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特許7057055学習用付箋、学習用付箋セット、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】学習用付箋、学習用付箋セット、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B42D 9/00 20060101AFI20220412BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20220412BHJP
   B42D 5/00 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
B42D9/00 B
G09F3/00 S
B42D5/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021145338
(22)【出願日】2021-09-07
【審査請求日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】P 2021110230
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521291460
【氏名又は名称】樫原 優衣
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【弁理士】
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】樫原 優衣
【審査官】富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3196226(JP,U)
【文献】特許第4258767(JP,B2)
【文献】実開昭59-143787(JP,U)
【文献】登録実用新案第3216340(JP,U)
【文献】登録実用新案第3189016(JP,U)
【文献】特開2001-180171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 5/00、9/00
B42F 21/06
G09F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付箋紙本体と、前記付箋紙本体に接続され、前記付箋紙本体から順次切り離し可能な複数の切離部とを含む付箋紙を備え、
前記切離部のそれぞれには、前記付箋紙が被貼付体に貼付されている状態において視認可能であって、学習の開始時点からの経過時点を示すタイミング情報が示されている表示領域が設けられ、
前記表示領域のそれぞれには、先に切り離される前記切離部の前記表示領域に示されているタイミング情報が示す経過時点よりも後の経過時点を示すタイミング情報が示されている
学習用付箋。
【請求項2】
前記複数の切離部は、前記学習用付箋の長さ方向に順に配設され、
前記切離部のそれぞれが順次切り離されるにしたがって、前記学習用付箋の長さが短くなる、
請求項1に記載の学習用付箋。
【請求項3】
前記複数の切離部は、前記学習用付箋の幅方向に順に配設される、
請求項1に記載の学習用付箋。
【請求項4】
前記複数の切離部は、ミシン目によって切り離し可能である、
請求項1乃至3の何れかに記載の学習用付箋。
【請求項5】
被貼付体に貼付されている状態において視認可能であって、学習の開始時点からの経過時点を示すタイミング情報が示されている表示領域を複数有する付箋紙を備え、
前記表示領域のそれぞれは、折り目の目印により区画され、
前記付箋紙が前記折り目に沿って順次折り込まれることにより、前記表示領域のそれぞれが順次視認不能となり、
前記表示領域のそれぞれには、先に視認不能となる前記表示領域に示されているタイミング情報が示す経過時点よりも後の経過時点を示すタイミング情報が示されている
学習用付箋。
【請求項6】
前記複数の表示領域は、前記学習用付箋の長さ方向に順に配設され、
前記付箋紙が前記折り目に沿って順次折り込まれるにしたがって、前記学習用付箋の長さが短くなる、
請求項5に記載の学習用付箋。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載の学習用付箋を複数備え、
前記学習用付箋のそれぞれは視認可能に配設され、それぞれが有する前記表示領域には互いに異なるタイミングを示す前記タイミング情報が示される、
学習用付箋セット。
【請求項8】
撮像装置を備えるコンピュータに、前記撮像装置を用いて学習用付箋に示されている情報を読み取らせるコンピュータプログラムであって、
前記学習用付箋は、
被貼付体に貼付されている状態において視認可能な表示領域を複数有する付箋紙を備え、
前記表示領域のそれぞれには、学習のタイミングを示すタイミング情報が示されており、
前記コンピュータを、
前記撮像装置を用いて前記表示領域に示されているタイミング情報を読み取る手段、
及び、読み取った前記タイミング情報を外部の装置に対して送信する手段
として機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の学習に用いられる学習用付箋及び学習用付箋セット、並びにその学習用付箋に示される情報を電子的に利用可能とするためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、付箋紙本体にミシン目を形成することにより、そのミシン目から切断されて付箋紙本体から除去される除去部を設けた付箋が開示されている。この付箋の使用者が、学習の過程において除去部を適宜除去することによって、復習の実施の有無等を視覚的に確認することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3216340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来の付箋の場合、復習が実施されたか否かの確認は可能であるものの、それを実施する適切なタイミングを確認することはできないという問題がある。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、上記の課題を解決することが可能な学習用付箋及び学習用付箋セット、並びにその学習用付箋に示される情報を電子的に利用可能とするためのコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一の態様の学習用付箋は、被貼付体に貼付されている状態において視認可能な表示領域を複数有する付箋紙を備え、前記表示領域のそれぞれには、学習のタイミングを示すタイミング情報が示される。
【0007】
前記態様において、前記表示領域には、学習すべき日にちを示す前記タイミング情報が示されてもよい。
【0008】
また、前記態様において、前記付箋紙は、付箋紙本体と、前記付箋紙本体に接続され、前記付箋紙本体から順次切り離し可能な複数の切離部とを備えており、前記切離部のそれぞれが前記表示領域を有していてもよい。
【0009】
また、前記態様において、前記複数の切離部は、前記学習用付箋の長さ方向に順に配設され、前記切離部のそれぞれが順次切り離されるにしたがって、前記学習用付箋の長さが短くなってもよい。
【0010】
また、前記態様において、前記表示領域のそれぞれは、折り目の目印により区画されていてもよい。
【0011】
また、本発明の他の態様の学習用付箋は、被貼付体に貼付されている状態において視認可能な表示領域を複数有する付箋紙を備え、前記表示領域のそれぞれには、学習のタイミングを示すタイミング情報が付される領域を示す印が付されている。
【0012】
本発明の一の態様の学習用付箋セットは、上記態様の学習用付箋を複数備え、前記学習用付箋のそれぞれは視認可能に配設され、それぞれが有する前記表示領域には互いに異なるタイミングを示す前記タイミング情報が示される。
【0013】
本発明の一の態様のコンピュータプログラムは、撮像装置を備えるコンピュータに、前記撮像装置を用いて学習用付箋に示されている情報を読み取らせるコンピュータプログラムであって、前記学習用付箋は、被貼付体に貼付されている状態において視認可能な表示領域を複数有する付箋紙を備え、前記表示領域のそれぞれには、学習のタイミングを示すタイミング情報が示されており、前記コンピュータを、前記撮像装置を用いて前記表示領域に示されているタイミング情報を読み取る手段、及び、読み取った前記タイミング情報を外部の装置に対して送信する手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、学習効果が高く、且つ利便性が高い学習用付箋を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態1の学習用付箋の構成を示す斜視図。
図2】実施の形態1の学習用付箋の構成を示す平面図。
図3】表示領域を説明するための平面図。
図4】切離部が順次取り外された場合における経時変化を示す平面図。
図5】付箋が書籍中の特定のページに貼付された状態を示す平面図。
図6】実施の形態1の学習用付箋の構成の他の例を示す平面図。
図7】実施の形態2の学習用付箋セットの構成を示す平面図。
図8】実施の形態2の学習用付箋セットの構成を示す側面図。
図9】実施の形態3のコンピュータシステムの構成を示すブロック図。
図10】その他の実施の形態の学習用付箋の構成を示す平面図。
図11】付箋がしおりに貼付された状態を示す平面図。
図12】実施の形態4の学習用付箋の構成を示す斜視図。
図13】実施の形態4の学習用付箋の他の構成を示す斜視図。
図14】実施の形態5の学習用付箋の構成を示す斜視図。
図15】実施の形態5の学習用付箋の使用例を示す斜視図。
図16】実施の形態5の学習用付箋の使用例を示す斜視図。
図17】その他の実施の形態の学習用付箋の構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置及び方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の学習用付箋(以下、単に「付箋」という)の構成を示す斜視図であり、図2は、その付箋の構成を示す平面図である。なお、図1では、矢印により付箋の各方向が示されている。図1及び図2に示すように、付箋1は、その全体が前後方向に伸びる細長い矩形形状を有しており、後ろ側から順に、付箋紙本体10、第1切離部11、第2切離部12及び第3切離部13が設けられている。なお、付箋紙本体10の下面(裏面)後端部には粘着剤が塗布されており、この塗布剤によって、付箋1が書籍等の被貼付体に接着される。
【0018】
付箋紙本体10、第1切離部11、第2切離部12及び第3切離部13は、紙材又は樹脂材等で形成されている。付箋紙本体10と第1切離部11との間、第1切離部11と第2切離部12との間、第2切離部12と第3切離部13との間には、幅方向(左右方向)に伸びる3本のミシン目11a,12a,13aがそれぞれ形成されている。第3切離部13は、ミシン目13aによって第2切離部12から切り離され、第2切離部12は、ミシン目12aによって第1切離部11から切り離され、第1切離部11は、ミシン目11aによって付箋紙本体10から切り離される。このように、第1切離部11~第3切離部13は、付箋紙本体10から順次切り離し可能に構成されている。
【0019】
付箋紙本体10、第1切離部11、第2切離部12及び第3切離部13のそれぞれは、付箋紙本体10が被貼付体に貼付されている状態において視認可能な表示領域を有している。図3は、その表示領域を説明するための平面図である。図3に示すとおり、付箋紙本体10、第1切離部11、第2切離部12及び第3切離部13のそれぞれの表面の全面が表示領域10b,11b,12b,13bとなる。
【0020】
表示領域11b~13bのそれぞれには、学習のタイミングを示すタイミング情報が示される。本実施の形態の場合、タイミング情報は、特定の時点(以下、「開始時点」という)からの経過時点を示す情報である。より具体的には、開始時点から1日経過した時点、1週間経過した時点、及び4週間経過した時点を示す情報が、タイミング情報として用いられる。
【0021】
本実施の形態において、各切離部の表示領域には、先に切り離される切離部の表示領域に示されるタイミング情報が示すタイミングよりも後の時点を示すタイミング情報が示される。したがって、開始時点から1日経過した時点を示すタイミング情報が第1切離部11の表示領域11bに示され、同じく1週間経過した時点を示すタイミング情報が第2切離部12の表示領域12bに示され、同じく4週間経過した時点を示すタイミング情報が第3切離部13の表示領域13bに示される。
【0022】
なお、タイミング情報は、各種の手段を用いて各第1切離部11~第3切離部13に付される。例えば、各第1切離部11~第3切離部13に直接印刷されたり、タイミング情報が印刷されたシールを各第1切離部11~第3切離部13に貼付したりすることにより、タイミング情報が付される。その他、付箋1の使用者の手書き等によりタイミング情報が付されてもよい。
【0023】
付箋紙本体10の表示領域10bには、「1」が示される。本実施の形態において、この「1」は、上記の開始時点に相当するものであり、各月の初日である「1日」を意味する。
【0024】
第3切離部13の表示領域13bには、タイミング情報として「2」が示される。この「2」は、開始時点から1日経過した日にち、すなわち「2日」を意味する。
【0025】
第2切離部の表示領域12bには、タイミング情報として「8」が示される。この「8」は、開始時点から1週間経過した日にち、すなわち「8日」を意味する。
【0026】
第1切離部11の表示領域11bには、タイミング情報として「29」が示される。この「29」は、開始時点から4週間経過した日にち、すなわち「29日」を意味する。
【0027】
図4は、切離部が順次取り外された場合における経時変化を示す平面図である。図4(a)は第1切離部11~第3切離部13が切り離されていない状態を、(b)は第3切離部13が切り離されている状態を、(c)はさらに第2切離部12が切り離されている状態を、(d)はさらに第1切離部11が切り離されている状態を、それぞれ示している。
【0028】
図4(a)に示すように、第1切離部11~第3切離部13が切り離されていない状態においては、付箋紙本体10上の「1」、第1切離部11上の「29」、第2切離部12上の「8」、並びに第3切離部13上の「2」が視認可能となる。また、図4(b)に示すように、第3切離部13が切り離されると、付箋紙本体10上の「1」、第1切離部11上の「29」、及び第2切離部12上の「8」が視認可能となる。さらに第2切離部12が切り離されると、図4(c)に示すように、付箋紙本体10上の「1」及び第1切離部11上の「29」が視認可能となる。さらに第1切離部11が切り離されると、図4(d)に示すように、付箋紙本体10上の「1」のみが視認可能となる。
【0029】
以下、付箋1の使用方法について説明する。なお、ここでは、付箋1の使用者(学習者)が月初めの1日に学習を開始する場合を例示する。学習者は、書籍を用いて学習を行う。このとき、学習者は、書籍中の学習済みのページのうち、復習する必要があるページを特定し、そのページに付箋1を貼り付ける。この場合、付箋紙本体10の下面後端部に塗布されている粘着剤によって付箋1が当該ページに貼付される。
【0030】
図5は、上述したようにして付箋1が書籍中の特定のページに貼付された状態を示す平面図である。図5に示すように、この状態では、付箋1の前側(図中上側)は外方に露出する一方、その後側(図中下側)は書籍3のページ内に収められる。その結果、第1切離部11上の「29」、第2切離部12上の「8」、及び第3切離部13上の「2」が視認可能となる。他方、付箋紙本体10上の「1」(開始時点)は外部から視認できない。
【0031】
学習者は、書籍3に貼付された付箋1を参照することにより、復習のタイミングを容易に把握することができる。図5に示すように第3切離部13上の「2」が視認可能な場合、学習者は、その月の2日に復習をする必要があることを確認できる。そこで、当該月の2日に、学習者は、付箋1が貼付されているページを開く。このとき、付箋紙本体10上の「1」が視認可能となるため、学習者は、1日に開始した学習の復習であることを把握できる。学習者は、当該ページについて復習を行い、その後、ミシン目13aによって第3切離部13を第2切離部12から切り離す。
【0032】
上記のように第3切離部13が切り離された場合でも、第1切離部11上の「29」、及び第2切離部12上の「8」が視認可能な状態が維持される。そのため、学習者は、当該月の8日に次の復習をする必要があることを確認できる。そこで、当該月の8日に、学習者は、付箋1が貼付されているページを開く。このとき、付箋紙本体10上の「1」が視認可能となるため、学習者は、1日に開始した学習の復習であることを把握できる。学習者は、当該ページについて復習を行い、その後、ミシン目12aによって第2切離部12を第1切離部11から切り離す。
【0033】
上記のように第2切離部12が切り離された場合でも、第1切離部11上の「29」が視認可能な状態が維持される。そのため、学習者は、当該月の29日に次の復習をする必要があることを確認できる。そこで、当該月の29日に、学習者は、付箋1が貼付されているページを開く。このとき、付箋紙本体10上の「1」が視認可能となるため、学習者は、1日に開始した学習の復習であることを把握できる。学習者は、当該ページについて復習を行い、その後、ミシン目11aによって第1切離部11を切り離す。これにより、タイミング情報の表示がすべてなくなる。
【0034】
このように、本実施の形態では、学習開始日から1日経過後、1週間経過後、及び4週間経過後の合計3回の復習が行われる。これは、エビングハウスの忘却曲線に基づいて定められた復習タイミングである。本実施の形態の付箋を用いることにより、適切なタイミングで復習を繰り返すことが容易となり、その結果、学習した知識の定着率を高めることができる。
【0035】
第1切離部11~第3切離部13は、付箋1の長さ方向に順に配設されている。そのため、図4に示すように、第1切離部11~第3切離部13のそれぞれが順次切り離されるにしたがって、付箋1の全体の長さが短くなる。学習者は、タイミング情報と併せて、この視覚的な変化を確認することにより、復習の実施状況等を把握することができる。
【0036】
なお、上記のように第1切離部11が切り離されると、付箋紙本体10のみが書籍3に貼付された状態となる。この状態が維持されることにより、復習済みのページの有無等の確認が可能になる。そのような確認が不要な場合、第1切離部11を切り離すとき又はその後に、付箋紙本体10が書籍3から取り外されてもよい。また、ミシン目11aが設けられずに第1切離部11と付箋紙本体10とが一体的に構成されていて、復習の実施後に、第1切離部11及び付箋紙本体10の両方が併せて書籍3から取り外されてもよい。
【0037】
本実施の形態の付箋1は、開始時点を月初めの1日とした場合のものであるが、本発明がこれに限定されないことは言うまでもない。図6(a)~(f)に示すように、開始時点を2日~7日とするものであってもよい。この例でも、開始時点から1日経過した時点、1週間経過した時点、及び4週間経過した時点を示す情報が、タイミング情報として用いられる。もちろん、開始時点を8日以降とすることも可能である。
【0038】
上記のとおり、本実施の形態では、付箋1を書籍3に貼付する例を説明したが、それ以外の種々の使用例が想定可能である。例えば、書籍のページ間に挿入されるしおりに付箋1を貼付することも可能である。図11は、そのようにして付箋1がしおりに貼付された状態を示す平面図である。図11に示すように、しおりBMの表面上に付箋1が貼付される。付箋1は、しおりBMの表面における任意の領域に貼付される。なお、付箋1の裏面の一部(例えば、付箋紙本体10の後端部)に塗布される粘着剤によってしおりに貼付されてもよく、その裏面の全面に塗布される粘着剤により貼付されてもよい。
【0039】
付箋1が貼付されたしおりBMは、書籍において復習が必要となるページとその前後何れかのページとの間に挿入される。これにより、書籍に貼付される場合と同様にして付箋1を使用することが可能になる。
【0040】
(実施の形態2)
本実施の形態は、実施の形態1の付箋を複数備える付箋セットである。図7は、その付箋セットの構成を示す平面図である。また、図8は、図7の平面図の下側から見た側面図である。
【0041】
図7及び図8に示すように、付箋セット2は、左右方向に並べて設けられた7個の付箋1を備えている。各付箋1はそれぞれ開始時点が1日~7日となっている。また、図8に示すとおり、複数の付箋1が上下方向に積層されている。これら積層されている付箋1には、同一の開始時点及びタイミング情報が示されている。すなわち、例えば一番左側に積層されている各付箋1には、開始時点「1」並びにタイミング情報「2」、「8」及び「29」が示されている。
【0042】
各付箋1の下面後端部には粘着剤が塗布されており、この粘着剤によって、積層されている各付箋1が互いに着脱自在に接着されている。また、最下層の付箋1は、台紙20に接着されている。
【0043】
上記のとおり、付箋セット2の場合、左右方向に並べられた7個の付箋1が視認可能に設けられている。そのため、それらの付箋1が有する表示領域が視認可能となっている。これらの付箋1が有する表示領域には、互いに異なる開始時点及びタイミング情報が示される。
【0044】
以下、本実施の形態の使用方法について説明する。なお、実施の形態1の場合と同様の内容については適宜説明を省略する。学習者は、書籍を用いて学習を行った後、その書籍中の学習済みのページのうち、復習する必要があるページを特定し、そのページに付箋セット2中の付箋1を貼り付ける。
【0045】
このとき、学習者は、左右方向に並べられている7個の付箋1の中から、その学習日に応じたものを選択する。例えば、学習日が1日であれば、開始時点が「1」となっている付箋1が選択される。
【0046】
本実施の形態の場合、左右方向に並べられている7個の付箋1には、互いに異なる開始時点及びタイミング情報が付与されており、それらが一覧可能となっている。そのため、学習者は、必要な付箋1を容易に特定することができ、復習の準備をスムースに行うことが可能になる。
【0047】
なお、本実施の形態では、左右方向に7個の付箋1が並べて設けられているが、これに限定されるわけではなく、2個以上であれば何個の付箋1が並べて設けられていてもよい。また、並べる方向も左右方向に限定されるわけではなく、前後方向などであってもよい。
【0048】
(実施の形態3)
実施の形態3は、上述した付箋に示されているタイミング情報を電子データとして利用可能にするためのコンピュータシステムである。図9は、そのコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。図9に示すとおり、本システムは、学習者によって用いられるユーザ端末4、及びユーザ端末4とインターネット6を介して通信可能なサーバ5によって構成されている。
【0049】
ユーザ端末4は、スマートフォン又はタブレット端末等の情報端末で構成される。ユーザ端末4の記憶装置には、本発明の付箋(ここでは、実施の形態1の付箋1を例示)に示されるタイミング情報を活用するためのプログラム41が記憶される。以下、このプログラムを付箋アプリと称する。付箋アプリ41は、学習者によってユーザ端末4に予めインストールされたプログラムである。但し、これに限定されるわけではなく、ウェブブラウザで実行されるスクリプト等によって付箋アプリ41が構成されていてもよい。
【0050】
ユーザ端末4は、撮像部42及び表示部43を備えている。撮像部42は、CCD又はCMOS等の撮像素子で構成されており、表示部43は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等で構成されている。
【0051】
付箋アプリ41は、サーバ5と連動してカレンダー管理を行うプログラムである。サーバ5は、学習者の予定等を含むカレンダー情報をカレンダーDB51に記憶しており、ユーザ端末4からのリクエストに応じてそのカレンダー情報をユーザ端末4に対して送信する。ユーザ端末4が、サーバ5から取得したカレンダー情報を表示部43に表示することにより、学習者は自らの予定等を確認することができる。
【0052】
以下、学習者が付箋1を用いる場合のユーザ端末4及びサーバ5の動作について説明する。学習者は、書籍3を用いて学習を行う際、復習が必要なページに付箋1を貼付する。その後、学習者は、ユーザ端末4を操作して付箋アプリ41を起動させる。以下で説明するユーザ端末4の動作は、付箋アプリ41によって実現されるものである。
【0053】
ユーザ端末4は、付箋アプリ41にしたがって、撮像部42により書籍3に貼付されている付箋1の撮像画像を取得する。次に、ユーザ端末4は、取得した撮像画像に対して画像処理を施すことにより付箋1に示されているタイミング情報を抽出し、そのタイミング情報をサーバ5に対して送信する。
【0054】
サーバ5は、ユーザ端末4から受信したタイミング情報をカレンダーDB51に記憶する。その後、サーバ5は、ユーザ端末4からのリクエストに応じて、タイミング情報を含むカレンダー情報をユーザ端末4に対して送信する。
【0055】
ユーザ端末4は、カレンダー情報を表示部43に表示する。このとき、カレンダー情報にはタイミング情報が含まれているため、学習者は、表示部43の表示を参照することにより、どのタイミングで復習を行う必要があるのかを確認できる。このように、付箋アプリ41を用いることにより、学習者は、書籍3が手元にない場合であっても、復習のタイミングを把握することが可能になる。
【0056】
なお、本実施の形態では、ユーザ端末4側で撮像画像からタイミング情報の抽出が行われているが、ユーザ端末4から撮像画像がサーバ5に提供された後、サーバ5がその撮像画像からタイミング情報を抽出するようにしてもよい。
【0057】
(実施の形態4)
上記の各実施の形態では、各切離部がミシン目によって切り離される構成が設けられている。これに対し、本実施の形態ではミシン目が設けられていない。例えば、図12に示す本実施の形態の付箋1の場合、付箋紙本体10、第1切離部11、第2切離部12及び第3切離部13間に何らの目印も設けられていない。この場合、学習者は、右手及び左手で第1切離部11及び第2切離部12をそれぞれ把持した上で、第1切離部11を切り離す。他の切離部を切り離す場合も同様である。
【0058】
図13には、実施の形態4の付箋1の他の構成が示されている。この例の場合、付箋紙本体10、第1切離部11、第2切離部12及び第3切離部13間に、罫線15が印刷等により設けられている。この場合、学習者は、上記と同様にして右手及び左手で第1切離部11及び第2切離部12をそれぞれ把持した上で、罫線15を目印にして第1切離部11を切り離す。他の切離部を切り離す場合も同様である。なお、図13では罫線15が実線である場合を例示されているが、破線等であってもよい。
【0059】
(実施の形態5)
上記の各実施の形態では、タイミング情報が示される複数の表示領域が各切離部にそれぞれ設けられている。これに対し、本実施の形態では、各表示領域は切り離されずに用いられる。以下、その構成について説明する。
【0060】
図14は、実施の形態5の付箋の構成を示す斜視図である。図14に示すように、付箋7は、上記の各実施の形態の付箋1の場合と同様に、その全体が前後方向に伸びる細長い矩形形状を有しており、後ろ側から順に、付箋紙本体70、第1表示領域部71、第2表示領域部72及び第3表示領域部73が設けられている。第1表示領域部71、第2表示領域部72及び第3表示領域部73は、上記の各実施の形態における第1切離部11、第2切離部12及び第3切離部13と同様に、タイミング情報が示される表示領域を有している。
【0061】
付箋紙本体70、第1表示領域部71、第2表示領域部72及び第3表示領域部73の間には、罫線75が印刷等により設けられている。各表示領域は、罫線75によって区画されている。罫線75は、後述するように、折り目の目印として機能する。なお、罫線75が実線であっても破線等であってもよいことは、実施の形態4の場合と同様である。
【0062】
次に、付箋7の使用方法について説明する。なお、上記の各実施の形態の場合と同様の点については適宜省略する。学習者は、書籍又はしおり等に貼付された付箋7を参照することにより、復習のタイミングを把握する。そして、第3表示領域部73に表示されている日にちに到達した場合、学習者は、復習を行った後、第3表示領域部73と第2表示領域部72との間に設けられた罫線75を折り目として第3表示領域部73を折り込む。これにより、図15に示すように第3表示領域部73が視認できなくなる。次に、第2表示領域部72に表示されている日にちに到達した場合、学習者は、復習を行った後、第2表示領域部72と第1表示領域部71との間に設けられた罫線75を折り目として第2表示領域部73を折り込む。これにより、図15に示すように第2表示領域部72も視認できなくなる。なお、第1表示領域部71についてはその後に折り込んでもよく、折り込まずに付箋7全体を剥がす等しても構わない。
【0063】
このように、各表示領域部を順次折り込むことによって、上記の各実施の形態の場合と同様にタイミング情報の表示が制御される。これにより、学習者は、復習のタイミングを容易に把握することができるため、高い学習効果を実現することが可能になる。
【0064】
なお、付箋7の裏面前方部に粘着剤が塗布され、上述したようにして折り込まれた表示領域部がその粘着剤により付箋7の裏面に固着されるようにしてもよい。これにより、折り込まれた各表示領域部が書籍のページ及び他の付箋等に干渉することが防止される。
【0065】
(その他の実施の形態)
上記の各実施の形態では、タイミング情報として、エビングハウスの忘却曲線に基づいて定められた日にちが用いられているが、復習が必要なタイミングを示す情報であれば他のものであってもよい。例えば、時刻などをタイミング情報として用いることができ、また、上記の忘却曲線と関連性がない日にち等の情報がタイミング情報として用いられてもよい。
【0066】
また、上記の各実施の形態では、開始時点が各紙片に示されているが、例えば最上層の紙片のみ等のように一部の紙片のみに示されていてもよく、どの紙片にも示されていなくてもよい。
【0067】
また、付箋を構成する各紙片の形状は矩形状に限らず、円形、星形、ハート型等の任意の形状を採用することが可能である。
【0068】
また、上記の各実施の形態では、第1切離部11~第3切離部13が付箋1の長さ方向に順に配設されているが、これに限定されるわけではない。例えば、図10には、第1切離部11~第3切離部13が付箋1の幅方向に順に配設されている構成が示されている。この変形例では、第1切離部11~第3切離部13と付箋紙本体10との間にミシン目14aが形成され、さらに、第1切離部11と第2切離部12との間及び第2切離部12と第3切離部13との間にそれぞれミシン目14b及び14cが形成される。この場合でも、上記の実施の形態1及び2の場合と同様に、第3切離部13~第1切離部11の順に切り離すことができ、実施の形態1及び2の場合と同様の使用が実現可能である。
【0069】
また、上記の各実施の形態の第1切離部11~第3切離部13又は第1表示領域部71~第3表示領域部73において、各表示領域を明示化する印が付されていてもよい。この印は、タイミング情報が付される領域を示すものである。例えば、図17に示すように、各表示領域を示す枠線10c~13cが第1切離部11~第3切離部13のそれぞれに設けられていてもよい。なお、この枠線は実線であっても破線等であってもよく、その形状は矩形状であってもその他の形状(例えば、円形等)であっても構わない。また、枠線以外の印(例えば、表示領域を指し示す矢印等)が付されていてもよい。
【0070】
上記の構成の場合、タイミング情報は、学習者によって各枠線10c~13c内に手書きで付されることが想定される。その他にも、タイミング情報が印刷されたシールが各枠線10c~13c内に貼付されることによってタイミング情報が付されてもよい。
【0071】
また、上記の各実施の形態では付箋1,7の裏面にタイミング情報の表示領域が設けられていないが、これを設けるようにしてもよい。例えば、付箋1,7の裏面にも表面と同様の各表示領域が設けられ、その表示領域に表面と同様のタイミング情報が示されていてもよい。その場合、例えば付箋1,7が貼付されている書籍の表側及び裏側の両方からタイミング情報を容易に確認できる。それ以外にも、付箋1,7の裏面に表面と同様の各表示領域が設けられ、その表示領域に表面とは異なるタイミング情報が示されていてもよい。例えば、表面の各表示領域には開始時点「1」、並びにタイミング情報「29」、「8」及び「2」がそれぞれ示されている一方で、裏面の各表示領域には開始時点「2」、並びにタイミング情報「30」、「9」及び「3」がそれぞれ示されているようにしてもよい。その場合、学習者は、学習を開始するタイミングに応じて、表面及び裏面を適宜使い分けることができる。すなわち、学習者が月初めの1日に学習を開始する場合は表面側を用い、2日に学習を開始する場合は裏面側を用いるなどの対応が可能になる。
【0072】
上記のように裏面側にもタイミング情報の表示領域が設けられる場合、粘着剤が塗布される領域によって裏面側の後端部の表示領域(学習の開始時点が示される領域)が小さくなるが、開始時点を示す数字の位置及びサイズを調整したり、反対に粘着剤が塗布される領域を小さくしたりすることにより、対応は可能である。また、この開始時点を表示しない、すなわち当該後端部の表示領域を設けないようにしてもよい。
【0073】
なお、上述した各実施の形態を適宜組み合わせて他の実施の形態を得ることも可能である。例えば、実施の形態3のコンピュータシステムにおける付箋アプリ41が、上記の枠線10c~13cを基準にしてタイミング情報の表示領域を特定し、その表示領域内の数字をタイミング情報として認識するようにしてもよい。また、ミシン目と罫線が混在する構成(例えば、一つのミシン目及び二つの罫線によって各表示領域が区画される構成など)を得ることもできる。
【符号の説明】
【0074】
1 学習用付箋
10 付箋紙本体
11 第1切離部
12 第2切離部
13 第3切離部
11a,12a,13a,14a~14c ミシン目
10b,11b,12b,13b 表示領域
10c,11c,12c,13c 枠線
15 罫線
2 学習用付箋セット
20 台紙
3 書籍
4 ユーザ端末
41 コンピュータプログラム(付箋アプリ)
42 撮像部
43 表示部
5 サーバ
51 カレンダーDB
6 インターネット
7 学習用付箋
70 付箋紙本体
71 第1表示領域部
72 第2表示領域部
73 第3表示領域部
75 罫線
BM しおり
【要約】
【課題】復習の適切なタイミングを示す学習用付箋及び学習用付箋セット、並びに学習用付箋に示される情報を電子的に利用可能とするためのコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】
学習用付箋1は、付箋紙本体10と、付箋紙本体10に接続され、付箋紙本体10から順次切り離し可能な複数の切離部11,12,13とを備え、切離部11,12,13のそれぞれは、付箋紙本体10が被貼付体に貼付されている状態において視認可能な表示領域を有し、その表示領域のそれぞれには、学習のタイミングを示すタイミング情報(「2」、「8」及び「29」)が示される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17