(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】熱交換器およびそのモジュール
(51)【国際特許分類】
F28F 3/00 20060101AFI20220412BHJP
F28D 9/02 20060101ALI20220412BHJP
F28F 3/06 20060101ALI20220412BHJP
F28F 3/08 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
F28F3/00 311
F28D9/02
F28F3/06 Z
F28F3/08 311
(21)【出願番号】P 2019515861
(86)(22)【出願日】2017-10-03
(86)【国際出願番号】 IL2017051120
(87)【国際公開番号】W WO2018069919
(87)【国際公開日】2018-04-19
【審査請求日】2020-10-01
(32)【優先日】2016-10-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519095131
【氏名又は名称】マゲン エコ エナジー エー.シー.エス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】コーエン,ロテム
(72)【発明者】
【氏名】プラスケス,ミシェル ベン ガブリエル
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-178471(JP,A)
【文献】特開2000-088297(JP,A)
【文献】特開2010-190561(JP,A)
【文献】実開昭61-008779(JP,U)
【文献】特表2007-534555(JP,A)
【文献】特開平07-305990(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0267085(US,A1)
【文献】国際公開第2011/084613(WO,A2)
【文献】スイス国特許発明第00129087(CH,A)
【文献】独国特許出願公開第102009013280(DE,A1)
【文献】英国特許出願公開第02472782(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 3/00
F28D 9/02
F28F 3/06
F28F 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それから熱交換器を構成するためのモジュールであって、前記モジュールは、
・2つのマニホルドと、
・前記マニホルド間に広がる複数の平行に配置されたマットであって、各マットは、平面を画定するように配置された複数の熱交換チューブを備え、前記熱交換チューブは、前記マニホルドと流体連通しかつ前記マニホルドの間に広がり、各マット内のチューブは、それらの間に間隔を空けながら互いに離間され、前記間隔のそれぞれは、前記平面に対して垂直な方向の、前記マットのうちの他のものの1つ以上のチューブの突起と重なるように配置される、マットと、
を備え、
各マット内の間隔の大部分が同じサイズのものであり、前記マットのそれぞれが異なるサイズの1つ以上の予備間隔をさらに備え、
前記マニホルドの少なくとも一方が、前記マットのうちの1つ以上を他のマットのチューブから選択的に流体的に隔離することを促すように構成された分割構造を備え
、
前記予備間隔が、それらのそれぞれのチューブの一端に配置された末端チューブに隣接して形成され、
前記マットが、隣接するマットの末端チューブが互いにその交互の側にあるように配置される、モジュール。
【請求項2】
前記分割構造が、前記マットを画定する平面と平行な平面に沿って前記マニホルドの内部流体チャンバを分割するように構成される、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
前記分割構造が、前記マニホルドの内面上に1対以上の対向して配置されたスロットを備え、それらの間に広がる仕切りを受け入れるように構成される、請求項1および2のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項4】
前記スロットが前記マニホルドの長さに沿って長手方向に延びる、請求項3に記載のモジュール。
【請求項5】
各マットが、前記チューブのそれぞれを把持してその位置を維持するように構成された支持要素をさらに備え、前記支持要素のそれぞれは、それらの末端チューブがそれらの同じ側にある状態で前記マットが互いに重なる構成を排除するように、隣接するマットの支持要素にしっかりと接続されるようにさらに構成される、請求項
1に記載のモジュール。
【請求項6】
前記支持要素が、剛性接続を促すために隣接する支持要素の連結構造と協働するように構成された連結構造を備える、請求項
5に記載のモジュール。
【請求項7】
前記連結構造がタブおよびスロットを備える、請求項
6に記載のモジュール。
【請求項8】
前記予備間隔が前記間隔の大部分よりも小さい、請求項1乃至
7のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項9】
前記マットのそれぞれが2つの隣接する予備間隔を備える、請求項
8に記載のモジュール。
【請求項10】
前記間隔のそれぞれが、前記平面に対して垂直な方向の、隣接するマットのチューブの突起と重なるように配置される、請求項1乃至
9のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項11】
前記間隔のそれぞれが前記突起と完全に重なる、請求項1乃至
10のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項12】
各マットが、それと同一平面上にかつ前記チューブを横切って配置された1つ以上の支持要素を備え、前記支持要素が、前記チューブのそれぞれを把持してその位置を維持するように構成され、前記支持要素のそれぞれは、隣接するマットの支持要素に強固に接続されるようにさらに構成される、請求項1乃至
11のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項13】
前記支持要素が、剛性接続を促すために隣接する支持要素の連結構造と協働するように構成された連結構造を備える、請求項
12に記載のモジュール。
【請求項14】
前記連結構造が隣接する支持要素とのスナップ接続を促す、請求項
13に記載のモジュール。
【請求項15】
前記連結構造がタブおよびスロットを備える、請求項
13および
14のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項16】
請求項1乃至
15のいずれか一項に記載の1つ以上のモジュールを備える熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は熱交換器に関する。特に、本開示は、モジュール式に組み立てることができる熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器は熱を放出および/または捕捉するために多様な用途で一般的に使用される。熱交換器は、複数のパイプまたはチューブを含み得るものであり、それら複数のパイプまたはチューブはその中を流れる熱交換流体を含み、より高いまたは低い温度の環境にさらされる。熱交換流体がチューブを流れるとき、その温度は環境の温度により近づけられ、それによって、それを必要な設計に従って冷却または加熱する。
【発明の概要】
【0003】
本開示の主題の一態様によれば、それから熱交換器を構成するためのモジュールであって、
・2つのマニホルド、および
・それらマニホルド間に広がる複数の平行に配置されたマットであって、各マットは平面を画定するように配置された複数の熱交換チューブを含み、熱交換チューブはマニホルドと流体連通しマニホルドの間に広がる、複数の平行に配置されたマットを備え、
マニホルドのそれぞれは、その対向端部に形成された選択的にシール可能な端部開口部であって、チューブに対して実質的に垂直でありかつチューブによって画定される平面と平行な長手方向流路を画定する選択的にシール可能な端部開口部を含み、
マニホルドのそれぞれは、その対向側面の選択的にシール可能な側面開口部であって、長手方向流路に対しておよびチューブによって画定される平面に対して実質的に垂直な横方向流路をそれぞれ画定する選択的にシール可能な側面開口部をさらに備える、
モジュールが提供される。
【0004】
マットのそれぞれは、チューブをマニホルドと流体連通させるように構成された2つのヘッダーであって、それぞれチューブとマニホルドのうちの一方との間に接続されるように構成された2つのヘッダーをさらに備えることができる。
【0005】
ヘッダーはチューブの上にオーバーモールドされてもよい。
【0006】
ヘッダーは位置決め特徴部を含むことができ、そのそれぞれは隣接するヘッダーの対応する位置決め特徴部と協働してその位置決めを容易にするように構成される。
【0007】
側面開口部のそれぞれは、同一のマニホルドの側面リップと位置合わせした状態に配置されるように構成された側面リップによって画定されてもよい。
【0008】
端部開口部のそれぞれは、同一のマニホルドの端部リップと位置合わせした状態に配置されるように構成された端部リップによって画定されてもよい。
【0009】
モジュールは、それをシールするために側面および端部開口部のうちの1つまたは複数に選択的に接続されるように構成されたキャップをさらに備えることができる。
【0010】
本開示の主題の別の態様によれば、それから熱交換器を構成するためのモジュールであって、
・2つのマニホルド、および
・それらマニホルド間に広がる複数の平行に配置されたマットであって、各マットは平面を画定するように配置された複数の熱交換チューブを含み、熱交換チューブはマニホルドと流体連通しマニホルドの間に広がる、複数の平行に配置されたマットを含み、
マニホルドの少なくとも1つは、マットの1つまたは複数を他のマットのチューブから選択的に流体的に隔離することを容易にするように構成された分割構造を含む、
モジュールが提供される。
【0011】
分割構造は、マットを画定する平面と実質的に平行な平面に沿ってマニホルドの内部流体チャンバを分割するように構成されてもよい。
【0012】
分割構造は、マニホルドの内面上の、対向して配置されたスロットの1つまたは複数のペアであって、それらの間に広がる仕切りを受け入れるように構成されたスロットの1つまたは複数のペアを含んでもよい。スロットはマニホルドの長さに沿って長手方向に延びてもよい。
【0013】
本開示の主題のさらなる態様によれば、それから熱交換器を構築するためのモジュールであって、
・2つのマニホルド、および
・それらマニホルド間に広がる複数の平行に配置されたマットであって、各マットは平面を画定するように配置された複数の熱交換チューブであって、それらの間に間隔が生まれるように互いに離間された複数の熱交換チューブを含み、熱交換チューブはマニホルドと流体連通しマニホルドの間に広がる、複数の平行に配置されたマットを含み、
間隔のそれぞれは、平面に対して垂直な方向の、他のマットの1つまたは複数のチューブの突起と重なるように配置される、
モジュールが提供される。
【0014】
各マットの間隔の大部分は同じ大きさであってもよく、マットのそれぞれは異なる大きさの、例えばより小さい、1つまたは複数の、例えば2つの予備間隔をさらに含む。
【0015】
予備間隔は、それらのそれぞれのチューブの一端に配置された末端チューブに隣接して形成することができる。
【0016】
マットは、隣接するマットの末端チューブが互いにその交互の側にあるように配置されてもよい。各マットは、各チューブを把持してその位置を維持するように構成された支持要素をさらに備えることができ、各支持要素は、それらの末端チューブが同じ側にある状態でマットが互いに重なる構成を排除するように隣接するマットの支持要素にしっかりと接続されるようにさらに構成される。支持要素はそれぞれ、剛性接続を促すために隣接する支持要素の連結構造と協働するように構成された連結構造を備えることができる。連結構造はタブおよびスロットを含み得る。
【0017】
各間隔は、平面に対して垂直な方向の、隣接するマットのチューブの突起と重なるように配置されてもよい。各間隔は突起と完全に重なってもよい。
【0018】
本開示の主題のなおさらなる態様によれば、それから熱交換器を構築するためのモジュールであって、
・2つのマニホルド、および
・それらマニホルド間に広がる複数の平行に配置されたマットであって、各マットは平面を画定するように配置された複数の熱交換チューブを含み、熱交換チューブはマニホルドと流体連通しマニホルドの間に広がる、複数の平行に配置されたマットを含み、
各マットは、それと同一平面上にかつチューブを横切って配置された1つまたは複数の支持要素を含み、支持要素は、各チューブを把持してその位置を維持するように構成され、支持要素のそれぞれは、隣接するマットの支持要素にしっかり接続されるようにさらに構成される、
モジュールが提供される。
【0019】
支持要素は、剛性接続を促すために隣接する支持要素の連結構造と協働するように構成された連結構造をそれぞれ備えることができる。
【0020】
連結構造は、隣接する支持要素とのスナップ接続を促すことができる。
【0021】
連結構造はタブおよびスロットを含むことができる。
【0022】
前述の態様のうちのいずれかに従うモジュールは、他の前述の態様のうちのいずれか1つまたは複数に従って、その任意選択の特徴を含んで提供されてもよいことは認識されよう。
【0023】
本開示の主題のなおさらなる態様によれば、上記のような1つまたは複数のモジュールを含む熱交換器が提供される。
【0024】
本発明を理解するためにおよび本発明が実際にどのように実行され得るかを理解するために、ここで添付図面を参照して単に非限定的な例として実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】本開示の主題による、熱交換モジュールの斜視図である。
【
図1B】
図1Aに示されるモジュールから作製された熱交換器の斜視図である。
【
図2】
図1Aに示されるモジュールのマットである。
【
図4A】
図2に示されるマットの支持要素の正面図である。
【
図4B】互いに接続された
図4Aに示される支持要素のいくつかの正面図である。
【
図5】
図1Aに示されるモジュールのマニホルドの斜視図である。
【
図8C】モジュールに取り付けられた、モジュールに固定される前の
図8Aおよび8Bに示される流れ遮断装置の断面近接図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1Aに示すように、例えば
図1Bにおいて12で示されるような熱交換器を構成するための全体的に10で示される熱交換モジュールが提供される。各モジュール10は、その各端部でマニホルド22に接続された複数のマット20を含む。モジュール10の要素は、任意の適切な材料から作製することができる。いくつかの例によれば、それらはポリマー材料、例えばそれが作動するように設計されている条件に従って、例えば腐食性環境および/またはそれを通って流れる作動流体に耐えることができるポリマー材料から作製される。モジュール10は、そのすべての構成要素が同じ材料から作製されるように、または少なくともいくつかが異なる材料から作製されるように提供されてもよいことが理解されるであろう。
【0027】
図2でよりよく分かるように、マット20のそれぞれは、その両端に1つずつある2つのヘッダー26の間に広がる平面Xを画定する複数の平面的に配置された熱交換チューブ24を含む。さらに、1つまたは複数の支持要素28をチューブ24に対して横方向に設けることができ、チューブは他のチューブに対してそれらの位置を維持するように構成される。
【0028】
図3Aおよび3Bで見られるように、ヘッダー26のそれぞれは、その交換器端部32に沿って直線的に整列されたチューブ24をそれぞれ受け入れるための複数の貫通チューブ開口部30を含み、開口部はヘッダーチャンバ34と流体連通し、ヘッダーチャンバは後述するようにマニホルド22のうちの1つと流体連通するように構成されている。
【0029】
ヘッダー26の上面36および底面38には、その上に配置されたヘッダー上の同様の対応する位置決め特徴部と協働してそれらの積層配置を容易にするように設計された位置決め特徴部40が形成されている。位置決め構成40は、ヘッダー26の上面36および底面38の両方の位置決め特徴部40が、隣接するヘッダーの上面または底面の位置決め特徴部と協働するように設計されるように構成されてもよい。
【0030】
例えば、位置決め突起42aが上面36の長さの一方の側に長手方向に亘って設けられてもよく、および位置決め突起内に受け入れるように構成された対応するように形成された位置決めソケット42bが上面の他方の側に長手方向に亘って設けられる。同様の位置決め突起およびソケット(図示せず)が底面38にそれぞれの反対の側で形成されている(すなわち、底面の位置決めソケットは、位置決め突起42aが上面36に形成されているのとヘッダー26の長さに沿った同じ側に形成され、底面の位置決め突起は位置決めソケット42bが上面に形成されているのとヘッダーの長さに沿った同じ側に形成されている)。したがって、2つのヘッダー26が、その交換器端部32が互いに平行で同じ方向を向くようにして上下に積み重ねられると、一方の位置決め突起42aは、それぞれの上面36および底面38のどちらかが上を向いているかに関わらず、他方の位置決めソケット42bと整列される。
【0031】
ヘッダー26は、ポリマー、例えば熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂などの成形可能な材料から作製することができる。したがって、ヘッダー26はそれに接続されるチューブ24に、例えばオーバーモールディングプロセスによって直接形成することができ、それによって多数のチューブ24をそれぞれのヘッダー26に挿入する必要性をなくすことによってマット20の製造を簡単にする。加えて、チューブ24上にオーバーモールドされるヘッダー26を提供することによって、チューブはヘッダーおよびマニホルド22のいずれにも溶接する必要がなく、チューブの端部が変形することによりそれらを通る流れが制限および/または妨げられる危険性が軽減される。
【0032】
図4Aに示すように、支持要素28のそれぞれは、2つの平らな端面27の間に広がり複数の座部46を有するグリップ部44を含み、各座部46はその中にチューブ24の1つを受け入れる。各座部46は、2つの上方に突出している分割部分48の間に画定され、分割部分48はそれぞれ外側に広がったヘッド50で終端してもよく、ヘッドはそれぞれのチューブ24をその中に維持することを促す。支持要素28は、それらの間に画定された座部46内へのチューブ24の導入を容易にするために、隣接する分割部分48を外側に付勢するのに十分な可撓性を提供する材料から作製され得る。
【0033】
座部46は、支持要素28の長さに沿って均等に間隔をあけて配置することができ、これにより各マット20の大多数の隣接するチューブ24の間に均等な大きさの隙間25がもたらされるが、一端の少数(例えば、1つまたは2つ)の末端座部46aは、他の座部が互いに離間される距離と異なる距離、例えばより短い距離で隣接する座部から離間され、これにより、他の均等な大きさの間隔よりも小さい予備間隔25aがもたらされる。
【0034】
支持要素28はさらに、各支持要素をそれに隣接する支持要素へ、すなわち隣接するマット20に堅固に接続するのを促すように構成された連結装置を含むことができる。この堅固な接続はマット20の安定性、例えば流体がチューブ24を急速に通過することによる振動への耐性に寄与し得る。
【0035】
いくつかの例によれば、各連結装置は、上方に突出する連結タブ52と、下方に向く連結スロット54とを含み、連結スロットのそれぞれは、連結タブを、例えばスナップ式に受け入れるように構成され、それによって隣接する支持要素28への簡単な連結を促す。本開示の主題の範囲から逸脱することなく必要な変更を加えて、連結タブ52は、連結スロット54が上を向いている状態で下向きにすることができ、または任意の他の適切な方法で配置することができることを理解されたい。連結タブおよびスロット52、54は、支持要素28の一方が他方の上に配置されているとき、支持要素の一方の連結タブのそれぞれが他方の対応する連結スロットと整列するように離間している。
【0036】
いくつかの例によれば、連結タブおよびスロット52、54は、一方の支持要素の各連結タブが、他方の対応する連結スロットと、それらが逆にされている場合にのみ、すなわち、
図4Bに示されているようにその末端座部46aがそれらの長さに沿って反対側にある場合のみ、整列するように離間させることができる。したがって、そして末端座部46aの間隔がそれに隣接する間隔と異なるために、隣接するマット20のチューブ24は互いにずれており、その結果、各間隔25、25aは、隣接するマットのチューブの、マット20によって画定される平面Xに対して垂直な方向にある突起と重なるように配置される。したがって、マット20に対して垂直であるモジュールのチューブ24を通る経路は、たとえそれがその前のマットの間隔25、25aを通過したとしても、必ずチューブ24に当たる。そのような「互い違いの」配置は、チューブと環境との間でより効率的に熱を伝達するモジュール10を通る空気流を促進し得る。
【0037】
支持要素28は、熱交換器12の構成を促すためにさらに使用されてもよい。
図1Bに見られるように、いくつかのモジュールはそれらが積み重ねられるように取り付けられてもよい。支持要素28は、チューブ24を実質的に水平位置に維持することを促すことができ、例えばそれらが自重によってカテナリーまたは同様の形状をとることを防止する。さらに、その平坦な端面27は互いに重なり合ってもよく、垂直に積み重ねられた支持要素28は支持構造を形成し、全てのチューブ24の荷重を、例えば床によって支えることを促す。
【0038】
図5に示すように、各マニホルド22は、その中に流体チャンバ60を画定するハウジング58を備える。ハウジング58の底面62には、チューブ24を流体チャンバ60と流体連通させるように構成されたヘッダーインタフェース64が形成される。ヘッダーインタフェース64は、貫通開口部66の複数の平行に配置された列を含む。開口部66は、例えば
図4に示すように、チューブ24の互い違いの配置に一致するように配置されてもよい。さらに、各列に沿ってチャネル68が形成されてもよく、それによって開口部66をヘッダーインタフェース64の表面の下に差し込むことができる。チャネル68は、マニホルド22に組み付けられたときに対応するヘッダー26のヘッダーチャンバ34と位置合わせした状態に横たわるように構成することができる。ヘッダーインタフェース64は、ヘッダーインタフェースの表面に複数の基部72をそれらの間に画定する、開口部66の列の間に形成された溝70をさらに含んでもよく、基部のそれぞれは、マット20が例えばそれに溶接されるために組み付けられる場合、ヘッダー26と接触するためのものである。
【0039】
ハウジング58の側面74にはそれぞれ、隣接するマニホルドに取り付けるための1つまたは複数の選択的にシール可能な(すなわち、それが容易にシールされ、それによってそこを流体が流れるのを選択的に防止するように構成される)側面開口部76が形成され、それぞれそれを通る横方向流路Platを画定する。横方向流路Platはそれぞれ、チューブ24によって画定される平面に対して実質的に垂直である。隆起側面リップ78が、各側面開口部76の周りに形成されてもよく、それは、後述するように、隣接するマニホルドのキャップ、入口/出口または対応する側面リップなど(それによって2つのマニホルドを向き合う側面開口部を介して互いに流体連通させる)の別の要素へのシール接続を促すための溶接面を構成する。したがって、側面リップ78の外面78aは、2つのマニホルドが、一方の側面74が他方の側面に面する状態で互いに隣接して配置されるとき、隣接するマニホルド22の対応する側面リップと実質的に完全に接触するように構成されてもよく、例えば各側面リップの外面は平坦で、マット20のうちの1つのチューブ24によって画定される平面に対して実質的に平行であり得る。
【0040】
ハウジング58の端部80にはそれぞれ、隣接するマニホルドに取り付けるための、およびそれらの間に長手方向の流路Plonを画定するための選択的にシール可能な端部開口部82が形成される。長手方向流路Plonは、チューブ24および横方向流路Platに対して実質的に垂直であり、それによって画定される平面に平行である。隆起端部リップ84が各端部開口部82の周りに形成されてもよく、それは、後述するように、隣接するマニホルドのキャップ、入口/出口または対応する端部リップなど(それによって2つのマニホルドを向き合う端部開口部を介して互いに流体連通させる)の別の要素へのシール接続のための溶接面を構成する。したがって、各端部リップ84の外面84aは、2つのマニホルドが、一方の端部80が他方の端部に面する状態で互いに隣接して配置されるとき、隣接するマニホルド22の対応する端部リップと実質的に完全に接触するように構成されてもよく、例えば、各端部リップの外面は平坦で、流体チャンバ60を通って長手方向に横切る軸に対して実質的に垂直であり得る。
【0041】
図6に最も良く見られるように、マニホルド22の内面には、例えばそれぞれ一対の長手方向突起88の間に画定された一対の長手方向に延びるスロット86を含むマニホルドの分割構成を設けることができる。スロット86は互いに向き合い、ハウジング58の側面74の間に配置される、すなわち、スロットの1つがヘッダーインタフェース64の内面に形成されるようにする。スロット86は、側面74の間の中間に形成されてもよく、その結果、開口部66の列(およびそれによってマニホルド22に取り付けられたヘッダー26)はそれらの下にあるのと同じくらいそれらの上にある。スロット86は、その中に仕切り(
図6には示されていない)を受け入れるように構成され、それによって、それによって画定された流体チャンバ60の2つの半部を、したがってその両側のヘッダー26を、例えば、後述するようにモジュール10を通る流体流れを制御するために、互いに流体的に隔離する。流体チャンバ60内の流体隔離はチャンバ自体の内部でのみ考慮されること、例えば、流体が開口部76、82を介してまたはヘッダーインタフェース64を介してチャンバを出ることによって仕切りを越え得ることは考慮されないことが理解されよう。
【0042】
図1Bに戻ると、モジュール10への流体アクセスは、マニホルド22の側面開口部76および端部開口部82を選択的に塞ぐことによって、および/またはそれへのアクセスを促すことによって制御することができる。側面キャップ90および端部キャップ92は、例えば側面リップ78および端部リップ84に溶接されて、それぞれ側面開口部76および端部開口部82をシールするために設けられてもよい。ニップル94は、例えば側面開口部76および/または端部開口部82と位置合わせされた状態で接続されるように設けられてもよく、1つまたはマニホルドの流体チャンバ60を外部流体パイプと流体連通させることを促す。図示のように、ニップル94は、開口部が形成されていないハウジング58の領域に、例えばユーザが必要に応じてハウジングの上面56(
図5に示す)に開口部を切削することによって設けられてもよい。
【0043】
いくつかのモジュール10は熱交換器12を形成するように一緒に組み立てられてもよい。いくつかの例によれば、モジュール10は、その両側のマニホルドが互いに積み重ねられた状態で配置され、その結果、その側面74は互いに向き合い、その側面リップ78は隣接するモジュールの側面リップと位置合わせされた状態に配置され、すなわち、側面リップの外面78aが互いに接触し、それらの間に側面接合部100を画定する。(本明細書では、参照番号は、同じ番号の後に後続文字および/またはプライムが続くすべての参照番号を集合的に指すために使用される場合があり、例えば、100は、100’a、100’b、100’’a、100’’b等を集合的に指すために使用され得る。同様に、100’は、100’a、100’b等を集合的に指すために使用され得、そして100aは、100’aおよび100’’aを集合的に指すために使用され得る。)このように積み重ねられた2つ以上のモジュール10は、マニホルド22によって画定される第1端部102’と第2端部102’’との間に広がる熱交換器の横方向サブアセンブリ150を構成する。本開示において、プライム記号は、同じマニホルドの反対側の端部102の間に形成された対応する側面接合部100を指すために使用され、すなわち側面接合部100aは、その側面接合部100’aが形成されている第2端部102’’間の隣接するマニホルド22の同じ対の第1の端部102’間に形成される。
【0044】
横方向サブアセンブリ150は、それを通る流体の流れを調整するように構成することができる。いくつかの例によれば、
図7Aに概略的に示されるように、第1の端部102’上の交互の側面接合部100’は互いに接続され得、一対のマニホルド22の流体チャンバ60を互いに流体連通させ、第1の端部102’の他の側面接合部100’は、それを通る隣接するマニホルド間の流体の流れを阻止するために、例えば側面キャップ90でシールされている。同様に、それぞれが第1の端部102’のシールされた側面接合部100’に対応する、第2の端部102’’上の交互の側面接合部100’’は互いに接続され、一対のマニホルド22の流体チャンバ60を互いに流体連通させ、第2の端部102’’の他の側面接合部100’’は、それを通る隣接するマニホルド間の流体の流れを阻止するために、例えば側面キャップ90でシールされている。したがって、横方向サブアセンブリ150内の流体は、矢印で示すように、隣接するモジュール間で流体の流れの方向が逆になるようにして、各マット20を連続的に通って流れる。必要に応じて、そのように画定された流体流路の入口および出口にニップル94を設けることができる。
【0045】
他の例によれば、第1の端部102’の全ての側面接合部100’はシールされずに、第2の端部102’’の全ての側面接合部100’’がシールされる。さらに、仕切り104が第1の端部102’のマニホルド22に設けられ、それによって各モジュール10のヘッダー26のいくつかをマニホルド22内の他のヘッダーから流体的に隔離している。したがって、横方向サブアセンブリ150内の流体は、各マット20を通って連続的に両方向に流れ、その中で方向を1回反転させる。マニホルド22は、2つ以上の仕切りを受け入れるように構成されてもよく、それによって各ニップル94内で2回以上の流体の流れの反転を可能にすることが、そのように画定された流体流路の入口および出口に必要に応じて提供されてもよい。
【0046】
熱交換器12は、単一のモジュール10、単一の横方向サブアセンブリ150、その端部開口部82によってのみ接続された1つまたは複数のモジュール、その端部開口部によって接続されたいくつかの横方向サブアセンブリ、(例えば
図1Bに示されるように)ユーザによってその上面56に切削された穴を介して隣接するマニホルド22を接続することによって修正された上記または他の組合せのいずれか、または任意の他の適切なモジュールの構成を、本開示の主題の範囲から逸脱することなく必要な変更を加えて含んでもよいことは認識されよう。
【0047】
図8Aおよび8Bに示されるように、熱交換器12には、隣接するモジュール10間に流れ遮断装置110が設けられてもよく、それはそれらの間の空間を満たすように構成され、それによって熱交換器12を横切る流体がチューブ24を横切って通過し、そこで熱交換が主に生じることを保証する。流れ遮断装置110は、L字形であってもよく、位置決め開口部112がその中に形成されている。モジュール10には、位置決め開口部112と嵌合するために、例えばマニホルド22上に設けられたピン114が形成されている。
図8Cに見られるように、位置決め開口部112は、ピンの直径と同様の直径、およびその上部でより広い直径を有することができる。したがって、ピン114を溶融して位置決め開口部112の上部直径内の空隙を埋めることができ、それによってそれを埋めるとともに流れ遮断装置110を定位置に固定する。ピン114は位置決め開口部112の高さよりも高くてもよく、それによって溶融されると上部直径を埋めるための材料を提供する。
【0048】
本発明が属する技術分野の当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく必要な変更を加えて多数の変更、変形および修正がなされ得ることを容易に理解するであろう。