(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】柱状半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20220412BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20220412BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20220412BHJP
H01L 27/092 20060101ALI20220412BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20220412BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
H01L29/78 301Y
H01L29/78 301S
H01L27/092 G
H01L27/088 E
H01L27/088 B
H01L27/092 E
(21)【出願番号】P 2020517652
(86)(22)【出願日】2018-05-08
(86)【国際出願番号】 JP2018017742
(87)【国際公開番号】W WO2019215808
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】311014428
【氏名又は名称】ユニサンティス エレクトロニクス シンガポール プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Unisantis Electronics Singapore Pte Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】舛岡 富士雄
(72)【発明者】
【氏名】原田 望
(72)【発明者】
【氏名】菊池 善明
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09640636(US,B1)
【文献】国際公開第2018/033981(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/031014(WO,A1)
【文献】特開2001-320052(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0005850(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/8238
H01L 21/8234
H01L 27/088
H01L 27/092
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、垂直方向に立つ半導体柱を形成する工程と、
前記半導体柱を囲んでゲート絶縁層を形成する工程と、
前記ゲート絶縁層を囲んでゲート導体層を形成する工程と、
垂直方向において、前記ゲート絶縁層より下に位置して、前記半導体柱の下部、または下部側面に接して、ドナーまたはアクセプタ不純物を含んだ第1の不純物領域を形成する工程と、
垂直方向において、前記ゲート絶縁層より上に位置して、前記半導体柱の頂部に、ドナーまたはアクセプタ不純物を含んだ第2の不純物領域を形成する工程と、
を有し、
前記第2の不純物領域を形成する工程が、前記半導体柱の前記頂部の外周を第1の材料層で囲む工程と、前記第1の材料層をマスクにして、前記半導体柱の前記頂部をエッチングする工程と、前記エッチングにより形成された、前記半導体柱上の凹部を形成する工程を有し、
更に、
垂直方向において、前記ゲート絶縁層より下の、前記半導体柱の側面外周を第2の材料層で囲む工程と、
前記第2の材料層をエッチングして、前記ゲート絶縁層より下の、前記半導体柱の側面に開口部を形成する工程と、
同時に、前記凹部と、前記開口部に、ドナー、またはアクセプタ不純物原子を含んだ前記第1の不純物領域と、前記第2の不純物領域を、選択エピタキシャル結晶成長法により形成する工程とを有する
ことを特徴とする柱状半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第2の不純物領域の上端が、前記凹部より下方に位置するように形成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第2の不純物領域の上端に接し、前記凹部内に第1の導体層を形成する工程、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記半導体柱を、前記基板上の半導体層上に形成したマスク材料層をマスクにしてエッチングすることにより形成する工程と、
前記第1の不純物領域を形成する前工程において、前記半導体柱の側面全体に第3の材料層を形成する工程と、
前記マスク材料層と、前記第3の材料層と、を耐酸化マスクにして、酸化を行い、前記半導体柱の底部と、前記半導体柱の外周部の前記半導体層の表層と、に酸化層を形成する工程と、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項5】
垂直方向において、前記第1の不純物領域の下端が、前記半導体柱の底部の前記酸化層の上端より離れるように形成される、
ことを特徴とする請求項4に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項6】
平面視において、前記半導体柱の底部の側面を囲む第4の材料層を形成する工程と、
前記第4の材料層上にあり、且つ、平面視において、前記半導体柱を等幅で囲み、且つ垂直方向において、単層又は複数層よりなる第5の材料層を形成する工程と、
前記第5の材料層をマスクにして、垂直方向に、前記第4材料層をエッチングする工程と、
前記第5の材料層をマスクにして、水平方向に、前記第4材料層をエッチングして、前記半導体柱の下部側面を露出させて前記開口部を形成する工程と、
平面視において、前記開口部の前記半導体柱の側面から外側に延びた、ドナーまたはアクセプタ不純物を含んだ前記第1の不純物領域を、選択エピタキシャル結晶成長法により、形成する工程を、有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1の不純物領域の形成を、前記ゲート絶縁層を形成する前に行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第1の不純物領域を形成した後、垂直方向において、前記第1の不純物領域の上端位置より上方の前記半導体柱の外周部を、等幅で除去する工程と、
前記除去する工程の後に、前記ゲート絶縁層を形成する工程と、を有する、
ことを特徴とする請求項7に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第1の不純物領域と、前記第2の不純物領域と、を形成した後、熱処理により、前記第1の不純物領域に含まれているドナー、またはアクセプタ不純物を前記半導体柱内に拡散させて第3の不純物領域を形成し、同時に前記第2の不純物領域に含まれているドナー、またはアクセプタ不純物を前記半導体柱内に拡散させて第4の不純物領域を形成する工程と、を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項10】
基板上に、垂直方向に立つ半導体柱を形成する工程と、
前記半導体柱を囲んでゲート絶縁層を形成する工程と、
前記ゲート絶縁層を囲んでゲート導体層を形成する工程と、
垂直方向において、前記ゲート絶縁層より下に位置して、前記半導体柱の下部、または下部側面に接して、ドナーまたはアクセプタ不純物を含んだ第1の不純物領域を形成する工程と、
垂直方向において、前記ゲート絶縁層より上に位置して、前記半導体柱の頂部に、ドナーまたはアクセプタ不純物を含んだ第2の不純物領域を形成する工程と、
を有し、
前記第1の不純物領域を形成する工程は、
平面視において、前記半導体柱の底部の側面を囲む第1の材料層を形成する工程と、
前記第1の材料層上にあり、且つ、平面視において、前記半導体柱を等幅で囲み、且つ垂直方向において、単層又は複数層よりなる第2の材料層を形成する工程と、
前記第2の材料層をマスクにして、前記第1材料層をエッチングして、前記半導体柱の下部側面を露出させて開口部を形成する工程と、
平面視において、前記開口部の前記半導体柱の側面から外側に延びた、ドナーまたはアクセプタ不純物を含んだ前記第1の不純物領域を、選択エピタキシャル結晶成長法により、形成する工程を、有する、
ことを特徴とする柱状半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記半導体柱を、前記基板上の半導体層上に形成したマスク材料層をマスクにしてエッチングすることにより形成する工程と、
前記第1の不純物領域を形成する前工程において、前記半導体柱の側面全体に第3の材料層を形成する工程と、
前記マスク材料層と、前記第3の材料層と、を耐酸化マスクにして、酸化を行い、前記半導体柱の底部と、前記半導体柱の外周部の前記半導体層の表層と、に酸化層を形成する工程と、を有する、
ことを特徴とする請求項10に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項12】
垂直方向において、前記第1の不純物領域の下端が、前記半導体柱の底部の前記酸化層の上端より離れるように形成される、
ことを特徴とする請求項
11に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1の不純物領域の形成を、前記ゲート絶縁層を形成する前に行う、
ことを特徴とする請求項10に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記第1の不純物領域を形成した後、垂直方向において、前記第1の不純物領域の上端位置より上方の前記半導体柱の外周部を、等幅で除去する工程と、
前記除去する工程の後に、前記ゲート絶縁層を形成する工程と、を有する、
ことを特徴とする請求項10に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1の不純物領域を形成した後、熱処理により、前記第1の不純物領域に含まれているドナー、またはアクセプタ不純物を前記半導体柱内に拡散させて第3の不純物領域を形成する工程と、
前記熱処理により、垂直方向における前記第3の不純物領域の上端位置を、前記等幅で除去した前記半導体柱の前記外周部の下端になるように、前記ドナーまたはアクセプタ不純物を拡散させる工程と、を有する
ことを特徴とする請求項14に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第2の材料層が、前記ゲート絶縁層と、前記ゲート導体層と、前記ゲート導体層の側面を囲む第4の材料層よりなる、
ことを特徴とする請求項10に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【請求項17】
垂直方向において、前記ゲート導体層と、前記第1の不純物領域の間に第1の絶縁層を形成する工程を、有する、
ことを特徴とする請求項10に記載の柱状半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱状半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSI(Large Scale Integration)に3次元構造トランジスタが使われている。その中で、柱状半導体装置であるSGT(Surrounding Gate Transistor)は、高集積な半導体装置を提供する半導体素子として注目されている。また、SGTを有する半導体装置の更なる高集積化、高性能化が求められている。
【0003】
通常のプレナー型MOSトランジスタでは、チャネルが半導体基板の上表面に沿う水平方向に延在する。これに対して、SGTのチャネルは、半導体基板の上表面に対して垂直な方向に延在する(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照)。このため、SGTはプレナー型MOSトランジスタと比べ、半導体装置の高密度化が可能である。
【0004】
図5に、NチャネルSGTの模式構造図を示す。P型又はi型(真性型)の導電型を有するSi柱100(以下、シリコン半導体柱を「Si柱」と称する。)内の上下の位置に、一方がソースとなる場合に、他方がドレインとなるN
+層101a、101b(以下、ドナー不純物を高濃度で含む半導体領域を「N
+層」と称する。)が形成されている。このソース、ドレインとなるN
+層101a、101b間のSi柱100の部分がチャネル領域102となる。このチャネル領域102を囲むようにゲート絶縁層103が形成されている。このゲート絶縁層103を囲むようにゲート導体層104が形成されている。SGTでは、ソース、ドレインとなるN
+層101a、101b、チャネル領域102、ゲート絶縁層103、ゲート導体層104が、全体として柱状に形成される。このため、平面視において、SGTの占有面積は、プレナー型MOSトランジスタの単一のソース又はドレインN
+層の占有面積に相当する。そのため、SGTを有する回路チップは、プレナー型MOSトランジスタを有する回路チップと比較して、更なるチップサイズの縮小化が実現できる。
【0005】
図5に示したSGTにおいて、ソース、ドレインとなるN
+層100a、100bの低抵抗化が求められている。N
+層100a、100bの低抵抗化により、SGTを用いた回路の低消費電力化、高速化が図れる。そして、SGTを用いた回路の高集積化が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【文献】Hiroshi Takato, Kazumasa Sunouchi, Naoko Okabe, Akihiro Nitayama, Katsuhiko Hieda, Fumio Horiguchi, and Fujio Masuoka: IEEE Transaction on Electron Devices, Vol.38, No.3, pp.573-578 (1991)
【文献】C.Y.Ting,V.J.Vivalda,and H.G.Schaefer:“Study of planarized sputter-deposited SiO2“,J.Vac.Sci. Technol. 15(3),p.p.1105-1112,May/June (1978)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
柱状半導体装置の高密度化、低消費電力化、高速化の実現が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の観点に係る、柱状半導体装置の製造方法は、
基板上に、垂直方向に立つ半導体柱を形成する工程と、
前記半導体柱を囲んでゲート絶縁層を形成する工程と、
前記ゲート絶縁層を囲んでゲート導体層を形成する工程と、
垂直方向において、前記ゲート絶縁層より下に位置して、前記半導体柱の下部、または側面に接して、ドナーまたはアクセプタ不純物を含んだ第1の不純物領域を形成する工程と、
垂直方向において、前記ゲート絶縁層より上に位置して、前記半導体柱の頂部に、ドナーまたはアクセプタ不純物を含んだ第2の不純物領域を形成する工程と、
を有し、
前記第2の不純物領域を形成する工程が、前記半導体柱の前記頂部の外周を第1の絶縁層で囲む工程と、前記第1の絶縁層をマスクにして、前記半導体柱の前記頂部をエッチングする工程と、前記エッチングにより形成された、前記半導体柱上の凹部に、選択エピタキシャル結晶成長法により、ドナーまたはアクセプタ不純物を含んで前記第2の不純物領域を形成する工程を含む、
ことを特徴とする。
【0010】
垂直方向において、前記ゲート絶縁層より下に位置して、前記半導体柱の側面に接して、ドナーまたはアクセプタ不純物を含んだ前記第1の不純物領域を選択エピタキシャル成長法により形成する工程を有する、
ことがさらに好ましい。
【0011】
前記半導体柱を、前記基板上の半導体層上に形成したマスク材料層をマスクにしてエッチングすることにより形成する工程と、
前記半導体柱の側面に第4の材料層を形成する工程と、
前記マスク材料層と、前記第4の材料層と、を耐酸化マスクにして、酸化を行い、前記半導体柱の底部と、前記半導体柱の外周部の前記半導体層の表層と、に酸化層を形成する工程と、を有する、
ことがさらに好ましい。
【0012】
垂直方向において、前記第1の不純物領域の下端が、前記半導体柱の底部の前記酸化層の上端より離れるように形成される、
ことがさらに好ましい。
【0013】
前記半導体柱上の前記凹部と、前記半導体柱の下部側面の前記開口部と、を形成した後に、同時に前記第1の不純物領域と、前記第2の不純物領域を、前記選択エピタキシャル結晶成長法により形成する、
ことがさらに好ましい。
【0014】
前記第2の不純物領域の上端が、前記凹部より上方に位置し、平面視において、前記凹部より上方の前記第2の不純物領域の外周が、前記凹部の外周より外側になるように形成される、
ことがさらに好ましい。
【0015】
平面視において、前記半導体柱の底部の側面を囲む第2の材料層を形成する工程と、
前記第2の材料層上にあり、且つ、平面視において、前記半導体柱を等幅で囲み、且つ垂直方向において、単層又は複数層よりなる第3の材料層を形成する工程と、
前記第3の材料層をマスクにして、垂直方向に、前記第2材料層をエッチングする工程と、
前記第3の材料層をマスクにして、水平方向に、前記第2材料層をエッチングして、前記半導体柱の下部側面を露出させて開口部を形成する工程と、
平面視において、前記開口部の前記半導体柱の側面から外側に延びた、ドナーまたはアクセプタ不純物を含んだ前記第1の不純物領域を、選択エピタキシャル結晶成長法により、形成する工程を、有する、
ことがさらに好ましい。
【0016】
前記第1の不純物領域の形成を、前記ゲート絶縁層を形成する前に行う、
ことがさらに好ましい。
【0017】
前記第1の不純物領域を形成した後、垂直方向において、前記第1の不純物領域の上端位置より上方の前記半導体柱の外周部を、等幅で除去する工程と、
前記除去する工程の後に、前記ゲート絶縁層を形成する工程と、を有する、
ことがさらに好ましい。
【0018】
前記第1の不純物領域を形成した後、熱処理により、前記第1の不純物領域に含まれているドナー、またはアクセプタ不純物を前記半導体柱内に拡散させて第3の不純物領域を形成する工程と、
前記熱処理により、垂直方向における前記第3の不純物領域の上端位置を、前記等幅で除去した前記半導体柱の前記外周部の下端になるように、前記ドナーまたはアクセプタ不純物を拡散させる工程と、を有する、
ことがさらに好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、高密度化、低消費電力化、高速化した柱状半導体装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1B】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1C】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1D】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1E】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1F】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1G】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1H】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1I】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1J】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1K】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1L】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1M】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1N】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1O】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図1P】第1実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図2A】本発明の第2実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図2B】第2実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図2C】第2実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図3A】本発明の第3実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図3B】本発明の第3実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図3C】本発明の第3実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図3D】本発明の第3実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図3E】本発明の第3実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図3F】本発明の第3実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図3G】本発明の第3実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図3H】本発明の第3実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図3I】本発明の第3実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図4A】本発明の第4実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図4B】本発明の第4実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図4C】本発明の第4実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図4D】本発明の第4実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【
図4E】本発明の第4実施形態に係るSGTを有する柱状半導体装置の製造方法を説明するための平面図と断面構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態に係る、柱状半導体装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
(第1実施形態)
以下、
図1A~
図1Pを参照しながら、本発明の第1実施形態に係る、SGTを有する柱状半導体装置の製造方法について説明する。(a)は平面図、(b)は(a)のX-X’線に沿う断面構造図、(c)は(a)のY-Y’線に沿う断面構造図を示す。
【0023】
図1Aに示すように、i層(真性型Si層)基板(図示せず)上に形成した、平面視において円形のSiO
2層、酸化アルミニウム(Al
2O
3)層、SiO
2層よりなるマスク材料層1をマスクにして、i層基板をエッチングして、i層基板2上にSi柱3を形成する。なお、i層基板2と、Si柱3は、ドナーまたはアクセプタ不純物を少量に含むN型、またはP型のSiで形成されてもよい。
【0024】
次に、
図1Bに示すように、ALD(Atomic Layer Deposition)法により、全体に下層にSiO
2層(図示せず)と、上層にSiN層(図示せず)を被覆する。そして、RIE(Reactive Ion Etching)法により、i層基板2とマスク材料層1との上にあるSiO
2層とSiN層をエッチングする。これにより、Si柱3とマスク材料層1の側面にSiO
2層/SiN層4を残存させる。
【0025】
次に、
図1Cに示すように、熱酸化法により、i層基板2の上面と、Si柱3の底部とに、SiO
2層5を形成する。
【0026】
次に、
図1Dに示すように、Si柱3の外周のSiO
2層5上に、SiN層7、SiO
2層8、SiN層9を形成する。
【0027】
次に、
図1Eに示すように、ALD法により全体を覆ってゲート絶縁層である酸化ハフニウム(HfO
2)層11と、ゲート導体層である窒化チタン(TiN)層12を形成する。そして、全体に下層にSiN層(図示せず)、上層にSiO
2層(図示せず)を被覆する。そして、RIE法により、Si柱3の頂部と、外周部のSiN/SiO
2層をエッチングして、Si柱3の側面を囲んでSiN/SiO
2層13を形成する。
【0028】
次に、
図1Fに示すように、マスク材料層1、SiN/SiO
2層13をマスクにして、TiN層12、HfO2層11、SiN層9、SiO
2層8をエッチングして、TiN層
12a、HfO
2層
11a、SiN層9a、SiO
2層8aを形成する。
【0029】
次に、
図1Gに示すように、露出しているTiN層12aを酸化して、酸化TiN層15a、15bを形成する。そして、SiO
2層8aをエッチングして、Si柱3の底部側面が露出した開口部16を形成する。
【0030】
次に、
図1Hに示すように、開口部16の露出したSi柱3側面に接して、アクセプタ不純物を高濃度に含んだP
+層18を、選択エピタキシャル結晶成長法により、形成させる。Si柱3は、平面視において円形状の形状になっているので、Si柱3側面での面方位の偏りが低減される。これにより、平面視において、Si柱3を囲むP
+層は、ほぼ等幅に形成される。
【0031】
次に、
図1Iに示すように、P
+層18に接して、SiN層7上に、P
+層18との接続抵抗を下げる薄いバッファ金属層(図示せず)を下地に設けたW層20を形成する。そして、全体を覆ってSiO
2層(図示せず)を形成し、その後に、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて、SiO
2層を、上表面位置がマスク材料層1の上表面位置まで研磨して、SiO
2層21を形成する。そして、SiO
2層21上に、平面視においてSi柱3の一部と重なるレジスト層22を形成する。
【0032】
次に、
図1Jに示すように、マスク材料層1、SiN/SiO
2層13、レジスト層22をマスクにして、SiO
2層21と、W層20をエッチングする。これにより、平面視において、Si柱3の側面を円帯状に囲んだP
+層18と、レジスト層22下のW層20aとを形成する。
【0033】
次に、
図1Kに示すように、全体にSiN層(図示せず)を被覆して、CMP法により上表面位置が、マスク材料層1の上表面位置になるように研磨する。そして、SiN層をエッチバック(Etch Back)法により、垂直方向において、TiN層12aの中間の高さまでエッチングして、SiN層23を形成する。そして、垂直方向において、SiN層23より上部のSiN/SiO
2層13をエッチングして、SiN/SiO
2層13aを形成する。そして、平面視において、TiN層12aに接したW層24を、SiN層23上に形成する。そして、
図1Eに示したSiN/SiO
2層13を形成したのと同じ方法を用いて、SiN/SiO
2層25を形成する。そして、平面視において、SiN/SiO
2層25の外周部に、SiN層26を形成する。そして、SiN層26上に、平面視において、Si柱3の一部と重なったレジスト層27を形成する。レジスト層27は、平面視において、W層20aとは、水平方向に逆方向に伸延させる。
【0034】
次に、
図1Lに示すように、マスク材料層1、SiN/SiO
2層25、レジスト層27をマスクにして、SiN層26、W層24をエッチングして、W層24a、SiN層26aを形成する。そして、レジスト層27を除去する。
【0035】
次に、
図1Mに示すように、全体にSiN層(図示せず)を覆い、その後にCMP法により、SiN層の上表面位置が、マスク材料層1の上表面位置になるように研磨する。そして、マスク材料層1をAl
2O
3層までエッチングする。Al
2O
3層のエッチングは、例えば、3塩化ホウ素(BCl
3、Boron Trichloride)ガスによる、室温RIE法で、行う。そして、バックエッチ法により、SiN層をエッチングして、SiN層29を形成する。そして、垂直方向において、SiN層29より上部のSiN/SiO
2層25、TiN層12a、HfO
2層11aをエッチングして、SiN/SiO
2層25a、TiN層12b、HfO
2層11bを形成する。そして、TiN層12bの頂部をエッチングする。そして、Si柱3の頂部に残存しているSiO
2層を除去する。これにより、垂直方向において、Si柱3の上部を露出させる。
【0036】
次に、
図1Nに示すように、全体にSiO
2層(図示せず)を覆って、その後にCMP法により、SiO
2層の上表面位置が、Si柱3の上表面位置となるように研磨して、SiO
2層30を形成する。そして、SiO
2層30をマスクにして、Si柱3の頂部をエッチングして、凹部31を形成する。このエッチングは、凹部31の底部の、垂直方向での位置が、TiN層12bの上端になるように、おこなう。
【0037】
次に、
図1Oに示すように、Si柱3上の凹部31に、アクセプタ不純物を高濃度に含んだP
+層32を選択エピタキシャル結晶成長法により形成する。この場合、P
+層32の頂部位置は、垂直方向において、SiO
2層30より上になるように選択エピタキシャル結晶成長させる。
【0038】
次に、
図1Pに示すように、全体にSiO
2層(図示せず)を覆い、そしてCMP法により表面を平坦にして、SiO
2層33を形成する。そして、W層20a上のSiO
2層33、30、SiN層29、23をエッチングして、コンタクトホールC1を形成する。そして、P
+層32上のSiO
2層33をエッチングしてコンタクトホールC2を形成する。そして、W層24a上のSiO
2層33、30、SiN層29をエッチングして、コンタクトホールC3を形成する。そして、コンタクトホールC1を介して、W層20aに繋がった金属配線層M1と、コンタクトホールC2を介して、P
+層32に繋がった金属配線層M2と、コンタクトホールC3を介して、W層24aに繋がった金属配線層M3と、を形成する。これにより、P
+層18と、P
+層32との一方がソースとすると、他方がドレインとし、TiN層12bがゲート導体層とし、HfO
2層11bをゲート絶縁層とし、P
+層18、32間のSi柱3をチャネルとしたSGTが形成される。
【0039】
第1実施形態の製造方法によれば、次のような特徴が得られる。
1.P+層18、32は、選択エピタキシャル結晶成長法により、共にアクセプタ不純物を高濃度に含んで形成される。これにより、アクセプタ不純物濃度がP+層18、32とSi柱3の接合面で急峻に変化したPN接合を形成することができる。これは、SGTのソース、ドレインの低抵抗化に繋がる。このソース、ドレインの低抵抗化は、P+層18、またはP+層32の、一方を、または両方をアクセプタ不純物を高濃度に含んで、選択エピタキシャル結晶成長により形成しても、ソースまたはドレインの低抵抗化に繋がる。
2.回路の高密度化に伴い、Si柱3径が小さくなる。この場合、従来のようにSi柱3内だけにPN接合形成のための不純物領域を形成させようとすると、不純物領域が細いSi柱3内に限定されることにより、必然的にソースまたはドレインとなるPN接合抵抗の増大が生じる。これに対して、本発明では、Si柱3の底部側面を取り囲むようにSi柱3径の制限なく、低抵抗ソース・ドレインとしての必要な体積を有し、且つ広いエピタキシャル結晶成長面が得られることにより良質な結晶性を有するP+層18、32を形成することができる。これにより、ソース、ドレインの低抵抗化が図れる。
3.P+層18、32は、Si層に替えて、例えば、シリコン・ゲルマニウム(SiGe)より形成することにより、Si柱3内にホール移動度を高める応力を発生させることが出来る。これにより、SGT回路の高速化を図ることができる。また、SiGeに替えて、アクセプタ、またはドナー不純物を高濃度に含んで、選択エピタキシャル結晶成長ができる他の半導体材料層を選ぶことによって、Pチャネル型、またはNチャネル型のSGTを形成することができる。SGTのチャネルを構成する半導体母体と、ソースまたはドレインを構成する半導体母体を変えることにより高性能SGT回路が実現できる。
4.Si柱3の底部に形成されたSiO2層5と、SiGeより形成されたP+層18、32により、Si柱3内にホール移動度を更に高める応力を発生させることが可能となる。これにより、SGT回路の更なる高速化を図ることができる。
5.SiO2層5はSi柱3を覆ったマスク材料層1と、SiO2層/SiN層4とをマスクにして、熱酸化法により、Si柱3の底部と、i層基板2の上表面に形成した。そして、Si柱3の底部側面にSiO2層/SiN層4を残して、垂直方向において、SiO2層5の上端より上方に離れて、P+層18を形成した。これにより、垂直方向において、SiO2層5と、P+層18とが重なることを防ぐことができる。これにより、SiO2層5と、P+層18とが重なることで、P+層18とSi柱3側面のSi面との接触面積の減少によるソースまたはドレインの抵抗の増大を防ぐことができる。また、P+層18を選択エピタキシャル結晶成長させるSi柱3底部側面を、応力集中を生じているSi柱3とSiO2層5との界面から離すことができる。これにより、結晶性のよいP+層18をSi柱3底部側面に形成することができる。
6.P+層32が、Si柱3の上面に繋がり、且つ、Si柱3の上面の平面視において、Si柱3の頂部形状を維持して、そこから垂直方向上方に延びたP+層32の下部領域と、そして、この下部領域の上面に繋がり、且つ、この下部領域の上面の平面視において、P+層32の下部領域の外周端より外側に外周端があるP+層32の上部領域とを有するように形成した。このように、上部P+層32を、平面視において、Si柱3より大きい面積で形成することができる。これにより、金属配線層M2とP+層32を繋ぐ、コンタクトホールC2を、余裕のあるマスク合せ精度で、形成することができる。
【0040】
(第2実施形態)
以下、
図2A~
図2Cを参照しながら、本発明の第2実施形態に係る、SGTを有する柱状半導体装置の製造方法について説明する。(a)は平面図、(b)は(a)のX-X’線に沿う断面構造図、(c)は(a)のY-Y’線に沿う断面構造図である。本第2実施形態の製造方法は、以下に説明する相違点を除き、第1実施形態で示した工程と同様である。
【0041】
図2Aに示す工程の前までは、
図1Aから
図1Gまでと同じ工程を行う。そして、Si柱3の底部で露出した側面に接して、アクセプタ不純物を高濃度で含んだP
+層35を選択エピタキシャル結晶成長法により形成する。この場合、平面視において、P
+層35の外周は、SiN/SiO
2層13の外周より内側になるように形成する。そして、全体に、ALD法とCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、W層(図示せず)を覆う。そして、CMP法により、その上表面位置が、マスク材料層1の上表面になるように研磨する。そして、W層をエッチバック法によりエッチングして、P
+層35に繋がったW層36を形成する。なお、W層36を形成する前に、P
+層35とW層36の間に、P
+層35とW層36の間の抵抗を下げるためのバリヤ金属層である、例えばTa層を形成してもよい。この場合、平面視においてTa層はP
+層35を等幅で囲んで形成される。
【0042】
次に、
図2Bに示すように、全体にSiO
2層(図示せず)を覆い、CMP法により、その上表面位置が、マスク材料層1の上表面になるように研磨する。そして、平面視において、Si柱3と一部が重なったレジスト層22を形成する。そして、SiN/SiO
2層13、マスク材料層1、レジスト層22をマスクにして、SiO
2層と、W層36とをエッチングして、SiO
2層37、W層36aを形成する。そして、レジスト層22を除去する。この場合、平面視において、P
+層35の全周を囲んでW層36aが形成される。
【0043】
次に、
図1Kから
図1Pまでと同じ工程を行うことにより、
図2Cに示すように、SGTが形成される。
【0044】
本実施形態のSGTを有する柱状半導体装置の製造方法によれば、次のような特徴が得られる。
1.第1実施形態では、平面視において、W層20aはP+層18の外周の一部と接している。W層20aはP+層18の全周を囲んでいない。これに対し、本実施形態では、平面視において、P+層35の全周を等幅で囲んでW層36aが形成されている。このようにW層36aが、P+層35の全周を等幅で囲むことにより、P+層35とW層36aとの接続抵抗の低減化が図れる。これにより、SGT回路の更なる高速化を図ることができる。
2.本実施形態では、平面視において、Si柱3を囲んだ部分のW層36は、SiN/SiO2層13をマスクにして、エッチングされている。SiN/SiO2層13は、Si柱3に対して、リソグラフィ法におけるマスク合せズレが生じない自己整合により形成されている。このため、平面視において、P+層35の全周を囲んだW層36aを高精度に、且つ小さい面積で形成されている。これにより、高密度のSGT回路が実現できる。
【0045】
(第3実施形態)
以下、
図3A~
図3Iを参照しながら、本発明の第3実施形態に係る、SGTを有する柱状半導体装置の製造方法について説明する。(a)は平面図、(b)は(a)のX-X’線に沿う断面構造図、(c)は(a)のY-Y’線に沿う断面構造図である。
【0046】
図3Aに示す工程の前までは、
図1A~
図1EのSiN/SiO
2層13形成前までの工程を行う。そして、全体にSiO
2層(図示せず)を覆い、CMP法によりSiO
2層の上表面位置がマスク材料層1の上表面位置になるように研磨する。そして、エッチバック法によりSiO
2層をエッチングして、SiO
2層38を形成する。このSiO
2層38の上表面位置は、垂直方向において、マスク材料層1の下端になるのが望ましい。そして、Si柱3の頂部側面を囲み、且つSiO
2層38上に、SiN/SiO
2層13を形成したのと同じ方法を用いて、SiN/SiO
2層39を形成する。
【0047】
次に、
図3Bに示すように、SiN/SiO
2層39をマスクにして、SiO
2層38、TiN層12、HfO
2層11をエッチングして、Si柱3を囲んだSiO
2層38a、TiN層12c、HfO
2層11cを形成する。
【0048】
次に、
図3Cに示すように、SiN/SiO
2層39をマスクにして、更にSiN層9、SiO
2層8をエッチングして、Si柱3を囲んだSiN層9b、SiO
2層8bを形成する。
【0049】
次に、
図3Dに示すように、TiN層12
cの上部及び下部で露出している部分を酸化してTiNO層45a、45bを形成する。そして、マスク材料層1を除去する。そして、Si柱3の頂部をエッチングして、凹部42を形成する。そして、Si柱3の底部の側面にあるSiO
2層8a、SiO
2層/SiN層4aをエッチングして、Si柱3の底部側面を露出させて、開口部41を形成する。
【0050】
次に、
図3Eに示すように、選択エピタキシャル結晶成長法により、Si柱3の底部開口部41と、頂部奥部42に、Si柱3に接して、アクセプタ不純物を高濃度に含んだP
+層43、44を形成する。
【0051】
次に、
図3Fに示すように、タンタル(Ta)のスパッタ蒸着法により、P
+層44上のTa層47と、P
+層43に接し、且つSi柱外周部のSiN層7上にTa層46を形成する。このTaのスパッタ蒸着は、蒸着加速電圧を調整して、側面が垂直であるSiO
2層38a側面に蒸着されないように行う(非特許文献2を参照)。そして、全体に軽いTaエッチングを行い、SiN/SiO
2層39側面に付いたTaを除去する。
【0052】
次に、
図3Gに示すように、全体にSiO
2層(図示せず)を覆い、CMP法により、SiO
2層と、Ta層47の上表面位置が、TiNO層45bの上表面位置になるように研磨して、SiO
2層48と、上表面が平坦なTa層47aとを形成する。そして、平面視において、Si柱を覆ったレジスト層49を形成する。
【0053】
次に、
図3Hに示すように、レジスト層49と、SiN/SiO
2層39をマスクにして、SiO
2層48をエッチングして、SiO
2層48aを形成する。
【0054】
次に、
図3Iに示すように、レジスト層49と、SiN/SiO
2層39をマスクにして、更にTa層46をエッチングして、配線導体層であるTa層46aを形成する。そして、レジスト層49を除去する。そして、
図1K~
図1Pと同じ工程を行うことにより、i層基板2上にSGTが形成される。ここで、Ta層47aは、上部配線導体層との接続導体層となる。
【0055】
本実施形態のSGTを有する柱状半導体装置の製造方法によれば、次のような特徴が得られる。
1.本実施形態では、
図3Eに示すように、P
+層43、44を同時に選択エピタキシャル結晶成長法により形成している。これにより、SGT製作の工程が簡略化される方法によっても、第1実施形態と同じ特徴を有するSGTが実現される。
2.本実施形態では、平面視において、Si柱3頂部上にあるP
+層44と接続導体層であるTa層47aの外周が、Si柱3の外周と同じで、上方に伸びて形成されている。Ta層47aは低抵抗であるので、このTa層47と、上部配線導体層との接続領域は、平面視において、Ta層47の一部と繋がるだけでも良い。これにより、高密度のSGT回路が実現する。
【0056】
(第4実施形態)
以下、
図4A~
図4Dを参照しながら、本発明の第4実施形態に係る、SGTを有する柱状半導体装置の製造方法について説明する。(a)は平面図、(b)は(a)のX-X’線に沿う断面構造図、(c)は(a)のY-Y’線に沿う断面構造図である。
【0057】
図4Aに示すように、
図3A、3Bに示した工程における、ゲートHfO
2層11、ゲートTiN層12を形成しないで、SiO
2層/SiN層4の外周部に、
図3Aと同じくSiO
2層38を形成し、同じくマスク材料層1の側面にSiO
2層/SiN層39aを形成する。そして、SiO
2層/SiN層39a、マスク材料層1をマスクにして、SiO
2層38をエッチングして、SiO
2層38bをSiO
2層/SiN層4の側面を囲み、且つSiN層9上に形成する。
【0058】
次に、
図4Bに示すように、SiO
2層/SiN層39a、マスク材料層1をマスクにして、SiN層9と、SiO
2層8をエッチングして、SiN層9cと、SiO
2層8cを形成する。
【0059】
次に、
図4Cに示すように、SiO
2層8cをエッチングして、Si柱3の底部側面を露出させる。そして、選択エピタキシャル結晶成長法により、アクセプタ不純物を高濃度に含んだP
+層50を形成する。そして、P
+層に接して、その外周部にW層51を形成する。そして、W層51上にあって、且つSiO
2層38bの外周部にSiN層52を形成する。
【0060】
次に、
図4Dに示すように、SiO
2層/SiN層39a、SiO
2層38b、SiN層4dをエッチングする。このエッチングでは、SiN層4dの底部に位置して、SiN層4eを残存させる。そして、Si柱3の側面を酸化してSiO
2層54を形成する。そして、SiO
2層54を除去する。これにより、垂直方向において、SiN層52より上部に、Si柱3径より小さい径を持つSi柱3aが形成される。
【0061】
次に、
図4Eに示すように、全体にゲートHfO
2層11dと、ゲートTiN層12dをALD法により形成する。そして、ゲートHfO
2層11dと、ゲートTiN層12dのパターンニングは、
図1E、
図1Fで説明したのと同じ方法を用いて行う。そして、W層51のパターニングは、
図1I、
図1Jで説明したのと同じ方法を用いておこなう。そして、その後、
図1Kから
図1Pの工程を行うことにより、i層基板2上にSGTが形成される。
【0062】
実施形態のSGTを有する柱状半導体装置の製造方法によれば、次のような特徴が得られる。
1.本実施形態によれば、P+層50は、平面視において、Si柱3aより長い外周を持つSi柱3の側面に接して形成される。これにより、P+層50を介して流れる電流のSi柱3側面面積を大きくすることができる。これにより、ソース・ドレイン抵抗の低減化が図れる。なお、更なるソース・ドレイン抵抗の低減には、最終工程までの熱工程により、P+層50からのアクセプタ不純物が、上部Si柱3aと底部Si柱3との境界近くまで、拡散されていることが、より望ましい。
2.本実施形態によれば、P+層50の形成は、ゲートHfO2層11dと、ゲートTiN層12dとの形成の前に行われる。これにより、P+層50の選択エピタキシャル結晶成長は、第1実施形態において課題となるゲートHfO2層11dと、ゲートTiN層12とゲートHfO2層11dへの熱ダメージを考慮する必要がない。これにより、P+層50の選択エピタキシャル結晶成長プロセスにおける、例えば結晶性を上げるためのエピタキシャル成長温度の高温化などのプロセスマージンを広げることができる。
【0063】
なお、本発明に係る実施形態では、SGT単体トランジスタを例として説明したが、複数のSGTを用いた回路形成においても本発明を適用することができる。
【0064】
また、本発明に係る実施形態では、1つの半導体柱3に1個のSGTを形成したが、2個以上を形成する回路形成においても、本発明を適用できる。
【0065】
また、第1実施形態では、
図1Aに示したように、SiO
2層/Al
2O
3層/SiO
2層よりなるマスク材料層1をエッチングマスクとして用いた。その目的が得られるものであれば、単層または複数層よりなる他の組み合わせの材料層であってもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0066】
また、第1実施形態では、
図1Aに示したように、SiO
2層/Al
2O
3層/SiO
2層よりなるマスク材料層1は、その一部、または全体を、
図1Lで示した工程まで、Si柱3の頂部を、それまでのエッチングに対するマスクとして残存させた。その目的が得られるものであれば、単層または複数層の他の組み合わせの材料層であってもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0067】
また、第1実施形態では、
図1Fに示すように、マスク材料層1、SiN/SiO
2層13をマスクにして、TiN層12、HfO2層11、SiN層9、SiO
2層8をエッチングして、TiN層12a、HfO
2層11a、SiN層9a、SiO
2層8aを形成した。SiN/SiO
2層13は、TiN層12、HfO
2層
11、SiN層9、SiO
2層8をエッチングするためのマスクとしての役割を果たすものであれば、単層または複数層よりなる他の組み合わせの材料層であってもよい。これは、
図1Kに示したSiN/SiO
2層25、そして、第3実施形態での、
図3Aに示したSiN/SiO
2層39においても同じである。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0068】
また、第1実施形態では、i層基板2上にSi柱3を形成して、SGTを形成したが、i層基板2の代わりにSOI(Silicon On Insulator)基板を用いてもよい。また、i層基板2にウエル構造を設けてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0069】
また、第1実施形態では、
図1Cに示すように、Si柱3頂部をマスク材料層1で覆い、側面をSiO
2/SiN層4で覆った状態で、熱酸化法によりSi柱3の底部と、i層基板2上面にSiO
2層5を形成した。このSiO
2層5は、例えばFCVD法とCMP法により全体にFCVD-SiO
2層を、その上表面位置が、マスク材料層の上表面位置になるようにした後に、熱酸化してもよい。この場合、酸素(O)はFCVD-SiO
2層を通過して、Si柱3の底部と、i層基板2上面が酸化されることにより、SiO
2層5を形成される。また、他の方法により、SiO
2層5を形成してもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0070】
また、第1実施形態では、
図1Gに示すように、TiN層12aの頂部、及び底部で、露出しているTiN層12aを酸化して絶縁層であるTiNO層15a、15bを形成した。これに対して、例えば、
図1Fにおいて、SiO
2層8aを残存させた状態で、露出したTiN層12aをエッチングして凹部を形成し、その後にALD法により、凹部を埋め、且つ全体にSiN層を覆う。そして、凹部にSiN層を残して、他の全体を覆ったSiN層をエッチングして除去する。これにより、TiN層12aの頂部、及び底部にSiN層による絶縁層を形成することができる。このようにして、酸化以外の方法を用いて、TiN層12aの頂部、及び底部に絶縁層を形成してもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0071】
また、第1実施形態では、
図1Dに示すように、Si柱3の外周のSiO
2層5上に、SiN層7、SiO
2層8、SiN層9を形成した。そして、
図1F,
図1Gに示すように、マスク材料層1、SiN/SiO
2層13をマスクにして、TiN層12、HfO
2層
11、SiN層9、SiO
2層8をエッチングして、TiN層12a、HfO
2層
11a、SiN層9a、SiO
2層8aを形成した。そして、露出しているTiN層12aを酸化して、TiNO層15a、15bを形成する。そして、SiO
2層8aをエッチングして、Si柱3の底部側面が露出した空間16を形成した。この場合、マスク材料層1、SiN/SiO
2層13、TiN層12a、HfO
2層
11a、SiN層9、SiO
2層8の材料の選択、及びこれらのエッチング方法は、Si柱3の底部側面を露出する目的が得られるものであれば任意である。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0072】
また、第1実施形態では、
図1Hに示すように、P
+層18の形成を選択エピタキシャル結晶成長法を用いて行った。このP
+層18形成は、CVD法に限らず、例えば分子線堆積(Molecular beam deposition )、ALD法、液相エピタキシャル法など、選択エピタキシャル結晶成長できるほかの方法を用いても良い。これはP
+層32の形成に対しても同様である。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0073】
また、第1実施形態では、
図1Jに示すように、マスク材料層1、SiN/SiO
2層13、レジスト層22をマスクにして、SiO
2層21と、W層20をエッチングした。これにより、平面視において、Si柱3の側面を円帯状に囲んだP
+層18に接して、レジスト層22下にW層20aを形成した。このレジスト層22は、本エッチングの目的が得られるものであれば、レジスト材料層、有機層または無機層よりなる単層、または複数層より構成されたものであってもよい。また、レジスト層22は、SiO
2層21と、W層20のエッチングの途中において、上層部分がエッチングされても、エッチングの最終において、マスク層としての機能があるものであればよい。また、SiO
2層21aがW層20aの形成におけるマスクとして機能できれば、レジスト層22はエッチングの最終段階で除去されていてもよい。また、上記のことは、レジスト層27についても同様である。そして、このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0074】
また、第1実施形態における、
図1Pに示すように、P
+層32の下端の垂直方向における位置は、ゲート導体層であるTiN層12bの上端になるように形成した。このP
+層32の底部の位置は、ゲートTiN層12bの上端位置にあるのが望ましい。このP
+層32の底部の位置は、ゲートTiN層12bの上端位置とは、SGTの動作に不都合を生じさえなければ、ゲートTiN層12bの上端より少し上にある場合や、少し下にある場合を含むものである。また、P
+層32の下端の垂直方向における位置は、ゲート絶縁層11bの上端位置より上にあっても、下にあってもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0075】
また、第1実施形態では、P+層18に繋がった配線導体層部分を、W層20aで形成したが、他の金属または合金層などの単層または複数層から構成される材料層で形成してもよい。また、第3実施形態におけるP+層43に接続したTa層46についても同様である。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0076】
また、本発明の実施形態では、Si柱3の平面視における形状は、円形状であった。これに対して、本発明は、平面視におけるSi柱3の形状は、矩形状、楕円状であっても、同様に適用できる。
【0077】
また、第1実施形態では、
図1Pに示された、P
+層18、32はSi柱3の底部側面と、頂部上とに形成された。P
+層18、32と、Si柱3との境界において、拡大して見ると、P
+層18、32のアクセプタ不純物が、形成後の熱工程により、Si柱3内に拡散されている。この場合、イオン注入、または固相拡散法と比べて、P
+層18、32と、Si柱3との境界における、急峻なアクセプタ不純物分布が保持されるので、接合抵抗の低減化が図れる。また、Si柱3径が、平面視において、更に小さくなってくると、平面視において、選択エピタキシャル結晶成長法により形成されたP
+層18、32よりのアクセプタ不純物が、Si柱3内部全体に拡散される。この場合でも、Si柱3内の垂直方向における不純物分布は、イオン注入、または固相拡散法と比べて、急峻になっている。これは、必要なP
+層18が、初めにSi柱3の外周部に形成されるのに対して、イオン注入では高温での不純物イオンの活性化処理、固相拡散ではP
+領域をSi柱3内部形成するための不純物熱拡散のための熱処理を必要とすることによる。なお、この不純物分布の急峻性のためには、P
+層18、32形成後の熱工程の低温化と、短時間化がなされることが望ましい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0078】
また、同様に、第1実施形態において、Si柱3径が、平面視において、更に小さくなってくると、平面視において、選択エピタキシャル結晶成長法により形成されたP+層18よりのアクセプタ不純物が、Si柱3内部全体に拡散される。この場合、P+層18のSi柱3内での、垂直方向における上端位置は、SiN層9aの下端位置より上方になる。このP+層18のSi柱3内での上端位置は、ゲートTiN層12bの下端位置にあるのが望ましいが、SGTの動作に不都合を生じさえなければ、ゲートTiN層12bの下端位置より上にあっても、下にあってもよい。P+層32についても同様である。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0079】
また、第4実施形態では、最終工程までの熱工程により、P+層50からのアクセプタ不純物が、上部Si柱3aと底部Si柱3との境界近くまで、拡散されていることが、より望ましいと述べた。この場合においても、SGTの動作に不都合を生じさえなければ、P+層50から繋がるアクセプタ不純物拡散領域は、その上端位置が底部Si柱3の上端位置にあってもよい。ここで、底部Si柱3の上端位置とは、上部Si柱3aと底部Si柱3との境界より少し上にある場合や、少し下にある場合も含むものである。
【0080】
また、第1実施形態では、Si柱3の底部側面、及び頂部上に、高濃度のアクセプタ不純物を含んだP+層18、32を形成した。P+層18、32に替えて、N+層を形成しても良い。また、基板上に複数の半導体柱を形成し、それぞれを異なる半導体母体からなるP+層18、32、またはN+層を形成してもよい。また、Si柱3は他の半導体材料より形成されてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0081】
また、第1実施形態では、P+層18、32を、選択エピタキシャル結晶成長法により、共にアクセプタ不純物を高濃度に含んで形成した。これにより、アクセプタ不純物濃度がP+層18、32とSi柱3の接合面で急峻に変化したPN接合を形成することができる。これは、SGTのソース、ドレインの低抵抗化に繋がる。このソース、ドレインの低抵抗化は、P+層18、またはP+層32の、一方を、アクセプタ不純物を高濃度に含んで、選択エピタキシャル結晶成長により形成しても、選択エピタキシャル結晶成長を行った、ソースまたはドレインの低抵抗化に繋がる。
【0082】
また、第1実施形態では、ゲート電極としてTiN層12bを用いて説明したが、ゲート電極材料層は、単層または複数層の他の導体層より形成してもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0083】
また、第1実施形態では、Si柱3の上下に、同じ極性の導電性を有するP+層18、32で、ソース、ドレインを構成するSGTについて説明したが、極性が異なるソース、ドレインを有するトンネル型SGTに対しても、本発明が適用できる。このことは、第3実施形態を除いて、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0084】
また、第1実施形態では、垂直方向において、SiO2層5の上端より上方に離れて、P+層18を形成した。これにより、垂直方向において、SiO2層5と、P+層18とが重なることを防ぐことができる。そして、これにより、SiO2層5と、P+層18とが重なることで、P+層18とSi柱3側面のSi面との接触面積の減少によるソースまたはドレインの抵抗の増大を防ぐことができる。また、P+層18を選択エピタキシャル結晶成長させるSi柱3底部側面を、応力集中を生じているSi柱3とSiO2層5との界面から離すことができる。これにより、結晶性のよいP+層18を選択エピタキシャル結晶成長させるSi柱3底部側面に形成することができる。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0085】
また、第1実施形態では、
図1N、
図1Oを用いて説明したように、Si柱3の頂部をエッチングして凹部31を形成し、その後に、凹部31にP
+層32を選択エピタキシャル結晶成長法により、形成した。これに対して、例えば、
図1Mにおいて説明したように、全体にSiN層(図示せず)を覆い、その後にCMP法により、SiN層の上表面位置が、マスク材料層1の上表面位置になるように研磨する。そして、マスク材料層1をAl
2O
3層までエッチングした。これに対して、マスク材料層1の全体をエッチングすることにより、Si柱3上に凹部31と同様の凹部を形成することができる。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0086】
また、第2実施形態では、W層36を形成する前に、P+層35とW層36の間に、P+層35とW層36の間の抵抗を下げるためのバリヤ金属層となる、例えばTa層を形成してもよいと述べた。この場合、平面視においてTa層はP+層35を等幅に形成される。このTa層は、平面視において、等幅の単層、または複数層の導体層で形成されていてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0087】
また、第3実施形態では、マスク材料層1を除去した後に、Si柱3の頂部をエッチングして、凹部42を形成した。この凹部42は、前述した第1実施形態と同様に、マスク材料層1を除去しただけでも形成することができる。この場合、Si柱3の頂部を薄く酸化して、その後にこの形成された酸化膜を除去する洗浄を行うのが望ましい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0088】
また、第3実施形態での、
図3Eに示すSiO
2層38aは、外側表層が、P
+層43、44を形成する選択エピタキシャル結晶成長において、Si層が堆積しない材料層で形成されておれば、SiO
2層に限らなくてよい。また、この材料層は単層、または複数層より構成されていてもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0089】
第4実施形態によれば、P+層50の形成は、ゲートHfO2層11dと、ゲートTiN層12dの形成の前に行われた。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様に適用できる。
【0090】
第4実施形態によれば、
図4Dに示すように露出したSi柱3の側面を酸化してSiO
2層54を形成した。このSiO
2層54を除去して、平面視においてSi柱3より細いSi柱3aを形成した。これに対し、例えば露出したSi柱3表面のSi層をエッチングするなどの他の方法を用いて、Si柱3aを形成してもよい。このことは、本発明に係るその他の実施形態においても同様である。
【0091】
また、上記各実施形態では、半導体柱におけるチャネル、ソース、ドレインなどの半導体領域としてSi(シリコン)を用いた例について説明した。しかしこれに限られず、本発明の技術思想は、SiGeのようにSiを含んだ半導体材料、またはSi以外の半導体材料を用いた、SGTを有する半導体装置にも適用可能である。
【0092】
また、縦型NAND型フラッシュメモリ回路では、半導体柱をチャネルにして、この半導体柱を囲んだトンネル酸化層、電荷蓄積層、層間絶縁層、制御導体層から構成されるメモリセルが複数段、垂直方向に形成される。これらメモリセルの両端の半導体柱には、ソースに対応するソース線不純物層と、ドレインに対応するビット線不純物層がある。また、1つのメモリセルに対して、その両側のメモリセルの一方がソースならば、他方がドレインの役割を行う。このように、縦型NAND型フラッシュメモリ回路はSGT回路の1つである。従って、本発明はNAND型フラッシュメモリ回路に対しても適用することができる。
【0093】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明の一実施例を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。上記実施例及び変形例は任意に組み合わせることができる。さらに、必要に応じて上記実施形態の構成要件の一部を除いても本発明の技術思想の範囲内となる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明に係る、柱状半導体装置の製造方法によれば、高性能な柱状半導体装置が得られる。
【符号の説明】
【0095】
1 マスク材料層
2 i層基板
3、3a Si柱
4、4a、4e、13、13a、25、39、39a SiO2層/SiN層
5、8、8a、8b、8c、21、21a、30、33、37、38、38a、38b、48、48a、54 SiO2層
7、9、9a、9b、9c、23、26、26a、29、52 SiN層
11、11a、11b、11c、11d HfO2層
12、12a、12b、12c、12d TiN層
16、41 開口部
15a、15b、45a、45b TiNO層
18、32、35、43、44、50 P+層
20、20a、24、24a、36、36a、51 W層
22、27、49 レジスト層
31、42 凹部
C1,C2、C3 コンタクトホール
M1,M2,M3 金属配線層
46、46a、47、47a Ta層