(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H05K 3/06 20060101AFI20220412BHJP
B65G 13/00 20060101ALI20220412BHJP
B65G 13/04 20060101ALI20220412BHJP
B65G 13/12 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
H05K3/06 Q
B65G13/00 A
B65G13/04
B65G13/12
(21)【出願番号】P 2020097667
(22)【出願日】2020-06-04
【審査請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】598164418
【氏名又は名称】株式会社ケミトロン
(74)【代理人】
【識別番号】100107238
【氏名又は名称】米山 尚志
(74)【代理人】
【識別番号】100181434
【氏名又は名称】松浦 正明
(72)【発明者】
【氏名】秋山 政憲
(72)【発明者】
【氏名】松尾 達彦
(72)【発明者】
【氏名】片庭 哲也
【審査官】齊藤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-133078(JP,A)
【文献】特開2013-82975(JP,A)
【文献】特開2009-18410(JP,A)
【文献】特開2005-322779(JP,A)
【文献】特開2015-118969(JP,A)
【文献】実開昭58-189660(JP,U)
【文献】実開昭57-124840(JP,U)
【文献】英国特許出願公開第2288381(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G13/00―13/12
B65H5/06
H05K1/00―3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
倒伏姿勢の板状の基板の下面が搬送基準面に沿って略水平に移動するように前記基板を搬送して処理する基板処理装置であって、
前記搬送基準面の上方で前記搬送基準面に対して昇降可能な第1の回転軸を有し、搬送途中の前記基板の上面に乗り上がった状態で前記基板の上面に接触しながら前記第1の回転軸を中心として回転する第1のローラと、
前記第1のローラの搬送方向下流側の前記搬送基準面の上方で前記搬送基準面に対して昇降可能な第2の回転軸を有し、搬送途中の前記基板の上面に乗り上がった状態で前記基板の上面に接触ながら前記第2の回転軸を中心として回転する第2のローラと、
前記搬送基準面の上方で前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との間に配置され、前記第1及び第2のローラの双方が前記基板の上面に乗り上がっていない間は、前記搬送基準面に対して所定の下降位置に維持され、前記第1及び第2のローラの少なくとも一方が前記基板の上面に乗り上がっている間は、前記基板の上面に乗り上がったローラの回転軸によって前記下降位置から上方に持ち上げられて維持される昇降体と、
前記下降位置から昇降する際の前記昇降体の昇降方向を、前記搬送基準面に対して略垂直方向に規制する昇降方向規制手段と、
前記昇降体が前記下降位置に降下した状態で前記搬送基準面の上方に位置するように前記昇降体に固定的に設けられ、搬送途中の前記基板の上面に上方から対向して機能する機能部と、を備える
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記第1の回転軸の昇降方向及び前記第2の回転軸の昇降方向を、前記搬送基準面に対して略垂直方向に規制する第2昇降方向規制手段を備える
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置であって、
前記機能部は、前記基板の上面から液体を吸引する吸引口を有する
ことを特徴とする基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板やリードフレーム等の金属板(以下、対象とするプリント配線板、リードフレーム等の金属板を基板と略す)を搬送して処理する基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水平に並んだプリント回路板面を有するプリント回路板の搬送手段と、プリント回路板の搬送面の上部に配列され、供給容器から供給された液体状の処理媒体をプリント回路板の上面に吹き付けるためのノズル装置と、スプレー操作の間プリント回路板の上面に吹き付けられた処理媒体を吸引するための吸引ノズルユニット(吸引パイプ)とを備えたスプレー処理装置が記載されている。
【0003】
吸引パイプは、複数の吸引ノズルを備え、吸引ノズルは、吸引パイプの円周上でスリット状の開口部になっている。吸引パイプは、支持部材の前面に固定され、支持部材は、2個の上側搬送ローラに軸受支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の装置では、支持部材(昇降体)に2個の上側搬送ローラ(搬送方向上流側の第1のローラと搬送方向下流側の第2のローラ)が軸受支持されているため、第1のローラがプリント回路板(基板)の上面に乗り上げた後、第2のローラが基板の上面に乗り上げるまでの間、及び第1のローラが基板の上面から降下した後、第2のローラが基板の上面から降下するまでの間は、基板に対して昇降体が傾斜した状態となる。このため、吸引パイプ(機能部)の開口部と基板の上面との間の距離が一定せず、吸引機能が有効に発揮されない可能性がある。また、基板の板厚が増大した場合(板厚の厚い基板を処理する場合)、基板が昇降体又は機能部に干渉するおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、基板の上面の搬送方向の全長域において機能部を有効に機能させるとともに、昇降体及び機能部と基板との干渉を確実に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、倒伏姿勢の板状の基板の下面が搬送基準面に沿って略水平に移動するように基板を搬送して処理する基板処理装置であって、第1のローラと、第2のローラと、昇降体と、昇降方向規制手段と、機能部とを備える。
【0008】
第1のローラは、搬送基準面の上方で搬送基準面に対して昇降可能な第1の回転軸を有し、搬送途中の基板の上面に乗り上がった状態で基板の上面に接触しながら第1の回転軸を中心として回転する。第2のローラは、第1のローラの搬送方向下流側の搬送基準面の上方で搬送基準面に対して昇降可能な第2の回転軸を有し、搬送途中の基板の上面に乗り上がった状態で基板の上面に接触ながら第2の回転軸を中心として回転する。
【0009】
昇降体は、搬送基準面の上方で第1の回転軸と第2の回転軸との間に配置され、第1及び第2のローラの双方が基板の上面に乗り上がっていない間は、搬送基準面に対して所定の下降位置に維持され、第1及び第2のローラの少なくとも一方が基板の上面に乗り上がっている間は、基板の上面に乗り上がったローラの回転軸によって下降位置から上方に持ち上げられて維持される。昇降方向規制手段は、下降位置から昇降(上昇した後に下降)する際の昇降体の昇降方向を、搬送基準面に対して略垂直方向に規制する。機能部は、昇降体が下降位置に降下した状態で搬送基準面の上方に位置するように昇降体に固定的に設けられ、搬送途中の基板の上面に上方から対向して機能する。
【0010】
上記構成において、基板の搬送方向に沿った第1のローラの下端と第2のローラの下端との距離(第1の回転軸と第2の回転軸との距離)は、搬送方向に沿った基板の全長(搬送方向下流端と搬送方向上流端との距離)よりも短く設定される。搬送途中の基板の搬送方向下流端は、第1のローラの下端と第2のローラの下端とを順次通過し、基板の搬送方向上流端は、搬送方向下流端が第2のローラの下端に到達した後に第1のローラの下端を通過し、第2のローラの下端を通過する。
【0011】
上記構成では、第1のローラは、基板の搬送方向下流端が第1のローラの下端に到達する前は、搬送基準面に対して所定の初期高さに維持され、基板の搬送方向下流端が第1のローラの下端に到達してから基板の搬送方向上流端が第1のローラの下端を通過するまでの間は、基板の上面に乗り上がり、基板の搬送方向上流端が第1のローラの下端を通過した後は、初期高さへ降下する。
【0012】
第2のローラは、基板の搬送方向下流端が第2のローラの下端に到達する前は、初期高さに維持され、第1のローラの下端を通過した基板の搬送方向下流端が第2のローラの下端に到達してから基板の搬送方向上流端が第2のローラの下端を通過するまでの間は、基板の上面に乗り上がり、基板の搬送方向上流端が第2のローラの下端を通過した後は、初期高さへ降下する。
【0013】
昇降体は、基板の搬送方向下流端が第1のローラの下端に到達する前は、搬送基準面に対して所定の下降位置に維持される。基板の搬送方向下流端が第1のローラの下端に到達し、第1のローラが基板の上面に乗り上がると、昇降体は、第1の回転軸によって下降位置から上方に持ち上げられる。昇降方向規制手段は、下降位置から昇降する際の昇降体の昇降方向を搬送基準面に対して略垂直方向に規制するので、昇降体は、基板の上面への第1のローラの乗り上げと略同時に、基板の板厚分だけ下降位置から上昇する。その後、基板の搬送方向上流端が第1のローラの下端を通過しても、第2のローラが基板の上面に乗り上げている間は、昇降体は、基板の板厚分だけ上昇した上昇位置から下降せず、基板の搬送方向上流端が第2のローラの下端を通過するまで上昇位置に維持される。基板の搬送方向上流端が第2のローラの下端を通過して第2のローラが下降すると、昇降体は、上昇位置から下降位置へ下降する。
【0014】
昇降体が下降位置に降下した状態で搬送基準面の上方に位置するように機能部が昇降体に固定的に設けられ、昇降体が第1のローラと第2のローラとの間に配置され、昇降体の上昇位置が搬送基準面から基板の板厚よりも高い位置となるので、昇降体は、基板の搬送方向下流端が昇降体の下方に到達するまでの間に、基板に対して傾くことなく機能部とともに下降位置から上昇位置へ上昇し、基板の搬送方向上流端が昇降体の下方を通過した後に、基板に対して傾くことなく機能部とともに上昇位置から下降位置へ下降する。
【0015】
従って、基板の板厚によらず、基板の上面に対する機能部の高さ位置は、基板の上面の搬送方向の全長域において一定に維持され、機能部を効率良く機能させることができる。また、昇降体及び機能部と基板との干渉を確実に防止することができる。
【0016】
本発明の第2の態様は、第1の態様の基板処理装置であって、第1の回転軸の昇降方向及び第2の回転軸の昇降方向を、搬送基準面に対して略垂直方向に規制する第2昇降方向規制手段を備える。
【0017】
上記構成では、第2昇降方向規制手段が、第1の回転軸の昇降方向及び第2の回転軸の昇降方向を搬送基準面に対して略垂直方向に規制するので、昇降体及び機能部が昇降する際の挙動を安定させることができ、昇降体及び機能部と基板との干渉をさらに確実に防止することができる。
【0018】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様の基板処理装置であって、機能部は、基板の上面から液体を吸引する吸引口を有する。
【0019】
上記構成では、吸引口を基板の上面から一定の距離に維持することができるので、基板の上面から液体を効率良く吸引して除去することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、基板の上面の搬送方向の全長域において機能部を有効に機能させるとともに、昇降体及び機能部と基板との干渉を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置を示す概略構成図である。
【
図2】エッチング処理を説明するためのプリント配線板の拡大断面図である。
【
図3】吸引ユニットの支持構造を装置幅方向の外側から視た側面図である。
【
図4】吸引ユニットの支持構造を装置幅方向の内側から視た側面図である。
【
図7】スライドブロックが下降位置に維持された状態を示す側面図である。
【
図8】上流側上ローラが基板に乗り上がった状態を示す側面図である。
【
図9】上流側上ローラ及び下流側上ローラが基板に乗り上がった状態を示す側面図である。
【
図10】上流側上ローラが下降した後であって、下流側上ローラが下降する前の状態を示す側面図である。
【
図11】吸引ユニットの支持構造の他の例を装置幅方向の内側から視た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の基板処理装置をエッチング装置に適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
まず、本実施形態のエッチング装置を用いたプリント配線板の製造方法の概要について、
図2の断面図を参照して説明する。
【0024】
図2(a)に示すように、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂やその他の樹脂などからなる絶縁性の基板(処理対象物)1の両面に、例えば銅箔などの導電層(被エッチング層)2を数μm~数十μmの膜厚で形成する。導電層2を形成する方法は、張り付け、めっき、気相成長など、どのような方法でも可能であり、基板1の両面がエッチング対象面となる。
【0025】
次に、
図2(b)に示すように、フォトリソグラフィー工程(ドライフィルムレジストや液状レジストなど)によって導電層2の上層にレジスト膜3を成膜し、パターン露光し、現像処理を行うことによって、導電層2の上層にレジスト膜3をパターン形成する。レジスト膜3の形成処理は、基板1の両面に対してそれぞれ行われる。
【0026】
次に、
図2(c)に示すように、基板1の両面上の導電層2に対してレジスト膜3をマスクとしたエッチング処理を施す。すなわち、導電層2をレジスト膜3のパターンに沿ってエッチングし、配線部2aをパターン形成する。
【0027】
配線部2aをパターン形成した後、例えば、強アルカリ溶液または有機溶剤処理などによりレジスト膜3を剥離する。これにより、所望のプリント配線板が形成される。
【0028】
上記のレジスト膜3をマスクとした導電層2に対するエッチング処理は、本実施形態に係るエッチング装置(基板処理装置)を用いて行われる。
図1は、本実施形態に係るエッチング装置を模式的に示す概略構成図である。
【0029】
エッチング装置10の処理室11内には、一側(
図1中左側)の入口14から他側(
図1中右側)の出口15に向かって水平直線状に延びる搬送経路が設定され、この搬送経路に複数対の上下の搬送ローラ(下方の搬送ローラ16と上方の搬送ローラ17)が搬送手段として設けられている。搬送ローラ16,17は、レジスト膜3がパターン形成された基板1を、一面が上方を向き他面が下方を向く略水平状に保持して搬送経路に沿って搬送する。下側の搬送ローラ16の上端は、上流側から下流側へ略水平面状に延びる搬送基準面18を規定し、搬送ローラ16,17は、倒伏姿勢の板状の基板1の下面が搬送基準面18に沿って略水平に移動するように基板1を搬送する。搬送ローラ16,17は、モータ等によって駆動回転する駆動ローラのみ
によって構成されてもよく、非駆動ローラ(基板
1の移動によって回転する従動ローラ)を含んでもよい。また、上側の搬送ローラ17と対を成さない下側の搬送ローラ16や、下側の搬送ローラ16と対を成さない上側の搬送ローラ17を含んでもよい。
【0030】
入口14と出口15の間の処理室11内の上部は、エッチング工程を行うエッチング処理部12を構成する。エッチング処理部12には複数個の噴射ノズル20が配列して設けられている。噴射ノズル20は、エッチング液を噴射して処理室11内の基板1に吹き付ける。噴射ノズル20は、搬送経路に対して固定的(静置)であってもよく、揺動(オシレーション)させてもよい。噴射ノズル20の噴射形態は限定されず、1流体ノズルであってもよく、2流体ノズルであってもよい。また、複数個の噴射ノズル20を1流体ノズルと2流体ノズルとによって構成してもよい。
【0031】
搬送経路の下方の処理室11内の底部には、塩化第二銅、塩化第二鉄又はアルカリ性物質をベースとしたエッチング液(処理液体)5が貯留される。各噴射ノズル20には、処理室11内に貯留したエッチング液5を供給するエッチング液供給管路21が接続されている。エッチング液供給管路21にはポンプ22とフィルタ24と圧力計23とが設けられ、処理室11内のエッチング液5は、ポンプ22からフィルタ24によって濾過された後、所定圧で各噴射ノズル20に供給される。噴射ノズル20へのエッチング液の供給圧は、圧力計23によって計測される。
【0032】
噴射ノズル20は、搬送経路の上方と下方とにそれぞれ配置される。上側及び下側の噴射ノズル20は、搬送ローラ16によって搬送される基板1の上面及び下面にエッチング液をそれぞれ噴射して吹き付ける。
【0033】
エッチング液の成分を含む処理室11内の気体は、排気処理装置(図示省略)によって浄化処理された後、排気管路(図示省略)から大気中へ放出される。
【0034】
エッチング処理部12の搬送経路(搬送基準面18)の上方には、上側の噴射ノズル20から基板1の上面に吹き付けられたエッチング液を吸引して除去する複数個の吸引ユニット(機能部)50が配列して設けられている。各吸引ユニット50は、基板1の全幅を覆うように搬送経路と略直交する方向(装置幅方向)に略水平状に延びる吸引パイプ55(
図5及び
図6参照)と、吸引パイプ55の外周面(本実施形態では下面)に形成され搬送基準面18(本実施形態では下方)に向かって開口する複数のスリット状の吸引ノズル(吸引口)56(
図6参照)とから構成され、吸引ノズル56は、噴射ノズル20から噴射されるエッチング液の吹き付け領域の間に配置され、その配置領域で所望の吸引作用を生じさせる。
【0035】
各吸引パイプ55は、液体循環管路54の途中に設けられたエジェクタ52の吸引口52aに、吸引管路51を介して接続されている。液体循環管路54は、両端が処理室11内と連通し、途中に循環ポンプ53が設けられた閉回路である。循環ポンプ53は、処理室11内のエッチング液5を汲み出し、エジェクタ52で圧力を加えた状態として、再び処理室11へ戻す。液体循環管路54を循環するエッチング液は、エジェクタ52を通過する際に、エジェクタ52の吸引口52aを負圧とするため、基板1の上面に吹き付けられたエッチング液は、吸引ノズル56から吸引管路51を通って吸引される。
【0036】
このように、噴射ノズル20から吹き付けられたエッチング液が基板1の上面から早期に除去されるので、エッチング液の吹き付けに対して障害となり得るエッチング液の滞留の発生を未然に防止することができ、面内均一性の高いエッチングを行うことができる。
【0037】
次に、各吸引ユニット50(吸引パイプ55)の支持構造30について、
図3~
図6を参照して説明する。なお、以下では、基板1の搬送方向の上流側を後方、下流側を前方、基板1の搬送方向と直交する水平方向を装置幅方向(左右方向)、搬送基準面18と直交する方向を上下方向として説明する。
【0038】
支持構造30は、上流側上ローラ(第1のローラ)31と、下流側上ローラ(第2のローラ)32と、スライドブロック(昇降体)33と、複数の昇降ガイド34~37とを備え、複数の吸引ユニット50に対してそれぞれ設けられる。昇降ガイド34~37は、矩形状のブロック体によってそれぞれ構成され、装置幅方向の両側で前後方向に延びる左右の装置フレーム13の上面に、それぞれ4つずつ前後方向に並んで配置され、装置フレーム13に固定されて鉛直上方へ延びる。装置幅方向の各側の4つの昇降ガイド34~37は、上流側昇降ガイド(第2昇降方向規制手段)34と、中央後側昇降ガイド(昇降方向規制手段、第2昇降方向規制手段)35と、中央前側昇降ガイド(昇降方向規制手段、第2昇降方向規制手段)36と、下流側昇降ガイド(第2昇降方向規制手段)37とから構成され、これらは上流側から下流側に向かって所定の間隔をおいて直線状に並ぶ。
【0039】
左右の装置フレーム13の上面には、上下の上流側軸支持ブロック38,39と、上記スライドブロック33と、上下の下流側軸支持ブロック40,41とがそれぞれ配置される。
【0040】
上流側軸支持ブロック38,39の後端面と前端面とは、上流側昇降ガイド34の前端面と中央後側昇降ガイド35の後端面とに上下方向にスライド移動可能に係合する凹形状をそれぞれ有する(
図5参照)。下方の上流側軸支持ブロック39は、上流側昇降ガイド34と中央後側昇降ガイド35との間に上方から挿入され、昇降ガイド34,35と係合した状態で装置フレーム13の上面に載置され支持される。上方の上流側軸支持ブロック38は、下方の上流側軸支持ブロック39が昇降ガイド34,35と係合して装置フレーム13の上面に支持された状態で、上流側昇降ガイド34と中央後側昇降ガイド35との間に上方から挿入され、昇降ガイド34,35と係合した状態で下方の上流側軸支持ブロック39の上方に配置される。
【0041】
上流側昇降ガイド34と中央後側昇降ガイド35とは、上方の上流側軸支持ブロック38(及び後述する上方の上流側ローラ支持軸42)の昇降方向を、搬送基準面18に対して略垂直方向に規制する。なお、上流側軸支持ブロック38,39と上流側昇降ガイド34及び中央後側昇降ガイド35との係合形態は、上記に限定されず、上流側軸支持ブロック38,39が上下方向にスライド移動可能に支持される形態であればよい。
【0042】
上流側と同様に、下流側軸支持ブロック40,41の後端面と前端面とは、中央前側昇降ガイド36の前端面と下流側昇降ガイド37の後端面とに上下方向にスライド移動可能に係合する凹形状をそれぞれ有する(
図5参照)。下方の下流側軸支持ブロック41は、中央前側昇降ガイド36と下流側昇降ガイド37との間に上方から挿入され、昇降ガイド36,37と係合した状態で装置フレーム13の上面に載置され支持される。上方の下流側軸支持ブロック40は、下方の下流側軸支持ブロック41が昇降ガイド36,37と係合して装置フレーム13の上面に支持された状態で、中央前側昇降ガイド36と下流側昇降ガイド37との間に上方から挿入され、昇降ガイド36,37と係合した状態で下方の下流側軸支持ブロック41の上方に配置される。
【0043】
中央前側昇降ガイド36と下流側昇降ガイド37とは、上方の下流側軸支持ブロック40(及び後述する上方の下流側ローラ支持軸44)の昇降方向を、搬送基準面18に対して略垂直方向に規制する。なお、下流側軸支持ブロック40,41と中央前側昇降ガイド36及び下流側昇降ガイド37との係合形態は、上記に限定されず、下流側軸支持ブロック40,41が上下方向にスライド移動可能に支持される形態であればよい。
【0044】
スライドブロック33の後端面と前端面とは、中央後側昇降ガイド35の前端面と中央前側昇降ガイド36の後端面とに上下方向にスライド移動可能に係合する凹形状を有する(
図5参照)。スライドブロック33は、中央後側昇降ガイド35と中央前側昇降ガイド36との間に上方から挿入され、昇降ガイド35,36と係合して上下方向にスライド可能となる。
【0045】
左右の上流側軸支持ブロック38,39の間には、装置幅方向に延びる上流側ローラ支持軸42,43が上下に並んでそれぞれ配置される。上方の上流側ローラ支持軸(第1の回転軸)42の両端部は、左右の上方の上流側軸支持ブロック38に回転自在に支持され、下方の上流側ローラ支持軸43の両端部は、左右の下方の上流側軸支持ブロック39に回転自在に支持される。
【0046】
上方の上流側ローラ支持軸42には、複数の上流側上ローラ31が装置幅方向に離間して固定され、下方の上流側ローラ支持軸43には、複数の上流側下ローラ46が上流側上ローラ31と対向するように装置幅方向に離間して固定される。上流側下ローラ46と上流側上ローラ31とは、搬送ローラ16,17を構成し、上流側下ローラ46の上端は搬送基準面18を規定する。上方の上流側ローラ支持軸42(上方の上流側軸支持ブロック38及び上流側上ローラ31)の最下降位置は、上方の上流側軸支持ブロック38と下方の上流側軸支持ブロック39との当接及び/又は上流側上ローラ31と上流側下ローラ46との当接によって規定され、上流側上ローラ31が搬送基準面18に対して最も下降した初期高さにおいて、上流側上ローラ31の下端は上流側下ローラ46の上端(搬送基準面18)に近接又は接触する。搬送途中の基板1の前端が上流側上ローラ31の下端(上流側上ローラ31と上流側下ローラ46との間)に達すると、上流側下ローラ46の上下位置は変動せず、上流側上ローラ31が基板1の上面に乗り上がり、初期高さから基板1の厚さ分だけ上昇する。上流側上ローラ31が上昇すると、上方の上流側ローラ支持軸42及び上方の上流側軸支持ブロック38も上昇する。なお、上流側上ローラ31と上流側下ローラ46とは、駆動ローラであってもよく、従動ローラであってもよい。また、上流側下ローラ46を設けなくてもよい。
【0047】
左右の下流側軸支持ブロック40,41の間には、装置幅方向に延びる下流側ローラ支持軸44,45が上下に並んでそれぞれ配置されている。上方の下流側ローラ支持軸(第2の回転軸)44の両端部は、左右の上方の下流側軸支持ブロック40に回転自在に支持され、下方の下流側ローラ支持軸45の両端部は、左右の下方の下流側軸支持ブロック41に回転自在に支持される。
【0048】
上方の下流側ローラ支持軸44には、複数の下流側上ローラ32が装置幅方向に離間して固定され、下方の下流側ローラ支持軸45には、複数の下流側下ローラ47が下流側上ローラ32と対向するように装置幅方向に離間して固定される。下流側下ローラ47と下流側上ローラ32とは、搬送ローラ16,17を構成し、下流側下ローラ47の上端は搬送基準面18を規定する。上方の下流側ローラ支持軸44(上方の下流側軸支持ブロック40及び下流側上ローラ32)の最下降位置は、上方の下流側軸支持ブロック40と下方の下流側軸支持ブロック41との当接及び/又は下流側上ローラ32と下流側下ローラ47との当接によって規定され、下流側上ローラ32が搬送基準面18に対して最も下降した初期高さにおいて、下流側上ローラ32の下端は下流側下ローラ47の上端(搬送基準面18)に近接又は接触する。搬送途中の基板1の前端が下流側上ローラ32の下端(下流側上ローラ32と下流側下ローラ47との間)に達すると、下流側下ローラ47の上下位置は変動せず、下流側上ローラ32が基板1の上面に乗り上がり、初期高さから基板1の厚さ分だけ上昇する。下流側上ローラ32が上昇すると、上方の下流側ローラ支持軸44及び上方の下流側軸支持ブロック40も上昇する。なお、下流側上ローラ32と下流側下ローラ47とは、駆動ローラであってもよく、従動ローラであってもよい。また、下流側下ローラ47を設けなくてもよい。
【0049】
上方の上流側軸支持ブロック38と上方の下流側軸支持ブロック40とには、上方へ延びる上流側シャフト60と下流側シャフト61とがそれぞれ取付けられる。上流側シャフト60の下端部と下流側シャフト61の下端部とには、雄ネジ部62がそれぞれ形成され、上方の上流側軸支持ブロック38と上方の下流側軸支持ブロック40とには、上端面から下方へ延びる雌ネジ孔48がそれぞれ形成される。各雌ネジ孔48に雄ネジ部62を螺合し、上流側及び下流側のナット63、64をそれぞれ締付けることによって、上流側シャフト60と下流側シャフト61とが上流側軸支持ブロック38と下流側軸支持ブロック40とに固定される。
【0050】
スライドブロック33の上端面には、逆U状の連結部材65を介してサポートプレート66が固定され、サポートプレート66には、上下方向に貫通する上流側シャフト挿通孔67と下流側シャフト挿通孔68とが形成される。上流側支持ブロック38から上方へ突出する上流側シャフト60の上側部分は上流側シャフト挿通孔67を挿通し、下流側支持ブロック40から上方へ突出する下流側シャフト61の上側部分は下流側シャフト挿通孔68を挿通する。
【0051】
上流側上ローラ31が初期高さから持ち上げられると、上方の上流側軸支持ブロック38は、上流側昇降ガイド34及び中央後側昇降ガイド35に案内され、下方の上流側軸支持ブロック39から離れるように、搬送基準面18に対して略直交する方向へ上昇する。上流側軸支持ブロック38が上昇すると、サポートプレート66がナット63によって押し上げられ、スライドブロック33も上流側上ローラ31と同様に上昇する。スライドブロック33の上昇方向は、中央後側昇降ガイド35と中央前側昇降ガイド36とにより、搬送基準面18に対して略直交する方向に規制される。一方、下流側上ローラ32は上昇せずに初期高さに維持される(
図8参照)。
【0052】
反対に、下流側上ローラ32が初期高さから持ち上げられると、上方の下流側軸支持ブロック40は、中央前側昇降ガイド36及び下流側昇降ガイド37に案内され、下方の下流側軸支持ブロック41から離れるように、搬送基準面18に対して略直交する方向へ上昇する。下流側軸支持ブロック40が上昇すると、サポートプレート66がナット64によって押し上げられ、スライドブロック33も下流側上ローラ32と同様に上昇する。スライドブロック33の上昇方向は、中央後側昇降ガイド35と中央前側昇降ガイド36とにより、搬送基準面18に対して略直交する方向に規制される。一方、上流側上ローラ31は上昇せずに初期高さに維持される(
図10参照)。
【0053】
吸引ユニット50(吸引パイプ55)の装置幅方向の両端部は、左右のスライドブロック33にそれぞれ固定され支持される。スライドブロック33は、例えばビスなどの締結部材を用いた締結固定の他、任意の方法によって固定可能である。吸引パイプ55の内部には、吸引ノズル56から吸引したエッチング液を整流する整流板57が設けられ、吸引パイプ55内のエッチング液は、整流板57に形成された貫通孔57aを流通し、管継手58を介して吸引管路51へ流出する。スライドブロック33及び吸引ユニット50(吸引パイプ55)の後下端の縁部は、基板1と干渉し難いように傾斜面状又は湾曲面状に形成されている。
【0054】
このように、上流側上ローラ31は、搬送基準面18の上方で搬送基準面18に対して昇降可能な上流側ローラ支持軸42を有し、搬送途中の基板1の上面に乗り上がった状態で基板1の上面に接触しながら上流側ローラ支持軸42を中心として回転する。下流側上ローラ32は、上流側上ローラ31の搬送方向下流側の搬送基準面18の上方で搬送基準面18に対して昇降可能な下流側ローラ支持軸44を有し、搬送途中の基板1の上面に乗り上がった状態で基板1の上面に接触しながら下流側ローラ支持軸44を中心として回転する。
【0055】
スライドブロック33は、搬送基準面18の上方で上方の上流側ローラ支持軸42と上方の下流側ローラ支持軸44との間に配置される。スライドブロック33は、上流側上ローラ31及び下流側上ローラ32の双方が基板1の上面に乗り上がっていない間は、搬送基準面18に対して所定の下降位置に維持され、上流側上ローラ31及び下流側上ローラ32の少なくとも一方が基板1の上面に乗り上がっている間は、基板1の上面に乗り上がったローラの回転軸(上方の上流側ローラ支持軸42及び/又は上方の下流側ローラ支持軸44)によって下降位置から上方に持ち上げられて維持される。
【0056】
中央後側昇降ガイド35及び中央前側昇降ガイド36は、下降位置から昇降(上昇した後に下降)する際のスライドブロック33の昇降方向を、搬送基準面18に対して略垂直方向に規制する。上流側昇降ガイド34、中央後側昇降ガイド35、中央前側昇降ガイド36、及び下流側昇降ガイド37は、上方の上流側ローラ支持軸42及び上方の下流側ローラ支持軸44の昇降方向を、搬送基準面18に対して略垂直方向に規制する。
【0057】
吸引ユニット50(吸引パイプ55)は、スライドブロック33が下降位置に降下した状態で搬送基準面18の上方に位置するようにスライドブロック33に固定的に設けられ、搬送途中の基板1の上面に上方から対向して機能する。
【0058】
また、基板1の搬送方向に沿った上流側上ローラ31の下端と下流側上ローラ32の下端との距離(上方の上流側ローラ支持軸42と上方の下流側ローラ支持軸44との距離)は、搬送方向に沿った基板1の全長(前端(搬送方向下流端)と後端(搬送方向上流端)との距離)よりも短く設定される。搬送途中の基板1の前端は、上流側上ローラ31の下端と下流側上ローラ32の下端とを順次通過し、基板1の後端は、基板の前端が下流側上ローラ32の下端に到達した後に上流側上ローラ31の下端を通過し、下流側上ローラ32の下端を通過する。
【0059】
次に、基板1の搬送に伴って昇降する上流側上ローラ31、下流側上ローラ32、スライドブロック33、及び吸引ユニット50の動きについて、
図7~
図10を参照して説明する。
【0060】
上流側上ローラ31は、基板1の前端が上流側上ローラ31の下端に到達する前は、搬送基準面18に対して所定の初期高さに維持され(
図7参照)、基板1の前端が上流側上ローラ31の下端に到達してから基板1の後端が上流側上ローラ31の下端を通過するまでの間は、基板1の上面に乗り上がり(
図8及び
図9参照)、基板1の後端が上流側上ローラ31の下端を通過した後は、初期高さへ降下する(
図10参照)。
【0061】
下流側上ローラ32は、基板1の前端が下流側上ローラ32の下端に到達する前は、初期高さに維持され(
図7及び
図8参照)、上流側上ローラ31の下端を通過した基板1の前端が下流側上ローラ32の下端に到達してから基板1の後端が下流側上ローラ32の下端を通過するまでの間は、基板1の上面に乗り上がり(
図9及び
図10参照)、基板1の後端が下流側上ローラ32の下端を通過した後は、初期高さへ降下する(
図7参照)。
【0062】
スライドブロック33は、基板1の前端が上流側上ローラ31の下端に到達する前は、搬送基準面18に対して所定の下降位置に維持される(
図7参照)。基板1の前端が上流側上ローラ31の下端に到達し、上流側上ローラ31が基板1の上面に乗り上がると、スライドブロック33は、上方の上流側ローラ支持軸42によって下降位置から上方に持ち上げられる(
図8参照)。中央後側昇降ガイド35及び中央前側昇降ガイド36は、下降位置から昇降(上昇した後に下降)する際のスライドブロック33の昇降方向を搬送基準面18に対して略垂直方向に規制するので、スライドブロック33は、基板1の上面への上流側上ローラ31の乗り上げと略同時に、基板1の板厚D分だけ下降位置から上昇する。その後、基板1の後端が上流側上ローラ31の下端を通過しても、下流側上ローラ32が基板1の上面に乗り上げている間は、スライドブロック33は、基板1の板厚D分だけ上昇した上昇位置から下降せず、基板1の後端が下流側上ローラ32の下端を通過するまで上昇位置に維持される(
図10参照)。基板1の後端が下流側上ローラ32の下端を通過して下流側上ローラ32が下降すると、スライドブロック33は、上昇位置から下降位置へ下降する(
図7参照)。
【0063】
スライドブロック33が下降位置に降下した状態で搬送基準面18の上方(搬送基準面18に対して所定の高さ)に位置するように吸引ユニット50がスライドブロック33に固定的に設けられ、スライドブロック33が上流側上ローラ31と下流側上ローラ32との間に配置され、スライドブロック33の上昇位置が搬送基準面18から基板1の板厚Dよりも高い位置となるので、スライドブロック33は、基板1の前端がスライドブロック33の下方に到達するまでの間に、基板1(搬送基準面18)に対して傾くことなく吸引ユニット50とともに下降位置から上昇位置へ上昇し、基板1の後端がスライドブロック33の下方を通過した後に、基板1に対して傾くことなく吸引ユニット50とともに上昇位置から下降位置へ下降する。
【0064】
従って、基板1の板厚Dによらず、基板1の上面に対する吸引ユニット50(吸引ノズル56)の高さは、基板1の上面の搬送方向の全長域(前後方向の全域)において一定の位置(高い吸引効果が得られるように基板1の上面に近接した位置)に維持され、吸引ユニット50を効率良く機能させることができる。また、スライドブロック33及び吸引ユニット50と基板1との干渉を確実に防止することができる。
【0065】
また、上流側昇降ガイド34、中央後側昇降ガイド35、中央前側昇降ガイド36、及び下流側昇降ガイド37が、上方の上流側ローラ支持軸42の昇降方向及び上方の下流側ローラ支持軸44の昇降方向を搬送基準面18に対して略垂直方向に規制するので、スライドブロック33及び吸引ユニット50が昇降する際の挙動を安定させることができ、スライドブロック33及び吸引ユニット50と基板1との干渉をさらに確実に防止することができる。
【0066】
また、吸引ノズル56を基板1の上面から一定の距離に維持することができるので、基板1の上面からエッチング液を効率良く吸引して除去することができる。
【0067】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定をされるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲では適宜の変更が可能である。
【0068】
例えば、吸引ユニット50の支持構造30の形態は上記実施形態に限定されず、スライドブロック33が第1及び第2の回転軸の少なくとも一方によって持ち上げられて搬送基準面18に対して略垂直方向に上昇し、第1及び第2の回転軸の双方が下降するまで上昇位置を維持するように構成されていればよい。例えば
図11及び
図12に示す支持構造70の例では、サポートプレート66に代えて、上流側プレート71、下流側プレート72及び中央プレート73を設け、サポートプレート66に付帯する上流側シャフト60及び下流側シャフト61を省略している。上流側プレート71は、上方の上流側軸支持ブロック38に固定的に設けられ、装置幅方向の一側が下流側へ延びる。図示の例の上流側プレート71は、上方の上流側軸支持ブロック38の上面に固定され、装置幅方向の内側が下流側へ延びる。下流側プレート72は、上方の下流側軸支持ブロック40に固定的に設けられ、装置幅方向の他側が上流側へ延びる。図示の例の下流側プレート72は、上方の下流側軸支持ブロック40の上面に固定され、装置幅方向の外側が上流側へ延びる。中央プレート73は、スライドブロック33に固定的に設けられ(図示の例では、スライドブロック33の上面に固定され)、スライドブロック33よりも装置幅方向の内側及び外側へ突出する。上流側プレート71の装置幅方向の一側の前部は、中央プレート73の装置幅方向の一側(図示の例では内側)に下方から対向し、下流側プレート72の装置幅方向の他側の後部は、中央プレート73の装置幅方向の他側(図示の例では外側)に下方から対向する。上方の上流側ローラ支持軸42が上昇すると、上流側プレート71が中央プレート73を押し上げ、スライドブロック33が上昇する。同様に、上方の下流側ローラ支持軸44が上昇すると、下流側プレート72が中央プレート73を押し上げ、スライドブロック33が上昇する。スライドブロック33は、上方の上流側ローラ支持軸42及び上方の下流側ローラ支持軸44の双方が下降するまで、上昇位置に維持される。
【0069】
また、昇降体33に固定的に設ける機能部は、上記実施形態のような吸引ユニット50に限定されず、他の機能を有するもの(例えば、基板1の上面に向けて気体及び/又は液体を噴射する機能を有するスリットノズルなど)であってもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、スライドブロック33と吸引ユニット50とを別体で形成して両者を固定したが、両者を一体形成してもよい。
【0071】
また、吸引ユニット50の支持構造30を、装置幅方向の両端部に代えて又は加えて、装置幅方向の中間部に設けてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1:基板
5:エッチング液(処理液体)
10:エッチング装置(基板処理装置)
11:処理室
12:エッチング処理部
13:装置フレーム
16,17:搬送ローラ(搬送手段)
20:噴射ノズル
30,70:吸引ユニットの支持構造
31:上流側上ローラ(第1のローラ)
32:下流側上ローラ(第2のローラ)
33:スライドブロック(昇降体)
34:上流側昇降ガイド(第2昇降方向規制手段)
35:中央後側昇降ガイド(昇降方向規制手段、第2昇降方向規制手段)
36:中央前側昇降ガイド(昇降方向規制手段、第2昇降方向規制手段)
37:下流側昇降ガイド(第2昇降方向規制手段)
38:上方の上流側軸支持ブロック
39:下方の上流側軸支持ブロック
40:上方の下流側軸支持ブロック
41:下方の下流側軸支持ブロック
42:上方の上流側ローラ支持軸(第1の回転軸)
43:下方の上流側ローラ支持軸
44:上方の下流側ローラ支持軸(第2の回転軸)
45:下方の下流側ローラ支持軸
46:上流側下ローラ
47:下流側下ローラ
50:吸引ユニット(機能部)
55:吸引パイプ
56:吸引ノズル(吸引口)
60:上流側シャフト
61:下流側シャフト
65:連結部材
66:サポートプレート
71:上流側プレート
72:下流側プレート
73:中央プレート