出コマンドとして、「〇〇ボーナス□保留玉□レバー_通常シフト+当該保留変化(通常からエフェクトあり通常へ)」、「〇〇ボーナス□保留玉□レバー_通常シフト+当該保留変化(通常から青へ)」、「〇〇ボーナス□保留玉□レバー_通常シフト+当該保留変化(通常から緑へ)」…のように、通常から他の色への変化や、エフェクトあり通常から他の色への変化、青から他の色への変化、緑から他の色への変化、赤から他の色への変化、金から他の色への変化の全パターンを予め用意しておくことが考えられる。
【0088】
また、演出コマンドA3に関連する演出コマンドとして、「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化待機1個目(通常からエフェクトあり通常へ)」、「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化待機1個目(通常から青へ)」、「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化待機1個目(通常から緑へ)」、…「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化待機2個目(通常からエフェクトあり通常へ)」、「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化待機2個目(通常から青へ)」、「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化待機2個目(通常から緑へ)」…のように、待機1個目から待機4個目のそれぞれについて、通常から他の色への変化、エフェクトあり通常から他の色への変化、青から他の色への変化、緑から他の色への変化、赤から他の色への変化、金から他の色への変化の全パターンを予め要しておくことが考えられる。
【0089】
しかし、保留演出を実現するにあたり、上記のようにすべてのパターンの演出コマンドを予め用意する場合、その数が膨大な数となり複雑化してしまう。これは開発効率の低下という問題や、記憶容量(サブ側記憶手段72)の圧迫という問題を招くこととなる。そこで、本実施の形態では、多様な演出パターンに対応したすべての演出コマンドを予め用意することなく保留演出を実現する。
【0090】
本実施の形態では、状態管理手段200が、所定の契機で、後述するカウンタコマンド(カウンタメッセージ)を、デバイス管理手段201に送信する。デバイス管理手段201は、状態管理手段200から受信した演出コマンドとカウンタコマンドとに基づき、演出(保留演出)を実行する。
【0091】
状態管理手段200は、スタートレバー24に対する操作、ストップボタン26a~26cの第三停止操作等を契機として、カウンタコマンドをデバイス管理手段201に送信する。なお、デバイス管理手段201は、所定の契機で送信されるカウンタコマンドを演出コマンドよりも先に受信する。換言すると、状態管理手段200には、演出内容を決定し、演出内容に基づいて演出コマンド(第1のコマンド)を生成し、演出コマンドをデバイス管理手段201に送信する場合と、演出に関する情報が紐付けられた値をカウンタコマンドとして生成し、カウンタコマンドをデバイス管理手段201に送信する場合とがあり、状態管理手段200は、演出コマンドおよびカウンタコマンドの両方をデバイス管理手段201に送信するときは、カウンタコマンド、演出コマンドの順に送信するようになっている。仮に、デバイス管理手段201が、演出コマンドより前にカウンタコマンドを受信していなかった場合、演出コマンドのみに基づく演出が実行され、状態管理手段200が決定した演出パターンが正確に実行されないおそれがあるが、状態管理手段200が、カウンタコマンドを送信し、その後に演出コマンドを送信するようにすることで、デバイス管理手段201によって、状態管理手段200が決定した演出パターンが正確に実行されることとなる。
【0092】
カウンタコマンドとは、カウンタのカウンタ値(カウンタに設定されている値)(カウンタに設定される値)を、デバイス管理手段201に知らせるものである。換言すると、カウンタ値は、カウンタコマンドに含まれて送られる情報である。カウンタ(本実施の形態では保留変化のカウンタ)とは、例えば0~6(あるいは0~4)のいずれかの数値を取り得るもので、本実施の形態では、この数値のそれぞれに演出(保留演出)に関する情報が紐付けられている。
【0093】
状態管理手段200は、例えば遊技の結果、内部抽選の結果、演出に関する抽選の結果等に基づいてカウンタ値を適宜決定する。状態管理手段200は、カウンタ値を、所定の契機で、カウンタコマンドとして送信する。なお、カウンタは少なくとも一時的に、サブ側記憶手段72のカウンタ記憶領域(RAM)に記憶されるようになっている。カウンタ(保留変化のカウンタ)は、保留の何個目が何色であるかを判別できるように、1種類または複数種類存在する。本実施の形態では、2種類のカウンタ、すなわち保留種別カウンタと保留変化何個目カウンタとが存在する場合について説明する。
【0094】
図10(a)は、保留種別カウンタが取り得るカウンタ値の一例を示す図である。「0」から「6」はカウンタ値であり、カウンタコマンドとして送信される情報である。「0」は、保留画像302の通常表示(例えば白色)に対応している。「1」は、保留画像302を通常表示(例えば白色)とし、その周囲にエフェクト(例えば図柄の周囲を光らせるエフェクト)を施す表示に対応している。「2」は、保留画像302の青色表示に対応している。「3」は、保留画像302の緑色表示に対応している。「4」は、保留画像302を赤色表示に対応している。「5」は、保留画像302の金色表示に対応している。「6」は、保留画像302を表示しないことに対応している。
【0095】
なお、保留種別カウンタが変化前(保留変化前)と変化後(保留変化後)の2種類用意されていて、それぞれのカウンタに対応するカウンタコマンドが送信されるようにしてもよい。換言すると、変化前の保留種別カウンタに対応するカウンタコマンドと、変化後の保留種別コマンドに対応するカウンタコマンドと、保留変化何個目カウンタに対応するカウンタコマンドとが送信されるようにしてもよい。
【0096】
図10(b)は、保留変化何個目カウンタが取り得るカウンタ値の一例を示す図である。「0」から「4」はカウンタ値であり、カウンタコマンドとして送信される情報である。「0」は、保留変化させる保留画像302がないことに対応している。「1」は、待機1個目(保留表示領域312に表示されている保留画像302)を保留変化させることに対応している。「2」は、待機2個目(保留表示領域313に表示されている保留画像302)を保留変化させることに対応している。「3」は、待機3個目(保留表示領域314に表示されている保留画像302)を保留変化させることに対応している。「4」は、待機4個目(保留表示領域315に表示されている保留画像302)を保留変化させることに対応している。
【0097】
本実施の形態では、デバイス管理手段201は、カウンタコマンドと演出コマンドとに基づき(参照して)、書換えコマンド(第2のコマンド)(デバイス書換えメッセージ)に変換し、書換えコマンドを受信したものとして、書換えコマンドを解析し実行する。デバイス管理手段201は、カウンタコマンドと演出コマンドとに基づき、書換えコマンドを生成しているともいえる。
【0098】
図11は、書換えコマンド(第2のコマンド)の一例を示す図である。
(B1)デバイス管理手段201は、
図9に示す演出コマンドA2を受信し、その直前に受信したカウンタコマンドにおける変化後保留種別カウンタのカウンタ値が「1」であった場合に、書換えコマンドB1「〇〇ボーナス□保留玉□レバー_通常シフト+当該保留変化(エフェクトあり通常へ)$Dev専用$」を生成する(書換えコマンドB1に変換する)。そして、デバイス管理手段201は、書換えコマンドB1を解析して実行する。換言すると、デバイス管理手段201は、書換えコマンドB1が示す指示情報に基づいて演出装置を制御する。すなわち、スタートレバー24に対する操作に基づき、保留画像302を左方向に1個分移動させるとともに、当該保留の保留画像302をエフェクトあり通常に変化させる。
【0099】
(B2)デバイス管理手段201は、
図9に示す演出コマンドA2を受信し、その直前に受信したカウンタコマンドにおける変化後保留種別カウンタのカウンタ値が「2」であった場合に、書換えコマンドB2「〇〇ボーナス□保留玉□レバー_通常シフト+当該保留変化(青へ)$Dev専用$」を生成する。そして、デバイス管理手段201は、書換えコマンドB2を解析して実行する。換言すると、デバイス管理手段201は、書換えコマンドB2が示す指示情報に基づいて演出装置を制御する。すなわち、スタートレバー24に対する操作に基づき、保留画像302を左方向に1個分移動させるとともに、当該保留の保留画像302を青色に変化させる。
【0100】
(C1)デバイス管理手段201は、
図9に示す演出コマンドA3を受信し、その直前に受信したカウンタコマンドにおける変化後保留種別カウンタのカウンタ値が「1」であり、保留変化何個目カウンタのカウンタ値が「1」であった場合に、書換えコマンドC1「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化待機1個目(エフェクトあり通常へ)$Dev専用$」を生成する。そして、デバイス管理手段201は、書換えコマンドC1を解析して実行する。換言すると、デバイス管理手段201は、書換えコマンドC1が示す指示情報に基づいて演出装置を制御する。すなわち、第3停止操作に基づき、待機1個目の保留画像302をエフェクトあり通常に変化させる。
(C2)デバイス管理手段201は、
図9に示す演出コマンドA3を受信し、その直前に受信したカウンタコマンドにおける変化後保留種別カウンタのカウンタ値が「2」であり、保留変化何個目カウンタのカウンタ値が「1」であった場合に、書換えコマンドC2「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化待機1個目(青へ)$Dev専用$」を生成する。そして、デバイス管理手段201は、書換えコマンドC2を解析して実行する。換言すると、デバイス管理手段201は、書換えコマンドC2が示す指示情報に基づいて演出装置を制御する。すなわち、第3停止操作に基づき、待機1個目の保留画像302を青色に変化させる。
【0101】
(D1)デバイス管理手段201は、
図9に示す演出コマンドA3を受信し、その直前に受信したカウンタコマンドにおける変化後保留種別カウンタのカウンタ値が「1」であり、保留変化何個目カウンタのカウンタ値が「2」であった場合に、書換えコマンドD1「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化待機2個目(エフェクトあり通常へ)$Dev専用$」を生成する。そして、デバイス管理手段201は、書換えコマンドD1を解析して実行する。換言すると、デバイス管理手段201は、書換えコマンドD1が示す指示情報に基づいて演出装置を制御する。すなわち、第3停止操作に基づき、待機2個目の保留画像302をエフェクトあり通常に変化させる。
(D2)デバイス管理手段201は、
図9に示す演出コマンドA3を受信し、その直前に受信したカウンタコマンドにおける変化後保留種別カウンタのカウンタ値が「2」であり、保留変化何個目カウンタのカウンタ値が「2」であった場合に、書換えコマンドD2「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化待機2個目(青へ)$Dev専用$」を生成する。そして、デバイス管理手段201は、書換えコマンドD2を解析して実行する。換言すると、デバイス管理手段201は、書換えコマンドD2が示す指示情報に基づいて演出装置を制御する。すなわち、第3停止操作に基づき、待機2個目の保留画像302を青色に変化させる。
【0102】
なお、デバイス管理手段201は、例えば書換えコマンドD2を生成する際に、カウンタコマンドの変化前保留種別カウンタのカウンタ値「1」をさらに参照し、「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化待機2個目(エフェクトあり通常から青へ)$Dev専用$」と変換してもよい。すなわち、変化前保留種別カウンタのカウンタ値が示す内容を、書換えコマンドに反映してもよい。
【0103】
また、カウンタコマンドに含まれるカウンタ値を15ビットで表してもよい。その場合、例えば、上位から下位に向かう3ビットずつが保留表示領域311~315を表すものとし、保留種別カウンタの「0:通常」を3ビットで「000」、「1:エフェクトあり通常」を「001」、「2:青」を「010」、「3:緑」を「011」、「4:赤」を「100」、「5:金」を「101」とする。
【0104】
例えば、デバイス管理手段201は、
図9に示す演出コマンドA3を受信し、その直前に受信したカウンタコマンドにおける変化後保留種別カウンタのカウンタ値が「000000000000001」であり、保留変化何個目カウンタのカウンタ値が「4」であった場合に、書換えコマンド「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化待機4個目(エフェクトあり通常へ)$Dev専用$」を生成する。
【0105】
また、例えば、デバイス管理手段201は、
図9に示す演出コマンドA3を受信し、その直前に受信したカウンタコマンドにおける変化前保留種別カウンタのカウンタ値が「000000000000000」であり、変化後保留種別カウンタのカウンタ値が「000000000010001」であり、保留変化何個目カウンタのカウンタ値が「3」「4」であった場合に、書換えコマンド「〇〇ボーナス□保留玉□3停止_保留変化待機3個目(青へ)_保留変化待機4個目(エフェクトあり通常へ)$Dev専用$」を生成する。
【0106】
なお、
図9では、演出コマンドA2(当該保留変化)を設ける例を示した。「当該保留」は、現在の遊技についての確定的な移行期待度を報知するものであり、先の遊技についてのまだ確定していない移行期待度を報知する他の保留とは異なる。このため、「当該保留」については誤表示を確実に防止し保守性を向上させる観点から、演出コマンドA2を設けている。ただし、例えばその保守性が担保されている場合等には、演出コマンドA2を設けずに他の保留と同様に構成してもよい。すなわち、
図10(b)に示す保留変化何個目カウンタのカウンタ値に「5」を設ける。「5」は、当該保留(保留表示領域311に表示されている保留画像302)を保留変化させることに対応している。
【0107】
例えば、デバイス管理手段201は、
図9に示す演出コマンドA1を受信し、その直前に受信したカウンタコマンドにおける変化後保留種別カウンタのカウンタ値が「1」であり、保留変化何個目カウンタのカウンタ値が「5」であった場合に、書換えコマンドB1を生成する。そして、デバイス管理手段201は、書換えコマンドB1を解析して実行し、スタートレバー24に対する操作に基づき、保留画像302を左方向に1個分移動させるとともに、当該保留の保留画像302をエフェクトあり通常に変化させる。このように構成することで演出コマンドの数をさらに減らすことができ、開発効率の低下や、記憶容量の圧迫という問題を回避できる。
【0108】
本実施の形態によれば、デバイス管理手段201は、演出に関する指示情報として予め用意されている演出コマンド(第1のコマンド)と、演出に関する情報が紐付けられた値(カウンタ値)とに基づき表示装置13に演出を実行させる。このため、多様な演出パターンに対応したすべての演出コマンドを予め用意する必要がなく、演出コマンドの数が増大するのを抑制できる。すなわち、演出コマンドをすべて用意する場合に比べて、演出コマンドの構成を簡便な構成とすることができる。これにより、開発効率の低下や、記憶容量の圧迫という問題を回避できる。
【0109】
なお、本実施の形態では、演出の一つ(特定の演出)として保留演出を行う場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、ストップボタン26a~26cの打順が報知されるナビ演出や、演出ボタン等の操作指示が報知される演出等の他の演出を行う場合に、上述のように構成し、演出コマンド数の増大を抑えてもよい。すなわち、ナビ演出等の他の演出でも、多様な演出パターンに対応したすべての演出コマンドを予め用意しなくてよい。これにより、開発効率の低下や、記憶容量の圧迫という問題を回避できる。
【0110】
また、本実施の形態では、デバイス管理手段201が、演出コマンド(第1のコマンドと、演出に関する情報が紐付けられた値(カウンタ値)とに基づき、演出コマンドとは異なる書換えコマンド(第2のコマンド)を生成し、この書換えコマンドに基づいて表示装置13に演出を実行させる。サブ制御基板32(デバイス管理手段201)は、表示装置13を制御する表示制御手段、音響装置(スピーカ14)を制御する音響制御手段、照明装置を制御する照明制御手段、可動体(可動役物)を制御する可動体制御手段等を備え、演出装置の各制御手段が、上記の書換えコマンドを共通して用い、各演出装置を制御する(作動させる)ことができる。これにより、各制御手段が個別に書換えコマンドを生成して演出を制御するように構成する必要がなく、開発効率をさらに向上させることができる。
【0111】
また、デバイス管理手段201が生成した書換えコマンドは、演出コマンドに含まれる情報およびカウンタコマンドに含まれる情報等を一つにまとめた情報ということもできる。この書換えコマンドを各制御手段が共通して用いることで、各制御手段が個別に情報をまとめて書換えコマンドを生成し、制御に関する判断を行うように構成する必要がなくなる。
【0112】
また、上述では、デバイス管理手段201が、カウンタコマンドの変化前保留種別カウンタのカウンタ値が示す内容を、書換えコマンドに反映してもよい旨の説明をした。例えば、各演出装置を制御する各制御手段の中に、変化前の情報を必要とする制御手段がある場合、デバイス管理手段201がそのような書換えコマンドを生成するように構成すればよい。
【0113】
また、上述では、カウンタコマンドに含まれるカウンタ値について、
図10において、保留種別カウンタと保留変化何個目カウンタが取り得るカウンタ値を示した。次に、獲得ポイントカウンタについて説明する。獲得ポイントカウンタは、例えば、通常時の成立役に応じて行われる抽選により獲得したポイントを累積する。獲得ポイントカウンタは、例えば0~1000のカウンタ値を取り得る。状態管理手段200は、所定の契機で、カウンタ値を含むカウンタコマンドをデバイス管理手段201に送信する。また、状態管理手段200は、カウンタコマンド送信後に、所定の契機で、演出コマンドJ「獲得ポイント表示(1桁)」をデバイス管理手段201に送信する。
デバイス管理手段201は、演出コマンドJを受信し、その前にカウンタコマンドを受信している場合であって、カウンタコマンドのカウンタ値が2桁以上である場合には、以下の書換えコマンドを生成する。すなわち、デバイス管理手段201は、受信したカウンタコマンドのカウンタ値が2桁であれば、書換えコマンドK「獲得ポイント表示(2桁)$Dev専用$」を生成する。また、受信したカウンタコマンドのカウンタ値が3桁であれば、書換えコマンドL「獲得ポイント表示(3桁)$Dev専用$」を生成する。また、受信したカウンタコマンドのカウンタ値が4桁であれば、書換えコマンドM「獲得ポイント表示(4桁)$Dev専用$」を生成する。そして、デバイス管理手段201は、生成した書換えコマンドを解析して実行する。例えば書換えコマンドKの場合、デバイス管理手段201は、2桁の獲得ポイントの画像を表示装置13に表示させる。なお、本例では、獲得ポイントの場合における構成について説明したが、上乗せゲーム数や上乗せ枚数等の場合に同様の構成としてもよい。
【0114】
次に、4分割ルーレット演出カウンタについて説明する。4分割ルーレット演出カウンタが取り得るカウンタ値はA~Dであり、Aには「×(ハズレ)」、Bには「CHANCE」、Cには「×(ハズレ)」、Dには「CHANCE」が演出に関する情報として紐付けられている。状態管理手段200は、所定の契機で、カウンタ値を含むカウンタコマンドをデバイス管理手段201に送信する。また、状態管理手段200は、カウンタコマンド送信後に、第一停止操作を契機として演出コマンドS「Aを破壊」を、第二停止操作を契機として演出コマンドT「Bを破壊」を、第三停止操作を契機として演出コマンドU「Cを破壊してDが残る」を、デバイス管理手段201に送信する。
デバイス管理手段201は、演出コマンドUを受信し、その前にカウンタ値がDであるカウンタコマンドを受信している場合、書換えコマンドV「3停後Dに画面をアップ(CHANCEロゴ)$Dev専用$」を生成する。デバイス管理手段201は、まず演出コマンドUを解析して実行し、Cの破壊の画像を少し表示して(ウェイトで待って)から、書換えコマンドVを解析して実行し、D(CHANCEロゴ)の画像を表示する。なお、書換えコマンドVの代わりに書換えコマンドW「3停後Cを消してDに画面をアップ(CHANCEロゴ)$Dev専用$」を生成し、デバイス管理手段201が、演出コマンドUを解析して実行することなく、書換えコマンドWを解析して実行するようにしてもよい。
【0115】
これらの例によれば、デバイス管理手段201は、演出に関する指示情報として予め用意されている演出コマンド(第1のコマンド)と、演出に関する情報が紐付けられた値(カウンタ値)とに基づき表示装置13に演出を実行させる。このため、多様な演出パターンに対応したすべての演出コマンドを予め用意する必要がなく、演出コマンドの数が増大するのを抑制できる。すなわち、演出コマンドをすべて用意する場合に比べて、演出コマンドの構成を簡便な構成とすることができる。これにより、開発効率の低下や、記憶容量の圧迫という問題を回避できる。
【0116】
上述では、カウンタコマンドと演出コマンドとに基づき書換えコマンドを生成する場合について説明したが、書換えコマンド生成の別の例について説明する。
サブ制御基板32は、演出状態の一つである演出ステージ状態を管理している。演出ステージ状態は、少なくとも一時的に、サブ側記憶手段72の記憶領域(RAM)に記憶されている。演出ステージ状態としては、例えば、学校、公園、神社等がある。デバイス管理手段201は、演出ステージ状態「学校」で、状態管理手段200から演出コマンドX(ステージ共通□A演出□予告音)や、演出コマンドY(ステージ共通□B演出□予告音)を受信すると、書換えコマンドZ(学校ステージ□共通演出□予告音)に変換(書換えコマンドZを生成)し、書換えコマンドZを受信したものとして、書換えコマンドZを解析して実行する。このため、演出装置の各制御手段が、書換えコマンドZを共通して用い、各演出装置を制御する(作動させる)ことができる。これにより、各制御手段が個別に書換えコマンドZを生成して演出を制御するように構成する必要がなく、開発効率をさらに向上させることができる。
【符号の説明】
【0117】
10 スロットマシン(遊技機)
13 表示手段
100 演出制御手段