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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-11
(45)【発行日】2022-04-19
(54)【発明の名称】温度センサによる起動
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/043 20060101AFI20220412BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20220412BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20220412BHJP
【FI】
A61G7/043
A61B5/107 300
A61G12/00 Z
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017230100
(22)【出願日】2017-11-30
(62)【分割の表示】P 2014558707の分割
【原出願日】2013-02-27
(65)【公開番号】P2018069084
(43)【公開日】2018-05-10
【審査請求日】2017-12-26
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】2008359
(32)【優先日】2012-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】ファン オーショット,テイス
(72)【発明者】
【氏名】ファン ビースト,エリーネ,クリスティアーネ
【合議体】
【審判長】一ノ瀬 覚
【審判官】藤井 昇
【審判官】出口 昌哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-240047(JP,A)
【文献】国際公開第2011/139141(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/043
A61B 5/107
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠姿勢警告装置であって、
制御ユニットと、
前記制御ユニットに作動的に接続され、ユーザーの体位を検出する体位検出センサと、
前記制御ユニットに作動的に接続された警告デバイスと、
を含み、
当該睡眠姿勢警告装置は通常動作モードを有し、該通常動作モードでは、前記体位検出センサにより検出された体位が所定の姿勢範囲から外れると、前記制御ユニットが前記警告デバイスに警告信号を送信し、前記警告デバイスは、前記ユーザーに警告するために前記制御ユニットから受信した信号に基づいて警告を生成し、
当該睡眠姿勢警告装置は、前記制御ユニットに作動的に接続され、前記ユーザーの体温を検出する温度センサをさらに含み、前記制御ユニットは、検出された温度が所定の温度範囲内にあって、かつ、前記体位検出センサにより検出された体位が所定の姿勢範囲から外れると、前記警告デバイスに警告信号を送信するようにプログラムされ、
前記制御ユニットは、前記睡眠姿勢警告装置が装着され、前記検出された温度が前記所定の温度範囲内に入る前に、前記睡眠姿勢警告装置をオンにした後、前記検出された温度が前記所定の温度範囲内に入るのを待ち、前記体位検出センサを作動させないように構成されており、
前記温度センサは前記睡眠姿勢警告装置の筐体内にある温度センサである、
装置。
【請求項2】
前記所定の温度範囲は人の体温の温度範囲である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記検出された温度が前記所定の温度範囲よりも低い場合は前記警告デバイスに警告信号を送信しないようにプログラムされている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記制御ユニットは、前記検出された温度が前記所定の温度範囲よりも高い場合は前記警告デバイスに警告信号を送信しないようにプログラムされている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
睡眠姿勢警告方法であって、
ユーザーの睡眠姿勢が検出され、
前記睡眠姿勢が所定の体位範囲から外れている場合に、前記ユーザーは警告デバイスによって生成される刺激によって自動的に警告され、
前記ユーザーの体温が温度センサによって検出され、
前記警告デバイスは検出された温度が所定の温度範囲内にある場合であって、かつ前記睡眠姿勢が所定の体位範囲から外れている場合に警告刺激を生成するように構成され、
制御ユニットが、睡眠姿勢警告装置が装着され、前記検出された温度が前記所定の温度範囲内に入る前に、前記警告デバイスをオンにした後、前記検出された温度が前記所定の温度範囲内に入るのを待ち、前記ユーザーの睡眠姿勢を検出しないように構成され、前記温度センサは前記睡眠姿勢警告装置の筐体内にある温度センサである、
方法。
【請求項6】
前記所定の温度範囲は人の体温の温度範囲である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記警告デバイスは、前記検出された温度が前記所定の温度範囲よりも低い場合は警告信号を送信しない、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記警告デバイスは、前記検出された温度が前記所定の温度範囲よりも高い場合は警告信号を送信しない、請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠姿勢警告装置であって、
-電子制御ユニット;
-前記制御ユニットに作動的に接続され、人の体位を検出する体位検出センサ;及び
-前記制御ユニットに作動的に接続された警告デバイス(alarming device);を含み、
当該睡眠姿勢警告装置は通常動作モードを有し、該通常動作モードでは、前記センサにより検出された前記体位が所定の姿勢範囲から外れると、前記制御ユニットが前記警告デバイスに警告信号を送信し、前記警告デバイスは、前記人に警告するために前記制御ユニットから受信した信号に基づいて警告を生成する、睡眠姿勢警告装置に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような装置は特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2011/139141号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、改善された睡眠姿勢警告装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的は上記の種類の睡眠姿勢装置によって実現される。
【0006】
夜間、睡眠姿勢トレーナーが原因でユーザーが目を覚ますことが時折あり、それはユーザーが該装置を取り外す原因になる。眠気がある場合、ユーザーは装置の電源を切り忘れることがある。その結果、装置はバッテリーが切れるまで誤った位置で一晩中振動する場合がある。さらに、ユーザーの夜間睡眠を表すデータが歪められる。
【0007】
本発明の側面は、装置はその温度センサを用いて、使用時にのみ体位検出センサを作動させる点にある。(場合によっては、通常のオン/オフスイッチにより装置をオンにした後、)体温付近の温度範囲に基づいて体位検出センサが作動する。例えば、体温の範囲よりも低い温度(例えば、装置が着用されてない場合)には、又は体温の範囲よりも高い温度(例えば、誰かが装置を例えばラジエーターの上に置いた場合)には、体位検出センサは非作動状態であり、又は非作動状態になる。体温の範囲を用いて装置を作動させることの予期しない効果は、装置(及び装置の筐体内にある温度センサ)は使用されてない時冷却に時間がかかり、逆に、ウォームアップにも時間がかかることである。装置はユーザーによってオンにされ得るが、温度センサは作動に適した温度にまだなっていない場合がある。これによりユーザーは装置を装着したのに慣れて、体位検出センサが作動される前に徐々に寝入る。
【0008】
一般に、人の眠りは終わり頃に浅くなる傾向がある。より具体的には、人の睡眠は概して夜の大体後半の間に浅くなる。本発明の他の側面は、上記装置が夜の後半の間に刺激の強度又は種類を自動的に変更するように配置及び構成されている点にある。この目的のために、患者へのフィードバック(例えば、聴覚、触覚、振動触覚、動き、光、匂い)のレベルが好ましくは低減される。フィードバックを増やすことも可能であるが、患者の睡眠は夜の後半の間に浅くなることが多いため、通常は、レベルが低減されたフィードバックで患者に十分警告できる。この変更は、所定の期間の後に起こるように設定するか、患者が自身で決定するか又は外部で測定された状況(例えば、姿勢、動き、目覚め、睡り、眠りの深さ)を変更することにより自動的に設定することができる。この変更は一晩に亘って徐々に起こるようにすることもできる。
【0009】
本発明の一側面によれば、前記警告デバイスは様々な警告刺激を生成するように構成され、前記制御ユニットは、前記警告デバイスによって刺激変化(stimulus variation)がもたらされるように、前記警告デバイスに警告信号を送信するようにプログラムされていることを特徴とする、上述の種類の睡眠姿勢装置により上記の目的が達成される。
【0010】
なお、本願、とりわけ添付の請求項における「警告デバイス」という用語は、一種類の警告刺激(例えば、振動触覚、触覚、電磁、聴覚)の生成が可能な警告デバイスを意味し得るが、それぞれが特定種類の警告刺激(例えば、振動触覚、触覚、電磁、聴覚)の生成が可能な複数の警告デバイスの集合体を意味することもある。
【0011】
本発明の一側面は、人の睡眠姿勢が検出され、該睡眠姿勢が所定の体位範囲の外にある場合に、警告デバイスにより生成される刺激によって該人が自動的に警告され、前記警告デバイスにより刺激変化がもたらされる、睡眠姿勢警告方法に関する。
【0012】
同じ刺激を提供した場合、慣れが生じる。そのため、本発明は、この慣れ効果を防止するために、刺激変化を用いることを提案する。
【0013】
刺激変化は刺激の種類(振動触覚、触覚、電磁、聴覚、(骨)伝導又は前述の刺激の種類の組み合わせ)の変化を含み得る。
【0014】
あるいは又はそれに加えて、刺激変化は刺激の強度又は振幅の変化を含み得る。
【0015】
さらに、あるいは又はそれに加えて、刺激変化は刺激の長さ及び/又は刺激の頻度の変化を含み得る。
【0016】
また、あるいは又はそれに加えて、刺激変化は刺激間隔の変化を含み得る。
【0017】
さらに、刺激が与えられる場所の変化を刺激変化が含み得るように、患者の身体の様々な場所に刺激を与えることができる。
【0018】
上述の変化の種類をランダム化することができる。特定形態の刺激の範囲内で変化の種類をランダム化することもできる。
【0019】
刺激が認識され、その後にその刺激が変更された場合、慣れに中断が生じると思われる。従って、認識を促すために、一種類の刺激が繰り返される。
【0020】
本発明の一側面によれば、所定の警告刺激が繰り返され、その後、検出器により測定された所定の外部入力変数に基づいて該刺激が変更される。上記の検出器は、生成された刺激に対する(体位変化の)反応時間を求めるためにタイマーと組み合わされた体位検出センサを含み、上記の変数は、以前の反応時間(又は以前の反応時間の平均)と比べて反応時間が(所定量)増加するイベントである。
【0021】
そのため、所定の期間に亘って又は前回の刺激の種類が所定数若しくは所定ラウンド行われる間に亘って又は対象者(subject)の例えば意識的な又は無意識の(体の)反応に自律的又は非自律的レベルの(所定の)大きな変化が見られない場合は、刺激が変化しない。そのため、例えば、上述の変化の種類を、同様の反応、反応時間、学習効果、治療の進展具合、治療の結果、治療の期間又は睡眠の仕組みに基づき変化させないようにすることができる。さらなる例としては、反応時間が同様の場合は刺激を変化させないことが挙げられる。反応時間が同様であるとは、前回の反応時間(t1)が最後の反応時間(t2)と所定の範囲(certain margin)で等しいことを意味する。
【0022】
与えた刺激が、上述の「良好な反応」(t1≒t2)の範囲にある限り、上記の装置は特徴を何ら変更せずに前回の刺激の提供を続ける。例えば、刺激Aに対するユーザーの反応が良好であるならば、必要に応じて次回与えられる刺激も同じ刺激Aとなる。
【0023】
次に、慣れを防ぐために、所定の時点で刺激が(自動的に)変更される。これは、所定期間の後、前回の刺激の種類が所定数若しくは所定ラウンド行われた後、又は対象者の例えば意識的な又は無意識の(体の)反応に自律的又は非自律的レベルの変化が見られた場合のいずれかで行われる。そのため、例えば、上述の変化の種類を、反応、反応時間、学習効果、治療の進展具合、治療の結果、治療期間又は睡眠の仕組みに適合することができる。さらなる例としては、反応時間が増加した時(即ち、前回の反応時間(t1)が最後の反応時間(t2)よりも短い場合)に刺激を変更することであり得る。そして、異なる変化に刺激が変更される。前で説明したように、この変更は刺激の種類、レベル、頻度、強度、長さ、場所、振幅及び/又は刺激間隔についてであり得る。それに加えて、全ては大きく変化し得る。それにより慣れが中断されて、学習効果が維持されるか又は大きくなる。
【0024】
本発明の重要な側面は、ユーザーが示す/又は経験する最適な夜間刺激(nightly stimulus)の種類、レベル、場所、頻度、強度、長さ、振幅及び/又は刺激間隔は、ユーザーによって異なるという点にある。刺激を個々に最適化するために、対象者の最適な反応を目指して刺激の種類、レベル、頻度、強度、長さ、場所、振幅及び/又は刺激間隔を適合できる。
【0025】
対象者による反応が最適ではないことが測定された場合(例えば、対象者が刺激に反応しない場合)、刺激が(自動的に)より激しいものに又は別のものに変更される。これはユーザーに関係なく刺激の有効性を確かにする。
【0026】
他方で、最適な結果が測定された場合(例えば、対象者が非常に素早く刺激に反応した場合)、刺激が(自動的に)維持されるか又は比較的軽度のものに変更される。これには主に2つの利点がある。第1に、対象者への睡眠時の刺激介入を最小限に抑えつつ、対象者の反応を引き出すことができる。そして第2に、これによって、所定の(夜間の)行動(例えば、仰向けで寝ること)を防ぐのに外部の刺激が必要なくなる所まで、学習過程を導くことができる。
【0027】
上記の過程を際限なく繰り返すことができる。上記の過程は、刺激の種類、レベル、場所、頻度、強度、長さ、振幅及び/又は刺激間隔の上限と下限との間に及び得る。下限では刺激が全くないようにできる。
【0028】
上記の過程を用いて刺激の種類(振動触覚、触覚、電磁、聴覚又は前述の刺激の種類の組み合わせ)を変更し、刺激をユーザーの反応に応じて調整することもできる。
【0029】
他の側面は、睡眠姿勢トレーナー(sleep position trainer)全体を中断させて、所定の期間の後で又は対象者の行動の変化若しくは対象者が既に眠っているかどうか等に基づいて動作を再開させることができる点にある。任意で、この中断をユーザーに示すか又はユーザーが中断を有効にすることができる。中断期間の長さは変化し得る。中断期間は、所定の時点で装置が自動的にプリセットするか又はユーザーがプリセットすることもできる。例えば、夜間、2つの中断時期(pause moment)が常に存在する。1つは睡眠の前半であり、1つは睡眠の終わり頃である。又は、ユーザーが好めばいつでも中断時期にできる。中断オプションを経時的に長くしたり短くしたりして装置に慣れる期間を提供するか又は学習効果を提供することもできる(ユーザーが仰向けで寝ないことを学習したか試したい場合、ユーザーはそれを長くなった中断時期の間に記録できる)。この中断も睡眠に関する結果(例えば、無呼吸又はいびき等)の発生又は非発生等の(行動的)表れに基づき得る。
【0030】
本発明の他の側面は、間もなく警告が出されるという前置き(introduction)として、事前警告信号を提供する。事前警告信号のレベルは患者が微かに気付くほどのものでしかなく、睡眠を妨げない。事前警告信号はユーザーの反応(例えば、姿勢の変化又は目覚め)を引き起こすことを必ずしも意図しておらず、ユーザーが意識的に又は無意識のうちに来るべきフィードバックに備えるようにするためのものでしかない。そのようにすることで、通常の警告フィードバックの周期が所定の強度レベルで開始されてもユーザーはあまり驚かずに済む。しかしながら、ユーザーが事前警告に反応することもある。所定の遅延時間の後、望ましくない姿勢が引き続き検出された場合に通常の警告フィードバックの周期が開始される。この遅延時間は、夜の期間に亘って又は使用期間に亘って(例えば、使い始めと所定の使用期間に亘るのとで)変化し得る。あるいは、遅延時間はユーザーによってプリセットされ得る。遅延時間を、先述の期間のいずれかに亘って徐々に変化させることもできる。この利点は、事前警告によりユーザーに備えができるため、通常の警告でユーザーが目を覚さますのを事前警告が防止する点である。事前警告は、設定した警告の種類、レベル、頻度、強度、長さ、場所、振幅及び/又は刺激間隔に依存するか又は独立し得る。
【0031】
本発明のさらなる側面では、患者が例えばセンサを付けて寝るのを止めるか又はセンサを所定の期間用いてない場合に、睡眠姿勢警告装置は、それが再び用いられた時に再びトレーニングプログラムから始まるように自身を他のモードにリセットすることが想定される。上記装置がリセットされると、装置が再設定されるモード(どのプログラム)の選択を外部要因に基づいて又はユーザーにより設定することができる。所定の期間の後にリセットが起こるように設定することができる。あるいは、患者が自身で決定するか又は外部で測定された状況(例えば、姿勢、動き、目覚め、睡り、睡りの深さ)を変更することにより自動的に設定できる。例えば、モニタされる使用が所定のレベル(例えば、閾値の下限)に達した場合、装置は自身を別のモードにリセットできる。
【0032】
ユーザーは、ゆったりと目を覚まし、あらゆる姿勢(all positions)で眠れるのを楽しみにしていることが多く見受けられる。本発明の他の側面は、夜の終わり又は睡眠期間の終わり頃に刺激の強度又は種類を変更し、目覚めの前にユーザーがフィードバックを全く受けない終了期間が好ましくは存在する点にある。この側面によれば、上記装置は、夜の終わり頃に刺激の強度又は種類を自動的に変更するよう配置及び構成されている。ユーザーが装置からフィードバックを全く受けない「目覚め期間」が存在することが好ましい。この期間中、上記装置は警告刺激を積極的に提供しない。この変更は、所定の期間の後に起こるように設定するか、患者が自身で決定するか又は外部で測定された状況(例えば、姿勢、動き、目覚め、睡り、眠りの深さ)を変更することにより自動的に設定することができる。
【0033】
上記装置の使用に伴い、ユーザーは自身の進展具合を見てみたいと考える。本発明のさらに他の側面は診断期間(diagnosis periods)である。この期間中、装置は記録を行うのみでフィードバックを提供しない。これらの診断期間は、夜、睡眠、トレーニング期間又は使用期間の一部として設定され得る。これらの診断期間は、行動、睡眠中の時点に基づいて自動的に生成するか又はユーザーが自身で設定し得る。診断時期を経時的に長くしたり短くしたりして、仰向けで寝ないことを徐々に学習する期間に慣れるか又は肯定的な学習効果に慣れることができる(ユーザーが仰向けで寝ないことを学習したか試したい場合、ユーザーはそれを長くなった診断時期の間に記録できる)。
【0034】
図面を参照しながら、下記の説明で本発明を明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明に係る装置の好ましい実施形態を図示する。
図2図2は、ストラップを用いて本発明に係る装置を身体に装着した横たわる人を概略的に示す。
図3図3は、上記の装置が図2のストラップ上にどのように配置されているかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図2に、ベッド32に横たわる人31を示す。人31は、腰の周りにストラップ33を装着している。該ストラップを胸又は胴の他の位置の周りに、首又は頭の周りに装着してもよい。ストップ33の真ん中にポケット34が設けられ、図3から分かるように、ポケット34の内に睡眠姿勢警告装置35が収容されている。
【0037】
ストラップに代えて、装置35をタイトなシャツの専用ポケットの内に入れて装着することもできる。該装置を髪、身体、耳、ストラップ、ベルト又は下着、場合によっては装置を挿入可能な下着に取り付けるためにクリップを用いることも可能である。上記の装置を頭に装着するか又は取り付けるために、ヘッドキャップ、ビーニー帽又はヘッドバンドを用いることも可能である。ボタン、シール、ベルクロ(登録商標)といった他の手段又は他の取り付け方法を用いて、上記の装置を寝間着、ヘッドバンド、髪又は直接皮膚に設置することもできる。本発明を適所に保つのに生地(例えばTシャツの)を用いるリングも可能である。本発明を適所に保つのに鼻栓、耳栓又は耳カバーも選択肢となり得る。装置35を身体に取り付けるための他の手段も考えられる。上記の装置をユーザーの身体、とりわけ胴及び/又は首及び/又は頭に取り付けて、ユーザー31の身体及び/又は首及び/又は頭の動き及び向きを、装置35の動き及び向きに正しく関連させることのみが必須となる。
【0038】
図1は、装置35が取り得る構成要素構造の図である。構成要素の全てが制御ユニット1に直接又は非直接的に接続されている。制御ユニット1は、様々な構成要素間での通信及び構成要素間での信号の解釈を可能にする。通信及び信号の解釈は、制御ユニット1の方法又は所謂アルゴリズムを用いて定義される。
【0039】
具体的には、制御ユニットはハードウェア構成要素間の通信及びハードウェア構成要素の制御を可能にするプログラマブルマイクロコントローラである。制御ユニットは、異なるハードウェア構成要素と、上記装置に接続される外部アプリケーション/製品との間で全ての信号を伝達可能にする。さらに、制御ユニットは、装置の挙動のプログラミングを可能にし、状況(例えば、加速度計の値、フィードバック、いびき音、直立姿勢、等)にどのように対処すべきかを装置に伝えることができる。
【0040】
装置35は、重力作動センサ3(図1参照)をさらに含む。ユーザー31の身体の姿勢に直接関連する装置の姿勢を3次元で定義するために、重力作動センサは電子3軸加速度計/3軸MEMS加速度計であることが好ましい。測定が高頻度であり、加速の小さな変化への応答時間が早いため、MEMS加速度計を導入することが好ましい。
【0041】
上記装置は警告デバイスも含む。原則的に、特定の状況でユーザーが気付く任意の種類の警告、例えば嗅覚、聴覚、視覚、味覚及び触覚の電子刺激、振動触覚、(骨)伝導又は他のものを適用してもよい。例えば、警告デバイスは好ましくは振動モータ6により人31に振動触覚刺激を与えるように適合され得る。振動触覚フィードバックは(電気ショックの様に)ユーザー31が痛みを感じたり怪我したりすることがなく、また例えば音のようにユーザー31又はユーザー31のパートナーの睡眠リズムを妨げることがなく快適であるため、振動触覚フィードバックを用いることが好ましい。
【0042】
それに加えて、警告デバイスは、ユーザー31への可聴フィードバックのためにスピーカー14を含み得る。また、警告デバイスは、警告の種類の変化をユーザーに与えることができるように、(例えば、嗅覚、視覚、味覚及び触覚の電気刺激、(骨)伝導等を生成する)他の種類のアラートサブデバイスを含んでもよい。同じ刺激を提供すると慣れが生じる。従って、本発明は、この慣れ効果を防ぐために、刺激変化を用いることを提案する。刺激変化は、例えば、振動触覚、触覚、電磁、聴覚又は前述の刺激の種類の組み合わせといった刺激種類の変化を含み得る。
【0043】
あるいは又はそれに加えて、刺激変化は刺激の強度又は振幅の変化を含み得る。さらに、あるいは又はそれに加えて、刺激変化は刺激の長さ及び/又は刺激の頻度の変化を含み得る。あるいは又はそれに加えて、刺激変化は刺激間隔の変化を含み得る。さらに、刺激が与えられる場所の変化を刺激変化が含むことができるように、患者の身体の様々な場所に刺激を与えることもできる。
【0044】
上述の変化の種類をランダム化することができる。また、特定形態の刺激の範囲内で変化の種類をランダム化することができる。
【0045】
警告デバイスは、例えば介護者、看護師、親又は他の家族の一員による遠隔観察を可能にするために、他の装置との接続部をさらに備えていてもよい。
【0046】
装置35は、ユーザーに視覚的フィードバックを与えるために、ディスプレイ、好ましくはLEDディスプレイ7を含み得る。LEDの導入により、装置35は、例えばバッテリーの状態、記憶したイベント、動作モード、進展具合、占有(occupation)等を示すために、ユーザー31に視覚的フィードバックを用いた情報を送ることができる。
【0047】
装置35は、周囲から雑音又は音響レベルを検出するために、場合によってはいびきを検出するために、また場合によっては外乱(disturbances)を登録するために、サウンドセンサ、好ましくはマイクロホン4を有し得る。サウンドセンサの導入により、いびき音の検出が可能となる。そのため、ユーザーが望ましい姿勢でいびきをかいていたとしても、姿勢又は体位を変えるために(例えば、パートナーがそうする必要がないように)ある種のフィードバックが作動され、装置はいびきの防止に最適化される。
【0048】
装置は、検出した/計測したイベントを記憶するためにデータ記憶装置、好ましくはメモリ8を備え得る。イベントを登録することで、睡眠中の特定の時点で何が起きているかに関する情報を収集できる。これを別の時点で用いて、ユーザー又は他の様々な要素の決定、通知、診断、支援及び/又は助言を行うことができる。これはユーザーにフィードバックされてもよく、睡眠/睡眠観察に関する情報、イベントの保存と所定の動作との組み合わせ、ユーザーに何かを示して、計算、平均、図等を作成する。
【0049】
上記装置は、装置35をパーソナルコンピュータに接続できるように、記憶したデータを転送する機能、好ましくはUSBインターフェース10を備え得る。記憶したデータを転送する能力により、記憶したイベントの能力を向上させるために装置35を他の機器/ソフトウェア/製品と組み合わせる多くのオプションが可能となる。それにより、機器/製品/ソフトウェアの間で情報を転送又は交換して、ユーザーに新たな機能を提供するか又はユーザーに装置35内で記憶された情報へのさらなる見識を与えることができる。
【0050】
装置35はUSBインターフェース10を介して、あるいは又はそれに加えて、コンピュータ若しくは他の装置との通信用の無線インターフェース9を介して外部通信を有し得る。例えば、パーソナルコンピュータ、ベビーフォン(baby phone)等の外部機器との通信により、それらの装置の間で情報の交換を行うことができ、情報フィードバック、遠隔観察、遠隔データアップロード又は遠隔制御のためのオプションが可能になる。
【0051】
装置35は、装置35をワイヤレスで使用できるように電源13、好ましくは内蔵型バッテリーを有する。バッテリーを内蔵することで、コンセントを必要とせずに所望の場所で装置35を用いることができる。さらに、装置35がワイヤレスになるため、ユーザー31の快適性並びにベッド又は睡眠領域の内/周りで動く自由度及びそれから離れる自由度が向上する。
【0052】
上記装置は充電システム11、12を有し得る。充電システム11、12は、アダプタ又はパーソナルコンピュータを介して装置35のバッテリーの充電を可能にするUSBポート11を含むことが好ましい。充電システム11、12を用いてバッテリーを充電するということは、ユーザーは装置35を使い続けるために該製品を開ける必要がない及び/又はバッテリーを交換する必要がないことを意味する。これにより装置35への問題の発生が最小限に抑えられ、必要な電力を装置に供給するのが容易になる。上記装置が防湿性/防水性になるように、筐体に開口部を設けることなくバッテリーの充電を可能にする、誘導又は動作の交換(movement of exchange)に基づく充電システムが好ましい。
【0053】
装置35は、電子部品の過熱を定義して、温度が所定の閾値を上回った場合に電源を遮断するために温度スイッチ、好ましくは集積回路温度スイッチを含み得る。そのため、装置の過熱が防止され、リスクが最小限に抑えられる。
【0054】
上記の装置は温度検出手段、好ましくは内蔵温度センサ(integrated temperature sensor)5を含み得る。それに加えて、例えば体温を検出して睡眠の快適性を定義するために上記装置に接続された外部温度センサを含み得る。睡眠の快適性の定義は乳幼児を観察する上でとりわけ重要となり得る。内蔵温度センサ5の導入によって体温の測定が可能となり、フィードバック及び睡眠情報のより多くのオプションが可能となる。先ず、睡眠の質及び快適性を改善するために、睡眠中の高い温度をユーザーに示すことができる。また、特定の状況で注意を喚起することが可能であり、とりわけ乳幼児又は幼児の睡眠中の体温に関する情報をユーザーに与えることができる。乳幼児にとって、睡眠中の正確な体温は非常に重要である。
【0055】
さらに、装置35は、呼吸、いびき音、周囲の影響要因等の検出といった付加機能のために、例えばサウンドセンサ、ショックセンサ、湿度センサ等の追加の内蔵型検出手段(図示せず)を備え得る。また、装置35は、血液飽和度(blood saturation)、脳活動、エアフロー、呼吸、呼吸パターン、心拍数、筋肉の動き、いびき、無呼吸等の検出といった付加機能のために、例えば位置センサ、ショックセンサ、呼吸センサ等の外部センサ用のコネクタ(図示せず)を有し得る。
【0056】
装置35は、制御ユニットに日時を提供するために内部クロック15、好ましくは水晶振動子を含む。内部クロック15は、時間と関連させてイベントを登録して該イベントのためのタイムスタンプを形成できるようにする。このように、メモリ8及び/又はフィードバック(警告)への記憶のために、ユーザー31に与えられた情報を介してイベントが発生した時間をより正確に定義できる。
【0057】
上記装置は、コンピュータ上でロード可能なソフトウェアが同梱され得る。該ソフトウェアプログラムは、上記装置からコンピュータ35へのデータの転送、ダウンロード、保存、分析、表示及び/又は視覚化に用いられ得る。ソフトウェアプログラムは、上記装置によって記憶されたイベント及びデータの解釈、視覚化及び比較を可能にして、イベントのフィードバックを可能にする。このように、所定の時点で登録されたイベントを他の時点で伝達することができ、それを通じてユーザー31にユーザーの行動について知らせることができる。この最も有益な結果は、ユーザー31にさらなる見識を与えることで、改善した睡眠姿勢で眠るようにユーザーを誘い且つ訓練し、装置35の使用を促すことができることである。親、医者又は看護師等の外部者によるガイダンス、観察又は制御のためにこれを用いることもできる。ソフトウェアは、本発明と、パーソナルコンピュータ又はワールドワイドウェブに接続可能な外部製品又は外部機器との間でパラメータ、値、機能等を組み合わせるのに用いることができる。
【0058】
装置35は、制御ユニット1を作動させるために制御ユニット1に接続されたスイッチ2を有する。装置35が作動されると、加速度計3、マイクロホン4及び温度センサ手段5は測定を実行し、それが解釈のために制御ユニット1に送られる。
【0059】
加速度計3は、3つの次元x、y及びzの全てで測定される加速度についての値を返す。これらの値から、アクティビティ、動作及び/又は位置を導き出すことができる。マイクロホン4は、測定した音の周波数及び振幅についての値を返す。温度センサ手段5は、その周囲で測定した温度(例えば、体温、装置の温度等)についての値を返す。
【0060】
加速度計3、マイクロホン4又は温度センサ手段5からの信号が、制御ユニット1によって解釈された際に、例えば望ましくない体位、発生する無呼吸又はいびきといった所定の閾値を上回っていると、アクチュエータ6(例えば、振動モータ)が作動して体位を変える必要があることをユーザー31に示す。
【0061】
ユーザーへの視覚的フィードバックが必要になると、制御ユニット1はLEDディスプレイ7を作動させて、所定のシーケンスでLEDディスプレイ7の光をオンにする。
【0062】
予め記憶されるように設定されたイベントが制御ユニット1で発生すると、制御ユニット1から内部メモリ8に信号が送られてそれが記憶される。制御ユニット1は、必要な時にいつでもメモリ8に記憶された情報を読み出すこともできる。
【0063】
無線インターフェース9が制御ユニット1に接続されると、装置35は無線インターフェース9を介して外部機器の無線受信機16と通信することができる。
【0064】
USBポート11を介して外部機器が上記装置に接続されると、USBインターフェース10を介してUSBポート11と制御ユニット1との間で信号のやりとりが行われる。USBインターフェース10は、USBポート11からの信号を制御ユニット1への信号に変換し、また制御ユニット1からの信号をUSBポート11への信号に変換する。
【0065】
USBポート11を介して外部機器が上記装置に接続されると、充電制御部12により電力を電源13に送ることができる。充電制御部12は、USBポート11から電源13に電力を送ることを可能にする。
【0066】
電源13は、上記装置内の電力の供給を必要とする構成要素の全てに接続されている。電源13から制御ユニット1に送られる電力は、電源13の状態を定義するために制御ユニット1によって測定される。
【0067】
スピーカー14が制御ユニット1に接続されると、スピーカー14を介して音を生成するか又は警告音を鳴らすことができる。
【0068】
クロック15は制御ユニット1に直接接続され、日時を定義するために制御ユニット1に値を提供する。このクロック15からの情報は、制御ユニット1に記憶されたイベント用の日時をメモリ8に記憶するのに用いられる。
【0069】
USBポート11又は無線インターフェース9を介した、外部機器17のソフトウェアとの通信が可能であれば、制御ユニット1はソフトウェア17と情報又はプログラムのやりとりを行うことができる。
図1
図2
図3